JP2020196674A - 容器入り化粧品 - Google Patents

容器入り化粧品 Download PDF

Info

Publication number
JP2020196674A
JP2020196674A JP2019102257A JP2019102257A JP2020196674A JP 2020196674 A JP2020196674 A JP 2020196674A JP 2019102257 A JP2019102257 A JP 2019102257A JP 2019102257 A JP2019102257 A JP 2019102257A JP 2020196674 A JP2020196674 A JP 2020196674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
cosmetic composition
acid
test
cosmetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019102257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7023462B2 (ja
Inventor
吉本 博
Hiroshi Yoshimoto
博 吉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshimoto R&D Inc
Original Assignee
Yoshimoto R&D Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshimoto R&D Inc filed Critical Yoshimoto R&D Inc
Priority to JP2019102257A priority Critical patent/JP7023462B2/ja
Publication of JP2020196674A publication Critical patent/JP2020196674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7023462B2 publication Critical patent/JP7023462B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】 簡易かつ安価に、二酸化炭素を経皮吸収させることにより、各種効能を発揮させるとともに、一定期間の使用期間中に品質変化が生じることを防止することが可能となる容器入り化粧品を提供する。【解決手段】 クエン酸等の有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、を含有し、有機酸1重量部に対して、炭酸水素ナトリウムを1.35重量部〜10.0重量部を含み、pHが5.0〜8.5であり、20℃の水溶液に溶解させた際の粘度が1.5mPa・S〜1950mPa・Sである化粧品組成物を、容器本体10と、ポンプ部20と、当該ポンプ部20における吐出口25a及び吸液部25bの間に介設される逆流防止手段とを備える容器Y1に充填した化粧品とした。【選択図】 図1

Description

本発明は、二酸化炭素の経皮吸収性能に優れた化粧品組成物を封入(充填)した容器入り化粧品に関する。
遊離炭酸(HCO -[炭酸水素イオン]の状態で、水中に溶解している炭酸ガス成分)を含有する炭酸泉に入浴することにより、当該炭酸泉内の炭酸成分が皮膚下の毛細血管に作用して、当該毛細血管を拡張させ、血行が改善されることで、入浴者の疲労回復や健康増進が図られることが広く知られている。この性質を利用するために、有機酸と炭酸水素イオン含有固形剤を入浴時に溶解させ、一般家庭用に開発された人工炭酸泉として使用する試みがなされている(非特許文献1)。
また、頭皮マッサージの用途に適した二酸化炭素(CO)を含有する経皮吸収用生成物に関し、有機酸及び無機酸の少なくとも一方を含む第1剤と、炭酸塩を含む第2剤とを備え、第1剤と第2剤を混合して二酸化炭素を発生させる技術が存在している(特許文献1)。
特開2017−14172号公報
萬秀憲等著,人工炭酸泉浴に関する研究(第1報)炭酸泉の有効炭酸濃度について,日本温泉気候物理医学会雑誌 第47巻3・4号,1984年5月
しかし、前者の技術では、人工炭酸泉をフェイスマスクやボディートリートメントとして使用する場合において、ガーゼ又は脱脂綿等に炭酸泉の溶解液を浸すことが必要となる。その際に、溶解液中の遊離炭酸が気中に放出され、有効濃度が低下してしまうという問題点を有していた。また、人工炭酸泉の製造時において、遊離炭酸濃度が低下してしまう。さらに、製造された化粧品組成物を使用する際において、一般的な容器で保存する場合には、使用時において容器内に空気が混入してしまい、化粧品組成物の酸化による劣化、微生物の発生、及び遊離炭酸濃度の低下等を生じる可能性を有していた。したがって、上記各要因により、その効果を安定的に保証することが難しいという問題点を有していた。
また、後者の技術では、第1剤と第2剤の混合液の粘度が3000mPa・S〜50000mPa・Sと高く、当該混合液の流動性が悪いため、二酸化炭素の経皮吸収効率が悪いという問題点を有していた。
本発明は、上記の各問題を解決するためになされたものであり、簡易かつ安価に、二酸化炭素を経皮吸収させることにより、各種効能を発揮させることが可能となるとともに、一定期間の使用期間中に品質変化が生じることを防止することが可能となる容器入り化粧品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために発明された容器入り化粧品(以下、「本化粧品」という場合がある。)は、化粧品組成物を容器に封入した容器入り化粧品である。
そして、上記化粧品組成物(以下、「本化粧品組成物」という場合がある。)は、クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸の内の少なくとも1つの有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、を含有し、上記有機酸1重量部に対して、上記炭酸水素ナトリウムを1.35重量部〜10.0重量部を含み、pHが5.0〜8.5であり、20℃の水溶液に溶解させた際の粘度が1.5mPa・S〜1950mPa・Sである。
ここで、上記本化粧品組成物では、クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸の内の少なくとも1種類の有機酸を含有する必要があるが、他の有機酸に比べて著しく大きな反応性を有するクエン酸を用いることが特に好適である。
