JP2020204199A - 排水栓装置 - Google Patents

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Shinichi Ota
慎一 太田
浩平 北川
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浩平 北川
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Abstract

【課題】使用者にとっての利便性の向上などを図ることができる排水栓装置を提供する。【解決手段】排水栓装置1は、底壁部101及び側壁部102を有し、側壁部102のうち底壁部101に連続する部位が底壁部101側から徐々に立ち上がる湾曲壁部102aとされてなる浴槽100に取付けられる。浴槽100における底壁部101から湾曲壁部102aにかけた部位又は湾曲壁部102aのみには凹部105が設けられる。排水栓装置1は、凹部105に対応して配置されるとともに、排水時に水が流入する排水流入口21を自身の変位により開閉可能な栓蓋6を備える。栓蓋6は、排水流入口21が閉状態又は開状態であるときに、凹部105内に収容され、かつ、その上面が浴槽100の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上浴槽100の表面の一部を構成した状態となるように構成される。【選択図】 図3

Description

本発明は、槽体の水が流入する排水流入口を開閉するための排水栓装置に関する。
従来、栓蓋を遠隔操作することで、槽体(例えば、浴槽や洗面ボウルなど)の底側に設けられた、排水時に水が流入する排水流入口の開閉状態を切換可能な排水栓装置が知られている。
排水栓装置としては、往復移動可能であるとともに、先端部に前記栓蓋が取付けられた作動軸と、変位可能な操作部(例えば操作ボタン)と、当該操作部の変位による駆動力を作動軸ひいては栓蓋へと伝達するための伝達部材(例えばワイヤ等)とを備えたものが一般に知られている。このような排水栓装置では、操作部に対する操作に伴い伝達部材が往復移動し、作動軸及び栓蓋が上下動することで、排水流入口の開閉状態が切換えられるようになっている。また、槽体は、底壁部及び当該底壁部の周縁に立設された側壁部を備えるところ、従来、上記のような排水栓装置における栓蓋や排水流入口は、底壁部に対応して設けられるようになっている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2015−71896号公報
しかしながら、底壁部に対応して栓蓋や排水流入口を設けると、次のような不具合が生じ得る。すなわち、使用者にとって栓蓋が邪魔になりやすくなり、例えば、槽体に“もの” (例えば持ち運び可能な洗面器など)を置く場合などに不便となるおそれがある。また、槽体が浴槽である場合には、栓蓋の踏み付けが発生しやすくなり、踏み付けによる栓蓋などの破損や変形などが生じ得る。さらに、槽体が浴槽である場合には、排水流入口に対応して設けられる部品(例えば、排水を通すための配管など)が、当該部品の設置やメンテナンス等を行う作業者側(浴槽の外側における前記部品の設置箇所の近く側であり、例えば排水流入口が洗い場近くにある場合は洗い場側)から見て離れた位置に配置されることになり、当該部品の設置やメンテナンス等に係る作業性が低下するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者にとっての利便性の向上などを図ることができる排水栓装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.底壁部及び当該底壁部の周縁に立設された側壁部を有し、当該側壁部のうち当該底壁部に連続する部位が当該底壁部側から徐々に立ち上がる湾曲壁部とされてなる槽体に取付けられる排水栓装置であって、
前記槽体における前記底壁部から前記湾曲壁部にかけた部位又は前記湾曲壁部のみには、窪み状の凹部が設けられており、
前記凹部に対応して配置されるとともに、前記槽体に対し変位可能であり、かつ、前記凹部内に設けられ前記槽体からの排水時に水が流入する排水流入口を自身の変位により開閉可能な栓蓋を備え、
前記栓蓋は、前記排水流入口が閉状態又は開状態であるときに、前記凹部内に収容され、かつ、その上面が前記槽体の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上前記槽体の表面の一部を構成した状態となるように構成されていることを特徴とする排水栓装置。
尚、「連続面状をなす」とあるのは、厳密な連続面となる場合のみならず、槽体の表面と栓蓋の上面との間に多少の段差や凹み、隙間などが存在し、両面がほぼ連続面となる場合も含む。また、「その上面(栓蓋の上面)が、…外観上槽体の表面の一部を構成した状態となる」とあるのは、より詳しくは、栓蓋の上面形状がその周囲に位置する槽体の表面に対応する形状とされ、栓蓋の上面が槽体の表面に対し一体感のある状態となっていることをいう。
