JP2020189834A - ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤 - Google Patents

ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤 Download PDF

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周司 金子
久志 白川
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久志 白川
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洋幸 河合
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充 内木
稔 河村
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稔 河村
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Abstract

【課題】本発明の目的は、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤等を提供することにある。【解決手段】本発明において、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物が神経細胞における電流注入誘発発火の閾値を上昇することが示された。従って、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物又はこれを含有する製剤は、神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤等として有用なものである。【選択図】図9

Description

本発明は、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物(以下「本抽出物」又は「NTP」と表記することがある。)の新規な医薬用途等に関するものである。より具体的には、本抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤等に関する。
近年の研究で、抗がん剤治療、糖尿病、神経外傷などによって起こる神経障害性疼痛(あるいは異常感覚)の病態形成あるいは病態からの回復には、感覚神経の伝達・伝導や下行性抑制系で発生する変化だけでなく、傷害部位に浸潤するマクロファージ・好中球などの末梢血由来免疫系細胞、脊髄後角あるいは上位中枢におけるミクログリア・アストロサイトといったグリア細胞、そして中枢及び末梢神経の軸索に巻き付いてミエリン鞘を形成するオリゴデンドロサイトやシュワン細胞など、いわゆる非神経細胞も大きく関与することが知られるようになっている。
本発明者らは、これらの細胞群に発現するイオンチャネルに着目して、遺伝子改変マウスと病態モデルを組み合わせ、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、下肢虚血によるしびれ、慢性膀胱炎に伴う疼痛などにグリア・免疫細胞の活動が果たす役割について明らかにしてきた。
本発明者らは、本抽出物の末梢神経障害に伴う諸症状の改善作用機序を動物・細胞レベルで明らかにする第一歩として、in vitro初代細胞培養系を用いて、末梢神経障害に関連する諸種刺激によって惹起される感覚神経・グリア・免疫細胞の様々な活性指標に対する各薬物の作用を検討した。その結果、本抽出物が、脊髄後根神経節(dorsal root ganglion;以下「DRG」と表記することがある。)ニューロンの疼痛関連イオンチャネル遺伝子の発現制御を介して、同細胞の発火活性を低下させることが示唆された。
カリウムチャネル(カリウムイオンチャネルともいい、以下「K+チャネル」と表記することがある。)は、細胞膜に存在してカリウムイオン(K+)を選択的に透過させる役割を持つタンパク質である。K+チャネルは、細胞増殖、ホルモン分泌、筋収縮、神経伝達物質遊離等のさまざまな生理機能に重要な役割を担っている。K+チャネルには複数の種類があるが、ほとんどがイオン透過経路を構成するために中央部分にK+を通す小孔(ポア)が開く四量体からなるαサブユニットと、電流特性や膜発現量を制御するβサブユニットを有している。電気生理学的特性やαサブユニットの膜貫通領域の構造の違いにより、六回膜貫通型の「電位依存性カリウム(以下「KV」と表記することがある。)チャネル」と「カルシウム活性化カリウムチャネル」、二回膜貫通型の「内向き整流性カリウムチャネル」、四回膜貫通型の「Two-pore型カリウムチャネル」に大別される。
KVチャネルは、静止膜電位付近ではポアが閉じているが、脱分極によって活性化しポアが開口するという、膜内外の電位差の変化によってポアが開閉する電位依存性チャネルであり、静止膜電位の形成や電気的な細胞応答、シナプス伝達やカリウム濃度の恒常性維持に関わっている。さらに、KVチャネルは脱分極刺激による活性化の後すぐに不活性化される「一過性KV電流(transient KV currents)」と活性化が持続する「持続型KV電流(sustained KV currents)」に分けることができる。