また、粘度を調整するためには、増粘剤を添加する必要がある。この場合において、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、又は、コラーゲン類等を用いることが好ましく、加水分解コラーゲンを含有することとすれば特に好適である。
また、本化粧品組成物において、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、L−イソアスコルビン酸及びL−イソアスコルビン酸塩の内の少なくとも1つの抗酸化剤を含有するものとすれば、殺菌作用を有する塩素を含有する水道水に本化粧品組成物を溶解させた場合であっても、残留塩素を除去することが可能となり、他の防腐剤を使用することなく、健康に配慮した化粧品組成物とすることできることから、好適である。
また、上記容器は、上記化粧品組成物を充填する容器本体と、上記容器本体に装着される上記化粧品組成物の吐出手段と、上記吐出手段における吐出部及び吸液部の間に介設される逆流防止手段と、を有し、上記逆流防止手段は、上記化粧品組成物の吐出時にのみ導液可能となるように設けられていること、を特徴としている。
ここで、上記吐出手段は、容器本体の頭部に装着された吐出ポンプを備えている。
また、逆流防止手段は、流体が順方向に流れる場合には開放され、流体が逆方向に流れようとする場合には閉塞する手段であり、種々の構造の逆止弁等を使用することができる。
さらに、上記容器は、上記化粧品組成物を充填する内装体と、上記内装体を収納する外装体とを備え、上記内装体における吐出部と、上記内装体の内部空間とは逆流防止手段が介設された状態で連通しており、上記内装体及び上記外装体は、押圧することにより変形復体可能であるとともに、上記外装体を押圧することにより、上記内装体の上記内部空間から上記化粧品組成物を外部に排出可能となるように構成されており、上記逆流防止手段は、上記内装体の上記内部空間からの上記化粧品組成物の排出時にのみ導液可能となるように設けられるものであってもよい。
ここで、上記内装体及び上記外装体は、押圧することにより変形及び復体(元の形状に戻ること)が自在に形成されていればよく、材質及び形状等は問わず、合成樹脂製等の袋体、又は筒状体等、種々の構造とすることができる。
上記のとおり、本化粧品では上記本化粧品組成物が容器に封入されている。
まず、上記本化粧品組成物によれば、上記混合割合として、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを、水溶液中で強制的に反応させ、そのpHを5.0〜8.5の範囲内に維持した状態で遊離炭酸として水溶液中で保持し、かつ、1.5mPa・S以上〜1950mPa・Sの粘度となるように調整することにより、優れた二酸化炭素の経皮吸収効果を奏させることが可能となる。
そして、上記各容器は、本化粧品組成物の吐出時、又は内装体の内部空間からの本化粧品組成物の排出時にのみ動作する逆流防止手段の作用により、保管時において、内装体に空気が混入することがなく、使用時にのみ当該化粧品組成物を外部に吐出することができるため、保存時において、本化粧品組成物が空気と接触することを防止できる。したがって、本化粧品組成物の酸化による劣化、微生物の発生、及び遊離炭酸濃度の低下等を防ぎ、一定の使用期間中に品質変化が生じることを防止することが可能となる。
本発明によれば、簡易かつ安価に、二酸化炭素を経皮吸収させることにより、各種効能を発揮させることが可能となるとともに、一定期間の使用期間中に品質変化が生じることを防止することが可能となる容器入り化粧品を提供することができる。
特に、本化粧品を、フェイシャルパック用の含浸用化粧水又はボディートリートメント用の化粧水等として利用すると最適である。
本発明の容器入り化粧品に使用する容器(第1実施形態)の容器本体を断面図とした側面図である。 本発明の容器入り化粧品に使用する容器(第2実施形態)の側面図である。 本発明の容器入り化粧品に使用する化粧品組成物及び比較例の試験体を使用したマスクの装着時における組織血流量測定試験結果(1)を示すグラフである。 本発明の容器入り化粧品に使用する化粧品組成物及び比較例の試験体を使用したマスクの装着時における組織血流量測定試験結果(2)を示すグラフである。
以下、本化粧品の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本化粧品等の実施形態は、例示した実施形態に限定されるものではない。
本化粧品は、下記の二酸化炭素の経皮吸収性能に優れた本化粧品組成物を容器(以下、「本容器」という。)に封入していることに特徴を有している。
以下、本化粧品組成物と、本容器に関して、順に説明する。
[本化粧品組成物]
(1)基本的な考え方
遊離炭酸が水に溶解した場合には、下記平衡反応式(反応式1)に示す平衡反応を有する。
この平衡反応は、pHにより影響を受けることになるが、水溶液がアルカリ性であるほど、遊離炭酸を水溶液中に保持することが可能となる。しかし、遊離炭酸の状態では経皮吸収されにくく、天然炭酸泉と同様の効果を得ることは難しくなる。
経皮吸収のメカニズムは、酸性(pH7未満)である人間の皮膚におけるバリア層(以下、「皮膚バリア層」という。)の近傍において、遊離炭酸が二酸化炭素に変化し、当該二酸化炭素が吸収されることで実現されることになる(経皮吸収させることができる二酸化炭素は、遊離炭酸が皮膚バリア層の近傍において変化することにより発生した二酸化炭素である。このことは、空気中に存在する二酸化炭素が経皮吸収され難いことに鑑みても、経験的に理解されうる)。
上記前提の下、本発明者は、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを、水溶液中で強制的に反応させることにより二酸化炭素を発生させ、遊離炭酸の状態で水溶液中に保持させるとともに、皮膚バリア層の近傍において、当該遊離炭酸を二酸化酸素に変化させることにより、経皮吸収効果を最大限効率的に実現させることを可能とするための条件を見出し、本化粧品組成物を開発したものである。
(2)本化粧品組成物の構成物質
本化粧品組成物は、少なくとも、炭酸水素ナトリウムと、有機酸と、粘度の調整をするための増粘剤と、塩素を除去する等のための抗酸化剤と、pH調整剤とを含有することで、上記目的を実現している。以下に、その構成物質等について詳細に説明する。
(有機酸)
有機酸は、炭酸水素ナトリウムを中和し、二酸化炭素の発泡を有効に生じさせる役割を果たすとともに、水溶した場合において、皮膚の洗浄効果や、皮膚の柔軟性を保持する効果などを発揮させる役割を果たすための成分であり、クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸の内の一種類又は複数種類の物質を用いることができる。
美容効果等は有機酸の種類によって差異があるが、クエン酸は他の有機酸と比較して、著しく大きな反応性を有し、発泡性能が高いため最も好適である。
