JP2020180218A - 重合体組成物、架橋重合体、及びタイヤ - Google Patents

重合体組成物、架橋重合体、及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】加工性に優れるために混練しやすく、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性においても高度にバランスに優れたタイヤの製造に適した重合体組成物を提供すること。【解決手段】本発明に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン化合物の重合体又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であって、活性重合末端と下記一般式(1)で表される化合物との反応物である、共役ジエン系重合体と、(B)CTAB比表面積が150m2/g以上、かつ、BET比表面積が160m2/g以上である第1シリカと、(C)CTAB比表面積が130m2/g以下、かつ、BET比表面積が140m2/g以下である第2シリカと、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、重合体組成物、架橋重合体、及び該架橋重合体を用いて作成されたタイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法として、タイヤ構造を最適化する手法が検討されてきたが、タイヤに適用される重合体組成物について、tanδが低く(以下、「低ロス性」ともいう。)、低発熱性の優れたものを用いることも、現在一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低い重合体組成物を得る方法としては、カーボンブラックやシリカ等の充填剤の減量、又は大粒径のカーボンブラックの使用等が考えられるが、いずれの方法でも、重合体組成物の補強性、耐摩耗性及び湿潤路面でのグリップ性(以下、「ウエットグリップ性」ともいう。)の低下が避けられない。
そこで、例えば、金属末端を有する活性重合体を形成し、該活性重合体に特定の変性剤を導入して変性させた変性共役ジエン系重合体をタイヤのトレッド材料として使用する検討がなされている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、この材料をタイヤのトレッド材料として使用すると、発熱性、耐摩耗性、及びウエットグリップ性に優れたものとなることが開示されている。
特表2016−528369号公報
しかしながら、特許文献1に開示された変性共役ジエン系重合体をタイヤのトレッド材料として使用した場合、該変性共役ジエン系重合体はシリカとの相互作用が強いために加工性が劣り、十分に混練できないことで、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性の点で十分な性能が得られないという課題があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、加工性に優れるために混練しやすく、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性においても高度にバランスに優れたタイヤの製造に適した重合体組成物を提供する。また、本発明に係る幾つかの態様は、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性において高度にバランスに優れたタイヤを提供する。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
本発明に係る重合体組成物の一態様は、
(A)共役ジエン化合物の重合体又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であって、活性重合末端と下記一般式(1)で表される化合物との反応物である、共役ジエン系重合体と、
(B)CTAB比表面積が150m/g以上、かつ、BET比表面積が160m/g以上である第1シリカと、
(C)CTAB比表面積が130m/g以下、かつ、BET比表面積が140m/g以下である第2シリカと、
を含有する。
Figure 2020180218
(式(1)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基であり、Aは下記式(2)〜(4)のいずれかの式で表される基である。)
Figure 2020180218
(式(2)〜(4)中、*は上記式(1)のRと結合する部位である。式(2)及び式(4)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基である。)
前記重合体組成物の一態様において、
前記(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記(B)第1シリカを20質量部以上70質量部以下含有することができる。
前記重合体組成物のいずれかの態様において、
前記(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記(C)第2シリカを20質量部以上70質量部以下含有することができる。
前記重合体組成物のいずれかの態様において、
前記(B)第1シリカと前記(C)第2シリカとを質量基準で25:75〜75:25となる量比で含有することができる。
前記重合体組成物のいずれかの態様において、
前記(A)共役ジエン系重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
たポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000〜2,000,000であることができる。
前記重合体組成物のいずれかの態様において、
更に、架橋剤を含有することができる。
本発明に係る架橋重合体の一態様は、
前記いずれかの態様の重合体組成物を用いて製造されたものである。
本発明に係るタイヤの一態様は、
前記態様の架橋重合体を使用したものである。
本発明に係る重合体組成物によれば、加工性に優れるため混練しやすく、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性においても高度にバランスに優れた架橋重合体(タイヤ)を製造することができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本明細書において、「〜」を用いて記載された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸〜」とは、アクリル酸〜及びメタクリル酸〜の双方を含む概念である。
1.重合体組成物
本実施形態に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン化合物の重合体又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であって、活性重合末端と下記一般式(1)で表される化合物との反応物である、共役ジエン系重合体と、(B)CTAB比表面積が150m/g以上、かつ、BET比表面積が160m/g以上である第1シリカと、(C)CTAB比表面積が130m/g以下、かつ、BET比表面積が140m/g以下である第2シリカと、を含有する。
