JP2020192491A - α−オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】α−オレフィンの新規な製造方法。【解決手段】ノルマルパラフィンを含む原料組成物を脱水素触媒3に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る脱水素工程を備え、脱水素触媒が、金属を含む複数の粒子1及びゼオライト2を含む、α−オレフィンの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、α−オレフィンの製造方法に関する。
エチレンの三量化により1−ヘキセンを合成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2013−515601号公報
しかしながら、原料としてエチレンを用いる場合、合成されるオレフィンの炭素数は偶数に限られる。また、重合が1−ヘキセンで止まらないことで、重合物が広い分子量分布を有する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、α−オレフィンの新規な製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るα−オレフィンの製造方法は、ノルマルパラフィンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る脱水素工程を備える。ここで、上記脱水素触媒は、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含む。
一態様において、少なくとも一部の上記粒子が、上記ゼオライトの内部に存在し、上記粒子の粒径が、上記ゼオライトの細孔径よりも大きい。
一態様において、上記金属は白金であってもよい。
一態様において、上記ゼオライトの細孔径に対する上記粒子の粒径の比が1.2以上であってもよい。
一態様において、上記ゼオライトがMFI型ゼオライトを含んでいてもよい。
一態様において、上記ゼオライトがRWR型ゼオライトを含んでいてもよい。
一態様において、上記脱水素触媒が、水、テトラアルコキシシラン、第4級アンモニウム塩、金属源、及びアミノ基含有キレート剤を含む原料液から水熱合成により得られる生成物の焼成物であってもよい。
本発明によれば、α−オレフィンの新規な製造方法が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る触媒の模式的な断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。図面において、同等の構成要素には同等の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るα−オレフィンの製造方法は、ノルマルパラフィンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る脱水素工程を備える。
(脱水素触媒)
脱水素触媒は、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含む。ノルマルパラフィンを含む原料組成物を、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含む脱水素触媒に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る工程(脱水素工程)は新規な工程である。
ここで、金属を含む粒子は、好ましくはゼオライト中に内包されていてもよい。すなわち、脱水素触媒が、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含み、少なくとも一部の粒子が、ゼオライトの内部に存在していてもよい。これにより、所望の炭素数を有するα−オレフィンを高い収率で製造し易い。
図1に示されるように、本実施形態に係る脱水素触媒3は、金属を含む複数の粒子1と、金属を含む複数の粒子1を内包するゼオライト2と、を備えていてもよい。ゼオライト2は多孔質の担体であり、ゼオライトの細孔2pの内部は反応場である。脱水素触媒3の活性点は粒子1の表面に存在する。複数の粒子1のうち少なくとも一部の粒子1は、ゼオライト2の内部に存在する。複数の粒子1がゼオライト2の内部に存在してよい。複数の粒子1がゼオライト2の内部において分散していてよい。脱水素触媒3が有する全ての粒子1が、ゼオライト2の内部に存在してもよい。本発明の効果が得られる限りにおいて、粒子1と同じ金属又はその化合物が、ゼオライト2の外表面に存在してもよい。粒子1と同じ金属又はその化合物が、脱水素触媒3の外表面に全く存在していなくてもよい。以下では、金属を含む粒子が、「金属粒子」と表記される。
