JP2020193938A - 慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカー、及びその使用 - Google Patents

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寿美 三木
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Abstract

【課題】新規CSU重症度マーカー、並びに前記CSU重症度マーカーを利用した検査キット、CSU重症度若しくは治療効果の評価試薬、及びCSU重症度若しくは治療効果の評価方法を提供する。【解決手段】7,17−diHDoHE、及び8−HEPEからなる群より選択される慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカー。7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質からなる群より選択される少なくとも1種を含む、検査キット。また、慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法。【選択図】なし

Description

本発明は、慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカー、及びその使用に関する。特に、前記慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカーを利用した検査キット、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬、慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法、及び慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法に関する。前記検査キットは、特に、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果を評価するために用いられる。
蕁麻疹とは、そう痒を伴った一過性の紅斑と膨疹が出没を繰り返す皮膚疾患である。蕁麻疹は、明らかな外部誘因がない特発性蕁麻疹と、特定刺激や負荷により誘発される刺激誘発性蕁麻疹とに分類される。また、特発性蕁麻疹は、6週間以上症状が継続する慢性のものと、症状の継続が6週間未満である急性のものとに分類される。慢性特発性蕁麻疹(chronic spontaneous urticaria:CSU)は、明らかな外部誘因がなく、症状が6週間以上継続する蕁麻疹である。日本では、CSUは、蕁麻疹全体の53.5%を占めている。CSUでは、症状が毎日またはほぼ毎日出現し、痒みや膨疹が繰り返されるため、患者のQOLの低下や労働生産性の低下に繋がっている。
CSUの治療には、一般的に抗ヒスタミン剤が使用される。また、最近、抗IgEモノクローナル抗体製剤であるオマリズマブが、CSUの症状を軽減することが認められた。オマリズマブは、ヒトIgE分子のCε3に特異性を有するマウスモノクローン抗体ベースとして、95%をヒトIgG1分子構造に置換したヒト化抗体であり、元々、気管支喘息に対して効能が認められた抗体製剤である。日本では、オマリズマブは、既存治療に抵抗性のCSUに対して、適用が認められている。
CSUの治療方法の選択には、CSUの重症度を把握する必要がある。CSUの重症度の評価方法としては、過去1週間の蕁麻疹の数や期間から重症度を算定する7−day urticaria activity score(USA7)(非特許文献1)、及び過去4週間のQOLを所定の質問に対する患者の回答で評価するurticaria control test(UCT)(非特許文献2)の2種類が、広く用いられている。しかしながら、これらの評価方法は、患者の自己申告によるものであり、CSUの重症度を客観的に評価できるバイオマーカーは知られていない。
Zuberbier T et al., EAACI/GA(2)LEN/EDF/WAO guideline: definition, classification and diagnosis of urticaria. Allergy. 2009 Oct;64(10):1417-26. Weller K et al., Development and validation of the Urticaria Control Test: a patient-reported outcome instrument for assessing urticaria control. J Allergy Clin Immunol. 2014 May;133(5):1365-72.
上記のように、CSUの重症度の評価は、現在、患者の自己申告に基づいて行われており、患者が病状を記録していない場合には、評価を行うことができない。また、患者の自己申告によるため、客観性に欠ける面がある。そのため、CSUの重症度を客観的に評価可能なバイオマーカーが求められている。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、新規CSU重症度マーカー、並びに前記CSU重症度マーカーを利用した検査キット、CSU重症度若しくは治療効果の評価試薬、及びCSU重症度若しくは治療効果の評価方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(7,17−diHDoHE)、及び8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17Z−エイコサペンタエン酸(8−HEPE)からなる群より選択される慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカー。
[2]7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質からなる群より選択される少なくとも1種を含む、検査キット。
[3]前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び前記8−HEPEに対する特異的結合物質を含む、[2]に記載の検査キット。
[4]前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質が、7,17−diHDoHEに対する抗体であり、前記8−HEPEに対する特異的結合物質が、8−HEPEに対する抗体である、[2]又は[3]に記載の検査キット。
[5]前記検査キットが、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果を評価するためのキットである、[2]〜[4]のいずれか一項に記載の検査キット。
[6]7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬。
[7]前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質が、7,17−diHDoHEに対する抗体である、[6]に記載の評価試薬。
[8]8−HEPEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬。
[9]前記8−HEPEに対する特異的結合物質が、8−HEPEに対する抗体である、[8]に記載の評価試薬。
[10]慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法。
[11]前記慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの濃度を測定する工程を含む、[10]に記載の慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法。