ところで、DRGニューロンの活動亢進によって神経障害性疼痛が引き起こされることが広く知られている。一般的に、痛みに関連したDRGニューロンは小型細胞(小型DRGニューロン)である。神経障害及び炎症刺激が小型DRGニューロンにおけるK+チャネルの機能不全を引き起こすことによるK+チャネルの異常調節は、神経障害性疼痛の根底にある病態生理学的メカニズムの1つであり、K+チャネル活性化への治療の可能性が強調されている。
KVチャネルにはファミリーが存在しており、KV1.1、KV1.2、KV1.3、KV1.4、KV1.5、KV1.6、KV1.7、KV1.8、KV2.1、KV2.2、KV3.1、KV3.2、KV3.3、KV3.4、KV4.1、KV4.2、KV4.3、KV5.1、KV6.1、KV6.2、KV6.3、KV6.4、KV7.1、KV7.2、KV7.3、KV7.4、KV7.5、KV8.1、KV8.2、KV9.1、KV9.2、KV9.3、KV10.1、KV10.2、KV11.1、KV11.2、KV11.3、KV12.1、KV12.2、KV12.3等が知られている。
本発明に係る神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤に含有される本抽出物又はこれを含有する製剤については、鎮痛作用、鎮静作用、抗ストレス作用、抗アレルギー作用、免疫促進作用、抗癌作用、肝硬変抑制作用、特発性血小板減少性紫斑病に対する治療効果、帯状疱疹後神経痛、脳浮腫、認知症、脊髄小脳変性症等への治療効果、レイノー症候群、糖尿病性神経障害、スモン後遺症等への治療効果、カリクレイン産生阻害作用、末梢循環障害改善作用、骨萎縮改善作用、敗血症やエンドトキシンショックの治療に有効な一酸化窒素産生抑制作用、骨粗鬆症に対する治療効果、Nef作用抑制作用やケモカイン産生抑制作用に基づくエイズ治療効果、脳梗塞等の虚血性疾患に対する治療効果、線維筋痛症に対する治療効果、感染症に対する治療効果、抗癌剤による末梢神経障害の予防又は軽減作用、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎及び/又は排尿障害の治療効果、BDNF等の神経栄養因子の産生促進作用、肝の保護作用、多能性幹細胞(Muse細胞)遊走促進作用、筋損傷の予防又は治療効果など非常に多岐に及ぶ作用・効果が知られている。本抽出物又はこれを含有する製剤の鎮痛作用のメカニズムとしては、モノアミン作動性の下行性疼痛抑制系神経の活性化を介するもの(非特許文献1)や下行性のノルアドレナリン作動性青斑核ニューロンを直接興奮させ脊髄後角における痛覚伝達を阻害する(非特許文献2)といったことが知られている。しかしながら、本抽出物又はこれを含有する製剤が、KV電流を持続的に増加させることにより小型DRGニューロンにおける電流注入誘発発火の閾値を上昇させることはこれまで知られていなかった。また、このような作用を有する薬剤も他にはこれまで知られていない。
PAIN RESEARCH、25巻、179-188頁、2010年 Life Sciences、136巻、79-86頁、2015年
本発明は、本抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤等を提供するものである。
本発明者らは、本抽出物の薬理作用について鋭意研究を行った結果、本抽出物が優れた神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇作用を有することを見出し、本発明を完成した。
本抽出物が神経細胞における電流注入誘発発火の閾値を上昇させる作用を有することから、本抽出物を含有する製剤は、新たな作用機序による慢性疼痛疾患に優れた治療又は予防剤になり得る。特に、本抽出物を含有する製剤は、副作用等の問題点の少ない安全性の高い薬剤として長年使用されているものであるため、本発明は極めて有用性の高いものである。
図1は、培養DRGニューロン発火におけるNTPの作用をみたものであり、電流注入のプロトコル(左)と300 pA注入時における対照群 ( Ctrl ) 、0.01 NU/mL NTP処置群、0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群の各活動電位の典型例を表したグラフ(中央及び右)である。 図2は、培養DRGニューロン発火におけるNTPの作用をみたものであり、対照群、0.01 NU/mL NTP処置群、0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群における電流注入時の発火回数を表すグラフである。 