JP2020191603A - 電圧値検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアナログ入力ポートを切り換えて電圧値検出器で電圧値を検出し、アナログ入力ポートが故障した場合でも誤った電圧値を検出する虞のないアナログ電圧値検出装置を提供する。【解決手段】アナログ入力ポートInP0〜InP3中の特定ポートに基準電圧または接地電圧の何れか一方を入力して、特定ポートを電圧値検出器12に接続した第1接続状態で特定ポートの電圧値を検出する。また、アナログ入力ポート中から対象ポートを選択し、対象ポートには、接地電圧および基準電圧の中で特定ポートに入力しない方の電圧を入力して電圧値検出器に接続した第2接続状態で対象ポートの電圧値を検出する。そして、第1接続状態で得られた特定ポートの電圧値と、第2接続状態で得られた対象ポートの電圧値とに基づいて、対象ポートが故障しているか否かを診断することで、誤った電圧値を検出することを防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、電圧値をデジタル値に変換して検出するAD変換器と、複数のアナログ入力ポートとを備え、AD変換器に接続するアナログ入力ポートを切り換えることによって、アナログ入力ポートの電圧値を検出する電圧値検出装置に関する。
今日では、様々な機器にコンピューターが搭載されており、コンピューターを用いて複雑な制御を実行することが可能となっている。コンピューターは、制御を実行するに際して各種の情報を取得して、その内容を反映させながら制御を実行する。また、コンピューターが取得する情報の中には、スイッチの設定状態や他のコンピューターから出力されたデータのようなデジタル値の情報と、各種のセンサーから出力される電圧値のようなアナログ値の情報とが存在する。例えば、燃料ガスを燃焼させるなどして湯を生成する給湯器のコンピューターでは、各種スイッチの設定内容や、ユーザーによって設定された給湯温度などについてはデジタル値の情報として取得され、給湯器への給水温度や給湯器からの出湯温度などについてはアナログ値の情報として取得される。
ここで、コンピューターはアナログ値を直接取り扱うことは出来ないので、アナログ値を取得する際にはアナログ値をデジタル値に変換しておく必要がある。給湯器の場合であれば、温度センサーから出力された電圧値をデジタル値に変換する必要があり、この目的のために、いわゆるAD変換器が用いられる。尚、アナログ値からデジタル値への変換は、AD変換と呼ばれている。また、AD変換すべき情報は1つとは限らない。例えば、給湯器には、給水温度を検出するための温度センサー(以下、給水温度センサー)や、出湯温度を検出するための温度センサー(以下、出湯温度センサー)など、複数の温度センサーが搭載されている。このような場合、AD変換すべきアナログ値毎(すなわち、温度センサー毎)にAD変換器を搭載したのでは、多くのAD変換器を搭載する必要が生じてしまう。そこで、複数のアナログ入力ポートを設けておき、AD変換すべきアナログ値をアナログ入力ポートに入力しておく。そして、AD変換器に接続するアナログ入力ポートを切り換えることによって、1つのAD変換器で複数のアナログ値をAD変換できるようにしていることが通常である。更に、AD変換にはある程度の時間が掛かるので、AD変換中に電圧値が変化すると正しいデジタル値が得られなくなる。そこで、AD変換器の上流側にコンデンサーを設けて、AD変換中は電圧値が保持されるようにすることによって、正しいデジタル値が得られるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2001−244813号公報
しかし、複数のアナログ入力ポートを切り換えることによって、1つのAD変換器で複数の電圧値を検出可能とした場合、アナログ入力ポートで接触不良や断線などの故障が生じると、誤った電圧値が検出されてしまうと言う問題があった。この理由は、例えば、あるアナログ入力ポートが故障していた場合、そのアナログ入力ポートに切り換えても、AD変換器の上流側のコンデンサーには、切り換えたアナログ入力ポートの電圧値は伝わらない。このため、コンデンサーには切り換える前のアナログ入力ポートの電圧値が保持されたままになっており、その電圧値がAD変換される結果、切り換える前のアナログ入力ポートの電圧値が、切り換えたアナログ入力ポートの電圧値として検出されてしまうためである。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、複数のアナログ入力ポートを切り換えることによって、1つのAD変換器で複数の電圧値を検出可能であると共に、アナログ入力ポートが故障した場合でも、誤った電圧値を検出する虞のない電圧値検出装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の電圧値検出装置は次の構成を採用した。すなわち、
電圧値をデジタル値に変換して検出する電圧値検出器と複数のアナログ入力ポートとを有し、前記電圧値検出器に接続する前記アナログ入力ポートを切り換えることによって、前記アナログ入力ポートの電圧値を検出する電圧値検出装置において、
前記電圧値検出器は、接続された前記アナログ入力ポートからの電荷を蓄えることによって前記アナログ入力ポートの電圧値を保持する電圧値保持コンデンサーを有すると共に、前記電圧値保持コンデンサーで保持された電圧値を前記アナログ入力ポートの電圧値として検出しており、
前記複数のアナログ入力ポートの中から予め選択された特定ポートと、
前記特定ポートを除いた前記複数のアナログ入力ポートの中から選択された対象ポートと、
接地電圧または所定の基準電圧の何れか一方が前記特定ポートに入力されると共に、前記特定ポートが前記電圧値検出器に接続された第1接続状態を発生させる第1接続状態発生手段と、
前記接地電圧および前記基準電圧の中で前記特定ポートに入力されない方が前記対象ポートに入力されると共に、前記対象ポートが前記電圧値検出器に接続された第2接続状態を発生させる第2接続状態発生手段と、
前記電圧値検出器が前記第1接続状態で検出した電圧値と、前記電圧値検出器が前記第2接続状態で検出した電圧値とに基づいて、前記対象ポートの故障有無を診断するポート故障診断手段と
を備えることを特徴とする。
かかる本発明の電圧値検出装置においては、複数のアナログ入力ポート中の特定ポートに基準電圧または接地電圧の何れか一方を入力した状態で、特定ポートを電圧値検出器に接続することによって第1接続状態を発生させて、第1接続状態での特定ポートの電圧値を検出する。また、複数のアナログ入力ポート中から特定ポートを除いた対象ポートを選択し、対象ポートには、接地電圧および基準電圧の中で特定ポートに入力しない方の電圧を入力する。そして、その対象ポートを電圧値検出器に接続することによって第2接続状態を発生させて、第2接続状態での対象ポートの電圧値を検出する。こうして、第1接続状態で得られた特定ポートの電圧値と、第2接続状態で得られた対象ポートの電圧値とに基づいて、対象ポートが故障しているか否かを診断する。
第1接続状態では電圧値検出器が特定ポートに接続され、第2接続状態では電圧値検出器が対象ポートに接続される。加えて、特定ポートと対象ポートとは、何れか一方に基準電圧が入力されると、何れか他方には接地電圧が入力される関係にある。従って、対象ポートが故障していない場合は、第1接続状態で検出した電圧値と、第2接続状態で検出した電圧値とは、基準電圧と接地電圧との電圧差に対応して異なった電圧値となる。ところが、対象ポートが故障していた場合は、電圧値保持コンデンサーで電圧値が保持されてしまうため、第1接続状態で検出した電圧値と、第2接続状態で検出した電圧値との電圧差は小さくなる。こうすれば、第1接続状態で検出した電圧値と、第2接続状態で検出した電圧値とに基づいて、対象ポートの故障の有無を診断することができるので、アナログ入力ポートの故障が原因で誤った電圧値を検出することを回避することが可能となる。
また、上述した本発明の電圧値検出装置においては、第1接続状態で電圧値検出器によって検出された電圧値が、接地電圧または基準電圧の何れか一方であり、第2接続状態で電圧値検出器によって検出された電圧値が、接地電圧または基準電圧の何れか他方であった場合に、対象ポートが故障していないと診断するようにしてもよい。
