以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の情報伝達システム10の全体構成が示されている。図2には、シナリオの生成、配信、および反応収集の形態(A),(B)が示され、図3および図4には、シナリオの配信管理および再生管理の形態(1),(2)が示され、図5には、複数のチャンネル情報からなる再生管理情報の具体例が示されている。また、図6は、特定区域モードでのシナリオ再生の説明図である。さらに、図7には、シナリオのデータ構成の具体例が示され、図8には、1つのコンテンツから主計画要素の数の異なる複数のシナリオを生成する具体例が示され、図9には、反応情報、およびコンテンツ作成装置への反応情報のフィードバックの具体例が示され、図10には、コンテンツとシナリオとの構成要素の対応関係が示され、図11には、シナリオ再生とユーザの反応との関係が示され、図12には、原情報アクセス用データの取得形態、および原情報の取得および利用の形態が示され、図13には、ユーザ設定画面の一例が示され、図14には、情報伝達システム10による情報伝達処理の流れがフローチャートで示されている。
<情報伝達システム10の全体構成>
図1において、情報伝達システム10は、コンテンツの内容をネットワーク1を介してユーザに伝達するコンピュータにより構成されたシステムであり、1つまたは複数のコンテンツ作成装置20(20A,20B)と、1つまたは複数のシナリオ生成装置40と、管理サーバ60と、1つまたは複数のシナリオ再生装置80と、1つまたは複数の原情報アクセス装置100と、1台または複数台の原情報提供サーバ110と、アプリ提供サーバ120とが、ネットワーク1で接続されて構成されている。
また、図1での図示は省略されているが、情報伝達システム10は、図6に示す複数の発信機器130(130A,130B,130C,…)およびジオフェンシングサーバ140と、図12に示すメールサーバ150や中継サーバ160とを備えている。
ここで、ネットワーク1は、本実施形態では、主としてインターネットを中心に構成され、これにLANやイントラネット等の内部ネットワークが接続されていてもよく、有線であるか、無線であるか、有線・無線の混在型であるかは問わない。
コンテンツ作成装置20には、一般コンテンツを作成するコンテンツ作成者が操作・管理するコンテンツ作成装置20Aと、広告コンテンツを作成するコンテンツ作成者が操作・管理するコンテンツ作成装置20Bとがあり、これらは同じ構成である。
コンテンツ作成装置20(20A,20B)は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、コンテンツ作成に関する各種処理を実行する処理手段21と、この処理手段21で使用する各種データを記憶する記憶手段として、作業用コンテンツ記憶手段22と、取得反応解析結果記憶手段23とを備えている。
このうち、処理手段21は、コンテンツ作成支援手段21Aと、原情報登録手段21Cと、シナリオ生成依頼手段21Dと、反応解析結果取得手段21Eと、コンテンツ評価手段21Fとを含んで構成されている。また、コンテンツ作成支援手段21Aは、シナリオ生成指示情報設定手段21Bを備えている。
これらの処理手段21に含まれる各手段21A〜21Fは、コンテンツ作成装置20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。なお、これらの各手段21A〜21Fの詳細は、後述する。
また、作業用コンテンツ記憶手段22、取得反応解析結果記憶手段23は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。また、各記憶手段22,23のデータ保存形式は、データベースでもよく、フラットファイル等のファイル形式でもよい。データベースとする場合には、各記憶手段22,23をそれぞれ別々のデータベースとしてもよく、1つまたは幾つかのデータベース内の異なるテーブルとしてもよい。なお、これらの各記憶手段22,23の詳細は、後述する。
シナリオ生成装置40は、シナリオ生成補助者の操作・管理によりシナリオの自動生成処理または半自動生成処理を行う装置であり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、シナリオ生成に関する各種処理を実行する処理手段41と、この処理手段41で使用する各種データを記憶する記憶手段として、シナリオ生成対象記憶手段42と、登録用シナリオ記憶手段43とを備えている。
このうち、処理手段41は、シナリオ生成対象取得手段41Aと、シナリオ生成手段41Bと、シナリオ登録手段41Cとを含んで構成されている。これらの処理手段41に含まれる各手段41A〜41Cは、シナリオ生成装置40を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。なお、これらの各手段41A〜41Cの詳細は、後述する。
また、シナリオ生成対象記憶手段42、登録用シナリオ記憶手段43は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。また、各記憶手段42,43のデータ保存形式は、データベースでもよく、フラットファイル等のファイル形式でもよい。データベースとする場合には、各記憶手段42,43をそれぞれ別々のデータベースとしてもよく、1つまたは幾つかのデータベース内の異なるテーブルとしてもよい。なお、これらの各記憶手段42,43の詳細は、後述する。
さらに、図1での図示は省略されているが、シナリオ作成者が完全に手作業でシナリオの作成を行うシナリオ作成装置がネットワーク1に接続されていてもよい。図示されたシナリオ生成装置40は、シナリオ生成補助者の操作・管理によりシナリオの自動生成処理または半自動生成処理を行う装置であるのに対し、図示されないシナリオ作成装置は、シナリオ生成対象取得手段41A、シナリオ登録手段41C、シナリオ生成対象記憶手段42、および登録用シナリオ記憶手段43に相当する手段は備えているが、シナリオ生成手段41Bに相当する手段は備えておらず、その代わりに、シナリオ作成者による完全な手作業によるシナリオ作成作業を支援する処理を実行するシナリオ作成支援手段を備えた装置であり、1台または複数台のコンピュータにより構成されている。従って、このシナリオ作成装置では、システム判断によるシナリオの自動生成処理または半自動生成処理が行われることはないので、例えば、コンテンツの中のどの部分を主計画要素とするか(どの部分が重要か)等のシステム判断処理が行われることはなく、コンテンツ作成者が、自らの判断で主計画要素や副計画要素を決定し、自らの判断で主計画要素の再生順序および副計画要素への分岐を定めた再生計画情報を作成する。なお、このシナリオ作成装置により作成されるシナリオは、シナリオ生成装置40により生成(自動生成若しくは半自動生成)されるシナリオとデータ構成は同じであるから、以下では、どちらで生成または作成されたシナリオであるのか、あるいは、どちらでシナリオを生成または作成するのかを区別する特別な記載がない限りは、「シナリオ生成装置40で生成されたシナリオ」、「シナリオ生成対象であるコンテンツをシナリオ生成装置40へ送信する」等というときは、「シナリオ作成装置で作成されたシナリオ」、「シナリオ作成対象であるコンテンツをシナリオ作成装置へ送信する」等を含むものとする。
また、シナリオ生成補助者(または上記のシナリオ作成者)と、コンテンツ作成者とが一致している場合もあり、その場合は、シナリオ生成装置40(または上記のシナリオ作成装置)と、コンテンツ作成装置20(20A,20B)とは、一体化されていることになる。
さらに、上記のシナリオ作成者が、元のコンテンツがない状態でシナリオを作成した場合でも、そのシナリオのデータ構成が、シナリオ再生装置80によるシナリオ再生が可能な状態(例えば、図7に示すようなデータ構成)になっていれば、本実施形態の情報伝達システム10は正常に機能する。この場合は、元のコンテンツがないので、シナリオ作成者は、コンテンツ作成者でもあることから、その作業が行われる装置は、上記のシナリオ作成装置であり、かつ、コンテンツ作成装置でもあることになるが、シナリオ生成に関するシステム判断がないので、シナリオ生成装置40には該当しない。そして、この場合、シナリオを再生してユーザに伝達される内容と、シナリオ作成時に同時に作成したコンテンツの内容とは、口語化の有無を除けば、同じであるが、原情報の登録を行う意義はある。例えば、音声で再生されたシナリオの内容を、あとで文書(同時に作成したコンテンツ)でゆっくり見て確認したい場合や、関連コンテンツであるターゲットを原情報として登録する場合があるからである。
管理サーバ60は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、シナリオの配信および再生シナリオに対するユーザの反応情報の収集・分析を含む各種処理を実行する処理手段61と、この処理手段61で使用する各種データを記憶する記憶手段62とを備えている。
このうち、処理手段61は、シナリオ配信手段61Aと、反応収集手段61Bと、反応解析手段61Cと、反応解析結果送信手段61Dと、シナリオ生成対象管理手段61Eと、原情報アクセス用データ送信手段61Fと、広告解析手段61Gと、再生管理手段61Hと、エリア管理手段61Jとを含んで構成されている。
これらの処理手段61に含まれる各手段61A〜61Jは、管理サーバ60を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。なお、これらの各手段61A〜61Jの詳細は、後述する。
また、記憶手段62は、シナリオ記憶手段62Aと、ユーザ情報記憶手段62Bと、反応蓄積記憶手段62Cと、反応解析結果記憶手段62Dと、シナリオ生成対象記憶手段62Eと、再生管理情報記憶手段62Fと、エリア情報記憶手段62Gとを含んで構成されている。
これらの記憶手段62に含まれる各記憶手段62A〜62Gは、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。また、各記憶手段62A〜62Gのデータ保存形式は、データベースでもよく、フラットファイル等のファイル形式でもよい。データベースとする場合には、各記憶手段62A〜62Gをそれぞれ別々のデータベースとしてもよく、1つまたは幾つかのデータベース内の異なるテーブルとしてもよい。なお、これらの各記憶手段62A〜62Gの詳細は、後述する。
さらに、管理サーバ60は、図2の形態(B)に示すように、コンテンツ作成装置20(20A,20B)と一体化されていてもよい。従って、情報伝達システム10は、図2の形態(A)に示す管理サーバ60だけを備えた構成としてもよく、図2の形態(B)に示す管理サーバ60だけを備えた構成としてもよく、図2の形態(A)に示す管理サーバ60と、図2の形態(B)に示す管理サーバ60とでデータ連携を行う構成としてもよい。そして、コンテンツ作成装置20とシナリオ生成装置40とは一体化されていてもよいので、結局、管理サーバ60、コンテンツ作成装置20、およびシナリオ生成装置40が一体化されていてもよい。
シナリオ再生装置80は、1台または複数台のコンピュータ(スマートフォンやタブレット端末等の携帯機器や、車載機器、博物館内等で持ち歩く専用の案内機器等を含む。)により構成され、シナリオの再生および再生シナリオに対するユーザの反応情報の取得を含む各種処理を実行する処理手段81と、この処理手段81で使用する各種データを記憶する記憶手段82と、入力手段83と、出力手段84とを備えている。
このうち、処理手段81は、設定手段81Aと、シナリオ取得手段81Bと、シナリオ再生手段81Cと、反応送信手段81Eと、ローカル反応解析手段81Fと、移動速度取得手段81Gと、エリア判定手段81Hとを含んで構成されている。また、シナリオ再生手段81Cは、反応取得手段81Dを備えている。
これらの処理手段81に含まれる各手段81A〜81Hは、シナリオ再生装置80を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。なお、これらの各手段81A〜81Hの詳細は、後述する。
また、記憶手段82は、ユーザ設定記憶手段82Aと、取得シナリオ記憶手段82Bと、反応記憶手段82Cと、取得再生管理情報記憶手段82Dと、再生中情報記憶手段82Eとを含んで構成されている。
これらの記憶手段82に含まれる各記憶手段82A〜82Eは、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。また、各記憶手段段82A〜82Eのデータ保存形式は、データベースでもよく、フラットファイル等のファイル形式でもよい。データベースとする場合には、各記憶手段段82A〜82Eをそれぞれ別々のデータベースとしてもよく、1つまたは幾つかのデータベース内の異なるテーブルとしてもよい。なお、これらの各記憶手段段82A〜82Eの詳細は、後述する。
入力手段83は、例えば、音声・操作信号音(音声以外の音による操作信号)等の音の入力用のマイクロフォン、手や足等による操作入力用のマウスやキーボードやタッチパネル、モーションキャプチャーによるジェスチャー入力(手話による入力を含む)用のカメラ等であり、これらは、再生したシナリオに対するユーザの反応情報の取得に使用される他に、ユーザによる各種情報の設定に使用される。なお、音声認識処理の機能(音声認識器)は、後述する図2で説明する通り、装置構成により、入力手段83に含まれる場合と、処理手段81に含まれる場合とがある。
出力手段84は、例えば、音声・音楽・音響等の音出力用のスピーカ、画面出力用のディスプレイ装置等であり、これらは、シナリオの再生に使用される他に、ユーザによる各種情報の設定に使用される。なお、音声合成処理の機能(音声合成器)は、後述する図2で説明する通り、装置構成により、出力手段84に含まれる場合と、処理手段81に含まれる場合とがある。
図2に示すように、シナリオ再生装置80には、分離型のシナリオ再生装置80Aと、一体型のシナリオ再生装置80Bとの2つのタイプがある。
シナリオ再生装置80Aは、処理手段81および記憶手段82を含む本体85と、入力手段83および出力手段84を含む少なくとも1つ(通常は、複数)の入出力端末86とによる分離型の構成を備え、本体85と各入出力端末86との間で、無線(例えば、Wi−Fi、ブルートゥース(登録商標)等)または有線の通信を行うようになっている。シナリオを再生する各ユーザは、各入出力端末86の傍らにいることになるので、分離型のシナリオ再生装置80Aは、複数のユーザによるシナリオ再生を同時に取り扱うことができる。各ユーザが再生するシナリオ(またはチャンネル)は、ユーザ毎に異なり、たまたま同じシナリオが同じ時刻から再生開始されたとしても、各ユーザの反応は異なるので、シナリオ内での再生の進行状況(要素の分岐状況)やシナリオのトータル再生時間長は異なるため、本体85は、各入出力端末86とのセッションを保持しながら、それぞれで別の再生処理を実行することになる。
各入出力端末86は、入出力機能を備えていればよいので、例えば、マイクロフォン内蔵のスマートスピーカ(AIスピーカ)等の入出力専用機器を用いることができるが、スマートフォン、タブレット端末、パーソナル・コンピュータ(PC)等の入出力以外の機能を備えた汎用機器を用いてもよい。また、音声による対話形式でシナリオ再生およびユーザの反応情報の取得を行う場合には、入力するユーザ音声についての音声認識処理や、出力するシステム音声についての音声合成処理を行う機能は、入力手段83や出力手段84に含めて入出力端末86側に持たせてもよく、処理手段81に含めて本体85側に持たせてもよい。なお、ある1つの入出力端末86は、常に同じユーザが使用する当該ユーザの専用端末としてもよく、あるいは、複数のユーザが時間をずらして使用するタイムシェア用の端末としてもよい。
本体85と各入出力端末86との間の距離は、任意である。また、本体85および各入出力端末86の全てが固定位置にあってもよく、本体85が固定位置にあり、各入出力端末86が移動体でもよく、本体85が移動体であり、各入出力端末86が固定位置にあってもよく、本体85および各入出力端末86の全てが移動体であってもよい。さらに、一部の入出力端末86が移動体であり、残りの入出力端末86が固定位置にあってもよい。なお、移動体であるか否かは、特定区域モードでの移動速度に応じたシナリオ再生に深く関わることである。
