JP2020202209A - フレキシブル基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線段差に起因した経時劣化を抑制することが可能なフレキシブル基板を提供すること。【解決手段】一実施形態に係るフレキシブル基板は、可撓性の絶縁基材と、絶縁基材の上に設けられる配線とからなる複数の線部と、絶縁基材を支持する第1伸縮樹脂層と、線部と第1伸縮樹脂層とを覆うコーティング層と、コーティング層を覆う第2伸縮樹脂層と、を備え、コーティング層は、隣接する2つの線部の間の領域において、線部の側面と第1伸縮樹脂層と第2伸縮樹脂層とに接して形成されている。【選択図】 図3

Description

本発明の実施形態は、フレキシブル基板に関する。
近年、可撓性および伸縮性を有したフレキシブル基板の利用が種々の分野で検討されている。一例を挙げると、マトリクス状に電気的素子が配列されたフレキシブル基板を電子機器の筐体や人体等の曲面に貼り付ける利用形態が考えられる。電気的素子としては、例えばタッチセンサや温度センサ等の各種センサや表示素子が適用され得る。
フレキシブル基板においては、屈曲や伸縮による応力で配線が損傷しないように対策を講じる必要がある。このような対策としては、例えば、配線を支持する基材にハニカム形状の開口を設けることや、配線を蛇行した形状(ミアンダ形状)とすることが提案されている。
一方で、フレキシブル基板においては、配線段差に起因した経時劣化を抑制するための対策も講じる必要がある。
特開2015−198101号公報 特開2015−198102号公報 特開2017−118109号公報 特開2017−113088号公報
本実施形態の目的は、配線段差に起因した経時劣化を抑制することが可能なフレキシブル基板を提供することにある。
一実施形態に係るフレキシブル基板は、可撓性の絶縁基材と、前記絶縁基材の上に設けられる配線とからなる複数の線部と、前記絶縁基材を支持する第1伸縮樹脂層と、前記線部と前記第1伸縮樹脂層とを覆うコーティング層と、前記コーティング層を覆う第2伸縮樹脂層と、を具備し、前記コーティング層は、隣接する2つの前記線部の間の領域において、前記線部の側面と前記第1伸縮樹脂層と前記第2伸縮樹脂層とに接して形成されている。
図1は、本実施形態に係るフレキシブル基板の概略的な平面図である。 図2は、図1に示したフレキシブル基板の一部を拡大した平面図である。 図3は、図2に示したA−B線におけるフレキシブル基板の断面図である。 図4は、図2に示したC−D線におけるフレキシブル基板の断面図である。 図5は、比較例に係るフレキシブル基板の断面図である。 図6は、比較例に係るフレキシブル基板の別の断面図である。 図7は、比較例に係るフレキシブル基板のさらに別の断面図である。
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
図1は、本実施形態に係るフレキシブル基板100の概略的な平面図である。本実施形態においては、図示したように第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3を定義する。第1方向D1および第2方向D2は、フレキシブル基板100の主面と平行であり、互いに交わる方向である。第3方向D3は、第1方向D1、第2方向D2に対して垂直な方向であり、フレキシブル基板100の厚さ方向に相当する。第1方向D1と第2方向D2は、本実施形態では垂直に交わるが、垂直以外の角度で交わっても良い。
フレキシブル基板100は、複数の走査線1と、複数の信号線2と、複数の電気的素子3と、支持体8と、走査線ドライバDR1と、信号線ドライバDR2と、を備えている。なお、走査線ドライバDR1および信号線ドライバDR2は、フレキシブル基板100の外部に設けられていても良い。走査線1、信号線2、および電気的素子3は、支持体8の上に設けられている。複数の走査線1は、全体的に第1方向D1に延出し、第2方向D2に並んでいる。複数の走査線1は、それぞれ走査線ドライバDR1と電気的に接続されている。複数の信号線2は、全体的に第2方向D2に延出し、第1方向D1に並んでいる。複数の信号線2は、それぞれ信号線ドライバDR2と電気的に接続されている。電気的素子3の各々は、走査線1と信号線2との交差部に設けられ、走査線1および信号線2と電気的に接続されている。
図2は、図1に示したフレキシブル基板100の一部を拡大した平面図である。フレキシブル基板100は、上記に加えて、走査線1および信号線2を支持する絶縁基材4を備えている。絶縁基材4は、伸縮性および可撓性を有している。絶縁基材4は、例えばポリイミドで形成することができるが、この例に限られない。