[12]治療を受けた慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、前記治療による慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法。
[13]前記治療を受けた慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの濃度を測定する工程を含む、[12]に記載の慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法。
本発明によれば、新規CSU重症度マーカー、並びに前記CSU重症度マーカーを利用した検査キット、CSU重症度若しくは治療効果の評価試薬、及びCSU重症度若しくは治療効果の評価方法が提供される。
血漿中の7,17−diHDoHE濃度と、慢性特発性蕁麻疹(CSU)の重症度との相関を示す。(A)は、血漿中の7,17−diHDoHE濃度とUAS7スコアとの相関を示す。(B)は、血漿中の7,17−diHDoHE濃度とUCTスコアとの相関を示す。 血漿中の8−HEPE濃度と、CSUの重症度との相関を示す。(A)は、血漿中の8−HEPE濃度とUAS7スコアとの相関を示す。(B)は、血漿中の8−HEPE濃度とUCTスコアとの相関を示す。 血漿中の7,17−diHDoHE濃度と、アトピー皮膚炎(AD)の重症度とが相関しないことを示す。(A)は、血漿中の7,17−diHDoHE濃度とPOEMスコアとが相関しないことを示す。(B)は、血漿中の7,17−diHDoHE濃度とEASIスコアとが相関しないことを示す。 血漿中の8−HEPE濃度と、ADの重症度とが相関しないことを示す。(A)は、血漿中の8−HEPE濃度とPOEMスコアとが相関しないことを示す。(B)は、血漿中の8−HEPE濃度とEASIスコアとが相関しないことを示す。 CSU患者に対するオマリズマブ投与と血漿採取のスケジュールを示す。 オマリズマブ投与前と投与後のCSU重症度の変化を示す。(A)は、UAS7スコアの変化を示す。(B)は、UCTスコアの変化を示す。 オマリズマブ投与前と投与後の血漿中の7,17−diHDoHE濃度の変化を示す。 オマリズマブ投与前と投与後の血漿中の8−HEPE濃度の変化を示す。
[CSU重症度マーカー]
本発明の第1の態様は、7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(7,17−diHDoHE)、及び8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17Z−エイコサペンタエン酸(8−HEPE)からなる群より選択される慢性特発性蕁麻疹(CSU)の重症度マーカーである。
後述の実施例で示すように、CSU患者の血漿のリピドミクス解析を行った結果、CSUの重症度と相関のある酸化脂肪酸として、7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(7,17−diHDoHE)、及び8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17Z−エイコサペンタエン酸(8−HEPE)が見出された。7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血漿中濃度は、UAS7及びUCTによる重症度と相関し、CSUの重症度が高くなるほど、これらの酸化脂肪酸の血漿中濃度は高くなる。
7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(7,17-dihydroxy-4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z-docosahexaenoic acid:7,17−diHDoHE)は、ドコサヘキサエン酸の代謝産物である。
8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17Z−エイコサペンタエン酸(8-hydroxy-5Z, 9E, 11Z, 14Z, 17Z-eicosapentaenoic acid:8−HEPE)は、エイコサペンタエン酸の代謝産物である。
7,17−diHDoHE及び8−HEPEは、CSUの重症度が高くなるほど、血中濃度が高くなるため、これらの酸化脂肪酸の血中濃度を測定することにより、CSUの重症度を評価することができる。したがって、7,17−diHDoHE及び8−HEPEは、CSUの重症度を評価するための重症度マーカーとして用いることができる。
また、後述する実施例で示すように、オマリズマブ投与によりCSUの症状が改善した患者では、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血漿濃度が低下することが確認された。この結果は、投薬等の治療によりCSUの症状が改善することに伴い、これらの酸化脂肪酸の血中濃度が低下することを示している。したがって、7,17−diHDoHE及び8−HEPEは、CSUの治療効果を評価するための治療効果評価マーカーとしても用いることができる。
以下、7,17−diHDoHEおよび8−HEPEをまとめて「マーカー酸化脂肪酸」ということがある。
[検査キット]
本発明の第2の態様は、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質からなる群より選択される少なくとも1種を含む、検査キットである。
本態様の検査キットは、試料中の、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の酸化脂肪酸を検出するために用いられる。本態様の検査キットは、特に、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の酸化脂肪酸の血中濃度を測定するために用いられる。7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、CSUの重症度と相関しており、これらの酸化脂肪酸の血中濃度を測定することにより、CSUの重症度を評価することができる。また、17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、投薬等の治療によりCSUの症状が改善すると低下する。したがって、本態様の検査キットは、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果を評価するための検査キットであることが好ましい。
<特異的結合物質>
本態様に係る検査キットは、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
本明細書において、「特異的結合物質」とは、特定の物質に対する特異的結合性を有する物質を意味する。物質Aに対する特異的結合物質は、物質Aに対して高い結合親和性を有するが、他の物質に対しては結合親和性が低い物質である。したがって、「7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質」は、7,17−diHDoHEに対する特異的結合性を有する物質を意味し、7,17−diHDoHEに対して高い結合親和性を有するが、他の物質に対しては結合親和性が低い物質である。また、「8−HEPEに対する特異的結合物質」は、8−HEPEに対する特異的結合性を有する物質を意味し、8−HEPEに対して高い結合親和性を有するが、他の物質に対しては結合親和性が低い物質である。
7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質の具体例としては、7,17−diHDoHEに特異的結合性を有する抗体(7,17−diHDoHEに対する抗体;以下、「抗7,17−diHDoHE抗体」という)、又は7,17−diHDoHEに特異的結合性を有するアプタマー(7,17−diHDoHEに対するアプタマー;以下、「抗7,17−diHDoHEアプタマー」という)が挙げられる。
