JP2020201137A - 蛍光x線分析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の蛍光X線分析を行なう蛍光X線分析システムにおいて、分析作業の効率および分析結果の信頼性を向上させる蛍光X線分析システムを提供する。【解決手段】蛍光X線分析システム100は、試料の測定を行なう蛍光X線分析装置10と、蛍光X線分析装置10を制御するとともに、蛍光X線分析装置10の測定結果を分析するように構成された情報処理装置20と、試料の画像を取得する撮像部16とを備える。情報処理装置20は、撮像部16の画像データにより取得される試料の全体画像中の少なくとも1つの測定領域を特定するとともに、特定した少なくとも1つの測定領域について測定位置を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光X線分析システムに関する。
試料の分析を行なう分析システムの1つとして、蛍光X線分析システムがある。蛍光X線分析は、試料に対してX線を照射し、試料から発せられる蛍光X線の強度を測定することで試料の元素含有量を分析するものである。特に、欧州でのRoHS(Directive on the Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical Equipment:電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会および理事会指令)規制に伴うカドミウム、鉛、六価クロム、臭素の元素分析の需要が大きく、迅速に環境負荷物質の検出を行なうために、蛍光X線分析が広く使われている。エネルギー分散型(Energy Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer;EDX)の蛍光X線分析システムによれば、RoHS規制における環境規制5元素6物質または、ELV指令(廃自動車指令)に伴う環境規制4元素4物質を迅速にスクリーニング測定することができる。
蛍光X線分析システムでは、従来、試料台に設置された試料を撮像装置からの画像で確認し、XYステージなどの移動機構を用いて試料台を移動させて試料の測定位置を調整してから、蛍光X線の測定が行なわれる(例えば、特開2009−25241号公報(特許文献1)参照)。
特開2009−25241号公報
上記の蛍光X線分析システムにおいては、試料が、互いに材料が異なる複数の部分を有する製品または部品である場合、測定者は、測定前において試料のどの部分を測定するかを目視で確認しながら決定する。そのため、製品または部品の構成が複雑化し、構成部分の数が増えるに伴って、測定準備の段階で手間がかかってしまうことが懸念される。また、同じ製品または部品であっても測定者が異なると測定位置が異なる場合が生じるため、分析結果の信頼性が低下することが懸念される。
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、試料の蛍光X線分析を行なう蛍光X線分析システムにおいて、分析作業の効率および分析結果の信頼性を向上させることである。
本発明の第1の態様は、試料の蛍光X線分析を行なう蛍光X線分析システムに関する。蛍光X線分析システムは、試料の測定を行なう測定装置と、測定装置を制御するとともに、測定装置の測定結果を分析するように構成された情報処理装置と、試料の画像を取得する撮像部とを備える。情報処理装置は、撮像部の画像データにより取得される試料の全体画像中の少なくとも1つの測定領域を特定する。情報処理装置は、特定した少なくとも1つの測定領域について測定位置を検出する。
本発明によれば、試料の蛍光X線分析を行なう蛍光X線分析システムにおいて、分析作業の効率および分析結果の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態に係る蛍光X線分析システムの全体構成を概略的に示す図である。 図1に示した情報処理装置の構成を概略的に示す図である。 情報処理装置の機能の構成例を示すブロック図である。 情報処理装置の処理を説明するためのフローチャートである。 図4のステップS01の処理を説明するための図である。 図4のステップS02の処理を説明するための図である。 図4のステップS03の処理を説明するための図である。 測定位置検出部における測定位置の検出方法を説明するための図である。 図4のステップS04の処理を説明するための図である。 図4のステップS03およびS04の処理の詳細な手順を説明するためのフローチャートである。 報告書のフォーマットの構成例を示す図である。 測定者による試料の測定位置の調整およびコリメータの選択を説明するための図である。 試料の測定位置を選択する操作を説明する図である。 手動測定中における報告書のフォーマットの構成例を示す図である。 蛍光X線の手動測定時における情報処理装置の処理を説明するためのフローチャートである。 蛍光X線の自動測定時における情報処理装置の処理を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態の変更例に係る蛍光X線分析システムの全体構成を概略的に示す図である。 試料の表面画像の一例を示す図である。 試料の裏面画像の一例を示す図である。 開口部の全体画像の一例を示す図である。 報告書のフォーマットの他の構成例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
[蛍光X線分析システムの全体構成]
図1は、この発明の実施の形態に係る蛍光X線分析システムの全体構成を概略的に示す図である。
図1を参照して、蛍光X線分析システム100は、蛍光X線分析装置10と、情報処理装置20と、ディスプレイ40と、入力部34とを備える。蛍光X線分析装置10は「測定装置」の一実施例に対応し、情報処理装置20は「情報処理装置」の一実施例に対応し、ディスプレイ40は「表示装置」の一実施例に対応する。
蛍光X線分析装置10は、試料S中に含まれる元素の濃度を測定するエネルギー分散型蛍光X線分析装置であり、試料室1および測定室5によって構成される。試料室1および測定室5内部の空間は、筐体3によって気密に囲繞され、必要に応じて内部を真空に保つことができる。
試料室1は、底部に試料台2を備えている。試料台2には、開口部4が形成されている。開口部4を覆うように、試料台2上に試料Sが載置される。試料Sは、測定位置が開口部4から露出するように試料台2上に載置される。
XYステージ14は、試料Sを試料台2の面内方向に沿って移動可能に構成される。駆動機構15は、XYステージ14を面内の互いに垂直な2軸方向に駆動することができる。これにより、試料Sの測定位置を自動的に調整することが可能となる。駆動機構15は情報処理装置20によって制御される。駆動機構15は「第1の駆動機構」の一実施例に対応する。
測定室5は、その壁面6にX線管7と、検出器8とを備えている。X線管7は試料Sに向けて1次X線を照射する。X線管7は、熱電子を出すフィラメントと、熱電子を所定の1次X線に変換して出射するターゲットとを有する。X線管7が出射した1次X線は、開口部4を通じて試料Sの測定位置に照射される。試料Sが発した2次X線(蛍光X線)は検出器8に入射し、蛍光X線のエネルギーおよび強度が測定される。X線管7は「X線源」の一実施例に対応し、検出器8は「検出器」の一実施例に対応する。
測定室5には、シャッター9、1次X線フィルタ11、コリメータ13および撮像部16が設置される。シャッター9、1次X線フィルタ11およびコリメータ13は駆動機構12によって、図1の紙面に垂直な方向にスライド可能に構成されている。
シャッター9は、鉛などのX線吸収材で形成されており、必要なときに1次X線の光路に挿入して1次X線を遮蔽することができる。
1次X線フィルタ11は、目的に応じて選択された金属箔によって形成されており、X線管7から発せられる1次X線のうちのバックグラウンド成分を減衰して、必要な特性X線のS/N比を向上させる。実際の装置では、互いに異なる種類の金属で形成された複数枚のフィルタ11が使用されており、目的に応じて選択されたフィルタ11が駆動機構12によって1次X線の光路に挿入される。
コリメータ13は、中央に円形状の開口を有するアパーチャ―であり、試料Sを照射する1次X線のビームの大きさを決定する。コリメータ13は、鉛、黄銅などのX線吸収材により形成される。実際の装置では、開口径が互いに異なる複数のコリメータ13が、図1の紙面に垂直な方向に並設されており、目的に応じて選択されたコリメータ13が駆動機構12によって1次X線のビームライン上に挿入される。駆動機構12は情報処理装置20によって制御される。駆動機構12は「第2の駆動機構」の一実施例に対応する。
