JP2020186729A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】リターンベーンでの剥離を抑制する遠心圧縮機を提供する。【解決手段】軸線O方向に複数段が配列されて、軸線O方向一方側の入り口から流入する作動流体Gを径方向外側に圧送するインペラ4と、インペラ4を囲うケーシング3であって、互いに隣り合うインペラのうち前段側のインペラ4から排出される作動流体を径方向内側に向かって案内して後段側のインペラに導入するリターン流路30を有するケーシング3と、リターン流路30内に周方向に間隔をあけて複数設けられたリターンベーン50と、を備え、リターンベーン50は、前縁側領域におけるハブ側の厚さがシュラウド側の厚さよりも大きい。【選択図】図2

Description

本発明は、遠心圧縮機に関する。
産業用圧縮機やターボ冷凍機、小型ガスタービン、ポンプ等に用いられる遠心圧縮機として、回転軸に固定されたディスクに複数のブレードを取り付けたインペラを備えた多段遠心圧縮機が知られている。この多段遠心圧縮機は、インペラを回転させることで、作動流体Gに圧力エネルギー及び速度エネルギーを与えている。
回転軸の軸線方向に隣り合う一対のインペラは、リターン流路で接続されている。リターン流路には、作動流体から旋回成分を取り除くためのリターンベーンが設けられている。
特開2013−194558号公報
ところで、上記リターンベーンを備えた遠心圧縮機では、該リターンベーンの負圧面側で剥離が生じる場合がある。特にコストダウンの観点から遠心圧縮機を小径化させた場合には、リターンベーンの入口での外径が小さくなることで該入口での流速が増加する。そのため、リーンベーンの前縁側における負圧面やハブ側の剥離が生じ易くなってしまう。このような剥離領域がリターンベーンの広範囲に存在すれば、遠心圧縮機としての効率が低下してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、効率低下を抑制することができる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の第一態様に係る遠心圧縮機は、軸線回りに回転する回転軸と、前記回転軸に前記軸線方向に複数段が配列されて、前記軸線方向一方側の入り口から流入する作動流体を径方向外側に圧送するインペラと、前記回転軸及び前記インペラを囲うケーシングであって、互いに隣り合う前記インペラのうち前段側の前記インペラから排出される作動流体を径方向内側に向かって案内して後段側の前記インペラに導入するリターン流路を有するケーシングと、前記リターン流路内に周方向に間隔をあけて複数設けられたリターンベーンと、を備え、前記リターンベーンは、前縁を含む領域における前記軸線方向一方側のハブ側の厚さが前記軸線方向他方側のシュラウド側の厚さよりも大きい。
このような構成の遠心圧縮機によれば、互いに周方向に隣り合うリターンベーン同士の周方向の間隔は、ハブ側の方がシュラウド側よりも小さくなる。そのため、リターンベーン間の圧力勾配は、より間隔の小さいハブ側の方が間隔の大きいシュラウド側よりも顕著となる。その結果、互いに隣り合うリターンベーンの圧力面から負圧面へと向かう二次流れのうち、特にハブ側での二次流れがシュラウド側の二次流れよりも大きくなる。これにより、リターンベーンの圧力面の高エネルギー流体が、該リターンベーンの隣のリターンベーンの負圧面のハブ側に多く供給される。
ここでリターンベーンの負圧面での剥離領域は、リターンベーンの出口側で流路が軸線方向他方側に湾曲している影響で、リターンベーン内を径方向内側の下流側に向かうにしたがって、シュラウド側へと寄っていく性質がある。当該剥離領域は主流の流れを阻害して遠心圧縮機の効率を低下させるため、リターンベーンの負圧面で剥離領域が占有する面積を出来る限り小さくすることが好ましい。
本態様では、上記の通り、リターンベーンの圧力面におけるハブ側での高エネルギー流体が、該リターンベーンの隣のリターンベーンの負圧面におけるハブ側に供給される。そのため、当該高エネルギー流体がリターンベーンの負圧面で、剥離領域をシュラウド側へと押しやることになる。そのため、元々シュラウド側に寄っていた剥離領域をよりシュラウド側へと寄せることができる。その結果、リターンベーンの負圧面での剥離領域Sの占有面積を減少させることができる。そのため、主流の流れの阻害が抑制され、遠心圧縮機の効率低下を抑制できる。
