JP5595422B2 - 臨界バンドに分けられたインパルス応答データから逆フィルタを決定する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、逆フィルタをかけられたラウドスピーカの出力を目標周波数応答に一致させる目的でラウドスピーカの周波数応答を変更するための逆フィルタを決定する方法及びシステムに関する。典型的な実施形態において、本発明は、多数の臨界周波数バンドの夫々におけるラウドスピーカのインパルス応答を示す測定された臨界バンドデータから当該逆フィルタを決定する方法である。
特許請求の範囲を含む本開示の全体を通して、(1又はそれ以上の音声信号の組の全周波数範囲の)「臨界周波数バンド」は、知覚的に動機付けられた考えに従って決定される全周波数範囲の周波数バンドを表す。通常、可聴周波数範囲を分割する臨界周波数バンドは、可聴周波数範囲にわたる周波数とともに増大する幅を有する。
特許請求の範囲を含む本開示の全体を通して、(全周波数範囲を有する音声を示す)「臨界バンドに分けられたデータ」は、全周波数範囲が臨界周波数バンドを含む(例えば、臨界周波数バンドに分割されている)ことを示し、該データがサブセットを有することを表し、サブセットの夫々は、臨界周波数バンドの異なった1つにおける音声コンテンツを示すデータから成る。
特許請求の範囲を含む本開示の全体を通して、信号又はデータに対して動作(例えば、フィルタリング又は変換)を行うということは、信号又はデータに対して直接的に、あるいは、信号又はデータの処理後のもの(例えば、動作の実行前に事前にフィルタリングを受けた信号)に対して動作を行うことを表すために、広い意味で使用される。
特許請求の範囲を含む本開示の全体を通して、「システム」は、デバイス、システム、又はサブシステムを表すために、広い意味で使用される。例えば、逆フィルタを決定するサブシステムは、逆フィルタシステムと呼ばれてよく、そのようなサブシステムを含むシステム(例えば、ラウドスピーカ及びラウドスピーカの信号経路において逆フィルタを適用する手段と、逆フィルタを決定するサブシステムとを有するシステム)は、逆フィルタシステムと呼ばれてもよい。
特許請求の範囲を含む本開示の全体を通して、スピーカによる信号の再生とは、スピーカに、信号のあらゆる必要とされる増幅及び/又は他の処理を行うことによって、信号に応答して音響を生成させることを表す。
逆フィルタリングは、電気音響システムにおける欠点をキャンセル又は低減することによって、ラウドスピーカ(又はラウドスピーカの組)の出力を聴く者の聴感を改善するために行われる。ラウドスピーカの信号経路において逆フィルタを用いることによって、おおよそフラットである(あるいは、他の所望の又は目標の形状を有する)周波数応答と、線形である(あるいは、他の所望の特性を有する)位相応答とが得られる。逆フィルタは、周波数応答において鋭いトランスデューサ共振と他の不規則性とを除くことができる。また、それは、過渡性と空間的な局在性とを改善することができる。従来技術では、グラフィック又はパラメトリック・イコライザが、前から存在するラウドスピーカの位相特性の上にそれら自体の位相特性を導入しながら、ラウドスピーカの音響出力の大きさを補正するために使用されている。つい最近の方法は、より細かい周波数分解能及び位相応答の両方の補正を可能にするデコンボリューション又は逆フィルタリングを実施する。逆フィルタリング方法は、音響システムに対する逆フィルタの適用により生じる望まない又は予期しない副次的な悪影響を減らすよう、一般に、平滑化及び正規化等の技術を用いる。
典型的なラウドスピーカのインパルス応答は、最大と最小(ピークと落ち込み)との間に大きな差を有する。ラウドスピーカ応答が空間内の単一の点で測定される場合、結果として得られる逆フィルタは、その一つの点についての応答のみを平らにする。次いで、インパルス応答測定におけるノイズ又は僅かな誤りは、完全に逆フィルタをかけられたシステムにおいて深刻な歪みをもたらす。このような状況を回避するよう、多数の空間測定が行われる。逆フィルタを最適化するまえにそれらの測定を平均化することで、空間的に平均化された応答が得られる。
ラウドスピーカがその線形な動作範囲外で駆動されないように適度に逆フィルタリングを適用することが重大である。適用される補正の量に対する全般的な限界は、全体的な正規化(global regularization)を考えられる。
劇的な又は限られた補償を回避するよう、計算において周波数依存の正規化を用いること、あるいは、(例えば、ディープノッチを補償することが望まれない場合に、そうすることを回避するよう)計算の間に生成される値の周波数依存の重み付けを行うこと、が可能である。例えば、2007年5月8日に発行された米国特許第7215787号明細書(特許文献1)は、ラウドスピーカのためのデジタル音声事前補償フィルタを設計する方法を記載する。フィルタは、周波数依存の重み付けを有して事前補償を適用するよう設計される。特許文献1は、ラウドスピーカの周波数応答の測定及びモデリングがより大きな誤差にさらされる場合に、周波数領域において適用される事前補償を減らすことができ、あるいは、聴取者の耳の感度がそれほどでない場合に、周波数領域において適用される事前補償を減らす知覚的な重み付けであってよい。
米国特許第7215787号明細書
本発明までは、逆フィルタの決定の間如何にして効率的に臨界バンド平滑化を実施すべきかは知られていなかった。例えば、ラウドスピーカのための逆フィルタを決定する方法であって、臨界バンド平滑化が、逆フィルタ決定の解析段の間にスピーカの測定されるインパルス応答に対して実行され、そのような臨界バンド平滑化の反対の処理が、逆フィルタを決定する逆フィルタをかけられた値を生成するよう、バンドフィルタ値に対して、逆フィルタ決定の合成段の間に実行されるところの方法を如何にして実施すべきかは、知られていなかった。
本発明までは、固有フィルタ理論を適用することによって(例えば、ストップバンド及びパスバンド誤差をレーリー指数として表すことによって)、あるいは、線形等化システムを解くことによって平均二乗誤差表現を最小化することによって如何にして効率的に逆フィルタ決定を行うべきかも、知られていなかった。
実施形態によれば、本発明は、(ラウドスピーカの信号経路において適用される逆フィルタを用いて)逆フィルタをかけられたラウドスピーカの出力を目標周波数応答に一致させる目的でラウドスピーカの周波数応答を変更するための逆フィルタを決定する、知覚的に動機付けされた方法である。好ましい実施形態において、逆フィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタである。代替的に、逆フィルタは、他のタイプのフィルタであってよい(例えば、IIRフィルタ又はアナログ回路とともに実装されるフィルタ)。任意に、当該方法は、ラウドスピーカの信号経路において逆フィルタを適用するステップを更に有する(例えば、スピーカへの入力に逆フィルタをかける。)。目標周波数応答は、フラットであっても、あるいは、何らかの他の所定形状を有してもよい。幾つかの実施形態では、逆フィルタは、ラウドスピーカの出力の大きさを補正する。他の実施形態では、逆フィルタは、ラウドスピーカの出力の大きさ及び位相の両方を補正する。
好ましい実施形態において、ラウドスピーカのための逆フィルタを決定する本発明の方法は、複数の異なる位置の夫々で前記ラウドスピーカのインパルス応答を測定するステップと、平均インパルス応答を決定するよう前記測定されたインパルス応答を時間的に整列して平均を求めるステップと、臨界周波数バンド平滑化を用いて前記平均インパルス応答及び目標周波数応答から前記逆フィルタを決定するステップとを有する。例えば、臨界周波数バンド平滑化は、逆フィルタの決定の間、平均インパルス応答と、任意に目標周波数応答とに適用されてよく、あるいは、目標周波数応答を決定するために適用されてよい。多数の空間的な位置におけるインパルス応答の測定は、スピーカの周波数応答が様々な聴取位置について決定されることを確かにすることができる。幾つかの実施形態では、測定されたインパルス応答の時間整列は、実数ケプストラム及び最小位相再構成技術を用いて行われる。