本実施形態に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン系重合体を含む重合体成分と、(B)第1シリカと、(C)第2シリカと、必要に応じて他の添加剤とを混練することにより得られる未加硫の重合体組成物である。本実施形態に係る重合体組成物は、例えば加硫などの架橋処理をすることにより、架橋重合体を形成するものである。
以下、本実施形態に係る重合体組成物に含まれる各成分について説明する。
1.1.(A)共役ジエン系重合体
本実施形態に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン化合物の重合体又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であって、活性重合末端と下記一般式(1)で表される化合物との反応物である、共役ジエン系重合体(本明細書において、単に「(A)共役ジエン系重合体」ともいう。)を含有する。
Figure 2020180218
(式(1)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基であり、Aは下記式(2)〜(4)のいずれかの式で表される基である。)
Figure 2020180218
(式(2)〜(4)中、*は上記式(1)のRと結合する部位である。式(2)及び式(4)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基である。)
(A)共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有し、かつ活性重合末端に、上記一般式(1)の化合物に由来する構造を有する。このような(A)共役ジエン系重合体は、まず、共役ジエン化合物を含む単量体を重合して活性末端を有する重合体を得て(重合工程)、次いで、活性末端を有する重合体と、上記一般式(1)の化合物(以下、「特定変性剤」ともいう。)と、を反応させることにより得ることができる(変性工程)。
<重合工程>
重合に際して使用し得る共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の単独重合体であってもよいが、架橋重合体の強度を高める観点から、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であることが好ましい。中でも、アニオン重合におけるリビング性が高い点において、1,
3−ブタジエンとスチレンとをモノマー組成に含む共重合体であることが好ましい。(A)共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である場合、(A)共役ジエン系重合体は、典型的には、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との分布が不規則なランダム共重合部分を有し、さらに、共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物に由来する構造単位からなるブロック部分を有していてもよい。
重合に際して使用し得る芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、5−tert−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−tert−ブチルスチレン、3−tert−ブチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン(例えば、1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレンなど)等が挙げられる。これらの中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。芳香族ビニル化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である場合、芳香族ビニル化合物の含有量(芳香族ビニル含量)は、得られる架橋重合体の低ロス性とウエットグリップ性とのバランスを良好にする観点から、重合に使用する共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物の合計100質量%中、3〜55質量%とすることが好ましく、5〜50質量%とすることがより好ましい。なお、(A)共役ジエン系重合体の芳香族ビニル含量は、H−NMRによって測定することができる。
重合に際しては、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物以外の他のモノマーを使用してもよい。他のモノマーとしては、例えばアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等が挙げられる。他のモノマーの使用量は、重合に使用するモノマーの全体量100質量%中、25質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以下とすることが特に好ましい。
使用する重合方法としては、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれを用いてもよいが、溶液重合法が特に好ましい。また、重合形式としては、回分式及び連続式のいずれを用いてもよい。溶液重合法を用いる場合、具体的な重合方法の一例としては、有機溶媒中において、共役ジエン化合物を含む単量体を、重合開始剤及び必要に応じて用いられるランダマイザーの存在下で重合する方法が挙げられる。
重合開始剤としては、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を用いることができる。これらの具体例としては、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、1,4−ジリチオブタン、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、ナフチルリチウム、1,3−ビス(1−リチオ−1,3−ジメチルペンチル)ベンゼン、1,3−フェニレンビス(3−メチル−1−フェニルペンチリデン)ジリチウム、3−(ジメチルアミノ)プロピルリチウム、ナフチルナトリウム、ナフチルカリウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカリウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、リチウム化合物が好ましい。重合開始剤の合計の使用量は、重合に使用するモノマー100gに対して、0.2〜20mmol
