以下、本発明の各実施の形態に係る制御装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る制御装置は、住戸内に設置された各種電気機器を管理するホームネットワークシステムにおける見守り機能として用いられるものである。このホームネットワークシステムでは、制御装置が、各種電気機器の動作状態を、宅内ネットワークを介して監視するとともに、制御情報を、宅内ネットワークを介して各種電気機器へ送信することにより、各種電気機器の動作を制御する機能を有する。このホームネットワークシステムにおいて、住戸内に居住する見守り対象である対象者の見守りを実施する際に見守り機能が実行される。本実施の形態に係る制御装置は、住戸内の予め設定された区域内における監視対象である対象者の存否を判定する存否判定部と、その区域内の対象者の存否に基づいて、予め設定された複数種類の監視モードから採用する監視モードを選択する監視モード選択部と、選択された監視モードに基づいて、前述の区域に設置された機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、選択された監視モードに基づいて、機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する電力取得部と、選択された監視モードに対応する予め設定された異常判定基準に基づいて、機器状態情報が示す機器の状態と消費電力情報が示す消費電力とから、前述の区域で異常が発生しているか否かを判定する異常判定部と、異常判定部により異常が発生していると判定されると、前述の区域で異常が発生していることを通知するメッセージを示すメッセージ情報を生成するメッセージ生成部と、を備える。
本実施の形態に係る制御システムは、例えば図1に示すように、住戸H1内に設置された制御装置1と、クラウドサーバ2と、サーバ3、4と、端末装置5と、を備え、住戸H1内および住戸H1内に存在する監視対象である対象者を見守る機能を有するものである。この制御システムでは、住戸H1内および住戸H1内に存在する対象者に異常が発生していると判定されると、その旨を通知するメッセージを示すメッセージ情報が、制御装置1から端末装置5、クラウドサーバ2およびサーバ3、4へ送信される。ここで、クラウドサーバ2は、例えば制御システムの製造メーカにより管理されている。サーバ3は、例えば住宅管理会社に設置され、サーバ4は、病院、介護施設等の公共機関の施設に設置されている。
制御装置1は、住戸H1内に設けられた宅内ネットワークNT2に接続され、住戸H1内に設置され宅内ネットワークNT2に接続されたルータ61およびデータ回線終端装置62を介して宅外ネットワークNT1に接続されている。宅内ネットワークNT2は、例えばECHONET Lite(登録商標)のような通信規格に適合した有線または無線のLAN(Local Area Network)である。ルータ61は、例えばブロードバンドルータである。データ回線終端装置62は、モデム、ゲートウェイ等の機能を有する。宅外ネットワークNT1は、例えばインターネットである。クラウドサーバ2およびサーバ3、4は、宅外ネットワークNT1および宅内ネットワークNT2を介して制御装置1と通信可能である。端末装置5は、例えばスマートフォンのような携帯端末であり、宅外ネットワークNT1および宅内ネットワークNT2を介して制御装置1と通信可能である。
また、住戸H1には、空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74、冷蔵庫75および照明器具(図示せず)が設置されている。空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74および冷蔵庫75は、それぞれ通信機能を有し、宅内ネットワークNT2を介して制御装置1と通信可能であり、運転状態を示す機器状態情報を制御装置1へ送信する。更に、住戸H1には、空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74および冷蔵庫75での消費電力を計測する電力計測装置8が設置されている。電力計測装置8も、通信機能を有し、宅内ネットワークNT2を介して制御装置1と通信可能であり、空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74、冷蔵庫75および照明器具での消費電力を示す消費電力情報を制御装置1へ送信する。ここで、空気調和機71は、例えば図2に示すように、住戸H1における検知エリアA1内に設置されたベッドBE1で寝ている対象者PE1を感知する人感センサ711を有する。この人感センサ711は、例えば焦電センサを有する物体検知装置であり、検知エリアA1内に存在する物体(例えば対象者PE1)から放射される赤外線を利用して赤外線画像を撮像する機能を有する。ここで、赤外線画像を構成する各画素の画素値は、撮像対象となる物体から放射される赤外線の相対的な強度を示している。
制御装置1は、例えば図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信インタフェース104と、これらを互いに接続するバス109と、を備える。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、半導体フラッシュメモリ、磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、CPU101が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。通信インタフェース104は、例えば無線モジュール、有線通信インタフェースであり、宅内ネットワークNT2を介して空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74、冷蔵庫75、電力計測装置8、照明器具およびルータ61と通信する。
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、検知情報取得部111、機器状態取得部112、電力取得部113、存否判定部114、監視モード選択部115、異常判定部116、メッセージ生成部117、メッセージ送信部118、状態記録部119および計時部120として機能する。なお、CPU101は、例えば宅内ネットワークNT2のインターネットプロトコル(IP)アドレスの管理を行い、宅内ネットワークNT2に接続された、空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74、冷蔵庫75、電力計測装置8、照明器具およびルータ61それぞれにIPアドレスを自動的に割り当てるいわゆるDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとして機能するものであってもよい。また、補助記憶部103は、温度記憶部131と、監視モード記憶部132と、判定基準記憶部133と、メッセージ記憶部134と、送信先記憶部135と、状態記憶部136と、を有する。
温度記憶部131は、例えば空気調和機71の人感センサ711により撮像される赤外線画像から算出される熱源の温度に対する基準温度範囲を示す情報を記憶する。温度記憶部131は、例えば熱源を対象者であると判定する場合の熱源の基準温度範囲の下限温度を示す情報と上限温度を示す情報とを記憶する。ここで、基準温度範囲は、一般的な人体の体表面温度は32℃から37℃あることを考慮して、例えば31.5℃から37.5℃に設定されてもよい。