図3は、培養DRGニューロン発火におけるNTPの作用をみたものであり、発火閾値電流の測定プロトコル(左)と100、200、300、400 pA注入時の対照群、0.01 NU/mL NTP処置群、0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群における典型例(中央及び右)を表したグラフである。 図4は、培養DRGニューロン発火におけるNTPの作用をみたものであり、対照群、0.01 NU/mL NTP処置群、0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群における発火閾値電流を表したグラフである。 図5は、刺激プロトコルと過分極パルスによって誘発される内向き電流の典型例である。 図6は、培養DRGニューロンの電位非依存的なK+電流に対するNTPの作用をみたものであり、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群の過分極パルスとそれにより誘発される内向き電流のプロットである。縦軸の電流密度には電位変化後の電流値と電位変化前の電流値の差分を取り、膜容量(pF)で除したものを用いた。 図7は、上段左は総KV電流の測定プロトコルを表し、下段左は総KV電流の典型例を表し、上段中央は持続性KV電流の測定プロトコルを表し、下段中央は持続性KV電流の典型例を表す。下段右は、一過性KV電流を表し、総KV電流から持続性KV電流を引くことで得た。 図8は、培養DRGニューロンのKV電流に対するNTPの作用をみたものであり、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群における持続性KV電流の典型例を表したグラフである。 図9は、培養DRGニューロンのKV電流に対するNTPの作用をみたものであり、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群における持続性KV電流の電流電圧曲線のグラフである。 図10は、培養DRGニューロンのKV電流に対するNTPの作用をみたものであり、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群における一過性KV電流の典型例を表したグラフである。 図11は、培養DRGニューロンのKV電流に対するNTPの作用をみたものであり、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群における一過性KV電流の電流電圧曲線のグラフである。
本抽出物は、ワクシニアウイルスを接種して発痘した動物の炎症組織から抽出分離した非蛋白性の活性物質を含有する抽出物である。本抽出物は、抽出された状態では液体であるが、乾燥することにより固体にすることもできる。本製剤は、医薬品として非常に有用なものである。本製剤として出願人が日本において製造し販売している具体的な商品に「ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤」(商品名:ノイロトロピン/NEUROTROPIN〔登録商標〕)(以下「ノイロトロピン」という。)がある。ノイロトロピンには、注射剤と錠剤があり、いずれも医療用医薬品(ethical drug)である。
ノイロトロピンの注射剤の適応症は、「腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、皮膚疾患(湿疹、皮膚炎、蕁麻疹)に伴う掻痒、アレルギー性鼻炎、スモン(SMON)後遺症状の冷感・異常知覚・痛み」である。ノイロトロピンの錠剤の適応症は、「帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症」である。本製剤は、出願人が創製し、医薬品として開発したものであり、その有効性と安全性における優れた特長が評価され、長年にわたり販売されて、日本の医薬品市場で確固たる地位を確立しているものである。
本発明におけるワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物はワクシニアウイルスを接種して発痘した炎症組織を破砕し、抽出溶媒を加えて組織片を除去した後、除蛋白処理を行い、これを吸着剤に吸着させ、次いで有効成分を溶出することによって得ることができる。即ち、例えば、以下のような工程である。
(A)ワクシニアウイルスを接種し発痘させたウサギ、マウス等の皮膚組織等を採取し、発痘組織を破砕し、水、フェノール水、生理食塩液またはフェノール加グリセリン水等の抽出溶媒を加えた後、濾過または遠心分離することによって抽出液(濾液または上清)を得る。
(B)前記抽出液を酸性のpHに調整して加熱し、除蛋白処理する。次いで除蛋白した溶液をアルカリ性に調整して加熱した後に濾過または遠心分離する。
(C)得られた濾液または上清を酸性とし活性炭、カオリン等の吸着剤に吸着させる。
(D)前記吸着剤に水等の抽出溶媒を加え、アルカリ性のpHに調整し、吸着成分を溶出することによってワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を得ることができる。その後、所望に応じて、適宜溶出液を減圧下に蒸発乾固または凍結乾燥することによって乾固物とすることもできる。
