JP2020187322A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】隙間が生じないようにして、防塵性を高めることができる光走査装置を提供する。【解決手段】光走査装置は、ケーブル91の周囲に巻き付けられた第1弾性部材92と、第1弾性部材92が挿入される弾性部材挿入部が設けられた筐体(下筐体)と、弾性部材挿入部を覆う支持平板85aと、第1弾性部材92と支持平板85aとの間に挟まれた第2弾性部材93とを備える。弾性部材挿入部は、第1弾性部材92の長手方向における所定の間隔で立設された複数の立設部71を有する。第2弾性部材93は、第1弾性部材92よりも硬い。【選択図】図12A

Description

本発明は、ビームが被走査体を走査する光走査装置および画像形成装置に関する。
複数の感光体と中間転写ベルトとを有する画像形成装置、例えば、タンデム方式の多色画像形成装置では、各感光体上に形成されたトナー像を、回転する中間転写ベルト上に、上流側から下流側に向かって順番に転写(1次転写)する。感光体に対しては、光走査装置によってビームを走査し、表面に静電潜像を形成しており、トナーによって現像することで、トナー像が形成される。
上述した光走査装置では、隙間を通って内部に塵埃が侵入することで、ミラー面が汚れるなどして、性能が劣化することが懸念されている。そのため、光走査装置においては、筐体(光学箱)内への塵埃の侵入を防止する構造が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平10−119356号公報 特開平11−84301号公報
特許文献1に記載の走査光学装置は、光源、偏向器、およびレンズを保持する光学箱と、光学箱の開口を覆うカバーとを備え、制御器からのワイヤハーネスが偏向器のコネクタに接続されている。カバーには、コネクタ挿通孔を低壁に有する凹陥部が設けられ、凹陥部には、ワイヤハーネスを内部に挿通した弾性部材が圧入されている。
特許文献2に記載の走査光学装置は、信号検知センサ、回転多面鏡、および結像手段を収容する光学箱と、光学箱の開口を閉塞するふた部材と、ふた部材に設けられた穴を覆うカバーとを有する。
上述した走査光学装置では、光学箱の内部から外部へハーネスを通すように、穴などが設けられており、穴に弾性部材を圧入して塵埃が侵入しないようにしている。しかしながら、単に穴に弾性部材を圧入するだけでは、穴からはみ出した弾性部材によって、周囲の部材が浮き上がり、隙間が生じてしまう虞がある。また、小さな弾性部材を用いると、穴を完全に埋めることができず、生じた間隙によって、防塵性を確保できないという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、隙間が生じないようにして、防塵性を高めることができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光走査装置は、ビームが被走査体を走査する光走査装置であって、ケーブルの周囲に巻き付けられた第1弾性部材と、前記第1弾性部材が挿入される弾性部材挿入部が設けられた筐体と、前記弾性部材挿入部を覆う蓋板と、前記第1弾性部材と前記蓋板との間に挟まれた第2弾性部材とを備え、前記弾性部材挿入部は、前記第1弾性部材の長手方向における所定の間隔で立設された複数の立設部を有し、前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材よりも硬いことを特徴とする。
本発明に係る光走査装置では、前記第1弾性部材は、略円筒形とされ、前記弾性部材挿入部は、前記複数の立設部の間に、断面が略U字状の溝部が設けられている構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置では、前記溝部の底面と前記蓋板とが対向する方向において、前記蓋板に押圧される前の前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とを併せた長さは、前記溝部の底面から前記立設部の頂点までの長さより長い構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置は、前記弾性部材挿入部には、周囲よりも突出した密閉リブが設けられている構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置では、前記立設部には、前記第1弾性部材の外径よりも狭い幅で開口した線出し部が設けられている構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置では、前記筐体は、前記弾性部材挿入部を間に挟んで設けられた溝延伸部および被覆凹部を有し、前記溝延伸部および前記被覆凹部は、前記立設部の頂点より凹んでいる構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置では、前記被覆凹部は、前記蓋板に覆われており、前記被覆凹部および前記蓋板で覆われた空間には、回転多面鏡が収容されている構成としてもよい。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る光走査装置を備えることを特徴とする。