例えば、第1接続状態で特定ポートに基準電圧が入力されている場合は、電圧値検出器では基準電圧が検出されるが、この時、電圧値検出器の電圧値保持コンデンサーには基準電圧が充電される。また、第1接続状態で特定ポートに基準電圧が入力される場合は、第2接続状態では対象ポートに接地電圧が入力される。従って、第2接続状態では、電圧値検出器で特定ポートの電圧値を検出すると、電圧保持コンデンサーの電圧が対象ポートを経由して放電されて接地電圧まで低下する結果、接地電圧が検出される。ところが、対象ポートで故障が発生していると、電圧保持コンデンサーの電圧を対象ポートから放電させることが出来ないので、電圧保持コンデンサーの電圧が接地電圧よりも高い電圧値で保持されてしまう。このため、第1接続状態で基準電圧が検出されることを予め確認しておき、その後、第2接続状態で検出した電圧値が接地電圧になっていれば対象ポートは故障しておらず、電圧値が接地電圧になっていなければ対象ポートが故障していると診断することが可能となる。
一方、第1接続状態で特定ポートに接地電圧が入力されている場合は、電圧値保持コンデンサーの電圧は接地電圧まで放電されるため、電圧値検出器では接地電圧が検出される。また、第1接続状態で特定ポートに接地電圧が入力される場合は、第2接続状態では対象ポートの基準電圧が入力される。従って、電圧値検出器で特定ポートの電圧値を検出すると、電圧保持コンデンサーの電圧が対象ポートを経由して基準電圧まで充電される結果、電圧値検出器では基準電圧が検出される。ところが、対象ポートで故障が発生していると、対象ポートから電圧保持コンデンサーに基準電圧を充電することが出来ないので、電圧保持コンデンサーの電圧が基準電圧よりも低い電圧値で保持されてしまう。このため、第1接続状態で接地電圧が検出されることを予め確認しておき、その後、第2接続状態で検出した電圧値が基準電圧になっていれば対象ポートは故障しておらず、電圧値が基準電圧になっていなければ対象ポートが故障していると診断することが可能となる。
また、上述した本発明の電圧値検出装置で、特定ポートに基準電圧を入力する場合には、次のようにして、第1接続状態および第2接続状態を発生させても良い。先ず、検出抵抗とセンサーとを直列に接続することによって検出部を形成し、検出抵抗とセンサーとの接続点の電圧を対象ポートに入力する。また、検出部の下流側は接地すると共に、検出部の上流側は基準電圧を発生する電源に接続する。更に、検出部と電源との間には切換スイッチを設けておき、切換スイッチを切り換えることによって検出部の上流側を接地できるようにする。そして、基準電圧が入力された特定ポートを電圧値検出器に接続することによって第1接続状態を発生させる。また、切換スイッチを切り換えて検出部の上流側を接地させることによって対象ポートに接地電圧を入力すると共に、その対象ポートを電圧値検出器に接続することによって第2接続状態を発生させることとしてもよい。
こうすれば、複数のアナログ入力ポート中でことなる対象ポートが選択された場合でも、特定ポートを電圧値検出器に接続すれば、第1接続状態を発生させることができる。また、切換スイッチを切り換えて検出部の上流側を接地した状態で対象ポートを電圧値検出器すれば、第2接続状態を発生させることができる。このため、簡単な構成で第1接続状態および第2接続状態を発生させることが出来るので、第1接続状態および第2接続状態での電圧値を検出して、対象ポートの故障の有無を簡単に診断することが可能となる。
また、上述した本発明の電圧値検出装置においては、センサーを測温抵抗体としてもよい。
測温抵抗体は、温度によって抵抗値が大きく変化するため、検出抵抗とセンサーとの接続点から出力される電圧値は大きく変化し、対象ポートに入力される電圧値が、基準電圧に近い電圧値まで上昇する場合や、接地電圧に近い電圧値まで低下する場合がある。しかし、対象ポートに入力される電圧値が基準電圧に近い電圧値となっていた場合には、第2接続状態で検出される電圧値が接地電圧となることを確認することで、対象ポートの故障の有無を診断することができる。また、対象ポートに入力される電圧値が接地電圧に近い電圧値となっていた場合にも、第1接続状態で検出された基準電圧が接地電圧となることを確認することで、対象ポートの故障の有無を診断することができる。
第1実施例の電圧値検出装置10を含んだ電圧値検出システム1の大まかな構造を示した説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10が複数のアナログ入力ポートInP1〜InP3の電圧値を検出する動作についての説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する動作の概要を示した説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がコンデンサーCsを充電する動作を示した説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートを選択する動作を示した説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートの故障の有無を診断するために、コンデンサーCsの電圧を放電する動作を示した説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する方法についての説明図である。 第1実施例の電圧値検出装置10がコンデンサーCsを充電する理由を説明するために、コンデンサーCsを充電することなくアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する場合について示した説明図である。 アナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する機能を有さない一般的な電圧値検出装置90についての説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20を含んだ電圧値検出システム2の大まかな構造を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する動作の概要を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がコンデンサーCsの電圧を放電する動作を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートを選択する動作を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートの故障の有無を診断するために、コンデンサーCsに充電する動作を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートの電圧値を検出する動作を示した説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する方法についての説明図である。 第2実施例の電圧値検出装置20がコンデンサーCsの電圧を放電する理由を説明するために、コンデンサーCsの電圧を放電することなくアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する場合について示した説明図である。
A.第1実施例 :
A−1.第1実施例の装置構成 :
図1は、第1実施例の電圧値検出装置10を含んだ電圧値検出システム1の大まかな構造を示した説明図である。電圧値検出システム1は、電圧値を検出するための電圧値検出装置10に加えて、検出の対象となる電圧値を出力するセンサーや、センサーに電力を供給する電源PWRなどを有している。図1に示した例では、温度によって抵抗値が変化する測温抵抗体(いわゆるサーミスター)がセンサーとして用いられており、3つのサーミスターTh1、Th2、Th3から出力される3つの電圧値を検出可能となっている。
