JP2020197655A - 光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP2020197655A
JP2020197655A JP2019104512A JP2019104512A JP2020197655A JP 2020197655 A JP2020197655 A JP 2020197655A JP 2019104512 A JP2019104512 A JP 2019104512A JP 2019104512 A JP2019104512 A JP 2019104512A JP 2020197655 A JP2020197655 A JP 2020197655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
cable
fiber cable
tensile strength
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019104512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7156178B2 (ja
Inventor
佐藤 文昭
Fumiaki Sato
佐藤  文昭
鈴木 洋平
Yohei Suzuki
洋平 鈴木
高見 正和
Masakazu Takami
正和 高見
太郎 藤田
Taro Fujita
太郎 藤田
遼太 福本
Ryota Fukumoto
遼太 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2019104512A priority Critical patent/JP7156178B2/ja
Priority to CN201980068307.6A priority patent/CN112867952B/zh
Priority to PCT/JP2019/043542 priority patent/WO2020095958A1/ja
Priority to EP19881929.4A priority patent/EP3879323B1/en
Priority to US17/290,315 priority patent/US11378766B2/en
Publication of JP2020197655A publication Critical patent/JP2020197655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7156178B2 publication Critical patent/JP7156178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】空気圧送用の光ファイバケーブルにおいて、空気圧送に適した曲げ剛性を有する光ファイバケーブルを提供する。【解決手段】一部または全ての光ファイバ心線間において、隣接する光ファイバ心線間が連結された連結部と、隣接する光ファイバ心線間が連結されていない非連結部とが長手方向に間欠的に設けられた間欠連結型の光ファイバテープ心線2と、複数の光ファイバテープ心線を内包するケーブル外被4と、ケーブル外被内部に埋め込まれるように設けられた2本以上の抗張力体と、を有する光ファイバケーブル1Aである。光ファイバケーブルの径方向の曲げ剛性は、全周方向で0.3N・m2以上1.5N・m2以下であり、光ファイバ心線の心数をケーブル断面積で割った心密度が5.0心/mm2以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、複数の光ファイバ心線を備えた光ファイバケーブルに関する。
特許文献1には、パイプ内に間欠連結型の光ファイバテープ心線を備える光ファイバケーブルが記載されている。
特許文献2には、間欠連結型の光ファイバテープ心線を構成する単心被覆光ファイバを複数本集合した光ファイバ束の外周に識別用糸を巻いて構成されるユニットが実装された光ファイバケーブルが記載されている。
特許文献3には、スロットロッド型の光ファイバケーブルが記載されている。
特表2015−517679号公報 特開2010−8923号公報 特開2014−71441号公報
光ファイバケーブルは、外被両側に抗張力体を有する構造の場合、断面視において抗張力体同士を結んだ線に対して90度方向には曲がりやすく、当該方向への曲げ剛性が低い傾向がある。一方、抗張力体がある方向には曲がりにくく、当該方向への曲げ剛性が大きい傾向がある。すなわち、上記構造の光ファイバケーブルには、曲げ異方性がある。
空気圧送用の光ファイバケーブルを上記構造にすると、曲げ異方性があるので、ダクト内で空気圧送や押し込みする際などにおいて、曲げ剛性が低い方向に曲がりやすく、ダクトの途中で座屈するおそれがある。
また、空気圧送用の光ファイバケーブルは、光ファイバを高密度実装するために、細径化および軽量化が望まれており、光ファイバ径も、従来の250μmから200μmに細径化されて来ている。また、さらに高密度化するために、外被厚を薄くしたり、硬質の外被を用いたりする場合がある。このため、外被に細い抗張力体しか入れられず、光ファイバケーブルの剛性が低下したり、外被の線膨張を抑制するのが難しい、という課題がある。
本開示は、空気圧送用の光ファイバケーブルにおいて、空気圧送に適した曲げ剛性を有する光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る光ファイバケーブルは、一部または全ての光ファイバ心線間において、隣接する光ファイバ心線間が連結された連結部と、隣接する光ファイバ心線間が連結されていない非連結部とが長手方向に間欠的に設けられた間欠連結型の光ファイバテープ心線と、
複数の前記光ファイバテープ心線を内包するケーブル外被と、
前記ケーブル外被内部に埋め込まれるように設けられた2本以上の抗張力体と、
を有し、
当該光ファイバケーブルの径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下であり、
前記光ファイバ心線の心数をケーブル断面積で割った心密度が5.0心/mm以上である。
本開示によれば、空気圧送用の光ファイバケーブルにおいて、空気圧送に適した曲げ剛性を有する光ファイバケーブルを提供することができる。
第一実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の一例を示す平面図である。 第二実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 第三実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 第四実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 ケーブル圧送評価装置を示す模式図である。
(本開示の実施形態の説明)
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る光ファイバケーブルは、
