JP2020189632A - 捕獲システム、宇宙航行体及び板状体 - Google Patents

捕獲システム、宇宙航行体及び板状体 Download PDF

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Abstract

【課題】宇宙空間における対象物を捕獲する捕獲システムにおいて、低コストでミッションの成功率を高める。【解決手段】宇宙空間における対象物Tを捕獲する捕獲システム1は、対象物Tに取り付けられ磁力で吸着される板状体10と、板状体10を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部23を有する宇宙航行体20と、を備える。宇宙航行体20は、磁力を発生させる磁力発生部23を有し、宇宙空間における対象物Tに取り付けられ磁力で吸着される板状体10を、磁力発生部23で発生させた磁力で吸着させることにより、対象物Tを捕獲することを可能とする。板状体10は、宇宙空間における対象物Tが宇宙空間に打ち上げられる前に対象物Tに取り付けられ、宇宙航行体20の磁力発生部23で発生させた磁力で吸着されることにより、宇宙航行体20が対象物Tを捕獲することを可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は、捕獲システム、宇宙航行体及び板状体に関する。
現在、地球の周回軌道上には、過去に打ち上げられて任務を終えたり破損したりした人工衛星及びその破片やロケットの上段等の残骸が、スペースデブリ(以下、「デブリ」と称する。)として存在することが知られている。かかるデブリは、任務遂行中の正常な宇宙ステーションや人工衛星に衝突して危害を加える虞があることから、周回軌道から離脱させて焼却したり回収したりする技術が種々提案されている。
例えば、導電性テザー装置をデブリに取り付け、テザーに働く電磁気的な相互作用によってデブリを減速させるために、母機をデブリに接近させ、母機に搭載されたロボットアームによってデブリを捕獲する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、近年においては、テザーを宇宙空間に放出して展開させるために、母機をデブリに接近させ、母機に搭載されたデブリ捕獲装置からデブリに向けてテザー付きの銛を射出し、デブリに銛を貫入させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−98959号公報 特開2016−68730号公報
しかし、特許文献1に記載されたようなロボットアームによる捕獲技術は、ロボットアームが複雑な機構であるため、装置の質量や大きさが増大し、開発・製造や打ち上げコストが非常に高くなる。また、特許文献2に記載されたような銛による捕獲技術も、銛の射出機構が必要となりコストがかかる上に、一度銛の打ち込みに失敗した場合のやり直しができないため、ミッションの成功率が低くなる虞があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、宇宙空間における対象物を捕獲する捕獲システムにおいて、低コストでミッションの成功率を高めることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る捕獲システムは、宇宙空間における対象物を捕獲するものであって、対象物に取り付けられ磁力で吸着される板状体と、板状体を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部を有する宇宙航行体と、を備えるものである。また、本発明に係る宇宙航行体は、磁力を発生させる磁力発生部を有するものであって、宇宙空間における対象物に取り付けられ磁力で吸着される板状体を、磁力発生部で発生させた磁力で吸着させることにより、対象物を捕獲することを可能とするものである。さらに、本発明に係る板状体は、宇宙空間における対象物が宇宙空間に打ち上げられる前に対象物に取り付けられるものであって、宇宙航行体の磁力発生部で発生させた磁力で吸着されることにより、宇宙航行体が対象物を捕獲することを可能とするものである。
かかる構成を採用すると、宇宙空間における対象物に、磁力で吸着される板状体を予め取り付けておき、宇宙航行体の磁力発生部で発生させた磁力によってこの板状体を吸着させることにより、対象物を捕獲することができる。対象物に予め取り付けた板状体は電気的機械的構造を一切持たず、また、宇宙航行体の磁力発生部の機構も比較的簡易なものとなるため、開発・製造コストを格段に低減させることができる。
本発明に係る捕獲システムにおいて、板状部材と、板状部材の表面に設けられた磁性部と、を有する磁力発生部を採用することができる。この際、磁性部を、板状部材の周縁に沿って所定間隔で複数設けることができる。