上記手段1によれば、槽体における底壁部から側壁部(湾曲壁部)にかけての部位又は湾曲壁部のみに凹部が設けられており、当該凹部内に排水流入口が設けられるとともに、当該凹部に対応して、排水流入口を開閉するための栓蓋が設置されている。従って、栓蓋をいわば側壁部(湾曲壁部)に入り込ませた状態で設置することができる。これにより、使用者にとって栓蓋が邪魔になりにくい状態とすることができ、例えば、槽体に“もの” (例えば持ち運び可能な洗面器など)を置く場合などに都合がよくなる。また、より優れた美観を得ることも可能となる。さらに、槽体が浴槽である場合には、栓蓋の踏み付けをより確実に防止することができ、踏み付けによる栓蓋などの破損や変形などをより確実に防止できる。加えて、槽体が浴槽である場合、排水流入口に対応して設けられる配管などの部品を作業者側(例えば洗い場側)から見てより手前側に配置させることが可能となり、当該部品の設置やメンテナンス等に係る作業性を向上させることができる。併せて、槽体が洗面ボウル(洗面器)であり、排水流入口が使用者側から見て奥側又は左右側に位置する場合には、洗面ボウルの下に位置し排水流入口に対応して設けられる配管などの部品を洗面ボウル下のスペースにおいてより邪魔となりにくい位置に配置することができ、ひいては当該スペースをより有効的に活用することができる。
また、上記手段1によれば、栓蓋は、排水流入口が閉状態又は開状態であるときに、凹部内に収容され、かつ、その上面が槽体の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上槽体の表面の一部を構成した状態となるように構成されている。これにより、非常に良好な美観を実現することができるとともに、優れた安全性を得ることができる。
尚、通常排水流入口を閉鎖した状態で使用される槽体(例えば、水を溜めて使用することが多い浴槽など)では、排水流入口が閉状態であるときに、栓蓋が上記の状態となるように構成することが好ましく、通常排水流入口を開放した状態で使用される槽体(例えば、洗面ボウルや水を溜めずに使用することが多い浴槽など)では、排水流入口が開状態であるときに、栓蓋が上記の状態となるように構成することが好ましい。
手段2.前記排水流入口は、これを正面から見たときに、前記側壁部の幅方向を横方向として、縦方向よりも横方向が長い横長形状をなしており、
前記栓蓋は、前記排水流入口の形状に対応する横長形状とされることを特徴とする手段1に記載の排水栓装置。
尚、「側壁部の幅方向」とは、換言すれば、平面視したとき(上方から見たとき)における側壁部の延びる方向をいう。
上記手段2によれば、排水流入口の通水面積を大きなものとして排水能力の増大を図りつつ、排水流入口や栓蓋を円形状とした場合と比較して、排水流入口や栓蓋をスリムな見た目とすることができ、栓蓋等が目立つ存在とはなりにくい状態とすることができる。また、排水流入口を横長形状とすることによって、排水流入口を円形状とした場合と比較して、排水流入口の通水面積を増大させつつ、排水流入口に対する“もの”(例えば容器や固形石鹸など)の落下が生じにくくなる。これらの結果、排水流入口における通水面積を増大させて排水能力の向上を図りつつ、美観や利便性の低下をより確実に抑えることができる。
さらに、上記手段2によれば、栓蓋をいわば側壁部(湾曲壁部)に入り込ませた状態で設置できることと相俟って、栓蓋が槽体の底壁部中心側へとより張り出さないようにすることができる。これにより、使用者にとって栓蓋がより邪魔となりにくくなり、槽体に“もの”を置く場合等においてより好都合となる。また、美観の一層の向上を図ることができるとともに、槽体が浴槽である場合には、栓蓋の踏み付けを一層確実に防ぐことが可能となる。加えて、槽体が浴槽である場合、排水流入口に対応して設けられる配管などの部品を作業者側(例えば洗い場側)から見て一層手前側に配置させることができ、当該部品の設置やメンテナンス等に係る作業性をより高めることができる。
手段3.所定の支持部を有するとともに、前記槽体に対し直接又は間接的に固定された台座部と、
前記栓蓋を正面から見たときに当該栓蓋の裏側に位置するとともに、往復移動可能に構成された作動軸とを備え、
前記栓蓋は、前記支持部に対し回動可能な状態で取付けられ、前記作動軸の移動に伴い回動するように構成されており、
前記栓蓋が回動することで前記排水流入口の開閉状態が切換えられるとともに、前記排水流入口が開状態及び閉状態の少なくとも一方であるときに前記栓蓋が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の排水栓装置。
上記手段1のように、栓蓋の上面が外観上槽体の表面の一部を構成した状態とするためには、栓蓋の上面を槽体の表面形状に対応する(合わせた)形状とする必要がある。そのため、栓蓋の上面形状は、一般的な栓蓋のような上に凸の湾曲面状とは通常なり得ず、一般的な栓蓋よりも水の残留がより生じやすい形状となり得る。栓蓋の上面に水が残留しやすい場合、栓蓋上面に対する水垢や汚れなどの付着がより生じやすくなる。
この点、上記手段3によれば、栓蓋は作動軸の移動に伴い回動するものとされ、排水流入口が開状態及び閉状態の少なくとも一方であるときに、栓蓋が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態(すなわち栓蓋の上面が水平方向に対し斜めに傾いた状態)となるように構成されている。栓蓋が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となることで、栓蓋の上面に付着した水が当該上面を伝わって流れ落ちることとなるため、栓蓋の上面における水の残留をより確実に防止することができる。これにより、栓蓋の上面を槽体の表面形状に対応する形状としながら、栓蓋の上面に対する水垢や汚れなどの付着をより確実に防ぐことができ、美観や衛生性の向上を図ることができる。