(1)一部または全ての光ファイバ心線間において、隣接する光ファイバ心線間が連結された連結部と、隣接する光ファイバ心線間が連結されていない非連結部とが長手方向に間欠的に設けられた間欠連結型の光ファイバテープ心線と、
複数の前記光ファイバテープ心線を内包するケーブル外被と、
前記ケーブル外被内部に埋め込まれるように設けられた2本以上の抗張力体と、
を有し、
当該光ファイバケーブルの径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下であり、
前記光ファイバ心線の心数をケーブル断面積で割った心密度が5.0心/mm以上である。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、間欠連結型光ファイバテープ心線を用いることによって、心密度が5.0心/mm以上の空気圧送用の光ファイバケーブルを実現できる。上記構成の光ファイバケーブルは、上記曲げ剛性の範囲内であることにより、空気圧送に適した適度な曲げ剛性を得ることができる。また、径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上であるので、光ファイバケーブルを空気圧送する際の座屈を抑制でき、径方向の曲げ剛性が、全周方向で1.5N・m以下であるので、光ファイバケーブルの余長を収納する際の収納性が良好である。
(2)前記抗張力体の本数は4本であり、
断面視において当該光ファイバケーブルの中心を挟んで対向する位置に対になる2本の前記抗張力体が2対設けられ、
4本の前記抗張力体の断面視における位置は、対になる2本の前記抗張力体をそれぞれ結ぶ2本の直線が直交する位置であってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、4本の抗張力体がケーブル外被内部にバランスよく存在するので、光ファイバケーブルの曲げ異方性(曲げやすい方向の偏り)を抑制することができる。これにより、当該光ファイバケーブルを良好に空気圧送することができる。
(3)前記抗張力体は、断面が前記ケーブル外被の曲面に沿った円弧状に形成された板状の部材であってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、ケーブル外被の中心から見て大きな角度にわたって、抗張力体がケーブル外被内部に埋め込まれているので、光ファイバケーブルの曲げ異方性を抑制することができる。これにより、当該光ファイバケーブルを良好に空気圧送することができる。
(4)前記ケーブル外被を形成する部材の断面積に対する複数の前記抗張力体の総断面積の比が2.4%以上であってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、ケーブル外被を形成する部材の断面積に対する抗張力体の断面積の割合が大きくなるので、光ファイバケーブルの剛性を高くすることができる。
(5)前記抗張力体は、繊維強化プラスチックであってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、抗張力体が繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)であるので、光ファイバケーブルの剛性を確保しつつ軽量化することができる。
(6)前記繊維強化プラスチックがアラミドFRPであってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、アラミドFRPはケーブル外被よりも線膨張係数が小さいので、低温時のケーブル外被の収縮を抑制できる。
(7)前記ケーブル外被は、シリコン系滑剤を含んでもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、ケーブル外被の摩擦係数を低くできるので、光ファイバケーブルをダクト内で空気圧送する際に、ケーブル外被とダクトとの摩擦が減り、圧送距離を伸ばすことができる。
(8)前記ケーブル外被は、外周部に突起を有してもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、光ファイバケーブルをダクト内で空気圧送する際に、ケーブル外被とダクトとの間の接触面積を減らすことができる。これにより、ケーブル外被とダクトとの摩擦が減り、圧送距離を伸ばすことができる。
(9)前記突起は、当該突起が突出する方向の端部が曲面で構成されており、
前記曲面の曲率半径が2.5mm以上であってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、突起の突出する方向の端部が曲面で構成されており、その曲率半径が2.5mm以上であるので、上記端部が緩やかな形状となっている。これにより、光ファイバケーブルをクロージャ等の配線部材に挿入する際に、突起部による凹凸で気密性が悪くなることを抑制できる。よって、クロージャ内への浸水等を抑制できる。
(10)前記突起は、当該光ファイバケーブルの径方向に突出した断面視で板状の突出体であって、
前記突出体は、当該光ファイバケーブルの長手方向に沿って連続的に螺旋状に配置されている。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、当該光ファイバケーブルの径方向に突出した断面視で板状の突出体が、光ファイバケーブルの長手方向に沿って連続的に螺旋状に配置されているので、突出体の内側の面が当該長手方向に沿った風圧を受けやすい。このため、光ファイバケーブルの長手方向に沿って風が送られたとき、突出体が風圧を受けるので、光ファイバケーブルをダクト内で空気圧送する際に、圧送距離を伸ばすことができる。
(11)前記光ファイバ心線は、ガラスファイバと、当該ガラスファイバの外周を覆う被覆とを有し、
前記被覆は、二層の被覆層を含み、
前記二層の被覆層のうちの外側の被覆層は、
ウレタンアクリレートオリゴマーまたはウレタンメタアクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含有するベース樹脂と、
疎水性の無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物の硬化物であり、
前記樹脂組成物における前記無機酸化物粒子の含有量が、前記樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上45質量%以下であってもよい。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、光ファイバ心線における被覆を構成する外側の被覆層として、上記の樹脂組成物の硬化物を用いることにより、光ファイバ心線の耐側圧性が強くなる。これにより、光ファイバケーブルの伝送損失の増加を抑えることができる。
(12)前記光ファイバ心線は、波長1550nmの曲げ損失が、曲げ直径φ15mm×1ターンで0.5dB以下、曲げ直径φ20mm×1ターンで0.1dB以下である。
