以下、図面に示された一具体例を参照しながら本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜図14は本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1には、チャイルドシート(チャイルドカーシート)10の具体例の全体構成が示されている。図1に示すように、チャイルドシート10は、チャイルドシート本体11と、チャイルドシート本体11に保持された固定ユニット50と、を有している。チャイルドシート本体11は、車両の座席S、典型的には自動車の座席Sに載置されて使用される。固定ユニット50は、車両の座席Sに設けられたアンカAに連結してチャイルドシート本体11を座席Sに固定する。一例として、チャイルドシート本体11は、幅方向に離間して配置された一対の固定ユニット50を保持している。固定ユニット50は、チャイルドシート本体11から後方に延び出している。車両の座席に設けられたアンカAは、典型的には、ISOFIX規格に適合した固定具とすることができる。固定ユニット50については、後に詳述する。
図示されたチャイルドシート本体11は、座席Sの座面SS上に配置される受台20と、受台20に支持された座席ユニット30と、を有している。固定ユニット50は、受台20によって保持され、アンカAに連結することで受台20を座席Sに固定する。図2に示すように、座席ユニット30は、リクライニング可能に、すなわち傾斜角度を変更可能に受台20によって支持されている。
また、チャイルドシート10は、チャイルドシート本体11の受台20から延び出したサポートレッグ40を有している。図1に示すように、サポートレッグ40は、車両の座席Sを支持する車両の床面Fまで延び、チャイルドシート本体11(受台20)の前方部分を下方から支持する。
なお、本明細書中において、チャイルドシート10およびその各部に対する「上」、「下」、「前」、「後」、「上下方向」および「前後方向」の用語は、特に指示がない場合、車両の通常の走行を基準とした「上」、「下」、「前」および「後」を意味するものとする。また、幅方向は、横方向であって、「上下方向」および「前後方向」の両方に直交する方向である。
まず、図1〜図5を参照しながら、チャイルドシート本体11の各部分についてさらに詳細に説明する。ここで、図3は、図1のチャイルドシート10の受台20を示す斜視図であり、図4は、図3の受台20の底部材21を、固定ユニット50、サポートレッグ40、シャフト33および座席ユニット30の係合軸34と共に示す斜視図である。さらに、図5は座席ユニット30の底部の側を示す斜視図である。
まず、図1〜図4を参照して、受台20について説明する。図1に示すように、受台20は、車両の座席Sの座面SS上に配置される底部材21と、底部材21を上方から覆うカバー部材22と、を有している。底部材21及びカバー部材22は、ポリプロピレン等の樹脂で形成されている。図3および図4によく示されているように、底部材21は、底部材21の幅方向の両端の一方および他方において、上記一対の固定ユニット50の一方および他方を保持している。また、底部材21の前端部には、サポートレッグ40が接続されている。
図3および図4に示すように、底部材21は、座席ユニット30を保持する保持フレーム材23を有している。保持フレーム材23は、底部材21の後端部近傍において、底部材21の幅方向の中央に固定されている。保持フレーム材23には、保持フレーム材23を幅方向に貫通し、底部材21の前後方向に延びる誘導穴23hが設けられている。誘導穴23hを座席ユニット30が保持するシャフト33が通過することにより、座席ユニット30は、受台20に対し、上前後方向に移動可能に接続されている。
図4に示すように、受台20は、各固定ユニット50の上面に設けられた第2保持フレーム材24,24を更に有している。各第2保持フレーム材24には、上記シャフト33の端部を受容する有底の誘導穴24hが設けられている。誘導穴24hは、底部材21の前後方向に延びている。上記シャフト33の各端部が対応する第2保持フレーム材24の誘導穴24hに挿入されることによっても、座席ユニット30は、受台20に対し、上記前後方向に移動可能に接続されている。
なお、底部材21の上面21aのうち座席ユニット30が摺動する部分21sは湾曲し、同様に誘導穴23h,24hも湾曲している。そして、座席ユニット30が前方に移動するほど座席ユニット30は後方に傾倒し、座席ユニット30が後方に移動するほど座席ユニット30は起立するようになる。これにより、座席ユニット30は、底部材21上を前方に移動するに従ってリクライニングするようになっている(図2参照)。
さらに、底部材21には、受台20に対する座席ユニット30の上記前後方向の移動を規制する規制部25が形成されている。規制部25は、底部材21の幅方向中央に設けられている。規制部25は、前後方向に延び且つ互いから離間した一対の突条部26,26を含んでいる。各突条部26,26には、後述する座席ユニット30の係合軸34を上方から受容可能な溝26gが設けられている。溝26gは、底部材21の前後方向に離間して複数設けられている。これにより、受台20に対する座席ユニット30の上記前後方向における位置を調節して、受台20に対する座席ユニット30のリクライニング角度を調節することができる。
図3に示すように、カバー部材22の中央には、規制部25を露出させる開口22hが設けられている。この開口22hを通じて、規制部25の突条部26,26は、座席ユニット30の係合軸34と係合する。
次に、図1及び図3を主として参照しながら、座席ユニット30について説明する。図1に示すように、座席ユニット30は、受台20に支持されるベース31と、ベース31に接続された座席本体38と、を有している。
図5によく示されているように、ベース31の下部には、受台20の底部材21上を摺動する一対のレール部材32,32が設けられている。レール部材32,32は、ベース31と受台20とを接続する上記シャフト33を保持している。シャフト33は、幅方向に延びており、レール部材32,32の間で上記保持フレーム材23の誘導穴23hを通過している(図4参照)。
また、レール部材32,32は、シャフト33の前方において、幅方向に延びる係合軸34を保持している。係合軸34は、受台20の突条部26,26と係合する。具体的には、係合軸34は、突条部26,26の溝26g内に収容される。図4に示すように係合軸34が受台20の突条部26,26と係合することで、ベース31の受台20に対する前後方向の移動が規制される。なお、係合軸34は、座席本体38に設けられた操作手段35を操作すると、レール部材32,32に対して上方に移動して、突条部26,26の溝26gから抜け出る。係合軸34が突条部26,26の溝26gから抜け出ることで、係合軸34と突条部26,26との係合が解除され、座席本体38は、受台20に対して前後方向に移動することができる。なお、係合軸34は、図示しない付勢手段によって付勢されており、操作手段35の操作を止めると下方に移動するようになっている。
次に、サポートレッグ40について説明する。図1および図3に示すように、サポートレッグ40は、底部材21の前端部に嵌合された嵌合部41と、嵌合部41に固定された脚部42と、を有している。図1に示すように、脚部42は車両の床面Fまで延びる。この結果、サポートレッグ40は、車両の座席Sの座面SS上に配置される底部材21の前端部を、床面Fから支持するようになる。なお、脚部42は、車両に対する汎用性を確保するため、その長さが可変となるように構成されている。
次に、図6〜図14を主として参照しながら、固定ユニット50について説明する。
図6に示すように、固定ユニット50は、チャイルドシート本体11に保持されている。固定ユニット50は、座席Sに設けられたアンカAに連結することで、チャイルドシート本体11を座席に固定することができる。
図示されたチャイルドシート10において、チャイルドシート本体11は、幅方向に離間して一対の固定ユニット50を保持している。一対の固定ユニット50は、幅方向における中心をとおり前後方向および上下方向に沿った面を中心として対称な構成を有している。以下では、左側に位置する固定ユニット50について説明を行う。なお、図7においては、右側に位置する固定ユニット50の図示を省略している。
