JP2020193085A - 糸巻取機 - Google Patents

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真治 岩田
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Abstract

【課題】糸継台車の稼働効率を向上できる糸巻取機を提供する。【解決手段】紡績機1は、糸Yを供給する空気紡績装置7と、空気紡績装置7から供給された糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13と、をそれぞれが有する複数の糸巻取ユニット2と、パッケージPからの糸Yを捕捉するサクションマウス28と、空気紡績装置7とパッケージPとの間で糸Yが分断状態になった場合に、空気紡績装置7からの糸YとパッケージPからの糸Yとを接続する糸継動作を行なう糸継装置26と、を有し、複数の糸巻取ユニット2に対して移動可能に設けられた糸継台車3と、糸継装置26に設けられた、糸Yを切断するカッター26kと、糸継台車3が他の糸巻取ユニット2に向けて移動を開始する前に、カッター26kを作動させる制御部15と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、糸継台車を備える糸巻取機に関する。
糸巻取機では、糸を巻き取ってパッケージを形成する。パッケージの巻き取り中に糸切れ又は糸切断が発生した場合、パッケージの巻き取りを中止する。そして、パッケージからの糸をサクションマウスによって捕捉して糸継装置等の目標位置へ搬送し、給糸部からの糸と糸継ぎする。
このような糸巻取機では、特許文献1に開示されているように、糸条形成機構からの糸を上糸吸引手段によって捕捉できなかった場合、繊維束の供給を停止すると共に、糸継台車のスプライサ等に設置されたカッターを作動させてパッケージと下糸吸引手段との間で連なっている糸条を切断することもある。しかし、カッターが作動するのは、糸条形成機構にノズル詰まり等の異常が発生したときのみであった。
特開平3−076835号公報
本発明の目的は、糸継台車の稼働効率を向上できる糸巻取機を提供することである。
本発明の糸巻取機は、複数の糸巻取ユニットと、糸継台車と、カッターと、制御部と、を備える。複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、糸を供給する給糸装置と、前記給糸装置から供給された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を有する。糸継台車は、パッケージからの糸を捕捉する第1捕捉装置と、給糸装置と前記パッケージとの間で糸が分断状態になった場合に、給糸装置からの糸とパッケージからの糸とを接続する糸継動作を行なう糸継装置と、を有し、複数の糸巻取ユニットに対して移動可能に設けられている。カッターは、糸継装置に設けられ、糸を切断するように構成されている。制御部は、糸継台車が他の糸巻取ユニットに向けて移動を開始する前に、カッターを作動させる。
第1捕捉装置が捕捉している糸がどこかに連なった状態では糸継台車を他の糸巻取ユニットに向けて移動させることができないが、カッターを作動させることにより、仮にパッケージと第1捕捉装置との間で糸が連なった状態であったとしても、当該状態を解消し、糸継台車を他の糸巻取ユニットに向けて移動させることができる。その結果、糸継台車の稼働効率、ひいては糸巻取機の稼働効率を向上することができる。
本発明の糸巻取機は、複数の糸巻取ユニットと、糸継台車と、カッターと、制御部と、を備える。複数の糸巻取ユニットのそれぞれは、糸を供給する給糸装置と、給糸装置から供給された糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、を有する。糸継台車は、パッケージからの糸を捕捉する第1捕捉装置と、給糸装置からの糸を捕捉する第2捕捉装置と、給糸装置とパッケージとの間で糸が分断状態になった場合に、給糸装置からの糸とパッケージからの糸とを接続する糸継動作を行なう糸継装置と、を有し、複数の糸巻取ユニットに対して移動可能に設けられている。カッターは、糸継装置に設けられ、糸を切断するように構成されている。制御部は、糸継台車の動作中に異常が発生した場合、第1捕捉装置とパッケージの間、及び第2捕捉装置と給糸装置との間の位置で、カッターを作動させる。
第1捕捉装置及び/又は第2捕捉装置が捕捉している糸がどこかに連なった状態では糸継台車に次の動作を行なわせることができないが、カッターを作動させることにより、仮にパッケージと第1捕捉装置との間、及び/又は給糸装置と第2捕捉装置との間で糸が連なった状態であったとしても、当該状態を解消し、糸継台車に次の動作を行なわせることができる。その結果、糸継台車の稼働効率、ひいては糸巻取機の稼働効率を向上することができる。
上記の糸巻取機において、糸継台車は、パッケージを反巻取方向に回転させる逆回転ローラを更に備え、制御部は、逆回転ローラが止まっている状態において、当該逆回転ローラに接触しているパッケージと、第1捕捉装置と、の間で連続状態にある糸を切断するようにカッターを作動させてもよい。
これにより、カッターにより上記糸を確実に切断することができ、糸継台車に次の動作を行なわせることができる。
上記の糸巻取機において、糸継台車は、複数の可動部材を備え、異常が発生したときに可動部材が自動で原点に復帰する自動復帰動作を行なうように構成されており、自動復帰動作の終了後、制御部は、カッターを作動させてもよい。
これにより、仮に糸がどこかに連なった状態であったとしても当該状態を解消し、自動復帰動作の終了後に糸継台車に次の動作を行なわせることができる。
上記の糸巻取機において、自動復帰動作の終了後、制御部は、カッターを作動させ、他の糸巻取ユニットに向けて移動せずに同じ糸巻取ユニットに対して糸継動作を行なうように糸継台車を制御してもよい。
これにより、糸継台車は、糸がどこかに連なっていない状態の糸巻取ユニットに対して糸継動作を行なうことができる。
上記の糸巻取機において、自動復帰動作の終了後、制御部は、カッターを作動させ、同じ糸巻取ユニットに対して糸継動作を行なうことなく、他の糸巻取ユニットに向けて移動するように糸継台車を制御してもよい。
