JP2020199432A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防食性、耐候性、及び仕上り外観に優れ、生産性も良好な、ウェットオンウェット塗装による複層塗膜形成方法を提供すること。【解決手段】重量平均分子量範囲の異なる2種のフェノール変性アルキド樹脂及びシランカップリング剤を含有する下塗塗料組成物、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を共通成分として含有する、上塗ベース塗料組成物及び上塗クリヤ塗料組成物を、順に被塗物にウェットオンウェットで塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に硬化させる複層塗膜形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、被塗物上に、下塗塗膜を形成し、該未硬化下塗塗膜上に上塗ベース塗膜を形成し、さらに該未硬化上塗ベース塗膜上に上塗クリヤ塗膜を形成して、3層の塗膜を同時に硬化させる複層塗膜形成方法及び該方法を用いて得られた、仕上り外観及び耐候性に優れる塗装物品に関する。
ブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械又は産業機械の塗装において、防食性および耐候性の両方が優れた複層塗膜を、被塗物に好適に設けることができる方法として、例えば、特許文献1には、ウェットオンウェットの塗装方法であって、該下塗り塗料組成物が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物及び表面調整剤を含んでおり、該上塗り塗料組成物が、アクリル樹脂、イソシアネート化合物及び表面調整剤を含んでおり、前記下塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)から、前記上塗り塗料組成物の表面張力の値(γ)を差し引いた値Δγ(γ−γ)が−2〜8mN/mであり、前記下塗り塗料組成物および上塗塗料組成物がラメラ長4mm以下を有する、複層塗膜形成方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された複層塗膜形成方法は、塗装工程の短縮により生産性が向上し、防食性に優れる塗膜が得られるものの、仕上り外観や耐候性の向上の点において不十分となる場合があった。
特許第5324715号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決するものであり、具体的には、防食性、耐候性、及び仕上り外観に優れ、生産性も良好な、ウェットオンウェット塗装による複層塗膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、重量平均分子量範囲の異なる2種のフェノール変性アルキド樹脂及びシランカップリング剤を含有する下塗塗料組成物、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を共通成分として含有する、上塗ベース塗料組成物及び上塗クリヤ塗料組成物を、順に被塗物にウェットオンウェットで塗装し、得られる3層の複層塗膜を同時に硬化させる複層塗膜形成方法によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.被塗物上に、重量平均分子量40000〜200000のフェノール変性アルキド樹脂(A1)、重量平均分子量2000〜40000のフェノール変性アルキド樹脂(A2)、及びシランカップリング剤(B)を含有する下塗塗料組成物を塗装して、未硬化の下塗塗膜を形成し、該未硬化の下塗塗膜上に、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する上塗ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の上塗ベース塗膜を形成し、該未硬化の上塗ベース塗膜上に、アクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物、レオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤を含有し、硬化塗膜として30μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜の波長380nm〜780nmの光線透過率が50%以上となる上塗クリヤ塗料組成物を塗装し、未硬化の上塗クリヤ塗膜を形成して、該未硬化の下塗塗膜、上塗ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜を同時に硬化させて、複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法、
2.フェノール変性アルキド樹脂(A1)及び/又はフェノール変性アルキド樹脂(A2)が、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸及び大豆油脂肪酸から選ばれる少なくとも1種を構成成分とすることを特徴とする上記項1に記載の複層塗膜形成方法、
3.フェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、フェノール変性アルキド樹脂(A1)が10〜70質量%、フェノール変性アルキド樹脂(A2)が30〜90質量%である、上記項1又は2に記載の複層塗膜形成方法、
4.シランカップリング剤(B)が、アミノ基含有シランカップリング剤及びエポキシ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種である上記項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
5.該下塗塗料組成物がさらに、金属がコバルト、マンガン、ジルコニウム、リチウム及びバリウムである金属ドライヤーから選ばれる少なくとも1種を含有する上記項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
6.該上塗クリヤ塗料組成物がアクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、体質顔料を1〜20質量%含有する上記項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
7.該体質顔料が平均粒子径1.0μm以下の硫酸バリウムである上記項6に記載の複層塗膜形成方法、
8.該上塗クリヤ塗料組成物がアクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、着色顔料を1〜10質量%含有する上記項1〜7のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
9.上記項1〜8のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法を用いて塗装された建設機械又は産業機械、に関する。
本発明によれば、下塗塗料組成物による未硬化下塗塗膜を形成し、該未硬化下塗塗膜上に、上塗ベース塗料組成物による上塗ベース塗膜を形成し、該未硬化上塗ベース塗膜上に、上塗クリヤ塗料組成物による上塗クリヤ塗膜を形成し、得られる3層の複層塗膜を同時に硬化させる複層塗膜形成方法、いわゆるウェットオンウェット塗装によって、防食性、耐候性、及び仕上り外観に優れた塗装物品を、良好な生産性(2層の複層塗膜からなる2コート仕様と遜色のない生産性)で提供することができる。