なお、図6〜図14の間での方向関係を明確化するため、これらの図面には、前後方向DX、幅方向DY、上下方向DZを図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向DX,DY,DZの一側となる。前後方向DXにおける矢印の先端側となる一側は前側となっており、上下方向DZにおける矢印の先端側となる一側は上側となっている。また、図6〜図14に示された左側の固定ユニットを基準とすると、幅方向DYにおける矢印の先端側となる一側は幅方向外側、すなわち、幅方向における中心から離間する側となっている。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、図11〜図14に示すように、円の中にXを設けた記号により示している。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面から手前に向かう矢印を、例えば図6に示すように、円の中に点を設けた記号により示している。
図8に示すように、固定ユニット50は、前後方向DXに延びた棒状の部品となっている。固定ユニット50は、前後方向DXに直線状に延びている。固定ユニット50は、座席SのアンカAに連結する連結具60と、操作されることによって連結具60のアンカAへの連結が解除されるようにする連結解除部材70と、連結具60と連結解除部材70との間に位置する中間フレーム部材80と、を有している。連結具60、中間フレーム部材80及び連結解除部材70は、この順番にて前後方向DXに沿った後方から前側へと、前後方向DXに沿った一直線上に配置されている。また、図10に示すように、固定ユニット50は、その他の主たる構成要素として、連結解除部材70の動作を規制する動作規制部材79と、操作されることによって動作規制部材79に作用して連結解除部材70の動作の規制を解除する規制解除部材75と、を更に有している。
図6及び図7に示すように、連結具60は、チャイルドシート本体11よりも前後方向DXにおける位置している。連結解除部材70は、前後方向DXに沿って連結具60の前方に位置し、チャイルドシート本体11から露出している。連結解除部材70は、それ自体が連結具60を操作するための操作レバーとして機能し、チャイルドシート本体11から前後方向DXにおける後方に延び出している。チャイルドシート本体11は、固定ユニット50の前後方向DXにおける中間部を保持している。チャイルドシート本体11は、固定ユニット50の中間部を周囲から保持している。
図示された例において、チャイルドシート本体11は、固定ユニット50が通過する保持穴27を設けられている。保持穴27は、受台20に設けられている。受台20は、幅方向DYに離間した一対の位置の各々に、前後方向DXに延びる保持穴27を形成されている。固定ユニット50は、この保持穴27を通過して延び、受台20から前後のそれぞれに延び出している。図6及び図7に示された例において、連結具60の全体が保持穴27から後方に延び出している。連結解除部材70は保持穴27から前方に延び出しているが、連結解除部材70の後端は保持穴27内に位置している。連結解除部材70は、固定ユニット50において、中間フレーム部材80から前方に延び出している。中間フレーム部材80の前端は、チャイルドシート本体11の内部、すなわち保持穴27内に位置している。
ところで、チャイルドシート本体11は、固定ユニット50を前後方向に移動可能に支持している。固定ユニット50がチャイルドシート本体11によって保持される位置は前後方向DXに調節可能となっている。図9及び図4に示すように、チャイルドシート本体11は、固定ユニット50の保持位置を変更可能とする位置調整機構45を有している。位置調整機構45は、操作レバー部材46及び規制部材47を有している。位置調整機構45は、各固定ユニット50に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、一対の位置調整機構45が幅方向に離間して設けられている。操作レバー部材46は、動作可能に設けられている。操作レバー部材46の動作にともなって規制部材47も動作する。規制部材47は、動作することで、固定ユニット50に作用する。
図示された操作レバー部材46は、幅方向において対応する側に配置された第2保持フレーム材24に揺動可能に設けられている。図6及び図7に示すように、操作レバー部材46の一部が、操作部46aとして、受台20から露出している。使用者は、操作部46aを押すことで、操作レバー部材46を動作させることができる。図9に示すように、規制部材47は、操作レバー部材46と揺動可能に接続している。また、図4に示すように、規制部材47は、第2保持フレーム材24によって、上下方向DZのみに移動可能に支持されている。規制部材47は、操作レバー部材46の揺動動作にともなって、上下方向DZに沿って移動することができる。
規制部材47は、図示しないバネ等の付勢部材によって固定ユニット50に近接する向きに、具体的には下方に向けて、付勢されている。規制部材47は、ピン状の先端部を有している。規制部材47が下方に位置することで、規制部材47のピン状先端部が、固定ユニット50の上面に開口した多数の位置決め穴81のいずれかに挿入される。多数の位置決め穴81は、前後方向DXに沿って設けられている。図示された例において、位置決め穴81は中間フレーム部材80に設けられている。規制部材47が位置決め穴81に挿入されることで、固定ユニット50の前後方向DXへのチャイルドシート本体11に対する相対移動が規制される。一方、操作部46aを操作して操作レバー部材46を揺動させることで、規制部材47が上方に移動して位置決め穴81から抜け出す。このとき、固定ユニット50は、チャイルドシート本体11に対して前後方向DXに相対移動可能となる。規制部材47が挿入される位置決め穴81を適宜選択することで、固定ユニット50がチャイルドシート本体11に保持される位置を前後方向DXにおいて調節することができる。
次に、固定ユニット50の各構成要素について説明していく。まず、図11〜図13を主として参照しながら、連結具60について説明する。
図6及び図7に示すように、連結具60は固定ユニット50の後端に位置している。連結具60は、車両の座席Sに設けられたアンカAに連結することができる。連結具60は、側面視において前後方向DXに延び、後方に開口した切欠61aからアンカAを受け入れて保持する。アンカAとして種々の構成を採用することができるが、図6に示すように、幅方向DYに延びるシャフトを例示することができる。座席Sとともに車両に固定されたシャフトからなるアンカAの典型例として、ISOFIX規格に適合し且つ種々の自動車に適用されているアンカを用いることができる。
図11〜図13に示された連結具60は、切欠61aを形成する連結具フレーム61と、連結具フレーム61に回動可能に保持された連結部材62と、連結部材62に作用する連結部材用付勢部材64と、連結具フレーム61に摺動可能に保持された解除操作部材65と、を有している。連結具フレーム61は、全体として、前後方向DXに細長い直方体状の外形状を有している。切欠61aは、前後方向DXにおける後側及び幅方向DYにおける両側に開口している。切欠61aは、幅方向DYに延びるシャフト状のアンカAを後方から受け入れることができる。連結具フレーム61は、例えば金属板材を用いて作製され得る。
連結部材用付勢部材64は、例えばトーションバネから構成され、連結部材62の回動を付勢する。連結部材62は、図11に示された開放位置と図12に示された保持位置との間を回動軸部材61sによって規定される回動軸線RAを中心として回動可能となっている。連結部材62は、連結部材用付勢部材64によって、図12の保持位置から図11の開放位置に向けて付勢されている。連結部材62は、連結アーム部63A、操作アーム部63B及び規制アーム部63Cを有している。図12に示すように、連結アーム部63A及び操作アーム部63Bの間には、シャフト状アンカAを収容する溝62aが設けられている。各アーム部63A,63B,63Cは、概ね連結部材62の回動中心RAから放射状に延びている。
解除操作部材65は、連結具フレーム61によって前後方向DXに沿って移動可能に支持されている。解除操作部材65は、少なくとも図12に示された連結位置と図13に示された解除位置との間を前後方向DXに沿って移動可能となっている。解除操作部材65は、図示しない解除操作部材用付勢部材によって、前後方向DXにおける前側から後側へと付勢されている。解除操作部材65は、中間伝達部材85と固定されている。すなわち、解除操作部材65は、図13に示された解除位置から図12に示された連結位置に向けて付勢されている。
