JP2020195220A - 絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度、かつ短時間で電線の端末部の絶縁紙を剥離できる絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法を提供する。【解決手段】電線が巻回されたコイル50から引き出された口出線51を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離装置100において、口出線51の絶縁紙にレーザ光を照射するレーザ照射部20と、口出線51の延び方向をコイル50の軸方向にしてコイル50を支持し、コイル50の軸方向を軸としてコイル50を回転させる搬送台10bとを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、電線が巻回されたコイルから引き出された引出し電線を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法に関する。
変圧器の生産工程は、例えば、絶縁紙で被覆された電線を巻回してコイルを製作する巻線工程、鉄心とコイルとを組み合わせる内装工程、鉄心が組み込まれたコイルを乾燥してケースに収納する組立工程などを含む。斯かる組立工程においては、変圧器の充電部等の端子に接続するために、コイルに巻回された電線の端末部を剥離する必要がある。
特許文献1においては、心線(線材)の周囲に絶縁体を被覆してなる電線に対して、電線の中間部に多数の粒子固体を衝突させることによって絶縁体を剥離する電線の中間口出し方法について開示されている。
従来は、コイルから引き出された端末部(引出し電線)から絶縁紙を取り除くために、作業者がカッター等の刃物で絶縁紙を剥ぎ取る作業が行われていた。しかし、未熟な作業者によって作業が行われる場合は、作業に時間が掛かるうえに作業の精度も落ちる。また、絶縁紙を取り除く際に刃物で線材を削り取ってしまう場合があり、線材に損傷を与えるのみならず、削り取った金属片がコイル内部に入り込み、絶縁不良の発生原因ともなる。
これに対して、特許文献1の電線の中間口出し方法は、作業者による手作業は行われないものの、電線に当てた粒子固定を回収する設備が別途必要であるうえに、粒子固体を衝突させるために電線の両端を支える必要があることから、引出し電線の端部の絶縁紙を剥離する場合には適用できない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業の精度を高く維持しつつ、短時間でかつ線材に損傷を与えることなく電線の端末部の絶縁紙を剥離することができる絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法を提供することにある。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、電線が巻回されたコイルから引き出された引出し電線を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離装置において、前記引出し電線の絶縁紙にレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記引出し電線の延び方向を前記コイルの軸方向にして前記コイルを支持し、前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させる支持台とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前記レーザ照射部が前記引出し電線の一面の絶縁紙にレーザ光を照射し、前記コイルを支持する前記支持部が前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させ、前記レーザ照射部が、前記引出し電線の前記一面と反対側面の絶縁紙にレーザ光を照射する。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記レーザ照射部が前記引出し電線の絶縁紙にレーザ光を照射する際、前記引出し電線に向かって空気を吹き出す第1ノズルを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前記レーザ照射部が絶縁紙に対してレーザ光を照射する際、前記第1ノズルが絶縁紙に向かって空気を吹き出すことにより、絶縁紙が発火する発火点を下げ、発火及び発煙を防止する。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記引出し電線において前記レーザ光が照射された被照射位置よりも前記コイル側から前記被照射位置に向かって空気を吹き出す第2ノズルを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前記引出し電線に対して、前記第2ノズルが、前記被照射位置よりも前記コイル側から該被照射位置に向かって空気を吹き出し、レーザ照射によって切断された絶縁紙を剥離して前記コイルから遠方に飛ばす。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記第2ノズルを覆い、剥離された絶縁紙を吸引する吸引部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前記吸引部は、前記第2ノズルを覆い、該第2ノズルによって前記引出し電線から剥離されて飛ばされた絶縁紙を吸引する。