JP2020180213A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜においてもエッジ部と平面部の防食性及び仕上がり性に優れたカチオン電着塗料組成物、並びにこれらの諸塗膜性能に優れた塗装物品を提供すること。
【解決手段】アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂架橋粒子(C)を有するカチオン電着塗料組成物であって、該樹脂(A)及び化合物(B)の固形分合計質量を基準として、エポキシ樹脂架橋粒子(C)が、0.1〜40質量部含有し、かつエポキシ樹脂架橋粒子(C)の数平均分子量が100,000未満であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ基含有エポキシ樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、及びエポキシ樹脂架橋粒子を有するカチオン電着塗料組成物に関する。
カチオン電着塗料組成物は、塗装作業性に優れ、且つ形成される塗膜の防食性が良好なことから、これらの性能が要求される自動車ボディ、自動車部品、電気機器部品及びその他の機器等などの導電性金属製品向け下塗り塗料として広く使用されている。
被塗物が鋭いエッジ部を有する場合、塗料の加熱硬化時にエッジ部の塗膜が薄くなってしまうことがあり、防食性が劣ることとなる。そのため、エッジ部を有する被塗物の塗装においては、エッジ部の防食性を向上させる手段が求められている。
エッジ部の防錆性を向上させる方法として、特許文献1には電着塗料中にポリアクリルアミド樹脂を含有することが開示されている。上記樹脂を含有することにより、加熱によって生じる収縮を制御する、または塗膜成分と相互作用しフローによるエッジカバリング低下を抑制することができると考えられるが、極性の高い溶解性樹脂を含有することになるため、平面部の防食性が劣る場合があった。
特許文献2及び3には、電着塗料中にカチオン性マイクロゲル分散体(エポキシ粘性剤)を含有することが開示されている。上記樹脂を含有することにより、エッジ部において熱フローによる電着塗膜の流れを抑制することができるが、厳しい腐食条件下ではエッジ部の防食性が十分に得られない場合があった。
特開2017−214572 特開2018−159032号公報 特開平7−268063号公報
発明が解決しようとする課題は、薄膜においてもエッジ部と平面部の防食性、及び仕上がり性に優れたカチオン電着塗料組成物、並びにこれらの諸塗膜性能に優れた塗装物品を提供することである。
発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂架橋粒子(C)を有するカチオン電着塗料組成物によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のカチオン電着塗料組成物、カチオン電着塗膜の形成方法及び塗膜形成方法により電着塗装された塗装物品を提供するものである。
項1.アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂架橋粒子(C)を有するカチオン電着塗料組成物であって、該アミノ基含有エポキシ樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計質量を基準として、該塗料組成物がエポキシ樹脂架橋粒子(C)を0.1〜40質量部含有し、かつ下記方法で測定されるエポキシ樹脂架橋粒子(C)の数平均分子量が100,000未満であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
<数平均分子量の測定方法>
エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いで濾過によって不溶解成分を取り除き、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて数平均分子量を測定した。
項2.エポキシ樹脂架橋粒子(C)を下記方法で測定した場合の不溶解成分(架橋成分)の割合が、10質量%以上であることを特徴とする前記項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
<不溶解成分(架橋成分)割合の測定方法>
エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いでGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって不溶解成分(架橋成分)を濾過し、残渣を130℃×3時間の条件で乾燥することにより残渣の固形分質量を測定した。不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)は下記式により求めることができる。
不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)=A/B×100
A:濾過残渣の固形分質量
B:固形分1質量%に希釈したエポキシ樹脂架橋粒子(C)溶液の質量/100
項3.エポキシ樹脂架橋粒子(C)が、アミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)とエポキシ樹脂(C−2)との反応生成物であることを特徴とする前記項1又は2に記載のカチオン電着塗料組成物。
項4.アミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)が、エポキシ樹脂(C−1−1)とアミン化合物(C−1−2)との反応生成物であって、該アミン化合物(C−1−2)がケチミン化されたアミン化合物(C−1−2−1)を2モル%以上、かつ40モル%未満の割合で含有することを特徴とする前記項3に記載のカチオン電着塗料組成物。
項5.高分子率(分子量が10万以上のピーク面積)が40%未満であることを特徴とする前記項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
項6.前記項1〜5のカチオン電着塗料組成物からなる電着塗料浴に金属被塗物を浸漬し、電着塗装する塗装方法。
項7.前記項6に記載の塗装方法によって塗膜を形成し、次いで加熱硬化する工程を含む塗装物品の製造方法。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、エッジ部と平面部の防食性、及び仕上がり性に優れ、特に薄膜での仕上がり性や防食性が良好であり、厳しい腐食条件下でもエッジ部の防食性が良好である。本発明品が塗装された自動車ボディは、融雪塩が散布された環境下を走行しても、腐食劣化が少ない。
本発明は、アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂架橋粒子(C)を有するカチオン電着塗料組成物に関する。以下、詳細に述べる。
アミノ基含有エポキシ樹脂(A)
本発明で用いることができるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)としては、例えば、(1)エポキシ樹脂と第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第3,984,299号明細書参照);(2)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照);(3)エポキシ樹脂とケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)等を挙げることができる。
