JP2020191707A - 推定装置及び解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度よく、測定したトランジスタのオン抵抗に基づいてジャンクション温度を推定する推定装置を提供する。【解決手段】推定装置としてのコントロールユニット56において、記憶部565には、車両10の走行状態、冷却状態毎に設けられたトランジスタT1〜T6のオン抵抗と、ジャンクション温度と、の関係を示す温度特性が記憶されている。CPU562は、車両10の走行状態、冷却状態を判定する。CPU562は、判定した車両10の走行状態、冷却状態に応じた温度特性を記憶部565から抽出し、抽出した温度特性と電流測定器53、電圧測定器54により測定した電流、電圧から求めたオン抵抗とによりトランジスタT1〜T6のジャンクション温度を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、推定装置及び解析装置に関する。
近年、EV車、HEV車などのモータ制御においては、半導体スイッチを用いたインバータ装置によって所望の電力制御を行う方式のものが主流である。
半導体スイッチは、トランジスタと、このトランジスタに並列に接続されたダイオードと、から構成されている。上記半導体スイッチは、トランジスタのジャンクション温度(PN接合部の温度)が仕様を超えると破壊等の故障となる。上記ジャンクション温度は、半導体スイッチを樹脂封止したICチップ内の温度であるため、測定が困難である。
そこで、車両を定常動作させて得たインバータ運転条件に対する半導体スイッチの損失の演算式に基づいて、ジャンクション温度を推定する方法が考えられている(特許文献1〜3)。しかしながら、上記方法では、車両が定常動作を外れる動作をした場合(例えば、道路の転がり抵抗の急激な変化や、アクセル動作による急激なトルク変動)、ジャンクション温度の推定は困難である。
特開2010−124606号公報 特開平9−233832号公報 特開2005−218226号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、精度よく、測定したトランジスタのオン抵抗に基づいてジャンクション温度を推定する、又は、ジャンクション温度が限界温度に達するか否かを推定する推定装置、及び、精度よく、ジャンクション温度とトランジスタのオン抵抗との関係を解析できる解析装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る推定装置及び解析装置は、下記[1]〜[4]を特徴としている。
[1]
直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度を推定する推定装置であって、
前記車両の状態毎に設けられた前記トランジスタのオン抵抗と、前記ジャンクション温度と、の関係を示す温度特性を記憶する記憶部と、
前記トランジスタのオン抵抗を測定する測定部と、
前記車両の状態を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記車両の状態に応じた前記温度特性を前記記憶部から抽出し、前記測定部により測定された前記オン抵抗及び前記抽出した前記温度特性から前記ジャンクション温度を推定する推定部と、を備えた、
推定装置であること。
[2]
直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度が限界温度に達するか否かを推定する推定装置であって、
前記車両の状態毎に設けられた前記限界温度時の前記トランジスタのオン抵抗を記憶する記憶部と、
前記トランジスタのオン抵抗を測定する測定部と、
前記車両の状態を判定する判定部と、
前記判定部により判定された前記車両の状態に応じた前記限界温度時の前記トランジスタのオン抵抗を前記記憶部から抽出し、前記測定部により測定された前記オン抵抗及び前記抽出した前記オン抵抗から前記ジャンクション温度が前記限界温度に達するか否かを推定する推定部と、を備えた、
推定装置であること。
[3]
[1]又は[2]に記載の推定装置において、
前記車両の状態は、前記車両の走行状態及び前記車両に搭載された前記インバータの冷却状態の少なくとも一方である、
推定装置であること。
[4]
直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度とオン抵抗との関係を解析する解析装置であって、
前記車両の速度に基づいてモータ電流を推定し、推定したモータ電流に基づいて前記オン抵抗を推定するオン抵抗推定部と、
前記推定したモータ電流から前記半導体スイッチの損失を演算し、前記半導体スイッチのジャンクション部と室温との間の熱等価回路方程式と前記演算した半導体スイッチの損失とから前記トランジスタのジャンクション温度を推定するジャンクション温度推定部と、を有する、
解析装置であること。
上記[1]の構成の推定装置によれば、車両の状態毎に設けたオン抵抗とジャンクション温度との関係を記憶部に記憶させているので、演算量を抑制しつつ車両の状態に応じて精度よくトランジスタのジャンクション温度を推定できる。