本発明は、被塗物上に、重量平均分子量40000〜200000のフェノール変性アルキド樹脂(A1)、重量平均分子量2000〜40000のフェノール変性アルキド樹脂(A2)、及びシランカップリング剤(B)を含有する下塗塗料組成物を塗装して、未硬化の下塗塗膜を形成し、該未硬化の下塗塗膜上に、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する上塗ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の上塗ベース塗膜を形成し、該未硬化の上塗ベース塗膜上に、アクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物、レオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤を含有し、硬化塗膜として30μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜の波長380nm〜780nmの光線透過率が50%以上となる上塗クリヤ塗料組成物を塗装し、未硬化の上塗クリヤ塗膜を形成して、該未硬化の下塗塗膜、上塗ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜を同時に硬化させて、複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法、及び塗装物品に関する。
以下、本発明の複層塗膜形成方法(以下、「本方法」ということがある。)について、詳細に説明する。
下塗塗料組成物
下塗塗料組成物は、重量平均分子量40000〜200000のフェノール変性アルキド樹脂(A1)、重量平均分子量2000〜40000のフェノール変性アルキド樹脂(A2)、及びシランカップリング剤(B)を含有する組成物である。
フェノール変性アルキド樹脂(A)
フェノール変性アルキド樹脂(A1)とフェノール変性アルキド樹脂(A2)の総称を、フェノール変性アルキド樹脂(A)とする。
フェノール変性アルキド樹脂(A)は、アルキド樹脂をフェノール樹脂により変性することによって得られる樹脂であり、従来公知のものを制限なく使用することができる。
上記フェノール変性アルキド樹脂(A)としては例えば、動植物油脂又はその脂肪酸(a1)、飽和多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)及びフェノール樹脂(a4)を構成成分とする樹脂を挙げることができる。
動植物油脂又はその脂肪酸(a1)としては、特に制限なく従来公知のものを使用することができるが、乾性油を使用することが好ましい。具体的には例えば、魚油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、亜麻仁油、大豆油、ゴマ油、ケシ油、エノ油、麻実油、ブドウ核油、トウモロコシ油、トール油、ヒマワリ油、綿実油、クルミ油、米ぬか油、桐油又はその脂肪酸等を挙げることができる。
上記乾性油のうち、仕上り外観の観点から、亜麻仁油、桐油及び大豆油を好適に使用することができる。これらは単独で或いは2種以上を組合せて使用することができる。
多塩基酸(a2)としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、又はこれらのジアルキルエステル等を挙げることができ、これらは単独で或いは2種以上を組合せて使用することができる。
多価アルコール(a3)としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノール類又はビスフェノール類とアルキレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4´−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等を挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
上記フェノール変性アルキド樹脂(A)は、従来公知の手法にて製造することができ、例えば、動植物油脂又はその脂肪酸(a1)、飽和多塩基酸(a2)、多価アルコール(a3)を縮合反応させて得られるアルキド樹脂に、フェノール樹脂(a4)を反応させることによって製造することができる。
上記フェノール樹脂(a4)は、アルキド樹脂を高分子量化させ、本発明の塗料組成物により得られる塗膜の乾燥性を高めるために使用されるものであり、従来公知のフェノール樹脂を制限なく使用することができる。
フェノール樹脂(a4)としては、例えばフェノール類とホルムアルデヒド類とを反応させて得られる樹脂を使用することができる。
該フェノール類としては、例えば、フェノール、メチルフェノール、p−エチルフェノール、p−n−プロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−n−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、3,5−キシレノール、レゾルシノール、カテコール等の1分子中にベンゼン環を1個有するフェノール類;フェニルo−クレゾール、p−フェニルフェノール等の1分子中にベンゼン環を2個有するフェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF等を挙げることができ、これらは単独で、或いは2種以上を組合せて使用することができる。また、ホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等を挙げることができる。
フェノール樹脂(a4)は重量平均分子量が1000〜10000、特に2000〜8000の範囲内であることが適しており、フェノール変性アルキド樹脂(A)の固形分総量を基準とするフェノール樹脂(a4)の質量が0.5〜10質量%、好ましくは1.0〜5.0質量%の範囲内にあることが仕上り外観の観点から適している。
本明細書において樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」を1本、「TSKgel G3000HXL」を2本、及び「TSKgel G2000HXL」を1本(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
アルキド樹脂にフェノール樹脂(a4)を反応させてフェノール変性アルキド樹脂(A)を得るには、アルキド樹脂の水酸基とフェノール樹脂(a4)のメチロール基又はジメチルエーテル基が縮合反応していると推察され、該アルキド樹脂とフェノール樹脂(a4)を混合し、反応温度は、120〜180℃程度で1〜10時間程度加熱反応させることにより得ることができる。
下塗塗料組成物は、平均分子量の異なるフェノール変性アルキド樹脂(A)を2種併用するものであり、ウエットオンウェット適性の観点から、フェノール変性アルキド樹脂(A1)の重量平均分子量は、40000〜200000であり、好ましくは45000〜150000、さらに好ましくは50000〜90000である。また、塗料の高固形分化の観点から、フェノール変性アルキド樹脂(A2)の重量平均分子量は、2000〜40000(2000以上かつ40000未満)であり、好ましくは5000〜35000、さらに好ましくは8000〜30000である。
また、ウエットオンウェット適性及び塗料の高固形分化の両立の観点から、フェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、フェノール変性アルキド樹脂(A1)が10〜70質量%、特に15〜60質量%、さらに特に15〜50質量%であることが好ましく、フェノール変性アルキド樹脂(A2)が30〜90質量%、特に40〜85質量%、さらに特に50〜85質量%であることが好ましい。
シランカップリング剤(B)
下塗塗料組成物において、シランカップリング剤(B)は、金属基材との密着性を高めて防食性向上を目的として含有されるものである。
上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシル基含有シランカップリング剤等を挙げることができる。
上記のうち、アミノ基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤が、防食性向上の観点から好ましい。上記シランカップリング剤は、単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
シランカップリング剤の市販品としては、KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBE−602、KBE−603(いずれも信越シリコーン社製、商品名)等を挙げることができる。