撮像部16は、測定室5の下部に設置されている。撮像部16は、試料台2に形成された開口部4を通して試料Sの測定位置を撮像するように構成される。撮像部16は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)など、複数の画素に区画された撮像素子を含んで構成される。撮像部16の画像データは情報処理装置20に伝送される。
情報処理装置20は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)を主体として構成される。情報処理装置20には、例えばパーソナルコンピュータなどを利用することができる。情報処理装置20にはX線管7、検出器8、撮像部16およびディスプレイ40が接続される。
情報処理装置20は、入力部34によって入力された測定条件などに基づいて、蛍光X線分析装置10を制御する。具体的には、情報処理装置20は、X線管7における管電圧、管電流および照射時間などを制御するとともに、シャッター9、1次X線フィルタ11およびコリメータ13の各々を駆動する。
情報処理装置20は、測定時、検出器8により検出された2次X線のスペクトルを取得する。情報処理装置20は、検出器8で検出された2次X線のスペクトルに基づいて各元素の定量分析を行なう。
情報処理装置20は、さらに、撮像部16による撮像を制御するとともに、後述するように、測定前において、撮像部16で取得された画像データに基づいて、試料Sの測定位置を自動的に検出する。情報処理装置20は、さらに、検出された測定位置に対して、複数のコリメータ13の中から最適な開口径を有するコリメータ13を選択する。
ディスプレイ40は、情報処理装置20から送信されるデータに従う画像を表示する。ディスプレイ40は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro Luminescence)により構成される。ディスプレイ40は、撮像部16で撮像された試料Sの画像の他、情報処理装置20で作成された報告書のフォーマットを表示することができる。
[情報処理装置の構成]
図2は、図1に示した情報処理装置20の構成を概略的に示す図である。
図2を参照して、情報処理装置20は、CPU22と、プログラムおよびデータを格納する記憶部とを備えており、プログラムに従って動作するように構成される。記憶部は、ROM(Read Only Memory)24、RAM(Random Access Memory)26およびHDD(Hard Disk Drive)30を含む。
ROM24は、CPU22にて実行されるプログラムを格納することができる。RAM26は、CPU22におけるプログラムの実行中に利用されるデータを一時的に格納することができ、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能することができる。HDD30は、不揮発性の記憶装置であり、蛍光X線分析装置10による測定結果、撮像部16によって取得された画像データおよび、情報処理装置20による分析結果など情報処理装置20で生成された情報を格納することができる。HDD30に加えて、あるいは、HDD30に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
情報処理装置20は、さらに、通信インターフェイス32、I/O(Input/Output)インターフェイス28、および入力部34を含む。通信インターフェイス32は、情報処理装置20が蛍光X線分析装置10を含む外部機器と通信するためのインターフェイスである。
I/Oインターフェイス28は、情報処理装置20への入力または情報処理装置20からの出力のインターフェイスである。図2に示すように、I/Oインターフェイス28は、入力部34およびディスプレイ40に接続される。
入力部34は、測定者からの情報処理装置20に対する指示を含む入力を受け付ける。入力部34は、キーボード、マウスおよび、ディスプレイ40の表示画面と一体的に構成されたタッチパネルなどを含み、試料Sの測定条件、および撮像部16に対する撮像指示などを受け付ける。
ディスプレイ40は、測定条件を設定する際に、例えば測定条件の入力画面および撮像部16で取得された試料Sの測定位置の画像などを表示することができる。測定中、ディスプレイ40は、検出器8により検出された2次X線のスペクトルおよび、情報処理装置20による分析結果を、撮像部16で取得された試料Sの測定位置を示す画像とともに表示することができる。
ディスプレイ40は、さらに、試料Sの蛍光X線の分析結果を記入するための報告書のフォーマットを表示することができる。本願明細書において、「報告書のフォーマット」とは、コンピュータで作成する報告書の書式情報だけで構成されたファイルを意味する。報告書のフォーマットでは、分析結果が記入される位置が指定されており、測定者は、入力部34を用いて、指定された位置に分析結果を書き込むことで報告書を作成することができる。あるいは、情報処理装置20に試料Sの測定位置を認識させることで、分析結果を報告書のフォーマットに自動で書き込むことができる。
図3は、情報処理装置20の機能の構成例を示すブロック図である。
図3を参照して、情報処理装置20は、制御部50と、フォーマットDB(データベース)70と、分析結果DB72とを有する。これらの機能構成は、図2に示す情報処理装置20において、CPU22が所定のプログラムを実行することで実現される。
制御部50は、撮像部16から送られる画像データに基づいて、試料Sの測定位置を検出するように構成される。制御部50はまた、複数のコリメータ13の中から、検出された測定位置に対して最適な開口径を有するコリメータ13を選択するように構成される。
具体的には、制御部50は、画像取得部52と、画像処理部54と、測定位置検出部56と、コリメータ選択部58と、測定指示部60と、分析部62と、駆動部64とを有する。
画像取得部52は、撮像部16が試料台2の開口部4から露出している試料Sの表面の一部分を撮像することで生成された画像データを取得する。画像取得部52は、後述するように、駆動部64と協働して、XYステージ14の移動と撮像部16による撮像とを交互に繰り返し実行することにより、試料Sの全体画像を取得することができる。
画像処理部54は、画像取得部52で取得された試料Sの全体画像に対する画像処理を実行することにより、試料Sの全体画像を複数の領域に分割する。複数の領域は色合いまたは光沢などが互いに異なる。
例えば、試料Sが金属材料(例えば、銅またはアルミニウム)で形成された第1の部分と、非金属材料(例えば、プラスチック)で形成された第2の部分とを組み合わせて形成された製品または部品である場合、試料Sの全体画像上では、第1の部分と第2の部分とで色合いが異なる場合がある。あるいは、第1の部分と第2の部分とで色合いが同じであっても、光沢が異なる場合がある。画像処理部54は、このような材料の違いによる色合いまたは光沢の違いに基づいて、試料Sの全体画像を第1の領域と第2の領域とに分割する。すなわち、画像上で試料Sを第1の部分と第2の部分とに区分することができる。
測定位置検出部56は、試料Sの複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に対して、蛍光X線を測定するための測定位置を検出する。上述したように、試料Sが第1の部分と第2の部分とで構成された製品または部品である場合、測定位置検出部56は、第1の部分および第2の部分の少なくとも1つに対して、少なくとも1つの測定位置を検出する。
ただし、試料Sが単一の材料で形成されている製品または部品である場合には、画像処理部54は、試料Sの全体画像を1つの領域として扱うことができる。この場合、測定位置検出部56は、当該1つの領域に対して1つの測定位置を検出する。
コリメータ選択部58は、検出された1または複数の測定位置の各々に対して、複数のコリメータ13の中から最適な開口径を有するコリメータ13を選択する。コリメータ選択部58は、各測定位置について、測定位置に照射する1次X線のビームの大きさの上限を演算し、演算したビームの大きさの上限に基づいてコリメータ13を選択する。