図示された連結具60は、解除操作部材65を操作してアンカAとの連結を解除することで図11に示された状態に維持される。また、連結具60は、切欠61aにアンカAを差し込むことによってアンカAに連結した図12に示された状態に維持される。図12に示された状態から図13に示された状態まで解除操作部材65を前後方向DXに沿って前側に移動させることによって、連結具60とアンカAとの連結が解除される。以下、連結具60の動作について説明する。
アンカAとの連結が解除された状態において、連結部材62は図11に示された開放位置に位置する。図11に示された開放位置にある連結部材62の連結アーム部63Aは、側面視において、切欠61a内に位置せず、切欠61a外に位置している。一方、図11の開放位置にある連結部材62の操作アーム部63Bは、切欠61aを横切るようにして、連結部材62の回動中心から前後方向における後方側へ、前後方向DXに対して傾斜して延び出している。また、図11の開放位置にある連結部材62の規制アーム部63Cは、側面視において、連結部材62の回動中心から前後方向における前側へ、前後方向DXに対して傾斜して、延び出している。このとき、規制アーム部63Cの端縁は、上下方向に沿って延び且つ前後方向DXにおける前方を向いている。解除操作部材65は、前後方向DXにおける前側から後側へと付勢されている。このため、連結部材62は、連結部材用付勢部材64からの付勢力だけでなく、解除操作部材65からの押圧によっても、図11における時計回り方向に付勢されて開放位置に安定して維持される。
切欠61a内に後方からシャフト状アンカAが挿入されると、アンカAが操作アーム部63Bに接触して、操作アーム部63Bを前後方向DXにおける前側に押すことで、連結部材62が図11において反時計回りに回動する。連結部材62の半時計回り方向への回動にともなって、規制アーム部63Cの端縁によって解除操作部材65は前後方向DXにおける前側にいったん押される。そして、図13に示すように、規制アーム部63Cが解除操作部材65の前後方向DXにおける後側への移動を規制しない位置まで連結部材62が回動する。このとき、図示しない解除操作部材用付勢部材からの付勢力により、解除操作部材65は、前後方向DXにおける後側に移動する。この結果、図12に示すように、解除操作部材65は規制アーム部63Cの下方に入り込む。そして、解除操作部材65は、図示しない解除操作部材用付勢部材からの付勢力により、連結位置に維持されるようになる。
図12に示すように、解除操作部材65が規制アーム部63Cの下方に入り込むと、解除操作部材65が規制アーム部63Cに接触することで、解除操作部材65の時計回り方向への回動が規制される。これにより、切欠61a内へのアンカAの押し込み力を解除したとしても、連結部材62は図12に示された保持位置に維持されるようになる。
図12に示された開放位置にある連結部材62の連結アーム部63Aは、側面視において、切欠61aを横切って上下方向DZに延びる。したがって、アンカAは連結アーム部63Aによって溝62aから抜け出すことを規制されるようになる。シャフト状アンカAは、解除操作部材65が図12の連結位置に維持されるとともに連結部材62が図12の保持位置に保持されることで、切欠61a内に安定して保持されるようになる。このようにして、連結具60がアンカAを保持することでアンカAに連結する。一方、図13に示すように、規制アーム部63Cの開放位置に向けた回動を規制しない図13の位置まで解除操作部材65を前後方向DXに沿って前側に引くことにより、連結具60のアンカAへの連結を解除することができる。
次に、中間フレーム部材80及び中間伝達部材85について説明する。図8及び図9に示すように、中間フレーム部材80は、その後端において、連結具60の連結具フレーム61に接続している。中間フレーム部材80及び連結具フレーム61は互いに固定されている。中間フレーム部材80は、例えば、金属製の筒状部材から構成される。中間フレーム部材80の上面には、上述したように、多数の位置決め穴81が前後方向DXに沿って等間隔をあけて設けられている。
図10〜図13に示すように、中間伝達部材85は、その後端において、連結具60の解除操作部材65と接続している。中間伝達部材85は、ねじ等の固定具を介して、解除操作部材65に固定されている。中間伝達部材85は、中間フレーム部材80に動作可能に支持されている。
中間伝達部材85は、中間フレーム部材80に対して前後方向DXに相対移動可能となっている。例えば、中間フレーム部材80及び中間伝達部材85の一方に前後方向DXに沿って延びる誘導長穴が設けられ、中間フレーム部材80及び中間伝達部材85の他方に誘導長穴内に挿入されて誘導長穴の長手方向に沿って誘導穴内を移動可能な誘導導入部が設けられるようにしてもよい。このような構成によれば、中間フレーム部材80及び中間伝達部材85の前後方向DXへの相対移動を安定して案内することができる。図示された固定ユニット50では、図10に示すように、前後方向DXに沿って延びる第1誘導長穴86が中間伝達部材85に設けられている。そして、図8及び図9に示すように、この第1誘導長穴86に挿入されるピン状の第1誘導挿入部82が中間フレーム部材80に設けられている。中間伝達部材85は、例えば樹脂成形部として作製され得る。
次に、連結解除部材70について説明する。連結解除部材70は、中間フレーム部材80から前後方向DXにおける前側に延び出している。連結解除部材70は、中間フレーム部材80によって動作可能に支持されている。図示された例において、連結解除部材70は、中間フレーム部材80に対して前後方向DXに相対移動可能となっている。上述したように、中間フレーム部材80は位置調整機構45を介してチャイルドシート本体11に固定される。したがって、連結解除部材70は、チャイルドシート本体11に対して動作可能となっている。
図6及び図7に示すように、図示された連結解除部材70は、チャイルドシート本体11の保持穴27から前後方向DXにおける前側に延び出している。図7及び図8に示すように、連結解除部材70は、前後方向DXに沿って延び且つ後方においてチャイルドシート本体11の保持穴27内に挿入された連結解除本体部71と、連結解除本体部71の前方に位置し幅方向外方に膨出した連結解除操作部72と、を有している。連結解除操作部72は、幅方向DYに広がり前後方向DXにおける後方を向く操作面72aを含んでいる。連結解除操作部72の幅方向DYの幅は、前後方向DXに沿って前側から後側へと大きくなっていく。
図示された固定ユニット50では、図9に示すように、連結解除本体部71の後方部分は、断面四角形の筒状形状を有している。より具体的には、連結解除本体部71は、幅方向DYにおける外側を向く主壁部71aと、主壁部71aと幅方向DYに対向する対向壁部71bと、主壁部71a及び対向壁部71bを接続する一対の側壁部71cと、を含んでいる。一対の側壁部71cは、上下方向DZに対向して配置されている。対向壁部71bは、前後方向DXにおける後方部分のみに設けられている。中間フレーム部材80の前端部分は、連結解除部材70の筒状部分内に挿入されている。このような構成によれば、中間フレーム部材80及び連結解除部材70の前後方向DXへの相対移動を安定して案内することができる。連結解除部材70は、例えば樹脂成形部として作製され得る。
また、中間フレーム部材80及び連結解除部材70の一方に前後方向DXに沿って延びる誘導長穴が設けられ、中間フレーム部材80及び連結解除部材70の他方に誘導長穴内に挿入されて誘導長穴の長手方向に沿って誘導穴内を移動可能な誘導導入部が設けられるようにしてもよい。このような構成によれば、中間フレーム部材80及び連結解除部材70の前後方向DXへの相対移動を安定して案内することができる。図示された固定ユニット50では、図14に示すように、前後方向DXに沿って延びる第2誘導長穴83が中間フレーム部材80に設けられている。そして、図8、図9及び図14に示すように、この第2誘導長穴83に挿入されるピン状の第2誘導挿入部73が連結解除部材70に設けられている。