とすることが好ましい。なお、重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、重合反応は、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物とを混合して得られる化合物(以下、「変性開始剤」ともいう。)の存在下で行ってもよい。変性開始剤の存在下で重合を行うことにより、(A)共役ジエン系重合体の重合開始末端に、シリカと相互作用する官能基を導入することができる。なお、本明細書において「相互作用」とは、分子間で共有結合を形成するか、又は共有結合よりも弱い分子間力(例えば、イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等といった分子間に働く電磁気学的な力)を形成することを意味する。「シリカと相互作用する官能基」は、窒素原子、硫黄原子、リン原子及び酸素原子よりなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
変性開始剤としては、アルキルリチウム等のリチウム化合物と、第2級アミン化合物などの窒素含有化合物との反応生成物であることが好ましい。当該窒素含有化合物の具体例としては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ドデカメチレンイミン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジアリルアミン、モルホリン、N−(トリメチルシリル)ピペラジン、N−(tert−ブチルジメチルシリル)ピペラジン、1,3−ジトリメチルシリル−1,3,5−トリアジナン等が挙げられる。なお、変性開始剤の存在下で重合を行う場合、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物とを予め混合することにより変性開始剤を調製し、その調製した変性開始剤を重合系中に添加して重合を行ってもよい。あるいは、重合系中に、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物とを添加し、重合系中で両者を混合することにより変性開始剤を調製して重合を行ってもよい。又は、窒素含有のアルキルリチウム化合物を使用することもできる。窒素含有のアルキルリチウム化合物の具体例としては、3−ジメチルアミノプロピルリチウムとイソプレンとの反応物等を使用することができる。
ランダマイザーは、重合体中におけるビニル結合(1,2−結合及び3,4−結合)の含有率を表すビニル結合含量の調整等を目的として用いることができる。ランダマイザーの例としては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合に使用する有機溶媒としては、反応に不活性な有機溶媒であればよく、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などを用いることができる。中でも、炭素数3〜8の炭化水素が好ましく、その具体例としては、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロヘキセン等が挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶液重合を用いる場合、反応溶媒中のモノマー濃度は、生産性と重合コントロールの容易性のバランスを維持する観点から、5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。重合反応の温度は、−20℃〜150℃であることが好ましく、0℃〜120℃であることがより好ましく、20℃〜100℃であることが特に好ましい。また、重合反応は、単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力の下で行うことが好ましい。このような圧力は、重合反応に対して不活性なガスによって、反応器内を加圧する等の方法によって得ることができる。こうした重合反応により、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることができる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体につき、共役ジエン化合物に由来する構造単位におけるビニル結合含量は、30〜65モル%であることが好ましく、33〜62モル%であることがより好ましく、35〜60モル%であることが特に好ましい。ビニル結合含量が30モル%未満であると、グリップ特性が低くなり過ぎる傾向があり、65モル%を超えると、得られる架橋重合体の耐摩耗性が悪化しやすくなる傾向にある。なお、本明細書において「ビニル結合含量」は、共役ジエン系重合体中において、共役ジエン化合物に由来する全構造単位に対する、ビニル結合を有する構造単位の含有割合を示す値であり、H−NMRによって測定した値である。
<変性工程>
次いで、上記重合反応により得られた共役ジエン系重合体につき、該重合体の活性末端と、下記一般式(1)で表される化合物(特定変性剤)とを反応させる。こうした工程を経ることにより、特定変性剤で末端変性された(A)共役ジエン系重合体を得ることができる。このような特定変性剤で末端変性された(A)共役ジエン系重合体は、末端変性部位において(B)第1シリカや(C)第2シリカとの相互作用が強くなるので、破断強度及び耐摩耗性が向上し、また低歪みでの剛性が高くなるので操縦安定性も向上する。
Figure 2020180218
(式(1)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基であり、Aは下記式(2)〜(4)のいずれかの式で表される基である。)
Figure 2020180218
(式(2)〜(4)中、*は上記式(1)のRと結合する部位である。式(2)及び式(4)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基である。)
上記式(1)〜(4)において、R〜Rの炭素数1〜8のヒドロカルビレン基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基、炭素数3〜8のシクロアルキレン基、炭素数6〜8のアリーレン基等が挙げられる。上記式(1)〜(4)において、Zの炭素数1〜8のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。また、上記式(1)〜(4)において、Zの炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基としては、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルコキシ基が挙げられる。
上記式(1)中、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であるが、末端変性部位において(B)第1シリカや(C)第2シリカとの相互作用を強くできる観点から、各Siに結合するZの3個とも炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−ジアミノプロパン、N−(3−イミダゾリルプロピル)−N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−イミダゾリルプロピル)−N,N−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。