本化粧品組成物の効果を得るためには、有機酸と炭酸水素ナトリウムの混合割合は、有機酸1重量部に対して、炭酸水素ナトリウムが1.35重量部〜10.0重量部の範囲であり、さらに好ましくは、2.0重量部〜10.0重量部であり、最も好ましくは、4.0重量部〜7.0重量部とすることが必要となる(第4実施例参照)。
(増粘剤)
上記発生した二酸化炭素は、遊離炭酸として溶解し、その後、上記pHが5.0〜8.5の条件下において、当該遊離炭酸として水中に保持されることになる。このとき、20℃の水溶液の粘度を1.5mPa・S〜1950mPa・S(好ましくは、100mPa・S〜1000mPa・S)の粘度となるように調整することにより、皮膚バリア層での反応において、経皮吸収を効果的に促進させることができる。
すなわち、天然炭酸泉における粘度は、ほぼ0mPa・Sであるが、1.5mPa・S未満の場合は、発生した二酸化炭素が水溶液に溶解するよりも速く溶液外の空気に拡散されてしまう。
一方、水溶液の粘度を高くすることにより、保持される遊離炭酸量が増加することになる。しかし、遊離炭酸は、皮膚の近傍に移動し、皮膚に接触することにより経皮吸収される。その際、混合液の粘度が高い場合には、遊離炭酸の移動が阻害される(移動速度が低速になる)ことにより、経皮吸収効率が低下してしまう。このような状況の下、保持される遊離炭酸量と遊離炭酸の移動速度のトレードオフを考慮して見出された水溶液の粘度の上限値は1950mPa・Sである(第1実施例及び第2実施例参照)。
増粘剤は、上記粘度の調整のために添加される物質であり、各種の増粘性化合物を使用することができる。本化粧品組成物としての効果に鑑みると、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン類(特に、加水分解コラーゲンが最適である)及びグリセリン等の公知の物質を使用することができる。
増粘剤は、上記粘度の調整のために添加される物質であり、各種の増粘性化合物を使用することができる。本化粧品組成物としての効果に鑑みると、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン類(特に、加水分解コラーゲンが最適である)、グリセリン及び水溶性高分子(カルボキシビニルポリマー、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボマー、カンテン、キサンタンガム、グアーガム、セルロースガム、デキストリン、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等)の公知の物質を使用することができる。特に、水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマーを用いることが好ましい。
(抗酸化剤)
抗酸化剤は、塩素を除去する目的及び当該物質の有する効能を奏させるために添加される物質であり、L−アスコルビン酸の他、L−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、L−イソアスコルビン酸及びL−イソアスコルビン酸塩の一種類又は複数種類の物質を用いることができる。
代表的な抗酸化剤であるL−アスコルビン酸(C)は、ビタミンCとして公知であるが、水道水に添加すると、1次殺菌のために投入される次亜塩素酸ナトリウムをL−アスコルビン酸が還元し除去する反応(反応式2)、及び、塩素濃度の維持のために投入される塩素をL−アスコルビン酸により除去する反応(反応式3)を経て、当該水道水に含まれている塩素を除去することができることになる。
+ NaClO → C + HO + NaCl (反応式2)
+ Cl → C + 2HCl (反応式3)
なお、塩素の除去時に少量の塩酸(反応式3)が発生することになる。しかし、重炭酸イオンと有機酸のバッファー効果により、溶解水のpHが緩衝されるため、その影響が緩和されることになる。
抗酸化剤の含有量は、混合液1000重量部あたり、0.01重量部以上であることが必要であるが、0.03重量部以上であることが好ましいものである。
さらに、本化粧品組成物は、公知のpH調整剤を添加することにより、pHを5.0〜8.5(好ましくは、6.5〜7.9)の範囲内に調整することが必要となる。
(抗菌剤)
本化粧品組成物において、適量の防腐剤又は抗菌剤を添加するものであってもよい。
抗菌剤としては、例えば、カワラヨモギ花エキス、チョウジエキス及びグレープフルーツ抽出物等の天然植物抽出物を抗菌成分とするものを使用することが好適であり、他の構成物質を含有する抗菌剤を使用した場合には、本化粧品組成物の効果が少なくなることが、試験により明らかとなった。
(防腐剤)
本化粧品組成物において、必要に応じて、適量の防腐剤又は抗菌剤を添加するものであってもよい。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヒノキチオール及びフェノキシエタノール等を用いることができる。特に、安全性に鑑みると、天然植物抽出物を有効成分とする防腐剤を用いることが好ましい。
本化粧品組成物によれば、上記混合割合として、炭酸水素ナトリウムと有機酸とを、水溶液中で強制的に反応させることにより、そのpHを5.0〜8.5の範囲内に維持した状態で遊離炭酸として水溶液中で保持し、かつ、1.5mPa・S以上〜1950mPa・Sの粘度となるように調節している。これにより、水溶液中で二酸化炭素を発生させ、遊離炭酸の状態で水溶液中に保持させるとともに、皮膚バリア層の近傍で、当該遊離炭酸を二酸化酸素に変化させることにより、経皮吸収効果を最大限効率的に実現させることができる。
また、本化粧品組成物は抗酸化剤を含有させることにより、雑菌の混入防止の目的で加えられる殺菌作用を有する塩素を含有する水道水に、本化粧品組成物を溶解させた場合であっても、残留塩素を除去することが可能となる。そのため、残留塩素が、肌や髪に及ぼす悪影響である「酸化・老化、ふけ、湿疹及びかゆみ」等の発生を防止することができ、加えて、抗酸化剤の有する効能(例えば、アスコルビン酸塩の効能である肌の張りの増加、小皺予防、美肌、美白、アンチエージングなどの効果等)を発揮させることも可能となる。したがって、防腐剤を使用しない場合であっても、健康に配慮した化粧品組成物を提供することできる。
[本化粧品組成物の製造方法]
次に、本化粧品組成物の製造方法(以下、「本製造方法」という。)について説明する。
本製造方法は、炭酸水素ナトリウム含有水溶液に対して、上記所定の有機酸を添加する方法によるものであり、有機酸の添加装置における添加手段を、炭酸水素ナトリウム含有水溶液中に挿入して、添加速度0.01kg/分〜100kg/分の速度で液中添加をするものである。
このとき、有機酸と炭酸水素ナトリウムの混合割合は、上記のとおり炭酸水素ナトリウム1重量部に対して、有機酸を1.35重量部〜10.00重量部(さらに好ましくは、2.0重量部〜10.0重量部であり、最も好ましくは、4.0重量部〜7.0重量部)とし、20℃の水溶液に溶解させた際の粘度を1.5mPa・S〜1950mPa・S(好ましくは、100mPa・S〜1000mPa・S)、pHを5.0〜8.5(好ましくは、6.5〜7.9)の範囲内に調整することが必要となる。