絶縁基材4は、第1方向D1に延出し第2方向D2に並んで配置された複数の第1部分PT1と、第2方向D2に延出し第1方向D1に並んで配置された複数の第2部分PT2と、第1部分PT1と第2部分PT2との交差部に位置する複数の島状部ILと、を有している。第1部分PT1および第2部分PT2は、それぞれ波状に形成されている(蛇行して形成されている)。島状部ILは、第1部分PT1と第2部分PT2とに接続されている。
走査線1は、第1部分PT1上に位置し、波状に配置されている。信号線2は、第2部分PT2上に位置し、波状に配置されている。走査線1および信号線2は、フレキシブル基板100が備える配線の一例である。走査線1および信号線2は、例えば金属材料や透明導電材料で形成することができ、単層構造であっても良いし、積層構造であっても良い。フレキシブル基板100は、走査線1および信号線2の他に、電気的素子3に給電する電源線等の他種の配線を備えても良い。
走査線1は、実線で示す第1配線11と、破線で示す第2配線12と、を有している。第2配線12は、電気的素子3と重畳している。第1配線11および第2配線12は、互いに異なる層に配置されており、コンタクトホールCH1およびCH2を通じて電気的に接続されている。
走査線1は、電気的素子3に走査信号を供給する。例えば電気的素子3がセンサのような信号の出力を伴うものである場合、信号線2には電気的素子3からの出力信号が供給される。また、後述するが電気的素子3が発光素子やアクチュエータのように、入力される信号に応じて作動するものである場合、信号線2には駆動信号が供給される。走査信号の供給源、駆動信号の供給源または出力信号を処理するプロセッサ等を含むコントローラは、フレキシブル基板100に設けられても良いし、フレキシブル基板100に接続される機器に設けられても良い。
電気的素子3は、島状部IL上に位置している。電気的素子3は島状部ILよりも小さく、図2においては電気的素子3の縁から島状部ILがはみ出ている。例えば電気的素子3は、センサ、半導体、またはアクチュエータ等である。例えばセンサとしては、可視光や近赤外光を受光する光学センサ、温度センサ、圧力センサ、またはタッチセンサ等を適用できる。例えば半導体素子としては、発光素子、受光素子、ダイオード、またはトランジスタ等を適用できる。電気的素子3が発光素子である場合、可撓性および伸縮性を有するフレキシブルディスプレイを実現できる。発光素子としては、例えばミニLEDやマイクロLEDといった100μm前後の大きさを有する発光ダイオードや有機エレクトロルミネッセンス素子を適用することができる。電気的素子3がアクチュエータである場合、例えばピエゾ素子を適用できる。なお、電気的素子3は、ここで例示したものに限られず、その他にも種々の機能を有する素子を適用し得る。電気的素子3は、コンデンサや抵抗等であっても良い。また、電気的素子3の配置位置や形状は図2に示した例に限らない。
本実施形態においては、絶縁基材4、走査線1、信号線2、後述する第1有機絶縁層5および第2有機絶縁層6を総称して線部LPとする。線部LPは、支持体8上に位置している。線部LPは、第1方向D1に延出し第2方向D2に並んで配置された複数の波型(蛇行型)の第1線部LP1と、第2方向D2に延出し第1方向D1に並んで配置された複数の波型(蛇行型)の第2線部LP2と、を含んでいる。第1線部LP1は、上記した絶縁基材4の第1部分PT1と、走査線1と、を含んでいる。第2線部LP2は、上記した絶縁基材4の第2部分PT2と、信号線2と、を含んでいる。
図3は、図2に示したA−B線におけるフレキシブル基板100の断面図である。フレキシブル基板100は、上記した要素の他に、第1有機絶縁層5と、第2有機絶縁層6と、コーティング層7と、第2伸縮樹脂層9と、をさらに備えている。なお、以下の説明中では、支持体8を、第1伸縮樹脂層8と称するものとする。
第1伸縮樹脂層8は、第1面SF1を有している。線部LPは、第1面SF1に位置している。
線部LPは、絶縁基材4、第1有機絶縁層5、第2有機絶縁層6、信号線2、図1に示した走査線1によって構成されている。このうち、第2線部LP2は、図3に示すように、絶縁基材4、第1有機絶縁層5、第2有機絶縁層6、信号線2によって構成されている。図示しないが、第1線部LP1は、絶縁基材4、第1有機絶縁層5、第2有機絶縁層6、走査線1によって構成されている。
絶縁基材4は、第1面SF1に位置している。第1有機絶縁層5は、絶縁基材4を覆っている。第2有機絶縁層6は、第1有機絶縁層5を覆っている。信号線2は、第2有機絶縁層6の上に位置している。