上記構成の光ファイバケーブルによれば、上記のような光ファイバ心線を用いることで、側圧特性が改善され、また、低温損失特性を改善させることができる。
(本開示の実施形態の詳細)
本開示の実施形態に係る光ファイバケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(第一実施形態)
図1および図2を参照して、第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aについて説明する。
図1は、光ファイバケーブル1Aの長さ方向に垂直な断面図である。図1に示すように、光ファイバケーブル1Aは、複数の光ファイバテープ心線2と、光ファイバテープ心線2の周囲を覆う吸水テープ3と、吸水テープ3の周囲を覆うケーブル外被4と、ケーブル外被4の内部に設けられた抗張力体5A(5)および引き裂き紐6とを備えている。
吸水テープ3は、複数の光ファイバテープ心線2全体の周囲に、例えば、縦添えまたは横巻で巻回されている。吸水テープ3は、例えば、ポリエステル等からなる基布に吸水性のパウダーを付着させることによって吸水加工を施したものである。
ケーブル外被4は、例えば、ポリエチレン(PE)等の樹脂で形成されている。ケーブル外被4の樹脂は、ヤング率が500Pa以上であることが好ましい。また、ケーブル外被4には、シリコン系の滑剤が含まれていることが好ましい。シリコン系の滑剤は、例えば、2wt%以上の割合で含まれていることが好ましい。ケーブル外被4は、例えば、熱可塑性の樹脂であり、吸水テープ3が巻回された複数の光ファイバテープ心線2に対して樹脂を押出成形することにより形成される。
抗張力体5Aは、ケーブル外被4の内部に埋め込まれるように設けられている。抗張力体5Aは、繊維強化プラスチック(FRP)で形成されている。抗張力体5Aは、例えば、アラミドFRP、ガラスFRP、カーボンFRP等であるが、可撓性が優れたアラミドFRPを用いることが好ましい。なお、アラミドFRPはケーブル外被4よりも線膨張係数が小さいので、低温時のケーブル外被4の収縮を抑制できる。抗張力体5Aは、断面視が円形状に形成されている。抗張力体5Aは、複数(本例では4本)設けられている。
4本の各抗張力体5Aは、断面視において当該光ファイバケーブルの中心を挟んで対向する位置に対になる2本の抗張力体5Aが2対設けられている。この4本の抗張力体5Aの断面視における位置は、対になる2本の抗張力体5Aをそれぞれ結ぶ2本の直線が直交する位置となっている。各抗張力体5Aは、光ファイバケーブル1Aの長手方向に沿って、ケーブル外被4内に設けられている。
引き裂き紐6は、ケーブル外被4を引き裂くためのものであり、ケーブル外被4内に光ファイバケーブル1Aの長手方向に沿って埋設されている。本例の場合、引き裂き紐6は2本設けられている。2本の引き裂き紐6は、隣り合う抗張力体5Aのほぼ中間位置に、対向するように設けられている。引き裂き紐6を引き出すことによってケーブル外被4を長手方向に引き裂き、光ファイバテープ心線2を取り出すことができる。引き裂き紐6は、例えば、引っ張りに強いプラスチック材料(例えばポリエステル)で形成されている。
このような構成の光ファイバケーブル1Aにおいて、ケーブル外被4を形成する部材の断面積に対する4本の抗張力体5Aの総断面積の比は、2.4%以上である。例えば、外径10mm、外被厚1.2mmの外被に、外径0.5mmのアラミドFRP4本を入れた場合、ケーブル外被4を形成する部材の断面積に対する4本の抗張力体5Aの総断面積の割合は2.42%となる。上記構造にすれば、−30〜+70℃の損失温度特性が0.1dB/km以下となるため、ケーブル外被4を形成する部材の断面積に対する4本の抗張力体5Aの総断面積の比率は、2.4%以上とすることが望ましい。
図2は、光ファイバケーブル1Aに収容される光ファイバテープ心線2の一例を示す。図2に示すように、光ファイバテープ心線2は、複数の光ファイバ心線11A〜11Lが並列に配置された状態で、隣接する光ファイバ心線間が連結された連結部12と、隣接する光ファイバ心線間が連結されていない非連結部13とが長手方向に間欠的に設けられている間欠連結型の光ファイバテープ心線である。
本例の光ファイバテープ心線2は、12本の光ファイバ心線11A〜11Lが並列に配置されている。図2には、光ファイバ心線11A〜11Lを配列方向に開いた状態の光ファイバテープ心線2の平面図と、光ファイバ心線11Aの断面図が示されている。連結部12と非連結部13とが間欠的に設けられている箇所は、図2に示すように一部の光ファイバ心線間であってもよく、または、全ての光ファイバ心線間であってもよい。図2に示す例では、光ファイバ心線11Aと11B、11Cと11D、11Eと11F、11Gと11H、11Iと11J、11Kと11L、の各線間には非連結部13が設けられていない。
光ファイバテープ心線2における連結部12は、例えば紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等からなる連結樹脂14を、光ファイバ心線間に塗布することによって形成される。連結樹脂14が所定の光ファイバ心線間に塗布されることにより、連結部12と非連結部13とが間欠的に設けられるとともに、各光ファイバ心線11A〜11Lが並列状態で一体化される。連結樹脂14は、並列された光ファイバ心線11A〜11Lで形成される並列面の片面のみに塗布するようにしてもよいし、両面に塗布するようにしてもよい。また、光ファイバテープ心線2は、例えば並列された光ファイバ心線11A〜11Lの片面、若しくは両面全体にテープ樹脂を塗布して、全ての光ファイバ心線11A〜11Lを連結させてから、回転刃等で一部を切断して非連結部13を形成するように作製してもよい。
光ファイバ心線11A〜11Lは、例えばコアとクラッドで構成されるガラスファイバ15と、ガラスファイバ15の外周を被覆する二層の被覆層16,17と、を有する。二層の被覆層のうちの内側の被覆層16はプライマリ樹脂の硬化物で形成されている。また、二層の被覆層のうちの外側の被覆層17はセカンダリ樹脂の硬化物で形成されている。光ファイバ心線11A〜11Lは、いわゆる細径の心線であり、その外径Aは165μm以上220μm以下である。
ガラスファイバ15と接触する内側の被覆層16を構成するプライマリ樹脂には、バッファ層として比較的ヤング率が低い軟質の樹脂が用いられている。また、外側の被覆層17を構成するセカンダリ樹脂には、保護層として比較的ヤング率が高い硬質の樹脂が用いられている。当該セカンダリ樹脂の硬化物は、例えば23℃におけるヤング率が900Mpa以上であり、好ましくは1000MPa以上、さらに好ましくは1500MPa以上である。
被覆層17を構成することになるセカンダリ樹脂は、ウレタンアクリレートオリゴマーまたはウレタンメタアクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物であることが好ましい。樹脂組成物における無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上45質量%以下である。
