JP2020179063A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】雨天時等のドライバーショットでの飛距離やアプローチショットでのスピン性能に優れたゴルフボールを提供する。【解決手段】ゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する少なくとも一層の塗膜とを有し、最外層塗膜がシリコーン化合物を含有し、前記最外層塗膜の厚さが、5nm〜500nmであり、前記最外層塗膜の表面の水滑落角が50°未満であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜を有するゴルフボールに関する。
従来、ゴルフボールは、ゴルフボール本体の表面に塗膜が形成されている。この塗膜はゴルフボールの性能、品質、外観等に寄与している。このような塗膜について、撥水性を付与して、雨天時等に使用した際に、ゴルフボール表面へ水が付着することを抑制することが提案されている。
例えば、特許文献1には、外表面が、接触角90°以上の撥水性を有する物質から構成されているゴルフボールが記載されている(特許文献1(請求項1、段落0016、0024)参照)。
特開平6−114125号公報
従来、ゴルフボール表面の撥水性を高めることが提案されているが、このようなゴルフボールではアプローチショットにおけるスピン性能が低下する傾向があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、塗膜組成を制御することで、アプローチショットでのスピン性能を維持しつつ、雨天時等のドライバーショットでの飛距離を改善したゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する少なくとも一層の塗膜とを有し、最外層塗膜がシリコーン化合物を含有し、前記最外層塗膜の厚さが5nm〜500nmであり、前記最外層塗膜の表面の水滑落角が50°未満であることを特徴とする。
最外層塗膜が、シリコーン化合物を含有し、かつ、上記物性を満たすことにより、最外層塗膜の撥水性が向上して、雨天時等のドライバーショットの飛距離が向上するとともに、アプローチショットでのスピン性能も良好となる。
本発明によれば、雨天時等のドライバーショットでの飛距離やアプローチショットでのスピン性能に優れたゴルフボールが得られる。
本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図。
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する少なくとも一層の塗膜とを有し、最外層塗膜がシリコーン化合物を含有し、前記最外層塗膜の厚さが5nm〜500nmであり、前記最外層塗膜の表面の水滑落角が50°未満であることを特徴とする。最外層塗膜が、シリコーン化合物を含有し、かつ、上記の水滑落角を満たすことにより、最外層塗膜の撥水性が向上し、雨天時等にゴルフボール表面に水が付着しにくくなり、また、ゴルフボール表面に水が存在する状況でも打撃によって表面の水を早期にとばすことができる。よって、雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上する。また、最外層塗膜が上記の厚さを満たすことで、アプローチショットでのスピン性能も良好となる。
(塗膜)
前記塗膜は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。前記塗膜は、ゴルフボールの最外層に位置する最外層塗膜が、シリコーン化合物を含有し、所定の水滑落角および厚さを有している。前記塗膜が単層構造である場合は、この単層の塗膜が、シリコーン化合物を含有し、所定の水滑落角および厚さを有している。前記塗膜が多層構造である場合、少なくとも最外層塗膜が、シリコーン化合物を含有し、所定の水滑落角および厚さを有している。
(最外層塗膜の物性)
前記最外層塗膜の厚さは、5nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上であり、500nm以下が好ましく、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。前記最外層塗膜の厚さが5nm以上であれば雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上し、500nm以下であればアプローチショットでのスピン性能が良好となる。
前記最外層塗膜の表面の水滑落角が、5°以上が好ましく、より好ましくは8°以上、さらに好ましくは10°以上であり、50°未満が好ましく、より好ましくは45°以下、さらに好ましくは40°以下である。前記水滑落角5°以上であればアプローチショットでのスピン性能が良好となり、50°未満であれば雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上する。
前記最外層塗膜の表面の水接触角は、75°以上が好ましく、80°以上が好ましい。前記水接触角が75°以上であれば雨天時のドライバーショットの飛距離性能に優れる。前記水接触角の上限値は特に限定されないが、120°が好ましい。飛行性能の安定性の観点から、ゴルフボールの塗膜の最外層に、水接触角が70°未満の表面が含まれていないことが好ましい。すなわち、ゴルフボールの最外層塗膜は、全ての位置において、水接触角が70°以上であることが好ましい。
前記塗膜の表面最外層の動摩擦係数は、0.3以上が好ましく、より好ましくは0.35以上、さらに好ましくは0.4以上であり、0.9以下が好ましく、より好ましくは0.85以下、さらに好ましくは0.8以下である。動摩擦係数が0.3以上であればアプローチショットでのスピン性能が良好となり、0.9以下であれば雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上する。
前記最外層塗膜の物性は、焼付塗板上に形成した塗膜を用いて評価してもよい。焼付塗板上に塗膜を形成する方法は後述する。前記焼付塗板上の塗膜の水滑落角は、2°以上が好ましく、より好ましくは4°以上、さらに好ましくは6°以上であり、50°以下が好ましく、より好ましくは45°以下、さらに好ましくは40°以下である。前記焼付塗板上の塗膜の水接触角は、100°以上が好ましく、120°以下が好ましい。なお、塗膜形成前の焼付塗板の水滑落角は60°超、水接触角は95°である。
前記最外層塗膜は、シリコーン化合物を含有する。前記シリコーン化合物としては、シリコーンレジン、シリコーンオイル、硬化性シリコーンレジンの硬化物、反応性シリコーンオイルの反応物などが挙げられる。シリコーンレジンとは、シロキサン結合(Si‐O‐Si)で構成された樹脂であり、分子内に3次元構造を有するシリコーンである。シリコーンオイルは、直鎖構造を有するシリコーンである。
前記最外層塗膜は、前記シリコーン化合物の含有率が、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。前記シリコーン化合物の含有率が50質量%以上であれば雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上する。
前記最外層塗膜は、熱可塑性樹脂の含有率が低いことが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル等が挙げられる。前記最外層塗膜中の熱可塑性樹脂の含有率は、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。前記最外層塗膜は、熱可塑性ポリウレタンを含まないことがより好ましい。
(最外層用塗料)
前記最外層塗膜は、硬化性シリコーンレジン、硬化触媒、および、反応性シリコーンオイルを含有する塗料(以下、「最外層用塗料」と称する場合がある。)から形成されていることが好ましい。最外層塗膜が、硬化性シリコーンレジン、硬化触媒、および、反応性シリコーンオイルを含有する塗料から形成されていることにより、最外層塗膜の撥水性が向上し、雨天時等にゴルフボール表面に水が付着しにくくなり、また、ゴルフボール表面に水が存在する状況でも打撃によって表面の水を早期にとばすことができる。よって、雨天時等におけるドライバーショットの飛距離が向上する。また、最外層塗膜が上記の成分を含有することで、アプローチショットでのスピン性能も良好となる。
(硬化性シリコーンレジン)
前記最外層用塗料は、硬化性シリコーンレジンを含有する。硬化性シリコーンレジンは、塗膜の骨格を構成する成分である。前記硬化性シリコーンレジンは、分子中にアルコキシシリル基を有しており、後述する硬化触媒の存在下で、アルコキシシリル基の架橋により常温で硬化する。
前記硬化性シリコーンレジンは、例えば、一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。
Figure 2020179063
(式(1)中、R1は、水素原子、または、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R2は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。aは、0〜3の整数を示す。複数存在するR1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
前記R1またはR2で示される非置換の1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。複数存在するR1、R2は、それぞれ異なっていてもよいし、全て同一であってもよい。
前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。前記アルキル基の炭素数は1以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基などの分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの環状アルキル基が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の炭素数は、6以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。前記アルキルアリール基としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。前記アラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。
前記置換の1価の炭化水素基としては、前記非置換の1価の炭化水素基が有する水素原子の少なくとも1つが置換基で置換されたものが挙げられる。前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシ基などが挙げられる。前記置換の1価の炭化水素基としては、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基などが挙げられる。