幾つかの実施形態において、平均インパルス応答は、離散フーリエ変換(DFT)又は他の時間周波数領域変換を介して周波数領域に変換される。結果として得られる周波数成分は、測定平均インパルス応答を示す。これらの周波数成分は、k個の変換ビンの夫々において(kは通常256又は512である。)、より少ないb個の臨界周波数バンド(例えば、b=20バンド又はb=40バンド)において周波数領域データにまとめられる。臨界バンドに分けられたデータへの平均インパルス応答のバンディングは、人間の聴覚システムの周波数分解能を模倣すべきである。通常、バンディングは、適切な臨界バンドフィルタを適用する(通常、異なったフィルタが臨界周波数バンドごとに適用される。)ことによって変換周波数ビンにおいて周波数成分を重み付けし、臨界周波数バンドごとにそのバンドの重み付けされたデータを加算することによって周波数成分を生成することで行われる。通常、それらのフィルタは、近似的にまるめられた指数形状を示し、等価方形バンド幅(ERB(Equivalent Rectangular Bandwidth))において一様に間隔をあけられる。臨界周波数バンドの周波数における間隔及び重なりは、人間の聴覚システムの能力に応じた、測定されたインパルス応答の正規化の程度を提供する。臨界バンドフィルタの適用は、臨界バンド平滑化の一例である(通常、臨界バンドフィルタは、知覚的に関連がないインパルス応答の不規則を取り除いて、決定された逆フィルタが、これらのディテールを補正するリソースを浪費する必要がないようにする。)。
代替的に、平均インパルス応答データは、知覚的に関連がない周波数ディテールを取り除くよう他の方法で平滑化される。例えば、耳の感度が比較的悪い臨界周波数バンドにおける平均インパルス応答の周波数成分は平滑化されてよく、耳の感度が比較的高い臨界周波数バンドにおける平均インパルス応答の周波数成分は平滑化されない。
他の実施形態では、臨界バンドフィルタは、(知覚的に関連がない不規則を取り除くよう)目標周波数応答に適用され、あるいは、目標周波数応答は、知覚的に関連がない周波数ディテールを取り除くよう他の方法で平滑化され(例えば、臨界バンド平滑化を受け)、あるいは、目標周波数応答は、臨界バンド平滑化を用いて決定される。
逆フィルタを決定するための値は、周波数窓(例えば、臨界周波数バンド)において目標応答及び平均インパルス応答から(例えば、それらの平滑化されたものから)決定される。逆フィルタを決定するための値が(逆フィルタ決定の解析段の間)臨界周波数バンドにおいて目標応答及び(臨界バンド平滑化を受けた)平均インパルス応答から決定される場合、それらの値は、逆フィルタを決定する逆フィルタをかけられた値を生成するよう、(逆フィルタ決定の合成段の間)臨界バンド平滑化の逆を受ける。通常、b個の値(b個の臨界周波数バンドごとに1つの値)が存在し、上記臨界バンドフィルタの逆フィルタがb個の値に適用されて、k個の周波数ビンごとに1つであるk(kはbよりも大きい。)個の逆フィルタをかけられた値を生成する。幾つかの場合において、逆フィルタをかけられた値は逆フィルタである。他の場合において、逆フィルタをかけられた値は、逆フィルタを決定する処理された値を決定するよう、その後の処理(例えば、局所的な及び/又は全体的な正規化)を受ける。
また、通常、スピーカの周波数応答の低周波カットオフ(通常、−3dB点)が(通常、臨界バンドグルーピングに続いて、臨界バンドに分けられたインパルス応答データから)決定される。逆フィルタを決定する際に使用するためにこのカットオフを決定することは有用であり、それにより、逆フィルタは、カットオフを下回る周波数を過度に補償してスピーカを非線形に駆動しようとしない。
臨界バンドに分けられたインパルス応答データは、所望の目標応答を達成する逆フィルタを見つけるために使用される。目標応答は、それが一様な周波数応答であること意味する「フラット」であってよく、あるいは、それは他の特性(例えば、高周波での僅かなロールオフ)を有してよい。目標応答は、ラウドスピーカのパラメータ及び使用場面に依存して変化してよい。
通常、逆フィルタの低周波カットオフ及び目標応答は、スピーカの測定された応答の以前に決定された低周波カットオフを整合させるよう調整される。また、他の局所正規化が、スペクトル成分を補償するよう逆フィルタの様々な臨界バンドに対して行われてよい。
逆フィルタを用いる場合に等しいラウドネスを保つために、望ましくは、逆フィルタは、共通の音を表すスペクトルを有する基準信号(例えば、ピンクノイズ)に対して正規化される。逆フィルタの全体のゲインは、基準信号に適用される元のインパルス応答に適用される逆フィルタの重み付けrms値(例えば、従来の重み付けされた電力パラメータLeqC)が、基準信号に適用される元のインパルス応答の同じ重み付けrms値と等しくなるように調整される。この正規化は、逆フィルタが大部分の音声信号に適用される場合に、音声の認知されるラウドネスがシフトしないことを確かにする。
通常、また、全体的な最大ゲインは、所定量に又は所定量だけ制限される。この全体的な正規化は、スピーカがあらゆるバンドにおいて駆動されにくいことがないことを確かにするよう使用される。
任意に、周波数時間領域変換(例えば、周波数領域平均インパルス応答データを生成するよう平均インパルス応答に適用される変換の逆変換)は、時間領域逆フィルタを得るために逆フィルタに適用される。これは、周波数領域処理が逆フィルタの実際の適用において起こらない場合に有用である。
他の実施形態では、逆フィルタ係数は、時間領域において直接的に計算される。しかし、設計目標は、誤差表現(例えば、平均二乗誤差表現)を最小化する目的をもって周波数領域において定式化される。最初に、複数の位置でスピーカのインパルス応答を測定し、測定されたインパルス応答を時間的に整列して平均を求めるステップが、(例えば、逆フィルタ係数が周波数領域計算によって決定される本願で記載される実施形態と同じように)行われる。平均インパルス応答は、任意に窓化され、不要な周波数ディテールを取り除くよう平滑化される(例えば、バンドパスフィルタをかけられた平均インパルス応答は、異なる周波数窓において決定され、選択的に平滑され、それにより、バンドパスフィルタをかけられ平滑化されたものが、平滑化された平均インパルス応答を決定するようにする。)。例えば、平均インパルス応答は、耳の感度が比較的悪い臨界周波数バンドにおいて平滑化されてよく、耳の感度が比較的高い臨界周波数バンドにおいては平滑化されない(すなわち、ほとんど平滑化を受けない。)。また、任意に、目標応答は窓化されて、不要な周波数ディテールを取り除くよう平滑化され、及び/又は、逆フィルタを決定するための値は、窓において決定され、不要な周波数ディテール取り除くよう平滑化される。目標応答と平均(任意に、平滑化された)インパルス応答との間の誤差(例えば、平均二乗誤差)を最小とするよう、本発明の方法の典型的な実施形態は2つのアルゴリズムのうちのいずれか一方を用いる。第1のアルゴリズムは、固有フィルタ設計理論を実施し、第2のアルゴリズムは、線形等化システムを説くことによって平均二乗誤差表現を最小化する。
第1のアルゴリズムは、ラウドスピーカの測定され平均化されたインパルス応答と目標応答とから決定される誤差関数を定式化し最小化するよう固有フィルタ理論を実施することによって、逆フィルタを決定するよう(ストップバンド及びパスバンド誤差をレーリー指数として表すことによって)固有フィルタ理論を適用する。例えば、逆フィルタの係数g(n)は、(行列Pの最小固有値を決定することによって)全誤差についての式を最小化することによって決定されてよい。全誤差についての式は次の通りである:
Figure 0005595422
ここで、行列Pは、パスバンド制約及びストップバンド制約を含む合成システム行列であり、行列gは逆フィルタを決定し、αは、パスバンド誤差εに対してストップバンド誤差εを重み付けする。
望ましくは、第2のアルゴリズムは、逆フィルタの全範囲の周波数セグメント(例えば、等幅の周波数バンド、又は臨界周波数バンド)を決定するよう閉形式(closed form expressions)を用いる。例えば、閉形式は、逆フィルタの係数g(n)を決定するよう最小化される全誤差関数
Figure 0005595422
において重み付け関数W(ω)及び零位相関数P(ω)に関して用いられる。ここで、目標周波数応答はP(ejω)=P(ω)e−jωgdであり、gは所望のグループ遅延であり、周波数係数H(ejω)は平均インパルス応答h(n)のフーリエ変換を決定し、周波数係数G(ejω)は逆フィルタのフーリエ変換を決定し、誤差関数は、ラウドスピーカの全周波数範囲がk個の範囲(下端周波数ωから上端周波数ωまでの夫々)に分けられる場合に、
