JP2020196299A - 加速度検出装置、車両制御装置、および車両 - Google Patents

加速度検出装置、車両制御装置、および車両 Download PDF

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【課題】加速度を少ない計算量で得ることができる。【解決手段】加速度検出装置が、車両の前後方向加速度を検出する1軸加速度センサによる測定結果である前記車両の前後方向の加速度を示す出力と、前記車両が備える車速センサによる出力とを取得する取得部と、前記1軸加速度センサからの出力と前記車速センサからの出力とに基づいて、前記1軸加速度センサの出力の誤差であるオフセット量を算出し、前記オフセット量を用いて、前記1軸加速度センサからの出力を補正する算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、加速度検出装置、車両制御装置、および車両に関する。
車両の運転者はブレーキペダルを踏むことで、制動力を車輪に付し、走行中の車両を停止させることができる。車輪に付与される制動力によって発生する車両の加速度に対し、車両の乗員は、現在の姿勢を維持するために車両の進行方向に向かう力に抗おうとするため、体に負荷がかかる。このため、加速度が大きい場合や、特に加速度の時間変化が大きい場合に、乗員は乗り心地が悪いと感じる。
ブレーキペダルの踏み込み量と車両の減速時の加速度とが対応していれば、実際の車両の加速度が運転者が意図する加速度と同じになるように、運転者がブレーキペダルの踏み込み量を調整しやすい。しかしながら、車両の減速時に、ブレーキペダルの踏み込み量とは関係ない加速度変化が生じることがある。例えば、ハイブリッド車において、エンジンのON/OFFの切り替えが行われることでクリープ現象による駆動力が変化した場合に、ブレーキペダルの踏み込み量とは関係ない加速度変化が生じる。
このような、ブレーキペダルの踏み込み量とは関係ない加速度変化があるときでもブレーキペダルの踏み込み量と車両の減速時の加速度とを対応させるために、加速度センサの出力値に基づいて、実際の加速度と、ブレーキペダルの踏み込み量に対応する減速加速度とが同じになるように制御する方法がある。この方法を実行するためには、車両が加速度センサを備える必要がある。例えば、特許文献1には3軸加速度センサを備えた車両が開示されている。
国際公開第2013/046959号
上述した、車両の減速加速度とブレーキペダルの踏み込みとを同じくする制御を行うためには、車両の実際の加速度を正確に検出する必要がある。加速度センサの出力値にはオフセットが含まれているため、出力値に対してオフセット分を補正する必要がある。なお、オフセットには加速度センサ内部から発生する内部要因と、坂などで車両が傾いている場合の重力オフセットなどの外部要因がある。
しかしながら、上述したように3軸加速度センサからの出力値から特に重力オフセットを除去する処理を行う際には複雑な計算を要する。
本発明はこのような状況に鑑み、より正確な加速度を少ない計算量で得ることができる加速度検出装置、車両制御装置、および車両を提供する。
本発明の一態様に係る加速度検出装置は、車両の前後方向加速度を検出する1軸一つの加速度センサによる測定結果である前記車両の前後方向の加速度を示す出力と、前記車両が備える車速センサによる出力とを取得する取得部と、前記1軸加速度センサからの出力と前記車速センサからの出力とに基づいて、前記1軸加速度センサの出力の誤差であるオフセット量を算出し、前記オフセット量を用いて、前記1軸加速度センサからの出力を補正する算出部とを備える。
本発明の一態様に係る車両制御装置は、上述の加速度検出装置と、前記加速度検出装置が前記補正を行うことで得られた補正値が、ブレーキペダルの踏込量に応じた加速度の指令値に近づくように、前記車両の制動を制御する制動制御部を備える。
本発明の一態様に係る車両制御装置は、上述の加速度検出装置と、上述の加速度検出装置によって算出された前記車両の加速度もしくは速度もしくは位置が、自動運転時の加速度もしくは速度もしくは位置指令値に近づくように、前記車両の制動を制御する制動制御部を備える。
本発明の一態様に係る車両は、前後方向の加速度を測定する1軸加速度センサと、車速センサと、上述の車両制御装置と、を備える。
本発明によれば、より正確な加速度を少ない計算量で得ることができる加速度検出装置、車両制御装置、および車両を提供する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置を備える車両の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る加速度検出装置による加速度算出過程で用いられる値を説明する図である。 図3は、本発明の実施形態に係る加速度検出装置による加速度算出過程を説明する図である。 図4は、本発明の実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施形態に係る運転制御装置による制動制御を説明する図である。 図6は、本発明の変形例に係る運転制御装置による制動制御を説明する図である。
まず、背景技術に関して説明する。
車両が走行している状態から停止した状態に移行するとき、車両に制動力がかけられて減速加速度が発生し車両の速度が低下する。そして、車両の速度が0になる瞬間に、制動力によらず加速度も0となる。よって、速度が0に至る瞬間に車両には加速度変化が発生する。
車両の乗員には、車両の進行方向に慣性力が働くため、乗員は乗車中の姿勢を維持するためには該慣性力に抗う必要がある。この抗う力は車両の加速度に比例する。したがって、車両加速度が非常に大きい場合のみならず、車両加速度が急激に変化した場合に、乗員は姿勢を維持することができなくなり、非常に乗り心地が悪いと乗員は感じる。
乗り心地の悪化を防ぐために、運転手は車両が停車する直前から制動力を連続的に弱め、停止する瞬間の車両の加速度が0になるように運転する。このような運転は、自動車の運転手のみならず電車の運転手も同様に行っている。加速度プロファイルで説明すると、速度が0になるまで、車両の加速度を連続的に変化させることである。
車両の前後方向(つまり、進行方向)の加速度の変化による乗り心地は、減速・停車時に限らず、発進・加速時にも変化する。しかしながら、車両の発進・加速時に乗員の体にかかる慣性力は後ろ方向であるため、乗員は自動車の座席のシートに向けて押されるだけである。つまり、車両の発進・加速時には、慣性力に抗うために自分の体に力を入れて姿勢を維持する必要がなく、加速度の変化による乗り心地はそれほど悪化しない。