上記のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用されるエポキシ樹脂(A−1)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物であり、その分子量は、少なくとも300、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜2,500の範囲内の数平均分子量及び少なくとも160、好ましくは180〜2,500、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有するものが適している。かかるエポキシ樹脂としては、例えば、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン(例えば、エピクロルヒドリン等)との反応によって得られるものを使用することができる。
上記エポキシ樹脂の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。
また、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹
脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式(1)のエポキシ樹脂が好適である。
さらに下記式(1)のエポキシ樹脂とポリフェノール化合物とを反応させて高分子量化及び/又は多官能化したエポキシ樹脂を用いることもでき、なかでも該ポリフェノール化合物としてはビスフェノールAが好適である。
Figure 2020180213
ここで、n=0〜8で示されるものが好適である。
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、三菱化学(株)からjER828EL、jER1002、jER1004、jER1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂(A−1)としては、樹脂骨格中にポリアルキレンオキシド鎖を含有しているエポキシ樹脂を使用することができる。通常、このようなエポキシ樹脂は、(α)エポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有するエポキシ樹脂と、アルキレンオキシド又はポリアルキレンオキシドを反応せしめてポリアルキレンオキシド鎖を導入する方法、(β)上記ポリフェノール化合物と、エポキシ基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有するポリアルキレンオキシドとを反応せしめてポリアルキレンオキシド鎖を導入する方法などにより得ることができる。また、既にポリアルキレンオキシド鎖を含有しているエポキシ樹脂を用いても良い。(例えば、特開平8−337750号 明細書参照)
ポリアルキレンオキシド鎖中のアルキレン基としては、炭素数が2〜8のアルキレン基が好ましく、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基がより好ましく、プロピレン基が特に好ましい。
上記のポリアルキレンオキシド鎖の含有量は、塗料安定性、仕上り性及び防食性向上の観点から、アミノ基含有エポキシ樹脂の固形分質量を基準にして、ポリアルキレンオキシドの構成成分としての含有量で、通常1.0〜15質量%、好ましくは2.0〜9.5質量%、より好ましくは3.0〜8.0質量%の範囲内が適当である。
上記(1)のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミンなどを挙げることができる。
上記(2)のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用されるケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミンとしては、例えば、上記(1)のアミン付加エポキシ樹脂の製造に使用される第1、2級混合ポリアミンのうち、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミンなどにケトン化合物を反応させて生成させたケチミン化物を挙げることができる。
上記(3)のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用されるケチミン化された第1級アミノ基を有するヒドロキシ化合物としては、例えば、上記(1)のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造に使用される第1級モノ−及びポリアミン、第2級モノ−及びポリアミン又は第1、2級混合ポリアミンのうち、第1級アミノ基とヒドロキシル基を有する化合物、例えば、モノエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどにケトン化合物を反応させてなるヒドロキシル基含有ケチミン化物を挙げることができる。
このようなアミノ基含有エポキシ樹脂(A)のアミン価としては、30〜80mgKOH/g樹脂固形分の範囲、さらには40〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲とすることが、水分散性と防食性向上の点から好ましい。
またアミノ基含有エポキシ樹脂(A)は、必要に応じて、変性剤により変性を図ることができる。このような変性剤は、エポキシ樹脂との反応性を有する樹脂又は化合物であれば特に限定されず、例えばポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、脂肪酸、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物を反応させた化合物、ε−カプロラクトンなどのラクトン化合物、アクリルモノマー、アクリルモノマーを重合反応させた化合物、キシレンホルムアルデヒド化合物、エポキシ化合物も変性剤として用いることができる。これらの変性剤は、1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
これらのうち、変性剤としては、特につきまわり性及び/又は防食性の観点から、少なくとも1種の飽和及び/又は不飽和脂肪酸を用いることが好ましい。使用しうる脂肪酸としては、炭素数8〜22の長鎖脂肪酸が好ましく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。中でも、炭素数10〜20の長鎖脂肪酸がより好ましく、炭素数13〜18の長鎖脂肪酸がさらに好ましい。
上記のアミン化合物と変性剤のエポキシ樹脂(A−1)への付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度で行なうことができる。
