JP2020189485A - 物品の製造方法、三次元造形装置、プログラム、記録媒体 - Google Patents

物品の製造方法、三次元造形装置、プログラム、記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】パウダーベッド造形法により連続して物品を量産する際に、平坦化部材の下面の走査軌跡が描く面と造形台の上面の平行度を調整でき、均一な厚さの粉末層を造形台上に形成可能な三次元造形装置が求められていた。【解決手段】造形台を着脱可能に支持する支持部と、粉末を供給する粉末供給部と、支持部に装着された造形台の上を走査可能な平坦化部材と、造形台の上に敷設された粉末層を選択的に硬化させる硬化部とを有し、平坦化部材を走査した時の軌跡面と支持部に装着された造形台の造形面の傾きを検知する計測処理と、計測処理による検知結果に基づき、平坦化部材を走査した時の軌跡面と造形面の平行度が高くなるように造形台の姿勢を調整する調整処理と、粉末供給部から粉末を供給し平坦化部材に造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、硬化部に粉末層を選択的に硬化させる硬化処理を実行可能な三次元造形装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるパウダーベッド造形方法により物品を製造する製造方法、およびそれに用いる三次元造形装置に関する。
近年、いわゆる3Dプリンタの開発が盛んに行われており、さまざまな方式が試みられている。例えば、熱溶融積層造形法、光硬化性樹脂を用いた光造形法、粉末積層溶融法等のさまざまな方式が知られている。
粉末積層溶融法は、ナイロン樹脂、セラミクス、金属等の粉末を層状に敷く工程と、レーザ光を照射して粉末層の一部を選択的に溶融あるいは焼結させる工程を、繰り返し行なうことにより三次元造形物を形成する方法である。近年では、高い機械強度や良好な熱伝導性が要求される物品を製造する方法として、金属粉末を原料に用いた粉末積層溶融法が積極的に活用されはじめている。また、レーザ光により加熱する代わりに、粉末層の一部に選択的に硬化剤を吹付けて化学反応を誘起して硬化させ、三次元造形物を形成する方法もある。尚、粉末を層状に敷きながら三次元造形する装置や方法を、それぞれパウダーベッド造形装置、パウダーベッド造形方法と呼称する場合がある。
特許文献1には、金属等の粉末を造形台の上に層状に敷いた後、レーザ光を照射して三次元造形物を製造する製造方法が提案されている。三次元造形物の一層に相当する厚さとなるように粉末を敷き、そのうち硬化させたい部位のみにレーザ光を照射して溶融凝固させた後、造形台を一層分下降させる動作を反復し、所定の三次元形状の造形物を得る方法が開示されている。さらに、特許文献1には、造形台の造形面にレーザ光を照射する複数の光源と、造形面から反射する光を検出する検出器と、造形台の高さを調製する調整器を備えた装置が開示されている。そして、検出器で検出されたレーザ光の照射位置から、造形台の造形面の高さに関する補正量を算出し、補正量に基づいて調整器を動作させて造形台の高さを調整することが記載されている。
特開2015−157420号公報
パウダーベッド造形装置を用いて連続して三次元造形物を量産する際には、三次元造形物を製造する度に、造形物を構築するための造形台を交換する。造形台には板状部材が多く用いられるため、造形台を造形プレートと呼ぶことも多いが、造形装置に着脱可能であれば必ずしも板状でなくともよい。造形台の上面は、原料粉末の層を敷く際の下地面となるため、高い平坦性を有するように作成されている。
特許文献1の装置では、造形台の高さ、あるいはその上面の傾きを所定の設定にするため、造形台の上面を光学的に検知し、補正量を算出して調整器を動作させて造形台の姿勢を調整している。通常は、造形台の上面が水平になるように造形台の姿勢を調整する。
一般的にパウダーベッド造形装置では、造形台の上に一層分の粉末を敷く際に、粉末層の表面の平坦性を高めるために、造形台の上面よりも上方に配置された平坦化部材を造形台の上面に沿って走査して粉末層の上面を平坦化することが行われる。平坦化部材としては、例えばローラや、スキージあるいはブレード等と呼ばれる薄板状部材が用いられ、粉末層の表面は、平坦化部材の下面の走査軌跡に沿ってならされる。通常は、平坦化部材の走査機構の動作は、平坦化部材の下面の走査軌跡が水平面となるように初期設定される。
しかしながら、特許文献1の装置では、平坦化部材と造形台の上面とは別々に水平になるよう調整されるので、平坦化部材下面の走査軌跡が造形台の表面を全面にわたって倣うように調整するのは困難である。平坦化部材の姿勢や走査軌跡と造形台の上面との間にわずかでも差がある場合には、造形台の上面とその上に敷かれた粉末層の上面とが平行でなくなってしまう。このため、造形台の上面に敷かれた例えば1層目の粉末層の厚みが、場所によって均一ではなくなってしまう。レーザ光を照射して三次元造形物の1層目を形成する際には、粉末層が所定の厚みで均一に形成されていることを前提に、レーザ光の照射エネルギーが設定されている。膜厚が所定の厚みよりも小さい場所では、粉末の量に対して照射エネルギーが過大になり、照射位置の周辺部まで溶融してしまい、造形物の形状に誤差が生じる可能性がある。また、膜厚が所定の厚みよりも大きい場所では、粉末の量に対して照射エネルギーが過小となり、溶融が不十分になり形状の誤差や硬化強度の不足が生じる可能性がある。とりわけ1層目は三次元造形物の基部であり、以後に行われる上層の造形を安定的に遂行するためには、高い形状精度で所定の強度により形成しておくことが重要である。
そこで、平坦化部材の下面の走査軌跡が描く面と造形台の上面の平行度を高い精度で調整でき、均一な厚さの粉末層を造形台上に形成可能な三次元造形装置や三次元造形物の製造方法が求められていた。
本発明は、造形面を有する造形台を支持する支持部と、粉末を供給する粉末供給部と、前記支持部に装着された前記造形台の上を走査可能な平坦化部材と、前記造形台の上に敷設された粉末層を選択的に硬化させる硬化部と、制御部と、を有する三次元造形装置を用いて物品を製造する方法において、前記制御部は、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の傾きを検知する計測処理と、前記計測処理による検知結果に基づき、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の平行度が高くなるように前記造形台の姿勢を調整する調整処理と、前記調整処理の後に、前記粉末供給部から粉末を供給し、前記平坦化部材に前記造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、前記硬化部に前記粉末層を選択的に硬化させる硬化処理と、を実行する、ことを特徴とする物品の製造方法である。
