ドレナージチューブの血液/液体の貯まり、および/または詰まり/凝固を低減または排除する胸腔ドレナージシステムを開示する。
胸腔ドレナージシステムは胸腔チューブの状態を継続してモニタし、胸部の陰圧を回復するために必要な場合は貯まった液体を排出する。本システムは、患者の胸腔チューブとドレナージチューブの間に配置されるバルブ装置を含んでいてもよく、任意の標準的な胸腔チューブと共に使用されてもよい。胸腔ドレナージシステムはまた、バルブ装置の圧力もしくはバルブ装置近辺の圧力、および/または吸引装置の圧力もしくは吸引装置近辺の圧力をモニタするコントローラを含む。胸腔ドレナージシステムは貯まった液体および/または凝固を排出する助けとなるポンプを含むこともある。コントローラはまた、バルブ装置および/または吸引装置を圧力信号に応じて制御してもよい。胸腔ドレナージシステムは、以下の4つの主要な機能を実行する。
1.胸腔ドレナージシステムは、患者の胸腔チューブの外端部近くの圧力をモニタすることによって、ドレナージチューブに貯まった液体を検出する。貯まった液体は真空の減少(圧力の増加)によって示される。胸腔ドレナージシステムはバルブ装置上またはその近くにあるセンサで圧力を測定する。バルブ装置は、細菌およびウイルスの感染を防ぐ通気孔またはバルブを含む。
2.貯まった液体が検出されると、胸腔ドレナージシステムは、バルブ装置のバルブを開口することによってドレナージチューブを洗浄して、無菌空気によって液体がドレナージ容器に一掃されるようにする。任意には、ポンプを作動し、胸腔チューブとドレナージシステムの間に陽圧を印加し、および/または収集容器に陰圧を印加してもよい。胸部の適切な陰圧が次に回復され、それによって胸腔チューブに詰まりが形成されることを防ぐ。
3.凝固または詰まりが形成される場合には、胸腔ドレナージシステムは、ドレナージチューブの圧力をモニタすることによって胸腔チューブの詰まりを検出する。胸腔ドレナージシステムは断続的にドレナージチューブをバルブ装置によって閉鎖し、詰まりがないときに起こる呼吸による圧力変動を確認する。
4.凝固または詰まりが存在するときには、胸腔ドレナージシステムは追加で凝固/詰まりを排出してもよい。
胸腔ドレナージシステムの吸引装置は患者のベッドに接続し、場合によりコントローラを含む電子機器を収容する。バルブ装置は使い捨てであってもよく、一端で胸腔チューブに接続し、他端でドレナージチューブに接続する。
別の実施形態では、バルブは一定の圧力で作動する機械式であって、圧力センサおよびコントローラの必要性は排除される。
図1は胸腔ドレナージシステムの実施形態を示す。患者の胸部102はシステムを用いて排液される。胸腔チューブ104は、胸腔と直接流体連通する。ドレナージチューブ106は吸引装置108と流体連通する。バルブ装置110は、胸腔チューブ104とドレナージチューブ106との間にある通気孔/バルブ112を含む。バルブ装置110は胸腔チューブ104およびドレナージチューブ106の両方と流体連通する。バルブ装置110はコントローラによって制御されてもよく、または手動で制御されてもよい。バルブ装置を用いて、胸腔チューブからの流体の流れを定期的に閉鎖し、および/または通気孔/バルブ112を開口して空気をドレナージチューブの中に入れ、任意の障害物を排出し、またはドレナージチューブ内の流体の流れを遅くしてもよい。バルブ装置を胸腔チューブ内の追加の内腔と共に用いて空気を胸腔チューブの近位端部に流入させ、任意の障害物をドレナージチューブに排出してもよい。バルブ装置はまた、ドレナージポンプを助けるポンプを含んでいてもよい。この排出行為は、タイマーを用いて定期的な間隔で実施されてもよく、ドレナージチューブおよび/または胸腔チューブが自由に流れていないという信号に応答して実施されてもよい。
圧力センサ114はシステム内の様々な位置にあってもよい。ここでは、圧力センサは胸腔チューブ104の近辺、また吸引装置108の近辺に示される。圧力センサはまた、システム内の別の場所、たとえば、胸部近辺に配置されてもよい。1または複数の位置で感知された圧力を用いて、システム内を流れる流体に障害があるかを判断する。障害が検出される場合は、警報音を鳴らしてもよく、および/またはコントローラは自動的にバルブ装置を制御して、ドレナージチューブおよび/または胸腔チューブ内を洗浄にしてもよい。この詳細は以下に説明する。
吸引装置108は陰圧、または吸引による力を、バルブ装置および胸腔チューブと流体連通するドレナージチューブに生成する。このようにして、吸引を胸腔に維持し、胸部流体ドレナージを促進し、患者の呼吸を支援してもよい。陰圧を生成するための機構はポンプまたは任意の別の適切な機構であってもよい。
コントローラ(不図示)は吸引装置および/またはバルブ装置に一体化されてもよく、および/または別々であってもよい。コントローラと吸引装置および/またはバルブ装置との間の任意の通信は有線または無線であってもよい。