上記添加装置は、公知の装置を用いることが可能であり、例えば、添加ノズル(添加手段)を備えるチューブポンプを用いることができる。
一般的に、炭酸水素ナトリウムと有機酸が反応することにより、二酸化炭素が発生する。発生した二酸化炭素は、上記平衡反応(反応式1)により、二酸化炭素が遊離炭酸となり、水溶液中に保持される。
上記平衡反応は、pHにより影響を受けることになるが、本発明の効果を奏させるためには、pHが5.0〜8.5(好ましくは、6.5〜7.9)の範囲内であることが必要となる。
このとき、中性(pH=7)の場合には、上記反応式1において、約20%が二酸化炭素として存在し、約80%が遊離炭酸として存在することになるが、水溶液がアルカリ性(pH>7)の場合には、さらに、遊離炭酸を水溶液中に保持することが可能となる。その一方、酸性(pH<7)の場合には、二酸化炭素量が増加し、発生した二酸化炭素が空気中に放出され易くなるという性質を有している。
上記前提の下、本製造方法によれば、炭酸水素ナトリウム含有水溶液に対して、有機酸を添加することにより、アルカリ性を保持した状態で二酸化炭素を発生させることができ、発生した二酸化炭素を水溶液中に効率的に溶解させることができることになる。
また、炭酸水素ナトリウム含有水溶液に有機酸を液中でなく、液面上部から滴下する場合には、発生した酸化炭素が空気中に放出される率が高いが、本製造方法では、炭酸水素ナトリウム含有水溶液に有機酸を液中添加することにより、遊離炭酸の残留効果を高めることができる。
本製造方法で製造された本化粧品組成物は、公知の方法により、下記本容器Y1,Y2に充填することが可能となる。
使用可能である容器には種々の構造を採用することが可能であることから、下記において本容器Y1,Y2について説明する。
[本容器]
(第1実施形態)
第1実施形態の本容器Y1(以下、「本第1容器」という。)は、容器本体10とポンプ部20(吐出手段)を主要部としている(図1)。
上記容器本体10は、中空円筒体であり、上部は縮径しているポンプ取付部10aとなっている。ポンプ取付部10aの外周には、後記ポンプ部20におけるキャップ21の雌ネジと螺合する雄ネジ(ともに図示せず)が形成されている。
容器本体10の内部には、側面視で、略円錐台形状であり底蓋15が設けられている。上記底蓋15は、側面部が容器本体10の内周面に密着しながら上限に摺動自在であり、当該底蓋15と容器本体10の隙間から本化粧品組成物が漏出しないようになっている。
また、容器本体10の底面には通気孔10bが設けられており、底蓋15の上昇に従って、当該底蓋15と容器本体10の間の下部空間11に外気を取り込むことができるようになっている。
ポンプ部20は、キャップ21と、当該キャップ21に一体的に内装されている手動押下げ式の吐出ポンプ22を主要部としている。
キャップ21の内面には、雌ネジが形成されており、当該雌ネジが容器本体10の雄ネジと螺合することにより、吐出ポンプ22が装着されている。
吐出ポンプ22は、公知の装置を用いることができ、キャップ21の上面から突出し、上下に昇降自在である押圧部23と、当該押圧部23に連動して、本化粧品組成物を汲み上げるポンプ体24を備えている。
ポンプ体24は、吐出管25と、ピストン(図示せず)を備えており、当該吐出管25の流路の中途部には、容器本体10の内部空間に封入されている本化粧品組成物の吐出時にのみ弁体が開弁可能(開放可能)として、本化粧品組成物を導液可能である逆止弁(逆流防止手段)(図示せず)が設けられている。
上記吐出管25は、倒立したL字状に形成されており、上端部は、押圧部23の上側面から突出するように吐出口25a(吐出部)となっており、下端部は、容器本体10の内部に突出する吸液部25bとなっている。
そして、上記吐出管25の側面部には、当該突出管25及びポンプ取付部10aと摺動しながら昇降自在となるようにピストン及び当該ピストンを上方に復帰させるための付勢手段(ともに図示せず)が設けられている。
上記構成の本第1容器Y1では、吐出ポンプ22の押圧部23を押圧し、ピストンの昇降動作により突出管25に本化粧品組成物を吸引し、当該吐出管25の流路の中途部に設けられている逆止弁の作用により、外気と接触させることなく、容器本体10に封入されている一定量の本化粧品組成物を吐出させることできるようになっている。
すなわち、上記容器本体10の内部から本化粧品組成物を吸引した場合において、当該容器本体10の内圧が減圧し、容器本体10の底面の通気孔10aから外気を取り入れることにより、底蓋15が容器本体10の内壁と摺動しながら上方に移動し、吐出ポンプ22によって吸引された本化粧品組成物の体積相当量の容器本体10の内部空間の容積を減少させ、上記容器本体10の減圧状態を解消させることができるようになっている。
(第2実施形態)
第2実施形態の本容器Y2(以下、「本第2容器」という。)は、本化粧品組成物を充填する内装体30と、当該内装体を収納する外装体40とを備える二重構造の容器である(図2)。
内装体30及び外装体40は、押圧することにより変形復体可能であり、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。上記外装体40は、下部が円柱、上部が垂台の形状に形成されており、先端には雄ネジ部(図示せず)が形成されている。上記雄ネジは、当該雄ネジと螺合する雌ネジ(図示せず)が形成されているキャップ45が装着されている。上記キャップ45は、中央部において、吐出口45a(吐出部)が突設されている。そして、上記突出口45aを覆うように、一端が固着されており、一端が係着自在に形成されている上蓋46が取り付けられている。
内装体30は袋状に形成されており、先端部30aが突出するように形成されており、当該先端部30aには、当該内装体30に封入されている本化粧品組成物の吐出時にのみ、弁体が開弁可能である逆止弁35が内装されている。上記内装体30の先端部30aは、キャップ45の外装体40の突出口45aと連通するように取り付けられている。
上記構成の本第2容器Y2では、外装体40の側面部を押圧することにより、内装体30が押圧され、当該内装体30の先端部30aの逆止弁35の作用により、外気と接触させることなく、内装体30に封入されている一定量の本化粧品組成物を吐出させることできるようになっている。
[本化粧品の作用効果]
本化粧品は、二酸化炭素の経皮吸収性能に優れた本化粧品組成物を本容器に封入していることに特徴を有している。