また、本発明は、造形面を有する造形台を着脱可能に支持する支持部と、粉末を供給する粉末供給部と、前記支持部に装着された前記造形台の上を走査可能な平坦化部材と、前記造形台の上に敷設された粉末層を選択的に硬化させる硬化部と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記支持部に装着された前記造形台の前記造形面の傾きを検知する計測処理と、前記計測処理による検知結果に基づき、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の平行度が高くなるように前記造形台の姿勢を調整する調整処理と、前記調整処理の後に、前記粉末供給部から粉末を供給し、前記平坦化部材に前記造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、前記硬化部に前記粉末層を選択的に硬化させる硬化処理と、を実行可能である、ことを特徴とする三次元造形装置である。
本発明によれば、粉末層の上面を平坦化するための平坦化部材の下面の走査軌跡が描く面と、造形台の上面の平行度を自動的に調整でき、均一な厚さの粉末層を造形台上に形成可能な三次元造形装置や三次元造形物の製造方法を提供できる。
(a)実施形態1に係る三次元造形装置の構成を示すための斜視図。(b)実施形態1に係る造形プレートを支持する機構の拡大図。 実施形態1に係る三次元造形装置の制御ブロック図。 実施形態1に係る傾斜角の調整動作のフローチャート。 実施形態1に係る傾斜角の調整動作の一つの状態を例示する図。 (a)実施形態1に係る三次元造形の初期工程を示す図。(b)粉敷き工程において造形プレートが下げられた状態を示す図。 (a)粉敷き工程において、一方の材料エレベータが上昇した状態を示す図。(b)粉敷き工程において、ローラが移動中の状態を示す図。 (a)1層目の粉敷き工程が完了した状態を示す図。(b)焼結工程において粉末材料にレーザ光を照射している状態を示す図。 三次元造形物が形成された状態を示す図。 (a)実施形態2に係る三次元造形装置の構成を示すための斜視図。(b)実施形態2に係る造形プレートを支持する機構の拡大図。 実施形態2に係るローラユニットの斜視図。 実施形態2に係る傾斜角の調整動作のフローチャート。 実施形態2に係る傾斜角の調整動作の一つの状態を例示する図。 実施形態2に係る傾斜角の調整動作の別の状態を例示する図。 実施形態2に係る傾斜角の調整動作の更に別の状態を例示する図。
図面を参照して、本発明の実施形態である三次元造形装置および三次元造形物の製造方法について説明する。尚、以下の実施形態の説明において参照する図面においては、特に但し書きがない限り、同一の機能を有する部材については同一の参照番号を付して示すものとする。また、以下の説明において位置関係や方向について記載する場合は、特に但し書きがない限り、上とは重力方向における上側(川上側)を指し、下とは重力方向における下側(川下側)を指すものとする。
[実施形態1]
[三次元造形装置の構成]
本実施形態では、三次元造形装置として、金属粉末の層を敷設してレーザ光のエネルギーにより焼結させる方式のパウダーベッド造形装置を例示して説明するが、本発明の適用はこの方式に限定されるものではない。
図1(a)は、実施形態1の三次元造形装置の概略構成を示した模式的な斜視図である。パウダーベッド造形装置1は、床面と接する台座部分であるプラットフォーム部101を有し、プラットフォーム部101の上には、エレベータ架台102、材料エレベータ122、材料エレベータ123が設けられている。
エレベータ架台102の上表面103は水平に保たれ、不図示の駆動機構により鉛直方向に沿って上下動が可能である。尚、ここでいう水平や鉛直方向とは、微小な誤差さえ許されない程の厳密な意味ではない。
図1(b)は、上表面103の上に設けられた部材の配置を示す模式図である。上表面103の上には、鉛直方向に沿って伸縮可能で、鉛直方向の長さを調整可能な調整部である調整器111、112、113、114が設置されている。調整器111、112、113、114の各々の上には、弾性支持部材107、108、109、110が配置されている。弾性支持部材107、108、109、110は、造形台である造形プレート104を弾性支持する部材であり、弾性支承と呼ばれることもある。造形プレート104は、その下表面105が、弾性変形可能な弾性支持部材107、108、109、110に着脱可能に固定(装着)される。
本実施形態では、エレベータ架台102の上表面103の4箇所に、調整器と弾性支持部材を鉛直方向に沿って直列に配置している。これにより、造形プレート104は、その四隅が各々弾性支持され、四隅が独立して上下方向に高さ調整可能な構成となっている。尚、原理的にはエレベータ架台102の上表面103の3箇所に配置すれば、造形プレート104の姿勢を規定することが可能だが、姿勢の安定性と調整精度を鑑みれば、4箇所に配置するのが好ましい。造形プレート104をさらに安定して精度よく支持できるように、エレベータ架台102の上表面103の5箇所以上に調整器と弾性支持部材を直列に配置してもよい。
弾性支持部材107、108、109、110の各々は、受ける力に応じて弾性変形するが、弾性変形に伴う鉛直方向の長さの変化を計測する計測部として測長器を各々が備えている。弾性支持部材107、108、109、110は、この順に、測長器115、116、117、118を備えている。
図1(a)に戻り、パウダーベッド造形装置1は、造形プレート104の上に三次元造形物の原料となる粉末材料の層を敷設し、層の上面を平坦化するためのローラ119を備えている。ローラ119は、不図示の駆動機構により、水平方向に沿って造形プレート104の上を往復移動することが可能である。尚、ここでいう水平方向とは、微小な誤差さえ許されない程の厳密な意味ではない。造形プレート104の造形面の4つの角の重力方向における位置の差分が30μm以内であれば、造形への影響は問題にならない。従って、本発明において、造形プレート104の造形面の4つの角が前述の範囲内に収まる程度の傾斜は水平方向に含まれる。
粉末供給部である材料エレベータ122および材料エレベータ123には、それぞれ三次元造形の原料となる粉末材料120、121が貯蔵されている。ローラ119が往復移動可能な範囲は、粉末材料120における造形プレート104から遠い側の端部124から、粉末材料121における造形プレート104から遠い側の端部125までの領域をカバーする。