図2Aはバルブ装置の実施形態を示す。コネクタ202は胸腔チューブに接続する。コネクタ204はドレナージチューブに接続する。通常の操作中に、血液および別の流体はバルブ装置を自由に矢印の方向に流れる。バルブ208は通常は開口し、バルブ210は通常は閉鎖している。流体の流れに対する障害が検出されると、バルブ210は開口して、通気孔212を通じて大気または別の空気をシステムに入れてもよい。通気孔212は空気中の汚染物質がバルブ装置の内腔に入ることを防ぐため、システム内の流体が無菌のままとなる。陰圧が連結部分204に吸引装置を通じて印加されるため、空気がシステムを通じて流れ、ドレナージラインが洗浄される。次に、バルブ210は閉鎖され、通常のドレナージが可能となってもよい。バルブ210の開口および閉鎖は手動で実施されてもよく、システム内で測定した圧力に基づいて自動的にコントローラの制御によって実施されてもよく、または、クラック圧を限定せずに含むバルブの機械式特性によって自動的に実施されてもよい。バルブ210の複数の開口および閉鎖はラインを洗浄するために必要になることもある。バルブ208は洗浄プロセス中に閉鎖されても、されなくてもよく、または洗浄プロセスの一部に対して閉鎖されてもよい。バルブ208が閉鎖されているとき、吸引装置によって生成されるすべての陰圧はドレナージチューブに印加され、空気がシステム内に入り、システムを洗浄できるように用いられてもよい。バルブ208が開口しているとき、陰圧の一部は胸腔チューブに印加され、その区域の任意の凝固/障害物を排出する支援をしてもよい。バルブ208は、バルブ210を開口しただけでは障害物が排除されないときにのみ、開口されてもよい。バルブ208が開口しているとき、胸部に印加される陰圧が大きくなりすぎて、損傷を生じないように注意しなければならない。バルブ208が閉鎖しているとき、大きな陰圧を用いて、任意の閉塞を必要に応じて排出してもよい。任意には、バルブ208が閉鎖し、バルブ210が開口しているとき、ポンプは通気孔212に陽圧を印加して、ドレナージを支援してもよい。
図2Aでは、バルブ装置、および圧力センサ214の様々な部品を収容する容器206も示される。容器206はバルブ装置と一体化される。
バルブは、ピンチバルブ、電磁バルブまたはボールバルブなどの任意の適切な種類の能動バルブであってもよい。バルブは、代替的に、一方向バルブ、ピンチバルブ、逆止めバルブなどの受動バルブであってもよい。たとえば、代替的に、受動一方向バルブを用いて、チューブに吸引を印加するときに、胸腔ドレナージを可能にしてもよいが、陽圧をチューブに印加するときに、受動的に閉鎖し、胸部への流れを防いでもよい。
図2Bは胸腔チューブの実施形態と共に用いるバルブ装置の実施形態を示す。本実施形態を用いて、胸腔チューブの閉塞を排出する。バルブ装置228は、フィルタおよび任意の圧力センサ226を備えるバルブ21を含む。胸腔チューブ230はバルブ装置228に接続し、それによって、胸腔チューブの2つの内腔はバルブ装置の内腔と流体連通する。内腔220は空気を患者まで運ぶ。内腔222は血液/流体を患者から取り除く。バルブ装置228の患者側ではない側はドレナージチューブおよび陰圧源に接続する。開口224によって、内腔220と内腔222とが流体連通できる。バルブは開口224内にあってもなくてもよい。内腔222は患者端部に開口し、それによって血液/流体を患者から排出できる。本図では内腔220は患者端部で閉鎖し、空気腔端部224として示す。任意のバルブ218はコントローラによって制御され、胸腔/体腔に通じる内腔222を閉鎖してもよく、それによって空気が患者の体腔に入らないようにする。
胸腔チューブ内に閉塞があると、圧力センサ226によって検出されるか、または別の方法で検出されるかを問わず、バルブ216は開口され、大気または別の方法からの空気または別の気体が内腔220に入ることができる。内腔220に印加される陰圧もまた、コントローラによって増加されてもよい。バルブ216の開口によって、空気/気体はシステムに入ることができ、内腔222の内容物を患者から排出して胸腔チューブを通り、ドレナージチューブ(本図では不図示)まで運ぶことができる。胸腔チューブの閉塞が排出されたことを、圧力センサ226によって感知するか、または自動もしくは手動で感知した後、バルブ216は再度閉鎖し、バルブ218がある場合はバルブ218は再度開口する。陰圧が増加された場合、陰圧は再度減少され、流体は再度内腔222を自由に流れてドレナージチューブに入る。バルブ216およびバルブ218はコントローラによって制御されてもよく、または自動もしくは手動で機能してもよい。コントローラとバルブ218との間の有線通信は胸腔チューブの内腔内に存在してもよく、または胸腔チューブの壁内に埋め込まれてもよい。任意のバルブとコントローラとの間の通信も無線であってもよい。バルブ216はバルブの圧力差に基づいて自動的に開口してもよい。バルブ218はあってもなくてもよいが、バルブの圧力差に基づいて、自動的に閉鎖してもよい。