コーティング層7は、第2線部LP2を覆っている。すなわち、コーティング層7は、信号線2、絶縁基材4、第1有機絶縁層5および第2有機絶縁層6を覆っている。また、コーティング層7は、隣接する2つの第2線部LP2の間の領域R1において第1面SF1の全面と接している。つまり、コーティング層7は、第2線部LP2および第1伸縮樹脂層8を覆っている。コーティング層7は、ポリ−p−キシリレン(PPX: poly-para-xylylenes)構造体、例えばパリレン(登録商標)によって形成される。詳細については後述するが、コーティング層7は、配線段差のカバレッジ性や、表面の平坦性に優れ、かつ、後述する材料特性を有する材料であれば、上記したポリ−p−キシリレン構造体以外の材料によって形成されても良い。
第2伸縮樹脂層9は、コーティング層7を覆っている。つまり、コーティング層7は、隣接する2つの第2線部LP2の間の領域R1において、第2線部LP2の側面と、第1伸縮樹脂層8(第1面SF1)と、第2伸縮樹脂層9とに接して形成されている。なお、第1伸縮樹脂層8と第2伸縮樹脂層9とは、同一の材料によって形成されても良いし、それぞれ異なる材料によって形成されても良い。
なお、図3では、第2線部LP2を例にとって線部LPとコーティング層7の関係について説明したが、第1線部LP1とコーティング層7の関係も同様であることには留意されたい。すなわち、コーティング層7は、第1線部LP1および第1伸縮樹脂層8を覆い、隣接する2つの第1線部LP1の間の領域において、第1線部LP1の側面と、第1伸縮樹脂層8(第1面SF1)と、第2伸縮樹脂層9とに接して形成されている。
ここで、コーティング層7を形成する材料の特性と、第2伸縮樹脂層9を形成する材料の特性とについて説明する。
第2伸縮樹脂層9は、伸縮性および可撓性を有した樹脂、例えば、アクリル、エポキシ、ウレタン、シリコーン等のエラストマー材によって形成される。
第2伸縮樹脂層9の破断伸長率は、例えば1000%である。破断伸長率とは、外力が加わっていない状態(通常状態)の物質を引っ張り始めてから破断するまでに、当該物質がどれだけ伸長するかを示す値であり、例えば破断伸長率が上記した1000%の物質の場合、当該物質は、破断するまでに、通常状態の10倍だけ伸長可能な性質を有している。
第2伸縮樹脂層9のリカバリー率は、例えば90%である。リカバリー率とは、外力が加えられて引っ張られた状態の物質から、当該外力が除かれた場合に、当該物質がどれだけ通常状態に戻る(元に戻る)のかを示す値である。なお、リカバリー率は、復元力と称されても良い。
第2伸縮樹脂層9の透過率は、例えば90%である。透過率とは、物質が特定の波長の入射光をどれだけ通過させるのかを示す値である。
第2伸縮樹脂層9の水蒸気透過率は、例えば数10g/m・24hである。水蒸気透過率とは、規定の温度および湿度の条件下において、単位時間に単位面積の物質を通過する水蒸気の量を示す。すなわち、水蒸気透過率とは、24時間に透過した面積1mあたりの水蒸気のグラム数を示している。なお、水蒸気透過率は、透湿度と称されても良い。
第2伸縮樹脂層9は、上記した各種特性の他に、紫外線が照射されても特性が変化しない耐紫外線といった性質をさらに有している。
一方で、コーティング層7は、伸縮性、可撓性およびバリア性を有する材料によって形成される。コーティング層7は、例えば、室温の蒸着チャンバ内で気体として蒸着される材料によって形成される。このように、コーティング層7が、室温の蒸着チャンバ内で蒸着されて形成されることで、他の要素への熱に起因したダメージを軽減することが可能である。
コーティング層7は、上記したように、例えば気体を蒸着させて形成されるため、割れ目や狭い部分にも均一に層を形成することが可能である。このような材料の一例が上記したパリレンである。
コーティング層7(パリレン)の破断伸長率は、例えば200%である。コーティング層7(パリレン)の透過率は、例えば90%である。コーティング層7(パリレン)の水蒸気透過率は、例えば0.1g/m・24hである。コーティング層7(パリレン)は、第2伸縮樹脂層9とは異なり、上記した耐紫外線といった性質を有していない。
以上説明したように、コーティング層7は、第2伸縮樹脂層9に比べて水蒸気透過率が小さく、かつ、破断伸長率も小さいという特性を有している。また、コーティング層7は、割れ目や狭い部分にも均一に層を形成することが可能という特性も有している。
