JP2020200783A - ピストン及びその製造方法 - Google Patents

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一也 岡▲崎▼
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Abstract

【課題】金属3Dプリンタを用いて造形できるピストン及びその製造方法を提供する。【解決手段】金属3Dプリンタを用いて造形されるピストンは、ピストン1の内部に、ピストン軸回りに円弧状に延びる複数の冷媒通路5を互いに間隔を隔てて形成すると共に、隣り合う冷媒通路5の端部同士を接続する接続空洞部6を形成し、かつ、冷媒通路5内に、軸方向に延びて冷媒通路5の底部8と天井部7を連結すると共に周方向に延びる縦壁10を形成する。【選択図】図1

Description

本開示は金属3次元(以下、「3D」という。)プリンタを用いて造形する内燃機関のピストン及びその製造方法に関する。
ピストンを形成する場合、その冷媒通路を境として上下に分けて形成し、形成したピストンの上部と下部を接合することでピストン内部に冷媒通路を形成している。
特開2017−210906号公報 特開2017−089469号公報 実用新案登録第3182263号公報 特表2018−535121号公報
ところで、近年金属3Dプリンタを用いて自動車部品を造形する技術が注目されている。
金属3Dプリンタによれば、金属部品をCAD(Computer Aided Design)データ等に基づいて容易に造形できる。
しかしながら、金属3Dプリンタは、金属粉末を層状に敷く積層工程と、その金属粉末にレーザー又は電子ビーム等を照射して金属粉末を焼結又は溶融させる造形工程とを交互に繰り返して金属部品を造形する。このため、ピストンに冷媒通路を形成しようとした場合、冷媒通路の天井部は焼結又は溶融されなかった金属粉末上に形成されることとなり、自重に耐えられず崩壊する虞がある。
一方、金属3Dプリンタの造形技術には、自重で崩壊しそうな部分の下方にサポート材を形成するものがある。例えば、サポート材は、容易に除去できるように軟弱なウエハース状に形成される。
しかし、冷媒通路は複雑に屈曲される。このため、仮に冷媒通路内にサポート材を形成した場合、冷媒通路内からサポート材を除去できない可能性が高い。このため、ピストンを金属3Dプリンタで造形することは極めて困難であった。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、金属3Dプリンタを用いて造形できるピストン及びその製造方法を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
金属3Dプリンタを用いて造形されるピストンであって、
前記ピストンの内部に、ピストン軸回りに円弧状に延びる複数の冷媒通路を互いに間隔を隔てて形成すると共に、隣り合う前記冷媒通路の端部同士を接続する接続空洞部を形成し、かつ、前記冷媒通路内に、軸方向に延びて前記冷媒通路の底部と天井部を連結すると共に周方向に延びる縦壁を形成する
ことを特徴とするピストンが提供される。
好ましくは、前記縦壁は板状に形成され、軸方向に対する前記縦壁の傾斜角度は、0°以上45°以内に設定される。
好ましくは、前記接続空洞部内には、軸方向に対して傾斜する冷媒案内壁が形成される。
好ましくは、軸方向に対する前記冷媒案内壁の傾斜角度は、0°以上45°以内に設定される。
好ましくは、前記冷媒通路は、前記ピストンと同軸の環状に配置される。
好ましくは、前記縦壁の傾斜角度は0°に設定され、前記冷媒通路内には、前記縦壁と交差される斜壁がさらに形成される。
また、本開示の一の態様によれば、
金属3Dプリンタを用いて請求項1から6のいずれか一項に記載のピストンを造形するピストンの製造方法であって、
前記3Dプリンタの造形ステージ上で均一な厚さの金属粉末の層を形成する積層工程と、
前記冷媒通路の周囲、前記縦壁及び前記接続空洞部の周囲に相当する位置の金属粉末にレーザービーム又は電子ビームを照射して前記位置の金属粉末を焼結又は溶融させる造形工程と、
前記積層工程及び前記造形工程を交互に繰り返す繰り返し工程とを備える
ことを特徴とするピストンの製造方法が提供される。
上記の態様によれば、金属3Dプリンタを用いてピストンを造形できる。