前記R1としては、水素原子、または、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基であり、特に水素原子、メチル基、フェニル基が好適である。前記硬化性シリコーンレジンは、R1として、メチル基のみを有するもの、または、メチル基およびフェニル基を有するものが好ましい。
前記R2としては、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり、特にメチル基、エチル基が好適である。
前記aは、0〜3の整数を示し、好ましくは1または2である。
前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられる。前記一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物とは、前記アルコキシシラン化合物に水を加えて、公知の触媒の存在下で撹拌しながら昇温することにより、部分的に加水分解を生じさせるとともに、縮合させることにより得られるものである。
前記硬化性シリコーンレジンの動粘度(25℃)は、0.1mm2/s以上が好ましく、より好ましくは0.5mm2/s以上、さらに好ましくは1.0mm2/s以上であり、250mm2/s以下が好ましく、より好ましくは150mm2/s以下、さらに好ましくは100mm2/s以下である。硬化性シリコーンレジンの動粘度は、JIS Z 8803(2011)の細管粘度計による粘度測定方法により測定する。
前記硬化性シリコーンレジンの分子量は、100以上が好ましく、より好ましくは200以上、さらに好ましくは300以上であり、3000以下が好ましく、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1000以下である。
前記硬化性シリコーンレジンは、平均組成式(2)で示されるものが好ましい。
Figure 2020179063
(式(2)中、R1は、水素原子、または、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R2は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。bは、0.40から1.70の範囲内にある値を示す。cは、平均組成式(2)で表される硬化性シリコーンレジン中のOR2基の比率が5質量%以上になる値を示す。複数存在するR1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
式(2)中のR1およびR2で示される置換または非置換の1価の炭化水素基としては、前記一般式(1)中のR1およびR2で示される置換または非置換の1価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。式(2)中の前記R1としては、水素原子、または、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基であり、特に水素原子、メチル基、フェニル基が好適である。式(2)中の前記R2としては、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり、特にメチル基、エチル基が好適である。
前記硬化性シリコーンレジンのアルコキシ基量は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、55質量%以下が好ましく、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
平均組成式(2)で示される硬化性シリコーンレジンは、市販品として入手可能であり、例えば、信越化学社製のKR−217、KR−400、KR−500、X−40−175、X−40−2308、X−40−9238などが挙げられる。これらの市販品の硬化性シリコーンレジンは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
前記最外層用塗料中の前記硬化性シリコーンレジンの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上であり、75質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
(硬化触媒)
前記硬化触媒は、前記硬化性シリコーンレジンを硬化させ得る触媒であれば、特に制限されない。前記硬化触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクチレート、ジブチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)などの有機アルミニウム化合物;ジルコニウム(アセチルアセトン)、ジルコニウムトリス(アセチルアセトン)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)などの有機ジルコニウム化合物;チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)などの有機チタニウム化合物;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類;ギ酸、酢酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;エチレンジアミン、アルカノールアミンなどの有機塩基;アミノ変性シリコーン、アミノシラン、シラザン、アミン類などのアミノ化合物などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物、鉱酸類が挙げられる。
前記硬化触媒は、市販品として入手可能であり、例えば、信越化学社製のD−20、DX−9740、DX−175などが挙げられる。これら硬化触媒は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
前記最外層用塗料中の前記硬化触媒の含有量は、前記硬化性シリコーンレジン100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。
なお、硬化触媒は、あらかじめ硬化性シリコーンレジンに含有されていてもよい。あらかじめ硬化触媒が含有されている硬化性シリコーンレジンは、市販品として入手可能であり、例えば、KR−400(硬化触媒DX−9740;10質量%含有、信越化学社製)、X−40−175(硬化触媒DX−175;5質量%含有、信越化学社製)などが挙げられる。
(反応性シリコーンオイル)
前記最外層用塗料は、反応性シリコーンオイルを含有する。反応性シリコーンオイルは、塗膜に撥水性を付与する成分である。反応性シリコーンオイルとは、一部のケイ素に反応性基を導入したシリコーンオイルである。前記反応性シリコーンオイルは、分子鎖の片方の末端、または、両方の末端に反応性基を有することが好ましい。前記反応性基としては、ヒドロシリル基(SiH)、シラノール基(SiOH)、アルコキシシリル基(SiOR(R:アルキル基))が挙げられる。
(第1反応性シリコーンオイル)
前記反応性シリコーンオイルは、一般式(3)で示されるもの(以下、「第1反応性シリコーンオイル」と称する場合がある。)を含有する。前記第1反応性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの分子鎖の片方の末端に位置するケイ素原子が反応性基を構成している。
Figure 2020179063
(式(3)中、R3は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R4は、水素原子、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基を示す。mは0〜2の整数を示す。nは0〜600の整数を示す。複数存在するR3およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
前記R3で示される非置換の1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。複数存在するR3は、それぞれ異なっていてもよいし、全て同一であってもよい。
前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。前記アルキル基の炭素数は1以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基などの分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの環状アルキル基が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の炭素数は、6以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。前記アルキルアリール基としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。前記アラルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。
前記置換の1価の炭化水素基としては、前記非置換の1価の炭化水素基が有する水素原子の少なくとも1つが置換基で置換されたものが挙げられる。前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)などが挙げられる。前記置換の1価の炭化水素基としては、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン化アルキル基などが挙げられる。
前記R3としては、水素原子、または、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基であり、特に水素原子、メチル基、フェニル基が好適である。
4は、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基を示す。前記アルコキシ基の炭素数は1以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などが挙げられる。これらの中でもR4としては、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
前記mは2が好ましい。前記nは、0以上が好ましく、より好ましくは1以上、さらに好ましくは5以上であり、600以下が好ましく、より好ましくは400以下、さらに好ましくは250以下である。
前記第1反応性シリコーンオイルの動粘度(25℃)は、0.65mm2/s以上が好ましく、より好ましくは2mm2/s以上、さらに好ましくは5mm2/s以上であり、1000mm2/s以下が好ましく、より好ましくは500mm2/s以下、さらに好ましくは100mm2/s以下である。反応性シリコーンオイルの動粘度は、JIS Z 8803(2011)の細管粘度計による粘度測定方法により測定する。