上記[2]の構成の推定装置によれば、車両の状態毎に設けた限界温度時のオン抵抗を記憶部に記憶させているので、演算量を抑制しつつ車両の状態に応じて精度よくジャンクション温度が限界温度に達するか否かを推定できる。
上記[3]の構成の推定装置によれば、車両の走行状態やインバータの冷却状態に応じて推定できるため、より一層精度よく推定できる。
上記[4]の構成の解析装置によれば、車両の速度に応じてトランジスタのオン抵抗、ジャンクション温度を推定できるので、車両の走行状態に応じたトランジスタのオン抵抗と、ジャンクション温度との関係を解析することができる。また、熱等価回路方程式を冷却状態に応じて変更すれば、冷却状態に応じたトランジスタのオン抵抗と、ジャンクション温度との関係を解析することができる。
本発明の推定装置によれば、精度よく、ジャンクション温度を推定する、又は、ジャンクション温度が限界温度に達するか否かを推定する推定装置を提供できる。また、精度よく、トランジスタのオン抵抗とジャンクション温度との関係を解析できる解析装置を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の推定装置を組み込んだ車両駆動システムの一実施形態を示すシステム図である。 図2は、図1に示すCPUが実行する温度推定処理手順を示すフローチャートである。 図3は、図1に示す半導体スイッチを搭載したICチップの配置を説明するための図である。 図4は、図1に示すインバータ装置の熱等価回路の一例を示す図である。 図5は、正常な冷却状態、通常EV走行状態における車両の速度に対するオン抵抗と、トランジスタのジャンクション温度と、順方向電圧と、ダイオードのジャンクション温度と、をシミュレーションした結果を示す。 図6は、不具合のある冷却状態、通常EV走行状態における車両の速度に対するオン抵抗と、トランジスタのジャンクション温度と、順方向電圧と、ジャンクション温度と、をシミュレーションした結果を示す。 図7は、正常な冷却状態、通常EV走行状態におけるインバータ装置の挙動を説明図である。 図8は、不具合時の通常EV走行におけるインバータ装置の挙動を説明図である。 図9は、他の実施形態における図1に示すCPUが実行する温度推定処理手順を示すフローチャートである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1に示す車両駆動システム1は、モータ3により車両10を駆動するためのシステムである。同図に示すように、車両駆動システム1は、バッテリ2と、モータ3と、減速機4と、インバータ装置5と、を備えている。
バッテリ2は、後述するモータ3に電源を供給するための直流電源である。モータ3は、周知の三相交流モータであり、車両10の駆動力を発生する。減速機4は、モータ3の回転速度を減じ、トルク力を増して車両10のドライブシャフトに出力する機器である。
インバータ装置5は、バッテリ2からの直流電源を交流に変換してモータ3に供給するための装置である。インバータ装置5は、インバータ51と、位置測定器52と、電流測定器53と、電圧測定器54と、トルク測定器55と、推定装置としてのコントロールユニット56と、を備えている。
インバータ51は、6つの半導体スイッチS1〜S6の制御によりバッテリ2からの直流電源を三相交流に変換してモータ3に供給する。半導体スイッチS1〜S6は各々、例えばゲート絶縁型バイポーラトランジスタ(IGBT)から構成されるトランジスタT〜Tと、このトランジスタT〜Tの各々に並列接続されるダイオードD1〜D6と、を有している。
上記半導体スイッチS1と半導体スイッチS2が直列接続され、半導体スイッチS3と半導体スイッチS4が直列接続され、半導体スイッチS5と半導体スイッチS6が直列接続されている。また、半導体スイッチS1及びS2から成る直列回路と、半導体スイッチS3及びS4から成る直列回路と、半導体スイッチS5及びS6から成る直列回路と、は並列接続されている。
そして、上記半導体スイッチS1及びS2の接続点、半導体スイッチS3及びS4の接続点、半導体スイッチS5及びS6の接続点からそれぞれ三相電流iu、iv、iwが出力され、モータ3に供給される。
位置測定器52は、減速機4による減速後のモータ3の角速度(即ち、ドライブシャフトの角速度)を測定して、後述するコントロールユニット56のCPU562に出力する。電流測定器53は、モータ3に供給される三相電流iu、iv、iwを測定して、後述するコントロールユニット56の電流制御部563に出力する。電圧測定器54は、各半導体スイッチS1〜S6の両端電圧を測定して、後述するコントロールユニット56のCPU562に出力する。トルク測定器55は、減速機4による減速後のモータ3のトルク(即ち、ドライブシャフトのトルク)を測定して、後述するコントロールユニット56のCPU562に出力する。
コントロールユニット56は、車両10の速度が速度指示値VになるようなデューティでトランジスタT〜Tをオンオフ制御して、三相電流iu、iv、iwを出力させる。また、コントロールユニット56は、測定した半導体スイッチS1〜S6の両端電圧からトランジスタT〜T及びダイオードD1〜D6のジャンクション部(PN接合部)の温度を推定する。以下、トランジスタT〜Tのジャンクション部の温度をジャンクション温度TJTとし、ダイオードD1〜D6のジャンクション部の温度をジャンクション温度TJDとする。コントロールユニット56は、推定したジャンクション温度TJT、TJDが限界温度を越えていると判定すると、ジャンクション温度TJT、TJDが下がるようにモータ3を制御する。