上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系化合物;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、仕上り性及び防食性向上の観点から、アミノ基含有エポキシ樹脂の固形分質量を基準にして、通常0〜50質量%、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは6〜20質量%の範囲内が適当である。
ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)
ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)で使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
特に、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI等(好ましくはクルードMDI等)の芳香族ポリイソシアネート化合物が防食性の為により好ましい。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生することが望ましい。
ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)で使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物等(好ましくは、アルコール系化合物等)が挙げられる。
エポキシ樹脂架橋粒子(C)
本発明のカチオン電着塗料組成物で用いることができるエポキシ樹脂架橋粒子(C)は、上記樹脂(A)及び化合物(B)の固形分合計質量を基準として、エポキシ樹脂架橋粒子(C)を、通常0.1〜40質量部含有し、好ましくは1〜30質量部含有し、より好ましくは5〜15質量部含有することが好適である。
また、下記条件で測定される数平均分子量が、通常100,000未満であり、好ましくは100以上、かつ100,000未満であり、より好ましくは150以上、かつ10,000未満であり、特に好ましくは200以上、かつ5,000未満の範囲内であることが仕上がり性とエッジ部の防食性の観点から好適である。
<数平均分子量の測定方法>
エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで固形分1質量%の濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いでGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって不溶解成分(架橋成分)を濾過して取り除き、下記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて数平均分子量を測定した。
尚、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定においては、不溶成分(本発明においては溶媒に溶解しない架橋成分)が存在すると装置内で目詰まりが発生し、故障の原因となるため、フィルターを用いてろ過し、サンプルを調製することが一般的である。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)>
装置:「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)、
カラム:「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本、
移動相:N,N’−ジメチルホルムアミド、
条件:測定温度40℃、流速1mL/min、
検出器:RI。
尚、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、上記ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
上記エポキシ樹脂架橋粒子(C)は、高分子量化すると仕上がり性が悪化するため、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した分子量測定データにおいて、分子量100,000以上であるピーク面積(高分子率)が全ピーク面積の40%未満であることが好ましく、30%未満であることがより好ましい。
尚、本明細書において、上記分子量100,000以上であるピーク面積を「高分子率」と呼ぶことがある。
また、上記エポキシ樹脂架橋粒子(C)の不溶解成分(架橋成分)の割合については、エッジ部と平面部の防食性、及び仕上がり性の観点から、10質量%以上が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、15〜45質量%が特に好ましい。
不溶解成分が多い場合は仕上がり性が悪化し、不溶解成分が少ない場合はエッジ部の防食性が悪化するため、この範囲内にあることで、エッジ部の防食性と仕上がり性の両立ができ得る。
尚、上記不溶解成分(架橋成分)の割合は下記方法により算出することができる。
<不溶解成分(架橋成分)割合の測定方法>
エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いでGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって不溶解成分(架橋成分)を濾過し、残渣を130℃×3時間の条件で乾燥することにより残渣の固形分質量を測定した。不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)は下記式により求めることができる。
不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)=A/B×100
A:濾過残渣の固形分質量
B:固形分1質量%に希釈したエポキシ樹脂架橋粒子(C)溶液の質量/100
本発明のカチオン電着塗料組成物で用いることができるエポキシ樹脂架橋粒子(C)としては、エポキシ樹脂(C−1−1)とアミン化合物(C−1−2)とを反応させて得られるアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)を製造する工程(I)、該アミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)を酸化合物で中和し、水性溶媒中に分散させる工程(II)、得られた分散物とエポキシ樹脂(C−2)とを混合及び反応させてエポキシ樹脂架橋粒子(C)を得る工程(III)、を含有する工程によって製造することができる。
<工程(I)>
エポキシ樹脂(C−1−1)とアミン化合物(C−1−2)とを反応させて得られるアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)を製造する工程としては、前述したアミノ基含有エポキシ樹脂(A)と同様の製造方法を用いることができる。
上記エポキシ樹脂(C−1−1)としては、前述のエポキシ樹脂(A−1)と同様のものを用いることができ、中でも、ビスフェノールAから誘導される前記式(1)のエポキシ樹脂を好適に用いることができる。さらに前記式(1)のエポキシ樹脂とポリフェノール化合物とを反応させて高分子量化及び/又は多官能化したエポキシ樹脂を好適に用いることができ、該ポリフェノール化合物としてはビスフェノールAが好ましい。
