JP2020200204A - 光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置 - Google Patents

光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置 Download PDF

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【課題】高い屈折率を有する光学ガラスの提供。【解決手段】カチオン成分として、ランタンとニオブのみを含み、モル%基準で、La2O3:20〜70%、LaF3:0〜30%、Nb2O5:30〜55%、からなる、光学ガラス。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学系、交換レンズ、及び光学装置に関する。
光学ガラスは、様々な光学素子や光学装置に用いられており、例えば、特許文献1には紫外領域から赤外領域に用いられるハロゲン化物ガラスが開示されている。ところで、光学装置に用いられる光学系の設計の自由度を広げるために、高い屈折率を有する光学ガラスの開発が求められている。しかしながら、光学ガラスの屈折率が高くなるように組成を調整すると、ガラス化が困難になるという問題があった。
特開平07−081973号公報
本発明の第一の態様は、カチオン成分として、ランタンとニオブのみを含み、モル%基準で、La:20〜70%、LaF:0〜30%、Nb:30〜55%、からなる、光学ガラスである。
本発明の第二の態様は、上述した光学ガラスを用いた光学素子である。
本発明の第三の態様は、上述した光学素子を含む光学系である。
本発明の第四の態様は、上述した光学系を備える交換レンズである。
本発明の第五の態様は、上述した光学系を備える光学装置である。
図1は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える多光子顕微鏡の構成の例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。 図3は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の別の例の正面図である。 図4は、図3の撮像装置の背面図である。 図5は、ガスジェット式の浮遊炉の全体構成の模式図である。 図6は、ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本実施形態における光学ガラスの各成分の組成範囲、及び特性範囲は以下の通りである。なお、本明細書中において、特に断らない場合は、各成分の含有量は全てカチオン、アニオン、酸化物換算又はフッ化物換算におけるモル%表示であるものとする。
<光学ガラス>
本実施形態に係る光学ガラスは、カチオン成分として、ランタンとニオブのみを含み、モル%基準で、La:20〜70%、LaF:0〜30%、Nb:30〜55%、からなるものである。本実施形態に係る光学ガラスは、SiOやB等の網目形成酸化物を構成するカチオンを含有せずともガラス化することができる、新規な光学ガラスである。さらには、高屈折率であり紫外領域においても良好な透過率を有する光学ガラスとすることができる。一般に、光学ガラスに関して高屈折率と紫外〜可視域における透過率とを両立させることは困難であり、両者はトレードオフの傾向に陥りやすい。このようなことから、高屈折率でありながら、可視域で無色透明な光学ガラスとすることも困難であった。しかしながら、本実施形態に係る光学ガラスは、上述した組成を有することでこのような特性も付与することが可能となる。
La3+は、酸化物換算でLaとして含まれ、Fを含有する場合にはLaFとしても含まれる。La3+は屈折率を高くし、紫外透過性及び赤外透過率を向上させる成分として有効であるが、含有量が少ないと上記効果が十分でない。そして、Laの含有量が70%を超えるとガラスが失透しやすくなる。このような観点から、Laの含有量は20〜70%である。そして、Laの下限は、好ましくは25%であり、より好ましくは30%であり、その上限は、好ましくは65%であり、より好ましくは60%である。
Nb5+は、酸化物換算組成ではNbとして含まれる。Nb5+はガラスの屈折率を高める効果が大きく、La3+とともにガラス成分として導入することによって、ガラスの安定性を一層高めることができる。その一方で、Nb5+を過剰に導入すると紫外透過率が悪化する。このような観点から、Nbの含有量は30〜55%である。そして、Nbの下限は、好ましくは35%であり、より好ましくは40%であり、その上限は、好ましくは53%であり、より好ましくは50%である。
