JP2020195180A - アキシャルギャップ型回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータコイルユニットに加えてロータを冷却液で冷却可能なアキシャルギャップ型回転電機を提供する。【解決手段】アキシャルギャップモータ10は、ロータ30とステータ40を備え、ステータ40は、収容空間43を囲むケーシング42と、収容空間43内に設置された複数のステータコイルユニット44とを含み、ケーシング42は、収容空間43の内周縁を画定する内側壁52であって内側空間57を囲むものを有し、内側壁52は、収容空間43内の冷却液が収容空間43から内側空間57へ流れるのを許容するように収容空間43と内側空間57とを連通する連通路82を有し、内側空間57は、ロータ30の径方向内側部位35に対して軸方向に隣接している。【選択図】図3

Description

本発明は、アキシャルギャップ型回転電機に関する。
従来、アキシャルギャップ型回転電機が知られている。このアキシャルギャップ型回転電機は、所定の軸回りに回転可能なロータと、そのロータの軸方向において当該ロータとの間に微小な隙間を隔てて当該ロータと対向するように配置されるステータとを備える。
ロータは、その軸心を中心とした周方向に並ぶ複数の永久磁石を有する。ステータは、ロータの回転軸を軸心とした円筒状の収容空間を囲むケーシングと、前記収容空間内に周方向に並んで設置された複数のステータコイルユニットとを有する。複数のステータコイルユニットは、それぞれ、鉄製のステータコアと、そのステータコアに巻回されたコイルとを有する。アキシャルギャップ型回転電機の一例であるアキシャルギャップモータでは、前記複数のステータコイルユニットの各コイルに交流電流が流されることにより、ロータを回転させる磁力がロータの永久磁石とステータコイルユニットとの間に発生し、それによってロータが回転する。
ステータのコイルは、交流電流が流されることにより発熱する。また、コイルに交流電流が流れることにより前記磁力を生じさせる磁束が発生し、この磁束の大きさ及び方向は周期的に変化する。その結果、この磁束が流れるステータコアに渦電流が発生し、当該渦電流によってジュール熱が発生する。このようにステータのコイル及びステータコアが発熱することから、それらの冷却が必要となる。
下記特許文献1には、ステータ内部のコイル及びステータコアを冷却するための構成を備えたアキシャルギャップ型回転電機の一例としての電気機械が開示されている。
この特許文献1に開示された電気機械では、ステータのケーシング内の収容空間に設置された複数のステータコイルユニットのうち周方向に隣り合うもの同士の間に隙間が設けられるとともに、各ステータコイルユニットが、ケーシングの内周の管状壁と外周の管状壁とに対してそれぞれ径方向において隙間をあけて配置されている。そして、ケーシングの外部から収容空間内に冷却流体が導入され、その冷却流体が各ステータコイルユニットの周囲の前記各隙間を流れることによって各ステータコイルユニットを冷却するようになっている。
特表2012−518376号公報
ところで、アキシャルギャップ型回転電機では、その作動時にステータのコイル及びステータコアだけではなく、ロータも発熱する。このため、ステータコイルユニットだけではなく、ロータの冷却も必要となるが、ロータはその軸心回りに回転することから、仮に当該ロータを冷却液で冷却するために径方向外側からロータへ冷却液をかけた場合にはロータの回転による遠心力で冷却液が径方向外側へ吹き飛ばされてしまい、ロータの広い範囲にわたって冷却液を行き渡らせることができない。このため、当該場合には、冷却液によるロータの冷却が難しくなる。
本発明の目的は、ステータコイルユニットに加えてロータを冷却液で冷却可能なアキシャルギャップ型回転電機を提供することである。
前記目的を達成するため、本願発明者は、ロータの回転により発生する遠心力を逆に利用してロータの冷却をなすことを着想した。具体的には、ステータを冷却するための冷却液をステータ内からロータの径方向内側部位に移行させ、その径方向内側部位に移行した冷却液を前記遠心力を利用してロータの径方向外側へ行き渡らせることに着想した。
本発明は、このような着想に基づいてなされたものである。すなわち、本発明によるアキシャルギャップ型回転電機は、所定の軸回りに回転可能なロータと、前記ロータの軸方向において前記ロータと対向するように配置されたステータとを備える。前記ステータは、前記ロータの軸を中心としてその軸を囲むように延びる収容空間を囲むケーシングと、ステータコア及びそのステータコアに巻回されて前記回転電機の作動時に電流が流れるコイルをそれぞれ有する複数のステータコイルユニットであって前記収容空間内に前記ロータの軸を中心とした円の周方向に並んで設置されたものと、を含む。前記ケーシングは、前記収容空間の内周縁を画定する内側壁であって前記ロータの軸を中心とした円の径方向において当該内側壁の内側に位置する内側空間を囲むものを有する。前記内側壁は、前記収容空間内において前記複数のステータコイルユニットを冷却する冷却液が前記収容空間から前記内側空間へ流れるのを許容するように前記収容空間と前記内側空間とを連通する連通路を有する。前記内側空間は、前記ロータの径方向内側部位に対して前記軸方向に隣接している。
このアキシャルギャップ型回転電機では、ステータのケーシングの内側壁が、収容空間において複数のステータコイルユニットを冷却する冷却液がその収容空間から内側壁によって囲まれる内側空間へ流れるのを許容するように収容空間と内側空間とを連通する連通路を有するため、収容空間において複数のステータコイルユニットを冷却する冷却液の一部を連通路を通じて前記内側空間へ放出させることができる。そして、この内側空間は、ロータの径方向内側部位に対して軸方向に隣接しているため、アキシャルギャップ型回転電機が作動してロータが回転すれば、そのロータの回転により自然に発生する吸引力によって、連通路から内側空間に放出された冷却液が軸方向に吸引されてロータの径方向内側部位に達する。そして、このロータの径方向内側部位に達した冷却液は、ロータの回転により発生する遠心力によって当該ロータの径方向内側部位から径方向外側へ流れるため、ロータの広い範囲に亘って冷却液を行き渡らせて当該ロータをその冷却液で冷却できる。従って、当該アキシャルギャップ型回転電機では、ロータの回転により発生する遠心力を利用して、ステータコイルユニットに加えてロータを冷却液で冷却できる。
前記ケーシングは、前記収容空間の外周縁を画定するようにその収容空間を囲む外側壁を有し、前記複数のステータコイルユニットは、各ステータコイルユニットと前記内側壁との間に内側隙間が形成されるように前記内側壁から前記径方向の外側へ離間し、且つ、各ステータコイルユニットと前記外側壁との間に外側隙間が形成されるように前記外側壁から前記径方向の内側へ離間して配置され、前記ステータは、前記複数のステータコイルユニットのうちの任意のステータコイルユニットと前記内側壁との間の前記内側隙間を遮る少なくとも1つの内側仕切部と、前記複数のステータコイルユニットのうちの任意のステータコイルユニットと前記外側壁との間の前記外側隙間を遮る少なくとも1つの外側仕切部と、をさらに含み、前記内側仕切部と前記外側仕切部は、前記周方向において互いにずれた位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、収容空間内におけるステータコイルユニットの冷却効率を向上することができる。具体的に、この構成では、前記内側隙間を遮る内側仕切部と前記外側隙間を遮る外側仕切部とが周方向において互いにずれた位置に配置されているため、収容空間内において、前記外側隙間を周方向に流れる冷却液は前記外側仕切部に当たって径方向内側へ向かい、その径方向内側へ向かう冷却液は内側壁に当たって前記内側隙間を周方向に流れ、その内側隙間を周方向に流れる冷却液は前記内側仕切部に当たって径方向外側へ向かい、その径方向外側へ向かう冷却液は外側壁に当たって前記外側隙間を周方向に流れる。よって、本構成では、収容空間内における冷却液の流路の長さを大きくすることができるとともに、収容空間内を流れる冷却液とステータコイルユニットとの接触時間を長くすることができ、その結果、ステータコイルユニットの冷却効率を向上できる。