これにより、糸継台車は、糸がどこかに連なっていない状態で移動することができるため、糸継台車の移動に伴い糸が更にどこかに絡む等の状態を回避することができる。
上記の糸巻取機において、複数の可動部材として、第1捕捉装置と、 第2捕捉装置と、糸継装置を糸道に対して進退させる進退機構と、逆回転ローラと、 パッケージに接触して、パッケージの回転を制動する制動部材と、糸継装置による糸継動作の前に糸の糸道を規制する糸道規制部材と、を備えていてもよい。
これにより、これらの可動部材の何れかに異常が発生し、自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車に次の動作を行なわせることができる。
上記の糸巻取機において、糸巻取ユニットのそれぞれは、糸にワックスを塗布するワキシング装置を更に備え、複数の可動部材の1つとして、糸継台車は、ワキシング装置を操作する操作部材を更に備えていてもよい。
これにより、操作部材の自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車に次の動作を行なわせることができる。
上記の糸巻取機において、糸巻取ユニットのそれぞれは、給糸装置とパッケージとの間で糸を貯留する糸貯留装置を更に備え、複数の可動部材として、糸継台車は、糸貯留装置を操作するオペレートレバーを更に備えていてもよい。
これにより、オペレートレバーの自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車に次の動作を行なわせることができる。
上記の糸巻取機において、自動復帰動作の発生原因となった要因の発生回数を計測する計測部を更に備えていてもよい。
これにより、例えばオペレータは、糸継台車のどの部材に異常が発生しやすいかを容易に知ることができる。
上記の糸巻取機において、自動復帰動作を行なわれていることを表示する表示部を更に備えていてもよい。
これにより、例えばオペレータは、糸継台車による自動復帰動作が行なわれていることを容易に知ることができる。
本発明の一実施形態の紡績機の正面図である。 図1の紡績機の紡績ユニットの側面図である。 紡績機の構成を示す図である。 図1の紡績機の紡績ユニットの側面図である。 図1の紡績機の紡績ユニットの側面図である。 図1の紡績機の紡績ユニットの側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、紡績機(糸巻取機)1は、複数の紡績ユニット(糸巻取ユニット)2と、糸継台車3と、玉揚台車と、第1エンドフレーム4と、第2エンドフレーム5と、を備えている。複数の紡績ユニット2は、一列に配列されている。各紡績ユニット2は、糸Yを生成してパッケージPに巻き取る。ある紡績ユニット2で糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、糸継台車3は、当該紡績ユニット2で糸継動作を行う。玉揚台車は、ある紡績ユニット2でパッケージPが満巻きになった場合、パッケージPを玉揚げし、新しいボビンBを当該紡績ユニット2に供給する。第1エンドフレーム4には、紡績ユニット2で発生した繊維屑及び糸屑等を回収する回収装置と、糸継台車3に吸引空気流を発生させる吸引空気源4a等が収容されている。
第2エンドフレーム5には、紡績機1の各部に供給される圧縮空気(空気)の空気圧を調整して、空気を各部へと供給する空気供給部と、紡績ユニット2の各部に動力を供給するための駆動モータ等が収容されている。第2エンドフレーム5には、機台制御装置(制御部)15と、表示部16と、入力部17と、が設けられている。機台制御装置15は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。表示部16は、紡績ユニット2の設定内容及び/又は状態に関する情報等を表示することができる。オペレータが入力部17を用いて適宜の操作を行うことにより、紡績ユニット2の設定作業を行うことができる。
図1及び図2に示されるように、各紡績ユニット2は、糸Yの走行方向において上流側から順に、ドラフト装置6と、空気紡績装置7と、糸監視装置8と、テンションセンサ9と、糸貯留装置11と、ワキシング装置12と、巻取装置13と、を備えている。ユニットコントローラ(制御部)10は、所定数の紡績ユニット2ごとに設けられており、紡績ユニット2の動作を制御する。
ドラフト装置6は、スライバ(繊維束)Sをドラフトして繊維束Fを生成する。空気紡績装置7は、ドラフト装置6で生成された繊維束Fに旋回空気流によって撚りを与えて糸Yを生成する。
糸監視装置8は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yの情報を監視して、監視した情報に基づいて糸欠陥の有無を検出する。糸監視装置8は、糸欠陥を検出した場合、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ10に送信する。糸監視装置8は、糸欠陥として、例えば、糸Yの太さ異常及び/又は糸Yに含有されている異物を検出する。糸監視装置8は、糸切れ等も検出する。
テンションセンサ9は、空気紡績装置7と糸貯留装置11との間において、走行する糸Yのテンションを測定し、テンション測定信号をユニットコントローラ10に送信する。
糸監視装置8及び/又はテンションセンサ9の検出結果に基づきユニットコントローラ10が異常有りと判断した場合、紡績ユニット2において、糸Yが切断される。具体的には、空気紡績装置7への空気の供給が停止されて、糸Yの生成が中断されることにより、糸Yが切断される。或いは、別途設けられたカッターにより糸Yが切断されるようにしてもよい。
ワキシング装置12は、糸貯留装置11と巻取装置13との間において、糸Yにワックスを付与する。
糸貯留装置11は、空気紡績装置7と巻取装置13との間において、糸Yを貯留する。糸貯留装置11は、外周面に糸Yが巻かれることにより糸Yを貯留する糸貯留ローラを備えている。糸貯留ローラの先端側には、糸掛け部材が設けられている。糸貯留装置11は、空気紡績装置7から糸Yを安定して引き出す機能、糸継台車3による糸継動作時等に空気紡績装置7から送り出される糸Yを滞留させて糸Yが弛むのを防止する機能、及び糸貯留装置11よりも下流側の糸Yのテンションの変動が空気紡績装置7に伝わるのを防止する機能を有している。