コントロールユニット56は、インタフェース(以下IF)561と、推定部としてのCPU562と、電流制御部563と、ゲートドライブ回路564と、記憶部565と、を備えている。
IF561には、減速機4からの減速比GR及びアクセル、ブレーキの踏みこみ量などに応じた速度指令値Vが入力されている。IF561は、速度指令値Vを、減速機4による減速後のモータ3の角速度指令値ω/GRに変換して、CPU562に出力する。速度指令値Vは、下記の式(1)により表わされる。よって、式(2)により角速度指令値ω/GRを求めることができる。
(km/h)=ω/GR×車輪半径RD×3600…(1)
ω/GR=V(km/h)/(車輪半径RD×3600)…(2)
また、CPU562には、IF561から入力された角速度指令値ω/GRと、位置測定器52により測定した角速度測定値ω/GRと、が入力される。CPU562は、ω/GRとω/GRとの偏差に基づいたトルク指令値Tqを周知のPI制御(フィードバック制御)により算出する。モータ3に供給する電流には、回転磁界を発生させる励磁電流idと、トルクの発生に必要なトルク電流iqと、が含まれている。トルクTqとトルク電流iqとは、比例関係である。そこで、本実施形態では、CPU562は、算出したトルク指令値Tqをトルク電流指令値iqとする。また、CPU562は、ω/GRに応じて励磁電流指令値idを定める。CPU562は、このトルク電流指令値iq及び励磁電流指令値idを電流制御部563に対して出力する。
電流制御部563には、CPU562からのトルク電流指令値iq及び励磁電流指令値idと、電流測定器53により測定された三相電流iu、iv、iwと、位置測定器52により測定した角速度ω/GRから求めた回転角θ/GRと、が入力される。電流制御部563は、回転角θ/GRと同時に測定された三相電流iu、iv、iwを周知の三相/dq変換してトルク電流測定値iq及び励磁電流測定値idを求める。
電流制御部563は、CPU562から入力されたトルク電流指令値iqと、三相/dq変換したトルク電流測定値iqの偏差に基づいたモータ3のトルク電圧指令値vqをPI制御により算出する。同様に、電流制御部563は、CPU562から入力された励磁電流指令値idと、三相/dq変換した励磁電流測定値idの偏差に基づいて励磁電圧指令値vdをPI制御により算出する。
次に、電流制御部563は、回転角θ/GRに基づいて、上記トルク電圧指令値vq及び励磁電圧指令値vdをdq/三相変換して三相電圧指令値Vu、Vv、Vwを演算し、ゲートドライブ回路564に出力する。ゲートドライブ回路564は、三相電圧指令値Vu、Vv、VwになるようなデューティのPWM信号をトランジスタT〜Tのゲートに出力してオンオフを制御する。
また、記憶部565には、走行状態(トルク、加速度、スリップ等)、冷却状態(冷却器温度、水冷能力、空冷能力、雰囲気温度等)毎に設けたトランジスタT〜Tのオン抵抗Ronとジャンクション温度TJDとの関係を示すRon−TJT温度特性が記憶されている。また、記憶部565には、走行状態、冷却状態毎に設けたダイオードD1〜D6の順方向電圧Vとジャンクション温度TJDとの関係を示すV−TJD温度特性が記憶されている。温度特性としては、関係式であってもよいし、表などであってもよい。
そして、CPU562は、上記Ron−TJT温度特性と電流測定器53及び電圧測定器54により測定したオン抵抗Ronに基づいて、トランジスタT〜Tのジャンクション温度TJTを推定する。また、CPU562は、上記V−TJD温度特性と電圧測定器54により測定した順方向電圧Vに基づいて、ダイオードD1〜D6のジャンクション温度TJDを推定する。
次に、ジャンクション温度TJT、TJDの推定の詳細について、図2を参照して説明する。まず、CPU562は、トランジスタT〜Tのオン抵抗Ron及びダイオードD1〜D6の順方向電圧Vを測定する(ステップSp1)。トランジスタT〜Tのオン抵抗Ronは、下記の式(3)により求めることができる。
on=VCE/I…(3)
なお、VCEは、トランジスタT〜Tのコレクタ−エミッタ電圧である。Iは、トランジスタT〜Tに流れる電流である。
電圧測定器54により測定される半導体スイッチS1〜S6の両端電圧が、コレクタ−エミッタ電圧VCEに相当する。また、トランジスタT〜Tのオン時に電流測定器53により測定された三相電流iu、iv、iwが、電流Iに相当する。
よって、CPU562は、電圧測定器54により測定された半導体スイッチS1〜S6の両端電圧をVCEとして式(3)に代入し、トランジスタT〜Tのオン時に電流測定器53により測定された三相電流iu、iv、iwをIとして式(3)に代入して、Ronを求める。以上のことから明らかなように、電流測定器53、電圧測定器54及びCPU562が、測定部として機能する。また、CPU562は、トランジスタT〜Tのオン時に電圧測定器54により測定される半導体スイッチS1〜S6の両端電圧を、ダイオードD1〜D6の順方向電圧Vとして求める。
