JP2020192191A - 呼気ガス分析装置および方法 - Google Patents

呼気ガス分析装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020192191A
JP2020192191A JP2019100789A JP2019100789A JP2020192191A JP 2020192191 A JP2020192191 A JP 2020192191A JP 2019100789 A JP2019100789 A JP 2019100789A JP 2019100789 A JP2019100789 A JP 2019100789A JP 2020192191 A JP2020192191 A JP 2020192191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
concentration
carbon dioxide
gas concentration
atmospheric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019100789A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6904601B2 (ja
Inventor
祐治 小山
Yuji Koyama
祐治 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anima Corp
Original Assignee
Anima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anima Corp filed Critical Anima Corp
Priority to JP2019100789A priority Critical patent/JP6904601B2/ja
Publication of JP2020192191A publication Critical patent/JP2020192191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6904601B2 publication Critical patent/JP6904601B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

【課題】呼気ガス分析装置においてガス濃度の校正を精度良く行うことで、精度の高い呼気ガス分析データを得ることを課題とする。【解決手段】呼気中の所定ガスのガス濃度を測定する呼気ガス濃度測定部23、24と、大気ガス中の所定ガスのガス濃度を測定する大気ガス濃度測定部42と、大気ガスおよび既知のガス濃度を有する校正ガスを用いて、前記呼気ガス濃度測定部23、24によるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係式を算出し、当該関係式に基づき呼気中の前記所定ガスのガス濃度を校正する校正部55と、を備え、前記校正部55は、前記大気ガス濃度測定部42により測定された大気ガス中の前記所定ガスのガス濃度を、大気ガス中の該所定ガスのガス濃度真値として前記関係式を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、呼気ガス分析装置に係り、特に、ガス濃度の校正に関するものである。
従来、呼気ガス分析装置は、被験者の呼吸気中の測定対象ガスのガス濃度やガス量等を分析し、呼吸代謝に関する指標を求める呼吸代謝測定等の生体機能の評価や病気の診断等に用いるものである。また、従来、このような呼気ガス分析装置として、パルス状の校正ガスを一定間隔で多数回放出し、流量に対してガス濃度が遅れて測定されるその遅れ時間tdを平均することにより、ゆらぎなどによる誤差要因を排除し、遅れ時間tdを正確に求めることを可能とする、呼気ガス分析装置が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2014−18622号公報
従来、呼気ガス分析装置では、既知のガス濃度を有する校正ガス(例えば、酸素濃度が15%、二酸化炭素濃度が5%等)および大気ガスを用いて、測定ガスの測定値と真値との関係(関係式)を求めることにより、ガス濃度の校正が行われていた。この際、大気ガスの組成は、例えば、酸素濃度が20.93%、二酸化炭素濃度が0.04%のように、ある一定の既知濃度のガス組成であることを前提として、当該既知濃度(真値)と測定値との関係が求められていた。
しかし、使用環境が室内の場合は特に、室内サイズおよび室内人数等の環境因子により、一般的には既知で一定であると考えられている大気のガス濃度は一定とならず、例えば、二酸化炭素濃度については、0.04%ではなく、環境因子により上昇する傾向がある。このような環境因子による大気ガス濃度の変化が、上記校正を行う際に考慮されていないため、ガス濃度を使用するパラメータの測定(算出)精度の低下を招くという問題があった。
本開示は、上記した問題に鑑み、呼気ガス分析装置においてガス濃度の校正を精度良く行うことで、精度の高い呼気ガス分析データ(ガス濃度を使用するパラメータ)を得ることを課題とする。
本開示の一例は、呼気中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する呼気ガス濃度測定手段と、大気ガス中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する大気ガス濃度測定手段と、大気ガスおよび既知のガス濃度を有する校正ガスを用いて、前記呼気ガス濃度測定手段によるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係式を算出し、該関係式に基づき呼気中の前記所定ガスのガス濃度を校正する校正手段と、を備え、前記校正手段は、前記大気ガス濃度測定手段により測定された大気ガス中の前記所定ガスのガス濃度を、大気ガス中の該所定ガスのガス濃度真値として前記関係式を算出する呼気ガス分析装置。
である。
本開示は、情報処理装置、システム、コンピューターによって実行される方法またはコンピューターに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピューター、その他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピューター等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的または化学的作用によって蓄積し、コンピューター等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本開示によれば、呼気ガス分析装置においてガス濃度の校正を精度良く行うことで、精度の高い呼気ガス分析データ(ガス濃度を使用するパラメータ)を得ることが可能となる。