金属粒子1に含まれる金属は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、オスミウム(Os)及びイリジウム(Ir)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。金属粒子1が、列挙された上記の金属を含むことにより、脱水素反応が進行しやすい。金属粒子1に含まれる金属の少なくとも一部は、白金であってよい。金属粒子1に含まれる金属の全部が、白金であってもよい。金属粒子1が白金のみからなっていてもよい。金属粒子1が白金を含む場合、α−オレフィンの収率が高まり易い。
金属粒子1は金属のみからなっていてよい。一つの金属粒子1が、複数種の金属を含んでもよい。脱水素触媒3は、組成が異なる複数の金属粒子1を有してよい。組成が異なる複数の金属粒子1が、ゼオライト2の内部に存在していてよい。脱水素触媒3における金属粒子1の含有量(担持量)は、脱水素触媒3の全体の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であってよく、0.5質量%以上5.0質量%以下であってよく、1.0質量%以上4.0質量%以下であってよい。脱水素触媒3の活性が損なわれない限り、金属粒子1は、列挙された上記の金属に加えて、他の金属を含んでもよい。例えば、脱水素触媒3は、上記の金属に加えて、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セシウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、イットリウム(Yb)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)、鉛(Pb)及びビスマス(Bi)からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含んでよい。脱水素触媒3の活性が損なわれない限り、金属粒子1は、金属に加えて、非金属元素を含んでもよい。例えば、金属粒子1が酸素又はケイ素を含んでもよい。
ゼオライトの内部に存在する金属粒子の粒径d1(長径)は、ゼオライトの細孔径d2よりも大きいことが好ましい。金属粒子1の粒径d1は算術平均径であってよく、ゼオライト2の細孔径d2も算術平均径であってよい。つまり、ゼオライト2の内部に存在する複数の金属粒子1の粒径d1の算術平均径が、ゼオライト2の細孔径d2の算術平均径よりも大きくてよい。金属粒子1の粒径d1がゼオライト2の細孔径d2よりも大きい場合、金属粒子1がゼオライト2の細孔内を移動することは困難となる。つまり金属粒子1は、ゼオライト2の骨格(結晶構造)内に包接され、ゼオライト2の骨格によって物理的に拘束されている。金属粒子1がゼオライト2の内部において拘束されているため、金属粒子1が熱によって移動及び凝集することは困難であり、脱水素触媒3の比表面積が減少し難い。つまり、金属粒子1がゼオライト2の内部において拘束されているため、金属粒子1同士のシンタリングが起き難く、脱水素触媒3の活性が長時間にわたって維持され易い。ただし、ゼオライト2の内部には、ゼオライト2の細孔径よりも小さい粒径の金属粒子1が存在していてもよい。
金属粒子1は、例えば、球状、針状、又は多面体状であってよい。金属粒子1の粒径d1(長径)は、例えば、0.5nm以上10nm以下、0.75nm以上10nm以下、0.75nm以上5nm以下又は0.75nm以上2nm以下であってよい。ゼオライト2の細孔径d2は、例えば、0.5nm以上0.6nm以下であってよい。より効率的にα−オレフィンを製造する観点から、ゼオライト2の細孔径d2に対する金属粒子1の粒径d1の比(d1/d2)は、1.2以上であってよく、2.0以上であってよい。当該比の上限は20であってよく、8であってよい。
脱水素触媒3は粉末(多数の粒子)であってよい。つまり、脱水素触媒3を構成する個々の粒子が、粒子状のゼオライト2と、粒子状のゼオライト2の内部に存在する複数の金属粒子1とを有していてよい。一つの脱水素触媒3の粒子の内部に存在する金属粒子1の数は、例えば、2個以上50個以下であってよい。脱水素触媒3の粒径は、例えば、50nm以上1000nm以下であってよい。ただし、脱水素触媒3は粉末でなくてもよい。例えば、脱水素触媒3は、顆粒状、円柱状、円筒状、球状又は層状であってもよい。金属粒子1の粒径d1は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又はCOパルス法によって測定されてよい。ゼオライト2の細孔径d2は、窒素ガス吸着法、又はアルゴンガス吸着法によって測定されてよい。脱水素触媒3の粒径は、TEM、STEM、SEM又は光学顕微鏡によって測定されてよい。脱水素触媒3の組成は、例えば、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって特定されてよい。