次に、CPU562は、判定部として機能し、トルク測定器55からのトルクや車両10の速度、温度センサ(図示せず)からの温度などに基づいて車両10の走行状態、冷却状態を判定する(ステップSp2)。その後、CPU562は、判定した走行状態、冷却状態に対応するRon−TJT温度特性、V−TJD温度特性をそれぞれ記憶部565から抽出する(ステップSp3)。そして、CPU562は、推定部として機能し、Ron−TJT温度特性とステップSp1で測定したオン抵抗Ronからジャンクション温度TJTを推定する(ステップSp4)。また、CPU562は、抽出したV−TJD温度特性とステップSp1で測定したダイオードD1〜D6の順方向電圧Vからジャンクション温度TJDを推定する(ステップSp4)。
このジャンクション温度TJT、TJDの双方が限界温度を超えない場合(ステップSp5でN)、CPU562は、直ちにステップSp1に戻る。一方、ジャンクション温度TJD、TJDの少なくとも一方が限界温度を超える場合(ステップSp5でY)、CPU562は、速度指令値Vの抑制制御、トルク電流指令値iqの抑制制御、励磁電流指令値idの増加制御、三相電流指令値iu、iv、iwの抑制制御、の少なくとも1以上を行った後(ステップSp6)、ステップSp1に戻る。
上記温度特性は、走行状態、冷却状態毎にジャンクション温度TJTとオン抵抗Ronとの関係、ジャンクション温度TJDと順方向電圧Vとの関係を、それぞれ図示しないマイコンなどにより構成された解析装置によりシミュレーションすることにより得られる。この解析装置が行うシミュレーションの詳細について説明する。本実施形態では、例えば、車両10を0km/hから100km/hまで所定の加速度で加速させ、100km/hで等速走行させ、その後、100km/hから0まで所定の加速で減速させた走行状態(以下、通常EV走行状態)のオン抵抗Ronと、順方向電圧Vと、ジャンクション温度TJT、TJDと、を解析装置により予めシミュレーションで求める場合について説明する。
まず、解析装置は、オン抵抗推定部、順方向推定部、ジャンクション温度推定部として機能し、所定時間毎に車両10の速度Vに応じたオン抵抗Ron、順方向電圧V及びジャンクション温度TJT、TJDを推定する。まず、オン抵抗Ronの推定について詳細を説明する。Ronは、トランジスタT〜Tのジャンクション温度TJTに比例する温度特性を有する。ジャンクション温度TJTとオン抵抗Ronとの関係は、半導体スイッチS1〜S6のメーカから提供されていて予め分かっている。解析装置は、トランジスタT〜Tの種類(メーカ、製品、仕様)毎にRonを求めることができる。
解析装置の図示しないメモリには、ジャンクション温度TJTとRonとの温度特性が記憶されている。解析装置は、メモリに記憶された温度特性に基づいて、前回の車両の速度Vに応じて推定したジャンクション温度TJTに対応したRonを、今回の車両の速度Vに応じたRonとして推定する。
次に、順方向電圧Vの推定について詳細を説明する。解析装置は、所定時間毎に車両10の速度Vに応じたトルク電流iq、励磁電流idを求め、求めたトルク電流iq、励磁電流idをdq/三相変換して、三相電流値iu、iv、iwを求める。速度Vからトルク電流iq、励磁電流idを求める方法としては、上述したように速度指令値Vからトルク電流指令値iq、励磁電流指令値idを求める方法と同じである。なお、速度指令値Vからトルク電流指令値iq、励磁電流指令値idを求めるために必要な、角速度測定値ω/GRは、前回の車両10の速度Vから求める。
ダイオードD1〜D4には、速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iwが順方向電流Iとして流れる。Vは、Iに比例した値であり、ジャンクション温度TJDに反比例する値である。また、ダイオードD1〜D6のジャンクション温度TJD毎のV−I特性は、半導体スイッチS1〜S6のメーカから提供されていて予め分かっている。解析装置は、ダイオードD1〜D6の種類(メーカ、製品、仕様)毎に順方向電圧Vを求めることができる。
解析装置の図示しないメモリには、ジャンクション温度TJD毎のV−I特性が記憶されている。解析装置は、メモリから、前回の車両10の速度Vから推定したジャンクション温度TJDに対応するV−I特性を抽出する。解析装置は、抽出したV−I特性とI(=速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iw)とから求めたVを、今回の速度Vに応じたVとして推定する。
また、解析装置は、所定時間毎に車両10の速度Vに応じたジャンクション温度TJT、TJDを推定する。詳細について説明すると、解析装置は、求めた三相電流値iu、iv、iwからトランジスタT〜T及びダイオードD1、D2に発生する損失(熱量)P及びPを演算する。上述したようにトランジスタT〜Tは、PWM信号によりオンオフ動作する。
トランジスタT〜Tは、オン時に低抵抗のオン抵抗となり電流が流れ、オフ時に高抵抗のオフ抵抗となり電流が遮断される。このため、トランジスタT〜Tは、主にオン時に電流が流れて損失(熱量)Pが発生する。このとき、トランジスタT〜Tに発生する損失Pは下記の式(4)となる。
=Ron×I …(4)