磁性部としては、永久磁石を採用することができる。このようにすると、比較的低いコストで磁力発生部を構成することができる。また、磁性部として、通電により磁力を発生させる電磁石を採用してもよい。このようにすると、例えば磁力発生部と板状体との吸着状態が不適切であるような場合に、電磁石への通電を停止して一時的に磁力をなくすことにより、不適切な吸着状態を解消することができる。その後、必要に応じて電磁石への通電を再開することにより、磁力発生部と板状体との吸着を再度実現させることができる。
本発明に係る捕獲システムにおいて、本体と、本体に対して突出・引込可能に設けられる棒状部材と、を有する宇宙航行体を採用することができる。かかる場合において、磁力発生部を、棒状部材の先端に取り付けることができる。
かかる構成を採用すると、宇宙航行体の本体に対して突出・引込可能に設けられた棒状部材の先端に磁力発生部が取り付けられているため、対象物を捕獲する際には、宇宙航行体の本体から棒状部材を対象物の板状体へと突出させて、磁力発生部を板状体へと近付けることができる。一方、宇宙航行体が宇宙を航行する際には、棒状部材を本体内に引き込むことができるため、対象物の他の部分(アンテナ、ノズル、太陽電池等の板状体とは異なる部分)と棒状部材とが干渉することを防ぐことができる。また、宇宙航行体に設けられた棒状部材の先端(磁力発生部)で最初に対象物に接触することにより、宇宙航行体全体の荷重が対象物に作用することを防ぐことができる。従って、対象物への影響を最小限に留めることができる。
本発明に係る捕獲システムにおいて、板状体は、磁性材料で構成された部分を有することができる。磁性材料としては、鉄、ニッケル、パーマロイ、鋼等を採用することができる。
本発明によれば、宇宙空間におけるデブリ等の対象物を捕獲する捕獲システムにおいて、低コストでミッションの成功率を高めることが可能となる。
本発明の実施形態に係る捕獲システムの全体構成を説明するための構成図である。 本発明の実施形態に係る捕獲システムを構成する板状体の平面図である。 図2に示す板状体の内部構造を説明するための構造図である。 本発明の実施形態に係る捕獲システムを構成する宇宙航行体の斜視図である。 図4に示す宇宙航行体の棒状部材を本体に引き込んだ状態を示す斜視図である。 図4に示す宇宙航行体の磁力発生部の正面図である。 図4に示す宇宙航行体の磁力発生部の変形例の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る板状体の平面図である。 磁性体((A)は短冊状、(B)は略正方形状)の内部に発生する反磁場を説明するための説明図である。 磁性体内部の磁路を説明するための説明図である。
以下、各図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1〜図7を用いて、本発明の実施形態に係る捕獲システム1の構成について説明する。
本実施形態に係る捕獲システム1は、宇宙空間における対象物(例えばデブリ)Tを捕獲するためのものであって、図1に示すように、対象物Tに取り付けられる板状体10と、板状体10を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部23(後述)を有する宇宙航行体20と、を備えている。
板状体10は、図2及び図3に示すように、平面視円形状を呈し所定の厚さを有する板状の部材であって、対象物Tの所定部位(例えば平坦な部位)に予め取り付けられている。
本実施形態における板状体10は、図3に示すように、アルミニウムで構成された中央部分11と、鉄で構成された周辺部分12と、を有しており、磁性材料である鉄で構成された周辺部分12が宇宙航行体20の磁力発生部21に吸着されるようになっている。なお、鉄に代えて、他の磁性材料(例えば、ニッケル、パーマロイ、鋼等)で周辺部分12を構成することもできる。また、中央部分11及び周辺部分12の双方を鉄等の磁性材料で構成してもよい。板状体10の面積は、宇宙航行体20の磁力発生部23の面積と略同一に(又は磁力発生部23の面積よりも若干大きく)設定することができる。
板状体10の中央部分11には、宇宙航行体20の接近ナビゲーション用のマーカー13を設けることができる。マーカー13は、ある幾何パターンを示すものであり、例えば、3個以上の丸を所定のパターンで複数配置することができる。マーカー13は、光を反射可能な材料(例えば、ガラスビーズ、鏡等)から形成されており、宇宙航行体20から照射された光を宇宙航行体20の方向に反射させるものである。板状体10の位置及び動きの特定を可能にするために、マーカー13は、少なくとも3個設けられることが好ましい。なお、吸着時における板状体10の損傷を防ぐために、板状体10の表面に特定の加工を施すことができる。