脱水素触媒3の比表面積は、150m/gより大きく700m/g以下であってよい。脱水素触媒3の比表面積が上記範囲内であることにより、脱水素触媒3の内部において複数の金属粒子1が分散し易く、複数の金属粒子1が互いに接触し難い。その結果、金属粒子1同士の凝集が抑制される。つまり、脱水素触媒3の比表面積が上記範囲内であることにより、金属粒子1のシンタリングが抑制される。脱水素触媒3の比表面積は、窒素ガス吸着法又はアルゴンガス吸着法に基づくBET法によって測定されてよい。
ノルマルパラフィンとしては、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルノナン、ノルマルデカン等の直鎖状炭化水素が挙げられる。
ゼオライト2としては、例えば、MFI型ゼオライト、MEL型ゼオライト,MTW型ゼオライト、BEA型ゼオライト、FAU型ゼオライト、RWR型ゼオライト等が挙げられる。この中でもノルマルパラフィンの末端のC−C結合を選択的に脱水素し易いという観点から、ゼオライト2は、酸素10員環又は酸素8員環を有するゼオライトであってもよく、10員環ゼオライトの1つであるMFI型ゼオライト、あるいは8員環ゼオライトの1つであるRWR型ゼオライトであってもよい。上記の各アルファベット三文字は、国際ゼオライト協会の構造委員会(The Structure Commission of The International Zeolite Association; IZA―SC)によって規定されたゼオライトの構造コードである。MFI型ゼオライトは、例えば、ZSM−5及びシリカライトのうち少なくともいずれかであってよい。
ゼオライト2のケイバン比(Silica―alumina ratio)は、例えば、5以上1000000以下、5以上100000以下、100以上1000000以下、100以上100000以下、1000以上1000000以下、1000以上100000以下、10000以上1000000以下、又は10000以上100000以下であってよい。ゼオライト2のケイバン比が高いほど、ノルマルパラフィンからαオレフィンを製造する際の副反応が進行し難くなる。例えば、MFI型ゼオライトの一種であるシリカライト−1のケイバン比は著しく高く、シリカライト−1は実質的にアルミニウムを含まない。つまりシリカライト−1の骨格(結晶構造)中にはアルミニウムが実質的に含まれていない。ゼオライト2の一部がMFI型ゼオライトであってよい。ゼオライト2の全体がMFI型ゼオライトであってもよい。MFI型ゼオライトは、原料に由来する不純物として、微量のアルミナを含んでいてもよい。
(脱水素触媒の製造方法)
金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含む(より具体的には、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含み、少なくとも一部の粒子が、ゼオライトの内部に存在する)脱水素触媒の1つの製造方法は、水、テトラアルコキシシラン、第4級アンモニウム塩、金属源、及びアミノ基含有キレート剤を含む原料液から水熱合成法により生成物(沈殿物)を得る水熱合成工程と、得られた生成物を焼成する焼成工程と、を備えることができる。すなわち、脱水素触媒は、上記原料液から水熱合成により得られる生成物の焼成物である、と言うことができる。上記触媒の製造方法は、例えば、「T. Otto et al., Microporous and Mesoporous Materials 270(2018) 10-23」を参照することができる。なお、後述のとおりアミノ基含有キレート剤は必ずしも必須ではない。
テトラアルコキシシランは、ゼオライトを生成するためのSi源である。テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトライソプロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)等が挙げられる。これらのうち、反応性が高くゼオライト構造を短時間で形成し易いという観点から、テトラエトキシシラン(TEOS)及びテトラメトキシシラン(TMOS)を用いることができる。