図3は別の胸腔ドレナージシステムの実施形態を示す。本実施形態では、バルブ装置302は、吸引装置304の近くに配置され、または吸引装置304に一体化される。バルブ装置は個別のチューブ、バルブチューブ306に接続する。圧力センサ(不図示)はシステムの任意の場所に配置されてもよく、胸部および/または胸腔チューブの近くに配置されてもよい。圧力センサが感知するように、ドレナージチューブ308が詰まると、バルブ312は開口してラインが洗浄される。バルブ310も、図2Aのバルブ208と同様に、閉鎖していてもよい。ポンプを用いる場合、バルブチューブ306およびドレナージチューブ308を通じて収集容器までポンプすることによって、ドレナージを支援できる。代替的に、容器内の吸引を装置によって制御してもよく、ドレナージラインを洗浄するためにバルブ312が開口し、バルブ310が閉鎖しているとき、真空度が大きくなる。バルブ310、312、バルブ装置302および吸引装置304はコントローラによって制御される。コントローラは吸引装置およびまたはバルブ装置に一体化されてもよく、または個別であってもよい。コントローラによる通信は有線であっても、無線であってもよい。
図4はドレナージチューブに貯まった液体を検出し、排出する胸腔ドレナージシステムの能力を示す。部分「A」では、−10cmH2Oの圧力が適切に胸部に伝達される。部分「B」では、液体はチューブの底に貯まり始め、陰圧が減少する結果となる。臨床的に解消されない場合は、ドレナージが障害を受け得る。ただし、部分「C」では、バルブ装置のバルブは開口し、液体はドレナージ容器に流れ込み、部分「D」では適切な吸引が復活する。本事例では、圧力センサは胸部もしくは胸腔チューブに配置されるか、またはその近くに配置される。ただし圧力はシステム内の別の位置および/または追加の位置で測定されてもよい。たとえば、圧力は胸部もしくは胸腔チューブで測定されるか、またはその近くで測定されてもよく、同様に、吸引装置で測定されるか、またはその近くで測定されてもよい。圧力差測定を用いて、流動性の障害または血液/流体の貯留もしくは凝固を検出してもよい。
このようにして、コントローラは絶対圧力、圧力の変動、2以上の位置の間の圧力差または2以上の位置にわたる圧力差などから、流体ドレナージに対する障害を特定することができる。流体ドレナージに対する障害が特定されると、警告が鳴ってもよく、および/またはコントローラは洗浄プロセスを開始してもよい。これには、本明細書の別の箇所で記載するように、バルブ装置のバルブを開口および/または閉鎖することも含まれる。陰圧は増加してもよく、またはパルス、逆向きなどその他の方法で変化してもよい。
たとえば、胸部近くの圧力センサの表示が約−10cmH2Oから約−20cmH2Oであり、表示がゼロから−5cmH2Oに変化する場合、コントローラはバルブを開口してバルブ装置を通気してもよい。コントローラはまた、バルブ装置の胸腔チューブへのバルブを閉鎖してもよい。コントローラは一定の時間、たとえば5−10秒または10−30秒の間、バルブをこの位置のままにしてもよく、その後バルブを通常の位置に戻してもよい。コントローラは次に、圧力表示を確認し、表示が通常に戻っていた場合はそれ以上何もしない。圧力表示が通常に戻らず、閉塞または遅延条件がまだある場合には、コントローラは洗浄手順を繰り返してもよい。これは、チューブがきれいになるまで、繰り返されてもよい。代替的に、または追加として、洗浄を繰り返して実施しなければならない場合は、手順は変更してもよい。たとえば、吸引装置がチューブを洗浄するために用いる陰圧の大きさを増加してもよく、および/または陰圧をパルス化してもよい。洗浄手順は圧力表示に応じて実施してもよく、または定期的に自動で実施してもよい。
図5は、胸腔チューブの詰まりを検出する胸腔ドレナージシステムの能力を示す。部分「A」および「C」では、通常の吸引が適用される。部分「Β」では、胸腔ドレナージシステムは詰まり検出モードに入り、呼吸によるドレナージシステムの圧力変動に注意する。詰まりがない場合は変動ははっきりと分かるが、詰まりがある場合には、変動は観測されない。詰まりが検出されると、胸腔ドレナージシステムは警報を鳴らして、臨床医に警告し、適時に介入できるようにする。代替的に、胸腔ドレナージシステムは自動的に詰まり/凝固排出手順を開始してもよい。これらの手順は、本明細書の別の部分で記載するように、ドレナージチューブの排液をすることを含んでいてもよい。さらに、これらの手順はエネルギを胸腔チューブおよび/または流体柱に適用することを含んでいてもよい。これらのエネルギには、超音波エネルギ、振動エネルギ、音響エネルギ、機械エネルギ、搾りエネルギなどが含まれる。エネルギはポンプモータによって提供されてもよく、または別のエネルギ源から提供されてもよい。
胸腔ドレナージシステムは小児患者には特に重要である。成人の胸部に適用する吸引量は約−20cmH2Oであるが、小児の脆弱な組織を損傷しないように、約−10cmH2Oに制限される。吸引が少ないと、貯まった液体または凝固を排出することがより困難になる。したがって、胸腔ドレナージシステムは小児患者には、さらに有利であり得る。
