JP2020204187A - 外殻シールド壁及びその製造方法 - Google Patents

外殻シールド壁及びその製造方法 Download PDF

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均 浅野
Hitoshi Asano
均 浅野
請川 誠
Makoto Ukekawa
誠 請川
小林 修
Osamu Kobayashi
修 小林
卓人 中山
Takuto Nakayama
卓人 中山
田中 孝
Takashi Tanaka
孝 田中
田中 宏典
Hironori Tanaka
宏典 田中
田中 徹
Toru Tanaka
徹 田中
英紀 大橋
Hidenori Ohashi
英紀 大橋
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Abstract

【課題】止水性が高い外殻シールド壁及び外殻シールド壁の製造方法を提供する。【解決手段】先行シールドトンネル5に後行シールドトンネル6を連通させ、連通部にコンクリートを打設し、地下空間とその周囲の地盤とを画する外殻シールド壁であって、先行シールドトンネル5に後行シールドトンネル6を連通させる工程において、連通部に配置された連通部セグメントピース7aの連通部スキンプレートと、連通部リング間継手板と、連通部シール材とを除去する。【選択図】図12

Description

本発明は、外殻シールド壁及びその製造方法に関する。
外殻シールド壁は、地下空間と地下空間の周囲の地盤とを画するために採用される。外殻シールド壁は、止水性が求められており、その採用例としては、地下に設けられる高速道路の本線トンネルとランプトンネルとを接合する工事に採用される例などがあげられる。このような工事では、本線トンネルとランプトンネルを取り囲むように外殻シールド壁を構築し、その内部の土砂の一部または全部を掘削して、本線トンネルとランプトンネルとを連通させる。
外殻シールド壁は、特許文献1に記載のようなものがある。特許文献1では概略以下のように構築される。
一部を切削可能なセグメントとされた先行シールドトンネルが、間隔を空けて施工される。その後、先行シールドトンネル内にエアモルタルが充填される。
先行シールドトンネルの間に後行シールドトンネルが施工される。後行シールドトンネルは、先行シールドトンネルの切削可能なセグメントとエアモルタルとを切削しながら、すなわち先行シールドトンネルの断面と重なって施工される。後行シールドトンネルは、鋼製セグメントで形成される。
先行シールドトンネルと後行シールドトンネルとが重なった部分の地盤側(本線トンネルとランプトンネルなどが設けられる地下空間側である外殻シールド壁の内側と、設けられない側である外殻シールド壁の外側)には凍土が形成される。
その後、後行シールドトンネルの先行シールドトンネルに接する部分が開口され連通される。具体的には、当該部分に位置する後行シールドトンネルの鋼製セグメントのスキンプレートが除去されて、先行シールドトンネル内のエアモルタルが除去される。
その後、先行シールドトンネル及び後行シールドトンネルの内部に鉄筋が配筋された後にコンクリートが打設され外殻シールド壁が構築される。
特開2017−193955号公報
特許文献1に記載のような外殻シールド壁は、後行シールドトンネルの鋼製セグメントピースはスキンプレートだけが除去されて、外主桁であるリング間継手板は残される。当該残されたリング間継手板は、打設されるコンクリートに埋設されることになる。
一方、図15、図16(A)及び図16(B)に示すように、先行シールドトンネル間に配置される後行シールドトンネルには、その施工中にリング間における後行シールドトンネル内部への浸水を防止するために、鋼製セグメントピースのリング間継手板(外主桁)の他のセグメントが連結される側の面には、シール材がトンネル周方向に沿って設けられるので、連結されたリング間継手板同士の間にシール材がリング全周に亘って存在している。
そして、図16(A)、図16(B)および図17に示すように、連通された部分に位置する主桁については、コンクリートによって埋設されるが、コンクリートを貫通して存在することになるので、主桁のうち連結されたリング間継手板同士とシール材とで形成された空間にはコンクリートが充填されづらいことから、コンクリートを貫通して形成される水みちDとなり得る。すなわち、外殻シールド壁の外側の連通されていない部分からの地下水が、この水みちDを通って、外殻シールド壁の内側に漏水が発生することになり得て、止水性が低下することになる。
また、この水みち部分を止水しようとすると、止水材を注入することになるが、後施工による対応が必要になり、コンクリート構造物としての長期耐久性に影響を与えかねない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を鑑みて、止水性が高い外殻シールド壁及びその製造方法を提供することである。
本願請求項1に係る発明は、鋼製セグメントピースがトンネル周方向に連結されて構成されたリング体と、該リング体がトンネル軸方向に連結されて構成されるトンネル体と、該トンネル体に並設される並設構造物と、前記トンネル体に設けられ並設構造物に連通され固化材が打設された連通部と、を備えた地下空間と前記地下空間の周囲の地盤とを画する外殻シールド壁であって、前記鋼製セグメントピースは、前記連通部に配置されていない非連通部セグメントピースと、前記連通部に配置された連通部セグメントピースと、を備え、前記非連通部セグメントピースは、該非連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される非連通部ピース間継手板と、該非連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された非連通部主桁と、前記非連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結された非連通部リング間継手板と、前記非連通部ピース間継手板と前記非連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する非連通部スキンプレートと、前記非連通部リング間継手板の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられたシール材と、を備え、前記連通部セグメントピースは、該連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される連通部ピース間継手板と、該連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された連通部主桁と、を備え、前記連通部主桁の全ては、前記リング体におけるトンネル周方向に連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部リング間継手板の間に位置することを特徴とする外殻シールド壁である。