第4級アンモニウム塩は、主として所望のゼオライト構造を得るために原料液に添加される。第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリn−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、n−オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラn−プロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラn−プロピルアンモニウムアイオダイド、トリメチルフェニルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルフォネート等が挙げられる。
金属源は金属粒子を生成するための原料である。金属源としては、金属粒子に含まれる金属として例示された金属元素を含む化合物を用いることができる。そのような化合物としては金属塩が挙げられ、金属塩としては水に溶解する限り特に限定されない。金属塩としては、例えば、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩等が挙げられる。金属塩は、錯体であってよい。金属塩は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、金、銀、オスミウム、イリジウム等の金属を含んでよい。複数種の金属塩が原料液に含まれてよい。例えば、白金の金属塩であればPtCl、Pt(NHCl・xHO等が挙げられる。金属塩は、水溶液として原料液へ添加されてよい。
アミノ基含有キレート剤は必ずしも必須ではないが、主として水熱合成条件下で金属源がバルク金属酸化物や水酸化物となるのを抑制し、かつゼオライト内部に金属粒子を存在させ易い観点から、原料液に添加することができる。アミノ基含有キレート剤としては、エチレンジアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン(TPE)等が挙げられる。これらのうち、ゼオライト構造を効率的に得易いと言う観点から、TPEを好適に用いることができる。
原料液中の各成分の含有量は、使用される化合物の種類に応じて適宜調整することができる。例えば、必ずしも限定されるわけではないが、モル比で、水:テトラアルコキシシラン:第4級アンモニウム塩:金属源:アミノ基含有キレート剤(含まれる場合)=10〜50:1:0.1〜5:0.001〜0.1:0.0001〜0.5とすることができる。
原料液は、水、テトラアルコキシシラン、第4級アンモニウム塩、金属源、及び必要に応じアミノ基含有キレート剤を混合後、所定時間撹拌することで調製される。
撹拌後の原料液は、その後水熱合成工程に付される。具体的には、原料液は密閉されたオートクレーブ中で加熱される。その結果、水熱合成反応が進行して、金属粒子を内包するゼオライトが水中で生成され、沈殿物として回収される。オートクレーブ内の水の温度は、例えば、130℃以上180℃以下とすることができ、130℃以上160℃以下であってよく、130℃以上150℃以下であってよい。これにより、より効率的にα−オレフィンを含む反応生成物を得ることのできる触媒とし易い。水熱合成の時間は、例えば、24時間以上240時間以下であってよい。なお、水熱合成条件での加熱に先立ち、より低温にて予備加熱(例えば、100℃にて2時間)を行ってもよい。
水熱合成工程によって得られた生成物(沈殿物)は、水から分離される。生成物を水から分離する方法は、例えば、濾過、遠心分離、加熱又は減圧による水の蒸発等であってよい。減圧雰囲気又は真空雰囲気中で、生成物が乾燥されてよい。加熱により、生成物が乾燥されてもよい。
原料液中における複合化合物の形成過程、又は水熱合成の過程において、金属塩から金属粒子(図1に示される金属粒子1)が形成される。そして水熱合成の過程において、ゼオライト2が金属粒子1の周りに成長する。その結果、金属粒子1がゼオライト2内に包接され、金属粒子1がゼオライト2の骨格によって物理的に拘束される。換言すれば、ゼオライト2が金属粒子1の周りに成長するため、ゼオライト2の骨格が損なわれることなく、ゼオライト2の細孔径d2よりも大きい粒径d1を有する金属粒子1がゼオライト2内に包接される。
得られた(乾燥された)生成物は、その後焼成工程に付される。生成物を焼成することにより、上記脱水素触媒が得られる。焼成温度は、例えば、400℃以上600℃以下であってよい。焼成時間は、例えば、1時間以上48時間以下であってよい。焼成の雰囲気は、大気又は酸化雰囲気であってよい。焼成温度及び焼成時間が上記範囲内であることにより、金属粒子及びゼオライトの過度の成長及び凝集が抑制される。