図6は吸引装置の実施形態を示す。ポンプ602は、矢印の方向にポンプし、システムに陰圧を生成する。ドレナージチューブ604は流体収集貯蔵器/容器606に接続する。
胸腔ドレナージシステムを病院独自のドレナージおよび/または胸腔チューブと共に用いてもよい。2以上の胸腔チューブおよび/またはドレナージチューブをシステムで使用してもよい。複数の胸腔チューブの事例では、チューブは共有ドレナージチューブまたは個別のドレナージチューブを使用してもよい。個別の場合は、胸腔ドレナージシステムは圧力をモニタしてもよく、洗浄手順および/または音響警告を個別にドレナージチューブに開始してもよい。代替的に、2以上の胸腔チューブは1つのバルブ装置に接続してもよい。1つの吸引装置を複数のバルブ装置と用いてもよい。
胸腔ドレナージシステムはまた、胸腔チューブの凝固を排出する助けとなるように設計される胸腔チューブを含んでいてもよい。たとえば、胸腔チューブは拡張可能なバルーンまたはブラダーを含んでいてもよく、流体および凝固をチューブのドレナージ端部に向かって押す。胸腔チューブは機械式装置を含んでいてもよい。機械式装置は、自動または手動で流体および凝固をチューブのドレナージ端部に向かって押す。胸腔チューブは2以上のチューブを含んでいてもよい。2以上のチューブは同軸または同軸ではなくてもよく、互いに対して長手方向もしくは半径方向に、またはその両方に移動してもよい。たとえば、胸腔チューブはチューブをドレナージ内腔内に含んでいてもよい。チューブはドレナージ内腔に対して移動して、凝固を除去し、内腔内の流れを通常に戻すことができる。この運動は手動または自動であってもよく、振動運動など小規模であってもよく、または1−10mmまたは1−3cmなどの大規模であってもよい。チューブを移動させるエネルギポンプ装置のポンプモータによって提供されてもよい。
一部の実施形態では、ポンプ装置はバルブ装置に一体化されてもよい。組み合わせたこの装置はドレナージチューブのドレナージ端部にあってもよく、または胸腔チューブとドレナージチューブとの間にあってもよい。代替的に、胸腔チューブに一体化されてもよい。
一部の実施形態では、胸腔ドレナージシステムはpHセンサを含んでいてもよい。術後感染および膿胸は臨床医が特に関心を持つ事項である。本体から排出される流体のpHはこれらの病気、および別の病気を診断するために役立ち得る。診断に役立つために、胸腔ドレナージシステムは、チューブ、ポンプ、バルブ装置、またはシステムの任意の場所にpHモニタを含んでいてもよい。結果はディスプレイ装置上に表示されてもよい。
図7A−Eは胸腔ドレナージシステムの実施形態を示す。本実施形態は凝固および/または胸腔チューブの詰まりを除去するバルーンを含む。図7Aは患者の胸部内に配置される胸腔チューブの端部を示す。胸腔チューブのこの部分の一部またはすべては患者の胸部であってもよい。胸腔チューブ702は、開口706およびドレナージ穴708を含む。本図では、図/装置の左側を「胸部端」と呼ぶ。装置/図の反対の端は「外部端」と呼ばれる。血栓または別の詰まり710はここでも見られる。詰まり/凝固が胸腔チューブ内にあるとき、胸腔ドレナージシステム712の胸腔チューブ洗浄部品は、図7Bに示すように、胸腔チューブに導入されてもよい。胸腔チューブ洗浄装置712はYアダプタを介して胸腔チューブ/ドレナージチューブの接合面に導入されてもよい。代替的に、胸腔チューブ洗浄装置は胸腔チューブ702に一体化されてもよい。胸腔チューブ洗浄装置は、胸腔チューブ内で移動可能であっても、なくてもよい。
胸腔チューブ洗浄装置712は、図7Cに示すように、内側軸またはワイヤ716、および内側軸に流体接続するバルーン714を含む。バルーン714は、バルーン内部に流体連通する膨張内腔から膨張される。バルーン714は軸を貫通して通り、患者の外部で終端する。バルーンは患者の外部から膨張内腔を通じて膨張および収縮可能である。膨張/収縮はシリンジ、膨張装置で、手動または自動で実施され得る。バルーンの膨張圧力は約10psiから約400psiである。代替的に、バルーンの膨張圧力は約10psiから約50psiである。代替的に、バルーンの膨張圧力は約50psiから約100psiである。代替的に、バルーンの膨張圧力は約100psiから約200psiである。代替的にバルーンの膨張圧力は約200psiから約400psiである。
図7Cは膨張の初期段階にあるバルーン714を示す。胸腔チューブ洗浄装置のバルーンは胸腔チューブの胸部端部で、またはその近くでまず膨張するように設計される。バルーン714がさらに膨張するにつれて、バルーンは図7Dで示すように胸腔チューブ内でさらに膨張する。バルーンの膨張によって胸腔チューブの内容が移動することは、胸腔チューブ内の凝固および/または詰まりを患者の体外および胸腔チューブ外に移動させることに役立つ。図7Eは完全に膨張したバルーンを示す。バルーンはその後収縮し、血液は再度自由に胸部から胸腔チューブを通ってドレナージチューブまで移動可能となる。