また、パウダーベッド造形装置1は、硬化部として、造形プレート104の上に形成された粉末材料を選択的に加熱して高温焼結させるレーザ発光装置126を備えている。エネルギービーム照射部としてのレーザ発光装置126は、レーザ光源や、レーザビームを走査するための走査光学系を備えている。本実施形態では、レーザ光源として波長1070nmのファイバーレーザー(最大出力500W)を使用したが、これに限らずともよく、他の波長や他の方式のレーザ光源でもよい。走査光学系は、レーザ光源から出たレーザビームを走査および集光するために、例えばガルバノスキャナや集光レンズを用いて構成することができる。
図2に、パウダーベッド造形装置1の制御ブロック図を示す。制御部15は、パウダーベッド造形装置1の動作を制御するためのコンピュータで、内部には、CPU、ROM、RAM、I/Oポート等を備えている。コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるROMには、パウダーベッド造形装置1の動作プログラムが記録されている。I/Oポートは、外部機器やネットワークと接続され、たとえば三次元造形に必要なデータの入出力を、外部のコンピュータ20との間で行うことができる。三次元造形に必要なデータとは、作成する三次元造形物の形状データや、作成に使用する材料の情報や、1層ごとの造形形状データ、すなわちスライスデータを含む。スライスデータは、造形物の形状データに基づいて制御部15内のCPUが作成してRAMに記憶するが、外部のコンピュータ20から受け取ってRAMに記憶しても良い。
制御部15は、エレベータ架台102、材料エレベータ122〜123、ローラ119、レーザ発光装置126、測長器115〜118、調整器111〜114、等と信号線により接続され、各部の動作を制御して造形に係る処理を実行可能である。
[三次元造形装置の動作]
次に、実施形態1としてのパウダーベッド造形装置1の動作を説明する。以下では、造形プレートの姿勢調整動作と三次元造形動作について、詳細に説明する。
[造形プレートの姿勢調整動作]
造形プレート104が弾性支持部材107〜110に接続されて装着されると、パウダーベッド造形装置1は、粉末材料の層を敷設する前に、造形プレート104の上表面106がローラ119の下端の移動軌跡に対して傾斜していないかを計測する。すなわち、制御部は、平坦化部材を走査した時の軌跡面と造形面の傾きを検知(計測)する計測処理を実行する。計測の結果、ローラ119の下端の移動軌跡に対する傾斜が判明した場合には、両者が平行になるように造形プレート104の姿勢を調整する。すなわち、制御部は、計測処理による計測結果に基づき、平坦化部材を走査した時の軌跡面と造形面の平行度が高くなるように造形台の姿勢を調整する調整処理を実行する。
図3は、造形プレートの姿勢調整動作の動作手順を示すフローチャートである。
ステップS1にて動作が開始されると、ステップS2にて制御部15はエレベータ架台102の駆動機構を動作させ、1層目の粉末層を形成する時よりも造形プレート104を所定量上方に移動させる。本実施形態の場合には、所定量を例えば10μmとする。
次に、ステップS3では、ローラ119を、図1(a)に示す造形プレート104の上表面106の左端127から右端128までの範囲を含むように走査させる。ローラ119の下端が、粉末層を形成する時と同じ軌跡を描くように、ローラ119の駆動部を制御して走査させる。走査の開始から終了に至るまで、制御部15は、測長器115〜118が計測した各弾性支持部材の鉛直方向の長さの変化をモニターする。
次に、ステップS4では、制御部15は、測長器115〜118が計測した計測結果に基づき、ローラ119が造形プレート104の上表面106の全域と接触したか否かを確認する。ローラ119が走査した間に常に上表面106と接触していないと、ローラ119の下端の移動軌跡に対する上表面106の傾斜を精度よく測定できないからである。言い換えれば、走査期間中に弾性支持部材107〜110の全てが弾性変形し、測長器115〜118の全てが造形プレート104の下方への変位を検知したか否かを判定する。
ローラ119と造形プレート104が接触すると、弾性支持部材107〜110の一部または全部に鉛直下方の力がかかって弾性変形し、造形プレート104が下方に変位し、変位は測長器115〜118により計測される。ただし、各弾性支持部材が弾性変形する量は、走査中のローラ119の位置に応じて変化する。例えば、弾性支持部材107の測長器115により計測される下方変位は、ローラ119が弾性支持部材107の直上の位置で上表面106と接触している時に極大値を示す。言い換えれば、上表面106の各地点は、その地点がローラ119と接している時に、走査期間中を通じて最も下まで変位することになる。そして、図1(a)の右方向への走査が進み、ローラ119が上表面106の右端128よりも右の位置まで移動すると、ローラ119が上表面106から離間したため、全ての弾性支持部材107〜110はローラ119の押力から開放される。したがって、計測終了後は、弾性変形した弾性支持部材は次第に元の長さに復元し、造形プレート104はローラ119を走査する前の原位置に復元する挙動を示す。
ここで、ローラ119の下端の軌跡に対する造形プレート104の上表面106の傾斜角によっては、ローラ119を走査しても上表面106の一部がローラ119と接触せず、上表面106の四隅のうち一部が下方に変位しないことも生じうる。この場合には、ステップS4における判定はNOとなり、ステップS2に戻り造形プレート104をさらに10μm上昇させ、ステップS3、ステップS4を繰り返し実施する。
このように、ステップS4においてNO判定であったとしても、ステップS2〜ステップS4のループを反復すると、走査する間にローラ119が造形プレート104の上表面106と常に接触する状態に至る。そして、全ての測長器115〜118が下方変位を示すと、ステップS4における判定がYESとなり、ステップS5に移行する。
ステップS5においては、調整器111〜114を収縮させ、造形プレート104の上表面106がローラ119の下端の移動軌跡と平行になるように、造形プレート104の姿勢を調整する。調整器111〜114の収縮量は、ステップS4においてYES判定をした際における測長器115〜118の計測値の極大値と同一とする。すなわち、ローラ119を走査する期間中に測長器115により計測された収縮量の極大値と同じ長さだけ、調整器111を収縮させる。同様に、調整器112は測長器116により計測された収縮量の極大値と同じ長さだけ、調整器113は測長器117により計測された収縮量の極大値と同じ長さだけ、調整器114は測長器118により計測された収縮量の極大値と同じ長さだけ、収縮させる。
