JP2020186178A - 農園芸用薬剤、植物病害防除方法、及び植物病害防除用製品 - Google Patents

農園芸用薬剤、植物病害防除方法、及び植物病害防除用製品 Download PDF

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Abstract

【課題】有効成分の含量を低減できる農園芸用薬剤を提供する。【解決手段】有効成分及びアジュバントを含む農園芸用薬剤であって、上記有効成分は、式(Ia)で代表される化合物、又はそのN−オキシドもしくは農薬学的に許容可能な塩であり、上記アジュバントは、アルキルグリコシドである。(R7はC1−C6−アルキル基;R3はハロゲン基、C1−C4−アルキル基、C1−C4−ハロアルキル基又はC1−C4−アルコキシ基;R4はH、ハロゲン基、フェニル基、フェニル-オキシ基、C1−C4−ハロアルキル基又はC1−C4−ハロアルコキシ基)【選択図】なし

Description

本発明は、農園芸用薬剤、植物病害防除方法、及び植物病害防除用製品に関する。より詳細には、有効成分及びアジュバントを含有する農園芸用薬剤、及びこれを用いた植物病害防除方法、ならびに有効成分及びアジュバントを別々に含む植物病害防除用製品に関する。
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用薬剤が求められている。高い防除効果を示す農園芸用薬剤として、アゾール系殺菌剤が知られている。
特表2014−520832号 特開昭58−170770号 特開2008−31163号 国際公開2004/023875号
人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して優れた防除効果及び植物病菌に対する高い抗菌性を示す植物病害防除剤が求められている。
また、農園芸用薬剤による病害防除では、標的外生物への影響及び環境への影響、ならびに薬剤抵抗性菌の出現などが問題となっている。そのため、標的外生物への毒性及び環境への負荷を軽減すると共に、薬剤抵抗性の出現を抑制するために、薬剤の散布量を低減しつつ高い防除効果を発揮し得る薬剤が希求されている。
特許文献3〜4には、有効成分以外にアルキルグリコシドを目的の薬剤に添加し得ることが記載されているが、アゾール系化合物との併用による植物病害の防除効果への影響については知られていない。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬剤の散布量を低減しつつ高い防除効果を発揮し得る農園芸用薬剤を提供することにある。
本発明に係る農園芸用薬剤は、上記課題を解決するために、有効成分及びアジュバントを含む農園芸用薬剤であって、上記有効成分は、下記式(I)で示される化合物、又はそのN−オキシドもしくは農薬学的に許容可能な塩であり、上記アジュバントは、アルキルグリコシドである:
Figure 2020186178
[式(I)中、
Aは、N又はCHであり;
Dは、水素、ハロゲン基又はSRであり;
ここで、Rは水素、シアノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−ハロアルケニル基、C−C−アルキニル基又はC−C−ハロアルキニル基であり;
は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基、フェニル−C−C−アルキニル基又は−COXRであり;
ここで、Rは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり;
Xは、単結合、−O−又は−NR−であり;
は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、RとRとは環を形成していてもよく;
は、−OR又は−NRであり;
、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、RとRとは環を形成していてもよく;
ここで、R、R、R、R、R、R及びRにおける脂肪族基は、1、2、3若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルコキシ基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択され;
は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、フェニル−オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基又はC−C−ハロアルコキシ基、C−C−アルキルアミノ基、C−C−ジアルキルアミノ基、C−C−アルキルアシルアミノ基、−SOR10又は−SFであり;
、R、R、R、R、R及びRにおけるシクロアルキル基若しくはフェニル基部分又はRにおけるフェニル基部分は、1、2、3、4、5若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルキル基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択され;
は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェニル−オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルコキシ基、−SOR10又は−SFであり;
ここで、R10は、C−C−アルキル基又はC−C−ハロアルキル基であり;
Eは、フェニル基又は窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環であり;
は任意の置換位置にn個結合しており;
Eがフェニル基の場合、nは0、1、2、3又は4であり、Eが窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環である場合は、nは0、1又は2であり;
Yは、Eの任意の位置に結合する酸素原子、−CHO−、−OCH−、−NH−、−N(−C−C−アルキル)−、−N(−C−C−シクロアルキル)−又は−S(O)−であり;
pは、0、1又は2であり;
Zは、フェニル基若しくはナフチル基である芳香族炭化水素基、又は、O、N若しくはSから選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む5員又は6員の芳香族複素環若しくは2環から構成される9員又は10員の芳香族複素環であり;
は任意の置換位置にm個結合しており;
Zが芳香族炭化水素基である場合、mは1、2、3、4又は5であり、Zが芳香族複素環である場合、mは0、1、2、3又は4である]。
本発明に係る植物病害防除方法は、上記課題を解決するために、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理又は非茎葉処理を行う工程を含む構成を有している。
本発明に係る植物病害防除用製品は、上記課題を解決するために、混合して上述の農園芸用薬剤として使用するための組み合わせ調製物として、有効成分としての上記式(I)で示される上記化合物と、アジュバントとしてのアルキルグリコシドとを別々に含む構成を有している。
本発明に係る農園芸用薬剤は、2種の化合物を含むことにより協力的効果を奏し、高い防除効果を発揮することができる。
本発明に係る農園芸用薬剤、及び植物病害防除方法の一実施形態について説明する。
〔1.農園芸用薬剤〕
本実施形態に係る農園芸用薬剤は、有効成分及びアジュバントを含む農園芸用薬剤である。具体的には、有効成分として、後述の一般式(I)で示されるアゾール誘導体、又はそのN−オキシドもしくは農薬学的に許容可能な塩を含み、アジュバントとして、アルキルグリコシドを含む。
(1)アゾール誘導体
(1−1)アゾール誘導体
本実施形態に係る農園芸用殺菌剤に含まれる有効成分であるアゾール誘導体は、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(I)と称する)である。
Figure 2020186178
一般式(I)中、Aは、N又はCHであり、好ましくはNである。Dは、水素、ハロゲン基又はSRであり、Rは、水素、シアノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−ハロアルケニル基、C−C−アルキニル基又はC−C−ハロアルキニル基である。Dは、好ましくは水素である。
−C−アルキル基は、炭素原子数が1〜6個である直鎖又は分岐鎖状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert-ブチル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルエチル基及びヘキシル基が挙げられる。
−C−アルケニル基は、炭素原子数が2〜6個である直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基であり、例えば、エテニル基、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基及び5−ヘキセニル基が挙げられる。
−C−アルキニル基は、炭素原子数が2〜6個である直鎖又は分岐鎖状のアルキニル基であり、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基及び1−ヘキシニル基が挙げられる。
−C−ハロアルキル基、C−C−ハロアルケニル基、又はC−C−ハロアルキニル基は、それぞれ上述のC−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、又はC−C−アルキニル基の置換し得る位置に1又は2以上のハロゲン原子が置換されている基であり、置換されるハロゲン基が2以上の場合は、ハロゲン基は同一又は異なってもよい。ハロゲン基としては塩素基、臭素基、ヨウ素基又はフッ素基が挙げられる。例えば、C−C−ハロアルキル基としては、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2,3−ジクロロプロピル基、ブロモメチル基、クロロジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基が挙げられる。
は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基、フェニル−C−C−アルキニル基又はCOXRである。RにおけるC−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、及びC−C−アルキニル基としては、Rで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。Rは好ましくは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基又はCOXRであり、さらに好ましくは水素、C−C−アルキル基又は−COXRであり、最も好ましくは水素又はC−C−アルキル基である。
−C−シクロアルキル基は、炭素原子数3〜8個の環状のアルキルであり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。
−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基は、炭素原子数3〜8個の環状のシクロアルキル基が直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜4個のアルキル基に結合していることを示す。C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、1−シクロプロピルエチル基、2−シクロヘキシルエチル基、3−シクロプロピルプロピル基、2−シクロプロピルプロピル基、4−シクロプロピルブチル基が挙げられる。
フェニル−C−C−アルキル基は、炭素原子数1〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基にフェニル基が置換している基であり、例えば、フェニルメチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、及び4−フェニルブチル基が挙げられる。
フェニル−C−C−アルケニル基は、炭素原子数2〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基にフェニル基が置換している基であり、例えば、フェニルエテニル基、フェニル−1−プロペニル基、フェニルイソプロペニル基、及びフェニルブテニル基が挙げられる。
フェニル−C−C−アルキニル基は、炭素原子数2〜4個のアルキニル基にフェニル基が置換している基であり、例えば、フェニルエチニル基、フェニル−1−プロピニル基、フェニル−2−プロピニル基、フェニル−1−ブチニル基、フェニル−2−ブチニル基、フェニル−3−ブチニル基、及びフェニル−3−ブチニル基が挙げられる。
は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基である。これらはR及びRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。Rは、好ましくは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基又はC−C−アルキニル基であり、さらに好ましくは、水素又はC−C−アルキル基である。