本開示の一実施の形態に係るピストンの正面断面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図1のB−B線矢視断面図である。 図1のC−C線矢視断面図である。 図1のD部拡大図である。 図5の斜視図である。 金属3Dプリンタの概略側面図である。 他の実施の形態を示す接続空洞部の断面図である。 他の実施の形態を示す接続空洞部の断面図である。 他の実施の形態を示す接続空洞部の断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
まず、金属3Dプリンタで造形するピストンについて説明する。なお、後述する実施の形態においては、図1における紙面上方を上方とし、紙面右方を右方とする。ただし、本実施の形態における各方向は、説明の便宜のために用いるものであり、後述する部位間の相対的な位置関係を表す。
図1は、本実施形態に係るピストン1の正面断面図である。図2は図1のA−A線矢視断面図である。図3は図1のB−B線矢視断面図である。図4は図1のC−C線矢視断面図である。図1、図2、図3及び図4に示すように、ピストン1は、内燃機関用であり、概ね円柱状に形成される。ピストン1の頂面1aには、キャビティ2が形成される。キャビティ2は、図示しないインジェクタから噴射される燃料の噴流を案内することにより、燃料と吸気の混合を最適化する。また、ピストン1の軸方向の中間部には、ピストンピン穴3が形成される。図1及び図2における符号CAは上下方向に延びるピストン1の中心軸である。ピストンピン穴3には、図示しないピストンピンが挿通される。また、ピストン1の下部には、ピストンスカート4が形成される。ピストンスカート4は、ピストン1が往復運動する際にピストン1の首振りを抑制する。
さて、本実施の形態におけるピストン1の内部には、複数の冷媒通路5と、冷媒通路5の端部同士を接続する複数の接続空洞部6とが形成される。冷媒通路5は、冷媒たるエンジンオイルを流すための通路である。冷媒通路5は、キャビティ2より外周側のピストン1に形成される。また、冷媒通路5は、ピストン1と同軸の円弧状に形成される。冷媒通路5は、ピストン軸回りの角度範囲θ5内で周方向に延在される。複数の冷媒通路5は、ピストン1と同軸の環状に配置されると共に、周方向に間隔を隔てて配置される。また、複数の接続空洞部6は、冷媒通路5間に配置される。
図5及び図6に示すように、冷媒通路5の天井部7の内面は、断面形状において上方に膨らむ円弧状(アーチ状)に形成される。冷媒通路5の底部8の内面は、断面形状において下方に膨らむ円弧状(逆アーチ状)に形成される。冷媒通路5の側部9a、9bの内面は、断面形状において直線状に形成される。なお、冷媒通路5の断面形状はこれに限られない。例えば図10に示すように断面矩形状に形成されてもよく、他の形状に形成されてもよい。また、冷媒通路5には、冷媒通路5に冷媒を導入するための冷媒導入路(図示せず)が接続されると共に、冷媒通路5から外部に冷媒を排出するための冷媒排出路(図示せず)が接続される。冷媒導入路及び冷媒排出路は、冷媒通路5から下方に延びて形成され、下端を開放される。なお、冷媒導入路及び冷媒排出路は、後述する接続空洞部6に接続されてもよい。
また、冷媒通路5内には、縦壁10が形成される。縦壁10は、軸方向に延びると共に、冷媒通路5と同軸の周方向に延びる。縦壁10は板状に形成され、冷媒通路5の側部9a、9b間の中央に配置される。また、縦壁10は、天井部7と底部8に接続される。これにより、縦壁10は冷媒通路5をピストン1の径方向に分割する。軸方向に対する縦壁10の傾斜角度は0°に設定される。なお、軸方向に対する縦壁10の傾斜角度は、0°以上45°以内に設定されてもよい。
また、冷媒通路5内には、縦壁10と交差される斜壁11、12がさらに形成される。具体的には、冷媒通路5内には、上端が縦壁10より径方向外方に位置されると共に下端が縦壁10より径方向内方に位置される第1斜壁11と、上端が縦壁10より径方向内方に位置されると共に下端が縦壁10より径方向外方に位置される第2斜壁12とが形成される。すなわち、第1斜壁11と第2斜壁12とは、互いに反対方向に傾斜されてX字状に交差される。軸方向に対する第1斜壁11の傾斜角度αは45°に設定される。軸方向に対する第2斜壁12の傾斜角度βは45°に設定される。また、第1斜壁11、第2斜壁12及び縦壁10は、冷媒通路5の中心軸O上で交差するように配置される。すなわち、第1斜壁11、第2斜壁12及び縦壁10の断面形状は、アスタリスク状となる。このように、第1斜壁11、第2斜壁12及び縦壁10で冷媒通路5が仕切られることにより冷媒通路5内には、6つの分流路13a〜13fが形成される。なお、第1斜壁11、第2斜壁12及び縦壁10の交点は、冷媒通路5の中心軸Oに対して偏心されていてもよい。