前記アキシャルギャップ型回転電機は、前記ロータの軸が鉛直方向に対して交差する方向に延び且つ前記内側隙間が前記内側仕切部に対して下側に隣接する下側領域を有する姿勢で配置され、前記連通路は、前記収容空間から冷却液を受け入れる連通路入口を有し、前記連通路入口は、前記下側領域に開口していることが好ましい。なお、「下側領域が内側仕切部に対して下側に隣接する」とは、下側領域が鉛直方向において内側仕切部の真下に隣接する状態のみならず、下側領域が鉛直方向に対して内側仕切部の斜め下に隣接する状態も含む概念である。
この構成によれば、ステータの収容空間で冷却に用いられてその収容空間から排出された冷却液を再び収容空間に戻して冷却に使用するために一般的に用いられる循環ポンプのエア噛みの発生及び前記下側領域に形成されるエア溜りによる冷却性能の低下を防ぐことができる。
具体的に、この構成では、アキシャルギャップ型回転電機が、ロータの軸が鉛直方向に対して交差する方向に延び且つ内側隙間が内側仕切部に対して下側に隣接する下側領域を有するような姿勢で配置されているため、内側仕切部により冷却液中のエアが前記下側領域にトラップされる。このため、冷却液とともにエアが循環ポンプに吸い込まれるのを防ぐことができる。ただし、前記下側領域にエアがトラップされることによってその下側領域にエア溜りが形成されると、当該エア溜りによって冷却性能の低下が生じる。また、エア溜りで成長した気泡が前記下側領域から離脱して循環ポンプに吸い込まれた場合には、循環ポンプでエア噛みが発生する。これに対し、本構成では、冷却液を受け入れる連通路入口が前記下側領域に開口しているため、収容空間(内側隙間)を流れる冷却液の一部が連通路を通って内側空間へ放出されるときに、前記下側領域から冷却液とともにエアも連通路を通じて内側空間へ排出することができる。その結果、前記下側領域にエア溜りが形成されるのを防ぐことができ、当該エア溜りによる冷却性能の低下を防ぐことができる。また、エア溜りで気泡が成長するのを防ぐことができるので、その気泡を吸い込むことによる循環ポンプのエア噛みの発生も防ぐことができる。
前記ケーシングには、前記ステータへ供給される冷却液を前記収容空間内へ導く導入路と、前記収容空間から前記ケーシングの外部へ冷却液を導く導出路とが設けられ、前記導入路は、前記下側領域よりも下側の位置で前記収容空間に繋がり、前記導出路は、前記下側領域よりも上側の位置で前記収容空間に繋がることが好ましい。
この構成によれば、前記連通路に頼りすぎることなく、収容空間に導入された冷却液中のエアを冷却液とともに収容空間の外部へ排出しやすくすることができ、前記下側領域にエア溜りが形成されるのをより有効に防止できる。具体的に、本構成では、導入路が前記下側領域よりも下側の位置で収容空間に繋がるとともに導出路が前記下側領域よりも上側の位置で収容空間に繋がっているため、導入路を通じて収容空間に導入された冷却液が収容空間内を総体的に上側へ向かって流れて前記下側領域の位置を通って導出路に至り、その導出路を通じて収容空間の外部へ導出される。そして、冷却液中のエアは浮力により下側から上側へ向かって流れやすいため、前記のように流れる冷却液とともにエアが導出路を通じて収容空間の外部へ排出されやすくなる。このため、前記下側領域にエアが溜りにくくなり、エア溜りが形成されるのをより有効に防止できる。
前記導入路は、前記ステータへ供給される冷却液をそれぞれ前記収容空間内へ導く第1導入路及び第2導入路を含み、前記第1導入路は、当該第1導入路を通った冷却液を前記収容空間へ吐出する第1導入路出口を有し、前記第2導入路は、前記周方向において前記第1導入路出口と並んで配置され、当該第2導入路を通った冷却液を前記収容空間へ吐出する第2導入路出口を有し、前記ステータは、前記第1導入路出口と前記第2導入路出口との間の位置で前記複数のステータコイルユニットのうちの所定のステータコイルユニットと前記内側壁との間の前記内側隙間を遮るとともにその所定のステータコイルユニットと前記外側壁との間の前記外側隙間を遮って、前記収容空間を前記第1導入路出口から吐出された冷却液が流れる第1空間と前記第2導入路出口から吐出された冷却液が流れる第2空間とに区画する導入側区画部を有し、前記少なくとも1つの内側仕切部は、前記第1空間に配置された第1内側仕切部と、前記第2空間に配置されるとともに前記周方向において前記導入側区画部に対して前記第1内側仕切部と対称となるように配置された第2内側仕切部とを含み、前記少なくとも1つの外側仕切部は、前記第1空間に配置された第1外側仕切部と、前記第2空間に配置されるとともに前記周方向において前記導入側区画部に対して前記第1外側仕切部と対称となるように配置された第2外側仕切部とを含むことが好ましい。
この構成によれば、第1導入路出口から第1空間に吐出された冷却液と第2導入路出口から第2空間に吐出された冷却液とが導入側区画部に対して周方向において一方側の第1空間と他方側の第2空間とに互いに対称的に流れるため、第1空間側と第2空間側とで冷却能力を均等化できる。すなわち、仮に、前記導入側区画部が設けられていなくて、収容空間が第1空間と第2空間とに区画されておらず、1箇所の導入路出口から冷却液が収容空間に吐出されるような場合には、その吐出された冷却液の流れが周方向において一方側と他方側のいずれかに偏り、その一方側と他方側との間で冷却能力に差が生じる虞があるが、本構成では、このような冷却能力の差が生じるのを抑制できる。
また、仮に、前記導入側区画部が設けられていなくて、収容空間が第1空間と第2空間とに区画されておらず、導入路出口に対して周方向における一方側に第1内側仕切部及び第1外側仕切部が設けられるとともに、導入路出口に対して周方向における他方側に第2内側仕切部及び第2外側仕切部が設けられている場合には、導入路出口から収容空間に吐出された冷却液が第1内側仕切部と第2内側仕切部との間の領域及び第1外側仕切部と第2外側仕切部との間の領域で対流しやすくなり、冷却効率が低下しやすい。これに対し、本構成では、前記導入側区画部が設けられて収容空間が第1導入路出口から冷却液が吐出される一方側の第1空間と第2導入路出口から冷却液が吐出される他方側の第2空間とに区画されているため、第1内側仕切部と第2内側仕切部との間の領域での冷却液の対流を抑制できるとともに、第1外側仕切部と第2外側仕切部との間での冷却液の対流を抑制できる。このため、冷却効率を向上できる。
また、本構成では、冷却液が前記導入側区画部に対して周方向における一方側の第1空間と他方側の第2空間とに互いに対称的に流れることから、冷却液の流量及び圧力を第1空間側と第2空間側とで均等化できる。このため、第1空間側と第2空間側との間での圧力差による応力の発生やステータのケーシングにかかる圧力のバランスの悪化を防ぐことができ、ステータのケーシングを構成する部材同士の結合箇所やその部材同士を結合させる結合部材の耐久性を向上できる。
前記ステータは、冷却液が通ることを許容する前記連通路内の空間の断面積を変更することが可能な断面積変更部をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、断面積変更部により連通路内の冷却液が通る空間の断面積を変更し、それによって連通路を通って前記内側空間へ放出される冷却液の流量を調節することができる。このため、前記内側空間からロータへ吸引されてロータを冷却する冷却液の量と収容空間内でステータコイルユニットを冷却する冷却液の量とのバランスを調節できる。
以上説明したように、本発明によれば、ステータコイルユニットに加えてロータを冷却液で冷却可能なアキシャルギャップ型回転電機を提供できる。