8−HEPEに対する特異的結合物質の具体例としては、8−HEPEに特異的結合性を有する抗体(8−HEPEに対する抗体;以下、「抗8−HEPE抗体」という)、又は8−HEPEに特異的結合性を有するアプタマー(8−HEPEに対するアプタマー;以下、「抗8−HEPEアプタマー」という)が挙げられる。
抗7,17−diHDoHE抗体は、7,17−diHDoHEを抗原として、公知の方法(ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法など)により作製することができる。抗7,17−diHDoHE抗体は、必ずしもインタクトな抗体である必要はなく、抗体断片であってもよい。抗7,17−diHDoHE抗体は、改変抗体(キメラ抗体、CDR移植抗体等)であってもよく、抗体断片(scFv、Fab、F(ab')2、Fv等)であってもよい。抗7,17−diHDoHE抗体は、ポリクローナルであってもよく、モノクローナルであってもよい。本明細書において、「抗体」という用語は、インタクトな抗体に加えて、改変抗体、及び抗体断片を包含する。
抗8−HEPE抗体は、8−HEPEを抗原として、公知の方法(ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法など)により作製することができる。抗8−HEPE抗体は、必ずしもインタクトな抗体である必要はなく、抗体断片であってもよい。抗8−HEPE抗体は、改変抗体(キメラ抗体等)であってもよく、抗体断片(scFv、Fab、F(ab')2、Fv等)であってもよい。抗8−HEPE抗体は、ポリクローナルであってもよく、モノクローナルであってもよい。
アプタマーとは、標的物質に対する特異的結合性を有する物質であり、核酸アプタマー、ペプチドアプタマー等が挙げられる。
抗7,17−diHDoHEアプタマーは、核酸アプタマーであってもよく、ペプチドアプタマーであってもよい。抗8−HEPEアプタマーは、核酸アプタマーであってもよく、ペプチドアプタマーであってもよい。核酸アプタマーは、例えば、systematic evolution of ligand by exponentialenrichment(SELEX)法等により選別することができる。また、ペプチドアプタマーは、例えば酵母を用いたTwo−hybrid法等により選別することができる。
本態様の検査キットは、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質のいずれを含むものであってもよく、両方を含むものであってもよい。好ましくは、本態様の検査キットは、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質の両方を含む。
7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質は、7,17−diHDoHEに対する特異的結合性を有する限り特に限定されないが、抗7,17−diHDoHE抗体又は抗7,17−diHDoHEアプタマーが好ましく、抗7,17−diHDoHE抗体がより好ましい。
8−HEPEに対する特異的結合物質は、8−HEPEに対する特異的結合性を有する限り特に限定されないが、抗8−HEPE抗体又は抗8−HEPEアプタマーが好ましく、抗8−HEPE抗体がより好ましい。
本態様の検査キットにおいて、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質及び8−HEPEに対する特異的結合物質(以下、両者をまとめて「マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質」という)は、支持体に固定化されていてもよい。支持体は、本態様の検査キットを適用する方法に応じて、適宜選択することができる。支持体としては、例えば、ウェルプレート(例、96ウェルマイクロプレートなど)、メンブレン(例、ニトロセルロース膜、ポリフッ化ビニリデン膜など)、スライドガラス、磁気ビーズ、ラテックス粒子等が挙げられる。マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質を支持体に固定化する方法は、支持体の材質に応じて、適宜、公知の方法を選択することができる。
マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質が、支持体に固定化されている場合、B/F分離により、7,17−diHDoHE又は8−HEPEを、試料中から分離することができる。
マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質が支持体に固定されている場合、本態様の検査キットは、前記支持体に固定された特異的結合物質(一次特異的結合物質)とは異なるエピトープに結合するマーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質(二次特異的結合物質)を含んでいてもよい。例えば、本態様の検査キットが、支持体に固定された抗7,17−diHDoHE抗体(一次抗体)を含む場合、さらに、前記一次抗体とは異なるエピトープに結合する抗7,17−diHDoHE抗体(二次抗体)を含んでいてもよい。また、例えば、本態様の検査キットが、支持体に固定された抗8−HEPE抗体(一次抗体)を含む場合、さらに、前記一次抗体とは異なるエピトープに結合する抗8−HEPE抗体(二次抗体)を含んでいてもよい。
また、マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質は、標識化されたものであってもよい。標識化のための標識物質は、特に限定されず、公知のものを用いればよい。標識物質としては、例えば、ペルオキシダーゼ(例、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、アルカリホスファターゼなどの酵素標識;カルボキシフルオレセイン(FAM)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’ ,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラクロロフルオレセイン(TET)、5'−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト(HEX)、Cy3、Cy5、Alexa568、Alexa647などの蛍光標識;ヨウ素125などの放射性同位体標識;ルテニウム錯体などの電気化学発光標識;ビオチン;金属ナノ粒子等が挙げられる。マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質の標識化は、標識物質の種類に応じて、適宜、公知の方法を選択して行うことができる。なお、標識物質としてビオチンを用いる場合には、本態様の検査キットは、さらに、標識化されたアビジンを含んでいてもよい。アビジンの標識物質としては、上記例示した標識物質のうちビオチン以外の標識物質が例示される。
本態様の検査キットが二次特異的結合物質を含む場合、当該二次特異的結合物質は、標識化されていることが好ましい。
<他の要素>
本実施形態のキットは、マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質に加えて、他の要素を含んでいてもよい。他の要素としては、例えば、酸化脂肪酸の検出試薬、標識物質の検出試薬、マーカー酸化脂肪酸の標準試料、血液試料調製試薬、脂質抽出試薬、希釈液、バッファー類、支持体、使用説明書等が挙げられる。