下塗塗料組成物においてシランカップリング剤の使用量は、フェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、0.1〜10質量%、特に0.5〜7質量%、さらに特に0.8〜3.5質量%であることが、防食性及び仕上り外観の観点から好ましい。
下塗塗料組成物において、仕上がり外観の観点から、平均粒子径が0.01〜5.0μm、好ましくは0.05〜4.0μm、さらに好ましくは0.05〜3.0μmの硫酸バリウムを含有することができる。
上記硫酸バリウムの市販品としては、バリファインBF−20(堺化学工業社製、商品名、平均粒子径0.03μmの硫酸バリウム)、BARIACE B−30(堺化学工業社製、商品名、平均粒子径0.3μmの硫酸バリウム)、SPARWITE(スパーワイト)W−5HB(Sino−Can社製、商品名、硫酸バリウム粉末、平均粒子径:1.6μm)等を挙げることができる。
なお本明細書において、平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定により得られる値である。
具体的には、例えばUPA−EX250(商品名、日機装株式会社製、動的光散乱法による粒度分布測定装置)を用いて測定することができる。
下塗塗料組成物が硫酸バリウムを含有する場合、硫酸バリウムの含有量は仕上り外観及び高固形分化の観点から、フェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、1〜200質量%、好ましくは5〜150質量%、さらに好ましくは10〜100質量%である。
下塗塗料組成物は、防食性の向上を目的として防錆顔料を含有することができる。防錆顔料としては、具体的には例えば、酸化亜鉛、亜リン酸塩化合物、リン酸塩化合物、ホウ酸塩化合物、メタホウ酸塩化合物、モリブテン酸塩系化合物、ビスマス化合物、変性シリカ、金属イオン交換シリカ等を挙げることができる。
上記のうち、特に、亜リン酸塩化合物、リン酸塩化合物を好適に使用することができる。
上記亜リン酸塩化合物としては、EXPERT NP−1000、EXPERT NP−1020C等の亜リン酸カルシウム化合物、EXPERT NP−1100、EXPERT NP−1102等の亜リン酸アルミニウム化合物を挙げることができる(EXPERTシリーズはいずれも東邦顔料社製、商品名)。
上記リン酸塩化合物としては、金属化合物で処理されたトリポリリン酸二水素アルミニウム等を挙げることができる。上記金属化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、コバルト、スズ、ジルコニウム、チタニウム、ストロンチウム、銅、鉄、リチウム、アルミニウム、ニッケル、及びナトリウムの塩化物、水酸化物、炭酸化物、硫酸物等を挙げることができる。
上記金属化合物で処理されたトリポリリン酸二水素アルミニウムの市販品としては、K−WHITE140、K−WHITE Ca650、K−WHITE450H、K−WHITE G−105、K−WHITE K−105、K−WHITE K−82(いずれもテイカ社製、商品名)等を挙げることができる。
上記モリブテン酸塩系化合物の市販品としては、例えば、LFボウセイ M−PSN、LFボウセイ MC−400WR、LFボウセイ PM−300、PM−308(いずれもキクチカラー社製、商品名)等を挙げることができる。
上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を挙げることができる。
変性シリカとしては、カルシウム、亜鉛、コバルト、鉛、ストロンチウム、バリウム等のカチオンを多孔質シリカ粒子に結合させた化合物等を挙げることができる。
上記金属イオン交換シリカとしては、例えば、カルシウムイオン交換シリカ、マグネシウムイオン交換シリカ等を挙げることができる。これらの金属イオン交換シリカとしてはリン酸変性金属イオン交換シリカを使用することもできる。
上記カルシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、カルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、SHIELDEXAC−3、SHIELDEXC−5(以上いずれもW.R.Grace&Co.社製)、サイロマスク52(富士シリシア社製)等を挙げることができる。
上記マグネシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、マグネシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。マグネシウムイオン交換シリカの市販品としては、サイロマスク52M(富士シリシア社製)、ノビノックスACE−110(SNCZ社製・フランス)等を挙げることができる。
上記防錆顔料の中でも特に、亜リン酸カルシウムが、仕上り外観及び防食性の観点から好ましい。
下塗塗料組成物が防錆顔料を含有する場合、防錆顔料の含有量はフェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、5〜50質量%、特に10〜40質量%であることが、仕上り外観及び防食性の観点からから好ましい。
下塗塗料組成物には、所望の色とすることを目的として、着色顔料を使用することができる。着色顔料としては、具体的には、チタン白、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、鉄黒(アイアンブラック)、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、べんがら、透明べんがら、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、モノアゾイエロー、オーカー、ジスアゾ、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレット等を挙げることができる。
下塗塗料組成物が着色顔料をする場合、着色顔料の含有量はフェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、10〜150質量%、特に20〜110質量%であることが、仕上り外観の観点から好ましい。
下塗塗料組成物には必要に応じて体質顔料(平均粒子径が0.01〜5μmである硫酸バリウムを除く)を含有させることができる。
上記体質顔料としては、例えば、クレー、シリカ、硫酸バリウム(平均粒子径が0.01〜5μmである硫酸バリウムを除く)、タルク、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウムアルミニウムフレーク、雲母フレーク等を挙げることができる。
下塗塗料組成物が上記体質顔料を含有する場合、上記体質顔料の含有量はフェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、20〜150質量%、特に40〜130質量%であることが、付着性の観点から好ましい。
下塗塗料組成物は、塗料の流動性を制御して仕上り外観及び塗装作業性の向上を目的として、レオロジーコントロール剤を含有することができる。
レオロジーコントロール剤としては、具体的には例えば、粘土鉱物(例えば、金属ケイ酸塩、モンモロリロナイト)、アクリル樹脂(例えば、分子中にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのポリマー、オリゴマーからなる構造を含むもの)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、アマイド(高級脂肪酸アマイド、ポリアマイド、オリゴマー等)、ポリカルボン酸(分子中に少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有する誘導体を含む)、セルロース(ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースエーテル等種々の誘導体を含む)、及びウレタン(分子中にウレタン構造を含むポリマー、オリゴマー等)、ウレア(分子中にウレア構造を含むポリマー、オリゴマー等)、ウレタンウレア(分子中にウレタン構造とウレア構造を含むポリマー、オリゴマー等)等を挙げることができる。