本発明の一実施形態によるアキシャルギャップモータの斜視図である。 本発明の一実施形態によるアキシャルギャップモータの分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるアキシャルギャップモータの軸心を通る縦断面図である。 アキシャルギャップモータのステータから樹脂蓋を取り外してその内部構造を示すとともに循環ポンプの接続の構成を示す図である。 図4中において矢印Vが指し示す箇所近傍の拡大図である。 ステータのケーシングの内側壁に形成された連通路の出口について説明するためのステータの部分的な斜視図である。 ステータにおける冷却液の流れを示す図4相当図である。 連通路の出口からロータへの冷却液の流れ方を説明するための模式図である。 ロータへ流れた冷却液の拡散の仕方を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態の変形例におけるステータの特徴部分を示す図5相当図である。 前記変形例のステータのうち連通路の出口周辺を径方向内側から見た状態で部分的に示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の一実施形態によるアキシャルギャップ型回転電機としてのアキシャルギャップモータ10(以下、単にモータ10と称する)は、ロータ軸20(図1及び図2参照)と、ロータ30(図2参照)と、2つの軸受36,37(図3参照)と、2つのステータ40(図1〜図3参照)と、を備える。
ロータ軸20は、所定の方向に延びる丸棒状の部材であり、本実施形態ではその軸心が鉛直方向に対して直交する水平方向に延びるように配置される。すなわち、本実施形態では、モータ10が、ロータ軸20の軸心が水平方向に延びるような姿勢で設置される。このロータ軸20は、前記2つの軸受36,37(図3参照)により、前記2つのステータ40のそれぞれのケーシング42(後述)に対してその軸心回りに回転可能となるように支持されている。なお、以下の説明において、軸方向はロータ軸20の軸心が延びる方向に相当し、径方向とはロータ軸20の軸心を中心とした円の径方向のことであり、周方向とはロータ軸20の軸心を中心とした円の周方向のことであるものとする。
ロータ30は、ロータ軸20に固定されており、前記2つのステータ40に対してロータ軸20とともに当該ロータ軸20の軸心回りに回転可能に構成されている。ロータ30は、軸方向におけるロータ軸20の中央部分の周りに取り付けられたフレーム32(図2及び図3参照)と、そのフレーム32によって保持された複数の永久磁石34とを有する。フレーム32は、概ね円盤状をなしている。複数の永久磁石34は、フレーム32において周方向に並んで配置されている。
2つのステータ40は、ロータ30を回転させるための電磁力をそのロータ30との間に発生させるものである。この2つのステータ40は、軸方向においてロータ30に対して一方側と他方側とに分かれて配置されている(図3参照)。具体的には、各ステータ40は、軸方向においてロータ30との間に隙間を隔ててそのロータ30と対向するように配置されている。2つのステータ40は、同様の構成を有しており、互いに対称となるように配置されている。以下、2つのステータ40を代表して一方のステータ40の構成について説明する。
図2は、モータ10の分解斜視図であり、この図2においてロータ30に対して手前側に一方のステータ40が各構成部材に分解された状態で示されている。なお、この図2において、ロータ30に対して奥側にはもう一方のステータ40がその構成部材が組み付けられた状態で示されている。
ステータ40は、ケーシング42と、複数のステータコイルユニット44と、バックヨーク48と、樹脂蓋49と、流路規定部50(図4参照)と、区画部70(図4参照)とを有する。
ケーシング42は、ステータ40の外面、ひいてはモータ10の外面を構成し、複数のステータコイルユニット44及びバックヨーク48を収容する収容空間43(図3参照)を囲むものである。収容空間43は、ロータ軸20の軸心を中心としてその軸心を囲むように周方向に延びている。この収容空間43は、ロータ軸20の軸心を中心とした環状をなす。ケーシング42は、外側壁51と、内側壁52と、端壁53とを含む。外側壁51、内側壁52及び端壁53は一体的に形成されている。
外側壁51は、略円筒状をなしていてロータ軸20と同心となるように配置され、前記収容空間43の外周縁を画定するものである。この外側壁51は、前記収容空間43の外周縁を画定するように前記収容空間43を囲む収容空間外周画定部51aと、その収容空間外周画定部51aからロータ30側へ突出し、ロータ30の周りを囲むロータ囲み部51bとを有する。
収容空間外周画定部51aは、前記収容空間43の外周縁を画定する内周面を有する。
ロータ囲み部51bは、収容空間外周画定部51aの内径よりも大きい内径を有する。すなわち、ロータ囲み部51bは、収容空間外周画定部51aの内周面よりも径方向において外側に位置する内周面を有する。一方のステータ40のケーシング42のロータ囲み部51bは、もう一方のステータ40のケーシング42のロータ囲み部51bと結合しており、それによって、2つのステータ40のケーシング42同士が結合されている。この状態で、一方のステータ40のロータ囲み部51bともう一方のステータ40のロータ囲み部51bは、ロータ30の径方向外側に位置し、そのロータ30の周りを囲んでいる。すなわち、一方のステータ40のロータ囲み部51bともう一方のステータ40のロータ囲み部51bの径方向内側に、ロータ30を収容するロータ収容空間56(図3参照)が形成されている。
内側壁52は、外側壁51よりも小径の略円筒状をなしていて外側壁51と同心となるように配置され、前記収容空間43の内周縁を画定するものである。内側壁52は、外側壁51の径方向内側、より具体的には収容空間外周画定部51aの径方向内側に配置されている。この内側壁52の外周面と収容空間外周画定部51aの内周面との間の空間が前記収容空間43となっている。
端壁53は、円盤状をなし、外側壁51及び内側壁52と同心となるように配置されている。この端壁53は、前記収容空間43のうちロータ30から遠い方の端部の開口を塞ぐように外側壁51及び内側壁52の端部に繋がっている。
また、ケーシング42は、複数のステータコイルユニット44及びバックヨーク48を冷却するための冷却液(本実施形態では冷却油)が外部から前記収容空間43に導入され、その導入された冷却液が前記収容空間43内を流れた後、外部へ排出されるように構成されている。具体的には、ケーシング42の外側壁51には、ステータ40へ供給される冷却液を収容空間43内へ導く導入路54(図4参照)と、収容空間43からケーシング42の外部へ冷却液を導く導出路55(図4参照)とが設けられている。
導入路54は、外側壁51のうち最も下方に位置する部分(底部)に設けられ、その部分の下面から上方へ延びて外側壁51を貫通し、前記収容空間43のうち最も下方に位置する部位付近に繋がっている。すなわち、導入路54は、後述の下側領域74aよりも下側の位置で前記収容空間43に繋がっている。
より具体的に、導入路54は、ステータ40へ供給される冷却液を収容空間43のうちの後述する第1空間43a内へ導く第1導入路54aと、ステータ40へ供給される冷却液を収容空間43のうちの後述する第2空間43b内へ導く第2導入路54bとを含む。第1導入路54aと第2導入路54bは、周方向に並んで配置されている。第1導入路54aは、後述の導入側区画部76に対して周方向における一方側に隣接した位置に配置されて当該第1導入路54aを通った冷却液を後述の第1空間43aへ吐出する第1導入路出口54cを有する。第2導入路54bは、周方向において第1導入路出口54cと並んで配置されて当該第2導入路54bを通った冷却液を後述の第2空間43bへ吐出する第2導入路出口54dを有する。この第2導入路出口54dは、後述の導入側区画部76に対して周方向における他方側に隣接した位置で且つ周方向において後述の導入側区画部76に対して第1導入路出口54cと対称となる位置に配置されている。
導出路55は、外側壁51のうち最も上方に位置する部分に設けられ、その部分の上面から下方へ延びて外側壁51を貫通し、前記収容空間43のうち最も上方に位置する部位付近に繋がっている。すなわち、導出路55は、後述の下側領域74aよりも上側の位置で前記収容空間43に繋がっている。
より具体的に、導出路55は、収容空間43のうちの後述する第1空間43aからケーシング42の外部へ冷却液を導く第1導出路55aと、収容空間43のうちの後述する第2空間43bからケーシング42の外部へ冷却液を導く第2導出路55bとを含む。第1導出路55aと第2導出路55bは、周方向に並んで配置されている。第1導出路55aは、後述の導出側区画部78に対して周方向における一方側に隣接した位置に配置されて第1空間43aから冷却液を受け入れる第1導出路入口55cを有する。第2導出路55bは、後述の導出側区画部78に対して周方向における他方側に隣接した位置で且つ周方向において後述の導出側区画部78に対して第1導出路入口55cと対称となる位置に配置されて第2空間43bから冷却液を受け入れる第2導出路入口55dを有する。