ワクシニアウイルスを接種し炎症組織を得るための動物としては、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、サル、ラット、マウスなどワクシニアウイルスが感染する種々の動物を用いることができ、炎症組織としてはウサギの炎症皮膚組織が好ましい。ウサギはウサギ目に属するものであればいかなるものでもよい。例としては、アナウサギ、カイウサギ(アナウサギを家畜化したもの)、ノウサギ(ニホンノウサギ)、ナキウサギ、ユキウサギ等がある。これらのうち、カイウサギが使用するには好適である。日本では過去から飼育され家畜又は実験用動物として繁用されている家兎(イエウサギ)と呼ばれるものがあるが、これもカイウサギの別称である。カイウサギには、多数の品種(ブリード)が存在するが、日本白色種やニュージーランド白色種(ニュージーランドホワイト)といった品種が好適に用いられ得る。
ワクシニアウイルス(vaccinia virus)は、いかなる株のものであってもよい。例としては、リスター(Lister)株、大連(Dairen)株、池田(Ikeda)株、EM−63株、ニューヨーク市公衆衛生局(New York City Board of Health)株等が挙げられる。
上記した本抽出物の基本的な抽出工程(A)〜(D)は、より詳しくは、例えば、以下のようなものとして実施できる。
工程(A)について
ウサギの皮膚にワクシニアウイルスを皮内接種して発痘させた炎症皮膚組織を採取する。採取した皮膚組織はフェノール溶液等で洗浄、消毒を行なう。この炎症皮膚組織を破砕し、その1乃至5倍量の抽出溶媒を加える。ここで、破砕とは、ミンチ機等を使用してミンチ状に細かく砕くことを意味する。また、抽出溶媒としては、蒸留水、生理食塩水、弱酸性乃至弱塩基性の緩衝液などを用いることができ、フェノール等の殺菌・防腐剤、グリセリン等の安定化剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の塩類などを適宜添加してもよい。この時、凍結融解、超音波、細胞膜溶解酵素又は界面活性剤等の処理により細胞組織を破壊して抽出を容易にすることもできる。得られた懸濁液を、5日乃至12日間放置する。その間、適宜攪拌しながら又は攪拌せずに、30乃至45℃に加温してもよい。得られた液を固液分離(濾過又は遠心分離等)によって組織片を除去して粗抽出液(濾液又は上清)を得る。
工程(B)について
工程(A)で得られた粗抽出液について除蛋白処理を行う。除蛋白は、通常行われている公知の方法により実施でき、加熱処理、蛋白質変性剤(例えば、酸、塩基、尿素、グアニジン、アセトン等の有機溶媒など)による処理、等電点沈澱、塩析等の方法を適用することができる。次いで、不溶物を除去する通常の方法、例えば、濾紙(セルロース、ニトロセルロース等)、グラスフィルター、セライト、ザイツ濾過板等を用いた濾過、限外濾過、遠心分離などにより析出してきた不溶蛋白質を除去した濾液又は上清を得る。
工程(C)について
工程(B)で得られた濾液又は上清を、酸性、好ましくはpH3.5乃至5.5に調整し、吸着剤への吸着操作を行う。使用可能な吸着剤としては、活性炭、カオリン等を挙げることができ、抽出液中に吸着剤を添加し攪拌するか、抽出液を吸着剤充填カラムに通過させて、該吸着剤に有効成分を吸着させることができる。抽出液中に吸着剤を添加した場合には、濾過や遠心分離等によって溶液を除去して、活性成分を吸着させた吸着剤を得ることができる。
工程(D)について
工程(C)で得られた吸着剤から活性成分を溶出(脱離)させるには、当該吸着剤に溶出溶媒を加え、塩基性、好ましくはpH9乃至12に調整し、室温又は適宜加熱して或いは攪拌して溶出し、濾過や遠心分離等の通常の方法で吸着剤を除去する。用いられる溶出溶媒としては、塩基性の溶媒、例えば塩基性のpHに調整した水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等又はこれらの適当な混合溶液を用いることができ、好ましくはpH9乃至12に調整した水を使用することができる。溶出溶媒の量は適宜設定することができる。このようにして得られた溶出液を、原薬として用いるために、適宜pHを中性付近に調整するなどして、最終的にワクシニアウイルス接種ウサギ炎症皮膚抽出物(本抽出物)を得ることができる。
本抽出物は、できた時点では液体であるので、適宜濃縮・希釈することによって所望の濃度のものにすることもできる。本抽出物から製剤を製造する場合には、加熱滅菌処理を施すのが好ましい。注射剤にするためには、例えば塩化ナトリウム等を加えて生理食塩液と等張の溶液に調製することができる。また、液体あるいはゲル等の状態で経口投与することも可能であるが、本抽出物に適切な濃縮乾固等の操作を行うことによって、錠剤等の経口用固形製剤を製造することもできる。本抽出物からこのような経口用固形製剤を製造する具体的な方法は、日本特許第3818657号や同第4883798号の明細書に記載されている。こうして得られる注射剤や経口用製剤等が本製剤の例である。