トランジスタT〜Tには、速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iwがオン時に流れる。よって、解析装置は、速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iwを式(4)のIに代入する。また、解析装置は、上述したように図示しないメモリに記憶されたRon−TJT特性から求めたRonを、式(4)に代入する。上述したように、オン抵抗Ronは、トランジスタT〜Tの種類(メーカ、製品、仕様)毎に求めることができる。よって、損失Pも、トランジスタT〜Tの種類毎に求めることができる。
ダイオードD1〜D6は、トランジスタT〜Tのオン時に逆方向電圧が印加され高抵抗となり電流が遮断され、トランジスタT〜Tのオフ時に順方向電圧Vが印加され低抵抗となり電流が流れる。このため、ダイオードD1〜D6は、主にオフ時に電流が流れて損失(熱量)Pが発生する。このとき、ダイオードD1〜D6に発生する損失Pは下記の式(5)となる。
=V×I…(5)
ダイオードD1〜D4には、速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iwが順方向電流として流れる。よって、解析装置は、速度Vから求めた三相電流値iu、iv、iwを式(5)のIに代入する。また、解析装置は、上述したようにメモリに記憶されたV−I特性から求めたVを式(5)に代入する。
本実施形態においてトランジスタT〜T及びダイオードD1〜D6で発生した熱は、図3に示す半導体スイッチS1〜S6を搭載したICチップ12のパッケージ、インバータモジュール基板13の順で伝わり、その後、ヒートシンク(冷却)14に伝わる。トランジスタT〜Tのジャンクション温度TJT及び損失P、ダイオードD1〜D6のジャンクション温度TJD及び損失P、ヒートシンク14などの冷却器により冷却された室温T、の関係は、図4に示すような熱等価回路で表わすことができる。
そこで、解析装置は、室温T(=初期雰囲気温度(例えば27℃=300K)とする)と、上述したように速度Vから三相電流指令値iu、iv、iwから求めた損失P、Pと、から図4に示す熱等価回路で表わされる熱等価回路方程式を用いてジャンクション温度TJT、TJDを推定する。
なお、本実施形態では、ジャンクション温度TJT、TJDとICチップ12のパッケージの温度Tとの間の熱等価回路方程式は、図4に示すように、3次元の縦横斜めの伝熱経路と熱容量で構成した周知のJEITAモデルを採用している。また、ICチップ12のパッケージの温度Tとヒートシンク14を介した室温T間の熱等価回路方程式は、熱抵抗・熱容量によるRCラダー熱等価回路による周知の構造関数モデルを採用している。
次に、ジャンクション温度TJT、TJDのシミュレーションについて詳細に説明する。図4に示すように、トランジスタT〜Tのジャンクション温度TJT、ダイオードD1〜D6のジャンクション温度TJDは、下記の式(6)、(7)で表わされる。
JT=ΔT(JT−B)+ΔT(B−R)+T…(6)
JD=ΔT(JD−B)+ΔT(B−R)+T…(7)
ΔT(JT−B)は、トランジスタT〜Tのジャンクション温度TJTとICチップ12のパッケージ温度Tとの差である。ΔT(JD−B)は、ダイオードD1〜D6のジャンクション温度TJDとICチップ12のパッケージ温度Tとの差である。ΔT(B−R)は、パッケージ温度Tと室温Tとの差である。
解析装置は、上記JEITAモデルを採用した熱等価回路方程式に上記求めたトランジスタT〜Tで発生する損失P、ダイオードD1〜D6で発生する損失Pをそれぞれ代入してΔT(JD−B)、ΔT(JT−B)を求める。この熱等価回路では、損失P、損失Pを当該熱等価回路に流れる電流として、その両端電圧をΔT(JT−B)、ΔT(JD−B)として求めることができる。
また、解析装置は、上記構造関数モデルを採用した熱等価回路方程式に上記求めたダイオードD1〜D6で発生する損失P及びトランジスタT〜Tで発生する損失Pを代入してΔT(B−R)を求める。この熱等価回路では、損失P+Pを当該熱等価回路に流れる電流として、その両端電圧をΔT(B−R)として求めることができる。
解析装置は、求めたΔT(JT−B)、ΔT(JD−B)、ΔT(B−R)を式(6)、(7)に代入してジャンクション温度TJD、TJTを求める。
上記構造関数モデルを採用した熱等価回路方程式は、冷却能力によって構成する熱抵抗、熱容量を変更される。これにより、解析装置は、冷却状態毎にジャンクション温度TJT、TJDを求めることができる。上述した解析装置によれば、車両10の種類毎、車両10の走行状態毎、車両10の冷却状態毎にオン抵抗Ronと、順方向電圧Vと、ジャンクション温度TJT、TJDとを求めることができる。
上述した解析装置により求めた、車両10の速度に対応するオン抵抗Ronと、順方向電圧Vと、ジャンクション温度TJT、TJDと、のシミュレーション結果を簡易的に表わしたものを図5及び図6に示す。図5は、正常な冷却状態、通常EV走行状態における車両10の速度(km/h)と、オン抵抗Ron(mΩ)と、順方向電圧V(V)と、ジャンクション温度TJT、TJD(K)との関係を示すグラフである。図6は、不具合のある冷却状態、通常EV走行状態における車両10の速度(km/h)と、オン抵抗Ron(mΩ)と、順方向電圧V(V)と、ジャンクション温度TJT、TJD(K)との関係を示すグラフである。図5及び図6に示すように、オン抵抗Ronとジャンクション温度TJTとは正の温度特性を持ち、下記の式(8)で表わすことができる。