上述したようにサーミスターは、温度によって抵抗値が変化する特性を利用して温度を検出するセンサーであるが、温度に限らず環境の変化に応じて抵抗値が変化する特性を利用するセンサーは、検出抵抗と呼ばれる抵抗を直列に接続して用いられることが通常である。図1に示した例では、サーミスターTh1の上流側には検出抵抗R1が直列に接続され、サーミスターTh2の上流側には検出抵抗R2が、サーミスターTh3の上流側には検出抵抗R3が直列に接続されている。更に、検出抵抗R1、R2、R3の上流側は、後述するスイッチSWdを介して電源PWRに接続されており、電源PWRは所定の基準電圧Vccを発生する。また、サーミスターTh1、TH2、Th3の下流側はグランドに接地されている。
このようにすれば、スイッチSWdをONにした時に、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点には、電源PWRからの基準電圧Vccが分圧された電圧値が現れる。また、この分圧された電圧値は、サーミスターTh1の抵抗値の変化に応じて増減する。このため、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点での電圧値を検出することで、サーミスターTh1の抵抗値を検出することができ、その結果、サーミスターTh1の温度を検出することができる。サーミスターTh2、Th3についても同様に、検出抵抗R2とサーミスターTh2との接続点、あるいは検出抵抗R3とサーミスターTh3との接続点での電圧値を検出することで、サーミスターTh2の温度あるいはサーミスターTh3の温度を検出することができる。
尚、図1に示した例では、サーミスターTh1、Th2、Th3の上流側に検出抵抗R1、R2、R3が接続されているものとしているが、サーミスターTh1、Th2、Th3の下流側に検出抵抗R1、R2、R3を接続してもよい。また、サーミスターTh1、Th2、Th3の抵抗値に応じた電圧値を出力するためには、サーミスターTh1、Th2、Th3のそれぞれに検出抵抗R1、R2、R3を直列に接続して用いることが必要となる。そこで、サーミスターTh1と検出抵抗R1とが直列に接続された組、サーミスターTh2と検出抵抗R2とが直列に接続された組、およびサーミスターTh3と検出抵抗R3とが直列に接続された組を、それぞれ検出部D1、D2、D3と称することが有るものとする。
また、電圧値検出装置10には、全体の動作を制御する制御部11と、電圧値をデジタル値にAD変換して検出する電圧値検出器12と、アナログの電圧値が入力される複数のアナログ入力ポートInP0〜InP3と、電圧値検出器12に接続するアナログ入力ポートを切り換えるセレクター13などが搭載されている。尚、図1で、電圧値検出装置10が4つのアナログ入力ポートInP0〜InP3を搭載しているのは、サーミスターTh1〜Th3から出力される3つの電圧値を検出しようとしているためである。しかし、アナログ入力ポートの数は、検出しようとする電圧値の数よりも多ければ十分であり、必ずしも4つに限られるわけではない。
図1に示されるように、4つのアナログ入力ポートInP0〜InP3の内のアナログ入力ポートInP0には、電源PWRからの基準電圧Vccが入力されている。また、アナログ入力ポートInP1にはサーミスターTh1の出力(すなわち、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点の電圧値)が入力され、アナログ入力ポートInP2にはサーミスターTh2の出力が、アナログ入力ポートInP3にはサーミスターTh3の出力が入力されている。更に、サーミスターTh1〜Th3からの出力をアナログ入力ポートInP1〜InP3に入力するための配線には、ノイズ対策用に小容量(数十nF以下)のコンデンサーCn1〜Cn3が接続されている。
また、セレクター13の内部には、アナログ入力ポートの個数に相当する個数(図1では4つ)のスイッチSW0〜SW3が搭載されており、何れかのスイッチをONにすることによって、複数のアナログ入力ポートInP0〜InP3の何れかを電圧値検出器12に接続することが可能となっている。例えば、スイッチSW0をONとして、その他のスイッチSW1〜SW3をOFFとすれば、アナログ入力ポートInP0を電圧値検出器12に接続することができる。また、スイッチSW1をONとして、その他のスイッチSW0、SW2、SW3をOFFとすれば、アナログ入力ポートInP1を電圧値検出器12に接続することができる。
また、電圧値検出器12の内部には、セレクター13によって接続されたアナログ入力ポートInP0〜InP3の電圧値をAD変換するAD変換器ADCと、AD変換器ADCに入力された電圧を保持するコンデンサーCsとが設けられている。このコンデンサーCsは、AD変換器ADCが、セレクター13によって接続されたアナログ入力ポートInP0〜InP3の電圧値をAD変換している間に、電圧値が大きく変化しないように保持するためのものである。尚、このコンデンサーCsは、本発明における「電圧値保持コンデンサー」に対応する。また、図示は省略されているが、コンデンサーCsとセレクター13との間にはスイッチが設けられており、AD変換器ADCが電圧値をAD変換している間はスイッチをOFFにすることによって、電圧値が変化しないようになっている。
また、図1に示すように、検出部D1(検出抵抗R1およびサーミスターTh1)、検出部D2(検出抵抗R2およびサーミスターTh2)、検出部D3(検出抵抗R3およびサーミスターTh3)の上流側には、スイッチSWdおよびスイッチSWgが接続されている。そして、スイッチSWdをONにしてスイッチSWgをOFFにすると、検出部D1〜D3に電源PWRの基準電圧Vccを印加することができ、スイッチSWdをOFFにしてスイッチSWgをONにすると、検出部D1〜D3の上流側を、保護抵抗Rgを介してグランドに接地することができるようになっている。
尚、保護抵抗RgはスイッチSWgの下流側に設けても良い。また、電圧値検出装置10には、スイッチSWdのON/OFFを切り換えるための切換信号を出力する出力端子OTdと、スイッチSWgのON/OFFを切り換えるための切換信号を出力する出力端子OTgとが設けられている。尚、上述したように、スイッチSWdおよびスイッチSWgのON/OFF状態を切り換えることによって、検出部D1〜D3の上流側が電源PWRに接続されたり、グランドに接地されたりすることができるので、スイッチSWdおよびスイッチSWgの2つが一組になって、本発明の「切換スイッチ」を実現している。
制御部11は、出力端子OTdを介してスイッチSWdに切換信号を出力し、出力端子OTgを介してスイッチSWgに切換信号を出力することによって、スイッチSWdおよびスイッチSWgをONまたはOFFに切り換えることができる。また、セレクター13に対して制御信号を出力することによって、スイッチSW0〜SW3の何れかをONとし、その他はOFFとなるように制御することができる。更に、電圧値検出器12に対して検出信号を出力することによって、コンデンサーCsに保持されている電圧値をデジタル値に変換して検出することが可能となっている。
A−2.第1実施例の電圧値の検出動作 :
図2は、第1実施例の電圧値検出装置10が、サーミスターTh1〜Th3から出力される電圧値を検出する動作についての説明図である。尚、図2では理解の便宜を図るため、複数の配線の中で説明に関係する配線は太い実線で表示し、説明に関係しない配線は細い破線で表示している。図2に示されるように、サーミスターTh1〜Th3での温度を検出する際には、スイッチSWdをONにすることによって、電源PWRからの基準電圧Vccが検出抵抗R1〜R3に印加されるようにする。すると、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点からは、基準電圧Vccを検出抵抗R1とサーミスターTh1の抵抗値とで分圧した電圧値V1が出力される。この電圧値V1がサーミスターTh1での温度に対応する電圧値となっている。同様に、検出抵抗R2とサーミスターTh2との接続点からは、基準電圧Vccを検出抵抗R2とサーミスターTh2の抵抗値とで分圧した電圧値V2が出力され、検出抵抗R3とサーミスターTh3との接続点からは、基準電圧Vccを検出抵抗R3とサーミスターTh3の抵抗値とで分圧した電圧値V3が出力される。これらの電圧値V2、V3は、サーミスターTh2、Th3での温度に対応する電圧値となっている。また、サーミスターTh1から出力された電圧値はアナログ入力ポートInP1に入力されており、サーミスターTh2からの電圧値はアナログ入力ポートInP2に入力され、サーミスターTh3からの電圧値はアナログ入力ポートInP3に入力されている。