Xは、単結合、−O−又は−NR−であり、Rは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、これらはR及びRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。Rは、好ましくは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基又はC−C−アルキニル基であり、さらに好ましくは、水素である。RとRとは環を形成していてもよい。
は、−OR又は−NRであり、好ましくは−ORである。R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、これらは、R及びRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。RとRとは環を形成していてもよい。
は、好ましくは、C−C−アルキル基である。
、R、R、R、R、R及びRにおける脂肪族基は、1、2、3若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルコキシ基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択される。C−C−アルコキシ基は、炭素原子数1〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
また、C−C−アルコキシ基は、置換し得る位置に1又は2以上のハロゲン基が置換されていてもよく、置換されるハロゲン基が2以上の場合は、ハロゲン基は同一又は異なってもよい。
Eは、フェニル基又は窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環である。Eは、好ましくはフェニル基である。Eがフェニル基である好ましい形態は、下記一般式(I’)で示す通りである。
Figure 2020186178
は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェニル−オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルコキシ基、−SOR10又は−SFである。ハロゲン基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、及びC−C−ハロアルコキシ基は、R、R又はRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。Rは、好ましくは、ハロゲン基、シアノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、−SOR10又は−SFであり、さらに好ましくは、ハロゲン基、シアノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基又はC−C−アルコキシ基である。R10は、C−C−アルキル基又はC−C−ハロアルキル基である。Eがフェニル基の場合、Rの置換位置は2位、3位、5位又は6位であり、好ましくは2位である。nは、0、1、2又は3であり、好ましくは1である。また、Eが窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環である場合、Rの置換位置は、2位、3位、5位及び6位のうち窒素原子を含まない位置であり、好ましくは2位である。この場合、nは、0、1又は2であり、好ましくは1である。
は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、フェニル-オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基又はC−C−ハロアルコキシ基、C−C−アルキルアミノ基、C−C−ジアルキルアミノ基、C−C−アルキルアシルアミノ基、−SOR10又は−SFであり、ハロゲン基、C−C−アルキルC−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基又はC−C−ハロアルコキシ基、及び−SOR10はR、R及びRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。Rは、好ましくは、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルコキシ基、C−C−アルキルアミノ基、C−C−ジアルキルアミノ基、C−C−アルキルアシルアミノ基、−SOR10又は−SFであり、さらに好ましくは、ハロゲン基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基又はC−C−ハロアルコキシ基である。
−C−アルキルアミノ基は、アミノ基が有する水素原子の1つが炭素原子数1〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基に置換されたアミノ基であり、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、及びtert−ブチルアミノ基が挙げられる。
−C−ジアルキルアミノ基は、アミノ基が有する水素原子2つ共が炭素原子数1〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基に置換されたアミノ基であり、例えば、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、及びN,N−ジ−tert−ブチルアミノ基が挙げられる。
−C−アルキルアシルアミノ基は、アミノ基が有する水素原子の1つ又は2つが炭素原子数1〜4個の直鎖又は分岐鎖状のアルキルアシル基に置換されたアミノ基であり、例えば、メチルアシルアミノ基、エチルアシルアミノ基、n−プロピルアシルアミノ基、イソプロピルアシルアミノ基、tert−ブチルアシルアミノ基、N,N−ジメチルアシルアミノ基、N,N−ジエチルアシルアミノ基、N,N−ジ−n−プロピルアシルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアシルアミノ基、及びN,N−ジ−tert−ブチルアシルアミノ基が挙げられる。
、R、R、R、R、R及びRにおけるシクロアルキル基若しくはフェニル基部分、又はR若しくはRにおけるフェニル基部分は、1、2、3、4、5若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルキル基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択される。ハロゲン基、C−C−アルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルキル基及びC−C−ハロアルコキシ基は、R、R又はRで表される有機基の例示として挙げた基を挙げることができる。
Yは、Eの任意の位置およびZの任意の位置に結合する酸素原子、−CHO−、−OCH−、−NH−、−N(−C−C−アルキル)−、−N(−C−C−シクロアルキル)−又は−S(O)−であり、pは、0、1又は2であり、好ましくは、酸素原子である。
また、Yは、Eのオルト位、メタ位、又はパラ位に結合しており、好ましくは、メタ位又はパラ位である。
Zは、フェニル基若しくはナフチル基である芳香族炭化水素基、又は、O、N若しくはSから選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む5員又は6員の芳香族複素環基若しくは2環から構成される9員又は10員の芳香族複素環基である。Zは、好ましくは、フェニル基、又はN及びSから選択されるヘテロ原子を1〜3つ含む5員又は6員の芳香族複素環であり、さらに好ましくは、フェニル基である。
5員又は6員の芳香族複素環基としては、例えば、フリル基、ピラゾリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、又はトリアジニル基が挙げられる。
また、2環から構成される9員又は10員の芳香族複素環基としては、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キノキサリニル基、シンノリル基、ベンゾピラニル基、及びプテリジニル基が挙げられる。
は任意の置換位置にm個結合しており、好ましくは、2位、3位、4位又は5位である。Zが芳香族炭化水素基である場合、mは1、2、3、4又は5であり、Zが芳香族複素環である場合、mは0、1、2、3又は4である。
特に好ましいアゾール誘導体(I)の例としては、下記化学式(Ia)にて示されるアゾール誘導体である。
Figure 2020186178
式(Ia)におけるRは、C−C−アルキル基である。式(Ia)におけるRは、ハロゲン基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基又はC−C−アルコキシ基である。式(Ia)におけるRは、水素、ハロゲン基、フェニル基、フェニル-オキシ基、C−C−ハロアルキル基又はC−C−ハロアルコキシ基である。
なかでも、式(Ia)におけるRは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル又はt−ブチルであることが好ましく、Rは、2−メチル、2−イソプロピル、2−t−ブチル、2−メトキシ、2−トリフルオロメチル、2−トリクロロメチル、2−フルオロ、2−クロロ、2−ブロモ、2,6−ジクロロ又は2,3−ジクロロであることが好ましく、Rは、水素、2−クロロ、3−クロロ、4−クロロ、2,4−ジクロロ、2,3−ジクロロ、2,4,6−トリクロロ、4−トリフルオロメチル、4−トリフルオロメトキシ、4−フェニル又は4−フェノキシであることが好ましい。なお、R及びRの説明で例示した各有機基の接頭数字は、ベンゼン環における結合位置を示している。
さらには、式(Ia)におけるRは、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルがより好ましく、Rは、2−トリフルオロメチル、2−トリクロロメチル、2−フルオロ、2−クロロ及び2−ブロモがより好ましく、Rは、2−クロロ、3−クロロ、4−クロロ、2,4−ジクロロ、4−トリフルオロメチル及び4−トリフルオロメトキシがより好ましい。
(1−2)アゾール誘導体の製造方法
アゾール誘導体(I)は以下に示す3通りのいずれかの方法で製造することができる。なお、以下に説明するアゾール誘導体の製造方法1〜3では、説明の便宜上、アゾール誘導体(I)の特定の態様について説明しているが、出発原料を変更することにより、他の態様についても製造できる。
下記スキーム中のR、R、R、R、R、A、及びDは、それぞれ上記一般式(I)中のR、R、R、R、R、A、及びDに対応する。
[アゾール誘導体の製造方法1]
アゾール誘導体(I)は下記全体スキーム1に従って公知の技術により得られる化合物から、製造することができる。
(全体スキーム1)
Figure 2020186178
(工程1−1)製造方法1において、上記のスキーム1中、一般式aで表されるフェノール化合物(以下、フェノールaと称する)を塩基存在下、一般式bで表されるアセトフェノン化合物(以下、アセトフェノンbと称する)と反応させて一般式cで表される化合物(以下、化合物cと称する)を得る。
(工程1−2)得られた化合物cを好適な溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)中、ヨウ素と反応させる。そこに好適な塩基、例えば炭酸塩を加え、更にジアルキル硫酸(ROS(=O)OR)若しくはR−LGを反応させて一般式d1で表される化合物(以下、化合物d1と称する)を得る。ここで、炭酸塩は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、及び炭酸リチウムが挙げられ、好ましくは炭酸カリウムである。また、LGは求核的に置換可能な脱離基、例えば、ハロゲン基、アルキルスルホニルオキシ基及びアリールスルホニルオキシ基から選ばれる脱離基を示し、好ましくはハロゲン基であり、さらに好ましくは臭素基又はヨウ素基である。
(工程1−3)化合物d1を、任意の溶媒、例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)又はDMSOの存在下、かつ塩基、例えばカリウムtert-ブトキシド又は水素化ナトリウムの存在下、メチルトリフェニルホスホニウムハライドと反応させて一般式eで表されるアクリル酸エステル化合物(以下、アクリル酸エステルeと称する。)を得る。
(工程1−4)アクリル酸エステルeを、メタノール又はアセトニトリルの溶媒中、かつ好ましくは塩基、例えば炭酸水素ナトリウム又は炭酸カリウムの存在下において、過酸化水素の水溶液若しくは炭酸ナトリウム又は尿素との混合物を反応させ、一般式f1で表されるエポキシド化合物(以下、エポキシド化合物f1と称する)を得る。
(工程1−5)エポキシド化合物f1を有機溶媒中、好ましくはジメチルホルムアミド(DMF)中、アゾールナトリウムと反応させ、一般式(I)におけるRが水素であり、Dが水素であり、Rが−ORであり、Z及びEがフェニルであり、YがOである一般式I.Aで表される化合物(以下、化合物I.Aと称する)を得ることが出来る。
(工程1−6)適切な場合、続いてこれらの化合物I.Aを、好ましくは好適な溶媒中、例えばTHF中で塩基、例えばNaHの存在下において、R−LGを反応させて一般式I.Bで表される化合物(以下、化合物I.Bと称する)を得る。ここで、LGは求核的に置換可能な脱離基、例えば、ハロゲン基、アルキルスルホニルオキシ基及びアリールスルホニルオキシ基から選ばれる脱離基を示し、好ましくは臭素基又はヨウ素基である。
(工程1−7)化合物I.Bを、強塩基、例えばブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、及びカリウムヘキサメチルジシラジドの存在下、求電子剤、例えば硫黄、ヨウ素、一塩化ヨウ素及びジブロモテトラフルオロエタンと反応させて一般式I.Cで表される化合物を得ることが出来る。
