JP2020182744A - 歩行支援装置 - Google Patents

歩行支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020182744A
JP2020182744A JP2019089114A JP2019089114A JP2020182744A JP 2020182744 A JP2020182744 A JP 2020182744A JP 2019089114 A JP2019089114 A JP 2019089114A JP 2019089114 A JP2019089114 A JP 2019089114A JP 2020182744 A JP2020182744 A JP 2020182744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
handle
shaft
frame
pair
walking support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019089114A
Other languages
English (en)
Inventor
柴田 由之
Yoshiyuki Shibata
由之 柴田
学 金谷
Manabu Kanetani
学 金谷
松岡 祐樹
Yuki Matsuoka
祐樹 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2019089114A priority Critical patent/JP2020182744A/ja
Publication of JP2020182744A publication Critical patent/JP2020182744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

【課題】脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を支援することができる歩行支援装置を提供する。【解決手段】歩行支援装置は、フレームと、駆動輪を含む複数の車輪と、走行用駆動装置と、バッテリと、フレーム前後方向に移動可能とされた左右一対の持ち手と、それぞれの持ち手に固定されてフレーム前後方向に移動可能に設けられた左右一対の操作部材と、一対の操作部材のフレーム前後方向におけるそれぞれの移動量の和が略一定となるように一対の操作部材を連結する連結部材と、一方の操作部材に配置されて、一方の持ち手の状態を検出する持ち手状態検出装置と、持ち手状態検出装置を用いて検出した一方の持ち手の状態及び連結部材を介して連結された他方の持ち手の状態に基づいて走行用駆動装置を制御する制御装置と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行支援装置に関する。
自立歩行可能な使用者が、より質の高い自然な歩行のトレーニングを行うには、歩行器に寄り掛からず、体幹を真っ直ぐにした正しい姿勢で、脚に同期させて正しく腕を振りながら歩行することが非常に重要である。
例えば、特許文献1に記載の手押し車は、使用者が、左右方向に延びるように手押し車に固定されたハンドルバーを把持してハンドルバーを押すと、手押し車を押す力であるハンドル力の大きさと、その方向に応じて、手押し車に対して進行方向の移動をアシストするアシスト力を発生させる。
また例えば、特許文献2に記載の電動式4輪手押し杖車は、左右方向に延びるように電動式4輪手押し杖車に固定された可動手押し外筒が握られて前方斜め下に押されると電動で前進し、手を離すと自動的に停止する。
特開2017−12546号公報 特開平8−280763号公報
特許文献1に記載の手押し車では、使用者が把持するハンドルバーが手押し車に固定されているので、使用者が、脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を支援することができない。
特許文献2に記載の電動式4輪手押し杖車も特許文献1と同様に、使用者が把持する可動手押し外筒が電動式4輪手押し杖車に固定されているので、使用者が、脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を支援することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を支援することができる歩行支援装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、フレームと、前記フレームに設けられた少なくとも1つの駆動輪を含む複数の車輪と、前記駆動輪を駆動する走行用駆動装置と、前記走行用駆動装置を動作させるバッテリと、使用者に把持されて前記フレームに対する前後方向であるフレーム前後方向に移動可能とされた左右一対の持ち手と、一対の前記持ち手のそれぞれに固定されて前記フレーム前後方向に移動可能に設けられた左右一対の操作部材と、一対の前記操作部材の前記フレーム前後方向におけるそれぞれの移動量の和が略一定となるように一対の前記操作部材を連結する連結部材と、一方の前記操作部材に配置されて、一方の前記持ち手の状態を検出する持ち手状態検出装置と、前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手の状態及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の状態を検出して、それぞれの前記持ち手の状態に基づいて前記走行用駆動装置を制御する制御装置と、を備えた、歩行支援装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る歩行支援装置において、一対の前記操作部材は、一対の前記持ち手のそれぞれに固定されて前記フレーム前後方向に延びる左右一対のシャフトと、前記フレーム前後方向に延びてそれぞれの前記シャフトを前記フレーム前後方向に移動可能となるように収容していると共に前記フレームに取り付けられる左右一対の筒状部と、を有し、前記連結部材は、一対の前記筒状部に収容された一対の前記シャフトの前記フレーム前後方向におけるそれぞれの移動量の和が略一定となるように一対の前記シャフトを連結する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る歩行支援装置において、それぞれの前記シャフトには、該シャフトが収容された前記筒状部に対する前記フレーム前後方向におけるシャフト基準位置が設定されており、それぞれの前記筒状部は、前記シャフト基準位置から前記フレーム前後方向前方または後方に移動した前記シャフト及び前記持ち手を前記シャフト基準位置へと戻すシャフト位置復元部材を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係る歩行支援装置において、一対の前記筒状部のうちのいずれか一方の前記筒状部は、前記シャフト基準位置の近傍となるように前記フレーム前後方向の前後規制範囲に前記シャフトを保持するロック状態と、前記フレーム前後方向において前記前後規制範囲を超えて前記フレーム前後方向に前記シャフトが移動することを許容する解除状態と、に切替え可能なロック機構を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第2の発明乃至第4の発明のいずれか1つに係る歩行支援装置において、前記連結部材は、一対の前記筒状部のそれぞれに形成された一対のワイヤ挿通孔と、前記一対のワイヤ挿通孔に一端部と他端部のそれぞれが接続されたチューブと、前記チューブ及び一対の前記ワイヤ挿通孔に挿通されて、一端部と他端部とが一対の前記筒状部に収容された一対の前記シャフトのそれぞれに接続されたワイヤと、を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第6の発明は、上記第2の発明乃至第5の発明のいずれか1つに係る歩行支援装置において、一対の前記筒状部及び一対の前記シャフトは、一対の前記筒状部に収容されたそれぞれの前記シャフトが、それぞれの前記筒状部から抜けることを防止する抜け防止構造を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第7の発明は、上記第2の発明乃至第6の発明のいずれか1つに係る歩行支援装置において、一対の前記筒状部及び一対の前記シャフトは、それぞれの前記シャフトがそれぞれの前記筒状部の内部において、前記フレーム前後方向に延びるシャフト中心軸線回りに回転することを防止する回転防止構造を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第8の発明は、上記第2の発明乃至第7の発明のいずれか1つに係る歩行支援装置において、地面に対する前記歩行支援装置の進行速度を検出する進行速度検出装置を備え、前記持ち手状態検出装置は、一方の前記筒状部に対する該筒状部に収容された一方の前記シャフト及び前記持ち手の前記フレーム前後方向の位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力し、前記制御装置は、前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の前記フレームに対する前記フレーム前後方向におけるそれぞれの前記持ち手の位置であるそれぞれの持ち手前後位置を算出する、持ち手前後位置算出部と、算出したそれぞれの前記持ち手前後位置に基づいて、前記歩行支援装置に対するそれぞれの前記持ち手の移動速度である持ち手移動速度を算出する、持ち手移動速度算出部と、前記持ち手前後位置と前記持ち手移動速度との少なくとも一方と、前記進行速度と、に基づいた目標速度となるように前記走行用駆動装置を制御する、進行速度調整部と、を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第9の発明は、上記第4の発明に係る歩行支援装置において、地面に対する前記歩行支援装置の進行速度を検出する進行速度検出装置を備え、一方の前記筒状部に収容された前記シャフトは、前記ロック状態の場合、前記前後規制範囲にて前記フレーム前後方向に移動可能であり、前記持ち手状態検出装置は、一方の前記筒状部に対する該筒状部に収容された前記シャフト及び前記持ち手の前記フレーム前後方向の位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力し、前記制御装置は、前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手の前記フレームに対する前記フレーム前後方向における位置である持ち手前後位置を算出する、持ち手前後位置算出部と、前記ロック状態である場合、且つ、前記持ち手前後位置が前記シャフト基準位置に対応する位置よりも前方である場合に、前記歩行支援装置が前記進行速度の方向に加速するように前記走行用駆動装置を制御する、進行速度調整部と、を有する、歩行支援装置である。