例えば、本体85および各入出力端末86の全てが、1台のバス(観光バス等)、1艘の船(遊覧船等)、1機の飛行機(旅客機等)、電車(寝台列車等)の中にある場合は、本体85および各入出力端末86の全てが移動体となり、バス、船、飛行機、電車の乗客が、各入出力端末86を使用するユーザとなる。この際、ユーザ(乗客)が、自分の席に座っていたとしても、バス等が移動すれば、各入出力端末86は移動体となる。シナリオ再生時には、システムと各乗客(各ユーザ)との間の情報伝達が交錯しないように隔離する。従って、シナリオの各主計画要素や各副計画要素が文字情報で用意されている場合には、例えばイヤフォン等を使用してシステム出力を合成音声で行うか、あるいは、画面上に文字情報を表示するシステム出力とする(音声出力に対応させてシナリオの各主計画要素や各副計画要素である文字情報を順番に画面で出力する)。シナリオの各主計画要素や各副計画要素が映像で用意されている場合には、画面出力となるので、無声・無音の映像であれば、そのまま出力し、音の出力も伴う映像であれば、例えばイヤフォン等も使用する。一方、ユーザの反応情報の取得は、例えば、キーボードやマウスやタッチパネル等の操作による入力や、モーションキャプチャーによるジェスチャー入力(手話による入力を含む)等とし、あるいは、座席が比較的離れていれば、例えば指向性マイクロフォン等を用いてもよい。また、1台の自動車(自家用車)に家族や友人等が同乗している場合も同様であり、システムと各ユーザとの間の情報伝達をイヤフォンや指向性マイクロフォン等により隔離することができれば、音声対話を実現することもできる。
また、本体85および各入出力端末86の全てが、1つの建物内にある場合は、通常、本体85は固定位置にあるが、各入出力端末86は、建物内で移動するユーザが使用すれば、移動体となり、自分の席にいるユーザが使用すれば、固定位置にあることになる。さらに、本体85と、各入出力端末86とは、1台の乗り物内、1つの建物内、1つの工場敷地内等にある必要はなく、例えば、本体85が関東にあり、各入出力端末86が日本全国に分散していてもよく、本体85が建物内にあり、各入出力端末86が自動車内にあってもよい。
一方、シナリオ再生装置80Bは、本体85と入出力端末86とに分離された構成ではなく、一体型の構成を備えている。従って、シナリオを再生するユーザは、シナリオ再生装置80Bの傍らにいることになるので、一体型のシナリオ再生装置80Bは、1人のユーザのシナリオ再生を取り扱うことになる。但し、同時でなければ、異なるユーザに対応可能な構成としてもよく、この場合には、シナリオ再生装置80Bは、複数のユーザについてのユーザ設定を管理することになる。また、逆に、同時でなければ、1人のユーザが、複数のシナリオ再生装置80Bを使用する場合があり、この場合には、同じユーザについてのユーザ設定を、複数のシナリオ再生装置80Bが管理している状態となる。
なお、シナリオ再生装置80を使用するユーザは、1個人であることが原則であるが、次の意味で、1つのユーザIDを有するグループユーザであってもよい。例えば、1台の自家用車内に一体型のシナリオ再生装置80Bがあり、複数の友人や家族が同乗している場合や、1つの居室内に一体型のシナリオ再生装置80Bがあり、複数の友人や家族がそこに居合わせている場合に、1つのシナリオの再生中におけるシステム発話に対し、複数の友人や家族が交代で反応したときには、情報伝達システム10としては、それは1人の反応と捉えてシナリオ再生を続行する。この場合、代表者がユーザとなってユーザ設定を行い、その代表者のユーザIDでシナリオ再生が行われていると考えることができるが、友人や家族は、居住地域が同じで、普段の会話も共有していることから、何らかの集団の特性があるため(つまり、反応情報を用いた反応解析処理を行うことに意味を見出せるため)、グループユーザとしてユーザ設定を行い、そのグループユーザのユーザIDでシナリオ再生が行われている取り扱いとしてもよい。また、グループユーザの取り扱いを行わない場合は、シナリオ再生装置80でリアルタイムまたは略リアルタイムの声紋分析を行い、複数人の音声が混在していると判定したとき、またはユーザIDに対応するユーザ本人の音声ではないと判定したときには、反応するユーザを1人にして欲しい旨や、本人にして欲しい旨の音声等による報知を行うか、取得した反応情報のログデータに無効を示す情報を付しておいてもよい。
原情報アクセス装置100は、ユーザまたはユーザへのサービス提供者がシナリオの原情報(シナリオ生成対象とされたコンテンツや、関連コンテンツであるターゲット)にアクセスし、取得した原情報の再生、印刷、保存等を行う装置であり、1台または複数台のコンピュータ(スマートフォンやタブレット端末等の携帯機器を含む。)により構成されている。この原情報アクセス装置100は、シナリオ再生装置80と同じ装置(物理的に同じコンピュータを使用するという意味)でもよい。なお、原情報アクセス装置100の詳細については、図12を用いて後述する。
原情報提供サーバ110は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、原情報提供手段111と、コンテンツ記憶手段112と、ターゲット記憶手段113とを備えている。
このうち、原情報提供手段111は、原情報提供サーバ110を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。また、コンテンツ記憶手段112およびターゲット記憶手段113は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。
さらに、原情報提供サーバ110は、コンテンツ作成装置20(20A,20B)、シナリオ生成装置40若しくは図示されないシナリオ作成装置、または管理サーバ60と一体化されていてもよい。なお、原情報提供サーバ110の詳細については、図12を用いて後述する。
アプリ提供サーバ120は、携帯電話会社等の通信事業者や情報関連事業者が管理するサーバ(例えば、AppStore(登録商標)等)であり、1台または複数台のコンピュータにより構成され、アプリ提供手段121と、このアプリ提供手段121に接続されたアプリ記憶手段122とを含んで構成されている。
アプリ提供手段121は、シナリオ再生装置80からのダウンロード要求に応じ、当該要求に係るアプリ(本実施形態では、会話実行アプリ等のシナリオ再生アプリ)およびそのシステムデータを、ネットワーク1を介してダウンロード要求の発信元のシナリオ再生装置80へ配信する処理を実行するものである。なお、シナリオ再生アプリを別のコンピュータにダウンロードしてから、シナリオ再生装置80へインストールしてもよい。
アプリ記憶手段122は、ダウンロードの対象となる各種のアプリ(本実施形態のシナリオ再生装置80に搭載する会話実行アプリ等のシナリオ再生アプリを含む。)を記憶するものである。なお、アプリ提供サーバ120は、本実施形態の情報伝達システム10のシステム管理者自身が管理するサーバでもよい。
上記のうち、アプリ提供手段121は、アプリ提供サーバ120を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラム、並びに、主メモリやキャッシュメモリ等の作業用メモリ等により実現される。また、アプリ記憶手段122は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、例えば、DVD、CD、MO、磁気テープ等の他の記録媒体を採用してもよい。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/処理手段21/コンテンツ作成支援手段21A、シナリオ生成指示情報設定手段21Bの構成>
コンテンツ作成支援手段21Aは、コンテンツ作成者による一般コンテンツまたは広告コンテンツの作成作業を支援する処理(エディタによる編集支援処理)を実行するものである。このコンテンツ作成支援手段21Aによる作成中のコンテンツや、作成を完了したコンテンツは、コンテンツID、コンテンツ作成者が付与した当該コンテンツの属する分野(ニュース、エンタメ等の別)、コンテンツ作成者が付与した当該コンテンツの分野以外の属性(男性向け、10代〜30代向け等)、コンテンツ作成者の所属する会社等の団体についてのコンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)と関連付けられて作業用コンテンツ記憶手段22に記憶される。コンテンツIDは、コンテンツの完成後または完成前に、管理サーバ60に申請して付与されたコンテンツ識別情報でもよく、情報伝達システム10における統一ルールに従ってコンテンツ作成者が自分で付したコンテンツ識別情報でもよい。このコンテンツ作成支援手段21Aの機能には、シナリオ生成指示情報の設定機能があり、シナリオ生成指示情報設定手段21Bにより実現される。
シナリオ生成指示情報設定手段21Bは、シナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群の各コンテンツに、各種のシナリオ生成指示情報を付するためのコンテンツ作成者による設定操作を受け付ける処理を実行するものである。このシナリオ生成指示情報設定手段21Bにより設定されたシナリオ生成指示情報は、コンテンツの該当箇所に埋め込まれるか、または付帯情報(メタデータ)としてコンテンツと一体化されるようになっている。
シナリオ生成指示情報には、例えば、コンテンツを構成する要素を、主計画要素に設定する旨の主計画指示情報、副計画要素に設定する旨の副計画指示情報、主計画要素および副計画要素のいずれにも設定しない旨のマスキング指示情報(コンテンツ作成者がシナリオに入れて欲しくないと思う部分を指示する情報)、または、ぼかすか若しくは抽象化して主計画要素若しくは副計画要素に設定する旨の置換指示情報(コンテンツ作成者がシナリオにそのままの状態で入れて欲しくないと思う部分を指示する情報)等がある。さらに、主計画要素として最初に提示する旨、最後に提示する旨、中間位置で提示する旨等の提示順序指示情報があってもよい。
より具体的には、シナリオ生成指示情報の設定は、次のようにして行われる。コンテンツが文書の場合には、文書を構成する文や文節等のコンテンツの構成要素の単位での文書内への埋め込みにより、シナリオ生成指示情報の設定を行うことができる。例えば、主計画指示情報の場合には、<mainplan>・・・</mainplan>というタグ、副計画指示情報の場合には、<subplan>・・・</subplan>というタグ、マスキング指示情報の場合には、<mask>・・・</mask>というタグ、置換指示情報の場合には、<replace>・・・</replace>というタグの埋め込み等で設定することができる。また、文書における色付け、網掛け、アンダーライン等で設定してもよい。但し、シナリオ生成指示情報と、元々の文書の修飾記号との区別が付くことが前提であり、例えば、元々の文書において<mask>という文字および記号の組合せの使用は禁止されている必要がある。
コンテンツが映像(無声・無音の映像も含まれる。)の場合は、映像中の時間(開始時点からの経過時間)で設定するか、フレーム番号で設定することができる。例えば、「主計画指示情報/01:15:42〜01:15:49」、「マスキング指示情報/フレーム番号=0003-12468〜0003-12568」等である。また、シーンやカット等のコンテンツの構成要素の単位での設定を行ってもよく、その場合には、シーンIDやカットID等を用いて設定することができる。例えば、「主計画指示情報/シーンID=…、カットID=…」等である。
コンテンツが音楽の場合は、曲中の時間(開始時点からの経過時間)で設定するか、曲に付帯する楽譜情報(メタデータ)へのタグの埋め込みや色付け等により設定することができる。
コンテンツが演説や講演等の音声ファイルの場合は、音声ファイル中の時間(開始時点からの経過時間)で設定するか、音声ファイルに付帯する対応文書(メタデータ)へのタグの埋め込みや色付け等により設定することができる。
また、主計画指示情報は、コンテンツ作成者が主計画要素に設定して欲しい部分を指示する情報であり、そこだけを主計画要素とする旨の指示情報ではない。従って、生成されたシナリオにおいて、コンテンツ作成者の希望が満たされていればよいので、つまり指示した部分がシナリオの主計画要素として採用されていればよいので、指示されていない別の部分が、シナリオを構成する幾つかの主計画要素のうちの別の1つとして採用されてもよい。なお、指示した部分だけを主計画要素に設定する旨の主計画限定指示情報を用意してもよい。副計画指示情報の場合も同様である。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/処理手段21/原情報登録手段21Cの構成>
原情報登録手段21Cは、作成を完了し、シナリオ生成対象とすることを決めたコンテンツや、そのコンテンツの関連コンテンツであるターゲットがある場合にはそのターゲットを、シナリオの原情報として、ネットワーク1を介して原情報提供サーバ110に登録(アップロード)する処理を実行するものである。ここで、コンテンツと、関連コンテンツであるターゲットとの関係は、例えば、映画の説明文書と、その映画との関係、店舗の紹介文書と、その店舗のクーポンの印刷用データとの関係、記事の文書と、その記事が掲載された雑誌や書籍の名称・号数・該当頁のデータとの関係等である。
また、原情報登録手段21Cは、原情報としてターゲット(関連コンテンツ)を登録した場合には、そのターゲットIDを、コンテンツID等と関連付けて作業用コンテンツ記憶手段22に記憶させる。また、原情報登録手段21Cは、登録した原情報(コンテンツ、ターゲット)への原情報アクセス用データ(例えばURL等)を、コンテンツID等と関連付けて作業用コンテンツ記憶手段22に記憶させる。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/処理手段21/シナリオ生成依頼手段21Dの構成>
シナリオ生成依頼手段21Dは、完成した状態で作業用コンテンツ記憶手段22に記憶されているコンテンツについてのシナリオの生成を依頼する処理を実行するものである。シナリオの生成依頼を、管理サーバ60を経由させて行う場合には、シナリオ生成依頼手段21Dは、作業用コンテンツ記憶手段22に記憶されているシナリオ生成対象のコンテンツを、コンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID、ターゲットがある場合にはそのターゲットID、および原情報アクセス用データとともに、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する(図2の形態(A)に示したコンテンツの送信経路C2参照)。なお、複数のコンテンツ(例えば、複数の文書)から1つのシナリオを生成する場合には、複数のコンテンツおよびそれらのコンテンツIDや原情報アクセス用データ等を、管理サーバ60へ送信する。
この際、コンテンツ作成者は、シナリオ生成補助者やその団体を選択することができ、選択した場合には、シナリオ生成対象のコンテンツとともに、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)を、管理サーバ60へ送信する。選択しない場合には、シナリオ生成補助者やその団体を、管理サーバ60が自動決定するか、シナリオ生成を引き受けたいシナリオ生成補助者やその団体、あるいは、担当として定められているシナリオ生成補助者やその団体が、シナリオ生成を担当する。
そして、管理サーバ60では、シナリオ生成対象管理手段61Eにより、シナリオ生成対象のコンテンツを、コンテンツIDや原情報アクセス用データ等とともに受信し、シナリオ生成対象記憶手段62Eに記憶させる。
また、シナリオ生成依頼手段21Dは、シナリオの生成依頼を、管理サーバ60経由ではなく、シナリオ生成補助者やその団体に直接に依頼する場合には、シナリオ生成対象のコンテンツを、コンテンツIDや原情報アクセス用データ等とともに、ネットワーク1を介して依頼先のシナリオ生成装置40へ直接に送信する(図2の形態(A)に示したコンテンツの送信経路C1参照)。
さらに、シナリオ生成依頼手段21Dは、シナリオ生成対象のコンテンツから生成されるシナリオについてのシナリオIDを、コンテンツID等と関連付けて作業用コンテンツ記憶手段22に記憶させる。このシナリオIDは、シナリオの生成依頼前または生成依頼後に、管理サーバ60に申請して付与されたシナリオ識別情報でもよく、情報伝達システム10における統一ルールに従ってコンテンツ作成者が自分で付したシナリオ識別情報でもよく、シナリオ生成の依頼先のシナリオ生成補助者やその団体により付されたシナリオ識別情報でもよい。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/処理手段21/反応解析結果取得手段21Eの構成>
反応解析結果取得手段21Eは、管理サーバ60の反応解析結果記憶手段62Dに記憶された反応解析結果を、ネットワーク1を介して取得し、取得した反応解析結果を、シナリオIDおよびコンテンツIDと関連付けて取得反応解析結果記憶手段23に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、取得する反応解析結果は、評価対象のコンテンツから生成されたシナリオについての複数のユーザによる反応情報を用いて、当該シナリオを構成する各主計画要素および各副計画要素のそれぞれに対する反応情報について内容を分類して集計した結果であり、この分類および集計の結果は、シナリオ識別情報(シナリオID)および/または対応するコンテンツ識別情報(1つまたは複数のコンテンツID)と関連付けて管理サーバ60の反応解析結果記憶手段62Dに記憶されているので、評価対象のコンテンツについてのコンテンツIDやそのコンテンツから生成されたシナリオIDを用いて取得する。なお、反応解析処理の内容については、後述する管理サーバ60の反応解析手段61Cの説明で詳述するため、ここでは詳しい説明は省略する。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/処理手段21/コンテンツ評価手段21Fの構成>