そして、セレクター13内のスイッチSW1をONとし、他のスイッチSW0、SW2、SW3をOFFとする。すると、サーミスターTh1からの電圧値が入力されているアナログ入力ポートInP1が選択されて電圧値検出器12に接続される。その結果、アナログ入力ポートInP1に入力されている電圧値V1が、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに保持されることになる。そこで、この電圧値V1を電圧値検出器12内のAD変換器ADCでAD変換してやれば、アナログ入力ポートInP1の電圧値V1(従って、サーミスターTh1から出力された電圧値V1)を検出することができる。また、セレクター13内のスイッチSW2をONとし、他のスイッチSW0、SW1、SW3をOFFとすれば、アナログ入力ポートInP2が電圧値検出器12に接続される。このため、サーミスターTh2からアナログ入力ポートInP2に入力された電圧値V2を検出することができる。更に、セレクター13内のスイッチSW3をONとし、他のスイッチSW0〜SW2をOFFとすれば、アナログ入力ポートInP3が電圧値検出器12に接続される。このため、サーミスターTh3からアナログ入力ポートInP3に入力された電圧値V3を検出することができる。このように、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3のON/OFF状態を切り換えて、電圧値検出器12に接続されるアナログ入力ポートInP1〜InP3を切り換えてやれば、1つの電圧値検出器12を用いて、何れのアナログ入力ポートInP1〜InP3の電圧値も検出することが可能となる。
ところが、アナログ入力ポートInP1〜InP3で故障が発生すると、正しい電圧値を検出することができなくなる。例えば、アナログ入力ポートInP3で接続不良あるいは断線などの故障が発生していたとする。図2でアナログ入力ポートInP3が黒く塗り潰されて表示されているのは、アナログ入力ポートInP3で故障が発生していることを表している。この場合、アナログ入力ポートInP3を電圧値検出器12に接続しようとして、スイッチSW3をONにし、他のスイッチSW0〜SW2をOFFにしても、アナログ入力ポートInP3で接続不良または断線などが発生しているため、アナログ入力ポートInP3の電圧値V3が電圧値検出器12に伝わらない。このため、電圧値検出器12内のコンデンサーCsは前に接続されていたアナログ入力ポートの電圧値を保持し続けることになり、電圧値検出器12内のAD変換器ADCは、その電圧値をAD変換して検出してしまう。また、こうして誤って検出された電圧値は、アナログ入力ポートInP3以外のアナログ入力ポートの電圧値であるため、特別に不自然な電圧値となっているわけではなく、電圧値が誤検出されていることに気付き難い。その結果、誤検出されたままで制御が継続されてしまうという問題がある。
そこで、第1実施例の電圧値検出システム1には、図1を用いて前述したように、検出部D1(検出抵抗R1およびサーミスターTh1)や、検出部D2(検出抵抗R2およびサーミスターTh2)、検出部D3(検出抵抗R3およびサーミスターTh3)に基準電圧Vccを印加するためのスイッチSWdや、検出部D1〜D3の上流側をグランドに接地するためのスイッチSWgが設けられている。また、これに対応して第1実施例の電圧値検出装置10には、スイッチSWd、SWgに対する切換信号を出力する出力端子OTd、OTgが設けられていると共に、アナログ入力ポートInP0には電源PWRからの基準電圧Vccが入力されている。こうすることで、アナログ入力ポートInP1〜InP3で故障が発生したか否かを容易に診断することが可能となる。
A−3.第1実施例の故障有無の診断動作 :
図3は、第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する動作の概要を示した説明図である。故障の有無を診断しない従来の電圧値検出装置の場合は、図3(a)に示したように、アナログ入力ポートを選択して、選択したアナログ入力ポートの電圧値を検出する動作を繰り返す。ここで、アナログ入力ポートを選択する動作とは、図2を用いて前述したように、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3のON/OFF状態を切り換えることによって、アナログ入力ポートInP1〜InP3の何れかを電圧値検出器12に接続する動作である。
第1実施例の電圧値検出装置10は、アナログ入力ポートの電圧値を検出するに先立って、そのアナログ入力ポートの故障の有無を診断するようになっており、これに伴って、図3(b)に示した動作を繰り返す。図3(b)と図3(a)と比較すれば明らかなように、第1実施例の電圧値検出装置10では、アナログ入力ポートを選択する前に電圧値検出器12内のコンデンサーCsを充電する動作が追加され、更に、アナログ入力ポートを選択した後は、コンデンサーCsの電圧を放電して故障の有無を診断する動作が追加されている。以下では、図3(b)に示した4つの動作(すなわち、充電、ポート選択、放電+診断、検出)について、具体的に説明する。
図4は、第1実施例の電圧値検出装置10の充電時の動作を示した説明図である。尚、前述した図2と同様に、図4でも理解の便宜を図るため、複数の配線の中で説明に関係する配線は太い実線で表示し、説明に関係しない配線は細い破線で表示している。(コンデンサーCsへの)充電時には、図4に示したように、セレクター13内のスイッチSW0をONとして、セレクター13内の他のスイッチSW1〜SW3をOFFにする。すると、アナログ入力ポートInP0が電圧値検出器12に接続される。また、アナログ入力ポートInP0には電源PWRからの基準電圧Vccが入力されているから、電圧値検出器12内のコンデンサーCsは基準電圧Vccに充電される。こうしてコンデンサーCsを充電したら、電圧値検出器12内のAD変換器ADCでコンデンサーCsの電圧値を検出して、制御部11に出力しておく。
尚、第1実施例では、アナログ入力ポートInP0が本発明における「特定ポート」に対応する。また、充電状態では、アナログ入力ポートInP0に基準電圧Vccが入力されており、且つ、アナログ入力ポートInP0が電圧値検出器12に接続されているので、第1実施例の充電状態は,本発明における「第1接続状態」に対応する。更に、充電状態は、制御部11がセレクター13内のスイッチSW0〜SW3や、スイッチSWd、SWgのON/OFF状態を切り換えることによって発生させている。このため、第1実施例の制御部11は、本発明における「第1接続状態発生手段」に対応する。以上のようにして、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電したら、続いて、故障の有無を診断するアナログ入力ポートを選択する(図3(b)参照)。
図5は、故障の有無を診断するアナログ入力ポートを選択する動作を示した説明図である。図5でも、前述した図2および図4と同様に、説明に関係する配線は太い実線で表示され、説明に関係しない配線は細い破線で表示されている。また、図5では、アナログ入力ポートInP1を選択する場合が示されている。アナログ入力ポートInP1を選択する場合は、図5に示されるように、セレクター13内のスイッチSW1をONにして、セレクター13内の他のスイッチSW0、SW2、SW3をOFFにする。もちろん、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3のON/OFF状態を切り換えれば、アナログ入力ポートInP2やアナログ入力ポートInP3を選択することができる。こうして選択されたアナログ入力ポートが、本発明における「対象ポート」に対応する。また、選択されたアナログ入力ポート(図5に示した例ではアナログ入力ポートInP1)は、電圧値検出器12に接続される。