次に、本発明の第10の発明は、上記第9の発明に係る歩行支援装置において、前記制御装置は、前記解除状態である場合に、算出した一方の前記持ち手及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の前記フレームに対する前記持ち手前後位置に基づいて、前記歩行支援装置に対するそれぞれの前記持ち手の移動速度である持ち手移動速度を算出する、持ち手移動速度算出部を有し、前記解除状態である場合には、前記進行速度調整部は、前記持ち手前後位置と前記持ち手移動速度との少なくとも一方と、前記進行速度と、に基づいた目標速度となるように前記走行用駆動装置を制御する、歩行支援装置である。
第1の発明によれば、使用者が把持する左右一対のそれぞれの持ち手には、フレーム前後方向に移動可能に設けられた左右一対の操作部材が固定されている。また、一対の操作部材は、連結部材によって連結されて、フレーム前後方向におけるそれぞれの操作部材の移動量の和が略一定となるように設定されている。また、一方の操作部材には、一方の持ち手の状態を検出する持ち手状態検出装置が配置されている。そして、使用者が把持している持ち手とともに腕を前後に振りながら歩行すると、腕振り状態(持ち手状態検出装置によって検出した持ち手状態)に基づいて走行用駆動装置を制御して歩行支援装置を進行させる。
これにより、左右の操作部材が互いに連結部材で連結されているため、使用者は、把持している左右の持ち手の動きに合わせて両腕を前後に振りながら、歩行支援装置の進行に合わせて歩行することが可能となる。従って、腕を脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を適切に支援することができる。また、左右の操作部材が連結部材で連結されているため、持ち手状態検出装置を一方の操作部材に配置すればよいため、簡易な構成で左右の腕振り状態を検出することができる。
第2の発明によれば、使用者が把持する左右一対のそれぞれの持ち手には、左右一対のそれぞれのシャフトが固定されており、それぞれのシャフトは、左右一対のそれぞれの筒状部に収容されてフレーム前後方向に移動可能である。また、一対のシャフトは、連結部材によって連結されて、フレーム前後方向におけるそれぞれのシャフトの移動量の和が略一定となるように設定されている。また、一方の筒状部には、内部に収容するシャフトに固定された持ち手の状態を検出する持ち手状態検出装置が配置されている。
これにより、左右のシャフトが互いに連結部材で連結されているため、使用者は、把持している左右の持ち手の動きに合わせて両腕を前後に振りながら、歩行支援装置の進行に合わせて歩行することが可能となる。従って、腕を脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を適切に支援することができる。また、左右のシャフトが連結部材で連結されているため、持ち手状態検出装置を一方の筒状部に配置すればよいため、簡易な構成で左右の腕振り状態を検出することができる。
第3の発明によれば、使用者が、持ち手を把持した腕を前後に振りながら歩行している際、シャフト(つまり持ち手)には、シャフト位置復元部材によって自動的にシャフト基準位置へと戻される力が働いている。つまり、前方に振り出した腕を後方に押し戻す力、あるいは、後方に振り出した腕を前方に押し戻す力が働くので、使用者の前後方向の腕振りを支援することができる。また、使用者が持ち手を離した際、シャフト(つまり持ち手)は、自動的にシャフト基準位置へ戻されるので、便利である。
第4の発明によれば、一方の筒状部に設けられたロック機構をロック状態にすることによって、一方のシャフトのフレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲に保持できる。また、同時に、他方のシャフトも、一方のシャフトに連結部材によって連結されているため、フレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲に保持できる。
従って、使用者が腕を振りながら歩行することを所望していない場合は、ロック機構をロック状態にすることで、左右のシャフト(つまり、左右の持ち手)のフレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲に保持できるので、便利である。また、ロック機構を一方の筒状部に設ければよいため、簡易な構成で左右のシャフト(つまり、左右の持ち手)のフレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲に保持できる。
第5の発明によれば、左右一対の筒状部に収容された一対のシャフトは、一対の筒状部のそれぞれに形成された一対のワイヤ挿通孔と、一対のワイヤ挿通孔に一端部と他端部のそれぞれが接続されたチューブとに挿通されたワイヤによって連結されている。これにより、簡易な構成で一対のシャフトを連結することができ、部品点数の削減化を図ることができる。
第6の発明によれば、シャフトが筒状部から抜けることを防止するので、より安全であり、使用者はシャフトが筒状部から抜ける心配をすることなく腕振り歩行に専念することができる。
第7の発明によれば、シャフトが筒状部内で回転することを防止するので、使用者が持ち手に余計な力(持ち手を捻る(絞る)力)を加えることなく腕振り歩行に専念することができる。
第8の発明によれば、歩行支援装置の目標速度を求める際の持ち手状態として、持ち手前後位置と持ち手移動速度との少なくとも一方を用いることで、持ち手状態(腕振り状態)と進行速度に基づいた目標速度を、適切に求めることができる。
第9の発明によれば、シャフトがシャフト基準位置の近傍に保持されて腕を振りながら歩行できないロック状態である場合で、かつ、持ち手が前方に押された場合に、歩行支援装置を進行速度の方向に加速させる。これにより、使用者が腕を振りながら歩行することを所望していない場合であっても、歩行支援装置を適切に進行させることができる。
第10の発明によれば、シャフト(つまり持ち手)をフレーム前後方向に移動可能な解除状態である場合では、目標速度を求める際の持ち手状態として、持ち手前後位置と持ち手移動速度との少なくとも一方を用いることで、持ち手状態(腕振り状態)と進行速度に基づいた目標速度を、適切に求めることができる。
歩行支援装置の外観を説明する斜視図である。 フレームを左右方向に折り畳む前の開いた状態を説明する図である。 フレームを左右方向に折り畳んだ状態を説明する図である。 フレームの右側に配置された筒状部、シャフト、持ち手の外観と構造の一例を説明する斜視図である。 図4において筒状部をV方向から見た図である。 ロック機構の構造の例を説明する図であり、シャフトを解除状態にした場合の一例を説明する図である。 ロック機構の構造の例を説明する図であり、シャフトをロック状態にした場合の一例を説明する図である。 シャフトがロック状態とされている場合であって、シャフト基準位置にシャフトが戻されている(保持されている)状態を説明する図である。 シャフトがロック状態とされている場合であって、前後規制範囲内においてシャフト基準位置よりも前方へと、シャフト及び持ち手が使用者に押されている状態を説明する図である。 シャフトがロック状態とされている場合であって、前後規制範囲内においてシャフト基準位置よりも後方へと、シャフト及び持ち手が使用者に引かれている状態を説明する図である。 シャフトが解除状態とされている場合であって、前後規制範囲を超えてシャフト基準よりも大きく後方へと、シャフト及び持ち手が使用者に引かれている状態を説明する図である。 操作パネルの外観の例を説明する図である。 歩行支援装置の制御装置の入出力を説明するブロック図である。 歩行支援装置の制御装置の処理手順(全体処理)を説明するフローチャートである。 図14に示す全体処理中の入力処理の処理手順を説明するフローチャートである。 図15に示す入力処理中の右(左)移動速度、移動方向、振幅算出処理の処理手順を説明するフローチャートである。 図14に示す全体処理中の対地速度補正量算出処理の処理手順を説明するフローチャートである。 図14に示す全体処理中の中央位置速度補正量算出処理の処理手順を説明するフローチャートである。 図14に示す全体処理中の進行速度調整処理の処理手順を説明するフローチャートである。 歩行支援装置の平面図であり、持ち手前後位置、持ち手前後中央位置、仮想前後基準位置等を説明する図である。 前後方向偏差・中央位置速度補正量特性の例を説明する図である。 持ち手を把持して腕を前後に振りながら歩行する使用者と、歩行支援装置及び持ち手の位置、の例を説明する図である。 他の実施形態に係るロック機構にロック検出スイッチを設けた一例を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交している。そして、X軸方向は、歩行支援装置10から見て前方に向かう方向を示し、Y軸方向は、歩行支援装置10から見て左に向かう方向を示し、Z軸方向は、歩行支援装置10からみて鉛直上方に向かう方向を示している。以降では、歩行支援装置10に対して、X軸方向を“前”、X軸方向に対して反対方向を“後”とし、Y軸方向を“左”、Y軸方向に対して反対方向を“右”、Z軸方向を“上”、Z軸方向に対して反対方向を“下”とする。また以降では、フレームの前後方向を「フレーム前後方向」と記載する。
●[歩行支援装置10の概略全体構成(図1〜図3)]
図1乃至図3を用いて、歩行支援装置10の概略全体構成を説明する。図1乃至図3に示すように、歩行支援装置10は、フレーム50と、前輪60FL、60FRと、後輪60RL、60RRと、走行用駆動装置64L、64Rと、バッテリBと、制御装置40と、持ち手20L、20Rと、シャフト21L、21Rと、筒状部30L、30R、バッグ50K等を有している。
フレーム50は、上下方向に延びて筒状部30L、30Rを支持する筒状部支持体51L、51Rと、フレーム50に対する前後方向であるフレーム前後方向に延びて車輪を支持する車輪支持体52L、52R等を有している。車輪支持体52Lは筒状部支持体51Lの下方に固定され、車輪支持体52Rは筒状部支持体51Rの下方に固定されている。また、図2は、フレーム50を左右方向に開いた状態を示し、図3は、フレーム50を左右方向に折り畳んだ状態を示している。
なお、図2及び図3ではバッグ50Kを省略している。図2及び図3に示すように、筒状部支持体51Lと筒状部支持体51Rは、リンク部材54L、54R、55L、55Rにて接続されている。そして、図2及び図3に示すように、歩行支援装置10は、使用していない場合には、図3に示すように折り畳むことで、占有スペースを小さくできるので便利である。
また、歩行支援装置10は、左右に折り畳まれた図3に示す状態から、左右に開いた図2に示す状態へと、容易に変更することができる。また、筒状部支持体51Lと筒状部支持体51Rの上方の側には、弾性変形可能な連結体53が設けられている。使用者は、フレーム50の開放されている側(後方)から筒状部30Lと筒状部30Rの間に入り、左右の手で持ち手20Lと持ち手20Rを把持して、歩行支援装置10を操作する。