コンテンツ評価手段21Fは、反応解析結果取得手段21Eにより取得して取得反応解析結果記憶手段23に記憶されている反応解析結果(評価対象のコンテンツから生成されたシナリオに対する反応情報を用いた反応解析結果)を用いて、コンテンツを構成する各要素が、主計画要素とされたか否かの採否情報および主計画要素とされた場合の反応情報についての分類および集計の結果、並びに、副計画要素とされたか否かの採否情報および副計画要素とされた場合の反応情報についての分類および集計の結果を出力する処理を実行するものである。この出力は、画面出力でも、印刷でもよい。
図9には、コンテンツが文書である場合において、コンテンツ作成装置20(20A,20B)に表示されたコンテンツの評価結果の画面24の具体例が示されている。このコンテンツの評価結果の画面24の表示処理(印刷でもよい)には、取得反応解析結果記憶手段23に記憶されている反応解析結果、および作業用コンテンツ記憶手段22に記憶されている評価対象となる元のコンテンツのデータの他に、そのコンテンツから生成されたシナリオのデータ(図7参照)も使用されるので、コンテンツ評価手段21Fは、評価対象のコンテンツに対応するシナリオを、コンテンツIDおよび/またはシナリオIDを用いて、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62A、またはシナリオ生成装置40の登録用シナリオ記憶手段43からネットワーク1を介して取得する。なお、対応するシナリオがコンテンツ作成装置20に既に記憶されている場合には、それを使用してもよい。
図9に示すように、画面24上には、評価対象のコンテンツである文書の内容(図8に対応している)が表示され、そのコンテンツのデータと、対応するシナリオのデータ(図7に対応している)とを照合することにより、コンテンツである文書のうち、どの部分が、主計画要素として採用されたのか、あるいは副計画要素として採用されたのかを示す採否情報表示25が行われている。図9の例では、アンダーラインで該当部分を示しているが、色付けや網掛け等の別の方法で該当部分を示してもよい。
また、図9に示すように、画面24上には、評価結果の表示方法を選択する表示方法選択部26が設けられている。図9の例では、ある1人のユーザ(ユーザID=U00000018)の反応情報(反応した部分および反応の内容)が示されている。★印は、反応情報を取得した要素の直後の位置、または、反応情報の取得のための基準位置に表示されるようになっている。反応情報の取得のための基準位置は、シナリオ生成時に設定されるものであり、シナリオの構成要素間(複数ある構成要素間のうちの全部または一部であり、図9の例では、一部としている)と、シナリオの最後に設定されている。そして、★印から引き出し線を用いて反応内容表示27が行われている。反応内容表示27は、引き出し線を用いた表示の他に、吹き出し表示等でもよく、マウスポインタやカーソル等を当てると反応内容表示27が行われるようにしてもよい。★印は、一例であり、いずれのマークでもよい。
図9の画面24の表示例は、図7に示したシナリオのデータ構成の具体例、図8に示したシナリオ生成の具体例、図11に示したシナリオ再生とユーザの反応との関係の具体例に対応している。従って、反応情報の取得のための基準位置は、図7〜図9、図11の具体例では、シナリオにおける各発話節(各再生節)の終了位置であり、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節(文章ID=1、段落ID=1、文ID=1における発話節ID=1:合成音声ファイル=1−1−1−1.wav)の直後の位置と、「ICカードから読み取った乗車履歴を基に、」という発話節(文章ID=1、段落ID=1、文ID=2における発話節ID=1:合成音声ファイル=1−1−2−1.wav)の直後の位置と、「ゲーム内で使えるポイントが手に入るんだって」という発話節(文章ID=1、段落ID=1、文ID=2における発話節ID=2:合成音声ファイル=1−1−2−2.wav)の直後の位置とである。
但し、反応情報の取得は、原則として、上記の基準位置で行われるが、取得した反応情報は、より細かい要素単位(図7の例では、元の文書の文節単位)で整理し、集計することができる。また、上記の基準位置以外でも、より細かい要素単位(図7の例では、元の文書の文節単位)で割込みによる反応情報を受け付けることができるので、この点でも、反応情報の収集、整理、集計は、発話節(再生節)の直後に設定された基準位置よりも細かい単位で行っているといえる。
例えば、図11に示すように、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節の途中で(例えば「α社が」の再生直後に)、ユーザから「α社って、どんな会社なの?」という定義型質問(割込み反応)があった場合には、「α社は」という元の文節に対して予め用意されている定義型質問応答の副計画要素「α社は、・・・」(図7参照)が再生されるので、「α社は」という元の文節単位で反応情報を取得したといえる。なお、発話節の途中における別の位置で(例えば「ゲームソフトを」の再生直後に)、「α社って、どんな会社なの?」という割込み反応があった場合でも、「α社は」という元の文節に対して予め用意されている定義型質問応答の副計画要素「α社は、・・・」(図7参照)が再生されるので、「α社は」という元の文節単位で反応情報を取得したといえる。従って、いずれの場合も、図9の例に示すように、★印は、発話節の直後の基準位置ではなく、「α社は」という元の文節の直後の位置に表示される。
また、仮に「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節の再生の終了直後に、ユーザから「α社って、どんな会社なの?」という定義型質問があった場合には、それは割込み反応ではなく、正規の反応位置である基準位置での反応ということになるが、上記の割込みの場合と同様に、「α社は」という元の文節に対して予め用意されている定義型質問応答の副計画要素「α社は、・・・」(図7参照)が再生されることになる。従って、この場合、「α社って、どんな会社なの?」という定義型質問は、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節に対する反応情報であると考えることもできるが、「α社は」という元の文節単位で反応情報を取得したともいえる。よって、この場合も、★印は、「α社は」という元の文節の直後の位置に表示される。
同様に、図11に示すように、「ICカードから読み取った乗車履歴を基に、」という発話節の再生の終了直後に、ユーザから「ICカードって、何?」という定義型質問があった場合には、それは割込み反応ではなく、正規の反応位置である基準位置での反応ということになるが、「ICカードから」という元の文節に対して予め用意されている定義型質問応答の副計画要素「ICカードっていうのは、・・・」(図7参照)が再生されることになる。従って、この場合、「ICカードって、何?」という定義型質問は、「ICカードから読み取った乗車履歴を基に、」という発話節に対する反応情報であると考えることもできるが、「ICカードから」という元の文節単位で反応情報を取得したともいえる。よって、この場合も、図9の如く、★印は、「ICカードから」という元の文節の直後の位置に表示される。
なお、図7での図示は省略されているが、本実施形態におけるシナリオ内には、文節を単語単位に分解した情報も含まれているので、単語単位での反応情報の取得を行うこともできる。例えば、図7に示した「ICカードから」という文節は、「ICカード」という名詞と、「から」という助詞とに分解されてシナリオデータとして記憶されているので、「ICカードって、何?」という定義型質問は、「ICカードから」という元の文節に対する反応情報ではなく、さらに細かい「ICカード」という名詞(単語)に対する反応情報であると捉えることもできる。
一方、図11に示すように、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節の再生の終了直後に、ユーザから「楽しみだね。」という反応があった場合には、正規の反応位置である基準位置での反応であるから、その基準位置に、★印を表示し、そこからの引き出し線で「楽しみだね。」という反応内容表示27を行う。
同様に、図11に示すように、「ゲーム内で使えるポイントが手に入るんだって」という発話節の再生の終了直後に、ユーザから「へー、そうなんだ。」という反応があった場合には、正規の反応位置である基準位置での反応であるから、その基準位置に、★印を表示し、そこからの引き出し線で「へー、そうなんだ。」という反応内容表示27を行う。
また、コンテンツ評価手段21Fは、表示方法選択部26で「集計結果」が選択された場合には、特定のユーザの反応情報ではなく、評価対象のコンテンツから生成されたシナリオを再生した全ユーザの反応情報の集計結果を、画面24上に表示する。集計結果の表示(図示は省略)は、例えば、ある1つの発話節に対する反応情報(その発話節を構成する各要素に対する反応情報も含む)として、「興味あり=238人、興味なし=68人、反応なし=142人、その他(中間的な反応、不明等)=307人」等のような情報を、各発話節について表示する。この場合、★印は、各発話節の終了直後の位置でよい。なお、発話節よりも細かい元の文節に対する反応情報の集計結果を表示してもよい。
さらに、コンテンツ評価手段21Fは、表示方法選択部26で「代表的な反応」が選択された場合には、各発話節に対する反応情報として、例えば、「楽しみだね。」、「いいね。」、「面白そうだね。」、「見てみたいね。」、「どうでもいいよ。」、「つまらないね。」等の反応を列記して表示する。1つの発話節に対し、複数のユーザの反応情報を列記する表示を、各発話節について行うという意味である。★印は、各発話節の終了直後の位置でよい。なお、発話節よりも細かい元の文節に対する反応情報を列記して表示してもよい。
また、コンテンツ評価手段21Fは、反応解析結果取得手段21Eにより取得して取得反応解析結果記憶手段23に記憶されている反応解析結果(評価対象のコンテンツから生成されたシナリオに対する反応情報を用いた反応解析結果)を用いて、シナリオ毎若しくは対応するコンテンツ毎の分類および集計の結果について更にコンテンツ作成者毎に集計した結果を出力する処理を実行してもよい。この出力は、画面出力でも、印刷でもよい。
ここで、「シナリオ毎若しくは対応するコンテンツ毎の分類および集計の結果について更にコンテンツ作成者毎に集計した結果」というのは、1人のコンテンツ作成者が、複数のコンテンツα,β,γ,…を作成し、複数のシナリオA,B,C,…が生成されたとすると、シナリオAに対する複数のユーザの反応情報の分類および集計の結果、シナリオBに対する複数のユーザの反応情報の分類および集計の結果、シナリオCに対する複数のユーザの反応情報の分類および集計の結果、・・・を更に集計するという意味である。複数のコンテンツα,β,γ,…(または複数のシナリオA,B,C,…)は、それぞれ内容が異なるので、細かい単位での集計はできないことから、総数をカウントし、例えば、「興味あり=1,587件、興味なし=4,237件、反応なし=3,385件、その他(中間的な反応、不明等)=2,264件」、あるいは「興味あり=…%、興味なし=…%、反応なし=…%、その他=…%」等のような集計結果とする。このような集計結果がコンテンツ作成者毎に求められて表示されるので、コンテンツ作成団体における各コンテンツ作成者の人事評価等に利用することもできる。なお、シナリオは、コンテンツ作成者IDと関連付けられているので、同一のコンテンツ作成者IDと関連付けられたシナリオに対する反応情報の集計結果である。
また、コンテンツが映像である場合でも、ユーザに文書で順番に提示される情報に相当する情報が、映像で同時に提示される状態となるので、再生節よりも細かい単位で反応情報を取得することができる。
例えば、コンテンツが文書であり、シナリオ再生が音声で行われる場合において、「早稲田太郎が4回転フリップを跳んだ。」というwavファイル等の発話節ファイル(再生節ファイル)があるとき、その発話節の終了直後に、反応情報の取得のための基準位置が設定される。この場合、ユーザによる「早稲田太郎って誰?」、「4回転フリップってどんな技?」という定義型質問に対するシステム応答の回答ファイル(副計画要素)は、「早稲田太郎は、・・・」、「4回転フリップは、・・・」というように元の文節単位でシナリオ内に用意されている。従って、反応情報のログとして、発話節ID(再生節ID)に加え、元の文節IDも残しているので(図9の場合と同様)、上述したように、反応情報は、発話節(再生節)よりも細かい元の文節単位で収集しているといえる。
これに対し、上記の文書に対応する映像の例として、「早稲田太郎が4回転フリップを跳んだ。」ことを記録した映像ファイルが、再生節ファイルであるとき、これを再生すると、早稲田太郎が跳んだという情報と、4回転フリップを跳んだという情報とが、ユーザに同時に提示されることになる。従って、コンテンツが映像である場合には、再生節よりも細かい単位で反応情報を取得することはできないようにも思われる。しかし、シナリオには、「早稲田太郎の人物の説明映像」ファイルと、「4回転フリップの技の説明映像」ファイルとが、副計画要素として用意されているとする。この場合、再生節ファイル単位で、ユーザの反応情報が取得されていると考えることもできるが、映像ファイルの付帯情報(メタデータ)として、「早稲田太郎」という構成要素およびその要素ID、「4回転フリップ」という構成要素およびその要素IDが用意されていれば、結局、その付帯情報における細かい要素単位で、反応情報の取得が行われているともいえる。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/作業用コンテンツ記憶手段22の構成>
作業用コンテンツ記憶手段22は、作成中のコンテンツや、作成を完了したコンテンツを、コンテンツID、コンテンツ作成者が付与した当該コンテンツの属する分野(ニュース、エンタメ等の別)、コンテンツ作成者が付与した当該コンテンツの分野以外の属性(男性向け、10代〜30代向け等)、コンテンツ作成者の所属する会社等の団体についてのコンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)と関連付けて記憶するものである。
また、原情報登録手段21Cによる原情報(コンテンツや、関連コンテンツであるターゲット)の登録が行われている段階では、作業用コンテンツ記憶手段22には、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)も、コンテンツと関連付けて記憶されている。
さらに、シナリオ生成依頼手段21Dによるシナリオ生成依頼が行われている段階では、作業用コンテンツ記憶手段22には、シナリオIDも、コンテンツと関連付けて記憶されている。
<コンテンツ作成装置20(20A,20B)/取得反応解析結果記憶手段23の構成>
取得反応解析結果記憶手段23は、反応解析結果取得手段21Eにより取得した反応解析結果(評価対象のコンテンツから生成されたシナリオに対する反応情報を用いた反応解析結果)を、コンテンツIDおよびシナリオIDと関連付けて記憶するものである。
また、反応解析結果がコンテンツ作成者毎の集計結果である場合には、取得反応解析結果記憶手段23には、コンテンツ作成者IDも、反応解析結果と関連付けて記憶されている。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ生成対象取得手段41Aの構成>
シナリオ生成対象取得手段41Aは、管理サーバ60のシナリオ生成対象記憶手段62Eに記憶されているシナリオ生成対象のコンテンツをネットワーク1(図2の形態(A)の経路C2)を介して取得するか、または、コンテンツ作成装置20(20A,20B)の作業用コンテンツ記憶手段22に記憶されている作成完了状態のコンテンツをネットワーク1(図2の形態(A)の経路C1)を介して取得し、シナリオ生成対象記憶手段42に記憶させる処理を実行するものである。
この際、管理サーバ60経由の取得(図2の形態(A)の経路C2)の場合は、シナリオ生成補助者は、コンテンツ作成者によるシナリオ生成依頼先の指定情報で自分が指定されているコンテンツを取得するか、管理サーバ60により自分がシナリオ生成担当として決定されているコンテンツを取得するか、または自分が好きなコンテンツを自由に選択して取得する。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ生成手段41Bの構成>