バルーンは任意の有効長であってもよい。バルーンは胸腔チューブとほぼ同じ長さ、たとえば約50cmまでの長さであってもよく、またはかなり短く、たとえば約10cmの長さであってもよい。バルーンは空気、気体、液体、液体、または任意の適切な流体で膨張されてもよい。
バルーンは弾性または非弾性素材、または両方の組み合わせから製造されてもよい。好ましい実施形態では、膨張したバルーンの外径は、胸腔チューブの内径の大きさとほぼ同じである。ただし、膨張したバルーンの外径は胸腔チューブの内径より大きくても、小さくてもよい。収縮したバルーンの平均外径は胸腔チューブを通って嵌合するように設計されている。好ましくは、収縮したバルーンの平均外径は胸腔チューブの内径よりはるかに小さい。それによって、胸腔チューブ洗浄装置が胸腔チューブ内に配置されるとき、血液および流体をバルーンと胸腔チューブの間から容易に排出することができる。真空をバルーンに印加して、バルーンの収縮した外径を低減してもよい。たとえば、膨張したバルーンの外径および胸腔チューブの内径は約8mmから約9mmであってもよく、収縮したバルーンの平均外径は約1mmから約2mmであってもよい。別の例では、膨張したバルーンの外径および胸腔チューブの内径は約4.5mmから約5.5mmであってもよく、収縮したバルーンの平均外径は約1mmから約2mmであってもよい。
バルーンはまず、胸腔チューブの胸部端部の近くで、膨張穴の移動によって膨張するように設計されてもよい。膨張穴とは、バルーン内部を膨張内腔と流体連通する穴である。膨張穴は胸腔チューブ洗浄装置の胸腔端部の近くにあってもよい。代替的に、複数の膨張穴があってもよく、そのうち最大の膨張穴は胸腔チューブ洗浄装置の胸腔端部に近くてもよい。バルーンはまた、折りたたまれて、胸部端部がまず膨張するような形にされてもよい。たとえば、バルーンの胸部端部はバルーンの他の部分よりも緩く包まれてもよい。折りたたまれた特定の形状を用いてもよい。たとえば、プリーツ状および/または折りたたまれたバルーン、および/またはらせん状に折りたたまれたバルーンを用いてもよい。一部の折りたたまれた特定の形状は展開圧力を増加してもよく、らせん状の動き、またはねじれ、力を胸腔チューブの任意の凝固/詰まりに行使してもよい。それによって、胸腔チューブの洗浄を支援してもよい。バルーンの胸部端部はまた、最初に膨張できるように、バルーンの他の部分よりも大きく、またはさらに弾性を有していてもよい。バルーンは、折りたたみ/圧縮を開く、または克服するために、たとえば、約5psiから約30psiまでの比較的大きな圧力を必要としてもよい。膨張穴が胸腔チューブ洗浄装置の胸部端部の近くにあることと合わせて、これによって、バルーンの胸部端部を最初に膨張させる。バルーンを開口する圧力およびバルーンを膨張する圧力は違う圧力であってもよい。バルーンの開口には、バルーンの折りたたみ、圧縮または別の初期膨張圧力に打ち勝つことが必要である。バルーンの膨張圧力はバルーン全体を開き続けるために必要な圧力であり、場合によっては、凝固などの周囲の物質に力を行使する。
図8A−8Dは胸腔チューブ洗浄装置の別の実施形態を示す。本実施形態では、1つのバルーンではなく複数のバルーンがある。図8Aは胸腔チューブ内に配置される胸腔チューブ洗浄装置を示す。胸腔チューブ洗浄装置のバルーンは膨張せず、胸腔チューブ洗浄装置の外部と胸腔チューブの内部には、血液/流体が流れるための空間がある。
図8Bは胸腔チューブで膨張した第1のバルーン802を示す。
図8Cは膨張した第2のバルーン804を示す。本図は、まだ膨張している第1のバルーン802を示すが、第1のバルーン802は第2のバルーン804が膨張した後に収縮してもよい。
図8Dは複数の膨張したバルーンを示す。バルーンは、胸腔チューブの胸部端部から胸腔チューブの外側端部に向かって順番に、つまり連続して膨張する。バルーンは胸腔チューブの長さ全体にわたって膨張してもよく、または胸腔チューブの長さの一部だけ膨張してもよい。このようにして、凝固および/または詰まりは胸腔チューブの外から、および患者の体外からドレナージチューブに押し出される。バルーンはまた、任意の別の好ましい順番で膨張してもよい。
本実施形態の複数のバルーンは複数の膨張内腔から膨張してもよく、または1つの膨張内腔から膨張してもよい。バルーンは1、2、3以上であってもよい。バルーンの長さは約1cmと短くてもよく、または約20cmと長くてもよい。
図9A−9Dは胸腔チューブ洗浄装置の別の実施形態を示す。本実施形態では、バルーンは、繰り返し膨張し、収縮する。この行為は本明細書の任意の実施形態に適用されてもよい。このように、胸腔チューブ洗浄装置は膨張したときには凝固/詰まりを破壊し、収縮したときには血液および流体が胸腔チューブ内を流れるようにする。バルーンは優先的に胸部端部から外側端部に向かって膨張しても、しなくてもよい。バルーンは代替的に、胸腔チューブの長さに沿って同時に膨張および収縮してもよく、または比較的同時に膨張および収縮してもよい。このようにして、バルーンは胸腔チューブ内で脈動し、さらに振動し、または震えて、胸腔チューブの凝固/詰まりを排出してもよい。バルーンはまた、比較的低圧で膨張してもよく、それによってバルーンはわずかに緩み、自然に震える。上記または別の膨張/収縮プログラムはコントローラによって制御されてもよい。たとえば、脈拍数、バルーン膨張時間、バルーン収縮時間などはコントローラによって制御されてもよい。