筒状部支持体51Lの上端には筒状部30Lが保持され、筒状部支持体51Lの下方の側には、車輪支持体52Lが固定されている。なお、筒状部支持体51Lは、上下方向に伸縮可能とされており、腕を振りながら歩行する使用者の手の高さに応じて、筒状部30Lの高さを調整可能とされている。また、車輪支持体52Lの前方の側には、旋回自在なキャスタ輪である前輪60FLが設けられており、車輪支持体52Lの後方の側には、走行用駆動装置64Lにて駆動される後輪60RLが設けられている。
なお、筒状部支持体51R、筒状部30R、車輪支持体52R、前輪60FR、走行用駆動装置64R、後輪60RRも同様であるので、これらの説明は省略する。上記のように、フレーム50には複数の車輪(前輪60FL、60FR、後輪60RL、60RR)が設けられており、少なくとも1つの車輪(この場合、後輪60RL、後輪60RR)は、駆動輪である。
走行用駆動装置64Lは、例えば、電動モータであり、バッテリBから供給される電力に基づいた制御装置40からの制御信号に基づいて、後輪60RLを回転駆動する。同様に、走行用駆動装置64Rは、例えば、電動モータであり、バッテリBから供給される電力に基づいた制御装置40からの制御信号に基づいて、後輪60RRを回転駆動する。
また、走行用駆動装置64Lには、エンコーダ等の進行速度検出装置64LEが設けられており、走行用駆動装置64Lの回転に応じた検出信号を制御装置40に出力する。制御装置40は、進行速度検出装置64LEからの検出信号に基づいて、地面に対する歩行支援装置10の進行速度(後輪60RLによる進行速度)を検出することができる。同様に、走行用駆動装置64Rには、エンコーダ等の進行速度検出装置64REが設けられており、走行用駆動装置64Rの回転に応じた検出信号を制御装置40に出力する。制御装置40は、進行速度検出装置64REからの検出信号に基づいて、地面に対する歩行支援装置10の進行速度(後輪60RRによる進行速度)を検出することができる。
筒状部30Lは、フレーム前後方向に延びる筒状の形状を有し、フレーム前後方向に延びるシャフト21Lを、フレーム前後方向に移動可能となるように収容している。同様に、筒状部30Rは、フレーム前後方向に延びる筒状の形状を有し、フレーム前後方向に延びるシャフト21Rを、フレーム前後方向に移動可能となるように収容している。筒状部30Lと筒状部30Rは、左右一対で設けられている。
シャフト21Rは、フレーム前後方向に延びる筒状の形状を有して少なくとも一部が中空状とされ(図4参照)、筒状部30R内に収容されてフレーム前後方向に移動可能とされている。そしてシャフト21Rの後端部には、持ち手20Rが固定されている。同様に、シャフト21Lは、フレーム前後方向に延びる筒状の形状を有して少なくとも一部が中空状とされ、筒状部30L内に収容されてフレーム前後方向に移動可能とされている。そしてシャフト21Lの後端部には、持ち手20Lが固定されている。シャフト21Lとシャフト21Rは、左右一対で設けられている。
持ち手20Lは、使用者が左手で把持する個所であり、シャフト21Lの後端部に固定され、使用者の歩行に伴う左腕の振りに合わせて、筒状部30Lに対して(すなわち、フレーム50に対して)シャフト21Lとともに、フレーム前後方向に移動可能とされている。なお、持ち手20Lには、後輪60RLの回転を減速させるブレーキレバーBKLが設けられている。同様に、持ち手20Rは、使用者が右手で把持する個所であり、シャフト21Rの後端部に固定され、使用者の歩行に伴う右腕の振りに合わせて、筒状部30Rに対して(すなわち、フレーム50に対して)シャフト21Rとともに、フレーム前後方向に移動可能とされている。なお、持ち手20Rには、後輪60RRの回転を減速させるブレーキレバーBKLが設けられている。持ち手20Lと持ち手20Rは、左右一対で設けられている。
筒状部30Lと筒状部30Rの先端部には、それぞれワイヤ挿通孔30L2、30R2(図11参照)が貫通して形成されている。そして、撓み可能な合成樹脂製等のチューブ82の一端部が、筒状部30Lのワイヤ挿通孔30L2に接続され、チューブ82の他端部が、筒状部30Rのワイヤ挿通孔30R2に接続されている。このチューブ82及び各ワイヤ挿通孔30L2、30R2には、一端側がシャフト21Lの先端部に固定されると共に、他端側がシャフト21Rの先端部に固定されたワイヤ81(図11参照)が挿通されている。
筒状部30R内には、持ち手20Rの状態を検出可能な持ち手状態検出装置21RSが設けられている。例えば、持ち手状態検出装置21RSはエンコーダであり、シャフト21Rのフレーム前後方向の動きに応じて回転し、筒状部30R内におけるシャフト21Rのフレーム前後方向の位置(すなわち、持ち手20Rのフレーム前後方向の位置)に応じた検出信号を制御装置40に出力する。制御装置40は、持ち手状態検出装置21RSからの検出信号に基づいて、フレーム50に対する(筒状部30Rに対する)持ち手20Rのフレーム前後方向の位置である(右)持ち手前後位置を求めることができる。ここで、シャフト21Rと筒状部30Rは、一方の操作部材の一例として機能する。
また、シャフト21Lの先端部とシャフト21Rの先端部とは、ワイヤ81によって接続されているため、持ち手20R及びシャフト21Rのフレーム前後方向の動きに応じて、持ち手20L及びシャフト21Lがフレーム前後方向において、反対方向に動く(図11参照)。従って、制御装置40は、持ち手状態検出装置21RSからの検出信号に基づいて、フレーム50に対する(筒状部30Lに対する)持ち手20Lのフレーム前後方向の位置である(左)持ち手前後位置を求めることができる。ここで、シャフト21Lと筒状部30Lは、他方の操作部材の一例として機能する。
また、筒状部30Rには、使用者によって操作されるロック操作部31Rが設けられている。ロック操作部31Rは、フレーム前後方向に移動可能とされたシャフト21R及び持ち手20Rを、「ロック状態」と「解除状態」のいずれかの状態に設定する。「ロック状態」では、シャフト21R及び持ち手20Rのフレーム前後方向の移動範囲は、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲W1内(図8〜図10参照)に規制される。「解除状態」では、シャフト21R及び持ち手20Rの移動範囲は、前後規制範囲W1を超える範囲に許容される(図11参照)。
また、シャフト21Lの先端部とシャフト21Rの先端部とは、ワイヤ81によって接続されているため、ロック操作部31Rが使用者によって「ロック状態」に設定された場合には、シャフト21L及び持ち手20Lのフレーム前後方向の移動範囲も、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲W1内(図8〜図10参照)に規制される。また、ロック操作部31Rが使用者によって「解除状態」に設定された場合には、シャフト21L及び持ち手20Lの移動範囲も、前後規制範囲W1を超える範囲に許容される(図11参照)。
操作パネル70は、例えば、筒状部30Rの上面に設けられており、図12に示すように、メインスイッチ72、バッテリ残量表示部73、トレーニングモード指示部74、アシストモード指示部75、駆動トルク調整部76等を有している。なお、操作パネル70の詳細については後述する。
3軸加速度・角速度センサ50Sは、フレーム50に設けられており、X軸・Y軸・Z軸の3方向の軸のそれぞれに対して加速度を計測するとともに、3方向のそれぞれの軸を中心とした回転の角速度を計測し、計測結果に基づいた検出信号を制御装置40に出力する。例えば、3軸加速度・角速度センサ50Sは、歩行支援装置10が傾斜面を進行している場合、X軸・Y軸・Z軸のそれぞれに対する歩行支援装置10の傾斜角度に応じた検出信号を制御装置40に出力する。
また、例えば、3軸加速度・角速度センサ50Sは、歩行支援装置10の車体に加えられた加速度(例えば、車体への衝撃)を検出し、検出した加速度に応じた検出信号を制御装置40に出力する。また、例えば、3軸加速度・角速度センサ50Sは、歩行支援装置10の車体のピッチ角速度(Y軸回りの角速度)、ヨー角速度(Z軸回りの角速度)、ロール角速度(X軸回りの角速度)を検出し、検出した角速度に応じた検出信号を制御装置40に出力する。制御装置40は、3軸加速度・角速度センサ50Sからの検出信号に基づいて、歩行支援装置10のX軸・Y軸・Z軸に対するそれぞれの傾斜角度、加速度(衝撃)の大きさ、ピッチ角速度、ヨー角速度、ロール角速度を検出することができる。
●[筒状部30Rとシャフト21Rの詳細構造(図4、図5、図8)]
次に、図4、図5及び図8を用いて、右側に配置される筒状部30R、シャフト21R、及び、持ち手20R等の詳細構造について説明する。尚、左側に配置される筒状部30L、シャフト21L、及び、持ち手20L等は、右側に配置される筒状部30R、シャフト21R、及び持ち手20R等とほぼ同じ構造である。但し、図1及び図11に示すように、左側に配置される筒状部30L及びシャフト21Lには、ロック操作部31R、及び、ロック操作部31Rに連動するロック機構(図6、図7参照)が設けられていない。また、筒状部30L内には、持ち手20Lの状態を検出する持ち手状態検出装置21RS(例えば、エンコーダである。)に替えて、案内ローラ33L(図11参照)が設けられている。
従って、右側の筒状部30R、シャフト21R、蓋部34R、持ち手20Rを例として説明し、左側の筒状部30L、シャフト21L、蓋部、持ち手20L(図1参照)については説明を省略する。図4は、筒状部30R、シャフト21R、蓋部34R、持ち手20Rの斜視図を示し、図5は、図4において筒状部30RをV方向から見た図である。なお図4及び図5では、ロック操作部31Rに連動するロック機構(図6、図7参照)については記載を省略している。
図4及び図5に示すように、筒状部30Rは、フレーム前後方向に延びる断面略四角形の筒状の形状を有し、内部には、案内レール32R、案内ローラ33R、持ち手状態検出装置21RS、弾性ユニット35R4等が設けられている。また、筒状部30Rの上面には、ロック操作部31R、操作パネル70等が設けられている。シャフト21Rは、持ち手嵌合孔21R1、ロック孔21R2、中空部21R3、被案内部材24R、シャフト側弾性部材26R、抜け防止部材25R等を有している。蓋部34Rには、シャフト21Rが挿通される挿通孔34R1が形成されている。持ち手20Rは、シャフト嵌合部20R1、ブレーキレバーBKL等を有している。
尚、図8に示すように、シャフト側弾性部材26R(シャフト位置復元部材に相当する)における一方の側(X軸方向に向かう側の先端)は、シャフト21Rが筒状部30R内に挿通された後、筒状部30R内の前端(X軸方向に向かう側の先端)に固定される。また、図8に示すように、シャフト側弾性部材26Rにおける他方の側(X軸方向とは反対方向に向かう側の先端)は、シャフト21R内の断面略円形の中空部21R3内に挿通されてシャフト21Rに固定されている。