シナリオ生成手段41Bは、シナリオ生成対象取得手段41Aにより取得してシナリオ生成対象記憶手段42に記憶されているシナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群を用いて、シナリオ(図7参照)を自動生成または半自動生成し、生成したシナリオを、シナリオID、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)、コンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)と関連付けて登録用シナリオ記憶手段43に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、同主題コンテンツ群とは、1つのシナリオを生成するために用いられる同一の主題を有する、すなわち話題や事象等のテーマが共通する複数のコンテンツである。
また、半自動生成とは、システム判断(主計画要素の自動決定等)による処理を行った後に、その自動判断結果をシナリオ生成補助者が適宜修正または編集するか、またはシステム判断による処理の途中にシナリオ生成補助者の操作を介在させる場合等を指す。なお、既に詳述した通り、システム判断を伴わずに、シナリオ作成者が全て手作業でシナリオ作成を行う場合は、シナリオ作成装置のシナリオ作成支援手段であるから、シナリオ生成手段41Bには該当しない。一方、コンテンツ作成者によるシナリオ生成指示情報だけで主計画要素が決定され、その提示順序も決定された場合でも、それは、シナリオ生成指示情報に従ったシナリオの自動生成処理であるから、シナリオ生成手段41Bに該当する。
具体的には、シナリオ生成手段41Bは、コンテンツを構成する要素、または同一の主題に関する複数のコンテンツからなる同主題コンテンツ群の各コンテンツを構成する要素を、コンテンツまたは同主題コンテンツ群の内容の要約となる主計画要素、この主計画要素を補完する副計画要素、およびこれら以外の要素に分割し、主計画要素および副計画要素、並びに、主計画要素の再生順序および副計画要素への分岐を定めた再生計画情報を含んで構成されるシナリオ(図7参照)を生成する処理を実行する。
なお、結果的に、コンテンツを構成する要素のうち、主計画要素および副計画要素のいずれにも割り当てられない要素が発生しなくてもよい。つまり、主計画要素を除いた残り全ての要素が、副計画要素に割り当てられてもよい。
このシナリオ生成手段41Bによるシナリオ生成処理は、コンテンツが文書である場合には、非特許文献1に記載された技術を採用することにより実行することができる。なお、本発明では、ユーザの反応情報を用いて主計画と副計画とを切り替えながらシナリオを再生できればよいので、必ずしも非特許文献1で選択されている手法(非特許文献1において当該論文記載時点で最適な手法として採用されている手法)と同じ手法を用いる必要はなく、非特許文献1に記載されている別の手法や、非特許文献1に記載されていない類似の手法を用いてもよい。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ生成手段41Bの構成:主計画の生成>
主計画は、コンテンツである文書または同主題コンテンツ群である各文書(例えば、同じニュースを取り扱う各記事)を要約し、口語化することにより生成される。本願では、生成された主計画を構成する要素を、主計画要素と呼んでいる。なお、シナリオにおける主計画要素に対応(相当)する元の文書の構成要素を、説明の便宜上、単に主計画要素と記載することがある。
上記の文書の要約は、重要文抽出、整列、文圧縮の処理を経て行われる。先ず、重要文抽出で、文書の要点となる情報を文単位で大まかに抽出する。次に、整列を行い、抽出した重要文の提示順序を決定する。そして、文圧縮を行い、文自体を短く縮約する。最後に、シナリオ再生を音声対話で行うことを前提として口語化処理を行い、書き言葉から会話表現への書き換えを行う。なお、シナリオ再生を音声対話(システム音声による発話)ではなく、文字の画面表示により行う場合には、口語化処理は省略してもよい。
また、シナリオ生成手段41Bは、コンテンツに、コンテンツ作成者により設定されたシナリオ生成指示情報(主計画指示情報)が付されている場合には、その主計画指示情報を優先させて主計画要素を自動決定する。シナリオ生成指示情報については、コンテンツ作成装置20のコンテンツ作成支援手段21Aの説明で既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。
コンテンツが映像である場合には、シナリオ生成手段41Bは、文書における重要文抽出に代えて、映像のうちの重要部分の抽出、すなわち、重要シーン、重要カット、または重要フレーム等の抽出を行う。どのような部分を重要部分とするかは、映像の種類に応じて、予め設定しておいてもよく、シナリオ生成補助者がその都度、設定してもよい。例えば、映画であれば、主人公の顔画像を用いて、主人公の顔がアップされているフレーム、そのフレームを含むシーンやカットを重要部分として抽出し、主計画要素とすることができる。また、アクション映画や戦争映画等であれば、炎、刀、拳銃、流血、戦車等を含むフレーム、そのフレームを含むシーンやカットを重要部分として抽出し、主計画要素とすることができる。さらに、サッカーの試合の映像であれば、ゴールシーンやゴール前の攻防シーンを重要部分として抽出し、主計画要素とすることができ、どのようなシーンが、ゴールシーンやゴール前の攻防シーンであるかは、例えばCNN(畳込みニューラルネットワーク)等の既存のアルゴリズムを用いた機械学習により事前に学習しておけばよい。抽出した重要部分の提示順序のルールも、映像の種類に応じて、予め設定しておいてもよく、シナリオ生成補助者がその都度、設定してもよい。例えば、サッカーの試合の映像であれば、人気プレイヤの顔のアップの映像が最初に提示され、ゴールシーンの映像が最後に提示される等のルールを設定することができる。なお、コンテンツが映像である場合にも、コンテンツにシナリオ生成指示情報が付されていれば、そのシナリオ生成指示情報が優先される。
コンテンツが文書である場合における重要文の抽出では、単語の重要度の和が最大となるような文を選択するモデル(非特許文献1に記載された最大被覆モデル)を採用することができ、このモデルを採用する場合は、単語の重要度の決め方が重要となる。単語の重要度としては、例えば、頻度やTF−IDF、あるいはロジスティック回帰で推定した重要度、ランダム・フォレストを用いて推定された単語の重要度等を使用することができる。
従って、単語の重要度をコントロールすることにより、同じ文書から抽出される重要文が異なってくることになるので、1つのコンテンツから、異なる主計画要素を有する複数のシナリオを生成することができる。なお、この単語の重要度のコントロールによる複数のシナリオの生成処理では、抽出する重要文の数は、同じ個数(例えば5個等)でよいので、後述する重要文の抽出個数を変更することにより、1つのコンテンツから、主計画要素の数の異なる複数のシナリオを生成する処理(図8参照)とは異なる。
上記の単語の重要度のコントロールを行うには、複数種類の単語の重要度を用意する必要があるが、用意する方法には、次のような各種の方法がある。
先ず、ユーザの属性(性別、年齢、居住地域、職業、好きな分野等)に対応させて、様々な単語の重要度タイプを用意しておく方法がある。例えば、男性向けの文書群と、女性向けの文書群とを用意し、それぞれの文書群を用いて決定された複数種類の単語の重要度を用意する。同様に、10代向け、20代向け等の文書群を用意し、あるいは、北海道の居住者向け、東北の居住者向け、関東地方の居住向け等の文書群を用意し、サラリーマン向け、公務員向け、建設業者向け、主婦向け等の文書群を用意し、IT・科学好き向け、スポーツ好き向け、エンタメ好き向け等の文書群を用意し、それらを用いて決定された複数種類の単語の重要度を用意する。このように単語の重要度をコントロールすれば、同じ単語でも、例えば、IT・科学好き向けの単語の重要度タイプにおける当該単語の重要度と、スポーツ好き向けの単語の重要度タイプにおける当該単語の重要度とは、異なる値となるので、同じ文書から抽出される重要文は異なってくることから、異なるシナリオが生成される。
なお、上記のように分野に応じて単語の重要度をコントロールする(偏向させる)ことと、コンテンツ作成者がコンテンツである文書について分野を付与することとは、全く異なることである。すなわち、コンテンツ作成者により付与された分野=IT・科学である文書(コンテンツ)をシナリオ化する際に、IT・科学好き向けの単語の重要度タイプを用いて重要文を抽出し、IT・科学好き向けのシナリオを生成するとともに、スポーツ好き向けの単語の重要度タイプを用いて重要文を抽出し、スポーツ好き向けのシナリオを生成するということである。また、コンテンツ作成者により付与された分野=スポーツ(全般)である文書(コンテンツ)をシナリオ化する際に、IT・科学好き向けの単語の重要度タイプを用いて重要文を抽出し、IT・科学好き向けのシナリオを生成するとともに、スポーツ好き向けの単語の重要度タイプを用いて重要文を抽出し、スポーツ好き向けのシナリオを生成するということである。このようにすることで、IT・科学分野の同じ文書(コンテンツ)の内容をシナリオ化して聞く場合でも、IT・科学好きのユーザが聞くシナリオと、スポーツ好きのユーザが聞くシナリオとは、異なっていることになる。同様に、スポーツ分野の同じ文書(コンテンツ)の内容をシナリオ化して聞く場合でも、IT・科学好きのユーザが聞くシナリオと、スポーツ好きのユーザが聞くシナリオとは、異なっていることになる。さらに、本実施形態では、分野等の属性に偏りなく集めた文書群(あらゆる種類の全ての文書)を用いて決定した標準タイプの単語の重要度を用意し、それを用いて重要文を抽出し、標準的なシナリオを生成する処理も行う。そして、このようにして同じ文書(コンテンツ)から生成された複数のシナリオには、異なるシナリオIDが付される。本実施形態では、図6の下部に示すように、シナリオIDにおける左から3〜4桁目の数字が、単語の重要度タイプを示している。例えば、「00」が標準的なシナリオ、「01」が男性ユーザ向けのシナリオ、「02」が女性ユーザ向けのシナリオ、「11」がスポーツ好きなユーザ向けのシナリオ、「12」がIT・科学好きのユーザ向けのシナリオ等である。
次に、各ユーザをクラスタ分析(例えば、K−means法によるクラスタリング)により、複数のクラスタに分け、それぞれのクラスタに対応させて複数種類の単語の重要度を用意しておく方法がある。この方法では、システムの運用を通じて多数のシナリオA,B,C,…に対する各ユーザの反応情報を収集して管理サーバ60の反応蓄積記憶手段62Cに記憶しておき、反応解析手段61Cにより、収集した反応情報を用いてクラスタリングを行う。具体的には、例えば、クラスタの数を5個等と定め、シナリオAの主計画要素A1,A2,…に対するユーザの反応情報、シナリオBの主計画要素B1,B2,…に対するユーザの反応情報、シナリオCの主計画要素C1,C2,…に対するユーザの反応情報、…を用いて、各ユーザをベクトル化する。ある1人のユーザのベクトルは、(A1に対する反応情報、A2に対する反応情報、…、B1に対する反応情報、B2に対する反応情報、…、C1に対する反応情報、C2に対する反応情報、…)とする。この際、反応情報は、例えば、興味あり=1、興味なし=−1、反応なし=0、その他(中間的な反応、不明等)=0等として数値化する。そして、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより、各ユーザのベクトルを用いて、クラスタ分析を行い、例えば5つのクラスタに分け、各ユーザの属するクラスタ番号(=1〜5)を、ユーザIDと関連付けて管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶させる(図13の下部を参照)。また、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された情報は、その後、シナリオ再生装置80にデータ連携され、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも、ユーザの属するクラスタ番号が、ユーザIDと関連付けて記憶される。この際、クラスタリングに用いるシナリオA,B,C,…としては、全ユーザに再生されるようにした調査専用のシナリオ(本実施形態では、図5の中央部に示すように、シナリオIDの左から1桁目が「D」になっているシナリオである。)を用いてもよく、多くのユーザが再生したシナリオを用いてもよく、適当な数の任意のシナリオを用いてもよい。調査専用のシナリオ以外のシナリオを用いる場合は、一部のユーザが再生していないシナリオが含まれるので、それらのユーザのベクトルにおいて、シナリオの各主計画要素に対する反応情報が欠落している部分が生じるが、その部分には、反応なしの場合と同じ数値を割り当てることにより、ベクトルを作成すればよい。以上の管理サーバ60の反応解析手段61Cによるクラスタリングは、定期的に実行され、各ユーザのクラスタ番号は、定期的に更新される。
続いて、同じクラスタに属する複数のユーザ(通常は、全ユーザ)による複数のシナリオに対する反応情報を用いて、それぞれのクラスタに対応する単語の重要度を決定する。単語の重要度の決定に用いるシナリオは、クラスタリングに用いたシナリオと同じでもよく、異なっていてもよく、全てのシナリオを用いてもよい。具体的には、例えば、クラスタ番号=1の全てのユーザによる複数のシナリオA,B,C,D,…の各主計画要素A1,A2,…,B1,B2,…,C1,C2,…,D1,D2,…に対する反応情報を用いて、各主計画要素に含まれる単語のスコアリングを行う。例えば、ある主計画要素に単語X,Yが含まれ、その主計画要素に対する反応情報が、興味ありの場合には、単語Xのスコア=1、単語Yのスコア=1とし、別の主計画要素に単語X,Zが含まれ、その主計画要素に対する反応情報が、興味ありの場合には、単語X,Zの各スコアに1を加算し、単語Xのスコア=1+1=2、単語Yのスコア=1、単語Zのスコア=1とし、さらに別の主計画要素に対する反応情報が、興味なしの場合には、その主計画要素に含まれる各単語のスコアから1を減じ、あるいは、0.5(1よりも小さい数値)を減じる等の処理を行うことにより、全ての単語のスコアを算出し、各単語の重要度を決定し、これをクラスタ番号=1に対応する単語の重要度タイプとする。そして、他のクラスタ番号=2〜5についても同様な処理を行い、それぞれのクラスタに対応する単語の重要度タイプを用意する。これらの複数種類の単語の重要度を決定する処理は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより実行され、その結果は、クラスタ番号と関連付けられて反応解析結果記憶手段62Dに記憶され、その後、シナリオ生成装置40へネットワーク1を介して送信される。前述したようにクラスタリングは定期的に行われるので、それに合わせて複数種類の単語の重要度を決定する処理も定期的に行われる。
また、各クラスタに対応する複数種類の単語の重要度を用意する別の方法としては、次の方法がある。クラスタ番号=1に属する複数のユーザ(通常は、全ユーザ)による複数のシナリオに対する反応情報を集計し、興味ありを示す反応情報が多かったシナリオを決定する。例えば、シナリオAについて、そのシナリオAの主計画要素A1に対して興味ありのユーザが713人、主計画要素A2に対して興味ありのユーザが673人等のデータがあれば、それらの人数を合計(713人+673人+…)することにより、クラスタ番号=1におけるシナリオAについてのスコアとする。なお、シナリオAの各主計画要素A1,A2,…に対して興味なしを示す反応情報がある場合には、その合計人数またはその合計人数に0.5等の係数(1よりも小さな数値)を乗じた人数を差し引き、クラスタ番号=1におけるシナリオAについてのスコアを算出してもよい。また、他のシナリオについても同様なスコア計算を行い、結局、スコアが高いシナリオとして、シナリオA,B,C,D,…が選択決定されたとする。それから、選択決定されたシナリオA,B,C,D,…またはそれらに対応するコンテンツα,β,γ,δ,…(元の各文書)を用いて、反応情報によらない単語の重要度の決定処理(例えば、頻度やTF−IDF等による単語の重要度の決定処理)を行う。そして、他のクラスタ番号=2〜5についても同様な処理を行い、それぞれのクラスタに対応する単語の重要度タイプを用意する。これらの複数種類の単語の重要度を決定する処理は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより実行され、その結果は、クラスタ番号と関連付けられて反応解析結果記憶手段62Dに記憶され、その後、シナリオ生成装置40へネットワーク1を介して送信される。前述したようにクラスタリングは定期的に行われるので、それに合わせて複数種類の単語の重要度を決定する処理も定期的に行われる。