接続空洞部6は、隣り合う冷媒通路5の間にそれぞれ配置され、ピストン1の中心軸CAを中心としてθ6の角度範囲を有する。接続空洞部6の角度範囲θ6は、冷媒通路5の角度範囲θ5より小さく設定される。接続空洞部6は、一方の冷媒通路5の各分流路13a〜13fに接続されると共に他方の冷媒通路5の各分流路13a〜13fに接続される。接続空洞部6は、ピストン1の中心軸CAを中心とする円弧状に形成される。接続空洞部6の断面形状及び断面積は、冷媒通路5と同じに設定される。なお、接続空洞部6の断面形状はこれに限られない。また、接続空洞部6の断面積は冷媒通路5より大きくてもよく小さくてもよい。
また、接続空洞部6内には、各分流路13a〜13fから流入した冷媒を各分流路13a〜13fに分配すべく案内する冷媒案内壁14が形成される。冷媒案内壁14は、軸方向に対して傾斜される。具体的には、冷媒案内壁14は、第1斜壁11の下半部を周方向に延長して形成される。すなわち、冷媒案内壁14は、第1斜壁11と第2斜壁12の交差位置から第1斜壁11の下端位置まで軸方向に対し斜めに傾斜して延びている。また、軸方向に対する冷媒案内壁14の傾斜角度γは、第1斜壁11の傾斜角度αと同じに設定される。また、冷媒案内壁14の下端は、接続空洞部6の内周部6aに一体に接続される。また、冷媒案内壁14の上端と、接続空洞部6の外周部6cとの間には、冷媒の流通を許容する空隙15が形成される。また、冷媒案内壁14の周方向の両端は、第1斜壁11に一体に接続される。
ここで冷媒案内壁14と空隙15の作用について説明する。
ピストン1が下方に移動されたとき、冷媒はピストン1に対して相対的に上方に流れ、冷媒案内壁14の下面14aは上方に流れる冷媒をピストン1の径方向外方に案内する。そして、冷媒案内壁14の下面14aに案内されて径方向外方に流れる冷媒は、接続空洞部6の外周部6cに対して斜め下方から当たる。このため、外周部6cに当たった冷媒は、径方向内方かつ上方に跳ね返されることとなり、空隙15を通過して冷媒案内壁14の上方に流動される。この後、冷媒案内壁14の上方に流動された冷媒は、冷媒案内壁14の上面14bに沿って斜め下方に流れる。この作用により、各分流路13a〜13fから接続空洞部6内に集合された冷媒は、接続空洞部6内で循環され、混合される。そして、混合された冷媒は冷媒案内壁14に沿って循環されつつ各分流路13a〜13fに分配されることとなる。なお、冷媒案内壁14は上述に限られない。例えば、冷媒案内壁14の上端と空洞部6の外周部6c及び天井部6bとの間に空隙15がある限り、冷媒案内壁14の上端位置は、上述よりも高くてもよく、低くてもよい。また、軸方向に対する冷媒案内壁14の傾斜角度γは、0°以上45°以内に設定されてもよい。
次に金属3Dプリンタについて説明する。
図7に示すように、本実施の形態において使用する金属3Dプリンタ20は、レーザービームを熱源とするパウダーベッド方式である。金属3Dプリンタ20は、金属粉末Pを層状に敷く積層工程と、金属粉末Pにレーザービームを照射して金属粉末Pを焼結又は溶融させる造形工程とを交互に繰り返してピストン1等の造形物を下端部から順に造形する。なお、金属3Dプリンタ20は、電子ビームを熱源とするパウダーベッド方式であってもよい。
金属3Dプリンタ20は、金属粉末Pを収容するバケット21と、造形ステージ22と、造形ステージ22に金属粉末Pを供給するコーター23と、レーザービーム発生装置24と、レーザービームの照射位置を制御する光学素子25と、余剰材料回収ボックス26と、制御装置27とを備える。
バケット21には、バケット21内の金属粉末Pを上昇させるための供給エレベータ28が設けられる。供給エレベータ28は、バケット21内に配置されるテーブル部29と、テーブル部29を昇降自在に駆動させるエレベータ駆動部30とを備える。エレベータ駆動部30は、制御装置27からの制御信号に基づいてテーブル部29を昇降させる。
造形ステージ22は、ピストン1等の造形物を造形するためのステージであり、バケット21に隣接して配置される。また、造形ステージ22は、ステージ駆動部31に昇降自在に支持される。ステージ駆動部31は、制御装置27からの制御信号に基づいて造形ステージ22を昇降させる。
コーター23は、バケット21上の金属粉末Pを造形ステージ22上に移動させるためのスクレーパ部32と、スクレーパ部32を水平方向に駆動させるスクレーパ駆動部(図示せず)とを備える。スクレーパ駆動部は、制御装置27からの制御信号に基づいてスクレーパ部32を水平方向に移動させる。