調整器111〜114の動作が完了したら、ステップS6にて姿勢調整動作を終了する。弾性変形した弾性支持部材107〜110が元の長さに復元し、弾性支持部材107〜110の収縮量の極大値と同じ長さだけ調整器111〜114が収縮したため、上表面106はローラ119の下端の移動軌跡と高い平行度を有するように調整された。
以上のように、粉末材料の層を敷設する前に、造形プレート104の上表面106がローラ119の下端の移動軌跡に対して傾斜していないかを測定する際には、上表面106がローラ119の下端と接するように造形プレート104の高さを調整する。すなわち、ローラ119の下端と造形プレート104の上表面106が接触を維持した状態で、ローラ119が上表面106に沿って移動するようにする。上表面106のうちローラ119の下端が接している位置においては下向きの押力を受けるため、造形プレート104を支持する弾性支持部材107、108、109、110は、ローラ119を移動させるとそれに応じて変形する。測長器115、116、117、118を用いて弾性支持部材107、108、109、110の長さの変化を計測することにより、造形プレート104の上表面106がローラ119の下端の移動軌跡に対して傾斜していないかを測定することができる。そして、測定結果に基づいて、調整器111、112、113、114の鉛直方向の長さを調整することにより、造形プレート104の上表面106とローラ119の下端の移動軌跡の傾きを抑制して両者の平行度を高めることができる。
本実施形態では、弾性支持部材107〜110の弾性定数k[N/mm]を、次式の範囲で設定した。式中の各パラメータの意味は、後述する。
Figure 2020189485
ただし、a[mm]、b[mm]はそれぞれ、以下にて表わされる。
Figure 2020189485
次に、kの範囲を求める手順を説明する。先ず、前記不等式の左半部で示された、kの下限値について示す。
積層造形時には、1層分の粉末材料が載荷されることにより、その質量により弾性支持部材107〜110が下方に変位するのであるが、造形物の品質を維持するためには、下方変位を一定以下に抑制する必要がある。下方変位は、これをΔb[mm]として、次のように求められる。
積層造形する1層の積層厚をΔz[mm]、造形プレートの上表面106の面積をA[mm]、材料密度をρ[g/cm]とすると、1層の材料質量Δm[kg]は、次式のようになる。
Figure 2020189485
重力加速度をg[mm/s]とすると、力のつりあいより、次式が成り立つ。
Figure 2020189485
上式の右辺に4が乗算されているのは、4本の弾性支持部材で支持していることによる。
そして上式をΔbについて解いて、次式が得られる。
Figure 2020189485
上式においてΔbを、これの許容値を示すΔbaに置き換え、さらにkについて解くと次式が得られ、これによりkの下限値が規定される。
Figure 2020189485
次に、kの範囲のうち、上限値について説明する。
先に説明した図3のステップS3において、ローラ119と、造形プレート104の上表面106が接する際、弾性支持部材107〜110の弾性定数が過大であると、ローラ119の曲げたわみが大きくなり、上表面106の傾斜角修正の精度が低下する。そのため、ローラ119の曲げたわみが許容量以下となる範囲に、kの上限値を定める必要がある。
前述した図3のステップS2における、上表面106の上昇量をΔh[mm]とする。ここで、図4に示すように、ローラ119と上表面106が、上表面106の四隅のうち、弾性支持部材107に支持される隅にて接したとする。すると、弾性支持部材107は圧縮変形し、変形量に応じた弾性力が生じる。生じうる変形量の最大はΔhなので、弾性力の最大値はkΔh[N]となる。この弾性力の最大値をPとすれば、P=kΔh である。このPがローラ119に作用し、曲げたわみを生じさせる。
次に、ローラ119の曲げたわみを求める。ローラ119として、直径D[mm]の中実丸軸を用いた場合、断面二次モーメントI[mm]は次式となる。
Figure 2020189485
さらに、ローラ119に用いる材料の縦弾性係数をE[MPa]とすると、ローラ119の曲げ剛性EI[N・mm]は次式となる。
Figure 2020189485
図4に示すように、ローラ119の長さはL[mm]で、その両端を剛支持されている。また、弾性支持部材107から受ける弾性力の作用点は、軸中心からS/2[mm]とする。この場合、材料力学の公式より、ローラ119に生じるたわみδ[mm]は次式となる。
Figure 2020189485
ただし、a[mm]、b[mm]は、それぞれ、以下にて表わされる。
Figure 2020189485
上式においてδを、これの許容値を示すδaに置き換え、さらにkについて解くと次式が得られ、これによりkの上限値が規定される。
Figure 2020189485
[三次元造形動作]
次に、造形プレート104の上に三次元造形物を形成する三次元造形動作について説明する。前述した造形プレートの姿勢調整動作が完了した後に、原料となる粉末を層状に敷設する工程と、敷設された粉末層に選択的にレーザ光を照射して焼結させて1層分の三次元造形物を形成する工程を繰り返すことにより、三次元造形物の形成が行われる。すなわち、制御部は、調整処理の後に、粉末供給部から粉末を供給し、平坦化部材に造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、硬化部に粉末層を選択的に硬化させる硬化処理とを実行する。以下では、前者を「粉敷き工程」、後者を「焼結工程」と称して説明する。
先ず、1層目の粉敷き工程が行われる。
図5(a)は、前述した造形プレートの姿勢調整動作が終了し、粉敷き工程を開始する時点におけるパウダーベッド造形装置1の各要素の初期位置を示している。以下に示す手順により、造形プレート104の上表面106上に、粉末材料120を、所定量配置する動作が行われる。
まず、図5(b)に示すように、制御部15はエレベータ架台102に制御信号を送り、上表面106が所定量401だけ下降するように造形プレート104を移動させる。尚、所定量401は、積層造形する1層の厚さに相当する距離である。
次に、図6(a)に示すように、材料エレベータ122を所定量501上昇させ、粉末材料120のうち1層の粉末層を敷設するのに十分な所要量502を、ローラ119の下端129よりも鉛直上方に移動させる。
次に、図6(b)に示すように、ローラ119を造形プレート104の方向に移動させる。粉末材料120のうち、ローラ119の下端129よりも上方に位置する所要量502の部分が、ローラ119に押されて造形プレート104の上表面106に向かって移動する。
図7(a)に示すように、図中右側に向けてのローラ119の移動(走査)は、ローラ119が材料エレベータ123側の粉末材料121の端部125に至るまで行われる。走査が完了すると、造形プレートの上表面106上に粉末層702が敷設される。粉末層702の表面701は、ローラ119の下端129により均されているため、平坦性が高い平面となる。