金属粒子1の粒径、脱水素触媒の粒子の内部に存在する金属粒子の数、脱水素触媒の比表面積、ゼオライトの型、ケイバン比等は、金属塩及びテトラアルコキシシラン等の各原料の使用量及び配合比、金属イオンの還元の諸条件、テトラアルコキシシランの加水分解の諸条件、水熱合成工程の諸条件、及び生成物の焼成の諸条件等によって制御されてよい。
脱水素触媒の他の製造方法として、金属源及びNa型層状オクトシリケートを含む原料液から金属担持層状オクトシリケートを得、その後酸処理、アミド還流及び焼成を行い脱水素触媒を得る方法が挙げられる。得られた脱水素触媒に対し、さらに王水処理を施してもよい。触媒表面に残存している金属が王水処理により除去されることで、より効率的にα−オレフィンを含む反応生成物が得られる。上記触媒の製造方法について、例えば、「A. Corma et al., Nat. Mater., 16, 132 (2017); A. Corma etal., Nat. Commun., 9, 574 (2018)、W. Schwieger etal., Colloid Polym. Sci., 281, 584 (2003)」を参照することができる。
脱水素触媒の他の製造方法として、含浸法が挙げられる。含浸法は、ゼオライトを上記金属塩を含む原料液に含浸する工程と、その後原料液含浸物を上記焼成工程と同様の条件にて焼成する工程と、を備えることができる。ゼオライトは、水、テトラアルコキシシラン、第4級アンモニウム塩、及び必要に応じアミノ基含有キレート剤を含む原料液から水熱合成法により生成物(沈殿物)を得る水熱合成工程と、得られた生成物を焼成する焼成工程と、を備える方法から製造されてもよい。
脱水素触媒の他の製造方法として、イオン交換法等も挙げられる。なお、上記含浸法やイオン交換法を用いる場合、金属がゼオライトの表面(外表面)にも担持され易い。これによりノルマルパラフィンの末端以外も活性点である金属と接触することになるため、α−オレフィン以外の副生成物も生成され易い。
金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含み、少なくとも一部の粒子が、ゼオライトの内部に存在する脱水素触媒を用いることで、所望のα−オレフィンを高い収率で製造することが可能である。当該脱水素触媒の作用は次のように推察される。当該脱水素触媒では、ゼオライト2の立体構造により、金属粒子1とノルマルパラフィンとの接触が阻害される。ノルマルパラフィンは、ゼオライト2の細孔2pを通じて金属粒子1と接触することができるが、その際に必然的にノルマルパラフィンの末端において脱水素化が進行する。そのため、ノルマルパラフィンから選択的にα−オレフィンを製造することができると考えられる。このような脱水素化は、ノルマルパラフィンの炭素数に依らずに実施することができる。
次いで、本実施形態における脱水素工程について詳述する。本実施形態に係るα−オレフィンの製造方法は、ノルマルパラフィンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る脱水素工程を備える。具体的には、脱水素触媒3の触媒作用に因るノルマルパラフィンの反応によって、α−オレフィンを含む反応生成物を得る工程を備える。
原料組成物は、ノルマルパラフィン以外の成分を更に含有していてよい。例えば、原料組成物は、窒素、アルゴン等の不活性ガスやスチーム、水素、酸素、一酸化炭素、炭酸ガス、アルカン類、オレフィン類等を更に含有していてよい。
原料組成物としてノルマルパラフィン以外の成分を含有するとき、原料組成物におけるノルマルパラフィンのモル分率は、0.2以上とすることが好ましい。ノルマルパラフィン以外の成分を含有させることにより、脱水素反応が進行し易くなり、触媒の活性低下が抑制される傾向がある。しかし、この成分を加熱するために多量のエネルギーを要するため、工業的には、ノルマルパラフィン以外の成分を少なくする必要がある。原料組成物におけるノルマルパラフィンのモル分率は、0.25以上がより好ましい。
脱水素工程は、例えば、脱水素触媒を充填した反応器を用い、当該反応器に原料組成物を流通させることにより実施してよい。反応器としては、固体触媒による気相反応に用いられる種々の反応器を用いることができる。反応器としては、例えば、固定床断熱型反応器、ラジアルフロー型反応器、管型反応器等が挙げられる。
脱水素反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、反応性の観点からは流動床式が好ましく、設備コストの観点からは固定床式が好ましい。
原料組成物を脱水素触媒に接触させる際の温度は、脱水素反応の反応温度であり、反応器内の温度ということもできる。脱水素反応の反応温度が600℃以下であれば、副反応が抑制されるため、α−オレフィンの収率が一層向上する傾向がある。脱水素反応の反応温度が500℃以上であれば、ノルマルパラフィンの脱水素反応が十分に進行するため、α−オレフィンの収率が高くなる傾向がある。