上記エポキシ樹脂(C−1−1)の数平均分子量としては、400〜5000が好ましく、700〜3000がより好ましい。
上記アミン化合物(C−1−2)としては、前述のアミノ基含有エポキシ樹脂(A)で挙げたアミン化合物を好適に用いることができるが、特にケチミン化されたアミン化合物(C−1−2−1)を含むことが好ましく、なかでもケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミン(C−1−2−2)を含むことが好ましい。
上記ケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級モノ−及びポリアミン(C−1−2−2)としては、例えば、下記式(2)で示されるアミン化合物のケチミン化物が挙げられ、具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサアミンなどのジケチミン化物などが挙げられる。
Figure 2020180213
(式中、R及びRは、炭素数1〜8の炭化水素基であり、それぞれ異なっていても同じでも良い。nは1〜5の整数である。)
上記ケチミン化されたアミン化合物(C−1−2−1)は、アミン化合物(C−1−2)中に、0.1モル%以上、かつ80モル%未満の範囲で含有されることが好ましく、1モル%以上、かつ50モル%未満の範囲で含有されることがより好ましく、2モル%以上、かつ40モル%未満の範囲で含有されることが更に好ましく、5モル%以上、かつ30モル%未満の範囲で含有されることが特に好ましい。
尚、本明細書において、上記ケチミン化されたアミン化合物(C−1−2−1)の含有率を「ケチミン化合物含有率」と呼ぶことがある。
アミン化合物(C−1−2−1)が有するケチミン化ブロックされた第1級アミノ基は、後述する水分散工程(II)において加水分解され第1級アミノ基が現れる。次いで工程(III)において該第1級アミノ基とエポキシ樹脂(C−2)のエポキシ基とが反応し、高分子量化及び/又は架橋反応が起こる。それ故、アミン化合物(C−1−2−1)を上記範囲内にすることでエポキシ樹脂架橋粒子(C)の分子量、粒子径、及び/又は架橋度(不溶解成分の割合)を最適な範囲内とすることができる。
<工程(II)>
上記工程(I)で得られたアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)は、続いて酸化合物で中和し、さらに水性溶媒中に分散をすることで分散物を得ることができる。
ここで水性溶媒とは、水と必要に応じて含有できるその他の溶媒を含む溶媒のことであり、その他の溶媒としては、例えば、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、アルコール系溶媒、及びエーテルアルコール系溶媒、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
上記酸化合物としては、公知の酸化合物を特に制限なく用いることができ、なかでも有機酸が好ましく、さらにギ酸、乳酸、酢酸又はこれらの混合物が好適である。中和当量としては、アミノ基1当量に対して酸化合物を0.2〜1.5当量が好ましく、0.5〜1.0当量がより好ましい。
また、上記酸化合物以外に乳化剤などの添加剤を含有しても良い。
水性溶媒中への樹脂(C−1)の分散は、中和されたアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)に対して撹拌しながら水性溶媒を加えてもよく、また、水性溶媒に対して中和されたアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)を撹拌しながら加えても良く、また、水性溶媒と中和されたアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)とを混合してから撹拌しても良い。
上記分散温度としては、100℃未満が好ましく40〜99℃がより好ましく、50〜95℃がさらに好ましい。
分散物の樹脂固形分濃度としては、5〜80質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
<工程(III)>
上記工程(II)で得られた分散物は、続いてエポキシ樹脂(C−2)と混合して、さらに反応させることで、エポキシ樹脂架橋粒子(C)を得ることができる。
上記エポキシ樹脂(C−2)としては、前述のエポキシ樹脂(A−1)と同様のものを用いることができ、中でも、ビスフェノールAから誘導される前記式(1)のエポキシ樹脂を好適に用いることができる。上記エポキシ樹脂(C−2)のエポキシ当量としては、180〜2000が好ましく、180〜500がより好ましい。
上記反応工程において、加水分解によりケチミン化ブロックが外れたアミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)の第1級アミノ基とエポキシ樹脂(C−2)のエポキシ基とが反応し、高分子量化及び/又は架橋反応が起こる。
上記第1級アミノ基とエポキシ基の当量比としては、第1級アミノ基1当量に対してエポキシ基を0.5〜2.0当量が好ましく、0.7〜1.5当量がより好ましい。
上記反応温度としては、100℃未満が好ましく40〜99℃がより好ましく、50〜95℃がさらに好ましい。
上記工程(III)で得られたエポキシ樹脂架橋粒子(C)の体積平均粒子径としては、エッジ部と平面部の防食性、及び仕上がり性の観点から、通常80nm〜1000nmの範囲内であり、100nmより大きいことが好ましく、150nmより大きいことがより好ましく、200nmより大きいことがさらに好ましく、300nmより大きいことが特に好ましい。また、800nmより小さいことが好ましく、700nmより小さいことがより好ましく、600nmより小さいことがさらに好ましく、500nmより小さいことが特に好ましい。
なお、体積平均粒子径はレーザー回折・散乱測定装置によって測定することができ、本明細書の粒子径はマイクロトラックUPA250(商品名、日機装社製、粒度分布測定装置)で測定を行った。
また、樹脂架橋粒子(C)のアミン価は、25〜200mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、50〜180mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。
上記範囲内とすることで、水性溶媒中での粒子の分散性と塗膜の耐水性が優れる。
カチオン電着塗料組成物について
本発明のカチオン電着塗料組成物におけるアミノ基含有エポキシ樹脂(A)、及びブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の配合割合としては、上記成分(A)及び(B)の固形分合計質量を基準にして、成分(A)を5〜95質量%、好ましくは50〜80質量%、成分(B)を5〜95質量%、好ましくは20〜50質量%の範囲内であることが、塗料安定性が良好で、仕上がり性、防食性に優れた塗装物品を得る為にも好ましい。上記範囲を外れると、上記の塗料特性及び塗膜性能のいずれかを損うことがあり好ましくない。
また、成分(C)の配合割合としては、上記樹脂(A)及び化合物(B)の固形分合計質量を基準として、通常0.1〜40質量部含有し、好ましくは1〜30質量部含有し、より好ましくは5〜15質量部含有することが、エッジ部の防食性と仕上がり性の両方に優れた塗装物品を得る為にも好ましい。
