JP2020200877A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋回走行中にアップシフトが行なわれてもアンダーステアとなることを抑制するとともに、旋回走行時の運転性を確保することができる無段変速機を備える車両の制御装置を提供する。【解決手段】旋回走行判定部66により車両の旋回走行状態が判定されると、変速速度制御部68により、無段変速機18の入力軸30の入力軸回転速度Ninが所定値Nin1以上となって高くなるほど無段変速機18の変速速度dγ/dtが遅くされる。これにより、無段変速機18の入力軸回転速度Ninが高いほどイナーシャトルクが抑制されるので、旋回走行中の車両の挙動が安定する。また、変速速度dγ/dtが非旋回走行時よりも一律に低下させられることがなく、無段変速機18の入力軸回転速度Ninが低い場合には高い場合よりも変速速度dγ/dtが遅くされないので、旋回走行時の運転性が確保される。【選択図】図1
Description
本発明は、無段変速機を備える車両の制御装置に関し、特に、旋回走行中の無段変速機の変速による旋回挙動の安定化とドライバビリティとを両立させる技術に関するものである。
無段変速機を備える車両において、旋回走行中に無段変速機の変速が行なわれると、駆動輪のトルク変化が発生して旋回走行の安定性が低下するため、車両の旋回走行が検出されたときにはそれ以外の場合よりも無段変速機の変速速度を低下させる制御を行なうことが提案されている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。
一般に、無段変速機を備える車両において、無段変速機は変速中でも駆動力を連続して伝達するため、無段変速機の変速に伴って発生するイナーシャトルクの変化が駆動軸に表れやすい。上記特許文献1に記載の従来の無段変速機を備える車両では、旋回走行中に、例えば無段変速機のアップシフトに伴ってイナーシャトルクが発生して車両の一時的加速が発生すると、無段変速機のアップシフトの変速速度が低下させられることで、アンダーステアが抑制される。
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の無段変速機を備える車両では、旋回走行状態となると、変速速度が非旋回走行時よりも一律に低下させられるので、運転性(ドライバビリティ)が低下するという問題があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、旋回走行中に無段変速機の変速が行なわれても旋回挙動への影響を抑制するとともに、旋回走行時の運転性を確保することができる無段変速機を備える車両の制御装置を提供することにある。
斯かる目的を達成する為の本発明の要旨とするところは、無段変速機を備える車両であって、車両の旋回走行状態を判定する旋回走行判定部と、前記無段変速機の変速速度を制御する変速速度制御部とを、含み、前記変速速度制御部は、前記旋回走行判定部により前記旋回走行状態が判定されると、前記無段変速機の入力軸回転速度が高いほど、前記無段変速機の変速速度を遅くすることにある。
このようにすれば、旋回走行判定部により車両の旋回走行状態が判定されると、前記変速速度制御部により、前記無段変速機の入力軸回転速度が高いほど前記変速速度制御部により前記無段変速機の変速速度が遅くされる。これにより、前記無段変速機の入力軸回転速度が高いほどイナーシャトルクが抑制されるので、旋回走行中の車両の挙動が安定する。例えば、旋回走行中のアップシフトの場合には、イナーシャトルクによる一時的加速(飛び出しG)が低減され、アップシフト時のアンダーステアが抑制される。また、変速速度が非旋回走行時よりも一律に低下させられることがなく、前記無段変速機の入力軸回転速度が低い場合には高い場合よりも変速速度が遅くされないので、旋回走行時の運転性が確保される。
また、旋回走行中のダウンシフトの場合には、そのダウンシフトにより発生する負のイナーシャトルクによる一時的減速(減速G)が抑制されるので、その負のイナーシャトルクに起因した減速によるダウンシフト時のオーバステアが抑制される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能および制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用駆動力源としてのエンジン12、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18(以下、無段変速機18という)、減速歯車装置20、差動歯車装置22、左右の駆動輪24などを備えている。車両10では、エンジン12から出力される動力は、トルクコンバータ14、前後進切換装置16、無段変速機18、減速歯車装置20、差動歯車装置22などを順次介して、左右の駆動輪24へ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン12に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸26を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行う。