また、本実施形態に係る光学ガラスは、アニオン成分としてFを含んでもよい。Fを導入すると、紫外領域の透過率が向上するが、屈折率が低下する傾向にある。このような観点から、本実施形態に係る光学ガラスは、LaFとしての含有量が0〜30%である。LaFの含有量の下限は、好ましくは2%であり、より好ましくは5%であり、その上限は、好ましくは27%であり、より好ましくは25%である。
なお、本実施形態において、製造過程において不可避的に含有される不純物等は、本実施形態の目的達成に支障がない限り、許容されるものとする。例えば、製造過程における100ppm以下程度のコンタミネーションについては、許容されるものとする。また、ガラスの構成成分以外の添加剤等は、本実施形態に係る光学ガラスの目的達成に支障のない範囲であれば、含有されていてもよい。
次に、本実施形態の光学ガラスの物性値について説明する。
本実施形態に係る光学ガラスは、好適には高屈折率領域に関するものである。本実施形態の光学ガラスのd線(波長:587.562nm)における屈折率(n)は、好ましくは1.85〜2.25である。屈折率の下限は、より好ましくは1.90であり、更に好ましくは1.95である。
また、本実施形態に係る光学ガラスは、低分散な(アッベ数(ν)が高い)ガラスである。本実施形態に係る光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは22〜35である。アッベ数の下限は、より好ましくは23であり、更に好ましくは26である。
紫外領域における実用性のため、ガラスの紫外吸収端波長はできるだけ短波長側にあることが望ましい。
この点について、本実施形態に係る光学ガラスは、その好適な態様として、1mm厚における表面反射損失を含む紫外透過率値が5%になる波長(UVλ)を、370nm以下とすることができる。UVλの上限は、より好ましくは350nmであり、更に好ましくは330nmである。
なお、本明細書でいう吸収端波長とは、特に断りがない限り、上記のUVλを意味する。
本実施形態に係る光学ガラスは、紫外領域においても良好な透過率を示す高屈折率ガラスである。例えば、このような光学ガラスを他の光学ガラスと併用した光学系は、従来よりも光学設計の自由度を広げることが可能となる。
本実施形態に係る光学ガラスは、カメラや顕微鏡等の光学装置の備えるレンズ等の光学素子として好適である。このような光学素子の具体例としては、ミラー、レンズ、プリズム、フィルタ等が含まれる。これら光学素子を含む光学系としては、例えば、対物レンズ、集光レンズ、結像レンズ、カメラ用交換レンズ等が挙げられる。そして、これらは、レンズ交換式カメラ、レンズ非交換式カメラ等の撮像装置、多光子顕微鏡等の顕微鏡に用いることができる。なお、光学装置としては、上述した撮像装置や顕微鏡に限られず、ビデオカメラ、テレコンバーター、望遠鏡、双眼鏡、単眼鏡、レーザ距離計、プロジェクタ等も含まれる。以下に、光学装置の例を説明する。
<多光子顕微鏡>
図1は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える多光子顕微鏡の構成の例を示すブロック図である。
多光子顕微鏡1は、対物レンズ106、集光レンズ108、結像レンズ110を備える。対物レンズ106、集光レンズ108、結像レンズ110のうち少なくとも1つは、本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。以下、多光子顕微鏡1の光学系を中心に説明する。
パルスレーザ装置101は、例えば、近赤外波長(約1000nm)であって、パルス幅がフェムト秒単位の(例えば、100フェムト秒の)超短パルス光を射出する。パルスレーザ装置101から射出された直後の超短パルス光は、一般に所定の方向に偏光された直線偏光となっている。
パルス分割装置102は、超短パルス光を分割し、超短パルス光の繰り返し周波数を高くして射出する。
ビーム調整部103は、パルス分割装置102から入射される超短パルス光のビーム径を、対物レンズ106の瞳径に合わせて調整する機能、試料Sから発せられる多光子励起光の波長と超短パルス光の波長との軸上の色収差(ピント差)を補正するために超短パルス光の集光及び発散角度を調整する機能、超短パルス光のパルス幅が光学系を通過する間に群速度分散により広がってしまうのを補正するために、逆の群速度分散を超短パルス光に与えるプリチャープ機能(群速度分散補償機能)等を有する。
パルスレーザ装置101から射出された超短パルス光は、パルス分割装置102によりその繰り返し周波数が大きくされ、ビーム調整部103により上述した調整が行われる。そして、ビーム調整部103から射出された超短パルス光は、ダイクロイックミラー104によりダイクロイックミラー105の方向に反射され、ダイクロイックミラー105を通過し、対物レンズ106により集光されて試料Sに照射される。このとき、走査手段(不図示)を用いることにより、超短パルス光を試料Sの観察面上に走査させてもよい。