既に述べたように、造形プレートの姿勢調整動作により、造形プレートの上表面106はローラ119の下端の移動軌跡と平行になるように調整されているため、粉末層702の表面701と造形プレートの上表面106は極めて高い平行度を有している。すなわち、粉末層702の膜厚は、造形プレートの上表面106の全域にわたり極めて均一性が高いと言える。
尚、ローラ119は、粉末材料120のうち1層分を供給するのに十分な所要量502を図中の右側に移動させたが、粉末層702として上表面106上に堆積されなかった余剰な粉末は、材料エレベータ123上に移動して粉末材料121と混合する。以上が1層目の粉敷き工程である。
尚、以上の説明では、1層目の粉敷き工程は、材料エレベータ122側の粉末材料を用いて行ったが、本実施形態のパウダーベッド造形装置1は、粉末材料を貯蔵した材料エレベータを造形プレートの左右両側に配置している。従って、1層目の粉敷き工程は、上述した例のように材料エレベータ122側の粉末材料を用いて行ってもよいし、材料エレベータ123側の粉末材料を用いて行ってもよい。後者の場合には、ローラ119が図中の右側から左側に向けて移動(走査)して、粉末層を形成すればよい。
1層目の粉敷き工程が終了したら、次に、1層目の粉末層に対する焼結工程が行われる。これは、敷設された粉末層702のうち、作製しようとする三次元造形物の1層目の形状に対応する領域にエネルギービームを照射して加熱し、粉末を焼結させる工程である。これは、作製しようとする三次元造形物の立体モデルの三次元形状データから生成したスライスデータに基づいて、エネルギービームを照射することによって行われる。
図7(b)に示すように、レーザ発光装置126から、粉末層702の表面701のうち、三次元造形物を形成したい領域に対してレーザ光801を選択的に照射する。粉末層702のうちレーザ光801が照射された部位は高温に加熱されて焼結し、レーザ光801が照射されなかった部位は粉末状態のままとなる。以上により、三次元造形物の1層目が形成される。
以後、作成しようとする三次元造形物の形状に応じて粉敷き工程と焼結工程を反復し、2層目より上の焼結部を順次形成して堆積してゆくことにより、図8に示すように、三次元造形物901を得ることができる。
以上のように、粉末材料の1層目を敷設する際には、造形プレート104の上表面106の高さがローラ119の下端よりも低い位置になるように、造形プレート104の高さをエレベータ架台102により調整する。言い換えれば、ローラ119の下端は造形プレート104の上表面106よりも高い位置を維持しながら、上表面106と平行に移動する。これにより、ローラ119の下端と造形プレート104の上表面106の間隔に応じた厚さの粉末層が敷設される。
また、2層目以降を敷設する際には、前回の走査により敷設した粉末層の上表面の高さがローラ119の下端よりも低い位置になるように、造形プレート104の高さをエレベータ架台102により調整する。言い換えれば、2層目以降の粉末材料層を敷設する際には、ローラ119の下端は前回敷設した粉末層の上表面よりも高い位置を維持しながら、造形プレート104の上表面106と平行に移動する。これにより、ローラ119の下端と前回敷設した粉末層の上表面の間隔に応じた厚さの粉末層が、前回敷設した粉末層の上に新たに敷設される。
本実施形態によれば、粉末層は、造形プレートの上表面の全域にわたり極めて膜厚の均一性が高い状態で敷設されているため、どの部位をレーザ光で加熱しても、同質の焼結物を高い形状精度で作成することができる。三次元造形物の基部である1層目においても高い形状精度で所定の強度を有する焼結物を形成することができるため、以後に行われる上層部の造形を安定的に遂行することができる。
三次元造形物を量産する際には、生産する度に造形プレートを交換し、ローラを走査することになるが、本実施形態によれば、ローラの下端の走査軌跡が描く面と造形プレートの上面の平行度を自動的に調整できる。このため、造形プレートの個体差や、造形プレートの装着姿勢に差異があったとしても、高品質の三次元造形物を安定して量産することができる。また、三次元造形物を量産する間に、温度等の環境条件や装置コンディションの変化により、走査機構の動作が本来の初期設定からずれたとしても、安定して量産することができる。粉末層を形成するための走査中にローラが造形プレートの上面に接触し、装置が停止したり損傷したりすることもない。
[実施形態2]
[三次元造形装置の構成]
実施形態2としての三次元造形装置として、金属粉末の層を敷設してレーザ光のエネルギーにより焼結させる方式のパウダーベッド造形装置を例示して説明するが、本発明の適用はこの方式に限定されるものではない。
実施形態1では、造形プレート104を支持する測長器115〜118を用いて、ローラ119の下端の移動軌跡に対する造形面の傾きを検知(計測)した。これに対して、実施形態2ではローラを支持する機構に角度検知器を設け、角度検知器を用いてローラの下端の移動軌跡に対する造形面の傾きを検知(計測)する。
図9(a)は、実施形態2の三次元造形装置の概略構成を示した模式的な斜視図である。パウダーベッド造形装置1001は、床面と接する台座部分であるプラットフォーム部1003を有し、プラットフォーム部1003の上には、エレベータ架台1004、材料エレベータ1015、材料エレベータ1016が設けられている。
エレベータ架台1004の上表面1005は水平に保たれ、不図示の駆動機構により鉛直方向に沿って上下動が可能である。尚、ここでいう水平や鉛直方向とは、微小な誤差さえ許されない程の厳密な意味ではない。
尚、以下の説明において方向を示す際、XYZ直交座標系1002を用いる場合がある。説明の便宜上、Z方向を鉛直方向とし、X方向およびY方向により水平面が規定されるものとする。パウダーベッド造形装置1001は、横方向がX方向に沿い、前後方向がY方向に沿うように配置されているものとする。
エレベータ架台1004の上表面1005には、調整器1006、1007、1008、1009が固定され、前記調整器上に、造形プレート1010が設置される。ここで造形プレート1010の下表面を1011、上表面を1012と称することとする。図9(b)に、エレベータ架台1004の上表面1005と、調整器1006、1007、1008、1009の配置関係を示す。調整器1006、1007、1008、1009は、各々独立して、Z方向に伸縮可能であり、前記伸縮動作により、造形プレート1010の上表面1012の傾斜角を調整することができる。