又、トルクコンバータ14には、ポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間を、すなわちトルクコンバータ14の入出力軸回転部材間を、直結可能な公知のロックアップクラッチであるクラッチLUが設けられている。クラッチLUの作動状態としては、例えばクラッチLUが解放される所謂ロックアップ解放(ロックアップオフ)、クラッチLUが滑りを伴って半係合される所謂ロックアップスリップ状態(スリップ状態)、およびクラッチLUが完全係合される所謂ロックアップ状態(ロックアップオン)の3状態に大別される。
クラッチLUがロックアップオフさせられることにより、トルクコンバータ14はトルク増幅作用が得られる。又、クラッチLUがロックアップオンさせられることにより、ポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tが一体回転させられてエンジン12の動力が前後進切換装置16側へ直接的に伝達される。又、クラッチLUがスリップ作動させられることにより、車両10の駆動(パワーオン)時には所定のスリップ量でタービン軸26がエンジン12のクランク軸に対して追従回転させられる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には所定のスリップ量でエンジン12のクランク軸がタービン軸26に対して追従回転させられる。又、ポンプ翼車14pには、機械式オイルポンプ28が連結されている。
前後進切換装置16は、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1とダブルピニオン型の遊星歯車装置16pとを主体として構成されている。遊星歯車装置16pのサンギヤ16sにはトルクコンバータ14のタービン軸26が一体的に連結され、遊星歯車装置16pのキャリア16cには無段変速機18の入力軸30が一体的に連結されている。又、キャリア16cとサンギヤ16sとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、キャリア16cとサンギヤ16sとが連結されると遊星歯車装置16p全体が一体回転させられる。つまり、前進用クラッチC1は、遊星歯車装置16pを選択的に一体回転させるクラッチ要素である。
遊星歯車装置16pのリングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介して非回転部材としてのハウジング32に選択的に固定される。つまり、後進用ブレーキB1は、遊星歯車装置16pの回転要素(サンギヤ16s、キャリア16c、リングギヤ16r)のうちの1つの回転要素(リングギヤ16r)を選択的にハウジング32に連結するブレーキ要素である。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、公知の油圧式摩擦係合装置である。
このように構成された前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、タービン軸26が入力軸30に直結され、前進用動力伝達経路が成立させられる。又、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立させられて、入力軸30はタービン軸26に対して逆方向へ回転させられる。又、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
無段変速機18は、入力軸30に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側のプーリ(プライマリプーリ)34と、出力軸36に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側のプーリ(セカンダリプーリ)38と、入力側および出力側のプーリ34,38の間に巻き掛けられた伝動ベルト40とを備えている。無段変速機18は、前後進切換装置16と駆動輪24との間の動力伝達経路の一部を構成し、入力側および出力側のプーリ34,38と伝動ベルト40との間の摩擦力を介して動力を伝達する。
入力側のプーリ34は、入力軸30に固定された入力側固定回転体としての固定シーブ34aと、入力軸30に対して軸回りの相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられた入力側可動回転体としての可動シーブ34bと、それら固定シーブ34aおよび可動シーブ34bの間のV溝幅を変更する為の入力側のプーリ34における入力側の推力(プライマリ推力)Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)を付与する入力側の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)34cとを備えている。