ところで、中間伝達部材85は、連結解除部材70の動作を連結具60に伝達する。これにより、連結解除部材70を操作することによって、中間伝達部材85を介して連結具60の解除操作部材65が動作し、連結具60のアンカAへの連結が解除される。上述したように、連結具60の解除操作部材65及び解除操作部材65と固定された中間伝達部材85を前後方向DXに沿って前側に移動させることによって、連結具60のアンカAへの連結を解除することができる。そして、図示された例において、連結解除部材70を前後方向DXに沿って前側に移動するように操作することで、中間伝達部材85を介して解除操作部材65が幅方向DYに沿って前側に移動し、これにより、連結具60のアンカAへの連結を解除することができる。
したがって、中間フレーム部材80に対して相対動作可能な連結解除部材70は、中間伝達部材85と接続している。ただし、図示された例において、連結解除部材70及び中間伝達部材85は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って一定の長さだけ相対移動可能に互いに接続している。図示された例において、連結解除部材70及び中間伝達部材85は、前後方向DXに沿って一定の長さだけ相対移動可能に互いに接続している。
連結解除部材70及び中間伝達部材85を前後方向DXに沿って相対移動可能にする構成として、連結解除部材70及び中間伝達部材85の一方に前後方向DXに沿って延びる長穴が設けられ、連結解除部材70及び中間伝達部材85の他方に長穴内に移動可能に挿入された挿入部が設けられるようにしてもよい。図示された固定ユニット50では、図10及び図14に示すように、中間伝達部材85に、連結解除部材70に設けられた第2誘導挿入部73が挿入された第3誘導長穴87が設けられている。第2誘導挿入部73は、第3誘導長穴87の長手方向である前後方向DXに沿って第3誘導長穴87内を移動することができる。
上述したように、中間伝達部材85は連結解除部材70の動作を連結具60に伝達する。したがって、連結解除部材70及び中間伝達部材85の前後方向DXに沿って相対移動可能な長さは、一定範囲内であり、とりわけ連結解除部材70及び中間フレーム部材80の前後方向DXに沿って相対移動可能な長さ未満となっている。これにより、連結解除部材70を中間フレーム部材80に対して前後方向DXに相対移動させた際に、連結解除部材70の移動長さ未満の長さだけ、中間伝達部材85を前後方向DXに沿って移動させることができる。図示された例において、連結解除部材70の第2誘導挿入部73が、中間フレーム部材80の第1誘導挿入部82及び中間伝達部材85の3誘導長穴87に挿入されている。そして、中間伝達部材85に設けられた第3誘導長穴87の前後方向DXに沿った長さは、中間フレーム部材80に設けられた第1誘導挿入部82の前後方向DXに沿った長さよりも短くなっている。したがって、連結解除部材70は、当初中間フレーム部材80及び中間伝達部材85に双方に対して前後方向DXに相対移動し、その後、中間伝達部材85と同期して中間フレーム部材80に対して前後方向DXに相対移動することが可能となる。
また、図示された例において、連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動の向きと逆向きに付勢されている。このため、中間伝達部材85に対して一定の長さだけ相対動作可能な連結解除部材70が、中間伝達部材85に対してがたつくことを効果的に回避することができる。具体的な構成として、図10に示すように、連結解除部材70及び中間伝達部材85の間に、第1付勢部材51が設けられている。第1付勢部材51は、例えば引っ張りばね等の弾性材又は弾性構造体から構成されている。第1付勢部材51は、連結解除部材70の第1付勢部材支持部74Aと、中間伝達部材85の先端部分とに接続している。したがって、連結解除部材70は、第1付勢部材51によって、前後方向DXにおける後側に付勢されている。このような第1付勢部材51によれば、連結解除部材70を前後方向DXにおける前側に引いた場合、連結解除部材70は、まず、中間フレーム部材80及び中間伝達部材85の双方に対して前後方向前側に相対移動し、その後、中間伝達部材85と同期して中間フレーム部材80に対して前後方向前側に相対移動するようになる。
次に、規制解除部材75及び動作規制部材79について説明する。上述したように、動作規制部材79は、連結解除部材70の動作を規制する部材である。一方、規制解除部材75は、操作されることによって動作規制部材79に作用して連結解除部材70の動作の規制を解除する。
とりわけ、動作規制部材79は、連結解除部材70の中間フレーム部材80に対する相対動作を規制するようになっている。具体的な構成として、連結解除部材70及び中間フレーム部材80の一方に規制長穴56が設けられ、連結解除部材70及び中間フレーム部材80の他方が規制長穴56内を移動可能となるように動作規制部材79を支持するようにしてもよい。この例において、規制長穴56は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って延びる第1長穴部56aと、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に沿って延びる第2長穴部56bと、を有している。第1長穴部56a及び第2長穴部56bは互いに接続している。また、動作規制部材79は、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に沿って移動可能に連結解除部材70及び中間フレーム部材80の一方に支持され、規制長穴56に移動可能に挿入されている。この例において、規制解除部材75は、操作されることによって、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に沿って動作規制部材79を移動させるようにしてもよい。
図示された固定ユニット50では、図8〜図10に示すように、規制長穴56が連結解除部材70に設けられている。規制長穴56は、連結解除本体部71の主壁部71a及び対向壁部71bの幅方向DYに対向する位置にそれぞれ設けられている。規制長穴56の第1長穴部56aは前後方向DXに沿って延びている。規制長穴56の第2長穴部56bは上下方向DZに沿って延びている。第1長穴部56aの前後方向DXにおける前側端部と、第2長穴部56bの上下方向DZにおける上側端部が、互いに接続している。
動作規制部材79は、幅方向に延びるピン状の部材として構成されている。動作規制部材79は、中間フレーム部材80によって上下方向に移動可能に支持されている。中間フレーム部材80の幅方向DYに対向する一対の壁部に、それぞれ、支持長穴84が形成されている(図14参照)。支持長穴84は上下方向に沿って延びており、動作規制部材79は支持長穴84内を上下方向に移動することができる。この動作規制部材79は、中間フレーム部材80の支持長穴84とともに、連結解除部材70の規制長穴56も通過している。規制長穴56の第2長穴部56b及び支持長穴84は、上下方向DZにおいて同一の高さ範囲内を延びている。また、規制長穴56の第1長穴部56aは、支持長穴84の上端部と同一高さに位置している。そして、動作規制部材79は、支持長穴84の上端部に位置することで、規制長穴56の第1長穴部56a内を移動することができる。すなわち、動作規制部材79を支持長穴84の上端部に移動させることで、連結解除部材70を中間フレーム部材80に対して前後方向DXに相対移動可能にすることができる。
規制解除部材75は動作することによって動作規制部材79に作用する。図示された規制解除部材75は、操作されることによって第2長穴部56b内に位置する動作規制部材79を第1長穴部56aまで移動させる。具体的な構成として、図14に示すように、規制解除部材75には、動作規制部材79が通過した駆動長穴78が形成されている。駆動長穴78は、連結解除部材70の操作時における移動方向である前後方向DXに沿って延びる第1穴部78a及び第3穴部78cと、第1穴部78a及び第2穴部78bを互いに接続する第2穴部78bと、を含んでいる。第2穴部78bは、前後方向DXに対して傾斜している。第1穴部78a及び第2穴部78bは、上下方向DZにおいて異なる高さに位置している。第1穴部78aは、規制長穴56の下端部と同一高さに位置し、第3穴部78cは、規制長穴56の上端部と同一高さに位置している。図示された例において、第1穴部78aが、前後方向DXにおける後側に位置し、第3穴部78cが前後方向DXにおける前側に位置している。第2穴部78bは、前後方向DXにおいて第1穴部78a及び第3穴部78cの間に位置している。このような例において、規制解除部材75を前後方向DXに沿って後側に移動させることによって、動作規制部材79を上方に移動させて、連結解除部材70の中間フレーム部材80に対する前後方向DXへの相対移動を可能にすることができる。