[アゾール誘導体の製造方法2]
また本発明に係るアゾール誘導体(I)は、下記全体スキーム2に従って公知の技術により得られる化合物から、製造することができる。
(全体スキーム2)
Figure 2020186178
(工程2−1)製造方法2において、上記全体スキーム2中、フェノールaと一般式gで表されるハロベンゼン化合物とを、又は一般式iで表されるフェノール化合物と一般式hで表されるハロベンゼン化合物とを、場合によりCuYの存在下、かつ好ましくは塩基の存在下で反応させて一般式jで表される化合物(以下、化合物jと称する)を得る。ここでYは塩素基、臭素基又はヨウ素基を示す。
(工程2−2)化合物jをルイス酸、好ましくは塩化アルミニウム又は塩化鉄(III)、の存在下、クロログリオキシル酸アルキルと反応させることで化合物d2を得る。化合物d2は製造方法1におけるd1と同様に得てもよく、製造方法1におけるd1と同様に化合物I.A、I.B、又はI.Cへと導いてもよい。
(工程2−3)化合物d2を塩基、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド及び炭酸セシウムの存在下、トリメチルスルホニウムハライド、トリメチルスルホニウムメチルサルフェート、トリメチルスルホキソニウムハライド及びトリメチルスルホキソニウムメチルサルフェートから選ばれる化合物と反応させることでエポキシド化合物f2を得る。
(工程2−4)エポキシド化合物f2を有機溶媒、例えばDMF、存在下、アゾールナトリウムと反応させて一般式(I)におけるRが水素であり、Dが水素であり、Z及びEがフェニルであり、YがOである化合物I.Dを得ることができる。化合物I.Dはさらに誘導化してもよい。
[アゾール誘導体の製造方法3]
また本発明に係るアゾール誘導体(I)は、下記全体スキーム3に従って公知の技術により得られる化合物から、製造することができる。
(全体スキーム3)
Figure 2020186178
(工程3−1)製造方法3において、上記全体スキーム3中、フェノールaと一般式kで表されるハロベンゼン化合物とを、又は一般式lで表されるフェノール化合物と一般式hで表されるハロベンゼン化合物とを、反応させて、一般式mで表される化合物(以下、化合物mと称する)を得る。ここで、Xは臭素基又はヨウ素基である。
(工程3−2)化合物mを金属交換試薬、例えばブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムクロリドと反応させることにより有機金属試薬へと変換し、続いてシュウ酸ジアルキル(COOR7)と反応させて化合物d1を得る。化合物d1は製造方法1又は製造方法2におけるd2と同様に得てもよく、製造方法1又は製造方法2と同様に化合物I.A、I.B、I.C又はI.Dへと導いてもよい。
(工程3−3)化合物d1をアゾールナトリウムの存在下、トリメチルスルホニウムハライド、トリメチルスルホニウムメチルサルフェート、トリメチルスルホキソニウムハライド又はトリメチルスルホキソニウムメチルサルフェートと反応させることで一般式(I)におけるRが水素であり、Dが水素であり、Rが−ORであり、Z及びEがフェニルであり、YがOである化合物I.Aを得ることができる。化合物I.Aはさらに誘導化してもよい。
上記の製造方法1〜3では、説明の便宜上、アゾール誘導体(I)の特定の態様について説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、製造方法1〜3では、一般式(I)におけるZがフェニル基である形態について説明したが、Zはフェニル基に限定されない。例えば、出発物質として、ナフチル基、又はO、N若しくはSから選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む5員又は6員の芳香族複素環若しくは2環から構成される9員又は10員の芳香族複素環に水酸基及び好ましいRが結合している、市販の化合物をフェノールaの代わりに使用することで、製造方法1〜3と同様の方法で、Zがフェニル基以外であるアゾール誘導体(I)を製造することが可能である。
製造方法1〜3では、一般式(I)におけるEがフェニル基である形態について説明したが、Eはフェニル基に限定されない。例えば、出発物質として、窒素原子を1〜2つ含む6員の芳香族複素環にケト基と、フルオロ基と、好ましいRとが結合している化合物をアセトフェノンbの代わりに使用することで、製造方法1と同様の方法で、Eがフェニル基以外であるアゾール誘導体(I)を製造することが可能である。
また、以下の方法によって、製造方法2と同様に、Eがフェニル基以外であるアゾール誘導体(I)を製造することが可能である。
・窒素原子を1〜2つ含む6員の芳香族複素環に、塩素基、臭素基、又はヨウ素基と、好ましいRと、が結合している化合物を一般式gで表されるハロベンゼン化合物の代わりに使用すること。
・窒素原子を1〜2つ含む6員の芳香族複素環に水酸基と、好ましいRと、が結合している化合物を一般式iで表されるフェノール化合物の代わりに使用すること。
また、以下の方法によって、製造方法3と同様に、Eがフェニル基以外であるアゾール誘導体(I)を製造することが可能である。
・窒素原子を1〜2つ含む6員の芳香族複素環に、塩素基、臭素基、及びヨウ素基から選ばれる1つ目のハロゲン基と、臭素基及びヨウ素基から選ばれる2つ目のハロゲン基と、好ましいRと、が結合している化合物を一般式kで表されるハロベンゼン化合物の代わりに使用すること。
・窒素原子を1〜2つ含む6員の芳香族複素環に、臭素基又はヨウ素基と、水酸基と、好ましいRと、が結合している化合物を一般式lで表されるフェノール化合物の代わりに使用すること。
また、製造方法1〜3では、一般式(I)におけるYが酸素原子であるが、Yは酸素原子に限定されない。例えば、出発物質として、−CHOH、−OCH、−NH、−N(−C−C−アルキル)H、−N(−C−C−シクロアルキル)H又は−S(O)Hが、一般式(I)におけるZに対応する化合物(すなわち、Rが結合しているベンゼン、ナフタレン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等)に結合している、市販の化合物をフェノールaの代わりに使用することで、製造方法1〜3と同様の方法で、Yが酸素原子以外であるアゾール誘導体(I)を製造することが可能である。
(1−3)アゾール誘導体のN−オキシド体の製造方法
N−オキシド体は、アゾール誘導体(I)から従来の酸化方法に従って、例えば、アゾール誘導体(I)をメタクロロ過安息香酸等の有機過酸によって(参照:WO 03/64572又はJ. Med. Chem. 38(11)、1892〜903、1995)、又は無機の酸化剤である過酸化水素(参照:J. Heterocyc. Chem. 18(7)、1305〜8、1981)、若しくはオキソン(参照:J. Am. Chem. Soc. 123(25)、5962〜5973、2001)によって処理することで調整することができる。この酸化は、純粋なモノN−オキシド又は異なるN−オキシドの混合物をもたらすことができる。N−オキシドの混合物はクロマトグラフィーの従来の方法によって分離することができる。
(2)アジュバント
本実施形態に係る農園芸用薬剤は、アジュバントとしてアルキルグリコシドを含む。アルキルグリコシドは、糖と脂肪族アルコールとを反応させて得られる化合物の総称である。したがって、アルキルグリコシドは、糖のヒドロキシ基の少なくとも1つがアルコキシ基で置換された構造を有する化合物である。アルキルグリコシドは、アルキルポリグリコシドとも称される。なお、アルキルグリコシドにおける「アルキル」という用語は、飽和脂肪族基に限らず、不飽和脂肪族基も含むものである。
アルキルグリコシドは、市販の化合物を使用してもよく、糖と脂肪族アルコールとを反応させて調製してもよい。市販の化合物としては、Croda社製のAL−2575、Henkel社製のAgrimulシリーズ、Glucoponシリーズ、Dow社製のTriton CGシリーズ、AkzoNobel社製のAG6202、及びBASF社製のPlantacareシリーズが挙げられる。アルキルグリコシドは、糖数又はアルキル鎖長が異なる複数の化合物の混合物であってもよい。
(3)製剤
本実施の形態における農園芸用薬剤は、アゾール誘導体(I)、及びアジュバントとしてのアルキルグリコシドを含むが、これらの他に、固体担体、液体担体(希釈剤)、界面活性剤、又はその他の製剤補助剤を含み得る。よって、農園芸用薬剤の剤型としては、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、フロアブル剤及び乳剤などの種々の形態をとることができる。
固体坦体としては、クレー、タルク、珪藻土、ゼオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、方解石、バーミキュライト、パーライト、軽石及び珪砂などの鉱物;尿素などの合成有機物;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、消石灰及び重曹などの塩類;ホワイトカーボンなどの非晶質シリカ及び二酸化チタンなどの合成無機物;木質粉、トウモロコシ茎(穂軸)、クルミ殻(堅果外皮)、果実核、モミガラ、オガクズ、ふすま、大豆粉、粉末セルロース、デンプン、デキストリン及び糖類などの植物性担体;架橋リグニン、カチオンゲル、加熱又は多価金属塩でゲル化するゼラチン、及び寒天などの水溶性高分子ゲル、ならびに塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、尿素−アルデビド樹脂などの種々の高分子担体;などを挙げることができる。
液体担体としては、脂肪族溶剤(パラフィン類)、芳香族溶剤(キシレン、アルキルベンゼン、及びアルキルナフタレンなど)、混合溶剤(灯油)、マシン油(精製高沸点脂肪族炭化水素)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、及びシクロヘキサノールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなど)、多価アルコール誘導体類(プロピレン系グリコールエーテルなど)、ケトン類(アセトン、シクロヘキサノン、及びγ−ブチロラクトンなど)、エステル類(脂肪酸メチルエステル(ヤシ油脂肪酸メチルエステル)、乳酸エチルヘキシル、炭酸プロピレン、及び二塩基酸メチルエステル(コハク酸ジメチルエステル、グルタミン酸ジメチルエステル、及びアジピン酸ジメチルエステルなど)など)、含窒素担体類(N−アルキルピロリドン類など)、油脂類(ヤシ油、大豆油、及び菜種油など)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカン−1−アミド、5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、及びN−アシルモルホリン系溶剤(CAS No.887947−29−7など)など)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及び水などを挙げることができる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニル(又はフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニル(又はフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンエーテル及びエステル型シリコン及びフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを挙げることができる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンベンジル(又はスチリル)フェニル(又はフェニルフェニル)エーテルサルフェート、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェートなどのサルフェート類の塩、パラフィン(アルカン)スルホネート、α−オレフィンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホネート、モノ又はジアルキルナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネート・ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、リグニンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステルなどのスルホネート類の塩、脂肪酸、N−メチル−脂肪酸サルコシネート、樹脂酸などの脂肪酸類の塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンモノ又はジアルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル(又はスチリル)化フェニル(又はフェニルフェニル)エーテルホスフェート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ホスファチジルコリンホスファチジルエタノールイミン(レシチン)、アルキルホスフェートなどホスフェール類の塩などを挙げることができる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルポリオキシエチレンアルキルアンモニウムクロライド、アルキルN−メチルピリジウムブロマイド、モノ又はジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンジアミンジクロライドなどのアンモニウム塩類及びアルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド(オクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)などのベンザルコニウム塩類などを挙げることができる。