導入路54と導出路55は配管を介して繋がっており、その配管に循環ポンプ60が設けられている。この循環ポンプ60が導入路54へ向けて冷却液を送出し、それによって、冷却液が導入路54を通って前記収容空間43に導入されるとともに、その収容空間43内を流れた冷却液が導出路55を通って排出され、その排出された冷却液は再び循環ポンプ60により導入路54へ送られるようになっている。すなわち、冷却液が循環して前記収容空間43に供給されるようになっている。
また、ケーシング42の内側壁52は、その径方向内側に位置する内側空間57を囲んでいる。内側空間57には、ロータ軸20(図3参照)が挿通されている。この内側空間57は、軸方向においてロータ30から離れていて前記軸受36がその内部に設けられた領域と、その軸受36が設けられた領域よりも径方向に広く、軸方向においてロータ30に隣接する隣接領域58とを含む。
内側壁52は、収容空間43内の冷却液がその収容空間43から内側空間57の隣接領域58へ流れるのを許容するように収容空間43と内側空間57の隣接領域58とを連通する連通路82(図4参照)を有する。この連通路82の詳細な構成については後述する。
内側空間57の隣接領域58(図3参照)は、連通路82を通じて当該隣接領域58に放出された冷却液がロータ30の回転により発生する吸引力によって軸方向に吸引されて当該ロータ30の径方向内側部位35に達するようにその径方向内側部位35に対して軸方向に隣接している。具体的には、隣接領域58は、ロータ収容空間56のうちロータ30の径方向内側部位35が位置する領域に繋がっており、当該隣接領域58に放出された冷却液がモータ10の通常の作動時のロータ30の回転によって自然に生じる吸引力によりそのロータ30の径方向内側部位35まで引き寄せられるような近い距離で径方向内側部位35に対して軸方向に隣接している。
前記複数のステータコイルユニット44(図4参照)は、前記収容空間43内に周方向に並んで設置され、その周方向に隣り合う当該ステータコイルユニット44同士の間にユニット間隙間72が形成されるように配置されている。各ユニット間隙間72は、径方向に沿って延びており、冷却液が当該各ユニット間隙間72を通って径方向へ流れるのを許容する。
また、複数のステータコイルユニット44は、前記外側壁51の収容空間外周画定部51aの内周面とこれらのステータコイルユニット44の各々の径方向外側の端部との間に外側隙間73が形成されるように前記外側壁51から径方向内側へ離間し、且つ、前記内側壁52の外周面とこれらのステータコイルユニット44の各々の径方向内側の端部との間に内側隙間74が形成されるように前記内側壁52から径方向外側へ離間して配置されている。外側隙間73と内側隙間74は、それぞれ、冷却液がそれらの隙間を通って周方向へ流れるのを許容する。
各ステータコイルユニット44は、図2及び図3に示すように、鉄製のステータコア45と、そのステータコア45に巻回されたコイル46とを有する。
ステータコア45は、周方向に沿う方向の当該ステータコア45の幅が径方向内側へ向かうにつれて小さくなるように構成されている。
コイル46は、モータ10の作動時に電流が流れるものであり、電流が流れることによりロータ30を回転させるための電磁力を発生させる。コイル46は、図略の交流電源から三相交流電流の供給を受けるようにその交流電源に接続されている。コイル46は、ステータコア45のうち周方向を向く両側面、径方向内側を向く内側面及び径方向外側を向く外側面を含む当該ステータコア45の外周に巻き付けられている。複数のステータコイルユニット44の複数のコイル46は、それぞれ異なる位相の交番電流が流れるU相コイル、V相コイル及びW相コイルを含む。U相コイル、V相コイル及びW相コイルは、前記収容空間43内において、周方向にこの順番で繰り返し配列されている。
コイル46は、電流が流れることにより発熱するが、収容空間43内の前記ユニット間隙間72、前記外側隙間73及び前記内側隙間74を流れる冷却液により冷却され、それによって当該コイル46の昇温が抑制される。また、前記ステータコア45には、コイル46に通電されることによって生じる磁束が流れる。この磁束の大きさ及び方向は、コイル46に流れる電流が交流であることにより、周期的に変化する。その結果、ステータコア45には渦電流が発生し、その渦電流によってジュール熱が発生するが、前記ユニット間隙間72、前記外側隙間73及び前記内側隙間74を流れる冷却液により当該ステータコア45も冷却され、その昇温が抑制される。
バックヨーク48(図2及び図3参照)は、複数のステータコイルユニット44の各コイル46に通電されることにより発生する磁束が当該バックヨーク48を通って周方向に流れるようにするためのものである。このバックヨーク48は、前記収容空間43内において複数のステータコイルユニット44に対してロータ30と反対側に配置される。すなわち、バックヨーク48は、複数のステータコイルユニット44と前記端壁53との間に配置される。バックヨーク48は、中央に円形の孔が形成された鉄製の円盤状の部材である。バックヨーク48は、その中央の孔に前記内側壁52が挿通された状態で内側壁52及び前記外側壁51と同心となるようにケーシング42に固定されている。
バックヨーク48には、前記のように磁束が流れることから、ステータコア45と同様、ジュール熱が発生するが、収容空間43内を流れる冷却液は、このバックヨーク48も冷却する。このため、バックヨーク48の昇温も抑制される。
樹脂蓋49は、中央に円形の孔が形成された円盤状の樹脂製の蓋である。この樹脂蓋49は、ロータ軸20と同心となるように配置され、その中央の孔にロータ軸20が挿通されている。この樹脂蓋49は、前記収容空間43のうちロータ30に近い方の端部の開口を塞ぐように前記外側壁51の収容空間外周画定部51a及び前記内側壁52に取り付けられている。この樹脂蓋49は、ロータ30と前記収容空間43内に設けられた複数のステータコイルユニット44との間に介在し、それらの間を隔てている。すなわち、樹脂蓋49は、ロータ収容空間56と前記収容空間43との間を隔てている。
区画部70(図4参照)は、収容空間43内に導入された冷却液の流れが2系統になるように収容空間43内の冷却液が流れる範囲を区画するものである。すなわち、この区画部70は、収容空間43を、第1導入路54aから導入された冷却液が流れる第1空間43aと、第2導入路54bから導入された冷却液が流れる第2空間43bとに区画する。第1空間43aと第2空間43bは、それぞれ、収容空間43の半周部分に相当し、区画部70を中心として互いに対称形に構成されている。
区画部70は、第1導入路出口54cと第2導入路出口54dとの間で収容空間43を第1空間43aと第2空間43bとに区画する導入側区画部76と、第1導出路入口55cと第2導出路入口55dとの間で収容空間43を第1空間43aと第2空間43bとに区画する導出側区画部78とを有する。
具体的に、導入側区画部76は、第1導入路出口54cと第2導入路出口54dとの間の位置で所定のステータコイルユニット44と内側壁52との間の内側隙間74を遮るとともにその所定のステータコイルユニット44と外側壁51との間の外側隙間73を遮って、収容空間43を第1導入路出口54cから吐出された冷却液が流れる第1空間43aと第2導入路出口54dから吐出された冷却液が流れる第2空間43bとに区画している。
導入側区画部76は、下外側区画部76aと、下内側区画部76bとを有する。下外側区画部76a及び下内側区画部76bは、それぞれ樹脂製の部材である。