ジャンクション温度TJT=α×オン抵抗Ron…(8)
また、順方向電圧Vとジャンクション温度TJDとは負の温度特性を持ち、下記の関係式(9)で表わすことができる。
ジャンクション温度TJD=β(最大順方向電圧−γ×順方向電圧V)…(9)
また、正常な冷却状態、通常EV走行状態におけるインバータ装置5の挙動を図7に示す。図7に示すように、トランジスタT〜Tがオンすると、ジャンクション温度TJTが上昇し、オン抵抗Ronが低下し、損失電力Pが上昇する。この損失電力Pの上昇によりさらにジャンクション温度TJTが上昇する。
一方、トランジスタT〜Tがオフすると、ジャンクション温度TJTが低下し、オン抵抗Ronが上昇し、損失電力Pが低下する。この損失電力Pの低下によりさらにジャンクション温度TJTが低下する。
また、図7に示すように、ダイオードD1〜D6は、トランジスタT〜Tのオンオフに応じて順方向、逆方向に交互に電圧が印加される。ダイオードD1〜D6に順方向の電圧が印加されると、ジャンクション温度TJDが上昇し、順方向電圧Vが低下し、損失電力Pが上昇する。この損失電力Pの上昇によりさらにジャンクション温度TJDが上昇する。
一方、ダイオードD1〜D6に逆方向の電圧が印加されると、ジャンクション温度TJDが低下し、順方向電圧Vが上昇し、損失電力Pが低下する。この損失電力Pの低下によりさらにジャンクション温度TJDが低下する。即ち、正常な冷却状態においては、ジャンクション温度TJT、TJDはトランジスタT〜Tのオフ時に低下するため、ジャンクション温度TJT、TJDが上昇し続けることはない。このため、図5に示すように、正常な冷却状態においては、オン抵抗Ronは34〜52mΩの範囲内となり、ジャンクション温度TJTは、300K〜500Kの範囲内で変動する。また、順方向電圧Vは1.12V〜1.31Vの範囲内となり、ジャンクション温度TJDは300K〜400Kの範囲内で変動する。
また、不具合のある冷却状態、通常EV走行状態におけるインバータ装置5の挙動を図8に示す。図8に示すように、トランジスタT〜Tのオンオフに関係なく、ジャンクション温度TJTが上昇、オン抵抗Ronが低下、損失電力Pが上昇する。そして、この損失電力Pの上昇によりさらにジャンクション温度TJTが上昇する自己発熱状態となってしまう。また、ダイオードD1〜D6については、印加される電圧の向きに関係なく、ジャンクション温度TJDが上昇、順方向電圧Vが低下、損失電力Pが上昇する。そして、この損失電力Pの上昇によりさらにジャンクション温度TJDが上昇する自己発熱状態となってしまう。このため、図6に示すように、不具合のある冷却状態においては、オン抵抗Ronは34〜2900mΩの範囲内となり、ジャンクション温度TJTは、0K〜29000Kの範囲内で変動する。また、順方向電圧Vは0〜1.2Vの範囲内となり、ジャンクション温度TJDは300K〜8400Kの範囲内で変動する。即ち、冷却状態に応じてオン抵抗Ronとジャンクション温度TJTとの関係を示す温度特性、順方向電圧Vとジャンクション温度TJDとの関係を示す温度特性が変動することが分かる。
正常な冷却状態及び不具合のある冷却状態にそれぞれ対応するオン抵抗Ronと、ジャンクション温度TJTと、の温度特性は、下記の式(10)、(11)で表わすことができる。このように、車両の走行状態、冷却状態毎に設けたRon−TJT温度特性が記憶部565に記憶される。
ジャンクション温度TJT=α1×オン抵抗Ron…(10)
なお、上記定数α1は、図5から求めた定数である。
ジャンクション温度TJT=α2×オン抵抗Ron…(11)
なお、上記定数α2は、図5から求めた定数である。
また、正常な冷却状態及び不具合のある冷却状態にそれぞれ対応する順方向電圧Vと、ジャンクション温度TJDと、の温度特性は、下記の式(12)、(13)で表わすことができる。このように、車両の走行状態、冷却状態毎に設けたV−TJD温度特性が記憶部565に記憶される。
ジャンクション温度TJD=α1(最大順方向電圧−β1×順方向電圧V)…(12)
なお、上記定数α1、β1及び最大順方向電圧は、図5から求めた定数である。
ジャンクション温度TJD=α2(最大順方向電圧−β2×順方向電圧V)…(13)
なお、上記定数α2、β2及び最大順方向電圧は、図6から求めた定数である。
メーカ側では、車両10の種類、トランジスタT〜Tの特性、ダイオードD1〜D6の特性、冷却状態、走行状態毎に解析装置を用いてオン抵抗Ronと、順方向電圧Vと、ジャンクション温度TJT、TJDと、をシミュレーションし、オン抵抗Ronとジャンクション温度TJTとの関係、順方向電圧Vとジャンクション温度TJDとの関係を示す温度特性を求める。そして、搭載される車両10の種類、トランジスタT〜Tの種類、ダイオードD1〜D6の種類に応じた温度特性を記憶部565に記憶させている。