尚、栓蓋の上面における残水防止をより効果的に図るという点では、排水流入口が開状態であるときに、栓蓋が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成することが好ましい。
手段4.前記栓蓋は、その回動軸が前記側壁部の幅方向に沿って延びるものとされ、かつ、当該側壁部とは反対側を回動中心として回動可能に構成されていることを特徴とする手段3に記載の排水栓装置。
上記手段4によれば、栓蓋は、その回動軸が側壁部の幅方向に沿って延びるものとされ、かつ、側壁部とは反対側を回動中心として回動するものとされている。従って、槽体における底壁部の中心側から見たときに、排水流入口が開状態であっても閉状態であっても、栓蓋によって排水流入口やその周辺部位を隠した状態とすることができる。これにより、汚れなどの付着しやすい排水流入口の形成部位やその周辺部位を使用者が視認しにくい状態とすることができ、美観の向上をより一層図ることができる。
さらに、回動に伴い栓蓋における回動軸とは反対側の部位が凹部の外に出るように構成した場合、槽体の底壁部の中心側から見たときに、凹部(特に栓蓋が外に出た箇所)との間に栓蓋が配置される状態となる。そのため、栓蓋によって、槽体の底壁部の中心部側つまり使用者の位置する側から凹部ひいては排水流入口へと“もの”が落下することをより確実に防止できる。また、槽体が浴槽である場合には、栓蓋によって、凹部に対する足(例えば足の指)の入り込みをより確実に防ぐことが可能となり、安全性を一層高めることができる。
排水流入口を閉状態としたときにおける排水栓装置などの斜視図である。 浴槽の断面模式図である。 排水流入口を閉状態としたときにおける図1のJ−J線断面図である。 排水流入口を開状態としたときにおける図1のJ−J線断面図である。 排水流入口を開状態としたときにおける図1のK−K線断面図である。 排水流入口を開状態としたときにおける図1のL−L線断面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。排水栓装置1は、槽体としての浴槽100からの排水の可否を切換えるための装置であり、図1及び図2に示すように、浴槽100における底壁部101から側壁部102にかけた部位に設けられている。排水栓装置1の説明に先立って、まず、浴槽100の構成について説明する。
底壁部101は、浴槽100の底面を構成する部位であり、その上面がほぼ水平面状をなすように構成されている。側壁部102は、底壁部101の周縁に立設された部位であり、湾曲壁部102a及び傾斜壁部102bを備えている。湾曲壁部102aは、底壁部101に連続し、当該底壁部101から徐々に立ち上がるように構成された湾曲部位である。傾斜壁部102bは、湾曲壁部102aの上端に連続し、鉛直方向に対しやや傾いた形状をなす傾斜部位である。
さらに、図3に示すように、浴槽100における底壁部101から湾曲壁部102aにかけた部位には、ほぼ鉛直方向に垂下する垂下部103と、当該垂下部103の下端部から内側に突出する内鍔状の張出部104とが設けられている。そして、垂下部103により囲まれた空間によって、浴槽100における底壁部101から湾曲壁部102aにかけた部位には、窪み状の凹部105が形成されている。本実施形態において、平面視したときにおける凹部105の形状は、横方向に延びる平行な2本の長辺と、これら二本の長辺の端部同士を結ぶ平行な2本の短辺とを備えた角丸矩形と同一の形状とされている。尚、横方向とは、側壁部102の幅方向(すなわち平面視したときにおける側壁部102の延びる方向)をいう(図1参照)。
また、張出部104には、後述する排水口部材2等をねじ止め固定するための孔部104aが一対貫通形成されている(図6参照)。さらに、張出部104の内周には、浴槽100を貫通する取付孔106が形成されている。取付孔106は、排水栓装置1が挿通設置される箇所である。本実施形態において、平面視したときにおける取付孔106の形状は、長円形状とされている。
尚、本実施形態では、浴槽100における排水栓装置1が設置される側に隣接するようにして、図示しない洗い場が設けられている。
次いで、排水栓装置1について説明する。排水栓装置1は、図3〜6に示すように、排水口部材2、配管3、作動軸機構4、台座部5及び栓蓋6を備えている。尚、図3は、後述する排水流入口21を閉状態としたときにおける図1のJ−J線断面図であり、図4は、排水流入口21を開状態としたときにおける図1のJ−J線断面図である。また、図5は、排水流入口21を開状態としたときにおける図1のK−K線断面図であり、図6は、排水流入口21を開状態としたときにおける図1のL−L線断面図である。
排水口部材2は、取付孔106に挿通された状態で設置される筒状部品である。排水口部材2における内部空間は、浴槽100から排出される水の流路を構成しており、排水口部材2における内側の開口によって、浴槽100からの排水時に水が流入する排水流入口21が形成されている。排水流入口21は、凹部105内に設けられており、これを正面から見たとき(本実施形態では、平面視したとき)、縦方向よりも横方向が長い横長形状(本実施形態では、長円形状)とされている。すなわち、排水流入口21は、側壁部102の幅方向に沿って延びる横長形状とされている。
また、排水口部材2は、本体部22及び鍔部23を備えている。本体部22は、取付孔106の形状に対応する横長の長円筒状をなしている。つまり、本体部22は、横方向に延びて相対向する比較的長い平行な2つの長板状部分と、これら長板状部分の端部同士を連結する湾曲板状部分とを備えた形状となっている。