一方、車両の減速・停車時に乗員の体に加わる慣性力は前方向(つまり、進行方向)であるため、乗員は姿勢を維持しようとすると、慣性力に抗うために体に力を入れる。そして加速度の変化に応じて乗員は力の入れ具合を変える。このときに、乗員が意図しない急激な加速度の変化が生じると、乗員は姿勢を維持するために慌てて力の入れ具合を変える必要がある。
このように、意図しない加速度の変化が生じることで、乗員の乗り心地が悪化してしまう。加速度の変化を予知できる場合はなおさらのこと、加速度の変化が緩やかである場合は、加速度の絶対値が多少大きくても乗り心地は悪化しない。
よって、車両の減速・停車時の乗り心地の悪化を防止するためには、減速・停車時の停車直前の数秒間において、車両の加速度の変化が、緩やかで、かつ、連続的に制御されればよい。また、加速度の変化パターンを単純にすることにより、乗員に加速度の変化を予知できるようにすることも大切である。
自動車にはクリープという現象がある。クリープ現象は、車両のギアが入れられた状態において、アクセルペダルが踏まれていなくても、車両が前進する現象のことである。クリープ現象は、車両の内燃機関の特性上、車両の進行に関わらず、最低値の回転数でエンジンを回転させることに起因して生じる。
車両が停止していても最低値の回転数でエンジンが回転している状態を一般にアイドリングと呼ぶ。前進ギアが入っている状態では、アクセルペダルが踏まれていなくても、アイドリングにより車両に駆動力が発生する。
クリープ現象には利点がある。例えば、低速時の速度制御をブレーキペダルのみで行うことができることや、登り緩斜面において車両を発進させる時の後戻りを防ぐことができること等がある。このため、クリープ現象は、結果的に有用な現象である。
これらの有用性を失わないこと、および、車両の所有者が内燃機関を備える車からハイブリッド車や電気自動車に円滑に乗り換えることができるようにすることを目的として、ハイブリッド車や電気自動車もクリープ現象が発生するように設計されていることが多い。
このクリープ現象による駆動力がある場合に、車両を停車させるときの乗り心地の悪化を防止するためには、クリープ現象による駆動力を上回る大きさの制動力を車両にかけ、車速が0に至る瞬間において、クリープ現象による駆動力と該制動力がほぼ同じになるように制動制御される必要がある。制動制御は、例えば、乗員がブレーキペダルの踏み込み量を制御することで行われる。
ブレーキペダルの踏み込み量と車両の減速加速度とに一対一の関係があれば、言い換えると、ブレーキペダルの踏み込み量のみによって車両の減速加速度を調節できる状況であれば、運転手は乗員の乗り心地の悪化を抑止した運転を行いやすい。しかし、ブレーキペダルの踏み込み量と車両の減速加速度との関係が一対一の関係ではなくなる状況下では、運転手の意思に反した加速度が発生していることになる。
クリープ現象による駆動力は変化することがある。制動力はブレーキペダルの踏み込み量と一対一の関係があるが、エンジンの回転数(ここでは、アイドリング回転数)が変化するとクリープ現象による駆動力が変化する。
アイドリング回転数の変化は、車両の暖機運転が終了したとき、車内のエアコンのON/OFFが切り替えられたときに生じる。停車直前の車両運転時に、暖機運転の終了や車内のエアコンのON/OFFの切り替えが行われる可能性は低いため、これらのアイドリング回転数の変化要因は、車両の乗り心地とは関係が小さい。
車両がハイブリッド車である場合、走行中にエンジンのON/OFFの切り替えがある。エンジンがON状態になるのは車両の加速時および車両の高速走行時など大きな駆動力が必要な状況になり、モーターによる駆動力だけでは出力が不足する場合である。しかし、エンジンがOFF状態からON状態への切り替えが、車両が停車する直前に発生する確率は低い。
また、エンジンのON/OFFの切り替えは、車両への電装品の電力消費量の変化や、駆動用バッテリーの充電容量の変化に起因して生じる。つまり、駆動用バッテリーの充電容量が少なくなるとエンジンがON状態になり、充電容量が十分な状態になるとエンジンがOFF状態になる。
車両の停車時やクルージング時にもエンジンのON/OFFの切り替えは発生するが、充電容量変化が大きくないのでエンジンのON/OFFの切り替え頻度は高くない。
しかし、車両が停車するために減速する場合、回生エネルギーを利用して駆動用バッテリーが充電されるので、減速時にエンジンをOFF状態にする可能性が高くなる。このとき、ブレーキペダルの踏み込み量が一定であっても減速加速度は不連続に大きくなる。
また、電気自動車では、クリープ現象をモーターで発生させる。しかしながら、完全停止状態でクリープ現象を発生させるのは電力の無駄遣いとなるため、ある時点でモーターへの駆動電流の供給が停止される。駆動電流の供給が停止されると、減速加速度が突然変化することがある。
このように、ブレーキペダルの踏み込み量と関係がない減速加速度が変化した場合に、乗員の乗り心地を悪化させないためには、運転手が減速加速度の変化に応じてブレーキペダルの踏み込み量を制御する必要がある。特にブレーキペダルの踏み込み量と車両にかけられる制動力との間にヒステリシスが存在する車両では、該車両を運転制御することは運転手にとって極めて難しい。
自動運転車の場合も同様なことが起きる。自動運転専用車でない限りは、人間が運転できるように構成された自動車における運転部分の制御が自動で行われるようにしたものなので、意図しない加速度変化が発生することによって乗員の乗り心地が悪化してしまう。
これら、減速加速度変化要因があってもブレーキペダルの踏み込み量と減速加速度との関係を一対一に近づけることは可能である。何も対策をしない場合における加速度の外乱要因は、エンジンのON/OFFの切り替えやモーターへの電流供給の停止などが考えられる。この外乱要因の情報をフィードフォワードすることにより制動力を変化させ、ブレーキペダルの踏み込み量と減速加速度との関係が一対一になるように補正するという方法がある。
しかしながら、系が複雑になればなるほど、場合分けや組み合わせパターン数が増えるため、チューニング工数は膨大なる。また、外乱要因は一定ではなく、車両が斜面に位置する場合における重力の影響などの外乱要因もあるためフィードフォワードを行うことで、減速加速度の変化要因があってもブレーキペダルの踏み込み量と減速加速度との関係を一対一に近づけることは困難である。