なお、リターンベーンの圧力面から負圧面に供給された高エネルギー流体は、負圧面での剥離した流体との干渉が少ないため、エネルギーが大きく損なわれることはない。
上記遠心圧縮機では、前記リターンベーンは、前記前縁を含む領域で、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かうに従って前記厚さが単調減少することが好ましい。
これによって、互いに隣り合うリターンベーン間の圧力勾配は、ハブ側に向かうに従って徐々に大きくなる。そのため、圧力面におけるハブ側の高エネルギー流体を負圧面のハブ側に適切に輸送することができる。
上記遠心圧縮機では、前記前縁を含む領域は、前記リターンベーンの径方向寸法における前記前縁から後縁に向かっての10%〜30%の領域であることが好ましい。
リターンベーンの圧力面と負圧面との圧力差は、流体の流れを転向させる前縁側で最も顕著となり、後縁側では小さい。そのため、リターンベーンのハブ側の厚さをシュラウド側の厚さよりも大きくする領域は、前縁側の上記範囲のみとすることによって十分に効果を得ることができる。
また、リターンベーンのハブ側とシュラウド側での厚さの勾配を、切削加工等によって形成する場合には、上記範囲のみに加工を加えれば良いので、製造コストの増加を抑えることができる。
さらに、上記遠心圧縮機では、前記リターンベーンにおける後縁を含む領域の厚さが一定とされていてもよい。
また、記遠心圧縮機では、前記リターンベーンにおける後縁を含む領域は、前記前縁を含む領域の径方向内側に滑らかに連続して接続されていてもよい。
さらに、上記遠心圧縮機では、前記リターンベーンにおける前記前縁を含む領域と後縁を含む領域との境界では、前記ハブ側と前記シュラウド側との厚さの差がなくてもよい。
また、上記遠心圧縮機では、前記リターンベーンにおける前記前縁を含む領域の厚さは、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かうに従って一定の傾きで直線状に減少していてもよい。
本発明の遠心圧縮機によれば、効率低下を抑制することができる。
実施形態に係る遠心圧縮機の縦断面図である。 実施形態に係る遠心圧縮機を一部拡大した縦断面図である。 実施形態に係る遠心圧縮機の一部を拡大した模式的な縦断面図である。 実施形態に係る遠心圧縮機のリターンベーンの径方向に直交する模式的な断面図である。 実施形態に係る遠心圧縮機のリターンベーンのハブ側及びシュラウド側の厚さを示すグラフである。
以下、本発明の第一実施形態に係る遠心圧縮機について図面を参照して説明する。
図1に示すように、遠心圧縮機100は、軸線O回りに回転する回転軸1と、この回転軸1の周囲を覆うことで流路2を形成するケーシング3と、回転軸1に設けられた複数段のインペラ4と、ケーシング3内に設けられたリターンベーン50と、を備えている。
ケーシング3は、軸線Oに沿って延びる円筒状をなしている。回転軸1は、このケーシング3の内部を軸線Oに沿って貫通するように延びている。軸線O方向におけるケーシング3の両端部には、それぞれジャーナル軸受5及びスラスト軸受6が設けられている。回転軸1は、これらジャーナル軸受5とスラスト軸受6とによって軸線O回りに回転可能に支持されている。
ケーシング3の軸線O方向一方側には、外部から作動流体Gとしての空気を取り入れるための吸気口7が設けられている。さらに、ケーシング3の軸線O方向他方側には、ケーシング3内部で圧縮された作動流体Gが排気される排気口8が設けられている。
ケーシング3の内側には、これら吸気口7と排気口8とを連通し、縮径と拡径を繰り返す内部空間が形成されている。この内部空間は、複数のインペラ4を収容するとともに、上記の流路2の一部をなしている。なお、以降の説明では、この流路2上における吸気口7が位置する側を上流側と呼び、排気口8が位置する側を下流側と呼ぶ。