また、図8に示すように、略箱体状に形成された弾性ユニット35R4は、筒状部30R内の前端(X軸方向に向かう側の先端)に固定されている。そして、弾性ユニット35R4は、筒状部側弾性部材35R1(シャフト位置復元部材に相当)、カラー35R2、ダンパ35R3、滑車85R等を有している。図8に示すように、筒状部側弾性部材35R1における一方の側(X軸方向に向かう側)の先端は、弾性ユニット35R4内の前端(X軸方向に向かう側の先端)に固定されている。また、筒状部側弾性部材35R1における他方の側(X軸方向とは反対方向に向かう側)の先端は、カラー35R2における前方の側の面に固定されている。
また、弾性ユニット35R4の前方側の面には、シャフト側弾性部材26Rの先端部が挿通される貫通孔が形成されている。また、弾性ユニット35R4の後方側の面には、シャフト21Rの先端側が弾性ユニット35R4内に進入可能で、且つ、カラー35R2よりも小さい貫通孔が形成されている。また、カラー35R2には、カラー35R2の下端部から下方に突出する滑車支持部材86R(図4参照)の先端部に回転可能に支持された滑車85Rが設けられている。また、弾性ユニット35R4の底面側には、この弾性ユニット35R4の前方側の面から後方側の面まで全長に渡って滑車85Rの幅よりも少し広い幅で切り欠かれて、滑車85Rがフレーム前後方向に移動可能に設けられた案内溝35R6が形成されている。
また、筒状部30Rの前側の端面(X軸方向に向かう側の端面)には、案内溝35R6の前端部(X軸方向に向かう側の先端部)に対応する位置に、ワイヤ81を挿通可能なワイヤ挿通孔30R2が貫通して形成されている。そして、ワイヤ81が挿通されるチューブ82の一方の端部が、チューブ取付部30R3を介して、筒状部30Rの前端面に設けられたワイヤ挿通孔30R2に接続されている。また、図11に示すように、チューブ82の他方の端部が、チューブ取付部30L3を介して、筒状部30Lの前端面に設けられたワイヤ挿通孔30L2に接続されている。
また、図11に示すように、ワイヤ81は、一端側が、シャフト21Rの先端部に設けられた下側の抜け防止部材25Rに固定された後、他端側が、滑車85Rを介して、ワイヤ挿通孔30R2、チューブ82、及びワイヤ挿通孔30L2に挿通された後、滑車85Lを経て、シャフト21Lの先端部に設けられた下側の抜け防止部材25Lに固定されている。これにより、例えば、持ち手20R及びシャフト21Rが、シャフト基準位置からシャフト前後方向後方側に距離S1だけ移動した場合には、持ち手20L及びシャフト21Lは、シャフト基準位置からシャフト前後方向前方側に距離S1だけ移動する。
また、図4に示すように、カラー35R2における後方の側の面には、シャフト21Rの先端が衝突した際の衝撃音等を吸収するダンパ35R3が取り付けられている。そして図8に示すシャフト基準位置では、ダンパ35R3における後方の側には、シャフト21Rの先端が接触している。
図4において、持ち手20Rのシャフト嵌合部20R1は、蓋部34Rの挿通孔34R1に挿通されて、シャフト21Rの持ち手嵌合孔21R1に嵌め込まれ、持ち手20Rとシャフト21Rとが一体化される。そして、シャフト21RはX軸方向回りに右回りに90°旋回されて筒状部30Rの上下の案内ローラ33Rの間に差し込まれ、X軸方向に沿って押し込まれていく。シャフト21Rの先端に径方向に沿って互いに反対側に突出するように設けられた一対の抜け防止部材25Rが、抜け防止パネル36Rを通過して案内レール32Rに達する前に、シャフト21RはX軸方向回りに左回りに90°旋回される。
そして、シャフト21Rが更にX軸方向に沿って押し込まれていくと、シャフト21Rの径方向に沿って互いに反対側に突出する一対の被案内部材24Rが、相対向する一対の案内レール32Rのそれぞれの凹状部に差し込まれ、シャフト21Rが案内レール32Rに案内される。そして、シャフト21Rの前方の側の先端がダンパ35R3に接触するまで差し込まれ、シャフト側弾性部材26Rの前方の側の先端が、作業者によって筒状部30R内の前端(X軸方向に向かう側の先端)に固定される。尚、一対の案内レール32Rと一対の被案内部材24Rは、筒状部30Rの内部において、フレーム前後方向に延びるシャフト中心軸線21RJ(図4参照)回りにシャフト21Rが回転することを防止する回転防止構造の一例を構成する。
●[ロック機構の構造(図4、図6、図7)]
次に、図4、図6及び図7を用いて、ロック機構の構造について説明する。図6及び図7に示すように、ロック機構は、ロック操作部31R、スライダ31R1、揺動部材31R2、ロック突起31R3、弾性部材31R4、及び、シャフト21Rに形成されたロック孔21R2等を有している。図6はロック機構を「解除状態」とした場合の例を示し、図7はロック機構を「ロック状態」とした場合の例を示している。尚、筒状部30Lには、ロック機構は設けられていない。従って、シャフト21Lには、ロック孔21R2に相当するロック孔は形成されていない(図11参照)。
尚、図6及び図7は、使用者が持ち手20R(図1参照)を把持していない状態であって、シャフト21Rがシャフト基準位置に保持されている状態(図8参照)を示しており、ロック突起31R3がロック孔21R2と対向している状態を示している。また、ロック孔21R2は、ゴミ等が堆積しないように下方に向かって開口していると、より好ましい。
ロック操作部31Rは、筒状部30Rに形成された孔部30R1に取り付けられ、孔部30R1に沿ってフレーム前後方向(X軸方向)にスライド可能とされている。使用者がロック操作部31RをX軸方向にスライドさせた図6に示す状態が「解除状態」であり、使用者がロック操作部31RをX軸方向とは反対の方向にスライドさせた図7に示す状態が「ロック状態」である。
スライダ31R1は、案内部材31R5によって上下方向に移動可能とされており、下端部には、揺動部材31R2の一方端の側及び弾性部材31R4から上方に向かう付勢力が印加されている。図6に示す「解除状態」では、スライダ31R1は揺動部材31R2の一方端の側及び弾性部材31R4から上方に向かう付勢力を受けて上方に移動する。図7に示す「ロック状態」では、スライダ31R1はロック操作部31Rによって下方に押し下げられ、揺動部材31R2の一方端の側を弾性部材31R4の付勢力に抗して、下方に押し下げる。
揺動部材31R2は、一方端の側がスライダ31R1の下端部に接触しているとともに弾性部材31R4から上方に向かう付勢力を受け、支点31R7回りに揺動可能とされている。また揺動部材31R2の他方端の側には、ロック突起31R3が接続されている。図6に示す「解除状態」では、スライダ31R1が上方に移動しているので、揺動部材31R2の一方端の側は弾性部材31R4によって上方に押し上げられ、揺動部材31R2の他方端の側は下方に移動している。図7に示す「ロック状態」では、スライダ31R1が下方に押し下げされているので、揺動部材31R2の一方端の側はスライダ31R1によって押し下げられ、揺動部材31R2の他方端の側は上方に移動している。
ロック突起31R3は、案内部材31R6によって上下方向に移動可能とされており、下端部の側が揺動部材31R2の他方端の側に接続されている。図6に示す「解除状態」では、揺動部材31R2の他方端の側が下方に移動しているので、ロック突起31R3はシャフト21Rのロック孔21R2から離間している。図7に示す「ロック状態」では、揺動部材31R2の他方端の側が上方に移動しているので、ロック突起31R3はシャフト21Rのロック孔21R2内に差し込まれている。
●[ロック状態におけるシャフト21Rの可動範囲(図8〜図10)と、解除状態におけるシャフト21Rの可動範囲(図11)]
図8は、使用者が持ち手20Rを把持していない状態、かつ、ロック機構を「ロック状態」とした場合の例を示しており、筒状部30Rに対するフレーム前後方向(X軸方向)におけるシャフト21R及び持ち手20Rの位置が、シャフト基準位置に保持されている状態の例を示している。
また、図11に示すように、シャフト21Lの先端部とシャフト21Rの先端部は、各滑車85L、85R等を介してワイヤ81によって接続されている。その結果、シャフト21R及び持ち手20Rの位置が、シャフト基準位置に保持されている場合には、シャフト21L及び持ち手20Lの位置も、シャフト基準位置に保持されている。また、シャフト21L及び持ち手20Lの可動範囲は、シャフト21R及び持ち手20Rの可動範囲と同じであり、フレーム前後方向において互いに反対側へ移動するものである。従って、シャフト21L及び持ち手20Lにおける可動範囲の説明は省略する。
尚、図8〜図11では、ロック機構の詳細を省略し、ロック突起31R3にて「ロック状態」と「解除状態」を示している。持ち手20Rにフレーム前後方向(X軸方向に平行な方向)の力が付与されていない場合、シャフト21R及び持ち手20Rは、ロック機構が「ロック状態」または「解除状態」のいずれの状態であっても、図8に示すシャフト基準位置に保持される。この場合、シャフト側弾性部材26R(シャフト位置復元部材に相当)及び筒状部側弾性部材35R1(シャフト位置復元部材に相当)が、シャフト21R及び持ち手20Rを、図8に示すシャフト基準位置に保持する。
図8に示すシャフト基準位置では、シャフト側弾性部材26Rと筒状部側弾性部材35R1が共に自由長(力が付与されていない場合の長さ)、あるいは、シャフト側弾性部材26Rがシャフト21Rを前方に引っ張る力と筒状部側弾性部材35R1がシャフト21Rを後方に押す力とが釣り合うように設定されている。このシャフト基準位置では、シャフト21Rに設けられたロック孔21R2の前後方向の長さ範囲である前後規制範囲W1内のほぼ中央位置にロック突起31R3が位置するように、シャフト側弾性部材26Rの長さと、筒状部側弾性部材35R1の長さとが調整されている。
なお、シャフト側弾性部材26Rのバネ定数K26よりも、筒状部側弾性部材35R1のバネ定数K35のほうが大きくなるようにバネ定数が設定されている。例えば、シャフト基準位置は、図8に示すように、弾性ユニット35R4のフレーム前後方向の後方側端面と、シャフト21Rの先端側端面とがほぼ同じ位置にあるように設定されている。
図9に示すように、図8に示す「ロック状態」から、使用者が持ち手20Rを把持して、力Ffにて持ち手20Rを前方(X軸方向)に押すと、ロック突起31R3がロック孔21R2の後方縁部に突き当たるまで、シャフト21R及び持ち手20Rは前方に移動可能である。そして、図9に示す状態から使用者が持ち手20Rから手を離すと、筒状部側弾性部材35R1の弾性力によって、シャフト21R及び持ち手20Rは、図8に示すシャフト基準位置に戻される。
図10に示すように、図8に示す「ロック状態」から、使用者が持ち手20Rを把持して、力Frにて持ち手20Rを後方(X軸方向とは反対の方向)に引くと、ロック突起31R3がロック孔21R2の前方縁部に突き当たるまで、シャフト21R及び持ち手20Rは後方に移動可能である。そして、図10に示す状態から使用者が持ち手20Rから手を離すと、シャフト側弾性部材26Rの弾性力によって、シャフト21R及び持ち手20Rは、図8に示すシャフト基準位置に戻される。