材料エレベータ1015、材料エレベータ1016の構成および動作は、実施形態1における材料エレベータ122、材料エレベータ123の構成および動作と同様である。材料エレベータ1015、材料エレベータ1016には、それぞれ三次元造形の原料となる粉末材料1013、1014が貯蔵されている。また、1024は、硬化部として、造形プレート1010の上に形成された粉末材料を選択的に加熱して高温焼結させるレーザ発光装置である。レーザ発光装置1024の構成および動作は、実施形態1におけるレーザ発光装置126の構成および動作と同様である。
パウダーベッド造形装置1001は、造形プレート1010の上に三次元造形物の原料となる粉末材料の層を敷設し、層の上面を平坦化するためのローラ1020を備えている。ローラ1020は、粉末材料の層を敷設する際には、図9(a)には図示されていない駆動機構により、Z方向位置を一定に保持したまま水平方向(X方向)に沿って造形プレート1010の上を往復移動することが可能である。尚、ここでいう水平方向とは、微小な誤差さえ許されない程の厳密な意味ではない。
図10に示すように、ローラ1020は、ローラユニット1019に組み込まれている。ローラユニット1019は、ローラ1020の他に、搖動軸1021、角度測定器1022、荷重計1023を備えている。円柱あるいは円筒形状を有するローラ1020の回転軸は、円柱あるいは円筒の中心軸である。ローラユニット1019がX方向に沿って水平に移動しながら粉末材料の層を敷設する際には、ローラ1020の回転軸はY方向と略平行に保たれ、ローラ1020は回転軸周りに回転可能である。
搖動軸1021はX方向に沿って伸びる回転軸で、ローラ1020をX軸周りに回転可能(揺動可能)に支持している。後述するように、ローラ1020の下端の移動軌跡に対する造形面(造形プレート1010の上表面1012)の傾きを検知(計測)する際には、ローラ1020は搖動軸1021によりX軸周りに回転可能に支持される。一方、粉末材料の層を敷設する際には、例えば不図示のストッパにより、ローラ1020はX軸周りに回転できないように搖動軸1021に固定され、ローラ1020の回転軸はY方向と略平行に保たれる。
角度検知部としての角度測定器1022は、ローラ1020の下端の移動軌跡に対する造形面(造形プレート1010の上表面1012)の傾きを検知(計測)する際に用いられ、Y方向を基準としてローラ1020の回転軸がX軸周りに傾いている量を測定可能である。角度測定器1022として、例えばロータリーエンコーダを用いることができる。
荷重計1023は、ローラ1020の下端の移動軌跡に対する造形面(造形プレート1010の上表面1012)の傾きを検知(計測)する際に用いられる。ローラ1020から造形プレート1010に荷重をかける際に、造形プレート1010からローラ1020に伝わる反力を計測することができる。荷重計1023として、例えば歪ゲージ式ロードセル、静電容量型ロードセル、などを用いることができる。
[造形プレートの姿勢調整動作]
造形プレート1010がパウダーベッド造形装置1001に装着されると、パウダーベッド造形装置1001は、粉末材料の層を敷設する前に、造形プレート1010の上表面1012がローラ1020の下端の移動軌跡に対して傾斜していないかを計測する。すなわち、制御部は、平坦化部材を走査した時の軌跡面と造形面の傾きを検知(計測)する計測処理を実行する。
計測の結果、ローラ1020の下端の移動軌跡に対する傾斜が判明した場合には、パウダーベッド造形装置1001は、両者が平行になるように造形プレート1010の姿勢を調整する。すなわち、制御部は、計測処理による計測結果に基づき、平坦化部材を走査した時の軌跡面と造形面の平行度が高くなるように調整器1006〜1009を動作させて造形台の姿勢を調整する調整処理を実行する。
図11は、造形プレートの姿勢を調整する際の処理手順を説明するためのフローチャートである。また、図12〜図14を参照するが、これらはパウダーベッド造形装置1001をX方向に沿って見た側面図である。尚、図12〜図14においては、説明の便宜のため図は模式的に表わされており、例えばローラ1020や造形プレート1010の上表面1012の角度は、ある程度誇張して示されている。
図11に示すステップS1001で処理を開始すると、第2のステップS1002で、エレベータ架台1004の駆動機構を動作させることにより、造形プレート1010の上表面1012を、Z方向に沿って上方に所定量移動させる。
次に、S1003では、ローラユニット1019を、少なくとも上表面1012の一端部である1025から他端部1026までの範囲にわたり、X方向に沿って走査(移動)させる。その際には、ローラ1020は、X軸周りに回転可能(揺動可能)に搖動軸1021により支持されている。
次に、ステップS1004では、ステップS1003の走査中における、ローラ1020のX軸周り揺動角が、許容値以内であるか判断を行う。
図12は、造形プレート1010の上表面1012と、ローラ1020の最下線1027が、接触していない状態を表す図である。本図の状態では、ローラ1020の中心軸はY軸と平行に維持されており、X軸周りの搖動は生じないため、角度測定器1022で計測される揺動角はゼロ度である。
これに対し、図13に示す例は、造形プレート1010の上表面1012が水平ではなく、ローラ1020の最下線1027が上表面1012に接触した状態を表している。図13に示す状態においては、接触により、ローラ1020は搖動軸1021を中心にX軸周りに回転する。図13の例では、角度測定器1022により計測される揺動角1028が、α1度であるとする。
ステップS1004では、粉末を敷く際における造形プレート1010の上表面1012とローラ1020の下端の移動軌跡が平行からずれる程度を制限するために、所定の許容値として適宜の値が定められている。言い換えれば、所定の許容値は、粉末材料の厚さの不均一を所定の範囲内に抑制するための閾値として設定されている。許容値は、造形プレート1010の造形面の4つの角の重力方向における位置の差分が30μm以内となる角度に設定するとよい。例えば、造形プレート1010が250mm□のサイズの場合、許容値は0.007[度]に設定するとよい。揺動角1028が所定の許容値以内であれば、粉末を敷く際におけるローラ1020の下端の移動軌跡であるXY平面(水平面)に対して、造形プレート1010の上表面1012の傾きは許容範囲内にあると言える。逆に、揺動角1028が所定の許容値を超える場合には、粉末材料の厚さの不均一を所定の範囲内に抑制できないことになる。