本願請求項2に係る発明は、前記連通部セグメントピースのトンネル周方向に連結される前記非連通部セグメントピースの非連通部ピース間継手板は、前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁に作用する軸力を前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁に伝達可能となるように補強されていることを特徴とする請求項1に記載の外殻シールド壁である。
本願請求項3に係る発明は、前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁と前記並設構造物との間に、前記連通部主桁の変形を抑止するスペーサが介在されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外殻シールド壁である。
本願請求項4に係る発明は、前記連通部は、前記連通部セグメントピースが配置された第一連通部と、前記第一連通部からのトンネル周方向に離間して前記連通部セグメントピースが配置された第二連通部とを少なくとも備えており、前記第一連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁と、前記第二連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁とを繋ぎ、前記連通部主桁の変形を抑止する繋ぎ材を、備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の外殻シールド壁である。
本願請求項5に係る発明は、鋼製セグメントピースをトンネル周方向に連結してリング体を構成し、該リング体をトンネル軸方向に連結しトンネル体を形成するトンネル体形成工程と、前記トンネル体に並設された並設構造物に前記トンネル体の内部を連通させ連通部を形成する連通部形成工程と、前記連通部に固化材を打設する打設工程と、を備える地下空間と前記地下空間の周囲の地盤とを画する外殻シールド壁の製造方法であって、前記トンネル体形成工程において、トンネル周方向に連結されてリング体を構成する鋼製セグメントピースは、前記連通部形成工程において形成される連通部に配置されない非連通部セグメントピースと、前記連通部形成工程において形成される連通部に配置される連通部セグメントピースと、を備え、前記非連通部セグメントピースは、該非連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントに連結される非連通部ピース間継手板と、該非連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された非連通部主桁と、前記非連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される非連通部リング間継手板と、前記非連通部ピース間継手板と前記非連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する非連通部スキンプレートと、前記非連通部リング間継手板の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられた非連通部シール材と、を備えており、前記連通部セグメントピースは、該連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントに連結される連通部ピース間継手板と、前記連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された連通部主桁と、前記連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される連通部リング間継手板と、前記連通部ピース間継手板と前記連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する連通部スキンプレートと、前記連通部リング間継手板のトンネル軸方向の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられた連通部シール材と、を備えており、前記連通部形成工程は、前記連通部セグメントピースの前記連通部スキンプレートの少なくとも一部と、前記連通部リング間継手板の少なくとも一部と、前記連通部シール材の少なくとも一部とを除去する除去工程を含むことを特徴とする外殻シールド壁の製造方法である。
本願請求項6に係る発明は、前記連通部形成工程の前に、前記連通部セグメントピースのトンネル周方向に連結される前記非連通部セグメントピースの前記非連通部ピース間継手板について、該非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁に作用する軸力が、前記除去工程において前記連通部セグメントピースから前記連通部リング間継手板の少なくとも一部が除去された後の前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁に伝達可能となるように補強しておく補強工程を備えていることを特徴とする請求項5に記載の外殻シールド壁の製造方法である。
本願請求項7に係る発明は、前記除去工程は、前記連通部セグメントピースの前記連通部リング間継手板の全てと、前記連通部シール材の全てとを除去する工程であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の外殻シールド壁の製造方法である。
本願請求項8に係る発明は、前記除去工程の前に、前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁の変形を抑止する連通部主桁変形抑止工程と、を備えることを特徴とする請求項5乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の外殻シールド壁の製造方法である。
本願請求項9に係る発明は、前記連通部主桁変形抑止工程は、前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁と前記並設される構造物との間にスペーサを介在させる工程であることを特徴とする請求項8に記載の外殻シールド壁の製造方法である。