監視モード記憶部132は、例えば図4に示すように、監視モード情報を、監視対象となる各種機器の状態を識別する監視対象識別情報に対応づけて記憶する。図4に示す例では、住戸H1内に対象者が存在すると判定された場合の監視モードが、住戸H1内の各種機器の操作が無い状態の継続時間、住戸H1内の急激な環境変化の有無、各種機器の異常動作または故障の有無を監視し、住戸H1内の機器の運転状態の監視を回避する監視モードに設定されている。一方、住戸H1内に対象者が存在しないと判定された場合の監視モードが、住戸H1内の各種機器の操作が無い状態の継続時間、住戸H1内の急激な環境変化の有無および各種機器の異常動作または故障の有無の監視を回避し、住戸H1内の機器の運転状態を監視する監視モードに設定されている。
判定基準記憶部133は、例えば図5に示すように、前述の監視対象識別情報それぞれについて、各種機器から取得する情報と、その情報に対応する判定基準を示す判定基準情報とを記憶する。図5に示す例では、冷蔵庫75の扉の開状態の継続時間ΔT0が継続時間閾値ΔT0th以上の場合、または、トイレ等に設置された照明器具の点灯状態の継続時間ΔT1が継続時間閾値ΔT1th以上の場合、住戸H1または対象者に異常が発生していると判定されるように設定されている。また、継続運転中の冷蔵庫75が停止している場合、または、住戸H1内に人が不在にも関わらず空気調和機71が稼働している場合、住戸H1または対象者に異常が発生していると判定されるように設定されている。更に、空気調和機71が設置された部屋の温度Th2が予め設定された温度上限閾値Th2max以上または予め設定された温度下限閾値Th2min以下である場合、住戸H1または対象者に異常が発生していると判定されるように設定されている。ここで、温度上限閾値ΔTh2maxは、例えば30℃に設定される。また、例えば空気調和機71が設置された部屋の温度Th3が温度閾値Th3th以上である場合、冷蔵庫75の扉の閉状態の継続時間ΔT4が継続時間閾値ΔT4th以上の場合、または、住戸H1内の各種機器の総消費電力P5が消費電力閾値P5th以上である場合、住戸H1または対象者に異常が発生していると判定されるように設定されている。そして、設定された監視モードにおいて採用された監視対象識別情報に対応付けられた取得情報のみについて、判定基準情報が示す判定基準を満たすか否かが判定される。
図3に戻って、メッセージ記憶部134は、端末装置5、クラウドサーバ2およびサーバ3、4へ通知するメッセージを示すメッセージ情報を記憶する。送信先記憶部135は、メッセージ情報の送信先である端末装置5、クラウドサーバ2およびサーバ3、4のIPアドレス情報のようなメッセージ情報の送信先を示す情報を記憶する。状態記憶部136、機器状態取得部112が取得した機器状態情報、電力取得部113が取得した消費電力情報および異常判定部116による判定結果を示す情報を、互いに対応づけて記憶する。
検知情報取得部111は、例えば空気調和機71に設けられた人感センサ711により撮像された赤外線画像を示す検知情報を、人感センサ711から宅内ネットワークNT2を介して取得する。
存否判定部114は、住戸H1内の予め設定された区域、例えば空気調和機71が設置された部屋内における対象者の存否を判定する。存否判定部114は、人感センサ711から出力される検知情報に基づいて、部屋内における対象者の存否を判定する。具体的には、存否判定部114は、前述の検知情報から得られる部屋内に存在する熱源の温度と、温度記憶部131が記憶する熱源の温度に対する基準温度範囲を示す情報と、に基づいて、部屋内における対象者の存否を判定する。ここで、存否判定部114は、検知情報に含まれる赤外線画像の情報が示す熱源が放射する赤外線の強度から熱源の温度を算出する。また、存否判定部114は、部屋内に存在する熱源の温度が、前述の熱源の温度に対する基準温度範囲内である場合、部屋内に対象者が存在すると判定する。そして、存否判定部114は、住戸H1内の対象者が通常滞在している空気調和機71が設置された部屋に対象者が存在しないと判定すると、住戸H1内に対象者が存在しないものと判定する。
監視モード選択部115は、例えば空気調和機71が設置された部屋内の対象者の存否に基づいて、前述の2種類の監視モードの中から採用する監視モードを選択する。監視モード選択部115は、住戸H1内に対象者が存在すると判定されると、監視モード記憶部132が記憶する監視モード情報を参照して、対象者が存在すると判定された場合の監視対象識別情報(例えば図4に示す監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3])の組み合わせを選択する。一方、監視モード選択部115は、住戸H1内に対象者が存在しないと判定されると、監視モード記憶部132が記憶する監視モード情報を参照して、対象者が存在しないと判定された場合の監視対象識別情報(例えば図4に示す監視対象識別情報ID1[1])を選択する。即ち、監視モード選択部115は、存否判定部114により部屋内に対象者が存在すると判定されると、冷蔵庫75の扉を閉める操作が無い或いは照明器具を消灯する操作が無い無操作状態の継続時間が継続時間閾値以上である場合、住戸H1で異常が発生しているとする監視モードを選択する。一方、監視モード選択部115は、存否判定部114により部屋内に対象者が不存在と判定されると、冷蔵庫75の扉を閉める操作が無い或いは照明器具を消灯する操作が無い無操作状態の継続時間に基づく異常の有無の判定を回避する監視モードを選択する。
機器状態取得部112は、選択された監視モードに基づいて、住戸H1内に設置された各種機器の状態を示す機器状態情報を取得する。機器状態取得部112は、監視モード選択部115により例えば図4に示す監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3]の組み合わせが選択された場合、判定基準記憶部133が記憶する取得情報を参照して、監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3]に対応づけられた取得情報を取得する。判定基準記憶部133が記憶する取得情報が、例えば図5に示すように設定されているとする。この場合、機器状態取得部112は、冷蔵庫75の扉の開閉状態を示す情報DA0[0]、照明器具の点灯状態を示す情報DA0[1]、空気調和機71が設置された部屋の温度を示す情報DA2[0]を、冷蔵庫75、照明器具、空気調和機71から取得する。一方、監視モード選択部115により監視対象識別情報ID1[1]が選択された場合、機器状態取得部112は、判定基準記憶部133が記憶する取得情報を参照して、冷蔵庫75の運転状態を示す情報DA1[0]および空気調和機71の運転状態を示す情報DA1[1]を、冷蔵庫75、空気調和機71から取得する。
図3に戻って、電力取得部113は、監視モードに基づいて、各種機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する。判定基準記憶部133が記憶する取得情報が例えば図5に示すように設定されている場合、監視モード選択部115により例えば図4に示す監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3]の組み合わせが選択されたとき、電力取得部113は、住戸H1の各種機器での消費電力を示す消費電力情報を、電力計測装置8から取得する。一方、監視モード選択部115により例えば図4に示す監視対象識別情報ID1[1]が選択されたとき、電力取得部113は、住戸H1の各種機器での消費電力を示す消費電力情報の電力計測装置8からの取得を回避する。