以下に、本抽出物の製造方法の例、及び本抽出物の新規な薬理作用、神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇作用に関する薬理試験結果を示すが、本発明はこれらの実施例の記載によって何ら制限されるものではない。
実施例1 本抽出物の製造
健康な成熟家兎の皮膚にワクシニアウイルスを皮内接種し、発痘した皮膚を切り取り採取した。採取した皮膚はフェノール溶液で洗浄・消毒を行なった後、余分のフェノール溶液を除去し、破砕して、フェノール溶液を加え混合し、3〜7日間放置した後、さらに3〜4日間攪拌しながら35〜40℃に加温した。その後、固液分離して得た抽出液を塩酸でpH4.5〜5.2に調整し、90〜100℃で30分間、加熱処理した後、濾過して除蛋白した。さらに、濾液を水酸化ナトリウムでpH9.0〜9.5に調整し、90〜100℃で15分間、加熱処理した後、固液分離した。
得られた除蛋白液を塩酸でpH4.0〜4.3に調整し、除蛋白液質量の2%量の活性炭を加えて2時間攪拌した後、固液分離した。採取した活性炭に水を加え、水酸化ナトリウムでpH9.5〜10とし、60℃で90〜100分間攪拌した後、遠心分離して上清を得た。遠心分離で沈澱した活性炭に再び水を加えた後、水酸化ナトリウムでpH10.5〜11とし、60℃で90〜100分間攪拌した後、遠心分離して上清を得た。両上清を合せて、塩酸で中和し、本抽出物を得た。
実施例2(試験方法と試験結果)
次に、上記実施例1で得られた本抽出物の、神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇作用を示す電気生理学的試験の方法及び結果を示す。
試験方法
(1)培養ラットDRGニューロンの調製及びNTP処置
Wistar/ST雄性ラット(6〜9週齢)をCO2により麻酔した後、両側の胸部及び腰部DRGを全て摘出した。摘出したDRGを、0.3%コラゲナーゼと0.4%ディスパーゼを含む37℃のハンクス溶液中で60分間インキュベートした後、percoll法を用いDRGニューロンを単離した。単離されたDRGニューロンはpoly-L-lysineとlamininにてコーティングされたカバーガラスに播種し、培地は以下に示す組成のものを用いた: MACS Neuro Medium (Miltenyi Biotec), 2% MACS NeuroBrew-21 (Miltenyi Biotec), 0.5% GlutaMAX supplement (Invitrogen), 100 U/mL penicillin (Nacalai Tesque), 100 μg/mL streptomycin (Nacalai Tesque), 0.05 g/mL 2.5S nerve growth factor (Sigma-Aldrich)。
NTPの処置は播種翌日から3日間とし、NTPを含む培地に交換することで実施した。また、NTPを含まない培地への交換を対照群(無処置群、Ctrl)とした。
(2)電気生理学的検討
NTP処置の3日後に、室温条件にて電気生理学的検討を行った。ホールセル記録は膜容量が35 pF未満の小型DRGニューロンを対象とした。組成液は以下のものを使用した。
細胞外液 (mM): 124 NaCl, 3 KCl, 1.2 MgCl2, 2.4 CaCl2, 10 HEPES, 26 NaHCO3, 1 NaH2PO4, 10 D-glucose, pH 7.3 (adjusted with NaOH)
細胞内液 (mM): 140 K-gluconate, 5 KCl, 2 MgCl2, 10 HEPES, 0.2 EGTA, 2 ATP-Na2, pH 7.2 (adjusted with KOH)
また、K+電流の単離測定(Na+電流及びCa2+電流の阻害)には以下の組成液を用いた。細胞内液は上述と同様である。
細胞外液 (mM): 150 choline-Cl, 5 KCl, 1 MgCl2, 2 CaCl2, 1 CoCl2, 10 HEPES, 10 D-glucose, pH 7.3 ( adjusted with KOH )
C-fast、C-slowの補正はすべてPatchMasterソフトウェア (HEKA Elektronik) とEPC-10 (HEKA) を用いて自動で行った。データは2.9 kHzのフィルターをかけ、アクセス抵抗は70%にまで補正した。
(3)統計処置
統計処置にはGraphPad Prism 5 (GraphPad Software) を使用した。得られたデータは平均値±標準誤差で表した。群間の検定にはone-way analysis of variance (ANOVA) あるいはtwo-way ANOVAを用い、post hoc testとしてBonferroni法を使用した。危険率が5%未満の場合に統計学的に有意差があると判定した。
試験結果
〔実施例1〕
DRGニューロン発火に対するNTPの影響を検討するため、電流注入時に誘発される活動電位を記録した。対照群においては、DRGニューロンは電流注入に対し複数の発火回数を示したが、0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群においては発火回数が有意に減少した(図1及び2)。