そこで、ステップS1004において、揺動角1028が所定の許容値を超えると判断した場合(ステップS1004:NO)には、ステップS1007に移行する。ステップS1007では、角度測定器1022により揺動角1028として計測されたα1度に応じて、造形プレート1010の上表面1012の向きを調整する。すなわち、制御部は、上表面1012が、粉末を敷く際におけるローラ1020の下端の移動軌跡であるXY平面(水平面)に近づくように、調整器1006、1007、1008、1009を駆動する。例えば、揺動角1028として図13に示したα1度が計測され、α1度>許容値であった場合には、調整器1006〜1009の各々を独立に制御して伸縮させ、図14に示すように上表面1012を図中の反時計回りにα1度だけ回転させる。この動作により、ステップS1004において計測された揺動角1028に相当する分だけ、造形プレート1010の上表面1012は、粉末を敷く際におけるローラ1020の下端の移動軌跡であるXY平面(水平面)に近づく。
ステップS1007で造形プレート1010の上表面1012の傾斜角を調整したら、ステップS1002に戻り上表面1012をZ方向上方に移動させ、ステップS1003以降を繰り返す。
また、ステップS1004において、揺動角1028が所定の許容値以内と判断した場合(ステップS1004:Yes)には、ステップS1005に移行する。ステップS1005においては、ステップS1003における走査範囲の全域において、ローラユニット1019の荷重計1023による荷重の測定値が、所定の設定値を超えたか否かの判断を行う。ローラ1020が長手方向の全域で造形プレート1010の上表面1012に接しているか否かを判別するために、所定の設定値には適宜の値が設定される。言い換えれば、図12あるいは図13に示すような状態では、荷重計1023による荷重の測定値は、所定の設定値を超えないものとする。
ステップS1005において、荷重の測定値が設定値を超えていないと判断した場合(ステップS1005:NO)には、造形プレート1010の上表面1012と、ローラ1020の最下線1027が、隙間なく接触しているわけではないことになる。すなわち、図12あるいは図13に示すような状態である。この場合には、ステップS1004において揺動角1028が所定の許容値以内であったとしても、粉末を敷く際におけるローラ1020の下端の移動軌跡であるXY平面(水平面)に対して、上表面1012の傾きが許容範囲内にあることは保証されない。
そこで、荷重の測定値が設定値を超えていないと判断した場合(ステップS1005:NO)には、ステップS1002に戻り、造形プレート1010をZ方向上方に移動させてからステップS1003、ステップS1004を繰り返す。
一方、ステップS1005において、荷重の測定値が設定値を超えていると判断した場合(ステップS1005:YES)には、造形プレートの姿勢調整動作を終了する。走査範囲の全域において、粉末を敷く際におけるローラ1020の下端の移動軌跡であるXY平面(水平面)に対して、上表面1012の傾きが許容範囲内に収まったからである。
以上の手順により、造形プレート1010の上表面1012の傾斜角を調整したら、回転軸がY方向と平行になるようにローラ1020の姿勢を戻し、不図示のストッパにより、ローラ1020がX軸周りに回転できないように搖動軸1021に固定する。そして、実施形態1と同様の三次元造形動作を行い、3次元造形物を製造する。
本実施形においても、粉末層は、造形プレートの上表面の全域にわたり極めて膜厚の均一性が高い状態で敷設されているため、どの部位をレーザ光で加熱しても、同質の焼結物を高い形状精度で作成することができる。三次元造形物の基部である1層目においても高い形状精度で所定の強度を有する焼結物を形成することができるため、以後に行われる上層部の造形を安定的に遂行することができる。
三次元造形物を量産する際には、生産する度に造形プレートを交換し、ローラを走査することになるが、本実施形態によれば、ローラの下端の走査軌跡が描く面と造形プレートの上面の平行度を自動的に調整できる。このため、造形プレートの個体差や、造形プレートの装着姿勢に差異があったとしても、高品質の三次元造形物を安定して量産することができる。また、三次元造形物を量産する間に、温度等の環境条件や装置コンディションの変化により、走査機構の動作が本来の初期設定からずれたとしても、安定して量産することができる。粉末層を形成するための走査中にローラが造形プレートの上面に接触し、装置が停止したり損傷したりすることもない。
[他の実施形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、敷設した原料粉末層を加熱する光源として、上記実施形態ではレーザ光源を用いたが、照射エネルギー密度の制御や、照射光の走査ができるものであれば、用いる光は必ずしもレーザ光でなくてもよい。たとえば、高輝度ランプ、シャッタ、可変焦点レンズ、走査ミラー等の光学要素を組み合わせた照射光学系を光源として用いることも可能である。さらには、原料粉末層に選択的に照射可能でありさえすれば、光ビームでなくとも電子ビーム等でもよく、適宜のエネルギービームを用いることができる。
また、エネルギービーム源を用いて粉末層を加熱して溶融/凝固や焼結を起こして硬化させるのではなく、粉末層の一部に選択的に硬化剤を吹付けて化学反応を誘起して硬化させ、三次元造形物を形成してもよい。
また、原料粉末は、金属粉に限らず、ABSやPEEK等の樹脂粉末を用いても良い。
また、平坦化部材はローラには限られず、造形台の上を走査可能な部材であれば、スキージやブレード等の部材でもよい。
また、平坦化部材の一回の走査によって、粉末層の敷設と表面の平坦化の両方を同時に達成しなくともよい。例えば、造形台の上方から粉末を散布して粉末層を敷設した後、平坦化部材を走査して粉末層の上面を平坦化してもよい。
また、弾性支持部材の弾性変形に伴う鉛直方向の長さの変化の計測は、必ず弾性支持部材自身が備える測長器により行わなければならないわけではない。長さの変化を計測できるデバイスであれば、弾性支持部材自身に付帯させなくてもよい。また、弾性支持部材の長さの変化を計測しなくとも、弾性支持部材が支持している位置の造形プレートの変位を計測してもよい。
また、図1では、造形プレートは、エレベータ架台の上表面に調整機と弾性支持部材を介して着脱可能に支持されていたが、造形プレートの装着方法はこれに限らない。例えば、エレベータ架台の上表面に調整機と弾性支持部材を介して基台を設置し、基台の上に造形プレートを装着可能な構成としてもよい。この場合には、ローラの下端の走査軌跡が描く面と造形プレートの上面の平行度を調整する際には、調整機を動作させることにより基台の姿勢が変わり、装着された造形プレートの姿勢も基台と連動して調整されることになる。
上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1・・・パウダーベッド造形装置/15・・・制御部/102・・・エレベータ架台/104・・・造形プレート/107〜110・・・弾性支持部材/111〜114・・・調整器/115〜118・・・測長器/119・・・ローラ/120、121・・・粉末材料/122、123・・・材料エレベータ/126・・・レーザ発光装置

