JP2020183039A - スクライブ装置、及び、制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
固定刃の移動と向き(回動角)とを両方制御する装置は、固定刃の回動機構がヘッド部に取り付けられ、回動機構に固定刃が取り付けられる構成を有している。また、この装置における固定刃の移動は、ヘッド部を基板に対して移動させることにより実現される。
本発明の一見地に係るスクライブ装置は、ヘッド部と、回動機構と、移動機構と、制御装置と、を備える。ヘッド部にはカッター部材が取り付けられる。カッター部材は、加工対象である基板にスクライブラインを形成する。回動機構は、ヘッド部に取り付けられカッター部材を回動させる。移動機構は、基板に対してヘッド部を移動させる。制御装置は、回動軸軌跡に基づいて移動機構を制御する。回動軸軌跡は、スクライブラインの形成時における回動機構の回動軸の軌跡を表す。
また、制御装置は、スクライブラインの形成時におけるカッター部材の予定加工軌跡を算出し、ヘッド部におけるカッター部材の位置と回動軸とのずれ量を予定加工軌跡に加味して回動軸軌跡を算出する。
これにより、上記の構成を有するスクライブ装置は、カッター部材を予定加工軌跡の通りに忠実に移動させることができるので、スクライブラインを指定された通りに忠実に形成できる。
◎スクライブラインの形成時におけるカッター部材の予定加工軌跡を算出するステップ。
◎ヘッド部におけるカッター部材の位置と回動機構の回動軸とのずれ量を予定加工軌跡に加味して、スクライブラインの形成時における回動軸の軌跡を表す回動軸軌跡を算出するステップ。
◎回動軸軌跡に基づいて移動機構を制御するステップ。
これにより、上記の構成を有するスクライブ装置において、カッター部材を予定加工軌跡の通りに忠実に移動させることができるので、スクライブラインを指定された通りに忠実に形成できる。
(1)スクライブ装置
以下、図1を用いて、第1実施形態に係るスクライブ装置100を説明する。図1は、第1実施形態に係るスクライブ装置を示す斜視図である。スクライブ装置100は、ガラス基板などの基板に対して、ダイヤモンドポイントなどの固定刃によりスクライブラインを形成する装置である。スクライブ装置100は、テーブル1と、ヘッド部3と、を主に備える。
テーブル1は、スクライブラインを形成する加工対象の基板を載置する部材である。テーブル1は、第1移動機構11によりY方向(図1)(第1方向の一例)に移動可能となっている。第1移動機構11は、例えば、Y方向に延びるリニアモータである。なお、第1移動機構11は、土台2上に設けられる。
以下、図2を用いて、上記のヘッド部3をより具体的に説明する。図2は、ヘッド部の詳細構成を示す図である。ヘッド部3は、本体31と、第3移動機構33と、回動機構35と、カッター部材37と、を有する。
本体31は、ヘッド部3の本体を形成する筐体である。第3移動機構33は、本体31の幅方向(X方向)に並んで配置され、Z方向に延びるリニアモータである。第3移動機構33には固定部材34が固定されている。つまり、固定部材34は第3移動機構33によりZ方向(第3方向の一例)に移動可能となっている。
上記の構成により、カップリング部36は、回動機構35と保持部材37aの従動軸とを強固に連結できる。すなわち、本実施形態のカップリング部36は、上記の駆動軸と従動軸とを「あそび」のない状態で連結している。これにより、回動機構35の駆動軸の回転を、損失や遅れなく保持部材37aに伝達できる。
固定刃37bは、加工対象の基板(テーブル1上の基板)に、スクライブラインを形成するための刃である。固定刃37bは、例えば、先端にダイヤモンドポイントを有する部材である。
従って、本実施形態では、後述するように、スクライブラインを基板に形成するときに、第1移動機構11によるテーブル1の移動軌跡、及び、第2移動機構5によるヘッド部3の移動軌跡を、スクライブライン形成時のカッター部材37(固定刃37b)の移動軌跡(予定加工軌跡と呼ぶ)からずらす制御が実行される。
次に、図3を用いて、第1実施形態に係るスクライブ装置100の制御構成を説明する。図3は、スクライブ装置の制御構成を示す図である。スクライブ装置100の制御構成は、第1制御装置6と、第2制御装置7と、スイッチングハブ8と、を有する。
第1制御装置6は、CPU、記憶装置(RAM、ROMなど)、各種の入出力インターフェース、などを有するコンピュータシステムである。第1制御装置6は、例えば、PLCと、モータコントローラと、を含むシステムである。第1制御装置6は、第1移動機構11に接続されている。すなわち、第1制御装置6は、第1移動機構11を制御することで、テーブル1(基板)のY方向の移動を制御できる。
図3に示すように、スイッチングハブ8には、上位コンピュータ9が接続されている。上位コンピュータ9は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、各種インターフェース、などを有するコンピュータシステムであり、スクライブ装置100についての各種設定、加工対象の基板に形成予定のスクライブライン形状の設定、などを実行する。上位コンピュータ9は、例えば、ユーザにより操作されるパーソナル子ピュータである。