Figure 0005595422
を満足し、夫々の範囲についての誤差関数は、
Figure 0005595422
である。
時間領域において逆フィルタを決定する本発明方法の実施形態は、通常、次の特徴のうちの少なくとも幾つかを実施する:
・ 逆フィルタを決定するよう最小化される誤差表現において調整可能なグループ遅延が存在する;
・ 逆フィルタは、ラウドスピーカの逆フィルタをかけられた応答が線形又は最小位相のいずれかを有するように、設計されてよい。線形位相補償は過渡信号について注目に値するプレリンギングを生じさせることがあり、一方、幾つかの場合では、線形位相挙動は、所望のステレオ画像を生成するために求められる;
・ 正規化が適用される。全体的な正規化は、逆フィルタにおいて大きいゲインを不利にし及び/又は計算を安定させるために、適用されてよい。また、周波数依存の正規化が、任意の周波数範囲におけるゲインを不利にするために、適用されてよい;
・ 逆フィルタを決定する当該方法は、(逆フィルタが、選択された周波数範囲についてのみ位相正規化を実施するように)任意の周波数範囲のオールパス処理を実行するよう、又は(逆フィルタが、選択された周波数範囲について大きさも位相も正規化しないように)任意の周波数のパススルー処理を実行するよう、実施されてよい。
時間領域において逆フィルタを決定する本発明の方法の幾つかの実施形態、及び周波数領域において逆フィルタを決定する幾つかの実施形態は、次の特徴の全て又は幾つかを実施する:
・ (測定され平均化されたインパルス応答の)臨界周波数バンド平滑化は、正常に動作するフィルタ応答を得るよう実施される。例えば、臨界バンドフィルタは、知覚的に関連がない測定平均インパルス応答の不規則を取り除いて、それにより、決定された逆フィルタが、そのようなディテールを補正するリソースを浪費しないようにすることができる。これは、逆フィルタが、耳が感知する場合にのみ、選択的にスピーカの周波数応答を補正するのに有用でありながら、非常に大きいピーク又はくぼみを示さないことを可能にすることができる;
・ 正規化は、(変換ビンごとではなく)臨界周波数バンドごとに行われる;
・ 等ラウドネス補償が、(例えば、基準信号に適用される元のインパルス応答に適用される逆フィルタの重み付けrms値が、基準信号に適用される元のインパルス応答の同じ重み付けrms値に等しくなるように、逆フィルタの全体のゲインを調整するよう)実施されるよう。この等ラウドネス補償は、逆フィルタが大部分の音声信号に適用される場合に、音声の認知されるラウドネスがシフトしないことを確かにすることができる正規化の一種である。
典型的な実施形態において、逆フィルタを決定する本発明のシステムは、ソフトウェア(若しくはファームウェア)によりプログラミングされる汎用の若しくは特別目的のプロセッサであり若しくは該プロセッサを有し、及び/又は、そうではなく、本発明の方法の実施形態を実施するよう構成される。幾つかの実施形態において、本発明のシステムは、ラウドスピーカの測定されるインパルス応答と目標応答とを示す入力データを受け取るよう結合され、本発明の方法の実施形態を実行することで前記入力データに応答して逆フィルタを示す出力データを生成するよう(適切なソフトウェアにより)プログラミングされる汎用のプロセッサである。
本発明の態様は、本発明の方法のあらゆる実施形態を実施するよう構成される(例えば、プログラミングされる)システムと、本発明の方法のあらゆる実施形態を実施するためのコードを格納するコンピュータ可読媒体(例えば、ディスク)とを含む。
本発明に従って逆フィルタを決定するシステムの実施形態の概略図である。 同じラウドスピーカについて測定される複数のインパルス応答の夫々の周波数応答の図である(すなわち、夫々の周波数応答は、測定された時間領域の周波数応答の1つの周波数領域表現である。)。夫々の周波数応答は、ラウドスピーカが該ラウドスピーカに対して異なった空間的位置で同じインパルスにより駆動されることで測定される。 図2の平均周波数応答20のグラフ、及び平均周波数応答20を決定する周波数成分の臨界バンド平滑化により得られる図2の平均応答20の平滑化されたものである平滑化された周波数応答21のグラフである。 図3の平滑化された周波数応答21から(全体的な正規化により)決定される逆フィルタ22のグラフである(曲線21は図4にも示されている。)。逆フィルタ22は、+6dB最大ゲインの制限を有する応答21の逆である。 図3の平滑化された周波数応答21を有するスピーカの信号経路における(図4の)逆フィルタ22の適用により得られる平滑化され逆フィルタをかけられた周波数応答23のグラフである。曲線21は図5にも示されている。 スピーカ11の信号経路において(図4)の逆フィルタ22を適用することによって得られるスピーカ11の逆フィルタをかけられた周波数応答25のグラフである。スピーカの平均周波数応答20は図6に示されている。 k=1024個のフーリエ変換ビンにおける周波数成分を、フィルタをかけられた周波数成分のb=40個の臨界周波数バンドにグループ化するよう、図1のコンピュータ4の実施において用いられるフィルタのグラフである。 本発明の方法の実施形態に従って、時間領域において逆フィルタを生成するために用いられるインパルス応答及び逆フィルタの図である。かかる実施形態は、係数h(n)(0≦n<M)を有するラウドスピーカの平均インパルス応答(図8では、「チャネルインパルス応答」と表される。)に適用される場合に、係数y(n)(0≦n<N)を有する結合インパルス応答を該結合インパルス応答が目標インパルス応答に一致するように生成する、ここで時々gと称される有限インパルス応答(FIR)逆フィルタの時間領域係数g(n)を決定する(0≦n<L)。 線形等化システムを解くことによって平均二乗誤差表現を最小とする本発明の方法の実施形態に従って、時間領域において逆フィルタを生成するために用いられるインパルス応答及び逆フィルタの図である。かかる実施形態は、係数h(n)(0≦n<M)を有するラウドスピーカの平均インパルス応答(図9では、「チャネルインパルス応答」と表される。)に適用される場合に、係数y(n)(0≦n<M+L−1)を有する結合インパルス応答を生成する、ここで時々gと称される有限インパルス応答(FIR)逆フィルタの時間領域係数g(n)を決定する(0≦n<L)。かかる実施形態では、誤差表現は、結合インパルス応答係数と所定の目標インパルス応答の係数p(n)との間の差を示す。誤差表現によって決定される平均二乗誤差は、逆フィルタ係数g(n)を決定するよう最小化される。
本発明の多くの実施形態が技術的に可能である。それらがどのように実施されるのかは、本開示から当業者には明らかである。本発明のシステム、方法、及び媒体の実施形態は、図1〜9を参照して記載される。
図1は、本発明に従って逆フィルタを決定するシステムの実施形態の概略図である。図1のシステムは、コンピュータ2及び4と、(データケーブル10によってコンピュータ4に結合された)サウンドカード5と、(データケーブル16によってコンピュータ2に結合された)サウンドカード3と、サウンドカード5の出力部とサウンドカード3の入力部との間に結合されたオーディオデーブル12及び14と、マイクロホン6と、前置増幅器(プリアンプ)7と、(マイクロホン6とプリアンプ7の入力部との間に結合された)オーディオケーブル18と、(プリアンプ7の出力部とサウンドカード5の入力部との間に結合された)オーディオケーブル19とを有する。典型的な実施形態において、システムは、ライドスピーカ(例えば、図1のコンピュータ2のラウドスピーカ11)に対する複数の異なった空間的位置の夫々でラウドスピーカ11のインパルス応答を測定し、且つ、ラウドスピーカ11のための逆フィルタを決定するよう動作することができる。図1を参照して、典型的な実施において、測定は、スピーカに音声信号(例えば、インパルス信号、又は、より一般的には、ノイズスイープ若しくは疑似ランダムノイズ信号)をアサートして、夫々の位置において次のようにスピーカの応答を測定することによって、行われる。