本発明のカチオン電着塗料組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記樹脂(A)、及び化合物(B)に加え、必要に応じて、界面活性剤や表面調整剤等の各種添加剤を十分に混合して調合樹脂とした後、水分散化し、これにエポキシ樹脂架橋粒子(C)、顔料分散ペースト、水や有機溶剤、中和剤などを十分に混合して得ることができる。上記中和剤としては、公知の有機酸を特に制限なく用いることができ、なかでもギ酸、乳酸又はこれらの混合物が好適である。
上記の顔料分散ペーストは、着色顔料、防錆顔料及び体質顔料などの顔料をあらかじめ微細粒子に分散したものであって、例えば、顔料分散用樹脂、中和剤及び顔料を配合し、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理して、顔料分散ペーストを調製できる。
上記顔料分散用樹脂としては、公知のものを特に制限なく使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有するエポキシ樹脂やアクリル樹脂、界面活性剤等、3級アミン型エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エポキシ樹脂、3級スルホニウム塩型エポキシ樹脂、3級アミン型アクリル樹脂、4級アンモニウム塩型アクリル樹脂、3級スルホニウム塩型アクリル樹脂などを使用できる。
上記顔料としては、公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料;を添加することができる。
さらに、腐食抑制又は防錆を目的として、ビスマス化合物を含有させることができる。上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を用いることができる。
また、塗膜硬化性の向上を目的として、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイト゛等の有機錫化合物を用いることができる。前記酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料及び/又はビスマス化合物を適用(増量)及び/又は微細化して用いることによって、これらの有機錫化合物を含有せずに、塗膜硬化性の向上を図ることもできる。これらの顔料の配合量は、樹脂(A)、化合物(B)の合計樹脂固形分100質量部あたり1〜100質量部、特に10〜50質量部の範囲内が好ましい。
塗膜形成方法
本発明は、前述のカチオン電着塗料組成物からなる電着浴に被塗物を浸漬する工程、及び被塗物を陰極として通電する工程を含む、カチオン電着塗膜の形成方法を提供する。
本発明のカチオン電着塗料組成物の被塗物としては、自動車ボディ、2輪車部品、家庭用機器、その他の機器等が挙げられ、金属であれば特に制限はない。
被塗物としての金属鋼板としては、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板、有機複合めっき鋼板、Al素材、Mg素材など、並びにこれらの金属板を必要に応じてアルカリ脱脂等の表面を洗浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理等の表面処理を行ったものが挙げられる。
カチオン電着塗料組成物は、カチオン電着塗装によって所望の被塗物基材表面に塗装することができる。カチオン電着方法は、一般的には、脱イオン水等で希釈して固形分濃度が約5〜40質量%とし、好ましくは10〜25質量%とし、さらにpHを4.0〜9.0、好ましくは5.5〜7.0の範囲内に調整したカチオン電着塗料組成物を浴として、通常、浴温15〜35℃に調整し、負荷電圧100〜400V好ましくは150〜350Vの条件で被塗物を陰極として通電することによって行う。電着塗装後、通常、被塗物に余分に付着したカチオン電着塗料を落とすために、限外濾過液(UF濾液)、逆浸透透過水(RO水)、工業用水、純水等で十分に水洗する。
電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、乾燥塗膜に基づいて5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲内とすることができる。また、塗膜の焼き付け乾燥は、電着塗膜を電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥機などの乾燥設備を用いて、塗装物表面の温度で110〜200℃、好ましくは140〜180℃にて、時間としては10〜180分間、好ましくは20〜50分間、電着塗膜を加熱して行う。上記焼付け乾燥により硬化塗膜を得ることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
アミノ基含有エポキシ樹脂(A)の製造
製造例1
攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取りつけたフラスコに、jER828EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂、エポキシ当量190、数平均分子量350)1200部に、ビスフェノールA 500部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量850になるまで反応させた。
次に、ジエタノールアミン160部及びジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとのケチミン化物65部を加え、120℃で4時間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル480gを加え、固形分80%のアミノ基含有エポキシ樹脂A−1溶液を得た。アミノ基含有エポキシ樹脂A−1は、アミン価59mgKOH/g、数平均分子量2100であった。
ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の製造
製造例2
反応容器中に、コスモネートM−200(商品名、三井化学社製、クルードMDI、NCO基含有率 31.3%)270部、及びメチルイソブチルケトン127部を加え70℃に昇温した。この中にエチレングリコールモノブチルエーテル236部を1時間かけて滴下して加え、その後100℃に昇温し、この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネート基の吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分80%のブロック化ポリイソシアネート化合物B−1を得た。
顔料分散用樹脂の製造
製造例3