すなわち、図示された例において、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動方向は、連結解除部材70の動作の規制を解除するための規制解除部材75の操作時における規制解除部材75の移動方向と平行であって、前後方向DXに沿っている。したがって、連結解除部材70及び規制解除部材75の両方を操作する際の操作性に優れる。また、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動は、連結解除部材70の動作の規制を解除するための規制解除部材75の操作時における規制解除部材75の移動と逆向きとなっている。したがって、誤操作により意図せずに連結具60のアンカAへの連結が解除されることを効果的に回避することができる。
また、図示された例では、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動方向は、図12の連結位置から図13の解除位置までの解除操作部材65の移動方向と平行であって、前後方向に沿っている。さらに、このときの連結解除部材70の移動と解除操作部材65の移動は同じ向きである。この例によれば、固定ユニット50の大型化を効果的に抑制することができる。
図示された固定ユニット50では、図9及び図10に示すように、規制解除部材75は、連結解除部材70に動作可能に支持されている。規制解除部材75は、前後方向DXに沿って細長く延びている。規制解除部材75は、連結解除部材70の前後方向DXにおける後側に位置する筒状部内を通過している。また、図6〜図9に示すように、規制解除部材75の前後方向DXにおける前端部は、連結解除部材70から露出している。連結解除部材70の前後方向DXにおける前端部に開口部70aが形成されている。規制解除部材75の前後方向DXは、その前端部として、この開口部70aから露出した規制解除操作部76を有している。連結解除部材70の開口部70aを介して露出した規制解除部材75の規制解除操作部76を前後方向DXにおける後側に押すことができる。
図9及び図10に示すように、規制解除部材75には開口部75aが設けられている。連結解除部材70は、この開口部75aの内部となる位置に、幅方向DYに突出した第2付勢部材支持部74Bを有している。そして、この開口部75a内には、第2付勢部材52が設けられている。第2付勢部材52は、例えば圧縮ばね等の弾性材又は弾性構造体から構成されている。第2付勢部材52は、連結解除部材70の第2付勢部材支持部74Bと規制解除部材75との間に位置している。第2付勢部材52は、連結解除部材70に対して前後方向における前側に規制解除部材75を付勢している。
次に、連結具60による車両のアンカAへの連結を解除する際の固定ユニット50の動作について説明する。
まず、連結具60がアンカAへ連結している状態において、図12に示すように、連結具60の解除操作部材65及び解除操作部材65と固定された中間伝達部材85は、前後方向DXにおける後側に位置している。そして、図13に示すように、解除操作部材65を前後方向DXにおける前側に移動させることによって、連結具60によるアンカAへの連結を解除することができる。解除操作部材65の前側への移動は、連結解除部材70を操作することで実現される。
ただし、上述したように、第2付勢部材52によって、連結解除部材70に対して規制解除部材75が前後方向DXにおける前側に付勢されている。連結解除部材70に対して規制解除部材75が後方向DXにおける前側に位置することで、図14(A)に示すように、規制解除部材75の駆動長穴78は、その第1穴部78aにおいて、中間フレーム部材80の支持長穴84と幅方向DYに重なる。すなわち、支持長穴84内に支持された動作規制部材79は、支持長穴84内における第1穴部78aと交わる下端部に位置している。このとき、動作規制部材79は、連結解除部材70の規制長穴56を、第2長穴部56bの下端部において、通過している。したがって、図14(A)の状態において、動作規制部材79が第2長穴部56bを区画する壁部に接触することで、連結解除部材70の中間フレーム部材80に対する前後方向DXへの相対移動が形成されている。
そこで、連結解除部材70を操作する前に、規制解除部材75を操作することで、動作規制部材79による連結解除部材70の動作の規制を解除する。具体的には、連結解除部材70に対して規制解除部材75を前後方向DXにおける後側に押す。図14(B)に示すように、連結解除部材70の規制長穴56及び中間フレーム部材80の支持長穴84を通過した動作規制部材79は、規制解除部材75の駆動長穴78内を第1穴部78aから第2穴部78bを経由して第3穴部78cに移動する。すなわち、動作規制部材79は、駆動長穴78によって誘導されて、規制長穴56の第1長穴部56a内および支持長穴84内を上下方向DZにおける上側に移動する。図14(B)に示すように、動作規制部材79は、規制長穴56の第1長穴部56aから第2長穴部56bに到達する。図14(B)に示すように、動作規制部材79は、最終的に、駆動長穴78の前端まで到達する。
なお、上述したように、連結解除部材70及び中間伝達部材85は前後方向DXに相対移動可能に接続している。ただし、連結解除部材70は、第1付勢部材51によって、中間伝達部材85に接近した位置に維持されている。つまり、規制解除部材75を後側に押した場合、規制解除部材75を介して連結解除部材70も後側に押されることになるが、連結解除部材70は第1付勢部材51によって既に後側に移動した状態となっている。したがって、連結解除部材70が停止した状態で、規制解除部材75を安定して操作することができる。
次に、連結解除部材70に対して規制解除部材75を後側に押したままの状態で、すなわち、連結解除部材70及び規制解除部材75の相対位置を維持したまま、規制解除部材75とともに連結解除部材70を前後方向DXにおける前側に移動させる。これにより、連結解除部材70は、中間フレーム部材80に対して前後方向DXにおける前側へ相対移動する。この相対移動にともなって、中間フレーム部材80の支持長穴84に支持された動作規制部材79は、連結解除部材70の規制長穴56のうちの前後方向DXに延びる第1長穴部56a内を移動する。
連結解除部材70は、中間伝達部材85の第3誘導長穴87内に挿入された第2誘導挿入部73を介して、中間伝達部材85に接続している。連結解除部材70が中間伝達部材85に対して一定の長さ前側に移動すると、言い換えると第2誘導挿入部73が第3誘導長穴87内を移動可能な長さだけ移動すると、図14(C)に示すように、第2誘導挿入部73が第3誘導長穴87を区画する壁部に接触するようになる。
連結解除部材70の第2誘導挿入部73は、中間フレーム部材80の第2誘導長穴83も通過している。そして、中間フレーム部材80の第2誘導長穴83の前後方向DXに沿った長さは、中間伝達部材85の第3誘導長穴87の前後方向DXに沿った長さよりも長い。したがって、図14(C)の状態において、連結解除部材70の第2誘導挿入部73は、第2誘導長穴83を区画する壁部に接触していない。このため、連結解除部材70は、第2誘導長穴83が形成された中間フレーム部材80に対し、更に前後方向DXにおける前側に相対移動することができる。
ところで、チャイルドシート10が載置される車両の座席Sは、座面の両側方に隆起した隆起部SAを有している。この隆起部SAは、座席Sに着座した搭乗者の臀部を両側方から支持することで、搭乗者の幅方向DYへの安定性を付与して乗り心地を改善することができる。その一方で、この隆起部SAは、図6に示すように、受台20の下部を側方から覆うようになる。
従来のチャイルドシートにおいて、連結具を操作するための操作スイッチは、チャイルドシート本体に固定されたハウジングと、ハウジングに動作可能に支持された連結解除部材と、を有していた。そして、連結解除部材のハウジングから露出した部分を指で操作していた。しかしながら、従来のチャイルドシートでは、隆起部SAによって覆われることで、連結解除部材はハウジングから僅かにしか露出しないため、非常に操作がしにくいといった問題は生じていた。