巻取装置13は、糸YをボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム21と、巻取ドラム(ドラム)22と、トラバースガイド23と、を有している。クレードルアーム21は、ボビンBを回転可能に支持する。クレードルアーム21は、支軸24によって揺動可能に支持されており、ボビンBの表面又はパッケージPの表面を巻取ドラム22の表面に適切な圧力で接触させる。第2エンドフレーム5に設けられた駆動モータ(図示省略)が、複数の紡績ユニット2の巻取ドラム22を一斉に駆動する。これにより、各紡績ユニット2において、ボビンB又はパッケージPが巻取方向に回転させられる。各紡績ユニット2のトラバースガイド23は、複数の紡績ユニット2で共有されるシャフト25に設けられている。第2エンドフレーム5の駆動モータがシャフト25を巻取ドラム22の回転軸方向に往復駆動することによって、回転するボビンB又はパッケージPに対してトラバースガイド23が糸Yを所定幅でトラバースする。
糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸Yが切断されたり、何らかの理由で糸Yが切れたりした場合、駆動モータ18により走行輪を回転駆動することにより当該紡績ユニット2に対する作業位置まで走行して停止し、糸継動作を行う。
図2に示されるように、糸継台車3は、可動部材として、糸継装置26(可動部材)と、サクションパイプ(第2捕捉案内装置、可動部材)27と、サクションマウス(第1捕捉案内装置、可動部材)28と、ヤーンガイド33(可動部材)と、パッケージプレート(制動部材、可動部材)34と、逆回転装置35(可動部材)と、操作部材36(図2のみで図示)(可動部材)と、オペレートレバー37(図2のみで図示)(可動部材)と、を有している。
図3に示されるように、糸継台車3は、サクションパイプ27を駆動する第1駆動部40と、サクションマウス28を駆動する第2駆動部41と、糸継装置26を駆動する第3駆動部42と、ヤーンガイド33を駆動する第4駆動部43と、パッケージプレート34を駆動する第5駆動部44と、逆回転装置35を駆動する第6駆動部45と、を有している。糸継台車3は、操作部材36を駆動する第7駆動部(図示略)と、オペレートレバー37を駆動する第8駆動部(図示略)と、を更に備える。
糸継装置26は、案内された第1糸Y1(図6参照)及び第2糸Y2(図6参照)の糸継ぎを行う。糸継装置26は、圧縮空気を用いるスプライサ、又は糸Yを機械的に継ぐノッター等である。本実施形態では、スプライサを一例に説明する。糸継装置26は、糸継部26aと、モータ26dと、を有している。
糸継部26aは、糸Yを切断可能なカッター26k(図2参照)と、空気紡績装置7から引き出された第1糸Y1とパッケージPから引き出された第2糸Y2とを繋ぐ糸継ノズル、第1糸Y1及び第2糸Y2の糸端を解燃する解燃パイプ、第1糸Y1及び第2糸Y2を挟持するクランプ部、及び、第1糸Y1及び第2糸Y2を規制する糸寄せレバー及び糸押さえレバー、等を有している。モータ26dは、糸継部26aの糸寄せレバー及び糸押さえレバーを動作させるカム機構の駆動源である。
糸継部26aには、支持体26bが設けられている。支持体26bは、レール26cに摺動可能に取り付けられている。レール26cは、糸継台車3の筐体に固定されており、糸継台車3の走行方向及び上下方向に略直交する方向に延在している。
糸継装置26では、第3駆動部42の作動により、支持体26bに支持された糸継部26aがレール26cに沿って移動する。糸継部26aは、糸継動作を行う糸継位置(図5参照)と、糸継位置よりも糸Yが走行する糸道から離れ、糸継動作を行わない待避位置(図2参照)と、に移動可能に設けられている。第3駆動部42は、例えば、単動シリンダである。第3駆動部42である単動シリンダの一端は、支持体26bに連結されており、単動シリンダの他端は、糸継台車3の筐体に固定されている。
サクションパイプ27は、支軸31によって回動可能に支持されており、空気紡績装置7からの第1糸Y1を捕捉して糸継装置26に案内する。サクションパイプ27は、待機位置P11と、空気紡績装置7側の第1糸Y1を捕捉する第1糸捕捉位置P12と、第1糸Y1を糸継装置26に案内する第1糸案内位置P13(図6参照)と、に移動可能に設けられている。サクションパイプ27は、例えばモータである第1駆動部40の作動により、待機位置P11、第1糸案内位置P13及び第1糸案内位置P13に移動する。第1駆動部40の動作は、機台制御装置15により制御される。
サクションパイプ27には、例えば磁石である被検出体(図示略)が設けられている。糸継台車3は、当該被検出体を検出する、例えば磁気センサ(ホールICである)第1待機位置検出部と、第1捕捉位置検出部と、を有する。第1待機位置検出部は、サクションパイプ27が待機位置P11に位置したときに、被検出体を検出する位置に配置されている。第1捕捉位置検出部は、サクションパイプ27が第1糸捕捉位置P12に位置したときに、被検出体を検出する位置に配置されている。第1待機位置検出部及び第1捕捉位置検出部は、被検出体27aを検出した場合、検出信号を機台制御装置15に出力する。
サクションマウス28は、支軸32によって回動可能に支持されており、巻取装置13からの第2糸Y2を捕捉して糸継装置26に案内する。サクションマウス28は、待機位置(初期位置)P21と、巻取装置13側の第2糸Y2を捕捉する第2糸捕捉位置P22と、第2糸Y2を糸継装置26に案内する第2糸案内位置P23(図6参照)と、に移動可能に設けられている。サクションマウス28は、例えばモータである第2駆動部41の作動により、待機位置P21、第2糸捕捉位置P22及び第2糸案内位置P23に移動する。第2駆動部41の動作は、機台制御装置15により制御される。
サクションマウス28には、例えば磁石である別の被検出体が設けられている。糸継台車3は、当該被検出体を検出する、例えば、磁気センサ(ホールIC)である第2待機位置検出部を有する。第2待機位置検出部は、サクションマウス28が待機位置P21に位置したときに、被検出体を検出する位置に配置されている。待機位置検出部54は、被検出体を検出した場合、検出信号を機台制御装置15に出力する。