また、DRGニューロン発火に対するNTPの影響を検討するため、電流注入時における発火閾値電流を記録した。活動電位生成に関与する発火閾値電流は、対照群と比較し0.1 NU/mL NTP処置群及び1 NU/mL NTP処置群によって有意に上昇した(図3及び4)。
図1〜4の結果から明らかなように、NTPは用量依存的にDRGニューロンの活動電位発生を抑制することが示された。
なお、「NU」は「ノイロトロピン単位 ( Neurotropin Unit )」の略であり、「ノイロトロピン単位」とは、疼痛閾値が正常動物より低下した慢性ストレス動物であるSARTストレスマウスを用い、Randall-Selitto変法(尾圧法)による試験を行い、鎮痛効力のED50値をもって規定する。1 NUはED50値が100 mg/kg(マウス体重)であるときの本抽出物1 mgの示す活性である。「SARTストレスマウス」とは、反復寒冷ストレス( Specific Alternation of Rhythm in Temparature Stress ) を負荷したマウスである。作製方法は喜多らの方法(「日薬理誌」、第72巻、第5号、573-584頁、1976年)に準じて行うことができる。すなわち、マウスの場合は、飼育環境温度を午前10時から午後5時までは1時間毎に24℃と4℃に交互に変更し、次いで午後5時から翌朝の午前10時の間は4℃に維持し、水及び飼料は自由に摂取させ、4日間以上飼育して反復寒冷ストレスを負荷することで作製することができる。
〔実施例2〕
さらにNTPのDRGニューロン活動抑制作用に関するメカニズムを検討するため、K+電流に着目した。K+電流の単離は前述の方法で行った。
結果として、電位非依存的なK+電流に関しては、対照群及び0.1 NU/mL NTP処置群に有意な差は認められなかった(図5及び図6)。
〔実施例3〕
NTPのDRGニューロン活動抑制作用に関するメカニズムを検討するため、NTPが電位依存性K+ ( KV ) チャネルに影響を与えるか検討した。KV電流はそのkineticsにより、持続性の成分 (sustained KV currents) と一過性の成分 (transient KV currents) に分けることができる。これらの成分を個別に評価するため、総KV電流から持続性KV電流を引くことにより、一過性KV電流を得た(図7)。総KV電流及び持続性KV電流は、DRGニューロンをそれぞれ−80 mV及び−30 mVに電位固定した後、電位変化を加えることで誘発させた。
結果として、NTPの3日間処置によって、持続性KV電流は対照群と比較して有意に増強した(図8及び9)。一方、一過性KV電流は有意な変動が観察されなかった(図10及び11)。
図8〜11の結果から明らかなように、NTPはDRGニューロンにおいて、3日間の処置により選択的に持続性KV電流を増強することが示された。
以上のことから、本発明の好ましい実施態様としては以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(2)神経細胞が、DRGニューロンである上記(1)に記載の神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(3)KV電流を増加させることによりDRGニューロンの発火活性を低下させる作用を示す上記(2)に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(4)KV電流の増加が持続的なものである上記(3)に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(5)DRGニューロンが小型である上記(2)乃至(4)のいずれかに記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(6)炎症組織が皮膚組織である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(7)皮膚組織がウサギの皮膚組織である上記(6)に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(8)注射剤である上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(9)経口剤である上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
(10)神経細胞における電流注入誘発発火の閾値を上昇させる作用を指標とするワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物又はこれを含有する製剤の判定又は評価方法。
(11)神経細胞が、DRGニューロンである上記(10)に記載の判定又は評価方法。
(12)KV電流を増加させることによりDRGニューロンの発火活性を低下させる作用を示す上記(11)に記載の判定又は評価方法。