さらに、本実施形態では、クラスタによらずに偏りなく集めた文書群(あらゆる種類の全ての文書)を用いて決定した標準タイプの単語の重要度を用意し、それを用いて重要文を抽出し、標準的なシナリオを生成する処理も行う。そして、このようにして同じ文書(コンテンツ)から生成された複数のシナリオには、異なるシナリオIDが付される。本実施形態では、図6の下部に示すように、シナリオIDにおける左から5桁目の数字が、単語の重要度タイプを示している。例えば、「0」が標準的なシナリオ、「1」〜「5」がクラスタ番号=1〜5のユーザ向けのシナリオ等である。
なお、最初(システムの運用開始時)は、シナリオに対する反応情報が収集されていないので、反応情報を利用したクラスタリングを行うことができないため、標準タイプの単語の重要度を用いて重要文を抽出することにより生成されたシナリオを用いて、システムを運用すればよい。
また、最初は、各ユーザの自己申請による基本設定(性別、年齢、居住地域、職業等)や好きな分野(図13参照)を用いて、複数の仮のクラスタを形成するとともに、それぞれの仮のクラスタに属する各ユーザの自己申請による好きなワード(図13参照)の集計結果を用いて、複数の仮のクラスタに対応する複数種類の単語の重要度を決定してもよい。すなわち、ある1つの仮のクラスタに属する全てのユーザの自己申請による好きなワードの設定に基づき、好きであると自己申請された単語に、例えば、1ずつ加算していくスコアリングを行い、各単語のスコアの大小で、各単語の重要度を決定する。そして、このような処理を、他の仮のクラスタについても行う。
また、シナリオ生成手段41Bは、図8に示すように、抽出する重要文の数を変更することにより、1つのコンテンツ(文書)から、主計画要素の数の異なる複数のシナリオを生成する処理を実行することができる。図8の例では、重要文タイプが重要度の高い順にa,bの2段階設定され、図8中の実線で囲まれている重要度の高い重要文タイプaの重要文aが2つ抽出され、それよりも相対的に重要度の低い図8中の点線で囲まれている重要文タイプbの重要文bが2つ抽出されている。従って、2つの重要文aだけを主計画要素とする主計画Aを有するシナリオAと、2つの重要文aおよび2つの重要文bを主計画要素とする主計画Bを有するシナリオBとを生成すれば、1つのコンテンツ(文書)から、主計画要素の数の異なる複数のシナリオが生成されることになる。なお、重要文タイプをa,b,c,…のように3段階以上設定し、1つのコンテンツ(文書)から、主計画要素の数の異なる3以上のシナリオを生成してもよい。つまり、重要文a,b,cを主計画要素とする主計画Cを有するシナリオC、重要文a,b,c,dを主計画要素とする主計画Dを有するシナリオD等を生成してもよい。そして、このようにして同じ文書(コンテンツ)から生成された複数のシナリオには、異なるシナリオIDが付される。本実施形態では、図6の下部に示すように、シナリオIDにおける左から2桁目の数字が、主計画要素を決定する際に抽出する重要文の数の相違(いずれの重要文タイプの重要文までを主計画要素とするかの相違であり、主計画要素の数の相違)を示している。例えば、「0」が主計画要素の数が最も少ない標準的なシナリオ(重要文タイプaの重要文aだけを主計画要素として生成したシナリオA)、「1」〜「9」が主計画要素の数が相対的に多いシナリオ(重要文タイプb,c,…の重要文b,c,…も主計画要素に加えて生成したシナリオB,C,…)である。
また、上記のように重要文タイプにより、主計画要素として採用する重要文の数を調整するのではなく、抽出する重要文の数を、例えば、3個、4個、5個、…とする等とストレートに変更することにより、1つのコンテンツ(文書)から、主計画要素の数の異なる複数のシナリオを生成してもよい。
なお、上記の主計画A,B,C,…は、シナリオ生成手段41Bによりシナリオ生成時に決定され、主計画A,B,C,…を有する複数のシナリオA,B,C,…が生成されることを前提に説明していたが、図7に示すように、1つのシナリオの中に、重要文タイプa,b,c,…のカラムを設けておけば、シナリオ再生装置80におけるシナリオ再生時に、副計画要素を主計画要素とみなすことにより主計画要素の数を調整することができる。例えば、最初は、重要文タイプaの重要文aだけを主計画要素とし、それ以外の重要文タイプb,c,…の重要文b,c,…は、副計画要素としていたが、シナリオ再生時の状況(ユーザの反応や移動速度)に応じて、重要文タイプb,c,…の重要文b,c,…を、段階的に主計画要素とみなしていくことにより、主計画要素の数を段階的に調整することができる。
また、主計画要素は、元のコンテンツの要約であり、元のコンテンツに含まれている内容であるのが原則であるが、広告については、例外的に、元のコンテンツに含まれていない内容の広告要素を、主計画要素としてシナリオ内に配置してもよい。この広告要素の内容や獲得方法等については、次の副計画の生成の説明のところで詳述するため、ここでは詳しい説明を省略する。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ生成手段41Bの構成:副計画の生成>
副計画は、主計画の情報を補うための再生計画(音声対話の場合は、システム側の発話計画)である。シナリオ生成手段41Bにより生成される副計画には、主計画で省かれた内容に基づく補足説明、予想される質問に対する回答が含まれる。シナリオ再生装置80において、ユーザの情報要求(反応情報)に応じて、副計画の内容(副計画要素)が提示(再生)されることになる。なお、コンテンツが文書である場合には、シナリオ生成手段41Bは、主計画から省かれた文に対しても、文圧縮と口語化の処理を行う。
シナリオ生成手段41Bは、副計画要素の生成処理として、ユーザの質問(反応情報)に対するシステム応答(回答データ)を生成し、シナリオ内に配置する処理を行うが、この際には、述語型構造の含意矛盾認識(真偽判定型質問応答、ファクトイド型質問応答、why型質問応答で必要となる技術)の処理、真偽判定型質問応答、ファクトイド型質問応答、why型質問応答、定義型質問応答の生成処理を行う。これらの技術は、非特許文献1に記載されているため、詳しい説明は省略する。
定義型質問応答の生成処理では、非特許文献1に記載の通り、コンテンツ外の定義情報として、例えば、Wikipedia(ウィキペディア)の定義情報、EDR辞書の定義情報、Webコーパスから獲得した定義情報等を利用し、定義型質問応答の副計画要素を生成し、シナリオ内に配置する処理を実行する。例えば、図7に示した「α社は、…」、「ICカードっていうのは、…」等の定義の文字情報が、定義型質問応答の副計画要素であり、それにリンクする定義の合成音声ファイル(wavファイル等)の名称も生成されてシナリオ内に配置される。なお、合成音声ファイル自体は、シナリオ再生装置80でシナリオ再生時に生成されるが、シナリオ生成装置40で予め生成してもよい。
また、シナリオ生成手段41Bは、定義型質問応答ではなく、雑学的な情報をユーザに提示するためのトリビアの副計画要素を生成し、シナリオ内に配置する処理も実行する。例えば、図7に示した「Suicaの名称は…」、「開発は、もともと…」等のトリビアも、定義型質問応答の場合と同様に、トリビアの文字情報(副計画要素)、およびそれにリンクするトリビアの合成音声ファイル(wavファイル等)の名称が生成され、シナリオ内に配置される。トリビアの場合も、合成音声ファイル自体は、シナリオ再生装置80でシナリオ再生時に生成されるが、シナリオ生成装置40で予め生成してもよい。
また、コンテンツが映像であり、シナリオ再生が映像で行われる場合には、例えば、登場人物の紹介映像、相撲の映像における決まり手となった技の解説映像、4回転フリップ等のスケート技術の解説映像等が、コンテンツ外の定義情報となる。なお、「このシーンの直前の状況が見たい」といったユーザの反応に対して再生される映像(副計画要素)は、コンテンツ外ではなく、コンテンツに含まれている映像情報である。
さらに、コンテンツが文書である場合であっても、シナリオ再生が音声で行われる場合(音声対話の場合を含む。)には、ユーザの「第九って、どんな曲?」という質問に対する応答の副計画要素として、音楽(第九)を再生するための楽曲データ(wavファイル等)をシナリオ内に用意してもよい。
なお、ユーザの質問(反応情報)には、コンテンツの内容の要約である主計画要素、コンテンツの内容のうち主計画要素として採用されなかった要素(副計画要素)、あるいはWikipediaの定義情報や登場人物の紹介映像等のようなコンテンツ外の定義情報(副計画要素)のいずれによっても回答することができないものもある。この場合は、シナリオとして用意されていない情報の提示が必要となるので、シナリオ再生装置80において計画外のシステム応答を行う。計画外のシステム応答のための回答データ(文書、映像、楽曲等のデータ)は、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cにより、ネットワーク1に接続された特定のサイト(シナリオ再生装置80にアクセス先として予め登録されているオンラインサイト)からリアルタイムで取得される。
そして、シナリオ生成手段41Bは、広告要素を一部に含む副計画要素や、全部が広告要素となっている副計画要素を生成し、シナリオ内に配置する処理も実行することができる。この広告要素は、コンテンツ外の情報であり、定義型質問応答やトリビアの生成処理の場合と同様に、外部サイト(例えば、広告主の運営・管理するサイト等)からネットワーク1を介して獲得してもよく、あるいは、広告主からシナリオへの挿入を依頼されてシナリオ生成装置40に予め記憶している情報を用いてもよい。
例えば、図7の場合に、広告主がα社であり、広告内容が「X月Y日に新作ゲームZを発売予定。今なら予約特典がついてくる。」であるとすると、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節の途中で(例えば「α社が」の再生直後に)、ユーザから「α社って、どんな会社なの?」という定義型質問(割込み反応)があった際に、「α社は、・・・な会社で、他にもX月Y日に新作ゲームZを発売予定。今なら予約特典がついてくるんだって。」というシステム応答ができるように、広告要素を一部に含む定義型質問応答(副計画要素)を用意し、シナリオ内の定義カラムに配置しておくことができる。また、ユーザによる「広告を再生しない」という設定(図13参照)が行われていた場合に、その広告要素を再生しないようにするために、定義カラムの「α社は、・・・」とは別に、シナリオ内に広告カラム(広告入り定義カラムでもよい)およびその合成音声ファイルの名称のカラムを設け、そこに「α社は、・・・な会社で、他にもX月Y日に新作ゲームZを発売予定。今なら予約特典がついてくるんだって。」という副計画要素の内容データおよびファイル名称を用意しておき、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cにより、ユーザ設定に従って選択再生するようにしてもよい。なお、このような広告要素を、トリビアとみなし、シナリオ内のトリビアおよびそのファイル名称のカラムに配置してもよい。
また、地域情報の一般シナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ)を構成する主計画要素または副計画要素の中に、当該地域の名産品の呼び名(NNN)が含まれている場合に、その名産品を扱うショップの広告要素を副計画要素としてシナリオ内に配置しておくことができる。この広告要素は、名産品の一般的な内容説明に付加する状態で副計画要素として用意してもよく、ショップの広告要素だけを副計画要素として用意してもよい。従って、例えば、ユーザからの「NNNって、どんなもの?」という質問(反応)に備え、「NNNっていうのは、・・・して作られた名産品で、Xっていうショップで1つ500円で売ってるよ。」というシステム応答を行うための副計画要素を用意してもよく、あるいは、例えば、ユーザからの「NNNは、どこで売ってるの?」という質問(反応)に備え、「Xっていうショップで1つ500円で売ってるよ。」というシステム応答を行うための副計画要素を用意してもよい。この例の広告主は、Xというショップであり、広告内容は「NNNを1つ500円で販売する」である。なお、このような広告要素は、時刻、シナリオ再生装置80の位置情報、シナリオ再生装置80を搭載している移動手段、またはこれらの組合せに依存して再生されるようにしてもよく、この点については、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cの説明で詳述するため、ここでは詳しい説明を省略する。
以上のような広告要素のシナリオ内への配置は、シナリオ生成装置40で、シナリオ生成手段41Bにより実行される。一方、元のコンテンツの中に、広告要素に相当する内容が部分的に含まれ、その内容部分がシナリオ生成手段41Bにより副計画要素として採用された場合は、コンテンツ作成者が最初からコンテンツ内に挿入している内容であるから、それは広告要素とはみなされず、そのコンテンツ作成者が作成した一般コンテンツを構成する内容とみなされる。従って、そのコンテンツの作成は、一般コンテンツ用のコンテンツ作成装置20Aで行われたことになる。たとえコンテンツ作成者がその内容を広告であると意識し、意図的にコンテンツ内に挿入した場合であっても、一般コンテンツを構成する内容となるので、コンテンツ作成者の意識の有無によらない。一般コンテンツ作成者が、広告の集合のようなコンテンツを作成した場合も同様であり、シナリオ生成手段41Bによりそのコンテンツから生成されたシナリオは、一般コンテンツ用のシナリオの取り扱いとなり、本実施形態では、そのシナリオIDの先頭には「A」が付される(図5の中央部参照)。
また、上記とは別に、広告コンテンツ用のコンテンツ作成装置20Bで作成される広告コンテンツがある。この場合の広告コンテンツは、コンテンツ全体が広告の取り扱いであり、シナリオ生成手段41Bによりそのコンテンツから生成されたシナリオは、広告シナリオ(広告コンテンツ用のシナリオ)となり、本実施形態では、そのシナリオIDの先頭には「B」や「C」が付される(図5の中央部参照)。従って、シナリオ生成手段41Bにより広告コンテンツから生成される広告シナリオについては、そのシナリオを構成する各主計画要素および各副計画要素は、原則的には広告要素となり、シナリオ全体が広告の取り扱いとなる。例えば、「厚底シューズのニュータイプの販売を開始するそうだよ。」という主計画要素の再生に対し、ユーザの「その靴いくらなの?」という質問(反応)を受けた際には、予めシナリオ内に用意した「3万円だよ。」という副計画要素を再生し、「登山用なの?」という質問(反応)を受けた際には、「ジョギング用だよ。」という副計画要素を再生する等であり、広告シナリオは、原則的には、広告要素で構成される。但し、「厚底シューズって、何?」という質問(反応)を受けた際の定義型質問応答として「厚底シューズっていうのは、・・・」という副計画要素を用意しておく場合があるので、広告シナリオ内には、広告要素ではない一般的な内容の副計画要素が配置されていることがあり、このような副計画要素の生成は、一般シナリオの生成の場合と同様に行われる。
以上のように、一般コンテンツ用のシナリオには、広告要素が含まれることがあり、広告コンテンツ用のシナリオには、一般的な内容が含まれることがあり、また、一般コンテンツ用のコンテンツ作成装置20Aと広告コンテンツ用のコンテンツ作成装置20Bとの構成の相違もないので、結局、一般コンテンツや一般シナリオであるか、広告コンテンツや広告シナリオであるかは、コンテンツ作成者の申請によるところとなり、本実施形態では、その申請に従って、シナリオIDが自動付与され、あるいは所定のルール内で自らシナリオIDを定めることになる(図5の中央部参照)。
さらに、シナリオ生成手段41Bは、定義型質問応答、トリビア、広告要素等の副計画要素を生成する際、あるいは、広告要素である主計画要素を生成する際に、コンテンツ外の情報を用いた場合には、その情報を獲得した情報源の外部サイト(例えば、Wikipedia(ウィキペディア)や、広告主のサイト等)にアクセスするための外部サイトアクセス用データ(URL等)を、原情報アクセス用データに付加してもよい。シナリオの構成要素を、コンテンツ外の情報から生成した場合には、原情報(コンテンツ、ターゲット)を参照しても、詳細情報に辿り着けないことがあるからである。この場合、原情報アクセス装置100には、ユーザが興味を示した1つのシナリオに対し、原情報提供サーバ110へアクセスするための原情報アクセス用データと、外部サイト(不図示)へアクセスするための外部サイトアクセス用データとが送信されることになり、場合によっては多数のアクセス用データとなるので、いずれへのアクセス用データなのかを識別するインデックス情報を付しておくことが好ましい。インデックス情報は、例えば、先頭からの何文字かを用いたり、主要な単語の連結による内容圧縮等で生成することができる。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ生成手段41Bの構成:シナリオのデータ構成>