そこで実際の加速度をフィードバックする方法が考えられる。つまり、車両の加速度を検出して、車両の加速度を制御する方法であり、様々な外乱要因の影響をフィードバックにより吸収して、ブレーキペダルの踏み込み量と実際の車両加速度とが同じになるように制動力を制御する。自動運転の場合は、加速度・速度指令値と、実際の車両加速度・速度とが同じになるように制動力を制御する。
この方法を実行するためには、車両の前後方向の加速度を検出する必要がある。
車両に搭載されている前後方向の物理量を測定するためのセンサとして代表的なものに車速センサがある。なお、GPSでも速度は検出できるが、停車直前の車両の加速度を検出するという用途には検出精度という点で不向きである。
車速センサは車輪の回転に応じてパルス(パルス信号)を発生させるセンサであり、例えば、タイヤ1回転あたり2.5〜5パルス出力する。つまり、タイヤ外周を2mとすると、40cm〜80cmで1パルス出力される。ここでは、この1パルスあたりの走行距離を車速係数(単位は、m/pulse)と呼ぶことにする。車速係数は基本的に車種に依存するが、実際にはタイヤ種別や空気圧によっても若干変化する。ちなみに、ナビゲーション装置などでは内部で補正を行い、より正確な車速係数を算出して用いている。
例えば時速36km(=10m/s)で走行した場合は、25〜12.5pulse/sの出力が得られる。得られた車速を微分することにより加速度を得ることができる。ところが、停車直前の速度領域では、パルス信号の出力間隔が荒いため、時間的にも距離的にも加速度制御を行うための精度の高い加速度の検出を連続して行うことができない。これは、パルス信号が検出された時刻における加速度を検出できるものの、パルス信号が検出された時刻と次のパルス信号が検出される時刻の間における加速度は検出できないからである。なお、車速センサの種類によっては、低速時にパルス信号そのものが出力されないものもある。
パルス信号の検出間隔が荒いことによる不都合は、加速度の検出のみならず速度検出においても同じである。自動運転の場合、車速センサで検出しようにもパルス信号の検出間隔が荒すぎて速度制御できるような速度信号を得ることができない。
車速センサ以外にもABS(Antilock Braking System)用の車輪回転センサを設けている車両もある。エンコーダ方式であれば車速センサと同様に車輪の回転に応じたパルス信号が得られる。車速センサよりも一般的にパルスは細かく出ると予想されるので、車輪回転センサを利用する方法もある。しかし、パルス信号の発生頻度は、車速センサを用いる場合に比較して高くなるが、連続するパルス間の時刻における車両の加速度は検出できないことに変わりはない。
そこで、加速度センサを新たに具備して使用する方法が考えられる。加速度センサを使用する場合、加速度センサの出力に含まれる重力によるオフセット、および、DCドリフトによるオフセットを補正する必要がある。
3軸加速度センサ(3つの加速度センサを互いに直行する方向に組み合わせたもの)を利用し、かつその出力を座標変換処理によって斜面重力の影響などを除去することにより前後方向の正しい加速度を求める方法が一例として考えられている。
しかし、本発明によれば、ブレーキペダルの踏み込み量と車両の減速時の加速度とが対応させるために必要な加速度をより少ない計算量で得ることができる。以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置20を備える車両1の構成の一例を示すブロック図である。
車両1は、車速センサ11、加速度センサ12、ブレーキペダル13、車両制御装置20、および制動部60を備える。
車速センサ11は、例えば、車輪の回転に応じてパルス信号を出力する。つまり、車速センサ11は、車両が一定の距離を進行する毎にパルス信号を出力する。
加速度センサ12は、1軸加速度センサであり、車両1の前後方向の加速度を検出可能な向きで車両1に取り付けられている。
ブレーキペダル13は、車両1の運転席の下側の前方に設けられている。車両制御装置20は、車両の運転者によるブレーキペダル13の踏み込み量に応じた強さの制動力を発揮させるように制動部60を制御する。つまり、ブレーキペダル13は、制動指示の入力部として機能する。
車両制御装置20は、記憶装置30、加速度検出装置40および運転制御装置50を備える。記憶装置30は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などのメモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスで構成されている。記憶装置30には、所定のプログラム、および所定のデータが記憶されている。
所定のデータには、加速度検出装置40によって算出された値、ブレーキペダル13の踏み込み量と加速度との対応関係を示したテーブルなどが含まれる。
加速度検出装置40は、取得部41、算出部42、判定部43、および車速検出部44を備える。取得部41、算出部42、判定部43および車速検出部44の機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により実現される。CPUは、ROMに記憶されている算出プログラムを実行する。
取得部41は、車速センサ11が出力するパルス信号、および加速度センサ12から出力された電気信号を順次取得する。
算出部42は、取得部41で取得されたパルス信号および加速度センサからの電気信号に基づき、車両1が停車直前の加速度のオフセット量、車両1の実際の加速度、車両1の実際の速度、および車両1の走行距離を算出する。算出方法については、後に詳細に説明する。
車速検出部44は、あらかじめ設定してある車速係数と、取得部41で取得されたパルス信号から車速を求める。単位時間(例えば1秒間)あたりのパルス数をカウントし車速係数を乗じることにより計算される。ただし、この車速は高速域では十分な精度が得られるが、低速域では精度が悪くなる。
判定部43は、車速が低速判定速度以下であるか否か、停止判定速度以下であるか否かを判定する。
低速判定速度(例えば10km/h)とは、算出部42による処理を実行させるか否かの判定に用いるものである。この判定目的は、高速時に本発明の処理を動作させることは理論上問題ないが、以下の理由で高速時には動作しないようにするためである。
まず、本発明の処理は低速時、特に微速時に使う処理であるので高速のときはそもそも不要であり、不要な条件下では処理を完全に切り離すことにより機器の信頼性を高められるからである。また算出部42の処理はパルス信号が入るたびに計算処理が発生するため、高速時に動作させると単位時間当たりの処理量が増えてしまうからである。低速判定速度と比較する速度は車速検出部44で得られる速度である。