そして、本第1容器Y1は、容器本体10とポンプ部20と、吐出管25に設けられている逆止弁とを有し、当該逆止弁は、本化粧品組成物の吐出時にのみ弁体が開弁可能となるように構成されている。そのため、上記逆止弁の作用により、本化粧品組成物の保存時に容器本体10の内部に空気が混入することがなく、使用時にのみ本化粧品組成物を外部に吐出することができるため、保存時において、本化粧品組成物が空気と接触することを防止できる。したがって、本化粧品によれば、本化粧品組成物の酸化による劣化、微生物の発生、及び遊離炭酸濃度の低下等を防ぎ、一定の使用期間中に品質変化が生じることを防止することが可能となる。
また、本第2容器Y2は、本化粧品組成物を充填する内装体30と、当該内装体30を収納する外装体40とを備える二重構造の容器であり、当該内装体30の先端部30aには、本化粧品組成物を吐出するために、逆止弁35が設けられている。そのため、上記逆止弁35の作用により、本化粧品組成物の保存時に内装体30の内部に空気が混入することがなく、使用時にのみ本化粧品組成物を外部に吐出することができるため、保存時において、本化粧品組成物が空気と接触することを防止することができる。したがって、本化粧品組成物を本第2容器Y2に封入した場合においても、本第1容器Y1を使用した場合と同様の作用効果と同様の作用効果を奏させることが可能となる。
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能であり、本化粧品組成物の機能を阻害しない範囲で、化粧品に広く使用されている他の各種添加剤等を含むものとすることもできる。
また、本製造方法についても、適宜の他の工程を含むものとすることもできる。
さらに、本容器についても、必須の構成要素を備えるものであれば、形状及び構造に関しては、種々に改変可能である。
また、本容器の材質については、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、SA(スチレンアクリロニトリル)、PCTA(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、EVOH(エチレンビニルアルコール)及びガラスが、本発明の効果より好ましく、SA、EVOH、PCTA及びガラスが最も好ましい。上記材質は、単体又は上記物質を2種類以上組み合わせて用いるもの(例えば、PP/PE複合体)であってもよい。
(1)[第1実施例及び第2実施例] 「粘度の相違による本化粧品組成物の効果測定」
粘度の相違による本化粧品組成物の効果を検証するために、以下の組織血流量測定試験を行った。なお、下記説明において、同一物質には同一名称を付し、重複した説明は省略する。
<試験体の作成(第1実施例及び第2実施例で共通)>
ア)操作1
撹拌機付きグラスライニング製(以下、「GL製」という。)500リットル容器(以下、撹拌機付きGL製の容器を「GL製容器」という。)に、375.0kgの水を入れ、クエン酸2.38kgを添加し、撹拌して完全に溶解させる。
イ)操作2
GL製1200リットル容器にグリセリン20.0Kgを入れ、攪拌下において、増粘剤であるカルボキシビニルポリマー(日光ケミカルズ株式会社製 小製品名 NTC-CARMOMER381)1.0Kgを添加し、膨潤溶解する。
ウ)操作3
操作2で作成した水溶液の溶解確認後、下記構成物質を入れ、さらに溶解させる。
炭酸水素ナトリウム 12.1kg
炭酸ナトリウム 0.625kg
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05kg
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01kg
エ)操作4
操作3で作成した炭酸水素ナトリウム含有水溶液に、チューブポンプを用い、液中添加速度1.0kg/分で、操作1で作成したクエン酸含有水溶液を、ノズルを炭酸水素ナトリウム含有水溶液の液中に挿入した状態で液中添加する。添加終了後、全体量が1000kgとなるように加水する。
その後、pH調整剤(塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液)によりpHを6.95に調整するとともに、カルボキシビニルポリマーの添加量を適宜調節し、粘度の異なる8種類の試験体(表1 No1−1〜No1−8)を作成した。
<第1実施例による組織血流量測定試験>
操作4で作成した各試験体を市販品のマスク(王子キノクロス社製P−40ECK)に浸漬し、試験に用いる顔用マスク(以下、「顔用試験マスク」という。)を製作した(浸漬量は、20ml)。
室温23℃相対湿度60%の室内で、ソファーに腰かけた被験者10名(平均年齢30.5歳、20歳から60歳の女性10名)に対し、各顔用試験マスクを顔部に装着し、組織血流量を測定した。
組織血流量の測定には、レーザードップラー組織血流量測定器ADVANS ALF21RD(株式会社ADVANCE製)を用い、いわゆる「合谷(ごうこく)」と称する手の背側のツボの個所において、計測グローブを装着して行った。
組織血流量の測定は、マスクの装着前(安静状態)20分間、マスク装着時20分間、マスク脱着後20分間(組織血流量が安定状態に達した状態)の合計60分間、継続して実施した。
図3及び図4は、被験者10人の組織血流量の平均値を折れ線グラフとして表したものである(縦軸は組織血流量の相対値、横軸は、計測開始後の時間(分)であり、20分〜40分の間、顔用試験マスクを装着している)。
なお、組織血流量の相対値とは、計測開始時の組織血流量を1とした場合の相対的な倍率を示しており、その値が大きいほど、組織血流量が多いことを示す指標となっている。
この結果によれば、粘度が1.5mPa・S〜1950mPa・Sの試験体(No1−2〜No1−7)で組織血流量が向上していることが確認された。これは、試験体を作成する際に発生した二酸化炭素が液中で瞬時に遊離炭酸に変化することにより保持され、皮膚バリア層の近傍で、再度、二酸化炭素に変化して経皮吸収されることにより血中に入り、組織血流量が増加したことが理由であり、その効果が明らかになった。
特に、粘度が10mPa・S〜1000mPa・Sの試験体(No1−3〜No1−6)場合には、特に、組織血流量の増加の程度が高いことが明らかになった。
但し、混合液の粘度が1950mPa・Sを超えた試験体(No1−8)では、遊離炭酸の移動が阻害されることにより、経皮吸収効率が低下してしまうことが実証的に明らかになった。
<第2実施例による組織血流量測定試験>
実施例1の同一の試験体(No1−1〜No1−8)を用い、実施例1で使用したマスクと同一の素材で、幅×長さ=10cm×30cm長方形の材料に浸漬した(浸漬量10ml)。試験に用いる足用被覆体(以下、「足用被覆体」という。)を製作した。
そして、実施例1と同一の被験者に対し、各足用被覆体を両足のふくらはぎに装着し、同一の組織血流量測定試験を行なった。
この組織血流量測定試験では、実施例1と略同様の結果が認められた。この結果から、本化粧品組成物を用いることにより、経皮吸収の場所を問うことなく、組織血流量の増加効果が奏されることが明らかとなった。
(2)[第3実施例〜第7実施例]「睡眠状態評価試験及び皮膚状態評価試験」
