JP2020179506A - 更生帯材 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1、2に記載の更生帯材は、合成樹脂からなる帯本体における外周側を向く裏側部に鋼製の帯状の補強材が組み付けられている。補強材は、鋼板を概略W字状の一定断面形状にフォーミング加工したものである。
本発明は、かかる事情に鑑み、更生帯材における補強材を安価に得ることができ、かつ強度を確保することを目的とする。
そこで本発明は、既設管状体の内周に沿う螺旋管状の更生管となる更生帯材であって、
一定断面を有して帯長方向へ延びる合成樹脂からなる帯本体と、
前記帯本体の一側部に前記帯長方向へ延びるように配置された棒状鋼材と、
前記帯長方向に間隔を置いて前記側部に配置された複数の係着部材と、
を備え、前記係着部材が、前記棒状鋼材を保持する保持部と、前記保持部と連なるとともに前記帯本体に係止される係止部とを含むことを特徴とする。
前記保持部が、前記棒状鋼材を跨ぐ若しくは囲む部分環状又は閉環状であることが好ましい。これによって、棒状鋼材を安定的に保持できる。
部分環状の保持部の周方向の開放された部分がくびれることによりΩ字状に形成され、前記クビレが離間支持部を構成していてもよい。保持部に離間支持部として底上げ板が設けられていてもよい。
これによって、棒状鋼材の腐食を防止でき、耐久性が向上する。更生帯材によって自立管を構築することもできる。被覆層としては、被覆樹脂や亜鉛メッキが挙げられる。被覆樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
これによって、被覆加工性及び成形性を確保できる。好ましくは、前記離間支持部によって棒状鋼材を帯本体から離すことで、被覆層と帯本体とが直接接触しないようにする。そうすることで、被覆層を構成する軟質ポリ塩化ビニル中の可塑剤が帯本体を構成する硬質ポリ塩化ビニルへ移行するのを回避でき、前記移行による帯本体の割れ等の劣化を防止できる。
ドラムへの巻取り、巻き癖付与、製管などによって更生帯材の曲率が変化する際、棒状鋼材が帯本体に対して周長差に応じてスライドできる。これによって、ひずみを抑えることができる。
これによって、更生帯材の曲率の変化に対応して係着部材が変形するようにできる。
これによって、棒状鋼材が帯本体に対して周長の違いによってスライド(摺動)するときでも、係着部材は帯本体に対してスライドしないようにできる。
<第1実施形態>
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示したものである。
図5(a)に示すように、老朽化した既設管状体1の内周に沿って更生管2がライニングされることで、既設管状体1が更生されている。既設管状体1としては、下水道管、農業用水管、工業用水管、上水道管、発電用導水管、トンネルなどが挙げられる。更生管2は、更生帯材3によって構成され、螺旋管状になっている。図5(b)に示すように、更生帯材3が既設管状体1の内周に沿って螺旋状に巻回され、更生管2に製管されている。
なお、更生管2が単独で強度を担う自立管であってもよい。
帯本体10の材質は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂である。好ましくは、帯本体10は、硬質ポリ塩化ビニルによって構成されている。
第2嵌合部14とリブ16との間にはシール材18が設けられている。
なお、図に示す帯本体10の断面形状は例示であり、本発明はこれに限られない。
棒状鋼材20は、例えば丸断面(概略円形の断面)に形成されて、帯本体10の帯長方向(図1の紙面直交方向)に沿って延びている。棒状鋼材20としては、丸鋼、異形鉄筋、棒鋼等の好ましくは市販の汎用棒状鋼材が用いられている。より好ましくは、棒状鋼材20として、市販の汎用棒状鋼材の中でも長尺のコイル鉄筋が用いられている。棒状鋼材20の直径は、リブ16の高さより小さく、棒状鋼材20がリブ15,16の先端部(図1において上端部)より引っ込んでいる。
係着部材30の配置ピッチは、棒状鋼材20が外れないように保持し得る範囲であればよく、例えば帯本体10の幅の1〜数倍以上である。
棒状鋼材20には、係着部材30が被さることなく露出された非被覆部分21と、係着部材30が被さる被覆部分22とが出来ている。非被覆部分21が被覆部分22よりも長い。
