JP2020195676A - ロータリー式電気かみそり - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な切れ味と肌触りを有し、拾い性と深剃り性を向上させた簡素な構成のロータリー式電気かみそりを提供する。【解決手段】本発明に係るロータリー式電気かみそり1は、円環状の髭剃り面20aに複数の髭進入孔22を有する外部外刃20と、円盤状の髭剃り面30aに複数の髭進入孔32を有して外部外刃20の径方向内側に配設される内部外刃30と、外部外刃20の裏面20bに摺接する複数の小刃42を有して回転駆動される外部内刃40と、内部外刃30の裏面30bに摺接する複数の小刃62を有して回転駆動される内部内刃60と、外部内刃40が固定される外部内刃受台50と、内部内刃60が固定されて外部内刃受台50に支持される内部内刃受台70とを備え、外部外刃20は内壁部20dの内周側に円筒状のガイドリング24を有し、外部内刃40はガイドリング24の内周面24aに摺接して径方向の位置決めを行う複数のガイド44を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ロータリー式電気かみそりに関する。
従来より、髭剃り面に複数の髭進入孔を有する外刃と、髭剃り面の裏面に摺接する複数の小刃を有して回転駆動される内刃とを備えて、髭進入孔に進入した髭を小刃で切断するロータリー式電気かみそりが知られている(特許文献1:特開昭55−158082号公報参照)。
ここで、特許文献1に例示されるようなロータリー式電気かみそりにおいては、外刃の髭剃り面が平面視円環状に構成されているため、当該髭剃り面よりも径方向内部となる位置においては髭を捉えることができないという課題が生じる。
これに対して、平面視円環状の髭剃り面に対して、その径方向内部となる位置にも別の髭剃り面を備えるロータリー式電気かみそりが開示されている(特許文献2:特開昭55−158083号公報参照)。これによれば、平面視円環状の髭剃り面のみを備える構成と比較して、当該髭剃り面の径方向内部となる位置においても髭を捉えることができるため、髭の拾い性を高めることができる。
特開昭55−158082号公報 特開昭55−158083号公報
しかしながら、特許文献2に例示されるようなロータリー式電気かみそりにおいては、円環状の髭剃り面を有する外刃に対してその径方向内部に設けられる中央の外刃と、当該中央の外刃に組み合わされる内刃との位置決めおよび支持を行うために以下の構成が採用されている。具体的には、中央の外刃の径方向中心に外刃固定子を設けると共に、当該外刃固定子に内刃基台が軸心を一致させて固定される構成である。これによれば、中央の外刃と対応する内刃との軸心を一致させることができるため、髭の切断性(切れ味)を良好にすることができる。その一方で、中央の外刃において、髭剃り面の径方向中心位置に外刃固定子を係合させるための凹所が設けられる構成となっている。そのため、中央の外刃の髭剃り面に凹所(すなわち、凹状の窪み)があることによって肌触りが悪化し、且つ、髭を捉える面積も減少してしまう課題が生じる。また、部品数および加工工数が多い複雑な構成となってしまう課題も生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、髭を切断する際の良好な切れ味と、良好な肌触りとの両立を図ることが可能で、且つ、拾い性および深剃り性をより向上させることが可能な、簡素な構成のロータリー式電気かみそりを提供することを目的とする。
一実施形態として、以下に開示するような解決手段により、前記課題を解決する。
開示のロータリー式電気かみそりは、平面視円環状の髭剃り面に複数の髭進入孔を有する外部外刃と、平面視円盤状の髭剃り面に複数の髭進入孔を有し、前記外部外刃の径方向内側に配設される内部外刃と、前記外部外刃の髭剃り面の裏面に摺接する複数の小刃を有し、回転駆動される外部内刃と、前記内部外刃の髭剃り面の裏面に摺接する複数の小刃を有し、回転駆動される内部内刃と、前記外部内刃が固定される外部内刃受台と、前記内部内刃が固定され、前記外部内刃受台に支持される内部内刃受台と、を備え、前記外部外刃は、内壁部の内周側に一体もしくは別体に形成された円筒状のガイドリングを有し、前記外部内刃は、前記ガイドリングの内周面に摺接して前記外部外刃に対する径方向の位置決めを行う複数のガイドを有することを特徴とする。