本化粧品組成物の各種条件を検証するために、睡眠状態評価試験(評価試験A)及び皮膚状態評価試験(評価試験B)(以下、両試験を総称して「本評価試験」という場合がある。)を行なった。
<試験方法(第3実施例〜第6実施例で共通)>
ア)試験体の作成
構物質の有無及び配合割合の細かい相違があるが、実施例1の操作を基本手順として、各試験体を作成した。
イ)試験方法
実施例1で使用した各顔用試験マスクを作成し、同一の被験者に連続7日間、毎日20分間装着させ、7日目の装着終了後に本評価試験を行なった。
(評価試験A)睡眠状態評価試験
本睡眠状態評価試験は、本化粧品組成物の睡眠状態に与える効果を定量的に明らかにするための試験である。
ベッドサイドに設置した睡眠計(オムロン ヘルスケア株式会社製,HSL−101)により、睡眠時間(睡眠中に目覚めていた時間を除いた睡眠時間)、及び睡眠時間中における熟睡している睡眠時間(10分間連続して身体が動がない睡眠時間。「ぐっすり睡眠時間」と称する。)を測定し、睡眠時間中におけるぐっすり睡眠時間の割合を算出して、睡眠状態を表2に記載の5段階の評価基準に基づき評価した(最低評価1〜最高評価5)。本評価試験では、評価3以上の場合には、所定の効能を有するものと判定した。
なお、上記睡眠計は、電波センサの機能により、身体の動き(寝返りの有無及び胸部の動き)をとらえて、その状態を測定することが可能な装置である。
(評価試験B)皮膚状態評価試験
本皮膚状態評価試験は、本化粧品組成物の化粧品としての効能を明らかにするための試験である。スマートフォンに取り付け、皮膚状態のキメ・シミを高画質撮影できるレンズ(マクセルスマートコミュニケーションズ株式会社製,肌レンズ「Memoret[ミモレ]」)を使用して、皮膚状態の撮影を行い、撮影画像を数値解析することにより、皮膚の美白度を下記5段階の評価基準に基づき評価した(最低評価1〜最高評価5)(表3)。
本評価試験では、評価5の100%が最高基準であるが、評価3以上の場合には、所定の効能を有するものと判定した。
透明度(%)=(くすみがない透明な皮膚面積/全体の皮膚面積)×100
<第3実施例> 「水溶液のpHの相違による本化粧品組成物の効果測定」
水溶液のpHの相違による本化粧品組成物の効果を実証するために、pH調整剤の添加量を変え、pHが異なる8種類の試験体(表4 No2−1〜No2−8)を作成し、本評価試験を行った。
なお、構成物質の配合割合は以下のとおりであり、各試験体の粘度は2.0mPa・Sである。
クエン酸 2.38kg
炭酸水素ナトリウム 12.1kg
炭酸ナトリウム 0.625kg
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05kg
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01kg
グリセリン 20.0kg
カルボキシビニルポリマー 1.0kg
睡眠状態評価試験(評価試験A)及び皮膚状態評価試験(評価試験B)の結果は、表4に示すとおりである(なお、表中の値は、被験者10名の評価値の平均値である。以下も同様。)。
本結果によれば、pHが5.0〜8,5の範囲内にある試験体(No2−2〜No2−7)において、評価3以上の効果が確認された。特に、pHが6.5〜7.9の範囲内にある試験体(No2−4及びNo2−5)において、最高評価5(天然炭酸泉入浴時の類似効果)が確認された。
<第4実施例> 「有機酸1重量部当たり炭酸水素ナトリウム重量部の相違による本化粧品組成物の効果測定」
有機酸と炭酸水素ナトリウムの混合比率の相違による本化粧品組成物の効果を実証するために、有機酸1重量部当たり炭酸水素ナトリウム重量部の混合割合が異なる11種類の試験体(表5 No3−1〜No3−11)を作成し、本評価試験を行った。
なお、構成物質の配合割合は以下のとおりであり、各試験体のpHは6.95、粘度は2.0mPa・Sである。
クエン酸(有機酸) 2.38kg
炭酸水素ナトリウム 3.19kg〜24.04kg
炭酸ナトリウム 0.625kg
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05kg
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01kg
グリセリン 20.0kg
カルボキシビニルポリマー 1.0kg
本結果(表5)によれば、炭酸水素ナトリウム1重量部当たり有機酸の重量部が1.35〜10.0の範囲内にある試験体(No3−2〜No3−10)において、基準評価3以上の効果が確認された。
特に、炭酸水素ナトリウム1重量部当たり有機酸の重量部が2.0〜10.0の範囲内にある試験体(No3−4〜No3−10)において、評価4の高評価が確認され、さらに、同有機酸の重量部が4.0〜7.0の範囲内にある試験体(No3−6〜No3−8)において最高評価5が確認された。
<第5実施例> 「有機酸の種類の相違による本化粧品組成物の効果測定」
有機酸の種類の相違による本化粧品組成物の効果を実証するために、有機酸として、クエン酸(No4−1)、リンゴ酸(No4−2)、コハク酸(No4−3)及びフマル酸(No4−4)をそれぞれ使用して、4種類の試験体(表6)を作成し、本評価試験を行った。
なお、構成物質の配合割合は以下のとおりであり、各試験体のpHは6.95、粘度は2.0mPa・Sである。
各有機酸 2.38kg
炭酸水素ナトリウム 12.1kg
炭酸ナトリウム 0.625kg
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.05kg
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01kg
グリセリン 20.0kg
カルボキシビニルポリマー 1.0kg
本結果(表6)によれば、有期酸としてクエン酸を使用した試験体(No4−1)において最高評価5となり、他の種類の有機酸を使用した試験体(No4−2〜No4−4)における評価4と比較して、効果が高いことが明らかとなった。
<第6実施例> 「抗酸化剤の添加の有無による本化粧品組成物の効果測定」
抗酸化剤の添加の有無による本化粧品組成物の効果を実証するために、抗酸化剤として、L−アスコルビン酸ナトリウム0.05kgを添加した場合(No5−1)と、添加しない場合(No5−2)、に関する2種類の試験体(表7)を作成し、本評価試験を行った。
なお、構成物質の配合割合は、L−アスコルビン酸ナトリウムの有無以外は、各試験体とも上記試験体No4−1と同一である
本結果(表7)によれば、抗酸化剤を添加した試験体(No5−1)において、両評価試験ともに最高評価5となり、抗酸化剤を添加しなかった試験体(No5−2)における評価4と比較して、効果が高いことが明らかとなった。
(3)[第7実施例及び第8実施例]「容器の違いによる本化粧品の効果測定」
<第7実施例>