なお、活性末端を有する共役ジエン系重合体の変性反応に際しては、特定変性剤を単独で使用してもよいが、特定変性剤とともに特定変性剤以外の変性剤(以下、「その他の変性剤」ともいう。)を使用してもよい。その他の変性剤は、(B)第1シリカや(C)第2シリカ、及び無機充填剤と相互作用する官能基を有し、かつ重合体の活性末端と反応し得る化合物であれば特に限定されない。
上記の変性反応は、例えば溶液反応として行うことができる。この溶液反応は、重合反応の終了後の未反応モノマーを含む溶液を用いて行ってもよく、当該溶液に含まれる共役ジエン系重合体を単離し、シクロヘキサン等の適当な溶媒に溶解した上で行ってもよい。また、変性反応は、回分式及び連続式のいずれを用いて行ってもよい。このとき、変性剤
の添加方法は特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、連続的に添加する方法などが挙げられる。
特定変性剤の使用割合(二種以上使用する場合にはその合計量)は、重合開始剤が有する重合反応に関与する金属原子1モルに対して、0.2モル以上とすることが好ましく、0.4モル以上とすることがより好ましい。0.2モル以上とすることにより、特定変性剤による重合体末端の変性反応を十分に進行させることができ、末端変性部位における(B)第1シリカや(C)第2シリカとの相互作用を十分に強くすることができる。また、変性反応後における溶液中の未反応物を少なくする点で、特定変性剤の使用割合の上限値は、重合開始剤が有する重合反応に関与する金属原子1モルに対して、1.5モル未満とすることが好ましく、1.2モル未満とすることがより好ましい。
なお、変性反応に際し、特定変性剤とその他の変性剤とを併用する場合、その他の変性剤の使用割合は、共役ジエン系重合体と特定変性剤との反応を十分に進行させる観点から、特定変性剤とその他の変性剤との合計の使用割合に対して、30モル%以下とすることが好ましく、20モル%以下とすることがより好ましく、10モル%以下とすることが特に好ましい。
変性反応の温度は、通常、重合反応の温度と同じであり、−20℃〜150℃とすることが好ましく、0℃〜120℃とすることがより好ましく、20℃〜100℃とすることが特に好ましい。変性反応の温度が低いと、変性後の共役ジエン系重合体の粘度が上昇する傾向がある。一方、変性反応の温度が高いと、重合体の活性末端が失活しやすくなる。変性反応の反応時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは2分〜1時間である。
反応溶液に含まれる(A)共役ジエン系重合体を単離するには、例えばスチームストリッピング等の公知の脱溶媒方法及び熱処理等の乾燥の操作によって行うことができる。得られた(A)共役ジエン系重合体は、必要に応じて伸展油等を添加することによりムーニー粘度を調整してもよい。この処理により、加工性を良好にすることができる。伸展油としては、例えばアロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。伸展油の配合量は、重合に用いるモノマー等に応じて適宜設定すればよいが、例えば共役ジエン系重合体100質量部に対し、10〜50質量部である。
このようにして、(A)共役ジエン系重合体を得ることができる。(A)共役ジエン系重合体によれば、(B)第1シリカや(C)第2シリカ、無機充填剤の分散性を向上させることができる。これにより、自動車タイヤ等の用途において求められる低ロス性能及び耐摩耗性を同時に改善できる架橋重合体を得ることができる。また、(A)共役ジエン系重合体によれば、加工性が良好な重合体組成物を得ることができる。
(A)共役ジエン系重合体は、該重合体の少なくとも片末端に、上記一般式(1)の化合物に由来する構造を有することが好ましい。(A)共役ジエン系重合体がこのような構造を有することにより、例えばタイヤ用途に適用した場合に、(B)第1シリカや(C)第2シリカ、無機充填剤の分散性がより改善され、低ロス性及び耐摩耗性において、より高い改善効果を奏する点で好ましい。
(A)共役ジエン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜2,000,000である。Mwが10,000よりも小さいと、本実施形態に係る重合体組成物の架橋重合体において、低ロス性及び耐摩耗性が低下しやすい傾向にあり、2,000,000よりも大きいと、重合体組成物の加工性が低下しやすい傾向にある。得られる(
A)共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは30,000〜1,500,000であり、さらに好ましくは50,000〜1,000,000である。
(A)共役ジエン系重合体の分子量分布、すなわち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5であり、特に好ましくは1.5〜2.2である。(A)共役ジエン系重合体の分子量分布が前記範囲にあると、より優れた低ロス性、耐摩耗性、ウエットグリップ性能及び機械的特性が得られやすい。
1.2.(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ
本実施形態に係る重合体組成物は、(B)CTAB比表面積が150m/g以上、かつ、BET比表面積が160m/g以上である第1シリカ(本明細書において、単に「(B)第1シリカ」ともいう。)と、(C)CTAB比表面積が130m/g以下、かつ、BET比表面積が140m/g以下である第2シリカ(本明細書において、単に「(C)第2シリカ」ともいう。)と、を含有する。このような(B)第1シリカと(C)第2シリカとを併用することにより、平均一次粒子径は小さいが比較的アグリゲートサイズの大きい第1シリカを重合体組成物中に良好に分散させることが可能となる。第1シリカの分散性が改善されることによって重合体組成物の加工性が良好となるとともに、優れたゴム破断強度、耐摩耗性及び低燃費性を有する架橋重合体(タイヤ)を得ることができる。
(B)第1シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積は150m/g以上であり、好ましくは160m/g以上、より好ましくは170m/g以上、特に好ましくは180m/g以上である。CTAB比表面積が150m/g未満であると、ゴム破断強度、耐摩耗性の十分な向上が得られにくくなる傾向がある。また、(B)第1シリカのCTAB比表面積は、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、特に好ましくは250m/g以下である。CTAB比表面積が600m/gを超えると、分散性に劣り、凝集してしまうため、得られる架橋重合体(タイヤ)の性能が低下する傾向がある。なお、シリカのCTAB比表面積は、ASTM D3765−92に準拠して測定される。
(B)第1シリカのBET比表面積は160m/g以上であり、好ましくは175m/g以上、より好ましくは190m/g以上である。BET比表面積が160m/g未満であると、ゴム破断強度、耐摩耗性の十分な向上が得られにくくなる傾向がある。また、(B)第1シリカのBET比表面積は、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、特に好ましくは260m/g以下である。BET比表面積が600m/gを超えると、分散性に劣り、凝集してしまうため、得られる架橋重合体(タイヤ)の性能が低下する傾向がある。なお、シリカのBET比表面積は、ASTM D3037−81に準拠して測定される。