前記第1反応性シリコーンオイルの官能基当量は、500g/mol以上が好ましく、より好ましくは1000g/mol以上、さらに好ましくは1500g/mol以上であり、3000g/mol以下が好ましく、より好ましくは2500g/mol以下、さらに好ましくは2000g/mol以下である。
前記第1反応性シリコーンオイルは、一般式(4)で示されるものが好ましい。
Figure 2020179063
(式(4)中、R3は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R5は、アルキル基を示す。mは0〜2の整数を示す。nは0〜600の整数を示す。複数存在するR3およびR5は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
式(4)中のR3、mおよびnは、前記式(3)中のものと同義である。
式(4)中のR5で示されるアルキル基の炭素数は、1以上が好ましく、18以下が好ましく、8以下がより好ましい。前記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基などの分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの環状アルキル基が挙げられる。前記R5としては、メチル基、エチル基が好適である。
前記第1反応性シリコーンオイルは、市販品として入手可能であり、例えば、信越化学社製のX−24−9377、X−24−9011などが挙げられる。また、これら第1の反応性シリコーンオイルは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記最外層用塗料中の前記第1反応性シリコーンオイルの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
前記最外層用塗料中の前記第1反応性シリコーンオイルの含有量は、前記硬化性シリコーンレジン100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上であり、200質量部以下が好ましく、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは75質量部以下である。
前記反応性シリコーンオイル中の前記第1反応性シリコーンオイルの含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。前記反応性シリコーンオイルとして、第1反応性シリコーンオイルのみを含有してもよい。
(第2反応性シリコーンオイル)
前記反応性シリコーンオイルは、一般式(5)で示されるもの(以下、「第2反応性シリコーンオイル」と称する場合がある。)を含有することも好ましい。前記第2反応性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの分子鎖の両方の末端が、それぞれ少なくとも1つのヒドロキシ基を有する。
Figure 2020179063
(式(5)において、R6は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。xは、0、1または2を示す。yは、0、1または2を示す。zは、1以上600以下の整数を示す。複数存在するR6は、同一でも異なっていてもよい。)
前記R6で示される非置換の1価の炭化水素基としては、前記一般式(3)中のR3で示されるものと同様のものが挙げられる。複数存在するR6は、それぞれ異なっていてもよいし、全て同一であってもよい。前記R6としては、水素原子、または、非置換の1価の炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜8の芳香族炭化水素基であり、特に水素原子、メチル基、フェニル基が好適である。
前記xは、2が好ましい。前記yは、2が好ましい。前記zは、0以上が好ましく、より好ましくは1以上、さらに好ましくは5以上であり、600以下が好ましく、より好ましくは400以下、さらに好ましくは250以下である。
前記第2反応性シリコーンオイルの動粘度(25℃)は、0.65mm2/s以上が好ましく、より好ましくは10mm2/s以上、さらに好ましくは35mm2/s以上であり、1000mm2/s以下が好ましく、より好ましくは700mm2/s以下、さらに好ましくは100mm2/s以下である。
前記第2反応性シリコーンオイルの官能基当量は、500g/mol以上が好ましく、より好ましくは1000g/mol以上、さらに好ましくは1200g/mol以上であり、2500g/mol以下が好ましく、より好ましくは2000g/mol以下、さらに好ましくは1800g/mol以下である。
前記第2反応性シリコーンオイルは、市販品として入手可能であり、例えば、BY16−817、BY16−873、PRX413(以上、東レ・ダウコーニング社製)、YF3800、XF3905、YF3057(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、WACKER CT 601 M、WACKER FINISH WS 62 M(以上、旭化成ワッカーシリコーン社製)、X−21−5841、KF−9701(以上、信越化学社製)などが挙げられる。
前記最外層用塗料中の前記第2反応性シリコーンオイルの含有率は、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上であり、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
前記最外層用塗料中の前記第2反応性シリコーンオイルの含有量は、前記硬化性シリコーンレジン100質量部に対して、2質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、70質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは35質量部以下である。
前記反応性シリコーンオイルが、第1反応性シリコーンオイルおよび第2反応性シリコーンオイルを含有する場合、反応性シリコーンオイル中の第1反応性シリコーンオイルの含有率は、35質量%以上が好ましく、より好ましくは55質量%以上であり、95質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下であり、反応性シリコーンオイル中の第1反応性シリコーンオイルの含有率は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上であり、65質量%以下が好ましく、より好ましくは45質量%以下である。
(溶剤)
前記最外層用塗料は、溶剤を含有してもよい。前記溶剤としては、硬化性シリコーンレジン、硬化触媒および反応性シリコーンオイルを溶解または分散できるものであれば、特に制限されない。前記溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、エチルグリコールアセテート、酢酸アミルなどのエステル系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン系溶剤;ミネラルスピリットなどの石油系溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;シクロペンタン、シクロヘキサンなどのナフテン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;揮発性シリコーン(例えば、揮発性ジメチルポリシロキサンなど)などのシリコーン系溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
前記最外層用塗料には、任意成分として、本発明の効果を阻害しない範囲において、艶出し剤または保護剤として一般に慣用されている、例えば、粘度調整剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、一般の顔料または染料および蛍光顔料などの着色剤、香料、界面活性剤、シリコーンパウダーなどの添加剤を、必要に応じて適宜、配合することができる。
前記最外層用塗料は、前記硬化性シリコーンレジン、硬化触媒、反応性シリコーンオイル、および、必要に応じて溶剤等の任意成分を混合することで調整できる。前記最外層用塗料は、固形分中の前記硬化性シリコーンレジンおよび前記反応性シリコーンオイルの合計含有率が、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。前記固形分とは、最外層用塗料が含有する成分において、溶剤以外の成分である。
前記塗膜が多層構造である場合、最外層塗膜以外の塗膜を構成する基材樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、これらの中でもウレタン樹脂が好ましい。前記最外層塗膜以外の塗膜は、最外層塗膜と同様の塗料から形成してもよいし、他の塗料から形成してもよい。
(ポリウレタン塗料)
前記最外層塗膜以外の塗膜は、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物とを含有する塗料から形成されることが好ましい。前記塗料としては、ポリオールを主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤とするいわゆる二液硬化型ウレタン塗料を例示することができる。
(ポリオール組成物)
前記ポリオール組成物は、ポリオール化合物を含有する。前記ポリオール化合物としては、分子中にヒドロキシ基を2つ以上有する化合物が挙げられる。前記ポリオール化合物としては、分子の末端にヒドロキシ基を有する化合物、分子の末端以外にヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。前記ポリオール化合物は、単独で、あるいは、2種以上を混合して使用しても良い。
前記分子の末端にヒドロキシ基を有する化合物としては、分子量が500未満の低分子量ポリオールや数平均分子量が500以上の高分子量ポリオールを挙げることができる。前記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。前記高分子量のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ウレタンポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などが挙げられる。前記ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などが挙げられる。前記ポリカプロラクトンポリオールとしては、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などが挙げられる。前記ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。