本発明によれば、髭を切断する際の良好な切れ味と、良好な肌触りとの両立を図ることが可能で、且つ、拾い性および深剃り性をより向上させることが可能となる。また、部品数および加工工数が少ない簡素な構成を実現することが可能となる。
本発明の実施形態に係るロータリー式電気かみそりの例を示す概略図(斜視図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりのヘッド部の例を示す概略図(正面断面図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの刃ユニットの例を示す概略図(正面断面図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの刃ユニットの例を示す概略図(平面図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの刃ユニットの例を示す概略図(分解斜視図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの外刃組の例を示す概略図(斜視図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの外部内刃組の例を示す概略図(斜視図)である。 図1に示すロータリー式電気かみそりの内部内刃組の例を示す概略図(斜視図)である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係るロータリー式電気かみそり1の例を示す概略図(斜視図)である。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本実施形態に係るロータリー式電気かみそり1として、図1に示すように、本体部2に保持されるヘッド部3において、刃ユニット4が三組配設される構成を例に挙げて説明する。本実施形態に係る刃ユニット4は、後述する外刃組5、外部内刃組6、および内部内刃組7を備えて構成されている。ここで、ヘッド部3の断面図(一つの刃ユニット4の部分における断面図)を図2に示す。また、刃ユニット4の正面断面図(概略図)を図3に、平面図(内部構造をわかり易くするために髭剃り面を不図示とした概略図)を図4に、分解斜視図(概略図)を図5に、それぞれ示す。なお、本実施形態は、刃ユニットが三組の場合の例であるが、これに限定されるものではない。
先ず、本体部2は、略円柱状のケース10を備えている。このケース10の内部には、駆動源(一例として電気モータ)、電池、制御回路基板等(いずれも不図示)が収容されている。また、ケース10の前面には電源スイッチ11が取り付けられている。
次に、ヘッド部3は、図2に示すように、本体部2のケース10の上部に連結されて保持されるヘッドケース13と、このヘッドケース13に上方から嵌設される外刃枠14と、ヘッドケース13の内底部に収容された内刃駆動軸12とを備えている。さらに、外刃枠14に嵌設される外刃ケース15と、外刃ケース15に対して僅かに軸方向移動可能かつ揺動可能に保持される刃ユニット4とを、三組備えている。また、三組の刃ユニット4は、一例として三角形となる配置で設けられている。なお、外刃ケース15に対する刃ユニット4の軸方向移動量(ここでは、外部外刃20の軸方向移動量として規定)は、一例として、0.5〜1.5[mm]程度に設定されている。
また、本実施形態においては、各外刃ケース15は相互に連動しつつ、外刃枠14に対してそれぞれがシーソー状に移動可能に構成されている。これにより、ヘッド部3の上面3aが凸面となる状態と、凹面となる状態との間で変形可能となっている。
次に、刃ユニット4における外刃組5について説明する。ここで、外刃組5の斜視図(概略図)を図6に示す。本実施形態に係る外刃組5は、図5、図6に示すように、平面視円環状の髭剃り面20aに複数の髭進入孔(第1髭進入孔)22を有する外部外刃20と、平面視円盤状の髭剃り面30aに複数の髭進入孔(第2髭進入孔)32を有して外部外刃20に対して径方向内側に配設される内部外刃30とを備えて構成されている。一例として、外部外刃20および内部外刃30は、ステンレス合金からなる平板状の金属板を用いて、プレス加工による型抜きおよび折曲を行って、それぞれ一体構造(一部品)として形成される。