また、この段階では、未だ検出抵抗R1には基準電圧Vccが印加されていないので、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点の電圧値は接地電圧となっている。このため、コンデンサーCsに充電された電圧は、アナログ入力ポートInP1およびサーミスターTh1を介してグランドに放電される。もっとも、サーミスターTh1〜Th3は温度によって抵抗値が大きく変化し(例えば、100オーム〜2Mオーム)、抵抗値が大きい場合は、放電速度はゆっくりとしたものとなる。そこで、アナログ入力ポートを選択したら、今度は、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧を、速やかに且つ確実に放電させるための動作を開始する(図3(b)参照)。
図6は、コンデンサーCsの電圧を速やかに且つ確実に放電させるための動作を示した説明図である。尚、アナログ入力ポートの故障の有無は、コンデンサーCsの電圧を放電した後に診断する。図6でも、前述した図2や、図4、図5と同様に、説明に関係する配線は太い実線で表示され、説明に関係しない配線は細い破線で表示されている。第1実施例の電圧値検出装置10では、コンデンサーCsの電圧を速やかに且つ確実に放電させるために、(スイッチSWdはOFFにしたまま)スイッチSWgをONにする。すると、サーミスターTh1〜Th3の上流側の検出抵抗R1〜R3には基準電圧Vccが掛からない(グランドに接地された)状態となるため、サーミスターTh1〜Th3はグランドの電圧(すなわち、接地電圧)を出力することとなって、アナログ入力ポートInP1〜InP3には接地電圧が入力された状態となる。更に、アナログ入力ポートInP1については、既に選択されて電圧値検出器12に接続されている。このため、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧は、アナログ入力ポートInP1から、検出抵抗R1、保護抵抗Rg、スイッチSWgを経由する経路でもグランドに放電されるようになる。従って、たとえサーミスターTh1(アナログ入力ポートInP2が選択されている場合はサーミスターTh2、アナログ入力ポートInP3が選択されている場合はサーミスターTh3)の抵抗値が大きかった場合でも、この経路を経由してコンデンサーCsの電圧を速やかに且つ確実に放電することができる。そしてコンデンサーCsの電圧を放電したら、電圧値検出器12内のAD変換器ADCで放電後のコンデンサーCsの電圧値を検出して、制御部11に出力しておく。
尚、図6に示したように、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧を、アナログ入力ポートInP1やスイッチSWgを経由してグランドに放電する状態では、対象ポートに対応するアナログ入力ポートInP1に接地電圧が入力されていると共に、そのアナログ入力ポートInP1が電圧値検出器12に接続されている。従って、コンデンサーCsの電圧を、アナログ入力ポートInP1やスイッチSWgを経由してグランドに放電する状態は、本発明における「第2接続状態」に対応する。また、この第2接続状態は、制御部11がセレクター13内のスイッチSW0〜SW3や、スイッチSWd、SWgのON/OFF状態を切り換えることによって発生させている。このため、第1実施例の制御部11は、本発明における「第2接続状態発生手段」にも対応する。
以上のようにして、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電した状態での電圧値と、コンデンサーCsの電圧を放電した後の電圧値とを検出すれば、選択したアナログ入力ポート(ここでは、アナログ入力ポートInP1)の故障の有無を診断することができる。故障の有無を診断する方法については、後ほど詳しく説明する。その結果、故障ありと診断された場合には、アナログ入力ポートが故障している旨を報知するが、故障なしと診断された場合には、選択したアナログ入力ポートの電圧値を検出する(図3(b)参照)。
アナログ入力ポートの電圧値を検出する動作は、大まかには図2を用いて前述した動作と同様であるため、図2を参照して説明する。この場合(すなわち、放電および診断後に電圧値を検出する場合)は、既にアナログ入力ポートは選択されている。そこで、図6に示した放電および診断時にONになっていたスイッチSWgをOFFにした後、スイッチSWdをONにする。すると、図2を用いて前述したように、電源PWRからの基準電圧VccがスイッチSWdを経由して検出抵抗R1〜R3に印加され、その結果、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点からは電圧値V1が出力され、検出抵抗R2とサーミスターTh2との接続点からは電圧値V2が、検出抵抗R3とサーミスターTh3との接続点からは電圧値V3が出力されて、それぞれアナログ入力ポートInP1〜InP3に入力される。このため、選択されていたアナログ入力ポートの電圧値が、電圧値検出器12で検出されることになる。
A−4.第1実施例の故障有無の診断方法 :
図7は、第1実施例の電圧値検出装置10がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する方法についての説明図である。図7(a)には、各種のスイッチSW0〜SW3、SWd、SWgを切り換えることによって、図4を用いて前述した充電動作、図5を用いて前述したアナログ入力ポートの選択動作、図6を用いて前述した放電および診断動作、図2を流用して前述した電圧値の検出動作を実現する様子が示されている。また、図7(b)および図7(c)には、これら4つの動作状態を切り換えるに伴って、コンデンサーCsの電圧値が変化する様子が示されている。図7(b)はアナログ入力ポートが故障していない場合を表しており、図7(c)はアナログ入力ポートが故障している場合を表している。
図7(a)に示されるように、充電動作の段階ではセレクター13内のスイッチSW0をONにして、セレクター13内の他のスイッチSW1〜SW3はOFFにする。尚、図4を用いて説明した際には、セレクター13に含まれないスイッチSWd、SWgは充電時にはOFFにするものとして説明したが、実際には、必ずしもスイッチSWdおよびスイッチSWgをOFFにする必要は無い。すなわち、スイッチSWdおよびスイッチSWgを2つともONにしなければよく、何れか一方がOFFになっていれば、他方がONになっていても構わない。図7(a)中で(SWd,SWg)と、スイッチSWdおよびスイッチSWgがカッコ付きで表示されているのは、このことを表している。また、前述したように、アナログ入力ポートInP0には電源PWRから基準電圧Vccが入力されている。このため、セレクター13内のスイッチSW0をONにして、セレクター13内の他のスイッチSW1〜SW3をOFFにすると、コンデンサーCsが基準電圧Vccで充電される。その結果、図7(b)に示したように、充電時にはコンデンサーCsの電圧が基準電圧Vccまで速やかに上昇した後、基準電圧Vccで一定となる。
続いて、アナログ入力ポートの選択動作の段階では、図7(a)に示されるように、スイッチSW1〜SW3の何れかをONにすると共に、セレクター13内の他のスイッチをOFFにする。例えば、アナログ入力ポートInP1を選択する場合は、スイッチSW1をONにして、セレクター13内の他のスイッチSW0、SW2、SW3をOFFにする。尚、図5を用いて説明した際には、アナログ入力ポートの選択時は、セレクター13に含まれないスイッチSWd、SWgは充電時にはOFFにするものとして説明した。しかし実際には、必ずしもスイッチSWdおよびスイッチSWgをOFFにする必要は無く、スイッチSWgをONにして、スイッチSWdをOFFにしても良い。この場合は、アナログ入力ポートを選択する動作と、次の動作(すなわち、放電および診断の動作)とが同時に行われたことと同じになる。