以下、アクリレート又はそれに対応するメタアクリレートのことを、(メタ)アクリレートと称する。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。このオリゴマーは、例えば、分子量4000のポリプロピレングリコール、イソホロンジイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールを反応させることなどによって得られる。
フェノキシ基を有するモノマーとしては、フェノキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。例えば、フェノキシ基を有するモノマーは、ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成株式会社の商品名「アロニックスM−113」)などである。
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができ、例えば、光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどである。
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。例えば、シランカップリング剤は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどである。
疎水性の無機酸化物粒子は、無機酸化物粒子の表面に疎水性の基が導入されている。無機酸化物粒子は、例えばシリカ粒子である。疎水性の基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の反応性基、又は、炭化水素基(例えば、アルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基)等の非反応性基であってもよい。
被覆層17を構成することになるセカンダリ樹脂に無機酸化物粒子を配合することで、光ファイバ心線11A〜11Lの側圧特性が改善される。被覆層16を構成することになるプライマリ樹脂および上記セカンダリ樹脂は、例えば紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等で形成されている。また、光ファイバ心線11A〜11Lは、波長1550nmの曲げ損失が、曲げ直径φ15mm×1ターンで0.5dB以下、曲げ直径φ20mm×1ターンで0.1dB以下の、ITU−T G.657A2相当の曲げ損失であることが好ましい。このような光ファイバ心線を用いることでも、側圧特性が改善され、また、低温損失特性を改善させることができる。
光ファイバテープ心線2は、光ファイバケーブル1A内に収容される際、丸められて集合した状態にされている。或いは、複数の光ファイバテープ心線2を撚り合せてユニットとし、複数のユニットを集合した状態にされていてもよい。なお、集合された状態の複数の光ファイバテープ心線2は、バンドル材等で束ねられていてもよく、或いは、上記ユニット毎にバンドル材等で束ねられていてもよい。
以上のような構成の光ファイバケーブル1Aにおいて、光ファイバケーブル1Aの径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下である。また、複数の光ファイバテープ心線2を構成する全光ファイバ心線の心数を光ファイバケーブル1Aのケーブル断面積で割った心密度は、5.0心/mm以上である。また、一般的なマイクロダクト径が14mm以下であるため、光ファイバケーブル1Aの外径は11mm以内であることが望ましい。空気圧送することを考慮すると、光ファイバケーブル1Aの単位重量は、200kg/km以下であることが望ましい。
例えば、光ファイバケーブル1Aの外径が10mmで、ケーブル外被4の厚さが1.0mm、光ファイバ心線の外径Aが200μmであり、光ファイバケーブル1Aのケーブル外被4内に収容する12心の光ファイバテープ心線2の枚数が36枚であれば、そのときの全光ファイバ心線の心数は432心となり、心密度は5.5心/mmとなる。なお、本例では12心の光ファイバテープ心線2を用いているが、例えば、16心あるいは24心等の光ファイバテープ心線を用いてもよい。
上記第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aは、複数の光ファイバテープ心線2と、これらの光ファイバテープ心線2の周囲を覆うケーブル外被4と、ケーブル外被4内部に埋設された4本の抗張力体5Aとを備えている。そして、光ファイバケーブル1Aの径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下となるように構成されている。また、光ファイバテープ心線2を構成する光ファイバ心線11A〜11Lの全心数をケーブル断面積で割った心密度が5.0心/mm以上となるように構成されている。
間欠連結型の光ファイバテープ心線2を用いることにより、各光ファイバテープ心線2および複数の光ファイバテープ心線2同士を、間欠連結型ではない光ファイバテープ心線と比較して、より高密度の集合体にすることが可能である。このため、空気圧送用の光ファイバケーブルとして、心密度が5.0心/mm以上の光ファイバケーブルを実現できる。また、光ファイバテープ心線2の集合体の外径を小さくすることができるので、心密度を5.0心/mm以上に確保しつつ、ケーブル外被4を厚く形成して当該ケーブル外被4内に比較的太い抗張力体5Aを埋設することが可能である。これにより、光ファイバケーブル1Aの剛性を高めることができる。また、光ファイバケーブル1Aの径方向の曲げ剛性を全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下の範囲とすることにより、空気圧送に適した適度な曲げ剛性を有する光ファイバケーブルとすることができる。例えば、上記の曲げ剛性が0.3N・m以上であるので、光ファイバケーブル1Aを空気圧送する際の座屈の発生を抑制することができる。また、上記の曲げ剛性が1.5N・m以下であるので、光ファイバケーブル1Aの余長を例えばハンドホール等に収納する際に、光ファイバケーブル1Aを適度な大きさに束ねることが可能であり収納性が良好である。
また、光ファイバケーブル1Aは、ケーブル外被4内部に、断面視において光ファイバケーブル1Aの中心を挟んで対向する位置に対になる2本の抗張力体5Aが2対設けられている。すなわち、光ファイバケーブル1Aは、ケーブル外被4内部に、4本の抗張力体5Aが設けられている。4本の抗張力体5Aの断面視における位置は、対になる2本の抗張力体5Aをそれぞれ結ぶ2本の直線が直交する位置となっている。このため、4本の抗張力体5Aがケーブル外被4内部にバランスよく存在するので、光ファイバケーブル1Aの曲げ異方性(曲げやすい方向の偏り)を抑制することができる。したがって、このような構成によれば、さらに空気圧送に適した曲げ剛性を有する光ファイバケーブルとすることができる。