また、出力側のプーリ38は、出力軸36に固定された出力側固定回転体としての固定シーブ38aと、出力軸36に対して軸回りの相対回転不能且つ軸方向の移動可能に設けられた出力側可動回転体としての可動シーブ38bと、それら固定シーブ38aおよび可動シーブ38bの間のV溝幅を変更する為の出力側のプーリ38における出力側の推力(セカンダリ推力)Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)を付与する出力側の油圧アクチュエータ38cとを備えている。
そして、入力側の油圧アクチュエータ34cへ供給される作動油圧であるプライマリ圧Pinおよび出力側の油圧アクチュエータ38cへ供給される作動油圧であるセカンダリ圧Poutが後述の油圧制御回路72(図2参照)によって各々調圧制御されることにより、プライマリ推力Winおよびセカンダリ推力Woutが制御される。これにより、入力側および出力側のプーリ34,38のV溝幅が変化して伝動ベルト40の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変化させられると共に、伝動ベルト40が滑りを生じないように入力側および出力側のプーリ34,38と伝動ベルト40との間の摩擦力(ベルト挟圧力)が制御される。このように、プライマリ推力Winおよびセカンダリ推力Woutが各々制御されることで伝動ベルト40の滑りが防止されつつ実際の変速比γが目標変速比γtgtとされる。
車両10には、例えば後述する変速制御および変速速度制御等を実行する車両10の制御装置を含む電子制御装置50が備えられている。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン12の出力制御、無段変速機18の変速制御やベルト挟圧力制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、無段変速機18の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、車両10に設けられた各種センサ(例えば各回転速度センサ52,54,56,58、アクセル開度センサ60、ブレーキ操作量センサ62、舵角センサ63など)により検出された検出値に基づく各種入力信号が供給される。例えば、エンジン回転速度Ne(rpm)、タービン回転速度Nt(rpm)、入力軸回転速度Nin(rpm)、車速V(km/h)に対応する出力軸回転速度Nout(rpm)、アクセル開度θacc(%)、ホイールブレーキ装置を作動させる為に運転者により操作されるブレーキ操作部材の操作量であるブレーキ操作量Qbra、ステアリングホイールの操舵角θstなどが電子制御装置50に供給される。
電子制御装置50からは、車両10に設けられた各装置(例えばエンジン12、油圧制御回路72など)に各種出力信号が供給される。例えば、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機18の変速等に関する油圧制御の為のCVT油圧制御指令信号Scvt、クラッチLUや前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1の係合作動に関する油圧制御の為の係合油圧制御指令信号Scなどが出力される。
図2は、車両10に備えられた、無段変速機18、クラッチLU、前進用クラッチC1、および後進用ブレーキB1に関わる作動を制御する油圧システム70の概略構成を説明する図である。図2において、油圧システム70は、油圧制御回路72に加え、機械式オイルポンプ28および電動式オイルポンプ74を備えている。
機械式オイルポンプ28は、エンジン12に機械的に連結されており、そのエンジン12よって回転駆動されることにより、無段変速機18を変速制御したり、無段変速機18におけるベルト挟圧力を発生させたり、前後進切換装置16における動力伝達経路を切り換えたり、クラッチLUの作動状態を切り替えたり、車両10の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧の元圧を発生させる。
電動式オイルポンプ74は、機械式オイルポンプ28とは並列に配置されて、電動モータ76によって回転駆動されることにより、エンジン12の回転状態に拘わらず、例えばエンジン12の回転停止時に、上記作動油圧の元圧を発生させることができる。機械式オイルポンプ28は、例えば後述するエンジン12の自動停止再始動制御(エコラン制御)においてエンジン12が自動停止させられると、作動油を吐出できない為、電動式オイルポンプ74は、例えば車両10の減速走行中乃至停車中に実行されるようなエコラン制御におけるエンジン自動停止時に作動油を吐出する。
