JP2020178622A - 飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物菌体粉末を含む飲料であって、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する飲料を提供すること。【解決手段】微生物菌体粉末と、20〜80mg/100mLのナトリウムを含む飲料であって、糖アルコールを含む飲料を提供する。飲料中の糖アルコールの固形分濃度は2〜40g/Lであってもよい。飲料中の糖アルコールとして、少なくともマルチトールを含んでいてもよい。飲料中の微生物菌体粉末は、乳酸菌の菌体粉末であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料に関する。
従来、消費者の健康志向に応えるべく、微生物菌体を含有する飲料が開発されている。中でも、乳酸菌が含有された飲料は、整腸作用や抗アレルギー作用等の健康上有益な生理活性を有することから注目されている。
微生物菌体含有飲料の製造方法として、例えば、原料乳に乳酸菌を加えて発酵させて得られる発酵乳を配合する方法や、微生物菌体を凍結乾燥等により乾燥させた菌体粉末を飲料に配合する方法等が挙げられる。
従来は、生きた乳酸菌等を直接摂取したいというニーズから、ヨーグルトや乳酸菌飲料が多く販売されていたが、摂取シーンや風味、流通形態が限定されていた。近年は、飲料の形態やジャンルにとらわれずに、あらゆるシーンで手軽に美味しく、健康上有益な生理作用を有する乳酸菌等を接種したいというニーズが高まっている。そこで、生きた微生物が含まれているものに限らず、微生物に由来する健康上有益な生理活性を有する飲料を手軽に摂取したいというニーズに応えた、微生物菌体粉末を配合した飲料が販売されている。しかし、このような飲料では、菌体粉末由来の臭み(培地臭)が風味を損なうことが課題となっている。
培地臭は、例えば酵母エキス、肉エキス、ペプトン等を含む培地で培養された微生物の粉末を配合した場合に問題となりやすい。これまでに、飲料の培地臭を低減させるための様々な検討がなされてきており、例えば、乳酸菌粉末が含まれる飲料に所定の香気成分を配合する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、飲料の味を調整したり、ナトリウム源を補給したりすることを目的として、食塩等のナトリウム源を添加する方法がとられている。
しかし、飲料にナトリウム源を添加して所定のナトリウム濃度とすることで味の厚みは増すものの、ナトリウムに由来する塩味が強く感じられ、嗜好性が損なわれてしまうという問題がある。また、微生物粉末が含まれる飲料にナトリウム源を含有する場合、微生物粉末特有の培地臭とナトリウム源に由来する塩味が相俟って、好ましくない後味を有する。
これまでに、微生物菌体粉末を含む飲料において、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する飲料を得る方法は知られていなかった。
特開2018−153101号公報
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、微生物菌体粉末を含む飲料であって、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、微生物菌体粉末と所定量のナトリウムを含む飲料に、糖アルコールを配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)微生物菌体粉末と、20〜80mg/100mLのナトリウムを含む飲料であって、
糖アルコールを含む飲料。
(2)当該飲料中の上記糖アルコールの固形分濃度が2〜40g/Lである、(1)に記載の飲料。
(3)上記糖アルコールとして、少なくともマルチトールを含む、(1)又は(2)に記載の飲料。
(4)上記微生物菌体粉末が、乳酸菌の菌体粉末である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の飲料。
本発明によれば、微生物菌体粉末を含む飲料であって、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する飲料が提供される。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<1.飲料>
飲料は、微生物菌体粉末と、20〜80mg/100mLのナトリウムを含み、かつ、糖アルコールを含む。飲料の組成等をこのように調整することにより、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する飲料を得ることができる。
飲料の種類は特に限定されるものではなく、例えば、乳性飲料、果汁・野菜汁飲料、茶飲料、コーヒー飲料、機能性飲料、スポーツ飲料等が挙げられる。
飲料における甘味度は、特に限定されず、飲料の種類等に応じて適宜設定することができる。なお、本明細書において甘味度とは、ショ糖換算甘味度のことをいう。甘味度は、例えばショ糖1重量/容量%の甘味度を1とし、この甘味度と等しい甘さを導き出す濃度をその甘味料のショ糖換算甘味度1として、計算して導出される。本発明の飲料の甘味度は特に限定されないが、塩味を低減するという観点から、2〜10が好ましく、3〜7がより好ましい。