この点について、図示されたチャイルドシート10において、連結解除部材70は、連結具60の前方となる位置においてチャイルドシート本体11から前側に延び出している。したがって、チャイルドシート本体11を連結解除部材70のハウジングとして機能させることができ、連結解除部材70を動作可能に支持するハウジングをチャイルドシート本体11に設置する必要性が排除される。このため、固定ユニット50の大型化を抑制しながら連結解除部材70を大型化することで、チャイルドシート本体11から延び出した連結解除部材70をチャイルドシート本体11及び座席Sの隆起部SAから大きく露出させることができる。結果として、連結解除部材70に指を掛け易く又は連結解除部材70を掴み易くすること等が可能となり、連結解除部材70の操作性を大幅に向上させることができる。
また、図示された固定ユニット50では、規制解除部材75を後側に押しながら、連結解除部材70を前側に移動するといった操作を行う必要がある。ただし、規制解除部材75は、連結解除部材70から前方に露出した規制解除操作部76を有している。また、連結解除部材70は、後側を向く操作面72aを有している。したがって、この規制解除操作部76及び操作面72aを片手で前後方向DXに摘まみながら、連結解除部材70及び規制解除部材75を前後方向DXに沿って前側に移動させることができるので、操作を容易化することができる。
このようにして、連結解除部材70及び規制解除部材75を前後方向DXにおける前側に移動させる。連結解除部材70が図14(C)の位置から図14(D)の位置に移動する間、連結解除部材70と同期して、中間伝達部材85及び解除操作部材65も移動する。とりわけ、解除操作部材65は、図12に示された連結位置から図13に示された解除位置まで移動する。これにより、図11に示すように、連結部材用付勢部材64からの付勢力によって、連結部材62が図11に示された開放位置まで回動し、連結具60のアンカAへの連結が解除される。
なお、図14(C)の状態において、動作規制部材79は、連結解除部材70の規制長穴56の第1長穴部56aのうちの前後方向DXにおける中間部に位置している。したがって、図14(C)の状態から図14(D)の状態に向けて、連結解除部材70を中間フレーム部材80に対して前後方向DXにおける前側に移動させることができる。また、図14(C)の状態において、動作規制部材79は、規制解除部材75の駆動長穴78の第3穴部78cのうちの前後方向DXにおける中間部に位置している。したがって、図14(C)の状態から図14(D)の状態に向けて、連結解除部材70を規制解除部材75とともに中間フレーム部材80に対して前後方向DXにおける前側に移動させることができる。
ところで、一般に、連結具60は小型化されており、解除操作部材65の操作量も非常に小さくなっている。このため、解除操作部材65の操作をとおして、連結具60の状態を正確に把握することができないことも想定される。すなわち、解除操作部材65の所定の操作が完了して、連結具60のアンカAへの連結が解除されているか否かがわかりにくいことも想定される。このような不具合を解消するため、解除操作部材の操作量を大きく設計することも考えられるが、都度連結具を設計し直すことに代えて一定の使用実績を有した連結具を継続的に使用したいとの産業上の要望がある。とりわけ、規格化されたISOFIX方式のアンカAとの組み合わせにおいては、長年の使用実績を有した連結具60が広く用いられており、この連結具60を汎用することが信頼性、安全性、低コスト化等の種々の観点において好都合である。
この点に関して、上述してきた固定ユニット50において、連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って一定の長さだけ解除操作部材65に対して相対移動可能に解除操作部材65と、中間伝達部材85を介して関節的に、接続されている。また、連結解除部材70は、第1付勢部材51によって、連結解除部材70の操作時における移動の向きと逆向きに付勢されている。したがって、連結解除部材70を操作した際、連結解除部材70は、まず付勢力に抗して中間伝達部材85及び解除操作部材65に対して相対移動する。そして、連結解除部材70が一定の長さだけ移動した後、連結解除部材70の移動にともなって、中間伝達部材85及び解除操作部材65が連結位置から移動を開始し解除位置まで移動することができる。つまり、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動長さMDX(図14参照)を、図12に示された連結位置から図13に示された解除位置までの解除操作部材65の移動長さMDY(図14参照)よりも長くすることができる。このため、連結具60の構成に依存することなく連結解除部材70の操作量を十分に確保することが可能となる。結果として、連結解除部材70を介した解除操作部材65の操作をとおして、連結具60のアンカAへの連結が解除されたことを感知することが可能となる。
ここまで説明してきたようにして連結具60のアンカAへの連結が解除されたところで、連結解除部材70及び規制解除部材75への操作を停止し、連結解除部材70及び規制解除部材75から手を離す。解除操作部材65は、図11に示された位置まで前後方向DXにおける後側に移動する。また、図14(E)に示すように、解除操作部材65の後退にともなって、中間伝達部材85も前後方向DXにおける後側に移動する。さらに、第1付勢部材51からの付勢力によって、連結解除部材70は、中間伝達部材85に接近するように前後方向DXにおける後側に移動する。また、第2付勢部材52からの付勢力によって、規制解除部材75は、連結解除部材70に対して前後方向DXにおける前側に相対移動する。
以上のように規制解除部材75及び連結解除部材70を操作することによって、連結グ60のアンカAへの連結を解除することができる。一方、連結グ60とアンカAとを連結するには、既に図11〜図13を参照して説明したように、アナカAを連結具Aの切欠61aに挿入して前後方向DXにおける後側から前側へアンカAを切欠61a内で押し込めばよい。
以上に説明してきた一実施の形態において、チャイルドシート10は、車両の座席S上に配置されるチャイルドシート本体11と、チャイルドシート本体11に保持されて、車両の座席Sに設けられたアンカAに連結してチャイルドシート本体11を座席Sに固定する固定ユニット50と、を有している。固定ユニット50は、チャイルドシート本体11の後方でアンカAに連結する連結具60と、チャイルドシート本体11に対して相対動作するように操作されることによって連結具60のアンカAへの連結が解除されるようにする連結解除部材70と、を有している。とりわけこの一実施の形態において、連結解除部材70は、連結具60の前方となる位置においてチャイルドシート本体11から露出している。したがって、チャイルドシート本体11を連結解除部材70のハウジングとして機能させることができ、連結解除部材70を動作可能に支持するハウジングをチャイルドシート本体11に設置する必要性が排除される。このため、固定ユニット50の大型化を抑制しながら連結解除部材70を大型化することで、チャイルドシート本体11から延び出した連結解除部材70をチャイルドシート本体11及び座席の隆起部SAから大きく露出させることができる。結果として、連結解除部材70に指を掛け易く又は連結解除部材70を掴み易くすること等が可能となり、連結解除部材70の操作性を大幅に向上させることができる。また、前後方向に沿って連結具60から前方にずれた位置に連結解除部材部70を配置することによって、連結解除部材70の動作の連結具60への伝達構成を小型単純化することができる。以上のことから、固定ユニット50及びチャイルドシート10の大型化を抑制しながら、連結解除部材70の操作性を効果的に向上させることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、チャイルドシート本体11は、前後方向DXに延びる固定ユニット50の中間部を周囲から保持している。この具体例によれば、チャイルドシート本体11によって固定ユニット50を安定して保持することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50が貫通した保持穴27がチャイルドシート本体11に設けられ、連結具60は保持穴27から後方に延び出し、連結解除部材70は保持穴27から前方に延び出している。