図10は複数のバルーンを備える胸腔チューブ洗浄装置の実施形態を示す。本実施形態では、軸1002はバルーン膨張開口1004を含む。バルーン膨張開口1004は、比較的胸腔チューブの胸部端部洗浄装置に近くにある。複数のバルーンは内腔またはチャンネル1006と接続する。内腔またはチャンネル1006によって、空気および/または流体は第1のバルーンから第2のバルーンなどまで流れることができる。本実施形態では、第1のバルーンは胸腔チューブの胸部端部に近いバルーンであり、最初に膨張する。第1のバルーン内の圧力が特定の閾値に達すると、膨張した流体は第2のバルーンにチャンネル1006を介して「滲出」し、第2のバルーンを第1のバルーンの後に膨張させる。第2のバルーン内の圧力が特定の閾値に達すると、膨張流体は第3のバルーンに「滲出」し、以下同様となる。このようにして、本実施形態のバルーンは、まず胸部端部近くで膨張し、最後に外側端部近くで膨張する。
図11は複数のバルーンを備える胸腔チューブ洗浄装置の別の実施形態を示す。本実施形態では、軸1002は第1のバルーン内部において開口端部1102で終端する。軸1002は、安定性を求めてワイヤ1104に取り付けられてもよい。それによって、第1のバルーンはワイヤ1104の端部に接着されてもよい。それによって、軸の剛性を損なわずに、大きいバルーン膨張開口1102が実現する。
胸腔チューブ洗浄装置の任意の実施形態は断続的に胸腔チューブを閉鎖することができ、それによってドレナージチューブに印加される陰圧は直接胸腔には印加されないことに留意されたい。これによって、高い陰圧を用いてドレナージチューブを排出可能となる。つまり、胸腔チューブ洗浄装置のバルーンは基本的に、図2Aのバルブ208の機能を果たす。
他の胸腔ドレナージシステムの実施形態も、たとえば以下のように考案される。
胸腔チューブ自体は、チューブ内部の直径が1つの端部または別の端部で小さくなるように、先細であってもよい。
ワイヤ、フィラメントまたは別の任意の種類のかくらん物質を用いて、胸腔チューブ内の凝固/詰まりを除外してもよい。このかくらん物質の移動、振動、回転/ねじり、摺動などは時間表に基づいて、または胸腔チューブの詰まりを感知するシステムに基づいて自動であってもよい。
別のバルーン構成も考案される。その一部を図12に示す。
胸腔チューブ自体は、振動するように、または何らかの方法で凝固を排出するように運動するように構成されえる。
胸腔チューブに胸腔ドレナージシステムによって行使される陰圧(吸引)は、脈動してもよく、またはパターン化して、もしくはランダムに適用されてもよい。
カテーテル、チューブ、および/または内腔を用いて、食塩水、ヘパリンなどの流体および/または薬剤を胸腔チューブに噴霧してもよい。
胸腔チューブ内部は、滑りやすい物質および/または疎水性物質およびまたは薬剤、テフロン(登録商標)、シリコーン、ヘパリンなどで塗装されてもよい。胸腔チューブ内部は、流れを増加するために、ゴルフボール外側のくぼみと同様のくぼみが作られていてもよい。
ふいごを胸腔チューブ内部に配置しても、一体化してもよい。
胸腔チューブの直径は時間とともに変化してもよい。たとえば、胸腔チューブの直径は、凝固/詰まりを取り除くために時おり増加、または減少するように設計されてもよい。直径がこのように変化することは、定期的な予定で起こってもよく、または凝固の状況の検出に応じて起こってもよい。直径の変化は、常に変動してもよい。
胸腔チューブの温度は、気温および/または患者の体温より高くても、低くてもよい。
チューブは、胸腔チューブの内径に近い外径を有する胸腔チューブに挿入されても、一体化されてもよい。この内部チューブは、胸腔チューブの穴と位置が合う穴を有していてもよい。内部チューブは、特に胸腔チューブ穴の凝固を取り除くために胸腔チューブに対して移動してもよい。
胸腔チューブは内部バルブと一体化していてもよい。
気泡を胸腔チューブに導入し、胸腔チューブを洗浄する支援をしてもよい。
図13に示すように、ワイヤ、フィラメント糸などを胸腔チューブに循環させてもよい。
予備形成され、ニチノール、ステンレス鋼、金属、ポリマまたは別の適切な素材からなるコルクスクリューワイヤを、胸腔チューブの内壁に沿って栓をするように配置してもよい。その後、コルクスクリューワイヤを軸方向に引いて、胸腔チューブの壁に付着した任意の凝固を削っても/排除してもよい。予備形成されたワイヤの断面は、ワイヤが胸腔チューブの長さに沿って軸方向に引かれるときに、すくう/すくいとる/はがす行為が起こるように設計されてもよい。予備形成されたワイヤはまた、固定されて回転し、オーガと同様に、凝固を胸腔チューブから排除してもよい。予備形成されたワイヤは、チューブの長さに沿って変動する直径を形成してもよく、それによって、予備形成されたワイヤの一部がチューブの内壁に接触し、別の部分は接触しない。ワイヤは回転し、チューブの壁に沿って軸方向に移動し、凝固をチューブ内から回収室まで移動させてもよい。コークスクリューワイヤの「ワイヤ」の断面は円形、平面、または別の適切な形態であってもよい。