異常判定部116は、前述の監視モードに対応する予め設定された異常判定基準に基づいて、機器状態情報が示す機器の状態と消費電力情報が示す消費電力とから、住戸H1内で異常が発生しているか否かを判定する。判定基準記憶部133が記憶する取得情報が、例えば図5に示すように設定されているとする。この場合、異常判定部116は、監視モード選択部115により監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3]の組み合わせが選択された場合、判定基準記憶部133が記憶する判定基準情報を参照して、判定基準情報DAB0[0]、DAB0[1]、DAB2[0]、DAB2[0]、DAB3[1]、DAB2[2]が示す判定基準を満たすか否かを判定する。具体的には、異常判定部116は、冷蔵庫75から取得した冷蔵庫75の扉の開閉状態を示す情報DA0[0]に基づいて、冷蔵庫75の扉の開状態の継続時間ΔT0が予め設定された継続時間閾値ΔT0th以上であるか否かを判定し、継続時間ΔT0が継続時間閾値ΔT0th以上である場合、異常が発生したと判定する。継続時間閾値ΔT0thは、例えば12時間程度に設定される。ここで、冷蔵庫75の扉の開閉状態を示す情報DA0[0]は、扉が開状態と閉状態とのいずれであるかを示す情報と扉の累積開閉回数を示す開閉回数情報と、を含んでいる。そして、異常判定部116は、扉が開状態であることを示し且つ開閉回数情報が示す累積開閉回数が一定であることを示す情報DA0[0]を、継続時間閾値ΔT0th以上継続して取得し続けた場合、異常が発生したと判定する。
また、異常判定部116は、照明器具から取得した照明器具の点灯状態を示す情報DA0[1]に基づいて、照明器具の点灯状態の継続時間ΔT1が予め設定された継続時間閾値ΔT1th以上であるか否かを判定し、継続時間ΔT1が継続時間閾値ΔT1th以上である場合、異常が発生したと判定する。更に、異常判定部116は、空気調和機71から取得した部屋の温度を示す情報DA2[0]に基づいて、部屋の温度Th2が予め設定された温度上限閾値Th2max以上または予め設定された温度下限閾値Th2min以下であるか否かを判定し、部屋の温度Th2が温度上限閾値Th2max以上または予め設定された温度下限閾値Th2min以下である場合、異常が発生したと判定する。また、異常判定部116は、冷蔵庫75から取得した冷蔵庫75の扉の開閉状態を示す情報DA0[0]に基づいて、冷蔵庫75の扉の閉状態の継続時間ΔT4が予め設定された継続時間閾値ΔT4th以上であるか否かを判定し、継続時間ΔT4が継続時間閾値ΔT4th以上である場合、異常が発生したと判定する。更に、異常判定部116は、電力計測装置8から取得した消費電力情報DA3[2]に基づいて、住戸H1の各種機器の消費電力量P5が予め設定された消費電力量閾値P5th以上であるか否かを判定し、消費電力量P5が消費電力量閾値P5th以上である場合、異常が発生したと判定する。
一方、異常判定部116は、監視モード選択部115により監視対象識別情報ID1[1]が選択された場合、判定基準記憶部133が記憶する判定基準情報を参照して、判定基準情報DAB1[0]、DAB1[1]が示す判定基準を満たすか否かを判定する。具体的には、異常判定部116は、冷蔵庫75から取得した冷蔵庫75の運転状態を示す情報DA1[0]に基づいて、冷蔵庫75が停止しているか否かを判定し、冷蔵庫75が停止している場合、異常が発生したと判定する。また、異常判定部116は、空気調和機71から取得した空気調和機71の運転状態を示す情報DA1[1]に基づいて、空気調和機71が稼働しているか否かを判定し、空気調和機71が稼働している場合、異常が発生したと判定する。
図3に戻って、メッセージ生成部117は、異常判定部116により異常が発生していると判定されると、住戸H1内で異常が発生していることを通知するメッセージを示すメッセージ情報を生成する。メッセージ生成部117は、生成したメッセージをメッセージ記憶部134に記憶させる。メッセージ送信部118は、メッセージ記憶部134からメッセージ情報を取得するとともに、送信先記憶部135からメッセージ情報の送信先情報を取得し、取得したメッセージ情報を、取得した送信先情報が示す送信先へ送信する。状態記録部119は、機器状態取得部112が取得した機器状態情報、電力取得部113が取得した消費電力情報および異常判定部116による判定結果を示す情報を、互いに対応づけて状態記憶部136に記憶させる。計時部120は、現時点での時刻と予め設定された住戸H1の監視時期とを比較して、監視時期が到来したか否かを判定する。
次に、本実施の形態に係る制御装置1が実行する監視処理について図6を参照しながら説明する。この監視処理は、例えば制御装置1へ電源が投入されたことを契機として開始される。まず、計時部120は、予め設定された監視時期が到来したか否かを判定する(ステップS101)。監視時期は、例えば1minから10minの間の一定の時間間隔で到来するように設定される。計時部120が未だ監視時期が到来していないと判定する限り(ステップS101:No)、ステップS101の処理が繰り返し実行される。一方、計時部120により監視時期が到来したと判定されると(ステップS101:Yes)、検知情報取得部111は、人感センサ711から検知情報を取得する(ステップS102)。この検知情報は、例えば図7に示すような赤外線画像GA1を示す情報を含む。人感センサ711の検知エリアA1に熱源が存在する場合、赤外線画像GA1が、熱源の画像AP1を含む画像となる。
図6に戻って、次に、存否判定部114は、取得された検知情報に基づいて、部屋内に熱源が存在するか否かを判定する(ステップS103)。存否判定部114は、部屋内に熱源が存在しないと判定すると(ステップS103:No)、住戸H1内に対象者が不存在と判定し(ステップS104)、後述するステップS108の処理が実行される。一方、存否判定部114は、部屋内に熱源が存在すると判定すると(ステップS103:Yes)、検知情報に含まれる赤外線画像の情報が示す熱源が放射する赤外線の強度から熱源の温度を算出する(ステップS105)。続いて、存否判定部114は、算出した熱源の温度と、温度記憶部131が記憶する熱源の温度に対する基準温度範囲を示す情報と、に基づいて、熱源の温度Thhが基準温度範囲の下限温度Thhmin以上であり且つ基準温度範囲の上限温度Thhmax以下であるか否かを判定する(ステップS106)。存否判定部114により熱源の温度Thhが基準温度範囲外であると判定されると(ステップS106:No)、前述のステップS104の処理が実行される。
一方、存否判定部114は、熱源の温度Thhが下限温度Thhmin以上であり且つ上限温度Thhmax以下であると判定すると(ステップS106:Yes)、住戸H1内に対象者が存在すると判定する(ステップS107)。