(B)第1シリカのアグリゲートサイズは、好ましくは45nm以上、より好ましくは50nm以上、特に好ましくは60nm以上である。(B)第1シリカがこのようなアグリゲートサイズを有することにより、良好な分散性(加工性)を有しながら、優れた低燃費性、耐摩耗性を架橋重合体に与えることができる。なお、シリカのアグリゲートサイズは、ディスク遠心沈降式粒度分析法により測定される。
(B)第1シリカの平均一次粒子径は、好ましくは25nm以下、より好ましくは22nm以下、更に好ましくは17nm以下、特に好ましくは14nm以下である。また、(B)第1シリカの平均一次粒子径は、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、特に好ましくは7nm以上である。このような小さい平均一次粒子径を有しているものの、上記のアグリゲートサイズを有する構造により、シリカの分散性(加工性)をより改善でき、低燃費性、耐摩耗性を更に改善できる。なお、シリカの平均一次粒子径は、シリカを透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子400個について粒子径を測定し、その平均により求めることができる。
本実施形態に係る重合体組成物中の(B)第1シリカの含有量は、(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、好ましくは20質量部以上70質量部以下、より好ましくは20質量部以上60質量部以下、特に好ましくは25質量部以上50質量部以下である。(B)第1シリカの含有量が前記範囲にあると、良好な分散性(加工性)を有しながら、得られる架橋重合体(タイヤ)に優れた低燃費性、耐摩耗性を与えることができる。
(C)第2シリカのCTAB比表面積は130m/g以下であり、好ましくは120m/g以下、より好ましくは100m/g以下、特に好ましくは80m/g以下である。CTAB比表面積が130m/gを超えると、(C)第2シリカの分散性が悪くなり、ゴム破断強度及び耐摩耗性を改善することが難しくなる場合がある。また、(C)第2シリカのCTAB比表面積は、好ましくは10m/g以上、より好ましくは20m/g以上、特に好ましくは40m/g以上である。CTAB比表面積が10m/g未満であると、補強性が低くなり、架橋重合体に必要な力学強度や耐摩耗性を確保することが難しくなる場合がある。
(C)第2シリカのBET比表面積は140m/g以下であり、好ましくは120m/g以下、より好ましくは100m/g以下、特に好ましくは90m/g以下である。BET比表面積が140m/gを超えると、(C)第2シリカの分散性が悪くなり、ゴム破断強度及び耐摩耗性を改善することが難しくなる場合がある。また、(C)第2シリカのBET比表面積は、好ましくは10m/g以上、より好ましくは20m/g以上、特に好ましくは30m/g以上である。BET比表面積が10m/g未満であると、補強性が低くなり、架橋重合体に必要な力学強度や耐摩耗性を確保することが難しくなる場合がある。
(C)第2シリカの平均一次粒子径は、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上、特に好ましくは35nm以上、最も好ましくは55nm以上である。また、(C)第2シリカの平均一次粒子径は、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下、特に好ましくは70nm以下である。このような平均一次粒子径を有することにより、ゴム破断強度及び耐摩耗性を改善できる場合がある。
本実施形態に係る重合体組成物中の(C)第2シリカの含有量は、(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、好ましくは20質量部以上70質量部以下、より好ましくは20質量部以上60質量部以下、特に好ましくは25質量部以上50質量部以下である。(C)第2シリカの含有量が前記範囲にあると、得られる架橋重合体(タイヤ)に優れたゴム破断強度、耐摩耗性を与えることができる。
本実施形態に係る重合体組成物において、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカを含むシリカの合計含有量は、(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは45質量部以上である。シリカの合計含有量が前記範囲未満の場合、カーボンブラックの配合量を増やす必要があり、低燃費性の点で好ましくない。また、シリカの合計含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。シリカの合計含有量が前記範囲を超えると、耐候性(耐紫外線クラック性)の改善や、着色に必要な最小限量(10質量部程度)のカーボンブラッ
クを配合した場合、シリカとカーボンブラックの合計含有量が過剰なために、低燃費性が悪化する傾向があるとともに、フィラーが多すぎて加工性が損なわれる場合がある。
本実施形態に係る重合体組成物が含有するシリカ全体のCTAB比表面積は、115〜130m/gの範囲内であることが好ましい。シリカ全体のCTAB比表面積が前記範囲にあると、シリカの分散性が改善されることによって重合体組成物の加工性がより良好となり、優れたゴム破断強度、耐摩耗性及び低燃費性を有する架橋重合体(タイヤ)を得ることができる。
また、本実施形態に係る重合体組成物では、(B)第1シリカと(C)第2シリカとを質量基準で25:75〜75:25となる量比で含有することが好ましく、40:60〜60:40となる量比で含有することがより好ましい。前記の量比で(B)第1シリカと(C)第2シリカとを含有することにより、シリカの分散性が改善されることによって重合体組成物の加工性がより良好となり、優れたゴム破断強度、耐摩耗性及び低燃費性を有する架橋重合体(タイヤ)を得ることができる。
本実施形態に係る重合体組成物では、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ以外のシリカを含有してもよい。なお、本実施形態に係る重合体組成物に含有される無機充填剤100質量%中の(B)第1シリカ及び(C)第2シリカの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。(B)第1シリカ及び(C)第2シリカの合計含有量が前記範囲未満である場合、残りの無機充填剤としてカーボンブラックを使用すると、ウエットグリップ性能が悪化する傾向があり、また、カーボンブラック以外の充填剤を使用すると、耐摩耗性が悪化する場合がある。
1.3.その他の成分
本実施形態に係る重合体組成物は、上記の成分の他に、必要に応じて、(A)共役ジエン系重合体以外のその他のジエン系重合体、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ以外のその他の無機充填剤、シランカップリング剤、架橋剤、酸性化合物、伸展油(プロセス油)、老化防止剤、加硫促進剤の他、必要に応じて加硫助剤、加工助剤、スコーチ防止剤及び酸化亜鉛、軟化剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤などの公知の添加剤を、重合体組成物の使用目的に応じて使用することができる。