宇宙航行体20は、ロケットに取り付けられて宇宙空間に打ち上げられた後、ロケットから分離して宇宙空間を自律的に移動できるように構成されており、図4に示すように、略直方体状の本体21と、本体21に対して突出・引込可能に設けられる略円筒状の棒状部材22と、を有している。宇宙航行体20は、打ち上げられるときや宇宙空間を移動するときは、図5に示すように、棒状部材22が本体21内に引き込まれた状態とされる。
宇宙航行体20の棒状部材22の先端には、対象物Tに取り付けられた板状体10を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部23が取り付けられている。磁力発生部23は、図6に示すように、平面視円形状を呈する板状部材23aと、板状部材23aの表面に設けられた磁性部23bと、を有している。本実施形態においては、図6に示すように、平面視円形状の永久磁石を磁性部23bとして採用しており、この永久磁石を板状部材23aの周縁に沿って所定間隔で複数設けている。磁力発生部23によって発生させる磁力は、板状体10を吸着させることができる値(例えば4N)に設定されている。
宇宙航行体20は、図6に示すように、板状体10の中央部分に取り付けられたマーカー13等を、宇宙航行体20のカメラ24等によって認識することで、接近の際のナビゲーションを容易にすることができる。
なお、宇宙航行体20においては、磁性部23bの一個当たりの面積や、磁性部23bの位置及び個数等を適宜変更することができる。例えば、図6に示すように比較的面積の大きい磁性部23bを設ける代わりに、図7に示すように比較的面積の小さい磁性部23bを多数設けることもできる。
次に、本発明の実施形態に係る捕獲システム1を用いて対象物Tを捕獲する方法について説明する。
まず、対象物Tに向けて宇宙航行体20を移動させる。この際、宇宙航行体20は、カメラ24による撮像をしながら、対象物Tに取り付けられた板状体10の探索を行う。板状体10の探索は、投光機から照射された光を板状体10の表面に取り付けられたマーカー13の表面で反射させ、その光をカメラ24によりとらえ、演算部がそれを認識すること等を経て完了する。板状体10の表面の複数のマーカー13のパターンを認識することから得られる情報等により、対象物Tの相対位置及び相対姿勢を認識することで、宇宙航行体20は、対象物Tに接近するように移動することができる。
次いで、対象物Tと宇宙航行体20との間の距離が所定値以下になった時点で、宇宙航行体20の棒状部材22を本体21から対象物Tの板状体10へと突出させる。そして、宇宙航行体20の棒状部材22の先端に取り付けられた磁力発生部23で発生させた磁力により、対象物Tに予め取り付けられた板状体10を吸着させる。続いて、宇宙航行体20の棒状部材22を本体21側に引き込むことにより、宇宙航行体20に対して対象物Tを近付けて捕獲する。
以上説明した実施形態に係る捕獲システム1においては、宇宙空間における対象物Tに、磁力で吸着される板状体10を予め取り付けておき、宇宙航行体20の磁力発生部23で発生させた磁力によって板状体10を吸着させることにより、対象物Tを捕獲することができる。対象物Tに予め取り付けた板状体10は電気的機械的構造を一切持たず、また、宇宙航行体20の磁力発生部23の機構も比較的簡易なものとなるため、開発・製造コストを格段に低減させることができる。
また、以上説明した実施形態に係る捕獲システム1においては、磁性部23bとして永久磁石を採用しているため、比較的低いコストで磁力発生部23を構成することができる。
また、以上説明した実施形態に係る捕獲システム1においては、宇宙航行体20の本体21に対して突出・引込可能に設けられた棒状部材22の先端に磁力発生部23が取り付けられているため、対象物Tを捕獲する際には、宇宙航行体20の本体21から棒状部材22を対象物Tの板状体10へと突出させて、磁力発生部23を板状体10へと近付けることができる。一方、宇宙航行体20が宇宙を航行する際には、棒状部材22を本体21内に引き込むことができるため、対象物Tの他の部分(アンテナ、ノズル、太陽電池等の板状体10とは異なる部分)と棒状部材22とが干渉することを防ぐことができる。また、宇宙航行体20に設けられた棒状部材22の先端(磁力発生部23)で最初に対象物Tに接触することにより、宇宙航行体20全体の荷重が対象物Tに作用することを防ぐことができる。従って、対象物Tへの影響を最小限に留めることができる。
なお、本実施形態においては、図3に示すように、平面視円形状を呈する板状体10を採用し、その円環状の周辺部分12を磁性材料で構成した例を示したが、板状体10の形状や磁性材料で構成される部分(磁性体)の形状はこれに限られるものではない。例えば、図8に示すように平面視矩形状の板状体14(着色されている部分)を磁性材料で構成し、その板状体14に小型の略正方形状の孔15を複数開けることにより、(i)外磁場による分極に起因した磁気モーメントの生成を低減しつつ、(ii)捕獲に必要な吸着力を維持すること、を可能とした磁性板状体10Aを得ることができる。
