JP2020178572A - 容器入り飲料の微生物検査方法及び飲料製造装置 - Google Patents
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
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Abstract
Description
特に、メンブレンフィルターろ過法(MF法)による微生物検査方法において、ボトル容器の口部とキャップとの間(以下「キャップ間隙部」という)等から菌の混入を防止できる飲料入りボトルの微生物検査方法が望まれていた。
無菌チャンバ内で無菌充填法により製造した容器入り飲料をそのままクリーンベンチで微生物検査処理をするので、容器外面の殺菌処理や滅菌処理が不要であるから、検査処理工程を簡易にでき、作業負担を軽減できる。
クリーンベンチを無菌チャンバ内に設けているから、設備をコンパクトにできると共に無菌充填法に基づく飲料製造ラインの洗浄・殺菌と連動したクリーンベンチの洗浄・殺菌ができる。
まず、飲料製造装置1について説明する。図1に示すように、本実施の形態にかかる飲料製造装置1は、飲料製造ライン3と、飲料製造ライン3全体を無菌状態で覆う無菌チャンバ5とを備えている。
本実施の形態では、飲料入り容器7の容器は樹脂製ボトルであるから、容器入り飲料又は容器を、以下単に「ボトル」という。
飲料充填機9では、飲料として、例えばお茶系飲料が充填され、飲料充填後のボトル7(図5参照)は、出口ホイール11を介して、キャッパー13に搬送されてキャップ7a(図5参照)を装着した後、搬送ホイール15から、製品搬送ライン17に搬送され、無菌チャンバ5から出てクリーンルーム19へ排出される。製品搬送ライン17はボトル7の底を支持して搬送するコンベアである。
搬送ホイール15の下流には、リジェクトホイール21、21が設けてあり、不良品等の所定の容器入り飲料を搬送ホイール15から受けて製品搬送ライン17から外し、リジェクトライン23に乗せる。
リジェクトホイール21、21及びサンプリングコンベア27で、サンプリングライン29を構成しており、クリーンルーム19に設置してあるサンプリング操作部31を操作することで、搬送ホイール15で搬送されてくる所定の飲料入り容器をサンプルとしてサンプリングライン29に乗せて、クリーンベンチ25へ搬送するようにしてある。
サンプリング操作部31では、任意のボトルをその都度特定して所定数をサンプリングするものであっても良いし、所定時間毎に所定数のボトル7をサンプリングするように設定しても良い。
尚、本実施の形態にかかるボトル入り飲料の微生物検査方法は、メンブレンフィルター(MF)法による検査方法であり、容器入り飲料入をシャーレ44に入れた培地で培養した後、コロニーの有無を検査するが、本実施の形態では、一般細菌(水生菌を含む)、真菌(カビ、酵母)を検査する。
図9に示すように、ロボットアーム33は、多数の関節を有し、支柱33a、腕33b、ヘッド33cがそれぞれX方向回転、Y方向回転、Z方向の揺動等が自在な構成としてある。また、ヘッド33cには、係止具45等の治具が出し入れ自在に設けてあると共に把持部47によりボトル入り飲料7等の物品を把持可能な構成としてある。符号49は切断刃である。
ロボットアーム33の姿勢、動き、把持部47や係止具45等の駆動や制御は、予めプログラムしたマイクロコンピュータにより制御されている。
図3に示すように、準備段階では、無菌チャンバ5の外にあるクリーンルーム19において、培地42(図8参照)を含むシャーレ44(図8参照)を準備しT1、無菌水準備T2、メンブレン(ろ紙)準備T3、ファンネル(ろ過器)準備T4をしておく。これらの準備T1〜T4は人手で行う。
図1に示すように、無菌チャンバ5内の飲料製造ライン3において、飲料充填機9による充填後、キャッパー13でキャップ巻締め後(充填・キャップ巻締(S0))のボトル入り飲料について、サンプリング操作部31で設定された所定のボトルを、リジェクトホイール21を介してボトルサンプリング(S1)し、サンプリングコンベア27でクリーンベンチ25内にボトルを搬入する(S2)。
ボトル開栓・穿孔工程では、ボトル7内の飲料を注ぎ出す為の孔をボトル7にあける。
本実施の形態では、図5に示すように、ボトルキャップ7aの天面に上から加熱した熱材53を差し仕込んで穿孔する。熱材53は本実施の形態では棒材である。熱材53は常設の穿孔装置55で行う。穿孔装置55はシリンダー及びピストンの駆動機構で熱材53を上下動し、例えば熱材53は内蔵された電熱線で加熱している。