なお、上記実施形態によれば、説明を簡単にするために、2種類のRon−TJT温度特性、V−TJD温度特性(正常な冷却状態での通常EV走行と、不具合のある冷却状態での通常EV走行と、の2つ)を記憶部565に記憶させる例について説明したが、これに限ったものではない。上記解析装置のシミュレーションにより、例えば、スリップ走行や低速走行などに対応するRon−TJT温度特性、V−TJD温度特性を記憶部565に記憶させるようにしてもよい。
上述した実施形態によれば、記憶部565には、車両10の走行状態、冷却状態毎に設けられたトランジスタT〜Tのオン抵抗Ronと、ジャンクション温度TJTと、の関係を示す温度特性を記憶させている。そして、CPU565は、車両10の走行状態、冷却状態を判定し、判定された車両10の走行状態、冷却状態に対応する温度特性を抽出し、抽出した温度特性と測定したオン抵抗Ronからジャンクション温度TJTを推定している。これにより、演算量を抑制しつつ車両10の走行状態、冷却状態に応じて精度よくトランジスタT〜Tのジャンクション温度TJTを推定できる。
また、上述した実施形態によれば、解析装置は、車両10の速度に基づいてモータ電流を推定し、推定したモータ電流に基づいて順方向電圧を推定している。また、解析装置は、推定したモータ電流から半導体スイッチS1〜S6の損失P、Pを演算し、演算した損失P、P及び半導体スイッチS1〜S6のジャンクション部と室温Tとの間の熱等価回路方程式からトランジスタT〜Tのジャンクション温度TJTを推定している。これにより、車両10の速度に応じてトランジスタT〜Tのオン抵抗Ron、ジャンクション温度TJTを推定できるので、車両10の走行状態に応じたトランジスタT〜Tのオン抵抗Ronと、ジャンクション温度TJTとの関係を解析することができる。また、熱等価回路方程式を冷却状態に応じて変更すれば、冷却状態に応じたトランジスタT〜Tのオン抵抗Ronと、ジャンクション温度TJTとの関係を解析することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上述した実施形態によれば、走行状態、冷却状態毎にRon−TJT温度特性、V−TJD温度特性を記憶部565に記憶させていたが、これに限ったものではない。例えば、記憶部565に、車両10の状態(冷却状態、走行状態)に応じた限界温度時のオン抵抗Ron、順方向電圧Vを記憶させるようにしてもよい。この関係は、上述した解析装置により求めたオン抵抗Ronとジャンクション温度TJTとの関係、順方向電圧Vとジャンクション温度TJDとの関係から求めることができる。
次に、この場合のCPUの動作について図9を参照して説明する。なお、図9において、上述した実施形態で既に説明した図2に示すステップと同じ部分については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、CPU562は、第1実施形態と同様に、オン抵抗Ron、順方向電圧Vを測定する(ステップSp1)。次に、CPU562は、車両10の走行状態、冷却状態を判定する(ステップSp2)。その後、CPU562は、判定した走行状態、冷却状態に対応する限界温度時のオン抵抗Ron、順方向電圧Vを記憶部565から抽出し(ステップSp7)、抽出したオン抵抗Ronと測定したオン抵抗Ronとを比較して、ジャンクション温度TJTが限界温度を越えたか否かを判定する(ステップsp5)。また、CPU562は、抽出した順方向電圧Vと測定した順方向電圧Vとを比較して、ジャンクション温度TJDが限界温度を越えたか否かを判定する(ステップsp5)。以下、第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
この場合、オン抵抗Ron、順方向電圧Vからジャンクション温度TJT、ジャンクション温度TJDを推定することなく、オン抵抗Ron、順方向電圧Vから直接、限界温度に達したか否かを判定することができる。
ここで、上述した本発明に係る推定装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
直流電源(2)を交流に変換して車両(10)に搭載されたモータ(3)に供給するインバータ(51)を構成する半導体スイッチ(S1〜S6)に含まれるトランジスタ(T〜T)のジャンクション温度(TJT)を推定する推定装置(56)であって、
前記車両(10)の状態毎に設けられた前記トランジスタ(T〜T)のオン抵抗(Ron)と、前記ジャンクション温度(TJT)と、の関係を示す温度特性を記憶する記憶部(565)と、
前記トランジスタ(T〜T)のオン抵抗(Ron)を測定する測定部(53、54、562)と、
前記車両(10)の状態を判定する判定部(562)と、
前記判定部(562)により判定された前記車両(10)の状態に応じた前記温度特性を前記記憶部(565)から抽出し、前記測定部(53、54、562)により測定された前記オン抵抗(Ron)及び前記抽出した前記温度特性から前記ジャンクション温度(TJT)を推定する推定部(562)と、を備えた、
推定装置(56)。
[2]
直流電源(2)を交流に変換して車両(10)に搭載されたモータ(3)に供給するインバータ(51)を構成する半導体スイッチ(S1〜S6)に含まれるトランジスタ(T〜T)のジャンクション温度(TJT)が限界温度に達するか否かを推定する推定装置(56)であって、