本願請求項10に係る発明は、前記連通部は、前記連通部セグメントピースが配置された第一連通部と、前記第一連通部からのトンネル周方向に離間して前記連通部セグメントピースが配置された第二連通部とを少なくとも備えており、前記連通部主桁変形抑止工程は、前記第一連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁と、前記第二連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁とを、繋ぎ材で繋ぐ工程であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の外殻シールド壁の製造方法である。
本発明によれば、固化材を貫通して水みちを形成するリング間の連結された外主桁であるリング間継手板とシール材とが、連通部における固化材の内部で縁を切ることができ、水みちが固化材内を貫通することなく外殻シールド壁の止水性を高くすることができる。
加えて、連通部セグメントピースのトンネル周方向に連結される非連通部セグメントピースの非連通部ピース間継手板は、非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁に作用する軸力を連通部セグメントピースの主桁に伝達可能となるように補強されているので、非連通部ピース間継手板が破損することなく、非連通部セグメントピースの特に外主桁である非連通部リング間継手板に作用する軸力を、連通部セグメントピースの主桁に確実に伝達することができる。
加えて、除去工程において、連通部セグメントピースの連通部リング間継手板の全てと、連通部シール材の全てを除去するので、連通部に打設するコンクリートなどの固化材の打設が行いやすくなり、その充填率も高めることができる。
加えて、連通部リング間継手板と連通部シール材との少なくとも一部を除去する前に、中主桁の変形を抑止する中主桁変形抑止工程を備えるので、中主桁の剛性を高める。特に凍結工法による凍土圧によって連通部の主桁が外側に撓み、凍土と非連通部鋼製セグメントとの接着がなくなり、凍着切れが生じることになるが、これを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態における断面図である。 図1のY部分の拡大図である。 本発明の第1の実施形態における連通部セグメントピースを示す三面図である。 本発明の第1の実施形態における非連通部セグメントピースを示す三面図である。 図4(B)のZ1部分の拡大図と、図4(A)のZ2部分の拡大図である。 本発明の第1の実施形態における連通部セグメントピースと非連通部セグメントピースを構築した状態を示した図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第1の実施形態における連通部の施工過程の説明図である。 本発明の第2の実施形態における断面図である。 従来技術における外殻シールド壁の断面の一部の拡大図である。 図16(A)は図15のB−B部分の断面図であり、図16(B)は図16(A)のX部分の拡大図である。 図15のW部分の拡大図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図13と共に説明する。第1の実施形態では、高速道路の本線トンネル1とランプトンネル2とを接続するために用いられる外殻シールド壁4を示している。しかし、本発明は、実施形態の場合に限定されないことはいうまでもない。
図1および図2は、外殻シールド壁4の施工過程において、後行シールドトンネル6の構築までが完了した状態を示した図である。
図1は、本線トンネル1とランプトンネル2と外殻シールド壁4とを示した断面図である。
外殻シールド壁4は、併設された本線トンネル1とランプトンネル2を取り囲むように構築されている。外殻シールド壁4は、複数の先行シールドトンネル5と複数の後行シールドトンネル6とを交互に備えていて、全体の断面形状が略円環状に構築されている。
この状態から先行シールドトンネル5に後行シールドトンネル6が連通され全体にコンクリートなどの固化材が打設され外殻シールド壁4となり、その内部の地盤が除去され、本線トンネル1とランプトンネル2の連結作業が行われる。すなわち、外殻シールド壁4は、本線トンネル1とランプトンネル2が存在する地下空間とその周囲の地盤とを画するように設けられる。
先行シールドトンネル5は、鋼製セグメントピースとシールド掘進機で切削可能なセグメントピースとで組み立てられ、エアモルタル51が充填され、その後、後行シールドトンネル6のシールド掘進機によって切削される。
先行シールドトンネル5内のエアモルタル51は、後行シールドトンネル6のシールド掘進機が先行シールドトンネル5を切削する際の安定性を確保するために充填されたものである。本実施形態ではエアモルタルを充填したが、これに限られず、後行シールドトンネルのシールド掘進機が先行シールドトンネルを安定して切削することが可能なものであれば良い。他の例としては、流動化処理土などが挙げられる。また、先行シールドトンネルの内側の切削される部分だけをエアモルタル、それ以外を鉄筋コンクリートとして先行シールドトンネルの内側を構成するようにしても良い。
図1は、先行シールドトンネル5のトンネル周方向において略相対する部分が、後行シールドトンネル6のシールド掘進機によって、エアモルタル51とともに断面形状が円弧状に切削された状態を示している。
後行シールドトンネル6は、鋼製セグメントピースで断面形状を円形に構成される。後行シールドトンネル6は、本線トンネル1とランプトンネル2を取り囲むように所定の間隔で円環状に構築された先行シールドトンネル5の間に配置される。後行シールドトンネル6は、シールド掘進機が先行シールドトンネル5を切削するので、先行シールドトンネル5の断面と、エアモルタル51の断面と重なって構築されることになる。
トンネル体である後行シールドトンネル6に並設される構造物である先行シールドトンネル5は、本願発明の並設構造物に相当する。
図2は、図1におけるY部分を示した拡大図である。
図2に示すように、先行シールドトンネル5と後行シールドトンネル6は、一部が重なるように設けられている。
後行シールドトンネル6は、2つの連通部セグメントピース7a、7bと5つの非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8d、8eとにより構成されている。
図2に示すように、連通部セグメントピース7a、7bは、後行シールドトンネル6の先行シールドトンネル5に連通する部分に配置されている。非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8d、8eは、後行シールドトンネル6の先行シールドトンネル5に連通する部分に配置されていない。連通部セグメントピース7aが配置される連通部が本願発明の第一連通部、連通部セグメントピース7bが配置される連通部が本願発明の第二連通部に相当する。