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記第2ノズルから吹き出される空気の方向を前記引出し電線の延び方向に変える風向変更機構を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前記風向変更機構は、前記第2ノズルから吹き出される空気の方向を少なくとも前記引出し電線の延び方向に変えることによって、前記引出し電線からの絶縁紙の剥離をより容易にする。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記レーザ照射部は前記絶縁紙に対してCO2レーザを照射することを特徴とする。
本発明にあっては、前記レーザ照射部が、前記引出し電線の線材に対する反射率の高いCO2レーザを照射する。これにより、線材に与える損傷を防止できる。
本発明に係る絶縁紙剥離装置は、前記レーザ照射部は前記絶縁紙に対して、前記コイル側の一点から前記引出し電線の端まで線状にレーザ光を照射し、前記一点を通って該照射の方向と交差する線状にレーザ光を照射することを特徴とする。
本発明にあっては、前記レーザ照射部が、前記コイル側の一点から前記引出し電線の端まで線状にレーザ光を照射し、また前記一点を通って該照射の方向と交差する線状にレーザ光を照射する。即ち、前記レーザ照射部は前記絶縁紙に対して略T字状に照射を行う。
本発明に係る絶縁紙剥離方法は、電線が巻回されたコイルから引き出された引出し電線を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離方法において、レーザ照射部が前記引出し電線の一面の絶縁紙にレーザ光を照射し、前記引出し電線の延び方向を前記コイルの軸方向にして前記コイルを支持する支持部が、前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させ、前記レーザ照射部が、前記引出し電線の前記一面と反対側面の絶縁紙にレーザ光を照射することを特徴とする。
本発明にあっては、前記レーザ照射部が前記引出し電線の一面の絶縁紙にレーザ光を照射し、この後、前記支持部が前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させ、前記レーザ照射部が、前記引出し電線の前記一面と反対側面の絶縁紙にレーザ光を照射する。
本発明によれば、作業の精度を高く維持しつつ、短時間でかつ線材に損傷を与えることなく電線の端末部の絶縁紙を剥離することができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法を図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100の構成を示す斜視図である。図1においては説明の便宜上、鉄心が組み込まれたコイル50の電線に対して絶縁紙を剥離する工程の一例を示している。以下では、便宜上、絶縁紙を剥離する工程を絶縁紙剥離工程と称する。
図1は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100の構成を示す斜視図である。図1においては説明の便宜上、鉄心が組み込まれたコイル50の電線に対して絶縁紙を剥離する工程の一例を示している。以下では、便宜上、絶縁紙を剥離する工程を絶縁紙剥離工程と称する。
コイル50はボビンに電線が巻回されているいわゆる平角コイルである。電線は、長尺の帯状であり、線材(例えば、銅線又はアルミ線)に絶縁紙(例えば、クラフト紙など)を巻いて絶縁被覆されている。ボビンに巻回された電線の端部は、口出線51(引出し電線)としてコイル50から引き出されている。口出線51(電線)は断面視短冊状である。絶縁紙剥離工程においては、コイル50から引き出された口出線51の絶縁紙が剥離される。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100は、レーザ照射部20と、収集部40と、搬送台10(支持台)とを備える。
搬送台10は、一連の絶縁紙剥離工程の際、レーザ照射部20に対応する位置及び収集部40に対応する位置にコイル50を搬送する。搬送台10は、搬送台10aと、搬送台10bと、搬送台10cと、搬送台10dとからなる。搬送台10bはレーザ照射部20に対応する位置にコイル50を搬送し、搬送台10cは収集部40に対応する位置にコイル50を搬送する。即ち、搬送台10bはレーザ照射部20による所定の処理が実行される位置までコイル50を搬送し、搬送台10cは収集部40による所定の処理が実行される位置までコイル50を搬送する。コイル50は搬送台10aから搬送台10dの順に搬送される。以下、搬送台10aから搬送台10dをまとめて搬送台10ともいう。
図2は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100において、レーザ照射部20と搬送台10bとの位置関係を説明する説明図である。