スピーカ11に対して第1の位置に位置付けられているマイクロホン6を用いると、コンピュータ4は、音声信号を示すデータを生成し、そのデータをサウンドカード5へケーブル10を介してアサートする。サウンドカード5は、音声信号をサウンドカード3へオーディオケーブル12及び13を介してアサートする。これに応じて、サウンドカード3は、音声信号を示すデータをコンピュータ2へデータケーブル16を介してアサートする。これに応答して、コンピュータ2は、ラウドスピーカ11に音声信号を再生させる。マイクロホン6は、これに応答してスピーカ11によって発せられた音を測定し(すなわち、マイクロホン6は、第1の位置でスピーカ11のインパルス応答を測定し)、マイクロホン6の増幅された音声出力がプリアンプ7からカード5へアサートされる。これに応答して、サウンドカード5は、第1の位置でのスピーカ11のインパルス応答を示すインパルス応答データを生成するよう、増幅された音声に対してアナログデジタル変換を行い、そして、生成されたデータをコンピュータ4へアサートする。
次いで、上記ステップは、スピーカ11に対して異なった位置に再配置されたマイクロホン6を用いて行われ、新しい位置でのスピーカ11のインパルス応答を示すインパルス応答データの新しい組が生成されて、サウンドカード5からコンピュータ4へアサートされる。通常、これら全てのステップの複数回の繰り返しは、スピーカ11に対する異なった位置でのスピーカ11のインパルス応答を示すインパルス応答データの異なった組をコンピュータ4へアサートするたびに、行われる。
図2は、同じラウドスピーカについて測定される複数のインパルス応答の夫々の周波数応答の図である(すなわち、夫々の周波数応答は、測定された時間領域の周波数応答の1つの周波数領域表現である。)。夫々の周波数応答は、ラウドスピーカが該ラウドスピーカに対して異なった空間的位置で同じインパルスにより駆動されることで測定される。
コンピュータ4は、スピーカ11の平均インパルス応答を示すデータを生成するよう、測定されたインパルス応答の全ての組を時間的に整列して平均を求め(スピーカ11のインパルス応答は、マイクロホン6の全ての位置に対して平均化される。)、この平均インパルス応答データを用いて、ラウドスピーカ11の周波数応答を変更する逆フィルタを決定するよう本発明の方法の実施形態を実行する。代替的に、平均インパルス応答データは、逆フィルタを決定するためにコンピュータ4以外のシステム又は装置によって用いられる。
図2(及び図3)の曲線20は、マイクロホン6の全ての位置に対して平均を求められた、(コンピュータ4によって決定される)スピーカ11の平均インパルス応答の周波数応答のグラフである(すなわち、平均周波数応答20は、スピーカ11の時間領域平均インパルス応答の周波数領域表現である。)。
図1のシステムのコンピュータ4及び他の要素は、測定インパルス応答データを生成し、該測定インパルス応答データに応答して平均インパルス応答を生成するよう、様々なインパルス応答測定技術(例えば、MLS相関解析、時間遅延分光分析、線形/対数正弦スイープ、デュアルFFT技術、及び他の従来の技術)のいずれかを実施することができる。
逆フィルタは、ラウドスピーカ11の信号経路において適用される逆フィルタを用いて、ラウドスピーカの逆フィルタをかけられた出力が目標周波数応答を有するように、決定される。目標周波数応答は、フラットであっても、又は、何らかの所定の形状を有してもよい。幾つかの実施形態において、逆フィルタは、ラウドスピーカ11の出力の大きさを補正する。他の実施形態において、逆フィルタは、ラウドスピーカ11の出力の大きさ及び位相の両方を補正する。
幾つかの実施形態において、コンピュータ4は、測定され平均化されたインパルス応答を示す、k(kは通常512又は256である。)個の変換ビンにおける周波数成分を生成するよう、平均インパルス応答に対して時間周波数領域変換(例えば、離散フーリエ変換)を実行するようプログラミングされ且つ別なふうに構成される。コンピュータ4は、臨界バンドに分けられたデータ、すなわち、臨界バンドデータを生成する、それらの周波数成分を結合する。臨界バンドデータは、b個の臨界周波数バンドの夫々における平均インパルス応答を示す周波数領域データである。なお、bはkよりも小さい数である(例えば、b=20バンド又はb=40バンド)。コンピュータ4は、目標周波数応答を示す周波数領域データ(「目標応答データ」)及び臨界バンドデータに応答して(周波数領域において)逆フィルタを決定するために本発明の方法の実施形態を実行するようプログラミングされ且つ別なふうに構成される。
他の実施形態では、コンピュータ4は、平均インパルス応答データに対して時間周波数領域変換を明示的に実行することなしに、目標周波数応答を示す時間領域データ(時間領域の「目標応答データ」)及び平均インパルス応答データに応答して(時間領域において)逆フィルタを決定するために本発明の方法の実施形態を実行するようプログラミングされ且つ別なふうに構成される。このよう実施形態の幾つかにおいて、コンピュータ4は、(例えば、平均インパルス応答データに適切にフィルタをかけることによって)平均インパルス応答データに応答して臨界バンドデータを生成し、目標応答データ及び臨界バンドデータに応答して逆フィルタを決定する。これに関連して、臨界バンドデータは、複数の臨界周波数バンド(例えば、20又は40個の臨界周波数バンド)の夫々における平均インパルス応答を示す時間領域データである。
通常、コンピュータ4は、周波数窓(例えば、臨界周波数バンド)において、目標応答及び(例えば、平滑化された)平均インパルス応答から、逆フィルタを決定するための値を決定する。例えば、逆フィルタを決定するためのb個(b個の臨界周波数バンドの夫々について1つ)の値が(逆フィルタ決定の解析段の間に)(臨界バンド平滑化を受けた)平均インパルス応答データと目標応答とから決定された場合に、コンピュータ4は、逆フィルタを決定する逆フィルタをかけられた値を決定するよう(逆フィルタ決定の合成段の間に)臨界バンド平滑化の逆処理をそれらの値に対して行う。この例では、上記臨界バンドフィルタの逆が、k個(k個の周波数ビンの夫々について1つ)の逆フィルタをかけられた値を生成するよう、b個の値に適用される(kはbよりも大きい。)。幾つかの場合において、逆フィルタをかけられた値は逆フィルタである。他の場合において、逆フィルタをかけられた値は、逆フィルタを決定する処理された値を決定するよう、その後の処理(例えば、局所的な及び/又は全体的な正規化)を受ける。
他の実施形態では、コンピュータ4は、平均インパルス応答データに応答して臨界バンドデータを生成せず、(例えば、後述される時間領域方法の1つを実行することによって)目標応答データ及び平均インパルス応答データに応答して逆フィルタを決定する。
逆フィルタを決定した後、コンピュータ4は、逆フィルタを示すデータ(例えば、逆フィルタ係数)をメモリ(例えば、図1のUSBフラッシュドライブ8)に格納する。逆フィルタデータは、コンピュータ2によって読み出され(例えば、コンピュータ2は、ドライブ8から逆フィルタデータを読み出す。)、ラウドスピーカ11の信号経路において逆フィルタを適用するためにコンピュータ2(又はコンピュータ2に結合されたサウンドカード)によって用いられてよい。代替的に、逆フィルタデータは、コンピュータ4からコンピュータ2(又はコンピュータ2に結合されたサウンドカード)へ別なふうに送られてよく、コンピュータ2(及び/又はコンピュータ2に結合されたサウンドカード)は、ラウドスピーカ11の信号回路において逆フィルタを適用する。
例えば、逆フィルタは、コンピュータ4によって(メモリ8に)記憶されているドライバソフトウェアに含まれてよい。ドライバソフトウェアは、ラウドスピーカ11によって再生される音声データに逆フィルタを適用するようサウンドカード又はコンピュータ2の他のサブシステムをプログラミングするためにコンピュータ2へアサートされる(例えば、コンピュータ2によってメモリ8から読み出される)。ラウドスピーカ11(又は、本発明に従って決定される逆フィルタが適用されるべき他のスピーカ)の典型的な信号経路において、ラウドスピーカによって再生される音声データは、(逆フィルタによって)逆フィルタをかけられ、他のデジタル信号処理を受け、次いで、デジタルアナログ変換器(DAC)においてデジタルアナログ変換を受ける。ラウドスピーカは、DACのアナログ音声出力に応答して音を発する。