また、図5を用いて前述したように、スイッチSWdおよびスイッチSWgをOFFにした状態で、アナログ入力ポートを選択すると、コンデンサーCsに充電された電圧が、選択されたアナログ入力ポート、およびそのアナログ入力ポートに接続されているサーミスターを経由してグランドに放電される。また、このときのサーミスターの抵抗値が大きい場合は、放電速度は小さくなる。図7(b)には、アナログ入力ポートを選択したことによってコンデンサーCsの電圧値がゆっくりと低下する様子が示されている。
続いて、放電および診断動作の段階では、図7(a)に示されるように、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3の状態は、アナログ入力ポートを選択した時の状態としたままで、スイッチSWgをONにして、スイッチSWdをOFFにする。すると、図6を用いて前述したように、コンデンサーCsの電圧が、選択されているアナログ入力ポート、およびそのアナログ入力ポートに接続されている検出抵抗、保護抵抗Rg、スイッチSWgを経由してグランドに放電される。その結果、図7(b)に示されるように、コンデンサーCsの電圧は、速やかに接地電圧まで低下することになる。
このように、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧は、充電段階では基準電圧Vccまで上昇し、放電および診断段階では接地電圧まで低下する(図7(b)参照)。ところが、選択したアナログ入力ポートで、接触不良や断線などの故障が発生していると、コンデンサーCsの電圧を放電することができないので、図7(c)に示したように、放電および診断段階でも、コンデンサーCsの電圧が十分に低下しなくなる。従って、充電後および放電後にコンデンサーCsの電圧を検出しておき、充電後に検出した電圧値が基準電圧Vccであり、且つ、放電後に検出した電圧値が接地電圧であれば、選択したアナログ入力ポートは故障していないと判断することができる。これに対して、充電後に検出した電圧値は基準電圧Vccであるが、放電後に検出した電圧値が接地電圧でなかった場合は、選択したアナログ入力ポートは故障していると判断することができる。
図7(a)に示した放電および診断段階では、以上のように、充電後の電圧値および放電後の電圧値に基づいて、アナログ入力ポートの故障の有無を診断する。その結果、アナログ入力ポートが故障していないと診断された場合には、そのアナログ入力ポートの電圧値を検出する。すなわち、図7(a)に示すように、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3の状態はそのままで、スイッチSWdをONにし、スイッチSWgをOFFにする。こうすれば、図7(b)に示されるように、コンデンサーCsの電圧が、選択されているアナログ入力ポートの電圧値まで上昇するので、その電圧値を、電圧値検出器12内のAD変換器ADCで検出する。これに対して、アナログ入力ポートが故障していると診断された場合は、電圧値を検出することなく、そのアナログ入力ポートが故障している旨を報知する。尚、アナログ入力ポートが故障しているか否かの判断は、制御部11が行う。従って、制御部11は、本発明における「ポート故障診断手段」にも対応している。
以上に説明したように、第1実施例の電圧値検出装置10では、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧をグランドに放電する前に、コンデンサーCsを基準電圧Vccで充電している。このように、コンデンサーCsを一旦充電してから放電しているのは、アナログ入力ポートの故障の有無を確実に診断可能とするためである。
図8は、電圧値検出器12内のコンデンサーCsを充電せずに、アナログ入力ポートの故障の有無を診断した場合についての説明図である。この場合は、図8(a)に示すように、アナログ入力ポートを選択する段階と、コンデンサーCsの電圧を放電して故障の有無を診断する段階と、選択したアナログ入力ポートの電圧値を検出する段階とが繰り返して実行されることになる。また、図8(b)および図8(c)には、コンデンサーCsの電圧値が変化する様子が例示されている。尚、図8(b)および図8(c)でコンデンサーCsの電圧値が破線で示されているのは、前回に検出したアナログ入力ポートの電圧値をコンデンサーCsが保持していることを表している。
図8(b)に示した例では、前回に検出したアナログ入力ポートの電圧値が比較的高いので、コンデンサーCsには高い電圧値が保持されている。このため、アナログ入力ポートを選択し、続いて行われる放電(および診断)動作でコンデンサーCsの電圧がグランドに放電されることにより、コンデンサーCsの電圧低下量dVは十分な大きさとなる。従って、選択したアナログ入力ポートを経由して、コンデンサーCsの電圧が放電されていることを認識することができ、アナログ入力ポートが故障していないと判断することができる。
一方、図8(c)に例示したように、前回に検出したアナログ入力ポートの電圧値が低かった場合には、コンデンサーCsに保持されている電圧値も低くなる。このため、アナログ入力ポートを選択し、続いて行われる放電(および診断)動作でコンデンサーCsの電圧を放電しても電圧低下量dVが小さいために、コンデンサーCsの電圧が放電されているか否かを判断することが困難となる。その結果、選択したアナログ入力ポートが故障しているか否かを判断することも困難となってしまう。特に、サーミスターのように抵抗値が大きく変化するセンサーでは、センサーから出力される電圧値も大きく変化するため、図8(c)に示すような事態が発生しやすい。
これに対して、前述した第1実施例の電圧値検出装置10のように、電圧値検出器12内のコンデンサーCsを基準電圧Vccで一旦充電してから放電するようにしておけば、選択したアナログ入力ポートが故障していない限り、コンデンサーCsの電圧値が基準電圧Vccから接地電圧まで低下することになる。このため、アナログ入力ポートの故障発生の有無を確実に診断することが可能となる。
加えて、アナログ入力ポートの電圧値を検出する前に、基準電圧Vccおよび接地電圧を検出することになるので、たとえ、サーミスターTh1〜Th3の接地電圧が変動したり、電源PWRから生成される基準電圧Vccが変動したりした場合でも、サーミスターTh1〜Th3の正確な抵抗値が分かるので、正確な温度を検出することが可能となる。
このように第1実施例の電圧値検出装置10では、アナログ入力ポートの故障有無を診断することに加えて、サーミスターなどのセンサーの出力を正確に検出することができるという優れた効果が得られるが、それにも拘わらず、アナログ入力ポートの故障有無を診断できない一般的な電圧値検出装置からの変更点は、比較的軽微なものに過ぎない。以下では、この点について簡単に説明しておく。
図9は、アナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する機能を有さない一般的な電圧値検出装置90についての説明図である。図1を用いて前述した第1実施例の電圧値検出装置10と、図9に示した一般的な電圧値検出装置90とを比較すれば明らかなように、第1実施例では、サーミスターTh1〜Th3を含んだ検出部D1〜D3に基準電圧Vccを印加するためのスイッチSWdと、検出部D1〜D3の上流側を接地するためのスイッチSWgとが追加されている。これに伴って、第1実施例の電圧値検出装置10には、スイッチSWd、SWgに切換信号を出力するための出力端子OTd、OTgが追加されると共に、複数のアナログ入力ポートの中の1つ(図1では、アナログ入力ポートInP0)が、基準電圧Vccを入力するために使われているに過ぎない。
また、図1に示した例では、電圧値を出力するセンサーはサーミスターTh1〜Th3の3つであるが、センサーの個数が多くなった場合でも、アナログ入力ポートの数を増やしてやるだけで、増やしたアナログ入力ポートについても故障有無を診断し、更に、増えたセンサーの出力も正確に検出することが可能となる。
B.第2実施例 :