光学素子25はミラーで構成され、レーザービーム発生装置24から発射されるレーザービームの光軸上に配置される。また、光学素子25は、光学素子25を上下方向及び左右方向に回動自在に駆動させる光学素子駆動部33に支持される。光学素子駆動部33は、制御装置27からの制御信号に基づいて光学素子25の向きを変化させる。光学素子25は、向きを変えられることでレーザービームを任意の方向に反射させ、レーザービームを造形ステージ22上の金属粉末Pに照射させる。
余剰材料回収ボックス26は、造形ステージ22に隣接して配置され、造形ステージ22で余った金属粉末Pを回収する。具体的には、余剰材料回収ボックス26は、コーター23の移動経路上に配置され、コーター23によって造形ステージ22外に移動させられた金属粉末Pを回収する。
制御装置27は、ピストン1の形状情報を読み書き可能に記憶すると共に、ピストン1の形状情報に基づいてレーザービーム発生装置24及び光学素子駆動部33等を駆動させる。
次に金属3Dプリンタ20を用いたピストン1の造形方法(製造方法)について説明する。
前述のピストン1を造形する場合、ピストン1の形状情報を制御装置27に入力したのち、金属3Dプリンタを作動させる。このとき、バケット21内には、金属粉末Pがバケット21の上端まで満ちている。また、テーブル部29はバケット21の底部に位置されている。造形ステージ22は、バケット21の上端と同じ高さに配置されている。
金属3Dプリンタ20が作動されると、まず積層工程が行われる。積層工程では、まず、テーブル部29及び造形ステージ22の高さ調整が行われる。高さ調整において、制御装置27は、テーブル部29を予め設定された所定高さだけ上昇させ、造形ステージ22を前記所定高さだけ降下させる。この後、制御装置27は、コーター23をバケット21上、造形ステージ22上及び余剰材料回収ボックス26上の順に移動させる。これにより、バケット21上の金属粉末Pが造形ステージ22上に移動される。そして、金属粉末Pが造形ステージ22上に前記所定高さと同じ厚さで敷かれる。これにより、造形ステージ22上に均一な厚さの金属粉末層が形成される。また、余剰の金属粉末Pは、余剰材料回収ボックス26に回収される。
この後、造形工程が行われる。造形工程では、制御装置27は、レーザービーム発生装置24からレーザービームを発射させ、ピストン1の形状情報に基づいて光学素子駆動部33を駆動させる。これにより、造形ステージ22上の金属粉末Pにレーザービームが照射され、レーザービームが照射された位置の金属粉末Pが焼結される。具体的には、形成すべきピストン1の姿勢が図1に示すピストン1と同じである場合、レーザービームはピストン1の下端部に対応する位置の金属粉末Pに照射される。これにより、ピストン1の下端部が造形ステージ22に付着した状態で造形される。
以降、積層工程と造形工程が交互に繰り返し行われる。
そして、造形ステージ22上に積まれた金属粉末Pの高さがピストン1の冷媒通路5及び接続空洞部6の下端の高さに至ると、冷媒通路5及び接続空洞部6の造形が始まる。このとき、冷媒通路5及び接続空洞部6内の空洞となる部分の金属粉末Pには、レーザービームは照射されない。例えば、冷媒通路5は、その周囲(底部8、天井部7及び側部9a、9b)に相当する位置の金属粉末Pにレーザービームが照射されることで形成される。また、冷媒通路5内においては、縦壁10、第1斜壁11及び第2斜壁12に対応する位置の金属粉末Pにのみレーザービームが照射される。また、接続空洞部6は、その周囲(内周部6a、天井部6b、外周部6c及び底部6d)に相当する位置の金属粉末Pにレーザービームが照射されることで形成される。また、接続空洞部6内においては、冷媒案内壁14に対応する位置の金属粉末Pにのみレーザービームが照射される。
ところで、パウダーベッド方式の金属3Dプリンタ20においては、冷媒通路5のような空洞を形成しようとした場合、造形工程で冷媒通路5の天井部分が自重に耐えられず、崩れてしまう可能性があった。また、一般に金属3Dプリンタ20で空洞を形成する場合、空洞内にその天井部分を支えるためのサポート材を形成する。しかし、冷媒通路内にサポート材を形成した場合、サポート材の除去が極めて困難であり、金属3Dプリンタ20で一般的な構造のピストンを造形することは困難であった。