通常、図1のコンピュータ2は、ノートブック型又はラップトップ型コンピュータである。代替的に、逆フィルタが(本発明に従って)決定されるラウドスピーカはテレビ受像機若しくは他の民生機器又はその他の装置若しくはシステムに内蔵されている(例えば、それは、A/V受信器又は他の要素がラウドスピーカの信号経路において逆フィルタを適用するホームシアター又はステレオシステムの要素である。)。逆フィルタを決定する際に使用される平均インパルス応答データを生成する同じコンピュータは、平均インパルス応答データに応答して逆フィルタを決定するソフトウェアを実行する必要がない。別のコンピュータ(又は他の装置若しくはシステム)がそれらの機能を実行するために用いられてよい。
本発明の典型的な実施形態は、製造者の又は小売人の製品(例えば、フラットパネル型テレビ、又はラップトップ型若しくはノートブック型コンピュータ)に含まれるラウドスピーカについて逆フィルタ(例えば、逆フィルタを決定する係数の組)を決定する。製造者又は小売人以外の他のエンティティがラウドスピーカのインパルス応答を測定して逆フィルタを決定し、該逆フィルタを、製品内のスピーカ用ドライバに逆フィルタを組み込む(あるいは、逆フィルタがスピーカの信号経路において適用されるように別なふうに構成する)製造者又は小売人に提供することが考えられる。代替的に、本発明の方法は、インパルス応答測定を行って、逆フィルタを決定し、該逆フィルタを関連するスピーカの信号経路において適用することによって、製品ユーザ(例えば、消費者)の制御下で、適切に予めプログラミングされた及び/又は予め設定された消費者製品(例えば、A/V受信器)において実行される。
平均インパルス応答データが臨界バンドデータにまとめられる実施形態において、望ましくは、バンディングは、人間の聴覚システムの周波数分解能を模倣する。(図1の)コンピュータ4が、測定され平均化されたインパルス応答を示す、k個の変換ビン(kは通常512又は256である。)の夫々における周波数成分を生成するよう平均インパルス応答データに対して時間周波数領域変換を実行し、それらの周波数成分を結合して臨界バンドデータを生成し、臨界バンドデータを用いて(周波数領域において)逆フィルタを決定するところの記載される実施形態の幾つかの実施において、バンディングは次のように行われる。コンピュータ4は、適切なフィルタを適用することによって変換周波数ビンにおいて周波数成分を重み付けし(通常、異なったフィルタが臨界周波数バンドごとに適用される。)、臨界周波数バンドの夫々について当該バンドの重みデータを加算することによって周波数成分を生成する。
通常、異なるフィルタが臨界周波数バンドごとに適用され、それらのフィルタは、近似的にまるめられた指数形状を示し、等価方形バンド幅(ERB)スケールにおいて一様に間隔をあけられる。ERBスケールは、聴覚フィルタのバンド幅及び間隔を近似する心理音響学で用いられる指標である。図7は、1つのERBの間隔を有するフィルタの適切な組を表し、1024個の周波数ビンkの夫々における周波数成分への適用のために、トータル40個の臨界周波数バンドbをもたらす。
臨界周波数バンドの周波数における間隔及び重なりは、人間の聴覚システムの能力に応じた、測定されたインパルス応答の正規化の程度を提供する。通常、臨界バンドフィルタは、知覚的に関連がないインパルス応答の不規則を取り除いて、最終的な補正フィルタが、これらのディテールを補正するリソースを浪費する必要がないようにする。代替的に、平均インパルス応答(及び、任意に、結果として得られる逆フィルタ)は、知覚的に関連がない周波数ディテールを取り除くよう他の方法で平滑化される。例えば、耳の感度が比較的悪い臨界周波数バンドにおける平均インパルス応答の周波数成分は平滑化されてよく、耳の感度が比較的高い臨界周波数バンドにおける平均インパルス応答の周波数成分は平滑化されない。
図3の曲線21は、図2の曲線20(曲線20は図3に示されている。)を決定する周波数成分の臨界バンド平滑化から得られるスピーカ11の平滑化された周波数応答(スピーカ11の平均インパルス応答の周波数領域表現である図3の曲線の平滑化されたもの)のグラフである。曲線21は、曲線20によって決定される平滑化された平均インパルス応答の周波数領域表現であり、曲線20を決定する周波数成分の臨界バンド平滑化により得られる。
また、通常、コンピュータ4は、(臨界バンドフィルタリングに続いて)一般的に臨界バンドデータから、スピーカ11の周波数応答の低周波カットオフ(通常、−3dB点)を決定する。逆フィルタを決定する際に使用するためにこのカットオフを決定することは有用であり、それにより、逆フィルタは、カットオフを下回る周波数を過度に補償してスピーカを非線形に駆動しようとしない。
通常、逆フィルタの低周波カットオフ及び目標応答は、スピーカの測定された応答の以前に決定された低周波カットオフを整合させるよう調整される。また、他の局所正規化が、スペクトル成分を補償するよう逆フィルタの様々な臨界バンドに対して行われてよい。
逆フィルタを用いる場合に等しいラウドネスを保つために、望ましくは、逆フィルタは、共通の音を表すスペクトルを有する基準信号(例えば、ピンクノイズ)に対して正規化される。逆フィルタの全体のゲインは、基準信号に適用される元のインパルス応答に適用される逆フィルタの重み付けrms値(例えば、従来の重み付けされた電力パラメータLeqC)が、基準信号に適用される元のインパルス応答の同じ重み付けrms値と等しくなるように調整される。この正規化は、逆フィルタが大部分の音声信号に適用される場合に、音声の認知されるラウドネスがシフトしないことを確かにする。
通常、また、逆フィルタによって適用される全体的な最大ゲインは、所定量に又は所定量だけ制限される。この全体的な正規化は、スピーカがあらゆるバンドにおいて駆動されにくいことがないことを確かにするよう使用される。例えば、図4は、図3の平滑化された周波数応答21から決定される逆フィルタ22のグラフであり、これは、そのような全体的な正規化を示す。曲線21も図4には示されている。逆フィルタ22は、+6dB最大ゲインの制限を有する応答21の逆である。逆フィルタ22は、応答21によって示される低周波カットオフを整合させる目標応答の低周波カットオフにより決定される。図5は、図3及び図4に示される周波数応答21を有するスピーカの信号経路における(図4の)逆フィルタ22の適用により得られる平滑化され逆フィルタをかけられた周波数応答23のグラフである。曲線21も図5には示されている。
図6は、スピーカ11の信号経路において(図4)の逆フィルタ22を適用することによって得られるスピーカ11の逆フィルタをかけられた周波数応答25のグラフである。(図2を参照して上述された)スピーカの平均周波数応答20も図6には示されている。
任意に、本発明の方法は、時間領域逆フィルタを得るよう(周波数領域において決定された周波数係数を有する)逆フィルタに周波数時間領域変換(例えば、本発明の幾つかの実施形態においては、周波数領域平均インパルス応答データを生成するよう平均インパルス応答に適用される変換の逆変換)を適用するステップを有する。これは、周波数領域処理が逆フィルタの実際の適用において起こらない場合に有用である。
他の実施形態では、逆フィルタ係数は、時間領域において直接的に計算される。しかし、設計目標は、誤差表現(例えば、平均二乗誤差表現)を最小化する目的をもって周波数領域において定式化される。最初に、複数の位置でスピーカのインパルス応答を測定し、測定されたインパルス応答を時間的に整列して平均を求めるステップが、(例えば、逆フィルタ係数が周波数領域計算によって決定される実施形態と同じように)行われる。平均インパルス応答は、任意に窓化され、不要な周波数ディテールを取り除くよう平滑化される(例えば、バンドパスフィルタをかけられた平均インパルス応答は、異なる周波数窓において決定され、選択的に平滑され、それにより、バンドパスフィルタをかけられ平滑化されたものが、平滑化された平均インパルス応答を決定するようにする。)。例えば、平均インパルス応答は、耳の感度が比較的悪い臨界周波数バンドにおいて平滑化されてよく、耳の感度が比較的高い臨界周波数バンドにおいては平滑化されない(すなわち、ほとんど平滑化を受けない。)。また、任意に、目標応答は窓化されて、不要な周波数ディテールを取り除くよう平滑化され、及び/又は、逆フィルタを決定するための値は、窓において決定され、不要な周波数ディテール取り除くよう平滑化される。目標応答と平均(任意に、平滑化された)インパルス応答との間の誤差(例えば、平均二乗誤差)を最小とするよう、本発明の方法の典型的な実施形態は2つのアルゴリズムのうちのいずれか一方を用いる。第1のアルゴリズムは、固有フィルタ設計理論を実施し、第2のアルゴリズムは、線形等化システムを説くことによって平均二乗誤差表現を最小化する。