測定指示部60は、フォーマットDB70から、試料Sの蛍光X線の分析結果を記入するための報告書のフォーマットを読み出し、読み出した報告書のフォーマットに試料Sの測定位置を書き込む。具体的には、フォーマットDB70には、蛍光X線分析システム100の分析対象に指定されている製品または部品に対応した報告書のフォーマットが格納されている。測定指示部60は、試料Sとなる製品または部品に対応する報告書のフォーマットをフォーマットDB70から読み出すと、測定位置検出部56により検出された測定位置を報告書のフォーマットに書き込む。これにより、試料Sの報告書のフォーマットは、測定者に対して、試料Sの測定位置の候補を示すための測定指示書として機能し得る。すなわち、測定者は、測定前において報告書のフォーマットを参照することで、試料Sの測定位置の候補を視覚的に認識することができる。
測定指示部60は、試料Sの測定位置の候補とともに、測定位置に対して選択されたコリメータ13を示す情報を報告書のフォーマットに書き込むことができる。これによると、測定位置ごとの測定条件を測定者に視覚的に伝えることができるため、測定者の利便性を向上させることができる。測定指示部60は、測定位置およびコリメータの情報が書き込まれた報告書のフォーマットをフォーマットDB72に格納する。
分析部62は、測定時、入力部34によって入力された測定条件などに基づいて、蛍光X線分析装置10を制御する。具体的には、分析部62は、X線管7における管電圧、管電流および照射時間などを制御する。分析部62はさらに、測定時、検出器8により検出された2次X線のスペクトルを取得する。分析部62は、取得した2次X線のスペクトルにもとづいて各元素の定量分析を行ない、分析結果を分析結果DB72に格納する。
駆動部64は、シャッター9、1次X線フィルタ11およびコリメータ13の各々を駆動する駆動機構12を制御する。駆動部64はさらに、撮像部16による撮像を制御するとともに、XYステージ14を駆動する駆動機構15を制御する。
[情報処理装置の処理]
次に、図4のフローチャートに基づいて、情報処理装置20が実行する処理について説明する。以下では、主に、情報処理装置20が有する測定位置検出機能、コリメータ選択機能および報告書のフォーマット作成機能について説明する。
(測定位置検出機能)
図4は、本実施の形態に係る蛍光X線分析システム100における情報処理装置20の処理を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、情報処理装置20(画像取得部52)は、ステップS01により、撮像部16により生成された画像データに基づいて試料Sの全体画像を取得する。図5は、図4のステップS01の処理を説明するための図である。
図5を参照して、撮像部16は、試料台2の開口部4から露出している試料Sの測定面の一部分を撮像する。図5中の領域RGN1は、撮像部16の撮像領域を示す。図5の例では、試料S上に予め設定された基準点を原点0として互いに直交する第1軸(X軸とする)および第2軸(Y軸とする)で規定される2次元座標面を想定し、2次元座標面上の点の位置を座標軸(X,Y(単位はピクセル))で表わすこととする。
撮像領域RGN1は、X軸方向の長さをΔXとし、Y軸方向の長さをΔYとする矩形形状を有する。画像取得部52が1つの撮像領域RGN1の画像データを取得すると、駆動部64は、駆動機構15を制御することにより、XYステージ14をX軸方向にΔXだけ移動させる。続いて、撮像部16は、前回の撮像領域RGN1に対してX軸方向に隣接する撮像領域RGN1を撮像する。画像取得部52は、撮像部16から画像データを取得する。
駆動部64は、撮像領域RGN1に試料Sの少なくとも一部分が常に含まれるように、XYステージ14をX軸方向またはY軸方向に所定量(ΔXまたはΔY)だけ移動させる。これにより、前回の撮像領域にX軸方向またはY軸方向に隣接するように、新たな撮像領域が設定される。撮像部16は、新たな撮像領域を撮像する。
駆動部64によるXYステージ14の移動と、画像取得部52による画像データの取得とは交互に繰り返し実行される。画像取得部52は、取得された複数の画像データを2次元座標面上に並べて繋ぎ合わせることにより、試料Sの全体画像を取得することができる。
図4に戻って、情報処理装置20(画像処理部54)は、ステップS02により、試料Sの全体画像に対する画像処理を実行することにより、試料Sの全体画像を複数の領域に分割する。図6は、図4のステップS02の処理を説明するための図である。
画像処理には、分割・統合法、および二値化処理等の公知の画像処理技術を用いることができる。分割・統合法は、1枚の画像を同じような特徴を持つ部分領域に分割する手法である。二値化処理とは、1枚の画像を白と黒との2階調に変換する処理である。図6の例では、画像処理部54は、試料Sの全体画像を4つの領域A1〜A4に分割する。4つの領域A1〜A4は色合いまたは光沢などが互いに異なる。4つの領域A1〜A4は、試料Sとなる製品または部品が有する、材料が互いに異なる4つの部分にそれぞれ対応する。
図4に戻って、情報処理装置20(測定位置検出部56)は、ステップS03により、上述した複数の領域のうちの少なくとも1つの領域について測定位置を検出する。図4では、複数の領域の各々について測定位置を検出するものとする。図7は、図4のステップS03の処理を説明するための図である。図7の例では、4つの領域A1〜A4のそれぞれに対して、4つの測定位置P1〜P4が検出される。測定位置P1〜P4の各々は、対応する領域の測定時において、1次X線のビームの照射中心となり得る。
図8は、測定位置検出部56における測定位置の検出方法を説明するための図である。図8では、領域A1における測定位置P1を検出する方法について説明する。
図8を参照して、領域A1には、測定位置P1を探索するための走査経路PATHが設定される。測定位置検出部56は、走査経路PATH上を、図中の矢印の方向に点Qを移動させながら、点Qを中心として領域A1の輪郭線の少なくとも1辺に接する円Cを描く。図8では、点Qが座標(Xa,Ya)にあるときの円Cと、点Qが座標(Xb,Yb)にあるときの円Cとが示されている。点Qが座標(Xb,Yb)にあるときの円Cの半径r(Xb,Yb)は、点Qが座標(Xa,Ya)にあるときの円Cの半径r(Xa,Ya)よりも大きい。
測定位置検出部56は、走査経路PATH上において、円Cの半径rが最大となるときの点Qの座標を検出する。なお、円Cの半径rが最大となるときの点Qの座標が複数点検出された場合には、測定位置検出部56は、複数点のうちの1点を測定位置として選択する。
測定位置検出部56は、領域A1の測定位置P1を検出すると、同様の方法によって、領域A2の測定位置P2、領域A3の測定位置P3および領域A4の測定位置P4を検出する。
(コリメータ選択機能)
図4に戻って、情報処理装置20(コリメータ選択部58)は、ステップS04により、複数の測定位置の各々について、複数のコリメータ13の中から最適な開口径を有するコリメータ13を選択する。図9は、図4のステップS04の処理を説明するための図である。
図9の例では、コリメータ選択部58は、測定位置P1〜P4の各々を照射中心とする1次X線ビームの大きさの上限を算出する。図9では、測定位置P1を中心とする円C1の直径R1maxは、領域A1に照射する1次X線ビームの大きさの上限を表す。測定位置P2を中心とする円C2の直径R2maxは、領域A2に照射する1次X線ビームの大きさの上限を表す。測定位置P3を中心とする円C3の直径R3maxは、領域A3に照射する1次X線ビームの大きさの上限を表す。測定位置P4を中心とする円C4の直径R4maxは、領域A4に照射する1次X線のビームの大きさの上限を表す。
コリメータ選択部58は、領域A1〜A4の各々について、算出された1次X線のビーム大きさの上限に基づいて、複数のコリメータ13の中から最適な開口径を有するコリメータ13を選択する。具体的には、コリメータ選択部58は、測定位置P1について、複数のコリメータ13の中から、直径R1maxを超えない範囲で直径が最大のコリメータ13を選択する。例えば、コリメータ選択部58は、直径Rcol2を有するコリメータ13(コリメータCol2)を選択する。コリメータ選択部58は、測定位置P2について、直径R2maxを超えない範囲で直径が最大のコリメータ13を選択する。例えば、コリメータ選択部58は、直径Rcol1を有するコリメータ13(コリメータCol1)を選択する。コリメータ選択部58は、測定位置P3について、直径R3maxを超えない範囲で直径が最大のコリメータ13を選択する。例えば、コリメータ選択部58は、直径Rcol4を有するコリメータ13(コリメータCol4)を選択する。コリメータ選択部58は、測定位置P4について、直径R4maxを超えない範囲で直径が最大のコリメータ13を選択する。例えば、コリメータ選択部58は、直径Rcol3を有するコリメータ13(コリメータCol3)を選択する。