本発明によると、蓋板によって、第1弾性部材と第2弾性部材とが押圧された際、互いの硬さが違うため、柔らかい第1弾性部材のほうが大きく変形し、弾性部材挿入部の間隙を埋めることができる。そして、第2弾性部材の変形が抑えられるので、蓋板との隙間が生じないようにして、防塵性を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略側面図である。 光走査装置の内部の構造を示す模式断面図である。 光走査装置の下筐体を、上側から見た状態を示す外観平面図である。 光走査装置の下筐体を、下側から見た状態を示す外観平面図である。 光走査装置の下筐体を、下側から見た状態を示す外観斜視図である。 下側から見た状態の下筐体において、被覆凹部近傍を拡大して示す拡大斜視図である。 弾性部材挿入部に挿入されるケーブルを示す説明斜視図である。 図6の弾性部材挿入部近傍を拡大した下面図である。 拡大した弾性部材挿入部近傍を示す断面図である。 弾性部材挿入部の立設部を正面側から見た状態を示す正面展開図である。 弾性部材が挿入された状態の弾性部材挿入部近傍を示す断面図である。 図11Aに示す状態で立設部の正面側から見た弾性部材挿入部近傍を示す正面展開図である。 弾性部材が押圧された状態の弾性部材挿入部近傍を示す断面図である。 図12Aに示す状態で立設部の正面側から見た弾性部材挿入部近傍を示す正面展開図である。
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略側面図である。
画像形成装置1は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機であり、上部に設けられた画像読取装置によって読み取られた原稿の画像を外部に送信し(スキャナ機能に相当する)、読み取られた原稿の画像または外部から受信した画像をカラーもしくは単色で用紙に画像形成する(複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能に相当する)。
画像読取装置の上側には、画像読取装置に対して開閉自在に支持された原稿搬送装置(ADF)が設けられている。原稿搬送装置は、載置された原稿を画像読取装置の上に自動で搬送する。画像読取装置は、原稿搬送装置から搬送された原稿を読み取って画像データを生成する。
画像形成装置1は、光走査装置10、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト21、定着装置17、用紙搬送経路31、給紙カセット18、積載トレイ39等を備えている。
画像形成装置1では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、または単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置1には、4種類のトナー像を形成するための現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、および帯電器15が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
ドラムクリーニング装置14は、感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。帯電器15は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。光走査装置10は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。なお、光走査装置10の詳細な構造については、後述する図2および図3を参照して説明する。
中間転写ベルト21は、周回移動し、ベルトクリーニング装置22によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
2次転写装置23の転写ローラ23aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路31を通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写されて定着装置17に搬送される。