回転軸1には、その外周面上で軸線O方向に間隔を空けて複数(6つ)のインペラ4が設けられている。各インペラ4は、図2に示すように、軸線O方向から見て略円形の断面を有するディスク41と、このディスク41の上流側の面に設けられた複数のブレード42と、これら複数のブレード42を上流側から覆うカバー43と、を有している。
ディスク41は、軸線Oと交差する方向から見て、該軸線O方向の一方側から他方側に向かうに従って、径方向の寸法が次第に拡大するように形成されることで、おおむね円錐状をなしている。
ブレード42は、上記のディスク41の軸線O方向における両面のうち、上流側を向く円錐面上で、軸線Oを中心として径方向外側に向かって放射状に複数配列されている。より詳しくは、これらブレードは、ディスク41の上流側の面から上流側に向かって立設された薄板によって形成されている。これら複数のブレード42は、軸線O方向から見た場合、周方向の一方側から他方側に向かうように湾曲している。
ブレード42の上流側の端縁には、カバー43が設けられている。言い換えると、上記複数のブレード42は、このカバー43とディスク41とによって軸線O方向から挟持されている。これにより、カバー43、ディスク41、及び互いに隣り合う一対のブレード42同士の間には空間が形成される。この空間は、後述する流路2の一部(圧縮流路22)をなしている。
流路2は、上記のように構成されたインペラ4と、ケーシング3の内部空間を連通する空間である。本実施形態では、1つのインペラ4ごと(1つの圧縮段ごと)に1つの流路2が形成されているものとして説明を行う。すなわち、遠心圧縮機100では、最後段のインペラ4を除く5つのインペラ4に対応して、上流側から下流側に向かって連続する5つの流路2が形成されている。
それぞれの流路2は、吸込流路21と、圧縮流路22と、ディフューザ流路23と、リターン流路30と、を有している。なお、図2は、流路2及びインペラ4のうち、1段目から3段目のインペラ4を主として示している。
1段目のインペラ4では、吸込流路21は上記の吸気口7と直接接続されている。この吸込流路21によって、外部の空気が流路2上の各流路に作動流体Gとして取り込まれる。より具体的には、この吸込流路21は、上流側から下流側に向かうにしたがって、軸線O方向から径方向外側に向かって次第に湾曲している。
2段目以降のインペラ4における吸込流路21は、前段(1段目)の流路2における案内流路25(後述)の下流端と連通されている。すなわち、案内流路25を通過した作動流体Gは、上記と同様に、軸線Oに沿って下流側を向くように、その流れ方向が変更される。
圧縮流路22は、ディスク41の上流側の面、カバー43の下流側の面、及び周方向に隣り合う一対のブレード42によって囲まれた流路である。より詳しくは、この圧縮流路22は、径方向内側から外側に向かうに従って、その断面積が次第に減少している。これにより、インペラ4が回転している状態で圧縮流路22中を流通する作動流体Gは、徐々に圧縮されて高圧作動流体Gとなる。
ディフューザ流路23は、軸線Oの径方向内側から外側に向かって延びる流路である。このディフューザ流路23における径方向内側の端部は、上記圧縮流路22の径方向外側の端部に連通されている。
リターン流路30は、径方向外側に向かう作動流体Gを径方向内側に向かって転向させて、次段のインペラ4に流入させる流路である。リターン流路30は、リターンベンド部24と案内流路25とから形成されている。
リターンベンド部24は、ディフューザ流路23を経て、径方向の内側から外側に向かって流通した作動流体Gの流れ方向を径方向内側に向かって反転させる。リターンベンド部24の一端側(上流側)は、上記ディフューザ流路23に連通され、他端側(下流側)は、案内流路25に連通されている。リターンベンド部24の中途において、径方向の最も外側に位置する部分は、頂部とされている。この頂部の近傍では、リターンベンド部24の内壁面は、3次元曲面をなすことで、作動流体Gの流動を妨げないようになっている。
案内流路25は、リターンベンド部24の下流側の端部から径方向内側に向かって延びている。案内流路25の径方向外側の端部は、上記のリターンベンド部24と連通されている。案内流路25の径方向内側の端部は、上述のように後段の流路2における吸込流路21に連通されている。