鍔部23は、本体部22の上端部から外側に突出しており、その外縁部は、垂下部103の内周形状よりも一回り小さい程度の角丸矩形状となっている。また、鍔部23における前記孔部104aに対応する箇所のそれぞれには、貫通孔23a(図6参照)が形成されている。
配管3は、筒状をなしており、排水口部材2とともに、排水流入口21を通過して流れる排水の流路を構成する部位である。また、配管3の一端面であって、前記孔部104aに対応する箇所のそれぞれには、内周に雌ねじ部を有する窪み状のねじ穴部31(図6参照)が形成されている。そして、取付孔106及び配管3内に排水口部材2を挿通した状態で、外周に雄ねじを有する所定のねじ8(図6参照)を貫通孔23a及び孔部104aを通してねじ穴部31に螺合し、鍔部23及び配管3の上端面により張出部104を挟み込んだ状態とすることで、排水口部材2及び配管3が接続されるとともに、両者が浴槽100に取付けられた状態となっている。
尚、本実施形態において、張出部104の上面と鍔部23との間には、弾性変形可能な材料(例えば、樹脂やゴム等)により形成された環状のシール部材9が配置されており、また、配管3の上端面と張出部104の裏面との間には、同様に弾性変形可能な材料により形成された環状のシール部材10が配置されている。これらシール部材9,10によって、排水口部材2及び配管3と浴槽100との間からの漏水防止が図られている。尚、これらシール部材9,10も、前記孔部104aに対応する箇所に孔を有している。
作動軸機構4は、排水口部材2及び配管3の内部(すなわち排水の流路)に配置されており、栓蓋6を移動させる機能を有する。作動軸機構4は、ケース部41、作動軸42、回転リング43及び付勢部44を備えている。
ケース部41は、作動軸42及び付勢部44を保持しつつ、排水口部材2の内周に取付けられることで、作動軸42を栓蓋6の裏側に設置するための部品である。ケース部41は、外環部41a、連結部41b、保持部41c及び閉塞部41dを備えている。
外環部41aは、排水口部材2に対する作動軸機構4の取付部として機能する部位である。外環部41aは、排水口部材2(本体部22)の内周形状に対応する長円筒状をなしており、保持部41cを間に置いて相対向し、かつ、横方向に延びる2つの長板状部分を備えた形状とされている。本実施形態では、外環部41aが排水口部材2の内周面に設けられた段差部分に載置されること等によって、排水口部材2に対し作動軸機構4が取付けられた状態となっている。尚、外環部41aを、配管3の内側に取付けるように構成してもよいし、排水口部材2から配管3にかけた両者の内側部分に取付けるように構成してもよい。
連結部41bは、外環部41aの内周面と保持部41cの外周面とを連結する部位である。本実施形態において、連結部41bは、外環部41aにおける上述した各長板状部分と保持部41cの外周面とを連結するようにして2本設けられている。尚、連結部41bの数や形成位置等については適宜変更可能である。
保持部41c及び閉塞部41dは、作動軸42や付勢部44を保持するためのものである。保持部41c及び閉塞部41dはそれぞれ円筒状をなしており、保持部41cの下端部開口を塞ぐようにして当該保持部41c内に閉塞部41dが挿通設置された状態となっている。
また、保持部41cの内周部には係合歯41e(図3,4参照)が設けられ、閉塞部41dの内周部には案内歯41fが設けられている。係合歯41e及び案内歯41fは、保持部41c等の軸方向に沿って相対向した状態とされている。
係合歯41eは、保持部41cの軸方向に沿って延びる突条形状をなしており、保持部41cの周方向に沿って等間隔に複数設けられている。係合歯41eの先端部(下端部)には、回転リング43(より詳しくは、回転リング43の後述する被係合歯)が係合される被係合部分が設けられている。また、隣接する各係合歯41eの間には、保持部41cの軸方向に沿って延びる溝が形成されている。
案内歯41fは、閉塞部41dの周方向に沿って等間隔に複数設けられている。案内歯41fは、所定の傾斜面を具備しており、当該傾斜面へと接触した回転リング43を所定方向に回転させるという役割を有する。
作動軸42は、栓蓋6を正面から見たときに当該栓蓋6の裏側に位置しており、自身の往復移動により栓蓋6を移動させるものである。作動軸42は、円柱状をなしており、上下方向に往復移動可能な状態で保持部41c及び閉塞部41dの内周に挿設されている。本実施形態における作動軸42は、2つの棒状部品が直列的に連結されることで構成されている。より詳しくは、各棒状部品の端面中心に形成されたねじ穴のそれぞれに対し、図示しないねじ部品が螺合されることで、各棒状部品が連結されて作動軸42が構成されている。
回転リング43は、円環状をなしており、作動軸42の外周に回転可能な状態で配設されており、また、作動軸42の往復移動時に、作動軸42とともに往復移動するようになっている。さらに、回転リング43は、自身の外周面に、外側に突出する複数の被係合歯を備えている。当該被係合歯は、回転リング43の周方向に沿って等間隔に設けられている。
付勢部44は、保持部41c及び閉塞部41d内に設けられており、作動軸42に対しその往動(上動)方向に沿った付勢力を付与するためのものである。付勢部44は、例えば伸縮変形可能なばねによって構成されており、作動軸42及び閉塞部41dにより挟まれて圧縮変形した状態で設置されている。