本実施形態に係る外部外刃20は、髭剃り面20aの縁部からそれぞれ下方に延設される外壁部20cおよび内壁部20dを有して構成されている。また、髭剃り面20aに設けられる髭進入孔(第1髭進入孔)22は、髭剃り面20aからその裏面20bへ至る貫通孔として形成されている。これによって、当該髭進入孔22に入った髭をその下端部と外部内刃40の小刃42の先端部(刃先42a)とで挟み込むようにして切断する作用が得られる。なお、髭進入孔22は、スリット形状(長孔形状)、丸孔形状、矩形孔形状、あるいはそれらの組み合わせ等、様々な形状を採用することができる。一例として、髭剃り面20aの内縁から外縁に至る放射状の湾曲スリット形状の22Aと、髭剃り面20aの中央から外縁に至る放射状の湾曲スリット形状の22Bとが、周方向に交互に並設される構成としている。
ここで、本実施形態に特徴的な構成として、外部外刃20は、内壁部20dが周方向に不連続状となるように、すなわち所定の複数位置に設けられる板状形状(平面状もしくは曲面状)となっている。さらに、内壁部20dの内周側には、ステンレス合金等の金属板を用いて別体に形成された円筒状のガイドリング24が係合されている。ただし、これに限定されるものではなく、変形例として、ガイドリング24が、外部外刃20と一体に形成される構成としてもよい(不図示)。
一方、本実施形態に係る内部外刃30は、前述の通り金属材料を用いた一部品で構成され、且つ、髭剃り面30aがドーム状すなわち表面側に凸状で径方向中心に窪み(凹状部分)の無い曲面で構成されている。また、髭剃り面30aに設けられる髭進入孔(第2髭進入孔)32は、髭剃り面30aからその裏面30bへ至る貫通孔として形成されている。これによって、当該髭進入孔32に入った髭をその下端部と内部内刃60の小刃62の先端部(刃先62a)とで挟み込むようにして切断する作用が得られる。なお、髭進入孔32は、スリット形状(長孔形状)、丸孔形状、矩形孔形状、あるいはそれらの組み合わせ等、様々な形状を採用することができる。一例として、矩形孔形状(台形孔形状)の髭進入孔(第2髭進入孔)32が、径方向に三列で周方向に並設される構成としている。
また、内部外刃30は、外部外刃20の内壁部20dに係合される切欠溝34が外周部に設けられている。すなわち、外部外刃20の内壁部20dが周方向に不連続状な板状形状であって、当該内壁部20dに対して内部外刃30の切欠溝34が係合される構成となっている。これによれば、外部外刃20に対して、内部外刃30が周方向に移動しないように規制され、且つ、軸方向に移動可能となる構成が実現できる。
次に、刃ユニット4における外部内刃組6および内部内刃組7の構成について説明する。ここで、外部内刃組6の斜視図(概略図)を図7に、内部内刃組7の斜視図(概略図)を図8にそれぞれ示す。
本実施形態に係る外部内刃組6は、外部外刃20の髭剃り面の裏面20bに摺接する複数の小刃(第1小刃)42を有して回転駆動される外部内刃40と、外部内刃40が固定される外部内刃受台50とを備えて構成されている。一例として、外部内刃40はステンレス合金からなる平板状の金属板を用いて、プレス加工による型抜きおよび折曲を行って、一体構造(一部品)として形成される。また、外部内刃受台50は、樹脂材料を用いて、金型での成形により一体構造(一部品)として形成される。なお、外部内刃受台50は、金属材料を用いて形成することも可能である。
ここで、外部内刃受台50に外部内刃40を組み付ける構造は以下の通りである。具体的に、外部内刃受台50の上面に複数の第1突起56が立設されている。また、外部内刃40の内周には、各第1突起56と係合される係合溝46が設けられている。この第1突起56に係合溝46が係合された状態でかしめ(一例として、熱かしめ)が行われることにより、外部内刃受台50と外部内刃40とが、軸心を一致させた状態で固定される構成となっている。