搬送台10a〜搬送台10dのうち搬送台10bは上下方向に延びる回転軸12を有しており、回転軸12を軸として天板11が回転できるように構成されている(図2の矢印参照)。また、搬送台10bにおいては天板11がレーザ照射部20に対して遠近方向(図1の矢印参照)に移動可能に設けられている。従って、搬送台10bの天板11に載置されたコイル50を、上下方向(コイル50の軸方向)を軸として回転させることができ、またレーザ照射部20に対して遠近方向に移動させることができる。
搬送台10a〜搬送台10dのうち搬送台10bは上下方向に延びる回転軸12を有しており、回転軸12を軸として天板11が回転できるように構成されている(図2の矢印参照)。また、搬送台10bにおいては天板11がレーザ照射部20に対して遠近方向(図1の矢印参照)に移動可能に設けられている。従って、搬送台10bの天板11に載置されたコイル50を、上下方向(コイル50の軸方向)を軸として回転させることができ、またレーザ照射部20に対して遠近方向に移動させることができる。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100においては、絶縁紙剥離工程の際、コイル50から引き出された口出線51が上下方向(コイル50の軸方向)に直線状に延びる状態にして、コイル50が搬送台10上における定められた位置に載置される。コイル50はこの状態のまま搬送台10によって搬送され、口出線51に対して絶縁紙剥離工程における一連の処理が実行される。
なお、図2においては、一つのコイル50から四つの口出線51が引き出された場合を例示しているが、これに限定されるものでない。一つのコイル50から四つ以上の口出線51が引き出された構成であっても良く、四つ以下の口出線51が引き出された構成であっても良い。
レーザ照射部20は、例えば、レーザ発振器、レーザ光を伝送する光ファイバなどで構成される伝送光学系、及びレーザ光を集光する集光光学系などを備える。レーザ照射部20は、レーザ光を口出線51に、即ち口出線51の絶縁紙に対して照射する。
上述したように、搬送台10bはコイル50(口出線51)をレーザ照射部20による所定の処理が実行される位置に搬送する。口出線51、即ちコイル50の電線は、上述の如く帯状であり両側の主面に対してレーザ光が照射される。より具体的には、一つのコイル50毎に四つの口出線51が引き出され、四つの口出線51は所定の間隔を設けて一列に配置される。レーザ照射部20からのレーザ光は、各口出線51において、絶縁紙が被覆された線材の板厚方向と垂直な表面に対して照射される。レーザ照射部20が絶縁紙に対してレーザ光を照射することにより、手作業よりも短時間で口出線51の絶縁紙を切断する。
また、一つの口出線51は、夫々絶縁された二つの線材を一つにまとめたものであっても良く、夫々絶縁された四つの線材を一つにまとめたものであっても良い。斯かる場合は、絶縁紙剥離工程において効率を高めることができる。
レーザ照射部20は、波長(発振波長)が1μm以上のレーザ光を照射することができる。波長が1μmとすると、線材が銅線の場合、反射率は約90%となり、線材がアルミ線の場合、反射率は約80%となる。レーザ光の発振波長を1μm以上にすることにより、レーザ光は絶縁紙のみを切断することができるとともに、レーザ光は線材の表面で反射し、線材に損傷を与えることを防止できる。
好ましくは、レーザ照射部20は、CO2レーザとすることができる。CO2レーザの波長は約10μmであり、線材が銅線の場合、反射率は約98%となり、線材がアルミ線の場合、反射率は約95%となる。1μm程度の波長に比べて、線材の表面での反射率をさらに大きくすることができ、線材に与える損傷を一層防止できる。
図3は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100における、レーザ光の照射パターンの一例を示す模式図である。図3に示すように、口出線51の長さ方向をZ方向とする。図3において、各口出線51の主面に図示した線がレーザ光の走査方向を示し、レーザ照射位置の軌跡を示す。図3の例では、各口出線51の絶縁紙511に対して略T字状にてレーザの照射が行われている。
即ち、コイル50から引き出された口出線51の絶縁紙511に対して、コイル50側の一点Pから口出線51の端まで口出線51のZ方向に直線状にレーザ光の照射(以下、第1照射と称する。)を行い、口出線51のZ方向と直交するX方向に前記一点Pを通る線状にレーザ光の照射(以下、第2照射と称する。)を行う。
以上では、第1照射後に第2照射が行われる場合について説明したが、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものではない。先に第2照射が行われた後に第1照射が行われるように構成しても良い。
なお、以上においては、各口出線51の絶縁紙511に対して略T字状にてレーザの照射が行われる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各口出線51の絶縁紙511に対して略十字状にレーザの照射が行われても良い。即ち、一点Pを少し通り過ぎる直線状にて口出線51のZ方向にレーザ光の照射を行い、また口出線51のX方向に前記一点Pを通る線状にてレーザ光の照射を行うようにしても良い。
また、以上では、第1照射の方向が第2照射の方向と略直交する場合について説明したが、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものではない。例えば、第1照射の方向と第2照射の方向とが斜めに交差するように構成しても良い。