その他の製剤補助剤としては、pH調節剤としてのナトリウム及びカリウムなどの無機塩類、フッ素系、シリコーン系の消泡剤、食塩などの水溶性の塩類、増粘剤として用いられるキサタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール、デンプン誘導体、多糖類などの水溶性高分子、アルギン酸及びその塩、崩壊分散剤として用いられるステアリン酸金属塩、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、その他、防腐剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び薬害軽減剤などを挙げることができる。
農園芸用薬剤は、そのまま使用してもよいし、水などの希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用する場合、有効成分の濃度は、希釈後の薬剤全量に対して0.001〜1.0%の範囲とすることが望ましい。また、アジュバントの濃度は、希釈後の薬剤全量に対して0.001〜10.0%の範囲とすることが望ましい。
本実施の形態における農園芸用薬剤は、アゾール誘導体(I)及びアジュバントとしてのアルキルグリコシドを含めばよい。そのため、(a)アゾール誘導体(I)と、アジュバントとしてアルキルグリコシドとを含めて調製されたもののほか、(b)アゾール誘導体(I)を含有する調製用薬剤と、これとは独立な、アジュバントとしてのアルキルグリコシドを含有するアジュバント製剤とを、使用の直前に混合したものが挙げられる。以下、(a)の形態を「製剤組み込み型農園芸用薬剤」と称し、(b)の形態を「タンクミックス型農園芸用薬剤」と称する。
[製剤組み込み型農園芸用薬剤]
製剤組み込み型農園芸用薬剤におけるアゾール誘導体(I)の含有量は、例えば0.1〜95重量%であり、0.5〜90重量%であることが好ましく、2〜80重量%であることがより好ましい。なお、実際に散布される際の散布液中のアゾール誘導体(I)の含有量は、所望の活性を発揮できる量であれば特に限定されるものではない。
製剤組み込み型農園芸用薬剤に有効成分として含まれるアゾール誘導体(I)は、単一の化合物であってもよいし、2種類以上の化合物が混合されていてもよい。また、後述する他の有効成分を含むものであってもよい。
製剤組み込み型農園芸用薬剤におけるアルキルグリコシドの含有量は、例えば1〜95重量%であり、5〜90重量%であることがより好ましい。なお、実際に散布される際の散布液中におけるアルキルグリコシドの含有量は、所望の効果が得られる量であれば特に限定されるものではない。
[タンクミックス型農園芸用薬剤]
タンクミックス型農園芸用薬剤を調製するための、アゾール誘導体(I)を含む調製用薬剤は、アルキルグリコシドを含んでいない点を除き、製剤組み込み型農園芸用薬剤同様の態様であり得る。
タンクミックス型農園芸用薬剤を調製するために用いられるアジュバント製剤におけるアルキルグリコシドの含有量は、例えば0.01〜90重量%であり、1〜50重量%であることがより好ましい。アジュバント製剤は、アゾール誘導体(I)を含んでいない点を除き、製剤組み込み型農園芸用薬剤同様の態様であり得る。
タンクミックス型農園芸用薬剤における調製用薬剤とアジュバント製剤との混合比率は、調製用薬剤の組成、アジュバント製剤の組成及び目的に応じて適宜決定することができる。
なお、タンクミックス型農園芸用薬剤では、アゾール誘導体(I)を含む調製用薬剤及びアルキルグリコシドを含むアジュバント製剤のそれぞれを別々に準備し、それらを混合することにより、農園芸用薬剤を調製している。したがって、植物病害防除において混合して使用するための組み合わせ調製物として、アゾール誘導体(I)とアルキルグリコシドとを別々に含む、植物病害防除用製品も本発明の範疇に含まれる。
本実施形態における農園芸用薬剤は、植物病害に対する防除効果において、アゾール誘導体(I)を単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な化合物の使用量を低減することができる。そのため、標的外生物への毒性及び環境への負荷を軽減することができる。また、アゾール誘導体(I)の使用量を低減できることから、薬剤抵抗性菌の出現を抑制できることが期待される。
(4)適用病害及び適用植物
本実施形態における農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対する防除効果を呈する。
適用病害の例として以下を挙げることができる。なお、各病害の後ろの括弧内は、当該病害を引き起こす主な病原菌を示している。ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、ダイズ褐紋病(Zymoseptoria glycines)、ダイズ紫斑病(Cercospora kikuchii)、ダイズ褐点病(Alternaria sp.)、ダイズ炭疽病(Collectotrichum truncatum)、ダイズのFrogeye leaf spot(Cercocpora sojina)、ダイズのリゾクトニア根腐病(Rhizoctonia solani)、ダイズ葉腐病(Rhizoctonia solani)、ダイズ黒点病 (Diaporthe phaseolorum)、ダイズ茎疫病(Phytophthora sojae)、ナタネのPhoma leaf spot/stem canker(Leptosphaeria maculans、Leptosphaeria biglobosa)、ナタネのLight leaf spot(Pyrenopeziza brassicae)、ナタネ根瘤病Clubroot(Plasmodiophora brassicae)、ナタネのVerticillium wilt(Verticillium longisporum)、ナタネのBlackspot(Alternaria spp)、イネいもち病(Pyricularia oryzae)、イネごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病(Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病(Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、イネ立枯病(Pythium graminicola)、オオムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病(Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病(Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)、オオムギ裸黒穂病(Ustilago nuda)、オオムギ網斑病(Pyrenophora teres)、オオムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、コムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病(Zymoseptoria tritici)、コムギ紅色雪腐病(Microdochium nivale)、コムギ立枯病(Gaeumannomyces graminis)、コムギ黒点病(Epicoccum spp)、コムギ黄斑病(Pyrenophora tritici-repentis)、コムギ小粒菌核病(Typhula incarnate、Typhula ishikariensis)、シバダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、シバラージパッチ病(Rhizoctonia solani)、ブラウンパッチ病(Rhizoctonia solani)、シバ炭疽病(Colletotrichum graminicola)、シバのGray leaf Spot(Pyricularia grisea)、シバのネクロティックリングスポット病(Ophiosphaerella korrae)、シバのRed thread(Laetisaria fuciformis)、シバさび病(Puccinia zoysiae)、シバのサマーパッチ病(Magnaporthe poae)、シバのRoot decline of warm-season grasses(Gaeumannomyces graminis)、シバのブラウンリングパッチ(Waitea circinata)、シバフェアリーリング病(Agaricus、Calvatia、Chlorophyllum、Clitocybe、Lepiota、Lepista、Lycoperdon、Marasmius、Scleroderma、Tricholomaなど)、シバ紅色雪腐病(Microdochium nivale)、シバ雪腐小粒菌核病(Typhula incarnate、Typhula ishikariensis)、シバカーブラリア葉枯病(Curvularia sp.)、シバ疑似葉腐病(Ceratobasidium sp.)、シバ立枯病(Zoysia decline)、トウモロコシ黒穂病(Ustilago maydis)、トウモロコシ炭疽病(Colletotrichum graminicola)、トウモロコシ褐斑病(Kabatiella zeae)、トウモロコシ灰色斑点病(Cercospora zeae-maydis)、トウモロコシすす紋病(Setosphaeria turcica)、トウモロコシ北方斑点病(Cochliobolus carbonum)、トウモロコシ斑点病(Physoderma maydis)、トウモロコシさび病(Puccinia spp)、トウモロコシごま葉枯病(Bipolaris maydis)、トウモロコシ黄色ごま葉枯病(Phyllosticta maydis)、トウモロコシ赤かび病(Gibberella zeae)、サトウキビさび病(Puccinia spp)、ウリ類うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類炭疸病(Colletotrichum lagenarium、Glomerella cingulata)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病(Phytophthora capsici)、キュウリつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum)、スイカつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、リンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病(Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病(Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病(Valsa mali)、ナシ黒斑病(Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病(Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病(Venturia nashicola)、イチゴうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、核果類果樹の灰星病(Monilinia fructicola)、カンキツ青かび病(Penicillium italicum)、ブドウうどんこ病(Uncinula necator)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病(Glomerella cingulata)、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、斑葉病(シガトカ病)(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)、トマトうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病(Alternaria solani)、ナスうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、ジャカイモの夏疫病(Alternaria solani)、ジャカイモ炭疽病(Colletotrichum coccodes)、ジャカイモうどんこ病(Erysiphe spp、Leveillula taurica)、ジャカイモ疫病(Phytophthora infestans)、タバコうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、タバコ赤星病(Alternaria longipes)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola)、テンサイうどんこ病(Erysiphe betae)、テンサイ葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、テンサイ根腐病(Thanatephorus cucumeris)、テンサイ黒根病(Aphanomyces cochlioides)、ダイコン萎黄病(Fusarium oxysporum f.sp.raphani)、チャ炭疽病(Discula theae-sinensis)、チャもち病(Exobasidium vexans)、チャ褐色円星病(Pseudocercospora ocellata、Cercospora chaae)、チャ輪紋病(Pestalotiopsis longiseta、Pestalotiopsis theae)、チャ網もち病(Exobasidium reticulatum)、ワタ黒斑病Alternaria leaf spot(Alternaria spp)、ワタ炭疽病(Glomerella spp)、ワタ輪紋病(Ascochyta gossypii)、ワタさび病(Puccinia spp、Phykopsora spp)、ワタのCercospora blight and leaf spot(Cercospora spp)、ワタのDiplopia boll rot(Diplopia spp)、ワタのHard lock(Fusarium spp)、ワタのPhoma blight(Phoma spp)、ワタのStemphyllium leaf spot(Stemphyllium spp)、ラッカセイ黒渋病(Cercosporidium personatum)、ラッカセイ褐斑病(Cercospora arachidicola)、ラッカセイ白絹病(Sclerotium rolfsii)、ラッカセイさび病(Puccinia arachidis)、バナナイエローシガトカ病(Mycosphaerella musicoka)、バナナブラックシガトカ病(Mycosphaerella fijiensis)、種々の作物をおかす灰色かび病(Botrytis cinerea)、ピシウム属菌の病害(Pythium spp)及び菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など。