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けたフラスコに、jER828EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂、エポキシ当量190、数平均分子量350)1010部に、ビスフェノールAを390部、プラクセル212(商品名、ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社、重量平均分子量約1250)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1090になるまで反応させた。次に、ジメチルエタノールアミン134部及び濃度90%の乳酸水溶液150部を加え、90℃でエポキシ基が消失するまで反応させた。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて固形分を調整し、固形分60%の4級アンモニウム塩基を含有する顔料分散用樹脂を得た。
顔料分散ペーストの製造
製造例4
製造例3で得た固形分60%の4級アンモニウム塩基を含有する顔料分散用樹脂8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7部、カーボンブラック0.3部、水酸化ビスマス2部、及び脱イオン水20.3部を加え、ボールミルにて20時間分散し、固形分55%の顔料分散ペーストP−1を得た。
エポキシ樹脂架橋粒子(C)の製造
製造例5
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL527部、ビスフェノールA 160部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が490g/molまで反応させた。次いで、反応容器内の温度を140℃まで冷却し、ジメチルベンジルアミン 1.7部加えエポキシ当量が890g/molまで反応させた後、メチルブチルケトンを220部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでN−メチルエタノールアミン 45部とジエチレントリアミンジケチミン45部(ケチミン化合物含有率:22モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち204部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸16部を加えて酸中和し、脱イオン水を664部加え希釈分散した。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を16部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−1)溶液を得た。
製造例6
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL 478部、ビスフェノールA 238部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が1540g/molまで反応させた。次いで、メチルブチルケトンを233部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでN−メチルエタノールアミン 23部とジエチレントリアミンジケチミン 28部(ケチミン化合物含有率:25モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち217部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸10部を加えて酸中和し、脱イオン水を662部加え希釈分散した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を11部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で水希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−2)溶液を得た。
製造例7
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL 472部、ビスフェノールA 253部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が2450g/molまで反応させた。次いで、メチルブチルケトンを235部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでN−メチルエタノールアミン 16部とジエチレントリアミンジケチミン 24部(ケチミン化合物含有率:30モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち220部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸7部を加えて酸中和し、脱イオン水を662部加え希釈分散した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を11部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で水希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−3)溶液を得た。
製造例8
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL 472部、ビスフェノールA 253部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が2450g/molまで反応させた。次いで、メチルブチルケトンを230部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでN−メチルエタノールアミン 13部とジエチレントリアミンジケチミン 32部(ケチミン化合物含有率:40モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち214部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸6部を加えて酸中和し、脱イオン水を662部加え希釈分散した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を18部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で水希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−4)溶液を得た。
製造例9
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL 477部、ビスフェノールA 237部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が1540g/molまで反応させた。次いで、メチルブチルケトンを223部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでN−メチルエタノールアミン 19部とジエチレントリアミンジケチミン 44部(ケチミン化合物含有率:40モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち210部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸11部を加えて酸中和し、脱イオン水を663部加え希釈分散した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を16部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で水希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−5)溶液を得た。