前記ウレタンポリオールとは、分子内にウレタン結合を複数有し、一分子中にヒドロキシ基を2以上有する化合物である。ウレタンポリオールとしては、例えば、第一ポリオール成分と第一ポリイソシアネート成分とを、第一ポリオール成分のヒドロキシ基が第一ポリイソシアネート成分のイソシアネート基に対して過剰になるような条件で反応させて得られるウレタンプレポリマーを挙げることができる。
前記ウレタンポリオールの第一ポリオール成分としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられ、ポリエーテルジオールが好ましい。前記ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられ、これらの中でもポリオキシテトラメチレングリコールが好ましい。
前記ポリエーテルジオールの数平均分子量は、500以上が好ましく、より好ましくは600以上であり、4,000以下が好ましく、より好ましくは3,500以下、さらに好ましくは3,000以下である。ポリエーテルジオールの数平均分子量が500以上であれば、塗膜における架橋点間の距離が長くなり、塗膜が柔らかくなるため、スピン性能が向上する。前記数平均分子量が4,000以下であれば、塗膜における架橋点間の距離が長くなりすぎず、塗膜の耐汚染性が良好となる。なお、ポリオール成分の数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして有機溶媒系GPC用カラム(例えば、昭和電工社製「Shodex(登録商標) KFシリーズ」など)を用いて測定すればよい。
前記第一ポリオール成分には分子量が500未満の低分子量ポリオールを含有してもよい。前記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。前記低分子量ポリオールは、単独で、あるいは、2種以上を混合して使用しても良い。
前記ウレタンポリオールは、第一ポリオール成分として、トリオール成分とジオール成分とを含有するものが好ましい。前記トリオール成分としては、トリメチロールプロパンが好ましい。前記トリオール成分とジオール成分の混合比率(トリオール成分/ジオール成分)は、質量比で、0.2以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましい。
前記ウレタンポリオールを構成し得る第一ポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ウレタンポリオールは、前記ポリエーテルジオールの含有率が、70質量%以上が好ましく、より好ましくは72質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上である。前記ポリエーテルジオールは、塗膜においてソフトセグメントを形成する。よって、前記ポリエーテルジオールの含有率が、70質量%以上であれば、得られるゴルフボールのスピン性能がより向上する。
前記ウレタンポリオールは、重量平均分子量が、5,000以上が好ましく、より好ましくは5,300以上、さらに好ましくは5,500以上であり、20,000以下が好ましく、より好ましくは18,000以下、さらに好ましくは16,000以下である。ウレタンポリオールの重量平均分子量が5,000以上であれば、塗膜における架橋点間の距離が長くなり、塗膜が柔らかくなるため、スピン性能が向上する。前記重量平均分子量が20,000以下であれば、塗膜における架橋点間の距離が長くなりすぎず、塗膜の耐汚染性が良好となる。
前記ウレタンポリオールの水酸基価は、10mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以上、さらに好ましくは20mgKOH/g以上であり、200mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは190mgKOH/g以下、さらに好ましくは180mgKOH/g以下である。水酸基価は、JIS K 1557−1に準じて、例えば、アセチル化法によって測定することができる。
前記分子の末端以外にヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシ基を有するポリロタキサン、ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
前記ヒドロキシ基を有するポリロタキサンは、シクロデキストリンと、このシクロデキストリンの環状構造に挿通された直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され、前記環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有する。ポリロタキサンは、直鎖状分子に串刺し状に貫通されているシクロデキストリン分子が直鎖状分子に沿って移動可能(滑車効果)なために粘弾性を有し、張力が加わっても、この滑車効果によって当該張力を均一に分散させることができるので、従来の架橋ポリマーとは異なり、クラックや傷が極めて生じ難いという優れた性質を有している。
前記シクロデキストリンは、環状構造を有するオリゴ糖の総称である。シクロデキストリンは、例えば、6〜8個のD−グルコピラノース残基がα−1,4−グルコシド結合により環状に結合したものである。シクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン(グルコース数:6個)、β−シクロデキストリン(グルコース数:7個)、γ−シクロデキストリン(グルコース数:8個)などが挙げられ、α−シクロデキストリンが好ましい。前記シクロデキストリンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖状分子としては、シクロデキストリンの環状構造を串刺し状に、滑動可能および回動可能に保持する直鎖状の分子であれば特に限定されない。前記直鎖状分子としては、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリルなどが挙げられ、これらのなかでもポリエーテルが好ましく、ポリエチレングリコールが特に好ましい。ポリエチレングリコールは、立体障害が小さく、シクロデキストリンの環状構造を串刺し状に保持することができる。
前記直鎖状分子の重量平均分子量は、5,000以上が好ましく、6,000以上がより好ましく、100,000以下が好ましく、80,000以下がより好ましい。
前記直鎖状分子は、その両末端に官能基を有することが好ましい。官能基を有することで、前記封鎖基と容易に反応させることができる。前記官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、チオール基などが挙げられる。
前記封鎖基は、直鎖状分子の両末端に配置され、シクロデキストリンが直鎖状分子から脱離することを防止できるものであれば特に限定されない。脱離を防止する方法としては、嵩高い封鎖基を用いて物理的に脱離を防止する方法、イオン性の封鎖基を用いて静電気的に脱離を防止する方法が挙げられる。前記嵩高い封鎖基としては、シクロデキストリン、アダマンチル基などが挙げられる。直鎖上分子に保持されるシクロデキストリンの個数(保持量)は、その最大保持量を1とすると、0.06〜0.61が好ましく、0.11〜0.48がより好ましく、0.24〜0.41がさらに好ましい。0.06未満では滑車効果が発現しないことがあり、0.61を超えると、シクロデキストリンが密に配置されすぎてシクロデキストリンの可動性が低下することがある。
前記ポリロタキサンとしては、シクロデキストリンが有するヒドロキシ基の少なくとも一部が、カプロラクトン鎖によって変性されているものが好ましい。カプラクトン変性することにより、ポリロタキサンとポリイソシアネートとの立体障害が緩和され、ポリイソシアネートに対する反応効率が高まる。
前記変性としては、例えば、シクロデキストリンのヒドロキシ基をプロピレンオキシドで処理して、ヒドロキシプロピル化する。続いて、ε−カプロラクトンを加えて開環重合を行う。この変性により、シクロデキストリンの環状構造の外側に、カプロラクトン鎖−(CO(CH25O)nH(nは、1〜100の自然数)が、−O−C36−O−基を介して、結合する。nは、重合度を表し、1〜100の自然数であることが好ましく、2〜70の自然数であることがより好ましく、3〜40の自然数であることがさらに好ましい。カプロラクトン鎖の他方の末端には、開環重合によりヒドロキシ基が形成される。カプロラクトン鎖の末端ヒドロキシ基は、ポリイソシアネートと反応することができる。
変性前のシクロデキストリンが有する全ヒドロキシ基(100モル%)に対して、カプロラクトン鎖で変性されるヒドロキシ基の割合は、2モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましい。カプロラクトン鎖で変性されるヒドロキシ基の割合が、前記範囲であれば、ポリロタキサンの疎水性が高くなり、ポリイソシアネートとの反応性が高くなる。
前記ポリロタキサンの水酸基価は、10mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは15mgKOH/g以上、さらに好ましくは20mgKOH/g以上であり、400mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは300mgKOH/g以下、さらに好ましくは220mgKOH/g以下、特に好ましくは180mgKOH/g以下である。ポリロタキサンの水酸基価が上記範囲内であれば、ポリイソシアネートとの反応性が高くなり、塗膜の耐久性が良好となる。
前記ポリロタキサンの全体分子量は、重量平均分子量で、30,000以上が好ましく、より好ましくは40,000以上、さらに好ましくは50,000以上であり、3,000,000以下が好ましく、より好ましくは2,500,000以下、さらに好ましくは2,000,000以下である。重量平均分子量が30,000以上であれば塗膜が十分な強度をもつものとなり、3,000,000以下であれば塗膜が十分な軟らかさを有し、ゴルフボールのアプローチ性能が向上する。なお、ポリロタキサンの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして有機溶媒系GPC用カラム(例えば、昭和電工社製「Shodex(登録商標) KFシリーズ」など)を用いて測定すればよい。
ポリカプロラクトンで変性されたポリロタキサンの具体例としては、アドバンスト・ソフトマテリアルズ社製のセルムスーパーポリマーSH3400P、SH2400P、SH1310Pなどを挙げることができる。