実施形態に係る呼気ガス分析装置の構成を示す概略図である。 実施形態に係る呼気ガス分析装置の機能構成の概略を示す図である。 実施形態に係るガス濃度の校正処理の流れの概要を示すフローチャートである。 実施形態に係る二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。 実施形態に係る酸素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。 従来の二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係(大気ガス濃度の変動考慮なし)を示す図である。 従来の呼気ガス分析装置の構成を示す概略図である 従来の呼気ガス分析装置におけるガス濃度校正時の出力電圧の波形を示す図である。 従来の呼気ガス分析装置における二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。
以下、本開示に係る呼気ガス分析装置および方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る呼気ガス分析装置および方法を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
本実施形態では、本開示に係る呼気ガス分析装置および方法を、呼吸代謝測定用の呼気ガス分析装置において実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る呼気ガス分析装置は、呼吸気中の測定対象ガスのガス濃度およびガス量等を分析するための技術について広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、本実施形態において示した例に限定されない。
<従来技術>
以下、従来の呼気ガス分析装置におけるガス濃度の校正方法の例について、図面を参照しつつ説明する。校正時に使用される校正用ガスとしては、通常、大気ガスおよび大気ガスとはガス組成が異なる所定ガス濃度を有する校正ガスが用いられる。従来、呼気分析装置において、校正用ガスである大気ガスについては、実大気を取り込み、校正用ガスである校正ガスについては、校正用混合ガスに係るガスボンベを使用することでガス濃度の校正を行っている。
図7は従来の呼気ガス分析装置の構成を示す概略図である。呼気ガス分析装置91は、本体92、フローセンサー93、校正器94および情報処理装置95を備える。また、本体92は、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bを備える。
本体92は、呼気ガス分析装置91の本体部であり、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bに例示される、被験者の呼気に含まれる測定対象ガスのガス濃度を測定するセンサーを備える。本体92は、フローセンサー93に接続されており、フローセンサー93に接続された呼吸気マスク等の呼吸気採取部により採取された被験者の呼気を、本体92に導入することで、当該呼気中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。また、本体92は、ガス濃度の校正時に使用される校正ガスを供給する校正器94と接続され、校正器94からサンプリングチューブ等を介して当該校正ガスが本体92に導入されることで、校正ガス中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。さらに、本体92は、一定量のガスを取り込むポンプ等を備えており、当該ポンプによりサンプリングチューブ等を介して大気ガスを取り込むことで、大気ガス中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。
また、本体92は、フローセンサー93により測定されたガス呼吸気の流速(流量)を電気信号に変換するA/D変換器、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラムおよび無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、本体92の有する各機能が実行される。
酸素センサー92Aは、呼気およびガス濃度の校正時に使用される校正用ガスに含まれる酸素の濃度を測定するセンサーであり、二酸化炭素センサー92Bは、呼気および前記校正用ガスに含まれる二酸化炭素の濃度を測定するセンサーである。
フローセンサー93は、呼吸器マスク等の呼吸器採取部(図示省略)に接続されており、当該呼吸気採取部により採取された被験者の呼吸気の流速(流量)を測定する。
校正器94は、本体92に接続され、ガス濃度の校正を行うために使用される校正ガスを、測定対象ガスを測定するセンサーに供給する。具体的には、校正器94は、校正器94内の電磁弁を開放することにより、校正器に接続されたガスボンベ中の校正ガスを、本体92の酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bに供給する。また、校正器94は、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラム、電磁弁やガスチューブ等の校正ガス供給装置および無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、校正器94の有する各機能が実行される。
情報処理装置95は、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bにおけるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係(関係式)を求めることでガス濃度の校正を行う。また、情報処理装置95は、呼吸気の流速(流量)、酸素濃度測定値および二酸化炭素濃度測定値等を用いることで、各種呼気ガス分析データ(ガス濃度やガス量を使用するパラメータ)を算出する。情報処理装置95は、データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラムおよび無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、情報処理装置95の有する各機能が実行される。
具体的には、情報処理装置95は、本体92に接続され、あるいは、接続可能となっており、本体92から、ガス濃度校正時に酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bにより測定された、校正用ガスに含まれる酸素のガス濃度測定値および二酸化炭素のガス濃度測定値を受け取る。情報処理装置95では、これらの測定値に基づき、ガス濃度の真値と測定値の関係式が求められることで、ガス濃度の校正が行われる。