停止判定速度(例えば0.04km/h)とは、車両1が停止したか否かを判定する基準となる速度であり、算出部42で得られた速度の絶対値がこの停止判定速度以下の場合に停車と判定する。
車速検出部44は、取得部41によって取得されたパルス信号に基づいて車速を検出するが、低速域で精度が低くなることを前述した。これについて説明する。通常は単位時間あたりに取得されたパルス信号の数、つまり、パルス周波数に基づいて車速を算出する。この方法は低速域・高速域に限らず処理量が一定で、かつ速度が算出されるタイミングも一定で簡便な方法である。しかしながら、低速域では単位時間当たりのパルス数が減るので検出誤差が、高速域での検出誤差に比べて大きくなる。仮に車速係数を0.5m/pulseとすると、車速が18km/h(=5m/s)の場合、10pulse/sとなるので、±5%程度の誤差が発生することとなる。車速が9km/hの場合、±10%程度となる。精度を高めるために周波数計測ではなく周期計測をする方法がある。この場合はパルス信号検出のタイミングで速度が算出され上記の理由による精度劣化はないが、さらに低速になったときに算出頻度が少なくなる問題が発生する。例えば1.8km/hでは約1秒間隔で速度が得られるが、それ以下になると間隔がもっと広がるのである。本発明で課題としている停車に至る減速領域での車両制御においては致命的な問題となる。つまり、検出タイミングが変動することと検出時間遅れが発生するために車両制御が困難になるからである。乗員に取って乗り心地が悪くならない制御をするためには、制御系のタイミングでその瞬間の速度等を時間遅れ無しに検出できることが望ましい。本発明では低速時の速度算出を算出部42で行うので、車速検出部44で計算する車速はパルス周波数計測のみとしている。
運転制御装置50は、運転手による入力操作にしたがって、駆動制御、および制動制御などの車両1の運転制御を行う。つまり、運転制御装置50は、駆動制御部、制動制御部として機能する。入力操作には、アクセルペダル、ブレーキペダル、およびハンドルの操作が含まれる。
運転制御装置50は、制動制御時、ブレーキペダル13の踏み込み量に応じた制動力で車両1を制動することを指示する制動指令を制動部60に出力する。なお、運転制御装置50は、制動制御時に、ブレーキ制御はもちろんのこと、スロットル(アクセル)制御も行う。制動制御は主としてブレーキの制御を指すが、急な登り坂ではブレーキのみならず推進力も制御しないと所望の加速度が得られない場合があるため、制動制御時に、スロットル(アクセル)制御も行う。
運転制御装置50の機能は、図示されていないCPUが、ROMに記憶されている制動制御プログラムを実行することで運転制御装置として実現される。
制動部60は、例えばホイールシリンダ、マスタシリンダ、キャリバ、ブレーキパット、ディスクローラ(いずれも図示略)などを含み、摩擦による制動力を車輪に付与する油圧ブレーキ装置である。制動部60は、運転制御装置50からの制動指令によって制御される。
[算出部による算出方法]
次に、図2および図3を参照して、算出部42による加速度のオフセット量、車両1の実際の加速度、車両1の実際の速度、および車両1の走行距離の算出方法について説明する。図2は、加速度検出装置40による加速度算出過程で用いられる値を説明する図である。図3は、加速度検出装置40による加速度算出過程を説明する図である。
まず、算出部42により用いられる計算式について説明する。時刻tにおける、実際の加速度A(t)、実際の速度V(t)、基準位置からの実際の車両1の移動距離P(t)、加速度センサ12からの出力値G(t)、加速度センサ12の測定値に含まれるオフセット量Fには以下の関係がある。
P(0)=0
P’(t)=V(t)
V(0)=V0
V’(t)=A(t)
A(t)=G(t)−F
なお、基準位置とは、時刻t=0のときの車両1の位置である。V0は時刻t=0における車両1の速度である。つまり、最新のパルス信号が取得部41により取得された時点における車両1の速度のことである。以下、V0を基準速度と称する。P’(t)およびV’(t)はそれぞれP(t)およびV(t)の時間微分である。
ここで、オフセット量Fについて詳しく説明する。加速度センサの出力値は、上述したように実際の車両1の加速度とオフセット量との和で表される。このオフセット量には、加速度センサ12の周囲の温度変化や時間変化に起因するオフセット、および重力に起因するオフセットが含まれる。重力に起因するオフセットは、例えば、車両1が斜面を走行している場合に重力による影響を受けることで生じる。
本実施形態では、停車直前の数秒間、走行距離にして数mにおいて正確に加速度を検出する。つまり、比較的短い期間、短い距離範囲で加速度を検出できればよい。
本実施形態における制動制御は、例えば、車両1の低速運転時、つまり、車両1が停止する直前において行われる。そして、低速運転してから停止する直前までの間に経過する時間は比較的短く、その間に車両1が走行する距離も数m程度であると考えられる。また、その間に車両1の姿勢も変化しないとみなせる。したがって、加速度センサ12の周囲の温度変化や時間変化に起因するオフセット、重力に起因するオフセットは略一定と言える。
よって、時刻t=Tにおける実際の速度V(T)、時刻t=Tにおける基準位置からの実際の車両1の移動距離P(T)はそれぞれ以下の(1)、および(2)式で表せる。なお、Tは、車速センサ11からのパルス信号が出力されてから次のパルス信号が出力されるまでの時間である。また、本明細書では、時間に関して二回積分を行うことを時間二重積分と呼ぶ。
Figure 2020196299
Figure 2020196299
時刻t=Tがパルス信号が検出されたタイミングであるとすると、移動距離P(T)は時間Tの間に車両1が移動した距離(言い換えると、パルス間隔に相当する距離)である。ここで、時間Tは既知であり、G(t)は加速度センサ12からの出力値であるため、式(1)および(2)において、未知数はFとV0である。
よって、式(1)および式(2)を踏まえると、T、P(T)が分かれば、未知数であるF、V0を算出することができる。
次に、FおよびV0を算出する式について説明する。
図2は、加速度検出装置40による加速度算出過程で用いられる値を説明する図である。
図2に示されているように車速センサ11からパルス信号が出力されていたとき、最も新しいパルス信号が出力された時刻がt=0であるものとする。