前記ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体は、塗膜の耐傷付き性を維持しつつ粘着性を調整できる。前記ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体は、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびヒドロキシ基を有する単量体(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルアクリレート)を共重合する方法、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体を部分ケン化あるいは完全ケン化する方法により得られる。
前記ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体において、塩化ビニル成分の含有率は、1質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の具体例としては、日信化学工業社製のソルバイン(登録商標)A、ソルバインAL、ソルバインTA3などが挙げられる。
前記ポリオール組成物としては、ウレタンポリオールを含有する態様(態様1);シクロデキストリンと前記シクロデキストリンの環状構造に挿通された直鎖状分子と、この直鎖状分子の両末端に配置され、前記シクロデキストリンの脱離を防止する封鎖基とを有するポリロタキサンであり、当該シクロデキストリンのヒドロキシ基の少なくとも一部が、−O−C36−O−基を介して、カプロラクトン鎖によって変性されたポリロタキサンを含有する態様(態様2)が好ましい。
前記態様1のポリオール組成物は、前記ポリオール組成物が含有するポリオール化合物中の前記ウレタンポリオールの含有率は、60質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。前記態様1のポリオール組成物は、ポリオール化合物として、前記ウレタンポリオールのみを含有することも好ましい。
前記態様2のポリオール組成物は、前記ポリオール組成物が含有するポリオール化合物中のポリロタキサンの含有率は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、100質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。
前記態様2のポリオール組成物は、ポリカプロラクトンポリオールを含有することが好ましい。前記ポリロタキサンとポリカプロラクトンポリオールとの質量比(ポリカプロラクトンポリオール/ポリロタキサン)は、0/100以上が好ましく、より好ましくは5/95以上、さらに好ましくは10/90以上であり、90/10以下が好ましく、より好ましくは85/15以下、さらに好ましくは80/20以下である。
前記態様2のポリオール組成物は、前記ヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体を含有することが好ましい。前記ポリオール組成物が含有するポリオール化合物中のヒドロキシ基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の含有率は、4質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。
(ポリイソシアネート組成物)
次に、ポリイソシアネート組成物について説明する。前記ポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート化合物を含有する。前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基を2つ以上有する化合物が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネート;およびこれらのジイソシアネートのアロハネート体、ビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体などのトリイソシアネート;が挙げられる。前記ポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アロハネート体とは、例えば、ジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させて形成されるウレタン結合にさらにジイソシアネートが反応して得られるトリイソシアネートである。アダクト体とは、ジイソシアネートとトリメチロールプロパンあるいはグリセリンなどの低分子量トリオールとを反応させて得られるトリイソシアネートである。前記ビウレット体とは、例えば、下記式(11)で表わされるビウレット結合を有するトリイソシアネートである。ジイソシアネートのイソシアヌレート体とは、例えば、下記式(12)で表わされるトリイソシアネートである。
Figure 2020179063
式(11)、(12)中、Rは、ジイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基を表わす。
前記トリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
前記ポリイソシアネート組成物は、トリイソシアネート化合物を含有することが好ましい。前記ポリイソシアネート組成物が含有するポリイソシアネート中のトリイソシアネート化合物の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。前記ポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート化合物としてトリイソシアネート化合物のみを含有することが最も好ましい。
前記ポリイソシアネート組成物が含有するポリイソシアネートのイソシアネート基量(NCO%)は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。なお、ポリイソシアネートのイソシアネート基量(NCO%)は、100×[ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数×42(NCOの分子量)]/ポリイソシアネートの総質量(g)で表わすことができる。
前記ポリイソシアネートの具体例としては、DIC社製バーノックD−800、バーノックDN−950、バーノックDN−955、住化バイエルウレタン社製デスモジュールN75MPA/X、デスモジュールN3300、デスモジュールL75(C)、スミジュールE21−1、日本ポリウレタン工業社製コロネートHX、コロネートHK、旭化成ケミカルズ社製デュラネート24A−100、デュラネート21S−75E、デュラネートTPA−100、デュラネートTKA−100、デグサ社製VESTANAT T1890などを挙げることができる。
前記硬化型塗料組成物における硬化反応において、主剤が有するヒドロキシ基(OH基)と硬化剤が有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。前記モル比(NCO基/OH基)が、0.1未満では、硬化反応が不十分となる。また、前記モル比(NCO基/OH基)が大きくなりすぎると、イソシアネート基量が過剰となり、得られる塗膜が硬く脆くなる上に、外観も悪くなる。そのため、前記モル比(NCO基/OH基)は、1.5以下が好ましく、1.4以下がより好ましく、1.3以下がさらに好ましい。なお、塗料中のイソシアネート基量が過剰になると得られる塗膜の外観が悪くなる理由は、イソシアネート基量が過剰になると、空気中の水分とイソシアネート基との反応が多くなり、炭酸ガスが多量に発生するためと考えられる。
前記ポリオール組成物として態様1のポリオール組成物を使用する場合、ポリイソシアヌレート組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体およびイソホロンジイソシアヌレートのイソシアヌレート変性体を含有することが好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性体とイソシアヌレート変性体とを併用する場合、これらの混合比率(ビウレット変性体/イソシアヌレート変性体)は、質量比で、20/40〜40/20が好ましく、25/35〜35/25がより好ましい。
前記ポリオール組成物として態様2のポリオール組成物を使用する場合、ポリイソシアヌレート組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体および/またはビウレット変性体を含有することが好ましい。
前記塗料としては、水を主たる分散媒とする水系塗料、有機溶剤を分散媒とする溶剤系塗料のいずれであってもよいが、溶剤系塗料が好ましい。溶剤系塗料の場合、好ましい溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、メチルエチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブチルアルコール、酢酸エチルなどを挙げることができる。なお、溶剤は、ポリオール組成物およびポリイソシアネート組成物のいずれに配合してもよいが、均一に硬化反応をさせる観点から、ポリオール組成物およびポリイソシアネート組成物のそれぞれに配合することが好ましい。
前記塗料は、さらに変性シリコーンを含有することが好ましい。レベリング剤として、変性シリコーンを含有することにより、塗布面の凹凸を軽減し、ゴルフボール表面に平滑な塗布面を形成することができる。前記変性シリコーンとしては、ポリシロキサン骨格の側鎖又は末端に有機基を導入したもの、ポリシロキサンブロックにポリエーテルブロックおよび/またはポリカプロラクトンブロックなどを共重合したポリシロキサンブロック共重合体、または、前記ポリシロキサンブロック共重合体の側鎖又は末端に有機基を導入したものなどを挙げることができる。前記ポリシロキサン骨格またはポリシロキサンブロックとしては、直鎖状であることが好ましく、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどを挙げることができる。前記有機基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルビノール基などを挙げることができる。本発明では、変性シリコーンオイルとして、ポリジメチルシロキサン−ポリカプロラクトンブロック共重合体を使用することが好ましく、末端カルビノール変性ポリジメチルシロキサン−ポリカプロラクトンブロック共重合体を使用することがより好ましい。カプロラクトン変性ポリロタキサン、ポリカプロラクトンポリオールとの相溶性に優れるからである。本発明で使用する変性シリコーンの具体例としては、Gelest社製のDBL−C31、DBE−224、DCE−7521などが挙げられる。