レオロジーコントロール剤の市販品としては、例えば、ディスパロン6900(楠本化成(株)製)、チクゾールW300(共栄社化学(株))等のアマイドワックス;ディスパロン4200(楠本化成(株)製)等のポリエチレンワックス;CAB(セルロース・アセテート・ブチレート、イーストマン・ケミカル・プロダクツ社製)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、疎水化HEC、CMC(カルボキシメチルセルロース)等のセルロース系のレオロジーコントロール剤;BYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−425(以上、ビックケミー(株)社製)等のウレタンウレア系のレオロジーコントロール剤;フローノンSDR−80(共栄社化学(株))等の硫酸エステル系アニオン系界面活性剤;フローノンSA−345HF(共栄社化学(株))等のポリオレフィン系のレオロジーコントロール剤;フローノンHR−4AF(共栄社化学(株))等の高級脂肪酸アマイド系のレオロジーコントロール剤;等を挙げることができる。
下塗塗料組成物がレオロジーコントロール剤を含有する場合、レオロジーコントロール剤の含有量はフェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%、さらに特に0.8〜10質量%の範囲内であることが、仕上り外観及び塗装作業性の観点から好ましい。
下塗塗料組成物は、硬化促進のため、硬化触媒として、金属ドライヤーを好適に含有することができる。金属ドライヤーは、金属と脂肪酸との金属塩化合物である。
上記金属としては、具体的には例えば、コバルト、マンガン、ジルコニウム、リチウム、バリウム、亜鉛、銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、セリウム、アルミニウム、ストロンチウム等を挙げることができる。
上記脂肪酸としては、具体的には例えば、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグリノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸、大豆油脂肪酸、ステアリン酸、トール油脂肪酸等を挙げることができる。
上記金属塩化合物としては、具体的には例えば、オクチル酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸バリウム、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸バリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸銅、オクチル酸鉄、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、オクチル酸セリウム、オクチル酸アルミニウム、ネオデカン酸カルシウム等を挙げることができる。これらは単独で或いは2種以上を併用して使用することができる。
上記の金属塩化合物のうち、特に、金属がコバルト、マンガン、ジルコニウム、リチウム及びバリウムである金属塩化合物を好適に使用することができる。
上記の金属塩のうち、コバルト金属塩が塗膜表面の硬化に特に寄与し、マンガン金属塩、ジルコニウム金属塩、リチウム金属塩及びバリウム金属塩が塗膜内部の硬化に特に寄与する。
下塗塗料組成物が、金属ドライヤーを含有する場合、金属ドライヤーの含有量はフェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、合計金属量(質量換算)が0.01〜15質量%、特に0.1〜10質量%、さらに特に0.5〜5質量%であることが好ましい。
下塗塗料組成物にはさらに必要に応じて、顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、消泡剤、硬化剤、硬化触媒(上記、金属ドライヤーを除く)、防腐剤、凍結防止剤、有機溶剤等を含有させることができる。
下塗塗料組成物は、通常、フェノール変性アルキド樹脂(A)、シランカップリング剤(B)及びその他必要に応じて使用される各成分を混合し、有機溶剤等の溶媒を必要に応じて添加して粘度調整することにより使用される。混合は、例えばディスパー、ホモジナイザー等の混合装置を用いて行うことができる。
本明細書において、「高固形分」とは、通常よりも塗装固形分濃度(塗装時の固形分濃度;塗装NV(nonvolatile content)値)が高いことをいう。例えば、下塗塗料組成物の場合、高固形分とは塗装固形分濃度が55〜60質量%程度以上のものをいう。下塗塗料組成物の塗装固形分濃度は、通常、55〜65質量%、特に、55〜63質量%であることが高固形分化及び仕上り外観の両立の観点から好ましい。
なお、固形分は、JIS K5601に規定されている、所定条件下で蒸発によって得られる残さの質量分率である加熱残分として求めることができる。
上塗ベース塗料組成物
上塗ベース塗料組成物は、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する組成物である。
アクリル樹脂
アクリル樹脂は、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体及びその他のラジカル重合性不飽和単量体を共重合することによって製造することができる。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びこれ以外に、プラクセルFM1、プラクセルFM2、プラクセルFM3、プラクセルFA1、プラクセルFA2、プラクセルFA3(以上、ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)等を挙げることができる。
なお本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル又はメタクリロイル」を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
上記その他のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体;例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類;スチレンなどの芳香族ビニルモノマー類;(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド基含有不飽和単量体;等の(メタ)アクリルアミド系単量体を挙げることができる。
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド基含有不飽和単量体としては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキソキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘキソキシメチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
これらのラジカル重合性不飽和単量体の配合割合は、構成するラジカル重合性不飽和単量体の総量を基準として、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体が1〜40質量%、特に5〜30質量%、その他のラジカル重合性不飽和単量体が60〜99質量%、特に70〜95質量%の範囲であることが好ましい。
アクリル樹脂は、例えば、上記の水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体及びその他のラジカル重合性不飽和単量体を混合し、重合開始剤の存在下で、窒素等の不活性ガスの存在下で約50℃〜約300℃、好ましくは約60℃〜250℃に保持された有機溶剤中で、約1時間〜約24時間、好ましくは約2時間〜約10時間、ラジカル重合反応させることによって得ることができる。