以上のことから、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100では、線材にスパイラル状に巻かれている絶縁紙511を、少ない数(2回)のレーザ光照射だけで効率的に切断(剥離)することができる。
図4は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100における、レーザ光の照射パターンの他例を示す模式図である。図4に示すように、口出線51の長さ方向をZ方向とする。図4において、各口出線51の主面に図示した線がレーザ光の走査方向を示し、レーザ照射位置の軌跡を示す。図4の例では、各口出線51の絶縁紙511に対して格子状にてレーザの照射が行われている。即ち、コイル50から引き出された口出線51の絶縁紙511に対して、口出線51のZ方向に複数直線状にレーザ光の照射(以下、第I照射と称する。)を行い、口出線51のZ方向と直交するX方向に複数直線状にレーザ光の照射(以下、第II照射と称する。)を行う。
以上では、第I照射後に第II照射が行われる場合について説明したが、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものではない。先に第II照射が行われた後に第I照射が行われるように構成しても良い。
以上のことから、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100では、線材にスパイラル状に巻かれている絶縁紙511をより確実に切断(剥離)することができる。
以上のことから、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100では、線材にスパイラル状に巻かれている絶縁紙511をより確実に切断(剥離)することができる。
レーザ照射部20によって、口出線51の一主面に対するレーザ光の照射が完了すると、搬送台10bが回転軸12を軸として回転する(図2の矢印参照)。これによって、天板11上のコイル50が回転するので、口出線51の他主面をレーザ照射部20と対向させることができる。次いで、搬送台10bの天板11がレーザ照射部20に対して遠近方向に適宜移動し(図1の矢印参照)、口出線51の他主面にてレーザ照射部20からのレーザ光の焦点を合わせる。以後、口出線51の他主面に対してもレーザ照射部20がレーザ光を照射する。
このように、搬送台10bがコイル50を回転させ、かつレーザ照射部20からのレーザ光の焦点を合わせるので、作業者による手作業を省くことができる。従って、絶縁紙剥離工程の精度を高く保つことができ、かつ絶縁紙剥離工程の処理時間を短縮することができる。
レーザ照射部20においてレーザ光の出射される出射面は矩形であり、斯かる出射面の短辺側には第1ノズル60が設けられている(図2参照)。第1ノズル60は、レーザ照射部20によるレーザ光の照射が行われる際、口出線51に向かって空気を吹き出す。即ち、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100においては、第1ノズル60から絶縁紙511に向かって空気を吹き出しつつ、レーザ照射部20から絶縁紙511に対してレーザ光を照射することができる。
絶縁紙511に対してレーザ光を照射した場合、絶縁紙511が発煙する可能性がある。そこで、絶縁紙511に向かって送風をしながらレーザ光を照射することにより、絶縁紙511が発火するエネルギーを送風によって低減することができ、発火点が下がり発火及び発煙を防止することができる。また、絶縁紙511が発火しにくくなる。更に、煙害を抑制できるので、大容量の排煙装置が不要になる。
このように、口出線51の絶縁紙511に対してレーザ光の照射が行われ、絶縁紙511が切断されたコイル50(以下、レーザ光の照射済のコイル50と称する。)は、搬送台10bから搬送台10cに運ばれる。搬送台10cはレーザ光の照射済のコイル50を収集部40による所定の処理が実行される位置(以下、収集部40処理位置と称する。)まで搬送する。
図5は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100の収集部40を概略的に示す概略図である。収集部40は、第2ノズル42及び吸引部41を備える。図5においては、説明の便宜上、吸引部41を略して二点鎖線にて示している。
収集部40は、レーザ光の照射済のコイル50から絶縁紙511の片を剥離して収集する。具体的に、レーザ光の照射済のコイル50に対して第2ノズル42が空気を吹き出して切断された絶縁紙511を剥離し、吸引部41は剥離された絶縁紙511の片を吸引して収集する。
図6は、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100において、口出線51と第2ノズル42との位置関係を示す斜視図である。図6においては、説明の便宜上、吸引部41の図示を省略している。
吸引部41は、フード411と、切り欠き412と、縮径部413と、案内部414と、捕獲フィルタ415とを有する。