また、情報処理装置95は、本体92から、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bにより測定された、呼気中の酸素濃度測定値および二酸化炭素濃度測定値やフローセンサー93により測定された呼吸気流量測定値を受け取る。情報処理装置95では、これらの測定値を前記関係式にあてはめることで、呼気中の酸素および二酸化炭素の各ガス濃度真値を求め、当該ガス濃度真値を用いることで、分時酸素摂取量、分時二酸化炭素排泄量、分時呼気換気量等の呼気ガス分析データを算出する。
なお、本実施形態における「真値」とは、「真の値と想定される値」、即ち「測定誤差が生じないガス濃度測定部によって測定され得る値」であり、実測値として取り扱う値を意味する 。
図8は、従来の呼気ガス分析装置におけるガス濃度校正時の出力電圧の波形を示す図である。図8に示されるように、初めの約10秒間大気の取り込みが行われ、その後校正ガスの取り込みが行われる。従来の呼気ガス分析装置では、まず実大気(空気)が本体92に取り込まれ、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bにより、大気中の酸素濃度および二酸化炭素濃度の測定値として、それぞれ単位時間当たりの平均電圧値(またはガス濃度)が出力される。従来の呼気ガス分析装置では、以下で詳述されるように、この実大気のガス濃度の真値を既知の濃度(例えば、酸素濃度が20.93%、二酸化炭素濃度が0.04%)として、その測定値との関係式が求められる。
次に、校正器94により校正ガスが本体92に取り込まれ、酸素センサー92Aおよび二酸化炭素センサー92Bにより、校正ガス中の酸素濃度および二酸化炭素濃度の測定値として、それぞれ単位時間当たりの平均電圧値(またはガス濃度)が出力される。ここで、校正ガスは、大気ガスとはガス組成が異なる所定ガス濃度を有する校正用ガスであり、例えば、酸素濃度が約15%、二酸化炭素濃度が約5%等の既知のガス濃度を有する校正ガスに例示される。
そして、情報処理装置95において、ガス濃度測定値とガス濃度真値との関係(関係式)が求められる。具体的には、酸素(センサー)および二酸化炭素(センサー)各々について、大気ガス測定時(測定点A)および校正ガス測定時(測定点B)の2点における測定値およびその真値を用いることで、当該2点を通る一次関数(y=ax+b)が求められる。
図9は従来の呼気ガス分析装置における二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。図9は、横軸(x)をガス濃度の真値(%)とし、縦軸(y)をセンサーによる測定値(出力電圧)(V)とする。また、酸素濃度の測定値と真値との関係も図9と同様に求められる。
図9に示されるように、大気ガス測定時(測定点A)において、二酸化炭素濃度の真値は、既知濃度である0.04%であり、測定値は2350mVである。また、同様に、校正ガス測定時(測定点B)において、二酸化炭素濃度の真値は、既知濃度である5.0%であり、測定値は2700mVである。情報処理装置95では、これらの測定値および真値を用いることで、上記2点を通過する一次関数(y=ax+b、aおよびbは定数)が求められる。そして、例えば、二酸化炭素であれば、0.04%から5.0%の間にある呼気二酸化炭素濃度が、呼気ガス測定時の二酸化炭素センサー92Bの出力電圧により求められる。具体的には、二酸化炭素センサー92Bで測定された呼気ガス中の二酸化炭素濃度を示す出力電圧値を、上記で求めた関係式のyにあてはめることで、呼気中の二酸化炭素濃度真値(x)を求めることができる。
このように、従来の呼気ガス分析装置では、ガス濃度の測定値と真値との関係を求める際、大気ガスのガス濃度真値をある一定の既知の濃度と仮定してしまうため、環境因子により大気のガス濃度、例えば、二酸化炭素濃度が0.04%ではなく上昇している場合等に、上記で求めた関係式では不十分である(精度が悪い)という問題があった。さらに、当該関係式を精度良く求めることが出来なければ、当該関係式を用いて算出されたガス濃度を使用するパラメータの算出精度の低下を招くという問題もあった。
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る呼気ガス分析装置の構成を示す概略図である。本実施形態に係る呼気ガス分析装置1は、本体2、フローセンサー3、校正器4および情報処理装置5を備える。また、本体2は、酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bを備え、校正器4は、二酸化炭素センサー4Aを備える。以下、呼気ガス分析装置1のハードウェア構成に関して説明するが、呼気ガス分析装置1の具体的なハードウェア構成は、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、本体2、校正器4および情報処理装置5は、単一の筐体からなる装置に限定されず、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
本体2は、呼気ガス分析装置1の本体部であり、酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bに例示される、被験者の呼気に含まれる測定対象ガスのガス濃度を測定するセンサーを備える。本体2は、フローセンサー3に接続されており、フローセンサー3に接続された呼吸気マスク等の呼吸気採取部により採取された被験者の呼気を、本体2に導入することで、当該呼気中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。また、本体2は、ガス濃度の校正時に使用される校正ガス(大気ガスとはガス組成が異なる所定ガス濃度を有する校正ガス)を供給する校正器4と接続され、校正器4からサンプリングチューブ等を介して当該校正ガスが本体2に導入されることで、校正ガス中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。さらに、本体2は、一定量のガスを取り込むポンプ等を備えており、当該ポンプによりサンプリングチューブ等を介して大気ガスを取り込むことで、大気ガス中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。
また、本体2は、フローセンサー3により測定された呼吸気の流速(流量)を電気信号に変換するA/D変換器、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラムおよび無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、本体2の有する各機能が実行される。
酸素センサー2Aは、呼気および校正用ガスに含まれる酸素の濃度を測定するセンサーであり、二酸化炭素センサー2Bは、呼気および校正用ガスに含まれる二酸化炭素の濃度を測定するセンサーである。二酸化炭素センサー2Bは、例えば、非分散型赤外線吸収式(NDIR、nоn dispersive infrared)センサーである。なお、本実施形態では、本体2が酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bの両者を備えるようにしたが、これに限定されるものではなく、いずれか一方のセンサーを備えるようにしてもよい。