本実施形態に係る外部内刃40は、略円盤状の平板からなるベース板41の一部を板面に対して起立させることにより、複数の小刃(第1小刃)42が設けられている(図の簡素化のため、一部の小刃のみに符号を記入している)。一例として、小刃(第1小刃)42は、回転方向前方側に向かって傾斜する形状を有し、回転方向前方側の上端縁が刃先42aとなる。
なお、本実施形態に係る小刃(第1小刃)42は、上端から中間部まで径方向幅が同一に形成されており、一例として、径方向幅が1〜3[mm]程度、周方向幅(板厚)が0.3〜0.6[mm]程度、高さ(根元から刃先までの軸方向高さ)が3〜5[mm]程度に形成されている。ただし、この寸法形状に限定されるものではない。
ここで、本実施形態に特徴的な構成として、外部内刃40には、外部外刃20に設けられるガイドリング24の内周面24aに摺接する複数のガイド44が周方向に等間隔で設けられている。本実施形態に係るガイド44は、ベース板41の一部を板面に対して起立・湾曲させて形成されている。これによれば、複数のガイド44がガイドリング24の内周面24aに摺接することによって、外部外刃20に対して外部内刃40の径方向の位置決めを行うことができる。すなわち、外部外刃20と外部内刃40との軸心を一致させることができる。外部外刃20と外部内刃40とは、相互に軸心が一致する位置において、髭の切断性(切れ味)が最良となるように刃砥ぎがなされているため、髭の切断性(切れ味)を最良の状態で持続的に発揮させることができる。
その反面、上記の位置決め構造は、特許文献2に例示されるような径方向中心で摺動する構成と比較して、径方向外周寄りの位置で摺動する構成となるため、摺動時の速度(周速)が高くなり、摩擦による発熱量が大きくなる課題がある。
当該課題に対して、本実施形態に係るガイド44は、以下の構成によりその解決を図っている。具体的には、ガイドリング24の内周面24aに対して対向する面の全面で接触するのではなく、点接触、線接触もしくは面接触する曲面状に形成された接触部44aを有する構成としている。これによれば、ガイド44とガイドリング24との摺動抵抗を低減することができる。したがって、使用時の発熱量の抑制が可能となり、また、消費電力および騒音の低減も可能となる。
次に、外部内刃受台50は、下部において、内刃駆動軸12の上端が係合される凹部50aが形成されている。この凹部50aに内刃駆動軸12の上端が下方から進入して揺動可能に係合されて、駆動力が伝達される。ただし、当該係合構造は一例であって、他の継手構造を採用してもよい(不図示)。また、外部内刃受台50は、上部において、径方向中心の位置に後述の内部内刃受台70が係合される係合突起52が設けられている。この係合突起52は、外周面において軸方向と平行な平面部52aを有する形状に形成されている。一例として、軸方向と直交する断面がD字状の形状であるが、これに限定されず、断面が多角形状等としてもよい(不図示)。
また、外部内刃受台50には、外部外刃20に設けられるガイドリング24の内周面24aに摺接する複数の補助ガイド54が周方向に等間隔で設けられている。これによれば、複数の補助ガイド54がガイドリング24の内周面24aに摺接することによって、外部外刃20に対して外部内刃受台50の径方向の位置決めを行うことができる。すなわち、外部外刃20と外部内刃受台50との軸心を一致させることができる。
なお、本実施形態に係る補助ガイド54は、前述のガイド44と同様に、一例として、ガイドリング24の内周面24aに対して対向する面の全面で接触するのではなく、点接触、線接触もしくは面接触する曲面状に形成された接触部54aを有する構成となっている。これによれば、補助ガイド54とガイドリング24との摺動抵抗を低減できる。したがって、使用時の発熱量の抑制が可能となり、また、消費電力および騒音の低減も可能となる。
次に、本実施形態に係る内部内刃組7は、内部外刃30の髭剃り面の裏面30bに摺接する複数の小刃(第2小刃)62を有して回転駆動される内部内刃60と、内部内刃60が固定される内部内刃受台70を備えて構成されている。ここで、内部内刃60は、第1内刃60Aと第2内刃60Bとが、ベース板同士(すなわち、61A、61B)が当接するように軸方向に重ね合わされて構成されている。一例として、第1内刃60Aおよび第2内刃60Bは、ステンレス合金からなる平板状の金属板を用いて、プレス加工による型抜きおよび折曲を行って、それぞれ一体構造(一部品)として形成される。また、内部内刃受台70は、樹脂材料を用いて、金型での成形により一体構造(一部品)として形成される。なお、内部内刃受台70は、金属材料を用いて形成することも可能である。