ボトルキャップ7aは熱材53により溶融して穿孔される。尚、ボトルキャップ7aを穿孔するときには、ロボットアーム33でボトル7の胴部を保持していても良い。また、ボトル7のキャップ7aを回して開封しても良い。
一方、ロボットアーム33は、ろ過マニホールド39(図6参照)にファンネル59(図6参照)を設置した(S4−1)後、準備したメンブレン57(図7参照)を取り出し(S4−2)、ファンネル59にメンブレン57(図7参照)を設置する(S4−3)。
設置したメンブレン57には、チューブ(図示せず)から無菌水を注入する(S4−4)。
図6に示すように、ロボットアーム33は、把持部47でボトル7を把持してボトルキャップ7aが下に向くように傾斜させてファンネル59にボトル7内の飲料を注ぎ、ろ過する。
図7に示すように、ろ過後、ロボットアーム33により、ファンネル59の周壁59aを基台59bから外し、ロボットアーム33が保持する切断刃49でメンブレン57を2枚の半月状のメンブレン片57a、57bに切断する。
図7に示すように、ファンネル59の基台59bには、その縁部59cに切断刃49の挿入溝61が形成されている。本実施の形態では、挿入溝61は縁部59cの対向する位置に2箇所形成されている。挿入溝61により、切断刃49でメンブレン57を引き切るときに切断刃49が縁部59cと干渉することなく、縁部59cを越えて引き操作できる。
図8に示すように、ロボットアーム33は、ファンネル59の基台59b(図7参照)に載置されている一方のメンブレン片57aを係止具45で把持してメンブレンを採取し(図3のS6−2)、シャーレ44の培地42に貼付する。係止具45は、例えばピンセットである。尚、メンブレンをシャーレ44の培地42に添付する前に、シャーレ44の蓋を開けておく(図3のS7−1)。
その後、シャーレ44に蓋を被せる(図3のS7−2)。シャーレ44の蓋の開閉は、テーブル上に設けた自動機構により蓋を開閉するが、ロボットアーム33が行っても良い。
同様に、他方のメンブレン片57bも係止具45で把持し、他の種類の培地を入れたシャーレ44に貼付し、その後シャーレ44に蓋を被せる(図3のS7−2)。
蓋を被せた各シャーレ44は、クリーンベンチ25に仮置きし、開閉扉63(図1参照)を開いて、コンベア64から微生物検査作業室32(図1参照)に搬送され(S8)、そのまま培養器に収納して培養する(S9)。培養後、コロニーの有無を観察すると共に、コロニーがあるときにはその数をカウントし(S9)、コンピュータ65に入力する。これにより、微生物検査の結果が自動的に出力可能となる(S10)。
また、ボトル7の飲料は、必要に応じて成分等を理化学分析し(S12)、微生物検査の結果と共に分析した内容をコンピュータ65に入力しても良い。
本実施の形態によれば、無菌チャンバ5内で無菌充填法により製造したボトル7を無菌チャンバ5内に設置したクリーンベンチ25内で、微生物検査処理、即ち、ボトル7に穿孔した孔からボトル内の飲料を取り出してメンブレン57でろ過するので、メンブレンフィルターろ過法(MF法)による微生物検査方法において、ボトル7の外面に付着する菌の混入を防止できる。また、ボトル7の外面の殺菌処理や滅菌処理が不要であるから、微生物検査処理工程を簡易にでき、作業負担を軽減できる。
クリーンベンチ25を無菌チャンバ5内に設けているから、設備をコンパクトにできると共に飲料製造ラインの洗浄・殺菌と連動したクリーンベンチの洗浄・殺菌ができる。
また、熱材53をボトルキャップ7aに差し込むだけでボトルキャップ7aを容易に穿孔できる。
メンブレン57の切断を、ファンネル59上で且つ切断刃(メス)49で直接行うことにより、ハサミ等の裁断機でメンブレン57を切断する場合に比較して、機器がメンブレン57に接触する部分を最小にでき、菌の残存を抑えると共に無菌状態の維持が可能になる。また、切断刃49としてメスを使用することで、サイズが小さく使い捨ても可能であるから使い勝手が良い。
切断刃49は、一回切断作業をする毎に熱滅菌をすることが好ましい。この場合、切断刃49の熱滅菌はロボットアーム33に内蔵した熱滅菌装置で行っても良いし、ロボットアームとは別に設けた熱滅菌装置で行っても良い。
例えば、メンブレン切断工程S6では、ファンネル59の基台59bに形成する挿入溝61は、少なくとも1箇所あれば良い。また、メンブレンの切断は2枚のメンブレン片に切断することに限らず、3枚や4枚のメンブレン片等に切断しても良く、切断する枚数は限定されない。この場合、基台59bの縁部59cには、切断する枚数に対応する数の挿入溝61を形成する。
