JP2020182961A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェーハをアブレーション加工する際、分割溝の幅を容易に変更する。【解決手段】第1移動機構631が第1板63の位置を変更することによって、スリットSのスリット幅を適切に設定する。さらに、認識部53および制御部52が、パワーメータ80の出力値に応じてW軸方向移動手段67を制御することによって、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心とが一致するような位置に、第1板63および第2板64を配置する。これにより、スリットSのスリット幅、すなわち分割溝の幅を変更しても、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とを一致させて分割溝の形状を適切に維持することができる。したがって、ウェーハをアブレーション加工する際、分割溝の幅を、容易かつ自在に変更することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー加工装置に関する。
ウェーハにレーザー光線を照射することによって、ウェーハをアブレーション加工して分割溝を形成するレーザー加工装置がある。分割溝に沿ってウェーハを分割することによって、チップが得られる。このようなレーザー加工装置では、チップを多く生産するために、分割溝の幅が狭くされる。
たとえば、特許文献1に開示されている技術では、所定の間隔の隙間(スリット)を用いて、スリットを通過した幅が狭くなったレーザー光線を照射させ、分割溝の幅を狭くしている。
すなわち、この文献の技術では、スリットは、分割溝に対応した幅を有しており、この幅が狭められている。このような幅の狭いスリットを透過したレーザー光線をウェーハに照射することによって、狭い幅の分割溝が形成される。
特開2010−158710号公報
しかしながら、従来、スリットの幅に関しては、予め決められた幅のスリットが形成された板(マスク部材)を用いていた。そのため、スリットの幅を変更する場合、板を交換する必要があり、板を交換後、スリットの幅の中心とレーザー光線の光軸中心とを一致させるために、スリットの位置調整を行う必要があり、スリットの幅を変更する事が困難である。
このように、従来、スリットの幅を変更して分割溝の幅を変更することは、レーザー加工装置の生産性を低下させる。
本発明の目的は、ウェーハをアブレーション加工する際、分割溝の幅を容易に変更することにある。
また、本発明の他の目的は、スリットを、スリットの中心とレーザー光線のガウシアン分布の中心(光軸の中心)とを一致させて形成させることにある。
本発明のレーザー加工装置(本加工装置)は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物をレーザー光線の照射によって加工するレーザー加工手段と、該チャックテーブルを該レーザー加工手段に対して相対的にX軸方向に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルを該レーザー加工手段に対して相対的に該X軸方向に直交するY軸方向にインデックス送りするインデックス送り手段と、を備えるレーザー加工装置であって、該レーザー加工手段は、レーザー光線を発振するレーザー発振器と、該レーザー発振器から発振されたレーザー光線を集光する集光器と、該レーザー発振器と該集光器との間に配設され、レーザー光線の進行方向に垂直な方向であるW軸方向のエネルギー分布を、裾野部分が垂直なガウシアン分布に修正するエネルギー分布修正手段と、を備え、該エネルギー分布修正手段は、レーザー光線のW軸方向の一方側を遮光する第1板と、該第1板に対向し、レーザー光線のW軸方向の他方側を遮光する第2板と、該第1板および該第2板の少なくとも一方をW軸方向に移動させることにより、該第1板と該第2板との間によってスリットを形成するスリット形成手段と、該スリットを形成している状態の該第1板および該第2板を共にW軸方向に移動させるW軸方向移動手段と、該スリットおよび該集光器を通過したレーザー光線のエネルギー量を測定するパワーメータと、該スリットを形成している状態の該第1板および該第2板が、該W軸方向移動手段によって共にW軸方向に移動されているときに、該パワーメータによるレーザー光線のエネルギー量の測定値を取得し、この測定値が最大値になったときに、該スリットの中心とレーザー光線の光軸の中心とが一致したと認識する認識部と、該認識部によって該スリットの中心とレーザー光線の光軸の中心とが一致したと認識されたときに、該W軸方向移動手段の動作を停止する制御部と、を備える。
本加工装置では、スリット形成手段が第1板の位置を変更することによって、スリット幅を適切に設定する。さらに、認識部および制御部が、パワーメータの出力値に応じてW軸方向移動手段を制御することによって、スリットの中心とレーザー光線の光軸とが一致するような位置に、第1板および第2板を配置する。