ポリエステル樹脂で変性されたポリエステル樹脂変性アクリル樹脂も使用することができる。ポリエステル樹脂変性アクリル樹脂の製造は、従来から公知の製造方法によって製造することができ、例えば、重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂と、これと共重合可能なアクリル樹脂との共重合による方法を挙げることができる。なお下塗塗料組成物にポリエステル樹脂変性アクリル樹脂を使用することによって、仕上り外観及び防食性の向上を図ることができる。
上記ラジカル重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングルコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類等を好適に使用することができる。また、これら以外にも任意で、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類も併用することができる。
ラジカル重合反応に用いる重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル 、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
上塗ベース塗料組成物のアクリル樹脂の数平均分子量は、1000〜3000、特に1500〜2800の範囲内、酸価は1〜20mgKOH/gの範囲内、水酸基価は40〜200mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂製造に通常使用される公知のポリイソシアネート化合物を使用することができる。具体的には、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−もしくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート、例えば、ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
また、ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDI等を挙げることができる。
防食性、耐候性の観点から、上記のポリイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物及びこれらの誘導体であることが好ましい。
上塗ベース塗料組成物のポリイソシアネート化合物の数平均分子量は、3000以下、特に100〜1500の範囲内であることが好ましい。
必要に応じて硬化性向上の目的で有機錫化合物等を、硬化触媒として使用することができる。
なお、上塗ベース塗料組成物の、アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との比率は、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基とアクリル樹脂中の水酸基との比率、NCO/OH比の値が、0.6〜1.8、特に0.8〜1.5の範囲内であることが、耐水性及び耐候性の観点から好ましい。
上塗ベース塗料組成物は、防錆顔料、着色顔料、体質顔料(硫酸バリウムを含む)、シランカップリング剤、レオロジーコントロール剤を含有することができる。これら各々につき具体的には、前記の下塗塗料組成物で挙げたものを含有することができ、含有量等の条件についても前記の下塗塗料組成物と同様の範囲で含有することができる。
上塗ベース塗料組成物は、必要に応じてさらに、エポキシ樹脂等アクリル樹脂以外の樹脂、ポリイソシアネート化合物以外の硬化剤、有機錫化合物以外の硬化触媒、顔料分散剤、界面活性剤、消泡剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防腐剤、凍結防止剤、有機溶剤等を含有することができる。
上塗クリヤ塗料組成物
上塗クリヤ塗料組成物は、アクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物、レオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤を含有する組成物である。
クリヤ塗料組成物は、一般に得られる塗膜が透明となる塗料組成物であり、体質顔料及び着色顔料等は透明性を損なわない程度に含有することができる。
アクリル樹脂
アクリル樹脂として具体的には、前記の上塗ベース塗料組成物のアクリル樹脂を挙げることができる。
上塗クリヤ塗料組成物の、アクリル樹脂の数平均分子量は、1000〜3000、特に1500〜2800の範囲内、酸価は1〜20mgKOH/gの範囲内、水酸基価は40〜200mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物として具体的には、前記の上塗ベース塗料組成物のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
上塗クリヤ塗料組成物の、ポリイソシアネート化合物の数平均分子量は、3000以下、特に100〜1500の範囲内であることが好ましい。
必要に応じて硬化性向上の目的で有機錫化合物等を硬化触媒として使用することができる。
なお、上塗クリヤ塗料組成物の、アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との比率は、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基とアクリル樹脂中の水酸基との比率、NCO/OH比の値が、0.6〜1.8、特に0.8〜1.5の範囲内であることが、耐候性及び耐水性の観点から好ましい。
レオロジーコントロール剤
レオロジーコントロール剤として具体的には、前記の下塗塗料組成物のレオロジーコントロール剤を挙げることができる。
レオロジーコントロール剤の含有量は、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、0.1〜20質量%、特に0.5〜15質量%、さらに特に0.9〜5質量%の範囲内であることが、塗料安定性、仕上り外観の観点から好ましい。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収する化合物で、特に塗料組成物中の樹脂の光劣化を抑制し、塗膜の耐候性向上を目的として含有するものである。
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、サリチル酸誘導体系化合物、ベンゾフェノン系化合物等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−4´−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
トリアジン系化合物の具体例としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−[4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
サリチル酸誘導体系化合物の具体例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4,6−ジベンゾイルレゾルシノール、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン等を挙げることができる。
紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、TINUVIN 900、TINUVIN 928、TINUVIN 348−2、TINUVIN 479、TINUVIN 405、TINUVIN 292(BASF社製、商品名、TINUVIN チヌビンは登録商標)、RUVA 93(大塚化学社製、商品名)、HOSTAVIN 3206HP LIQ(デュポン社製、商品名)等を挙げることができる。紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、0.1〜10質量%、特に0.2〜8質量%、さらに特に0.3〜5質量%の範囲内であることが、耐候性、塗料安定性の観点から好ましい。