ここで、内部内刃受台70に内部内刃60を組み付ける構造は以下の通りである。具体的に、内部内刃受台70の上面に複数の第2突起76が立設されている。また、第1内刃60Aおよび第2内刃60Bのそれぞれには、各第2突起76と嵌合される嵌合孔66(66A、66B)が設けられている。この第2突起76に嵌合孔66(66A、66B)が係合された状態でかしめ(一例として、熱かしめ)が行われることにより、内部内刃受台70と内部内刃60(すなわち、第1内刃60Aおよび第2内刃60B)とが、軸心を一致させた状態で固定される構成となっている。
本実施形態に係る第1内刃60Aは、略円盤状の平板からなるベース板61(61A)の一部を板面に対して起立させることにより、複数(一例として三個)の小刃(第2小刃)62(62A)が設けられている(図の簡素化のため、一部の小刃のみに符号を記入している)。一例として、小刃(第2小刃)62Aは、上部が回転方向前方側に向かって折曲されて傾斜する形状を有し、回転方向前方側の上端縁が刃先62aとなる。同様に、第2内刃60Bは、略円盤状の平板からなるベース板61(61B)の一部を板面に対して起立させることにより、複数(一例として三個)の小刃(第2小刃)62(62B)が設けられている(図の簡素化のため、一部の小刃のみに符号を記入している)。一例として、小刃(第2小刃)62Bは、上部が回転方向前方側に向かって折曲されて傾斜する形状を有し、回転方向前方側の上端縁が刃先62aとなる。
なお、本実施形態に係る小刃(第2小刃)62(62A、62B)は、上部が下部に対して径方向幅が広く形成されており、一例として、径方向幅が3〜4[mm]程度、周方向幅(板厚)が0.1〜0.2[mm]程度、高さ(根元から刃先までの軸方向高さ)が2〜3[mm]程度に形成されている。ただし、この寸法形状に限定されるものではない。
このように、第1内刃60Aと第2内刃60Bとの二つを用いて内部内刃60を構成することによって、いずれか一つのみを用いて内部内刃60を構成する場合と比較して、小刃(第2小刃)62の必要高さを確保しつつ、小刃(第2小刃)62の個数を増加させることが可能となる。したがって、髭の切断性の向上、具体的には、深剃り性をより向上できると共に、剃り時間の短縮を図ることができる。また、小刃(第2小刃)62における必要高さが確保されることで、内部外刃30および内部内刃60の軸方向移動構造(後述)が実現できる。
次に、内部内刃受台70は、径方向中心の位置に係合孔72が設けられている。本実施形態においては、内部内刃受台70の係合孔72が外部内刃受台50の係合突起52に所定の隙間(嵌め合い寸法)を有して係合されている。ここで、内部内刃受台70の下面と外部内刃受台50の上面との間に縮装された第1付勢部材80(一例として、コイルバネ)が配設されている。これによれば、内部内刃受台70が上方への付勢力を受けつつ軸方向に移動可能となるように外部内刃受台50に支持される構造が実現される。
このとき、係合孔72は、前述の係合突起52の断面形状と同様の形状(本実施形態ではD字状)に形成されている。これによって、内刃駆動軸12から外部内刃受台50に伝達される回転駆動力を、さらに内部内刃受台70へ伝達することができる。なお、第1内刃60Aおよび第2内刃60Bに、それぞれ設けられる挿通孔64(64A、64B)は、係合突起52を挿通させる目的で設けられており、係合突起52とは当接しない構成となっている。
さらに、内部内刃60が固定された内部内刃受台70は、第1付勢部材80によって上方へ付勢されて外部内刃受台50に係合された状態で、係合突起52の先端にストッパ82が取付けられる構成となっている。これによれば、内部内刃受台70が外部内刃受台50から外れてしまうことを防止して、軸方向移動における上限位置が規定される。なお、内部内刃受台70に対する外部内刃受台50の軸方向移動量(すなわち、外部外刃20に対する外部内刃40の軸方向移動量を規定する)は、一例として、0.5〜1[mm]程度に設定されている。このように、外部外刃20に対して外部内刃40が軸方向に移動可能な構成が実現されることにより、使用時の肌への追従性(密着性)を向上させることができる。したがって、髭を切断する際の良好な切れ味と、良好な肌触りとの両立を図ることが可能で、且つ、拾い性および深剃り性をより向上させることが可能となる。