対象物Tが運用されるとき及び対象物Tが宇宙航行体20によって捕獲されるときの双方において、板状体が対象物Tに与える姿勢外乱(対象物Tの姿勢に作用する外力)を最小限に抑えることが求められる。磁性材料を含む板状体は、それ自体が着磁して磁気モーメントを有する。その結果、板状体と外磁場との電磁力的な相互作用により、対象物Tに残留磁気トルクを発生させ、対象物Tの姿勢制御に対して好ましくない外乱力となってしまう。残留磁気トルクは磁性材料が少ないほど低くなるが、対象物Tの捕獲を容易にするためには、磁性材料は多いほど良い。図8に示すような形状の磁性板状体10Aを採用することによって、この相反する要求を満たすことができる。
以下、図8に示すような形状の磁性板状体10Aを採用することにより、上記の相反する要求を満たす((i)外磁場による分極に起因した磁気モーメントの生成を低減しつつ、(ii)捕獲に必要な吸着力を維持する)ことができる理由について説明する。
図9(A)に示すように外磁場Bが短冊状の磁性体に印加された場合、磁性体の端面には磁化(分極磁化)が発生する。この分極磁化により、磁性体内部には反磁場B´が発生する。磁性体内部では、このBとB´が重畳することによりゼロ磁場になった時点で磁性体の分極が収束し定常状態になる。図9(A)に示すような短冊状の磁性体においては、端面間の距離が長いことからB´は弱くなるため、結果として、端面に大きな磁化が誘発されることとなる(つまり反磁場係数が小さい)。これに対し、図9(B)に示すような略正方形状の磁性体を採用した場合には、端面間の距離が短いため、端面に発生した磁化による磁場B´が強くなり、分極が進まないうちに磁性体内部がゼロ磁場になることから分極磁化が少なくなる(つまり反磁場係数が大きい)。従って、できるだけ分極磁化を弱くするには、図9(B)に示すように端面間の距離が短い磁性体を組み合わせる方が効果的である。
一方、磁石による吸着を強めるには、磁性体に対して垂直な方向からの磁石による磁場を、磁性体内部で磁性体に平行な方向に曲げ、さらに磁石側に回流させる磁路を確保する必要がある。図10に示すように磁性体Aと磁性体A´が分離していては、磁路の確保ができないためにこれらを結合する必要が出てくる。
上記の相反する要求((i)外磁場による分極に起因した磁気モーメントの生成を低減しつつ、(ii)捕獲に必要な吸着力を維持すること)を満たすために、図8に示すように、略正方形状の孔15を千鳥状に配置した(すなわち、孔15を上下左右に複数個ずつ配置し、左右方向においては孔15を一直線状に並べる一方、上下方向においては孔15を一直線状ではなく隣接する孔15の左右方向における位置をずらした状態で並べた)磁性板状体10Aが有効である。このような形状を採用することにより、磁性板状体10Aに対して垂直な方向からの磁石による磁路を確保し、かつ、磁性板状体10Aの上下左右方向からの外磁場による分極を妨げるように反磁場係数を大きくすることができる。また、(略正方形状の部分ではなく)枠部分14を磁性材料で構成することにより、磁性板状体10Aの板厚を厚くする(例えば0.6mm程度とする)ことができるため、磁石の吸着力を向上させることが可能になる。
また、本実施形態においては、磁力発生部23を構成する磁性部23bとして永久磁石を採用した例を示したが、永久磁石に代えて、通電により磁力を発生させる電磁石を採用することもできる。このようにすると、例えば磁力発生部23と板状体10との吸着状態が不適切であるような場合に、電磁石への通電を停止して一時的に磁力をなくすことにより、不適切な吸着状態を解消することができる。その後、必要に応じて電磁石への通電を再開することにより、磁力発生部23と板状体10との吸着を再度実現させることができる。
また、電磁石と永久磁石と組み合わせることにより、通電により永久磁石の磁力を消去することができる。このようにすると、吸着状態において連続的な電力を要せず、また磁力発生部23と板状体10とが不適切な吸着状態となった場合に、短時間の通電により解消することができる。その後、必要に応じて電磁石への通電を再開することにより、磁力発生部23と板状体10との吸着を再度実現させることができる。
また、本実施形態においては、対象物Tに取り付けられる板状体10の平面形状を円形状としたが、板状体10の平面形状は円形状に限られるものではなく、例えば多角形状(三角形状、四角形状、六角形状等)でもよい。宇宙航行体20の磁力発生部23の板状部材23aの平面形状も円形状に限られるものではなく、例えば多角形状とすることができる。また、宇宙航行体20の形状も略直方体状に限られるものではなく、例えば略円柱状とすることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、この実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