図4は、図2に示したC−D線におけるフレキシブル基板100の断面図である。電気的素子3は、絶縁基材4の島状部ILの上に配置されている。電気的素子3と島状部ILとの間には、無機絶縁層10(パッシベーション層)が配置されている。無機絶縁層10は、平面視においては電気的素子3(あるいは島状部IL)と重畳する島状に形成されている。第1配線部11aおよび11bは、第1有機絶縁層5の上に配置され、第2有機絶縁層6によって覆われている。第2配線部12は、無機絶縁層10の上に配置され、電気的素子3と電気的に接続されている。図4に示す例においては、第2配線部12の両端部が第1有機絶縁層5に覆われている。
コンタクトホールCH1およびCH2は、第1有機絶縁層5に設けられている。第1配線部11aは、コンタクトホールCH1に配置された接続部材CM1を介して第2配線部12と電気的に接続されている。同様に、第1配線部11bは、コンタクトホールCH2に配置された接続部材CM2を介して第2配線部12と電気的に接続されている。接続部材CM1は、第1配線部11aの一部であっても良いし、第1配線部11aとは別に設けられても良い。接続部材CM2は、第1配線部11bの一部であっても良いし、第1配線部11bとは別に設けられても良い。
このように、電気的素子3と絶縁基材4との間には島状の無機絶縁層10が配置されている。この無機絶縁層10は、電気的素子3や走査線1の第2配線部12への水分等の侵入を抑制する保護膜として機能する。このため、フレキシブル基板100の信頼性が向上する。また、一般的に無機膜は有機膜に比べてクラックが生じ易いが、走査線1の第1配線部11aおよび11bの下方には無機絶縁層10が設けられていないため、第1配線部11aおよび11bでの断線が抑制される。図示しない信号線についても同様である。さらに、無機絶縁層10がフレキシブル基板100の全体に設けられている場合と比較して、フレキシブル基板100の伸縮性および可撓性が阻害されにくくなる。
また、走査線1において、電気的素子3と重畳する第2配線部12が第1配線部11aおよび11bとは異なる層に配置されているため、電気的素子3の近傍における設計の自由度が向上する。また、コンタクトホールCH1およびCH2は、無機絶縁層10の上方に設けられているため、第1配線部11aと第2配線部12との接続位置、および、第1配線部11bと第2配線部12との接続位置での接続不良が抑制される。
ここで、比較例を用いて、本実施形態に係るフレキシブル基板100の効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係るフレキシブル基板100が奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、比較例と本実施形態とで共通する構成や効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
図5は、比較例に係るフレキシブル基板100Aの断面を示す図である。比較例に係るフレキシブル基板100Aは、コーティング層7が線部LP全体を覆うのではなく、線部LPを構成する信号線2(および第2有機絶縁層6)を覆うように設けられている点で、本実施形態に係るフレキシブル基板100と相違している。
比較例に係るフレキシブル基板100Aのように、コーティング層7が線部LP全体ではなく、線部LPを構成する信号線2を覆うように設けられる場合、隣接する2つの線部LPの間の領域R1においては、コーティング層7ではなく、第2伸縮樹脂層9が第1面SF1と接している。
上記したように、コーティング層7は、例えばパリレン等、気体として蒸着される材料により形成されるため、割れ目や狭い部分にも均一に層を形成することが可能である一方で、第2伸縮樹脂層9は、材料特性上、割れ目や狭い部分においては均一に層を形成することができない。このため、図5に示すように、隣接する2つの線部LPの間の領域R1においては、第2伸縮樹脂層9と第1伸縮樹脂層8との間に、線部LPの第3方向D3の長さ(高さ)に起因した気泡(隙間)が生じてしまう。この気泡によれば、領域R1において、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8の第1面SF1と接する面積が小さくなるため、フレキシブル基板100Aが繰り返し使用され、第1伸縮樹脂層8および第2伸縮樹脂層9が伸縮を繰り返すにつれて、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8から剥がれ落ちてしまう可能性がある。