<その他の重合体>
本実施形態に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン系重合体以外のジエン系重合体を含有してもよい。このようなジエン系重合体としては、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有すれば特に制限されないが、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。
本実施形態に係る重合体組成物がその他の重合体を含有する場合、その他の重合体の含有量は、重合体組成物に含有される重合体成分の合計量を100質量部としたときに、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下であり、特に好ましくは35質量部以下である。
<その他の無機充填剤>
本実施形態に係る重合体組成物は、得られる架橋重合体の低ロス性、耐摩耗性、ウエットグリップ性をさらに向上させるために、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ以外の無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤としては、例えば(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ以外のシリカ、カーボンブラック、及びこれらの混合物が挙げられる。
カーボンブラックとしては、特に制限されず、ゴム組成物に配合される一般的なものを用いることができ、具体例としては、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。これらの中では、ISAF、SAF、HAFが好ましく、ISAFがより好ましい。
カーボンブラックの使用割合は、重合体成分100質量部に対して、好ましくは0〜130質量部であり、より好ましくは2〜110質量部である。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン;3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの中では、補強性改善効果などの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。
シランカップリング剤の使用割合は、(B)第1シリカ、(C)第2シリカ及びその他の無機充填剤成分の合計100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましい。シランカップリング剤の使用割合が前記範囲にあると、重合体組成物から形成される架橋重合体に十分な補強性及び耐破壊特性を付与することができ、架橋重合体の耐摩耗性を向上できる。
<架橋剤>
架橋剤としては、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中では、通常、架橋剤として硫黄が用いられる。架橋剤の使用割合は、重合体成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
<酸性化合物>
酸性化合物としては、炭素数12〜24の飽和脂肪酸及びそれらの金属塩が好適に用いられる。酸性化合物の具体例としては、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、及びこれらの飽和脂肪酸の、カルシウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。これらの酸性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、ステアリン酸が好ましい。酸性化合物の使用割合は、重合体成分100質量部に対して、0.3〜15質量部であることが好ましい。
<他の添加剤>
伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。伸展油の使用割合は、重合体成分100質量部に対して、0〜50質量部である。
老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。老化防止剤の使用割合は、重合体成分100質量部に対して、0.5〜5質量部である。
加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛等が挙げられる。加硫助剤の使用割合は、重合体成分100質量部に対して、1〜5質量部である。
加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が挙げられる。加硫促進剤の好ましい具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−テトラ−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)等のスルフェンアミド系加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤の使用割合は、塩基性化合物の種類及び使用割合を考慮して適宜に定められるが、重合体成分100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。
1.4.重合体組成物の製造方法
本実施形態に係る重合体組成物は、上記の各成分を、例えばプラストミル、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって調製することができる。例えば、下記の方法によって調製することが好ましい。
<一段目の混練>
一段目の混練においては、(A)共役ジエン系重合体と共に、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカ、必要に応じてその他の無機充填剤及びシランカップリング剤が混練されることが好ましい。また、一段目の混練においては、必要に応じて、その他の重合体、伸展油及び老化防止剤なども共に混練される。また、一段目の混練においては、二段目の混練において混練されることが好ましいとされる、酸性化合物が共に混練されてもよい。
(B)第1シリカ及び(C)第2シリカやその他の無機充填剤を一段目の混練に供することによって、これらの分散性が良好となりやすく、得られる重合体組成物から形成されるタイヤ(架橋重合体)の低燃費性能が向上する場合がある。
また、一段目の混練にシランカップリング剤を供する場合には、先ず、(A)共役ジエン系重合体、その他の重合体、(B)第1シリカ、(C)第2シリカ、及び必要に応じてその他の無機充填剤を混練し、その後、シランカップリング剤を添加(後添加)して更に混練することが好ましい。
一段目の混練においてシランカップリング剤を後添加することにより、得られる重合体組成物がより加工性に優れたものとなり、該重合体組成物から形成される架橋重合体がより優れた低ヒステリシス特性を有するものとなる。また、一段目の混練においてシランカップリング剤を後添加することにより、(B)第1シリカ及び(C)第2シリカの分散性
をより良好なものとすることができる場合がある。