そして、連通部セグメントピース7a、7b及び非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8d、8eが、トンネル周方向に連結されて円環状のリング体が構成され、これらのリング体がトンネル軸方向に連結されて円筒状のトンネル体を構成している。
外殻シールド壁4の先行シールドトンネル5及び後行シールドトンネル6に接している地盤の所定領域には、凍土領域92が形成されている。凍土領域92は、外周側凍土領域93と内周側凍土領域94を備えている。凍土領域92は、後行シールドトンネル6の施工後に裏込材91を充填後に形成される。
先行シールドトンネル5とエアモルタル51と後行シールドトンネル6の連通部セグメントピース7a、7bと非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8d、8eとの間には、テールボイド90に充填された裏込材91が介在して先行シールドトンネル5と後行シールドトンネル6は配置される。
連通部セグメントピースのうち連通部セグメントピース7aについて説明する。連通部セグメントピース7bは、連通部セグメントピース7aと同様であるので説明を省略する。
図3(A)〜図3(C)は、連通部セグメントピース7aについて示した図である。
図3(A)は平面図を、図3(B)は正面図を、図3(C)は側面図をそれぞれ示している。
連通部セグメントピース7aは、連通部ピース間継手板70と、主桁である連通部リング間継手板71と、主桁である連通部中主桁72と、連通部縦リブ74と、連通部スキンプレート75と、連通部シール材76と、を備えている。
連通部ピース間継手板70は、連通部セグメントピース7aのトンネル周方向両端部に位置し、他の鋼製セグメントピースと連結されるもので、板状で断面が矩形の鋼材である。
連通部リング間継手板71は、主桁であり、連通部ピース間継手板70にトンネル周方向両端部が連結されるもので、板状で矩形の鋼材である。連通部リング間継手板71は、連通部セグメントピース7aの主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置して設けられている。
連通部中主桁72は、主桁であり、連通部ピース間継手板70にトンネル周方向両端部が連結されるものである。連通部中主桁72は、連通部セグメントピース7aのトンネル軸方向において、連通部リング間継手板71との間に挟まれて設けられている。
連通部中主桁72は、断面形状がH形鋼材であり、連通部リング間継手板71よりも厚みのある鋼材が使用され、断面形状と部材の厚みにより、連通部リング間継手板71に比べて断面性能が十分に高く、後述するように、連通部リング間継手板71が撤去されても後行シールドトンネル6の剛性を維持することができる。
連通部縦リブ74は、連通部リング間継手板71と連通部中主桁72を連結しており、断面形状がL形の鋼材である。
連通部スキンプレート75は、連通部ピース間継手板70と連通部リング間継手板71と連通部中主桁72と連通部縦リブ74とのトンネル外側部に設けられている。
連通部シール材76は、連通部セグメントピース7aの他のセグメントピースが連結される外周にわたって設けられる。具体的には、連通部ピース間継手板70の他の鋼製セグメントピースが連結される側のトンネル軸方向に沿って設けられるとともに、連通部リング間継手板71の他の鋼製セグメントピースが連結される側のトンネル周方向に沿って設けられている。
連通部ピース間継手板70及び連通部リング間継手板71には、セグメントボルトを挿通するボルト孔96が所定箇所に設けられている。
非連通部セグメントピースのうち非連通部セグメントピース8aについて説明する。非連通部セグメントピース8b、8c、8d、8eは、非連通部セグメントピース8aと同様であるので説明を省略する。
図4(A)〜(C)は、非連通部セグメントピース8aについて示した図である。
図4(A)は平面図を、図4(B)は正面図を、図4(C)は側面図をそれぞれ示している。
非連通部セグメントピース8aは、非連通部ピース間継手板80と、主桁である非連通部リング間継手板81、主桁である非連通部中主桁82と、非連通部縦リブ84と、非連通部スキンプレート85と、非連通部シール材86と、を備えている。
非連通部ピース間継手板80は、非連通部セグメントピース8aのトンネル周方向両端部に位置し、他の鋼製セグメントピースと連結されるもので、板状で断面が矩形の鋼材である。また、非連通部ピース間継手板80のうち連通部セグメントピース7aが連結される側(図4(A)において下側)の非連通部ピース間継手板80は、後述する非連通部梁部87が構成され補強されている。
非連通部リング間継手板81は、主桁であり、非連通部ピース間継手板80にトンネル周方向両端部が連結されるもので、板状で矩形の鋼材である。非連通部リング間継手板81は、非連通部セグメントピース8aの主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置して設けられている。
非連通部中主桁82は、主桁であり、非連通部ピース間継手板80にトンネル周方向両端部が連結されるものである。非連通部中主桁82は、板状で矩形の鋼材であり、非連通部セグメントピース8aのトンネル軸方向において、非連通部リング間継手板81との間に挟まれて設けられている。
非連通部縦リブ84は、非連通部リング間継手板81と非連通部中主桁82を連結している。非連通部縦リブ84は、断面形状が後述する非連通部梁部87を形成するものを除きL形の鋼材である。
非連通部スキンプレート85は、非連通部ピース間継手板80と非連通部リング間継手板81と非連通部中主桁82と非連通部縦リブ84とのトンネル外側部に設けられている。
非連通部シール材86は、非連通部セグメントピース8aの他のセグメントピースが連結される外周にわたって設けられる。具体的には、非連通部ピース間継手板80の他の鋼製セグメントピースが連結される側のトンネル軸方向に沿って設けられるとともに、非連通部リング間継手板81の他の鋼製セグメントピースが連結される側のトンネル周方向に沿って設けられている。
非連通部ピース間継手板80及び非連通部リング間継手板81には、セグメントボルトを挿通するボルト孔96が所定箇所に設けられている。
図4(A)及び図4(B)に示すように、非連通部セグメントピース8aの連通部セグメントピース7aが連結される側(図4(A)において下側)には、非連通部梁部87が形成されている。
非連通部梁部87は、非連通部ピース間継手板80のうち連通部セグメントピース7aが連結される側の非連通部ピース間強化継手板87aと、非連通部縦リブ84のうち非連通部ピース間強化継手板87aの上方に位置する非連通部強化縦リブ87bと、非連通部リング間継手板81の非連通部ピース間強化継手板87aと非連通部強化縦リブ87bとを連結する非連通部リング間継手板下段部87cと、非連通部中主桁82の非連通部ピース間強化継手板87aと非連通部強化縦リブ87bとを連結する非連通部中主桁下段部87dと、非連通部スキンプレート85のうち非連通部ピース間強化継手板87a、非連通部強化縦リブ87b、非連通部リング間継手板下段部87c及び非連通部中主桁下段部87dの外側部に設けられる非連通部強化スキンプレート87eとで構成される。