上述した第1実施例では、所定のアナログ入力ポート(上述した例では、アナログ入力ポートInP0)を経由してコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電し、選択したアナログ入力ポート(上述した例では、アナログ入力ポートInP1〜InP3の何れか)を経由してコンデンサーCsの電圧を放電するものとして説明した。この場合、コンデンサーCsの電圧が放電できていれば、選択したアナログ入力ポートは故障していないと診断することになる。これに対して、所定のアナログ入力ポートをグランドに接地しておき、選択したアナログ入力ポートを経由してコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電するようにしても良い。そして、コンデンサーCsが基準電圧Vccに充電できれば、選択したアナログ入力ポートは故障していないと診断しても良い。以下では、このような第2実施例について説明する。
B−1.第2実施例の装置構成 :
図10は、第2実施例の電圧値検出装置20を含んだ電圧値検出システム2の大まかな構造を示した説明図である。第2実施例の電圧値検出システム2は、図1を用いて前述した第1実施例の電圧値検出システム1に対して、スイッチSWgが設けられていない点、その代わりに、サーミスターTh1〜Th3とグランドとの間にスイッチSWcが設けられている点、およびアナログ入力ポートInP0が保護抵抗Rgを介して接地されている点が異なっている。また、このことに対応して、電圧値検出装置20では、スイッチSWgに切換信号を出力する出力端子OTgの代わりに、スイッチSWcに切換信号を出力する出力端子OTcが設けられている点が異なっている。その他の点については、第1実施例の電圧値検出システム1および電圧値検出装置10と同様であるため、第1実施例と同じ番号あるいは記号を付すことによって説明を省略する。
図10に示した第2実施例の電圧値検出装置20では、スイッチSWdおよびスイッチSWcをONにしておけば、第1実施例の電圧値検出装置10と同様にして、サーミスターTh1〜Th3の出力する電圧値を検出することができる(図2参照)。また、第1実施例の電圧値検出装置10と同様に、第2実施例の電圧値検出装置20でも、アナログ入力ポートInP1〜InP3で故障が発生すると、正しい電圧値を検出することができなくなる。そこで、第2実施例の電圧値検出装置20は、次のようにして、アナログ入力ポートInP1〜InP3の故障の有無を診断する。
B−2.第2実施例の故障有無の診断動作 :
図11は、第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する動作の概要を示した説明図である。図3(b)を用いて前述した第1実施例の電圧値検出装置10に対して、アナログ入力ポートを選択する前に、コンデンサーCsの電圧を放電し、アナログ入力ポートを選択した後に、コンデンサーCsに充電して故障の有無を診断する点が異なっている。以下では、図11に示した4つの動作(すなわち、放電、ポート選択、充電+診断、検出)について、具体的に説明する。
図12は、第2実施例の電圧値検出装置20の放電時の動作を示した説明図である。尚、図12でも、理解の便宜を図るため、複数の配線の中で説明に関係する配線は太い実線で表示し、説明に関係しない配線は細い破線で表示している。コンデンサーCsの電圧を放電する際には、図12に示したように、セレクター13内のスイッチSW0をONとして、セレクター13内の他のスイッチSW1〜SW3をOFFにする。すると、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧が、アナログ入力ポートInP0および保護抵抗Rgを経由してグランドに放電される。こうしてコンデンサーCsの電圧を放電したら、電圧値検出器12内のAD変換器ADCでコンデンサーCsの電圧値を検出して、制御部11に出力しておく。
尚、第2実施例でも、アナログ入力ポートInP0が本発明における「特定ポート」に対応する。また、放電状態では、アナログ入力ポートInP0に接地電圧が入力されており、且つ、アナログ入力ポートInP0が電圧値検出器12に接続されているので、第2実施例の放電状態は,本発明における「第1接続状態」に対応する。また、第2実施例でも、制御部11は本発明における「第1接続状態発生手段」に対応する。以上のようにして、電圧値検出器12内のコンデンサーCsの電圧を放電したら、続いて、故障の有無を診断するアナログ入力ポートを選択する(図11参照)。
図13は、故障の有無を診断するアナログ入力ポートを選択する動作を示した説明図である。図13でも、説明に関係する配線は太い実線で表示され、説明に関係しない配線は細い破線で表示されている。また、図13では、アナログ入力ポートInP1を選択する場合が示されている。選択するアナログ入力ポートに応じて、セレクター13内のスイッチSW0〜SW3の何れをONにして、何れをOFFにするかは、前述した第1実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。尚、第2実施例でも、選択されたアナログ入力ポートが本発明における「対象ポート」に対応する。また、アナログ入力ポートを選択したら、今度は、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電して故障の有無を診断するための動作を開始する(図11参照)。
図14は、コンデンサーCsに基準電圧Vccを充電して故障の有無を診断するための動作を示した説明図である。図14でも、説明に関係する配線は太い実線で表示され、説明に関係しない配線は細い破線で表示されている。電圧値検出器12内のコンデンサーCsに充電する際には、スイッチSWdをONにして、スイッチSWcをOFFにする。すると、スイッチSWcがOFFになっているため、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点、検出抵抗R2とサーミスターTh2との接続点、および検出抵抗R3とサーミスターTh3との接続点の電圧値は何れも基準電圧Vccとなる。このため、選択されたアナログ入力ポートを経由して、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに基準電圧Vccが充電される。尚、第2実施例では、選択されたアナログ入力ポートを経由してコンデンサーCsに基準電圧Vccが充電される状態が、本発明における「第2接続状態」に対応している。また、第2実施例でも、制御部11は本発明における「第2接続状態発生手段」に対応する。以上のようにして、電圧値検出器12内のコンデンサーCsに基準電圧Vccを充電したら、電圧値検出器12内のAD変換器ADCで充電後のコンデンサーCsの電圧値を検出して、制御部11に出力しておく。
こうして、コンデンサーCsの電圧を放電した後の電圧値と、コンデンサーCsに基準電圧Vccを充電した状態での電圧値とを検出すれば、選択したアナログ入力ポートの故障の有無を診断することができる。故障の有無を診断する方法については、後ほど詳しく説明する。その結果、故障ありと診断された場合には、アナログ入力ポートが故障している旨を報知するが、故障なしと診断された場合には、選択したアナログ入力ポートの電圧値を検出する(図11参照)。
図15は、第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートの電圧値を検出する動作を示した説明図である。図15でも、説明に関係する配線は太い実線で表示され、説明に関係しない配線は細い破線で表示されている。アナログ入力ポートの電圧値を検出する際には、スイッチSWdはONにしたままで、スイッチSWcをONにする。すると、スイッチSWcがONになっているため、検出抵抗R1とサーミスターTh1との接続点には、サーミスターTh1の出力(電圧値V1)が発生する。検出抵抗R2とサーミスターTh2との接続点や、検出抵抗R3とサーミスターTh3との接続点についても同様に、サーミスターTh2の出力(電圧値V2)およびサーミスターTh3の出力(電圧値V3)が発生する。そして、これらの電圧値V1〜V3は、アナログ入力ポートInP1〜InP3に入力されている。このため、選択されたアナログ入力ポートの電圧値がコンデンサーCsに供給されるので、電圧値検出器12で検出することが可能となる。
B−3.第2実施例の故障有無の診断方法 :