これにより、本加工装置では、スリット幅、すなわち、レーザー光線によって被加工物に形成される分割溝の幅を変更しても、スリットの中心とレーザー光線の光軸の中心とを一致させて分割溝の形状を適切に維持することができる。したがって、被加工物をアブレーション加工する際、分割溝の幅を、容易かつ自在に変更することができる。
また、分割溝の幅を変更しても分割溝の形状を適切に維持することができるので、分割溝の深さを均一にすることができる。このため、被加工物の分割不良を抑制することもできる。
レーザー加工装置の構成を示す斜視図である。 エネルギー分布修正手段の構成を示す説明図である。 第1板および第2板を大きく開いた状態を示す説明図である。 第1板と第2板との間によって、所定のスリット幅を有するスリットが形成された状態を示す説明図である。 スリットを形成している第1板および第2板がW2方向に移動されている状態を示す説明図である。 上記のスリットの中心がレーザー光線の光軸の中心に一致された状態を示す説明図である。
図1に示すレーザー加工装置10は、レーザー光線によってアブレーション加工することによって、ウェーハ1に分割溝を形成するものである。
レーザー加工装置10は、直方体状の基台11、および、基台11の一端に立設された立壁部13を備えている。
基台11の上面には、チャックテーブル43を移動させるチャックテーブル移動機構14が設けられている。チャックテーブル移動機構14は、チャックテーブル43を、X軸方向に加工送りするとともに、X軸方向に直交するY軸方向にインデックス送りする。
チャックテーブル移動機構14は、チャックテーブル43を備えたチャックテーブル部40、チャックテーブル43をインデックス送り方向に移動するインデックス送り手段20、および、チャックテーブル43を加工送り方向に移動する加工送り手段30を備えている。
インデックス送り手段20は、チャックテーブル43を、レーザー加工手段12に対して相対的に、Y軸方向にインデックス送りする。
インデックス送り手段20は、Y軸方向に延びる一対のガイドレール23、ガイドレール23に載置されたY軸テーブル24、ガイドレール23と平行に延びるボールネジ25、および、ボールネジ25を回転させる駆動モータ26を含んでいる。
一対のガイドレール23は、Y軸方向に平行に、基台11の上面に配置されている。Y軸テーブル24は、一対のガイドレール23上に、これらのガイドレール23に沿ってスライド可能に設置されている。Y軸テーブル24上には、加工送り手段30およびチャックテーブル部40が載置されている。
ボールネジ25は、Y軸テーブル24の下面側に設けられたナット部(図示せず)に螺合されている。駆動モータ26は、ボールネジ25の一端部に連結されており、ボールネジ25を回転駆動する。ボールネジ25が回転駆動されることで、Y軸テーブル24、加工送り手段30およびチャックテーブル部40が、ガイドレール23に沿って、インデックス送り方向(Y軸方向)に移動する。
加工送り手段30は、チャックテーブル43を、レーザー加工手段12に対して相対的に、X軸方向に加工送りする。
加工送り手段30は、X軸方向に延びる一対のガイドレール31、ガイドレール31上に載置されたX軸テーブル32、ガイドレール31と平行に延びるボールネジ33、および、ボールネジ33を回転させる駆動モータ35を備えている。
一対のガイドレール31は、X軸方向に平行に、Y軸テーブル24の上面に配置されている。X軸テーブル32は、一対のガイドレール31上に、これらのガイドレール31に沿ってスライド可能に設置されている。X軸テーブル32上には、チャックテーブル部40およびパワーメータ80が載置されている。
ボールネジ33は、X軸テーブル32の下面側に設けられたナット部(図示せず)に螺合されている。駆動モータ35は、ボールネジ33の一端部に連結されており、ボールネジ33を回転駆動する。ボールネジ33が回転駆動されることで、X軸テーブル32およびチャックテーブル部40が、ガイドレール31に沿って、加工送り方向(X軸方向)に移動する。
チャックテーブル部40は、被加工物の一例としてのウェーハ1を保持するために用いられる。図1に示すように、ウェーハ1は、リングフレームF、粘着テープTおよびウェーハ1を含むワークセットWSとして、チャックテーブル部40に保持される。
チャックテーブル部40は、ウェーハ1を保持するチャックテーブル43、チャックテーブル43の周囲に設けられたクランプ部45、および、チャックテーブル43を支持するθテーブル47を有している。θテーブル47は、X軸テーブル32の上面に、XY平面内で回転可能に設けられている。チャックテーブル43は、ウェーハ1を吸着保持するための部材である。チャックテーブル43は、円板状に形成されており、θテーブル47上に設けられている。
チャックテーブル43の上面には、ポーラスセラミックス材を含む保持面が形成されている。この保持面は、吸引源(図示せず)に連通されている。チャックテーブル43の周囲には、支持アームを含む4つのクランプ部45が設けられている。4つのクランプ部45は、エアアクチュエータ(図示せず)により駆動されることで、チャックテーブル43に保持されているウェーハ1の周囲のリングフレームFを、四方から挟持固定する。