定着装置17は、用紙を挟んで回転する定着ローラ24および加圧ローラ25を備えている。定着装置17は、定着ローラ24および加圧ローラ25の間にトナー像が転写された用紙を挟み込んで加熱および加圧し、トナー像を用紙に定着させる。
給紙カセット18は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置10の下側に設けられている。用紙は、用紙ピックアップローラ33によって給紙カセット18から引き出されて、用紙搬送経路31を通じて搬送され、2次転写装置23や定着装置17を経由し、排紙ローラ36を介して積載トレイ39へと搬出される。用紙搬送経路31には、用紙を一旦停止させて、用紙の先端を揃えた後、中間転写ベルト21と転写ローラ23aとの間のニップ域でのカラーのトナー像の転写タイミングに合わせて用紙の搬送を開始する用紙レジストローラ34、用紙の搬送を促す用紙搬送ローラ35、および排紙ローラ36が配置されている。
また、画像形成装置1では、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う構成とされており、用紙を排紙ローラ36から逆方向に搬送する経路が設けられている。用紙は、表裏を反転させた状態で、用紙レジストローラ34へ再度導かれ、表面と同様にして裏面に画像形成が行われた後、積載トレイ39へ搬出される。
図2は、光走査装置の内部の構造を示す模式断面図であって、図3は、光走査装置の下筐体を、上側から見た状態を示す外観平面図であって、図4は、光走査装置の下筐体を、下側から見た状態を示す外観平面図であって、図5は、光走査装置の下筐体を、下側から見た状態を示す外観斜視図である。なお、図3ないし図5は、図面の見易さを考慮して、上筐体40および底板金60を取り外した状態を示しており、さらに、図3および図4については、一部の反射ミラー87および出射レンズ88を取り外した状態となっている。
本発明の実施の形態に係る光走査装置10は、上部が開口した下筐体50と、下筐体50の上部を覆う上筐体40とで筐体が構成されている。光走査装置10の筐体は、厚みが薄い略直方体状とされている。
上筐体40は、略全体が不透明な材料で形成され、上面の一部が開口されており、開口を覆うように、透明な材料で形成された出射窓40aが設けられている。出射窓40aは、上面視した状態で長矩形状とされ、4つの感光体ドラム13に対応するように、4箇所に設けられており、自身の短手方向でそれぞれ離間して配置されている。なお、以下では説明のため、出射窓40aの短手方向を副走査方向Xと呼び、出射窓40aの長手方向を主走査方向Yと呼ぶことがある。
下筐体50は、内部に光学部品を収納する容器とされており、下筐体底面55の外周に沿って側壁が設けられている。下筐体50の側壁は、下筐体第1側壁51と下筐体第2側壁52とが副走査方向Xで対向しており、下筐体第3側壁53と下筐体第4側壁54とが主走査方向Yで対向している。なお、以下では説明のため、副走査方向Xのうち、下筐体第1側壁51が設けられている側を第1副走査方向X1と呼び、下筐体第2側壁52が設けられている側を第2副走査方向X2と呼ぶことがある。
下筐体底面55は、一部が開口しており、開口を覆うように、金属製の底板金60がビス等を用いて取り付けられている。底板金60には、下筐体50と接する部分に、スポンジ等で形成されたモルトを張り付けて、密閉性を高めてもよい。
下筐体50には、光源81、偏向前1次ミラー82、偏向前2次ミラー83、シリンドリカルレンズ84、回転多面鏡85、fθレンズ86、反射ミラー87、および出射レンズ88が取り付けられている。
光源81は、下筐体第1側壁51に取り付けられており、下筐体第3側壁53に近い部分に配置されている。偏向前1次ミラー82は、副走査方向Xで光源81と対向する位置に設けられており、光源81から出射したビームが、偏向前2次ミラー83に向かうように導く。偏向前2次ミラー83は、反射したビームがシリンドリカルレンズ84を通って、回転多面鏡85に入射するように導く。
本実施の形態では、4つの感光体ドラム13に対応して、4つの光源81が設けられており、光源81から出射したビームがそれぞれ対応する感光体ドラム13に照射される。また、4つの光源81は、それぞれ高さ方向Zでの位置が異なるように配置され、偏向前1次ミラー82は、4つの光源81に応じた高さで4つ設けられており、一部のビームが偏向前1次ミラー82の上方を通過するように高さが調整されている。なお、偏向前2次ミラー83に対する光源81および偏向前1次ミラー82の位置は、適宜調整すればよく、複数の光源81から出射したビームが、1つの偏向前2次ミラー83に入射するように配置されていればよく、偏向前1次ミラー82の数を変更してもよい。