硬化反応には、公知の触媒を使用することができる。前記触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンなどのモノアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレントリアミンなどのポリアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、トリエチレンジアミンなどの環状ジアミン類;ジブチルチンジラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触媒などが挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジブチルチンジラウリレート、ジブチルチンジアセテートなどの錫系触媒が好ましく、特に、ジブチルチンジラウリレートが好適に使用される。
(塗膜の形成)
前記塗膜は、ゴルフボール本体表面に塗料を塗布することで形成できる。塗料の塗布方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができ、例えば、スプレー塗装、静電塗装などを挙げることができる。塗装は、1回でスプレー塗布しても良いし、複数回重ね塗りをしても良い。
ゴルフボール本体に塗布された塗料は、例えば、30℃〜70℃の温度で1時間〜24時間乾燥することにより塗膜を形成することができる。
(ゴルフボール本体)
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体表面に設けられた少なくとも一層の塗膜とを有するゴルフボールであれば、特に限定されない。ゴルフボール本体の構造は、特に限定されず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール、フォーピースゴルフボール、ファイブピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボール、あるいは、糸巻きゴルフボールであってもよい。いずれの場合であっても、本発明を好適に適用できる。
(コア)
前記ワンピースゴルフボール本体、ならびに、糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールおよびマルチピースゴルフボールに用いられるコアについて説明する。
前記ワンピースゴルフボール本体およびコアには、公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を用いることができ、例えば、基材ゴム、共架橋剤および架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤としては、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩が好ましく、アクリル酸の金属塩またはメタクリル酸の金属塩がより好ましい。金属塩の金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムが好ましく、より好ましくは亜鉛である。共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上50質量部以下が好ましい。前記共架橋剤として炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸を使用する場合、金属化合物(例えば、酸化マグネシウム)を配合することが好ましい。架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。架橋開始剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2質量部以下である。
また、前記コア用ゴム組成物は、さらに、有機硫黄化合物を含有してもよい。前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類(例えば、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド)、チオフェノール類、チオナフトール類(例えば、2−チオナフトール)を好適に使用することができる。有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。前記コア用ゴム組成物は、さらにカルボン酸および/またはその塩を含有してもよい。カルボン酸および/またはその塩としては、炭素数が1〜30のカルボン酸および/またはその塩が好ましい。前記カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸(安息香酸など)のいずれも使用できる。カルボン酸および/またはその塩の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、1質量部以上、40質量部以下である。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、有機硫黄化合物に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウムなどの重量調整剤、老化防止剤、色粉などを適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間と2段階加熱することが好ましい。
(カバー)
前記ゴルフボール本体は、コアと前記コアを被覆するカバーとを有するものが好ましい。この場合、カバー用組成物のスラブ硬度は、所望のゴルフボールの性能に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、飛距離を重視するディスタンス系のゴルフボールの場合、カバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で50以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上がさらに好ましく、80以下が好ましく、70以下がより好ましく、68以下がさらに好ましい。カバー用組成物のスラブ硬度を50以上にすることにより、ドライバーショットおよびロングアイアンショットにおいて、高打出角で低スピンのゴルフボールが得られ、飛距離が向上する。また、カバー用組成物のスラブ硬度を80以下とすることにより、耐久性に優れたゴルフボールが得られる。また、コントロール性を重視するスピン系のゴルフボールの場合、カバー用組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、50未満が好ましく、20以上が好ましく、23以上がより好ましく、25以上がさらに好ましい。カバー用組成物のスラブ硬度が、ショアD硬度で50未満であれば、アプローチショットのスピン量が高くなり、グリーン上で止まりやすいゴルフボールが得られる。また、スラブ硬度を20以上とすることにより、耐擦過傷性が向上する。複数のカバー層の場合は、各層を構成するカバー用組成物のスラブ硬度は、上記範囲内であれば、同一あるいは異なっても良い。
飛距離を重視するディスタンス系のゴルフボールの場合、前記カバーの厚さは、0.3mm以上が好ましく、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.7mm以上であり、2.5mm以下が好ましく、より好ましくは2.2mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。前記カバーの厚さが0.3mm以上であれば、ゴルフボールの反発性を維持することができ、2.5mm以下であればゴルフボールの打球感がより良好となる。
コントロール性を重視するスピン系のゴルフボールの場合、前記カバーの厚さは、0.1mm以上が好ましく、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上であり、2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。前記カバーの厚さが0.1mm以上であれば、ゴルフボールの打球感がより良好となり、2.0mm以下であればゴルフボールの反発性を維持することができる。
前記カバーを構成する樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、例えば、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの各種樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどを挙げることができる。前記カバー材料は、単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
これらの中でもカバーを構成する樹脂成分としては、コントロール性を重視するスピン系のゴルフボールの場合、ポリウレタン樹脂が好ましく、飛距離を重視するディスタンス系のゴルフボールの場合、アイオノマー樹脂が好ましい。前記カバーを構成する樹脂成分にポリウレタン樹脂を使用する場合、樹脂成分中のポリウレタン樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。前記カバーを構成する樹脂成分にアイオノマー樹脂を使用する場合、樹脂成分中のアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
前記ポリウレタンは、いわゆる熱可塑性ポリウレタンや熱硬化性ポリウレタンのいずれの態様であってもよい。熱可塑性ポリウレタンとは、加熱により可塑性を示すポリウレタンであり、一般に、ある程度高分子量化された直鎖構造を有するポリウレタンを意味する。一方、熱硬化性ポリウレタン(二液硬化型ポリウレタン)は、カバーを成形する際に、低分子量のウレタンプレポリマーと硬化剤(鎖長延長剤)とを反応させて高分子量化することにより得られるポリウレタンである。熱硬化性ポリウレタンには、使用するプレポリマーや硬化剤(鎖長延長剤)の官能基の数を制御することによって、直鎖構造のポリウレタンや3次元架橋構造を有するポリウレタンが含まれる。前記ポリウレタンとしては、熱可塑性エラストマーが好ましい。
前記カバーは、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、マークを形成することもできる。
カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
前記ゴルフボールが、スリーピース、フォーピースゴルフボール、ファイブピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボールである場合には、コアと最外層カバーとの間に設ける中間層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂;スチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ゴム組成物の硬化物などが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。なお、中間層は、ゴルフボールの構成に応じて、内側カバー層や、外層コアと称される場合がある。