酸化脂肪酸の検出試薬は、例えば、支持体に固定されたマーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質により、7,17−diHDoHE又は8−HEPEを支持体に捕捉した後、捕捉された7,17−diHDoHE又は8−HEPEを検出するために用いることができる。酸化脂肪酸の検出試薬は、特に限定されないが、例えば、Sulfo−phospho−vanillin法に用いる試薬(バニリン、硫酸)等が挙げられる。
標識物質の検出試薬は、マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質又は二次特異的結合物質の標識化に用いた標識物質を検出するための試薬である。例えば、標識物質が酵素標識である場合、検出試薬は当該酵素の基質を含む。例えば、酵素標識がペルオキシダーゼである場合、検出試薬としては、TMB(3,3',5,5'-tetramethylbenzidine)、OPD(o-phenylenediamine dihydrochloride)、ABTS(2,2'-azino-di-[3-ethyl-benzothiazoline-6 sulfonic acid] diammonium salt)等が挙げられる。また、酵素標識がアルカリホスファターゼである場合、検出試薬としては、pNPP(p-Nitrophenyl-phosphate;ニトロフェニルリン酸)等が挙げられる。
マーカー酸化脂肪酸の標準試料は、7,17−diHDoHE又は8−HEPEの標準曲線を作成するための試薬である。マーカー酸化脂肪酸の標準試料としては、7,17−diHDoHEの精製品、及び8−HEPEの精製品が挙げられる。
血液試料調製試薬は、患者から採取した血液から血液試料を調製するための試薬である。本態様の検査キットに適用する血液試料としては、例えば、血漿が挙げられる。そのため、血液試料調製試薬としては、患者から採血した血液から血漿試料を調製するための試薬が挙げられる。そのような試薬としては、例えば、ヘパリン、EDTA、及びクエン酸ナトリウム等が挙げられる。また、血液試料調製試薬としては、例えば、血液又は血漿の希釈液等が挙げられる。希釈液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液(Tri−HClなど)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの公知の緩衝液等が例示される。
脂質抽出試薬は、血漿試料等から脂質を抽出するための試薬である。脂質の抽出試薬としては、例えば、Bligh & Dyer法に用いる試薬等が挙げられる。そのような試薬としては、クロロホルム、及びメタノールが挙げられる。また、脂質抽出試薬は、脂質抽出用のカラム等であってもよい。
バッファー類としては、マーカー酸化脂肪酸とマーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質との結合反応に用いられるバッファー、及びマーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質に結合する標識物質を検出するための反応に用いられるバッファー等が挙げられる。バッファー類の具体例としては、例えば、ブロッキングバッファー、洗浄バッファー等が挙げられる。これらのバッファー類は、イムノアッセイ等に一般的に用いられるものを特に制限なく用いることができる。
支持体は、マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質を固定化するために用いられる。支持体としては、上記に例示したものが挙げられる。
本態様の検査キットは、ELISAキットであってもよい。本態様の検査キットがELISAキットである場合、例えば、支持体に固定化されたマーカー酸化脂肪酸に対する一次特異的結合物質、標識化されたマーカー酸化脂肪酸に対する二次特異的結合物質、及び二次特異的結合物質に結合する標識の検出試薬等を含み得る、ELISAキットは、さらに、血液試料調製試薬、脂質抽出試薬、希釈液、マーカー酸化脂肪酸の標準試料、及びバッファー類(ブロッキングバッファー、洗浄バッファー等)等を含んでいてもよい。
本態様の検査キットは、後述の「[慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法]」及び「[慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法]」に記載の方法に用いることができる。
[評価試薬]
本発明の第3の態様は、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹(CSU)の重症度又は治療効果の評価試薬である。
本発明の4の態様は、8−HEPEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬である。
7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質は、上記「[検査キット]」に記載したものと同様である。7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質としては、抗7,17−diHDoHE抗体又は抗7,17−diHDoHEアプタマーが好ましく、抗7,17−diHDoHE抗体がより好ましい。
8−HEPEに対する特異的結合物質は、上記「[検査キット]」に記載したものと同様である。8−HEPEに対する特異的結合物質としては、抗8−HEPE抗体又は抗8−HEPEアプタマーが好ましく、抗8−HEPE抗体がより好ましい。
第3の態様の評価試薬は、7,17−diHDoHEの血中濃度を測定するために使用することができる。7,17−diHDoHEの血中濃度は、CSUの重症度と正の相関を示すため、第3の態様の評価試薬は、CSUの重症度を評価するための試薬として用いることができる。また、7,17−diHDoHEの血中濃度は、投薬等の治療によりCSUの症状が改善すると低下する。そのため、第3の態様の評価試薬は、CSUの治療効果を評価するための試薬として用いることができる。
第4の態様の評価試薬は、8−HEPEの血中濃度を測定するために使用することができる。8−HEPEの血中濃度は、CSUの重症度と正の相関を示すため、第4の態様の評価試薬は、CSUの重症度を評価するための試薬として用いることができる。また、8−HEPEの血中濃度は、投薬等の治療によりCSUの症状が改善すると低下する。そのため、第4の態様の評価試薬は、CSUの治療効果を評価するための試薬として用いることができる。
[CSU重症度の評価方法]
本発明の第5の態様は、慢性特発性蕁麻疹(CSU)患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、慢性特発性蕁麻疹(CSU)の重症度の評価方法である。
<CSU患者の血液試料>
本態様の評価方法で用いる試料は、CSU患者の血液試料である。「血液試料」とは、血液成分の少なくとも一部を含む試料を意味し、全血、血清、及び血漿のいずれであってもよく、これらを希釈したものであってもよい。血液試料は、好ましくは血清又は血漿であり、より好ましくは血漿である。
CSU患者の血液試料は、CSU患者から採取された血液成分を含む試料であり、好ましくはCSU患者から採取された血液から調製された血漿である。血液から血漿を調製する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いればよい。血液からの血漿の分離方法としては、例えば、血液にヘパリン、EDTA、クエン酸ナトリウム等を添加して、遠心分離する方法等が挙げられる。前記遠心分離は、マーカー酸化脂肪酸の分解を抑制する観点から、冷却下(例えば、4℃)で行うことが好ましい。
マーカー酸化脂肪酸は不安定な物質であるため、マーカー酸化脂肪酸の分解を抑制する観点から、CSU患者から血液を採取後すぐに、前記血液から血漿を調製することが好ましい。また、調製した血漿は、調整後すぐに、マーカー脂肪酸の測定を行うか、急速凍結(例えば、−20℃)にて保存することが好ましい。