原料組成物を脱水素触媒に接触させる際の圧力条件、すなわち反応器内の気圧は、例えば0.01〜5.0MPaであってよく、0.01〜3.0MPaであってよく、0.1〜2.0MPaであってよい。通常、脱水素反応は反応圧力が低いと反応が進行しやすいが、ノルマルパラフィンの脱水素反応においては反応圧力が上記範囲にあると、脱水素反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
原料組成物を脱水素触媒に接触させる際、水素やスチームを共存させてもよい。水素やスチームを共存させることで触媒の活性低下を抑制することができる。
脱水素工程を、原料を連続的に供給する連続式の反応形式で行う場合、液空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.01h−1以上であってよく、0.1h−1以上であってもよい。このようなWHSVであると、ノルマルパラフィンの転化率をより高くすることができる。また、WHSVは100h−1以下であってよく、20h−1以下であってもよい。WHSVが上記範囲であると、反応器サイズをより小さくできる。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、脱水素触媒の容量Lに対する原料の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/L)である。なお、原料及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
脱水素工程では、反応器に上記脱水素触媒以外の触媒を更に充填してもよい。
本実施形態に係る製造方法は、脱水素触媒を使用する前に、脱水素触媒が有する金属粒子を還元する触媒還元工程を更に備えてもよい。例えば、水素を含むガス中で脱水素触媒が加熱されることによって、金属粒子が還元されてよい。水素を含むガス中で脱水素触媒が850℃以上の温度で加熱されてよい。この前処理により、脱水素触媒の活性を向上させることができる。触媒還元工程は脱水素工程の前に実施することができる。
以下では実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[触媒の準備]
(実施例1)
水、TEOS(テトラエトキシシラン)、TPAOH(テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド)、塩化白金、及びTPE(N−(3−トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン)を、モル比が20:1:0.35:0.0097:0.019となるよう混合し、室温にて13時間撹拌して、原料液を調製した。
次に、得られた原料液をオートクレーブ内に容れ、100℃にて2時間予備加熱後、さらに150℃で72時間かけて水熱合成を行い、沈殿物を得た。
水熱合成により得られた生成物(沈殿物)を、遠心分離によって水から分離した後、洗浄して乾燥させた。乾燥させた生成物を550℃で3時間焼成して、触媒Aを得た。焼成雰囲気は大気であった。触媒Aは粉末であり、また触媒Aにおける白金の担持量は、2.0質量%であった。
粉末X線回折法によって、触媒AのX線回折パターンを測定した。X線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。透過型電子顕微鏡(TEM)によって、触媒を観察した。TEMによる観察の結果、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していることが確認された。またTEMによる観察の結果、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ0.8〜4nmであることが確認された。MFI型ゼオライトの細孔径d2は0.5nm以上0.6nm以下であるため、d1/d2はおよそ1.5〜7.3であった。ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径は、MFI型ゼオライトの細孔径よりも大きいことが確認された。
(実施例2)
水、TEOS、TPAOH、塩化白金、及びTPEを、モル比が20:1:0.35:0.017:0.034となるよう混合し、室温にて13時間撹拌して、原料液を調製した。
上記以外は、実施例1と同様にして各工程を実施し、触媒Bを得た。触媒Bは粉末であり、また触媒Bにおける白金の担持量は、3.4質量%であった。