例えば、試料Sを蛍光観察する場合には、試料Sの超短パルス光の被照射領域及びその近傍では、試料Sが染色されている蛍光色素が多光子励起され、赤外波長である超短パルス光より波長が短い蛍光(以下、「観察光」という。)が発せられる。
試料Sから対物レンズ106の方向に発せられた観察光は、対物レンズ106によりコリメートされ、その波長に応じて、ダイクロイックミラー105により反射されたり、あるいは、ダイクロイックミラー105を透過したりする。
ダイクロイックミラー105により反射された観察光は、蛍光検出部107に入射する。蛍光検出部107は、例えば、バリアフィルタ、PMT(photo multiplier tube:光電子増倍管)等により構成され、ダイクロイックミラー105により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部107は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
一方、ダイクロイックミラー105を透過した観察光は、走査手段(不図示)によりデスキャンされ、ダイクロイックミラー104を透過し、集光レンズ108により集光され、対物レンズ106の焦点位置とほぼ共役な位置に設けられているピンホール109を通過し、結像レンズ110を透過して、蛍光検出部111に入射する。
蛍光検出部111は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、結像レンズ110により蛍光検出部111の受光面において結像した観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部111は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
なお、ダイクロイックミラー105を光路から外すことにより、試料Sから対物レンズ106の方向に発せられた全ての観察光を蛍光検出部111で検出するようにしてもよい。
また、試料Sから対物レンズ106と逆の方向に発せられた観察光は、ダイクロイックミラー112により反射され、蛍光検出部113に入射する。蛍光検出部113は、例えば、バリアフィルタ、PMT等により構成され、ダイクロイックミラー112により反射された観察光を受光し、その光量に応じた電気信号を出力する。また、蛍光検出部113は、超短パルス光が試料Sの観察面において走査されるのに合わせて、試料Sの観察面にわたる観察光を検出する。
蛍光検出部107、111、113からそれぞれ出力された電気信号は、例えば、コンピュータ(不図示)に入力され、そのコンピュータは、入力された電気信号に基づいて、観察画像を生成し、生成した観察画像を表示したり、観察画像のデータを記憶したりすることができる。
<撮像装置>
図2は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。
撮像装置2はいわゆるデジタル一眼レフカメラ(レンズ交換式カメラ)であり、レンズ203(光学系)は本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。カメラボディ201のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒202が着脱自在に取り付けられる。そして、当該レンズ鏡筒202のレンズ203を通した光がカメラボディ201の背面側に配置されたマルチチップモジュール206のセンサチップ(固体撮像素子)204上に結像される。このセンサチップ204は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップであり、マルチチップモジュール206は、例えばセンサチップ204がガラス基板205上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。
図3は、本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の別の例の正面図であり、図4は、図3の撮像装置の背面図である。
この撮像装置CAMはいわゆるデジタルスチルカメラ(レンズ非交換式カメラ)であり、撮影レンズWL(光学系)は本実施形態に係る光学ガラスを母材とする光学素子を備えたものである。
撮像装置CAMは、不図示の電源ボタンを押すと、撮影レンズWLのシャッタ(不図示)が開放されて、撮影レンズWLで被写体(物体)からの光が集光され、像面に配置された撮像素子に結像される。撮像素子に結像された被写体像は、撮像装置CAMの背後に配置された液晶モニタLMに表示される。撮影者は、液晶モニタLMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズボタンB1を押し下げて被写体像を撮像素子で撮像し、メモリ(不図示)に記録保存する。