前記車両(10)の状態毎に設けられた前記限界温度時の前記トランジスタ(T〜T)のオン抵抗(Ron)を記憶する記憶部(565)と、
前記トランジスタ(T〜T)のオン抵抗(Ron)を測定する測定部(53、54、562)と、
前記車両(10)の状態を判定する判定部(562)と、
前記判定部(562)により判定された前記車両(10)の状態に応じた前記限界温度時の前記トランジスタ(T〜T)のオン抵抗(Ron)を前記記憶部(565)から抽出し、前記測定部(53、54、562)により測定された前記オン抵抗(Ron)及び前記抽出した前記オン抵抗(Ron)から前記ジャンクション温度(TJT)が前記限界温度に達するか否かを推定する推定部(562)と、を備えた、
推定装置(56)。
[3]
[1]又は[2]に記載の推定装置(56)において、
前記車両(10)の状態は、前記車両(10)の走行状態及び前記車両(10)に搭載された前記インバータ(51)の冷却状態の少なくとも一方である、
推定装置(56)。
[4]
直流電源(2)を交流に変換して車両(10)に搭載されたモータ(3)に供給するインバータ(51)を構成する半導体スイッチ(S1〜S6)に含まれるトランジスタ(T〜T)のジャンクション温度(TJT)とオン抵抗(Ron)との関係を解析する解析装置であって、
前記車両(10)の速度に基づいてモータ電流を推定し、推定したモータ電流に基づいて前記オン抵抗(Ron)を推定するオン抵抗推定部と、
前記推定したモータ電流から前記半導体スイッチ(S1〜S6)の損失(P及びP)を演算し、前記半導体スイッチ(S1〜S6)のジャンクション部と室温(T)との間の熱等価回路方程式と前記演算した半導体スイッチ(S1〜S6)の損失(P及びP)とから前記トランジスタ(T〜T)のジャンクション温度(TJT)を推定するジャンクション温度推定部と、を有する、
解析装置。
2 バッテリ(直流電源)
3 モータ
10 車両
51 インバータ
53 電流測定器(測定部)
54 電圧測定器(測定部)
56 コントロールユニット(推定装置)
562 CPU(測定部、判定部、推定部)
565 記憶部
S1〜S6 半導体スイッチ
〜T トランジスタ
JT ジャンクション温度
on オン抵抗

Claims (4)

  1. 直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度を推定する推定装置であって、
    前記車両の状態毎に設けられた前記トランジスタのオン抵抗と、前記ジャンクション温度と、の関係を示す温度特性を記憶する記憶部と、
    前記トランジスタのオン抵抗を測定する測定部と、
    前記車両の状態を判定する判定部と、
    前記判定部により判定された前記車両の状態に応じた前記温度特性を前記記憶部から抽出し、前記測定部により測定された前記オン抵抗及び前記抽出した前記温度特性から前記ジャンクション温度を推定する推定部と、を備えた、
    推定装置。
  2. 直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度が限界温度に達するか否かを推定する推定装置であって、
    前記車両の状態毎に設けられた前記限界温度時の前記トランジスタのオン抵抗を記憶する記憶部と、
    前記トランジスタのオン抵抗を測定する測定部と、
    前記車両の状態を判定する判定部と、
    前記判定部により判定された前記車両の状態に応じた前記限界温度時の前記トランジスタのオン抵抗を前記記憶部から抽出し、前記測定部により測定された前記オン抵抗及び前記抽出した前記オン抵抗から前記ジャンクション温度が前記限界温度に達するか否かを推定する推定部と、を備えた、
    推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の推定装置において、
    前記車両の状態は、前記車両の走行状態及び前記車両に搭載された前記インバータの冷却状態の少なくとも一方である、
    推定装置。
  4. 直流電源を交流に変換して車両に搭載されたモータに供給するインバータを構成する半導体スイッチに含まれるトランジスタのジャンクション温度とオン抵抗との関係を解析する解析装置であって、
    前記車両の速度に基づいてモータ電流を推定し、推定したモータ電流に基づいて前記オン抵抗を推定するオン抵抗推定部と、
    前記推定したモータ電流から前記半導体スイッチの損失を演算し、前記半導体スイッチのジャンクション部と室温との間の熱等価回路方程式と前記演算した半導体スイッチの損失とから前記トランジスタのジャンクション温度を推定するジャンクション温度推定部と、を有する、
    解析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023123675A1 (zh) * 2021-12-30 2023-07-06 广东威灵电机制造有限公司 开关管结温检测方法、电机控制器、电机控制系统及介质
WO2023170885A1 (ja) * 2022-03-10 2023-09-14 三菱電機株式会社 ゲート駆動回路及び電力変換装置

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