図10は、図4のステップS03およびS04の処理の詳細な手順を説明するためのフローチャートである。以下では、領域A1〜A4を領域Aとも総称し、測定位置P1〜P4を測定位置Pとも総称し、円C1〜C4を円Cとも総称することがある。
図10を参照して、測定位置検出部56は、ステップS31にて、領域Aに設定された走査経路PATH上で点Qを所定の距離だけ移動させる。測定位置検出部56は、ステップS32にて、移動後の点Qを中心として領域Aの輪郭線の少なくとも一辺に接する円Cの半径rを算出する。
測定位置検出部56は、ステップS33にて、走査経路PATH上の点Qの移動が完了したか否かを判定する。点Qの移動が完了するまで(S33にてYES)、測定位置検出部56は、ステップS31およびS32の処理を繰り返し実行する。
点Qの移動が完了すると(S33にてYES)、測定位置検出部56は、ステップS34に進み、複数の点Qの中から、円Cの半径rが最大となる点Qを抽出する。測定位置検出部56は、ステップS35にて、抽出した点Qに基づいて、領域Aの測定位置Pを決定する。
測定位置Pが決定されると、コリメータ選択部58は、ステップS36にて、測定位置Pを中心とする円Cの直径Rmaxを算出する。そして、コリメータ選択部58は、ステップS37にて、複数枚のコリメータ13の中から、直径Rmax以下で最大の直径を有するコリメータ13を選択する。
(報告書のフォーマット作成機能)
図4に戻って、試料Sの領域A1〜A4の各々について、測定位置Pが検出されるとともに(S03)、コリメータ13が選択されると(S04)、ステップS05により、測定指示部60は、フォーマットDB72から、試料Sに対応する報告書のフォーマットを読み出し、ディスプレイ40に表示させる。測定指示部60は、読み出した報告書のフォーマットに対して、複数の測定位置Pおよび選択されたコリメータ13を示す情報を書き込む。
図11は、報告書のフォーマットの構成例を示す図である。図11には、試料Sの報告書F1のフォーマットの概要が示される。
図11を参照して、報告書F1には、蛍光X線の測定条件を指示するための領域80と、蛍光X線の分析結果を記入するための領域82とが設けられている。領域80は「第1の領域」の一実施例に対応し、領域82は「第2の領域」の一実施例に対応する。
領域80には、蛍光X線の測定条件として、試料Sの測定位置Pの候補が記載される。領域80は、測定者に対して、試料Sの測定位置Pの候補を示すための測定指示書として機能し得る。図11の例では、試料Sの4つの領域A1〜A4に対して、4つの測定位置P1〜P4が示されている。具体的には、領域80には、試料Sの全体画像が示されており、この試料Sの全体画像上に測定位置P1〜P4を表す点(黒点)が書き込まれている。
なお、測定位置P1〜P4の図示とともに、または図示に代えて、測定位置P1〜P4の位置情報を領域80に書き込むことができる。例えば、各測定位置Pの位置を、試料S上に予め設定された基準点を原点0とする2次元座標面の座標値(X,Y)で表すことができる。
領域80にはさらに、試料Sの4つの領域A1〜A4に対して、4種類のコリメータCol1〜Col4を示す情報が記載される。具体的には、試料Sの全体画像上に、コリメータCol1〜Col4の開口径を示す円(破線)が書き込まれている。
領域82には、試料Sの測定位置P1〜P4が発する蛍光X線を定量分析したときの分析結果が記入される。図11の例では、検出器8(図1)で検出された2次X線のスペクトルに基づいて分析対象の元素の定量分析を行なった結果が表の形式で表現されている。図中の表T1〜T4は、測定位置P1〜P4のそれぞれについて、分析対象の元素ごとに、定量値および判定結果を記入する形式となっている。なお、分析対象の元素が予め指定されている場合には、表T1〜T4中の分析対象の元素の欄に予め元素名を記載しておくことができる。
定量分析において、判定は、定量値と予め定められた管理基準値とを比較することにより行なうことができる。表T1〜T4の判定結果の欄には、例えば「OK」、「NG」、「グレーゾーン」の三段階で記入することができる。例えば、定量値が第1の管理基準値未満である場合には「OK」と判定され、定量値が第1の管理基準値よりも高い第2の管理基準値を超える場合には「NG」と判定され、定量値が第1の管理基準値以上かつ第2の管理基準値以下である場合には「グレーゾーン」と判定される。
図4に戻って、報告書のフォーマットがディスプレイ40に表示されると(S05)、測定者は、入力部34を用いて、報告書の領域80に表示された測定位置Pの候補を修正することができる。
具体的には、上述した測定位置検出機能によって自動的に検出された測定位置Pの候補が適当でない場合には、測定者は、入力部34を用いて、当該測定位置Pを別の測定位置に変更することができる。あるいは、測定位置を増やしたい場合には、測定者は、入力部34を用いて、新たな測定位置を追加することができる。反対に測定位置を減らしたい場合には、測定者は、入力部34を用いて、不要な測定位置を消去することができる。
測定指示部60は、ステップS06にて、入力部34が測定位置Pを修正するための操作を受け付けたか否かを判定する。入力部34が当該操作を受け付けた場合(S06にてYES)、測定指示部60は、ステップS07に進み、当該操作に従って測定位置Pの候補を修正し、修正後の測定位置Pを報告書のフォーマットに表示する。そして、測定指示部60は、ステップS08にて、修正された報告書のフォーマットをフォーマットDB72に格納する。
なお、入力部34が測定位置を修正するための操作を受け付けなかった場合(S06にてNO)、測定指示部60は、ディスプレイ40に表示されている報告書のフォーマットをフォーマットDB72に格納する。
このような構成とすることにより、測定者は、試料Sの蛍光X線を測定する前の任意のタイミングにおいて、フォーマットDB72から報告書F1のフォーマット(図11参照)を読み出してディスプレイ40に表示させることができる。ディスプレイ40に表示された報告書F1のフォーマットには試料Sの測定位置Pの候補が指示されているため、測定者は、測定位置Pの候補に従って、試料Sの測定位置を調整することができる。
[蛍光X線分析システムを用いた分析方法]
次に、本実施の形態に係る蛍光X線分析システム100を用いた分析方法について説明する。
本実施の形態に係る分析方法には、試料Sの測定位置の調整、コリメータ13の選択および、測定位置の蛍光X線の測定を測定者が手動で行なう方法(以下、「手動測定」とも称する)と、試料Sの測定位置の調整、コリメータ13の選択および蛍光X線の測定を一括して自動で行なう方法(以下、「自動測定」とも称する)とがある。最初に、蛍光X線分析システム100を用いた蛍光X線の手動測定について説明する。
(蛍光X線の手動測定)
測定者は、試料Sの蛍光X線を測定する前に、入力部34を用いて、フォーマットDB72から試料Sの報告書F1のフォーマットを読み出す。図11に示したように、報告書F1のフォーマットの領域80には試料Sの測定位置P1〜P4の候補が記載されている。測定者は、測定位置Pの候補に従って、撮像部16により取得された画像を見ながら試料Sの測定位置Pを調整する。測定者はさらに、測定位置Pに対するコリメータ13を選択する。
図12は、測定者による試料Sの測定位置の調整およびコリメータ13の選択を説明するための図である。測定者は、撮像部16により取得された画像を見ながら試料Sを手で移動させることにより、試料Sの測定位置P1〜P4の候補の中から選択した1つの測定位置Pと1次X線のビームの照射中心Bとを合わせる。なお、測定者は、手作業に代えて駆動機構15によりXYステージ14を移動させることにより、試料Sを移動させることができる。
撮像部16により取得される画像には、試料台2に形成された開口部4を通して見た試料Sの一部分が現れる。この試料Sの一部分を示す画像には、各領域Aの測定位置Pを示す点およびコリメータ13の開口径を示す円が重畳して表示される。
画像にはさらに、1次X線のビームの照射中心Bを示す点、および上述したコリメータ選択機能によって選択された複数種類のコリメータCol1〜COl4の開口径を示す複数の円が重畳して示される。