また、光ファイバケーブル1Aは、ケーブル外被4を形成する部材の断面積に対する抗張力体5Aの断面積の比が2.4%以上となるように構成されている。さらに、抗張力体5Aが繊維強化プラスチックで構成されている。このため、抗張力体5Aの割合が大きくなるので、光ファイバケーブル1Aの剛性を適度に高くすることができ、空気圧送に適した光ファイバケーブル1Aとすることができる。また、繊維強化プラスチックを用いることで光ファイバケーブル1Aの剛性を確保しつつ軽量化することができる。また、抗張力体5Aの割合が大きくなるので、ケーブル外被4の線膨張係数よりも小さい線膨張係数の繊維強化プラスチックを用いることにより、低温時のケーブル外被4の収縮を効果的に抑制することができる。
また、光ファイバケーブル1Aは、ケーブル外被4の樹脂にシリコン系滑剤が含まれている。このため、ケーブル外被4の摩擦係数を低くできるので、光ファイバケーブル1Aをダクト内で空気圧送する際に、ケーブル外被4とダクトとの摩擦が減り通線性が良くなって圧送距離を伸ばすことができる。また、ケーブル外被4の樹脂は、ヤング率が500Pa以上であるので、例えば光ファイバケーブル1Aに曲げが加えられた際の耐側圧性を高めることができる。
また、光ファイバケーブル1Aによれば、光ファイバ心線11A〜11Lの被覆を構成する外側の被覆層17として、上記の樹脂組成物の硬化物を用いることで、光ファイバ心線11A〜11Lの耐側圧性を強くすることができる。したがって、このような光ファイバ心線11A〜11Lを用いて光ファイバテープ心線2を構成すれば、光ファイバケーブル1Aに収容したときの伝送損失の増加を抑えることができる。
また、光ファイバ心線11A〜11Lを、ITU−T G.657A2相当の曲げ損失とすることでも側圧特性が改善され、低温損失特性も改善させることができる。
(第二実施形態)
図3を参照して、第二実施形態に係る光ファイバケーブル1Bについて説明する。なお、上記第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aと同様の構成については同じ符号を付しその説明を省略する。
図3は、光ファイバケーブル1Bの長さ方向に垂直な断面図である。図3に示すように、光ファイバケーブル1Bは、複数の間欠連結型の光ファイバテープ心線2と、光ファイバテープ心線2の周囲を覆う吸水テープ3と、吸水テープ3の周囲を覆うケーブル外被4と、ケーブル外被4の内部に設けられた抗張力体5B(5)および引き裂き紐6とを備えている。抗張力体5Bは、断面がケーブル外被4の曲面に沿った円弧状に形成された板状の抗張力体である。
抗張力体5Bは、複数(本例では2枚)設けられている。2枚の抗張力体5Bは、ケーブル外被4の内部に設けられ、対向するように配置されている。抗張力体5Bは、例えば、光ファイバケーブル1Bにおける中心角θが30度〜90度の範囲となる円弧状に設けられている。2枚の抗張力体5Bの総断面積は、ケーブル外被4を形成する部材の断面積の2.4%以上である。抗張力体5Bの径方向における厚さBは、ケーブル外被4の曲面に沿った抗張力体5Bの円弧の長さに応じて調整される。抗張力体5Bは、アラミド、ガラス等の繊維強化プラスチックで形成される板状の部材であり、上記第一実施形態の抗張力体5Aと同様に、光ファイバケーブル1Bの長手方向に沿って設けられている。その他の構成については、上記光ファイバケーブル1Aと同様である。
上記第二実施形態に係る光ファイバケーブル1Bによれば、光ファイバケーブル1Bの中心から見て、ケーブル外被4における大きな角度(例えば中心角θ=30度〜90度の範囲)にわたり2枚の抗張力体5Bが埋設されている。このため、光ファイバケーブル1Bは、外被両側に断面視が円形状の抗張力体を有する構造の光ファイバケーブルの場合に比べて、さらに曲げ異方性を抑制することができる。また、光ファイバケーブル1Bの剛性を適度に高くすることができる。これにより、空気圧送に適した光ファイバケーブルとすることができる。
(第三実施形態)
図4を参照して、第三実施形態に係る光ファイバケーブル1Cについて説明する。なお、上記第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aと同様の構成については同じ符号を付しその説明を省略する。
図4は、光ファイバケーブル1Cの長さ方向に垂直な断面図である。図4に示すように、光ファイバケーブル1Cは、複数の間欠連結型の光ファイバテープ心線2と、光ファイバテープ心線2の周囲を覆う吸水テープ3と、吸水テープ3の周囲を覆うケーブル外被4と、ケーブル外被4の内部に設けられた抗張力体5および引き裂き紐6とを備えている。
なお、抗張力体5は、第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aにおける、断面視が円形状に形成されている4本の抗張力体5Aと同様のものとして図示したが、第二実施形態に係る光ファイバケーブル1Bにおける、断面視が板状の2枚の抗張力体5Bと同様のものでもよい。
さらに、光ファイバケーブル1Cは、ケーブル外被4の外周部に突起8を有している。
突起8は、複数(本例では8条)設けられている。8条の突起8は、光ファイバケーブル1Cの長手方向に沿って設けられている。各突起8は、長手方向に沿って連続して設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。また、8条の突起8は、断面視において、ケーブル外被4の外周部にほぼ等間隔に設けられている。突起8は、当該突起8が突出する方向の端部8aが曲面で構成されており、当該曲面の曲率半径が2.5mm以上となるように形成されている。突起8は、押出成形によってケーブル外被4と一体的に形成されている。その他の構成については、上記光ファイバケーブル1Aと同様である。
上記第三実施形態に係る光ファイバケーブル1Cによれば、光ファイバケーブル1Cの長手方向に沿って、ケーブル外被4の外周部に複数の突起8が設けられている。このため、光ファイバケーブル1Cをダクト内で空気圧送する際に、当該突起8がダクトの内壁と接触することになるので、ケーブル外被4とダクトとの間の接触面積を減らすことができる。これにより、ケーブル外被4とダクトとの摩擦が減り、圧送距離を伸ばすことができる。
また、光ファイバケーブル1Cによれば、突起8は、その突出する方向の端部8aが曲面で構成されており、その曲率半径が2.5mm以上の緩やかな形状となるように形成されている。これにより、例えば、光ファイバケーブル1Cをクロージャ等の配線部材に挿入する際に、クロージャの挿通孔と光ファイバケーブル1Cの外周との間に突起8の凹凸による隙間が発生するのを抑制することができ、クロージャの気密性の低下を抑制できる。よって、クロージャ内への浸水等を抑制できる。
(第四実施形態)
図5を参照して、第四実施形態に係る光ファイバケーブル1Dについて説明する。なお、上記第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aと同様の構成については同じ符号を付しその説明を省略する。