(13)KV電流を持続的に増加させることを指標とする上記(12)に記載の判定又は評価方法。
(14)DRGニューロンが小型である上記(11)乃至(13)のいずれかに記載の判定又は評価方法。
(15)炎症組織が皮膚組織である上記(10)乃至(14)のいずれかに記載の判定又は評価方法。
(16)皮膚組織がウサギの皮膚組織である上記(15)に記載の判定又は評価方法。
(17)製剤が注射剤である上記(10)乃至(16)のいずれかに記載の判定又は評価方法。
(18)製剤が経口剤である上記(10)乃至(16)のいずれかに記載の判定又は評価方法。
(19)上記(10)乃至(18)のいずれかに記載の判定又は評価方法によってワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物又はこれを含有する製剤の品質規格を担保する方法。
(20)小型DRGニューロンの電流注入誘発発火の閾値上昇が、KV電流によるものである閾値上昇剤のスクリーニング方法。
以上のとおり、本抽出物は神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇作用、特にKV電流を持続的に増加させることにより小型DRGニューロンにおける電流注入誘発発火の閾値を上昇させることで鎮痛効果を発揮させる作用を有する。このことから、本抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤は有用である。

Claims (20)

  1. ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する神経細胞における電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  2. 神経細胞が、DRGニューロンである請求項1に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  3. KV電流を増加させることによりDRGニューロンの発火活性を低下させる作用を示す請求項2に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  4. KV電流の増加が持続的なものである請求項3に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  5. DRGニューロンが小型である請求項2乃至4のいずれか一項に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  6. 炎症組織が皮膚組織である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  7. 皮膚組織がウサギの皮膚組織である請求項6に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  8. 注射剤である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  9. 経口剤である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電流注入誘発発火の閾値上昇剤。
  10. 神経細胞における電流注入誘発発火の閾値を上昇させる作用を指標とするワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物又はこれを含有する製剤の判定又は評価方法。
  11. 神経細胞が、DRGニューロンである請求項10に記載の判定又は評価方法。
  12. KV電流を増加させることによりDRGニューロンの発火活性を低下させる作用を示す請求項11に記載の判定又は評価方法。
  13. KV電流を持続的に増加させることを指標とする請求項12に記載の判定又は評価方法。
  14. DRGニューロンが小型である請求項11乃至13のいずれか一項に記載の判定又は評価方法。
  15. 炎症組織が皮膚組織である請求項10乃至14のいずれか一項に記載の判定又は評価方法。
  16. 皮膚組織がウサギの皮膚組織である請求項15に記載の判定又は評価方法。
  17. 製剤が注射剤である請求項10乃至16のいずれか一項に記載の判定又は評価方法。
  18. 製剤が経口剤である請求項10乃至16のいずれか一項に記載の判定又は評価方法。
  19. 請求項10乃至18のいずれか一項に記載の判定又は評価方法によってワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物又はこれを含有する製剤の品質規格を担保する方法。
  20. 小型DRGニューロンの電流注入誘発発火閾値の上昇が、KV電流によるものである閾値上昇剤のスクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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