<測定工程:工程(a1)>
本態様の評価方法では、CSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHEの濃度を測定してもよく、8−HEPEの濃度を測定してもよく、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の濃度を測定してもよい。好ましくは、CSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の濃度を測定する。
7,17−diHDoHE及び8−HEPEの測定方法は、特に限定されず、公知の方法を用いればよい。7,17−diHDoHE及び8−HEPEの測定方法としては、例えば、7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質及び8−HEPEに対する特異的結合物質を用いる方法、質量分析(ESI−MSなど)による方法、薄層クロマトグラフィーによる方法、及び液体高速クロマトグラフィー(HPLC)による方法等が挙げられる。
上記の中でも、簡便に行えることから、マーカー酸化脂肪酸に対する特異的結合物質を用いる方法が好ましい。当該方法は、上記第2の態様の検査キット、又は第3の態様若しくは第4の態様の評価試薬を用いて行うことができる。
例えば、支持体結合させた7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質に、CSU患者の血液試料を接触させる。これにより、前記結合物質に、7,17−diHDoHEが結合して、前記支持体に7,17−diHDoHEが捕捉される。次いで、前記支持体に、7,17−diHDoHEに対する標識化された二次特異的結合物質を接触させる。これにより、支持体に捕捉された7,17−diHDoHEに前記二次特異的結合物質が結合する。次いで、前記二次特異的結合物質に結合する標識物質を測定することにより、血液試料中の7,17−diHDoHEの測定を行うことができる。
また、例えば、支持体結合させた8−HEPEに対する特異的結合物質に、CSU患者の血液試料を接触させる。これにより、前記結合物質に、8−HEPEが結合して、前記支持体に8−HEPEが捕捉される。次いで、前記支持体に、8−HEPEに対する標識化された二次特異的結合物質を接触させる。これにより、支持体に捕捉された8−HEPEに前記二次特異的結合物質が結合する。次いで、前記二次特異的結合物質に結合する標識物質を測定することにより、血液試料中の8−HEPEの測定を行うことができる。
7,17−diHDoHE及び8−HEPEを、これらに対する特異的結合物質を用いて測定する方法の具体例としては、例えば、酵素免疫測定法(EIA、ELISA)、放射免測定法(RIA)、蛍光酵素免疫測定法(FLEIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、蛍光抗体法(FA)等が挙げられる。
CSU患者の血液試料は、マーカー酸化脂肪酸の測定を行う前に、脂質の抽出を行ってもよい。マーカー脂肪酸の分解を抑制する観点からは、マーカー酸化脂肪酸の測定を行う前に、脂質の抽出を行うことが好ましい。脂質の抽出は、Bligh & Dyer法等の公知の方法により行うことができ、市販の脂質抽出キット等を使用してもよい。
<他の工程>
本態様の評価方法は、上記測定工程(工程(a1))に加えて他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、前記測定工程で測定された、717−diHDoHE又は8−HEPEの濃度に基づいて、CSUの重症度を評価する工程、及び前記評価されたCSUの重症度に基づいて、CSU患者に治療を実施する工程等が挙げられる。
≪評価工程:工程(b1)≫
後述する実施例で示すように、CSU患者において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、CSUの重症度と正の相関を示す。すなわち、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、CSUの重症度が高いほど高くなる。これにより、本態様の評価方法では、7,17−diHDoHE又は8−HEPEの血中濃度とCSUの重症度とを相関させて、CSU患者におけるCSUの重症度を評価することができる。そのため、本態様の評価方法は、上記測定工程で測定された、717−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度に基づいて、CSUの重症度を評価する工程を含んでいてもよい。
具体的には、上記測定工程において測定された7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度の少なくとも一方を、CSUの重症度と相関させて、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度の少なくとも一方を、予め定めたCSUの重症度基準値と比較する。そして、前記比較結果に基づいて、CSUの重症度を評価する。CSUの重症度の評価は、7,17−diHDoHE及び8−HEPEのいずれの血中濃度に基づいてもよいが、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の血中濃度に基づくことが好ましい。
予め定めたCSUの重症度基準値は、例えば、CSUの重症度が既知である患者のマーカー酸化脂肪酸の濃度に基づいて、定められた値とすることができる。例えば、UAS7又はUSTの各スコア区分の患者群における7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度に基づいて、7,17−diHDoHE及び8−HEPEのCSU重症度基準値をそれぞれ設定してもよい。あるいは、オマリズマブを投与してCSUの症状が改善した患者における7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度に基づいて、7,17−diHDoHE及び8−HEPEのCSU重症度基準値をそれぞれ設定してもよい。前記CSU重症度基準値は、複数の患者の血中濃度値を統計処理して算出されたカットオフ値であることが好ましい。
また、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度を複数の患者で測定した場合には、当該患者間の前記血中濃度を比較して、前記血中濃度が高い順にCSUの重症度が高い、と評価してもよい。
また、1人の患者について、経時的に7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度を測定した場合には、各測定時点における前記血中濃度の変化に基づいて、CSUの重症度の変化を評価してもよい。例えば、前回測定時よりも前記血中濃度が高くなった場合には、CSUの重症度が高くなったと評価することができ、前記測定時よりも前記血中濃度が低くなった場合には、CSUの重症度が低くなったと評価することができる。
≪治療工程:工程(c1)≫
本態様の評価方法は、前記評価工程(工程(b1))において評価されたCSUの重症度に基づいて、CSU患者に治療を実施する工程を含んでいてもよい。
例えば、評価工程においてCSUの重症度が高いと評価された患者に対しては、オマリズマブ投与等の治療を実施することができる。また、例えば、評価工程においてCSUの重症度が低いと評価された患者に対しては、抗ヒスタミン剤投与等の治療を実施することができる。本工程において選択される治療は、前記のものに限定されず、CSUの重症度に応じて、適切な治療方法を選択して実施することができる。