図5は、光ファイバケーブル1Dの長さ方向に垂直な断面図である。図5に示すように、光ファイバケーブル1Dは、複数の間欠連結型の光ファイバテープ心線2と、光ファイバテープ心線2の周囲を覆う吸水テープ3と、吸水テープ3の周囲を覆うケーブル外被4(4a,4b)と、ケーブル外被4(4a,4b)の内部に設けられた抗張力体5および引き裂き紐6とを備えている。
なお、抗張力体5は、第一実施形態に係る光ファイバケーブル1Aにおける、断面視が円形状に形成されている4本の抗張力体5Aと同様のものとして図示したが、第二実施形態に係る光ファイバケーブル1Bにおける、断面視が板状の2枚の抗張力体5Bと同様のものでもよい。
さらに、光ファイバケーブル1Dは、ケーブル外被4(4a,4b)から、光ファイバケーブル1Dの径方向に突出した、断面視で板状の突出体9を有している。本例の場合、ケーブル外被4(4a,4b)は、内側の層4aと外側の層4bの二つの層で形成されており、突出体9は、外側の層4bから突出するように設けられている。この板状の突出体9は、複数枚(本例では8枚)設けられている。8枚の板状の突出体9は、光ファイバケーブル1Dの長手方向に沿って連続的に螺旋状に配置されている。このように、ケーブル外被4(外側の層4b)の外周部から、光ファイバケーブル1Dの径方向に突出した板状の突出体9が、光ファイバケーブル1Dの長手方向に沿って螺旋状に配置された構成となっている。この構成により、突出体9の側面は、光ファイバケーブル1Dの径方向に交差するように傾きつつ、長手方向に沿って螺旋状に捻られるように、当該長手方向に沿って連続した面となっている。このため、光ファイバケーブル1Dの長手方向に沿って風が送られたとき、突出体9の側面に当該長手方向に沿って流れる空気が当たって、突出体9が風圧を受ける。なお、ここでは突出体9が長手方向に沿って連続的に配置された例で説明したが、突出体9は、長手方向に、間欠的に配置されていても良い。間欠的に配置されている場合は、螺旋状に配置されていなくても、突出体の断面で風を受けることができるが、螺旋状に配置されていた方が、より風圧を受けやすい。
また、8枚の板状の突出体9は、断面視において円弧状に湾曲していた板状に形成され、ケーブル外被4の外周部にほぼ等間隔に設けられている。突出体9は、変形容易な柔軟性のある薄板状の樹脂で構成されており、その材質としては、比較的軟質な樹脂である低密度ポリエチレンやエラストマー等の樹脂が挙げられる。突出体9は、例えば押出成形によってケーブル外被4の外側の層4bと一体的に形成されていている。ケーブル外被4は、外側の層4bが、突出体9と同じヤング率が低い軟質の樹脂で形成され、内側の層4aが、保護層として機能するように比較的ヤング率が高い硬質の樹脂で形成された、2層構造とされている。その他の構成については、上記光ファイバケーブル1Aと同様である。
上記第四実施形態に係る光ファイバケーブル1Dは、上記のように、突出体9が光ファイバケーブル1Dの長手方向に沿った風圧を受けやすい構成となっているので、当該長手方向に沿って風が送られたとき、突出体9が風圧を受ける。これにより、光ファイバケーブル1Dをダクト内で空気圧送する際に、圧送距離を伸ばすことができる。
また、突出体9は、クロージャに固定する所を外周から押えると変形し、径方向に折り畳まれた状態に変形可能である。このため、例えば、光ファイバケーブル1Dをクロージャ等の配線部材に挿入する際に、クロージャの挿通孔と光ファイバケーブル1Dの外周との間に突出体9の凹凸による隙間が発生するのを抑制することができ、クロージャの気密性の低下を抑制できる。よって、クロージャ内への浸水等を抑制できる。
(実施例)
本実施形態に係る光ファイバケーブルにおいて、抗張力体およびその本数が異なる複数のサンプルに対して、圧送距離および収納性の評価を行った。その評価結果を表1に示す。
Figure 2020197655
表1において、サンプルNo.1は、ケーブル外被の両側に断面視が円形状の2本の抗張力体を埋設した従来構造の比較用光ファイバケーブルである。サンプルNo.2〜4は、断面視が円形状の4本の抗張力体を埋設したものであり、構造は光ファイバケーブル1Aと同じである。サンプルNo.5,6は、2枚の板状の抗張力体を埋設したものであり、構造は光ファイバケーブル1Bと同じである。なお、板状の抗張力体としては、直径約0.7mm、1.2mmのアラミドFRPを別工程で扁平させ、板状にして押出時にケーブル外被へ埋め込んだ。
また、サンプルNo.1,2の抗張力体は、外径が0.5mmのガラスFRPである。サンプルNo.3の抗張力体は、外径が0.5mmのアラミドFRPである。サンプルNo.4の抗張力体は、外径が1.0mmのガラスFRPである。サンプルNo.5の抗張力体は、厚さが0.5mmのアラミドFRPである。サンプルNo.6の抗張力体は、厚さが1.0mmのアラミドFRPである。
曲げ剛性の最大と最小とは、各光ファイバケーブルを径方向に曲げるときの最大曲げ剛性となる方向の曲げ剛性値と、最小曲げ剛性となる方向の曲げ剛性値とを示す。曲げ剛性の測定方法は、IEC60794 Stiffness(MethodE17A)に準拠している。なお、図1の構造であれば、曲げ剛性は、抗張力体5Aの方向に曲げた場合に最大値となり、抗張力体5Aの方向から45度ずれた方向で、最小値となる。
圧送距離は、図6に示す圧送装置を用いて、IECに準拠したマイクロダクト圧送試験を行った。パイプ20の長さは1000mであり、100m毎に折り返されている。パイプ20の曲がり(R)はパイプ外径の40倍であり、パイプ20の内径は14mmである。開口21が空気と光ファイバケーブルの送入口であり、開口22が空気と光ファイバケーブルの送出口である。空気圧力は1.3MPa〜1.5MPaとした。
圧送距離の評価は、圧送距離が1000m以上のものを評価A、圧送距離が800m以上1000m未満のものを評価B、圧送距離が800m未満のものを評価Cとした。
収納性の評価は、1.2m立方のスペースに5m束を収納できるか否かで判断し、収納できるものをOK、収納できないものをNGとした。
表1の評価結果によれば、圧送距離が1000m以上のサンプル(評価Aのサンプル)は、No.2〜6であった。一方、圧送距離が800m未満のサンプル(評価Cのサンプル)は、No.1であった。これにより、光ファイバケーブルにおいて、曲げ剛性の最小値が0.3N・m以上である場合に1000m以上の圧送が可能であることが分かった。
また、収納性がOKのサンプルは、No.1〜3,5であった。一方、収納性がNGのサンプルは、No.4,6であった。これにより、光ファイバケーブルにおいて、曲げ剛性の最大値が1.5N・m以下である場合に収納性が良く、曲げ剛性の最大値が3.5N・m以上の場合に収納性が悪いことが分かった。
また、さらに光ファイバケーブルの圧送特性を向上させるために、ケーブル外被4について検討した。その結果、ケーブル外被にシリコン系滑剤を添加することで、ケーブル外被の摩擦係数を小さくすることができ、例えば、光ファイバケーブルを擦り合わせた際の動摩擦係数が約1/3になることが分かった。