下外側区画部76aは、第1導入路出口54cと第2導入路出口54dとの間の位置でその位置の真上に位置するステータコイルユニット44と外側壁51との間に設けられ、前記外側隙間73を周方向における一方側と他方側とに仕切っている。また、下内側区画部76bは、下外側区画部76aが付設されたステータコイルユニット44の真上の位置でそのステータコイルユニット44と内側壁52との間に設けられ、前記内側隙間74を周方向における一方側と他方側とに仕切っている。そして、第1導入路出口54cと第2導入路出口54dが周方向において導入側区画部76の下外側区画部76aの一方側と他方側とに分かれて配置されている。これにより、第1導入路54aから第1空間43aに導入された冷却液はその第1空間43a内を流れ、第2導入路54bから第2空間43bに導入された冷却液はその第2空間43b内を流れるようになっている。
また、導出側区画部78は、第1導出路入口55cと第2導出路入口55dとの間の位置で、前記所定のステータコイルユニット44と径方向において反対側に位置するステータコイルユニット44と内側壁52との間の内側隙間74を遮るとともにそのステータコイルユニット44と外側壁51との間の外側隙間73を遮って、第1空間43aを流れた冷却液が第1導出路入口55cに入り且つ第2空間43bを流れた冷却液が第2導出路入口55dに入るように収容空間43の第1空間43aの下流側の端部と第2空間43bの下流側の端部との間を区画している。
導出側区画部78は、上外側区画部78aと、上内側区画部78bとを有する。上外側区画部78aは、第1導出路入口55cと第2導出路入口55dとの間の位置でその位置の真下に位置するステータコイルユニット44と外側壁51との間に設けられ、前記外側隙間73を周方向における一方側と他方側とに仕切っている。また、上内側区画部78bは、上外側区画部78aが付設されたステータコイルユニット44の真下の位置でそのステータコイルユニット44と内側壁52との間に設けられ、前記内側隙間74を周方向における一方側と他方側とに仕切っている。そして、第1導出路入口55cと第2導出路入口55dが周方向において導出側区画部78の上外側区画部78aの一方側と他方側とに分かれて配置されている。これにより、第1空間43a内を流れた冷却液は、第2空間43b内を流れた冷却液と混ざることなく第1導出路55aから排出され、第2空間43b内を流れた冷却液は、第1空間43a内を流れた冷却液と混ざることなく第2導出路55bから排出されるようになっている。
流路規定部50(図4参照)は、前記収容空間43内を流れる冷却液が全体的には径方向に流れつつ周方向にも流れるように前記収容空間43内の冷却液の流路を規定するものである。この流路規定部50は、複数の外側仕切部62と、複数の内側仕切部64とを有する。
複数の外側仕切部62は、複数のステータコイルユニット44と外側壁51の収容空間外周画定部51aとの間の外側隙間73を周方向に流れる冷却液の流れを径方向内側へ向かわせるように、それぞれ対応するステータコイルユニット44と外側壁51との間の外側隙間73を遮るものである。この外側仕切部62は、樹脂製の板状の部材である。複数の外側仕切部62は、前記第1空間43aに配置された複数の第1外側仕切部62aと、前記第2空間43bに配置された複数の第2外側仕切部62bとを含む。
複数の第1外側仕切部62aは、図4に示すように、前記第1空間43aにおいて周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ、対応するステータコイルユニット44の径方向外側の端部と収容空間外周画定部51aのうちその端部と径方向において対向する部分との間に架設されている。また、複数の第2外側仕切部62bは、前記第2空間43bにおいて周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ、対応するステータコイルユニット44の径方向外側の端部と収容空間外周画定部51aのうちその端部と径方向において対向する部分との間に架設されている。この複数の第2外側仕切部62bは、周方向において前記導入側区画部76及び前記導出側区画部78のそれぞれに対して複数の第1外側仕切部62aと対称となるように配置されている。
複数の内側仕切部64は、複数のステータコイルユニット44と内側壁52との間の内側隙間74を周方向に流れる冷却液の流れを径方向外側へ向かわせるように、それぞれ対応するステータコイルユニット44と内側壁52との間の内側隙間74を遮るものである。この内側仕切部64は、樹脂製の板状の部材である。複数の内側仕切部64は、前記第1空間43aに配置された複数の第1内側仕切部64aと、前記第2空間43bに配置された複数の第2内側仕切部64bとを含む。
複数の第1内側仕切部64aは、図4に示すように、前記第1空間43aにおいて周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ、対応するステータコイルユニット44の径方向内側の端部と内側壁52のうちその端部と径方向において対向する部分との間に架設されている。また、複数の第2内側仕切部64bは、前記第2空間43bにおいて周方向に間隔をあけて配置され、それぞれ、対応するステータコイルユニット44の径方向内側の端部と内側壁52のうちその端部と径方向において対向する部分との間に架設されている。この複数の第2内側仕切部64bは、周方向において前記導入側区画部76及び前記導出側区画部78のそれぞれに対して複数の第1内側仕切部64aと対称となるように配置されている。
前記第1空間43aにおいて、各第1内側仕切部64aと各第1外側仕切部62aは、周方向において互いにずれた位置に配置されている。具体的には、各第1内側仕切部64aは、複数の第1外側仕切部62aのそれぞれが付設されたステータコイルユニット44の間に位置するステータコイルユニット44に対して付設されている。この各第1内側仕切部64aによる冷却液の流れを径方向外側へ向かわせる機能と各第1外側仕切部62aによる冷却液の流れを径方向内側へ向かわせる機能とにより、第1空間43aにおいて冷却液が径方向に流れつつ周方向に流れるようになっている。
また、前記第2空間43bにおいて、各第2内側仕切部64bと各第2外側仕切部62bは、周方向において互いにずれた位置に配置されている。具体的には、各第2内側仕切部64bは、複数の第2外側仕切部62bのそれぞれが付設されたステータコイルユニット44の間に位置するステータコイルユニット44に対して付設されている。この各第2内側仕切部64bによる冷却液の流れを径方向外側へ向かわせる機能と各第2外側仕切部62bによる冷却液の流れを径方向内側へ向かわせる機能とにより、第2空間43bにおいて冷却液が径方向に流れつつ周方向に流れるようになっている。
また、モータ10は、内側隙間74が各内側仕切部64に対して下側に隣接する下側領域74aを有するような姿勢で配置されている。各内側仕切部64は、内側隙間74を周方向に流れる冷却液の上流側を向く上流側面64c(内側隙間74を周方向に流れる冷却液が当たる面)を有しており、前記下側領域74aは、内側隙間74のうちこの上流側面64cが面する領域である。
前記内側壁52に設けられた前記連通路82は、前記下側領域74aに面する位置から内側壁52を径方向に貫通して内側空間57の隣接領域58へ延びている。具体的に、前記連通路82は、内側壁52の外周面のうち前記下側領域74aに面する位置で前記下側領域74aに開口した連通路入口82aと、内側壁52の内周面のうち前記連通路入口82aから径方向内側に位置する箇所で開口した連通路出口82bとを有する。連通路入口82aは収容空間43(内側隙間74の下側領域74a)から冷却液を受け入れる部分であり、連通路出口82bは連通路82を通った冷却液を放出する部分である。この連通路82は、本来、前記のように収容空間43内でステータコイルユニット44及びバックヨーク48を冷却する冷却液の一部をロータ30の冷却のために内側空間57へ放出するための流路であるが、内側仕切部64によってトラップされて前記下側領域74aに溜まりやすいエア(空気)を内側空間57へ排出するためのエア排出路としても機能する。
次に、モータ10において行われる冷却液による冷却のプロセス、具体的にはステータ40の冷却プロセスと、ロータ30の冷却プロセスについて説明する。
(ステータ40の冷却プロセス)