上記のように構成された作動軸機構4は、栓蓋6の上面に対する押動により、作動軸42を所定の上方位置にて保持すること、及び、作動軸42を所定の下方位置にて保持することを交互に行うことが可能である。
より詳しくは、栓蓋6の上面に対する押動により、作動軸42に対し下方に向けた力が加わるところ、作動軸42が前記上方位置に配置されている状態(図4〜6に示す状態であり、排水流入口21が開放されている状態)で栓蓋6の上面を押動すると、作動軸42が復動(下動)して、回転リング43の前記被係合歯が案内歯41fへと接触しつつ当該案内歯41fを摺動し、回転リング43が若干回転する。このとき、回転リング43の周方向に沿って、回転リング43の前記被係合歯と、係合歯41eの前記被係合部分との位置がほぼ合った状態となる。
この状態で、栓蓋6に対する押動が解除され、付勢部44からの付勢力により作動軸42や回転リング43が往動(上動)すると、回転リング43の前記被係合歯が係合歯41eの前記被係合部分に係合された状態となる。その結果、作動軸42が前記下方位置にて保持(ロック)された状態となる。
一方、作動軸42が前記下方位置に配置されている状態(図3に示す状態であり、排水流入口21が閉鎖されている状態)で栓蓋6の上面を押動すると、作動軸42が若干だけ復動(下動)した段階で、回転リング43の前記被係合歯が案内歯41fへと接触しつつ当該案内歯41fを摺動し、回転リング43が若干回転する。このとき、回転リング43の周方向に沿って、回転リング43の前記被係合歯と、隣接する各係合歯41e間に形成された前記溝との位置がほぼ合った状態となる。
この状態で、栓蓋6に対する押動を解除し、付勢部44からの付勢力により作動軸42や回転リング43が往動(上動)すると、回転リング43の前記被係合歯が隣接する各係合歯41e間に形成された前記溝に入り込むことで、作動軸42は前記上方位置まで往動(上動)する。その結果、作動軸42が前記上方位置にて保持された状態となる。
次に、台座部5及び栓蓋6について説明する。台座部5は、栓蓋6を回動可能な状態で支持するための部品である。本実施形態における台座部5は、全体として、排水口部材2の鍔部23の形状に対応する角丸矩形の環状をなしている。つまり、台座部5は、平面視したときに、側壁部102の幅方向に沿って延びる比較的長い2本の平行な長辺部分と、当該長辺部分にほぼ直交する比較的短い2本の短辺部分とを備え、これら長辺部分及び短辺部分の端部同士が湾曲状部分で連結された形状となっている。
また、台座部5は、排水口部材2に対し取付けられた状態となっている。つまり、台座部5は、浴槽100に対し間接的に固定された状態となっている。尚、本実施形態においては、美観の向上などを図るべく、台座部5は前記ねじ8を覆うとともに、鍔部23及び垂下部103間に入り込んだ状態で設けられている。
さらに、台座部5の上面には、栓蓋6の後述する回動軸部61aを支持するための支持部51(図5参照)が設けられている。支持部51は、台座部5における側壁部102とは反対側、つまり上述した台座部5を構成する2本の長辺部分のうち側壁部102とは反対側(換言すれば底壁部101の中心側)に位置する長辺部分に設けられている。また、支持部51は、前記長辺部分の延びる方向に沿って間隔をあけて複数(例えば2つ)設けられている。さらに、各支持部51は、側壁部102側に位置する(側壁部102側を向く)切欠き部分を備えることで、一部が途切れた環状をなしており、後述する回動軸部61aは、当該切欠き部分を通して支持部51に対し取付及び取外可能となっている。
栓蓋6は、排水流入口21を開閉するための栓であり、排水流入口21の形状に対応する横長形状(本実施形態では平面視角丸矩形状)とされている(図1参照)。栓蓋6は、凹部105に対応して(本実施形態では、凹部105内に)配置されており、本実施形態では、排水流入口21が閉状態であるときに、その全体が凹部105内に収容されるようになっている。栓蓋6は、例えば樹脂等からなる扁平状の栓蓋本体部61と、当該栓蓋本体部61の外縁側に取付けられた、弾性変形可能な材料からなるパッキン部62とを有している。
栓蓋本体部61は、その裏側に、側壁部102の幅方向に沿って延びる円柱状をなす回動軸部61a(図5参照)を有しており、当該回動軸部61aが支持部51に対し回動可能な状態で取付けられている。つまり、栓蓋6は、支持部51に対し回動可能な状態で取付けられている。これにより、栓蓋6は、側壁部102とは反対側(底壁部101の中心側)を回動中心として回動可能となっている。
また、栓蓋本体部61の裏面中央領域に対し作動軸42の先端部が接触可能となっており、作動軸42の往復移動に伴い、栓蓋6が回動して浴槽100に対し変位するようになっている。
本実施形態では、作動軸42が前記上方位置に配置されているときにおいて、栓蓋6の上面を押動して、栓蓋6を回動させつつ、作動軸42を前記下方位置にて保持(ロック)した状態とすることで、パッキン部62の外周部分全域が排水口部材2と接触し、その結果、排水流入口21が閉状態とされる(図3参照)。一方、この状態で、栓蓋6の上面を押動して作動軸42のロックを解除すると、付勢部44からの付勢力により、栓蓋6が回動しつつ作動軸42が前記上方位置にて保持され、さらに、パッキン部62が排水口部材2から離間した状態となり、その結果、排水流入口21が開状態とされる(図4〜6参照)。このように本実施形態における排水栓装置1は、栓蓋6の上面を押す度に、栓蓋6が移動して排水流入口21の開閉状態が交互に切換わる構造(いわゆるダイレクトプッシュ)となっている。尚、排水流入口21が開状態であるときには、栓蓋6における回動軸とは反対側の部位が凹部105の外に出ることとなる。