<付記>
条項1
宇宙空間における対象物を捕獲する捕獲システムであって、
前記対象物に取り付けられ磁力で吸着される板状体と、
前記板状体を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部を有する宇宙航行体と、
を備える、捕獲システム。
条項2
前記磁力発生部は、板状部材と、前記板状部材の表面に設けられた磁性部と、を有する、条項1に記載の捕獲システム。
条項3
前記磁性部は、前記板状部材の周縁に沿って所定間隔で複数設けられている、条項2に記載の捕獲システム。
条項4
前記磁性部は、永久磁石である、条項2又は3に記載の捕獲システム。
条項5
前記磁性部は、通電により磁力を発生させる電磁石である、条項2又は3に記載の捕獲システム。
条項6
前記宇宙航行体は、本体と、前記本体に対して突出・引込可能に設けられる棒状部材と、を有し、
前記磁力発生部は、前記棒状部材の先端に取り付けられている、条項1から5の何れか一項に記載の捕獲システム。
条項7
前記板状体は、磁性材料で構成された部分を有する、条項1から6の何れか一項に記載の捕獲システム。
条項8
前記磁性材料は、鉄、ニッケル、パーマロイ又は鋼である、条項7に記載の捕獲システム。
条項9
磁力を発生させる磁力発生部を有する宇宙航行体であって、
宇宙空間における対象物に取り付けられ磁力で吸着される板状体を、前記磁力発生部で発生させた磁力で吸着させることにより、前記対象物を捕獲することを可能とする、宇宙航行体。
条項10
宇宙空間における対象物が宇宙空間に打ち上げられる前に前記対象物に取り付けられる板状体であって、
宇宙航行体の磁力発生部で発生させた磁力で吸着されることにより、前記宇宙航行体が前記対象物を捕獲することを可能とする、板状体。
1…捕獲システム
10…板状体
11…中央部分
12…周辺部分(磁性材料で構成された部分)
13…マーカー
20…宇宙航行体
21…本体
22…棒状部材
23…磁力発生部
23a…板状部材
23b…磁性部
24…カメラ
T…対象物

Claims (15)

  1. 宇宙空間における対象物が宇宙空間に打ち上げられる前に前記対象物に取り付けられる板状体であって、
    宇宙航行体の接近ナビゲーション用のマーカーが設けられている、板状体。
  2. 前記マーカーは、光を反射可能な材料から形成されており、前記宇宙航行体から照射された光を前記宇宙航行体の方向に反射させるものである、請求項1に記載の板状体。
  3. 前記マーカーは、ガラスビーズ又は鏡から形成されている、請求項2に記載の板状体。
  4. 前記マーカーは、少なくとも3個設けられている、請求項1から3の何れか一項に記載の板状体。
  5. 前記マーカーは、ある幾何パターンを示すものである、請求項1から4の何れか一項に記載の板状体。
  6. 前記マーカーは、丸を所定のパターンで複数配置したものである、請求項5に記載の板状体。
  7. 磁性材料で構成された部分を有する、請求項1から6の何れか一項に記載の板状体。
  8. 周辺部分と中央部分とを有し、
    前記周辺部分は、前記磁性材料で構成された部分であり、
    前記中央部分には、前記マーカーが設けられている、請求項7に記載の板状体。
  9. 前記磁性材料は、鉄、ニッケル、パーマロイ又は鋼である、請求項7又は8に記載の板状体。
  10. 宇宙空間における対象物を捕獲する捕獲システムであって、
    請求項7から9の何れか一項に記載の板状体と、
    前記板状体を吸着させる磁力を発生させる磁力発生部を有する宇宙航行体と、
    を備える、捕獲システム。
  11. 前記磁力発生部は、板状部材と、前記板状部材の表面に設けられた磁性部と、を有する、請求項10に記載の捕獲システム。
  12. 前記磁性部は、永久磁石である、請求項11に記載の捕獲システム。
  13. 前記磁性部は、通電により磁力を発生させる電磁石である、請求項11に記載の捕獲システム。
  14. 前記宇宙航行体は、本体と、前記本体に対して突出・引込可能に設けられる棒状部材と、を有し、
    前記磁力発生部は、前記棒状部材の先端に取り付けられている、請求項10から13の何れか一項に記載の捕獲システム。
  15. 磁力を発生させる磁力発生部を有する宇宙航行体であって、
    請求項7から9の何れか一項に記載の板状体を、前記磁力発生部で発生させた磁力で吸着させることにより、前記対象物を捕獲することを可能とする、宇宙航行体。
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