本発明の化粧品組成物である試験体No1−2〜No1−7を本発明における容器に相当するエアーレススプレー容器(以下、表中での記載も含めて「本発明容器」という。)(株式会社トリガ製JHB200A:内容量200ml、材質PCTA)に封入した試験体(試験体No1−2A〜No1−7A)と、一般的な吐出ポンプを備えるスプレー容器(以下、表中での記載も含めて「通常容器」という。)に封入した試験体(試験体No1−2B〜No1−7B)を用い、起床直後の洗顔後及び、就寝前、1日2回(毎回2ml)、20日間、顔表面に塗布し、上記睡眠状態評価試験(評価試験A)及び皮膚状態評価試験(評価試験B)を行った。
本結果(表8)によれば、通常容器に封入された試験体を塗布した場合には、それぞれ評価2という結果となった。化粧品組成物が同一であることからすれば、通常容器で保管した場合には、消費した化粧成分と同体積の空気が容器内部に入ったことにより、遊離炭酸濃度が低下したこと、及び、空気中の細菌の悪影響により、遊離炭酸の経皮吸収を阻害するストレスを肌に与えること等に起因して、効果が低減したことが確認された。
一方、本発明容器に封入された本発明の化粧品組成物を使用した場合には、睡眠状態評価試験及び皮膚状態評価試験に関し、それぞれ評価3以上の好結果が得られ、本発明容器による保管することの有効性が確認された。
なお、詳細なデータは示さないが、実施例2〜実施例6までの本発明の化粧品組成物である試験体に関して、実施例7と同様に評価した結果、当該実施例7と同様の結果が得られた。
<第8実施例>
(試験体の作成)
ア)操作1〜操作4
上記実施例1における本発明の化粧品組成物である試験体No1−2〜No1−7を、操作1〜操作4の手順により作成する。
イ)操作5
操作4の後、当該操作4で作成した水溶液に、天然植物抽出物を抗菌成分とし、グリセリン脂肪酸エステルを主剤とした抗菌剤(阪本薬品工業株式会社製 製品名「SYプランティクスKN」:カワラヨモギ花エキス、チョウジエキス含有物)2.5Kgを攪拌下で添加する。
ウ)操作6
塗布時における皮膚に対する影響を低減させるために、操作5で作成した水溶液に、アミドアミンオキシド型両性界面活性剤(川田ファインケミカル株式会社製 製品名「ソフダリンLAO−C」)5.5Kgを攪拌下で添加し、試験体(No1−2’〜No1−7’)を作成する。
(試験)
作成した試験体No1−2’〜No1−7’を、実施例7と同様の本発明容器に封入した試験体(試験体No1−2’A〜No1−7’A)と、通常容器に封入した試験体(試験体No1−2’B〜No1−7’B)を用い、起床直後の洗顔後及び、就寝前、1日2回(毎回2ml)、20日間、顔表面に塗布し、上記睡眠状態評価試験(評価試験A)及び皮膚状態評価試験(評価試験B)を行った。
本結果(表9)によれば、実施例7と比較して、通常の容器を使用した場合には、睡眠状態評価試験及び皮膚状態評価試験の結果は同程度又は良好となり、本発明の化粧品組成物が空気と接した場合にも、抗菌剤の作用により、一定程度、品質の劣化等を防ぐことができることが明らかとなった。
なお、皮膚状態評価試験において、実施例7と比較して、試験体No1−3’A及びNo1−4’Aの効果が低減している。このことにより、皮膚に対する影響からすれば抗菌剤を添加することは、必ずしも望ましくないことが明らかとなった。
Y1、Y2 容器
10 容器本体
10a ポンプ取付部
10b 通気孔
11 下部空間
15 底蓋
20 ポンプ部(吐出手段)
21 キャップ
22 吐出ポンプ
23 押圧部
24 ポンプ体
25 吐出管
25a 吐出口(吐出部)
25b 吸液部
30 内装体
30a 先端部
35 逆止弁(逆流防止手段)
40 外装体
45 キャップ
45a 吐出口(吐出部)
46 上蓋

Claims (2)

  1. 化粧品組成物を、容器に封入した容器入り化粧品であって、
    前記化粧品組成物は、
    クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸の内の少なくとも1つの有機酸と、炭酸水素ナトリウムと、を含有し、
    前記有機酸1重量部に対して、前記炭酸水素ナトリウムを1.35重量部〜10.0重量部を含み、
    pHが5.0〜8.5であり、20℃の水溶液に溶解させた際の粘度が1.5mPa・S〜1950mPa・Sであり、
    前記容器は、
    前記化粧品組成物を充填する容器本体と、
    前記容器本体に装着される前記化粧品組成物の吐出手段と、
    前記吐出手段における吐出部及び吸液部の間に介設される逆流防止手段と、を有し、
    前記逆流防止手段は、前記化粧品組成物の吐出時にのみ導液可能となるように設けられていること、を特徴とする容器入り化粧品。
  2. 化粧品組成物を、容器に封入した容器入り化粧品であって、
    前記化粧品組成物は、
    クエン酸、コハク酸、フマル酸及びリンゴ酸の内の少なくとも1つの有機酸と、
    炭酸水素ナトリウムと、を含有し、
    前記有機酸1重量部に対して、前記炭酸水素ナトリウムを1.35重量部〜10.0重量部を含み、
    pHが5.0〜8.5であり、20℃の水溶液に溶解させた際の粘度が1.5mPa・S〜1950mPa・Sであり、
    前記容器は、
    前記化粧品組成物を充填する内装体と、前記内装体を収納する外装体とを備え、
    前記内装体における吐出部と、前記内装体の内部空間とは逆流防止手段が介設された状態で連通しており、
    前記内装体及び前記外装体は、押圧することにより変形復体可能であるとともに、
    前記外装体を押圧することにより、前記内装体の前記内部空間から前記化粧品組成物を外部に排出可能となるように構成されており、
    前記逆流防止手段は、前記内装体の前記内部空間からの前記化粧品組成物の排出時にのみ導液可能となるように設けられていること、を特徴とする容器入り化粧品。
JP2019102257A 2019-05-31 2019-05-31 容器入り化粧品 Active JP7023462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019102257A JP7023462B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 容器入り化粧品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019102257A JP7023462B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 容器入り化粧品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020196674A true JP2020196674A (ja) 2020-12-10
JP7023462B2 JP7023462B2 (ja) 2022-02-22

Family