前記ゴルフボールの直径は、40mm〜45mmが好ましい。R&A(Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)の規格が満たされるとの観点から、直径は、42.67mm以上が好ましい。空気抵抗の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。ゴルフボールの質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。R&Aの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
前記ゴルフボールは、直径40mm〜45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.2mm以上であり、5.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは4.5mm以下である。前記圧縮変形量が2.0mm以上のゴルフボールは、硬くなり過ぎず、打球感が良い。一方、圧縮変形量を5.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール1が示された一部切り欠き断面図である。ゴルフボール1は、球状コア2と、球状コア2を被覆する中間層3と、中間層3を被覆するカバー4と、このカバー4の表面に設けられた塗膜5を有する。前記カバー4の表面には、多数のディンプル41が形成されている。このカバー4の表面のうち、ディンプル41以外の部分は、ランド42である。前記塗膜5は、内層5aと外層5bから構成されている。前記内層5aは、ポリイソシアネート組成物とポリオール組成物とを含有する塗料から形成されている。前記外層5bは、前記硬化性シリコーンレジン、硬化触媒、および、反応性シリコーンオイルを含有する塗料から形成されている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)コア硬度(ショアC硬度)
コアの表面部において測定した硬度をコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心において測定した硬度をコア中心硬度とした。硬度は、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて測定した。検出器は、「Shore C」を用いた。
(2)スラブ硬度(ショアD硬度)
中間層用組成物、カバー用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように3枚以上重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore D」を用いた。
(3)圧縮変形量(mm)
コアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にコアが縮む量)を測定した。
(4)焼付塗板
塗膜を形成する試験片の材質はJIS G 4314に規定する鋼板SPCCとし、形状は厚さ0.8mm、幅70mm、長さ150mmとした。この試験片の両面にプライマーサフェイサーをスプレー塗装し、乾燥させた。続いて、耐水研磨紙(P400番)で水を用いて、表面が平滑になるまで研磨した後、洗剤および水で洗浄し、乾燥させた。次に、アクリルメラミン系樹脂エナメルをスプレー塗装し、常温で20分間放置し、次に160℃20分にて強制乾燥を行い、焼付塗板を作製した。
得られた焼付塗板にゴルフボール製造時と同様の条件で塗膜を形成し、塗膜表面の水滑落角を測定した。
(5)塗膜の膜厚
ゴルフボールの表面をスライサーでカットし、マイクロスコープで測定した。
(6)水滑落角
水滑落角は、滑落接触角計(協和界面科学社製、DMo−501SA)を用いて測定した。測定条件は下記の通りとした。ゴルフボールの測定では、最も直径が大きいディンプルの中心に水を滴下した。
測定方法 : 滑落法
解析方法 : 真円フィッティング法(区間60dot)
視野 : WIDE1
水液量 : 19±1μL(使用針 ステンレス製針15G)
滑落条件 : 0〜90°(毎秒2.0°連続傾斜)
滑落、移動判定距離 : 3dot以上移動した時の傾斜角度
(7)水接触角
水接触角は、接触角計(協和界面科学社製、DropMaster DM501、解析ソフトウェア(FAMAS))を用いて測定した。液滴するガラス製注射筒として、協和界面科学社製の注射筒セット22Gを用いた。
測定では、まずソフトウェアを起動し、注射筒を接触角計にセットした。続いて、モニタ上で水を滴下する部分が、水平になるように測定試料をサンプル台にセットした。そして、注射筒から水を2μL滴下し、滴下後、30秒後の接触角を測定した。なお、接触角は、θ/2法を用いて計測した。ゴルフボールの測定では、最も直径が大きいディンプルの中心に水を滴下した。
(8)動摩擦係数
ゴルフボールの動摩擦係数を以下の条件で測定した。なお、下記の条件では、荷重が小さく、かつ、移動速度も遅いため、最外層塗膜の動摩擦係数が測定できる。
・試験機;トライボマスター TL201TS(トライボリティー社製)
・測定サンプル;ゴルフボール
・フェース板;ステンレス鋼(日新製鋼社製、HT1770(寸法:50mm×150mm×厚さ2mm))でフェース面の算術平均粗さRa:2.9μm、最大高さの平均値Ry:21.7μmのものを用いた。
・フェース板の作製方法:前記ステンレス鋼に対して、エアーブラスト処理して得た。研削材として、アルミナ粉末(#60)とSTEEL BALL(Ervin industries社製、ES300)とを1:1で混合させたものを使用し、ブラスト条件は、フェース板とノズルとの距離10cm、ノズル直前の圧力4〜6kg/cm2とした。
・RaおよびRyの測定方法:表面粗さ測定機(ミツトヨ社製、SJ−301)を用いて、JIS B 0601−1994に準拠した方法で測定した。Ra、Ryはそれぞれ測定点6点の平均値である。またカットオフ値λcは2.5mmであった。
・温度;23℃
・ボール移動速度;2mm/s
・荷重;1.96N(200gf)
・測定方法;ボールをチャックで固定し、200gfの荷重をかけた状態で平板上を一定の速度で移動し動摩擦力を測定した。
・測定項目;動摩擦(2−10mm区間の平均値)
(9)ドライバーショット
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、ドライバー(住友ゴム工業社の商品名「SRIXON Z765」、シャフト硬度:X、ロフト角:8.5°)を装着した。ヘッド速度が50m/secである条件でゴルフボールを打撃して、スピンレート及びキャリーを測定した。キャリーは、発射地点から落下地点までの距離であり、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによってスピン速度(rpm)を測定した。10回の測定にて平均値を得た。クラブフェースとボールを濡らし、測定は雨天時に行った。
(10)ロングアイアンショット
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、5番アイアン(住友ゴム工業社の商品名「SRIXON Z765」、シャフト硬度:S、ロフト角:25°)を装着した。ヘッド速度が41m/secである条件でゴルフボールを打撃して、スピンレート及びキャリーを測定した。キャリーは、発射地点から落下地点までの距離であり、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによってスピン速度(rpm)を測定した。10回の測定にて平均値を得た。クラブフェースとボールを濡らし、測定は雨天時に行った。
(11)アプローチショット
ゴルフラボラトリー社のスイングロボットに、サンドウェッジ(クリーブランドゴルフ社製、RTX−3 BLD、ロフト角58°)を装着し、ヘッドスピード16m/sでゴルフボールを打撃し、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによってスピン速度(rpm)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて10回ずつ行い、その平均値をスピン速度とした。クラブフェースとボールを濡らし、測定は雨天時に行った。
[ゴルフボール本体の製造]
1.球状コアの作製
表1に示す配合のゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で150℃、19分間加熱プレスすることにより直径39.7mmの球状コアを得た。なお、ボール質量が45.6gとなるように、硫酸バリウムの量を調整した。
Figure 2020179063
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製、「BR730(ハイシスポリブタジエン)」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業社製、「ZN−DA90S」
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド:川口化学工業社製
ジクミルパーオキサイド:日油社製、「パークミル(登録商標)D」
安息香酸:Emerald Kalama Chemical 社製
2.中間層用組成物およびカバー用組成物の調製
表2、表3に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状の中間層用組成物およびカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 2020179063
ハイミラン(登録商標)AM7329:三井・デュポン・ポリケミカル社製、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1555:三井・デュポン・ポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
Figure 2020179063
エラストラン(登録商標)NY80A:BASFジャパン社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
3.中間層の成形
上記で得た中間層用組成物を、前述のようにして得た球状コア上に直接射出成形することにより、前記球状コアを被覆する中間層(厚さ:1.0mm)を形成した。
4.補強層の作製