本実施形態では、サクションマウス28には、ばね(付勢部材)が設けられている。具体的には、ばねの一端は、サクションマウス28に連結されており、ばねの他端は、糸継台車3の筐体に固定されている。ばねは、サクションマウス28が待機位置P21に位置しているときに初期状態(伸縮していない状態)であり、サクションマウス28が第2糸捕捉位置P22に位置しているときに伸長する。ばねは、第2駆動部42によりサクションマウス28が第2糸捕捉位置P22から待機位置P21に向けて移動させられるときに、第2駆動部42を補助する。
ヤーンガイド33は、糸Yの走行方向における位置を規制する。ヤーンガイド33は、糸継装置26とパッケージPとの間に位置する。ヤーンガイド33は、規制プレート33aと、2本の規制バー33bと、を有している。規制プレート33aの一端は、支軸に連結されている。これにより、規制プレート33aは、支軸を中心に揺動可能に設けられている。
2本の規制バー33bは、規制プレート33a上に配置されている。規制バー33bの一端は、規制プレート33aに設けられた支軸に連結されている。これにより、規制バー33bは、図示しない駆動源の作動により、支軸を中心に揺動可能に設けられている。2本の規制バー33bとは、互いに近接する近接方向及び互いに離間する離間方向に揺動する。2本の規制バー33bが近接した位置では、規制バー33が互いに平行に延在する。このとき、規制バー33bに挟まれた糸Yは、パッケージPの幅方向の略中央に位置する。
ヤーンガイド33は、規制プレート33aの揺動により、規制プレート33aが糸道に重なる規制位置(図4参照)と、規制プレート33aが糸道に重ならない待避位置(図2参照)と、に移動可能に設けられている。規制位置は、糸Yがトラバースガイド23により綾振りされないように、糸Yを規制する位置である。規制プレート33aは、図2に示す側面で見たときに、揺動によって、その先端の位置が糸道に対して前後に移動する。ヤーンガイド33は、例えばエアーシリンダである第4駆動部43の作動により、規制位置及び待避位置に移動する。第4駆動部43の動作は、機台制御装置15により制御される。
パッケージプレート34は、巻取装置13に支持されるパッケージP表面を押圧することによりパッケージPの位置決めを行う。パッケージプレート34は、支持アーム34aと、接触プレート34bと、を有している。支持アーム34aの一端は、支軸に連結されている。これにより、支持アーム34aは、支軸を中心に揺動可能に設けられている。接触プレート34bは、支持アーム34aの他端に設けられている。接触プレート34bは、パッケージPと接触する面を有する板部材である。
パッケージプレート34は、支持アーム34aの揺動により、接触プレート34bがパッケージPに接触しない待避位置(離間位置)(図2参照)と、接触プレート34bがパッケージPに接触する接触位置(図4参照)と、に移動可能に設けられている。パッケージプレート34は、例えばモータである第5駆動部44の作動により、待避位置及び接触位置に移動する。第5駆動部44の動作は、機台制御装置15により制御される。
逆回転装置35は、巻取装置13のパッケージPを逆回転させる。逆回転装置35は、支持アーム35aと、逆回転ローラ35bと、を有している。支持アーム35aの一端は、支軸に連結されている。これにより、支持アー 50ム35aは、支軸を中心に揺動可能に設けられている。逆回転ローラ35bは、支持アーム35aの他端に設けられている。逆回転ローラ35bは、図示しない駆動源(モータ)により、巻取装置13の巻取ドラム22とは反対方向に回転する。
逆回転装置35は、支持アーム35aの揺動により、逆回転ローラ35bがパッケージPに接触しない待避位置(図2参照)と、逆回転ローラ35bがパッケージPに接触する接触位置(図5参照)と、に移動可能に設けられている。逆回転装置35は、例えばモータである第6駆動部45の作動により、待避位置及び接触位置に移動する。第6駆動部45の動作は、機台制御装置15により制御される。
操作部材36は、各紡績ユニット2のワキシング装置12を操作するように設けられている。
オペレートレバー37は、紡績ユニット2における糸出し紡績時において、糸掛け部材に糸Yを掛けたり外したりして、糸貯留ローラへの糸Yの貯留を開始するために各紡績ユニット2に設けられたレバー部材を動作させるように構成されている。
続いて、糸継台車3の動作について説明する。
一の紡績ユニット2で糸切れ又は糸切断が発生すると、機台制御装置15は、糸継台車3を上記一の紡績ユニット2まで移動させるための制御信号を糸継台車3に送信する。糸継台車3は、制御信号を受信すると、上記一の紡績ユニット2まで走行し、当該一の紡績ユニット2に対する作業位置で停止する。
次に、ヤーンガイド33及びパッケージプレート34が作動するヤーンガイド33は、図2に示される待避位置から図4に示される規制位置まで移動し、規制位置で停止する。このとき、ヤーンガイド33の2本の規制バー33bは、離間した状態にある。
第5駆動部44は、糸継台車3が停止したとき又は停止する前、すなわち第4駆動部43の作動開始と同じタイミングで作動し、パッケージプレート34を移動させる。パッケージプレート34は、図2に示される待避位置から図4に示される接触位置まで移動し、接触位置で停止する。パッケージプレート34の接触プレート34bがパッケージPに接触すると、パッケージPの回転が停止する。第5駆動部44は、パッケージプレート34を所定時間だけ接触位置に停止させると作動し、パッケージプレート34を図4に示される接触位置から図5に示される待避位置まで移動させ、待避位置で停止させる。
次に、逆回転装置35が作動する。第6駆動部45は、パッケージプレート34が待避位置に戻る途中又は待避位置に停止したときに作動し、逆回転装置35を図2に示される待避位置から図5に示される接触位置まで移動させ、接触位置で停止させる。逆回転装置35の逆回転ローラ35bがパッケージPに接触すると、パッケージPが第2糸Y2を繰り出す方向に回転する。
また、サクションマウス28が作動する。第2駆動部41は、パッケージプレート34が待避位置に戻る途中又は待避位置に停止したとき、すなわち逆回転装置35の作動開始と同じタイミングで作動し、サクションマウス28を図2に示される待機位置P21から図5に示される第2糸捕捉位置P22まで移動させる。サクションマウス28は、第2糸捕捉位置P22で第2糸Y2を捕捉する。