例えば、複数の測定位置P1〜P4から測定位置P1を選択する場合を想定する。この場合、測定者は、撮像部16により取得された画像を見ながら、測定位置P1と1次X線のビームの照射中心Bとを合わせる。測定位置P1と照射中心Bとが一致すると、測定者は、入力部34を用いて、複数のコリメータCol1〜COl4の中からコリメータCOl2を選択する。駆動部64は、選択されたコリメータCol2を駆動機構12によって1次X線のビームのライン上に挿入する。
測定者はさらに、入力部34を用いて、報告書F1のフォーマット上で測定位置P1を選択する。図13は、試料Sの測定位置Pを選択する操作を説明する図である。図13に示すように、測定者は、入力部34を操作して表示画面上のカーソル90を移動させ、測定位置P1にカーソル90を合わせ、入力部34により決定操作を行なう。あるいは、入力部34がタッチパネルで構成されている場合には、測定位置P1を指でタッチすることにより、測定位置P1を選択することができる。
情報処理装置20は、入力部34が測定位置P1を選択する操作を受け付けると、X線管7を駆動して測定位置P1に1次X線ビームを照射し、検出器8による蛍光X線の測定を開始する。情報処理装置20は、測定位置P1についての蛍光X線の分析が完了すると、報告書Fのフォーマットの領域82に示された表T1に測定位置P1の分析結果を自動的に記入する。
なお、本実施の形態では、情報処理装置20が測定位置Pの分析結果を報告書F1のフォーマットに自動的に記入する構成について説明したが、測定位置P1の分析が完了したときに、測定者が入力部34を用いて、対応する表T1に対して分析結果を記入する構成としてもよい。
情報処理装置20は、1つの測定位置Pについて蛍光X線の分析が完了すると、ディスプレイ40に表示された報告書F1のフォーマット上において、当該測定位置Pの表示態様を変更することができる。図14は、手動測定中における報告書のフォーマットの構成例を示す図である。図14には、図11に示した報告書F1のフォーマットが部分的に示されている。
図14は、測定位置P1,P2について蛍光X線の分析が完了した状態での領域80を示している。図14の例では、分析が完了した測定位置P1,P2を示す点の表示色が黒色から白色に変更されている。また、測定位置P1に対するコリメータCol2および測定位置P2に対するコリメータCol1の表示が消去されている。
このようにすると、測定者は、蛍光X線の分析が完了した測定位置Pを視覚的に認識することができる。したがって、未だ分析が完了していない測定位置P(測定位置P3,P4)について蛍光X線を測定するように測定者に促すことができる。
図15は、蛍光X線の手動測定時における情報処理装置20の処理を説明するためのフローチャートである。
図15を参照して、情報処理装置20は、ステップS11により、入力部34からの信号に基づいて、試料Sとなる製品または部品の識別情報が入力されたか否かを判定する。試料Sの識別情報が入力された場合(S11にてYES)、情報処理装置20は、ステップS12により、フォーマットDB70から試料Sとなる製品または部品に対応する報告書のフォーマットを読み出す。さらにステップS13により、情報処理装置20は、読み出した報告書のフォーマットをディスプレイ40に表示する。一方、ステップS11にて試料Sの識別情報が入力されない場合(S11にてNO)、情報処理装置20はステップS12以降の処理を行なわない。
ステップS13にて報告書のフォーマットがディスプレイ40に表示されると、情報処理装置20は、ステップS14により、入力部34からの信号に基づいて、試料Sの測定位置Pを選択するための入力操作が行なわれたか否かを判定する。
ステップS14にて測定位置Pを選択する入力操作が行なわれていない場合(S14にてNO)、情報処理装置20は処理を終了する。この場合、情報処理装置20は、報告書のフォーマットに対する測定者のデータ入力を待ち受ける状態となる。
一方、ステップS14にて測定位置を選択する入力操作が行なわれた場合(S14にてYES)、情報処理装置20は、ステップS15に進み、入力部34からの信号に基づいて、測定位置Pに対するコリメータ13を選択するための入力操作が行なわれたか否かを判定する。
ステップS15にてコリメータ13を選択する入力操作が行なわれていない場合(S15にてNO)、情報処理装置20は処理を終了する。一方、ステップS15にてコリメータ13を選択する入力操作が行なわれた場合(S15にてYES)、情報処理装置20は、ステップS16に進み、選択されたコリメータ13を駆動機構12によって1次X線のビームのライン上に挿入する。続くステップS17では、情報処理装置20は、X線管7を駆動して試料Sの測定位置Pに1次X線のビームを照射し、検出器8による蛍光X線の測定を開始する。
測定位置Pについての蛍光X線の測定が開始されると、情報処理装置20は、ステップS18により、検出器8から測定位置Pが発する2次X線の測定結果を受信したか否かを判定する。検出器8から測定結果を受信していない場合(S18にてNO)、情報処理装置20はステップS17に戻り、測定を継続する。
一方、ステップS18にて検出器8から測定結果を受信すると(S18にてYES)、情報処理装置20は、ステップS19により、測定結果を定量分析する。情報処理装置20は、ステップS20により、分析結果を報告書のフォーマットの対応する表Tに記入するとともに、ステップS21により、分析結果を分析結果DB72に格納する。
本実施の形態に係る蛍光X線分析システム100を用いた手動測定においては、報告書のフォーマットに試料の測定位置の候補が示されているため、測定者は、測定位置を設定する手間をなくすことができる。したがって、測定者の利便性が向上されるとともに、分析作業の効率化を図ることができる。
また、測定位置の候補が示されることで、同じ製品または部品について測定者によって測定位置が異なるという事態が生じる可能性を減らすことができる。これにより、分析結果の信頼性を高めることができる。
また、測定位置ごとに最適なコリメータが指示されることで、コリメータを選択する作業が不要となるため、測定者の利便性が向上されるとともに、測定作業の工数を削減することができる。さらに、各測定位置についての分析結果が報告書のフォーマットに自動的に記入されるため、測定者の利便性をさらに高めることができる。
(蛍光X線の自動測定)
次に、蛍光X線分析システム100を用いた蛍光X線の自動測定について説明する。
蛍光X線の自動測定では、情報処理装置20が主体となって、試料Sの測定位置の調整、コリメータ13の選択、および測定位置の蛍光X線の測定を自動的に行なう。
図16は、蛍光X線の自動測定時における情報処理装置20の処理を説明するためのフローチャートである。図16に示すフローチャートでは、図15に示したフローチャートに対してステップS30〜S33の処理が追加されている。
図16を参照して、情報処理装置20は、図15を同じステップS11〜S13の処理を実行することにより、試料Sとなる製品または部品に対応する報告書のフォーマットをディスプレイ40に表示すると、ステップS30により、入力部34からの信号に基づいて、試料Sの蛍光X線の測定開始を指示するための入力操作が行なわれたか否かを判定する。ステップS30にて測定開始を指示する入力操作が行なわれていない場合(S30にてNO)、情報処理装置20は処理を終了する。
一方、ステップS30にて測定開始を指示する入力操作が行なわれた場合(S30にてYES)、情報処理装置20は、ステップS31に進み、複数の測定位置Pのうちの第1の測定位置P(例えば、測定位置P1)が試料台2の開口部4から露出するように、駆動機構15によりXYステージ14を駆動する。情報処理装置20は、第1の測定位置Pと1次X線のビームの照射中心とを一致させる。
次に、情報処理装置20は、ステップS32により、第1の測定位置Pに対応するコリメータ13を選択する。具体的には、情報処理装置20は、上述したコリメータ選択機能によって、複数の測定位置Pにそれぞれ対応して選択された複数種類のコリメータ13の中から、第1の測定位置Pに対するコリメータ13を選択する。例えば、第1の測定位置Pは測定位置P1である場合、情報処理装置20は、コリメータCol2を選択する。
コリメータ13を選択すると、情報処理装置20は、図15と同じステップS16〜S20の処理を実行することにより、選択したコリメータ13を駆動機構12によって1次X線のビームのライン上に挿入するとともに、X線管7を駆動して第1の測定位置PにX線を照射し、蛍光X線の測定を開始する。そして、検出器8から測定結果を受信すると、情報処理装置20は、測定結果を定量分析し、分析結果を報告書のフォーマットの第1の測定位置Pに対応する表Tに記入する。