区間0は、時刻t=0から現在の時刻tまでの区間である。区間0では、まだ次のパルス信号が得られていないものとする。区間1は、1回前のパルス信号が出力されてから最も新しいパルス信号が出力されるまでの区間であり、区間2は、2回前のパルス信号が出力されてから1回前のパルス信号が出力されるまでの区間である。
Δt1およびΔt2は、それぞれ区間1における時間間隔、および区間2における時間間隔である。なお、区間0の時間間隔はtである。
ΔL1およびΔL2は、それぞれ区間1における距離間隔、および区間2における距離間隔である。なお、実際には、ΔL1=ΔL2=車速係数=L(固定値)である。
正確に言えば、タイヤ交換や空気圧などによりΔL1およびΔL2すなわち車速係数は、仕様値からは若干ずれることがある。しかし、ナビゲーション装置とは異なり本計算では誤差が累積しないため、固定値として扱ってよい。より厳密な計算をするためには、ナビゲーション装置で求められた補正後の車速係数を用いてもよい。
SG0、SG1、およびSG2は、それぞれ、区間0、区間1、および区間0におけるG(t)の各区間における時間積分値である。SSG0、SSG1、およびSSG2は、それぞれ、区間0、区間1、区間0における加速度センサ12の出力であるG(t)の各区間における時間の二重積分値である。
時刻tにおける、実際の加速度A(t)、実際の速度V(t)、移動距離P(t)は、以下の式でそれぞれ算出される。
Figure 2020196299
Figure 2020196299
Figure 2020196299
時刻tにおける、実際の加速度A(t)、実際の速度V(t)、移動距離P(t)を算出するうえで必要な値であるF、およびV0を算出する式は、以下の式(6)および(7)である。
Figure 2020196299
Figure 2020196299
式(6)および(7)におけるLSS1、LSS2は、それぞれ、LSS1=ΔL1−SSG1、LSS2=ΔL2−SSG2で表される。
なお、実際の車両1の加速度と、実際の車両1の速度(つまり、車速)を算出するために、SG0、SG1、SG2、SSG0、SSG1、およびSSG2を求める必要がある。SG0、SG1、SG2、SSG0、SSG1、およびSSG2を求めるために、積分計算が行われる。この時に行われる積分計算では、長くてもパルス信号が加速度検出装置40によって取得される時間間隔において行われる。よって、積分区間が長いときの積分計算時に生じる桁落ちなどの問題が生じない。
積分計算は良く知られているようにサンプリング間隔を小さくすることにより加算処理で可能なため、処理量が非常に少ない。また、停車直前の車両においては各値の変化も少ないため十分な精度が得られる。さらに精度を高めたい場合はシンプソンの公式を使えば高精度に求めることができる。
ある時刻t11で取得部41がパルス信号を取得したときに算出部42が算出するF、V0と、取得部41が次のパルス信号を取得したとき(このときの時刻をt12とする。)に算出部42が算出するF、V0とは必ずしも一致しない。時刻t11から時刻t12におけるFの変化は、時刻t11から時刻t12までに車両1が走行した道路の傾斜が変化している場合に生じる。車両1の減速運転時に車速V0が時刻t11と時刻t12において異なるのは言うまでもない。
したがって、オフセット量F、パルス信号が加速度検出装置40によって取得されたときの車速V0を算出した後、再度パルス信号が加速度検出装置40によって取得された場合、オフセット量F、基準速度V0を再算出することで、再度パルス信号が加速度検出装置40によって取得された後、加速度および車速をより正確に算出することができる。
[算出過程]
次に、実際の加速度A(t)、実際の速度V(t)、および移動距離P(t)の算出過程について説明する。
加速度センサ12から出力G(t)が出力され(図3参照)、車速センサ11からはパルス信号が出力される。出力G(t)には、車両1の実際の加速度と、加速度センサ12のオフセットとが含まれている。そこで、算出部42は、取得部41がパルス信号を取得したタイミングにおいて、オフセット量Fおよび基準速度V0を算出する処理を行う。ここでは、式(6)および(7)を用いた算出処理が行われる。
次に、算出部42は、加速度センサ12からの出力G(t)からオフセット値Fを減算することで、補正された出力値(補正後加速度)、すなわち、実際の加速度を算出する。この算出処理は式(3)を用いた算出処理である。
算出部42は、加速度センサ12からの出力G(t)、オフセット値F、および車速V0に基づいて、速度算出処理および距離算出処理を行う。速度算出処理は、式(4)を用いた算出処理、距離算出処理は、式(5)を用いた算出処理である。速度算出処理および距離算出処理により、実際の速度V(t)、および移動距離P(t)が算出される。
なお、オフセット量F、および基準速度V0は、車速センサ11からの出力結果を用いて検出するため、車速センサ11からのパルス信号が、取得部41によって取得されなければ、オフセット量F、および基準速度V0は更新されない。しかしながら、加速度センサ12の出力は、車速センサ11からのパルス信号が取得されていない間にも出力されている。
よって、算出部42は、取得部41がパルス信号を取得した時刻以降において、取得部41が加速度センサ12からの出力G(t)を取得する度に、算出されたFおよびV0等を用いて、実際の加速度A(t)、実際の速度V(t)および移動距離P(t)を算出する。
最新のパルス信号が出力された後、停車に至らず、再びパルス信号が出力された場合、算出部42は、オフセット量F、およびV0を再算出する。具体的には、上述した式(6)および(7)において、Δt2、Δt1、SG2、SG1、SSG2、SSG1に、それぞれΔt1、t、SG1、SG0、SSG1、SSG0を代入して算出する。
次に、図4および図5を参照して、車両制御装置20の動作について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置20の動作を示すフローチャートである。図5は、運転制御装置50による制動制御を説明する図である。
車両1が走行している間、取得部41は、車速センサ11からの出力、および加速度センサ12からの出力を常時取得する(ステップS11)。
このとき、パルス信号の取得間隔を示す時刻範囲、パルス信号の取得間隔時間、加速度センサ12の出力の時間積分値、および時間に関する二重積分値が対応づけられて記憶されている。
なお、パルス信号の取得間隔時間、加速度センサ12の出力の時間積分値、および時間に関する二重積分値は、算出部42によって算出される。加速度センサ12の出力の時間積分値、および時間に関する二重積分値(以下、時間二重積分値と称す。)は、対応する区域の時間範囲で積分計算される。