第2駆動部41は、サクションマウス28において第2糸Y2が捕捉されると作動し、サクションマウス28を移動させる。サクションマウス28における第2糸Y2の捕捉の成否は、サクションマウス28に設けられたセンサ(図示省略)の検出結果に基づいて機台制御装置15で判断される。第2駆動部41の作動により、サクションマウス28は、図5に示される第2糸捕捉位置P22から図6に示される第2糸案内位置P23まで移動し、糸継装置26に第2糸Y2を案内する。サクションマウス28は、糸継装置26に第2糸Y2を案内すると、待機位置P21で停止する。
第6駆動部45は、サクションマウス28が待機位置P21で停止すると作動し、逆回転装置35を図6に示される接触位置から図2に示される待機位置まで移動させる。これより、パッケージPの逆回転が停止する。
ヤーンガイド33は、サクションマウス28が第2糸案内位置P23に位置すると、規制バー33bcを作動させる。具体的には、2本の規制バー33bを近接方向に移動させる。これにより、サクションマウス28で捕捉された第2糸Y2が規制バー33bにより位置決めされる。
次に、第1駆動部40によりサクションパイプ27が作動する。具体的には、サクションマウス28において第2糸Y2が捕捉され、サクションマウス28が所定位置まで揺動したときに、第1駆動部40が作動し、サクションパイプ27が図2に示される待機位置P11から図5に示される第1糸捕捉位置P12まで移動させられる。そして、ドラフト装置6のドラフト動作及び空気紡績装置7の紡績動作(糸出し紡績)が開始され、空気紡績装置7から紡出され第1糸Y1がサクションパイプ27によって捕捉される。サクションパイプ27における第1糸Y1の捕捉の成否は、サクションパイプ27に設けられたセンサ(図示省略)の検出結果に基づいて機台制御装置15で判断される。第1駆動部40は、サクションパイプ27において第1糸Y1を捕捉すると作動し、サクションパイプ27を図5に示される第1糸捕捉位置P12から図6に示される第1糸案内位置P13まで移動させる。サクションパイプ27は、糸継装置26に第1糸Y1を案内すると、待機位置P11で停止する。
次に、糸継装置26が作動する。第3駆動部42は、サクションパイプ27において第1糸Y1が捕捉されたタイミング、サクションパイプ27が第1糸案内位置P13に移動を開始したタイミング、又は、サクションパイプ27の第1糸案内位置P13への移動中に作動し、糸継部26aを図2に示される待避位置から図6に示される糸継位置まで移動させ、糸継位置で停止させる。糸継部26aは、糸継位置で、第1糸Y1と第2糸Y2との糸継動作を実施する。糸継部26aは、第1糸Y1と第2糸Y2とを繋ぐと、糸Yを解放する。
そして、第3駆動部42は、糸継部26aを図6に示される糸継位置から図2に示される待避位置まで移動させ、待避位置で停止させる。また、糸継部26aにおいて第1糸Y1と第2糸Y2とが繋がれると、ヤーンガイド33の規制バー33bは、互いに離間する方向に移動する。これにより、ヤーンガイド33による糸Yの規制が解除される。第4駆動部43は、糸継部26aが待避位置に移動するタイミングで作動し、ヤーンガイド33を移動させる。第4駆動部43が作動するタイミングは、糸継部26aにおいて糸継動作が終了するタイミングに応じて適宜設定される。ヤーンガイド33は、図6に示す規制位置から図2に示す待避位置に移動する。以上により、糸継台車3による糸継動作が完了する。糸継動作が完了すると、機台制御装置15は、例えば、糸継台車3を次の紡績ユニット2まで移動させるための制御信号を糸継台車3に送信する。糸継台車3は、制御信号を受信すると、走行モータ18を作動させる。
次に、本実施形態において実施される糸継台車3の自動復帰動作及び糸継装置26のカッター26kによる糸Yの切断動作について説明する。
糸継台車3において可動部材による障害物等との接触又は停電によって動作停止等の異常が発生した場合、機台制御装置15は、当該糸継台車3が糸継作業を行なっている紡績ユニット2の運転(ドラフト装置6によるドラフト動作、空気紡績装置7による紡績動作、巻取装置13による巻取動作等)を停止し、糸継台車3の自動復帰動作を行なう。本実施形態の糸継台車3の可動部材は、各可動部材を主として駆動する専属の駆動部(モーター、エアーシリンダ)によって駆動されるように構成されている。したがって、糸継台車3において自動復帰動作を行なうことができる。
障害物等との接触とは、例えば、サクションパイプ27が捕捉位置P12への移動中に障害物(例えばオペレータ)と接触すること、サクションマウス28が移動中に他物体(例えばサクションパイプ27)と接触すること、その他の可動部材が他物体と接触することである。本実施形態の紡績機1は、糸継台車3の各可動部材が障害物等と接触したことを検出可能な検出部を少なくとも1つ備えており、各可動部材に対して専用の検出部を備えていてもよい。
障害物等と接触した場合、糸継台車3の各可動部材は、その時点で動作を停止する。自動復帰動作とは、例えば、それまでに各可動部材が動いた動きとは逆の動きを行なうことによって、各可動部材を自動で原点(待機位置)へ復帰させることである。1つの可動部材に異常が発生した場合、当該可動部材を含め、全ての可動部材の自動復帰動作を行なってもよい。
一例として、機台制御装置15は、サクションマウス28の移動中に、サクションマウス28と他物体(サクションパイプ27等)との接触が発生した場合、第2駆動部41に制御信号を送信し、サクションマウス28を待機位置P21に移動させる。機台制御装置15は、例えば、第2駆動部41がステッピングモータの場合、出力パルスとエンコーダの検出結果とに基づいてステッピングモータの脱調をモニタリングし、脱調した場合にサクションマウス28と他物体とが接触したと判断する。機台制御装置15は、サクションマウス28と他物体との接触を検出した場合、サクションマウス28を待機位置P21に移動させるように第2駆動部41に制御信号を送信する。
上記のような異常が発生した場合、糸継装置26のカッター26kを作動させてから、糸継装置26を図2に示す待機位置へ戻す。糸継装置26が待機位置に位置していた場合には、糸継装置26を糸継位置へ一旦移動させてから、カッター26kを作動させる。これにより、糸継台車3と紡績機1の何れかの箇所との間で意図せずに連続状態である糸Yを確実に切断することができる。
自動復帰動作の後、糸継台車3は、同じ紡績ユニット2に対する糸継作業をリトライしてもよい。或いは、糸継台車3は、リトライせずに、他の紡績ユニット2での糸継作業を先に行なってから、リトライしなかった紡績ユニット2に対する作業位置に戻ってきてから糸継作業をリトライしてもよい。