図16は、第2実施例の電圧値検出装置20がアナログ入力ポートInP1〜InP3の故障有無を診断する方法についての説明図である。図16(a)には、各種のスイッチSW0〜SW3、SWd、SWcを切り換えることによって、図12の放電動作、図13のアナログ入力ポートの選択動作、図14の充電および診断動作、図15の電圧値の検出動作を実現する様子が示されている。尚、図16(a)中で(SWd、SWc)とスイッチSWdおよびスイッチSWcがカッコ付きで表示されているのは、これらのスイッチSWd、SWcを2つともOFFにする必要はないことを表している。また、図16(b)および図16(c)には、これら4つの動作状態を切り換えるに伴って、コンデンサーCsの電圧値が変化する様子が示されている。図16(b)はアナログ入力ポートが故障していない場合を表しており、図16(c)はアナログ入力ポートが故障している場合を表している。
選択したアナログ入力ポートが故障していない場合は、図16(b)に示すように、放電状態ではコンデンサーCsの電圧は接地電圧まで低下し、充電状態では基準電圧Vccまで上昇する。これに対して、選択したアナログ入力ポートが故障していた場合は、図16(c)に示すように、放電状態ではコンデンサーCsの電圧は接地電圧まで低下するが、充電状態で基準電圧Vccまで上昇することがない。このため、放電後および充電後の電圧値を検出しておき、放電後の電圧値は接地電圧となっており、且つ、充電後の電圧値が基準電圧Vccであれば、選択したアナログ入力ポートは故障していないと判断することができる。これに対して、放電後の電圧値は接地電圧となっているが、充電後の電圧値が基準電圧Vccでなかった場合は、選択したアナログ入力ポートは故障していると判断することができる。上述した故障の有無は制御部11が行っている。従って、第2実施例でも、制御部11は本発明における「ポート故障診断手段」に対応する。
また、第2実施例の電圧値検出装置20で、コンデンサーCsの電圧をグランドに放電してから、コンデンサーCsを基準電圧Vccで充電しているのは、アナログ入力ポートの故障の有無を確実に診断可能とするためである。
図17は、第2実施例の電圧値検出装置20がコンデンサーCsの電圧を放電せずに、アナログ入力ポートの故障の有無を診断した場合についての説明図である。この場合は、図17(a)に示すように、アナログ入力ポートを選択する段階と、コンデンサーCsに基準電圧Vccを充電して故障の有無を診断する段階と、選択したアナログ入力ポートの電圧値を検出する段階とが繰り返して実行されることになる。また、図17(b)には、コンデンサーCsの電圧値が変化する様子が例示されている。尚、図17(b)でコンデンサーCsの電圧値が破線で示されているのは、前回に検出したアナログ入力ポートの電圧値をコンデンサーCsが保持していることを表している。
図17(b)に示した例では、前回に検出したアナログ入力ポートの電圧値が比較的高いので、コンデンサーCsには高い電圧値が保持されている。このため、アナログ入力ポートを選択した後、コンデンサーCsに基準電圧Vccを充電しても、コンデンサーCsの電圧値の上昇量が小さくなるので、コンデンサーCsが充電されているか否かを判断することが困難となる。その結果、選択したアナログ入力ポートが故障しているか否かを判断することも困難となってしまう。そこで、第2実施例の電圧値検出装置20では、コンデンサーCsの電圧を一旦放電してから、基準電圧Vccを充電することによって、アナログ入力ポートの故障発生の有無を確実に診断できるようにしている。
また、第2実施例の電圧値検出装置20でも、アナログ入力ポートの電圧値を検出する前に、接地電圧および基準電圧Vccを検出しているので、たとえ、センサー(ここではサーミスターTh1〜Th3)の接地電圧が変動したり、電源PWRから生成される基準電圧Vccが変動したりした場合でも、センサーの出力値を正確に検出することが可能となる。加えて、図9に例示した一般的な電圧値検出装置90と比較すれば明らかなように、一般的な電圧値検出装置90に対して比較的軽微な変更で、第2実施例の電圧値検出装置20を実現することが可能となる。
以上、第1実施例の電圧値検出装置10および第2実施例の電圧値検出装置20について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
1,2…電圧値検出システム、 10…電圧値検出装置、 11…制御部、
12…電圧値検出器、 13…セレクター、 20…電圧値検出装置、
InP0〜InP3…アナログ入力ポート、 R1〜R3…検出抵抗、
D1〜D3…検出部、 Rg…保護抵抗、 Cs…コンデンサー、
SW0〜SW3…スイッチ、 Th1〜Th3…サーミスター、
PWR…電源、 OTc,OTd,OTg…出力端子、
SWc,SWd,SWg…スイッチ、 Vcc…基準電圧。

Claims (4)

  1. 電圧値をデジタル値に変換して検出する電圧値検出器と複数のアナログ入力ポートとを有し、前記電圧値検出器に接続する前記アナログ入力ポートを切り換えることによって、前記アナログ入力ポートの電圧値を検出する電圧値検出装置において、
    前記電圧値検出器は、接続された前記アナログ入力ポートからの電荷を蓄えることによって前記アナログ入力ポートの電圧値を保持する電圧値保持コンデンサーを有すると共に、前記電圧値保持コンデンサーで保持された電圧値を前記アナログ入力ポートの電圧値として検出しており、
    前記複数のアナログ入力ポートの中から予め選択された特定ポートと、
    前記特定ポートを除いた前記複数のアナログ入力ポートの中から選択された対象ポートと、
    接地電圧または所定の基準電圧の何れか一方が前記特定ポートに入力されると共に、前記特定ポートが前記電圧値検出器に接続された第1接続状態を発生させる第1接続状態発生手段と、
    前記接地電圧および前記基準電圧の中で前記特定ポートに入力されない方が前記対象ポートに入力されると共に、前記対象ポートが前記電圧値検出器に接続された第2接続状態を発生させる第2接続状態発生手段と、
    前記電圧値検出器が前記第1接続状態で検出した電圧値と、前記電圧値検出器が前記第2接続状態で検出した電圧値とに基づいて、前記対象ポートの故障有無を診断するポート故障診断手段と
    を備える電圧値検出装置。
  2. 請求項1に記載の電圧値検出装置において、
    前記ポート故障診断手段は、前記第1接続状態で前記電圧値検出器によって検出された電圧値が、前記接地電圧または前記基準電圧の何れか一方で、前記第2接続状態で前記電圧値検出器によって検出された電圧値が、前記接地電圧または前記基準電圧の何れか他方であった場合に、前記対象ポートが故障していないと診断する
    ことを特徴とする電圧値検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電圧値検出装置において、
    前記特定ポートには、前記基準電圧が入力されており、
    前記対象ポートには、検出抵抗と該検出抵抗に対して直列に接続されたセンサーとの接続点の電圧が入力されると共に、前記検出抵抗と前記センサーとが直列に接続された検出部の上流側には前記基準電圧を発生する電源が接続され、前記検出部の下流側は接地されており、
    前記電源と前記検出部との間には、前記検出部の上流側が前記電源に接続された状態と接地された状態とを切り換える切換スイッチが設けられており、
    前記第1接続状態発生手段は、前記基準電圧が入力された前記特定ポートを前記電圧値検出器に接続することによって前記第1接続状態を発生させており、
    前記第2接続状態発生手段は、前記切換スイッチを切り換えて前記検出部の上流側を接地させることによって前記接地電圧を前記対象ポートに入力すると共に、前記対象ポートを前記電圧値検出器に接続することによって前記第2接続状態を発生させる
    ことを特徴とする電圧値検出装置。
  4. 請求項3に記載の電圧値検出装置において、
    前記センサーは測温抵抗体である
    ことを特徴とする電圧値検出装置。
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