また、内部内刃受台70は、小刃(第2小刃)62(62A、62B)の回転方向後方側の面に当接するように突設された後方支持突起74を有する構成となっている。これによれば、使用時において小刃(第2小刃)62(62A、62B)が回転方向後方側に撓んでしまうといった変形を防止することができる。したがって、より薄い金属材料を用いて内部外刃30を形成することができる。また、内部外刃30の髭剃り面の裏面30bに摺接する刃先62aを常に最適な角度に保つことが可能となるため、髭の切断性(切れ味)を最良の状態で持続的に発揮させることができる。
これに加えて、内部外刃30すなわち小刃(第2小刃)62(62A、62B)を薄く形成できれば、髭剃り面の裏面30bに摺接する面積を低減して摺接による発熱量を低下させることができるため、小刃(第2小刃)62(62A、62B)の径方向幅をより広く形成することができる。したがって、内部外刃30の髭剃り面30aにおいて、髭進入孔(第2髭進入孔)32を径方向中心により近い位置まで設けることが可能となる。その結果、髭の切断性の向上、具体的には、拾い性および深剃り性をより向上できると共に、剃り時間の短縮を図ることができる。併せて、薄い金属材料の採用による部品コストの低減、プレス加工の容易化も図ることができる。
前述の通り、特許文献2に例示されるような従来のロータリー式電気かみそりにおいては、外刃と内刃との位置決めおよび支持を行うために、中央の外刃において外刃固定子を係合させるための窪みが設けられる構成となっていた。その結果、当該窪みがあることによって肌触りが悪化し、且つ、髭を捉える面積も減少してしまう課題が生じていた。また、部品数および加工工数が多い複雑な構成となってしまう課題も生じていた。
これに対して、本実施形態においては、外部外刃20に対して外部内刃40の径方向の位置決めを、外刃固定子を設けることなく、外部外刃20のガイドリング24に、外部内刃40の複数のガイド44を摺接させる構成によって実現することができる。これによれば、髭剃り面30aが表面側に凸状で径方向中心に窪みの無い曲面を有する一部品で構成されて軸方向に移動可能となる内部外刃30を実現することができる。したがって、上記課題の解決、すなわち、髭を切断する際の良好な切れ味と、良好な肌触りとの両立を図ることが可能で、且つ、拾い性および深剃り性をより向上させることが可能となる。また、部品数および加工工数が少ない簡素な構成を実現することが可能となる。
また、本実施形態においては、外部内刃40に複数のガイド44が設けられる構成に加えて、外部内刃受台50に複数の補助ガイド54が設けられる構成となっている。これによれば、外部内刃受台50に固定された状態で回転駆動されて外部外刃20と摺接する外部内刃40に関して、外部外刃20に対する軸心の一致をより高精度で行うことができるため、よりスムーズな回転が実現されると共に髭の切断性(切れ味)をより良好にすることができる。なお、一例として、ガイド44と補助ガイド54とは、周方向に等間隔で交互に配置される構成としている。
次に、内刃駆動軸12は、樹脂材料を用いて形成され、駆動源(ここでは、電気モータ)の駆動力を伝達して外部内刃受台50を回転駆動する構成部品である。本実施形態に係る内刃駆動軸12は、外部内刃受台50の凹部50aに係合されて駆動力を伝達する伝達部12aが上端に設けられている。なお、伝達部12aおよび凹部50aは、一例として、平面視多角形状、楕円形状等のように相互に係合して駆動力の伝達が可能な形状であればよい。
また、内刃駆動軸12は、第2付勢部材(一例として、コイルバネ)84が内部に縮装されており、伸び方向への付勢力を生じさせる構成となっている。この付勢力は、外部内刃40を外部外刃20に対して押圧し、さらに外部外刃20を外刃ケース15に対して押圧する押圧力となる。このとき、外部外刃20の外壁部20cの下端に設けられる鍔状部20eが、外刃ケース15の内壁部15aの下端に係止されるストッパとして機能する。