循環ポンプ60(図7参照)により冷却液が第1導入路54a及び第2導入路54bへ送られる。その冷却液は、第1導入路54aを通って収容空間43のうちの第1空間43a内へ導入されるとともに、第2導入路54bを通って収容空間43のうちの第2空間43b内へ導入される。第1空間43aに導入された冷却液は当該第1空間43a内を総体的には図7において時計回りに流れ、第2空間43bに導入された冷却液は当該第2空間43b内を総体的には図7において反時計回りに流れる。この第1空間43aを流れる冷却液の流れと第2空間43bを流れる冷却液の流れは互いに対称であるので、それらを代表して第1空間43aを流れる冷却液の流れについて説明する。
第1導入路54aを通って第1空間43a内に導入された冷却液は、図7中の破線矢印で示すように流れる。具体的には、導入された冷却液は、ユニット間隙間72を通って径方向内側へ流れるとともに、外側隙間73を通って周方向に流れる。外側隙間73を通って周方向に流れる冷却液は、第1外側仕切部62aによって遮られることにより、径方向内側へ向きを変え、その第1外側仕切部62aの上流側に隣接するユニット間隙間72を通って径方向内側へ流れる。径方向内側へ流れた冷却液は、内側隙間74に至り、その内側隙間74を周方向に流れる。この内側隙間74を周方向に流れる冷却液は、第1内側仕切部64aによって遮られることにより、径方向外側へ向きを変え、その第1内側仕切部64aの上流側に隣接するユニット間隙間72を通って径方向外側へ流れる。径方向外側へ流れた冷却液は、外側隙間73に至り、その外側隙間73を周方向に流れる。以上のようなプロセスが繰り返されることにより、冷却液は、第1空間43aを径方向に流れつつ周方向に沿って時計回りに流れ、第1導出路55aに至る。
第2空間43bでは、第2導入路54bを通って当該第2空間43b内に導入された冷却液が、第1空間43aにおける冷却液の流れと対称となる流れ方で流れて第2導出路55bに至る。
冷却液が以上のように流れることにより、各ステータコイルユニット44が冷却液によって冷却されるとともに、バックヨーク48も冷却される。
そして、第1及び第2導出路55a,55bに至った冷却液は、それらの第1及び第2導出路55a,55bを通って排出される。この排出された冷却液は、循環ポンプ60に戻り、その循環ポンプ60により再び第1及び第2導入路54a,54bへ向けて送出される。
(ロータ30の冷却プロセス)
収容空間43において前記内側隙間74を流れる冷却液の一部は、各連通路82を通って、内側空間57の隣接領域58に放出される。この隣接領域58に放出された冷却液は、図8に模式的に示されるように、ロータ30の回転により発生する吸引力によってロータ30の径方向内側部位35(例えば複数の永久磁石34よりも径方向内側に位置する部位)へ向けて軸方向に吸引される。具体的には、ロータ30が回転することによって遠心力が生まれ、その遠心力により、ロータ収容空間56のうちロータ30の径方向内側部位35付近の空気が径方向外側へ引っ張られることから、径方向内側部位35付近の圧力が低下する。その結果、このロータ収容空間56のうちロータ30の径方向内側部位35付近の領域は、内側空間57に対して負圧になる。それに起因して前記吸引力が発生し、内側空間57の隣接領域58からロータ30の径方向内側部位35へ冷却液が軸方向に引き寄せられる。
ロータ30の径方向内側部位35へ引き寄せられた冷却液は、その径方向内側部位35にかかり、さらには、図9に模式的に示すように、ロータ30の回転に伴ってその回転方向に流れつつ、前記遠心力により径方向外側へ流れる。その結果、ロータ30の広い範囲にわたって、好ましくはロータ30全体が冷却液によって冷却される。
また、このロータ30の冷却プロセスにおいて、収容空間43内から冷却液に含まれるエアが冷却液とともに前記内側空間57へ排出される。具体的に、冷却液に含まれるエアは、第1及び第2内側仕切部64a,64bの各々によりトラップされてその第1及び第2内側仕切部64a,64bのそれぞれの下側に隣接する下側領域74aに溜まりやすいが、各連通路入口82aがこの下側領域74aに開口しているため、前記のように各連通路82を通って内側空間57へ放出される冷却液とともにエアが内側空間57へ排出される。
(本実施形態による効果)
本実施形態によるモータ10では、ステータ40のケーシング42の内側壁52が、収容空間43から内側空間57へ冷却液の一部が流れるのを許容するように収容空間43と内側空間57とを連通する連通路82を有するため、収容空間43において複数のステータコイルユニット44及びバックヨーク48を冷却する冷却液の一部を連通路82を通じて内側空間57へ放出させることができる。そして、この内側空間57は、当該内側空間57に放出された冷却液がロータ30の回転により発生する吸引力によって軸方向に吸引されてロータ30の径方向内側部位35に達するようにその径方向内側部位35に対して軸方向に隣接しているため、モータ10が作動してロータ30が回転すれば、そのロータ30の回転により自然に発生する吸引力によって、連通路82から内側空間57に放出された冷却液が軸方向に吸引されてロータ30の径方向内側部位35に達する。この径方向内側部位35に達した冷却液は、ロータ30の回転により発生する遠心力によって径方向内側部位35から径方向外側へ流れるため、ロータ30の広い範囲にわたって冷却液を行き渡らせて当該ロータ30をその冷却液で冷却できる。
また、本実施形態によるモータ10では、ステータ40のケーシング42内の収容空間43の第1空間43aにおいて内側隙間74を遮る各第1内側仕切部64aと外側隙間73を遮る各第1外側仕切部62aとが周方向において互いにずれた位置に配置されているため、外側隙間73を周方向に流れる冷却液は各第1外側仕切部62aに当たって径方向内側へ向かい、その径方向内側へ向かう冷却液は内側壁52に当たって内側隙間74を周方向に流れ、その内側隙間74を周方向に流れる冷却液は各第1内側仕切部64aに当たって径方向外側へ向かい、その径方向外側へ向かう冷却液は外側壁51に当たって外側隙間73を周方向に流れる。また、収容空間43の第2空間43bにおいて内側隙間74を遮る各第2内側仕切部64bと外側隙間73を遮る各第2外側仕切部62bとが周方向において互いにずれた位置に配置されているため、第2空間43bでは、第1空間43aにおける冷却液の流れと対称的ではあるが同様に冷却液が周方向に流れつつ径方向に流れる。従って、本実施形態によるモータ10では、第1及び第2空間43a,43b内における冷却液の流路の長さを大きくすることができるとともに、第1及び第2空間43a,43b内を流れる冷却液とステータコイルユニット44との接触時間を長くすることができ、その結果、冷却効率を向上できる。
また、本実施形態によるモータ10では、前記のように収容空間43の第1及び第2空間43a,43b内における冷却液の流路の長さを大きく確保して冷却効率を向上しながら、各内側仕切部64によって形成されやすくなるエア溜りの発生を前記連通路82を利用して解消でき、収容空間43でのエア溜りの発生による冷却性能の低下及び循環ポンプ60のエア噛みの発生を防ぐことができる。
具体的に、本実施形態によるモータ10は、ロータ30の軸心が水平方向に延び且つ前記内側隙間74が各内側仕切部64に対して下側に隣接する下側領域74aを有する姿勢で設置された結果、冷却液中のエアが各内側仕切部64によりトラップされて前記下側領域74aにエア溜りが形成されやすい。このようなエア溜りが形成されると、そのエア溜りでは冷却液による冷却がなされないため、冷却性能が低下するが、本実施形態では、各連通路入口82aが対応する前記下側領域74aに開口しているので、収容空間43内を流れる冷却液の一部が連通路82を通って内側空間57へ放出されるときに、その冷却液とともにエアも連通路82を通じて内側空間57へ排出することができ、その結果、前記のエア溜りによる冷却性能の低下を防ぐことができる。
また、仮に前記エア溜りが形成されてそのエア溜りで成長した気泡が冷却液とともに収容空間43から排出され、循環ポンプ60に吸い込まれた場合には、循環ポンプ60でエア噛みが発生する虞があるが、本実施形態では連通路82を通じたエアの排出により、前記のように収容空間43内でエア溜りが形成されるのを防ぐことができるため、循環ポンプ60のエア噛みの発生も防ぐことができる。