また、図11に示すように、「解除状態」では、シャフト21Rのフレーム前後方向の移動範囲が前後規制範囲W1内に規制されない。従って、使用者が持ち手20Rを把持して、力Frにて持ち手20Rを後方に引いた場合、シャフト21Rの先端の抜け防止部材25Rが抜け防止パネル36Rに当接するまで、若しくは、シャフト21Lによってフレーム前後方向前方側に押されたカラー35L2が、弾性ユニット35L4内の前方側の面の近傍に近づくまで、後方に引くことができる。
すなわち、使用者は、図11に示す「解除状態」にした場合、各持ち手20L、20Rを把持した状態で、両腕を大きく振りながら歩行支援装置10を用いて歩行することができる。この抜け防止部材25Rと抜け防止パネル36Rが、シャフト21Rが筒状部30Rから抜けることを防止する抜け防止構造の一例として機能する。
このように、シャフト21R(シャフト21L)には、自身を収容している筒状部30R(筒状部30L)に対するフレーム前後方向における基準位置であるシャフト基準位置が設定されている。図8に示すように、使用者が持ち手20Rを把持していない場合、シャフト21R及び持ち手20Rは、シャフト側弾性部材26Rと筒状部側弾性部材35R1(シャフト位置復元部材)によってシャフト基準位置に保持される。
そして、図8に示すように、シャフト21R及び持ち手20Rがシャフト基準位置にある場合、ロック孔21R2のフレーム前後方向におけるほぼ中央位置が、ロック突起31R3と対向する。そして「ロック状態」では、シャフト21Rはシャフト基準位置の近傍となるようにフレーム前後方向の前後規制範囲W1内に保持される。
なお、図8〜図10では、わかりやすくするために、ロック突起31R3からロック孔21R2の前方縁部または後方縁部までの距離を比較的大きくしている。しかし、ロック突起31R3からロック孔21R2の前方縁部または後方縁部までの距離は、1[mm]程度で充分である。また、「解除状態」では、使用者はシャフト21Rを、図8に示すシャフト基準位置から後方へと、例えば、150[mm]程度まで引くことができる。
●[操作パネル70の外観(図12)]
次に、図12を用いて操作パネル70について説明する。本実施形態に示す例では、操作パネル70は、右側の筒状部30Rの上面に設けられている。そして、図12に示すように、操作パネル70は、メインスイッチ72、バッテリ残量表示部73、トレーニングモード指示部74、アシストモード指示部75、駆動トルク調整部76等を有している。尚、操作パネル70は、左側の筒状部30の上面に設けてもよい。
メインスイッチ72は、歩行支援装置10の起動を指示するスイッチであり、使用者がオンにするとバッテリBから制御装置40と走行用駆動装置64R、64Lへ電力を供給し、歩行支援装置10の操作及び動作を可能にする。また、バッテリ残量表示部73には、バッテリBの残量が表示されている。
駆動トルク調整部76は、歩行支援装置10が進行する際の走行用駆動装置64L、64Rの駆動トルクの強弱を、使用者が調整するための入力部である。例えば、上り傾斜面で歩行支援装置10を使用する場合、使用者は、駆動トルク調整部76から駆動トルクを増量する指示を入力する。
また、歩行支援装置10には、腕を振りながら歩行する「腕振り歩行」を支援する「トレーニングモード」と、腕を振らずに手押し車状態の歩行(非腕振り歩行)を支援する「アシストモード」と、の2つの動作モードが用意されている。使用者は、「腕振り歩行」を所望する場合には、トレーニングモード指示部74を操作して動作モードを「トレーニングモード」に設定する。また、使用者は、ロック機構が「解除状態」となるようにロック操作部31Rを操作する。その後、使用者は、左右の持ち手20L、20Rを把持して腕を振りながら歩行する「腕振り歩行」を開始する。
また、使用者は、「非腕振り歩行」を所望する場合には、アシストモード指示部75を操作して動作モードを「アシストモード」に設定する。また、使用者は、ロック機構が「ロック状態」となるようにロック操作部31Rを操作する。その後、使用者は、左右の持ち手20L、20Rを把持して腕を振らずに歩行する「非腕振り歩行」を開始する。
●[制御装置40の入出力(図13)]
図13は、制御装置40の入出力を示すブロック図である。制御装置40は、図示省略したCPU等の制御装置と、記憶装置44等を有している。また制御装置40には、進行速度検出装置64LE、64REからの検出信号、持ち手状態検出装置21RSからの検出信号、3軸加速度・角速度センサ50Sからの検出信号が入力されている。また、制御装置40には、操作パネル70から、メインスイッチ72、トレーニングモード指示部74、アシストモード指示部75、駆動トルク調整部76の操作状態が入力されている。また、制御装置40は、操作パネル70のバッテリ残量表示部73に表示するためのバッテリ残量情報を操作パネル70に出力し、走行用駆動装置64L、64Rに制御信号を出力する。
なお、制御装置40は、装置対地速度算出部40A、持ち手前後位置算出部40B、持ち手移動速度算出部40C、持ち手対地速度算出部40D、対地速度補正量算出部40E、進行速度調整部40F、持ち手前後中央位置算出部40G、中央位置速度補正量算出部40H等を有しているが、これらについては後述する。
●[制御装置40の処理手順(図14〜図19)]
図14は、制御装置40の処理手順における全体処理を示している。使用者がメインスイッチ72をONにすると、所定時間間隔(例えば数[ms]間隔)で、図14に示す処理が起動される。制御装置40は、図14に示す処理が起動されると、ステップS010へと処理を進める。なお、以下では、使用者が歩行支援装置10とともに前進するように歩行する場合の例を説明する。
ステップS010にて制御装置40は、SB100(入力処理)を実行してステップS040に処理を進める。なお、SB100(入力処理)の詳細については後述する。
ステップS040にて制御装置40は、SB400(対地速度補正量算出処理)を実行してステップS050に処理を進める。なお、SB400(対地速度補正量算出処理)の詳細については後述する。
ステップS050にて制御装置40は、SB500(中央位置速度補正量算出処理)を実行してステップS060に処理を進める。なお、SB500(中央位置速度補正量算出処理)の詳細については後述する。
ステップS060にて制御装置40は、SB600(進行速度調整処理)を実行して処理を終了する(リターンする)。なお、SB600(進行速度調整処理)の詳細については後述する。
●[SB100:入力処理の詳細(図15)]
次に、図15を用いて、SB100(入力処理)の詳細について説明する。図14に示すステップS010にてSB100を実行する際、制御装置40は、図15に示すステップSB010へ処理を進める。
ステップSB010にて制御装置40は、記憶装置44に記憶しているモード切替、目標トルク、右持ち手前後位置、右進行速度、左持ち手前後位置、左進行速度、車体傾斜、ピッチ角速度、ヨー角速度、ロール角速度、を更新してステップSB030に処理を進める。
具体的には、制御装置40は、トレーニングモード指示部74及びアシストモード指示部75(図12参照)からの入力情報に基づいて、モード切替に、「トレーニングモード」、「アシストモード」のいずれかを記憶する。また、制御装置40は、駆動トルク調整部76(図12参照)からの入力情報に基づいた目標トルクを記憶する。また、制御装置40は、持ち手状態検出装置21RS(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた、フレーム50に対する持ち手20Rの位置(フレーム前後方向の位置)を右持ち手前後位置に記憶する。
また、制御装置40は、シャフト21Rのシャフト基準位置における持ち手20Rの位置から、フレーム50に対する持ち手20Rの位置(フレーム前後方向の位置)までのX軸方向における距離D1を算出する。そして、制御装置40は、シャフト21Lのシャフト基準位置における持ち手20Lの位置からX軸方向において、持ち手20Rが移動した方向に対して反対側方向へ距離D1だけ移動した位置を算出し、この位置をフレーム50に対する持ち手20Lの位置(フレーム前後方向の位置)として左持ち手前後位置に記憶する。
また、制御装置40は、(右)走行用駆動装置64Rの(右)進行速度検出装置64REからの検出信号に基づいて、(右)走行用駆動装置64Rの回転数を検出して、後輪60RRの回転数から後輪60RRによる進行速度を検出して右進行速度に記憶する(図1参照)。また、制御装置40は、(左)走行用駆動装置64Lの(左)進行速度検出装置64LEからの検出信号に基づいて、(左)走行用駆動装置64Lの回転数を検出して、後輪60RLの回転数から後輪60RLによる進行速度を検出して左進行速度に記憶する(図1参照)。
また、制御装置40は、3軸加速度・角速度センサ50S(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた歩行支援装置10の車体の傾斜角度や傾斜方向等の傾斜情報を車体傾斜に記憶する。また制御装置40は、3軸加速度・角速度センサ50S(図1参照)からの検出信号に基づいて求めた歩行支援装置10のY軸回りの角速度をピッチ角速度に記憶し、Z軸回りの角速度をヨー角速度に記憶し、X軸回りの角速度をロール角速度に記憶する。
ステップSB010の処理を実行している制御装置40は、持ち手状態検出装置21RSからの検出信号に基づいて、フレーム50(歩行支援装置10)に対するフレーム前後方向のそれぞれの持ち手20R、20Lの位置であるそれぞれの持ち手前後位置(右持ち手前後位置と左持ち手前後位置)を算出する、持ち手前後位置算出部40B(図13参照)に相当する。
ステップSB030にて制御装置40は、ステップSB010にて記憶した右進行速度及び左進行速度に基づいて、歩行支援装置の進行速度を求めて記憶し、ステップSB050に処理を進める。例えば制御装置40は、進行速度=(右進行速度+左進行速度)/2にて、進行速度を求める。
ステップSB030の処理を実行している制御装置40は、進行速度検出装置64LE、64REからの検出信号に基づいて、地面に対する歩行支援装置10の進行速度を算出する、装置対地速度算出部40A(図13参照)に相当する。
ステップSB050にて制御装置40は、モード切替がアシストモードであるか否かを判定し、アシストモードである場合(Yes)はステップSB070Aに処理を進め、そうでない場合(No)はステップSB070Bに処理を進める。
ステップSB070Aに処理を進めた場合、制御装置40は、動作モードにアシストモードを記憶して、ステップSB090に処理を進める。
一方、ステップSB070Bに処理を進めた場合、制御装置40は、動作モードにトレーニングモードを記憶して、ステップSB090に処理を進める。
ステップSB090にて制御装置40は、SBA00(右(左)移動速度、移動方向、振幅算出処理)を実行して処理を終了する(リターンする)。なお、SBA00(右(左)移動速度、移動方向、振幅算出処理)の詳細については後述する。
●[SBA00:右(左)移動速度、移動方向、振幅算出処理の詳細(図16)]