なお、自動復帰動作の実施の有無に関係なく、糸継台車3が他の紡績ユニット2に向けて移動を開始する前に、糸継装置26のカッター26kを作動させてもよい。これにより、例えば、パッケージPとサクションマウス28との間で糸Yが連なった状態で糸継台車3が移動することを確実に回避することができる。
自動復帰動作は、糸継台車3が作業位置で停止しており、当該作業位置に対応する紡績ユニット2が紡績を停止しているときに行なわれる。言い換えると、作業位置に対応する紡績ユニット2が紡績を行なっているとき、及び/又は糸継台車3が移動している間には自動復帰動作は行なわれない。
以上説明したように、本実施形態の紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、カッター26kと、機台制御装置15と、を備える。複数の紡績ユニット2のそれぞれは、糸Yを供給する空気紡績装置7と、空気紡績装置7から供給された糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13と、を有する。糸継台車3は、パッケージPからの糸Yを捕捉するサクションマウス28と、空気紡績装置7とパッケージPとの間で糸Yが分断状態になった場合に、空気紡績装置7からの糸YとパッケージPからの糸Yとを接続する糸継動作を行なう糸継装置26と、を有し、複数の紡績ユニット2に対して移動可能に設けられている。カッター26kは、糸継装置3に設けられ、糸Yを切断するように構成されている。機台制御装置15は、糸継台車3が他の紡績ユニット2に向けて移動を開始する前に、カッター26kを作動させる。
サクションマウス28が捕捉している糸Yがどこかに連なった状態では糸継台車3を他の紡績ユニット2に向けて移動させることができないが、カッター26kを作動させることにより、仮にパッケージPとサクションマウス28との間で糸Yが連なった状態であったとしても、当該状態を解消し、糸継台車3を他の紡績ユニット2に向けて移動させることができる。その結果、糸継台車3の稼働効率、ひいては紡績機1の稼働効率を向上することができる。
本実施形態の紡績機1は、複数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、カッター26kと、機台制御装置15と、を備える。複数の紡績ユニット2のそれぞれは、糸Yを供給する空気紡績装置7と、空気紡績装置7から供給された糸Yを巻き取ってパッケージPを形成する巻取装置13と、を有する。糸継台車3は、パッケージPからの糸Yを捕捉するサクションマウス28と、空気紡績装置7からの糸Yを捕捉するサクションパイプ27と、空気紡績装置7とパッケージPとの間で糸Yが分断状態になった場合に、空気紡績装置7からの糸YとパッケージPからの糸Yとを接続する糸継動作を行なう糸継装置26と、を有し、複数の紡績ユニット2に対して移動可能に設けられている。カッター26kは、糸継装置3に設けられ、糸Yを切断するように構成されている。機台制御装置15は、糸継台車3の動作中に異常が発生した場合、サクションマウス28とパッケージPの間、及びサクションパイプ27と空気紡績装置7との間の位置で、カッター26kを作動させる。
サクションマウス28及び/又はサクションパイプ27が捕捉している糸Yがどこかに連なった状態では糸継台車3に次の動作を行なわせることができないが、カッター26kを作動させることにより、仮にパッケージPとサクションマウス28との間、及び/又は空気紡績装置7とサクションパイプ27との間で糸Yが連なった状態であったとしても、当該状態を解消し、糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。その結果、糸継台車3の稼働効率、ひいては紡績機1の稼働効率を向上することができる。
上記実施形態の紡績機1において、糸継台車3は、パッケージPを反巻取方向に回転させる逆回転ローラ35bを更に備え、機台制御装置15は、逆回転ローラ35bが止まっている状態において、当該逆回転ローラ35bに接触しているパッケージPと、サクションマウス28と、の間で連続状態にある糸Yを切断するようにカッター26kを作動させてもよい。
これにより、カッター26kにより糸Yを確実に切断することができ、糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。
上記実施形態の紡績機1において、糸継台車3は、複数の可動部材を備え、異常が発生したときに可動部材が自動で原点に復帰する自動復帰動作を行なうように構成されており、自動復帰動作の終了後、機台制御装置15は、カッター26kを作動させてもよい。
これにより、仮に糸Yがどこかに連なった状態であったとしても当該状態を解消し、自動復帰動作の終了後に糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。
上記実施形態の紡績機3において、自動復帰動作の終了後、機台制御装置15は、カッター26kを作動させ、他の紡績ユニット2に向けて移動せずに同じ紡績ユニット2に対して糸継動作を行なうように糸継台車3を制御してもよい。
これにより、糸継台車3は、糸Yがどこかに連なっていない状態の紡績ユニット2に対して糸継動作を行なうことができる。
上記実施形態の紡績機1において、自動復帰動作の終了後、機台制御装置15は、カッター26kを作動させ、同じ紡績ユニット2に対して糸継動作を行なうことなく、他の紡績ユニット2に向けて移動するように糸継台車3を制御してもよい。
これにより、糸継台車3は、糸Yがどこかに連なっていない状態で移動することができるため、糸継台車3の移動に伴い糸Yが更にどこかに絡む等の状態を回避することができる。
上記実施形態の紡績機1において、複数の可動部材として、サクションマウス28と、サクションパイプ27と、糸継装置26を糸道に対して進退させる進退機構としての第3駆動部42とレール26cと、逆回転ローラ35bと、パッケージPに接触して、パッケージPの回転を制動する接触プレート34bと、糸継装置3による糸継動作の前に糸Yの糸道を規制するヤーンガイド33と、を備えていてもよい。
これにより、これらの可動部材の何れかに異常が発生し、自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。