次に、情報処理装置20は、ステップS33にて、試料Sの全ての測定位置Pについて分析が完了したか否かを判定する。全ての測定位置Pの分析が完了していない場合(S33にてNO)、情報処理装置20は、ステップS31に戻り、第2の測定位置P(例えば、測定位置P2)の調整およびコリメータ13の駆動を行なった後、蛍光X線の測定、分析および分析結果の記入を実行する。
このようにして、情報処理装置20は、試料Sの複数の測定位置Pについて、蛍光X線の測定および分析結果の記入を順番に実行することにより、全ての測定位置Pについて蛍光X線の分析を実行する。
ステップS33にて全ての測定位置Pについて蛍光X線の分析が完了したと判定されると(S33にてYES)、情報処理装置20は、ステップS21に進み、分析結果を分析結果DB72に格納する。
本実施の形態に係る蛍光X線分析システム100を用いた自動測定によれば、試料の複数の測定位置について、測定位置の調整、コリメータの選択、測定位置についての蛍光X線の測定、および分析結果の記入という一連の処理が連続して自動的に実行されるため、測定者の利便性をさらに向上させることができるとともに、測定作業の工数を大幅に削減することができる。
[蛍光X線分析システムの変更例]
図17は、本実施の形態の変更例に係る蛍光X線分析システムの全体構成を概略的に示す図である。図17を参照して、本変更例に係る蛍光X線分析システム100は、図1に示した蛍光X線分析システム100と比較して、撮像部16に代えて、撮像部18を有する点が異なる。
撮像部18は、試料室1の上部に配置される。具体的には、撮像部18は、試料台2を挟んでX線管7および検出器8と反対側に配置される。すなわち、測定時には、撮像部18は、試料Sの測定面(以下、表面とも称する)と反対側の面(以下、裏面とも称する)に対向するように配置される。
撮像部18は、試料Sの全体画像を撮像することができる。なお、図17では、撮像部18は試料Sを真上から撮像するように試料Sの真上に位置するように配置されているが、試料Sを斜めから撮像するように、試料Sの真上からずらして配置してもよい。撮像部18は、例えばCMOSまたはCCDなど、複数の画素に区画された撮像素子を含む。撮像部18の画像データは情報処理装置20(画像取得部52)に伝送される。
本変更例では、情報処理装置20は、撮像部18による撮像を制御するとともに、撮像部18からの画像データに基づいて、試料Sの測定位置Pを検出する。
具体的には、試料Sの測定準備において、試料Sの表面が撮像部18に対向するように、試料台2上に試料Sが載置される。この状態で、情報処理装置20(画像取得部52)は、撮像部18によって試料Sの表面の全体画像を取得する。以下の説明では、試料Sの表面の全体画像を「表面画像」とも称し、試料Sの裏面の全体画像を「裏面画像」とも称する。
次に、情報処理装置20(画像処理部54)は、取得した画像を画像処理することによって、試料Sの表面の全体画像を複数の領域に分割する。図18は、本変形例に係る情報処理装置20が有する測定位置検出機能を説明するための図である。図18に、試料Sの表面画像の一例を示す。図18では、撮像部18の矩形状の撮像領域RGN2は、その一隅(図18では左下隅)を原点0としてX軸およびY軸で規定される2次元座標平面で表わされている。
情報処理装置20(画像処理部54)は、表面画像の画像データに対して画像処理を実行することにより、表面画像を4つの領域A1〜A4に分割する。画像処理は、上述した実施の形態と同様に、分割・統合法または二値化処理などの公知の画像処理技術を用いることができる。
情報処理装置20(測定位置検出部56)は、複数の領域A1〜A4のそれぞれについて測定位置P1〜P4を検出する。測定位置検出部56における測定位置Pの検出には、図8で説明した検出方法を適用することができる。さらに、情報処理装置20(コリメータ選択部58)は、測定位置P1〜P4のそれぞれに対してコリメータCol1〜Col4を選択する。
次に、情報処理装置20(測定位置検出部56)は、表面画像の輪郭線上に複数の特徴点Dを設定する。図18に示すように、複数の特徴点Dは、複数の領域A1〜A4の各々について設定することができる。図18の例では、領域A1について特徴点D1,D2,D15,D16が設定され、領域A2について特徴点D3,D4,D13,D14が設定され、領域A3について特徴点D5,D6,D11,D12が設定され、領域A4に対して特徴点D7,D8,D9,D10が設定される。情報処理装置20(測定位置検出部56)は、複数の領域A1〜A4の各々について、測定位置Pと特徴点Dとの位置関係を算出する。
次に、試料Sの裏面が撮像部18に対向するように試料台2上に試料Sが載置される。この状態で、情報処理装置20(画像取得部52)は、撮像部18によって試料Sの裏面画像を取得する。図19に、試料Sの裏面画像の一例を示す。図18と図19とを比較すると、表面画像の輪郭線と裏面画像の輪郭線とは対称性を有している。したがって、表面画像の輪郭線上に設定した特徴点Dに対応して、裏面画像の輪郭線上に特徴点Dを設定することができる。図19の例では、図18の特徴点D1〜D16に対応して、裏面画像の輪郭線上に特徴点D1〜D16が示されている。
これによると、表面画像に設定された測定位置Pを特徴点Dとの位置関係で特定することで、この位置関係を用いて、裏面画像における測定位置Pの位置を特定することができる。例えば、領域A1の特徴点D1と測定位置P1との距離d1、特徴点D2と測定位置P1との距離d2、特徴点D15と測定位置P1との距離d15および特徴点D16と測定位置P1との距離d16を用いて、測定位置P1の位置を特定することができる。
次に、試料室1を、試料台2に試料Sが載置されていない状態とする。この状態で、撮像部18により開口部4を撮像する。図20は、開口部の全体画像の一例を示す図である。情報処理装置20(画像取得部52)は、撮像部18から開口部4の画像データを取得する。情報処理装置20(画像処理部54)は、開口部4の画像データに対して公知の画像処理を施すことにより、撮像部18の撮像領域RGN2における1次X線のビームの照射中心Bの位置情報を取得する。照射中心Bの位置情報は、2次元座標平面上での照射中心Bの座標値(X0,Y0)で表わすことができる。
本変更例では、試料Sを測定するときには、試料Sの裏面が撮像部18に対向するように配置されるため、情報処理装置20には、撮像部18から試料Sの裏面画像が伝送される。情報処理装置20(駆動部64)は、上述した裏面画像における測定位置Pの位置、および照射中心Bの位置情報に基づいて、測定位置Pを照射中心Bに一致させるように、駆動機構15によりXYステージ14を駆動する。これによると、試料Sの測定位置Pを自動的に調整することが可能となる。
本変更例に係る蛍光X線分析システムにおいても、試料Sの測定位置を自動的に検出するとともに、測定位置に対するコリメータ13を自動的に選択することができるため、上述した実施の形態に係る蛍光X線分析システムと同様の作用効果を奏することができる。
また、本変更例に係る蛍光X線分析システムにおいても、図16に示したフローチャートに従って蛍光X線の自動測定を行なうことができるため、測定者の利便性を向上させることができるとともに、測定作業の工数を大幅に削減することができる。
さらに、本変更例に係る蛍光X線分析システムによれば、試料Sの全体画像を撮像することができる撮像部18を設けたことによって、試料台2の開口部4を通して試料Sの一部分を撮像する撮像部16を用いる構成に比較して、試料Sの全体画像をより簡易に取得することができる。
[その他の構成例]
上述した実施の形態では、試料の全体画像を複数の領域に分割し、分割した複数の領域の各々について測定位置を検出する構成について説明したが、複数の領域のうちの少なくとも1つの領域について測定位置を検出する構成としてもよい。例えば、複数の領域のうちの1つの領域を測定領域に特定し、特定した測定領域について測定位置を検出する構成とすることができる。このような構成は、例えば、試料の表面に異物が存在する場合に、その異物の元素含有量を分析する異物分析に利用することができる。
上記構成において、試料の全体画像から1つの測定領域を特定するためには、例えば、試料の全体画像上で試料を、色合いまたは光沢の違いに基づいて、異物を含まない第1の領域と、異物を含む第2の領域とに分割し、第2の領域を測定領域に特定する方法を用いることができる。この場合、第2の領域に対して、蛍光X線を測定するための測定位置が検出されるとともに、コリメータが選択される。