その一方、第2制御装置7は、第2移動機構5、第3移動機構33、及び回動機構35の制御に関する簡単な演算のみを実行する。なぜなら、第2移動機構5、第3移動機構33、及び回動機構35は高速な制御が必要であり、第2制御装置7は、これらの制御に計算負荷を使用する必要があるからである。
一方、第2制御装置7は、予定加工軌跡のX方向の座標値に、ヘッド部3における回動機構35の駆動軸の位置とカッター部材37の位置とのX方向のずれ量を加味して回動軸軌跡のX方向成分を算出し、それに基づいて第2移動機構5を制御する。
(4−1)全体動作
以下、図4を用いて、本実施形態に係るスクライブ装置100の動作を説明する。図4は、スクライブ装置の全体動作を示すフローチャートである。以下に説明するスクライブ装置100の動作は、第1制御装置6及び第2制御装置7の記憶装置に記憶されたプログラムにより実現される。
基板にスクライブラインを形成するために、まず、ステップS1において、テーブル1に加工対象の基板を固定する。テーブル1における基板の固定は、例えば、吸引固定により実現できる。
さらに、ステップS3において、第1制御装置6及び第2制御装置7は、カッター部材37を、基板の原点位置に移動させる。加工対象の基板が基板毎にサイズが異なるなどの理由により、テーブル1における基板の固定位置(つまり、テーブル1における基板の原点位置)は一定ではない。従って、本実施形態では、第1制御装置6及び第2制御装置7は、センサ(図示せず)による基板の検出有無により基板の原点位置を決定する。また、第1制御装置6及び第2制御装置7は、ステップS2におけるカッター部材37の原点位置と、ステップS3において決定した基板の原点位置のずれ量を、記憶しておく。
一方、第2制御装置7は、第2移動機構5によるヘッド部3のX方向の移動、第3移動機構33によるカッター部材37のZ方向(高さ方向)の移動、及び、回動機構35によるカッター部材37の回動を制御する。ステップS4における第1制御装置6及び第2制御装置7の動作は、後ほど詳しく説明する。
以下、図5を用いて、上記のステップS4にて実行されるスクライブライン形成時の第1制御装置6及び第2制御装置7の制御を説明する。図5は、スクライブ装置におけるスクライブ形成動作を示すフローチャートである。
例えば上位コンピュータ9などから基板へ形成するスクライブラインを表すデータを受信すると、第1制御装置6は、ステップS11において、受信データから予定加工軌跡を算出する。具体的には、第1制御装置6は、受信データから、仮想座標上におけるカッター部材37(固定刃37b)の位置(X’,Y’)と回動角θ’とを算出する。仮想座標は、実空間のY方向に対応する第1仮想軸(Y’軸と呼ぶ)と、実空間のX方向に対応する第2仮想軸(X’軸と呼ぶ)と、により定義される平面座標である。なお、仮想座標では、実空間のZ方向(高さ方向)に対応する第3仮想軸(Z’軸)が定義されてもよい。
これにより、第1制御装置6は、任意形状のスクライブラインをより忠実に再現できる予定加工軌跡を算出できる。特に、制御周期毎の移動量を小さくして曲線をより多くの頂点を有する多角形で表現することで、曲線形状のスクライブラインをより忠実に再現できる。
ステップS12における追従動作開始指示の出力時に、第1制御装置6は、第2制御装置7に他の設定条件等を送信する。
第1制御装置6及び第2制御装置7は、ステップS131及びS132において、仮想座標上のカッター部材37の位置(X’,Y’)及び回動角θ’(予定加工軌跡)から、仮想座標上における回動機構35の駆動軸の移動軌跡を算出する。以後、このスクライブライン形成時の回動機構35の駆動軸の移動軌跡を「回動軸軌跡」と呼ぶ。
以下の説明では、図6に示すように、回動角θが0であるときに、固定刃37bが、正のX方向にx、正のY方向にyだけ回動機構35の駆動軸からずれているものとする。このときに、固定刃37bの予定加工軌跡として、図7に示すような、始点が(X1’,Y1’)(回動角θ’:0)、終点が(X2’,Y2’)(回動角θ’:Θ)、中心角がΘである円弧が指定された場合の回動軸軌跡の始点(X3’,Y3’)と終点(X4’,Y4’)の算出方法を説明する。
なお、上記の回動軸軌跡の算出方法は一例であって、仮想座標及び回動角θの定義等によって適宜変更される。
一方、第2制御装置7は、ステップS134において、現在の制御周期における回動軸軌跡のX’座標値に、X方向における仮想座標の原点O’と基板の原点Oとのずれ量(ΔXとする)を加算して、実空間のX方向における回動機構35の駆動軸の位置をX’+ΔXと算出できる。
また、第2制御装置7は、現在の制御周期における予定加工軌跡の回動角θ’を、そのまま実空間における回動角θとする(すなわち、θ=θ’)。さらに、実空間のZ方向におけるカッター部材37の位置は、上記のステップS2及びS3にて決定されたZ方向の原点から下方向に若干進んだ位置とする。この位置は、例えば、固定刃37bをどの程度の力で基板表面に接触させるかにより適宜決定できる。