本態様の評価方法によれば、CSUの重症度を、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度に基づいて、客観的に評価することができる。そのため、従来、患者の自己申告に基づいて評価されていたCSUの重症度を客観的に評価することができ、適切な治療法を選択するためのデータを提供することができる。
[CSUの治療効果の評価方法]
本発明の第6の態様は、治療を受けた慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、前記治療による慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法である。
<治療を受けたCSU患者の血液試料>
本態様の評価方法で用いる試料は、治療を受けたCSU患者の血液試料である。「治療を受けたCSU患者」とは、CSUの症状を改善するための医療処置を受けた患者を意味する。前記医療処置は、CSUの症状を改善するために行われるものであれば、特に限定されないが、例えば、抗ヒスタミン剤、及びオマリズマブ等のCSU治療薬の投与等が挙げられる。「血液試料」については、上記「[CSUの重症度の評価方法]」で説明したとおりである。治療を受けたCSU患者の血液試料は、治療を受けたCSU患者から採取された血液成分を含む試料であり、好ましくは治療を受けたCSU患者から採取された血液から調製された血漿である。
<測定工程:工程(a2)>
本態様の評価方法では、治療を受けたCSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHEの濃度を測定してもよく、8−HEPEの濃度を測定してもよく、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の濃度を測定してもよい。好ましくは、治療を受けたCSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の濃度を測定する。
測定工程は、上記第5の態様の評価方法における測定工程(工程(a1))と同様に行うことができる。
本態様の評価方法では、CSUに対する治療開始後に、定期的に、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度を測定してもよい。血中濃度の測定頻度としては、特に限定されないが、例えば、1週間に1度、2週間に1度、又は1カ月に1度等が挙げられる。
<他の工程>
本態様の評価方法は、上記測定工程(工程(a2))に加えて他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、前記測定工程で測定された、717−diHDoHE又は8−HEPEの濃度と、CSUの重症度とを相関させる工程等が挙げられる。
<他の工程>
本態様の評価方法は、上記測定工程(工程(a2))に加えて他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、前記測定工程で測定された、717−diHDoHE又は8−HEPEの濃度に基づいて、CSUの治療効果を評価する工程、及び前記評価されたCSUの治療効果に基づいて、CSU患者に治療を実施する工程等が挙げられる。
≪評価工程:工程(b2)≫
後述する実施例で示すように、オマリズマブ投与の治療を受けたCSU患者において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、CSUの重症度の改善に伴い低下する。すなわち、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度は、治療によるCSUの重症度の低下に伴い、低下する。これにより、本態様の評価方法では、7,17−diHDoHE又は8−HEPEの血中濃度とCSUの治療効果とを相関させて、治療を受けたCSU患者におけるCSUの治療効果を評価することができる。そのため、本態様の評価方法は、上記測定工程で測定された、717−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度に基づいて、治療によるCSUの治療効果を評価する工程を含んでいてもよい。
具体的には、上記測定工程(a2)において測定された7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度の少なくとも一方を、治療によるCSUの治療効果と相関させて、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの血中濃度の少なくとも一方を、治療開始前の血中濃度と比較する。そして、治療開始前の血中濃度と比較して、治療を受けた後の血中濃度が低下している場合には、当該治療の治療効果があると評価することができる。一方、治療開始前の血中濃度と比較して、治療を受けた後の血中濃度が同じか又は高くなっている場合には、当該治療の治療効果がないと評価することができる。CSUの治療効果の評価は、7,17−diHDoHE及び8−HEPEのいずれの血中濃度に基づいてもよいが、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの両方の血中濃度に基づくことが好ましい。
また、CSUに対する治療開始後に、定期的に7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度を測定した場合には、前回測定時の血中濃度と比較して、治療効果を評価してもよい。例えば、前回測定時の血中濃度と比較して、血中濃度が低下している場合には、当該治療の治療効果があると評価することができる。一方、前回測定時の血中濃度と比較して、血中濃度が同じか高くなっている場合には、当該治療の治療効果がない、又は治療効果がなくなったと評価することができる。
さらに、CSUに対する治療開始後に、定期的に7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度を測定した場合には、治療開始後の血中濃度の変動に基づいて、CSUの治療効果を評価してもよい。例えば、治療開始後に、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度が低下傾向にある場合には、当該治療によるCSUの治療効果がある、と評価することができる。一方、治療開始後に、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度が変動しないか高くなる傾向にある場合には、当該治療によるCSUの治療効果がない、と評価することができる。
≪治療工程:工程(c2)≫
本態様の評価方法は、前記評価工程(工程(b2))において評価されたCSUの治療効果に基づいて、CSU患者に治療を実施する工程を含んでいてもよい。
例えば、前記評価工程においてCSUの治療効果があると評価された患者に対しては、同様の治療を継続して実施することができる。また、例えば、前記評価工程においてCSUの治療効果がないと評価された患者に対しては、前記治療効果がないと評価された治療とは異なる治療を実施することができる。例えば、抗ヒスタミン剤による治療を受けたCSU患者において、前記治療による治療効果がないと評価された場合には、オマリズマブによる治療を実施してもよい。
本態様の評価方法によれば、CSUの治療効果を、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの少なくとも一方の血中濃度に基づいて、客観的に評価することができる。そのため、現状の治療を継続するか、変更するかを客観的に判断するためのデータを提供することができる。
[他の態様]
他の態様において、本発明は、CSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、CSUの重症度の検査方法を提供する。