回転多面鏡85は、例えば、6つの面を有する多面鏡であって、モータなどの駆動部によって回転する回転軸85bを有しており、入射したビームを回転しながら反射することで、ビームが感光体ドラム13表面を走査する。回転多面鏡85は、下筐体第1側壁51に沿う位置に設けられ、下筐体50において、主走査方向Yでの略中央に位置している。回転多面鏡85は、下面が支持平板85aに覆われており、回転軸85bは、支持平板85aより下方に突出している。下筐体底面55は、回転多面鏡85が収まるように凹凸を設けて形成した被覆凹部55aを有し、ビームが通過する部分は、透明な材料で形成されている。なお、回転多面鏡85が収納された被覆凹部55aについては、後述する図6を参照して、詳細に説明する。
fθレンズ86は、回転多面鏡85によって反射されたビームが入射する位置に取り付けられている。反射ミラー87は、下筐体50の各部に適宜配置されており、本実施の形態では、8つ設けられている。反射ミラー87には、4つの光源81から出射されたビームのいずれか1つが入射し、対応する出射レンズ88に入射するように導く。出射レンズ88は、出射窓40aに面する位置に設けられ、本実施の形態では、4つ設けられている。なお、1つのビームに対応する反射ミラー87の数は、適宜変更してもよく、ビームが2回以上反射される構成としてもよい。
下筐体第1側壁51の外側面には、基板51aが取り付けられている。基板51aには、後述するケーブル91が接続される。なお、基板51aとケーブル91とは、コネクタ等を介して接続されていてもよいし、半田付け等で実装されていてもよい。
図6は、下側から見た状態の下筐体において、被覆凹部近傍を拡大して示す拡大斜視図である。
被覆凹部55aは、下筐体底面55よりも上方へ突出するように形成されている。つまり、下筐体50を下側から見た状態では、被覆凹部55aが下筐体底面55よりも凹んでいるように見える。回転多面鏡85は、被覆凹部55aの下方に面する側に収められている。
下筐体底面55には、さらに凹凸を設けて、弾性部材挿入部70および溝延伸部55bが形成されている。弾性部材挿入部70は、被覆凹部55aに隣接して設けられ、弾性部材挿入部70から延伸して溝延伸部55bが設けられている。弾性部材挿入部70および溝延伸部55bは、被覆凹部55aと同様に、下筐体底面55よりも上方へ突出するように形成されており、下筐体50を下側から見た状態において、下筐体底面55よりも凹んでいるように見える。弾性部材挿入部70および溝延伸部55bは、回転多面鏡85に接続されるケーブル91(後述する図7参照)が挿入される部分となっている。回転多面鏡85とケーブル91とは、回転多面鏡85に設けられた回転多面鏡側コネクタ85cと、ケーブル91に設けられたケーブル側コネクタ94(後述する図7参照)とを介して接続される。
図7は、弾性部材挿入部に挿入されるケーブルを示す説明斜視図である。
ケーブル91は、回転多面鏡85の回転を駆動する駆動信号が供給される電気ケーブルである。ケーブル91は、回転多面鏡85側の先端にケーブル側コネクタ94が設けられており、他端が基板51aと接続されている。また、ケーブル91には、ケーブル側コネクタ94から適宜離れた位置に、第1弾性部材92が巻き付けられている。弾性部材挿入部70および溝延伸部55bを通るようにケーブル91を這わせることで、ケーブル91が下筐体底面55からはみ出さず、他の部材によって挟まれることを防止できる。さらに、ケーブル91に巻き付けた第1弾性部材92を、弾性部材挿入部70に挿入することで、ケーブル91が浮き上がるのを防止している。
溝延伸部55bは、下筐体第1側壁51まで延伸されており、下筐体第1側壁51は、溝延伸部55bに面する部分に開口が設けられている。ケーブル91は、下筐体第1側壁51の開口を通じて、下筐体50の外側に導出される。なお、ケーブル91を導出するための開口は、下筐体第1側壁51だけに限らず、溝延伸部55bの形状に応じて、設ける位置を変えてもよい。次に、弾性部材挿入部70の構造について、図面を参照して詳しく説明する。
図8は、図6の弾性部材挿入部近傍を拡大した下面図であって、図9は、拡大した弾性部材挿入部近傍を示す断面図であって、図10は、弾性部材挿入部の立設部を正面側から見た状態を示す正面展開図である。なお、図9および図10は、説明のため、下筐体底面55の側を上方にし、上筐体40の側を下方にした状態で示している。また、図10は、弾性部材挿入部70に対して、挿入されるケーブル91、第1弾性部材92、および第2弾性部材93と、弾性部材(第1弾性部材92および第2弾性部材93)を覆う支持平板85aとを高さ方向Zで分離するように展開した状態を示している。