レーザー加工装置10の立壁部13は、チャックテーブル移動機構14の後方に立設されている。立壁部13の前面に、レーザー加工手段12が設けられている。
レーザー加工手段12は、チャックテーブル43に保持されたウェーハ1を、レーザー光線を照射することによって加工する。本実施形態では、レーザー加工手段12は、ウェーハ1をレーザー光線によってアブレーション加工することによって、ウェーハ1に分割溝を形成する。
レーザー加工手段12は、ウェーハ1にレーザー光線を照射する加工ヘッド18、および、加工ヘッド18を支持するアーム部17を有している。
アーム部17は、立壁部13から、チャックテーブル移動機構14の方向に突出している。加工ヘッド18は、チャックテーブル移動機構14におけるチャックテーブル部40のチャックテーブル43あるいはパワーメータ80に対向するように、アーム部17の先端に支持されている。
アーム部17および加工ヘッド18の内部には、レーザー加工手段12の光学系が設けられている。
図2に示すように、レーザー加工手段12は、アーム部17内に、レーザー光線Lを発振するレーザー発振器61、および、レーザー光線Lのエネルギー分布を修正するエネルギー分布修正器62を備えている。
また、レーザー加工手段12は、加工ヘッド18内に、レーザー光線Lを反射する反射ミラー65、および、レーザー光線Lを集光して出力する集光レンズ(集光器)66を有している。
レーザー発振器61は、たとえば固体レーザー光源である。レーザー発振器61は、アーム部17内において−Y方向にレーザー光線を発振する。レーザー光線Lのエネルギー分布は、ガウシアン分布によって近似することができる。したがって、レーザー光線Lのエネルギーは、W軸方向の断面では、矢印Aに示すような分布を有する。
ここで、W軸方向は、レーザー光線Lの進行方向に直交するとともに、加工送り方向であるX軸方向(図2の紙面に垂直な方向)に直交する方向である。したがって、W軸方向は、アーム部17内ではZ軸方向と一致し、加工ヘッド18内ではY軸方向と一致する。
エネルギー分布修正器62は、レーザー光線Lの一部を遮光することが可能なように構成されており、レーザー光線LにおけるW軸方向のエネルギー分布の修正に寄与する。
エネルギー分布修正器62を経たレーザー光線Lは、加工ヘッド18内の反射ミラー65によって−Z方向に反射され、集光レンズ66に導かれる。集光レンズ66は、レーザー光線Lを集光して、加工ヘッド18の外部に向けて、−Z方向に照射する。
集光レンズ66によって集光されたレーザー光線Lは、図1に示したウェーハ1を加工する際には、チャックテーブル43上のウェーハ1に照射される。
一方、レーザー光線Lにおけるエネルギー分布の修正時には、図2に示すように、レーザー光線Lは、パワーメータ80に照射される。
以下に、レーザー加工装置10におけるエネルギー分布修正手段について説明する。エネルギー分布修正手段は、レーザー光線LにおけるW軸方向のエネルギー分布を、矢印Bによって示すように、裾野部分が垂直なガウシアン分布に修正する。これにより、レーザー光線Lの幅(W軸方向の長さ)が設定される。
レーザー加工装置10におけるエネルギー分布修正手段は、上述したアーム部17および加工ヘッド18に内蔵されたレーザー加工手段12の光学系に加えて、図2に示す制御部52、認識部53およびパワーメータ80を含む。
図2に示すように、レーザー加工手段12のエネルギー分布修正器62は、レーザー光線Lの+W側に配された第1板63を備えている。さらに、エネルギー分布修正器62は、第1板63に対向するようにレーザー光線Lの−W側に配された第2板64を備えている。
また、エネルギー分布修正器62は、第1板63をW軸方向に移動させる第1移動機構631を備えている。第1移動機構631は、スリット形成手段の一例に相当する。
さらに、エネルギー分布修正器62は、第1板63と第2板64とを、W軸方向に沿って一緒に移動させるW軸方向移動手段67を備えている。すなわち、W軸方向移動手段67は、第1板63および第2板64を、W軸方向に沿って、同じ方向に同じ距離だけ同時に移動させる。
そして、本実施形態では、第1板(上の刃)63は、第1移動機構631あるいはW軸方向移動手段67によって図2に示す第1方向としてのW1方向(+W側から−W側へ向かう方向)に移動されることにより、レーザー光線LにおけるW軸方向の一方側(+W側)を遮光することが可能となっている。
一方、第2板(下の刃)64は、W軸方向移動手段67によって図2に示す第2方向としてのW2方向(−W側から+W側へ向かう方向)に移動されることにより、レーザー光線LにおけるW軸方向の他方側(−W側)を遮光することが可能となっている。
パワーメータ80は、レーザー光線Lの進行方向における集光レンズ66の下流に配置されている。パワーメータ80は、集光レンズ66によって集光されたレーザー光線Lの照射を受ける。これにより、パワーメータ80は、照射されるレーザー光線Lのエネルギー量を測定する。