その後、監視モード選択部115は、対象者の存否に応じて、前述の2種類の監視モードの中から採用する監視モードを選択する(ステップS108)。次に、機器状態取得部112が、選択された監視モードに基づいて、住戸H1内に設置された各種機器の状態を示す機器状態情報を取得し、電力取得部113が、選択された監視モードに基づいて、各種機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する(ステップS109)。ここで、電力取得部113は、住戸H1内に対象者が不存在と判定された場合に対応する監視モードが選択されている場合、消費電力情報の取得を回避する。
次に、異常判定部116は、前述の監視モードに対応する予め設定された異常判定基準に基づいて、機器状態情報が示す機器の状態と消費電力情報が示す消費電力とから、住戸H1内で異常が発生しているか否かを判定する(ステップS110)。異常判定部116により住戸H1内で異常が発生していないと判定されると(ステップS110:No)、後述するステップS113の処理が実行される。一方、異常判定部116により住戸H1内で異常が発生していると判定されると(ステップS110:Yes)、メッセージ生成部117は、住戸H1内で異常が発生していることを通知するメッセージを示すメッセージ情報を生成する(ステップS111)。続いて、メッセージ送信部118は、メッセージ生成部117が生成したメッセージ情報を、送信先記憶部135が記憶する送信先情報が示す送信先へ送信する(ステップS112)。その後、状態記録部119は、機器状態取得部112が取得した機器状態情報、電力取得部113が取得した消費電力情報および異常判定部116による判定結果を示す情報を、互いに対応づけて状態記憶部136に記憶させた後(ステップS113)、再びステップS101の処理が実行される。ここで、電力取得部113が消費電力情報の取得を回避した場合、状態記録部119は、消費電力情報の状態記憶部136への記憶を回避する。
以上説明したように、本実施の形態に係る制御装置1によれば、監視モード選択部115が、住戸H1内の対象者の存否に基づいて、2種類の監視モードから採用する監視モードを選択する。また、機器状態取得部112が、選択された監視モードに基づいて、住戸H1内に設置された各種機器の状態を示す機器状態情報を取得し、電力取得部113が、選択された監視モードに基づいて、各種機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する。そして、異常判定部116が、選択された監視モードに対応する異常判定基準に基づいて、各種機器の状態と各種機器の消費電力とから、住戸H1内で異常が発生しているか否かを判定する。これにより、住戸H1内における対象者の存否を考慮しつつ、対象者の状態を精度よく判定することができる。
また、本実施の形態に係る監視モード選択部115は、存否判定部114により部屋内に対象者が存在すると判定されると、冷蔵庫75の扉を閉める操作が無い或いは照明器具を消灯する操作が無い無操作状態の継続時間が継続時間閾値以上である場合、住戸H1で異常が発生しているとする判定基準に対応する監視モードを選択する。一方、監視モード選択部115は、存否判定部114により部屋内に対象者が不存在と判定されると、冷蔵庫75の扉を閉める操作が無い或いは照明器具を消灯する操作が無い無操作状態の継続時間に基づく異常の有無の判定を回避する監視モードを選択する。これにより、住戸H1内に対象者が存在しない場合における異常発生有無の誤判定を抑制することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る制御装置は、監視対象の対象者と、監視対象でない人と、ペットのような監視対象の対象動物と、が、それぞれ区域内に存在するか否かに応じて採用する監視モードを変更する点で実施の形態1に係る制御装置1と相違する。
本実施の形態に係る制御装置2001は、例えば図8に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信インタフェース104と、これらを互いに接続するバス109と、を備える。なお、図8において、実施の形態1と同様の構成については図3と同一の符号を付している。CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、検知情報取得部111、機器状態取得部112、電力取得部113、存否判定部2114、監視モード選択部2115、異常判定部2116、メッセージ生成部117、メッセージ送信部118、状態記録部119および計時部120として機能する。また、補助記憶部103は、熱源情報記憶部2131と、監視モード記憶部2132と、判定基準記憶部2133と、メッセージ記憶部134と、送信先記憶部2135と、状態記憶部136と、を有する。
熱源情報記憶部2131は、熱源が人であると判定する場合の熱源の温度に対する基準温度範囲の下限温度を示す情報と上限温度を示す情報とともに、熱源が高齢者である場合と高齢者以外の人である場合とを区別するための基準温度を示す情報を記憶する。ここで、基準温度範囲は、一般的な人体の体表面温度は32℃から37℃あり、小型の犬の場合が人体より1℃から2℃高い温度となることを考慮して、例えば31.5℃から39.5℃の範囲に設定されてもよい。また、基準温度は、乳幼児または子供の平均体温が37℃程度であることを考慮して、例えば36.8度に設定されてもよい。また、熱源情報記憶部2131は、人感センサ711から取得した検知情報が示す赤外線画像に含まれる熱源の画像の面積から熱源が人であるかペットであるかを区別するための基準面積範囲を示す情報と、予め設定された期間内における熱源の移動量に対する基準移動量を記憶する。ここで、予め設定された期間は、例えば5minから10minに設定され、基準移動量は、例えば1mに設定されてもよい。
監視モード記憶部2132は、例えば図9に示すように、住戸H1内に高齢者以外の人がいる場合、対象者である高齢者が存在する場合、対象動物であるペットが存在する場合および住戸H1内に人もペットも存在しない場合に対応する監視モード情報を記憶する。図9に示す例では、住戸H1内に高齢者以外の人が存在すると判定された場合の監視モードが、各種機器の異常動作または故障の有無を監視し、住戸H1内の各種機器の操作が無い無操作状態の継続時間、住戸H1内の機器の運転状態および住戸H1内の急激な環境変化の有無の監視を回避する監視モードに設定されている。また、住戸H1内に対象者である高齢者が存在すると判定された場合の監視モードが、住戸H1内の各種機器の操作が無い無操作状態の継続時間、住戸H1内の機器の運転状態、住戸H1内の急激な環境変化の有無および各種機器の異常動作または故障の有無を監視する監視モードに設定されている。更に、住戸H1内にペットが存在すると判定された場合の監視モードが、住戸H1内の機器の運転状態、住戸H1内の急激な環境変化の有無および各種機器の異常動作または故障の有無を監視し、住戸H1内の各種機器の操作が無い無操作状態の継続時間の監視を回避する監視モードに設定されている。但し、この場合の住戸H1内に機器の運転状態の監視方法は、住戸H1内に対象者である高齢者が存在すると判定された場合の監視モードとは異なっている。また、住戸H1内に人もペットも存在しないと判定された場合の監視モードが、住戸H1内の各種機器の操作が無い無操作状態の継続時間、住戸H1内の急激な環境変化の有無および各種機器の異常動作または故障の有無の監視を回避し、住戸H1内の機器の運転状態を監視する監視モードに設定されている。この場合の住戸H1内に機器の運転状態の監視方法は、住戸H1内にペットが存在すると判定された場合の監視モードと同じである。