弾性部材挿入部70は、所定の間隔で立設された2つの立設部71を有し、2つの立設部71の間に、断面が略U字状の溝部72が設けられている。2つの立設部71同士の間隔は、第1弾性部材92の長手方向の長さと略同等とされている。また、溝部72の幅は、第1弾性部材92の幅(外径)と略同等とされている。
立設部71には、第1弾性部材92の外径よりも狭く、ケーブル91よりも広い幅で開口した線出し部71aが設けられている。具体的に、立設部71における下方側の頂点は、下筐体底面55と一致している。線出し部71aは、立設部71に設けられた狭い溝となっており、下方に面する側が開放されている。つまり、弾性部材挿入部70の外側へは、線出し部71aより細いケーブル91だけを引き出すことができ、第1弾性部材92は、弾性部材挿入部70の中に閉じ込められる。このように、第1弾性部材92がはみ出さないように立設部71で抑えつつ、線出し部71aからケーブル91を引き出すことができ、ケーブル91の動きを抑制して支持平板85aでの挟み込みを防ぐことができる。
2つの立設部71の間での略中央には、周囲(溝部72)よりも突出した密閉リブ73が設けられている。密閉リブ73が設けられている部分における溝部72の幅は、第1弾性部材92の幅より少し狭い程度とされている。その結果、弾性部材挿入部70に挿入された第1弾性部材92は、密閉リブ73に押圧されて、その周囲の間隙を埋めるように変形する(詳しくは、図12A参照)。
第1弾性部材92は、断面が略円筒形とされ、ケーブル91の周囲に巻かれることで、ケーブル91の周面に応じて変形する。なお、図10では、1つの線材で構成されたケーブル91を示しているが、これに限定されず、複数の線材をまとめて束にしたケーブル91であってもよい。本実施の形態において、第1弾性部材92は、EPDM混合物発泡体(エプトシーラー 日東電工株式会社製)で形成され、硬さが0.0382〜0.0588kgf/mmであり、見掛け密度が0.13g/cmである。
上述した支持平板85a(蓋板)は、弾性部材挿入部70の一部を覆うように取り付けられる。そして、第1弾性部材92と支持平板85aとの間には、第2弾性部材93が挟まれる。第2弾性部材93は、断面が略矩形とされ、支持平板85aに対し、平坦な面が面している。第2弾性部材93は、第1弾性部材92よりも硬く形成されている。また、第2弾性部材93は、クロムプレンゴムスポンジ(株式会社イノアックコーポレーション製)で形成され、硬さが35kgf/mmである。
次に、弾性部材挿入部70に対する高さ方向Zでの第1弾性部材92および第2弾性部材93の寸法について、図10ないし図11Bに基づいて説明する。
図11Aは、弾性部材が挿入された状態の弾性部材挿入部近傍を示す断面図であって、図11Bは、図11Aに示す状態で立設部の正面側から見た弾性部材挿入部近傍を示す正面展開図である。
第1弾性部材92の外径(第1弾性厚みDL1)と、第2弾性部材93の高さ方向Zでの長さ(第2弾性厚みDL2)とを併せた長さは、溝部72の底面から立設部71の頂点までの高さ(溝深さML)よりも大きくなっている。つまり、図11Aおよび図11Bに示すように、弾性部材挿入部70に第1弾性部材92および第2弾性部材93を挿入した際、第2弾性部材93は、下筐体底面55よりも下方へはみ出している。そのため、第1弾性部材92と第2弾性部材93とを弾性部材挿入部70に挿入した際は、第2弾性部材93が立設部71よりも突出しているので、確実に支持平板85aで押圧して変形させることができる。
図11Aおよび図11Bに示す状態では、支持平板85aが第2弾性部材93に接しているだけであって、下筐体底面55に対して、完全に固定されておらず、支持平板85aと下筐体底面55との間に隙間がある。そのため、第1弾性部材92および第2弾性部材93は、支持平板85aによって押圧されておらず、互いを分離した状態と略変わらない寸法となっている。次に、支持平板85aを下筐体底面55に固定した状態について、図12Aおよび図12Bを参照して説明する。
図12Aは、弾性部材が押圧された状態の弾性部材挿入部近傍を示す断面図であって、図12Bは、図12Aに示す状態で立設部の正面側から見た弾性部材挿入部近傍を示す正面展開図である。
上述したように、図12Aおよび図12Bは、支持平板85aが下筐体底面55に接するように固定された状態を示している。つまり、図11Aおよび図11Bに示す状態で、支持平板85aと下筐体底面55との間に存在していた隙間を無くすように、支持平板85aを下筐体底面55に押し付けられている。その結果、第1弾性部材92および第2弾性部材93は、溝部72の底面に向かって押圧されており、下筐体底面55よりもはみ出していた部分を、弾性部材挿入部70内に収めるように圧縮されている。