ボールまたはケージは、血液/流体がチューブに入るように、胸腔チューブの胸部端部で胸腔チューブに一体化されてもよい。
胸部チューブは、血液/流体がチューブに入るように、複数のアーム/内腔を胸部端部に有していてもよい。
胸腔チューブは、血液/流体を収集しやすくするように導くために、舵取り機構、たとえば湾曲した心棒を一体化していてもよい。
胸腔チューブは、貯まった血液/流体を排出する助けとなるように、おもりを胸部端部に一体化していてもよい。
胸腔チューブは、胸部内壁に固定するためにアンカを胸部端部に含んでいてもよい。たとえば、図14を参照されたい。感染検出
胸腔ドレナージシステムの一部実施形態では、収集容器、またはシステム内の別の部品は、ドレナージ流体の中の細菌、血液および/別の物質を紫外線分光法を用いて、検出する能力を含んでいてもよい。たとえば、収集容器は、好ましくは容器の外壁に一体化される光学的に透明な部分と、好ましくは、容器の内壁上にあるか、または容器の内壁に一体化される反射部分とを含んでいてもよい。「光学的に透明」とは、ここでは、分析に必要な波長の光を光学的に透明な部分から透過させる能力を意味する。好ましくは光学的に透明な部分は、ポリメチル酸メチル、ポリスチレン、アクリル、水晶などの紫外線を透過させる素材からなる。壁の厚さは、適切な紫外線の波長が光学的に透明な部分を通過できるほど薄い必要がある。たとえば、光学的に透明な部分の厚さは約0.5mmから約0.7mmの厚さであってもよい。代替的に、光学的に透明な部分の厚さは約.0.5mmから約0.6mmの厚さであってもよい。代替的に、光学的に透明な部分の厚さは約0.6mmから約0.7mmの厚さであってもよい。代替的に、光学的に透明な部分の厚さは約0.7より薄くてもよい。
紫外線送信機/受信機は紫外線または適切な波長の別の波長の光を光学的に透明な部分を通じて、収集容器の流体を通じて、収集容器の反射器まで送信する。紫外線送信機/受信機は、胸腔ドレナージシステムのコントローラ部品に一体化されてもよく、または接続されてもよい。光は紫外線受信機に返送され、送信機は次に、収集したデータを信号分析のためにコントローラに送信する。2以上の紫外線波長を同時に、または連続して分析してもいい。紫外線範囲外の光線を紫外線範囲内の光に追加して用いてもよい。光の送信と受信の間の流体の物理的な量は、流体内の1または複数の物質の濃度を反映する信号を強くするために、好ましくは最大にされる。送信機/受信機は収集容器の任意の区域に配置されてもよい。受信機は送信機とは異なる位置に配置されてもよく、反射器は必要であっても、必要でなくてもよく、または存在していても、存在していなくてもよい。収集容器の流体がひんぱんに空にされる実施形態では、紫外線の吸収測定は、時間をかけて行われてもよく、ドレナージ流体内の1または複数の物質の量の増加および/または減少は基本的に時間をかけて、またはほぼリアルタイムに追跡されてもよい。これは特に、感染を迅速に特定するために重要である。紫外線の検出もまた、胸腔ドレナージシステムの他の場所、たとえば、ドレナージチューブ、胸腔チューブ、バルブ装置、個別のサンプリング区域などで実施されてもよい。
流体の細菌、赤血球、ならびに血漿および/または白血球を紫外線分光法によって分析して、感染を特定してもよい。血漿/白血球および/または細菌が流体に存在することは、いずれも感染を示す。白血球の存在は感染を示すものではないこともある。したがって、赤血球と、細菌/血漿/白血球とを排出した流体内で区別することが望ましい。赤血球の分光特性は、細菌または血漿/白血球のいずれとも顕著に異なるため、約414nmの波長では、赤血球の信号を細菌および/または血漿/白血球と区別することができ、この波長の光の吸収を分析することによって、感染を特定することができる。260nmおよび280nmの波長において血漿および細菌の特性は互いに異なるため、これらの波長を用いて、血漿と細菌を区別することができる。ただし、血漿および細菌の両方が感染中に存在していることが起こり得る。
その他の波長および別の技術も用いて、排出した流体内の様々な物質を検出してもよい。紫外線吸収も用いて、濁度を検出してもよい。染料、薬剤または反応性物質も、排出した流体の物質と反応させて分析を支援するために、システムに導入してもよく、またはシステム内側、収集容器などに塗装されてもよい。データ処理システムの実施例
図15はデータ処理システムのブロック図であり、本発明の任意の実施形態と共に用いてもよい。たとえば、システム1500はコントローラの一部として用いてもよい。図15はコンピュータシステムの様々な部品を例示するが、任意の具体的なアーキテクチャまたは部品の相互接続の方法を代表することを意図するものではないことに留意されたい。そのような詳細は本発明に密接に結びついてはいない。より多くの部品または少ない部品を持つネットワークコンピュータ、携帯コンピュータ、携帯装置、タブレット、携帯電話および別のデータ処理システムを本発明と共に用いてもよいことを理解されたい。