判定基準記憶部2133は、例えば図10に示すように、前述の監視対象識別情報それぞれについて、各種機器から取得する情報と、その情報に対応する判定基準を示す判定基準情報とを記憶する。図10に示す例では、実施の形態1で図5を用いて説明した、住戸H1内の各種機器の操作が無い無操作状態の継続時間、機器の動作状態、急な環境変化の有無および機器の異常操作または故障の有無に対する判定基準情報に加えて、継続運転中の冷蔵庫75が停止している場合、または、空気調和機71が停止している場合、住戸H1または対象者に異常が発生していると判定される判定基準情報が記憶されている。そして、実施の形態1と同様に、設定された監視モードにおいて採用された監視対象識別情報に対応付けられた取得情報のみについて、判定基準情報が示す判定基準を満たすか否かが判定される。
送信先記憶部135は、例えば図11に示すように、送信先を示す送信先情報を、存否判定部2114による判定結果それぞれに対応づけて記憶する。図11に示す例では、存否判定部2114により住戸H1内に高齢者以外の人が存在すると判定された場合、メッセージ情報が、端末装置5、クラウドサーバ2へ送信され、存否判定部2114により住戸H1内に対象者である高齢者が存在すると判定された場合、メッセージ情報が、住宅管理会社に設置されたサーバ3および公共機関の施設に設置されたサーバ4へ送信されるように設定されている。また、存否判定部2114により住戸H1内にペットが存在すると判定された場合、メッセージ情報が、公共機関のサーバ4のみへ送信され、存否判定部2114により住戸H1内に人もペットも存在しないと判定された場合、メッセージ情報が、端末装置5と住宅管理会社に設置されたサーバ3とクラウドサーバ2とへ送信されるように設定されている。
存否判定部2114は、熱源情報記憶部2131が記憶する前述の基準温度範囲を示す情報、基準温度を示す情報、基準面積範囲を示す情報および基準移動量を示す情報を取得する。そして、存否判定部2114は、前述の検知情報から得られる熱源の温度、熱源の面積および熱源の移動量と、熱源情報記憶部2131から取得した情報と、に基づいて、部屋における高齢者以外の人、対象者である高齢者または対象動物であるペットそれぞれの存否を判定する。存否判定部2114は、監視時期毎に、熱源の位置を監視時期と対応づけて状態記憶部136に記憶させ、監視時期毎に前の監視時期からの熱源の移動量を算出する。そして、存否判定部2114は、予め設定された期間内の熱源の累積移動量が基準移動量以上であるか否かを判定する。ここで、存否判定部2114は、部屋内に存在する熱源の温度が、前述の熱源の温度に対する基準温度範囲内であり、熱源の面積が基準面積範囲内であり、熱源の温度が基準温度以下であり且つ予め設定された期間内の熱源の移動量が基準移動量未満である場合、部屋内に対象者が存在すると判定する。また、存否判定部2114は、熱源の温度が前述の基準温度範囲内であり、熱源の面積が基準面積範囲外である場合、部屋内にペットが存在すると判定する。更に、存否判定部2114は、熱源の温度が前述の基準温度範囲内であり、熱源の面積が基準面積範囲内であり、熱源の温度が基準温度よりも高い場合、或いは、熱源の温度が基準温度以下であり、熱源の移動量が基準移動量以上である場合、部屋内に高齢者以外の人が存在すると判定する。
監視モード選択部2115は、例えば空気調和機71が設置された部屋内の高齢者以外の人、対象者である高齢者またはペットの存否に基づいて、前述の4種類の監視モードの中から採用する監視モードを選択する。
異常判定部2116は、前述の監視モードに対応する予め設定された異常判定基準に基づいて、機器状態情報が示す機器の状態と消費電力情報が示す消費電力とから、住戸H1内で異常が発生しているか否かを判定する。判定基準記憶部2133が記憶する取得情報が、例えば図10に示すように設定されているとする。この場合、異常判定部2116は、監視モード選択部2115により監視対象識別情報ID1[0]、ID[2]、ID[3]、ID[4]の組み合わせが選択された場合、判定基準記憶部2133が記憶する判定基準情報を参照して、冷蔵庫75から取得した冷蔵庫75の運転状態を示す情報DA1[0]に基づいて、冷蔵庫75が停止しているか否かを判定し、冷蔵庫75が停止している場合、異常が発生したと判定する。また、異常判定部2116は、空気調和機71から取得した空気調和機71の運転状態を示す情報DA1[1]に基づいて、空気調和機71が停止しているか否かを判定し、空気調和機71が停止している場合、異常が発生したと判定する。
次に、本実施の形態に係る制御装置1が実行する監視処理について図12から図14を参照しながら説明する。まず、ステップS201からS203までの一連の処理が実行される。ステップS201からS203までの処理の内容は、実施の形態1で説明したステップS101からS103までの処理と同様である。ステップS203において、存否判定部2114が、部屋内に熱源が存在しないと判定すると(ステップS203:No)、部屋内に人およびペットが不存在と判定し(ステップS204)、後述するステップS213の処理が実行される。一方、存否判定部2114は、部屋内に熱源が存在すると判定すると(ステップS203:Yes)、実施の形態1と同様にして熱源の温度を算出する(ステップS205)。続いて、存否判定部2114は、実施の形態1と同様にして熱源の温度Thhが基準範囲の下限温度Thhmin以上であり且つ基準範囲の上限温度Thhmax以下であるか否かを判定する(ステップS206)。存否判定部2114により熱源の温度Thhが基準温度範囲外であると判定されると(ステップS206:No)、前述のステップS204の処理が実行される。
一方、存否判定部2114は、熱源の温度Thhが下限温度Thhmin以上であり且つ基準範囲の上限温度Thhmax以下であると判定すると(ステップS206:Yes)、熱源の面積Sが基準面積範囲の下限面積Smin以上であり且つ基準面積範囲の上限面積Smax以下であるか否かを判定する(ステップS207)。存否判定部2114は、熱源の面積Sが基準面積範囲外であると判定すると(ステップS207:No)、部屋内にペットが存在すると判定する(ステップS208)。例えば、人感センサ711の検知エリアA1にペットが存在する場合、例えば図13に示すような赤外線画像GA2が得られる。この赤外線画像GA2は、熱源であるペットの画像AP2を含む画像となる。ここで、画像AP2の面積は、9画素分に相当する面積である。一方、人感センサ711の検知エリアA1に対象者が存在する場合、前述の図7に示すような赤外線画像GA1が得られ、対象者の画像AP1の面積は、30画素分に相当する面積である。この場合、下限面積Sminは、例えば25画素分に相当する面積に設定され、上限面積Smaxは、例えば35画素分に相当する面積に設定される。