次に、図16を用いて、SBA00(右(左)移動速度、移動方向、振幅算出処理)の詳細について説明する。図15に示すステップSB090にてSBA00を実行する際、制御装置40は、図16に示すステップSBA05へ処理を進める。
ステップSBA05にて制御装置40は、動作モードがトレーニングモードであるか否かを判定し、動作モードがトレーニングモードである場合(Yes)はステップSBA10に処理を進め、動作モードがトレーニングモードでない場合(No)は処理を終了する(リターンする)。
ステップSBA10に処理を進めた場合、制御装置40は、右持ち手移動速度に、「(今回処理時の右持ち手前後位置(今回右持ち手前後位置)−前回処理時の右持ち手前後位置(前回右持ち手前後位置))/時間」にて求めた速度を記憶して、ステップSBA15に処理を進める。なお、この場合の「時間」は、図14の処理を起動する間隔の時間である(例えば10[ms]間隔で起動する場合は10[ms])。また、今回右持ち手前後位置が前回右持ち手前後位置よりも前方である場合では右持ち手移動速度は「正」の速度となり、今回右持ち手前後位置が前回右持ち手前後位置よりも後方である場合では右持ち手移動速度は「負」の速度となる。
ステップSBA15にて制御装置40は、前回処理時の右持ち手移動速度(前回右持ち手移動速度)=正(0より大きい)、かつ、今回処理時の右持ち手移動速度(今回右持ち手移動速度)=負(0以下)であるか否かを判定する。そして、制御装置40は、満足する場合(Yes)はステップSBA25Aに処理を進め、満足しない場合(No)はステップSBA20に処理を進める。
ステップSBA25Aに処理を進めた場合、制御装置40は、今回右持ち手前後位置を右前端位置に記憶してステップSBA30に処理を進める。
ステップSBA20に処理を進めた場合、制御装置40は、前回処理時の右持ち手移動速度(前回右持ち手移動速度)=負(0未満)、かつ、今回処理時の右持ち手移動速度(今回右持ち手移動速度)=正(0以上)であるか否かを判定する。そして、制御装置40は、満足する場合(Yes)はステップSBA25Bに処理を進め、満足しない場合(No)はステップSBB10に処理を進める。
ステップSBA25Bに処理を進めた場合、制御装置40は、今回右持ち手前後位置を右後端位置に記憶してステップSBA30に処理を進める。
ステップSBA30に処理を進めた場合、制御装置40は、右前端位置−右後端位置(右前端位置>右後端位置)にて求めた長さを右振幅に記憶し、ステップSBB10に処理を進める。
ステップSBB10〜SBB30の処理は、左の持ち手20Lの左移動速度、左前端位置、左後端位置、左振幅を求める処理であり、右の持ち手20Rの右移動速度、右前端位置、右後端位置、右振幅を求めるステップSBA10〜SBA30と同様であるので説明を省略する。
ステップSBA10、SBB10の処理を実行している制御装置40は、それぞれの持ち手前後位置(右持ち手前後位置と左持ち手前後位置)に基づいて、歩行支援装置10に対するそれぞれの持ち手の移動速度であるそれぞれの持ち手移動速度(右持ち手移動速度と左持ち手移動速度)を算出する、持ち手移動速度算出部40C(図13参照)に相当する。
●[SB400:対地速度補正量算出処理の詳細(図17)]
次に、図17を用いて、SB400(対地速度補正量算出処理)の詳細について説明する。図14に示すステップS040にてSB400を実行する際、制御装置40は、図17に示すステップSB405へ処理を進める。
ステップSB405にて制御装置40は、動作モードがトレーニングモードであるか否かを判定し、動作モードがトレーニングモードである場合(Yes)はステップSB410に処理を進め、動作モードがトレーニングモードでない場合(No)はステップSB450Bに処理を進める。
ステップSB410にて制御装置40は、「進行速度+右持ち手移動速度」を求めて右持ち手対地速度に記憶し、「進行速度+左持ち手移動速度」を求めて左持ち手対地速度に記憶し、ステップSB420に処理を進める。なお、「進行速度」は、地面に対する歩行支援装置の速度であり、「右持ち手移動速度」は、歩行支援装置に対する(右)持ち手20Rのフレーム前後方向の移動速度であり、「右持ち手対地速度」は、地面に対する(右)持ち手20Rのフレーム前後方向の移動速度である。また、「右持ち手移動速度」は、「進行速度」と同方向が「正」の速度に設定され、「進行方向」と逆方向が「負」の速度に設定されている。つまり、進行速度が前方へ向かう速度である場合、前方へ向かう右持ち手移動速度は「正」であり、後方へ向かう右持ち手移動速度は「負」である。また、左持ち手対地速度も同様にして求められる。
ステップSB410の処理を実行している制御装置40は、それぞれの持ち手の移動速度と、進行速度とに基づいて、地面に対するそれぞれの持ち手の速度であるそれぞれの持ち手対地速度(右持ち手対地速度と左持ち手対地速度)を算出する、持ち手対地速度算出部40D(図13参照)に相当する。
ステップSB420にて制御装置40は、右持ち手対地速度が負(0未満)であるか否かを判定し、負(0未満)である場合(Yes)はステップSB440に処理を進め、そうでない場合(No)はステップSB430に処理を進める。
ステップSB430に処理を進めた場合、制御装置40は、左持ち手対地速度が負(0未満)であるか否かを判定し、負(0未満)である場合(Yes)はステップSB440に処理を進め、そうでない場合(No)はステップSB450Bに処理を進める。
ステップSB440に処理を進めた場合、制御装置40は、進行速度に応じた重み係数を算出してステップSB450Aに処理を進める。例えば、重み係数は、進行速度が大きくなるにしたがって小さくなるように設定されている。
ステップSB450Aにて制御装置40は、予め設定された加速補正量に重み係数を乗算して求めた値を、対地速度補正量に記憶して処理を終了する(リターンする)。なお、加速補正量は、種々の実験やシミュレーション等によって決められている。この場合の対地速度補正量は、0より大きな値(正の値であり、加速するための補正量)となる。
ステップSB440、SB450Aの処理を実行している制御装置40は、進行速度を「正」とした場合にそれぞれの持ち手のそれぞれの持ち手対地速度の少なくとも一方が「負」の速度である場合、歩行支援装置10を進行速度の方向に加速させる対地速度補正量を算出する、対地速度補正量算出部40E(図13参照)に相当する。
ステップSB450Bに処理を進めた場合、制御装置40は、予め設定された減速補正量を、対地速度補正量に記憶して処理を終了する(リターンする)。なお、減速補正量は、種々の実験やシミュレーション等によって決められている。この場合の対地速度補正量は、0以下の値(ゼロまたは負の値であり、減速するための補正量)となる。
なお、対地速度補正量が0より大きな正の値の場合、歩行支援装置の進行速度を加速させることができる。また、対地速度補正量が0未満の負の値の場合、歩行支援装置の進行速度を減速させることができる。また、対地速度補正量がゼロの場合、歩行支援装置10は惰性走行となるが、転がり抵抗等によって進行速度は減速される。
●[SB500:中央位置速度補正量算出処理の詳細(図18)]
次に、図18を用いて、SB500(中央位置速度補正量算出処理)の詳細について説明する。図14に示すステップS050にてSB500を実行する際、制御装置40は、図18に示すステップSB505へ処理を進める。
ステップSB505にて制御装置40は、動作モードがトレーニングモードであるか否かを判定し、動作モードがトレーニングモードである場合(Yes)はステップSB510に処理を進め、動作モードがトレーニングモードでない場合(No)はステップSB550に処理を進める。
ステップSB510に処理を進めた場合、制御装置40は、「(右持ち手前後位置+左持ち手前後位置)/2」を求めて持ち手前後中央位置に記憶し、ステップSB520に処理を進める。
ステップSB510の処理を実行している制御装置40は、それぞれの持ち手前後位置に対するフレーム前後方向の中央となる持ち手前後中央位置を求める、持ち手前後中央位置算出部40G(図13参照)に相当する。
図20は、歩行支援装置10を上から見た図であり、(右)持ち手20Rの持ち手前後位置(PmR)、(左)持ち手20Lの持ち手前後位置(PmL)、仮想前後基準位置(Ps)、持ち手前後中央位置(Pmc)、可動範囲(シャフト21L、21Rのフレーム前後方向の移動範囲)の中央位置(Pc)を説明する図である。例えば、フレーム前後方向において、持ち手20R、20Lの可動範囲L1は、可動範囲L1の前端位置(Po)から、可動範囲の後端位置(Pr)までである。
そして、中央位置(Pc)は、フレーム前後方向における可動範囲L1の中央位置である。例えば、可動範囲L1の中央位置(Pc)よりも所定距離Laだけ後方となる位置が、フレーム前後方向における所定位置である仮想前後基準位置(Ps)に設定されている。また、右持ち手前後位置(PmR)と左持ち手前後位置(PmL)とのフレーム前後方向における中央位置が、持ち手前後中央位置(Pmc)となる。
ステップSB520にて制御装置40は、「持ち手前後中央位置−仮想前後基準位置」を求めて前後方向偏差に記憶し、ステップSB530に処理を進める。なお、図20に示すように、前後方向偏差ΔLは、持ち手前後中央位置(Pmc)と仮想前後基準位置(Ps)との偏差である。
ステップSB530にて制御装置40は、前後方向偏差に応じた中央位置速度補正量を求め、求めた中央位置速度補正量を記憶して、処理を終了する(リターンする)。例えば、図21に示す前後方向偏差・中央位置速度補正量特性が記憶装置44に記憶されており、制御装置40は、当該前後方向偏差・中央位置速度補正量特性と、前後方向偏差とに基づいて、中央位置速度補正量を求めて記憶する。
ステップSB550に処理を進めた場合、制御装置40は、「右持ち手前後位置−持ち手基準位置(シャフト基準位置に対応する持ち手20Rの位置)」を求めて右偏差に記憶し、ステップSB560に処理を進める。動作モードが「アシストモード」の場合、ロック操作部31Rが操作されて、(右)シャフト21Rのロック孔21R2にロック突起31R3が進入する。その結果、シャフト21L、21Rが「ロック状態」とされているので、使用者は、持ち手20L、20Rを把持して腕を振りながら歩行することはできない。「アシストモード」の場合、以下のステップSB550〜SB570にて、持ち手20L、20Rが前方に押されている場合に、中央位置速度補正にて歩行支援装置10を前方に加速させる。
ステップSB560にて制御装置40は、「ロック状態」の場合には、(右)シャフト21Rのロック孔21R2にロック突起31R3が進入して、(右)シャフト21Rのフレーム前後方向の移動が規制される。一方、(左)シャフト21Lは、「ロック状態」の場合に、フレーム前後方向後方への移動は、ワイヤ81によって規制されるが、フレーム前後方向前方への移動は、筒状部側弾性部材35L1とシャフト側弾性部材26との弾性力によってフレーム前後方向後方側へ抑制される。そのため、制御装置40は、「ロック状態」の場合には、つまり、アシストモードの場合には、上記ステップSB550で記憶した「右偏差」を再度読み出して、前後方向偏差に記憶し、ステップSB570に処理を進める。