また、上記の通り、栓蓋6が回動することで排水流入口21の開閉状態が切換えられるところ、本実施形態では、排水流入口21が開状態であるときに栓蓋6(特に栓蓋6の上面)が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成されている。
さらに、栓蓋本体部61の上面(表面)は、浴槽100における底壁部101から湾曲壁部102aにかけた部位の形状に対応する形状をなしている。より詳しくは、栓蓋本体部61の上面(表面)には、底壁部101に対応する底壁対応面61bと、湾曲壁部102aに対応する湾曲壁対応面61cとが設けられている。底壁対応面61bは、排水流入口21を閉状態としたときにほぼ水平となり、底壁部101と隣接した状態となる面である。湾曲壁対応面61cは、排水流入口21を閉状態としたときに底壁対応面61bから徐々に立ち上がる形状をなし、この立ち上がり程度が底壁部101に対する湾曲壁部102aの立ち上がり程度と同程度とされた面である。
加えて、栓蓋本体部61は、排水流入口21を閉状態としたときに、その外縁部全周が垂下部103(浴槽100における凹部105を形成する部位)に近接した状態(例えば、垂下部103から2〜3mm以下だけ離れた状態)で配置されるようになっている。その結果、栓蓋本体部61の上面(表面)形状が上記のように設定されることと相俟って、栓蓋6は、排水流入口21が閉状態であるときに、その上面が浴槽100の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上浴槽100の表面の一部を構成した状態となっている。尚、「連続面状をなす」とあるのは、厳密な連続面となる場合のみならず、浴槽100の表面と栓蓋6の上面との間に数mm程度(例えば、2〜3mm以下程度)の段差や凹み、隙間などが存在し、両面がほぼ連続面となる場合も含む。
以上詳述したように、本実施形態によれば、浴槽100における底壁部101から側壁部102(湾曲壁部102a)にかけての部位に凹部105が設けられており、当該凹部105内に排水流入口21が設けられるとともに、当該凹部105に対応して栓蓋6が設置されている。従って、栓蓋6をいわば側壁部102(湾曲壁部102a)に入り込ませた状態で設置することができる。これにより、使用者にとって栓蓋6が邪魔になりにくい状態とすることができ、例えば、浴槽100に“もの”(例えば持ち運び可能な洗面器など)を置く場合などに都合がよくなる。また、より優れた美観を得ることも可能となる。さらに、栓蓋6の踏み付けをより確実に防止することができ、踏み付けによる栓蓋6などの破損や変形などをより確実に防止できる。加えて、排水流入口21に対応して設けられる配管3などの部品を作業者側(洗い場側)から見てより手前側に配置させることが可能となり、当該部品の設置やメンテナンス等に係る作業性を向上させることができる。
また、栓蓋6は、排水流入口21が閉状態であるときに、凹部105内に収容され、かつ、その上面が浴槽100の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上浴槽100の表面の一部を構成した状態となるように構成されている。これにより、非常に良好な美観を実現することができるとともに、優れた安全性を得ることができる。
さらに、排水流入口21は、これを正面から見たときに、側壁部102の幅方向を横方向として、縦方向よりも横方向が長い横長形状をなしており、また、栓蓋6は、排水流入口21の形状に対応する横長形状とされている。従って、排水流入口21の通水面積を大きなものとして排水能力の増大を図りつつ、排水流入口21や栓蓋6を円形状とした場合と比較して、排水流入口21や栓蓋6をスリムな見た目とすることができ、栓蓋6等が目立つ存在とはなりにくい状態とすることができる。また、排水流入口21を横長形状とすることによって、排水流入口21を円形状とした場合と比較して、排水流入口21の通水面積を増大させつつ、排水流入口21に対する“もの”(例えば容器や固形石鹸など)の落下が生じにくくなる。これらの結果、排水流入口21における通水面積を増大させて排水能力の向上を図りつつ、美観や利便性の低下をより確実に抑えることができる。
さらに、栓蓋6をいわば側壁部102(湾曲壁部102a)に入り込ませた状態で設置しつつ、栓蓋6を横長形状とすることで、栓蓋6が底壁部101の中心側へとより張り出さないようにすることができる。これにより、使用者にとって栓蓋6がより邪魔となりにくくなり、浴槽100に“もの”を置く場合等においてより好都合となる。また、美観の一層の向上を図ることができるとともに、栓蓋6の踏み付けを一層確実に防ぐことが可能となる。さらに、排水流入口21に対応して設けられる配管3などの部品を作業者側(洗い場側)から見て一層手前側に配置させることができ、当該部品の設置やメンテナンス等に係る作業性をより高めることができる。
加えて、栓蓋6は回動するものとされ、排水流入口21が開状態であるときに、栓蓋6が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態(すなわち栓蓋6の上面が水平方向に対し斜めに傾いた状態)となるように構成されている。栓蓋6が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となることで、栓蓋6の上面に付着した水が当該上面を伝わって流れ落ちることとなるため、栓蓋6の上面における水の残留をより確実に防止することができる。これにより、栓蓋6(栓蓋本体部61)の上面を浴槽100の表面形状に対応する形状としながら、栓蓋6の上面に対する水垢や汚れなどの付着をより確実に防ぐことができ、美観や衛生性の向上を図ることができる。