あるいは、予め測定領域についての見本画像を有しておき、分割した複数の領域の中から、当該見本画像と色合いまたは光沢が一致する領域を抽出し、抽出した領域を測定領域に特定する方法を用いてもよい。この場合、抽出した測定領域に対して、蛍光X線を測定するための測定位置が検出されるとともに、コリメータが選択される。
図21は、報告書のフォーマットの他の構成例を示す図である。図21には、試料の報告書F2のフォーマットの概要が示される。
図21を参照して、報告書F2には、蛍光X線の測定条件を指示するための領域80と、蛍光X線の分析結果を記入するための領域82とが設けられている。領域80には、蛍光X線の測定条件として、試料Sの測定位置Pの候補が記載される。図21の例では、試料Sの2つの領域A1,A2のうちの領域A1に対して、測定位置P1が示されている。具体的には、試料Sの全体画像が示されており、この試料Sの全体画像上に測定位置P1を表す点(黒点)が書き込まれている。領域80にはさらに、領域A1に対して、コリメータを示す情報が記載される、具体的には、試料Sの全体画像上に、コリメータの開口径を示す円(破線)が書き込まれている。
領域82には、試料Sの測定位置P1が発する蛍光X線を定量分析したときの分析結果が記入される。図中の表T1は、測定位置P1について、分析対象の元素ごとに、定量値および判定結果を記入する形式となっている。
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る蛍光X線分析システムは、試料の蛍光分析を行なう蛍光X線分析システムであって、試料の測定を行なう測定装置と、測定装置を制御するとともに、測定装置の測定結果を分析するように構成された情報処理装置と、試料の画像を取得する撮像部とを備える。情報処理装置は、撮像部の画像データにより取得される試料の全体画像中の少なくとも1つの測定領域を特定するとともに、特定した前記少なくとも1つの測定領域について測定位置を検出する。
第1項に記載の蛍光X線分析システムによれば、試料が互いに材料が異なる複数の部分を有する製品または部品である場合において、材料の違いによる色合いまたは光沢などの違いに基づいて、試料の全体画像中の少なくとも1つの測定領域が特定されるとともに、当該測定領域について測定位置が自動的に検出される。これによると、複数の部分を有する製品または部品の分析において、測定前に測定者が測定位置を設定する作業が不要となるため、分析作業の効率を向上させることができる。また、同じ製品または部品の分析において測定者によって測定位置が異なる可能性を減らすことができるため、分析結果の信頼性および有用性を高めることができる。
(第2項)第1項に記載の蛍光X線分析システムにおいて、情報処理装置は、試料の全体画像を複数の領域に分割し、複数の領域の少なくとも1つを、少なくとも1つの測定領域に特定する。
第2項に記載の蛍光X線分析システムによれば、試料の全体画像が上記複数の部分に対応する複数の領域に分割されるとともに、当該複数の領域の各々について測定位置が自動的に検出される。これによると、測定前に測定者が個々の部分について測定位置を設定する作業が不要となるため、分析作業の効率を向上させることができる。
(第3項)第1項または第2項に記載の蛍光X線分析システムは、情報処理装置と通信接続される表示装置をさらに備える。情報処理装置は、少なくとも1つの測定領域について検出した測定位置を、測定位置の候補として表示装置に表示する。
第3項に記載の蛍光X線分析システムによれば、自動的に検出された測定位置の候補を測定者に対して視覚的に伝えることができるため、測定者の利便性を向上させることができる。
(第4項)第3項に記載の蛍光X線分析システムは、測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備る。入力部は、測定位置を修正するための操作を受け付けるように構成される。情報処理装置は、入力部が測定位置を修正するための操作を受け付けた場合には、修正後の測定位置を表示装置に表示する。
第4項に記載の蛍光X線分析システムによれば、測定者は、自動的に検出された測定位置の候補に対して、測定位置の変更および、測定位置の追加または削除などの修正を施すことができる。よって、測定者の利便性を向上させることができる。
(第5項)第3項または第4項に記載の蛍光X線分析システムにおいて、情報処理装置は、測定位置を、試料の全体画像上に重畳して表示装置に表示するとともに、測定位置の表示態様を測定の前後で変化させる。
第5項に記載の蛍光X線分析システムによれば、試料の測定中、測定者に対して作業の進捗状況を視覚的に伝えることができるため、測定者の利便性を向上させることができる。
(第6項)第1項から第5項のいずれかに記載の蛍光X線分析システムにおいて、情報処理装置は、少なくとも1つの領域の各々について、当該領域の輪郭線の少なくとも一辺に接し、かつ、半径が最大となる円の中心を測定位置として検出する。
第6項に記載の蛍光X線分析システムによれば、少なくとも1つの測定領域の各々について、高い強度を有する2次X線を発生させることができる好適な測定位置を自動的に検出することができる。
(第7項)第1項に記載の蛍光X線分析システムにおいて、測定装置は、試料の測定位置に1次X線を照射するX線源と、互いに異なる開口径を有し、測定位置に照射される1次X線のビームの大きさを決定する複数のコリメータと、測定位置から発生する2次X線を検出する検出器とを含む。情報処理装置は、少なくとも1つの測定領域の各々について、複数のコリメータの中から最適な開口径を有するコリメータを選択する。
第7項に記載の蛍光X線分析システムによれば、少なくとも1つの測定領域の各々について、測定位置が自動的に検出されるとともに、最適なコリメータが自動的に選択されるため、測定前に測定者が個々の部分について測定位置を設定し、かつ、測定位置に応じたコリメータを選択する作業が不要となる。よって、分析作業の効率を向上させることができる。また、同じ製品または部品の分析において測定者によって測定条件が異なる可能性を減らすことができるため、分析結果の信頼性および有用性を高めることができる。
(第8項)第7項に記載の蛍光X線分析システムは、情報処理装置と通信接続される表示装置をさらに備える。情報処理装置は、少なくとも1つの測定領域の各々について選択したコリメータの情報を表示装置に表示する。
第8項に記載の蛍光X線分析システムによれば、自動的に選択されたコリメータを測定者に対して視覚的に伝えることができるため、測定者の利便性を向上させることができる。
(第9項)第7項または第8項に記載の蛍光X線分析システムにおいて、情報処理装置は、少なくとも1つの測定領域の各々について、測定位置を中心とし、かつ当該領域の輪郭線の少なくとも一辺に接する円の直径を超えない範囲で直径が最大となるコリメータを選択する。
第9項に記載の蛍光X線分析システムによれば、少なくとも1つの測定領域の各々について、高い強度を有する2次X線を発生させることができる好適なコリメータを自動的に選択することができる。
(第10項)第8項に記載の蛍光X線分析システムは、測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備える。入力部は、選択したコリメータを、開口径が異なる別のコリメータに変更するための操作を受け付けるように構成される。情報処理装置は、入力部がコリメータを変更するための操作を受け付けた場合には、別のコリメータの情報を表示装置に表示する。
第10項に記載の蛍光X線分析システムによれば、測定者は、自動的に選択されたコリメータを、開口径が異なる別のコリメータに変更することができる。よって、測定者の利便性を向上させることができる。
(第11項)第3項に記載の蛍光X線分析システムは、測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備える。表示装置は、情報処理装置による分析結果を記入するための報告書のフォーマットを表示するように構成される。フォーマットは、測定位置の候補を示す第1の領域と、分析結果を記入するための第2の領域とを有する。情報処理装置は、入力部が第1の領域に示された測定位置の候補の中から測定位置を選択するための操作を受け付けた場合には、選択された測定位置における分析結果を第2の領域に自動的に記入する。