上記実施形態の紡績機1において、紡績ユニット2のそれぞれは、糸Yにワックスを塗布するワキシング装置12を更に備え、複数の可動部材の1つとして、糸継台車3は、ワキシング装置12を操作する操作部材を更に備えていてもよい。
これにより、操作部材の自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。
上記実施形態の紡績機1において、紡績ユニット2のそれぞれは、空気紡績装置7とパッケージPとの間で糸Yを貯留する糸貯留装置11を更に備え、複数の可動部材として、糸継台車3は、糸貯留装置11を操作するオペレートレバーを更に備えていてもよい。
これにより、オペレートレバーの自動復帰動作を行なったとしても、自動復帰動作の終了後に糸継台車3に次の動作を行なわせることができる。
上記実施形態の紡績機1において、自動復帰動作の発生原因となった要因の発生回数を計測する計測部15cを更に備えていてもよい。計測部15cは、機台制御装置に設けられていてもよいし、糸継台車3のコントローラに設けられていてもよい。
これにより、例えばオペレータは、糸継台車3のどの部材に異常が発生しやすいかを容易に知ることができる。
上記実施形態の紡績機1において、表示部16により、自動復帰動作を行なわれていることを表示してもよい。表示部16に加えて、或いは代えて、糸継台車3が表示部(画面、ランプ等)を備え、当該表示部に自動復帰動作が行なわれていることを表示してもよい。
これにより、例えばオペレータは、糸継台車3による自動復帰動作が行なわれていることを容易に知ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、糸継装置26、ヤーンガイド33、パッケージプレート34及び逆回転装置35のそれぞれが、第3駆動部42、第4駆動部43、第5駆動部44及び第6駆動部45により駆動される形態を一例に説明した。しかし、糸継装置26、ヤーンガイド33、パッケージプレート34及び逆回転装置35は、1つの駆動部により駆動されてもよい。或いは、糸継装置26、ヤーンガイド33、パッケージプレート34及び逆回転装置35のうちのいずれかが、同じ駆動部により駆動されてもよい。
上記実施形態では、第1〜第6駆動部40〜45について、モータ、エアーシリンダ等である形態を一例に説明した。しかし、第1〜第6駆動部40〜45は、その他の駆動源であってもよい。
上記実施形態では、機台制御装置15により糸継台車3の動作を制御する形態を一例に説明した。しかし、糸継台車3の制御は、糸継台車3に設けられたコントローラにより行われてもよい。この場合、ユニットコントローラ10から糸切れ又は糸切断を示す信号を糸継台車3のコントローラに送信してもよいし、当該信号をユニットコントローラ10から機台制御装置15を介してコントローラに送信してもよい。また、ユニットコントローラ10が糸継台車3の動作を制御してもよい。
上記実施形態では、ヤーンガイド33が規制プレート33a及び2本の規制バー33bを有する形態を一例に説明した。しかし、ヤーンガイドの構成はこれに限定されない。また、上記実施形態では、ヤーンガイドの動作について、支軸を中心に規制プレート33aが揺動する形態を一例に説明した。しかし、ヤーンガイドは、例えば、スライドによって移動する形態であってもよい。
上記実施形態では、パッケージPが巻取ドラム22から離間させられ、パッケージプレート34がパッケージPに接触することにより、パッケージPが停止されていた。しかし、各紡績ユニット2が離間位置に位置しているパッケージPの惰性回転を停止させるパッケージブレーキを備えていてもよい。この場合、パッケージプレート34を省略してもよい。
上記実施形態では、糸継装置26と、サクションパイプ27と、サクションマウス28と、パッケージプレート34と、逆回転装置35と、が糸継台車3に設けられている例を説明した。これらの装置の全て又は少なくとも1つは、各紡績ユニット2に設けられていてもよい。
ドラフト装置6の代わりに、コーミングローラを設け、空気紡績装置7は、コーミングローラから供給される繊維束に撚りを与えて糸Yを生成してもよい。
空気紡績装置7は、上記の構成に代えて、互いに反対方向に繊維束に撚りを与える一対のエアージェットノズルを備えていてもよい。
紡績ユニット2では、ドラフト装置6と空気紡績装置7の代わりにオープンエンド紡績装置(ロータ式紡績装置)を設けてもよい。オープンエンド紡績装置とは、コーミングローラ又は空気流によってスライバSの繊維を分離し、分離繊維を高速回転しているロータ内に空気流によって搬送し、ロータの内壁で繊維を収束させる装置である。収束された繊維がオープンエンド紡績装置から引き出されることにより、糸Yが生成される。
紡績ユニット2では、糸貯留装置11が空気紡績装置7から糸Yを引き出す機能を有していたが、デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置7から糸Yが引き出されてもよい。デリベリローラとニップローラとで空気紡績装置7から糸Yを引き出す場合、糸貯留装置11の代わりに、吸引空気流を用いたスラックチューブ及び/又は機械的なコンペンセータ等を設けてもよい。
紡績ユニット2では、糸継装置26により2つの糸端を接続する構成に代えて、パッケージPからの糸Yを空気紡績装置7に挿入し、ドラフト装置6のドラフト動作と空気紡績装置7の紡績動作を開始することにより、空気紡績装置7からの糸YとパッケージPの糸Yとを接続(ピーシング)してもよい。
紡績機1では、機台高さ方向において、上側で供給された糸Yが下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側で供給された糸が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
紡績機1では、ドラフト装置6のボトムローラの少なくとも一つ及びトラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、ドラフト装置、紡績装置、巻取装置等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