また、Aspergillus属、Cochliobolus属、Corticium属、Diplodia属、Penicillium属、Fusarium属、Gibberella属、Mucor属、Phoma属、Phomopsis属、Pyrenophora属、Pythium属、Rhizoctonia属、Rhizopus属、Thielaviopsis属、Tilletia属、Trichoderma属、及びUstilago属等によって引き起こされる各種植物の種子伝染性病害又は生育初期の病害。
本実施形態に係る農園芸用薬剤は、殺菌剤用として用いることができる。また、本実施形態に係る農園芸用薬剤は、上述した病害のなかでも、コムギ葉枯病及びコムギ赤さび病といったムギ類赤かび病の病害に対して特に優れた防除効果を呈する。そのため、農園芸用薬剤は、ムギ類防除用として好適に用いられるが、これに限定されるものではない。
本実施形態における農園芸用薬剤は、全ての植物に利用することができるが、適用植物の例として以下を挙げることができる。イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、トリチケール、トウモロコシ、モロコシ(ソルガム)、サトウキビ、シバ、ベントグラス、バミューダグラス、フェスク及びライグラスなどのイネ科類、ダイズ、ラッカセイ、インゲンマメ、エンドウ、アズキ及びアルファルファなどのマメ科類、サツマイモなどのヒルガオ科類、トウガラシ、ピーマン、トマト、ナス、ジャガイモ及びタバコなどのナス科類、ソバなどのタデ科類、ヒマワリなどのキク科類、チョウセンニンジンなどのウコギ科類、ナタネ、ハクサイ、カブ、キャベツ及びダイコンなどのアブラナ科類、テンサイなどのアカザ科類、ワタなどのアオイ科類、コーヒーノキなどのアカネ科類、カカオなどのアオギリ科類、チャなどのツバキ科類、スイカ、メロン、キュウリ及びカボチャなどのウリ科類、タマネギ、ネギ及びニンニクなどのユリ科類、イチゴ、リンゴ、アーモンド、アンズ、ウメ、オウトウ、スモモ、モモ及びナシなどのバラ科類、ニンジンなどのセリ科類、サトイモなどのサトイモ科類、マンゴーなどのウルシ科類、パイナップルなどのパイナップル科類、パパイアなどのパパイア科類、カキなどのカキノキ科類、ブルーベリーなどのツツジ科類、ペカンなどのクルミ科類、バナナなどのバショウ科類、オリーブなどのモクセイ科類、ココヤシ及びナツメヤシなどのヤシ科類、みかん、オレンジ、グレープフルーツ及びレモンなどのミカン科類、ブドウなどのブドウ科類、草花(Flowers and ornamental plants)、果樹以外の樹ならびにその他の観賞用植物。また、野生植物、植物栽培品種、異種交配若しくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物及び植物栽培品種、ならびに遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種を挙げることができる。遺伝子組み換え植物及び植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、及び収量向上作物などを挙げることができる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、Roundup Ready、Liberty Link、B.t.、BXN、Poast Compatible、AgriSure、Genuity、Optimum、Powercore、DroughtGard、YieldGard、Herculex、WideStrike、Twinlink、VipCot、GlyTol、Newleaf及びBollgardなどの登録商標を含むものを挙げることができる。
(5)他の有効成分
本実施形態における農園芸用薬剤は、アゾール誘導体(I)以外にも既知の他の有効成分と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。既知の他の有効成分としては、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤及び植物成長調整剤に含まれる既知の有効成分を挙げることができる。
(5−1)殺菌剤用途の有効成分
殺菌剤用途に好適な有効な成分としては、例えば、ステロール生合成阻害化合物、ベンズイミダゾール系化合物、コハク酸脱水素酵素阻害化合物(SDHI系化合物)、ストロビルリン系化合物、フェニルアミド系化合物、ジカルボキシイミド系化合物、アニリノピリミジン系化合物、多作用点化合物、抗生物質、カーバメート系化合物、キノリン系化合物、有機リン系化合物、及びカルボキシアミド系化合物等が挙げられる。
ステロール生合成阻害化合物としては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、ジニコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、メトコナゾール、イプコナゾール、ミクロブタニル、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、エポキシコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール、フルシラゾール、オキスポコナゾール、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、1−((1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル)−5−(4−クロロベンジル)−2−(クロロメチル)−2−メチルシクロペンタン−1−オール、メチル 2−((1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル)−3−(4−クロロベンジル)−2−ヒドロキシ−1−メチルシクロペンタン−1−カルボキシレート、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、トリデモルフ、ブピリメート、フェナリモル、ピリフェノックス及びトリホリン等が挙げられる。
ベンズイミダゾール系化合物としては、カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル及びフベリダゾール等が挙げられる。
コハク酸脱水素酵素阻害化合物(SDHI系化合物)としては、ビキサフェン、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソフェタミド、イソピラザム、メプロニル、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、チフルザミド、フルインダピル、ピラジフルミド、ピジフルメトフェン、ピラジフルミド、ベノダニル、カルボキシン、ピラプロポイン、インピルフルクサム、イソフルシプラム及びオキシカルボキシンが挙げられる。
ストロビルリン系化合物としては、アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロビン、フェナミストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、マンデストロビン、ピリベンカルブ、ピラオキシストロビン、ピラメトストロビン、フルフェノキシストロビン、エノキサストロビン、クモキシストロビン、トリクロピリカルブ、及びメチルテトラプロール等が挙げられる。
フェニルアミド系化合物としては、ベナラキシル、ベナラキシルM又はキララキシル、メタラキシル、メタラキシルM又はメフェノキサム及びオキサジキシル等が挙げられる。
ジカルボキシイミド系化合物としては、プロシミドン、イプロジオン及びビンクロゾリン等が挙げられる。
アニリノピリミジン系化合物としては、シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニル等が挙げられる。
多作用点化合物としては、マンコゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チラム(チウラム)、ジネブ、ジラム、アンバム、アニラジン、ジチアノン、フルアジナム、ペンシクロン、キントゼン、トリフルアニド、ドダイン、グアザチン、イミノクタジン(イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩)、銅化合物(例えば塩基性塩化銅、水酸化第二銅、塩基性硫酸銅、硫酸銅、有機銅(オキシン銅)、ノニルフェノールスルホン酸銅、DBEDC等)、炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、金属銀、フェンチン、硫黄、キャプタン、クロロタロニル(TPN)及びフォルペット等が挙げられる。
抗生物質としては、カスガマイシン、ポリオキシン、ストレプトマイシン、バリダマイシン及びオキシテトラサイクリン等が挙げられる。
カーバメート系化合物としては、ベンチアバリカルブ(ベンチアバリカルブイソプロピル)、ジエトフェンカルブ、イプロバリカルブ、プロパモカルブ及びトルプロカルブ等が挙げられる。
キノリン系化合物としては、オキソリニック酸、ピロキロン、キノキシフェン及びテブフロキン等が挙げられる。
有機リン系化合物としては、ジノカップ、エジフェンフォス(EDDP)、ホセチル(ホセチル‐アルミニウム)、イプロベンホス(IBP)、メプチロジノカップ及びトルクロホスメチル等が挙げられる。
カルボキシアミド系化合物としては、カルプロパミド、エタボキサム、フェノキサニル、シルチオファム、チアジニル及びイソチアニル等が挙げられる。
また、その他の殺菌剤用途の化合物として、アメトクトラジン、アミスルブロム、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、ジクロシメット、ジクロメジン、ファモキサドン、フェンアミドン、フェンヘキサミド、フェニトロパン、フルジオキソニル、フルオピコリド、フルスルファミド、フルチアニル、ハルピン、イソプロチオラン、イソニアニル、マンジプロパミド、メトラフェノン、オキサチアピプロリン、フサライド、プロキナジド、バリフェナレート、ゾキサミド、フェンピコキサミド、ピカルブトラゾックス、キノフメリン、ジメトモルフ、フルモルフ、フェリムゾン、アシベンゾラー(アシベンゾラル−S−メチル)、エトリジアゾール、ヒメキサゾール、プロベナゾール、トリシクラゾール、フェンピラザミン、テクロフタラム、ヒドロキシイソキサゾール、フルオルイミド、ピリオフェノン、ジフルメトリム、キノメチオナート、アミノピリフェン、ジクロベンチアゾクス、ピリダクロメチル、イプフルフェノキン、フルオピモミド、フロリルピコキサミド、メチルテトラプロール、フルオキサピプロリン、シイタケ菌糸体抽出物、及び生物農薬(アグロバクテリウム・ラジオバクター、シュードモナス・フルオレッセンス、シュードモナス・ロデシア、バチルス・ズブチリス、バチルス・シンプレクス、バチルス・アミロリクエファシエンス、非病原性エルビニア・カロトボーラ、ラクトバチルス・プランタラム、バリオボラックス・パラドクス等)等が挙げられる。
(5−2)殺虫剤用途の有効成分
殺虫剤用途に好適な有効な成分としては、例えば、有機リン系化合物、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、ネライストキシン化合物、ネオニコチノイド化合物、ベンゾイル尿素化合物、その他昆虫成長制御化合物、有機塩素化合物、及び天然物由来化合物等が挙げられる。