ケーシング3における案内流路25を形成する壁面のうち、軸線O方向一方側の壁面は、ハブ側壁面3aとされている。ケーシング3における案内流路25を形成する壁面のうち、軸線O方向他方側の壁面は、シュラウド側壁面3bとされている。
次に、リターンベーン50について図3及び図4を参照して説明する。リターンベーン50は、リターン流路30における案内流路25に複数が設けられている。複数のリターンベーン50は、案内流路25中で、軸線Oを中心として放射状に配列されている。これらリターンベーン50は、軸線Oの周囲で周方向に間隔を空けて配列されている。リターンベーン50は、軸線O方向の両端が、案内流路25を形成するケーシング3に接している。即ち、リターンベーン50の軸線O方向一方側(ハブ側)はハブ側壁面3aに径方向全域にわたって接している。リターンベーン50の軸線O方向他方側(シュラウド側)はシュラウド側壁面3bに径方向全域にわたって接している。
リターンベーン50は、軸線O方向から見た際に、径方向外側の端部を前縁51とし、径方向内側の端部を後縁52とした翼形状をなしている。リターンベーン50は、前縁51から後縁52に向かうに従って回転軸1の回転方向R前方側に向かって延びている。リターンベーン50は、回転方向R前方側に向かって凸となるように湾曲している。リターンベーン50の回転方向R前方側を向く面は負圧面53とされ、回転方向R後方側を向く面は圧力面54とされている。
図3に示すように、リターンベーン50は、前縁51を含む前縁側領域60と、該前縁側領域60の径方向内側に接続されて後縁52を含む後縁側領域70との径方向二つの領域に区分されている。
前縁側領域60は、前縁51から後縁52に向かってリターンベーン50の径方向の寸法の10〜30%の領域であり、後縁側領域70は、後縁52から前縁51に向かっての残りの領域とされている。前縁側領域60と後縁側領域70との境界は、軸線Oに平行とされている。
ここで、図4に示すように、各リターンベーン50の前縁側領域60の各径方向位置における厚さ、即ち、周方向の寸法は、該リターンベーン50のハブ側の端部の方がシュラウド側の端部よりも大きい。本実施形態では、リターンベーン50の前縁側領域60における厚さは、図5に示すように、ハブ側からシュラウド側に向かうに従って単調に減少している。本実施形態では、リターンベーン50の前縁側領域60における厚さは、ハブ側からシュラウド側に向かうに従って一定の傾きで直線状に減少している。
このように、リターンベーン50における厚さがハブ側とシュラウド側とで異なるのは、リターンベーン50における前縁側領域60のみであり、後縁側領域70ではハブ側からシュラウド側にわたって厚さが一定とされている。前縁側領域60と後縁側領域70とは圧力面54、負圧面53が滑らかに連続して接続されているため、前縁側領域60は、後縁側領域70との境界で上記のようなハブ側とシュラウド側との厚さの差がなくなるように形成されている。
なお、リターンベーン50は、前縁51から後縁52にわたって翼型をなしているため、該リターンベーン50の前縁51は、軸線Oに直交する断面視で径方向外側に凸状に湾曲した形状をなしている。当該湾曲形状に連なるように圧力面54、負圧面53が形成されている。上記のリターンベーン50の前縁側領域60での厚さは、前縁51での湾曲形状を除く部分、即ち、圧力面54と負圧面53との間の寸法として規定されている。なお、リターンベーン50の後縁側領域70での厚さも、同様に、圧力面54と負圧面53との間の寸法として規定されている。
続いて、本実施形態に係る遠心圧縮機100の動作について説明する。
回転軸1及びインペラ4の回転に伴い吸込口から流路2内に取り込まれた作動流体Gは、1段目の吸込流路21を経て、インペラ4中の圧縮流路22に流入する。インペラ4は回転軸1の回転に伴って軸線O回りに回転していることから、圧縮流路22中の作動流体Gには、軸線Oから径方向外側に向かう遠心力が付加される。加えて、上記の通り、圧縮流路22の断面積は径方向外側から内側にかけて次第に減少していることから、作動流体Gは徐々に圧縮される。これにより、高圧の作動流体Gが、圧縮流路22から後続のディフューザ流路23に送り出される。