また、本実施形態によるモータ10では、第1導入路54aが第1空間43a内の各下側領域74aよりも下側の位置で第1空間43aに繋がるとともに第1導出路55aが第1空間43a内の各下側領域74aよりも上側の位置で第1空間43aに繋がっているため、第1導入路54aを通じて第1空間43aに導入された冷却液が第1空間43a内を総体的に上側へ向かって流れて各下側領域74aの位置を通って第1導出路55aに至り、その第1導出路55aを通じて第1空間43aの外部へ導出される。また、本実施形態によるモータ10では、第2導入路54bが第2空間43b内の各下側領域74aよりも下側の位置で第2空間43bに繋がっているとともに、第2導出路55bが第2空間43b内の各下側領域74aよりも上側の位置で第2空間43bに繋がっているため、第2導入路54bを通じて第2空間43bに導入された冷却液が前記第1空間43aの場合と同様に総体的に上側へ向かって流れて第2導出路55bを通じて第2空間43bの外部へ導出される。そして、冷却液中のエアは浮力により下側から上側へ向かって流れやすいため、前記のように流れる冷却液とともにエアが第1及び第2導出路55a,55bを通じて排出されやすくなる。このため、第1及び第2空間43a,43b内の各下側領域74aにエアが溜まりにくくなり、エア溜りが形成されるのをより有効に防止できる。
また、本実施形態によるモータ10では、第1導入路出口54cから第1空間43aに吐出された冷却液と第2導入路出口54dから第2空間43bに吐出された冷却液とが周方向において一方側と他方側とに互いに対称的に流れるため、第1空間43a側と第2空間43b側とで冷却能力を均等化できる。すなわち、仮に、前記導入側区画部76が設けられていなくて、収容空間43が第1空間43aと第2空間43bとに区画されておらず、1箇所の導入路出口から冷却液が収容空間43に吐出されるような場合には、その吐出された冷却液の流れが周方向において一方側と他方側のいずれかに偏り、その一方側と他方側との間で冷却能力に差が生じる虞があるが、本構成では、このような冷却能力の差が生じるのを抑制できる。
また、仮に、前記導入側区画部76が設けられていなくて、収容空間43が第1空間43aと第2空間43bとに区画されておらず、導入路出口に対して周方向における一方側に第1内側仕切部64aと第1外側仕切部62aが設けられるとともに、導入路出口に対して周方向における他方側に第2内側仕切部64bと第2外側仕切部62bが設けられている場合には、導入路出口から収容空間43に吐出された冷却液が第1内側仕切部64aと第2内側仕切部64bとの間で対流しやすくなり、冷却効率が低下しやすい。これに対し、本実施形態によるモータ10では、前記導入側区画部76が設けられて収容空間43が一方側の第1空間43aと他方側の第2空間43bとに区画され、その導入側区画部76に対して一方側に隣接した第1導入路出口54cから冷却液が第1空間43aに吐出されるとともに、その導入側区画部76に対して他方側に隣接した第2導入路出口54dから冷却液が第2空間43bに吐出されるため、第1内側仕切部64aと第2内側仕切部64bとの間での冷却液の対流を抑制できるとともに、第1外側仕切部62aと第2外側仕切部62bとの間での冷却液の対流を抑制できる。このため、冷却効率を向上できる。
また、本実施形態によるモータ10では、冷却液が前記導入側区画部76に対して周方向における一方側の第1空間43aと他方側の第2空間43bとに互いに対称的に流れることから、冷却液の流量及び圧力を第1空間43a側と第2空間43b側とで均等化できる。このため、第1空間43a側と第2空間43b側との間での圧力差による応力の発生やステータ40のケーシング42にかかる圧力のバランスの悪化を防ぐことができ、ステータ40のケーシング42を構成する部材同士の結合箇所やその部材同士を結合させる結合部材の耐久性を向上できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態はあくまでも例示であって、本発明は、前記実施形態の記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、ステータは、連通路を通って内側壁の径方向内側の内側空間へ放出される冷却液の流量を調節できるようにするために、連通路内の冷却液が通ることを許容する空間の断面積を変更することが可能な断面積変更部を有していてもよい。図10及び図11に、このような変形例による連通路82及び断面積変更部85付近の構造が示されている。
断面積変更部85は、ステータのケーシング42の内側壁52に形成されたネジ穴86(図10参照)と、そのネジ穴86に螺入されるボルト88(図11参照)とによって構成される。
ネジ穴86は、軸方向に沿って延びて内側壁52を貫通し、連通路82に対して垂直に交わっている。
ボルト88は、その先端部88a(図11参照)が連通路82に達するようにネジ穴86に螺入される。ネジ穴86が連通路82と交わっている箇所での連通路82内の空間の断面積、すなわち連通路82内の冷却液が通ることを許容する空間の断面積(連通路82が延びる方向に対して垂直な断面の面積)は、連通路82内へのボルト88の進入深さ、すなわちネジ穴86にボルト88が螺入される深さによって変更される。
この変形例の構成によれば、連通路82内の冷却液が通る空間の断面積を変更し、それによって連通路82を通って前記内側空間57の隣接領域58へ放出される冷却液の流量を調節することができる。このため、内側空間57の隣接領域58からロータ30へ吸引されてロータ30を冷却する冷却液の量と収容空間43内でステータコイルユニット44を冷却する冷却液の量とのバランスを調節できる。
また、前記実施形態では、アキシャルギャップ型回転電機の一例であるモータ10について説明したが、アキシャルギャップ型回転電機は発電機であってもよい。
また、前記実施形態では、モータ10が2つのステータ40を備える態様について説明したが、アキシャルギャップ型回転電機が備えるステータは1つであってもよい。
また、エアをステータのケーシング内の収容空間から排出するために、前記連通路に加えて、外側隙間のうち各外側仕切部に対して下側に隣接する領域に開口し、その領域からケーシングの外部へ延びるエア抜き路が、ステータのケーシングに設けられていてもよい。この場合には、各外側仕切部に対して下側に隣接する領域からエア抜き路を通じてエアを収容空間の外部へ排出できるため、各外側仕切部に対して下側に隣接する領域にエア溜りが形成されるのを防ぐことができる。
また、ステータ内の収容空間は、前記のように第1空間と第2空間の2つに区画されているのみならず、より多くの空間に区画されて、そのそれぞれの空間に個別に冷却液が導入されてそのそれぞれの空間内を流れて排出されるようになっていてもよい。このようにすれば、より冷却性能を向上できる。例えば、収容空間が周方向において等分された4つの空間に区画され、その4つの空間のそれぞれに対して個別に冷却液を導入する4つの導入路とその4つの空間のそれぞれから個別に冷却液を導出する4つの導出路がステータのケーシングに設けられてもよい。
具体的には、例えば、ステータのケーシング内の収容空間を軸方向に見た状態で時計の文字盤に見立てて3時の位置と6時の位置と9時の位置と12時の位置にそれぞれその位置のステータコイルユニットと内側壁との間の内側隙間を遮るとともにそのステータコイルユニットと外側壁との間の外側隙間を遮る区画部を設け、それらの区画部により、収容空間を、12時の位置と3時の位置との間の空間と、3時の位置と6時の位置との間の空間と、6時の位置と9時の位置との間の空間と、9時の位置と12時の位置との間の空間とに区画してもよい。そして、12時の位置と3時の位置との間の空間に12時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導入する導入路とその空間から3時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導出する導出路とをステータのケーシングに設けるとともに、3時の位置と6時の位置との間の空間に3時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導入する導入路とその空間から6時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導出する導出路とをステータのケーシングに設ければよい。また、6時の位置と9時の位置との間の空間に6時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導入する導入路とその空間から9時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導出する導出路とをステータのケーシングに設けるとともに、9時の位置と12時の位置との間の空間に9時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導入する導入路とその空間から12時の位置の区画部に隣接した位置で冷却液を導出する導出路とをステータのケーシングに設ければよい。