有機リン系化合物としては、アセフェート、アジンホス−メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、シアノホス、デメトン−S−メチル、ダイアジノン、ジクロルボス(DDVP)、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、EPN、フェナミホス、フエニトロチオン(MEP)、フェンチオン(MPP)、ホスチアゼート、イミシアホス、イソフェンホス、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、オメトエート、オキシデメトンメチル、パラチオン、パラチオン−メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホスメチル、プロフェノホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、テブピリムホス、テルブホス、トリアゾホス及びトリクロルホン(DEP)等が挙げられる。
カーバメート系化合物としては、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンフラカルブ、BPMC、カルバリル(NAC)、カルボフラン、カルボスルファン、カルタップ、フェノキシカルブ(BPMC)、フォルメタネート、イソプロカルブ(MIPC)、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、チオジカルブ、XMC、ベンダイオカルブ、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フラチオカルブ、メトルカルブ及びキシリルカルブ等が挙げられる。
ピレスロイド系化合物としては、アクリナトリン、アレスリン、シペルメトリン、ビフェントリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルバリネート、ハルフェンプロックス、シハロトリン、メトフルトリン、モンフルオロトリン、ペルメトリン、プロフルトリン、テフルトリン、トラロメトリン、シフルトリン、カッパービフェントリン、イミプロトリン、ピレトリン、クロロプラレトリン、イプシロンメトフルトリン及びシフェノトリン等が挙げられる。
ネライストキシン化合物としては、カルタップ、ベンスルタップ、チオシクラム、モノスルタップ及びビスルタップ等が挙げられる。
ネオニコチノイド化合物としては、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド及びチアメトキサム等が挙げられる。
ベンゾイル尿素化合物としては、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン及びトリフルムロン等が挙げられる。
その他昆虫成長制御化合物としては、ブプロフェジン、クロマフェノジド、シロマジン、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド及びピリプロキシフェン等が挙げられる。
有機塩素化合物としては、アルドリン、ディルドリン、エンドスルファン、メトキシクロル、リンダン及びDDT等が挙げられる。
天然物由来化合物としては、アバメクチン、バチルス・チューリンゲンシス菌由来の生芽胞及び産生結晶毒素、並びにそれらの混合物、ベンスルタップ、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン、スピネトラム、スピノサド、マシン油、デンプン、還元澱粉糖化物、ナタネ油、オレイン酸ナトリウム、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド及びリン酸第二鉄等が挙げられる。
また、その他の殺虫剤用途の化合物として、アベルメクチン、クロラントラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、クロルフェナピル、シアントラニリプロール、ジアフェンチウロン、エチプロール、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルピラジフロン、インドキサカルブ、メタフルミゾン、メタアルデヒド、ピメトロジン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、シラフルオフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロール、トルフェンピラド、アフィドピロペン、ブロフラニリド、シクラニリプロール、ジクロロメゾチアズ、フロメトキン、フルアザインドリジン、フルヘキサホン、フルキサメタミド、ピリプロール、テトラニリプロール、トリフルメゾピリム、メトプレン、チクロピラゾフロー(tyclopyrazoflor)、フルピリミン、スピロピジオン、ベンズピリモキサン、シハロジアミド、スルフラミド、イソシクロセラム及びジムプロピリダズ等が挙げられる。
(5−3)殺ダニ剤用途の有効成分
殺ダニ剤用途に好適な有効成分(殺ダニ活性成分)としては、例えばアセキノシル、アミドフルメット、アミトラズ、アゾシクロチン、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、クロルフェンソン、キノメチオネート、フェニソブロモレート、ベンゾキシメート、クロフェンテジン、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シヘキサチン、ジフロビダジン、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンピロキシメート、フェノチオカルブ、フルアクリピリム、ヘキシチアゾクス、プロパルギット(BPPS)、ピフルブミド、ピリダベン、ピリミジフェン、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、テブフェンピラド、テトラジホン、アシノナピル及び調合油等が挙げられる。
(5−4)殺線虫剤用途の有効成分
殺線虫剤用途に最適な有効成分(殺線虫活性成分)としては、例えばD−D(1,3−ジクロロプロペン)、DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)、メチルイソチオシアネート、カーバムナトリウム塩、カズサホス、ホスチアゼート、イミシアホス、酒石酸モランテル、塩酸レバミゾール、ネマデクチン及びチオキサザフェン等が挙げられる。
(5−5)植物成長調整剤用途の有効成分
植物成長調整剤用途に最適な有効成分としては、例えばアミノエトキシビニルグリシン、クロルメコート、クロルプロファム、シクラニリド、ジケグラック、ダミノジット、エテホン、フルルプリミドール、フルメトラリン、ホルクロルフェニュロン、ジベレリン、マレイン酸ヒドラジド塩、メピコートクロリド、メチルシクロプロペン、ベンジルアミノプリン、パクロブトラゾール、プロヘキサジオン、チジアズロン、トリブチルホスホロトリチオエート、トリネキサパックエチル及びウニコナゾール等が挙げられる。
〔2.植物病害防除方法〕
本実施形態における農園芸用薬剤は、例えば、畑、水田、芝生、及び果樹園などの農耕地又は非農耕地において使用することができる。また、本実施形態における農園芸用薬剤は、茎葉散布といった茎葉処理に加えて、球根及び塊茎などへの処理も含めた種子処理、潅注処理、及び水面処理などの非茎葉処理によっても施用できる。したがって、本実施形態における植物病害防除方法は、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理又は非茎葉処理を行う手順を含む方法である。なお、非茎葉処理を行う場合には、茎葉処理を行う場合に比べて、労力を低減させることができる。
種子処理による施用では、水和剤及び粉剤などを種子と混合し攪拌することにより、あるいは希釈した水和剤などに種子を浸漬することにより、薬剤を種子に付着させる。また、種子コーティング処理も含まれる。種子処理の場合の有効成分の使用量は、種子100kgに対して例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。農園芸用薬剤で処理した種子については、通常の種子と同様に利用すればよい。
潅注処理による施用は、苗の移植時などに植穴又はその周辺に粒剤などを処理したり、種子又は植物体の周囲の土壌に粒剤及び水和剤などを処理したりすることによって行う。潅注処理の場合の有効成分の使用量は、農園芸地1mあたり例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。
水面処理による施用は、水田の田面水に粒剤などを処理することによって行う。水面処理の場合の有効成分の使用量は、水田10aあたり例えば0.1〜10000gであり、好ましくは1〜1000gである。
茎葉散布に用いる場合の有効成分の使用量は、畑、田、果樹園及び温室などの農園芸地1haあたり例えば20〜5000g、より好ましくは50〜2000gである。
なお、使用濃度及び使用量は、剤形、使用時期、使用方法、使用場所及び対象作物などによっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
〔まとめ〕
以上の通り、本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分及びアジュバントを含む農園芸用薬剤であって、上記有効成分は、上記式(I)で示される化合物、又はそのN−オキシドもしくは農薬学的に許容可能な塩であり、上記アジュバントは、アルキルグリコシドである。
また、本発明に係る農園芸用薬剤の一態様では、農園芸用薬剤は、殺菌剤用である。
本発明に係る植物病害防除方法は、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理又は非茎葉処理を行う工程を含む構成を有している。
本発明に係る植物病害防除用製品は、混合して上述の農園芸用薬剤として使用するための組み合わせ調製物として、有効成分としての上記式(I)で示される上記化合物と、アジュバントとしてのアルキルグリコシドとを別々に含む構成を有している。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
<アゾール誘導体の合成>
防除効果試験に用いるアゾール誘導体A〜Cを以下のように合成した。なお、アゾール誘導体A〜Cは、上述の化学式(Ia)に示されるアゾール誘導体において、以下の表1に示す置換基の組み合わせを有するものである。
Figure 2020186178
〔合成例1.アゾール誘導体Aの合成〕
2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-オキソ酢酸の合成
市販の1-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-エタン-1-オン761 mg及びDMSO 10.8 mLを100 mLナスフラスコに加えて溶解した後、ヨウ素2.21 gを加えて100 ℃に昇温し撹拌した。反応開始から3時間後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、トルエンで3回抽出した。これを3回水洗し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、橙色液体粗製物181mgを得たが目的物は含まれていなかった。水層に1N HCl水溶液を加えて酸性にした後、酢酸エチルで3回抽出し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、標記の化合物を白色固体粗製物 551.1 mg (収率65.4%)として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H). 。
メチル2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-オキソアセテートの合成
2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-オキソ酢酸 177 mg及びDMF 1.1 mLを100 mLナスフラスコに加えて溶解した後、炭酸セシウム223 mg及びヨウ化メチル57 μLを加えて撹拌した。反応開始から1時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、トルエンで3回抽出した。これを3回水洗し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、αケトエステルの無色液体粗製物171.5 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 5 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、標記の化合物を無色粘稠液体化合物161.4 mg (収率87.1%)として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.03-6.97 (m, 3H), 6.87 (dd, J = 8.7, 2.5 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ : 165.3, 160.5, 153.6, 135.8, 133.4, 130.2, 129.7, 124.0, 121.5, 120.2, 119.8, 115.5, 52.3。
メチル2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)オキシラン-2-カルボキシレートの合成