特に本実施形態では、排水流入口21が開状態であるときに、栓蓋6が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるため、栓蓋6の上面における残水防止をより効果的に図ることができる。
また、本実施形態において、栓蓋6は、その回動軸が側壁部102の幅方向に沿って延びるものとされ、かつ、側壁部102とは反対側を回動中心として回動するものとされている。従って、浴槽100における底壁部101の中心側から見たときに、排水流入口21が開状態であっても閉状態であっても、栓蓋6によって排水流入口21やその周辺部位(例えば台座部5や排水口部材2)を隠した状態とすることができる。これにより、汚れなどの付着しやすい排水流入口21の形成部位やその周辺部位を使用者が視認しにくい状態とすることができ、美観の向上をより一層図ることができる。
さらに、排水流入口21を開状態とし、栓蓋6における回動軸とは反対側の部位が凹部105の外に出た状態では、底壁部101の中心側から見たときに、凹部105(特に栓蓋6が外に出た箇所)との間に栓蓋6が配置される状態となる。そのため、栓蓋6によって、底壁部101の中心部側つまり使用者の位置する側から凹部105ひいては排水流入口21へと“もの”が落下することをより確実に防止できる。また、栓蓋6によって、凹部105に対する足(例えば足の指)の入り込みをより確実に防ぐことが可能となり、安全性を一層高めることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、底壁部101から湾曲壁部102aにかけた部位に凹部105が設けられているが、湾曲壁部102aのみに凹部105を設けることとしてもよい。尚、この場合における栓蓋本体部61の上面は、湾曲壁部102aの形状に対応する形状とされる。
(b)上記実施形態において、栓蓋6は、排水流入口21が閉状態であるときに、凹部105内に収容され、かつ、その上面が浴槽100の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上浴槽100の表面の一部を構成した状態となるように構成されている。これに対し、排水流入口21が開状態であるときに、栓蓋6が上記状態となるように構成してもよい。尚、この場合には、排水流入口21が開状態であるときに、浴槽100における凹部105を形成する部位(垂下部103)と栓蓋6との間に多少の隙間が形成されるように構成することで、ある程度の排水性能を確保することが好ましい。
(c)上記実施形態では、排水流入口21が開状態であるときに、栓蓋6が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成されているが、排水流入口21が閉状態であるときに、栓蓋6がこの状態となるように構成してもよい。勿論、排水流入口21が開状態であるとき、及び、排水流入口21が閉状態であるときの双方において、栓蓋6が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成してもよい。
(d)上記実施形態では、排水口部材2及び台座部5が別体とされているが、排水口部材及び台座部を一体としてもよい。例えば、上記実施形態における排水口部材2の上面部に支持部51に相当する部位を設けることで、排水口部材に対し台座部が一体化されるように構成してもよい。
(e)上記実施形態において、支持部51はほぼ環状をなしており、当該支持部51に対し栓蓋6の回動軸部61aが取付けられるように構成されているが、支持部を棒状とするとともに、栓蓋6に当該棒状の支持部が取付けられるほぼ環状部分を設けることとしてもよい。すなわち、上記実施形態における支持部51に相当するほぼ環状部分を栓蓋6に設け、上記実施形態における回動軸部61aに相当する棒状部分を、台座部5に設けることとしてもよい。この場合、台座部5に設けられた棒状部分が、支持部に相当する。
(f)上記実施形態では、栓蓋6が回動することで排水流入口21の開閉状態が切換わるように構成されているが、例えば栓蓋6を作動軸42の先端部に取付けること等により、栓蓋6が直線的に移動することで排水流入口21の開閉状態が切換わるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、側壁部102とは反対側(底壁部101の中心側)を回動中心として栓蓋6が回動可能とされているが、栓蓋6における回動中心を適宜変更してもよい。例えば、栓蓋6を、側壁部102側を回動中心として回動可能に構成してもよい。
(g)上記実施形態において、作動軸機構4は、作動軸42により栓蓋6を移動させる機能と、栓蓋6の裏側に作動軸42を設置する機能とを備えているが、両機能を別々の部品によって構成し、これら部品を組合わせることで作動軸機構4を構成してもよい。
(h)上記実施形態において、取付孔106は平面視長円形状をなしており、また、排水口部材2(本体部22)は、取付孔106の形状に合わせた形状とされているが、取付孔106の形状を適宜変更してもよく、また、取付孔106の形状変更に合わせて排水口部材2の形状を変更してもよい。従って、例えば、取付孔106を平面視矩形状(角丸矩形状を含む)とし、この形状に合わせて排水口部材2(本体部22)を矩形筒状としてもよい。