上塗クリヤ塗料組成物において、体質顔料及び着色顔料等は透明性を損なわない程度に含有することができ、具体的には、硬化塗膜として30μmの膜厚となるように塗装して得られる上塗クリヤ塗膜の波長380nm〜780nmの光線透過率が50%以上、好ましくは60%以上となる範囲で含有することができる。
体質顔料及び着色顔料を上記の光線透過率となる範囲で上塗クリヤ塗料組成物に含有させることにより得られる塗膜の耐候性、硬度を向上させることができる。
上塗クリヤ塗料組成物が体質顔料を含有する場合、体質顔料の種類により異なるが、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、1〜20質量%、特に1〜10質量%であることが好ましい。
上塗クリヤ塗料組成物の体質顔料としては、特に硫酸バリウムを好適に含有することができる。該硫酸バリウムの平均粒子径は、仕上がり外観の観点から、平均粒子径が1.0μm以下、0.01〜0.9μm、0.02〜0.8μm
の範囲内であることが好ましい。
上塗クリヤ塗料組成物が着色顔料を含有する場合、着色顔料の種類により異なるが、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、1〜10質量%、特に1〜5質量%であることが好ましい。
また、上塗クリヤ塗料組成物は、塗膜の耐候性、硬度を向上させる目的でシランカップリング剤を含有することができる。
上記体質顔料(硫酸バリウムを含む)、着色顔料及びシランカップリング剤は、前記の下塗塗料組成物で挙げたものを含有することができる。
上塗クリヤ塗料組成物は、必要に応じてさらに、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等アクリル樹脂以外の樹脂、ポリイソシアネート化合物以外の硬化剤、有機錫化合物以外の硬化触媒、消泡剤、表面調整剤、光安定剤、防腐剤、凍結防止剤、有機溶剤等を含有することができる。
本発明の複層塗膜形成方法の上塗ベース塗料組成物及び上塗クリヤ塗料組成物は、いずれもフリー(遊離)のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を構成成分とするため、常温で基体樹脂であるアクリル樹脂との架橋反応が進行するので、アクリル樹脂を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物を含有する硬化剤との2液型塗料であり、通常、塗装直前に主剤と硬化剤とを混合し、有機溶剤等の溶媒を必要に応じて添加して粘度調整することにより好適に使用される。
その際、上塗クリヤ塗料組成物のレオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤の他、顔料、シランカップリング剤等の必要に応じて使用される成分は、一般に、主剤側に配合しておくことが好ましい。混合は、例えばディスパー、ホモジナイザー等の混合装置を用いて行うことができる。
また、主剤配管、硬化剤配管からそれぞれ主剤、硬化剤を供給し、直前に混合して、スタティックミキサー等の配管を経由した後に塗装する方法で使用することもできる。
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、被塗物上に、前記の下塗塗料組成物による未硬化下塗塗膜を形成し、該未硬化下塗塗膜上に、前記の上塗ベース塗料組成物による上塗ベース塗膜を形成し、該未硬化上塗ベース塗膜上に、前記の上塗クリヤ塗料組成物による上塗クリヤ塗膜を形成し、3層の塗膜を同時に硬化させて複層塗膜を形成する方法である。
被塗物
上記被塗物としては、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ブリキ、トタン等の金属基材を挙げることができる。これらの金属基材は、亜鉛、銅、クロム等のメッキが施されていてもよい。特に鉄基材である鋼板としては、冷延鋼板、黒皮鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板等を挙げることができる。
また、ショットブラスト、表面調整、及びクロム酸、リン酸亜鉛又はジルコニウム塩等の表面処理剤を用いた表面処理が施されていてもよい。
本発明の複層塗膜形成方法は、例えば、熱容量が大きく、加熱炉中において被塗物に熱が十分に伝達しない金属基材等の被塗物に、特に好適に用いることができる。このような被塗物として、具体的には、建設機械(例えば、ブルドーザー、スクレイパー、油圧ショベル、堀削機、運搬機械(トラック、トレーラー等)、クレーン・荷役機械、基礎工事用機械(ディーゼルハンマー、油圧ハンマー等)、トンネル工事用機械(ボーリングマシーン等)、ロードローラー等);弱電・重電機器、農業機械、鋼製家具、工作機械及び大型車両等の産業機械;その他熱容量が大きく加熱しても昇温し難い被塗物等を挙げることができる。
塗装方法
下塗塗料組成物、上塗ベース塗料組成物及び上塗クリヤ塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター、静電塗装等の一般に用いられている塗装方法等を挙げることができる。
これらの中でも、エアースプレー、エアレススプレーが好ましい。これらは被塗物の用途及び形状に応じて適宜選択することができる。
下塗塗料組成物は、硬化膜厚が10〜80μm、特に20〜60μmの範囲となるよう塗装することが好ましい。未硬化の下塗塗膜を形成した後、上塗ベース塗料組成物を塗装することができる(ウェットオンウェット塗装)。未硬化の下塗塗膜を形成後、上塗ベース塗料組成物を塗装するまでの塗装間隔(インターバル)は、作業効率の観点から室温(5〜35℃)で0〜60分が好ましく、1〜30分がより好ましく、1〜15分がさらに好ましい。
また、必要に応じて下塗塗膜を一般的な室温を超える温度(例えば40〜100℃、より好ましくは40〜80℃)で1分〜10分間程度予備加熱して、下塗塗膜が半硬化の状態で上塗ベース塗料組成物を塗装することも可能である。
上塗ベース塗料組成物は、硬化膜厚が10〜80μm、特に20〜60μmの範囲となるよう塗装することが好ましい。未硬化の上塗ベース塗膜を形成した後、上塗クリヤ塗料組成物を塗装することができる(ウェットオンウェット塗装)。未硬化の上塗ベース塗膜を形成後、上塗クリヤ塗料組成物を塗装するまでの塗装間隔(インターバル)は、作業効率の観点から室温(5〜35℃)で0〜60分が好ましく、1〜30分がより好ましく、1〜15分がさらに好ましい。
また、必要に応じて下塗塗膜及び上塗ベース塗膜の複層塗膜を一般的な室温を超える温度(例えば40〜100℃、より好ましくは40〜80℃)で1〜10分間程度予備加熱して、下塗塗膜及び上塗ベース塗膜の複層塗膜が半硬化の状態で上塗クリヤ塗料組成物を塗装することも可能である。
上塗クリヤ塗料組成物は、硬化膜厚が20〜80μm、特に30〜60μmの範囲となるよう塗装することが好ましい。
このようにして得られた、未硬化の下塗塗膜、未硬化の上塗ベース塗膜及び未硬化の上塗クリヤ塗膜は、室温(5〜35℃)で1〜10日間放置するか、又は一般的な室温を超える温度(例えば50〜100℃、より好ましくは60〜100℃)で加熱(20〜60分間程度)することによって、下塗塗膜、上塗ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜からなる3層の複層塗膜を得ることができる。
生産性(作業効率)の観点からは、一般的な室温を超える温度で加熱して硬化させることにより、複層塗膜を得ることが好ましい。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
製造例1 アクリル樹脂溶液の製造
反応容器中に、混合溶剤(キシレン/n−ブチルアルコール=80/20)113部を仕込み80℃に保持した中へ、以下の「混合物」を4時間掛けて滴下し、次いでジ−tert−ブチルハイドロパーオキサイド8部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行い、さらに混合溶剤(キシレン/n−ブチルアルコール=80/20)で調整して、固形分60質量%のアクリル樹脂溶液を製造した。得られたアクリル樹脂溶液は、水酸基価94.9mgKOH/g、酸価3.9mgKOH/g、数平均分子量2,800を有していた。
「混合物」