メチル2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-オキソアセテート130.4mg、ジヨードメタン68μL及びTHF 1.0 mLを50 mLナスフラスコに加えて溶解した後、ドライアイスアセトンバス中で冷却し、イソプロピルマグネシウムクロリド0.68 mLを加えて撹拌を続けた。反応開始から0.5時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルで3回抽出した。これを1回水洗し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、メチル2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)オキシラン-2-カルボキシレートの無色液体粗製物 187.1 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 6 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、標記の化合物の無色粘稠液体混合物91.6 mgを得た。
メチル2-ヒドロキシ-2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノエート(アゾール誘導体A)の合成
メチル2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)オキシラン-2-カルボキシレートの混合物 91.6 mg及びDMF 1.2 mLを100 mLナスフラスコに加えて溶解した後、トリアゾールナトリウム塩43.7 mgを加えて40 ℃に昇温し撹拌した。反応は適宜サンプリングを行いHPLCにより追跡した。反応開始から4時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、トルエンで3回抽出した。これを3回水洗し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、無色液体粗製物 187 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 2 g, ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、無色粘稠液体混合物27.0 mgを得た。これをトルエンにて晶析し、標記の化合物(アゾール誘導体A)の白色固体12.8 mgを得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.00 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.99-6.95 (m, 3H), 6.81 (dd, J = 8.8 Hz, 1H), 5.0 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.88 (br, 1H), 3.80 (s, 3H). 。
〔合成例2.アゾール誘導体Bの合成〕
1-(2-クロロ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)エタン-1-オンの合成
2-クロロ-4-フルオロアセトフェノン1.53gをN-メチル-2-ピロリドン(NMP) 16mlに溶解し、4-トリフルオロメチルフェノール2.15g及び炭酸セシウム4.99gを加え、140℃で1時間撹拌した。反応終了後、トルエンを加え有機層を水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 75g、ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、標記の化合物1.58gを無色粘稠液体として得た。収率56.6%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.68-7.62 (m, 3H), 7.13 (d, J= 8.4Hz, 2H), 7.06 (d, J= 2.4Hz, 2H), 6.95 (dd, J= 8.6, 2.5Hz, 1H), 2.67 (s, 3H). 。
メチル2-(2-クロロ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)-2-オキソアセテートの合成
100mlナスフラスコに前項で合成した1-(2-クロロ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)エタン-1-オン1.56gを秤量し、DMSO 20mlを加えて溶解した。ここにヨウ素4.01gを加え100℃のオイルバスで0.5時間撹拌撹拌した。反応終了後、60℃まで冷却した後、ここに炭酸カリウム4.76gを加え、100℃で0.5時間撹拌した。これを35℃まで冷却し、ここにヨードメタン1.0mlを追加し、35℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液及びトルエンを加え、析出した溶液をセライトろ過した。濾取した固体をトルエンでデカンテーションし、先の溶液に加えた。溶液の有機層を分離して水層をトルエンで抽出した。有機層を併せて水及び飽和食塩水で洗浄した。これを無水硫酸ナトリウム乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 37g、ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、標記の化合物1.064gを淡黄色液体として得た。収率60.0%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.84 (d, J= 8.6Hz, 1H), 7.69 (d, J= 8.5Hz, 2H), 7.19 (d, J= 8.4Hz, 2H), 7.04 (d, J= 2.4Hz, 1H), 7.00 (dd, J= 8.6, 2.4Hz, 1H), 3.96 (s, 3H). 。
メチル2-(2-クロロ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノエート(アゾール誘導体B)の合成
前項で得られたメチル2-(2-クロロ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェノキシ)フェニル)-2-オキソアセテート0.508gをDMF 2.6ml に溶解し、TMSOB 0.270g、及びトリアゾールナトリウム0.170gを加え、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で3回洗浄した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム乾燥した後に溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15g、ヘキサン/酢酸エチル=1/3)によって精製し、標記の化合物(アゾール誘導体B)0.160gを淡黄色〜白色固体として得た。収率25.5%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.01 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.63 (d, J= 8.6Hz, 2H), 7.46 (d, J= 8.8Hz, 1H), 7.08 (d, J= 8.6Hz, 2H), 7.05 (d, J= 2.5Hz, 1H), 6.88 (dd, J= 8.8, 2.5Hz, 1H), 5.03 (d, J= 14.3Hz, 1H), 4.95 (d, J= 14.3Hz, 1H), 4.90 (br s, 1H), 3.81 (s, 3H). 。
〔合成例3.アゾール誘導体Cの合成〕
1-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-オンの合成
4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)アセトフェノン825 mg及びDMF 7.2 mLを25 mLナスフラスコに加えて溶解した後、4-クロロフェノール567 mg及び炭酸カリウム663 mgを加えて120 ℃のオイルバスで加熱撹拌した。反応開始から1.5時間後、水を加えて反応を停止し、トルエンで3回抽出した。これを3回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、標記の化合物の褐色液体1.33gを得た。
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-オキソアセテートの合成
上記1-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)エタン-1-オン1.3257 g及びDMSO 16 mLを100 mLナスフラスコに加えて溶解した後、ヨウ素3.2500 gを加えて100 ℃のオイルバスで加熱撹拌した。反応開始から0.5時間後、反応液を室温まで冷却した後に炭酸カリウム3.8714 gを加えて、再び100 ℃のオイルバスで加熱撹拌した。更に0.5時間後、反応液を室温まで冷却した後にヨウ化メチル0.80 mLを加えて撹拌を続けた。3.5時間後に35 ℃のウォーターバスで加熱撹拌した。1時間後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、ろ過した後、水を加え、トルエンで3回抽出した。これを3回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ケトエステルの褐色液体粗製物1.3677 gを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル50 g,ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、標記の化合物840.2 mgを橙色液体化合物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.66 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.94 (s, 3H). 。
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-ヒドロキシプロパノエートの合成
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-オキソアセテート840 mg及びTHF 12.2 mLを50 mL三口フラスコに加えてアセトンバスで-78 ℃に冷却した後、メチルマグネシウムブロミド 3.11 mLを滴下し撹拌を続けた。滴下終了から2時間後、1N塩酸5 mLを加え、水層を分離し、有機層のTHFを留去した。水層からトルエンで2回抽出し、THFを留去した有機層と合わせて1回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヒドロキシエステルの黄色液体粗製物 900 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 30 g, ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、標記の化合物689mgを黄色液体化合物として得た。収率78.5%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.60 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.09 (dd, J = 8.8, 2.7 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.66 (s, 1H), 1.87 (s, 3H). 。
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリレートの合成
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-ヒドロキシプロパノエート651 mg及びトルエン13.0 mLを50 mLナスフラスコに加え溶解した後、トシル酸一水和物165 mgを加えて、ディーンスターク管を接続して脱水還流した。1.5時間後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、トルエンで3回抽出した。これを1回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、黒色液体混合物 669 mgを得た。これにトルエン8.7 mLを50 mLナスフラスコに加え溶解した後、濃硫酸90 μLを加えて、ディーンスターク管を接続して脱水還流した。1時間後に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、トルエンで3回抽出した。これを1回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、黒色液体混合物592mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 20 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、標記の化合物689mgを黄色液体化合物として得た。収率94.4%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.35 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H). 。
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)オキシラン-2-カルボキシレートの合成