第11項に記載の蛍光X線分析システムによれば、測定者が測定位置ごとに分析結果を記入する手間をなくすことができる。特に、多くの部分を有する製品または部品を分析する場合において、分析作業の効率化を実現することができる。
(第12項)第7項に記載の蛍光X線分析システムは、測定者の入力操作を受け付ける入力部と、試料の測定位置を調整するための第1の駆動機構と、複数のコリメータのうちの1つのコリメータを1次X線のビームラインに挿入するための第2の駆動機構とをさらに備える。情報処理装置は、入力部が試料の測定を指示するための操作を受け付けた場合には、第1の駆動機構により測定位置を自動的に調整し、第2の駆動機構によりコリメータを自動的に選択し、かつ、測定装置による試料の測定を自動的に実行する。
第12項に記載の蛍光X線分析システムによれば、測定位置の調整、コリメータの選択および試料の測定という一連の処理が、複数の測定位置について連続して自動的に実行されるため、測定作業の工数を削減することができる。
(第13項)第12項に記載の蛍光X線分析システムにおいて、表示装置は、情報処理装置による分析結果を記入するための報告書のフォーマットを表示するように構成される。フォーマットは、測定位置の候補および選択したコリメータの情報を示す第1の領域と、分析結果を記入するための第2の領域とを有する。情報処理装置は、測定位置における分析結果を第2の領域に自動的に記入する。
第13項に記載の蛍光X線分析システムによれば、測定位置の調整、コリメータの選択、試料の測定および分析結果の記入という一連の処理が、測定位置について連続して自動的に実行されるため、測定作業の工数をより一層削減することができる。
なお、上述した実施の形態および変更例について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不都合または矛盾が生じない範囲内で、実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 試料室、2 試料台、4 開口部、5 測定室、6 壁面、7 X線管、8 検出器、9 シャッター、10 蛍光X線分析装置、11 1次X線フィルタ、12,15 駆動機構、13 コリメータ、14 XYステージ、16,18 撮像部、20 情報処理装置、24 ROM、26 RAM、28 I/Oインターフェイス、32 通信インターフェイス、34 入力部、40 ディスプレイ、50 制御部、52 画像取得部、54 画像処理部、56 測定位置検出部、58 コリメータ選択部、60 測定指示部、62 分析部、64 駆動部、70 フォーマットDB、72 分析結果DB、80,82 領域、90 カーソル、100 蛍光X線分析システム、A1〜A4 領域、B 照射中心、C1〜C4 円、D1〜D16 特徴点、P1〜P4 測定位置、PATH 走査経路、S 試料。

Claims (13)

  1. 試料の蛍光分析を行なう蛍光X線分析システムであって、
    前記試料の測定を行なう測定装置と、
    前記測定装置を制御するとともに、前記測定装置の測定結果を分析するように構成された情報処理装置と、
    前記試料の画像を取得する撮像部とを備え、
    前記情報処理装置は、前記撮像部の画像データにより取得される前記試料の全体画像中の少なくとも1つの測定領域を特定するとともに、特定した前記少なくとも1つの測定領域について測定位置を検出する、蛍光X線分析システム。
  2. 前記情報処理装置は、前記試料の全体画像を複数の領域に分割し、前記複数の領域の少なくとも1つを前記少なくとも1つの測定領域に特定する、請求項1に記載の蛍光X線分析システム。
  3. 前記情報処理装置と通信接続される表示装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記少なくとも1つの測定領域について検出した測定位置を、測定位置の候補として前記表示装置に表示する、請求項1または2に記載の蛍光X線分析システム。
  4. 測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備え、
    前記入力部は、前記測定位置を修正するための操作を受け付けるように構成され、
    前記情報処理装置は、前記入力部が前記測定位置を修正するための操作を受け付けた場合には、修正後の前記測定位置を前記表示装置に表示する、請求項3に記載の蛍光X線分析システム。
  5. 前記情報処理装置は、前記測定位置を、前記試料の全体画像上に重畳して前記表示装置に表示するとともに、前記測定位置の表示態様を測定の前後で変化させる、請求項3または4に記載の蛍光X線分析システム。
  6. 前記測定装置は、
    前記試料の前記測定位置に1次X線を照射するX線源と、
    前記測定位置から発生する2次X線を検出する検出器とを含み、
    前記情報処理装置は、前記少なくとも1つの測定領域の各々について、当該領域の輪郭線の少なくとも一辺に接し、かつ、半径が最大となる円の中心を測定位置として検出する、請求項1から5のいずれか1項に記載の蛍光X線分析システム。
  7. 前記測定装置は、
    前記試料の前記測定位置に1次X線を照射するX線源と、
    互いに異なる開口径を有し、前記測定位置に照射される1次X線のビームの大きさを決定する複数のコリメータと、
    前記測定位置から発生する2次X線を検出する検出器とを含み、
    前記情報処理装置は、前記少なくとも1つの測定領域の各々について、前記複数のコリメータの中から最適な開口径を有するコリメータを選択する、請求項1または2に記載の蛍光X線分析システム。
  8. 前記情報処理装置と通信接続される表示装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記少なくとも1つの測定領域の各々について前記選択したコリメータの情報を前記表示装置に表示する、請求項7に記載の蛍光X線分析システム。
  9. 前記情報処理装置は、前記少なくとも1つの測定領域の各々について、前記測定位置を中心とし、かつ当該領域の輪郭線の少なくとも一辺に接する円の直径を超えない範囲で直径が最大となるコリメータを選択する、請求項7または8に記載の蛍光X線分析システム。
  10. 測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備え、
    前記入力部は、前記選択したコリメータを、開口径が異なる別のコリメータに変更するための操作を受け付けるように構成され、
    前記情報処理装置は、前記入力部が前記コリメータを変更するための操作を受け付けた場合には、前記別のコリメータの情報を前記表示装置に表示する、請求項8または9に記載の蛍光X線分析システム。
  11. 測定者の入力操作を受け付ける入力部をさらに備え、
    前記表示装置は、前記情報処理装置による分析結果を記入するための報告書のフォーマットを表示するように構成され、前記フォーマットは、前記測定位置の候補を示す第1の領域と、前記分析結果を記入するための第2の領域とを有しており、
    前記情報処理装置は、前記入力部が前記第1の領域に示された前記測定位置の候補の中から測定位置を選択するための操作を受け付けた場合には、選択された測定位置における分析結果を前記第2の領域に自動的に記入する、請求項3に記載の蛍光X線分析システム。
  12. 測定者の入力操作を受け付ける入力部と、
    前記試料の測定位置を調整するための第1の駆動機構と、
    前記複数のコリメータのうちの1つのコリメータを1次X線のビームラインに挿入するための第2の駆動機構とをさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記入力部が前記試料の測定を指示するための操作を受け付けた場合には、前記第1の駆動機構により測定位置を自動的に調整し、前記第2の駆動機構により前記コリメータを自動的に選択し、かつ、前記測定装置による前記試料の測定を自動的に実行する、請求項7に記載の蛍光X線分析システム。
  13. 前記表示装置は、前記情報処理装置による分析結果を記入するための報告書のフォーマットを表示するように構成され、前記フォーマットは、前記測定位置の候補を示す第1の領域と、前記分析結果を記入するための第2の領域とを有しており、
    前記情報処理装置は、前記測定位置における分析結果を前記第2の領域に自動的に記入する、請求項12に記載の蛍光X線分析システム。
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