なお、パルス信号の取得間隔時間は、図2におけるΔt1、Δt2に相当する。時間積分値は、SG1、SG2に相当し、時間二重積分値は、図2におけるSSG1、SSG2に相当する。
算出部42は、車速センサ11からの出力であるパルス信号を取得した時間間隔に基づいて車速を算出する。
次に、判定部43は、算出部42が算出した車速が低速判定速度以下であるか否かを判定する(ステップS12)。判定部43が算出した車速が、低速判定速度よりも大きい場合(ステップS12のNO)、ステップS11の処理が行われる。つまり、判定部43が算出した車速が、低速判定速度以下になるまで、ステップS11の処理が継続される。
判定部43によって車速が低速判定速度以下と判定された場合(ステップS12のYES)、取得部41は、車速センサ11からの出力、および加速度センサ12からの出力を取得する(ステップS13)。このとき、算出部42は、車速センサ11からの出力に基づいて、ステップS13の時点で取得されたパルス信号(以下、パルス信号P0と称す。)とパルス信号P0の1回前に取得されたパルス信号(以下、パルス信号P1と称す。)の取得間隔時間(図2のΔt1に相当)を算出する。
また、算出部42は、取得間隔時間の範囲を積分範囲とする時間積分値(図2のSG1に相当)および時間二重積分値(図2のSSG1に相当)を算出する。そして、算出された値は、パルス信号P0とパルス信号P1の取得間隔を示す時刻範囲と対応付けられて記憶装置30に記憶される。
次に、算出部42は、上述した式(6)および(7)を用いて、それぞれ、車両1の加速度のオフセット量F、および、パルス信号P0の取得時の車速V0を算出する(ステップS14)。このとき、算出部42は、記憶装置30を参照する。図2における、算出部42は、SG2、SSG2、SG1、SSG1、Δt1、Δt2に相当する値を読み出し、読みだされた値に基づいてオフセット量Fおよび車速V0を算出する。
なお、Δt1に相当する値は、パルス信号P0とパルス信号P1の取得間隔時間、Δt2に相当する値は、パルス信号P1とパルス信号P1の1回前に取得されたパルス信号P2の取得間隔時間である。
SG1およびSSG1は、それぞれパルス信号P1の取得時刻からパルス信号P0の取得時刻との間を積分範囲とする時間積分値および時間二重積分値である。SG2およびSSG2は、それぞれパルス信号P2の取得時刻からパルス信号P1の取得時刻との間を積分範囲とする時間積分値および時間二重積分値である。
加速度検出装置40は、算出されたオフセット量Fおよび車速V0を記憶装置30に記憶させる。
次に、算出部42は、上述した式(3)、(4)、および(5)を用いて、それぞれ車両1の実際の加速度、車速、移動距離を算出する(ステップS15)。
次に、運転制御装置50は、ブレーキペダル13から加速度指令を取得する(ステップS16)。加速度指令とは、ブレーキペダル13の踏み込み量を示す信号である。運転制御装置50は、加速度指令に含まれる信号を解析して、ブレーキペダル13の踏み込み量に応じた加速度を算出する。このとき、運転制御装置50は、例えば、記憶装置30に記憶されている踏み込み量と加速度との対応関係を示したテーブルに基づいて加速度の算出を行ってもよいし、踏み込み量と加速度との対応関係を表す式に基づいて加速度の算出を行ってもよい。なお、踏み込み量に対応付けられた加速度は、制動力の大きさに対応する。
次に、運転制御装置50は、制動制御を行う(ステップS17)。ここで、運転制御装置50は、図5に示されているように、ブレーキペダル13からの加速度指令に対応する加速度からステップS15において算出された加速度を減算する。
減算により得られた差分加速度が、0でなければ、加速度指令に対応する加速度が、実際の加速度とずれていることを意味する。
そのため、運転制御装置50は、車両1の実際の加速度が、加速度指令に対応する加速度になるように制動制御する。このとき、フィードバック系が安定かつ所定の制御偏差以下となるように位相補償を挿入している。
次に、判定部43は、車両1が停止したか否かを判定する(ステップS18)。具体的には、判定部43は、ステップS15で算出された車速が、停止判定速度を下回ったか否かを判定する。
車両1が停止していない場合(ステップS18のNO)、加速度検出装置40は、車速センサ11からの出力を取得したか否かを判定する(ステップS19)。
車速センサ11からの出力が取得されていない場合(ステップS19のNO)とは、パルス信号の次のパルス信号が取得部41によって取得されない場合に相当する。この場合、取得部41は、加速度センサ12からの出力を取得する(ステップS22)。
算出部42は、上述した式(3)、(4)、および(5)を用いて、それぞれ車両1の実際の加速度、車速、および移動距離を算出する(ステップS15)。このとき、算出部42は、記憶装置30に記憶されているオフセット量F及び、車速V0を用いて算出処理を行う。
その後は、ステップS16、およびS17の処理が行われる。
車速センサ11からの出力が取得された場合(ステップS19のYES)とは、パルス信号の次のパルス信号が取得部41によって取得された場合に相当する。なお、算出部42は、取得部41が次のパルス信号を取得した時点においてパルス信号と次のパルス信号との取得間隔時間を算出している。
車速センサ11からの出力が取得された場合(ステップS19のYES)、取得部41は、加速度センサ12からの出力を取得する(ステップS20)。
このとき、算出部42は、パルス信号の取得時刻から次のパルス信号の取得時刻までの時間範囲を積分範囲とする時間積分値および時間二重積分値を算出している。そして、算出された値は、パルス信号と次のパルス信号の取得間隔を示す時刻範囲と対応付けられて記憶装置30に記憶されている。
そして、算出部42は、オフセット量、車速センサの出力取得時の速度を再算出する(ステップS21)。
このとき、算出部42は、記憶装置30を参照する。算出部42は、SG2、SSG2、SG1、SSG1、Δt2、Δt1を読み出し、読みだされた値に基づいてオフセット量Fおよび車速V0を算出する。再算出されたオフセット量Fおよび車速V0は記憶装置30に記憶される。
その後、算出部42は、上述した式(3)、(4)、および(5)を用いて、それぞれ車両1の実際の加速度、車速、移動距離を算出する(ステップS15)。このとき、算出部42は、再算出されたオフセット量Fおよび車速V0を用いて車両1の実際の加速度、車速、および移動距離を算出する。