従来、溝などに挿入した弾性部材を押圧する構造では、小さい弾性部材を用いると、間隙が大きくなり、変形した弾性部材だけで隙間を埋めることができないことがあった。また、大きな弾性部材を用いると、押圧する力に抗して弾性部材が盛り上がり、押圧する板などを押し上げて、隙間が生じることがあった。
これに対し、本実施の形態では、第1弾性部材92および第2弾性部材93は、併せて押圧されるが、それぞれの硬さの違いから、より柔らかい第1弾性部材92が大きく変形し、溝部72の中に深く沈み込む。第2弾性部材93は、第1弾性部材92が圧縮されることで生じた空間に入り込み、変形の程度が小さく、元の形状からそれほど変わらない。このように、第2弾性部材93の変形が抑えられるので、支持平板85aとの隙間が生じないようにして、防塵性を高めることができる。
また、本実施の形態では、第1弾性部材92の形状に合わせた溝部を設けているので、出来るだけ間隙が生じないようにし、防塵性をさらに高めることができる。
支持平板85aを下筐体底面55に当接させた際は、密閉リブ73によって押圧することで、第1弾性部材92が周囲に押し広げられ、より確実に間隙を埋めるようにすることができる。
上述したように、被覆凹部55aに繋がる弾性部材挿入部70では、第1弾性部材92および第2弾性部材93を併せて挿入することで、間隙が生じないようにしている。そして、高い防塵性を確保した空間(被覆凹部55a)に回転多面鏡85を収容することで、ミラー面の経時汚れを防止することができる。
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
1 画像形成装置
10 光走査装置
13 感光体ドラム(被走査体の一例)
40 上筐体
50 下筐体
55 下筐体底面
55a 被覆凹部
55b 溝延伸部
70 弾性部材挿入部
71 立設部
71a 線出し部
72 溝部
73 密閉リブ
81 光源
82 偏向前1次ミラー
83 偏向前2次ミラー
84 シリンドリカルレンズ
85 回転多面鏡
85a 支持平板(蓋板の一例)
85b 回転軸
86 fθレンズ
87 反射ミラー
88 出射レンズ
91 ケーブル
92 第1弾性部材
93 第2弾性部材

Claims (8)

  1. ビームが被走査体を走査する光走査装置であって、
    ケーブルの周囲に巻き付けられた第1弾性部材と、
    前記第1弾性部材が挿入される弾性部材挿入部が設けられた筐体と、
    前記弾性部材挿入部を覆う蓋板と、
    前記第1弾性部材と前記蓋板との間に挟まれた第2弾性部材とを備え、
    前記弾性部材挿入部は、前記第1弾性部材の長手方向における所定の間隔で立設された複数の立設部を有し、
    前記第2弾性部材は、前記第1弾性部材よりも硬いこと
    を特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置であって、
    前記第1弾性部材は、略円筒形とされ、
    前記弾性部材挿入部は、前記複数の立設部の間に、断面が略U字状の溝部が設けられていること
    を特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置であって、
    前記溝部の底面と前記蓋板とが対向する方向において、前記蓋板に押圧される前の前記第1弾性部材と前記第2弾性部材とを併せた長さは、前記溝部の底面から前記立設部の頂点までの長さより長いこと
    を特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の光走査装置であって、
    前記弾性部材挿入部には、周囲よりも突出した密閉リブが設けられていること
    を特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の光走査装置であって、
    前記立設部には、前記第1弾性部材の外径よりも狭い幅で開口した線出し部が設けられていること
    を特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の光走査装置であって、
    前記筐体は、前記弾性部材挿入部を間に挟んで設けられた溝延伸部および被覆凹部を有し、
    前記溝延伸部および前記被覆凹部は、前記立設部の頂点より凹んでいること
    を特徴とする光走査装置。
  7. 請求項6に記載の光走査装置であって、
    前記被覆凹部は、前記蓋板に覆われており、
    前記被覆凹部および前記蓋板で覆われた空間には、回転多面鏡が収容されていること
    を特徴とする光走査装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の光走査装置を備えた画像形成装置。
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