スチレン 41.6部
n−ブチルアクリレート 6.9部
イソブチルメタクリレート 19部
プラクセルFM−3(*) 15部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 17部
アクリル酸 0.5部
(*)プラクセルFM−3:ダイセル化学工業株式会社製、商品名、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン変性ビニルモノマー
製造例2 ポリエステル変性アクリル樹脂溶液の製造(特開平8−302204号公報 参考例1に準ずる)
攪拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、ベッコゾール P−470−70(DIC社製、商品名、大豆油系長油アルキド樹脂)143部、及びミネラル・スピリット 457部を仕込んで、100℃にまで昇温した。
次いで、スチレン200部、イソブチルメタクリレート489部、2−エチルヘキシルアクリレート106部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート100部、メタクリル酸5部、ミネラル・スピリット200部、「ソルベッソ100」300部、ベンゾイルパーオキシド10部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。
滴下終了後も同温度で8時間反応させることによって、固形分質量濃度50%のポリエステル変性アクリル樹脂溶液を得た。得られたポリエステル変性アクリル樹脂は、酸価2.5mgKOH/g、数平均分子量2800であった。
塗料組成物の製造
下塗塗料組成物(プライマー塗料組成物)の製造
製造例3 プライマー塗料組成物No.1の製造
以下の工程1〜工程2によって、プライマー塗料組成物No.1を得た。
工程1:
アラキード7104(注1)30部(固形分)、アラキード7112(注2)70部(固形分)、タイピュアR902(注4)60部、SPARWITE W−5HB(注5)75部、K−WHITE105(注6)20部、サンライトSL1500(注7)50部に、キシレン及びスワゾール1000(コスモ石油株式会社製、芳香族炭化水素系溶媒)を適量加え、サンドミルにて分散し、顔料分散ペーストを得た。
工程2:
上記にて得た顔料分散ペーストに、ディスパロンA603−20X(注8)2部(固形分)、KBM−503(注9)1部、ヘキソエートコバルト 12%(注10)1部(固形分)、及びDICNATE AL−500(注11)1部(固形分)を配合し、表面調整剤、消泡剤を加えて攪拌し、キシレン及びスワゾール1000を加えて攪拌し、固形分を調整することによって、固形分60%、塗装粘度20秒/25℃(イワタカップで測定)の下塗塗料組成物No.1を得た。
製造例4 下塗り塗料組成物No.2の製造
表1の配合内容とする以外は製造例3と同様(顔料分散ペーストのアルキド樹脂のアラキード7104(注1)をアラキード7109(注3)に変更)にして、下塗塗料組成物No.2を得た。
Figure 2020199432
製造例5 上塗ベース塗料組成物No.1の製造
以下の工程1〜3によって上塗ベース塗料組成物No.1を得た。
工程1 製造例1で得たアクリル樹脂溶液50部(固形分30部)、タイペークCR−93(注13)12部、ホスターパームエローH−3G(注14)12部、Bayferrox 4905(注15)12部、バリファインBF−20(注16)30部及びキシレンを適量加えてサンドミルで2時間分散し、顔料分散ペーストを得た。
工程2 製造例1で得たアクリル樹脂溶液を50部(固形分30部)に、上記工程1で得た顔料分散ペーストを加えて攪拌し、次いで製造例2で得られたポリエステル変性アクリル樹脂溶液30部(固形分15部)、TINUVIN 292(注17)1部、KBM−403(注18)3部、ジブチル錫ジラウレート0.1部、及びディスパロン6900−10X(脂肪酸アマイド 楠本化成(株)社製)1部(固形分0.1部)を加えて攪拌し、キシレンを加えて固形分を調整して、固形分60質量%の上塗ベース塗料組成物の主剤を得た。
工程3 さらに塗装直前に、上記工程2で得た上塗ベース塗料組成物の主剤に、60%に調整したスミジュールN3300(注12)の酢酸エチル溶液41.7部(固形分25部)を添加して上塗ベース塗料組成物No.1を得た。
製造例6 上塗ベース塗料組成物No.2の製造
表2の配合内容とする以外は製造例5と同様(顔料分散ペーストに製造例1で得たアクリル樹脂溶液50部(固形分30部)を使用)にして、上塗ベース塗料組成物No.2を得た。
Figure 2020199432
製造例7 上塗クリヤ塗料組成物Aの製造
製造例1で得たアクリル樹脂溶液125部(固形分75部)、ディスパロン6900−10X(脂肪酸アマイド 楠本化成(株)社製 レオロジーコントロール剤)1部(固形分0.1部)、TINUVIN 384(注19)2部、TINUVIN 292(注17)1部、及びジブチル錫ジラウレート0.1部を混合攪拌し、さらにスワゾール1000(コスモ石油株式会社製、芳香族炭化水素系溶媒)を加えて固形分を調整した混合物を攪拌することによって上塗クリヤ塗料組成物Aの主剤を得た。さらに塗装直前に、スミジュールN3300(注12)25部(固形分)を加えて混合攪拌し、さらに酢酸ブチルを加えて粘度を調整することにより上塗クリヤ塗料組成物Aを得た。
製造例8〜11 上塗クリヤ塗料組成物B〜Eの製造
表3の配合内容とする以外は、製造例7と同様にして各上塗クリヤ塗料組成物B〜Eをそれぞれ得た。
なお、着色顔料及び体質顔料については、製造例1で得たアクリル樹脂溶液50部(固形分30部)を使用して顔料分散ペーストとして混合して、各上塗クリヤ塗料組成物の主剤を製造することにより、各上塗クリヤ塗料組成物を得た。
Figure 2020199432
表1、2及び3の配合量は固形分量である。表1、2及び3の各注はそれぞれ以下のとおりである。
(注1)アラキード7104:荒川化学工業株式会社、商品名、亜麻仁油/桐油脂肪酸変性アルキド樹脂のフェノール変性アルキド樹脂、重量平均分子量60000
(注2)アラキード7112:荒川化学工業株式会社、商品名、亜麻仁油脂肪酸変性アルキド樹脂のフェノール変性アルキド樹脂、重量平均分子量15000
(注3)アラキード7109:荒川化学工業株式会社、商品名、大豆油脂肪酸変性アルキド樹脂のフェノール変性アルキド樹脂、重量平均分子量150000
(注4)タイピュアR902:デュポン株式会社、商品名、二酸化チタン、吸油量16ml/100g
(注5)SPARWITE W−5HB:Sino−Can Micronized Product co.,Ltd、商品名、硫酸バリウム、平均粒子径1.6μm、吸油量13ml/100g
(注6)K−WHITE105:テイカ株式会社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウム
(注7)サンライトSL1500:竹原化学工業株式会社、商品名、炭酸カルシウム
(注8)ディスパロンA603−20X:楠本化成株式会社、商品名、脂肪酸アマイドワックス
(注9)KBM−503:信越化学株式会社、商品名、メタクリロキシ基含有シランカップリング剤
(注10)ヘキソエートコバルト 12%:東栄化工株式会社、商品名、オクチル酸コバルト、固形分70%
(注11)DICNATE AL−500:DIC株式会社、商品名、アルミニウムキレート
(注12)スミジュールN3300 :(商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、固形分約100%、イソシアネート基含有率21.8%
(注13)タイペークCR−93:石原産業株式会社、商品名、チタン白、吸油量20ml/100g
(注14)ホスターパームエローH−3G:クラリアント社製、商品名、ハンザエロー系黄色顔料
(注15)Bayferrox4905:Lanxess株式会社、商品名、赤色顔料
(注16)バリファインBF−20:堺化学工業社製、商品名、平均粒子径0.03μmの硫酸バリウム、吸油量24ml/100g
(注17)TINUVIN 292:BASF株式会社、商品名、光安定化剤
(注18)KBM−403:信越化学株式会社、商品名、エポキシ基含有シランカップリング剤