以上、説明した通り、本発明に係るロータリー式電気かみそりによれば、髭を切断する際の良好な切れ味と、良好な肌触りとの両立を図ることが可能で、且つ、拾い性および深剃り性をより向上させることが可能となる。また、部品数および加工工数が少ない簡素な構成を実現することが可能となる。
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。特に、刃ユニットを三組備えるロータリー式電気かみそりを例に挙げて説明を行ったが、これに限定されるものではなく、それ以外の組数を備える構成としてもよい。なお、刃ユニットが三組以外の場合においても基本的な構成は上記の例と同様に考えればよい。
また、外部外刃における円環状の髭剃り面を一列備えるロータリー式電気かみそりを例に挙げて説明を行ったが、これに限定されるものではなく、複数列を備える構成としてもよい。
1 ロータリー式電気かみそり
2 本体部
3 ヘッド部
4 刃ユニット
5 外刃組
6 外部内刃組
7 内部内刃組
12 内刃駆動軸
20 外部外刃
20a 髭剃り面
20d 内壁部
22、22A、22B 第1髭進入孔
24 ガイドリング
30 内部外刃
30a 髭剃り面
32 第2髭進入孔
34 切欠溝
40 外部内刃
42 第1小刃
44 ガイド
44a 接触部
50 外部内刃受台
52 係合突起
52a 平面部
54 補助ガイド
60 内部内刃
60A 第1内刃
60B 第2内刃
61、61A、61B ベース板
62、62A、62B 第2小刃
70 内部内刃受台
72 係合孔
74 後方支持突起
80 第1付勢部材

Claims (6)

  1. 平面視円環状の髭剃り面に複数の髭進入孔を有する外部外刃と、
    平面視円盤状の髭剃り面に複数の髭進入孔を有し、前記外部外刃の径方向内側に配設される内部外刃と、
    前記外部外刃の髭剃り面の裏面に摺接する複数の小刃を有し、回転駆動される外部内刃と、
    前記内部外刃の髭剃り面の裏面に摺接する複数の小刃を有し、回転駆動される内部内刃と、
    前記外部内刃が固定される外部内刃受台と、
    前記内部内刃が固定され、前記外部内刃受台に支持される内部内刃受台と、を備え、
    前記外部外刃は、内壁部の内周側に一体もしくは別体に形成された円筒状のガイドリングを有し、
    前記外部内刃は、前記ガイドリングの内周面に摺接して前記外部外刃に対する径方向の位置決めを行う複数のガイドを有すること
    を特徴とするロータリー式電気かみそり。
  2. 前記外部内刃受台は、径方向中心に係合突起を有し、
    前記内部内刃受台は、径方向中心に係合孔を有し、前記係合孔が前記係合突起に係合された状態で、付勢部材を間に介在させて軸方向に移動可能に前記外部内刃受台に支持されていること
    を特徴とする請求項1記載のロータリー式電気かみそり。
  3. 前記内部外刃は、一部品で構成され、且つ、髭剃り面が凸状で径方向中心に窪みの無い曲面で構成されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリー式電気かみそり。
  4. 前記内部内刃は、前記内部外刃に摺接する小刃がそれぞれのベース板の所定位置に立設される第1内刃と第2内刃とが、前記ベース板同士が当接するように軸方向に重ね合わされて構成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータリー式電気かみそり。
  5. 前記外部外刃は、前記内壁部が周方向に不連続状に複数の位置に形成されており、
    前記内部外刃は、前記内壁部に係合されて前記外部外刃に対する周方向の移動を規制する切欠溝を外周部に有すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のロータリー式電気かみそり。
  6. 前記内部内刃受台は、前記内部外刃に摺接する小刃の回転方向後方側の面に当接するように突設された後方支持突起を有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のロータリー式電気かみそり。
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