ステップSB570にて制御装置40は、前後方向偏差に応じた中央位置速度補正量を求め、求めた中央位置速度補正量を記憶して、処理を終了する(リターンする)。例えば、図21に示す前後方向偏差・中央位置速度補正量特性が記憶装置44に記憶されており、制御装置40は、当該前後方向偏差・中央位置速度補正量特性と、前後方向偏差とに基づいて、中央位置速度補正量を求めて記憶する。なお、前後方向偏差の値が同じであっても、ロック状態の場合の中央位置速度補正量(ステップSB570)を、解除状態の場合の中央位置速度補正量(ステップSB530)よりも大きくすると、より好ましい。
ステップSB520、SB530、SB560、SB570の処理を実行している制御装置40は、フレーム前後方向において、持ち手前後中央位置を仮想前後基準位置に近づけるように歩行支援装置10の進行速度を調整する中央位置速度補正量を算出する、中央位置速度補正量算出部40H(図13参照)に相当する。
●[SB600:進行速度調整処理の詳細(図19)]
次に、図19を用いて、SB600(進行速度調整処理)の詳細について説明する。図14に示すステップS060にてSB600を実行する際、制御装置40は、図19に示すステップSB610へ処理を進める。
ステップSB610にて制御装置40は、「進行速度+対地速度補正量+中央位置速度補正量」を求めて右目標速度に記憶し、「進行速度+対地速度補正量+中央位置速度補正量」を求めて左目標速度に記憶し、ステップSB620へ処理を進める。
ステップSB620にて制御装置40は、右目標速度、かつ、目標トルクとなるように(右)走行用駆動装置64Rを制御し、左目標速度、かつ、目標トルクとなるように(左)走行用駆動装置64Lを制御し、処理を終了する(リターンする)。
ステップSB610、SB620の処理を実行している制御装置40は、進行速度と対地速度補正量(と中央位置速度補正量)とに基づいて求めた目標速度となるように走行用駆動装置64L、64Rを制御する、進行速度調整部40F(図13参照)に相当する。
●[使用者の腕振り歩行状態と歩行支援装置の移動状態の例(図22)]
図22は、使用者が右手で(右)持ち手20Rを把持し、左手で(左)持ち手20Lを把持し、左腕を前方から後方に振りながら歩行している状態(右腕は後方から前方に振られている)の例を示している。
(左)持ち手20Lが後方に移動する際、地面から見た(左)持ち手20Lの移動速度である(左)持ち手対地速度が「負」になると、対地速度補正量にて歩行支援装置10は前方に加速するので、図22中に一点鎖線で示すように、(左)持ち手20Lは、地面から見た際、あたかも静止しているように見える。つまり、歩行支援装置10は、地面から見た際に、後方に移動された(左)持ち手20Lがあたかも静止して見えるように、進行速度を調整しながら進行する。
●[本願の効果]
以上に説明したように、本実施形態にて説明した歩行支援装置10は、対地速度補正量を用いて進行速度を調整することで、腕振り歩行する歩行動作を模擬することができる。従って、体幹を真っ直ぐにして腕を振りながら歩行する訓練を支援することができる。また、本実施形態にて説明した歩行支援装置10は、中央位置速度補正量を用いて進行速度を調整することで、使用者が仮想前後基準位置の近傍に維持されるように歩行支援装置10を進行させるので、使用者に対して歩行支援装置10の前後方向の位置がズレることを適切に防止することができる。
また、左右のシャフト21L、21Rの先端部が、互いにワイヤ81で連結されているため、使用者は、把持している左右の持ち手20L、20Rの動きに合わせて両腕を前後に振りながら、歩行支援装置10の進行に合わせて歩行することが可能となる。従って、腕を脚の動きに同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を適切に支援することができる。また、左右のシャフト21L、21Rが、互いにワイヤ81で連結されているため、持ち手状態検出装置21RSを一方の筒状部30Rに配置すればよいため、簡易な構成で左右の腕振り状態を検出することができる。
また、使用者が、持ち手20L、20Rを把持した腕を前後に振りながら歩行している際、シャフト21L、21R(つまり、持ち手20L、20R)には、それぞれシャフト側弾性部材26L、26Rと筒状部側弾性部材35L1、35R1によって自動的にシャフト基準位置へと戻される力が働いている。つまり、前方に振り出した腕を後方に押し戻す力、あるいは、後方に振り出した腕を前方に押し戻す力が働くので、使用者の前後方向の腕振りを支援することができる。また、使用者が持ち手20L、20Rを離した際、シャフト21L、21R(つまり、持ち手20L、20R)は、自動的にシャフト基準位置へ戻されるので、便利である。
また、使用者が腕を振りながら歩行することを所望していない場合は、ロック操作部31Rを操作してロック状態にすることで、左右のシャフト21L、21R(つまり、左右の持ち手20L、20R)のフレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲W1に保持できるので、便利である。また、ロック機構を一方の(右)筒状部30Rに設ければよいため、簡易な構成で左右のシャフト21L、21R(つまり、左右の持ち手20L、20R)のフレーム前後方向の可動範囲を、シャフト基準位置の近傍の前後規制範囲W1に保持できる。
また、左右一対の筒状部30L、30Rに収容された一対のシャフト21L、21Rは、一対の筒状部30L、30Rのそれぞれに形成された一対のワイヤ挿通孔30L2、30R2と、一対のワイヤ挿通孔30L2、30R2に一端部と他端部のそれぞれが接続されたチューブ82とに挿通されたワイヤ81によって連結されている。これにより、簡易な構成で一対のシャフト21L、21Rを連結することができ、部品点数の削減化を図ることができる。
また、筒状部30L、30Rとシャフト21L、21Rにて、持ち手20L、20Rをフレーム前後方向に移動可能とすることで、非常にシンプルな構造で、使用者が脚に同期させて正しく腕を振りながら歩行する質の高い歩行の訓練を、適切に支援することができる。
本発明の歩行支援装置は、前記実施形態で説明した構成、構造、形状、処理手順等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
前記実施形態では、ロック操作部31R、スライダ31R1、揺動部材31R2、ロック突起31R3、弾性部材31R4、案内部材31R5、31R6、ロック孔21R2等で構成されるロック機構を(右)筒状部30Rと(右)シャフト21Rに設けたが、(左)筒状部30Lと(左)シャフト21Lに設けるようにしてもよい。また、この場合には、(右)筒状部30Rに設けられた持ち手状態検出装置21RSを案内ローラ33Lに交換するとともに、(左)筒状部30Lに設けられた1つの案内ローラ33Lを持ち手状態検出装置21RSに交換するようにしてもよい。これにより、左利きの使用者に便利な歩行支援装置10を提供することが可能となる。
また、例えば、図23に示すように、ロック操作部31Rの操作状態を検出するロック検出装置91(例えば、プッシュスイッチ、光センサ、近接スイッチ等)を設けるようにしてもよい。そして、ロック検出装置91の検出信号を制御装置40に入力するようにしてもよい。これにより、制御装置40は、使用者によるロック操作部31Rの操作状態を検出して、歩行支援装置10の動作モードを「トレーニングモード」と「アシストモード」のいずれかに自動的に設定することが可能となる。従って、操作パネル70には、トレーニングモード指示部74とアシストモード指示部75に替えて、動作モード表示部を設ければよい。また、使用者は、操作パネル70のトレーニングモード指示部74とアシストモード指示部75を操作する必要がなくなり、便利になる。
前記実施形態では、複数の車輪を有する歩行支援装置を、四輪車として2個の駆動輪を設けた例を説明したが、歩行支援装置を前一輪、後ろ二輪の三輪車にして、前輪を駆動輪、後輪の二輪をキャスタ輪としてもよい。つまり、歩行支援装置は、少なくとも1つの駆動輪を有していればよい。また、前記実施形態の説明では、走行用駆動装置64L、64R(電動モータ)の制御において、「進行速度」を調整する例を説明したが、「速度」の制御に限らず「トルク」を制御するようにしてもよく、モータトルクを制御して進行速度を調整するようにしてもよい。
また、持ち手20Rの状態(位置)を検出する持ち手状態検出装置21RSや、進行速度を検出する進行速度検出装置64LE、64REは、エンコーダに限定されるものではなく、前記実施形態にて示した構成や配置等に限定されず、種々の構成や配置とすることができる。また、シャフト位置復元部材として、シャフト側弾性部材26Rと筒状部側弾性部材35R1(図8参照)を用いた例を説明したが、シャフト位置復元部材は、これに限定されるものではない。
前記実施形態の説明では、対地速度補正量と中央位置速度補正量を用いて進行速度を調整する例を説明したが、中央位置速度補正量を省略して対地速度補正量にて進行速度を調整するようにしてもよいし、対地速度補正量を省略して中央位置速度補正量にて進行速度を調整するようにしてもよい。また、前記実施形態の説明では、進行速度が大きくなるにしたがって対地速度補正量を小さくする例を説明したが、これに限定されるものではない。
また、シャフトが筒状部から抜けることを防止する抜け防止構造(抜け防止部材25R、抜け防止パネル36R(図11参照))、シャフトが筒状部内で回転することを防止する回転防止構造(案内レール32R、被案内部材24R(図4参照))は、種々の構造とすることが可能であり、前記実施形態にて説明した構造に限定されるものではない。
また、図には示していないが、ワイヤ81を無端状のループにして、フレーム50に設けた滑車にて支持し、そのワイヤ81の一部を各シャフト21L、21Rと接続するように構成してもよい。これにより、一方のシャフトの押し引きの力を他方のシャフトにダイレクトに伝達することができる。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。また、前記実施形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
10 歩行支援装置
20L、20R 持ち手
21L、21R シャフト
21RS 持ち手状態検出装置
21R1 持ち手嵌合孔
21R2 ロック孔
24R 被案内部材(回転防止構造)
25L、25R 抜け防止部材(抜け防止構造)
26L、26R シャフト側弾性部材(シャフト位置復元部材)
30L、30R 筒状部
30R1 孔部
30L2、30R2 ワイヤ挿通孔
31R ロック操作部
31R1 スライダ
31R2 揺動部材
31R3 ロック突起
31R4 弾性部材
32R 案内レール(回転防止構造)
33R 案内ローラ
34R 蓋部
35L1、35R1 筒状部側弾性部材(シャフト位置復元部材)
35L2、35R2 カラー