また、排水流入口21の形状を適宜変更してもよく、例えば、矩形状や多角形状などをなすようにしてもよい。
さらに、凹部105や栓蓋6の形状についても適宜変形可能であり、例えば、これらの形状を平面視円形状や長円形状などとしてもよい。
(i)栓蓋6の上面及び浴槽100の表面における一体感をより高め、栓蓋6の上面が外観上浴槽100の表面の一部を構成した状態をより確実に実現するために、栓蓋6の上面色と浴槽100の表面色とを同一としてもよい。
(k)上記実施形態では、栓蓋6(パッキン部62)が排水口部材2に接触することで、排水流入口21が閉状態となるように構成されているが、栓蓋6が台座部5又は浴槽100に接触することで、排水流入口21が閉状態となるように構成してもよい。
(l)上記実施形態における排水栓装置1は、栓蓋6を押動することで排水流入口21の開閉状態が切換わる構造(いわゆるダイレクトプッシュ)とされているが、必ずしもこの構造である必要はない。従って、例えば、浴槽100に対し変位可能な操作部(例えば操作ボタンや操作ハンドルなど)と、当該操作部の変位による駆動力を作動軸42に伝達する伝達部材(例えばワイヤ等)とを設け、前記操作部を操作しこれを変位させることで、前記伝達部材及び作動軸42が移動し、ひいては排水流入口21の開閉状態が切換わるように構成してもよい。
また、栓蓋6を移動させるための機構(例えば作動軸42等)を設けることなく、栓蓋6を手動により回動することで、排水流入口21の開閉状態を切換えるように構成してもよい。この場合には、排水流入口21を開状態又は閉状態としたときに、栓蓋6の回動を規制して栓蓋6を一定位置にて保持するための保持機構を設けることとしてもよい。さらに、栓蓋6を凹部105にて単に載置される構成とし、手動により栓蓋6を凹部105に設置したり凹部105から取外したりすることができるように構成してもよい。
(m)上記実施形態において、排水流入口21は、排水口部材2の内側開口により形成されているが、例えば排水口部材2を設けない場合には、浴槽100に貫通形成された孔(例えば取付孔106のような孔)の開口により排水流入口を構成してもよい。また、台座部5の内側開口によって排水流入口を構成してもよい。
(n)上記実施形態では、槽体として浴槽100を例示しているが、本発明の技術思想を適用可能な槽体は浴槽に限定されるものではない。従って、例えば、洗面ボウルやキッチンの流し台などの浴槽以外の槽体に対し本発明の技術思想を適用してもよい。
尚、槽体が洗面ボウル(洗面器)であり、排水流入口が使用者側から見て奥側又は左右側に位置する場合には、本発明の技術思想を適用し、排水流入口及び栓蓋をいわば側壁部(湾曲壁部)に入り込ませた状態とすることで、洗面ボウルの下に位置し排水流入口に対応して設けられる配管などの部品を洗面ボウル下のスペースにおいてより邪魔となりにくい位置に配置することができる。これにより、当該スペースをより有効的に活用することができる。
1…排水栓装置、5…台座部、6…栓蓋、21…排水流入口、42…作動軸、51…支持部、100…槽体(浴槽)、101…底壁部、102…側壁部、102a…湾曲壁部、105…凹部。

Claims (4)

  1. 底壁部及び当該底壁部の周縁に立設された側壁部を有し、当該側壁部のうち当該底壁部に連続する部位が当該底壁部側から徐々に立ち上がる湾曲壁部とされてなる槽体に取付けられる排水栓装置であって、
    前記槽体における前記底壁部から前記湾曲壁部にかけた部位又は前記湾曲壁部のみには、窪み状の凹部が設けられており、
    前記凹部に対応して配置されるとともに、前記槽体に対し変位可能であり、かつ、前記凹部内に設けられ前記槽体からの排水時に水が流入する排水流入口を自身の変位により開閉可能な栓蓋を備え、
    前記栓蓋は、前記排水流入口が閉状態又は開状態であるときに、前記凹部内に収容され、かつ、その上面が前記槽体の表面に対し連続面状をなすとともに、外観上前記槽体の表面の一部を構成した状態となるように構成されていることを特徴とする排水栓装置。
  2. 前記排水流入口は、これを正面から見たときに、前記側壁部の幅方向を横方向として、縦方向よりも横方向が長い横長形状をなしており、
    前記栓蓋は、前記排水流入口の形状に対応する横長形状とされることを特徴とする請求項1に記載の排水栓装置。
  3. 所定の支持部を有するとともに、前記槽体に対し直接又は間接的に固定された台座部と、
    前記栓蓋を正面から見たときに当該栓蓋の裏側に位置するとともに、往復移動可能に構成された作動軸とを備え、
    前記栓蓋は、前記支持部に対し回動可能な状態で取付けられ、前記作動軸の移動に伴い回動するように構成されており、
    前記栓蓋が回動することで前記排水流入口の開閉状態が切換えられるとともに、前記排水流入口が開状態及び閉状態の少なくとも一方であるときに前記栓蓋が鉛直方向に対し斜めに傾いた状態となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排水栓装置。
  4. 前記栓蓋は、その回動軸が前記側壁部の幅方向に沿って延びるものとされ、かつ、当該側壁部とは反対側を回動中心として回動可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の排水栓装置。
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