保持部31は、逆さU字状の部分環状に形成されている。部分環状の保持部31の軸方向は、帯長方向へ向けられている。
該保持部31が、棒状鋼材20を跨ぐように被さって保持している。保持部31と主帯部11とで棒状鋼材20を囲んでいる。保持部31は、棒状鋼材20を帯長方向に摺動可能に保持している。保持部31は、リブ15,16の先端部(図1において上端部)より引っ込んでいる。
係着部材30と棒状鋼材20とは、接合一体化されておらず、互いに別体である。
当て板部32aにおける主帯部11を向く面に滑り止め材33を設けてもよい。
なお、係着部材30の材質は、金属に限らず、樹脂であってもよい。係着部材30が、樹脂成形品であってもよい。
また、係着部材30は、前述した通り、プレス加工によって安価に作製できる。
組み立ての際は、棒状鋼材20及び係着部材30を帯本体10の裏側部に配置して、係止部32を帯本体10に引っ掛ければよく、係着部材30を帯本体10に接着やビス止めなどで接合・固定する必要はなく、組み立てが容易である。
一方、係着部材30が帯本体10に対して摺動しようとすると、滑り止め材33と帯本体10との間に摩擦抵抗が働く。これによって、棒状鋼材20の摺動時に、係着部材30までもが帯本体10に対して帯長方向へ摺動されるのを抑制又は防止できる。しかも、更生帯材3への曲率付与時には、係着部材30が切れ込み31c,32cを中心にして変形できる。したがって、係着部材30を帯本体10に安定的に係着させておくことができる。
図5(b)に示すように、棒状鋼材20及び保持部31がリブ15,16の先端部より引っ込んでいるため、棒状鋼材20及び保持部31が既設管状体1の内周面に直接接しないようにでき、棒状鋼材20及び保持部31の損傷を防止できる。
帯本体10の断面形状は適宜改変できる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の更生帯材3Bにおいては、帯本体10が3つのリブ15,16B,16を有している。これらリブ15,16B,16が、帯本体10の幅方向に互いに離れて配置されている。中間部のリブ16Bと第2嵌合部14側(図6において右側)のリブ16との間に棒状鋼材20及び係着部材30が設けられている。
図7は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態の更生帯材3Cにおいては、2本の棒状鋼材20を含む。2本の棒状鋼材20が帯本体10の幅方向に離れて平行に並べられている。更生帯材3Cの係着部材30Cは、2つの逆さU字状(部分環状)の保持部31を有している。これら保持部31が中間当て板部35を介して連結されている。中間当て板部35は、両側の当て板部32aとほぼ同一平面上に配置され、主帯部11の裏側面(図7において上面)と面している。
各保持部31が、対応する棒状鋼材20に被さっている。
本発明形態によれば、棒状鋼材20の本数を調整することによって、更生管2が所要強度を満たすようにできる。
図8は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態の更生帯材3Dにおいては、棒状鋼材20の表面全体が、樹脂被覆層23によって覆われている。樹脂被覆層23の樹脂材料は、軟質ポリ塩化ビニルである。
帯本体10の樹脂材料は硬質ポリ塩化ビニルである。
棒状鋼材20が、保持部31に囲まれて保持されるとともに、クビレ34(離間支持部)によって帯本体10から離間されている。
樹脂被覆層23を軟質ポリ塩化ビニルにて構成することによって、被覆加工性を確保できる。
さらに、クビレ34(離間支持部)によって棒状鋼材20を帯本体10から離すことで、樹脂被覆層23と帯本体10とが直接接触しないようにできる。そうすることで、樹脂被覆層23を構成する軟質ポリ塩化ビニル中の可塑剤が帯本体10を構成する硬質ポリ塩化ビニルへ移行するのを回避でき、そのような移行によって帯本体10が割れる等の劣化を来すのを防止できる。
図9は、本発明の第5実施形態を示したものである。第5実施形態の更生帯材3Eにおいては、係着部材30Eの保持部31の高さ方向(図9において上下)の中間部に、底上げ板36(離間支持部)が設けられている。保持部31における底上げ板36よりも先端側の部分(図9において上側部分)と底上げ板36とによって、閉環状の保持部分31aが構成されている。保持部分31aに棒状鋼材20が通されている。保持部分31aが棒状鋼材20を囲んでいる。