触媒BのX線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Bにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ0.8〜4nmであること、d1/d2はおよそ1.5〜7.3であること、が確認された。
(実施例3)
水、TEOS、TPAOH、ジクロロテトラアンミン白金(II)水和物、及びTPEを、モル比が20:1:0.35:0.017:0.034となるよう混合し、室温にて13時間撹拌して、原料液を調製した。
上記以外は、実施例1と同様にして各工程を実施し、触媒Cを得た。触媒Cは粉末であり、また触媒Cにおける白金の担持量は、1.1質量%であった。
触媒CのX線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Cにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ0.8〜4nmであること、d1/d2はおよそ1.5〜7.3であること、が確認された。
(実施例4)
水、TEOS、TPAOH、ジクロロテトラアンミン白金(II)水和物、及びエチレンジアミンを、モル比が20:1:0.35:0.017:0.034となるよう混合し、室温にて13時間撹拌して、原料液を調製した。
上記以外は、実施例1と同様にして各工程を実施し、触媒Dを得た。触媒Dは粉末であり、また触媒Dにおける白金の担持量は、1.1質量%であった。
触媒DのX線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Dにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ0.8〜4nmであること、d1/d2はおよそ1.5〜7.3であること、が確認された。
(実施例5)
水、TEOS、TPAOH、及びジクロロテトラアンミン白金(II)水和物を、モル比が20:1:0.35:0.017となるよう混合し、室温にて13時間撹拌して、原料液を調製した。
上記以外は、実施例1と同様にして各工程を実施し、触媒Eを得た。触媒Eは粉末であり、また触媒Eにおける白金の担持量は、1.3質量%であった。
触媒EのX線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Eにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ5〜10nmであること、d1/d2はおよそ9〜18であること、が確認された。
(実施例6)
水、TEOS、及びTPAOHを、モル比が48:1:0.36となるよう混合し、室温にて1時間撹拌して、原料液を調製した。
次に、得られた原料液をオートクレーブ内に容れ、120℃で24時間かけて水熱合成を行い、沈殿物を得た。
水熱合成により得られた生成物(沈殿物)を、遠心分離によって水から分離した後、洗浄して乾燥させた。乾燥させた生成物を550℃で6時間焼成して、焼成物(シリカライト−1)を得た。焼成雰囲気は大気であった。
この焼成物をジアミンニトリロ白金(II)溶液に含浸させた。含浸法により、この焼成物に担持量が1.0質量%となるよう白金を担持させた後、550℃で3時間焼成して触媒Fを得た。触媒Fは粉末であり、また触媒Fにおける白金の担持量は、1.0質量%であった。
触媒FのX線回折パターンは、MFI型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Fにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ5〜10nmであること、d1/d2はおよそ9〜18であること、が確認された。
(実施例7)
Na型層状オクトシリケート0.1gを水5mLに分散させ、これにジクロロテトラアンミン白金(II)水和物0.1gを含む水5mLを加えて24時間撹拌した。その後、撹拌液をろ過してろ取物を得、それを洗浄して乾燥させることにより、Pt層状オクトシリケートを得た。このPt層状オクトシリケート0.01gを0.1mol/Lの硝酸30mLに加え、3時間撹拌した。その後、撹拌液をろ過してろ取物を得、それを洗浄して乾燥させることにより粉末を得た。得られた粉末にN−メチルホルムアミド30mLを加え、180℃で1時間還流した。その後、混合液をろ過してろ取物を得、それを洗浄して乾燥させ、さらに500℃で1時間焼成して粉末を得た。この粉末を、王水(1+1)8mL中に加えて12時間撹拌した。その後、撹拌液をろ過してろ取物を得、それを洗浄して乾燥させることで触媒Gを得た。触媒Gは粉末であり、また触媒Gにおける白金の担持量は、3.0質量%であった。