図8を参照して、本実施形態は、ここで時々gと称される有限インパルス応答(FIR)逆フィルタの係数g(n)(0≦n<L)を(時間領域において)決定する。より具体的に、かかる実施形態は、係数h(n)(0≦n<M)を有するラウドスピーカの(測定された)平均インパルス応答(図8では、「チャネルインパルス応答」と表される。)に適用される場合に、係数y(n)(0≦n<N)を有する結合インパルス応答を該結合インパルス応答が目標インパルス応答に一致するように生成する逆フィルタ係数g(n)を決定する。(目標応答と測定され平均化されたインパルス応答との間の)平均二乗誤差を最小とするよう、望ましくは、2つのアルゴリズムのうちのいずれか一方が用いられる。第1のアルゴリズムは、固有フィルタ設計理論を実施し、第2のアルゴリズムは、線形等化システムを説くことによって平均二乗誤差表現を最小化する。
第1のアルゴリズムは、最小平均二乗誤差(MMSE)に関して、最適である逆フィルタを見つけ出す問題に固有フィルタ理論を適応させる。固有フィルタ理論は、レーリー指数として定式化される式に関し、システム行列の最小固有値もその式について大域的最小であると述べているレーリー原理を用いる。その場合に、最小固有値に対応する固有ベクトルは当該式のための最適な解である。このアプローチは、逆フィルタを決定するのに理論上極めて魅力的であるが、最小固有ベクトルを見つけ出すのは困難であり、多大な計算労力が必要である。
目標応答と(測定された)平均インパルス応答との間の全誤差は、ストップバンド誤差ε及びパスバンド誤差εに関して表される:

ε=(1−α)ε+αε

ここで、αは、パスバンド誤差εに対してストップバンド誤差εを重み付けする係数である。ラウドスピーカの全周波数範囲は、ストップバンド及びパスバンド(通常は、周波数ωslとωulとの間で2つのストップバンドと1つのパスバンドと)に分けられ、重み付け係数αは、多種多様な適切な方法のいずれかにおいて選択されてよい。例えば、ストップバンドは、スピーカの周波数応答の低周波カットオフを下回り且つ高周波カットオフを上回る周波数範囲であってよい。
ストップバンド誤差ε及びパスバンド誤差εは、次のように定義される:
Figure 0005595422
及び
Figure 0005595422
ここで、P(ejω)=e−jωgdは目標周波数応答であり、gはグループ遅延であり、Y(ejω)は(測定された)平均インパルス応答により畳み込まれる逆フィルタのフーリエ変換である。この場合に、パスバンドにおけるゲインは常に1であり、目標応答は、遅延されたディラック・デルタ関数δ(n−g)のフーリエ変換である。結合インパルス応答係数y(n)は、次の式を満足する:
Figure 0005595422
逆フィルタg(n)は長さLを有し、(測定された)平均インパルス応答h(n)は長さMを有する。従って、結果として得られるインパルス応答y(n)は長さN=M+L−1を有する。また、上記の畳み込みは、次のように、行列ベクトル積として記述されてよい:
Figure 0005595422
ここで、Hは、次のような要素を有するN×L行列である:
Figure 0005595422
gは、g=[g(0) g(1) g(2)・・・g(L−1)]と定義される長さLのベクトルであり、ベクトルgの要素は逆フィルタ係数である。
y(n)のフーリエ変換は、以下の通りである:
Figure 0005595422
なお、y=[y(0) y(1) y(2)・・・y(N−1)]及びe(ejω)=[1 e−jω−j2ω ・・・e−j(N−1)ω
式(3)を式(4)に挿入することで、次の式が得られる:
Figure 0005595422
(ストップバンド誤差ε)に関する上記の式(1)の被積分関数は次のようになる:
Figure 0005595422
従って、ストップバンド誤差は、次のように定式化される:
Figure 0005595422
なお、
Figure 0005595422
Hは実数値であり、Lの(n,m)番目の要素は、次の式によって与えられる:
Figure 0005595422
の全ての要素は実数である。更に、それらの要素は、差|n−m|によって完全に決定され、従って、行列はテプリッツ(Toeplitz)且つ対称である。すなわち、L =L。自明な解を回避するために、g=1としてgに対して単位標準制約(unit norm constraint)が加えられる。従って、ストップバンド誤差は、次のように記述されてよい:
Figure 0005595422
式8において見られるように表されるストップバンド誤差は、gがPの固有ベクトルであるならば、実際には、Pの正規化された固有値に関する式である。Pは対称であり且つ実数であるから(Hは定義により実数である。)、全ての固有値は実数であり、従って、ベクトルgも実数である。式8のように表されるストップバンド誤差は、次の式によって境界される:
Figure 0005595422
ここで、λmin及びλmaxは、夫々、Pの最小固有値及び最大固有値である。従って、(レーリー指数として)式(8)によって表されるストップバンド誤差を最小化することは、Pの最小固有値及び対応する固有ベクトルを見つけ出すことと等価である。
同じようにパスバンド誤差を定式化するために、基準周波数ωが導入される必要がある。基準周波数ωでは、所望の周波数応答は、次のように、Y(ejω)の周波数応答と正確に一致する:
Figure 0005595422
パスバンド誤差はωでは厳密に0である。式(3)をこの変形されたパスバンド誤差式に代入することにより、次の式が得られる:
Figure 0005595422
従って、パスバンド誤差は、次のように記述可能である:
Figure 0005595422
なお、
Figure 0005595422
先と同じく、Hは実数値である。Lの(n,m)番目の要素は、次の式によって与えられる:
Figure 0005595422
この行列は実数値であり、対称であるが、テプリッツでない(すなわち、対角線上の要素は同じでない)ことが容易に確認される。先と同じく、単位標準制約を加えることによって、次のようにレーリー指数としてパスバンド誤差を記述することができる:
Figure 0005595422
先と同じく、パスバンド誤差は、Pの最小固有値及び対応する固有ベクトルを見つけ出すことによって最小化され得る。
このようにして、全誤差に関する式は、次のように定式化される:
Figure 0005595422
Pの固有値は、1−α、α及び0の周囲でクラスタ化されることが確かめられ得る。最適な逆フィルタgを得るために、Pの最小固有値に対応する固有ベクトルを見つけ出す必要がある。そうするために用いられるアプローチの例には、以下の2つのアプローチがある:
(1)変形されたべき乗法。このアプローチでは、最大固有値及び対応する固有ベクトルは反復的に得られる。(例えば、ガウス消去を用いて)式Px=bにおいてxについて解くことによって、最小固有値が最大値の代わりに見つけられ得る。代替的に、最小固有値は、式λmaxI−Pについて最大固有値を決定することによって、求められる。ここで、λmaxは、行列Pについての最大固有値であり、Iは単位行列である。しかし、変形されたべき乗法は、行列の反転を求めることを必要とし、代替の方法は、徐々に収束するという欠点を有する。典型的なシステム行列Pに関し、最小固有値は零の周囲でクラスタ化され、従って、λmaxI−Pの固有値は、λmaxの周囲でクラスタ化され、変形されたべき乗法は、最大固有値が外れ値である場合にのみ(すなわち、λmax>>λmax−1)、速やかに収束する;
(2)行列の最小固有値を見つける共役勾配(CG)法。CG法は、式を解くために従来行われている反復法である。それは、行列の最大又は最小固有値及び対応する固有ベクトルを見つけるよう再定式化される。CG法は有用な結果を実現するが、上記のべき乗法よりはずっと速いが、収束が非常に遅い。システム行列の条件付け(例えば、対角化)は、CG法のより高速な収束をもたらす。