圧縮流路22から圧送された高圧の作動流体Gは、その後、ディフューザ流路23、リターンベンド部24、案内流路25を順に通過する。2段目以降のインペラ4、及び流路2においても同様の圧縮が加えられる。最終的には、作動流体Gは、所望の圧力状態となって排気口8から不図示の外部機器に供給される。
ここで、本実施形態では、各リターンベーン50の前縁側領域60での厚さはハブ側の方がシュラウド側に比べて大きい。そのため、図4に示すように、互いに周方向に隣り合うリターンベーン50同士の周方向の間隔は、ハブ側の方がシュラウド側よりも小さくなる。よって、リターンベーン50間の周方向の圧力勾配は、より間隔の小さいハブ側の方が、間隔の大きいシュラウド側よりも大きくなる。
その結果、互いに隣り合うリターンベーン50の圧力面54から負圧面53へと向かう二次流れF、Fのうち、特にハブ側での二次流れFの方がシュラウド側の二次流れFよりも大きくなる。これにより、リターンベーン50の圧力面54の高エネルギー流体Eが、該リターンベーン50の隣のリターンベーン50の負圧面53におけるハブ側に多く輸送される。
一般に、図3に示すように、リターンベーン50の負圧面53での剥離領域Sは、リターンベーン50の出口側における次段(後段側)のインペラの吸込み流路が軸線O方向他方側に湾曲している影響で、リターンベーン50内を径方向内側に向かうにしたがって、シュラウド側へと寄っていく。当該剥離領域Sは主流の流れを阻害するため、遠心圧縮機100の効率を低下させる。そのため、リターンベーン50の負圧面53で剥離領域Sが占有する面積を出来る限り小さくすることが好ましい。
本実施形態では、上記の通り、リターンベーン50の圧力面54におけるハブ側での高エネルギー流体Eが、該リターンベーン50の隣のリターンベーン50の負圧面53におけるハブ側に供給される。そのため、図3に示すように、当該高エネルギー流体Eがリターンベーン50の負圧面53で、剥離領域Sをシュラウド側へと押しやることになる。そのため、元々シュラウド側に寄っていた剥離領域Sをよりシュラウド側へと寄せることができる。その結果、リターンベーン50の負圧面53での剥離領域Sの占有面積を減少させることができる。これによって、遠心圧縮機100の効率低下を抑制できる。
なお、リターンベーン50の圧力面54から負圧面53に供給された高エネルギー流体Eは、負圧面53での剥離した流体との干渉が少ない。そのため、当該高エネルギー流体Eのエネルギーが大きく損なわれることはない。
また、特に本実施形態では、リターンベーン50の前縁側領域60での厚さがハブ側からシュラウド側に向かうに従って単調減少する。そのため、互いに隣り合うリターンベーン50間の圧力勾配は、ハブ側に向かうに従って徐々に大きくなる。したがって、圧力面54におけるハブ側の高エネルギー流体Eを負圧面53のハブ側に適切に輸送することができる。
ここで、リターンベーン50の圧力面54と負圧面53との圧力差は、流体の流れを転向させる前縁51側で最も顕著となり、後縁52側では小さい。そのため、リターンベーン50のハブ側の厚さをシュラウド側の厚さよりも大きくする領域は、前縁51側の上記範囲のみとすることによって十分に効果を得ることができる。さらに、リターンベーン50のハブ側とシュラウド側での厚さの勾配を、切削加工等によって形成する場合には、上記範囲のみに加工を加えれば良いので、製造コストの増加を抑えることができる。
本実施形態では、リターンベーン50の径方向寸法における前縁51から後縁52に向かっての10%〜30%の領域である前縁側領域60のみでハブ側の厚さがシュラウド側の厚さよりも大きい。そのため、リターンベーン50の負圧面53での剥離領域Sの縮小化を図りながら、製造コストの増大を抑えることができる。
なお、リターンベーン50のハブ側の厚さを従来に比べて単に大きくすれば、リターンベーン50間の流路としてのスロート面積が低下してしまう。これを回避するために、ハブ側の厚さを厚くした分だけ、シュラウド側の厚さを小さくすればよい。これによって、スロート面積を適切に確保することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態では、リターンベーン50の前縁側領域60で、ハブ側からシュラウド側に向かうに従って厚さが一定の傾きで減少するとしたが、これに限定されることはない。当該厚さがハブ側からシュラウド側に向かうに従って単調減少すればよい。