図12に戻って、その後、後述のステップS213の処理が実行される。一方、存否判定部2114により熱源の面積Sが下限面積Smin以上であり且つ基準面積範囲の上限面積Smax以下であると判定されると(ステップS207:Yes)、熱源の温度が基準温度Thhth以上であるか否かを判定する(ステップS209)。存否判定部2114は、熱源の温度が基準温度Thhth以上であると判定すると(ステップS209:Yes)、部屋内に高齢者以外の人が存在すると判定する(ステップS210)。次に、後述のステップS213の処理が実行される。一方、存否判定部2114は、熱源の温度が基準温度Thhth未満であると判定すると(ステップS209:No)、予め設定された期間内の熱源の移動量DMが基準移動量DMth以上であるか否かを判定する(ステップS211)。存否判定部2114は、熱源の移動量DMが基準移動量DMth以上であると判定すると(ステップS211:Yes)、部屋内に高齢者以外の人が存在すると判定する(ステップS210)。一方、存否判定部2114は、熱源の移動量DMが基準移動量DMth未満であると判定すると(ステップS211:No)、部屋内に対象者である高齢者が存在すると判定する(ステップS212)。
続いて、監視モード選択部2115は、対象者の存否に応じて、前述の4種類の監視モードの中から採用する監視モードを選択する(ステップS213)。次に、機器状態取得部112が、選択された監視モードに基づいて、住戸H1内に設置された各種機器の状態を示す機器状態情報を取得し、電力取得部113が、選択された監視モードに基づいて、各種機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する(ステップS214)。
その後、異常判定部2116は、前述の監視モードに対応する予め設定された異常判定基準に基づいて、機器状態情報が示す機器の状態と消費電力情報が示す消費電力とから、住戸H1内で異常が発生しているか否かを判定する(ステップS215)。異常判定部2116により住戸H1内で異常が発生していないと判定されると(ステップS215:No)、後述するステップS219の処理が実行される。一方、異常判定部2116により住戸H1内で異常が発生していると判定されると(ステップS215:Yes)、メッセージ生成部117は、前述のメッセージ情報を生成する(ステップS216)。続いて、メッセージ送信部118は、送信先記憶部2135が記憶する送信先情報の中から、存否判定部2114による判定結果に応じた送信先情報を選定する(ステップS217)。その後、メッセージ送信部118は、メッセージ生成部117が生成したメッセージ情報を、選定した送信先情報が示す送信先へ送信する(ステップS218)。その後、状態記録部119は、機器状態取得部112が取得した機器状態情報、電力取得部113が取得した消費電力情報および異常判定部2116による判定結果を示す情報を、互いに対応づけて状態記憶部136に記憶させた後(ステップS219)、再びステップS201の処理が実行される。
以上説明したように、本実施の形態に係る制御装置2001では、存否判定部2114が、住戸H1に存在する物体を検知する人感センサ711から出力される検知情報から得られる、住戸H1内に存在する物体の温度と大きさと移動量とに基づいて、住戸H1内における高齢者以外の人、対象者である高齢者または対象動物であるペットの存否を判定する。これにより、住戸H1内における高齢者以外の人、高齢者およびペットの存否に応じて監視モードを細かく変更することができる。従って、住戸H1内の状況に適した監視を実施することができる。
また、本実施の形態に係るメッセージ送信部118は、存否判定部2114により判定された住戸H1内における高齢者以外の人、高齢者およびペットの存否に応じて、メッセージ生成部117が生成したメッセージ情報を、予め設定された送信先へ送信する。これにより、住戸H1内における高齢者以外の人、高齢者およびペットの存否に応じて、端末装置5、クラウドサーバ2、住宅管理会社に設置されたサーバ3および公共機関に設置されたサーバ4へメッセージ情報を送信できる。従って、メッセージ情報を、住戸H1内の状況に適した送信先へ送信することができるので、住戸H1内で異常が発生した時に公共機関に属するスタッフが高齢者に連絡をとったり、住戸H1の状況の確認に住戸H1へ赴いたりすることができる。或いは、住戸H1に設置された各種機器の製造元に属するスタッフが、クラウドサーバ2を介して動作させるといった対応を取ることもできる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る制御装置は、住戸を含む施設への人の出入りを管理する入退場管理システムから対象者または対象動物の入場または対象を示す入退情報を取得する入退情報取得部を備えており、存否判定部が、入退情報取得部により取得された入退情報に基づいて、住戸内における対象者または対象動物の存否を判定する点で実施の形態1、2と相違する。
本実施の形態に係る制御システムは、例えば図15に示すように、住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26を含む施設B1の中の住戸H21内に設置された制御装置3001と、クラウドサーバ2と、サーバ3、4と、端末装置5と、を備える。なお、図15において、実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。また、施設B1のエントランスホールE1には、住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26を含む施設B1への人の出入りを管理する入退場管理システム3009が設置されている。
入退場管理システム3009は、例えば図16に示すように、施設B1のエントランスホールE1に設置された入退場ゲート3094と、エントランスホールE1の内側から入退場ゲート3094を監視する監視カメラ3092と、エントランスホールE1の外側から入退場ゲート3094を監視する監視カメラ3093と、監視装置3091と、を備える。監視装置3091は、ルータ3061、データ回線終端装置3062を介して宅外ネットワークNT1に接続されている。監視装置3091は、例えば図17に示すような監視カメラ3092、3093により撮像して得られる画像に対する画像特徴量を示す画像特徴量情報を、高齢者以外の人、高齢者またはペットの種別を示す種別情報に対応づけて記憶する画像特徴量記憶部3931を有する。また、監視装置3091は、監視カメラ3092、3093で撮像して得られる撮影画像情報と、画像特徴量記憶部3931が記憶する画像特徴量情報と、に基づいて、種別情報に対応する人またはペットが入退場ゲート3094を通って施設B1から外出したか或いは施設B1内へ入場したかを判定する。そして、監視装置3091は、種別情報に対応する人またはペットが入退場ゲート3094を通る毎に、入退場ゲート3094を通った人またはペットの種別情報と施設B1内へ入場したことを示す入場情報または施設B1から退場したことを示す退場情報とを含む入退情報を住宅管理会社に設置されているサーバ3へ送信する。
サーバ3は、入退場管理システム3009から受信した入退情報を、送信元の入退場管理システム3009が設置された施設B1を識別する施設識別情報に対応づけて管理する。また、サーバ3は、予め制御装置3001が設置された住戸H21に居住する人またはペットの種別情報を管理しており、入退場管理システム3009から受信した入退情報に含まれる種別情報が、制御装置3001が設置された住戸H21に居住する人またはペットの種別情報と一致した場合、その入退情報をクラウドサーバ2へ送信する。一方、クラウドサーバ2は、入退情報を受信すると、受信した入退情報を制御装置3001へ送信する。