この具体例によれば、チャイルドシート本体11に対して相対動作可能となるよう連結解除部材70をチャイルドシート本体11によって安定して保持することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結解除部材70は、前後方向DXに沿って延び且つ後方においてチャイルドシート本体11の保持穴27内に挿入された連結解除本体部71と、連結解除本体部71の前方に位置し幅方向外方に膨出した連結解除操作部72と、を有している。この具体例によれば、チャイルドシート本体11に対して相対動作可能な連結解除部材70を、チャイルドシート本体11から大きく露出するように保持することができる。これにより、連結解除部材70に更に指を掛け易く又は連結解除部材70を更に掴み易くすること等が可能となり、連結解除部材の70操作性を更に向上させることができる。また、連結解除操作部72が座席Sの隆起部SAを押すことによって、連結解除操作部72の前後となる領域において、チャイルドシート10と座席Aの隆起部SAとの間に連結解除部材70を操作するための操作スペースを確保することができる。この操作スペースに指を配置して、連結解除部材70を安定して操作することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結解除部材70は前後方向DXに沿って連結具60の前方に位置し、連結解除部材70は、幅方向外方に膨出した連結解除操作部72を有している。この具体例によれば、連結解除部材70に更に指を掛け易く又は連結解除部材70を更に掴み易くすること等が可能となり、連結解除部材70の操作性を更に向上させることができる。また、連結解除操作部72が座席Sの隆起部SAを押すことによって、連結解除操作部72の前後となる領域において、チャイルドシート10と座席Sの隆起部SAとの間に連結解除部材70を操作するための操作スペースを確保することができる。この操作スペースに指を配置して、連結解除部材70を安定して操作することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結解除操作部72は、幅方向DYに広がり前後方向DXにおける後方を向く操作面72aを含み、連結解除部材70が前後方向DXにおける前方に移動することによって、連結具60のアンカAへの連結が解除される。この具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作を容易に行うことができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結解除操作部72の幅方向の幅は、前後方向に沿って前方側から後方側へと大きくなり、連結解除部材70が前後方向DXにおける前方に移動することによって、連結具60のアンカAへの連結が解除される。この具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作を容易に行うことができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、連結具60が後方から接続し連結解除部材70が前方から延び出している中間フレーム部材80を更に有し、中間フレーム部材80の前端は、チャイルドシート本体11の内部に位置している。この具体例によれば、中間フレーム部材80を用いることで、チャイルドシート本体11に対して相対動作可能な連結解除部材70を、チャイルドシート本体11から大きく露出するように保持することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、前後方向DXに沿って直線状に延びている。この具体例によれば、固定ユニット50を小型単純化することができ、結果として、チャイルドシート10を小型単純化することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、操作されることによって連結解除部材70の操作時における動作の規制を解除する規制解除部材75を更に有している。この具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結を解除するために、二つの部材70,75を用いた解除操作を行うことになる。したがって、連結具60のアンカAへの連結が意図せず解除されることを効果的に回避することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、連結解除部材70の動作を規制する動作規制部材79を更に有し、規制解除部材75は動作することによって動作規制部材79に作用する。この具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結を解除するために、二つの部材70,75を用いた解除操作を行うことになる。したがって、連結具60のアンカAへの連結が意図せず解除されることを効果的に回避することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、規制解除部材75は、連結解除部材70に動作可能に支持されている。この具体例によれば、固定ユニット50を小型化することができる。また、規制解除部材75および連結解除部材70を片手で容易に操作することも可能となる。これにより、連結具60のアンカAへの連結の解除を容易に行うことができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、規制解除部材75の前端部分は、連結解除部材70から前方に露出している。この具体例によれば、規制解除部材75の操作を容易化することができる。とりわけ、規制解除部材75が、連結解除部材70の連結解除操作部72又は連結解除操作部72の近傍において露出している場合、規制解除部材75および連結解除部材70を片手で容易に操作することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、規制解除部材75は、連結具60のアンカAへの連結を解除する際における連結解除部材70の動作と逆向きに動作することによって、連結解除部材70の操作時における動作の規制を解除する。言い換えると、規制解除部材75は、連結解除部材70の操作時における動作方向に沿って、連結解除部材70の操作時における動作の向きと逆向きに動作することによって、連結解除部材70の操作時における動作の規制を解除する。具体的には、規制解除部材75が前後方向DXにおける後方に移動することによって、連結解除部材70の操作時における動作の規制を解除する。この具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結が意図せず解除されることをより効果的に回避することができる。
以上に説明してきた一実施の形態において、チャイルドシート10は、車両の座席S上に配置されるチャイルドシート本体11と、チャイルドシート本体11に保持された固定ユニット50と、を有している。固定ユニット50は、座席Sに設けられたアンカAに連結してチャイルドシート本体11を座席に固定する連結具60と、操作されることによって連結具60のアンカAへの連結が解除されるようにする連結解除部材70と、を有している。連結具60は、連結具60をアンカAに連結する連結部材62と、連結位置から解除位置に移動することで連結部材62による連結具60のアンカAへの連結を解除する解除操作部材65と、を有している。