図5(A)は、図4(B)におけるZ1部分を示した拡大正面図である。図5(B)は、図4(A)におけるZ2部分を示した拡大平面図である。
非連通部ピース間強化継手板87aは、非連通部セグメントピース8aのトンネル周方向において対向する端部に位置する非連通部ピース間継手板80よりも厚い鋼材が使用されていることにより、剛性が高められている。
非連通部強化縦リブ87bは、他の非連通部縦リブ84と異なり矩形の断面形状であり、他の非連通部縦リブ84よりも厚い鋼材が使用され、剛性が高められている。
非連通部リング間継手板下段部87cには、ボルト孔96が他の部分よりも多く6箇所設けられている。これは、リング体が連結してトンネル体が形成された際に非連通部梁部87を連続梁として機能させるために設けられたものである。本実施形態ではボルト孔96は6箇所設けたがこれに限られず、必要に応じて適宜設置数や設置位置などが設定される。
非連通部中主桁下段部87dは、非連通部中主桁82の下部であるが、別部材であって非連通部強化縦リブ87bと非連通部ピース間強化継手板87aを連結してスチフナーとして機能している。なお、非連通部中主桁下段部87dを別部材とせず、非連通部強化縦リブ87bを分断するようにして一本の非連通部中主桁82として構成するようにしても良い。
非連通部強化スキンプレート87eは、非連通部スキンプレート85の下部であるが、別部材であって、非連通部スキンプレート85よりも厚みのある鋼材が使用されていることにより、剛性が高められている。
非連通部梁部87は、非連通部ピース間強化継手板87a及び非連通部強化縦リブ87bを上下のフランジとし、非連通部強化スキンプレート87eをウェブとした断面形状がコ字状の梁材であり、トンネル体が形成されると連続梁を形成することになる。
このように、連通部セグメントピース7aが連結される側の非連通部ピース間継手板80は、その厚みを厚くする(非連通部ピース間強化継手板87a)とともに非連通部強化縦リブ87b、非連通部リング間継手板下段部87c、非連通部中主桁下段部87d及び非連通部強化スキンプレート87eを備えることで補強され非連通部梁部87を形成している。
非連通部梁部87は、非連通部セグメントピースの連通部セグメントピースが連結される側に形成されている。よって、非連通部セグメントピース8cでは連通部セグメントピース7a側に、非連通部セグメントピース8b、8eでは連通部セグメントピース7a側に形成されている。非連通部セグメントピース8dは連通部セグメントピースが連結されないので、非連通部梁部は形成されない。
図6は、図2においてA方向から(後行シールドトンネル6の内周側から)見た状態を示した図である。
連通部セグメントピース7aの上方には、非連通部セグメントピース8aが連結され、連通部セグメントピース7aの下方には、非連通部セグメントピース8cが連結され、リング体が形成されている。そして各リング体がトンネル軸方向に連結されてトンネル体が形成されている。
具体的には、トンネル周方向に隣接して設けられている連通部セグメントピース7aの連通部ピース間継手板70と、非連通部セグメントピース8a、8cの非連通部ピース間強化継手板87aとが連結されてリング体が形成されている。トンネル軸方向に隣接して設けられる連通部セグメントピース7aの連通部リング間継手板71同士、非連通部セグメントピース8a、8cの非連通部リング間継手板81同士が連結されてトンネル体が形成されている。
非連通部セグメントピース8a、8cには、トンネル周方向において連通部セグメントピース7aに連結される側の端部に非連通部梁部87を備えている。
換言すると、連通部セグメントピース7aは、非連通部セグメントピース8aの非連通部梁部87と、非連通部セグメントピース8cの非連通部梁部87とにトンネル周方向において挟まれるように設けられている。
第1の実施形態における外殻シールド壁4の施工過程(製造方法)のうち連通部に係る部分を図7乃至図13を用いて説明する。
図7乃至図12の各図の(A)は、連通部セグメントピース7aの近傍における図2におけるA方向から見た状態における図を、図7乃至図12の各図の(B)は、正面図をそれぞれ示している。
2つの連通部セグメントピース7a、7bのうち、連通部セグメントピース7bの近傍については、連通部セグメントピース7aの近傍と同様であるので説明は省略する。
外殻シールド壁4の製造方法は、鋼製セグメントピースである連通部セグメントピース7a、7b及び非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8d、8eをトンネル周方向に連結してリング体を構成し、リング体をトンネル軸方向に連結しトンネル体である後行シールドトンネル6を形成するトンネル体形成工程と、後行シールドトンネル6に並設された並設構造物である先行シールドトンネル5に後行シールドトンネル6の内部を連通させ連通部を形成する連通部形成工程と、前記連通部に固化材であるコンクリートを打設する打設工程と、を備える。
図7(A)および図7(B)は、外殻シールド壁4の施工過程で、後行シールドトンネル6の構築を完了した状態、すなわちトンネル体形成工程までを完了した状態を示したものである。
図7(A)は、図6の一部を拡大したものである。
図7(B)に示すように、先行シールドトンネル5内には、エアモルタル51が充填されている。先行シールドトンネル5は、図示しない後行シールド掘進機によって、エアモルタル51とともに円弧状に切削されている。後行シールドトンネル6の周囲のテールボイド90には、裏込材91が充填されている。
次に、連通部形成工程が行われる。
図8(A)および図8(B)に示すように、連通部セグメントピース7aの連通部スキンプレート75が除去される。
これにより図8(A)に示すように、連通部セグメントピース7aの連通部ピース間継手板70、連通部リング間継手板71、連通部中主桁72、連通部縦リブ74の間隙から、テールボイド90に充填されている裏込材91が露出した状態となる。
次に、図9(A)および図9(B)に示すように、テールボイド90に充填されていた裏込材91が除去される。
これにより図9(A)に示すように、連通部セグメントピース7aの連通部ピース間継手板70、連通部リング間継手板71、連通部中主桁72、連通部縦リブ74の間隙から先行シールドトンネル5内に充填されているエアモルタル51が露出した状態となる。
次に、図10(A)および図10(B)に示すように、連通部中主桁72の外側とエアモルタル51の切削面との間に、スペーサ95が取り付けられる。