少なくともステップS15〜S18の処理は、車両1が停止したと判定されるまで、繰り返される。
車両1が停止した場合(ステップS18のYES)、運転制御装置50は停止動作を行う(ステップS23)。停止動作とは、制動部60を制動させる制動力を大きくする動作のことである。このとき、運転制御装置50は停止時用の制動力で制動部60を制動させる制動指令が制動部60に出力する。
なお、車速が微速になった時に車速センサ11の種類によっては車速センサ11からの出力が行われないことがある。この場合はステップS19でNOの判定がなされ続けるが、ステップS15で必要な情報の算出はなされる。
しかしながら、車速センサ11からの出力が行われたり行われなかったりする場合、すなわちパルス出力が欠落する場合がある。この場合はパルス間走行距離が一定値(つまり、車速係数)とはならず、パルス間走行距離は車速係数の整数倍になってしまう。そのため、車速が微速である時に、パルス信号が出力されたりされなかったりする車速センサ11を備える車両に適用する場合は、ステップS19の判定条件に次のようなAND条件を加えることで誤動作を防ぐこともできる。一例目は「車速が所定速度以上」、二例目は「直前のパルス間走行距離が車速係数とほぼ一致」である。
ステップS18において、所定の時間経過しても停車したと判定されない場合、運転制御装置50は、オフセット量を用いて算出された実際の加速度に基づく差分加速度に応じた制動力の他に、車両1を停車させるための制動力で制動部60を制動させてもよい。
加速度センサ12の出力に含まれるDCドリフトによるオフセットは、加速度センサ内部で温度補償などを行うセンサを利用することで、減らすことができる。しかし、温度補償を行うセンサを設けることはコストがかかるという欠点がある。また、温度補償などを行うセンサを用いても、重力によるオフセットは除去できない。このため、重力によるオフセットを除去するためには、従来は、上述したように、3軸加速度センサを利用して、所定の座標変換処理を行うことで重力の影響を除去しており、複雑な計算を必要としていた。
しかしながら、上述したように、本実施形態によれば、車速センサ11の出力を用いて1軸加速度センサである加速度センサ12からの出力を補正することで、車両1の実際の加速度を少ない計算量で算出することができる。したがって、1軸加速度センサを一つのみ用いて車両1の加速度を検出する場合であっても、より正確な加速度をより少ない計算量で得ることができる。
車両1の停車直前の速度領域では、車速センサ11によって出力されるパルス信号の出力間隔(つまり、加速度検出装置40によるパルス信号の取得間隔)が長い。このため、パルス信号が出力するタイミングでしか車速を検出できない。
本実施形態によれば、車両1の停車直前の速度領域であっても、最新の車速センサ11の出力と、加速度センサ12の出力を用いて、車速を算出する。詳しくは、加速度センサ12からの出力と車速センサ11からの出力とに基づいて、車両1の加速度のオフセット量および車速センサ11からの出力が加速度検出装置40によって取得されたときの車両1の速度である基準速度を算出する。そして、算出されたオフセット量および基準速度、加速度センサ12からの出力を用いて車速を算出できる。
よって、車両1の停車直前の速度領域であっても、加速度センサ12が出力したタイミングであれば、少ない計算量で車速を算出できる。同様に、車両1の停車直前の速度領域であっても、車両の走行距離を算出できる。
算出部は、加速度のオフセット量を算出した後、加速度検出装置40が車速センサ11からの出力を取得した場合、取得した出力に基づいて、車両1の加速度のオフセット量を再算出する。また、車速センサ11からの出力が取得された時刻における基準速度を算出する。そして、その車速センサ11からの出力が取得された時刻以降、再算出されたオフセット量を用いて、加速度センサからの出力を補正することで、実際の加速度を算出する。同様に、その車速センサ11からの出力が取得された時刻以降、再算出されたオフセット量、基準速度を用いて車速、および走行距離が算出される。
よって、車両1の停車直前の速度領域において、より正確に、実際の加速度、車速、走行距離を算出することができる。
上述したように、車両1の停車直前の速度領域において、実際の加速度を算出できるので、車両1を停車する直前において、実際の加速度を、ブレーキペダルの踏み込み量に対応する加速度指令値が示す加速度に近づくように、車両の制動部60を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、車両1の停車時の乗り心地の悪化を低減することができる。
なお、上述した実施形態によれば、車両1の加速時および発進時において(車両1が進みはじめたばかりの低速領域において)も、車両1の実際の加速度、車速、走行距離を算出することができる。ただし、この場合、加速度検出装置40が車速センサ11からの3つ目のパルス信号を取得するまでは、基準速度V0=0、オフセット量F=G(0)を用いて算出する。
(変形例)
上述した実施形態では、運転手によって運転される車両1について説明した。しかしながら、自動運転により制御される車両1についても同様に、停車直前の速度において、実際の車両の加速度、車速、走行距離が算出される。また、算出結果に応じて、制動制御が行われる。以下、上述した実施形態との相違点について説明する。
本変形例における運転制御装置50は、上述した実施形態における運転制御装置50の機能に加えて、アクセルペダル、ブレーキペダル13、およびハンドル等に対する入力操作を受けることなく、車両1を運転する。
運転制御装置50は、所定の速度プロファイルを作成し、作成した速度プロファイルにしたがって、車両1の運転制御を行う。このとき、運転制御装置50、図示されていない駆動部を制御することで、速度プロファイルに従って運転制御を行っている。
図6は、運転制御装置50による制動制御を説明する図である。車両1の減速・停車時に、運転制御装置50は、車両1が停車するまでの速度プロファイルを作成する。速度プロファイルは、速度指令値が目標停止位置までの距離の関数として表現されている。
運転制御装置50は、速度指令値から加速度検出装置によって算出された実際の車速を減算する。減算して得られた差分速度の値が0でなければ、速度指令で指定された速度が、実際の速度からずれていることを意味する。
差分速度の値が0でない場合、運転制御装置50は、車両1の実際の速度が、速度指令値に対応する速度になるように制動部60を制御する。このとき、フィードバック系が安定かつ所定の制御偏差以下となるように位相補償を挿入している。