Claims (16)

  1. 造形面を有する造形台を支持する支持部と、
    粉末を供給する粉末供給部と、
    前記支持部に装着された前記造形台の上を走査可能な平坦化部材と、
    前記造形台の上に敷設された粉末層を選択的に硬化させる硬化部と、
    制御部と、
    を有する三次元造形装置を用いて物品を製造する方法において、
    前記制御部は、
    前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の傾きを検知する計測処理と、
    前記計測処理による検知結果に基づき、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の平行度が高くなるように前記造形台の姿勢を調整する調整処理と、
    前記調整処理の後に、前記粉末供給部から粉末を供給し、前記平坦化部材に前記造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、
    前記硬化部に前記粉末層を選択的に硬化させる硬化処理と、を実行する、
    ことを特徴とする物品の製造方法。
  2. 前記計測処理は、前記粉末供給部から粉末を供給せずに、前記平坦化部材を前記造形台の造形面と接触させながら走査し、前記支持部の変位を計測する処理である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の物品の製造方法。
  3. 前記支持部は、弾性変形可能な弾性支持部材と、長さを調整可能な調整部を有し、
    前記計測処理は、前記弾性支持部材が弾性変形した量の計測を含み、
    前記調整処理は、前記調整部による前記支持部の長さの調整を含む、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の物品の製造方法。
  4. 前記計測処理において、前記平坦化部材の走査中に前記弾性支持部材が弾性変形した量の極大値を計測し、
    前記調整処理において、計測された前記極大値に基づき前記支持部の長さを調整する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の物品の製造方法。
  5. 前記計測処理は、前記粉末供給部から粉末を供給せずに、前記平坦化部材を前記造形台の造形面と接触させながら走査し、前記平坦化部材の角度を計測する処理である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の物品の製造方法。
  6. 前記支持部は、長さを調整可能な調整部を有し、
    前記平坦化部材は、角度を検知する角度検知部を有し、
    前記計測処理は、前記平坦化部材の角度の計測を含み、
    前記調整処理は、前記調整部による前記支持部の長さの調整を含む、
    ことを特徴とする請求項1または5に記載の物品の製造方法。
  7. 前記硬化処理において、前記硬化部は、エネルギービームを照射して前記粉末層を選択的に硬化させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の物品の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の物品の製造方法の各処理を、コンピュータに実行させるプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 造形面を有する造形台を着脱可能に支持する支持部と、
    粉末を供給する粉末供給部と、
    前記支持部に装着された前記造形台の上を走査可能な平坦化部材と、
    前記造形台の上に敷設された粉末層を選択的に硬化させる硬化部と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記支持部に装着された前記造形台の前記造形面の傾きを検知する計測処理と、
    前記計測処理による検知結果に基づき、前記平坦化部材を走査した時の軌跡面と前記造形面の平行度が高くなるように前記造形台の姿勢を調整する調整処理と、
    前記調整処理の後に、前記粉末供給部から粉末を供給し、前記平坦化部材に前記造形台の上を走査させて粉末層を敷設する粉末層形成処理と、
    前記硬化部に前記粉末層を選択的に硬化させる硬化処理と、を実行可能である、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  11. 前記計測処理は、前記粉末供給部から粉末を供給せずに、前記平坦化部材を前記造形台の造形面と接触させながら走査し、前記支持部の変位を計測する処理である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の三次元造形装置。
  12. 前記支持部は、弾性変形可能な弾性支持部材と、前記弾性支持部材の弾性変形した量を計測する計測部と、長さを調整可能な調整部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の三次元造形装置。
  13. 前記計測処理において、前記平坦化部材の走査中に前記弾性支持部材が弾性変形した量の極大値を計測し、
    前記調整処理において、計測された前記極大値に基づき前記支持部の長さを調整する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の三次元造形装置。
  14. 前記計測処理は、前記粉末供給部から粉末を供給せずに、前記平坦化部材を前記造形台の造形面と接触させながら走査し、前記平坦化部材の角度を計測する処理である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の三次元造形装置。
  15. 前記支持部は、長さを調整可能な調整部を有し、
    前記平坦化部材は、角度を検知する角度検知部を有し、
    前記計測処理は、前記平坦化部材の角度の計測を含み、
    前記調整処理は、前記調整部による前記支持部の長さの調整を含む、
    ことを特徴とする請求項10または14に記載の三次元造形装置。
  16. 前記硬化部は、エネルギービームを照射可能なエネルギービーム源を有する、
    ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
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