撮像装置CAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、撮像装置CAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB2等が配置されている。
このようなデジタルカメラ等に用いられる光学系には、より高い解像度、軽量化、小型化が求められる。これらを実現するには光学系に高屈折率なガラスを用いることが有効である。かかる観点から、本実施形態に係る光学ガラスは、かかる光学機器の部材として好適である。なお、本実施形態において適用可能な光学機器としては、上述した撮像装置に限らず、例えばプロジェクタ等も挙げられる。光学素子についても、レンズに限らず、例えばプリズム等も挙げられる。
<光学ガラスの製造方法>
本実施形態の光学ガラスは、例えば、上述した各原料に対応する酸化物、フッ化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩及び硝酸塩等から選ばれる1種をガラス原料として選択して、浮遊炉を用いて製造することができる。浮遊炉には、静電式、電磁式、音波式、磁気式、及びガスジェット式等があり、特に限定されるものではないが、酸化物の浮遊熔解にはガスジェット式の浮遊炉を用いることが好ましい。以下、ガスジェット式の浮遊炉を用いる製造方法を一例として説明する。
図5は、ガスジェット式の浮遊炉の全体構成の模式図であり、図6は、ガスジェット式の浮遊炉のステージ上の台座の拡大模式図である。
ガスジェット式の浮遊炉3では、原料Mは、ステージ301上の台座302に配置される。そして、レーザ光源303から出射されたレーザ光Lは、ミラー304とミラー305を介して原料Mへ照射される。レーザ光Lの照射により加熱される原料Mの温度は、放射温度計306でモニタされる。放射温度計306がモニタする原料Mの温度情報に基づき、レーザ光源303の出力がコンピュータ307によって制御される。また、原料Mの状態はCCDカメラ308によって撮像され、それがモニタ309へ出力される(図5参照)。なお、レーザ光源としては、例えば、炭酸ガスレーザを使用できる。
ガスジェット式の浮遊炉3では、台座に送り込まれるガスによって原料Mが浮遊する状態にある(図6参照)。台座に送り込まれるガスの流量は、ガス流量調節器310によって制御される。例えば、円錐状の孔を設けたノズルからガスを噴射し、原料Mを浮遊させた状態でレーザ光Lによる非接触加熱を行うことができる。原料Mが熔解すると自身の表面張力によって球形、又は楕円体形状となりその状態で浮遊する。その後、レーザ光Lを遮断すると融液状態となった原料は冷却され、透明なガラスが得られる。なお、ガスの種類は特に限定されず、公知のものを適宜採用することができ、例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等が挙げられる。また、ノズルの形状や加熱方式は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
本実施形態に係る光学ガラスの基本組成であるLa3+−Nb5+系は、これまでガラス化させることが困難であった。例えば、通常使用されているるつぼ等の容器を用いて光学ガラスを製造する場合、SiO、B、P、GeO等の網目形成酸化物を多く含ませてガラス形成能を高める必要がある。かかる網目形成酸化物の含有量が少なくガラス形成能が低い組成の場合、容器−融液界面を起点とした結晶化(不均一核生成)が発生して、ガラス化できないことが多い。
しかし、上述した浮遊炉を用いる方法によって光学ガラスを製造する場合、容器と融液の接触がないため、不均一核生成を最大限抑制することができる。その結果、融液のガラス形成を大きく促進し、るつぼ熔解では製造不可能な、上述した網目形成酸化物を含まない組成であってもガラス化することが可能になる。すなわち、本実施形態に係る光学ガラスは、Si4+、B3+、P5+、Ge4+を実質的に含まない光学ガラスであるといえる。このように、上述した製造方法を採用することで、従来ではガラス化させることができなかったLa3+−Nb5+の二成分系の光学ガラスを製造することができる。さらには、かかるLa3+−Nb5+の二成分系の光学ガラスに、上述した含有量のFをLaFとして導入することもできる。
かかる新規な組成を有する本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率であり、かつ、高アッベ数であり、また紫外領域においても高い光透過性を有する。そのため、高屈低分散硝材や広帯域透過材料としての応用が可能である。
次に、以下の実施例の説明をするが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(光学ガラスの作製)