シランカップリング剤を後添加する場合において、シランカップリング剤の添加タイミングは、シリカの種類、シリカの使用割合及び混練条件などに応じ、(A)共役ジエン系重合体及びその他の重合体の使用割合などを考慮して適宜に定められる。
また、シランカップリング剤を後添加する場合においては、(A)共役ジエン系重合体及びその他の重合体を配合して0.5〜10分間にわたって混練した後、シランカップリング剤を添加して0.5〜10分間にわたって混練することが好ましい。
一段目の混練に用いられる混練機としては、プラストミル、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサーなどの開放式または密閉式の混練機が挙げられる。また、一段目の混練において、混練温度は、30℃〜180℃とされ、好ましくは50〜160℃である。
また、一段目の混練にシランカップリング剤を供する場合においては、シランカップリング剤を後添加して混練する手法に限定されず、シランカップリング剤を、一段目の混練に供される他の全ての成分と共に一斉に混練する手法によって、シランカップリング剤を含有する混練物を得てもよい。また、(A)共役ジエン系重合体、(B)第1シリカ、(C)第2シリカ、及びシランカップリング剤が混練されるマスターバッチを作製した後に、その他の重合体、添加剤を添加する方法でもよい。
<二段目の混練>
二段目の混練は、一段目の混練において得られた混練物に、少なくとも架橋剤を添加し、当該混練物と架橋剤とを混練し、重合体組成物を得る工程である。この二段目の混練においては、一段目の混練において得られた混練物と架橋剤と共に、酸性化合物が混練されることが好ましい。また、二段目の混練においては、必要に応じて、酸化亜鉛及び加硫促進剤も共に混練される。そして、二段目の混練においては、通常、当該二段目の混練に供される全ての成分(具体的には、一段目の混練において得られた混練物、架橋剤、並びに、必要に応じて供される、酸性化合物及び酸化亜鉛や加硫促進剤などのその他の成分)を一斉に混練する手法によって重合体組成物が得られる。
二段目の混練に酸性化合物を供することにより、得られる重合体組成物がより加工性に優れたものとなり、また、重合体組成物から形成される架橋重合体が、より優れた低ヒステリシス特性を有するものとなる。
二段目の混練においては、一段目の混練において用いた混練機が用いられる。また、二段目の混練において、混練温度は、30℃〜130℃とされ、好ましくは50℃〜110℃である。
以上のような製造方法によって得られる重合体組成物は、未加硫ゴム組成物であり、例えば加硫などの架橋処理をすることによって架橋重合体が形成されるものである。
1.5.用途
本実施形態に係る重合体組成物から形成される架橋重合体は、タイヤ、具体的にはタイヤのトレッドとして好適に用いられる。本実施形態に係る重合体組成物から形成されるタイヤには、トレッドに高い強度が得られ、またトレッドに所望の形状が得られるため、優れた性能が得られる。また、本実施形態に係る重合体組成物から形成される架橋重合体は、トレッド以外のタイヤ部材、防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース、及びその他の工業品などとして用いることもできる。
2.実施例
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記製造例、実施例及び比較例中の「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
2.1.(A)共役ジエン系重合体の製造例
<製造例1>
窒素置換された内容積16リットルのオートクレーブ反応器に、1,3−ブタジエンを27.3g/分、スチレンを18.2g/分、溶媒としてシクロヘキサンを237.1g/分、テトラヒドロフランを3.3g/分、n−ブチルリチウムを0.283mmol/分(18.11mg/分)で連続的にチャージし、リアクターの温度は75℃でコントロールした。1基目の反応器から連続的に重合体溶液を321.9g/分でデスチャージし、これに、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−ジアミノプロパンを0.0742mmol/分で添加しラインミキシングし、2基目の反応器に連続的に導入し反応を行った。2基目の反応器の出口にてジ−tert−ブチル−p−クレゾールを重合体成分100質量部に対して0.7質量部添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系共重合体(以下、「SBR−1」ともいう。)を得た。
<製造例2>
製造例1において、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−ジアミノプロパンに代えて、N−(3−イミダゾリルプロピル)−N,N−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン0.0742mmol/分で添加した以外は製造例1と同様の操作を行い、変性共役ジエン系共重合体(以下、「SBR−2」ともいう。)を得た。
<製造例3>
製造例1において、N,N,N’,N’−テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−ジアミノプロパンを添加しなかった以外は製造例1と同様の操作を行い、共役ジエン系共重合体(以下、「SBR−3」ともいう。)を得た。
2.2.物性の測定方法
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定>
上記で製造された各重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製の「HLC−8120」)を用い、下記のGPC条件で得られたGPC曲線の最大ピークの頂点に相当する保持時間から、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を算出した。
(GPC条件)
カラム:商品名「GMHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
サンプル濃度:10mg/20ml
<ビニル含量、結合スチレン含量の測定>
・ビニル含量(%):400MHzのH−NMR測定によって測定した。
・結合スチレン含量(%):400MHzのH−NMR測定によって測定した。結合スチレン含量は、芳香族ビニル含量に相当するパラメータである。
2.3.実施例1〜14及び比較例1〜9
2.3.1.重合体組成物及び架橋重合体の製造
下表3〜下表4に示す配合処方により各成分を配合し、それらを混練することによって各重合体組成物を製造した。混練は以下の方法で行った。
温度制御装置を付属したプラストミル(内容量:250ml)を使用し、一段目の混練)として、充填率72%、回転数60rpmの条件で、下表3〜下表4に示す重合体成分、シリカ、カーボンブラック、シランカップリング剤、ステアリン酸、老化防止剤、酸化亜鉛、伸展油を混練した。次いで、二段目の混練として、上記で得られた混練物を室温まで冷却後、加硫促進剤、硫黄を混練することにより、実施例1〜14及び比較例1〜9の各重合体組成物を得た。
次に、得られた各重合体組成物を成形し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、下記の評価試験に供する所定の形状を有する各架橋重合体を得た。