また、さらに光ファイバケーブルの特性を向上させるために、光ファイバ心線11A〜11Lのセカンダリ樹脂について検討した。その結果、セカンダリ樹脂に無機酸化物粒子を配合することで、光ファイバテープ心線の側圧特性を改善することができ、心密度を1.0〜1.5心/mm程度高められることが分かった。
また、ITU−T G.657A2相当の光ファイバ心線を使用しても、同様の効果を上げることができる。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。また、上記説明した構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等に変更することができる。
1A〜1D:光ファイバケーブル
2:間欠連結型光ファイバテープ心線
3:吸水テープ
4:ケーブル外被
4a:(ケーブル外被4の)内側の層
4b:(ケーブル外被4の)外側の層
5、5A、5B:抗張力体
6:引き裂き紐
8:突起
9:突出体
11A〜11L:光ファイバ心線
12:連結部
13:非連結部
14:連結樹脂
15:ガラスファイバ
16:内側の被覆層
17:外側の被覆層
20:パイプ
21、22:開口

Claims (12)

  1. 一部または全ての光ファイバ心線間において、隣接する光ファイバ心線間が連結された連結部と、隣接する光ファイバ心線間が連結されていない非連結部とが長手方向に間欠的に設けられた間欠連結型の光ファイバテープ心線と、
    複数の前記光ファイバテープ心線を内包するケーブル外被と、
    前記ケーブル外被内部に埋め込まれるように設けられた2本以上の抗張力体と、
    を有し、
    当該光ファイバケーブルの径方向の曲げ剛性が、全周方向で0.3N・m以上1.5N・m以下であり、
    前記光ファイバ心線の心数をケーブル断面積で割った心密度が5.0心/mm以上である、
    光ファイバケーブル。
  2. 前記抗張力体の本数は4本であり、
    断面視において当該光ファイバケーブルの中心を挟んで対向する位置に対になる2本の前記抗張力体が2対設けられ、
    4本の前記抗張力体の断面視における位置は、対になる2本の前記抗張力体をそれぞれ結ぶ2本の直線が直交する位置である、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記抗張力体は、断面が前記ケーブル外被の曲面に沿った円弧状に形成された板状の部材である、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記ケーブル外被を形成する部材の断面積に対する複数の前記抗張力体の総断面積の比が2.4%以上である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記抗張力体は、繊維強化プラスチックである、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記繊維強化プラスチックがアラミドFRPである、
    請求項5に記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記ケーブル外被は、シリコン系滑剤を含む、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  8. 前記ケーブル外被は、外周部に突起を有する、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  9. 前記突起は、当該突起が突出する方向の端部が曲面で構成されており、
    前記曲面の曲率半径が2.5mm以上である、
    請求項8に記載の光ファイバケーブル。
  10. 前記突起は、当該光ファイバケーブルの径方向に突出した断面視で板状の突出体であって、
    前記突出体は、当該光ファイバケーブルの長手方向に沿って連続的に螺旋状に配置されている、
    請求項8に記載の光ファイバケーブル。
  11. 前記光ファイバ心線は、ガラスファイバと、当該ガラスファイバの外周を覆う被覆とを有し、
    前記被覆は、二層の被覆層を含み、
    前記二層の被覆層のうちの外側の被覆層は、
    ウレタンアクリレートオリゴマーまたはウレタンメタアクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含有するベース樹脂と、
    疎水性の無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物の硬化物であり、
    前記樹脂組成物における前記無機酸化物粒子の含有量が、前記樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上45質量%以下である、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
  12. 前記光ファイバ心線は、波長1550nmの曲げ損失が、曲げ直径φ15mm×1ターンで0.5dB以下、曲げ直径φ20mm×1ターンで0.1dB以下である、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光ファイバケーブル。
JP2019104512A 2018-11-06 2019-06-04 光ファイバケーブル Active JP7156178B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019104512A JP7156178B2 (ja) 2019-06-04 2019-06-04 光ファイバケーブル
CN201980068307.6A CN112867952B (zh) 2018-11-06 2019-11-06 光纤缆线
PCT/JP2019/043542 WO2020095958A1 (ja) 2018-11-06 2019-11-06 光ファイバケーブル
EP19881929.4A EP3879323B1 (en) 2018-11-06 2019-11-06 Optical fiber cable
US17/290,315 US11378766B2 (en) 2018-11-06 2019-11-06 Optical fiber cable

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019104512A JP7156178B2 (ja) 2019-06-04 2019-06-04 光ファイバケーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020197655A true JP2020197655A (ja) 2020-12-10
JP7156178B2 JP7156178B2 (ja) 2022-10-19

Family