これにより、連通部中主桁72がトンネル外方向へ変形しようとしても、スペーサ95によって規制されるため、連通部中主桁72の変形が抑制され、結果として連通部セグメントピース7aのトンネル外方向への変形を阻止することができる。スペーサ95は、主桁の変形抑制材であり、このスペーサ95を設ける工程は、本願発明の連通部主桁変形抑止工程に相当する。
これにより、中主桁の剛性を高めることができる。特に凍結工法による凍土圧によって連通部の主桁が外側に撓み、凍土と非連通部鋼製セグメントとの接着がなくなり、凍着切れが生じることになるが、これを抑制することができる。凍土領域92における凍土の破壊や凍着切れなどが発生したとしても後行シールドトンネル6の変形の発生を阻止することができる。
なお、本実施形態では、スペーサ95を連通部中主桁72に取付け、他の主桁である連通部リング間継手板71には取付けなかった。これは、後の除去工程によって、連通部リング間継手板71が除去されても変形抑止効果を確保するためである。しかしながら、連通部リング間継手板71が除去されるまでも確実に変形抑止効果を求めるのであれば、連通部リング間継手板71に取付けても良い。
次に除去工程が行われる。
図11(A)および図11(B)に示すように、連通部リング間継手板71が除去される。連通部リング間継手板71の除去とともに連通部リング間継手板71に設けられた連通部シール材76も除去される。この状態において、連通部セグメントピース7aの主桁は連通部中主桁72だけとなり、全ての主桁である連通部中主桁72はリング体におけるトンネル周方向に連結された非連通部セグメントピース8a、8cの外主桁である非連通部リング間継手板81の間に位置することになる。
連通部リング間継手板71を除去したことにより低下する後行シールドトンネル6の剛性は、連通部中主桁72によって維持される。また、連通部中主桁72の変形を阻止するスペーサ95によっても強化される。
また、連通部リング間継手板71によって支えられていた非連通部リング間継手板81からの荷重は、非連通部セグメントピース8a、8cの補強された非連通部ピース間継手板80である非連通部梁部87を介して、連通部中主桁72に伝達される。
このように、連通部を形成する工程の前に、非連通部梁部87を予め設ける、具体的には、連通部セグメントピースが連結される非連通部ピース間継手板について、該非連通部セグメントピースの非連通部主桁に作用する軸力が、除去工程において連通部セグメントピースから連通部リング間継手板が除去された後の連通部セグメントピースの連通部中主桁に伝達可能となるように補強しておく補強工程を行っておく。
次に、図12(A)および図12(B)に示すように、連通部縦リブ74が除去される。
次に、連通部に固化材であるコンクリートが打設される打設工程が行われる。
図13(A)および図13(B)に示すように、固化材であるコンクリートが打設され外周壁3が構築される。
連通部リング間継手板71が除去され、連通部セグメントピース7aをトンネル周方向に挟むように設けられている非連通部セグメントピース8aと、非連通部セグメントピース8cとの間に水みち部分となる空間を形成する部材がなくなるため、止水性が高められた外周壁3の構築されることになる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態を図14と共に説明する。なお、第1の実施形態と同様の事項については説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
第1の実施形態では、連通部セグメントピースの主桁の変形を抑止するために主桁の外側にスペーサを配置したものであったが、第2の実施形態では、これに代えて非連通部セグメントピースの主桁同士を繋ぐ繋ぎ材を配置するものである。
図14は、図2と同様に、後行シールドトンネル6の施工が完了した時点のものを示している。
連通部セグメントピース7aからトンネル周方向に離間して連通部セグメントピース7bが配置されている。連通部セグメントピース7aが配置される連通部が本願発明の第一連通部、連通部セグメントピース7bが配置される連通部が本願発明の第二連通部に相当する。
繋ぎ材98は、上側繋ぎ材98aと下側繋ぎ材98bを備えている。
上側繋ぎ材98aは、連通部セグメントピース7aに連結された非連通部セグメントピース8aの連通部セグメントピース7a側の端部と、連通部セグメントピース7bに連結された非連通部セグメントピース8bの連通部セグメントピース7b側の端部とを繋いでいる。
下側繋ぎ材98bは、連通部セグメントピース7aに連結された非連通部セグメントピース8cの連通部セグメントピース7a側の端部と、連通部セグメントピース7bに連結された非連通部セグメントピース8eの連通部セグメントピース7b側の端部とを繋いでいる。
上側繋ぎ材98a及び下側繋ぎ材98bは棒状の鋼材で、非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8eの主桁にその両端が固定されている。
このように構成することで、連通部セグメントピース7a、7bがトンネル外方向に変形しようとしても、上側繋ぎ材98a及び下側繋ぎ材98bがその長手方向に作用する引張力に抵抗することで、スペーサ95と同様に、連通部セグメントピース7a、7bのトンネル外方向への変形を阻止することができる。
この繋ぎ材98は、スペーサ95とは異なり、連通部形成工程を開始する前から設置することができるので、より安定し安全な施工を行うことができる。
〔その他の変形例〕
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
本実施形態では、連通部セグメントピースの連通部リング間継手板の全てと、連通部リング間継手板に設けられた連通部シール材の全てとを除去するものであったが、これに限られず、トンネル周方向に連続しないように一部を切断除去するものであっても良い。すなわち、固化材を貫通して水みちを形成するリング間の連結された外主桁であるリング間継手板とシール材とが、連通部における固化材の内部で縁を切ることができ、水みちが固化材内を貫通することがないように除去するようにすれば良いのである。
この場合、連通部リング間継手板は一部が切断されてトンネル周方向に連続しないので、切断された連通部リング間継手板は、主桁としては機能しなくなる。このような状態の連通部セグメントピースの主桁は、連通部中主桁だけであるので、連通部主桁の全ては、リング体におけるトンネル周方向に連結された非連通部セグメントピースの非連通部リング間継手板の間に位置することになる。