一方で、本実施形態に係るフレキシブル基板100の場合、コーティング層7は、信号線2だけでなく、線部LP全体および第1伸縮樹脂層8を覆うように設けられているので、隣接する2つの線部LPの間の領域R1においては、図3に示したように、コーティング層7が線部LPの側面と第1伸縮樹脂層8の第1面SF1の全面とに亘って接し、線部LPの高さ(配線段差)に起因した気泡の発生を抑制することができる。これによれば、コーティング層7が第1伸縮樹脂層8の第1面SF1と接する面積が十分に確保されるため、フレキシブル基板100Aが繰り返し使用されたとしても、コーティング層7が第1伸縮樹脂層8から剥がれ落ちてしまう可能性を抑制することが可能であり、ひいては、平坦なコーティング層7の全面に亘って設けられる第2伸縮樹脂層9が剥がれ落ちてしまう可能性も抑制することが可能である。
以上説明したように、一実施形態によれば、配線段差に起因した経時劣化を抑制することが可能なフレキシブル基板を提供することができる。
また、比較例に係る構成の場合、線部LPの高さを高くしてしまうと、第2伸縮樹脂層9の材料特性上、図6に示すように、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8の第1面SF1と接する面積が図5に示した場合に比べてさらに小さくなり、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8から剥がれ落ちる可能性がさらに高まるという問題があるが、本実施形態に係る構成の場合、割れ目や狭い部分にも均一に層を形成し、配線段差に起因した気泡の発生を抑制することが可能となるので、線部LPの高さをより高くするも可能である。
さらに、比較例に係る構成の場合、隣接する2つの線部LPの間の領域を狭くしてしまうと(狭ピッチ化を試みると)、第2伸縮樹脂層9の材料特性上、図7に示すように、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8の第1面SF1と接する面積が図5に示した場合に比べてさらに小さくなり、第2伸縮樹脂層9が第1伸縮樹脂層8から剥がれ落ちる可能性がさらに高まるという問題があるが、本実施形態に係る構成の場合、割れ目や狭い部分にも均一に層を形成し、配線段差に起因した気泡の発生を抑制することが可能となるので、線部LPの狭ピッチ化を実現することも可能である。
以上のように、本実施形態に係る構成の場合、フレキシブル基板100の設計の自由度を向上させることも可能となる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…信号線、4…絶縁基材、5…第1有機絶縁層、6…第2有機絶縁層、7…コーティング層、8…第1伸縮樹脂層、9…第2伸縮樹脂層、100…フレキシブル基板、LP…線部、SF1…第1面、R1…領域。

Claims (6)

  1. 可撓性の絶縁基材と、前記絶縁基材の上に設けられる配線とからなる複数の線部と、
    前記絶縁基材を支持する第1伸縮樹脂層と、
    前記線部と前記第1伸縮樹脂層とを覆うコーティング層と、
    前記コーティング層を覆う第2伸縮樹脂層と、
    を具備し、
    前記コーティング層は、隣接する2つの前記線部の間の領域において、前記線部の側面と前記第1伸縮樹脂層と前記第2伸縮樹脂層とに接して形成されている、
    フレキシブル基板。
  2. 前記コーティング層は、蒸着プロセスによって形成される、請求項1に記載のフレキシブル基板。
  3. 前記コーティング層は、
    前記第2伸縮樹脂層に比べて水蒸気透過率が小さく、かつ、破断伸長率が小さい材料によって形成される、
    請求項1または請求項2に記載のフレキシブル基板。
  4. 前記コーティング層は、
    ポリ−p−キシリレン構造体によって形成される、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
  5. 前記線部は、
    第1方向に延出し前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される複数の走査線を含む第1線部と、前記第2方向に延出し前記第1方向に並んで配置される複数の信号線を含む第2線部と、を含み、
    前記コーティング層は、
    隣接する2つの前記第1線部の間の領域、ならびに、隣接する2つの前記第2線部の間の領域において、前記第1及び第2線部の側面と前記第1伸縮樹脂層と前記第2伸縮樹脂層とに接して形成されている、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフレキシブル基板。
  6. 前記第1線部及び前記第2線部は、前記第1伸縮樹脂層上で蛇行して形成されている、請求項5に記載のフレキシブル基板。
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