2.3.2.重合体組成物及び架橋重合体の評価
得られた各重合体組成物及び各架橋重合体について、以下の評価試験を行った。結果を下表3〜下表4に示す。
<破断強度>
JIS K6251:2010に準拠して、試験用加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を作製し、評価用の試験片とした。引張試験機(型名「AG−2000」、株式会社島津製作所製)を用いて、負荷速度500mm/分にて上記試料片を引っ張り、破断強度(TB)を求めた。下表3〜下表4においては、比較例1の測定値を基準として100とした場合の指数で表示し、数値が大きいほど高強度である。
<耐摩耗性>
加硫ゴムを測定用試料とし、DIN磨耗試験機(東洋精機社製)を使用し、JIS K6264−2:2005に準拠し、荷重10Nで25℃にて測定した。下表3〜下表4においては、比較例1の測定値を基準として100とした場合の指数で表示し、数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
<低燃費性(50℃tanδ)>
加硫ゴムを測定用試料として、ARES−RDA(TA Instruments社製)を使用し、剪断歪0.7%、角速度100ラジアン毎秒、50℃の条件で、損失係数(tanδ(50℃))を測定した。下表3〜下表4においては、比較例1の測定値を基準として100とした指数で表示し、tanδ(50℃)は数値が大きいほどエネルギーロスが小さく、低ヒステリシスロス特性が良好であることを示す。
<加工性>
JIS K6300−1:2013に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で、重合体組成物のムーニー粘度を求めた。下表3〜下表4においては、比較例1の測定値を基準として100とした指数で表示し、数値が大きいほど加工性が良好であることを示す。
2.4.評価結果
下表1に、上記で合成した各重合体の物性値を示す。下表2に、使用した各シリカの物性値を示す。下表3〜下表4に、各重合体組成物の組成及び評価結果を示す。
Figure 2020180218
Figure 2020180218
Figure 2020180218
Figure 2020180218
上表3〜上表4中、重合体組成物の組成中の各成分の数値は質量部を表す。なお、上表3〜上表4に示す各材料は、それぞれ以下の商品を用いた。
・シリカB1:ローディア社製、商品名「ZEOSIL Premium 200P」
・シリカB2:ローディア社製、商品名「ZEOSIL HRS 1200MP」
・シリカB3:エボニック社製、商品名「ULTRASIL VN3」
・シリカC1:ローディア社製、商品名「ZEOSIL 1115MP」
・シリカC2:Degussa社製、商品名「ULTRASIL 360」
・シリカC3:東ソー・シリカ社製、商品名「Nipsil E−743」
・オイル:ジャパンエナジー社製、「X140」
・カーボンブラック:東海カーボン社製、商品名「シーストKH」
・シランカップリング剤:エボニック社製、商品名「Si69」
・ステアリン酸:日油社製、商品名「ビーズステアリン酸つばき」
・老化防止剤:住友化学工業社製、商品名「アンチゲン3C」
・加硫促進剤CZ:住友化学工業社製、商品名「ソクシノールCZ」、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
・加硫促進剤D:住友化学工業社製、商品名「ソクシノールD」、1,3−ジフェニルグアニジン
・硫黄:鶴見化学工業社製、商品名「金華印油入微粉硫黄」
上表3〜上表4の結果から、実施例1〜14に係る重合体組成物は、(A)共役ジエン系重合体と、(B)第1シリカと、(C)第2シリカとを含有することで、比較例1に係る重合体組成物に比べて、加工性が良好となるため混練しやすくなること、及び、破断強度、耐摩耗性及び低燃費性においても高度にバランスに優れた架橋重合体が得られることが確認できた。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (8)

  1. (A)共役ジエン化合物の重合体又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体であって、活性重合末端と下記一般式(1)で表される化合物との反応物である、共役ジエン系重合体と、
    (B)CTAB比表面積が150m/g以上、かつ、BET比表面積が160m/g以上である第1シリカと、
    (C)CTAB比表面積が130m/g以下、かつ、BET比表面積が140m/g以下である第2シリカと、
    を含有する、重合体組成物。
    Figure 2020180218
    (式(1)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基であり、Aは下記式(2)〜(4)のいずれかの式で表される基である。)
    Figure 2020180218
    (式(2)〜(4)中、*は上記式(1)のRと結合する部位である。式(2)及び式(4)中、Zはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビル基又は炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基であり、各Siに結合するZのうち1個以上が炭素数1〜8のヒドロカルビルオキシ基である。R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のヒドロカルビレン基である。)
  2. 前記(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記(B)第1シリカを20質量部以上70質量部以下含有する、請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 前記(A)共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記(C)第2シリカを20質量部以上70質量部以下含有する、請求項1又は請求項2に記載の重合体組成物。
  4. 前記(B)第1シリカと前記(C)第2シリカとを質量基準で25:75〜75:25となる量比で含有する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の重合体組成物。
  5. 前記(A)共役ジエン系重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000〜2,000,000である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の重合体組成物。
  6. 更に、架橋剤を含有する、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の重合体組成物。
  7. 請求項6に記載の重合体組成物を用いて製造された架橋重合体。
  8. 請求項7に記載の架橋重合体を使用したタイヤ。
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