本実施形態では、先行シールドトンネルと後行シールドトンネルとを連通させて外殻シールド壁を施工するものであったが、これに限られない。複数のシールドトンネルを間隔を開けて並設して、一のシールドトンネルから並設された他のシールドトンネルに向けて矢板などで区画した山留め空間を形成して、当該山留め空間に一のシールドトンネルを連通させてコンクリートを打設して外殻シールド壁を形成するものでも良い。この場合には、一のシールドトンネルが本願発明のトンネル体に相当し、一のシールドトンネルを連通させる山留め空間が本願発明のトンネル体に並設される並設構造物に相当する。
本実施形態では、セグメントピースで構成されるリング体を芋継ぎで連結する、すなわち甲組だけで連結するトンネル体の例を示したが、これに限られない。リング体を千鳥組、すなわち甲組乙組交互に連結するトンネル体で行っても良い。
本実施形態では、縦リブを除去したが、残置するものでも良い。このようにすると、固化材であるコンクリートを打設する前における主桁の座屈が防止されトンネル体の構造の安定性が確保される。また、コンクリートを打設した場合におけるトンネル体の剛性が向上する。
本実施形態では、縦リブの除去を連通部リング間継手板の除去後に行ったがこれに限られない。スキンプレートと同時に縦リブを除去するようにしても良い。このようにすれば、施工の短縮が可能となる。
第2の実施形態では、繋ぎ材98は、非連通部セグメントピース8a、8b、8c、8eの主桁に設けたが、これに限られず、非連通部梁部87に設けるようにしても良い。このようにすれば、トンネル軸方向における主桁の位置に拘束されずトンネル軸方向の任意の位置に繋ぎ材を設けることができ施工の自由度が高くなる。また、繋ぎ材98は、引張力に対抗するものであったが、圧縮力にも対抗可能な構造のものとしても良い。
第2の実施形態では、上側繋ぎ材98aと下側繋ぎ材98bとを上下位置で略水平に設けるようにしたが、これに限られない。繋ぎ材98を、後行シールドトンネルの断面において「X」字形のように設けても良い。このような構成とすると、外周壁3のコンクリートで繋ぎ材98を埋設することができ、より繋ぎ材が強化される。
本実施形態では、連通部セグメントピースの連通部中主桁の断面形状がH形鋼材であったが、これに限られない。箱型形状(いわゆるボックス形状)などであっても良い。また、H型鋼材などに更に補強材を取り付けるなどして断面剛性を高めたものであっても良い。
また、連通部中主桁を通常のものより断面剛性を高めたものでなく、通常のものとして、補強材を取り付けて構成するようにしても良い。この場合には、通常のセグメントピースを用いることができる。また、その補強はリング体を構成する前であっても良いし、リング体が構成された後であっても良く、連通部形成工程が行われる前であれば良い。
本実施形態では、非連通部セグメントピースの非連通部梁部は、ピース間継手板や縦リブなどの部材厚さを厚くすることで補強して構成したが、これに限られない。非連通部梁部の各部材を非連通部梁部以外の部材の厚さと同じ厚さとしておいて、別部材の板材などを重ねて補強して構成するものでも良い。この場合には、通常のセグメントピースを用いることができる。また、その補強はリング体を構成する前であっても良いし、リング体が構成された後であっても良く、連通部形成工程が行われる前であれば良い。
本実施形態では、スペーサを設置する際に裏込材を全て除去したが、これに限られず、スペーサを設置するために必要な箇所のみ裏込材を除去してスペーサを設置するようにしても良い。このようにすれば、スペーサ設置箇所以外で裏込材が連通部セグメントピースの主桁を支持することになり、主桁が外側に撓むことをより抑えることができる。
実施形態における各技術的事項を他の変形例に適用して実施例としても良い。
1 本線トンネル
2 ランプトンネル
3 外周壁
4 外殻シールド壁
5 先行シールドトンネル
6 後行シールドトンネル
7、7a、7b 連通部セグメントピース
8、8a〜8e 非連通部セグメントピース
51 エアモルタル
70 連通部ピース間継手板
71 連通部リング間継手板(主桁)
72 連通部中主桁(主桁)
74 連通部縦リブ
75 連通部スキンプレート
76 連通部シール材
80 非連通部ピース間継手板
81 非連通部リング間継手板(主桁)
82 非連通部中主桁(主桁)
84 非連通部縦リブ
85 非連通部スキンプレート
86 非連通部シール材
87 非連通部梁部
87a 非連通部ピース間強化継手板
87b 非連通部強化縦リブ
87c 非連通部リング間継手板下段部
87d 非連通部中主桁下段部
87e 非連通部強化スキンプレート
90 テールボイド
91 裏込材
92 凍土領域
93 外周側凍土領域
94 内周側凍土領域
95 スペーサ
96 ボルト孔
98 繋ぎ材

Claims (10)

  1. 鋼製セグメントピースがトンネル周方向に連結されて構成されたリング体と、該リング体がトンネル軸方向に連結されて構成されるトンネル体と、該トンネル体に並設される並設構造物と、前記トンネル体に設けられ並設構造物に連通され固化材が打設された連通部と、を備えた地下空間と前記地下空間の周囲の地盤とを画する外殻シールド壁であって、
    前記鋼製セグメントピースは、
    前記連通部に配置されていない非連通部セグメントピースと、
    前記連通部に配置された連通部セグメントピースと、を備え、
    前記非連通部セグメントピースは、
    該非連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される非連通部ピース間継手板と、該非連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された非連通部主桁と、前記非連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結された非連通部リング間継手板と、前記非連通部ピース間継手板と前記非連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する非連通部スキンプレートと、前記非連通部リング間継手板の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられたシール材と、を備え、
    前記連通部セグメントピースは、
    該連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される連通部ピース間継手板と、該連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された連通部主桁と、を備え、
    前記連通部主桁の全ては、前記リング体におけるトンネル周方向に連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部リング間継手板の間に位置する
    ことを特徴とする外殻シールド壁。
  2. 前記連通部セグメントピースのトンネル周方向に連結される前記非連通部セグメントピースの非連通部ピース間継手板は、