フード411は、横断面視中空矩形であり、収集部40処理位置に配置されたコイル50の口出線51を覆う。フード411においては、搬送台10a〜搬送台10dの並設方向と交差する二つの側壁に、切り欠き412が夫々形成されている。各切り欠き412は上下方向に延びている。各切り欠き412は、レーザ光の照射済のコイル50が搬送台10cによって収集部40処理位置に搬送される際、口出線51がフード411と衝突しないように適宜な寸法を有する。即ち、レーザ光の照射済のコイル50(口出線51)は切り欠き412を介して、吸引部41の内側(収集部40処理位置)に搬送される。
フード411は、横断面視中空矩形であり、収集部40処理位置に配置されたコイル50の口出線51を覆う。フード411においては、搬送台10a〜搬送台10dの並設方向と交差する二つの側壁に、切り欠き412が夫々形成されている。各切り欠き412は上下方向に延びている。各切り欠き412は、レーザ光の照射済のコイル50が搬送台10cによって収集部40処理位置に搬送される際、口出線51がフード411と衝突しないように適宜な寸法を有する。即ち、レーザ光の照射済のコイル50(口出線51)は切り欠き412を介して、吸引部41の内側(収集部40処理位置)に搬送される。
フード411の上端には、上方に向かって幅狭となっている四角筒状の縮径部413が延設されている。
案内部414は、屈曲した四角筒状をなしており、案内部414の一端は縮径部413の上端に延設されている。案内部414の他端には捕獲フィルタ415が設けられている。また、案内部414の他端には捕獲フィルタ415を介して吸込ポンプ(図示せず)が接続されている。
案内部414は、屈曲した四角筒状をなしており、案内部414の一端は縮径部413の上端に延設されている。案内部414の他端には捕獲フィルタ415が設けられている。また、案内部414の他端には捕獲フィルタ415を介して吸込ポンプ(図示せず)が接続されている。
絶縁紙剥離工程では、第2ノズル42によってレーザ光の照射済のコイル50の口出線51から絶縁紙511の片が剥離され、剥離された絶縁紙511の片は、吸込ポンプの吸引力によってフード411及び縮径部413を経て案内部414に導かれて、捕獲フィルタ415に届く。捕獲フィルタ415は、着脱可能であって空気は通過させ絶縁紙511の片のみを捕獲する。
このように、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100においては、収集部40がレーザ光の照射済のコイル50から剥離された絶縁紙511の片を吸引して収集するので、剥離された絶縁紙511の片が周囲に飛び散ることを防止し、作業環境を清潔に保つことができる。
フード411の内側には第2ノズル42が設けられている。即ち、第2ノズル42は、フード411に覆われている。フード411において、切り欠き412が形成されていない二つの側壁の近傍に複数の第2ノズル42が設けられている。斯かる二つの側壁の近傍には、四つの第2ノズル42が一組として夫々設けられている(図6参照)。一組の第2ノズル42は、二つの切り欠き412の並設方向に沿って並設されている。以下、一組での四つの第2ノズル42を第2ノズル42組と称する。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものでない。一組が四つ以上の第2ノズル42を有しても良く、四つ以下の第2ノズル42を有しても良い。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものでない。一組が四つ以上の第2ノズル42を有しても良く、四つ以下の第2ノズル42を有しても良い。
各第2ノズル42は、円筒状の空気供給路44に接続されており、空気供給路44を介して供給される空気をレーザ光の照射済のコイル50の口出線51に向かって吹き出す。
各第2ノズル42は、口出線51においてレーザ光が照射された被照射位置よりもコイル50側、即ち被照射位置よりも下側に設けられており、被照射位置よりも下側から前記被照射位置に向かって空気を吹き出す(図5の点線の矢印参照)。斯かる被照射位置とは、口出線51(絶縁紙511)においてレーザ照射部20からのレーザ光が照射された位置であり、図5及び図6では、矢印Cが指す位置である。
より具体的には、口出線51(絶縁紙511)におけるレーザ光が照射された位置のうち、口出線51の先端から最も遠い位置である。例えば、図3に示すレーザ照射位置においては、X方向にて一点Pを通る線の位置である。
このように、各第2ノズル42が、口出線51において被照射位置よりも下側(コイル50側)から前記被照射位置に向かって空気を吹き出すので、これによって剥離された絶縁紙511の片は吹き出された空気の下流側、即ち上方に飛ばされる。上述したように、口出線51の上方には吸引部41が設けられているので、より効果的に剥離された絶縁紙511の片が吸引部41に収集される。
各第2ノズル42においては、空気の吹き口421が口出線51の並設方向に沿ってスリット状に開口している。即ち、レーザ光の照射済のコイル50が収集部40処理位置に配置された場合、図6に示すように、四つの口出線51はその長さ方向(延び方向)が上下方向となるようにして、一方の第2ノズル42組と、他方の第2ノズル42組との間に介在する。各第2ノズル42の吹き口421は、四つの口出線51の長さ方向と交差する方向に開口している。
換言すれば、各第2ノズル42の吹き口421が各口出線51における被照射位置に対応して開口している。従って、一層効果的に口出線51から絶縁紙511を剥離することができる。