さらに、第4実施形態と同様に棒状鋼材20の表面全体が、軟質ポリ塩化ビニルからなる樹脂被覆層23によって覆われている。前記底上げ板36による離間によって、可塑剤の移行を回避でき、帯本体10の割れ等を防止できる。
図10は、本発明の第6実施形態を示したものである。第6実施形態においては、係着部材30Fの保持部31が、部分環状をなし、かつ筒軸を帯長方向へ向けた筒状になっている。保持部31の帯長方向の両端部がラッパ状に拡開され、拡開テーパ部37が形成されている。
これによって、棒状鋼材20が帯本体10に対して帯長方向へ摺動される際、保持部31の端部に引っ掛かるのを防止できる。
例えば、棒状鋼材20の丸断面(概略円形の断面)は、真円の断面に限らず、円形断面の一部が直線状であったり凸になっていたり凹んでいたりしてもよく、楕円状の断面であってもよい。棒状鋼材20の断面は、半丸や四角形または三角形などの多角形であってもよい。
保持部31は、円形の部分環状ないしは閉環状に限らず、四角形その他の多角形の部分環状ないしは閉環状であってもよい。
棒状鋼材20の表面に亜鉛メッキなどの防蝕処理を施してもよい。
棒状鋼材20の樹脂被覆層23の樹脂材料としてエポキシ樹脂を用いてもよい。
棒状鋼材20の本数は、1本又は2本に限らず3本以上でもよい。
2 更生管
3 更生帯材
3B,3C,3D,3E 更生帯材
10 帯本体
11a 表側面
11b 裏側面
20 棒状鋼材(補強材)
23 樹脂被覆層
30 係着部材
30C,30D,30E,30F 係着部材
31 保持部
31c 切れ込み
32 係止部
32a 当て板部
32b 係止板部
32c 切れ込み
33 滑り止め材
34 クビレ(離間支持部)
36 底上げ板(離間支持部)
37 拡開テーパ部
Claims (9)
- 既設管状体の内周に沿う螺旋管状の更生管となる更生帯材であって、
一定断面を有して帯長方向へ延びる合成樹脂からなる帯本体と、
前記帯本体の一側部に前記帯長方向へ延びるように配置された棒状鋼材と、
前記帯長方向に間隔を置いて前記側部に配置された複数の係着部材と、
を備え、前記係着部材が、前記棒状鋼材を保持する保持部と、前記保持部と連なるとともに前記帯本体に係止される係止部とを含むことを特徴とする更生帯材。 - 前記保持部が、前記棒状鋼材を跨ぐ若しくは囲む部分環状又は閉環状であることを特徴とする請求項1に記載の更生帯材。
- 前記保持部が、前記棒状鋼材を前記帯本体から離して支持する離間支持部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の更生帯材。
- 前記棒状鋼材が、被覆層によって覆われていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の更生帯材。
- 前記被覆層が、軟質ポリ塩化ビニルによって構成され、
前記帯本体が、硬質ポリ塩化ビニルによって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の更生帯材。 - 前記保持部が、前記棒状鋼材を前記帯長方向に摺動可能に保持することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の更生帯材。
- 前記係着部材における前記帯長方向の中間部には、前記帯長方向と交差する切れ込みが形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の更生帯材。
- 前記係止部には、前記帯本体に対する滑り止め材が設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の更生帯材。
- 前記保持部が、前記帯長方向に沿う筒軸方向の端部が拡開された筒形状であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の更生帯材。
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C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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