糸Yの走行方向において、テンションセンサ9が糸監視装置8の上流側に配置されてもよい。ユニットコントローラ10は、1つ紡績ユニット2ごとに設けられてもよい。紡績ユニット2において、ワキシング装置12、テンションセンサ9及び糸監視装置8は、省略されてもよい。糸Yにワックスを付与しない場合には、ワキシング装置12を省略せずに、ワキシング装置12からワックスのみを取り外してもよい。
上記実施形態では、トラバースガイド23が、第2エンドフレーム5からの動力によって(すなわち、複数の紡績ユニット2共通で)駆動されていた。しかし、紡績ユニット2の各部(例えば、空気紡績装置、巻取装置等)が紡績ユニット2ごとに独立して駆動されてもよい。
上記実施形態では、紡績機1が糸継台車3及び玉揚台車を備える形態を一例に説明した。しかし、糸継台車が玉揚機能を有していてもよい。図1では1台の糸継台車3が図示されているが、紡績機1は複数の糸継台車3を備えていてもよい。
図1では、紡績機1は、チーズ形状のパッケージPを巻き取るように図示されているが、コーン形状のパッケージを巻き取ることも可能である。コーン形状のパッケージの場合、糸Yのトラバースにより糸Yの弛みが発生するが、当該弛みは、糸貯留装置11で吸収することができる。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
1…紡績機(糸巻取機)、2…紡績ユニット(糸巻取ユニット)、3…糸継台車、7…空気紡績装置(給糸装置)、11…糸貯留装置、12…ワキシング装置、13…巻取装置、15…機台制御装置(制御部)、15c…計測部、16…表示部、26…糸継装置、26c…レール(進退機構)、26k…カッター、27…サクションパイプ(第2捕捉装置、可動部材)、28…サクションマウス(第1捕捉装置、可動部材)、33…ヤーンガイド(糸道規制部材)、34b…接触プレート(制動部材)、42…第3駆動部(進退機構)、35b…逆回転ローラ、36…操作部材、37…オペレートレバー、P…パッケージ、Y…糸。

Claims (11)

  1. 糸を供給する給糸装置と、前記給糸装置から供給された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、をそれぞれが有する複数の糸巻取ユニットと、
    前記パッケージからの前記糸を捕捉する第1捕捉装置と、前記給糸装置と前記パッケージとの間で前記糸が分断状態になった場合に、前記給糸装置からの前記糸と前記パッケージからの前記糸とを接続する糸継動作を行なう糸継装置と、を有し、前記複数の糸巻取ユニットに対して移動可能に設けられた糸継台車と、
    前記糸継装置に設けられ、前記糸を切断するように構成されたカッターと、
    前記糸継台車が他の糸巻取ユニットに向けて移動を開始する前に、前記カッターを作動させる制御部と、を備える糸巻取機。
  2. 糸を供給する給糸装置と、前記給糸装置から供給された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、をそれぞれが有する複数の糸巻取ユニットと、
    前記パッケージからの前記糸を捕捉する第1捕捉装置と、前記給糸装置からの前記糸を捕捉する第2捕捉装置と、前記給糸装置と前記パッケージとの間で前記糸が分断状態になった場合に、前記給糸装置からの前記糸と前記パッケージからの前記糸とを接続する糸継動作を行なう糸継装置と、を有し、前記複数の糸巻取ユニットに対して移動可能に設けられた糸継台車と、
    前記糸継装置に設けられ、前記糸を切断するように構成されたカッターと、
    前記糸継台車の動作中に異常が発生した場合、前記第1捕捉装置と前記パッケージの間、及び前記第2捕捉装置と前記給糸装置との間の位置で、前記カッターを作動させる制御部と、を備える糸巻取機。
  3. 前記糸継台車は、前記パッケージを反巻取方向に回転させる逆回転ローラを更に備え、
    前記制御部は、前記逆回転ローラが止まっている状態において、当該逆回転ローラに接触している前記パッケージと、前記第1捕捉装置と、の間で連続状態にある前記糸を切断するように前記カッターを作動させる、請求項1又は2に記載の糸巻取機。
  4. 前記糸継台車は、複数の可動部材を備え、異常が発生したときに前記可動部材が自動で原点に復帰する自動復帰動作を行なうように構成されており、
    前記自動復帰動作の終了後、前記制御部は、前記カッターを作動させる、請求項1から3の何れか一項に記載の糸巻取機。
  5. 前記自動復帰動作の終了後、前記制御部は、前記カッターを作動させ、他の前記糸巻取ユニットに向けて移動せずに同じ前記糸巻取ユニットに対して前記糸継動作を行なうように前記糸継台車を制御する、請求項4に記載の糸巻取機。
  6. 前記自動復帰動作の終了後、前記制御部は前記カッターを作動させ、同じ前記糸巻取ユニットに対して前記糸継動作を行なうことなく、他の前記糸巻取ユニットに向けて移動するように前記糸継台車を制御する、請求項4に記載の糸巻取機。
  7. 前記複数の可動部材として、
    前記第1捕捉装置と、
    前記第2捕捉装置と、
    前記糸継装置を糸道に対して進退させる進退機構と、
    前記逆回転ローラと、
    前記パッケージに接触して、前記パッケージの回転を制動する制動部材と、
    前記糸継装置による前記糸継動作の前に前記糸の糸道を規制する糸道規制部材と、を備える請求項4から6までの何れか一項に記載の糸巻取機。
  8. 前記糸巻取ユニットのそれぞれは、前記糸にワックスを塗布するワキシング装置を更に備え、
    前記複数の可動部材の1つとして、前記糸継台車は、前記ワキシング装置を操作する操作部材を更に備える、請求項4から7までの何れか一項に記載の糸巻取機。
  9. 前記糸巻取ユニットのそれぞれは、前記給糸装置と前記パッケージとの間で前記糸を貯留する糸貯留装置を更に備え、
    前記複数の可動部材として、前記糸継台車は、前記糸貯留装置を操作するオペレートレバーを更に備える、請求項4から8までの何れか一項に記載の糸巻取機。
  10. 前記自動復帰動作の発生原因となった要因の発生回数を計測する計測部を更に備える、請求項4から9までの何れか一項に記載の糸巻取機。
  11. 前記自動復帰動作を行なわれていることを表示する表示部を更に備える、請求項4から10までの何れか一項に記載の糸巻取機。
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