制御装置3001は、施設B1への人の出入りを管理する入退場管理システム3009から対象者である高齢者または対象動物であるペットの入場または対象を示す入退情報取得し、取得した入退場情報に基づいて、住戸H21内における対象者または対象動物の存否を判定する。制御装置3001は、例えば図18に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信インタフェース104と、これらを互いに接続するバス109と、を備える。なお、図18において、実施の形態2と同様の構成については図8と同一の符号を付している。CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、入退情報取得部3111、機器状態取得部112、電力取得部113、存否判定部3114、監視モード選択部2115、異常判定部2116、メッセージ生成部117、メッセージ送信部118、状態記録部119および計時部120として機能する。また、補助記憶部103は、入退情報記憶部3131と、監視モード記憶部2132と、判定基準記憶部2133と、メッセージ記憶部134と、送信先記憶部2135と、状態記憶部136と、を有する。
入退情報記憶部3131は、例えば住戸H21に居住する人およびペットの施設B1へ入場しているか或いは施設B1から退場しているかを示す入退場フラグ情報を、住戸H21に居住する人およびペットの種別情報に対応づけて記憶している。
入退情報取得部3111は、クラウドサーバ2から対象者である高齢者またはペットを含む住戸H21に居住する人およびペットの入場または退場を示す入退情報を取得する。入退情報取得部3111は、入退場管理システム3009から住戸H21に居住する人およびペットの施設B1への入場を示す入退情報を取得すると、入退情報記憶部3131が記憶する、取得した入退情報に含まれる種別情報に対応する入退場フラグ情報の内容を「入場」を示す内容に更新する。一方、入退情報取得部3111は、入退場管理システム3009から住戸H21に居住する人およびペットの施設B1からの退場を示す入退情報を取得すると、入退情報記憶部3131が記憶する、取得した入退情報に含まれる種別情報に対応する入退場フラグ情報の内容を「退場」を示す内容に更新する。
存否判定部3114は、入退情報取得部3111により取得された入退情報に基づいて、住戸H21内における対象者である高齢者またはペットの存否を判定する。具体的には、存否判定部3114は、入退情報記憶部3131が記憶する入退場フラグ情報が「入場」を示す内容に設定されている場合、その入退場フラグ情報に対応する種別情報が示す人またはペットが住戸H21内に存在すると判定する。一方、存否判定部3114は、入退情報記憶部3131が記憶する入退場フラグ情報が「退場」を示す内容に設定されている場合、その入退場フラグ情報に対応する種別情報が示す人またはペットが住戸H21内に存在しないと判定する。
次に、本実施の形態に係る制御装置3001が実行する監視処理について図19を参照しながら説明する。まず、入退情報取得部3111は、入退場管理システム3009から住戸H21に居住する人およびペットの入場または退場を示す入退情報を取得したか否かを判定する(ステップS301)。入退情報取得部3111により入退場管理システム3009から入退情報を取得していないと判定されると(ステップS301:No)、後述するステップS304の処理が実行される。
一方、入退情報取得部3111は、入退場管理システム3009から入退情報を取得したと判定すると(ステップS301:Yes)、前述のように、取得した入退情報が示す内容に応じて、入退情報記憶部3131が記憶する、取得した入退情報に含まれる種別情報に対応する入退場フラグ情報の内容を更新する。そして、存否判定部3114は、入退情報記憶部3131が記憶する入退場フラグ情報の内容に基づいて、住戸H21における人またはペットの存否を判定する(ステップS302)。次に、監視モード選択部2115は、住戸H21に居住する人およびペットの存否に応じて、実施の形態2で説明した4種類の監視モードの中から採用する監視モードを選択する(ステップS303)。
次に、計時部120は、予め設定された監視時期が到来したか否かを判定する(ステップS304)。計時部120が、未だ監視時期が到来していないと判定すると(ステップS304:No)、再びステップS301の処理が実行される。一方、計時部120により監視時期が到来したと判定されると(ステップS304:Yes)、機器状態取得部112が、選択された監視モードに基づいて、住戸H1内に設置された各種機器の状態を示す機器状態情報を取得し、電力取得部113が、選択された監視モードに基づいて、各種機器での消費電力を示す消費電力情報を取得する(ステップS305)。続いて、ステップS306からS310までの一連の処理が実行される。ステップS306からS310までの処理の内容は、実施の形態2で図14を用いて説明したステップS215からS209までの処理と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る制御装置3001では、入退情報取得部3111が、クラウドサーバ2から入退情報を取得し、存否判定部3114が、入退情報取得部3111により取得された入退情報に基づいて、住戸H21内における対象者を含む人またはペットの存否を判定する。これにより、例えば施設B1内の複数の住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26それぞれに制御装置3001を設置することにより、複数の住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26それぞれに居住する人またはペットの監視を、入退場管理システム3009から取得する入退情報を用いて、各住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26それぞれに居住する人またはペットの存否を考慮しつつ一括して行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態によって限定されるものではない。例えば、実施の形態1、2に係る制御装置1、2001が、判定基準記憶部133、2133が記憶する判定基準情報を住戸H1の外部の環境変化に応じて更新する判定基準更新部(図示せず)を更に備えるものであってもよい。判定基準更新部は、例えば気象サーバ(図示せず)から宅外ネットワークNT1を介して住戸H1の外気温を示す気温情報を取得し、取得した気温情報に基づいて判定基準情報を更新するようにしてもよい。例えば、判定基準更新部が、気温情報が示す気温が予め設定された温度上限閾値Th2maxよりも高い場合、温度上限閾値Th2maxを気温情報が示す気温よりも予め設定された温度だけ高い温度に更新するようにしてもよい。