そして、エネルギー分布修正手段は、アブレーション加工によってウェーハ1に形成される切削溝の幅および形状を調整するために、レーザー光線Lのエネルギー分布修正を実施する。
すなわち、エネルギー分布修正手段は、第1板63と第2板64との間によって、レーザー光線Lを透過させるスリットSを形成する。スリットSを抜けたレーザー光線Lは、集光レンズ66によって集光されて、外部に照射される。そして、外部に照射されるレーザー光線Lの幅(W軸方向の長さ)は、このスリットSの幅に応じた値となる。さらに、レーザー光線Lの幅は、ウェーハ1に形成される分割溝の幅に対応する。
したがって、本実施形態にかかるエネルギー分布修正では、エネルギー分布修正手段は、スリットSの幅を、作業者の望む適切な幅に設定する。
さらに、エネルギー分布修正手段は、スリットSの中心(幅の中心)がレーザー光線Lの光軸の中心と一致するように、第1移動機構631、第2移動機構641およびW軸方向移動手段67を制御する。
このようにスリットSの中心がレーザー光線Lの光軸の中心と一致している場合、スリットSを透過したレーザー光線Lのエネルギー分布は、垂直な裾野部分を有する適切なガウシアン分布となる。これにより、ウェーハ1に形成される切削溝の形状を、所望の形状とすることができる。
以下に、エネルギー分布修正手段によるエネルギー分布修正の動作について説明する。
図3に示すように、エネルギー分布修正では、まず、第1移動機構631およびW軸方向移動手段67が、レーザー光線Lが第1板63および第2板64によって遮光されないように、第1板63と第2板64との間を大きく開く。さらに、加工ヘッド18における集光レンズ66の真下に、パワーメータ80が配置される。
その後、レーザー発振器61からレーザー光線Lが発振される。発振されたレーザー光線Lは、図2に示したエネルギー分布修正器62、反射ミラー65および集光レンズ66を介して、パワーメータ80に照射される。パワーメータ80は、レーザー光線Lのエネルギー量を測定する。
なお、図3等では、説明を簡略化するために、集光レンズ66によって集光されてパワーメータ80に照射されるレーザー光線Lの幅を、スリットSを抜けたレーザー光線Lの幅と同様としている。
次に、図4に示すように、第1移動機構631(図2参照)が、第1板63をW1方向に移動させることにより、第1板63と第2板64との間によって、所定のスリット幅D0を有するスリットSを形成する。この際、第2板64は、たとえば、レーザー光線Lを遮光しない位置である開放位置にある。
さらに、図5に示すように、W軸方向移動手段67(図2参照)が、スリットSを形成している状態の第1板63および第2板64を、共に、W2方向に移動させる。このとき、パワーメータ80は、スリットSおよび集光器60(図2参照)を通過したレーザー光線Lのエネルギー量を測定している。
認識部53は、スリットSを形成している状態の第1板63および第2板64が、W軸方向移動手段67によって共にW2方向に移動されているときに、パワーメータ80によるレーザー光線Lのエネルギー量の測定値を、継続的に取得する。そして、認識部53は、パワーメータ80の測定値が最大値になったときに、図6に示すように、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致したと認識する。
よって、レーザー光線Lの光軸の中心は、ガウシアン分布のエネルギーピークと一致している。
そして、このとき、すなわち、認識部53によってスリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致したと認識されたときに、制御部52が、W軸方向移動手段67の動作を停止する。これにより、第1板63および第2板64が、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致するような位置に配置される。
以上のように、本実施形態では、第1移動機構631が第1板63の位置を変更することによって、スリットSのスリット幅D0を適切に設定する。さらに、認識部53および制御部52が、パワーメータ80の出力値に応じてW軸方向移動手段67を制御することによって、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致するような位置に、第1板63および第2板64を配置する。
これにより、本実施形態では、スリットSのスリット幅D0、すなわち分割溝の幅を変更しても、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とを一致させて、分割溝の形状を適切に維持することができる。したがって、本実施形態では、ウェーハ1をアブレーション加工する際、分割溝の幅を、容易かつ自在に変更することができる。