以上のようにしてシナリオ生成手段41Bにより生成されたシナリオは、元のコンテンツが文書の場合であれば、図7に示すようなデータ構成となる。図7において、シナリオを構成するデータ(カラム)には、元の文書(コンテンツ)についての文書ID、元の文書を構成する段落についての段落ID、重要文タイプ、元の文書を構成する文の内容を伝達したか否かの情報(未伝達・伝達済の別)、元の文書を構成する段落内の文についての文ID、元の文書を構成する段落内の文を構成する文節についての文節ID、シナリオの構成要素として選択されたか否かを示す情報(選択文節)、元の文書を構成する文内での文節提示順序、シナリオ再生を行うための発話節ID(再生節ID)、リンクする発話節の合成音声ファイル(wavファイル等)の名称、口語表現、文節間の間(ま)、元の文節の内容、定義型質問応答用の定義の文字情報、リンクする定義の合成音声ファイル(wavファイル等)の名称、トリビアの文字情報等が含まれる。また、図7での図示は省略されているが、リンクするトリビアの合成音声ファイル(wavファイル等)の名称も含まれ、さらに、口語表現は、複数段階の表現(例えば、伝聞口調・断定口調を使い分ける「標準」、伝聞口調だけの「伝聞」、断定口調だけの「断定」、ですます調だけの「敬体」等の口調の別を含む)が用意されている。なお、シナリオ生成装置40で生成して配置した合成音声ファイルの名称は、上記のように、シナリオを構成するデータであるが、その他に、シナリオ再生装置80の音声合成器でシナリオ再生時に生成するのではなく、シナリオ生成装置40で予め生成した合成音声ファイル自体や、シナリオ生成装置40で用意した楽曲ファイル自体が存在する場合は、それらのファイル自体(自体とは、ファイルの名称を示す文字情報ではないという意味)も、シナリオを構成するデータに含まれる。
図10には、元のコンテンツ(文書の場合)とシナリオとの構成要素の対応関係が示されている。なお、図10は、構成要素の対応関係を概念的に示すものであるため、図7の具体例と対応しているわけではない。本実施形態では、元のコンテンツ(文書)は、文書、段落、文、文節という順序で段階的に分割され、元の文節に対しては口語化処理等の加工が行われ、加工後の文節が、シナリオの構成要素(図10では、主計画要素として採用された文節が示されている)となる。そして、加工後の文節を幾つか束ねたものが、発話節(再生節)となり、その発話節について合成音声ファイルが自動生成で用意され、シナリオ再生で使用される。但し、発話節(再生節)は、加工後の文節を1つだけ用いて生成してもよい。また、合成音声ファイルは、シナリオ再生時に音声合成器で自動生成されるが、文節間の間(ま)が標準のファイルであれば、シナリオ生成時に予め自動生成してもよい。
図9を用いてコンテンツ作成装置20のコンテンツ評価手段21Fの説明で既に詳述しているが、発話節(再生節)の再生終了直後の位置が、ユーザの反応情報を取得するための基準位置である。しかし、反応情報の取得は、より細かい文節単位、または、さらに細かい単語単位で行われているともいえる。また、割込みの反応情報の受付は、文節単位で行われる。
本実施形態では、原則的には、重要文タイプおよび同じ重要文タイプの並び順(上下の配置順)が、本願の請求項における「主計画要素の再生順序および副計画要素への分岐を定めた再生計画情報」となる。なお、ここでいう「再生計画情報」というのは、1つのシナリオ内における構成要素の再生順序であるから、後述する図5に記載された「再生管理情報」とは全く異なるものである。図5の「再生管理情報」は、多数のシナリオがあるとき、どのような順番でシナリオを再生するかという情報であり、本実施形態では、チャンネル情報を含む概念である。
具体的には、図7に示すように、主計画要素として重要文タイプaの重要文aが2つ連続していれば、上から順番に再生することになる。その下に、副計画要素として重要文タイプbの重要文bが並んでいたとすると、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cが、ユーザの質問(反応情報)があったときに、最も適切なシステム応答となるような重要文b(副計画要素)を探すので、ユーザの反応の内容次第で、再生される重要文bが、リアルタイムで決定されることになり、再生されると、図7の「文の内容を伝達したか否か」カラムの情報が、未伝達から伝達済に変わる。なお、このようにシナリオ内の重要文aの配置順で主計画要素の再生順序を定めるのではなく、再生順序を示す番号等の識別情報を、シナリオ内に設けてもよい。
また、仮に、重要文タイプが、a,b,cの3段階設定され、シナリオ再生時の状況(ユーザの反応情報、移動速度)次第で、重要文タイプbの重要文bを、副計画要素から主計画要素に格上げするという処理(主計画要素とみなす処理)を行う場合には、重要文b同士の並び順が重要になるだけではなく、重要文aと重要文bとの並び順も重要となるので、例えば、上から重要文a,a,b,a,a,b,b,a,b,c,c,c,…のように、重要文aと重要文bとを混在させた配置順とすればよい。そして、上から重要文a,a,b,a,a,b,b,a,bと再生していく途中で、ユーザの質問(反応情報)があったときには、最も適切なシステム応答となるような重要文c(副計画要素)を探して再生する。
<シナリオ生成装置40/処理手段41/シナリオ登録手段41Cの構成>
シナリオ登録手段41Cは、シナリオ生成手段41Bにより生成されて登録用シナリオ記憶手段43に記憶されているシナリオを、シナリオIDや原情報アクセス用データ等とともに、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信するシナリオ登録処理を実行するものである。送信されたシナリオは、管理サーバ60のシナリオ登録受付手段(不図示)により、シナリオIDや原情報アクセス用データ等と関連付けられて管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aに記憶される。なお、シナリオ登録は、オンライン送信による登録ではなく、例えばDVDやUSBメモリ等の記録媒体によりシナリオをシステム管理者に郵送するか、手渡しし、システム管理者が管理サーバ60への登録を行うようにしてもよい。
シナリオ登録手段41Cによりネットワーク1を介してシナリオのオンライン登録を行う場合には、シナリオ生成装置40から管理サーバ60へのオンライン登録でもよく(図2の形態(A)の経路SC1)、シナリオをシナリオ生成装置40から当該シナリオの元のコンテンツが作成されたコンテンツ作成装置20へ一旦戻し、コンテンツ作成装置20から管理サーバ60へのオンライン登録を行ってもよい(図2の形態(A)の経路SC2)。DVD等の記録媒体による搬送を行う場合には、シナリオ生成装置40(シナリオ生成補助者)から管理サーバ60(システム管理者)への搬送でもよく、シナリオ生成装置40(シナリオ生成補助者)からコンテンツ作成装置20(コンテンツ作成者)を経由させて管理サーバ60(システム管理者)へ搬送してもよい。なお、管理サーバ60がコンテンツ作成装置20と一体化されている場合(図2の形態(B)参照)には、シナリオ生成装置40から管理サーバ60へのオンライン登録、またはDVD等の記録媒体による搬送となる。
<シナリオ生成装置40/シナリオ生成対象記憶手段42の構成>
シナリオ生成対象記憶手段42は、シナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群の各コンテンツを、生成されるシナリオについてのシナリオID(生成前の事前付与)、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)、コンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)と関連付けて記憶するものである。
<シナリオ生成装置40/登録用シナリオ記憶手段43の構成>
登録用シナリオ記憶手段43は、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aに登録するシナリオ(シナリオ生成手段41Bにより生成されたシナリオ)を、シナリオID、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)、シナリオの生成に使用された少なくとも1つのコンテンツについてのコンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)と関連付けて記憶するものである。
<管理サーバ60/処理手段61/シナリオ配信手段61Aの構成>
シナリオ配信手段61Aは、シナリオ記憶手段62Aに記憶されているシナリオを、ネットワーク1を介してシナリオ再生装置80へ送信する処理を実行するものである。このシナリオ配信手段61Aによる配信管理は、図3および図4に示すように、チャンネル情報を含む再生管理情報(図5参照)と密接に関係している。また、情報伝達システム10の全体構成の説明で、既に詳述しているが、図2に示すように、シナリオ再生装置80には、分離型のシナリオ再生装置80Aと、一体型のシナリオ再生装置80Bとの2つのタイプがあり、これらのタイプの別も、シナリオ配信手段61Aによる配信管理と関係することになる。従って、シナリオ配信手段61Aによる配信管理は、図2〜図5を用いて、後述する再生管理手段61Hの説明で詳述することとし、ここでは詳しい説明を省略する。
<管理サーバ60/処理手段61/反応収集手段61Bの構成>
反応収集手段61Bは、各シナリオ再生装置80の反応記憶手段82Cに記憶されている各ユーザの反応情報を、ネットワーク1を介して取得し、取得した反応情報を、シナリオID、ユーザID、またはこれらに加えて元のコンテンツIDと関連付けて反応蓄積記憶手段62Cに記憶させる処理を実行するものである。
各シナリオ再生装置80から管理サーバ60への反応情報の送信タイミングは、シナリオ再生装置80の反応送信手段81Eが管理してもよく、管理サーバ60の反応収集手段61Bが管理してもよい。
図9には、各シナリオ再生装置80から管理サーバ60へ送信される反応情報の一例が示されている。図9の例では、反応情報には、ユーザID、シナリオID、文書ID、段落ID、文ID、文節ID(文節ではなく、発話節に対する反応情報である場合には、NULLになっている)、発話節ID(再生節ID)、反応(ユーザの発した内容であり、反応なしの場合は、NULLになっている)、反応種別(定義型質問、興味あり、興味なし、反応なし等のリアルタイムの判定結果)、反応時間(反応情報の取得のための基準位置である発話節の再生終了直後での反応時間であり、割込みの場合は、NULLになっている)等が含まれている。図9での図示は省略されているが、各反応情報の取得時刻(年月日・時分秒)や、シナリオの再生開始時刻および/または再生終了時刻(年月日・時分秒)も含まれている。シナリオの再生終了時刻は、各反応情報の取得時点では存在しないので、あとから追加される情報である。
<管理サーバ60/処理手段61/反応解析手段61Cの構成>
反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各シナリオに対する各ユーザの反応情報を用いて、シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)またはユーザ単位での傾向若しくはその他の情報を分析し、得られた反応解析結果を、シナリオIDおよび/またはユーザIDと関連付けて、あるいはこれらに加えて解析内容に応じ、元のコンテンツID、コンテンツ作成者ID、クラスタ番号等と関連付けてユーザ情報記憶手段62Bや反応解析結果記憶手段62Dに記憶させる反応解析処理を実行するものである。
原則的には、反応解析手段61Cによるユーザ単位の反応解析結果は、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62Bに記憶され、シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)の反応解析結果は、シナリオIDやそれに対応する元のコンテンツIDと関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶される。
また、反応解析手段61Cによるクラスタ分析による反応解析結果として、各ユーザの属するクラスタ番号が決定されるが、このクラスタ番号は、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62Bに記憶される(図13の下部を参照)。一方、反応解析手段61Cによるクラスタ単位の反応解析結果(単語の重要度に関する反応解析結果等)は、クラスタ番号と関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶される。
さらに、反応解析手段61Cによる同一のコンテンツ作成者により作成されたコンテンツを使用して生成された各シナリオに対する反応情報の集計結果(シナリオ毎若しくは対応するコンテンツ毎の分類および集計の結果について更にコンテンツ作成者毎に集計した結果)は、コンテンツ作成者IDと関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶される。
具体的には、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶された同一のユーザについての少なくとも1つの反応情報(同じユーザIDに関連付けられた反応情報)を用いて、各ユーザが内容に興味を示したシナリオを判定し、興味を示したと判定された少なくとも1つのシナリオに対応する原情報を取得するための原情報アクセス用データを、ユーザ識別情報(ユーザID)と関連付けてユーザ情報記憶手段62Bに記憶させる処理を実行する。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザ自身またはユーザへのサービス提供者へフィードバックするために行われる。これにより原情報(コンテンツ、ターゲット)へのアクセスが可能となる(図12参照)。
この際、ある1人のユーザが内容に興味を示したと判定されるシナリオの数は、ゼロである場合もあり、また、多数である場合もあり、ユーザが再生したシナリオの数にもよるので、ユーザ毎に様々な数となる。ユーザ情報記憶手段62Bには、興味を示したと判定されたシナリオの再生開始時刻および/または再生終了時刻(年月日・時分秒)を用いて、本日再生されたシナリオ、昨日再生されたシナリオ、今週再生されたシナリオ等のように整理された状態で、対応する原情報アクセス用データが記憶される。予め定められた最近の期間よりも前に再生されたシナリオに対応する原情報アクセス用データは削除される。1つのシナリオに対応する原情報の数は、1つまたは複数であり、複数になる場合には、1つのシナリオが複数のコンテンツにより生成された場合と、シナリオ生成対象とされたコンテンツ以外に1つまたは複数のターゲット(関連コンテンツ)が用意されている場合とがある。シナリオIDと、1つまたは複数の原情報についての原情報アクセス用データとの対応関係は、シナリオ記憶手段62Aから取得することができる。
なお、反応解析手段61Cは、興味を示したと判定された少なくとも1つのシナリオについてのシナリオ識別情報(シナリオID)若しくは対応する原情報についての原情報識別情報(コンテンツID、関連コンテンツであるターゲットについてのターゲットID)を、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62Bに記憶させてもよい。原情報アクセス用データと、シナリオIDや原情報識別情報(コンテンツID、ターゲットID)との対応関係は、シナリオ記憶手段62Aに記憶されているので、原情報アクセス用データ送信手段61Fは、ユーザ情報記憶手段62BからシナリオIDや原情報識別情報(コンテンツID、ターゲットID)を取得し、さらにそれらを用いてシナリオ記憶手段62Aから原情報アクセス用データを取得できるからである。
ある1つのシナリオに対し、各ユーザがその内容に興味を示したか否かの判定基準は、任意に設定することができる。具体的には、シナリオを構成する各主計画要素(各副計画要素を含めてもよい)に対する反応情報として、興味あり、興味なしという判定結果が得られていれば、それらを用いて判定基準を定めることができる。この際、興味あり、興味なしと判定された反応情報は、再生節(音声対話の場合には、発話節)に対する反応情報でもよく、それよりも細かい要素(音声対話の場合には、元の文節)に対する反応情報でもよい。より詳細には、例えば、判定対象のシナリオにおける対象ユーザの興味ありの反応情報の合計数をスコアとし、そのスコアが、予め定めた閾値(閾値は1でもよい。)以上であれば、対象ユーザが、そのシナリオ全体に興味を示したと判定することができる。また、興味ありの合計数から、興味なしの合計数を減じたり、興味なしの合計数に0.5等の係数(1よりも小さい数値)を乗じた値を減じることにより、スコアを算出してもよく、あるいは、興味ありと興味なしとの比率(例えば、興味ありの合計数を、興味ありの合計数と興味なしの合計数との和で除した値)をスコアとしてもよい。