特許請求の範囲に記載の注ぎ口形成工程は、ボトルキャップ7aを、常設してあるボトルキャッパーで外して、ボトル7を開封しても良い。この場合、ろ過工程では、ボトル7の口部からボトル7内の飲料をファンネル59に注いでろ過する。
ボトル開栓・穿孔工程S3で用いる熱材53は、棒状のものに限らず、板状であっても良く、形状は限定されない。
ボトル7内の飲料の種類は限定されず、お茶に限らず、乳入り紅茶やコーヒ飲料、果汁飲料等であっても良い。
5 無菌チャンバ
7 ボトル(容器入り飲料又は容器)
7a ボトルキャップ
25 クリーンベンチ
29 サンプリングライン
33 ロボットアーム
53 熱材
57 メンブレン
59 ファンネル
63 開閉扉
49 切断刃
61 挿入溝
S1 サンプリング工程
S2 ボトル搬入工程
S3 ボトル開栓・穿孔(注ぎ口形成)工程
S5 ろ過工程
S6 メンブレン切断工程
S8 シャーレ運搬工程
S9 培養工程
Claims (9)
- 無菌充填法により容器に飲料を充填する飲料製造ラインの無菌チャンバ内にクリーンベンチが設けてあり、飲料製造ラインで製造した任意の容器入り飲料をサンプルとしてクリーンベンチに搬送するサンプリング工程と、
前記クリーンベンチ内で、サンプリングされた容器入り飲料の容器に注ぎ口を形成する注ぎ口形成工程と、
前記クリーンベンチ内で、前記サンプリングされた容器入り飲料の容器からメンブレンを設置したファンネルに飲料を注いで飲料をろ過するろ過工程と、
前記クリーンベンチ内で、ろ過後に前記メンブレンを切断するメンブレン切断工程と、
前記クリーンベンチ内で、前記切断したメンブレン片を採取してシャーレの培地に貼付する貼付工程と、
前記メンブレンを貼付したシャーレをクリーンベンチ及び無菌チャンバの外に設置した培養器に運搬するシャーレ運搬工程と、
前記培養器でシャーレの培地を培養する培養工程と、を備える容器入り飲料の微生物検査方法。 - 前記サンプリング工程は、飲料充填後の容器に蓋をした容器入り飲料を搬送する搬送ラインから分岐するサンプリングラインによりクリーンベンチに搬送することを特徴とする請求項1に記載の容器入り飲料の微生物検査方法。
- 前記シャーレ運搬工程は、クリーンベンチ及び無菌チャンバに設けた開閉扉を開いてコンベアにより培養器へ搬送することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器入り飲料の微生物検査方法。
- クリーンベンチ内にロボットアームを備え、前記ロボットアームが容器又は容器の蓋に加熱した熱材を挿入して穿孔した後、前記ロボットアームが前記容器を把持して容器を傾けてメンブレンを設定したファンネルに飲料を注ぎ、その後、前記ロボットアームが保持する切断刃でメンブレンを切断し、切断したメンブレン片を培地に添付することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器入り飲料の微生物検査方法。
- 前記容器入り飲料の容器は、樹脂製ボトル、金属製ボトル又は缶であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器入り飲料の微生物検査方法。
- 無菌充填法により容器に飲料を充填する飲料製造ラインと、
飲料製造ラインで製造した任意の容器入り飲料を搬送するサンプリングラインと、
前記飲料製造ライン及びサンプリングラインを無菌状態で覆う無菌チャンバと、
前記無菌チャンバ内に設置されて微生物検査処理を行うクリーンベンチと、を備え、
前記微生物検査処理は、サンプリングされた容器入り飲料の飲料をろ過したメンブレンの一部をシャーレの培地に貼付する処理であることを特徴とする飲料製造装置。 - 前記サンプリングラインは、飲料充填後の容器に蓋をした容器入り飲料を搬送する搬送ラインから分岐してクリーンベンチへ搬送することを特徴とする請求項6に記載の飲料製造装置。
- 前記無菌チャンバ及び前記クリーンベンチには前記微生物検査処理後のシャーレを取り出す開閉扉が設けてあると共に、クリーンベンチからシャーレを無菌チャンバの外にある培養器と搬送するコンベアを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の飲料製造装置。
- 前記容器入り飲料の容器は、樹脂製ボトル、金属製ボトル又は缶であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の飲料製造装置。
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