ID=73648811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019102257A Active JP7023462B2 (ja) 2019-05-31 2019-05-31 容器入り化粧品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7023462B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03114784U (ja) * 1990-03-08 1991-11-26
JP2003072785A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Yoshino Kogyosho Co Ltd 注出容器
JP2009261933A (ja) * 2008-04-21 2009-11-12 Kil Soo Kim 液状物汲上機構およびディスペンサ用ポンプノズル
JP2011026249A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kanae Technos:Kk 機能性シート
JP2011031938A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Yoshino Kogyosho Co Ltd 二重容器
JP2016008181A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 株式会社東洋新薬 皮膚外用剤用キット
JP2016124805A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社バスクリン シート状パックキット
JP2017178884A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 花王株式会社 二剤型二酸化炭素発生組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03114784U (ja) * 1990-03-08 1991-11-26
JP2003072785A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Yoshino Kogyosho Co Ltd 注出容器
JP2009261933A (ja) * 2008-04-21 2009-11-12 Kil Soo Kim 液状物汲上機構およびディスペンサ用ポンプノズル
JP2011026249A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kanae Technos:Kk 機能性シート
JP2011031938A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Yoshino Kogyosho Co Ltd 二重容器
JP2016008181A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 株式会社東洋新薬 皮膚外用剤用キット
JP2016124805A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社バスクリン シート状パックキット
JP2017178884A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 花王株式会社 二剤型二酸化炭素発生組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7023462B2 (ja) 2022-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6183849B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP6125255B2 (ja) 炭酸ガス含有湯水の製造方法及び製造装置並びに炭酸ガス溶解器用キット製剤
EP1746141A1 (en) Thickening composition
JP2011148781A (ja) 水溶性に優れた皮膚洗浄剤
US11059000B2 (en) Method for producing carbon dioxide gas/micro-bubbles mixed water and production device thereof
JP6134837B1 (ja) 液体洗浄剤組成物
CN108883822A (zh) 具有过滤器的清洁功能且利用在涡流中流动的固体粒子的摩擦及碰撞的水处理用液压破碎机
JP7023462B2 (ja) 容器入り化粧品
JP6694343B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP2015107927A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2007536232A (ja) 皮膚および毛髪のための洗浄用およびすすぎ用溶液および使用方法
EP2786737A1 (en) Reducing agent containing sodium borohydride
JP2015229761A (ja) 液体洗浄剤組成物
CN102088947A (zh) 基于聚合物/过氧化氢复合物的组合物及其应用
JP6784981B2 (ja) 化粧品組成物及びその製造方法
JP2010275510A (ja) 水素化ホウ素ナトリウムを含有する還元処理剤
JP2014201523A (ja) エアゾール組成物その使用方法
JPS6216409A (ja) 塩化ナトリウム入り美容剤
JP2005281177A (ja) 化粧用ジェル及び歯磨剤
US20140023728A1 (en) Iodine Liquid Soap, Dispenser and Method
JP6375860B2 (ja) ゲル状洗浄料
KR20140115074A (ko) 탄산수가 포접된 폴리머 매트릭스를 유효성분으로 함유하는 클렌저 화장료 조성물
KR20190037476A (ko) 초전수를 함유한 화장품 및 그 제조방법
JP2018048348A (ja) 液体洗浄剤組成物
US20050169877A1 (en) Process for preparing a composition using pressurized fluid, composition prepared, and uses thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7023462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150