また、反応解析手段61Cによる各シナリオについて各ユーザが内容に興味を示したか否かの判定結果は、再生中のチャンネルのシナリオの内容に対してユーザが興味を示しているか否かについての判定にも用いられる。この判定は、1つのシナリオに対する反応情報だけではなく、再生中のチャンネルの複数のシナリオに対する反応情報を用いた判定となる。従って、1つのシナリオに対し、各ユーザがその内容に興味を示したか否かの判定基準を拡張し、複数のシナリオについてのスコアの合計値を用いて、再生中のチャンネルに対する対象ユーザの興味あり、興味なしを判定するための判定基準を定めればよい。この判定結果(チャンネル自動切替の要否)は、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶される。チャンネル情報(各シナリオのチャンネル帰属情報)を含む再生管理情報は、再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザへフィードバックするために行われる。これにより反応情報に基づくチャンネルの自動切替が可能となる。なお、このチャンネルの自動切替のための反応解析処理は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより反応記憶手段82Cに記憶されている対象ユーザの反応情報を用いて実行してもよい。
さらに、反応解析手段61Cによる各シナリオについて各ユーザが内容に興味を示したか否かの判定結果は、ユーザの好きな分野(興味のある分野)の自動判定にも用いることができる。興味ありと判定されたシナリオの分野(コンテンツ作成者により付与されたコンテンツの分野)を参照し、分野毎の合計数を算出し、判定対象の分野の合計数または比率(判定対象の分野の合計数を、分野毎の合計数の和で除した値)が閾値以上であれば、当該分野が、好きな分野(興味のある分野)であると判定し、その判定結果をユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶させる。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザへフィードバックするために行われる。これによりユーザの好きな分野を反映させたシナリオ再生が可能となる。すなわち、管理サーバ60の再生管理手段61Hによるユーザ向けにカスタマイズした再生管理情報(図5参照)の事前作成や、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cによるリアルタイムでの再生管理が可能となる。なお、この好きな分野(興味のある分野)を判定するための反応解析処理は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより反応記憶手段82Cに記憶されている対象ユーザの反応情報を用いて実行してもよいが、同一のユーザによる複数のシナリオ再生装置80での反応情報を集約させたい場合には、管理サーバ60で実行する。
また、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている同一のシナリオについての複数のユーザによる反応情報(同じシナリオIDに関連付けられた反応情報)を用いて、シナリオを構成する各主計画要素および各副計画要素のそれぞれに対する反応情報について内容を分類して集計し、この分類および集計の結果を、シナリオ識別情報(シナリオID)および/または対応するコンテンツ識別情報(コンテンツID)と関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶させる処理を実行するとともに、シナリオ毎若しくは対応するコンテンツ毎の分類および集計の結果について更にコンテンツ作成者毎に集計した結果を、コンテンツ作成者識別情報(コンテンツ作成者ID)と関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶させる処理を実行する。これらの反応解析結果は、ユーザの反応情報を、コンテンツ作成者(コンテンツ作成装置20)へフィードバックするために行われる。これによりコンテンツの評価が可能となる(図9参照)。コンテンツの評価については、図9を用いてコンテンツ作成装置20のコンテンツ評価手段21Fの説明で、既に詳述しているので、ここでは詳しい説明を省略する。また、反応解析処理に用いる反応情報の具体例は、図9を用いて反応収集手段61Bの説明で、既に詳述している。
さらに、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各ユーザの反応情報を用いて、各ユーザの知識レベルを判定し、判定した知識レベルを、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶させる処理を実行する。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された知識レベルは、データ連携により、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも反映される。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザへフィードバックするために行われる。これによりユーザの知識レベルに応じて主計画要素の提示量を調整してシナリオ再生を行うことができる。なお、この知識レベルを判定するための反応解析処理は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより反応記憶手段82Cに記憶されている対象ユーザの反応情報を用いて実行してもよいが、同一のユーザによる複数のシナリオ再生装置80での反応情報を集約させたい場合には、管理サーバ60で実行する。
判定する知識レベルは、各分野におけるユーザの知識レベル、およびユーザの総合的な知識レベルである。前者の各分野におけるユーザの知識レベルは、各分野(コンテンツ作者により付与された分野)のシナリオに対する対象ユーザの反応情報を用いて判定する。具体的には、例えば、各分野のシナリオに含まれる複数の単語について、対象ユーザが定義型質問をしているか否か等の情報を集計することにより、各分野における知識レベルを判定する。この判定に用いる複数の単語は、分野毎に予め定めた特定の単語でもよく、分野毎の全単語でもよい。後者のユーザの総合的な知識レベルは、全分野のシナリオに対する対象ユーザの反応情報を用いて判定する。具体的には、例えば、様々な分野のシナリオまたは全てのシナリオに含まれる複数の単語について、対象ユーザが定義型質問をしているか否か等の情報を集計することにより、総合的な知識レベルを判定する。この判定に用いる複数の単語は、分野に偏りのない予め定めた特定の単語でもよく、全分野の全単語でもよい。
また、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各ユーザの反応情報を用いて、システムとユーザとの親密度を判定し、判定した親密度を、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶させる処理を実行する。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された親密度は、データ連携により、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも反映される。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザへフィードバックするために行われる。これによりシステムとユーザとの親密度に応じて、隣接する文節を連続再生する際の文節間の時間間隔の調整、発話速度の調整、または口調の調整のうちの少なくとも1つの調整を行ってシナリオを音声出力により再生することができる。なお、この親密度を判定するための反応解析処理は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより反応記憶手段82Cに記憶されている対象ユーザの反応情報を用いて実行してもよいが、同一のユーザによる複数のシナリオ再生装置80での反応情報を集約させたい場合には、管理サーバ60で実行する。
システムとユーザとの親密度は、例えば、高、中、低の3段階等で設定し、システム発話に対し、ユーザが発した内容(意味内容、語調を含む)、あるいはユーザが発した内容に対し、システムが応答した内容で判定する。親密度は、システム出力とユーザ反応との同調(相手とぺースを合わせた対話をすること)の度合いであるから、ユーザ反応のログに加え、システム出力のログも使用したほうが、より正確な親密度の判定を行うことができる。システム出力も、ユーザ反応に応じて主計画要素や副計画要素の切替を行うことに加え、ユーザ毎に口語表現の段階を選択した再生を行い、あるいはトリビアを挿入する等の細かい個別対応をするからである。従って、収集する反応情報には、ユーザ反応の前後におけるシステム出力の内容も含めるようにしてもよい。
さらに、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各ユーザの反応情報を用いて、無口・おしゃべり、理解が早い・遅い、またはその他のユーザタイプを判定し、判定したユーザタイプを、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶させる処理を実行する。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたユーザタイプは、データ連携により、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも反映される。この反応解析処理は、ユーザの反応情報を、ユーザへフィードバックするために行われる。これによりユーザタイプに応じて、副計画要素を主計画要素とみなすことによる発話情報量の調整、隣接する文節を連続再生する際の文節間の時間間隔の調整、発話速度の調整、またはコンテンツ以外の情報から生成した雑学用の副計画要素を主計画要素とみなすことによるトリビア挿入頻度調整若しくはその他の発話戦略の使用頻度の調整のうちの少なくとも1つの調整を行ってシナリオを音声出力により再生することができる。なお、このユーザタイプを判定するための反応解析処理は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより反応記憶手段82Cに記憶されている対象ユーザの反応情報を用いて実行してもよいが、同一のユーザによる複数のシナリオ再生装置80での反応情報を集約させたい場合には、管理サーバ60で実行する。
ユーザタイプは、システム発話に対するユーザの反応発話量や反応時間等で判定する。例えば、ユーザの反応発話量の多少で、無口・おしゃべりを判定し、反応時間の長短で、理解が早い・遅いを判定することができる。なお、他のユーザとの比較において、ユーザタイプを定めてもよく、例えば、同じカテゴリに属する複数のユーザ(またはカテゴリや属性に偏りのない複数のユーザ)による同じシナリオに対する反応発話量や反応時間等の平均値を求め、その平均値からの各ユーザの乖離度により、ユーザタイプを定めてもよい。この場合の反応解析処理は、他のユーザの反応情報を使用するので、管理サーバ60で実行する。
また、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各ユーザの反応情報を用いて、クラスタ分析(例えば、K−means法によるクラスタリング)を行うことにより各ユーザを複数のクラスタに分け、各ユーザの属するクラスタ番号(例えば、1〜5)を、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62B(図13の下部を参照)に記憶させる処理を実行する。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたクラスタ番号は、データ連携により、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも反映される。このクラスタ分析の詳細については、シナリオ生成装置40のシナリオ生成手段41Bの説明で、既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。
さらに、反応解析手段61Cは、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている同じクラスタに属する複数のユーザ(通常は、全ユーザ)による複数のシナリオに対する反応情報を用いて、それぞれのクラスタに対応する単語の重要度を決定し、クラスタ毎に決定した複数種類の単語の重要度を示すデータを、クラスタ番号と関連付けて反応解析結果記憶手段62Dに記憶させる処理を実行する。その後、反応解析結果記憶手段62Dに記憶されたクラスタ毎に用意された複数種類の単語の重要度を示すデータは、対応するクラスタ番号とともに、各シナリオ生成装置40へネットワーク1を介して送信される。この単語の重要度の決定処理の詳細については、シナリオ生成装置40のシナリオ生成手段41Bの説明で、既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。
<管理サーバ60/処理手段61/反応解析結果送信手段61Dの構成>
反応解析結果送信手段61Dは、反応解析結果記憶手段62Dに記憶されている反応解析結果(シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)若しくは対応するコンテンツ単位(コンテンツを構成する要素単位を含む)の反応解析結果、またはコンテンツ作成者単位の反応解析結果)を、ネットワーク1を介してシナリオに対応するコンテンツの作成が行われたコンテンツ作成装置20(20A,20B)へ送信する処理を実行するものである。
管理サーバ60からコンテンツ作成装置20への反応解析結果の送信タイミングは、管理サーバ60の反応解析結果送信手段61Dが管理してもよく、コンテンツ作成装置20の反応解析結果取得手段21Eが管理してもよい。
また、反応解析結果送信手段61Dは、反応解析結果記憶手段62Dに記憶されている反応解析結果(クラスタに対応する単語の重要度を示すデータ)を、対応するクラスタ番号とともに、ネットワーク1を介して各シナリオ生成装置40へ送信する処理を実行する。
<管理サーバ60/処理手段61/シナリオ生成対象管理手段61Eの構成>
シナリオ生成対象管理手段61Eは、コンテンツ作成装置20(20A,20B)からネットワーク1を介して送信されてくるシナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群を受信し、シナリオ生成対象記憶手段62Eに記憶させる処理を実行するとともに、シナリオ生成装置40からの取得要求に応じ、シナリオ生成対象記憶手段62Eに記憶されているシナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群を、ネットワーク1を介してシナリオ生成装置40へ送信する処理を実行する。従って、シナリオ生成対象管理手段61Eは、各コンテンツ作成装置20(20A,20B)と各シナリオ生成装置40との間でのシナリオ生成依頼の仲介を行っていることになる。
<管理サーバ60/処理手段61/原情報アクセス用データ送信手段61Fの構成>
原情報アクセス用データ送信手段61Fは、原情報(シナリオ生成対象とされたコンテンツや、関連コンテンツであるターゲット)を取得するユーザまたは原情報を取得するサービス提供者からサービス提供を受けるユーザについてのユーザIDと関連付けられてユーザ情報記憶手段62Bに記憶されている少なくとも1つの原情報アクセス用データ(反応解析手段61Cにより当該ユーザが内容に興味を示したと判定した少なくとも1つのシナリオに対応する原情報アクセス用データ)を、ネットワーク1を介して原情報アクセス装置100へ送信するか、または、原情報アクセス装置100へ送信するために原情報アクセス装置100への送信経路上の別のサーバ150,160(図12参照)へ送信する処理を実行するものである。
また、原情報アクセス用データ送信手段61Fは、ユーザ情報記憶手段62Bに原情報アクセス用データが記憶されているのではなく、原情報アクセス用データに対応するシナリオIDまたは原情報識別情報(コンテンツID、関連コンテンツであるターゲットについてのターゲットID)が記憶されている場合には、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されているシナリオIDまたは原情報識別情報(コンテンツID、ターゲットID)を用いて、シナリオ記憶手段62Aから、対応する原情報アクセス用データを取得し、取得した原情報アクセス用データを、ネットワーク1を介して原情報アクセス装置100へ送信するか、または、原情報アクセス装置100へ送信するために原情報アクセス装置100への送信経路上の別のサーバ150,160(図12参照)へ送信する処理を実行する。
原情報アクセス用データを取得した後のユーザやサービス提供者の作業内容(行動)については、図12を用いて原情報アクセス装置100の説明で詳述するため、ここでは、原情報アクセス用データを取得するまでの流れを説明する。