この一実施の形態において、連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って一定の長さだけ解除操作部材65に対して相対移動可能に解除操作部材65と直接または間接的に接続されている。また、連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動の向きと逆向きに付勢されている。したがって、連結解除部材70を操作した際、連結解除部材70は、まず付勢力に抗して解除操作部材65に対して相対移動する。そして、連結解除部材70が一定の長さだけ移動した後、連結解除部材70の移動にともなって、解除操作部材65が連結位置から移動を開始し解除位置まで移動することができる。したがって、この一実施の形態において、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動長さMDX(図14参照)を、連結位置から解除位置までの解除操作部材65の移動長さMDY(図14参照)よりも長くすることができる。このため、連結具60の構成に依存することなく解除操作部材65を操作するための連結解除部材70の操作量を十分に確保することが可能となる。結果として、解除操作部材65の操作をとおして、連結具60のアンカAへの連結が解除されたことを感知することが可能となる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、解除操作部材65と固定され連結解除部材70の動作を解除操作部材65に伝達する中間伝達部材85と、連結解除部材70と中間伝達部材85との間に設けられた第1付勢部材51と、を有している。連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って一定の長さだけ中間伝達部材85に対して相対移動可能に中間伝達部材85と接続し、且つ、第1付勢部材51によって連結解除部材70の操作時における移動の向きと逆向きに付勢されている。この具体例において、中間伝達部材85は、連結解除部材70が一定の長さだけ移動した後に、連結解除部材70と同期して移動することができる。そして、解除操作部材65は中間伝達部材85と同期して移動することができる。このような具体例によれば、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作量を、連結具60の構成に依存することなく、十分に確保することが可能となる。とりわけ、中間伝達部材85を介することで、連結解除部材70を解除操作部材65から離間して配置することができる。これにより、連結解除部材70の操作性を向上させることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結解除部材70及び中間伝達部材85の一方に、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って延びる長穴(第3誘導長穴)87が設けられている。連結解除部材70及び中間伝達部材85の他方に、長穴87内に移動可能に挿入された挿入部(第2誘導挿入部)73が設けられている。挿入部(第2誘導挿入部)73は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って長穴87内を移動可能となっている。この具体例によれば、簡易な構成により一定の長さだけ連結解除部材70及び中間伝達部材85を相対移動可能とすることができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、固定ユニット50は、連結具60が後方から固定され連結解除部材70が前方から延び出している中間フレーム部材80を更に有している。中間伝達部材85は、中間フレーム部材80に動作可能に支持されている。連結解除部材70及び中間フレーム部材80の一方に、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って延びる第1長穴部56aと連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に沿って延び第1長穴部56aに接続した第2長穴部56bとを有する規制長穴56が設けられている。動作規制部材79はこの規制長穴56内に移動可能に挿入されている。連結解除部材70及び中間フレーム部材80の他方は、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に移動可能に動作規制部材79を支持している。この具体例によれば、簡易な構成を用いて簡易な操作により、動作規制部材79を用いた連結解除部材70の動作の規制および規制解除の切り替えを実現することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、規制解除部材75は、操作されることによって第2長穴部56b内に位置する動作規制部材79を第1長穴部56aまで移動させる。この具体例によれば、簡易な構成を用いて簡易な操作により、動作規制部材79を用いた連結解除部材70の動作の規制および規制解除の切り替えを実現することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動方向は、連結解除部材70の動作の規制を解除するための規制解除部材75の操作時における規制解除部材75の移動方向と平行となっている。とりわけ、連結解除部材70の移動方向および規制解除部材75の移動方向は、前後方向に沿っている。この具体例によれば、固定ユニット50の大型化を効果的に抑制しながら、連結具60のアンカAへの連結が意図せず解除されることを効果的に回避することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動は、連結解除部材70の動作の規制を解除するための規制解除部材75の操作時における規制解除部材75の移動と逆向きとなっている。この具体例によれば、固定ユニット50の大型化を効果的に抑制しながら、連結具60のアンカAへの連結が意図せず解除されることを効果的に回避することができる。
上述した一実施の形態の一具体例において、連結具60のアンカAへの連結を解除するための連結解除部材70の操作時における連結解除部材70の移動方向は、連結位置から解除位置までの解除操作部材65の移動方向と平行となっている。とりわけ、連結解除部材70の移動方向および解除操作部材65の移動方向は、前後方向に沿っている。さらに、連結解除部材70の移動および解除操作部材65の移動は、同一の向きとなっている。この具体例によれば、固定ユニット50の大型化を効果的に抑制しながら、固定ユニット50の車両アンカAへの連結が解除されたことを感知し易くすることができる。
図示された具体例を参照して一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
以下、変形の一例について説明する。以下の説明では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
まず、チャイルドシート本体11について種々の変更が可能である。例えば、上述した例において、座席ユニット30が受台20に対してリクライニング可能に支持されている例を示したが、この例に限られず、座席ユニット30が受台20に対してリクライニングできないようにしてもよい。また、座席本体38がベース31から取り外し可能となっていてもよいし、座席本体38がベース31から取り外し不可能となっていてもよい。さらに、座席本体38がベース31に対して回転可能となっていてもよいし、座席本体38がベース31に対して回転付可能となっていてもよい。
また、上述した具体例において、連結解除部材70が、中間伝達部材85を介して解除操作部材65と接続している例を示したが、この例に限られない。連結解除部材70は、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って一定の長さだけ解除操作部材65に対して相対移動可能に解除操作部材65と直接接続され、且つ、連結解除部材70の操作時における移動の向きと逆向きに付勢されていてもよい。つまり、中間伝達部材85は、中間伝達部材85を介すことなく解除操作部材65と接続していてもよい。
さらに、上述した具体例において、中間伝達部材85に第3誘導長穴87が設けられ、連結解除部材70に第3誘導長穴87内を移動可能な第2誘導挿入部73が設けられている例を示したが、この例に限られない。連結解除部材70に、連結解除部材の操作時における移動方向に沿って延びる長穴が設けられ、中間伝達部材85に、この長穴内に移動可能に挿入された挿入部が設けられていてもよい。
さらに、上述した具体例において、連結解除部材70に、第1長穴部56a及び第2長穴部56bを含む規制長穴56が設けられ、中間フレーム部材80が、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に移動可能に動作規制部材79を支持している例を示したが、この例に限られない。中間フレーム部材80に、連結解除部材70の操作時における移動方向に沿って延びる第1長穴部56aと連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に沿って延び第1長穴部56aに接続した第2長穴部56bとを有する規制長穴56が設けられ、連結解除部材70が、連結解除部材70の操作時における移動方向と直交する方向に移動可能に、規制長穴56に挿入された動作規制部材を支持するようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。