各空気供給路44においては軸長方向の両端に、第2ノズル42から吹き出される空気の方向を、例えば口出線51の延び方向、即ち上下方向に変える風向変更機構43が設けられている。風向変更機構43は、例えばモータ(図示せず)を有しており、空気供給路44の軸長方向を軸として各第2ノズル42を上下方向に搖動させる(図5の白抜き矢印方向)。これによって、第2ノズル42から吹き出される空気の方向が上下方向に変わり、口出線51において第2ノズル42から吹き出された空気が当たる位置も、被照射位置に対して上下に変わる。従って、より効果的に口出線51から絶縁紙511を剥離することができる。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100はこれに限定されるものではない。絶縁紙剥離工程の際、各第2ノズル42又は各第2ノズル42組が上下方向及び左右方向(第2ノズル42の並設方向)に反復移動するように構成しても良い。
以上のように、本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100においては、口出線51が上下方向(コイル50の軸方向)に延びる状態でコイル50が搬送台10a上に載置され、レーザ照射部20による絶縁紙511の切断の処理が実行される位置まで搬送台10bによってコイル50が搬送される。また、搬送台10cによって、収集部40による絶縁紙511の片の収集処理が実行される位置までコイル50が搬送される。また、絶縁紙剥離工程が完了した場合、搬送台10dは、口出線51の端部にて絶縁紙511が剥離されたコイル50を次の工程のために搬送する。
本実施の形態に係る絶縁紙剥離装置100においては、コイル50が搬送台10によって搬送されながら、絶縁紙剥離工程における上述した一連の処理が実行される。従って、絶縁紙剥離工程の処理時間が短縮されるので、作業性が高まる。
10,10a,10b,10c,10d 搬送台、20 レーザ照射部、41 吸引部、42 第2ノズル、43 風向変更機構、50 コイル、51 口出線(引出し電線)、60 第1ノズル、100 絶縁紙剥離装置、511 絶縁紙
Claims (8)
- 電線が巻回されたコイルから引き出された引出し電線を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離装置において、
前記引出し電線の絶縁紙にレーザ光を照射するレーザ照射部と、
前記引出し電線の延び方向を前記コイルの軸方向にして前記コイルを支持し、前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させる支持台と
を備えることを特徴とする絶縁紙剥離装置。 - 前記レーザ照射部が前記引出し電線の絶縁紙にレーザ光を照射する際、前記引出し電線に向かって空気を吹き出す第1ノズルを備えることを特徴とする請求項1に記載の絶縁紙剥離装置。
- 前記引出し電線において前記レーザ光が照射された被照射位置よりも前記コイル側から前記被照射位置に向かって空気を吹き出す第2ノズルを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁紙剥離装置。
- 前記第2ノズルを覆い、剥離された絶縁紙を吸引する吸引部を備えることを特徴とする請求項3に記載の絶縁紙剥離装置。
- 前記第2ノズルから吹き出される空気の方向を前記引出し電線の延び方向に変える風向変更機構を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の絶縁紙剥離装置。
- 前記レーザ照射部は前記絶縁紙に対してCO2レーザを照射することを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の絶縁紙剥離装置。
- 前記レーザ照射部は前記絶縁紙に対して、前記コイル側の一点から前記引出し電線の端まで線状にレーザ光を照射し、前記一点を通って該照射の方向と交差する線状にレーザ光を照射することを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の絶縁紙剥離装置。
- 電線が巻回されたコイルから引き出された引出し電線を被覆する絶縁紙を剥離する絶縁紙剥離方法において、
レーザ照射部が前記引出し電線の一面の絶縁紙にレーザ光を照射し、
前記引出し電線の延び方向を前記コイルの軸方向にして前記コイルを支持する支持部が、前記コイルの軸方向を軸として前記コイルを回転させ、
前記レーザ照射部が、前記引出し電線の前記一面と反対側面の絶縁紙にレーザ光を照射することを特徴とする絶縁紙剥離方法。
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JP2019099584A JP2020195220A (ja) | 2019-05-28 | 2019-05-28 | 絶縁紙剥離装置及び絶縁紙剥離方法 |
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- 2019-05-28 JP JP2019099584A patent/JP2020195220A/ja active Pending
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