フローセンサー3は、呼吸器マスク等の呼吸器採取部(図示省略)に接続されており、当該呼吸気採取部により採取された被験者の呼吸気の流速(流量)を測定する。
校正器4は、二酸化炭素センサー4Aに例示される、大気ガスに含まれる測定対象ガスのガス濃度を測定するセンサーを備える。二酸化炭素センサー4Aは、例えば、非分散型赤外線吸収式(NDIR)センサーであり、校正器4内(または校正器4外)の大気ガスに含まれる二酸化炭素のガス濃度を測定する。また、校正器4は、本体2に接続され、校正ガスを、測定対象ガスを測定するセンサーに供給する。具体的には、校正器4は、校正器4内の電磁弁を開放することにより、校正ガスを本体2の酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bに供給する。なお、校正ガスの供給方法および大気ガスの導入方法は、本実施形態に示された方法に限定されるものではなく、各センサーに測定対象となるガスが供給(導入)されるものであれば、種々の方法が採用されてもよい。
また、校正器4は、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラム、電磁弁やガスチューブ等の校正ガス供給装置および無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、校正器4の有する各機能が実行される。
二酸化炭素センサー4Aは、大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度を測定するセンサーであり、その性質上、呼気を測定する高速タイプのセンサーである必要はないため、二酸化炭素センサー4Aには、汎用タイプの二酸化炭素センサーが用いられてもよい。この汎用タイプの二酸化炭素センサー4Aは、呼気測定用の高速タイプの二酸化炭素センサー2Bと比較し、ガス濃度測定精度が高く、精度良く大気ガスのガス濃度を測定可能である。例えば、呼気測定用の二酸化炭素センサー2Bは、ガス濃度0.04%に対する誤差範囲が±0.26%であるが、二酸化炭素センサー4Aは、ガス濃度0.04%に対する誤差範囲が±0.075%である。
また、汎用タイプの二酸化炭素センサー4Aは、呼気用の二酸化炭素センサー2Bより比較的安価であるため、二酸化炭素センサー4Aを呼気ガス分析装置1(校正器4)に搭載する際も、二酸化炭素センサー2Bと同種の二酸化炭素センサーを搭載する場合と比較し、コストダウンを図ることが可能となる。また、呼気ガス分析装置1に、二酸化炭素センサー2Bおよび二酸化炭素センサー4Aの2種類の二酸化炭素センサーを搭載することで、これら2つの二酸化炭素センサーによりクロスチェックを行い、センサーの故障等を推測することも可能となる。例えば、2つのセンサーにより計測される値にお互いの計測精度以上の差が生じる場合は、センサーの故障と判断する等の推定が可能となる。
なお、本実施形態では、大気ガスのガス濃度を測定するための二酸化炭素センサー4Aを校正器4に搭載したが、これに限定されるものではなく、本体2に搭載されていてもよい。また、本体2と校正器4は、別体(別装置)でなく、一体(同一装置)であってもよい。さらに、本実施形態では、大気ガスのガス濃度を測定するために校正器4に備えるセンサーを二酸化炭素センサーとしたが、これに限定されるものではなく、酸素センサーであっても、酸素センサーおよび二酸化炭素センサーの両者を備えるようにしてもよい。
情報処理装置5は、酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bにおけるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係(関係式)を求めることでガス濃度の校正を行う。また、情報処理装置5は、呼吸気の流速(流量)、酸素濃度測定値および二酸化炭素濃度測定値等を用いることで、各種呼気ガス分析データ(ガス濃度やガス量を使用するパラメータ)を算出する。情報処理装置5は、データを入力するための入力装置、処理されたデータを出力するための出力装置、CPUから構成される演算装置、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、記憶装置に記憶(格納)された所定のプログラムおよび無線通信機器や有線通信機器等の通信装置等を備えており、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、情報処理装置5の有する各機能が実行される。
具体的には、情報処理装置5は、校正器4に接続され、校正器4から、ガス濃度校正時に二酸化炭素センサー4Aにより測定された、校正用ガス(大気ガス)に含まれる二酸化炭素のガス濃度測定値を受け取る。また、情報処理装置5は、本体2に接続され、あるいは、接続可能となっており、本体2から、ガス濃度校正時に酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bにより測定された、校正用ガス(大気ガスおよび校正ガス)に含まれる酸素のガス濃度測定値および二酸化炭素のガス濃度測定値を受け取る。情報処理装置5では、これらの測定値に基づき、ガス濃度の真値と測定値の関係式が求められることで、ガス濃度の校正が行われる。
また、情報処理装置5は、本体2から、酸素センサー2Aおよび二酸化炭素センサー2Bにより測定された、呼気中の酸素濃度測定値および二酸化炭素濃度測定値やフローセンサー3により測定された呼吸気流速(流量)測定値を受け取る。情報処理装置5では、これらの測定値を前記関係式にあてはめることで、呼気中の酸素および二酸化炭素の各ガス濃度真値を求め、当該ガス濃度真値を用いることで、分時酸素摂取量、分時二酸化炭素排泄量、分時呼気換気量等の呼気ガス分析データを算出する。
図2は、本実施形態に係る呼気ガス分析装置1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態では、本体2、フローセンサー3、校正器4および情報処理装置5の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。
本体2は、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行され、本体2に備えられた各ハードウェアが制御されることで、本体2におけるセンサー等の各ハードウェアを制御する制御部21、フローセンサー3にて測定された呼吸気の流速(流量)を電気信号に変換するA/D変換部22、呼気や校正用ガスに含まれる酸素のガス濃度を測定する酸素濃度測定部23、呼気や校正用ガスに含まれる二酸化炭素のガス濃度を測定する二酸化炭素濃度測定部24、呼吸気流速(流量)、酸素濃度、二酸化炭素濃度の測定値等を記憶する記憶部25および各種データの通信(送受信)を行う通信部26等として機能する。
酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24は、本願の発明の「呼気ガス濃度測定手段」の一例である。なお、呼吸代謝測定用の呼気ガス分析において、呼気中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度のみを測定するようにしてもよい。よって、本体2は、「呼気ガス濃度測定手段」として、酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24のどちら一方のみを備えるようにしてもよい。
フローセンサー3は、被験者の呼吸気の流速(流量)を測定する呼吸気量測定部31等として機能する。
校正器4は、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行され、校正器4に備えられた各ハードウェアが制御されることで、校正器4におけるセンサー等の各ハードウェアを制御する制御部41、校正用ガス(大気ガス)に含まれる二酸化炭素のガス濃度を測定する二酸化炭素濃度測定部42、本体2および二酸化炭素濃度測定部42へ校正ガスを供給する校正ガス供給部43、二酸化炭素濃度の測定値等を記憶する記憶部44および各種データの通信(送受信)を行う通信部45等として機能する。
なお、二酸化炭素濃度測定部42は、本願の発明の「大気ガス濃度測定手段」の一例である。本開示に係る呼気ガス分析装置1では、大気ガス中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定し、この測定された値を、本来既知で一定であると考えられている大気のガス濃度の真値とする。この際、大気ガス中の酸素および二酸化炭素のいずれか一方を測定し、他方を計算により求めることが可能であるため、本実施形態に係る呼気ガス分析装置1は、「大気ガス濃度測定手段」として二酸化炭素濃度測定部42を備えるが、これに限定されるものではなく、二酸化炭素濃度測定部42に加え酸素濃度測定部を備えてもよく、また、酸素濃度測定部のみを備えるようにしてもよい。
情報処理装置5は、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行され、情報処理装置5に備えられた各ハードウェアが制御されることで、情報処理装置5における各ハードウェアを制御する制御部51、データ等を入力する入力部52、処理されたデータ等を出力する出力部53、計測された各種データを用いてデータ処理を行うデータ処理部54、ガス濃度の真値および測定値との関係(関係式)を求める校正部55、本体2および校正器4における測定値や各呼気ガス分析データ等を記憶する記憶部56ならびに各種データの通信(送受信)を行う通信部57等として機能する。
校正部55は、二酸化炭素濃度測定部42に例示される大気ガス濃度測定手段により測定された大気ガス中の所定ガスのガス濃度を、校正を行う際に使用する、大気ガス中の所定ガスのガス濃度真値とすることで、呼気中の所定ガスのガス濃度を校正する。具体的には、校正部55は、酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24に例示される呼気ガス濃度測定手段による測定ガスのガス濃度測定値および当該測定ガスのガス濃度真値との関係式を求めることで、呼気中の所定ガスのガス濃度を校正する。また、データ処理部54は、前記関係式に基づき校正された呼気中の所定ガスのガス濃度を用いて、各種呼気ガス分析データを算出する。
当該関係式は、酸素および二酸化炭素各々について、大気ガス測定時(測定点A)および校正ガス測定時(測定点B)の2点における測定値およびその真値を用いることで、当該2点を通る一次関数(一次式)として求められる。なお、本実施形態では、測定点を2点とし、この2点を通る一次式を求めることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、大気ガスおよび校正ガスのガス濃度測定をそれぞれ複数回行う場合や大気ガスに加えてガス濃度が異なる2種類の校正ガスを使用する場合等も想定されるため、3点以上の測定点を設け、一次回帰式や曲線近似等により対応関係(関係式)を求めるようにしてもよい。
本実施形態では、校正部55は、校正用ガスである大気ガスのガス濃度真値として、一般的に既知とされているガス濃度(例えば、酸素濃度が20.93%、二酸化炭素濃度が0.04%)を用いるのではなく、二酸化炭素濃度測定部42により実際に大気ガスのガス濃度を測定した値を用いる。そのため、室内人数等の環境因子により、大気ガス濃度が上記既知濃度から変動した場合にも、その大気ガスのガス濃度を実測し、測定されたガス濃度実測値を当該ガス濃度の真値とすることが出来るため、精度よくガス濃度の測定値および真値との関係式を求めることが可能である。即ち、このようにして求められた関係式を用いて呼気ガス濃度を校正することにより、大気二酸化炭素の変動による誤差を消し込むことが可能となる。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る呼気ガス分析装置によって実行される処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明するフローチャートに示された処理の具体的な内容及び処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図3は、本実施形態に係るガス濃度の校正処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係るガス濃度の校正処理は、ユーザーから校正処理を開始する指示に係るデータが入力されたこと等を契機として実行される。
ステップS101では、大気ガス中の測定対象ガス(二酸化炭素)のガス濃度真値(実大気二酸化炭素濃度)とされるガス濃度が測定される。校正器4における二酸化炭素濃度測定部42は、大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度(%)を測定する。本実施形態では、例えば、二酸化炭素濃度測定部42は、大気ガス中の二酸化炭素濃度として測定値0.2%を取得する。なお、この測定された大気ガス中の二酸化炭素濃度は、呼気ガス分析時の、吸気ガス二酸化炭素分画濃度(FICO2)として取り扱うことが可能となる。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、大気ガス中の酸素のガス濃度真値(実大気酸素濃度)が算出される。一般環境における大気ガスの主要成分は、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンであり、これらのガスにより大気ガスの約99%のガス組成を担う。即ち、これらのガスのガス濃度を全て加算した値は約99%となる。室内環境においては、窒素とアルゴンは発生源および消費源が無いことから不変とすると、酸素および二酸化炭素のガス濃度を加算した値は、定数(A)と考えられるため、二酸化炭素の増加は酸素の減少ということが言える。これより、情報処理装置5における校正部55は、ステップS102で測定された大気ガス中の二酸化炭素濃度x(%)を受け取ると、大気ガス中の酸素濃度真値y(%)を以下の式により算出する。