触媒GのX線回折パターンは、RWR型ゼオライトに固有の回折線ピークを有していた。TEMによる観察の結果、触媒Gにおいて、白金を含む複数の金属粒子(白金粒子)がゼオライトの内部に存在していること、ゼオライトの内部に存在する白金粒子の粒径d1は、およそ0.8〜2nmであること、d1/d2はおよそ1.5〜3.6であること、が確認された。
(比較例1)
Cab−O−Sil M5(キャボット社製)をジアミンジニトロ白金(II)溶液に含浸させた。含浸法により、Cab−O−Sil M5に担持量が1.0質量%となるよう白金を担持させた後、550℃3時間焼成して触媒Hを得た。
[n−ヘキサンの脱水素化]
各例で準備した50mgの触媒を管型反応器に充填し、反応管を固定床流通式反応装置に接続した。反応管を550℃まで昇温した後、当該温度で保持しながら水素を3mL/minで2時間流通した。その後、n−ヘキサン(シグマアルドリッチ株式会社製)を2.56μL/min、Arを15.2mL/minで反応器に供給し、反応温度550℃、常圧にて、n−ヘキサンの脱水素反応を行った。WHSVは、2.0h−1とした。
反応開始時から50分が経過した時点で、脱水素反応の反応生成物を管型反応器から採取した。なお、反応開始時とは、原料組成物の供給が開始された時点である。採取された生成物を、水素炎検出器を備えたガスクロマトグラフ(Agilent社製、GC−7890、FID−GC)を用いて分析した。上記ガスクロマトグラフに基づき、採取された反応生成物の各成分を定量した。
n−ヘキサン及び1−ヘキセンのモル数から、反応開始時から50分が経過した時点におけるn−ヘキサンの転化率、1−ヘキセンの収率、1−ヘキセンの選択率、及びヘキセン中の1−ヘキセンの分率を算出した。結果を表1に示す。なお、n−ヘキサンの転化率は下記式(1)で定義され、1−ヘキセンの収率は式(2)で定義され、1−ヘキセンの選択率は式(3)で定義され、ヘキセン中の1−ヘキセン分率は式(4)で定義される。
rC={1−(m1/m0)}×100 (1)
rY=m2/m0×100 (2)
rS={m2/(m0−m1)}×100 (3)
rD=(m2/m3)×100 (4)
rCは、n−ヘキサンの転化率(%)である。
rYは、1−ヘキセンの収率(%)である。
rSは、1−ヘキセンの選択率(%)である。
rDは、ヘキセン中の1−ヘキセン分率(%)である。
m0は、原料組成物中のn−ヘキサンのモル数である。
m1は、反応生成物中のn−ヘキサンのモル数である。
m2は、反応生成物中の1−ヘキセンのモル数である。
m3は、反応生成物中の1−ヘキセン、2−ヘキセン及び3−ヘキセン合計のモル数である。
Figure 2020192491
実施例では、比較例に比して優れた1−ヘキセン収率が達成された。
1…金属を含む粒子、2…ゼオライト、2p…ゼオライトの細孔、3…脱水素触媒、d1…ゼオライトの内部に存在する粒子の粒径、d2…ゼオライトの細孔径。

Claims (7)

  1. ノルマルパラフィンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させて、α−オレフィンを含む反応生成物を得る脱水素工程を備え、
    前記脱水素触媒が、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含む、α−オレフィンの製造方法。
  2. 前記脱水素触媒が、金属を含む複数の粒子及びゼオライトを含み、少なくとも一部の前記粒子が、前記ゼオライトの内部に存在し、前記粒子の粒径が、前記ゼオライトの細孔径よりも大きい、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記金属が白金である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ゼオライトの細孔径に対する前記粒子の粒径の比が1.2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記ゼオライトがMFI型ゼオライトを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記ゼオライトがRWR型ゼオライトを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記脱水素触媒が、水、テトラアルコキシシラン、第4級アンモニウム塩、金属源、及びアミノ基含有キレート剤を含む原料液から水熱合成により得られる生成物の焼成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。

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