次に、ラウドスピーカの目標応答と測定され平均化されたインパルス応答との間の平均二乗誤差を最小化する第2のアルゴリズムについて記載する。第2のアルゴリズムでは、誤差関数の再定式化は適用可能な式を解くためにCG法を行い、適切な解は、(通常、適切な最大固有ベクトルは逆フィルタとしては役に立たないので)有用な結果を得るために完全に収束する必要がある(第1のアルゴリズムで用いられる)固有メソッドとは対照的に、通常ほんの数回の繰り返しにより、速やかに求められる。(第1のアルゴリズムで用いられる)固有メソッドの他の欠点は、システム行列がエルミート(Hermitian)(対称)であるが、概してテプリッツでない点である。これは、行列要素のおよそ半分がメモリに記憶される必要があることを意味する。行列がテプリッツでもあった場合、最初の行(列)のみで行列全体を表す。これは、システム行列がエルミート且つテプリッツである第2のアルゴリズムに当てはまる。エルミート・テプリッツ行列とベクトルとの間の積は、行列を循環行列になるよう拡張することによって、FFTを解して計算され得る。これは、そのような行列ベクトル積が、フーリエ変換領域において2つのベクトルの要素ごとの乗算によって行われてよいことを意味する。しかし、CG法の収束速度は、式が(記載されるPCG法で見られるように)条件付けされない限り、不本意に遅い。
図9を参照すると、第2のアルゴリズムは、平均二乗誤差を最小化することによって有限インパルス応答(FIR)逆フィルタgの係数g(n)(0≦n<L)を(時間領域において)決定する。より具体的に、このアルゴリズムは、係数h(n)(0≦n<M)を有するラウドスピーカの平均インパルス応答(図9では、「チャネルインパルス応答」と表される。)に適用される場合に、係数y(n)(0≦n<M+L−1)を有する結合インパルス応答を生成する逆フィルタ係数g(n)を決定する。誤差信号は、結合インパルス応答係数と所定の目標インパルス応答の係数p(n)との間の差を示す。誤差表現によって決定される平均二乗誤差は、逆フィルタ係数g(n)を決定するよう最小化される。
第2のアルゴリズムでは、平均二乗誤差は、式の条件付けによって最小化され、従って、当該アルゴリズムは、ここで時々PCG法と称される。PCG法では、全誤差関数は、次のように定義される:
Figure 0005595422
ここで、W(ω)は重み付け関数であり、目標周波数応答はP(ejω)=P(ω)e−jωgdである。gは所望のグループ遅延であり、P(ω)は零位相関数である。この誤差表現によれば、目標周波数関数は、P(ω)≒0であるストップバンドの場合と、任意の周波数を有するパスバンドの場合とをカバーする。
正の周波数範囲全体は、複数の周波数範囲に分割(すなわち、セグメント化)される。これらの範囲は、等しい幅を有してよく、あるいは、スピーカの目標応答の形状及び測定されたインパルス応答に依存して、様々な適切な方法のいずれかにおいて選択されてよい。周波数範囲は、上記のような臨界周波数バンドであってよい。通常、少数の周波数範囲(例えば、6個の周波数範囲)が選択される。例えば、周波数範囲の中の最も低い周波数範囲は、スピーカの周波数応答の低周波カットオフを下回るストップバンド周波数から成ってよい(例えば、スピーカの周波数応答の−3dB点が500ヘルツである場合に、400ヘルツより低い周波数)。周波数範囲の中の次に低い周波数範囲は、ストップバンド周波数直後の周波数とそれよりも幾分高い周波数との間の遷移周波数から成ってよい(例えば、スピーカの周波数応答の−3dB点が500ヘルツである場合に、400ヘルツと500ヘルツとの間の周波数)。以降同様に周波数範囲が続く。全周波数範囲を分割する周波数範囲の選択は、目標応答の零位相特性が全周波数範囲についてP(ω)の値によって明示的に与えられる実施形態にとっては重要でない。通常、P(ω)は、角周波数範囲内の最初の値及び最後の値として与えられるが、周波数範囲は1つだけであり、より複雑な関数(又は離散値の組)がP(ω)及びW(ω)を記述する実施形態も考えられる。従って、誤差関数は、次のようになる:
Figure 0005595422
ここで、k個の範囲(夫々下端周波数ωから上端周波数ωまで)に分割され、範囲ごとの誤差関数は、次の通りである:
Figure 0005595422
この積分を分析的に解くために、それぞれの周波数範囲においてW(ω)及びP(ω)の両方についての簡単な閉形式が用いられてよい。望ましくは、(W(ω)及びP(ω)の夫々についての)適切な選択は、次の正弦関数:
Figure 0005595422
又は次の一次関数:
Figure 0005595422
である。なお、
Figure 0005595422
及びFは、夫々、周波数ω及びωにおける所定の境界値である。前と同じ表記法を用いて、夫々の誤差関数は、次のように記述される:
Figure 0005595422
ここで、
Figure 0005595422
H及びgは実数、すなわち、H=H、g=gであるから、誤差関数は、次のようになる:
Figure 0005595422
ここで、
Figure 0005595422
は、gから独立した定数式であり、
Figure 0005595422
及び
Figure 0005595422
負の周波数成分からの寄与も加えると、行列Pの要素は、次のようになる:
Figure 0005595422
そして、ベクトルrの要素は、次のようになる:
Figure 0005595422
式15及び16で、パラメータn、及びN=M+L−1は、図9で見られるように同じである。
積分式15及び16は、関数W(ω)及びP(ω)についての閉形式に代入する場合に、容易に分析的に解かれる。より複雑な関数W(ω)及びP(ω)に関し、あるいは、W(ω)及び/又はP(ω)が(例えば、グラフからの)数値データとして表される場合に、式15及び16は、望ましくは、数値法を用いて解かれる。
全誤差を最小化するために、Pが対称であることにより、誤差関数EMSEの傾き、すなわち:
Figure 0005595422
が計算される。式17では、P及びrは、全ての周波数範囲からの全てのP及びr成分の和であることに留意されたい。このようにして、積分式15及び16は、周波数範囲の夫々について(望ましくは分析的に)解かれ、解は、式17において行列P及びベクトルrを決定するために加算される。
(式17において表される)傾きを零に設定すると、線形等化システム:
Figure 0005595422
を解くことによって誤差表現を最小化するベクトルgが求められる。ベクトルgはg=[g(0) g(1) g(2)・・・g(L−1)]と定義され、その要素は逆フィルタ係数であることを思い出されたい。
式18は、望ましくは、共役勾配(CG)法を用いることによって解かれる。CGアルゴリズムは、そもそも、式のエルミート(対称)正定関数(全ての固有値は厳密に正である。すなわち、λn>0)システムを解く反復法である。システム行列Q=HPHの条件付けは、CGアルゴリズムの収束を有意に改善する。収束は、行列Qの固有値に依存する。P(ω)が(全周波数範囲の遷移バンドである夫々の周波数範囲を含む)周波数範囲の夫々について厳密に定義される場合、システム行列Qの固有値は、W(ω)の異なった値の有意でクラスタ化される。すなわち、収束を遅くするような零の周囲でクラスタ化された固有値は(W(ω)≠0である限り)存在しない。固有値のスペクトルが1の周囲でクラスタ化される場合(すなわち、システム行列は単位行列を近似する。)、収束は速い。従って、
Figure 0005595422
であるように、条件付き行列Aは構成される。Iは単位行列であり、Qはシステム行列Q=HPHである。式(18)を解くことに代えて、条件付きシステム
Figure 0005595422
が解かれる。上記記載を鑑み、本発明に従って式19を決定し、有効に解くために適切な反転条件付き行列A−1をどのように実施するのかは、当業者には明らかである。
本発明に従う逆フィルタリングを実行する場合に:
・ 逆フィルタは、ラウドスピーカの逆フィルタをかけられた応答が線形な又は最小の位相を有するように設計され得る。スペクトル分解のための複素ケプトラム技術が、上記ベクトルrをその最小位相成分及び最大位相成分に因数分解するために使用されてよく、その後、最小位相成分は、後の計算においてrを置換する。代替的に、グループ遅延定数gは、結果として得られるおおよその最小位相応答を求めるよう、低い値に設定されてよい;