また、本実施形態では、分割溝の幅を変更しても分割溝の形状を適切に維持することができるので、分割溝の深さを均一にすることができる。このため、ウェーハ1の分割不良を抑制することもできる。
なお、上記のように、認識部53は、W軸方向移動手段67によって第1板63および第2板64がW2方向に移動されている際、パワーメータ80の測定値が最大値になったときに、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致したと認識する。
この際、制御部52は、パワーメータ80の測定値が最大値となってから所定時間経過した後に、W軸方向移動手段67の動作(第1板63および第2板64のW2方向への移動)を停止してもよい。この場合、第1板63および第2板64は、パワーメータ80の測定値が最大値となる位置を、いったん通りすぎることになる。
その後、制御部52は、W軸方向移動手段67を制御して、第1板63および第2板64を、第2方向とは逆向きのW1方向に移動させる(引き返させる)。そして、認識部53は、第1板63および第2板64がW1方向に移動されている際、パワーメータ80の測定値が最大値になったときに、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とが一致したと認識し、これに応じて、制御部52が、W軸方向移動手段67の動作を停止させる。
このような構成によっても、スリットSの中心とレーザー光線Lの光軸の中心L1とを、容易に一致させることができる。
また、認識部53は、パワーメータ80の測定値の傾きを継続的に検出し、この傾きが0になったことに基づいて、パワーメータ80の測定値が最大値となったと認識してもよい。
また、本実施形態では、スリット形成手段としての第1移動機構631が、第1板63をW1方向に移動させることによって、第1板63と第2板64との間によって、スリット幅D0を有するスリットSを形成している。これに限らず、スリット形成手段が、第2板64をW2方向に移動させること、あるいは、第1板63をW1方向に移動させるとともに、第2板64をW2方向に移動させることによって、第1板63と第2板64との間によって、スリット幅D0を有するスリットSを形成してもよい。
1:ウェーハ、F:リングフレーム、T:粘着テープ、W:ワークセット、
10:レーザー加工装置、20:インデックス送り手段、30:加工送り手段、
40:チャックテーブル部、43:チャックテーブル、
12:レーザー加工手段、17:アーム部、18:加工ヘッド、
61:レーザー発振器、62:エネルギー分布修正器、80:パワーメータ、
63:第1板、64:第2板、65:反射ミラー、66:集光レンズ、
67:W軸方向移動手段、631:第1移動機構、
52:制御部、53:認識部、
L:レーザービーム、L1:光軸の中心
S:スリット、D0:所定のスリット幅

Claims (1)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物をレーザー光線の照射によって加工するレーザー加工手段と、該チャックテーブルを該レーザー加工手段に対して相対的にX軸方向に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルを該レーザー加工手段に対して相対的に該X軸方向に直交するY軸方向にインデックス送りするインデックス送り手段と、を備えるレーザー加工装置であって、
    該レーザー加工手段は、
    レーザー光線を発振するレーザー発振器と、
    該レーザー発振器から発振されたレーザー光線を集光する集光器と、
    該レーザー発振器と該集光器との間に配設され、レーザー光線の進行方向に垂直な方向であるW軸方向のエネルギー分布を、裾野部分が垂直なガウシアン分布に修正するエネルギー分布修正手段と、を備え、
    該エネルギー分布修正手段は、
    レーザー光線のW軸方向の一方側を遮光する第1板と、
    該第1板に対向し、レーザー光線のW軸方向の他方側を遮光する第2板と、
    該第1板および該第2板の少なくとも一方をW軸方向に移動させることにより、該第1板と該第2板との間によってスリットを形成するスリット形成手段と、
    該スリットを形成している状態の該第1板および該第2板を共にW軸方向に移動させるW軸方向移動手段と、
    該スリットおよび該集光器を通過したレーザー光線のエネルギー量を測定するパワーメータと、
    該スリットを形成している状態の該第1板および該第2板が、該W軸方向移動手段によって共にW軸方向に移動されているときに、該パワーメータによるレーザー光線のエネルギー量の測定値を取得し、この測定値が最大値になったときに、該スリットの中心とレーザー光線の光軸の中心とが一致したと認識する認識部と、
    該認識部によって該スリットの中心とレーザー光線の光軸の中心とが一致したと認識されたときに、該W軸方向移動手段の動作を停止する制御部と、を備える、
    レーザー加工装置。
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