    前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁に作用する軸力を前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁に伝達可能となるように補強されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の外殻シールド壁。
  3. 前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁と前記並設構造物との間に、前記連通部主桁の変形を抑止するスペーサが介在されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外殻シールド壁。
  4. 前記連通部は、前記連通部セグメントピースが配置された第一連通部と、前記第一連通部からのトンネル周方向に離間して前記連通部セグメントピースが配置された第二連通部とを少なくとも備えており、
    前記第一連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁と、前記第二連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁とを繋ぎ、前記連通部主桁の変形を抑止する繋ぎ材を、備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の外殻シールド壁。
  5. 鋼製セグメントピースをトンネル周方向に連結してリング体を構成し、該リング体をトンネル軸方向に連結しトンネル体を形成するトンネル体形成工程と、前記トンネル体に並設された並設構造物に前記トンネル体の内部を連通させ連通部を形成する連通部形成工程と、前記連通部に固化材を打設する打設工程と、を備える地下空間と前記地下空間の周囲の地盤とを画する外殻シールド壁の製造方法であって、
    前記トンネル体形成工程において、
    トンネル周方向に連結されてリング体を構成する鋼製セグメントピースは、
    前記連通部形成工程において形成される連通部に配置されない非連通部セグメントピースと、
    前記連通部形成工程において形成される連通部に配置される連通部セグメントピースと、を備え、
    前記非連通部セグメントピースは、該非連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントに連結される非連通部ピース間継手板と、該非連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された非連通部主桁と、前記非連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される非連通部リング間継手板と、前記非連通部ピース間継手板と前記非連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する非連通部スキンプレートと、前記非連通部リング間継手板の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられた非連通部シール材と、を備えており、
    前記連通部セグメントピースは、該連通部セグメントピースのトンネル周方向両端部に位置し他の鋼製セグメントに連結される連通部ピース間継手板と、前記連通部ピース間継手板にトンネル周方向両端部が連結された連通部主桁と、前記連通部主桁のうちトンネル軸方向における最外側に位置し他の鋼製セグメントピースと連結される連通部リング間継手板と、前記連通部ピース間継手板と前記連通部リング間継手板のトンネル外側部に位置する連通部スキンプレートと、前記連通部リング間継手板のトンネル軸方向の他の鋼製セグメントピースが連結される側にトンネル周方向に沿って設けられた連通部シール材と、を備えており、
    前記連通部形成工程は、
    前記連通部セグメントピースの前記連通部スキンプレートの少なくとも一部と、前記連通部リング間継手板の少なくとも一部と、前記連通部シール材の少なくとも一部とを除去する除去工程を含む
    ことを特徴とする外殻シールド壁の製造方法。
  6. 前記連通部形成工程の前に、
    前記連通部セグメントピースのトンネル周方向に連結される前記非連通部セグメントピースの前記非連通部ピース間継手板について、該非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁に作用する軸力が、前記除去工程において前記連通部セグメントピースから前記連通部リング間継手板の少なくとも一部が除去された後の前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁に伝達可能となるように補強しておく補強工程を備えている
    ことを特徴とする請求項5に記載の外殻シールド壁の製造方法。
  7. 前記除去工程は、
    前記連通部セグメントピースの前記連通部リング間継手板の全てと、前記連通部シール材の全てとを除去する工程である
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の外殻シールド壁の製造方法。
  8. 前記除去工程の前に、
    前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁の変形を抑止する連通部主桁変形抑止工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のうちいずれか1項に記載の外殻シールド壁の製造方法。
  9. 前記連通部主桁変形抑止工程は、
    前記連通部セグメントピースの前記連通部主桁と前記並設される構造物との間にスペーサを介在させる工程である
    ことを特徴とする請求項8に記載の外殻シールド壁の製造方法。
  10. 前記連通部は、前記連通部セグメントピースが配置された第一連通部と、前記第一連通部からのトンネル周方向に離間して前記連通部セグメントピースが配置された第二連通部とを少なくとも備えており、
    前記連通部主桁変形抑止工程は、
    前記第一連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁と、前記第二連通部に配置された前記連通部セグメントピースに連結された前記非連通部セグメントピースの前記非連通部主桁とを、繋ぎ材で繋ぐ工程である
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の外殻シールド壁の製造方法。
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