以下、本発明の飲料の構成について詳述する。
[微生物菌体粉末]
飲料は、微生物菌体粉末を含む。「微生物菌体粉末」とは、粉末状の微生物菌体であり、微生物の培養液を当技術分野で公知の方法及び機器を使用して乾燥して粉状物としたものである。なお、乾燥方法としては、特に制限されず、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。
微生物菌体としては、特に限定されず、例えば乳酸菌の菌体、酵母の菌体等が挙げられるが、好ましくは乳酸菌の菌体である。
乳酸菌には、乳酸桿菌、乳酸球菌のほか、広義の乳酸菌としてビフィズス菌をも包含するものとする。乳酸菌の菌体としては、飲食品に一般的に使用されるものであれば限定はされず、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ワイセラ(Weissella)属等に属する乳酸菌の菌体が挙げられる。これらの中でも、乳酸菌粉末としての機能性研究が盛んであり、かつ、食経験も豊富であるとの観点から、ラクトバチルス属に属する乳酸菌の菌体が好ましい。
ラクトバチルス属に属する乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリュッキィ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ケフィア、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ガリナルム等が挙げられる。
飲料に使用する菌株は、天然からの単離株、寄託株、保存株、市販株等のいずれであってもよい。また、菌体は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
飲料における微生物菌体粉末の量は、0.001〜10g/Lであることが好ましく、0.01〜5g/Lであることがより好ましい。このような範囲であれば、微生物菌体粉末による生理活性作用を期待できると同時に、風味改善効果を奏しやすい。
微生物菌体は、微生物の培養に通常用いられる培養培地を使用して、通常使用される条件下で微生物を培養させることにより増殖し回収することができる。
培養培地は、通常、炭素源、窒素源、無機塩類、その他の有機栄養源等を含有する。また、微生物の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地又は合成培地のいずれを用いてもよい。具体的に、炭素源としては、例えばラクトース、グルコース、スクロース、フラクトース、ガラクトース、廃糖蜜等を用いることができる。窒素源としては、例えばカゼイン加水分解物、ホエータンパク質加水分解物、大豆タンパク質加水分解物、酵母エキス、肉エキス等の有機窒素含有物等を用いることができる。無機塩類としては、例えばリン酸塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、亜鉛等を用いることができる。その他の有機栄養源としては、例えばグリシン、アラニン、セリン、スレオニン、プロリン等のアミノ酸、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンC等のビタミン等を用いることができる。
乳酸菌の培養に適した培地としては、例えばMRS液体培地、GAM培地、BL培地、Briggs Liver Broth、獣乳、脱脂乳、乳性ホエー等が挙げられる。天然培地としては、トマトジュース、ニンジンジュース、その他野菜ジュース、あるいはリンゴ、パイナップル、ブドウ果汁等も使用することができる。
培養培地の溶媒は、特に限定されず、蒸留水、イオン交換水、精製水、水道水等を用いることができる。また、培養培地のpHや培養時間、培養温度等のその他の条件は、微生物が生育するのに適した条件であれば特に限定されない。
上述したような条件下で、好適に培養された微生物が含まれている培養液を粉末化したものは、微生物菌体粉末として用いることができる。
具体的に、微生物菌体粉末は、微生物の細胞構造を破壊することによって菌体を損傷させ、単に凍結乾燥等の手法で乾燥した微生物菌体粉末よりもさらに微細な粉末にした「破壊処理微生物菌体粉末」であってもよい。破壊処理微生物菌体粉末は、破壊された微生物全体(すなわち、細胞を構成する本質的にすべての成分)をそのまま回収することで得られる。
微生物の破壊処理は、当技術分野で公知の方法及び機器を使用して、物理的破砕処理、磨砕処理、酵素溶解処理、薬品処理、又は自己溶解処理等によって行うことができる。例えば物理的破砕処理は、湿式(微生物菌体を懸濁液の状態で処理)又は乾式(微生物菌体粉末の状態で処理)のいずれで行ってもよく、ホモゲナイザー、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル等を使用した撹拌により、ジェットミル、フレンチプレス、細胞破砕機等を使用した圧力により、あるいはフィルター濾過により、微生物菌体を損傷させることができる。このように破壊処理された微生物菌体粉末は、飲料に好適に使用できる。