実施形態では、リターンベーン50がリターン流路30のうち案内流路内のみに形成されている構成を説明したが、該リターンベーン50の前縁51がリターンベンド部24内に位置していてもよい。リターンベーン50の前縁51は、リターンベンド部24と案内流路との境界に位置するのみならず、当該境界よりも径方向内側又は外側に位置していてもよい。
実施形態では、前縁側領域60のみでリターンベーン50のハブ側の厚さがシュラウド側の厚さよりも大きいものとしたが、リターンベーン50の径方向の全域でハブ側の厚さがシュラウド側の厚さより大きいものとしてもよい。
1 回転軸
2 流路
3 ケーシング
3a ハブ側壁面
3b シュラウド側壁面
4 インペラ
5 ジャーナル軸受
6 スラスト軸受
7 吸気口
8 排気口
21 吸込流路
22 圧縮流路
23 ディフューザ流路
24 リターンベンド部
25 案内流路
30 リターン流路
41 ディスク
42 ブレード
43 カバー
50 リターンベーン
51 前縁
52 後縁
53 負圧面
54 圧力面
60 前縁側領域
70 後縁側領域
100 遠心圧縮機
O 軸線
R 回転方向
G 作動流体
FH 二次流れ
FS 二次流れ
S 剥離領域
E 高エネルギー流体

Claims (9)

  1. 軸線回りに回転する回転軸と、
    前記回転軸に前記軸線方向に複数段が配列されて、前記軸線方向一方側の入り口から流入する作動流体を径方向外側に圧送するインペラと、
    前記回転軸及び前記インペラを囲うケーシングであって、互いに隣り合う前記インペラのうち前段側の前記インペラから排出される作動流体を径方向内側に向かって案内して後段側の前記インペラに導入するリターン流路を有するケーシングと、
    前記リターン流路内に周方向に間隔をあけて複数設けられたリターンベーンと、
    を備え、
    前記リターンベーンは、前縁を含む領域における前記軸線方向一方側のハブ側の厚さが前記軸線方向他方側のシュラウド側の厚さよりも大きい遠心圧縮機。
  2. 前記リターンベーンは、前記前縁を含む領域で、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かうに従って厚さが単調減少する請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記前縁を含む領域は、前記リターンベーンの径方向寸法における前記前縁から後縁に向かっての10%〜30%の領域である請求項1又は2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記リターンベーンにおける後縁を含む領域の厚さが一定とされている請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  5. 前記リターンベーンにおける後縁を含む領域は、前記前縁を含む領域の径方向内側に滑らかに連続して接続されている請求項4に記載の遠心圧縮機。
  6. 前記リターンベーンにおける後縁を含む領域は、前記前縁を含む領域の径方向内側に滑らかに連続して接続されている請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  7. 前記リターンベーンにおける前記前縁を含む領域と後縁を含む領域との境界では、前記ハブ側と前記シュラウド側との厚さの差がない請求項4又は6に記載の遠心圧縮機。
  8. 前記リターンベーンにおける前記前縁を含む領域と後縁を含む領域との境界では、前記ハブ側と前記シュラウド側との厚さの差がない請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
  9. 前記リターンベーンにおける前記前縁を含む領域の厚さは、前記ハブ側から前記シュラウド側に向かうに従って一定の傾きで直線状に減少している請求項1から8のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
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