(注19)TINUVIN 384:BASF株式会社、商品名、紫外線吸収剤
複層塗膜形成塗板の作成
実施例1 複層塗膜形成塗板No.1の作成
下記の工程1〜3によって、複層塗膜形成塗板No.1を得た。
工程1:リン酸亜鉛処理鋼板(大きさ0.8×70×150mm、パルボンド#144)に製造例3で得た下塗塗料組成物No.1を用い、硬化膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、25℃で3分間セッティングした。
工程2:次いで該下塗塗膜上に、製造例5で得た上塗ベース塗料組成物No.1を用い、硬化膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装にてウェットオンウェット塗装して、25℃で3分間セッティングした。
工程3:次いで該上塗ベース塗膜上に、製造例7で得られた上塗クリヤ塗料組成物を硬化膜厚が30μmになるようにスプレー塗装にてウェットオンウェット塗装して、3層の複層塗膜を形成した。
工程4:工程1〜3によって得られた塗膜を25℃で10分間セッティングした後、80℃で20分間加熱硬化させて複層塗膜形成塗板No.1を得た。
実施例2〜4及び比較例1〜3 複層塗膜形成塗板No.2〜7の作成
下塗塗料組成物、上塗ベース塗料組成物及び上塗クリヤ塗料組成物を表4の塗料組成物とする以外は、実施例1と同様にして、各複層塗膜形成塗板No.2〜7を得た。
なお、比較例3の複層塗膜形成塗板No.7は上塗クリヤ塗膜のない2層の複層塗膜であり、工程2のウエットオンウエット塗装後、25℃で10分間セッティングした後、80℃で20分間加熱硬化させて複層塗膜形成塗板を得た。
塗膜性能試験
各複層塗膜形成塗板について、後記の試験条件に従って塗膜性能試験に供した。結果を表4に併せて示す。
クリヤ塗膜 光線透過率(%):平滑なPTFE板に上塗クリヤ塗料組成物を硬化塗膜として30μmとなるように塗装し、室温約20℃の実験室に15分放置した後に、温風乾燥機を使用して80℃で20分間乾燥せしめて、硬化塗膜を得た。得られた塗膜を剥離してフリーフィルムを作成し、分光光度計UV3700(商品名、島津製作所社製)を使用して波長380nm〜780nmの光線透過率を測定し、平均値を表4に示した。
初期光沢(仕上り外観 60°グロス):JIS K5600−4−7(1999)の鏡面光沢度(60度)に準じて各複層塗膜形成塗板の光沢度を測定した。
鉛筆硬度:各複層塗膜形成塗板を、JIS K 5600−5−4に準じて、試験塗板面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。塗膜が破れなかったもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
キセノン(耐候性):各複層塗膜形成塗板に対し、JIS B 7754に規定されたスーパーキセノンウェザオメーター(商品名、スガ試験機社製)を使用し、1時間42分間のキセノンアークランプの照射と18分間の降雨条件における同ランプの照射による2時間を1サイクルとして、1000時間(500サイクル)、2000時間(1000サイクル)、3000時間(1500サイクル)の繰返し試験の終了後に、各控え塗板(初期塗板)に対する光沢保持率(GR%)と色差(ΔE)を測定することにより促進耐候性を評価した。
耐水性:各複層塗膜形成塗板について、23℃の温水に10日間浸漬した後の外観を下記基準にて評価した。
◎:試験前の塗膜に対して、全く外観の変化が認められない。
○:試験前の塗膜に対して、わずかにツヤびけ、フクレ又は変色が見られるが、製品とした時に問題の無いレベル。
△:試験前の塗膜に対して、若干、ツヤびけ、ワレ、フクレ又は変色が見られ、製品として劣る。
×:試験前の塗膜に対して、著しく、ツヤびけ、ワレ、フクレ又は変色が見られる。
防食性:各複層塗膜形成塗板に、ナイフで鋼板に到達する深さまでクロスカット傷を入れ、JIS Z−2371に準じて240時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎:錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm未満(片側)
○:錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm以上でかつ3mm未満(片側)
△:錆、フクレの最大幅が、カット部から3mm以上でかつ4mm未満(片側)
×:錆、フクレの最大幅が、カット部から4mm以上(片側)
生産性:以下の基準で評価した。
◎:2層の複層塗膜からなる2コート仕様と同等の生産性レベル
○:2層の複層塗膜からなる2コート仕様と遜色のない生産性レベル
Figure 2020199432
防食性、耐候性及び仕上り外観に優れ、生産性も良好なウェットオンウェットによる複層塗膜形成方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 被塗物上に、重量平均分子量40000〜200000のフェノール変性アルキド樹脂(A1)、重量平均分子量2000〜40000のフェノール変性アルキド樹脂(A2)、及びシランカップリング剤(B)を含有する下塗塗料組成物を塗装して、未硬化の下塗塗膜を形成し、
    該未硬化の下塗塗膜上に、アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する上塗ベース塗料組成物を塗装して、未硬化の上塗ベース塗膜を形成し、
    該未硬化の上塗ベース塗膜上に、アクリル樹脂、ポリイソシアネート化合物、レオロジーコントロール剤及び紫外線吸収剤を含有し、硬化塗膜として30μmの膜厚となるように塗装して得られる塗膜の波長380nm〜780nmの光線透過率が50%以上となる上塗クリヤ塗料組成物を塗装し、未硬化の上塗クリヤ塗膜を形成して、該未硬化の下塗塗膜、上塗ベース塗膜及び上塗クリヤ塗膜を同時に硬化させて、複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法。
  2. フェノール変性アルキド樹脂(A1)及び/又はフェノール変性アルキド樹脂(A2)が、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸及び大豆油脂肪酸から選ばれる少なくとも1種を構成成分とすることを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. フェノール変性アルキド樹脂(A1)及びフェノール変性アルキド樹脂(A2)の固形分総量を基準にして、フェノール変性アルキド樹脂(A1)が10〜70質量%、フェノール変性アルキド樹脂(A2)が30〜90質量%である、請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. シランカップリング剤(B)が、アミノ基含有シランカップリング剤及びエポキシ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 該下塗塗料組成物がさらに、金属がコバルト、マンガン、ジルコニウム、リチウム及びバリウムである金属ドライヤーから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  6. 該上塗クリヤ塗料組成物がアクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、体質顔料を1〜20質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  7. 該体質顔料が平均粒子径1.0μm以下の硫酸バリウムである請求項6に記載の複層塗膜形成方法。
  8. 該上塗クリヤ塗料組成物がアクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物の固形分総量に対して、着色顔料を1〜10質量%含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法を用いて塗装された建設機械又は産業機械。
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