[ナトリウム]
飲料は、ナトリウムを含む。ナトリウムは、飲料における風味(おいしさ)を良好にすることができる成分である。また、飲料に十分量のミネラルを配合する成分でもある。
ナトリウム源は、通常飲食品に配合されるものであれば特に限定されず、アスコルビン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等のナトリウム塩が挙げられる。これらのナトリウム源のうち、風味を調整しやすい観点から、塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。また、風味の調整に加えてpH調整にも用いやすいという観点から、クエン酸三ナトリウムが好ましい。これらのナトリウム源は1種のみ使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
飲料におけるナトリウムの濃度は、20〜80mg/100mLであり、30〜70mg/100mlが好ましく、40〜60mg/100mlがより好ましい。飲料中のナトリウム濃度をこのような範囲に調整することで、後述する糖アルコールによって塩味を抑制しながら、飲料の風味をよくすることができ、より良好なおいしさを実現できる。なお、ナトリウムの濃度とは、飲料中に配合したナトリウム源に由来するナトリウム分の濃度であり、また上述したナトリウム塩に限られず、飲料中に含まれるナトリウム塩以外の成分に由来するナトリウムの濃度も含まれる。
ナトリウム濃度は、飲料中の成分の種類や配合量の調整、ナトリウム塩を含む原料の添加等によって上記の値に調整できる。ナトリウム塩を使用する場合、ナトリウム塩を飲料中に配合したときのナトリウム濃度が上記範囲となるようにその添加量を調整すればよい。
なお、飲料中のナトリウム濃度は、飲料中のナトリウム塩等の添加量から計算することができる。また、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて測定することができる。
[糖アルコール]
飲料は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、飲料における培地臭及び塩味を抑制するように作用する。また、飲料には微生物菌体粉末が含まれているため、喫食者が粉末による舌へのざらつき感を感じることがあるが、糖アルコールを含有させることで、ざらつき感を抑制する作用も奏する。なお、このようなざらつき感は、粉末の洗浄方法や微細化の処理方法等の違いにより異なるが、該方法等にバラつきがある粉末を含有させた場合でも、糖アルコールを添加することで改善し得る。
糖アルコールは、通常飲食品に配合されるものであれば特に限定されず、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール等の単糖アルコール類、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の二糖アルコール類、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の三糖アルコール類、オリゴ糖アルコール等の四糖以上アルコール類、還元麦芽糖水飴等が挙げられる。これらの糖アルコールは、1種のみ使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
これらのうち、塩味、培地臭、ざらつき感をより効果的に抑制できる観点から、糖アルコールとして少なくともマルチトールを含むことが好ましい。
糖アルコールとしては、粉末等の固体製剤を用いてもよいし、液体製剤を用いてもよい。なお、糖アルコール製剤としては、例えば、マルビット、スイートNT、エスイー20、エスイー30、エスイー57、エスイー100(以上、物産フードサイエンス(株)製)、等が市販されており、好適に用いることができる。なお、エスイー及びマルビットは物産フードサイエンス(株)の登録商標である。
飲料における糖アルコールの濃度は、固形分濃度で2〜40g/Lであることが好ましく、3〜25g/Lであることがより好ましい。糖アルコールの濃度がこのような範囲であることで、培地臭や塩味の抑制効果をより高めることができ、またその糖アルコールによる緩下作用を抑えることができる。
また、糖アルコールの浸透性(ショ糖100/固形分当たり)は、40〜350であることが好ましく、50〜100であることがより好ましい。糖アルコールの浸透性がこのような範囲であることで、培地臭の抑制効果をより高めることができ、また飲料の風味を向上させることができる。なお、本明細書において浸透性とは、ショ糖の浸透圧を100としたときの糖アルコールの浸透圧をいう。浸透圧の測定は、公知のいずれの方法を用いて行ってもよく、例えば氷点降下法により測定することができる。測定装置は、例えばアドバンス自動浸透圧計オズモメーター3250(ADVANCED INSTRUMENTS, INC.)を用いることができる。
[その他の成分]
飲料には、効果を阻害しない範囲で、一般的な飲料に通常用いられる他の原材料や添加剤を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