機械式オイルポンプ28および電動式オイルポンプ74は、ハウジング32(トランスミッションケース)の下部に設けられたオイルパン78に還流した作動油を、共通の吸い込み口(ストレーナ)80から吸い上げて、各々吐出油路82,84へ吐出する。吐出油路82は直接的に、吐出油路84は油圧制御回路72内に設けられた逆止弁86を介して、各々、油圧制御回路72内の油路、例えば、ライン圧PLが流通するライン圧油路88に連結されている。逆止弁86は、吐出油路82と吐出油路84との間に設けられており、機械式オイルポンプ28から出力された油圧が吐出油路84側へ流入することを防止する。
油圧制御回路72は、機械式オイルポンプ28や電動式オイルポンプ74から吐出される油圧を元圧としてライン圧PLを調圧するレギュレータ弁90、ライン圧PLを元圧として無段変速機18の変速作動およびベルト挟圧力を制御するCVT油圧制御系92、ライン圧PLを元圧としてクラッチLUの係合解放作動を制御するLU油圧制御系94、ライン圧PLを元圧として前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の係合解放作動を制御するC1/B1油圧制御系96などを備えている。
CVT油圧制御系92は、例えば油圧アクチュエータ34cへ供給する作動油圧であるプライマリ圧Pinを調圧するコントロール弁やそのコントロール弁を作動させる電磁弁、油圧アクチュエータ38cへ供給する作動油圧であるセカンダリ圧Poutを調圧するコントロール弁やそのコントロール弁を作動させる電磁弁等を備えている。従って、CVT油圧制御系92は、機械式オイルポンプ28,電動式オイルポンプ74が吐出する油圧を元圧として、油圧アクチュエータ34c,38cへ作動油圧を供給することができる。
LU油圧制御系94は、例えばクラッチLUの作動状態を切り替える為の切替弁、クラッチLUへ供給する作動油圧であるロックアップクラッチ圧Pluを調圧するコントロール弁、その切替弁およびコントロール弁を作動させる1つ乃至複数の電磁弁等を備えている。従って、LU油圧制御系94は、機械式オイルポンプ28,電動式オイルポンプ74が吐出する油圧を元圧として、クラッチLUへ作動油圧を供給することができる。
C1/B1油圧制御系96は、例えば前進用クラッチC1へ供給する作動油圧であるC1クラッチ圧Pc1を調圧制御して出力する電磁弁、後進用ブレーキB1へ供給する作動油圧であるB1ブレーキ圧Pb1を調圧制御して出力する電磁弁等を備えている。従って、C1/B1油圧制御系96は、機械式オイルポンプ28,電動式オイルポンプ74が吐出する油圧を元圧として、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1へ作動油圧を供給することができる。
図1に戻り、本実施例の電子制御装置50は、変速制御部64、旋回走行判定部66、および変速速度制御部68を、機能的に備えている。電子制御装置50は、予め記憶された関係からアクセル開度センサ60により検出されたアクセル開度θaccおよび車速Vに基づいて要求駆動力を算出し、その要求駆動力を最適燃費で得るための目標エンジン出力および目標変速比γtgtを決定し、目標エンジン出力が得られるようにエンジン12の出力を制御するエンジン制御を実行すると同時に、目標変速比γtgtが得られるように変速制御部64に無段変速機18の変速比制御を実行させる。
変速制御部64は、プライマリ推力Winおよびセカンダリ推力Woutを各々制御することで、伝動ベルト40の滑りを防止しつつ実際の変速比γが目標変速比γtgtとなるように制御する。
旋回走行判定部66は、アクセル開度θaccが所定値以上のアクセルオン(駆動走行)状態で、ステアリングホイールの操作速度dθst/dtが所定値α以上であることおよびステアリングホイールの操舵角θstが所定値β以上であることの少なくとも一方に基づいて、車両の旋回走行状態を判定する。
変速速度制御部68は、旋回走行判定部66によって車両の旋回走行状態が判定されているときに変速制御部64によるアップシフトにより無段変速機18の変速比が変化させられている変速状態において、無段変速機18の入力軸30の入力軸回転速度Ninが高くなるほど変速速度dγ/dtを遅くする。例えば、入力軸回転速度Ninが所定値Nin1を下回る場合は、通常の変速モードの、すなわち、アクセル操作に由来しない場合の変速に比較して高速モードの変速速度dγ/dtとする。入力軸回転速度Ninが所定値Nin1以上となる場合は、運転者のアクセル操作に由来しない変速すなわち意図しない変速、例えばアクセル開度θaccの減少操作によらない意図しないアップシフト変速であることを条件として、無段変速機18の変速速度dγ/dtを前記通常の変速(高速)モードよりも低速モードとなるように低減する。上記所定値Nin1は、意図しない変速時に旋回走行中の車両の挙動に影響が出ないように変速速度dγ/dtの抑制が必要とされる予め実験的に求められた値である。