他の態様において、本発明は、CSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、CSUの重症度の高い血液試料を特定する方法を提供する。
他の態様において、本発明は、CSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、CSUの重症度を診断するためのデータの収集方法を提供する。
他の態様において、本発明は、治療を受けたCSU患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、前記治療によるCSUの治療効果を診断するためのデータの収集方法を提供する。
他の態様において、本発明は、CSU重症度マーカーとしてのgelE遺伝子又はその遺伝子産物を提供する。
他の態様において、本発明は、肝臓がん発症リスクマーカーとしての、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の使用を提供する。
他の態様において、本発明は、CSU患者の血液試料の検査方法であって、前記血液試料の7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程と、前記7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度とCSUの重症度とを相関させる工程とを含む方法を提供する。
他の態様において、本発明は、治療を受けたCSU患者の血液試料の検査方法であって、前記血液試料の7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程と、前記7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度と前記治療によるCSUの治療効果とを相関させる工程とを含む方法を提供する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<リピドミクス解析によるCSU重症度マーカーの探索>
≪対象者≫
慢性特発性蕁麻疹(CSU)患者43人、健常人(NC)22人、及びアトピー性皮膚炎(AD)患者15人をリピドミクス解析の対象とした。CSU患者については、採血前4週間以内に免疫抑制剤(コルチコステロイド、シクロスポリン)を使用した患者を除外した。NCは、アトピー素因及び慢性蕁麻疹の既往がなく、現在も蕁麻疹を発症していない人を対象とした。対象者の内訳を表1に示す。
Figure 2020193938
CSU患者の背景を表2に示す。
Figure 2020193938
≪CSUの重症度評価≫
CSUの重症度の評価は、7−day Urticaria Activity Score(UAS7)及びUrticaria control test(UCT)により行った。
(UAS37)
UAS7は、CSU患者自身が、表3に示す基準に従って1日毎に膨疹とかゆみの点数をつけ、7日分の点数を合計したスコアにより重症度を評価する方法である。前記スコアに基づく重症度は、以下のように評価される。スコアの点数が高いほど、病勢のコントロールは不良とされる。
スコア 28〜42:重症
スコア 16〜27:中等症
スコア 7〜15:軽症
スコア 0〜6:コントロールされている
Figure 2020193938
(UCT)
UCTは、CSU患者が、表4に示す4つの質問に回答することで、過去4週間の疾患の状態の点数をつけ、4つの質問の回答点数を合計したスコアにより重症度を評価する方法である。スコアの点数が低いほど、病勢のコントロールは不良とされる。
Figure 2020193938
≪ADの重症度評価≫
ADの重症度評価は、POEM及びEASI(Eczema Area and Severity Index)により行った。
POEMは、患者自身によるADの症状の評価指標の1つである。AD患者は、アトピー性の湿疹の症状を評価するための7項目の質問に回答する。各項目の回答による点数を合計した総合得点により、ADの重症度が評価される。スコアが高いほど状態が良くないことを表す。
≪リピドミクス解析≫
エレクトロスプレーイオン化−タンデム質量分析(ESI−MS)を、既報の方法に従って行った(Murase R et al., Sci Rep. 2017 Sep 25;7(1):12261.)。簡単に説明すると、リン脂質の検出のために、対象者から得た血漿を10容量の20mM Tris−HCl(pH7.4)で希釈した。次いで、Bligh及びDyerの方法(Bligh EG, Dyer WJ. Can. J. Biochem. Physiol. 1959; 37: 911-917.)により脂質を抽出した。得られた脂質について、液体クロマトグラフィー(LC;NexeraX2システム;島津製作所)を備えた4000Q−TRAP四重極−線形イオントラップハイブリッド質量分析計(AB Sciex)を用いて質量分析した。
脂質試料を、ESI−MS/MSに連結したKinetex C18カラム(内径1×150mm、1.7μm粒子)(Phenomenex)にアプライした。オートサンプラーにより注入されたサンプル(10μL)を、移動相A(アセトニトリル/メタノール/水=1:1:1[v/v/v];5μMリン酸及び1mMギ酸アンモニウム含有)及び移動相B(2−プロパノール;5μMリン酸及び1mMギ酸アンモニウム含有)を用いた段階勾配によって、50℃、0.2mL/分の流速で分離した。
脂肪酸及びそれらの酸化代謝物を検出するために、血漿を10倍量のメタノールで希釈した。−20℃で一晩インキュベートした後、混合物に水を加えてメタノールの最終濃度が10%(v/v)となるようにした。10%メタノール中の試料を、Oasis HLBカートリッジ(Waters)にアプライし、10mLのヘキサンで洗浄し、3mLのギ酸メチルで溶出し、Nガス下で乾燥し、60%メタノールに溶解した。次いで、試料を上記のようにESI−MS/MSに連結したKinetex C18カラム(内径1×150mm、1.7μm粒子)(Phenomenex)にアプライした。オートサンプラーにより注入された試料(10μL)を、移動相C(水;0.1%酢酸含有)及び移動相D(アセトニトリル/メタノール=4:1[v/v])の段階勾配によって、45℃、0.2mL/分の流速で分離した。
同定は、多重反応モニタリング(MRM)トランジション及びリテンションタイムを用いて行い、定量化は、MRMトランジションのピーク面積及び各化合物の標品を用いて得られた検量線に基づいて行った。内部標準として、d5−標識EPA及び17:0LPC(1nmol;Cayman Chemicals)を各試料に添加した。
≪統計学的解析≫
統計学的解析には、GraphPad Prism 7(MDF,Tokyo,Japan)を使用した。群間の比較は、Kruskal−wallis testを用いた。相関の評価には、Spearmanの順位相関係数を用いた。p値が0.05未満の場合を、統計学的に有意な差が認められると判断した。
≪結果≫
リピドミクス解析の結果、CSUの重症度と相関する脂質分子として、7,17−diHDoHE(7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸:7,17-dihydroxy-4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z-docosahexaenoic acid)及び8−HEPE(8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17−エイコサペンタエン酸:8-hydroxy-5Z, 9E, 11Z, 14Z, 17Z-eicosapentaenoic acid)の2つの脂質分子が検出された。血漿中の7,17−diHDoHEの量と、UAS7及びUCTとの相関を、図1(A)及び図1(B)にそれぞれ示す。血漿中の8−HEPEの量と、UAS7及びUCTとの相関を、図2(A)及び図2(B)にそれぞれ示す。