また、内側仕切部と外側仕切部は、ステータのケーシング内に必ずしも複数ずつ設けられていなくてもよく、少なくとも1つずつ設けられていればよい。
また、アキシャルギャップ型回転電機は、ステータのケーシング内の収容空間から導出路を通って排出された冷却液を導入路へ戻す冷却液の循環システムの構成として、次のような構成を備えていてもよい。すなわち、冷却液の循環システムは、収容空間に冷却液を導入するための導入路へ向けて冷却液を送出する循環ポンプに加えて、冷却液を貯留するタンクと、そのタンクにおいてもしくは冷却液の循環経路上で冷却液の流れ方向における前記タンクの上流側と下流側のいずれかにおいて冷却液を冷却する冷却装置と、前記タンクに設けられて前記タンク中の冷却液の量を検出する液量計(液量を示すゲージ等)と、を備えていてもよい。
この循環システムでは、循環ポンプは、タンクに貯留された冷却液を前記導入路へ向けて送出し、前記収容空間から前記導出路を通じて排出された冷却液は、前記タンクに戻される。本発明のアキシャルギャップ型回転電機では、冷却液が収容空間から連通路を通って内側空間へ流出してロータの冷却に用いられることに伴い、循環する冷却液の量が減少する。このとき、前記液量計により検出される前記タンク中の冷却液の量が減少するので、その検出される冷却液の量が所定量よりも減少した時点で前記タンク中へ冷却液を補給すればよい。
また、冷却液の循環経路上で冷却液の流れ方向において前記タンクの上流側及び/又は下流側に冷却液から異物を除去するフィルタが設けられていてもよい。また、前記タンクは、貯留する冷却液を自然冷却させる機能を備えていてもよい。また、前記タンクは、その内部に導入された冷却液に含まれるエアを除去する機能を備えていてもよい。
10 アキシャルギャップモータ(アキシャルギャップ型回転電機)
20 ロータ軸
30 ロータ
35 径方向内側部位
40 ステータ
42 ケーシング
43 収容空間
44 ステータコイルユニット
45 ステータコア
46 コイル
51 外側壁
52 内側壁
54 導入路
54a 第1導入路
54b 第2導入路
54c 第1導入路出口
54d 第2導入路出口
55 導出路
55a 第1導出路
55b 第2導出路
55c 第1導出路入口
55d 第2導出路入口
57 内側空間
62 外側仕切部
64 内側仕切部
73 外側隙間
74 内側隙間
74a 下側領域
76 導入側区画部
82 連通路
82a 連通路入口

Claims (6)

  1. アキシャルギャップ型回転電機であって、
    所定の軸回りに回転可能なロータと、
    前記ロータの軸方向において前記ロータと対向するように配置されたステータとを備え、
    前記ステータは、前記ロータの軸を中心としてその軸を囲むように延びる収容空間を囲むケーシングと、ステータコア及びそのステータコアに巻回されて前記回転電機の作動時に電流が流れるコイルをそれぞれ有する複数のステータコイルユニットであって前記収容空間内に前記ロータの軸を中心とした円の周方向に並んで設置されたものと、を含み、
    前記ケーシングは、前記収容空間の内周縁を画定する内側壁であって前記ロータの軸を中心とした円の径方向において当該内側壁の内側に位置する内側空間を囲むものを有し、
    前記内側壁は、前記収容空間内において前記複数のステータコイルユニットを冷却する冷却液が前記収容空間から前記内側空間へ流れるのを許容するように前記収容空間と前記内側空間とを連通する連通路を有し、
    前記内側空間は、前記ロータの径方向内側部位に対して前記軸方向に隣接している、アキシャルギャップ型回転電機。
  2. 前記ケーシングは、前記収容空間の外周縁を画定するようにその収容空間を囲む外側壁を有し、
    前記複数のステータコイルユニットは、各ステータコイルユニットと前記内側壁との間に内側隙間が形成されるように前記内側壁から前記径方向の外側へ離間し、且つ、各ステータコイルユニットと前記外側壁との間に外側隙間が形成されるように前記外側壁から前記径方向の内側へ離間して配置され、
    前記ステータは、前記複数のステータコイルユニットのうちの任意のステータコイルユニットと前記内側壁との間の前記内側隙間を遮る少なくとも1つの内側仕切部と、前記複数のステータコイルユニットのうちの任意のステータコイルユニットと前記外側壁との間の前記外側隙間を遮る少なくとも1つの外側仕切部と、をさらに含み、
    前記内側仕切部と前記外側仕切部は、前記周方向において互いにずれた位置に配置されている、請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  3. 前記アキシャルギャップ型回転電機は、前記ロータの軸が鉛直方向に対して交差する方向に延び且つ前記内側隙間が前記内側仕切部に対して下側に隣接する下側領域を有する姿勢で配置され、
    前記連通路は、前記収容空間から冷却液を受け入れる連通路入口を有し、
    前記連通路入口は、前記下側領域に開口している、請求項2に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  4. 前記ケーシングには、前記ステータへ供給される冷却液を前記収容空間内へ導く導入路と、前記収容空間から前記ケーシングの外部へ冷却液を導く導出路とが設けられ、
    前記導入路は、前記下側領域よりも下側の位置で前記収容空間に繋がり、
    前記導出路は、前記下側領域よりも上側の位置で前記収容空間に繋がる、請求項3に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  5. 前記導入路は、前記ステータへ供給される冷却液をそれぞれ前記収容空間内へ導く第1導入路及び第2導入路を含み、
    前記第1導入路は、当該第1導入路を通った冷却液を前記収容空間へ吐出する第1導入路出口を有し、
    前記第2導入路は、前記周方向において前記第1導入路出口と並んで配置され、当該第2導入路を通った冷却液を前記収容空間へ吐出する第2導入路出口を有し、
    前記ステータは、前記第1導入路出口と前記第2導入路出口との間の位置で前記複数のステータコイルユニットのうちの所定のステータコイルユニットと前記内側壁との間の前記内側隙間を遮るとともにその所定のステータコイルユニットと前記外側壁との間の前記外側隙間を遮って、前記収容空間を前記第1導入路出口から吐出された冷却液が流れる第1空間と前記第2導入路出口から吐出された冷却液が流れる第2空間とに区画する導入側区画部を有し、
    前記少なくとも1つの内側仕切部は、前記第1空間に配置された第1内側仕切部と、前記第2空間に配置されるとともに前記周方向において前記導入側区画部に対して前記第1内側仕切部と対称となるように配置された第2内側仕切部とを含み、
    前記少なくとも1つの外側仕切部は、前記第1空間に配置された第1外側仕切部と、前記第2空間に配置されるとともに前記周方向において前記導入側区画部に対して前記第1外側仕切部と対称となるように配置された第2外側仕切部とを含む、請求項4に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
  6. 前記ステータは、前記連通路内の冷却液が通る空間の断面積を変更することが可能な断面積変更部をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型回転電機。
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