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)アクリレート570.0 mg及びアセトニトリル4.0 mLを100 mLナスフラスコに加え溶解した後、炭酸カリウム452 mg、過酸化水素尿素452 mg、メタノール4.0 mLを加えて撹拌した。2時間後に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、1N塩酸を加え、トルエンで3回抽出した。これを1回水洗し、飽和食塩水で1回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、オキシランの無色液体粗製物590 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g, ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、標記の化合物459.5 mgを無色液体化合物として得た。収率77.2%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.64 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 3.05 (d, J = 6.2 Hz, 1H). 。
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパノエート(アゾール誘導体C)の合成
メチル2-(4-(4-クロロフェノキシ)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)オキシラン-2-カルボキシレート454.6 mg及びDMF 1.22 mLを100 mLナスフラスコに加え溶解した後、トリアゾール101.6 mg及び炭酸ナトリウム26.0 mgを加えて60 ℃のオイルバスで加熱し撹拌した。2時間後、トリアゾールナトリウム22.3 mgを加えて撹拌を続けた。更に1.5時間後、炭酸ナトリウム103.5 mgを加えて撹拌を続けた。更に2時間後、トリアゾールナトリウム55.8 mgを加えて撹拌を続けた。4時間後に飽和塩化アンモニウム水溶液、トルエンで3回抽出した。これを2回水洗し、1回飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、アゾールの無色液体粗製物 474 mgを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル 15 g, ヘキサン:酢酸エチル=1:1→クロロホルム:酢酸エチル=1:1)にて精製し、標記の化合物(アゾール誘導体C) 314 mgを白色固体化合物として得た。収率58.2%。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.11 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 8.9, 2.7 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 5.08 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 4.67 (s, 1H), 3.80 (s, 3H). 。
<製剤例1:水和剤>
合成した本実施形態に記載の任意のアゾール誘導体を用いて、以下の原料を混合・粉砕することで水和剤を調製した。調製した水和剤は、水で希釈して使用した。
アゾール誘導体 20質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 2質量部
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 5質量部
ステアリン酸亜鉛 0.2質量部
ホワイトカーボン 3質量部
クレー 69.8質量部
<製剤例2:乳剤>
合成した本実施形態に記載の任意のアゾール誘導体を用いて、以下の原料を混合することで乳剤を調製した。調製した乳剤は、水で希釈して使用した。
アゾール誘導体 5質量部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルおよびアルキルベンゼンスルホン酸金属塩 14.4質量部
N,N−ジメチルオクタンアミド 22質量部
N,N−ジメチルデカンアミド 22質量部
5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタン酸メチル 12質量部
アルキルベンゼン 0.6質量部
ソルベントナフサ 24質量部。
<試験例1:アゾール誘導体及びアルキルグリコシドを用いた茎葉散布処理によるコムギ赤さび病防除効果試験>
本試験例では、コムギ赤さび病に対する、アゾール誘導体とアルキルグリコシドとの混合剤の防除効果について試験した。アルキルグリコシドとしては、AL−2575(Croda社製)を使用した。
角型プラスチックポット(6cm×6cm)で栽培した1〜2葉期のコムギ葉部(品種:農林61号)に、有効成分であるアゾール誘導体とアジュバントであるアルキルグリコシドとを含む薬液を、所定投下薬量になるように、400L/haの割合で散布した。また、コントロールとして、アゾール誘導体及びアルキルグリコシドをそれぞれ単独で含む薬液を、同様に散布した。葉部の散布液を風乾させた後、コムギ赤さび病の胞子懸濁液(1×10個/mlに調製、終濃度60ppmのグラミンSを含む)を噴霧接種し、20℃、1日間、高湿度条件下に保持した後、温室で管理した。菌接種後、13日目にコムギ赤さび病の発病面積を調査して、次式を用いて防除価を算出した。
防除価(%)=[1−(散布区の平均発病面積/無散布区の平均発病面積)]×100
次いで、コルビーの式(下記式):
α及びβの混合使用時の防除価(理論値)=X+[(100−X)×Y]/100
を用いて、2種の化合物の協力効果の判定を行った。上記式中、X及びYは、それぞれ化合物α及びβの単独使用時の防除価を示している。結果を、表2に示す。
Figure 2020186178
アゾール誘導体A、B又はCとアルキルグリコシドとを混合散布した際のコムギ赤さび病に対する防除価は、それぞれを単独散布した場合の防除価から算出される理論値よりも大きく、各アゾール誘導体とアルキルグリコシドとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
<試験例2:アゾール誘導体及びアルキルグリコシドを用いた茎葉散布処理によるコムギ葉枯病防除効果試験>
本試験例では、コムギ葉枯病に対する、アゾール誘導体とアルキルグリコシドとの混合剤の防除効果について試験した。アルキルグリコシドとしては、AL−2575(Croda社製)を使用した。
角型プラスチックポット(6cm×6cm)で栽培した1〜2葉期のコムギ葉部(品種:農林61号)に、有効成分であるアゾール誘導体とアジュバントであるアルキルグリコシドとを含む薬液を、所定投下薬量になるように、400L/haの割合で散布した。また、コントロールとして、アゾール誘導体及びアルキルグリコシドをそれぞれ単独で含む薬液を、同様に散布した。散布翌日、コムギ葉枯病の胞子懸濁液(1×10個/mlに調製、終濃度60ppmのグラミンSを含む)を噴霧接種し、19℃、3日間、高湿度条件下に保持した後、人工気象器内で管理した。菌接種後、28日目にコムギ葉枯病の発病面積を調査して、試験例1と同様にして防除価を算出した。
次いで、上述のコルビーの式を用いて、2種の化合物の協力効果の判定を行った。結果を、表3に示す。
Figure 2020186178
アゾール誘導体A、B又はCとアルキルグリコシドとを混合散布した際のコムギ葉枯病に対する防除価は、それぞれを単独散布した場合の防除価から算出される理論値よりも大きく、各アゾール誘導体とアルキルグリコシドとが相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
本発明は、植物に対する薬害が最小限に抑えられ、植物病害を防除できる防除剤として利用することができる。

Claims (4)

  1. 有効成分及びアジュバントを含む農園芸用薬剤であって、
    上記有効成分は、下記式(I)で示される化合物、又はそのN−オキシドもしくは農薬学的に許容可能な塩であり、
    上記アジュバントは、アルキルグリコシドであることを特徴とする農園芸用薬剤。
    Figure 2020186178
    [式(I)中、
    Aは、N又はCHであり;
    Dは、水素、ハロゲン基又はSRであり;
    ここで、Rは水素、シアノ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−ハロアルケニル基、C−C−アルキニル基又はC−C−ハロアルキニル基であり;
    は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基、フェニル−C−C−アルキニル基又は−COXRであり;
    ここで、Rは、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり;
    Xは、単結合、−O−又は−NR−であり;
    は、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、RとRとは環を形成していてもよく;
    は、−OR又は−NRであり;
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素、C−C−アルキル基、C−C−アルケニル基、C−C−アルキニル基、C−C−シクロアルキル基、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル基、フェニル基、フェニル−C−C−アルキル基、フェニル−C−C−アルケニル基又はフェニル−C−C−アルキニル基であり、RとRとは環を形成していてもよく;
    ここで、R、R、R、R、R、R及びRにおける脂肪族基は、1、2、3若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルコキシ基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択され;
    は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、フェニル−オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基又はC−C−ハロアルコキシ基、C−C−アルキルアミノ基、C−C−ジアルキルアミノ基、C−C−アルキルアシルアミノ基、−SOR10又は−SFであり;
    、R、R、R、R、R及びRにおけるシクロアルキル基若しくはフェニル基部分又はRにおけるフェニル基部分は、1、2、3、4、5若しくは可能な最大数の同一の又は異なる基Rを有していてもよく、Rは、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルキル基及びC−C−ハロアルコキシ基から互いに独立して選択され;
    は、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基、フェニル−オキシ基、C−C−アルキル基、C−C−ハロアルキル基、C−C−アルコキシ基、C−C−ハロアルコキシ基、−SOR10又は−SFであり;
    ここで、R10は、C−C−アルキル基又はC−C−ハロアルキル基であり;
    Eは、フェニル基又は窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環であり;
    は任意の置換位置にn個結合しており;
    Eがフェニル基の場合、nは0、1、2、3又は4であり、Eが窒素原子を1若しくは2つ含む6員の芳香族複素環である場合は、nは0、1又は2であり;
    Yは、Eの任意の位置に結合する酸素原子、−CHO−、−OCH−、−NH−、−N(−C−C−アルキル)−、−N(−C−C−シクロアルキル)−又は−S(O)−であり;
    pは、0、1又は2であり;
    Zは、フェニル基若しくはナフチル基である芳香族炭化水素基、又は、O、N若しくはSから選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む5員又は6員の芳香族複素環若しくは2環から構成される9員又は10員の芳香族複素環であり;
    は任意の置換位置にm個結合しており;
    Zが芳香族炭化水素基である場合、mは1、2、3、4又は5であり、Zが芳香族複素環である場合、mは0、1、2、3又は4である]
  2. 殺菌剤用であることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用薬剤。
  3. 請求項1又は2に記載の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理又は非茎葉処理を行う工程を含むことを特徴とする植物病害防除方法。
  4. 混合して請求項1又は2に記載の農園芸用薬剤として使用するための組み合わせ調製物として、有効成分としての上記式(I)で示される上記化合物と、上記アジュバントとしてのアルキルグリコシドとを別々に含むことを特徴とする植物病害防除用製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021230382A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 株式会社クレハ トリアゾール誘導体の(-)-エナンチオマー、農園芸用薬剤および工業用材料保護剤

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