一方、第2制御装置7は、ステップS136において、実空間のX方向における回動機構35の駆動軸の基板に対する位置が、上記のステップS134にて算出した位置(X’+ΔX)となる制御量を、第2移動機構5に出力する。また、カッター部材37の回動角θが回動角θ’となる制御量を、回動機構35に出力する。Z方向のカッター部材37の移動が伴う場合には、第3移動機構33に対して、対応する制御量を出力する。
上記のステップS13(ステップS131〜S137)は、予定加工軌跡として算出された全ての位置(X’,Y’)及び回動角θ’に対して繰り返し実行される。
これにより、スクライブ装置100は、カッター部材37(固定刃37b)を予定加工軌跡の通りに忠実に移動させることができるので、スクライブラインを指定された通りに忠実に形成できる。
上記第1実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
スクライブ装置(例えば、スクライブ装置100)は、ヘッド部(例えば、ヘッド部3)と、回動機構(例えば、回動機構35)と、移動機構(例えば、第1移動機構11及び第2移動機構5)と、制御装置(例えば、第1制御装置6及び第2制御装置7)と、を備える。ヘッド部にはカッター部材(例えば、カッター部材37)が取り付けられる。カッター部材は、加工対象である基板にスクライブラインを形成する。回動機構は、ヘッド部に取り付けられカッター部材を回動させる。移動機構は、基板に対してヘッド部を移動させる。制御装置は、回動軸軌跡に基づいて移動機構を制御する。回動軸軌跡は、スクライブライン形成時における回動機構の回動軸の軌跡を表す。
また、制御装置は、スクライブライン形成時におけるカッター部材の予定加工軌跡を算出し、ヘッド部におけるカッター部材の位置と回動軸とのずれ量を予定加工軌跡に加味して回動軸軌跡を算出する。
これにより、上記の構成を有するスクライブ装置は、カッター部材を予定加工軌跡の通りに忠実に移動させることができるので、スクライブラインを指定された通りに忠実に形成できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
上記の図4及び図5のフローチャートで示した制御動作は、発明の要旨を逸脱しない限り、各ステップの処理内容、各ステップの実行順を適宜変更できる。例えば、図5のフローチャートのステップS131〜S134は順序を変更できる。具体的には、仮想座標における予定加工軌跡を実空間の座標の軌跡に変換後、上記の回動軸軌跡を算出することもできる。
1 テーブル
11 第1移動機構
2 土台
3 ヘッド部
31 本体
33 第3移動機構
34 固定部材
35 回動機構
36 カップリング部
37 カッター部材
37a 保持部材
37b 固定刃
4 架橋部材
5 第2移動機構
6 第1制御装置
7 第2制御装置
8 スイッチングハブ
9 上位コンピュータ
O、O’ 原点
θ、θ’ 回動角
21 第4移動機構
Claims (4)
- 加工対象である基板にスクライブラインを形成するカッター部材が取り付けられたヘッド部と、
前記ヘッド部に取り付けられ前記カッター部材を回動させる回動機構と、
前記基板に対して前記ヘッド部を移動させる移動機構と、
前記スクライブラインの形成時における前記回動機構の回動軸の軌跡を表す回動軸軌跡に基づいて、前記移動機構を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記スクライブラインの形成時における前記カッター部材の予定加工軌跡を算出し、前記ヘッド部における前記カッター部材の位置と前記回動軸とのずれ量を前記予定加工軌跡に加味して前記回動軸軌跡を算出する、スクライブ装置。 - 前記制御装置は、前記回動軸軌跡を算出するために前記予定加工軌跡に加味するずれ量を、前記カッター部材の回動角に基づいて算出する、請求項1に記載のスクライブ装置。
- 前記制御装置は、前記予定加工軌跡を、実空間の第1方向に対応する第1仮想軸と、実空間の第2方向に対応する第2仮想軸と、を少なくとも有する仮想座標における前記カッター部材の軌跡として算出する、請求項1又は2に記載のスクライブ装置。
- 加工対象である基板にスクライブラインを形成するカッター部材が取り付けられたヘッド部と、前記ヘッド部に取り付けられ前記カッター部材を回動させる回動機構と、前記基板に対して前記ヘッド部を移動させる移動機構と、を備えるスクライブ装置の制御装置による制御方法であって、
前記スクライブラインの形成時における前記カッター部材の予定加工軌跡を算出するステップと、
前記ヘッド部における前記カッター部材の位置と前記回動機構の回動軸とのずれ量を前記予定加工軌跡に加味して、前記スクライブラインの形成時における前記回動軸の軌跡を表す回動軸軌跡を算出するステップと、
前記回動軸軌跡に基づいて前記移動機構を制御するステップと、
を備える、制御方法。
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