・ 望ましくは、(下端周波数ωの1つから上端周波数ωの対応する1つまでの)周波数範囲の夫々についての目標応答P(ω)は、そのような範囲において正弦関数又は線形であるよう(あるいは、閉形式を有する他の適切な関数であるよう)選択される;
・ 正規化が容易に適用される。全体的な正規化(例えば、逆フィルタによって適用されるゲインに対する大域的な制限)は、逆フィルタにおいて大きいゲインを不利にし及び/又は計算を安定させるために、適用されてよい。また、周波数依存の正規化が、任意の周波数範囲について大きいゲインを不利にするために、適用されてよい。これは、特定の周波数範囲について行列Pにより大きい重みを割り当てることによって達成され得る(例えば、式(15)においてW(ω)を増大させ、一方、式(16)においてベクトルrについてW(ω)を不変なままとする。);
・ 逆フィルタを決定する当該方法は、(選択された周波数範囲についてのみ位相正規化を実施するように)任意の周波数範囲のオールパス処理を実行するよう、又は(選択された周波数範囲について大きさも位相も正規化しないように)任意の周波数のパススルー処理を実行するよう、実施されてよい。パススルーモードの典型的な実施では、P(ejω)は、幾つかの周波数範囲についての計算において、P(ejω)=P(ω)e−jωgdに設定される代わりに、ラウドスピーカの平均周波数応答P(ejω)=H(ejω)に設定される。オールパスモードの典型的な実施では、ラウドスピーカの平均インパルス応答のDFTのサンプルの絶対値は、計算において、P(ω)の代わりとして使用される。
典型的な実施形態において、逆フィルタを決定する本発明のシステムは、ソフトウェア(若しくはファームウェア)によりプログラミングされる汎用の若しくは特別目的のプロセッサであり若しくは該プロセッサを有し、及び/又は、そうではなく、本発明の方法の実施形態を実施するよう構成される。幾つかの実施形態において、本発明のシステムは、ラウドスピーカの測定されるインパルス応答と目標応答とを示す入力データを受け取るよう結合され、本発明の方法の実施形態を実行することで前記入力データに応答して逆フィルタを示す出力データを生成するよう(適切なソフトウェアにより)プログラミングされる汎用のプロセッサである。
本発明の特定の実施形態及び本発明の適用がここでは記載されているが、当業者には明らかなように。ここで記載される実施形態及び適用は、本願発明の技術的範囲から逸脱しない範囲で様々に変形されてよい。当然ながら、本発明の特定の形態が図示及び記載されているが、本発明は記載されている特定の実施形態又は記載される特定の方法に限られるものではない。
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年1月30日に出願された米国特許仮出願第61/148564号に基づく優先権を主張するものであり、該米国出願は、その全体を参照により本願に援用される。

Claims (11)

  1. インパルス応答を有するラウドスピーカのための逆フィルタを決定する方法であって、
    前記ラウドスピーカに対する複数の異なる位置の夫々で前記ラウドスピーカのインパルス応答を測定するステップと、
    平均インパルス応答を決定するよう前記測定されたインパルス応答を時間的に整列して平均を求めるステップと、
    前記ラウドスピーカの目標応答と前記逆フィルタにより畳み込まれる前記平均インパルス応答との間の全誤差を最小化することによって、前記平均インパルス応答及び目標周波数応答から前記逆フィルタを決定するステップと
    を有し、
    前記全誤差εはεt=gPg/ggであり、前記逆フィルタの係数g=[g(0) g(1) g(2)・・・g(L−1)]は、行列Pの最小固有値に対応する固有ベクトルとして決定され、
    行列P=(1−α)P+αPであり、αは重み付け係数であり、P
    Figure 0005595422
    であり、e(ejω)=[1 e−jω−j2ω ・・・e−j(M−1)ωであり、Hは
    Figure 0005595422
    として前記平均インパルス応答によって決定される畳み込み行列であり、ωsl及びωsuはストップバンドのエッジ周波数であり、P
    Figure 0005595422
    であり、P(ejω)=e−jωgdは前記目標周波数応答であり、gはグループ遅延であり、ωpl及びωpuはパスバンドのエッジ周波数であり、ωは、パスバンド誤差が零である基準周波数である、
    方法。
  2. 前記逆フィルタを決定するステップは、前記逆フィルタの少なくとも1つの臨界周波数バンドに対して局所的な正規化を行うステップを有する、
    請求項に記載の方法。
  3. 前記逆フィルタを決定するステップは、基準信号に対して前記逆フィルタを正規化するステップを有する、
    請求項に記載の方法。
  4. 前記逆フィルタを決定するステップは、前記逆フィルタによって適用される最大ゲインを所定量に制限することによって全体的な正規化を行うステップを有する、
    請求項に記載の方法。
  5. インパルス応答を有するラウドスピーカのための逆フィルタを決定する時間領域の方法であって、
    前記ラウドスピーカに対する複数の異なる位置の夫々で前記ラウドスピーカのインパルス応答を測定するステップと、
    平均インパルス応答を決定するよう前記測定されたインパルス応答を時間的に整列して平均を求めるステップと、
    誤差を最小化するよう線形等化システムを解くことによって、前記平均インパルス応答及び目標周波数応答から前記逆フィルタを決定するステップと
    を有し、
    前記誤差は、
    Figure 0005595422
    により表される平均二乗誤差EMSEであり、W(ω)は重み付け関数であり、P(ejω)=P(ω)e−jωgdは目標応答であり、P(ω)は零位相関数であり、gはグループ遅延であり、周波数係数H(ejω)は前記平均インパルス応答のフーリエ変換h(n)を決定し、周波数係数G(ejω)は前記逆フィルタのフーリエ変換を決定する、
    方法。
  6. 前記平均二乗誤差EMSEは、
    Figure 0005595422
    を満足し、前記ラウドスピーカは、下端周波数ωから上端周波数ωまで夫々k個の範囲に分けられた全周波数範囲を有し、ε(ω,ω)は、
    Figure 0005595422
    の範囲の夫々についての誤差関数である、
    請求項に記載の方法。
  7. 前記逆フィルタを決定するステップは、
    線形等化システム
    Figure 0005595422
    を解くことによってベクトルgを決定し、
    Hは、
    Figure 0005595422
    として前記平均インパルス応答の畳み込み行列を決定し、gはベクトルであり、g=[g(0) g(1) g(2)・・・g(L−1)]の要素は前記逆フィルタの係数g(n)であり、Pは、
    Figure 0005595422
    を満足するgから独立した定数式であり、rは
    Figure 0005595422
    を満足するベクトルであり、c(ω)は
    Figure 0005595422
    である、
    請求項に記載の方法。
  8. 前記逆フィルタを決定するステップは、
    前記線形等化システム
    Figure 0005595422
    を解くことによって前記ベクトルgを決定するステップを有し、QはQ=HPHを満足する行列であり、Aは
    Figure 0005595422
    を満足する行列であり、Iは単位行列である、
    請求項に記載の方法。
  9. 前記逆フィルタを決定するステップは、前記逆フィルタの少なくとも1つの臨界周波数バンドに対して局所的な正規化を行うステップを有する、
    請求項に記載の方法。
  10. 前記逆フィルタを決定するステップは、基準信号に対して前記逆フィルタを正規化するステップを有する、
    請求項に記載の方法。
  11. 前記逆フィルタを決定するステップは、前記逆フィルタによって適用される最大ゲインを所定量に制限することによって全体的な正規化を行うステップを有する、
    請求項に記載の方法。
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