変形例における車両制御装置20の動作は、ステップS16およびステップS17を除いて図4のフローチャートに示されている処理と同様である。ステップS16の処理に替えて、運転制御装置50は、車両1を停止するための速度プロファイルを作成する処理を行う。また、ステップS17の処理に替えて、運転制御装置50は、車両1の実際の速度が速度指令値に対応する速度に近づくように制動部60を制御する処理を行う。
本変形例において運転制御装置50は、車両1の実際の速度が、速度指令値に対応する速度になるように制動部60を制御するとしたが、必ずしも速度指令値に基づいた制御をしなくてもよい。例えば、速度プロファイルを時間微分して加速度プロファイルを作成し、車両1の実際の加速度が、作成された加速度プロファイルに含まれる加速度指令値に対応する加速度に近づくように制動部60を制御してもよい。
また、車両制御装置20は、加速度検出装置40によって算出された車両1の位置が、自動運転時の位置指令値に近づくように、車両1の制動を制御してもよい。
例えば、制御に用いる速度プロファイルや加速度プロファイルは目標停止位置までの距離の関数として定義してもよい。この場合、速度制御や加速度制御をする場合の制御偏差は累積せずに、最終的には目標位置にちょうど停止するような位置制御がおこなわれる。つまり、大きな位置制御ループに、小さな速度制御ループや小さな加速度制御ループが含まれるということである。
なお、所定の場合、運転制御装置50は、車両1を急停止させるための制動をかけてもよい。所定の場合とは、加速度検出装置40によって算出された実際の速度が、速度プロファイルで指定された速度から大幅に逸脱した場合、再度算出したオフセット量Fが前回算出したオフセット量Fと大きく相違する場合である。他に、運転制御装置50が減速しようとしているにもかかわらず、加速度検出装置40によって算出された基準速度V0の算出値の絶対値が0から離れていく場合、運転制御装置50が減速しようとしているにもかかわらず、取得時間間隔が、およびΔt2>Δt1となる場合も上述した所定の場合に該当する。
また、本発明の処理では、実際の加速度が加速度指令値と同じになるように、車両の制御する、すなわち種々の外乱外力が加わっても(エンジンのON/OFF、車両1のエアコンのON/OFF、および道路の傾斜などによって車両駆動力・制動力に変化が生じたり、車両そのものに外力が加わったりしても)、フィードバックによってそれらの影響をなくすように動作する。
なお、上述した動作は、自動走行などの場合は理想であるが、人間が運転する場合は別の考え方もある。つまり、車両1の内部(内的要因)で発生するような外乱は不連続に突然で発生するものなので、それ内的要因による加速度の変化を吸収するのは良いが、道路傾斜などの車両1の外部からの外乱発生要因についてはフィードバックで吸収しないほうが良い場合がある。道路傾斜による外乱発生要因による加速度の変化も吸収してしまうと、坂道でも平地と同様に運転できるので坂道を意識する必要がなくなるため、運転手に奇異な感覚をもたらすことがある。
上述した奇異な感覚を運転手に感じさせないためには、加速度フィードバックの位相補償において、低周波数領域のゲインを下げるだけでよい。そうすれば、例えば下り坂では平地よりもブレーキ踏み込み量を多くした状態で、車両1の内部で発生する外乱の影響を受けずに車両1を制御できることになる。
本変形例によれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
<注釈>
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、低速時における加速度を少ない計算量で連続して算出する加速度検出装置に好適に利用される。
1 車両
11 車速センサ
12 加速度センサ
13 ブレーキペダル
20 車両制御装置
30 記憶装置
40 加速度検出装置
41 取得部
42 算出部
43 判定部
44 車速検出部
50 運転制御装置
60 制動部

Claims (8)

  1. 車両の前後方向の加速度を検出する1軸加速度センサによる測定結果である前記車両の前後方向の加速度を示す出力と、前記車両が備える車速センサによる出力とを取得する取得部と、
    前記1軸加速度センサからの出力と前記車速センサからの出力とに基づいて、前記1軸加速度センサの出力の誤差であるオフセット量を算出し、前記オフセット量を用いて、前記1軸加速度センサからの出力を補正する算出部と、
    を備える加速度検出装置。
  2. 前記算出部は、前記1軸加速度センサからの出力と前記車速センサからの出力とに基づいて、前記取得部が、前記車速センサからの出力を取得したときの前記車両の速度である基準速度を算出し、前記基準速度、前記オフセット量、および前記1軸加速度センサからの出力を用いて、前記車両の速度を算出する請求項1に記載の加速度検出装置。
  3. 前記算出部は、前記1軸加速度センサからの出力と前記車速センサからの出力とに基づいて、前記取得部が、前記車速センサからの出力を取得したときの前記車両の速度である基準速度を算出し、前記基準速度、前記オフセット量、および前記1軸加速度センサからの出力を用いて、前記車両の移動距離を算出する請求項1または2に記載の加速度検出装置。
  4. 前記車両の速度が所定速度以下のときに、前記算出部は、前記1軸加速度センサからの出力と、前記車速センサからの出力とに基づいて、前記オフセット量を算出する請求項1から3のいずれか一項に記載の加速度検出装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の加速度検出装置と、
    前記加速度検出装置が前記補正を行うことで得られた補正値が、ブレーキペダルの踏込量に応じた加速度の指令値に近づくように、前記車両の制動を制御する制動制御部を備える車両制御装置。
  6. 請求項2に記載の加速度検出装置と、
    前記加速度検出装置によって算出された前記車両の加速度もしくは速度もしくは位置が、自動運転時の加速度もしくは速度もしくは位置指令値に近づくように、前記車両の制動を制御する制動制御部を備える車両制御装置。
  7. 前後方向の加速度を測定する1軸加速度センサと、
    車速センサと、
    請求項6に記載の車両制御装置と、
    を備える車両。
  8. 前記車速センサは、一定の距離進行する毎にパルス信号を車速検出部に対して出力する請求項7に記載の車両。
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