図1(A)に示すように、血漿中の7,17−diHDoHE濃度は、UAS7のスコアと有意に相関し、UAS7のスコアが高い(重症度が高い)ほど、血漿中の7,17−diHDoHE濃度が高くなった。また、図1(B)に示すように、血漿中の7,17−diHDoHE量は、UCTのスコアと有意に相関し、UCTのスコアが低い(重症度が高い)ほど、血漿中の7,17−diHDoHE濃度が高くなった。これらの結果は、CSUの重症度が高いほど、血漿中の7,17−diHDoHE濃度が高くなることを示す。
図2(A)に示すように、血漿中の8−HEPE濃度は、UAS7のスコアと有意に相関し、UAS7のスコアが高い(重症度が高い)ほど、血漿中の8−HEPE濃度が高くなった。また、図2(B)に示すように、血漿中の8−HEPE濃度は、UCTのスコアと有意に相関し、UCTのスコアが低い(重症度が高い)ほど、血漿中の8−HEPE濃度が高くなった。これらの結果は、CSUの重症度が高いほど、血漿中の8−HEPE濃度が高くなることを示す。
一方、血漿中の7,17−diHDoHE濃度及び8−HEPE濃度は、ADの重症度とは相関を示さなかった(図3(A)、3(B)、4(A)、4(B))。
<オマリズマブ投与によるマーカー酸化脂肪酸の変動評価>
≪対象者≫
上記表1に示すCSU患者43例のうち、オマリズマブの投与が行われた14例を対象とした。CSU患者14例には、オマリズマブ30mgを、初回投与から4週間隔で皮下注射により投与した。オマリズマブ投与前と3回目投与時の直前に、患者から血漿を採取した(図5参照)。
≪CSUの重症度評価≫
CSUの重症度の評価は、UAS7及びUCTにより行った。
≪マーカー酸化脂肪酸の定量≫
CSU患者の血漿試料における7,17−diHDoHE及び8−HEPEの定量は、上記と同様に、ESI−MS/MSを用いて行った。
≪結果≫
(オマリズマブ投与による重症度の変化)
オマリズマブ投与前後のUAS7及びUCTの変化を、図6(A)及び図6(B)にそれぞれ示す。オマリズマブ投与前と投与後のUAS7及びUCTの図6(A)に示すように、オマリズマブ投与後のUAS7は、投与前よりも低くなった。また、図6(B)に示すように、オマリズマブ投与後のUCTは、投与前よりも高くなった。これらの結果は、オマリズマブの投与により、CSUの症状が改善したことを示す。
オマリズマブの投与前と投与後のUAS7及びUCTの平均値を表5に示す。
Figure 2020193938
(オマリズマブ投与によるマーカー酸化脂肪酸の変動)
オマリズマブ投与前後の血漿中の7,17−diHDoHE濃度及び8−HEPE濃度の変化を、図7及び図8にそれぞれ示す。図7に示すように、オマリズマブ投与後の血漿中の7,17−diHDoHE濃度は、投与前よりも低くなった。また、図8に示すように、オマリズマブ投与後の血漿中の8−HEPE濃度は、投与前よりも低くなった。これらの結果により、血漿中の7,17−diHDoHE濃度及び8−HEPE濃度は、オマリズマブの投与によるCSUの症状改善に伴って低下することが確認された。
本発明によれば、新規CSU重症度マーカー、並びに前記CSU重症度マーカーを利用した検査キット、CSU重症度若しくは治療効果の評価試薬、及びCSU重症度若しくは治療効果の評価方法が提供される。

Claims (13)

  1. 7,17−ジヒドロキシ−4Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ドコサヘキサエン酸(7,17−diHDoHE)、及び8−ヒドロキシ−5Z,9E,11Z,14Z,17Z−エイコサペンタエン酸(8−HEPE)からなる群より選択される慢性特発性蕁麻疹の重症度マーカー。
  2. 7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び8−HEPEに対する特異的結合物質からなる群より選択される少なくとも1種を含む、検査キット。
  3. 前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質、及び前記8−HEPEに対する特異的結合物質を含む、請求項2に記載の検査キット。
  4. 前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質が、7,17−diHDoHEに対する抗体であり、
    前記8−HEPEに対する特異的結合物質が、8−HEPEに対する抗体である、
    請求項2又は3に記載の検査キット。
  5. 前記検査キットが、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果を評価するためのキットである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の検査キット。
  6. 7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬。
  7. 前記7,17−diHDoHEに対する特異的結合物質が、7,17−diHDoHEに対する抗体である、請求項6に記載の評価試薬。
  8. 8−HEPEに対する特異的結合物質を含む、慢性特発性蕁麻疹の重症度又は治療効果の評価試薬。
  9. 前記8−HEPEに対する特異的結合物質が、8−HEPEに対する抗体である、請求項8に記載の評価試薬。
  10. 慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、
    慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法。
  11. 前記慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの濃度を測定する工程を含む、
    請求項10に記載の慢性特発性蕁麻疹の重症度の評価方法。
  12. 治療を受けた慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEからなる群より選択される少なくとも1種の濃度を測定する工程を含む、
    前記治療による慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法。
  13. 前記治療を受けた慢性特発性蕁麻疹患者の血液試料において、7,17−diHDoHE及び8−HEPEの濃度を測定する工程を含む、
    請求項12に記載の慢性特発性蕁麻疹の治療効果の評価方法。
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DANIEL TRCSIK ET AL.: ""Transcriptomic and lipidomic profiling of eicosanoid/docosanoid signalling in affected and non-aff", EXPERIMENTAL DERMATOLOGY, vol. 28, no. 2, JPN6023018677, 29 January 2019 (2019-01-29), pages 177 - 189, ISSN: 0005058014 *
ROMAIN A. COLAS ET AL.: ""Identification and signature profiles for pro-resolving and inflammatory lipid mediators in human", AMERICAN JOURNAL OF PHYSIOLOGY-CELL PHYSIOLOGY, vol. 307, no. 1, JPN6023018676, 1 July 2014 (2014-07-01), pages 39 - 54, ISSN: 0005058015 *

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