変速速度制御部68は、例えば、油圧アクチュエータ34cや油圧アクチュエータ38cへの作動油への供給流量の流入流量又は油圧アクチュエータ34cや油圧アクチュエータ38cからの作動油の流出流量を制御することにより、無段変速機18の変速速度dγ/dtを遅くする。
図3は、電子制御装置50の制御作動の要部、すなわち旋回走行中の変速に起因するイナーシャトルクを抑制した旋回挙動を安定化するために、変速速度dγ/dtを制限する制御作動を説明するフローチャートである。変速制御部64によるアップシフト時において、図3に示すようにステップS10(以下、ステップを省略する)では、車両のアクセルオン状態すなわち駆動状態であるか否かが、アクセル開度θaccに基づいて判断される。
S10の判断が否定される場合は、S70において、無段変速機18の変速速度dγ/dtを後述の低速モードよりも相対的に高速とする通常モードに設定される。しかし、S10の判断が肯定される場合は、S20において、入力軸回転速度Ninが所定値Nin1以上であるか否かが判断される。
S20の判断が否定される場合は、S70において、無段変速機18の変速速度dγ/dtが相対的に高速である通常モードに設定される。しかし、S20の判断が肯定される場合は、S30において、ステアリングホイールの操作速度dθst/dtが所定値α以上であるか否かが判断される。
S30の判断が否定される場合は、S40において、ステアリングホイールの操舵角θstが所定値β以上であるか否かが判断される。このS40の判断が否定される場合は、S70が実行される。上記S10、S30およびS40は、旋回走行判定部66に対応している。
S30の判断が肯定されるか、或いはS40の判断が肯定されると、S50において、運転者のアクセル操作に由来しない変速すなわち意図しない変速、例えば、アクセル開度θaccの減少操作、アクセルアップシフト操作、エンジンの過回転防止のためのアップシフト操作によらない意図しないアップシフト変速があるか否かが判断される。
S50の判断が否定される場合はS70が実行されるが、肯定される場合は、S60において、無段変速機18の変速速度dγ/dtを前記通常モードよりも相対的に低速とする低速モードに設定される。
上述のように、本実施例によれば、旋回走行判定部66により車両の旋回走行状態が判定されると、変速速度制御部68により、無段変速機18の入力軸30の入力軸回転速度Ninが所定値Nin1以上となって高くなるほど無段変速機18の変速速度dγ/dtが遅くされる。これにより、無段変速機18の入力軸回転速度Ninが高いほどイナーシャトルクが抑制されるので、旋回走行中の車両の挙動が安定する。例えば、旋回走行中のアップシフトの場合には、イナーシャトルクによる一時的加速(飛び出しG)が低減され、アップシフト時のアンダーステアが抑制される。また、変速速度dγ/dtが非旋回走行時よりも一律に低下させられることがなく、無段変速機18の入力軸回転速度Ninが低い場合には高い場合よりも変速速度dγ/dtが遅くされないので、旋回走行時の運転性が確保される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、無段変速機18は、ベルト式無段変速機であったが、一対の入力側コーンおよび出力側コーンの間に配設されたローラの回転中心線の傾き角度を変化させることで入力側コーンおよび出力側コーンの速度比を連続的に変化させるトロイダル式無段変速機等であってもよい。
また、前述の実施例では、入力軸回転速度Ninが所定値Nin1以上となると変速速度dγ/dtが1段階で遅くされていたが、多段階で遅くされていてもよく、2段階以上として入力軸回転速度Ninが高くなるに伴って連続的に変速速度dγ/dtが遅くされてもよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
18:無段変速機
50:電子制御装置(制御装置)
66:旋回走行判定部
68:変速速度制御部
dγ/dt:変速速度
Nin:入力軸回転速度
18:無段変速機
50:電子制御装置(制御装置)
66:旋回走行判定部
68:変速速度制御部
dγ/dt:変速速度
Nin:入力軸回転速度
Claims (1)
- 無段変速機を備える車両の制御装置であって、
前記車両の旋回走行状態を判定する旋回走行判定部と、
前記無段変速機の変速速度を制御する変速速度制御部とを、含み、
前記変速速度制御部は、前記旋回走行判定部により前記旋回走行状態が判定されると、前記無段変速機の入力軸回転速度が高いほど、前記無段変速機の変速速度を遅くする
ことを特徴とする車両の制御装置。
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JP2019107365A JP2020200877A (ja) | 2019-06-07 | 2019-06-07 | 車両の制御装置 |
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