ID=73647936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019104512A Active JP7156178B2 (ja) 2018-11-06 2019-06-04 光ファイバケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7156178B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4187298A1 (en) 2021-11-24 2023-05-31 Sterlite Technologies Limited Optical fibre cable for air blowing installation

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4805392A (en) * 1987-03-02 1989-02-21 Societa' Cavi Pirelli S.P.A. Optical fiber cable manufacturing apparatus
JPH0269706A (ja) * 1988-09-06 1990-03-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 被覆光ファイバ
JP2000019366A (ja) * 1998-04-28 2000-01-21 Fujikura Ltd 圧送用光ファイバユニット
JP2001021781A (ja) * 1999-07-05 2001-01-26 Hitachi Cable Ltd 空気圧送用光ファイバケーブル
JP2001264601A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ケーブル
JP2002357750A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Mitsubishi Cable Ind Ltd 多心光ファイバケーブル
JP2003255205A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Samsung Electronics Co Ltd パッドを備えた小型軽量の光ケーブル
WO2006051898A1 (ja) * 2004-11-11 2006-05-18 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 光ケーブル
WO2015053146A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 株式会社フジクラ 光ファイバユニット、光ファイバ分岐方法、及び、光ファイバケーブル
JP2017142285A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 住友電気工業株式会社 光ファイバケーブル
WO2018101041A1 (ja) * 2016-12-01 2018-06-07 株式会社フジクラ 光ケーブル及び外被除去方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4805392A (en) * 1987-03-02 1989-02-21 Societa' Cavi Pirelli S.P.A. Optical fiber cable manufacturing apparatus
JPH0269706A (ja) * 1988-09-06 1990-03-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 被覆光ファイバ
JP2000019366A (ja) * 1998-04-28 2000-01-21 Fujikura Ltd 圧送用光ファイバユニット
JP2001021781A (ja) * 1999-07-05 2001-01-26 Hitachi Cable Ltd 空気圧送用光ファイバケーブル
JP2001264601A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ケーブル
JP2002357750A (ja) * 2001-03-30 2002-12-13 Mitsubishi Cable Ind Ltd 多心光ファイバケーブル
JP2003255205A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Samsung Electronics Co Ltd パッドを備えた小型軽量の光ケーブル
WO2006051898A1 (ja) * 2004-11-11 2006-05-18 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 光ケーブル
WO2015053146A1 (ja) * 2013-10-07 2015-04-16 株式会社フジクラ 光ファイバユニット、光ファイバ分岐方法、及び、光ファイバケーブル
JP2017142285A (ja) * 2016-02-08 2017-08-17 住友電気工業株式会社 光ファイバケーブル
WO2018101041A1 (ja) * 2016-12-01 2018-06-07 株式会社フジクラ 光ケーブル及び外被除去方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4187298A1 (en) 2021-11-24 2023-05-31 Sterlite Technologies Limited Optical fibre cable for air blowing installation

Also Published As

Publication number Publication date
JP7156178B2 (ja) 2022-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7156181B2 (ja) 光ファイバケーブル
WO2020256019A1 (ja) 光ファイバケーブル
USRE41388E1 (en) Signal transmitting cable
US6934452B2 (en) Optical fiber cables
WO2020095958A1 (ja) 光ファイバケーブル
JP7273960B2 (ja) ローラブルリボンおよび中央強度部材を有する光ファイバケーブル
WO2022004666A1 (ja) 光ファイバケーブル
JP2020197655A (ja) 光ファイバケーブル
WO2021201107A1 (ja) 光ファイバケーブル
WO2022153970A1 (ja) 光ファイバケーブル及びコネクタ付きケーブル
GB2409908A (en) Signal transmitting cable
AU2007209831B2 (en) Signal Transmitting Cable
WO2023113012A1 (ja) 光ファイバケーブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7156178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150