飲料に配合し得る成分としては、下記のものが挙げられる;溶媒(水、アルコール等)、糖類(果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、ショ糖、砂糖、果糖、ぶどう糖、乳糖、麦芽糖等の単糖や二糖)、異性化糖(果糖ぶどう糖液糖等)、高甘味度甘味料(ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース等)、果汁(レモン、アロエ、オレンジ、ブドウ、リンゴ、モモ等)、野菜汁、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等)、増粘安定剤(大豆多糖類、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム等)、酸化防止剤(トコフェロール、塩酸システイン等)、色素(カロチノイド色素、アントシアニン色素、カラメル色素、各種合成着色料等)、香料(ナリンジン等)、保存料、防腐剤、防かび剤、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE等)やミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム等)、食物繊維等。
<2.飲料の特性>
飲料は、培地臭が抑制され、かつ、塩味が抑制され、飲料として好ましい風味(おいしさ)を有する。飲料の培地臭及び塩味は、実施例に示す方法で評価される。
<3.飲料の製造方法>
飲料は、上記の成分を適宜調整することで得られる。例えば、飲料は、準備されたそれぞれ所定量の原料を溶媒に順次又は同時に添加し、撹拌等により混合することで得ることができる。成分や原料の配合割合や混合順序等は、特に限定されない。
得られた飲料は、容器に充填してもよく、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理してもよい。
<4.飲料の培地臭及び塩味のマスキング方法>
上述したように、飲料に糖アルコールを配合することで、微生物菌体粉末に起因する培地臭を抑制する効果、及び、比較的高含有されるナトリウムに起因する塩味を抑制する効果、すなわち、培地臭及び塩味のマスキング効果を奏する。したがって、微生物菌体粉末と所定濃度のナトリウムを含む飲料に糖アルコールを添加することを手段とする、該飲料の培地臭及び塩味のマスキング方法の発明も定義できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1](糖アルコールの配合)
下記表1に示す組成を有する飲料を調製した。表中の数値の単位は「g/L」である。飲料中のナトリウム濃度は、食塩の配合量により調整した。得られた各飲料は加熱殺菌し、容器に充填した。また、飲料の甘味度は、砂糖及び糖アルコール製剤の配合量を調整することで、甘味度6に揃えた。なお、糖アルコールとしては、マルビット(物産フードサイエンス(株)製)を用いた。
Figure 2020178622
得られた飲料について、以下の官能評価を行った。
<官能評価>
各飲料を20℃まで冷却後、専門パネル(5名)による官能評価に供した。具体的には、各飲料の「塩味の強さ」、「培地臭の強さ」、「ざらつき感の強さ」、「後味の良さ」、「おいしさ」を点数化し、その平均値を算出した。かかる評価では、糖アルコールを含まない例(比較例1)を対照品(コントロール品)とし、基準値を4点とした。
「塩味の強さ」、「培地臭の強さ」、「ざらつき感の強さ」については、下記の評価基準を用いて、7段階で評価した。
7点:大変強い
6点:強い
5点:やや強い
4点:普通
3点:やや弱い
2点:弱い
1点:大変弱い
「後味の良さ」、「おいしさ」については、下記の評価基準を用いて7段階で評価した。
7点:大変良い
6点:良い
5点:やや良い
4点:普通
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:大変悪い
下記表2に、官能評価結果を示す。
Figure 2020178622
表2の比較例1と各実施例との比較から、糖アルコールを配合することで、「塩味」「培地臭」「ざらつき感」のいずれもが抑制され、「後味の良さ」「おいしさ」がともに良好となることがわかった。また、糖アルコールの配合量が増加するにつれ、これらの効果は高くなることがわかった。
[実施例2](ナトリウム濃度の変更)
下記表3に示す組成を有する飲料を調製し、飲料中のナトリウム濃度を変更して試験を行った。表中の数値の単位は「g/L」である。飲料中のナトリウム濃度は、食塩の配合量を変えることにより調整した。得られた各飲料は加熱殺菌し、容器に充填した。また、飲料の甘味度は、砂糖及び糖アルコール製剤の配合量を調整することで、甘味度6に揃えた。なお、糖アルコールとしては、マルビット(物産フードサイエンス(株)製)を用いた。
Figure 2020178622
得られた飲料について、実施例1と同様の官能評価を行った。かかる評価では、参考例2を対照品(コントロール品)とし、基準値を4点とした。