図5及び図6に示されるガスジェット式の浮遊炉3を用い、以下の手順に準拠して、光学ガラスを作製した。まず、酸化物、フッ化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等から選ばれる原料を所定の化学組成となるよう可秤量した後、アルミナ製乳鉢で混合した。この原料を20MPaで一軸加圧し円柱形のペレットに成形した。得られたペレットを電気炉で800〜1100℃、窒素雰囲気中で6〜12時間焼成し、焼結体を作製した。得られた焼結体を粗く砕き、数十mgを採取して台座のノズルに設置した。そして、酸素ガスを噴射しながら炭酸ガスレーザを上方から照射することで原料を熔解させた。熔解した原料は、自身の表面張力で球形又は楕円体形状になり、ガスの圧力で浮遊状態とした。原料が完全に熔解した状態でレーザ出力を遮断することで、原料を冷却してガラスを得た。なお、各実施例では直径2〜3mmの透明なガラス球を得た。また、各実施例のガラスについては、いずれも熔解中に視認できる揮発は見られず、泡や失透のないものが得られた。
(屈折率及びアッベ数の測定)
ガラスの屈折率測定は、プリズムカプラ(Metricon製、モデル「2010/M」)を用いて測定した。上記した透過率測定で用いた試料の研磨面を単結晶ルチルプリズムに密着させ、測定波長の光を入射させた際の全反射角を測定して屈折率を求めた。473nm、594.1nm、656nmの3波長で各5回測定し、平均値を測定値とした。さらに、得られた実測値に対し、以下の式(1)のDrude−Voigtの分散式を用いて最小二乗法によるフィッティングを行い、d線(587.562nm)、F線(486.133nm)、C線(656.273nm)における屈折率(n)と、アッベ数(ν)を算出した。
Figure 2020200204
(n:屈折率、m:電子質量、c:光速度、e:電荷素量、N:単位体積当たりの分子数、f:振動子強度、λ:固有共鳴波長、λ:波長)
また、アッベ数(ν)は、以下の式(2)で定義される。
Figure 2020200204
(紫外−可視透過率の測定)
紫外から可視域の透過率測定には紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、「UH4150」)を用いた。ガラス球を厚さ1mmの平行板状になるよう2面研磨し、加工した試料を直径2.0mmの穴を設けたアパーチャに固定して、250〜700nmの範囲で透過率を測定した。
このようにして測定された透過率から、1mm厚における表面反射損失を含む紫外透過率値が5%になる波長(UVλ)を算出した。
表1に、各実施例の光学ガラスの組成及び物性値を示す。
Figure 2020200204
以上より、各実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.85〜2.25、紫外吸収端波長(UVλ)が370nm以下であり、高い屈折率を有しつつ紫外領域における良好な透過率を有していることが確認された。
1…多光子顕微鏡、101…パルスレーザ装置、102…パルス分割装置、103…ビーム調整部、104,105,112…ダイクロイックミラー、106…対物レンズ、107,111,113…蛍光検出部、108…集光レンズ、109…ピンホール、110…結像レンズ、S…試料、2…撮像装置、201…カメラボディ、202…レンズ鏡筒、203…レンズ、204…センサチップ、205…ガラス基板、206…マルチチップモジュール、CAM…撮像装置、WL…撮影レンズ、LM…液晶モニタ、EF…補助光発光部、B1…レリーズボタン、B2…ファンクションボタン、3…浮遊炉、301…ステージ、302…台座、303…レーザ光源、304,305…ミラー、306…放射温度計、307…コンピュータ、308…CCDカメラ、309…モニタ、310…ガス流量調節器、L…レーザ光、M…原料

Claims (8)

  1. カチオン成分として、ランタンとニオブのみを含み、
    モル%基準で、
    La:20〜70%、
    LaF:0〜30%、
    Nb:30〜55%、
    からなる、光学ガラス。
  2. d線における屈折率(n)が、1.85〜2.25である、
    請求項1に記載の光学ガラス。
  3. アッベ数(ν)が、22〜35である、
    請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. 1mm厚における表面反射損失を含む紫外透過率値が5%になる波長(UVλ)が、370nm以下である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学ガラスを用いた光学素子。
  6. 請求項5に記載の光学素子を含む光学系。
  7. 請求項6に記載の光学系を備える交換レンズ。
  8. 請求項6に記載の光学系を備える光学装置。
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