製造例10
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にjER828EL 470部、ビスフェノールA 252部、ジメチルベンジルアミン 0.1部を加え、反応容器内の温度を160℃に保持し、エポキシ当量が2450g/molまで反応させた。次いで、メチルブチルケトンを226部加えながら、反応容器内の温度を100℃まで冷却した。次いでジエチレントリアミン 3部とN−メチルエタノールアミン 9部とジエチレントリアミンジケチミン 39部(ケチミン化合物含有率:50モル%)の混合物を添加し、115℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
得られたアミノ基含有エポキシ樹脂溶液のうち211部を新たな反応容器に加え、反応容器内の温度を90℃に保持した。次いで88%乳酸9部を加えて酸中和し、脱イオン水を663部加え希釈分散した。
次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分80%溶液としたjER828EL溶液を18部添加し、90℃で3時間反応させた後、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水で水希釈し固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−6)溶液を得た。
製造例11
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にDER−331J(商品名、ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)1023部、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物 365部、ビスフェノールA 297部およびメチルイソブチルケトン 88.7部を入れ、窒素雰囲気下で140℃まで加熱した。
ベンジルジメチルアミン 1.4部を加え、反応混合物を約185℃まで発熱するままに放置し、還流して水を取り除いた。次いで160℃まで冷却し、30分間保持し、さらに145℃まで冷却し、ベンジルジメチルアミン 4.2部を加えた。
Gardner−Holdt粘度(2−メトキシプロパノール50%樹脂固形分に溶解して測定)がO〜Pになるまで反応を145℃で続けた。この時点で、反応混合物を125℃まで冷却し、ジエチレントリアミンジケチミン 131部(ケチミン化合物含有率:60モル%)とN−メチルエタノールアミン 85.2部の混合物を加えた。
混合物を140℃まで発熱し、これを125℃まで冷却し、1時間この温度を保ちアミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
1時間後に、88%乳酸227.7部と脱イオン水1293部から成る溶媒中に上記アミノ基含有エポキシ樹脂を分散した。次いで脱イオン水でさらに薄め、固形分が31%になるように希釈分散した。
その後、得られた上記の分散体 2258.1部と脱イオン水 1510.8部とを混合撹拌し、DER−331J(商品名、ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)71.7部とメチルイソブチルケトン17.9部の混合溶液を撹拌しながら添加した。次いで90℃まで加熱し、3時間保温した。
保温終了時に、反応混合物を脱イオン水 598.7部で希釈し、減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水を加え固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−7)溶液を得た。
製造例12
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を取り付けた反応容器にDER−331J(商品名、ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)940部、ビスフェノールA 388部、ジメチルベンジルアミン 2部を加え、反応容器内の温度を140℃に保持し、エポキシ当量が800g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が120℃になるまで冷却した。
ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)258部(ケチミン化合物含有率:50モル%)、N−メチルエタノールアミン 21部およびジエチレントリアミン 45部の混合物を添加し、120℃で1時間反応させることにより、アミノ基含有エポキシ樹脂溶液を得た。
次いで、90℃に冷却後、脱イオン水および酢酸を、アミノ基含有エポキシ樹脂が有するアミノ基の中和率が18%になるように加えて酸中和し、脱イオン水を加えて、固形分が20%になるように希釈分散した。
その後、DER−331J(商品名、ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を188部添加し、90℃で3時間反応させた。減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、脱イオン水を加えて固形分18%のエポキシ樹脂架橋粒子(C−8)溶液を得た。
上記製造例5〜12で得られたエポキシ樹脂架橋粒子の数平均分子量、高分子率、不溶解成分割合、及び体積平均粒子径を下記表1に示す。
Figure 2020180213
(注1)数平均分子量:エポキシ樹脂架橋粒子をN,N’−ジメチルホルムアミドで固形分1質量%の濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いでGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって不溶解成分(架橋成分)を濾過して取り除き、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)〔「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)〕を用いて数平均分子量を測定した。
(注2)高分子率(%):上記分子量測定データにおいて、全ピーク面積に対する分子量100,000以上のピーク面積の割合(%)を示す。
(注3)不溶解成分割合(質量%):エポキシ樹脂架橋粒子をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。続いてGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって濾過し、不溶解成分(架橋成分)の割合を下記式により算出した。
不溶解成分の割合(質量%)=A/B×100
〔A:濾過残渣の固形分質量、B:固形分1質量%に希釈したエポキシ樹脂架橋粒子(C)溶液の質量/100〕。