しかし、本実施の形態によれば、冷媒通路5内に、軸方向に延びて冷媒通路5の底部8と天井部7を連結すると共に周方向に延びる縦壁10が形成される。また、縦壁10は冷媒通路5を区画するピストン1と同じ硬さに形成される。このため、積層工程中に冷媒通路5の天井部7を縦壁10で支持することができ、天井部7が崩れることを抑制できる。またさらに、縦壁10は板状に形成され、軸方向に対する縦壁10の傾斜角度は、0°に設定される。このため、積層工程中に縦壁10が崩れることも抑制される。そして、縦壁10はサポート材のように除去する必要はない。このため、金属3Dプリンタでピストン1を容易に造形できる。
なお、冷媒通路5の天井部7において既に焼結された低い部分から新たに縦壁10側(径方向)に突出して少しずつ天井部7を焼結していけば天井部7の崩壊は抑制できる。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような他の実施形態も可能である。
(1)図8に示すように、冷媒通路5内には、第1斜壁11と同方向に傾斜されると共に、第1斜壁11より軸方向に対する傾斜角度が緩やかな第3斜壁40がさらに形成されてもよい。またさらに、冷媒通路5内には、第2斜壁12と同方向に傾斜されると共に、第2斜壁12より軸方向に対する傾斜角度が緩やかな第4斜壁41がさらに形成されてもよい。これにより、造形工程中に冷媒通路5の天井部7が崩れることがさらに抑制される。
(2)冷媒通路5内には、第1斜壁11と第2斜壁12が形成されるものとしたが、これに限られない。第1斜壁11及び第2斜壁12のいずれか一方又は両方が省略されてもよい。
(3)冷媒通路5内には、1枚の縦壁10(図5参照)が形成されるものとしたが、これに限られない。図9に示すように、冷媒通路5内に複数の縦壁42、43が形成されてもよい。この場合、隣り合う縦壁42、43同士の上端は、ピストン1の径方向に離間される。これにより、造形工程中に冷媒通路5の天井部7が崩れることがさらに抑制される。
(4)冷媒案内壁14は、第1斜壁11の下半部を周方向に延長して形成されるものとしたが、これに限られない。冷媒案内壁14は、冷媒の循環を促進できるものであればよく、他の形状に形成されてもよい。例えば、冷媒案内壁44は、図10に示すように、第2斜壁12の下半部を周方向に延長して形成されてもよい。この場合、冷媒案内壁44の上端と接続空洞部6の内周部6aとの間に空隙15が形成されるとよい。
(5)接続空洞部6内には、冷媒案内壁14が形成されるものとしたが、これに限られない。冷媒案内壁14がなくとも接続空洞部6内で冷媒が良好に混合される場合、冷媒案内壁14は省略されてもよい。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 ピストン
5 冷媒通路
6 接続空洞部
10 縦壁

Claims (7)

  1. 金属3Dプリンタを用いて造形されるピストンであって、
    前記ピストンの内部に、ピストン軸回りに円弧状に延びる複数の冷媒通路を互いに間隔を隔てて形成すると共に、隣り合う前記冷媒通路の端部同士を接続する接続空洞部を形成し、かつ、前記冷媒通路内に、軸方向に延びて前記冷媒通路の底部と天井部を連結すると共に周方向に延びる縦壁を形成する
    ことを特徴とするピストン。
  2. 前記縦壁は板状に形成され、軸方向に対する前記縦壁の傾斜角度は、0°以上45°以内に設定される
    請求項1に記載のピストン。
  3. 前記接続空洞部内には、軸方向に対して傾斜する冷媒案内壁が形成される
    請求項1又は2に記載のピストン。
  4. 軸方向に対する前記冷媒案内壁の傾斜角度は、0°以上45°以内に設定される
    請求項3に記載のピストン。
  5. 前記冷媒通路は、前記ピストンと同軸の環状に配置される
    請求項1から4のいずれか一項に記載のピストン。
  6. 前記縦壁の傾斜角度は0°に設定され、
    前記冷媒通路内には、前記縦壁と交差される斜壁がさらに形成される
    請求項1から5のいずれか一項に記載のピストン。
  7. 金属3Dプリンタを用いて請求項1から6のいずれか一項に記載のピストンを造形するピストンの製造方法であって、
    前記3Dプリンタの造形ステージ上で均一な厚さの金属粉末の層を形成する積層工程と、
    前記冷媒通路の周囲、前記縦壁及び前記接続空洞部の周囲に相当する位置の金属粉末にレーザービーム又は電子ビームを照射して前記位置の金属粉末を焼結又は溶融させる造形工程と、
    前記積層工程及び前記造形工程を交互に繰り返す繰り返し工程とを備える
    ことを特徴とするピストンの製造方法。
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