Figure 2020192191
なお、Aは大気酸素濃度と大気二酸化炭素濃度を加算した値であれば、任意に設定可能であり、本実施形態では、20.97%を採用する。定数Aを20.97%とし、ステップS101において、大気ガス中の二酸化炭素濃度xとして測定値0.2%を取得すると、校正部55は、上述の式により、大気ガス中の酸素濃度真値yを20.77%と算出する。なお、この算出された大気ガス中の酸素濃度は、呼気ガス分析時の、吸気ガス酸素分画濃度(FIO2)として取り扱いが可能となる。なお、ステップS102における処理は、ステップS107におけるガス濃度真値およびガス濃度測定値との関係式算出の際に行われるようにしてもよい。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、本体2において大気ガス中の測定対象ガス(酸素、二酸化炭素)のガス濃度が測定される。本体2における酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24は、本体2内のポンプ等によりサンプリングチューブ等を介して取り込まれた大気ガス中の酸素および二酸化炭素のガス濃度をそれぞれ測定する。本実施形態では、例えば、酸素濃度測定部23は、大気ガス中の酸素濃度出力値として測定値1.5Vを取得し、二酸化炭素濃度測定部24は、大気ガス中の二酸化炭素濃度として測定値0.1%を取得する。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、校正用ガスである校正ガスが、本体2における酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24へ供給される。サンプリングチューブ等により本体2と校正器4が接続されると、校正ガス供給部43は、校正ガスを、校正器4から酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24へ供給する。本実施形態では、酸素濃度が15%、二酸化炭素濃度が5%のガス濃度を有する校正ガスを採用する。その後、処理はステップS105へ進む。
ステップS105では、本体2において校正ガス中の測定対象ガス(酸素、二酸化炭素)のガス濃度が測定される。本体2における酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24は、校正ガス供給部43により供給された校正ガス中の酸素および二酸化炭素のガス濃度をそれぞれ測定する。例えば、酸素濃度測定部23は、校正ガス中の酸素濃度出力値として測定値1.0Vを取得し、二酸化炭素濃度測定部24は、校正ガス中の二酸化炭素濃度として測定値4.5%を取得する。
なお、ステップS103とステップS104〜S105は順不同であり、本体2へ校正ガスが供給されガス濃度が測定された後に、本体2で大気ガスのガス濃度が測定されるようにしてもよい。その後、処理はステップS106へ進む。
ステップS106では、測定対象ガス(酸素、二酸化炭素)に係るガス濃度測定値とガス濃度真値との関係(関係式)が求められる。校正部55は、酸素および二酸化炭素の各々について、大気ガス測定時(測定点A)および校正ガス測定時(測定点B)の2点における測定値およびその真値を用いることで、当該2点を通る一次関数(一次式)を求める。ガス濃度測定値(x)とガス濃度真値(y)との関係式(一次関数)は以下の式で表される。
Figure 2020192191
Xa:大気ガス(濃度)測定値
Yb:大気ガス(濃度)真値
Xa’:校正ガス(濃度)測定値
Yb’:校正ガス(濃度)真値
図4は、本実施形態に係る二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。図4は、横軸(x)を二酸化炭素濃度の測定値(%)とし、縦軸(y)を二酸化炭素濃度の真値(%)とするが、ガス濃度の真値と測定値との関係を示せるものであればこれに限定されるものではなく、x軸とy軸の示す項目が逆であってもよい。また、二酸化炭素濃度の測定値はガス濃度(%)に限定されず、ガス濃度に対応する出力電圧(V)等であってもよく、二酸化炭素濃度測定値としてのガス濃度に対応する出力電圧(V)と二酸化炭素濃度真値(%)との関係式が求められてもよい。
図4に示されるように、大気ガス測定時(測定点A)において、二酸化炭素濃度の真値(Yb)は、実大気二酸化炭素濃度としてステップS101で測定された0.2%であり、二酸化炭素濃度の測定値(Xa)は、ステップS103で測定された0.1%である。また、校正ガス測定時(測定点B)において、二酸化炭素濃度の真値(Yb’)は、校正ガスの既知二酸化炭素濃度である5.0%であり、二酸化炭素濃度の測定値(Xa’)は、ステップS105で測定された4.5%である。校正部55は、これらの測定値および真値と上記関係式を用いることで、測定点Aおよび測定点Bの2点を通る一次関数を求める。
図5は、本実施形態に係る酸素濃度の測定値と真値との関係を示す図である。図5は、横軸(x)を酸素濃度の測定値(出力電圧)(V)とし、縦軸(y)を酸素濃度の真値(%)とするが、ガス濃度の真値と測定値との関係を示せるものであればこれに限定されるものではなく、x軸とy軸の示す項目が逆であってもよい。また、酸素濃度の測定値は出力電圧(V)に限定されず、ガス濃度(%)等であってもよく、酸素濃度測定値としてのガス濃度(%)と酸素濃度真値(%)との関係式が求められてもよい。
図5に示されるように、大気ガス測定時(測定点A)において、酸素濃度の真値(Yb)は、実大気酸素濃度としてステップS101で算出された20.77%であり、酸素濃度の測定値(Xa)は、ステップS103で測定された1.5Vである。また、校正ガス測定時(測定点B)において、酸素濃度の真値(Yb’)は、校正ガスの既知酸素濃度である15.0%であり、酸素濃度の測定値(Xa’)は、ステップS105で測定された1.0Vである。校正部55は、これらの測定値および真値と上記関係式を用いることで、測定点Aおよび測定点Bの2点を通る一次関数を求める。その後、処理はステップS107へ進む。
ステップS107では、本体2において被験者の呼気ガス中の測定対象ガス(酸素、二酸化炭素)のガス濃度が測定される。本体2における酸素濃度測定部23および二酸化炭素濃度測定部24は、フローセンサー3に接続された呼吸気マスク等の呼吸気採取部により採取された被験者の呼気が本体2に導入されると、それぞれ当該呼気中の測定対象ガスのガス濃度を測定する。また、ステップS107では、被験者の呼吸気の流速(流量)が、呼吸気量測定部31により測定され、A/D変換部22により電気信号に変換されるようにしてもよい。その後、処理はステップS108へ進む。