下記表4に、官能評価結果を示す。なお、表4における実施例2−2と表2における実施例1−4、表4における参考例2と表2における比較例1は、同一の飲料である。
Figure 2020178622
表4に示されるとおり、ナトリウムが同量の参考例1と実施例2−1、参考例2と実施例2−2、及び参考例3と実施例2−3との比較から、糖アルコールを配合することで、「塩味」「培地臭」「ざらつき感」のいずれもが抑制され、「後味の良さ」「おいしさ」がともに良好となることがわかった。
なお、ナトリウムが含まれていない参考例4に比べて、所定のナトリウム濃度となるようにナトリウム源を配合した実施例2−1及び2−2では、「おいしさ」が良好であった。
[実施例3](糖アルコールの種類)
下記表5に示す組成を有する飲料を調製し、糖アルコールの種類を代えて試験を行った。表中の数値の単位は「g/L」である。飲料中のナトリウム濃度は、食塩の配合量により調整した。得られた各飲料は加熱殺菌し、容器に充填した。また、飲料の甘味度は、砂糖及び糖アルコール製剤の配合量を調整することで、甘味度6に揃えた。
また、糖アルコールとしては、各実施例で異なる種類のものを用いた。具体的には、表3に示すように、マルビット、スイートNT、エスイー55、エスイー20、エスイー600、エリスリトール(以上、いずれも物産フードサイエンス(株)製)、キシリトール(デュポン社製)を用いた。
Figure 2020178622
得られた飲料について、実施例1と同様の官能評価を行った。かかる評価では、比較例1を対照品(コントロール品)とし、基準値を4点とした。
下記表6に、官能評価結果を示す。なお、表6における実施例3−1と、表2における実施例1−4及び表4における実施例2−2は、同一の飲料である。
Figure 2020178622
表6の比較例1と各実施例との比較から、いずれの種類の糖アルコール製剤を用いた場合においても、「塩味」「培地臭」「ざらつき感」のいずれもが抑制され、「後味の良さ」「おいしさ」がともに良好となることがわかった。
また、配合する糖アルコールの浸透性が低い方が、風味改善効果が高くなる傾向が示された。
[実施例4](乳酸菌粉末の種類)
下記表7に示す組成を有する飲料を調製し、乳酸菌粉末の種類を代えて試験を行った。表中の数値の単位は「g/L」である。飲料中のナトリウム濃度は、食塩の配合量により調整した。得られた各飲料は加熱殺菌し、容器に充填した。また、飲料の甘味度は、砂糖及び糖アルコール製剤の配合量を調整することで、甘味度6に揃えた。なお、糖アルコールとしては、マルビット(物産フードサイエンス(株)製)を用いた。
Figure 2020178622
得られた飲料について、実施例1と同様の官能評価を行った。かかる評価では、比較例2、3を対照品(コントロール品)とし、基準値を4点とした。
下記表8に、官能評価結果を示す。
Figure 2020178622
表8の比較例2と実施例4−1、比較例3と実施例4−2との比較から、いずれの菌種の乳酸菌を用いた場合においても、「塩味」「培地臭」「ざらつき感」のいずれもが抑制され、「後味の良さ」「おいしさ」がともに良好となることがわかった。これらの結果より、菌種の違いにかかわらず、ナトリウムを含む飲料に糖アルコールを配合することで、風味改善効果が奏されることが確認された。
[実施例5](ナトリウム源の変更)
下記表9に示す組成を有する飲料を調製し、飲料に配合するナトリウム源を変更して試験を行った。表中の数値の単位は「g/L」である。飲料中のナトリウム濃度は、そのナトリウム源の配合量を変えることにより調整した。得られた各飲料は加熱殺菌し、容器に充填した。また、飲料の甘味度は、砂糖及び糖アルコール製剤の配合量を調整することで、甘味度6に揃えた。なお、糖アルコールとしては、マルビット(物産フードサイエンス(株)製)を用いた。
Figure 2020178622
得られた飲料について、実施例1と同様の官能評価を行った。かかる評価では、比較例4を対照品(コントロール品)とし、基準値を4点とした。
下記表10に、官能評価結果を示す。
Figure 2020178622
表10の比較例4と実施例5−1との比較から、ナトリウム源としてクエン酸三ナトリウムを使用した場合であっても、「塩味」「培地臭」「ざらつき感」のいずれもが抑制され、「後味の良さ」「おいしさ」がともに良好となることがわかった。これらの結果より、ナトリウム源の違いにかかわらず、糖アルコールを配合することで、風味改善効果が奏されることが確認された。

Claims (4)

  1. 微生物菌体粉末と、20〜80mg/100mLのナトリウムを含む飲料であって、
    糖アルコールを含む飲料。
  2. 当該飲料中の前記糖アルコールの固形分濃度が2〜40g/Lである、請求項1に記載の飲料。
  3. 前記糖アルコールとして、少なくともマルチトールを含む、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 前記微生物菌体粉末が、乳酸菌の菌体粉末である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
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