35L3、35R3 ダンパ
35L4、35R4 弾性ユニット
36L、36R 抜け防止パネル(抜け防止構造)
40 制御装置
40A 装置対地速度算出部
40B 持ち手前後位置算出部
40C 持ち手移動速度算出部
40D 持ち手対地速度算出部
40E 対地速度補正量算出部
40F 進行速度調整部
40G 持ち手前後中央位置算出部
40H 中央位置速度補正量算出部
44 記憶装置
50 フレーム
50K バッグ
50S 3軸加速度・角速度センサ
51L、51R 筒状部支持体
52L、52R 車輪支持体
53 連結体
60FL、60FR 前輪
60RL、60RR 後輪(駆動輪)
64L、64R 走行用駆動装置(電動モータ)
64LE、64RE 進行速度検出装置
70 操作パネル
72 メインスイッチ
73 バッテリ残量表示部
74 トレーニングモード指示部
75 アシストモード指示部
76 駆動トルク調整部
81 ワイヤ
82 チューブ
B バッテリ
BKL ブレーキレバー
Pmc 持ち手前後中央位置
PmL、PmR 持ち手前後位置
Ps 仮想前後基準位置
W1 前後規制範囲

Claims (10)

  1. フレームと、
    前記フレームに設けられた少なくとも1つの駆動輪を含む複数の車輪と、
    前記駆動輪を駆動する走行用駆動装置と、
    前記走行用駆動装置を動作させるバッテリと、
    使用者に把持されて前記フレームに対する前後方向であるフレーム前後方向に移動可能とされた左右一対の持ち手と、
    一対の前記持ち手のそれぞれに固定されて前記フレーム前後方向に移動可能に設けられた左右一対の操作部材と、
    一対の前記操作部材の前記フレーム前後方向におけるそれぞれの移動量の和が略一定となるように一対の前記操作部材を連結する連結部材と、
    一方の前記操作部材に配置されて、一方の前記持ち手の状態を検出する持ち手状態検出装置と、
    前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手の状態及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の状態を検出して、それぞれの前記持ち手の状態に基づいて前記走行用駆動装置を制御する制御装置と、
    を備えた、
    歩行支援装置。
  2. 請求項1に記載の歩行支援装置において、
    一対の前記操作部材は、
    一対の前記持ち手のそれぞれに固定されて前記フレーム前後方向に延びる左右一対のシャフトと、
    前記フレーム前後方向に延びてそれぞれの前記シャフトを前記フレーム前後方向に移動可能となるように収容していると共に前記フレームに取り付けられる左右一対の筒状部と、
    を有し、
    前記連結部材は、
    一対の前記筒状部に収容された一対の前記シャフトの前記フレーム前後方向におけるそれぞれの移動量の和が略一定となるように一対の前記シャフトを連結する、
    歩行支援装置。
  3. 請求項2に記載の歩行支援装置において、
    それぞれの前記シャフトには、該シャフトが収容された前記筒状部に対する前記フレーム前後方向におけるシャフト基準位置が設定されており、
    それぞれの前記筒状部は、
    前記シャフト基準位置から前記フレーム前後方向前方または後方に移動した前記シャフト及び前記持ち手を前記シャフト基準位置へと戻すシャフト位置復元部材
    を有する、
    歩行支援装置。
  4. 請求項3に記載の歩行支援装置において、
    一対の前記筒状部のうちのいずれか一方の前記筒状部は、
    前記シャフト基準位置の近傍となるように前記フレーム前後方向の前後規制範囲に前記シャフトを保持するロック状態と、前記フレーム前後方向において前記前後規制範囲を超えて前記フレーム前後方向に前記シャフトが移動することを許容する解除状態と、に切替え可能なロック機構
    を有する、
    歩行支援装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の歩行支援装置において、
    前記連結部材は、
    一対の前記筒状部のそれぞれに形成された一対のワイヤ挿通孔と、
    前記一対のワイヤ挿通孔に一端部と他端部のそれぞれが接続されたチューブと、
    前記チューブ及び一対の前記ワイヤ挿通孔に挿通されて、一端部と他端部とが一対の前記筒状部に収容された一対の前記シャフトのそれぞれに接続されたワイヤと、
    を有する、
    歩行支援装置。
  6. 請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の歩行支援装置において、
    一対の前記筒状部及び一対の前記シャフトは、
    一対の前記筒状部に収容されたそれぞれの前記シャフトが、それぞれの前記筒状部から抜けることを防止する抜け防止構造を有する、
    歩行支援装置。
  7. 請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の歩行支援装置において、
    一対の前記筒状部及び一対の前記シャフトは、
    それぞれの前記シャフトがそれぞれの前記筒状部の内部において、前記フレーム前後方向に延びるシャフト中心軸線回りに回転することを防止する回転防止構造を有する、
    歩行支援装置。
  8. 請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の歩行支援装置において、
    地面に対する前記歩行支援装置の進行速度を検出する進行速度検出装置を備え、
    前記持ち手状態検出装置は、
    一方の前記筒状部に対する該筒状部に収容された一方の前記シャフト及び前記持ち手の前記フレーム前後方向の位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力し、
    前記制御装置は、
    前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の前記フレームに対する前記フレーム前後方向におけるそれぞれの前記持ち手の位置であるそれぞれの持ち手前後位置を算出する、持ち手前後位置算出部と、
    算出したそれぞれの前記持ち手前後位置に基づいて、前記歩行支援装置に対するそれぞれの前記持ち手の移動速度である持ち手移動速度を算出する、持ち手移動速度算出部と、
    前記持ち手前後位置と前記持ち手移動速度との少なくとも一方と、前記進行速度と、に基づいた目標速度となるように前記走行用駆動装置を制御する、進行速度調整部と、
    を有する、
    歩行支援装置。
  9. 請求項4に記載の歩行支援装置において、
    地面に対する前記歩行支援装置の進行速度を検出する進行速度検出装置を備え、
    一方の前記筒状部に収容された前記シャフトは、前記ロック状態の場合、前記前後規制範囲にて前記フレーム前後方向に移動可能であり、
    前記持ち手状態検出装置は、一方の前記筒状部に対する該筒状部に収容された前記シャフト及び前記持ち手の前記フレーム前後方向の位置に応じた検出信号を前記制御装置に出力し、
    前記制御装置は、
    前記持ち手状態検出装置からの検出信号に基づいて、一方の前記持ち手の前記フレームに対する前記フレーム前後方向における位置である持ち手前後位置を算出する、持ち手前後位置算出部と、
    前記ロック状態である場合、且つ、前記持ち手前後位置が前記シャフト基準位置に対応する位置よりも前方である場合に、前記歩行支援装置が前記進行速度の方向に加速するように前記走行用駆動装置を制御する、進行速度調整部と、
    を有する、
    歩行支援装置。
  10. 請求項9に記載の歩行支援装置において、
    前記制御装置は、
    前記解除状態である場合に、算出した一方の前記持ち手及び前記連結部材を介して連結された他方の前記持ち手の前記フレームに対する前記持ち手前後位置に基づいて、前記歩行支援装置に対するそれぞれの前記持ち手の移動速度である持ち手移動速度を算出する、持ち手移動速度算出部を有し、
    前記解除状態である場合には、前記進行速度調整部は、前記持ち手前後位置と前記持ち手移動速度との少なくとも一方と、前記進行速度と、に基づいた目標速度となるように前記走行用駆動装置を制御する、
    歩行支援装置。
JP2019089114A 2019-05-09 2019-05-09 歩行支援装置 Pending JP2020182744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019089114A JP2020182744A (ja) 2019-05-09 2019-05-09 歩行支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019089114A JP2020182744A (ja) 2019-05-09 2019-05-09 歩行支援装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020182744A true JP2020182744A (ja) 2020-11-12

Family

ID=73045506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019089114A Pending JP2020182744A (ja) 2019-05-09 2019-05-09 歩行支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020182744A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101800679B1 (ko) 족동형 트위스트 조향식 핸즈프리 밸런싱 스쿠터
CN110192969B (zh) 步行支援装置
JP7306128B2 (ja) 歩行支援装置
JP2023120448A (ja) 歩行支援装置
CN110192967B (zh) 步行支援装置
JP7275838B2 (ja) 歩行支援装置
JP7215187B2 (ja) 歩行支援装置
JP7163713B2 (ja) 歩行支援装置
WO2020230734A1 (ja) 歩行支援装置
JP2020182744A (ja) 歩行支援装置
JP7222258B2 (ja) 歩行支援装置
JP2019201852A (ja) 歩行支援装置
KR101440827B1 (ko) 탑승 가능한 개인용 골프카트
JP2020171547A (ja) 歩行支援装置
JP7322629B2 (ja) 歩行支援装置
JP7354881B2 (ja) 歩行支援装置
JP7352813B2 (ja) 歩行支援装置
JP2019198517A (ja) 歩行支援装置
JP7210907B2 (ja) 歩行支援装置
JP2021065574A (ja) 歩行支援装置
JP7098977B2 (ja) 歩行支援装置
JP2021045400A (ja) 歩行支援装置