実施の形態3において、制御装置3001が、例えば図20に示すような入退場管理システム4009により得られる対象者または対象動物の入退情報を取得し、取得した入退情報に基づいて、住戸内における対象者の存否を判定するものであってもよい。この入退場管理システムは、ICカードキーCAにより入退場管理を行うシステムである。入退場管理システム4009は、施設B1の住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26に居住する居住者U1が所有するICカードキーCAを認識して開閉する入退場ゲート4094と、入退場ゲート4094の入口側に設置された入場検知部4093と、入退場ゲート4094の出口側に設置された退場検知部4092と、入退場監視装置4091と、を有する。施設B1の住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26に居住する人は、それぞれICカードキーCAを所持しており、施設B1のエントランスホールE1に設置された入退場ゲート4094を通る際に入場検出部4093または退場検出部4092にICカードキーCAを検知させる操作を行う。入場検出部4093および退場検出部4092は、ICカードキーCAを検知すると、ICカードキーCAに書き込まれた住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26に居住する人の識別情報を読み取って入退場監視装置4091へ送信する。入退場監視装置4091は、住戸H21、H22、H23、H24、H25、H26に居住する居住者U1が入退場ゲート4094を通る毎に、入退場ゲート4094を通った居住者U1の識別情報と施設B1内へ入場したことを示す入場情報または施設B1から退場したことを示す退場情報とを含む入退情報を住宅管理会社に設置されているサーバ3へ送信する。
この場合、サーバ3は、予め制御装置3001が設置された住戸H21に居住する居住者U1の識別情報を管理しており、入退場管理システム3009から受信した入退情報に含まれる識別情報が、制御装置3001が設置された住戸H21に居住する居住者U1の識別情報と一致した場合、その入退情報を制御装置3001へ送信するようにすればよい。
実施の形態1では、人感センサ711が、例えば焦電センサを有する物体検知装置である例について説明したが、これに限らず、例えば人感センサ711が、可視光センサを有し、検知エリアA1に存在する物体に可視光を照射したときに得られる可視光画像を撮像する機能を有するものであってもよい。この場合、人感センサ711は、可視光センサとともに、検知エリアA1に存在する物体の表面温度を計測する非接触温度センサを有するものとすればよい。
実施の形態1において、制御装置1が、住戸H1内における対象者の在否に応じて、空気調和機71、72、テレビ73、炊飯器74、冷蔵庫75、照明器具等の各種電気機器の運転を制御するものであってもよい。例えば制御装置1が、空気調和機71、72へ運転の開始を指令する運転開始指令情報、運転の停止を指令する停止指令情報または運転モードを指令する運転モード指令情報を生成する指令情報生成部(図示せず)と、運転開始指令情報、停止指令情報または運転モード指令情報を空気調和機71、72へ送信する指令情報送信部(図示せず)と、を備えるものであってもよい。ここで、指令情報生成部は、例えば存否判定部114により部屋内に対象者が存在すると判定されると、空気調和機71、72へ運転の開始を指令する運転開始指令情報を生成し、存否判定部114により部屋内に対象者が存在しないと判定されると、空気調和機71、72へ運転の停止を指令する停止指令情報を生成する。本構成によれば、住戸H1内の利用者が空気調和機71、72の操作を行わなくても住戸H1内の環境を快適に維持できる。
実施の形態3において、制御装置が、定期的に監視モード情報を住宅管理会社のサーバ3から取得し、監視モード情報を取得する毎に、取得した監視モード情報が示す監視モードに設定するものであってもよい。この場合、サーバ3は、予め、住戸H21における少なくとも1種類の監視モードを示す監視モード情報を、入退情報に対応づけて記憶する監視モード記憶部(図示せず)を有する。そして、サーバ3は、入退場管理システム3009から入退情報を受信すると、監視モード記憶部から受信した入退情報に対応する監視モード情報を取得し、取得した監視モード情報を、送信元の入退場管理システム3009が設置された施設B1を識別する施設識別情報と、入退情報に対応する人の住戸H21を識別する住戸識別情報と、に対応づけて管理する。ここで、住戸H21に設置された制御装置は、サーバ3から定期的に住戸H21の住戸識別情報に対応付けられた監視モード情報を取得し、取得した監視モード情報が示す監視モードで監視処理を実行する。この場合、制御装置は、住戸H21内における対象者または対象動物の存否を判定しない構成とすることができる。
クラウドサーバ2は、制御装置から監視モード情報の取得を要求する監視モード要求情報を受信すると、サーバ3に対して監視モード情報の送信を要求する監視モード要求情報をサーバ3へ送信する。監視モード要求情報には、制御装置が設置された住戸H21を有する施設B1の施設識別情報と住戸H21の住戸識別情報とが含まれている。一方、サーバ3は、監視モード要求情報を受信すると、受信した監視モード要求情報に含まれる施設識別情報と住戸識別情報との組み合わせに対応する監視モード情報を特定し、特定した監視モード情報をクラウドサーバ2へ送信する。そして、クラウドサーバ2は、サーバ3から監視モード情報を受信すると、受信した監視モード情報を制御装置へ送信する。このように、制御装置は、クラウドサーバ2を経由してサーバ3から監視モード情報を取得する。
例えば図21に示すように、本変形例に係る制御装置4001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、監視モード取得部4111、機器状態取得部112、電力取得部113、監視モード選択部2115、異常判定部2116、メッセージ生成部117、メッセージ送信部118、状態記録部119および計時部120として機能する。なお、図21において、実施の形態3と同様の構成については図18と同一の符号を付している。補助記憶部103は、監視モード記憶部2132と、判定基準記憶部2133と、メッセージ記憶部134と、送信先記憶部2135と、状態記憶部136と、を有する。
監視モード取得部4111は、クラウドサーバ2を介してサーバ3から監視モード情報を取得する。計時部120は、現時点での時刻と予め設定された住戸H1の監視時期とを比較して、監視時期が到来したか否かを判定するとともに、現時点での時刻と予め設定された監視モード情報の取得時期とを比較して、監視モード情報取得時期が到来したか否かを判定する。
次に、本変形例に係る制御装置4001が実行する監視処理について図22を参照しながら説明する。なお、図22において、実施の形態3に係る監視処理と同様の処理については、図19と同一の符号を付している。まず、計時部120は、監視モード取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS401)。計時部120により監視モード取得時期が未だ到来していないと判定されると(ステップS401:No)、そのままステップS304の処理が実行される。一方、計時部120により監視モード取得時期が到来したと判定されると(ステップS401:Yes)、監視モード取得部4111が、クラウドサーバ2を介してサーバ3から監視モード情報を取得する(ステップS402)。次に、監視モード選択部2115は、実施の形態2で説明した4種類の監視モードの中から、監視モード取得部4111が取得した監視モードを選択する(ステップS403)。続いて、ステップS304以降の処理が実行される。
本構成によれば、住戸H21内における対象者または対象動物の存否を判定しない構成とすることができるので、制御装置4001の構成の簡素化並びに制御装置4001の処理負荷を軽減することができる。
また、本発明に係る制御装置1、2001、3001、4001の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。