(注4)体積平均粒子径(nm):エポキシ樹脂架橋粒子をマイクロトラックUPA250(商品名、日機装社製、粒度分布測定装置)で測定を行った。
カチオン電着塗料組成物の製造
実施例1
製造例1で得られたアミノ基含有エポキシ樹脂(A−1) 87.5部(固形分70部)、製造例2で得られたブロック化ポリイソシアネート化合物(B−1) 37.5部(固形分30部)を混合し、さらに10%酢酸13部を配合して均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下して固形分34%のエマルションを得た。
次に、上記エマルション294部(固形分100部)、製造例4で得た顔料分散ペーストP−1 52.4部、製造例5で得たエポキシ樹脂架橋粒子(C−1)溶液33.3部(固形分6部)、及び脱イオン水を加え、固形分20%のカチオン電着塗料組成物(X−1)を製造した。
実施例2〜11、比較例1〜5
下記表2の配合とする以外は全て実施例1と同様にして、カチオン電着塗料組成物(X−2)〜(X−16)を製造した。
また、後述する評価試験(エッジ部防食性、平面部防食性、仕上がり性)の結果も表中に記載する。本発明のカチオン電着塗料組成物においては、3種類の評価試験の全てで合格することが必要である。
Figure 2020180213
表中の配合量は全て固形分の値である。
<エッジ部防食性>
カッター刃(刃角度20度、長さ10cm、リン酸亜鉛処理)に、浴温28℃で、通電時間を調整し、電着塗装を行って一般面で15μmの膜厚になるように試験板を作成した。
次に、これをJISZ−2371に準じて96時間耐塩水噴霧試験を行い、エッジ部を以下の基準で評価した。
評価は、「◎」、「○」、「○△」及び「△」が合格であり、「×」が不合格である。
◎:錆の発生なし
〇:錆の発生個数が10個以下/10cm
〇△:錆の発生個数が11〜25個/10cm
△:錆の発生個数が26〜40個/10cm
×:錆の発生個数が41個/10cm以上。
試験板の作成
化成処理(商品名、パルボンド#3020、日本パーカライジング社製、リン酸亜鉛処理剤)を施した冷延鋼板(150mm(縦)×70mm(横)×0.8mm(厚))を被塗物として、実施例及び比較例で得た各々のカチオン電着塗料を用いて乾燥膜厚15μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間焼付け乾燥して試験板を得た。
<平面部防食性>
試験板の素地に達するように塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて、35℃ソルトスプレー試験を840時間行い、カット部からの片側での錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
評価は、「◎」、「○」、「○△」及び「△」が合格であり、「×」が不合格である。
◎:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で2.0mm以下、
○:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で2.0を超え、かつ3.0mm以下、
△:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で3.0mmを超え、かつ3.5mm以下、
×:錆及びフクレの最大幅がカット部より片側で3.5mmを超える。
<仕上がり性(表面粗度)>
得られた試験板の塗面をサーフテスト301(商品名、株式会社ミツトヨ製、表面粗度計)を用いて、表面粗度値(Ra)をカットオフ0.8mmにて測定し、以下の基準で評価した。
評価は、「◎」、「○」、「○△」及び「△」が合格であり、「×」が不合格である。
◎:表面粗度値(Ra)が、0.2未満、
○:表面粗度値(Ra)が、0.2以上、かつ0.24未満、
○△:表面粗度値(Ra)が、0.24以上、かつ0.28未満、
△:表面粗度値(Ra)が、0.28以上、かつ0.32未満、
×:表面粗度値(Ra)が、0.32以上、を示す。

Claims (7)

  1. アミノ基含有エポキシ樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂架橋粒子(C)を有するカチオン電着塗料組成物であって、該アミノ基含有エポキシ樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計質量を基準として、該塗料組成物がエポキシ樹脂架橋粒子(C)を0.1〜40質量部含有し、かつ下記方法で測定されるエポキシ樹脂架橋粒子(C)の数平均分子量が100,000未満であることを特徴とするカチオン電着塗料組成物。
    <数平均分子量の測定方法>
    エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いで濾過によって不溶解成分を取り除き、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて数平均分子量を測定した。
  2. エポキシ樹脂架橋粒子(C)を下記方法で測定した場合の不溶解成分(架橋成分)の割合が、10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のカチオン電着塗料組成物。
    <不溶解成分(架橋成分)割合の測定方法>
    エポキシ樹脂架橋粒子(C)をN,N’−ジメチルホルムアミドで1質量%の固形分濃度に希釈し、室温で24時間静置した。次いでGPC用マイショリフィルター(孔径:0.2ミクロン)によって不溶解成分(架橋成分)を濾過し、残渣を130℃×3時間の条件で乾燥することにより残渣の固形分質量を測定した。不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)は下記式により求めることができる。
    不溶解成分(架橋成分)の割合(質量%)=A/B×100
    A:濾過残渣の固形分質量
    B:固形分1質量%に希釈したエポキシ樹脂架橋粒子(C)溶液の質量/100
  3. エポキシ樹脂架橋粒子(C)が、アミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)とエポキシ樹脂(C−2)との反応生成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. アミノ基含有エポキシ樹脂(C−1)が、エポキシ樹脂(C−1−1)とアミン化合物(C−1−2)との反応生成物であって、該アミン化合物(C−1−2)がケチミン化されたアミン化合物(C−1−2−1)を2モル%以上、かつ40モル%未満の割合で含有することを特徴とする請求項3に記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 高分子率(分子量が10万以上のピーク面積)が40%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. 請求項1〜5のカチオン電着塗料組成物からなる電着塗料浴に金属被塗物を浸漬し、電着塗装する塗装方法。
  7. 請求項6に記載の塗装方法によって塗膜を形成し、次いで加熱硬化する工程を含む塗装物品の製造方法。
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