二液硬化型エポキシ樹脂を基材樹脂とする補強層用組成物(神東塗料社製、商品名「ポリン(登録商標)750LE」)を調製した。主剤は、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂を30質量部と、溶剤を70質量部含有する。硬化剤は、変性ポリアミドアミンを40質量部、二酸化チタンを5質量部、溶剤を55質量部含有する。主剤と硬化剤との質量比は、1/1とした。この補強層用組成物を中間層の表面にエアガンで塗布し、23℃雰囲気下で12時間保持して、補強層を形成した。補強層の厚みは、7μmであった。
5.カバーの成形
ペレット状のカバー用組成物をハーフシェル成形用金型の下型の凹部ごとに1つずつ投入し、加圧してハーフシェルを成形した。補強層を形成した球体を2枚のハーフシェルで同心円状に被覆した。この球体およびハーフシェルを、キャビティ面に多数のピンプルを備えたファイナル金型に投入した。圧縮成形によりカバー(厚さ:0.5mm)を成形し、ゴルフボール本体を得た。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。
6.内層塗膜の形成
(1)ポリオール組成物の調製
第1ポリオール成分として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG、数平均分子量:650)、トリメチロールプロパン(TMP)を溶剤(トルエン、メチルエチルケトン)に溶解した。PTMGとTMPとのモル比(TMP:PTMG)は、1.87:1とした。ここに、触媒としてジブチル錫ラウレートを主剤全体に対して0.1質量%となるように添加した。このポリオール溶液を80℃に保持しながら第1ポリイソシアネート成分としてのイソホロンジイソシアネート(IPDI)を滴下混合した。第1ポリオール成分のOH基と第1ポリイソシアネート成分のNCO基とのモル比(NCO/OH)は0.6とした。滴下後は、イソシアネートがなくなるまで撹拌を続け、その後常温で冷却し、ウレタンポリオールを含有するポリオール組成物(ウレタンポリオール含有率:30質量%)を調製した。得られたウレタンポリオールは、PTMGの含有率が46.2質量%、水酸基価が128.0mgKOH/g、重量平均分子量が7200であった。
(2)ポリイソシアネート組成物
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体(旭化成ケミカルズ社製、デュラネート(登録商標)21S−75E(NCO含有率:15.5%))30質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(旭化成ケミカルズ社製、デュラネートTKA−100(NCO含有率:21.7%))30質量部、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(デグサ社製、VESTANAT(登録商標) T1890(NCO含有率:12.0%))40質量部を混合し、ポリイソシアネート組成物を調製した。
(3)内層用塗料の調製
上記で得たポリオール組成物とポリイソシアネート組成物を配合して、内層用塗料を調製した。なお、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との配合比は、ポリオール組成物中のOH基とポリイソシアネート組成物中のNCO基とのモル比(NCO/OH)が1.2/1.0となるように調整した。
(4)内層塗膜の形成
前記で得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、マーキングを施した後、スプレーガンで内層用塗料を塗布し、40℃のオーブンで24時間塗料を乾燥させ、内層塗膜を形成した。内層塗膜の厚さは、10μmとした。
内層塗膜の塗装は、プロングを備えた回転体にゴルフボール本体を載置し、回転体を300rpmで回転させ、ゴルフボール本体からエアーガンを吹き付け距離(7cm)だけ離間させて上下方向に移動させながら行った。重ね塗りの各回のインターバルを1.0秒とした。エアーガンの吹付条件は、重ね塗り;2回、吹付エアー圧;0.15MPa、圧送タンクエアー圧;0.10MPa、1回の塗布時間;1秒、雰囲気温度;20℃〜27℃、雰囲気湿度;65%以下の条件で塗装とした。
7.外層塗膜の形成
次に、表4に示した材料を配合して、外層用塗料を調製した。なお、ゴルフボールNo.6は、外装塗膜を形成しなかった。
Figure 2020179063
硬化性シリコーンレジンNo.1:信越化学社製、KR−217(動粘度(25℃):8mm2/s、アルコキシ基量:25質量%、式(2)中のR1:フェニル基、式(2)中のR2:炭素数1〜8のアルキル基、式(2)中のb:0.40〜1.70、分子量:1000以下)
硬化性シリコーンレジンNo.2:信越化学社製、KR−500(動粘度(25℃):25mm2/s、アルコキシ基量:28質量%、式(2)中のR1:メチル基、式(2)中のR2:炭素数1〜8のアルキル基、式(2)中のb:0.40〜1.70、分子量:1000以下)
硬化性シリコーンレジンNo.3:信越化学社製、X−40−2308(動粘度(25℃):4mm2/s、アルコキシ基量:51質量%、式(2)中のR2:炭素数1〜8のアルキル基、式(2)中のb:0、分子量:1000以下)
硬化性シリコーンレジンと硬化触媒との混合物No.1:信越化学社製、KR−400(動粘度(25℃):1.2mm2/s、アルコキシ基量:45質量%、式(2)中のR1:メチル基、式(2)中のR2:炭素数1〜8のアルキル基、式(2)中のb:0.40〜1.70、分子量:1000以下)(硬化触媒DX−9740(有機アルミニウム化合物タイプ)10質量%含有)
硬化性シリコーンレジンと硬化触媒との混合物No.2:信越化学社製、X−40−175(動粘度(25℃):22mm2/s、アルコキシ基量:33質量%、式(2)中のR1:メチル基およびフェニル基、式(2)中のR2:炭素数1〜8のアルキル基、式(2)中のb:0.40〜1.70、分子量:1000以下)(硬化触媒DX−175(有機チタニウム化合物タイプ)5質量%含有)
硬化触媒:信越化学社製、D−20(有機チタニウム化合物タイプ)
反応性シリコーンオイルNo.1:信越化学社製、X−24−9377(動粘度(25℃):6mm2/s、官能基当量:1500〜2000g/mol、式(4)で表される反応性シリコーンオイル(R3:炭素数1〜8のアルキル基、R5:メチル基、n:0〜600、m:0〜2))
反応性シリコーンオイルNo.2:信越化学社製、X−24−9011(動粘度(25℃):20mm2/s、官能基当量:1500〜2000g/mol、式(4)で表される反応性シリコーンオイル(R3:炭素数1〜8のアルキル基、R4:メチル基、n:0〜600、m:0〜2))
内層塗膜を形成したゴルフボールに、ボール表面にスプレー塗装し、60℃で30分間乾燥させた後、マイクロクロスで拭きあげて塗膜外層を形成し、ゴルフボールを得た。
得られたゴルフボールについて評価した結果を表5に示した。
Figure 2020179063
ゴルフボールNo.1〜4は、塗膜の最外層がシリコーン化合物を含有し、最外層塗膜の厚さが5nm〜500nmであり、かつ、最外層塗膜の表面の水滑落角が50°未満である。これらのゴルフボールはいずれも雨天時のドライバーショットでの飛距離やアプローチショットでのスピン性能に優れている。
ゴルフボールNo.5は、塗膜の最外層がシリコーン化合物を含有し、最外層塗膜の厚さが5nm〜500nmであるが、最外層塗膜の表面の水滑落角が50°以上である。このゴルフボールNo.5は、雨天時のドライバーショットの飛距離が短く、かつ、雨天時のアプローチショットでのスピン量が少ない。
1:ゴルフボール、2:球状コア、3:中間層、4:カバー、41:ディンプル、42:ランド、5:塗膜、5a:内層、5b:外層

Claims (9)

  1. ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する少なくとも一層の塗膜とを有し、
    最外層塗膜が、シリコーン化合物を含有し、
    前記最外層塗膜の厚さが、5nm〜500nmであり、
    前記最外層塗膜の表面の水滑落角が50°未満であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記最外層塗膜中の前記シリコーン化合物の含有率が、50質量%以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記最外層塗膜の表面の動摩擦係数が、0.3〜0.9である請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記最外層塗膜が、硬化性シリコーンレジン、硬化触媒、および、反応性シリコーンオイルを含有する塗料から形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記硬化性シリコーンレジンが、一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物である請求項4に記載のゴルフボール。
    Figure 2020179063
    (式(1)中、R1は、水素原子、または、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R2は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。aは、0〜3の整数を示す。複数存在するR1およびR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  6. 前記硬化性シリコーンレジンのアルコキシ基量が、10質量%〜55質量%である請求項4または5に記載のゴルフボール。
  7. 前記反応性シリコーンオイルは、分子鎖の片方の末端、または、分子鎖の両方の末端に反応性基を有しており、
    前記反応性基が、ヒドロシリル基、シラノール基およびアルコキシシリル基よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項4〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  8. 前記反応性シリコーンオイルが、下記一般式(3)で示される第1反応性シリコーンオイルを含有する請求項4〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール。
    Figure 2020179063
    (式(3)中、R3は、置換または非置換の1価の炭化水素基を示す。R4は、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基を示す。mは0〜2の整数を示す。nは0〜600の整数を示す。複数存在するR3およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  9. 前記塗料中の前記第1反応性シリコーンオイルの含有量が、前記硬化性シリコーンレジン100質量部に対して、200質量部以下である請求項8に記載のゴルフボール。
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