ステップS108では、呼気ガス濃度測定値をガス濃度の真値と測定値との関係式にあてはめることで、2つの測定点(A、B)の間にある呼気ガス濃度真値が求められる。校正部55は、ステップS107で測定された呼気ガス中の酸素濃度および二酸化炭素濃度の測定値(濃度値または出力電圧)を、それぞれ、ステップS106で求められた関係式のxにあてはめることで、呼気ガス中の酸素濃度および二酸化炭素濃度の真値(y)を算出する。なお、この算出された呼気ガス中の酸素濃度真値および二酸化炭素濃度真値は、それぞれ、呼気ガス分析時の呼気ガス酸素分画濃度(FEO2)および呼気ガス二酸化炭素分画濃度(FECO2)として取り扱いが可能となる。その後、処理はステップS109へ進む。
ステップS109では、各種呼気ガス分析データが算出される。データ処理部55は、ステップS108で算出された呼気中の酸素濃度真値および二酸化炭素濃度真値を用いて、分時酸素摂取量、分時二酸化炭素排泄量、酸素摂取量/体重、酸素換気当量、二酸化炭素換気当量等の呼気ガス分析データを算出する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
本実施形態では、大気ガス中の二酸化炭素が環境因子等により上昇した場合の例として、二酸化炭素濃度測定部42により大気ガス中の二酸化炭素濃度が0.2%と測定され、当該ガス濃度値を大気ガス中の二酸化炭素濃度真値とする場合について説明した。ここで、図6は、従来の二酸化炭素濃度の測定値と真値との関係(大気ガス濃度の変動考慮なし)を示す図である。図6に示されるように、大気ガス濃度の変動を考慮しない従来の校正方法では、二酸化炭素が環境因子等により上昇している場合にも、大気ガス測定時(測定点A)において、二酸化炭素濃度の真値は、一般的に既知濃度とされる0.04%として、関係式が算出されてしまう。そのため、本実施形態における、環境因子等による二酸化炭素濃度の上昇を考慮した関係式(図4)は、図6に示される関係式と比較し、より精度の良い関係式であることが分かる。
上述した方法により、本体2(酸素濃度測定部23、二酸化炭素濃度測定部24)におけるガス濃度の測定値と当該ガス濃度の真値との関係(式)を求めることが可能となる。また、本実施形態では、大気ガスのガス濃度真値として、二酸化炭素濃度測定部42による大気ガスのガス濃度測定値が用いられるため、環境因子により大気のガス濃度が一定とならならい場合にも、精度よくガス濃度の測定値および真値との関係式を求めることが可能である。また、精度よく前記関係式を求めることが可能となることで、当該関係式を用いて呼気ガス中のガス濃度真値を算出することにより、呼気ガス中のガス濃度真値を精度よく算出することができ、ひいては、当該ガス濃度真値を使用するパラメータである呼気ガス分析データを精度よく得ることが可能となる。
1 呼気ガス分析装置
2 本体
3 フローセンサー
4 校正器
5 情報処理装置

Claims (8)

  1. 呼気中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する呼気ガス濃度測定手段と、
    大気ガス中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する大気ガス濃度測定手段と、
    大気ガスおよび既知のガス濃度を有する校正ガスを用いて、前記呼気ガス濃度測定手段によるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係式を算出し、該関係式に基づき呼気中の前記所定ガスのガス濃度を校正する校正手段と、
    を備え、
    前記校正手段は、前記大気ガス濃度測定手段により測定された大気ガス中の前記所定ガスのガス濃度を、大気ガス中の該所定ガスのガス濃度真値として前記関係式を算出する、
    呼気ガス分析装置。
  2. 前記呼気ガス濃度測定手段は、前記大気ガスおよび校正ガスに含まれる前記所定ガスのガス濃度をそれぞれ測定し、
    前記校正手段は、前記大気ガスの測定点および前記校正ガスの測定点における前記所定ガスのガス濃度測定値およびガス濃度真値に基づき、前記関係式を算出する、
    請求項1に記載の呼気ガス分析装置。
  3. 前記関係式は、前記大気ガスの測定点および前記校正ガスの測定点の2点を通る一次関数である、
    請求項2に記載の呼気ガス分析装置。
  4. 前記校正手段は、前記呼気ガス濃度測定手段により測定された呼気中の前記所定ガスのガス濃度測定値を、前記関係式にあてはめることで、前記呼気中の所定ガスのガス濃度真値を求めることにより、該所定ガスのガス濃度を校正する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の呼気ガス分析装置。
  5. 前記呼気ガス濃度測定手段は、呼気中の二酸化炭素のガス濃度を測定する第1の二酸化炭素濃度測定手段を備え、
    前記大気ガス濃度測定手段は、大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度を測定する第2の二酸化炭素濃度測定手段を備える、
    請求項1から4に記載の呼気ガス分析装置。
  6. 前記第2の二酸化炭素濃度測定手段のガス濃度測定精度は、前記第1の二酸化炭素濃度測定手段のガス濃度測定精度と比較し、高精度である、
    請求項5に記載の呼気ガス分析装置。
  7. 前記呼気ガス濃度測定手段は、呼気中の酸素のガス濃度を測定する酸素濃度測定手段を更に備え、
    前記校正手段は、
    前記第2の二酸化炭素濃度測定手段により測定された大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度を、大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度真値として、二酸化炭素に係る前記関係式を算出し、
    大気ガス中の酸素のガス濃度真値を、大気ガス中の酸素濃度および二酸化炭素濃度を加算した濃度を示す所定の定数から前記第2の二酸化炭素濃度測定手段により測定された大気ガス中の二酸化炭素のガス濃度を減算することで算出し、酸素に係る前記関係式を算出する、
    請求項5または6に記載の呼気ガス分析装置。
  8. 呼気中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する呼気ガス濃度測定ステップと、
    大気ガス中の酸素および二酸化炭素の少なくとも一方である所定ガスのガス濃度を測定する大気ガス濃度測定ステップと、
    大気ガスおよび既知のガス濃度を有する校正ガスを用いて、前記呼気ガス濃度測定ステップによるガス濃度測定値とガス濃度真値との関係式を算出し、該関係式に基づき呼気中の前記所定ガスのガス濃度を校正する校正ステップと、を実行し、
    前記校正ステップは、前記大気ガス濃度測定ステップにより測定された大気ガス中の前記所定ガスのガス濃度を、大気ガス中の該所定ガスのガス濃度真値として前記関係式を算出する、
    方法。