図15に示すように、コンピュータシステム1500はデータ処理システムの一形態であり、バスまたは相互接続部1502を含む。バスまたは相互接続部1502は1または複数のミクロプロセッサ1503およびROM1507、揮発性RAM1505、および不揮発性メモリ1506に結合する。マイクロプロセッサ1503はキャッシュメモリ1504に結合する。バス1502はこれらの様々な部品を相互接続し、これらの部品1503、1507、1505、および1506をディスプレイコントローラおよびディスプレイ装置1508、ならびに入力/出力(I/O)装置1510に相互接続する。入力/出力(I/O)装置1510はマウス、キーボード、モデム、ネットワークインターフェース、プリンタ、および当該技術で周知の別の装置であってもよい。
一般に、入力/出力装置1510はシステムに入力/出力コントローラ1509を介して結合する。揮発性RAM1505は一般にダイナミックRAM(DRAM)として実装される。ダイナミックRAMはメモリ内のデータを更新して維持するために動力を継続して必要とする。不揮発性メモリ1506は一般に、磁気ハードドライブ、磁気光学式ドライブ、光学式ドライブ、またはDVD RAMまたはシステムから電力が落とされた後でもデータを維持する別の種類のメモリシステムである。一般に、不揮発性メモリはまた、必須ではないが、ランダムアクセスメモリであってもよい。
図15では不揮発性メモリが、データ処理システムの残りの部品に直接結合するローカル装置であることが示されるが、本発明は、システムから離れた位置にある不揮発性メモリを使用してもよい。たとえば、不揮発性メモリは、データ処理システムにモデムなどのネットワークインターフェースまたはイーサネット(登録商標)インターフェースを介して結合するネットワーク記憶装置である。バス1502は、当該技術で周知の様々なブリッジ、コントローラ、および/またはアダプタを介して互いに接続する1または複数のバスを含んでいてもよい。一実施形態では、I/Oコントローラ1509は、USB周辺機器を制御するためのUSB(ユニバーサルシリアルバス)アダプタを含んでいてもよい。代替的に、I/Oコントローラ1509は、ファイアワイア装置を制御するためのファイアワイアアダプタとして既知のIEEE1394アダプタ、SFl(シリアルペリフェラルインターフェース)、I2C(インターインテグレーティッドサーキット)またはUART(汎用非同期送受信回路)、または任意の別の適切な技術を含んでいてもよい。
前述の詳細な説明の一部を、コンピュータメモリ内のデータビットの操作を表すシンボルに関して提示してきた。これらのアルゴリズム記述および表明は、最も効果的に自分の作業の結果を別の当業者に伝えるためにデータ処理技術の当業者が用いる方法である。アルゴリズムは本明細書では、また一般に、所望の結果を得るための操作のセルフコンシステントなシーケンスである。操作は物理量を物理的に操作するものである。
ただし、これらすべての類似する用語は適切な物理量と関連すべきであり、単にこれらの量に適用される便利な標示であることに留意すべきである。別に特段明示されない限り、前述の通り、本明細書を通じて、以下の請求項で記載する用語を用いた議論は、コンピュータシステム、または類似する電子計算装置の行為および処理に言及することを理解されたい。コンピュータシステム、または類似する電子計算装置は、コンピュータシステムレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムメモリ、レジスタまたは別の情報記憶装置、伝達装置もしくはディスプレイ装置内で同様に物理量として表される別のデータに変換する。
図に示す技法は、記憶したコードおよびデータを用いて実装可能であり、1または複数の電子装置で実行可能である。このような電子装置は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(たとえば、磁気ディスク;光学ディスク;ランダムアクセスメモリ;リードオンリメモリ;フラッシュメモリ装置;相変化メモリ)、および一次的コンピュータ可読伝達媒体(たとえば、電子、光学、音響または運搬波、赤外線信号、デジタル信号など別の形状で伝搬した信号)などのコンピュータ可読媒体を用いて、コードおよびデータを記憶し、(内部および/または別の電子装置とネットワークを通じて)連通する。
前述の図に記載した処理または方法は、ロジックを処理することによって実施されてもよい。このロジックは、ハードウェア(たとえば回路、専用ロジックなど)、ファームウェア、ソフトウェア(たとえば、非一時的コンピュータ可読媒体に搭載)、またはこれらの組み合わせを含む。処理または方法は連続操作に関して記載したが、記載した操作の一部は異なる順番で実施されてもよい。さらに、一部の操作は連続ではなく、同時に実施されてもよい。