JP2019100789A 2019-05-29 2019-05-29 呼気ガス分析装置および方法 Active JP6904601B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100789A JP6904601B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 呼気ガス分析装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019100789A JP6904601B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 呼気ガス分析装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020192191A true JP2020192191A (ja) 2020-12-03
JP6904601B2 JP6904601B2 (ja) 2021-07-21

Family

ID=73545525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019100789A Active JP6904601B2 (ja) 2019-05-29 2019-05-29 呼気ガス分析装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6904601B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008281514A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Tanita Corp ガス組成測定器
JP2010512953A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ 生理学的異常の検出を支援する装置、システムおよび方法
JP2011095212A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Denso Corp アルコール濃度検出装置
JP2016502077A (ja) * 2012-11-16 2016-01-21 オックスフォード メディカル ダイアグノスティックス リミテッド 可搬式呼気揮発性有機化合物分析器及びそのユニット
JP2018155509A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 株式会社タニタ 生体ガス検知装置、方法、及びプログラム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010512953A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ 生理学的異常の検出を支援する装置、システムおよび方法
JP2008281514A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Tanita Corp ガス組成測定器
JP2011095212A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Denso Corp アルコール濃度検出装置
JP2016502077A (ja) * 2012-11-16 2016-01-21 オックスフォード メディカル ダイアグノスティックス リミテッド 可搬式呼気揮発性有機化合物分析器及びそのユニット
JP2018155509A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 株式会社タニタ 生体ガス検知装置、方法、及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6904601B2 (ja) 2021-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101547716B (zh) 旁流型呼吸气体监测系统和方法
US7805975B2 (en) Gasless calibration in metabolic gas analyzers
RU2471156C2 (ru) Система и способы определения качества сигнала и коррекции сигнала
CN103380374B (zh) 测量呼气酒精浓度的方法及装置
US20070278110A1 (en) System and Method for Estimating Oxygen Concentration in a Mixed Gas Experiencing Pressure Fluctuations
JP5873216B2 (ja) 呼気アルコール濃度を測定する方法及びその装置
CN104970795B (zh) 用于测量和分析多次呼吸氮气洗出过程的装置
US5386833A (en) Method for calibrating a carbon dioxide monitor
CN101340941A (zh) 用于估计呼气末肺容量的方法和装置
CN203561610U (zh) 自标定呼气一氧化氮分析仪
KR101817752B1 (ko) 복합센서를 이용한 호흡기체 분석장치 및 호흡기체 분석방법
CN103284724A (zh) 对通气患者进行呼吸气体监测的方法、布置和计算机程序产品
US8352206B2 (en) Method for the signal linearization of a gas sensor output signal
JP2021107829A (ja) 生体ガス検知装置、方法、及びプログラム
US20160166175A1 (en) Determining respiratory gas exchange in a subject
JP6099249B2 (ja) 呼気ガス分析装置
JP6904601B2 (ja) 呼気ガス分析装置および方法
JP2003527587A (ja) 一酸化炭素生成率の生体内測定のための方法および装置
US20030023180A1 (en) Respiratory analyzer and method for measuring changes in concentration of a gas component of a breathing gas mixture
CN201061531Y (zh) 一种一体化co2浓度检测系统
JP2013068456A (ja) ガス測定装置
JP2002055049A (ja) 連続測定装置
KR102355086B1 (ko) 밀폐형 챔버를 이용한 인체 신진대사량 측정장치와 방법
JPH05329132A (ja) ブレスバイブレス代謝測定装置
US20140296729A1 (en) Gas monitoring apparatuses, methods and devices

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6904601

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250