図12の上部に示すように、原情報アクセス装置100による原情報アクセス用データの取得形態は、大別すると3通りある。第1の取得形態では、先ず、原情報アクセス装置100から管理サーバ60へアクセスし、ユーザIDを用いて、そのユーザIDに関連付けられて管理サーバ60に記憶されている原情報アクセス用データの取得要求を行う。この取得要求は、ユーザまたはサービス提供者が手動操作で行ってもよく、原情報アクセス装置100による自動取得要求(要求タイミングは、装置に設定されている)であってもよい。そして、この取得要求を受けて、管理サーバ60の原情報アクセス用データ送信手段61Fにより、ユーザIDに関連付けられた原情報アクセス用データを、ネットワーク1を介して原情報アクセス装置100へ送信する。サービス提供者が原情報アクセス用データを取得する場合には、事前にサービス提供対象のユーザからユーザIDを取得していることが前提となる。例えば、ユーザが、サービス提供者(ホテル)に到着する前に、自分の情報(ユーザID自体、またはユーザIDを特定するためのユーザの名前や生年月日等の情報)をオンラインまたは電話や電子メール等で提供している場合等である。この際、原情報アクセス装置100には、サービス提供対象のユーザについてのユーザIDが記憶されているが、サービス提供者(ホテルの従業員等)は、それを見ることができないようになっていてもよい。
第2の取得形態では、管理サーバ60の原情報アクセス用データ送信手段61Fにより、原情報アクセス用データを、ユーザ宛またはユーザが送信を許可したサービス提供者宛の電子メールに付して(メール本文に記述するか、添付ファイルとして)送信する。ユーザまたはサービス提供者の受信用のメールサーバ150には、原情報アクセス用データを付した電子メールが格納されている状態となるので、ユーザまたはサービス提供者は、適宜、その電子メールを受信し、原情報アクセス用データを取得する。
第3の取得形態では、管理サーバ60の原情報アクセス用データ送信手段61Fにより、原情報アクセス用データをユーザIDとともに、ネットワーク1を介して中継サーバ160へ送信して格納しておく。この中継サーバ160は、例えば、情報関連事業者が管理するサーバ等であるが、管理サーバ60を管理するシステム管理者が自身で設置した別のサーバでもよい。続いて、ユーザまたはサービス提供者が、原情報アクセス装置100から中継サーバ160へアクセスし、ユーザID(サービス提供者の場合は、事前にユーザから取得している。)を用いて、ネットワーク1を介して原情報アクセス用データを取得する。
<管理サーバ60/処理手段61/広告解析手段61Gの構成>
広告解析手段61Gは、シナリオ記憶手段62Aに記憶されている一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとを用いて、各広告コンテンツ用のシナリオと類似する少なくとも1つの一般コンテンツ用のシナリオを抽出し、抽出した一般コンテンツ用のシナリオについてのシナリオIDを、広告コンテンツ用のシナリオおよびそのシナリオIDと関連付けてシナリオ記憶手段62Aに記憶させる処理、または、各一般コンテンツ用のシナリオと類似する少なくとも1つの広告コンテンツ用のシナリオを抽出し、抽出した広告コンテンツ用のシナリオについてのシナリオIDを、一般コンテンツ用のシナリオおよびそのシナリオIDと関連付けてシナリオ記憶手段62Aに記憶させる処理を実行するものである。
一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとの類似度としては、主計画要素の類似度、あるいは、主計画要素および副計画要素を合わせた類似度を採用することができる。これらの類似度を算出する際には、例えば、各主計画要素を連結するか、または各主計画要素および各副計画要素を連結してシナリオ要素連結体(文字情報の連結体、映像情報の連結体等)を作成し、このシナリオ要素連結体同士の類似度を算出することができる。また、シナリオ要素連結体を作成することなく、それぞれの要素同士の類似度を集約して(平均、合計等を求める。)シナリオ間の類似度を算出してもよい。これらの類似度の算出には、既存の類似度の算出手法を用いることができ、例えば、文書間の類似度を算出するDoc2Vec、画像や動画の類似度を算出するPerceptual Hash等を採用することができる。なお、画像や動画の類似度は、シナリオ間の内容的な類似度に結びつかない場合があるので、映像や画像に付帯するメタデータ(文字情報)を用いて類似度を算出してもよい。
また、広告解析手段61Gは、主計画要素や副計画要素が、文字情報である場合(映像の付帯情報(メタデータ)として文字情報がある場合を含む。)には、主計画要素や副計画要素に含まれる単語の類似度を用いて、シナリオ間の類似度を算出してもよい。シナリオ内の複数の単語を用いる場合には、各単語と各単語との間の複数の類似度を集約して(平均、合計等を求める。)シナリオ同士の類似度を算出することができる。この類似度の算出には、既存の類似度の算出手法を用いることができ、例えば、Word2Vec等を採用することができる。
さらに、広告解析手段61Gは、シナリオ生成対象記憶手段62Eに記憶されている一般コンテンツおよび広告コンテンツを用いて、元のコンテンツ全体の類似度を算出し、一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとを関連付ける情報(類似するシナリオについてのシナリオID)を、シナリオ記憶手段62Aに記憶させてもよい。この類似度の算出には、既存の類似度の算出手法を用いることができ、主計画要素や副計画要素(シナリオ要素連結体の場合を含む)の類似度の場合と同様に、例えば、Doc2Vec、Perceptual Hash等を採用することができる。
広告解析手段61Gによる解析結果(一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとの関連付けの結果)は、シナリオ再生装置80において、シナリオ再生手段81Cによるシナリオ再生時にリアルタイムで用いられてもよく、その場合には、シナリオ再生手段81Cが、一般コンテンツ用のシナリオの再生の前後に、類似する広告コンテンツ用のシナリオを適宜選択して再生するようになる。但し、本実施形態では、広告コンテンツ用のシナリオの再生タイミングは、図5に示すように、チャンネル情報として、事前に作成される再生管理情報に組み込まれている。
<管理サーバ60/処理手段61/再生管理手段61Hの構成>
再生管理手段61Hは、シナリオ記憶手段62Aに記憶されている一般コンテンツ用のシナリオに関する情報と、広告コンテンツ用のシナリオに関する情報とを用いて、複数のチャンネル情報からなる再生管理情報(図5参照)を作成し、再生管理情報記憶手段62Fに記憶させる処理を実行するものである。ここで、再生管理情報は、同一のシナリオ再生装置80(図2の分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、同一の入出力端末86)で同一のユーザに対して複数のシナリオを連続再生する際の再生順序を予め定めた情報である。
具体的には、再生管理手段61Hは、シナリオ記憶手段62Aに記憶されている各シナリオの分野(コンテンツ作成者に付与されたコンテンツの分野)を用いて、複数のチャンネル情報を作成する。分野には、例えば、ニュース、政治、金融・経済、IT・科学、エンタメ、国際、スポーツ(全般)、スポーツ(サッカー)、スポーツ(野球)、スポーツ(テニス)、スポーツ(ラグビー)、スポーツ(卓球)等がある。1つのコンテンツ(1つのシナリオ)につき、複数の分野が付与されていることもある。
この際、再生管理手段61Hは、単一の分野の複数のシナリオの再生順序を予め定めた単一分野チャンネル情報を各分野について少なくとも1通りずつ作成するとともに、複数の分野を混在させた複数のシナリオの再生順序を予め定めた混成チャンネル情報を少なくとも1通り作成する。例えば、ニュース分野のみの複数のシナリオの再生順序を予め定めた1つまたは複数の単一分野チャンネル情報を作成し、同様に、政治分野のみ、金融・経済分野のみ、IT・科学分野のみ、エンタメ分野のみ、国際分野のみ、スポーツ(全般)分野のみ、スポーツ(サッカー)分野のみ等の複数のシナリオの再生順序を予め定めた1つまたは複数の単一分野チャンネル情報を作成する。また、全分野を混在させた複数のシナリオの再生順序を予め定めた1つまたは複数の混成チャンネル情報も作成する。さらに、例えば、ニュース分野およびエンタメ分野のみの2分野の複数のシナリオの再生順序を予め定めた1つまたは複数の混成チャンネル情報を作成してもよく、同様に、3分野、4分野等の混成チャンネル情報を作成してもよい。
また、再生管理手段61Hは、図5に示すように、時間帯(9時台、10時台等)に分けて各シナリオの再生順序を定めるとともに、再生回数や再生時刻に偏りが出ないように、毎日、各時間帯における再生順序を変更したり、配置する時間帯を変更したり、配置するシナリオをローテンションさせて変更する処理を実行する。
さらに、再生管理手段61Hは、広告解析手段61Gによる解析結果(一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとの関連付けの結果)がシナリオ記憶手段62Aに記憶されているので、その解析結果を参照し、一般コンテンツ用のシナリオの再生の合間に、適宜なタイミングで、関連する内容を有する広告コンテンツ用のシナリオが再生されるように、広告コンテンツ用のシナリオを配置する処理を実行する。本実施形態では、図5に示すように、シナリオIDの左から1桁目が「A」や「D」である場合は、一般コンテンツ用のシナリオであり、「B」や「C」である場合は、広告コンテンツ用のシナリオである。
また、再生管理手段61Hは、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された情報を用いて、標準の再生管理情報(図5参照)に変更を加えることにより、各ユーザ向けにカスタマイズした再生管理情報を作成することもできる。
例えば、再生管理手段61Hは、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された広告再生の設定が「自分に合った広告を再生する」になっている場合には、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された好きな分野(興味のある分野)を用いて、再生管理情報(図5参照)に配置されている全ユーザ向けの広告コンテンツ用のシナリオを、ユーザの好きな分野の広告コンテンツ用のシナリオに置き換えることができる。この際、ユーザ情報記憶手段62Bには、好きな分野(興味のある分野)について反応解析による自動判定結果を優先するか否かの情報が記憶されているので、その選択情報に従って、自己申請による好きな分野、または自動判定した好きな分野を用いて、広告コンテンツ用のシナリオの置換処理を行う。なお、再生管理情報(図5参照)に配置されている広告コンテンツ用のシナリオは、チャンネル毎の一般コンテンツ用のシナリオの内容に関連しているため、好きな分野による置換処理を行うと、全てのチャンネルの再生で、自分の好きな分野の広告再生が行われることになる。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された広告再生の設定が「標準的な広告を再生する」になっている場合には、この置換処理は行われない。
また、再生管理手段61Hは、各ユーザ向けにカスタマイズした再生管理情報として、ユーザの好きな分野の単一分野チャンネル情報だけを含む再生管理情報を作成することもできる。但し、チャンネルの自動切替時の選択対象が同一分野だけになるので、そのチャンネルに飽きてしまったときに、他の分野のチャンネルや、複数の分野を混在させた混成チャンネルへの自動切替は実行できなくなる。
さらに、再生管理手段61Hは、一般コンテンツ用のシナリオおよび広告コンテンツ用のシナリオのいずれについても、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶された知識レベルを用いて、知識レベルに応じた主計画要素の数を有するシナリオに置き換えることができる。図6の下部に示すように、シナリオIDの左から2桁目の数字が異なるシナリオへの置換処理である。
また、再生管理手段61Hは、一般コンテンツ用のシナリオおよび広告コンテンツ用のシナリオのいずれについても、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたユーザの属性、すなわち、性別、年齢、居住地域、職業、好きな分野(興味のある分野)を用いて、ユーザの属性に対応するシナリオに置き換えることができる。図6の下部に示すように、シナリオIDの左から3〜4桁目の数字が異なるシナリオへの置換処理である。なお、この置換処理が行われると、20代の男性であれば、20代の男性向けにカスタマイズされた再生管理情報が作成されるので、各チャンネルの内容は、分野毎の内容に絞られるか、複数分野の混在状態となっているが、それらのいずれのチャンネルの再生でも、20代の男性向けの再生が行われることになる。また、チャンネルの内容がIT・科学分野であったとしても、好きな分野がスポーツであるユーザ向けのシナリオになっていれば、スポーツ好きのユーザ向けの再生が行われることになる。これは、シナリオ生成の際に、異なるタイプの単語の重要度を用いているので、異なる重要文が抽出されて主計画要素の異なるシナリオとなるからである。従って、スポーツ好きのユーザが好む単語で、IT・科学分野の話題が提供されることになる。
さらに、再生管理手段61Hは、一般コンテンツ用のシナリオおよび広告コンテンツ用のシナリオのいずれについても、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたユーザの属するクラスタ番号を用いて、そのクラスタ番号に対応するシナリオに置き換えることができる。図6の下部に示すように、シナリオIDの左から5桁目の数字が異なるシナリオへの置換処理である。この場合も、単語の重要度のコントロールが行われているので、そのクラスタに属するユーザが好む単語で、様々な分野の話題が提供されることになる。
再生管理手段61Hにより作成されて再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている再生管理情報(図5参照)は、再生順序を定めた情報であるが、シナリオ配信手段61Aによるシナリオの配信管理にも関係している。シナリオの配信管理および再生管理の形態は、大別すると2通りあり、図3に示す再生管理情報をシナリオ再生装置80に送信する形態(1)と、図4に示す再生管理情報をシナリオ再生装置80に送信しない形態(2)とがある。
図3において、シナリオ配信手段61Aは、一般シナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ)および広告シナリオ(広告コンテンツ用のシナリオ)を、再生管理情報とともにネットワーク1を介してシナリオ再生装置80へ送信する。この際、送信する再生管理情報は、1日分のテーブル全体でもよく、テーブルの一部分だけでもよい。テーブルの一部分は、例えば、次の時間帯の分だけ(例えば、今が9時50分であれば、10時台の分だけ)でもよく、午前の分だけ、午後の分だけ等でもよい。また、再生管理情報とともに送信する一般シナリオおよび広告シナリオは、送信する分の再生管理情報に含まれる一般シナリオおよび広告シナリオだけでよく、例えば、10時台の再生管理情報とともに送信するのは、10時台に再生される可能性のある一般シナリオおよび広告シナリオだけでよい。さらに、再生管理情報が各ユーザ向けにカスタマイズされている場合には、送信先のシナリオ再生装置80を使用する各ユーザ向けの再生管理情報、およびその再生管理情報に含まれる各ユーザ向けの一般シナリオおよび広告シナリオだけでよいが、いずれのユーザ向けの再生管理情報であるのかを示すためにユーザIDとともに送信する。
シナリオ再生装置80では、シナリオ取得手段81Bにより、再生管理情報、並びにその再生管理情報に含まれる一般シナリオおよび広告シナリオを取得し、それらを取得再生管理情報記憶手段82D、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶させる。シナリオ再生手段81Cは、取得再生管理情報記憶手段82Dに記憶されている再生管理情報を用いて、ユーザ設定記憶手段82Aに記憶されているユーザ設定(チャンネルの設定等)に従って、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されている一般シナリオまたは広告シナリオのいずれかを再生する。再生中のシナリオの進行管理は、再生中情報記憶手段82E(図5参照)で行われる。再生中情報記憶手段82Eに記憶されている全体進行管理テーブルは、各ユーザが、再生管理情報の中のどの位置のシナリオを再生中であるかを示す情報であり、シナリオ進行管理テーブルは、再生中のシナリオ内のどの位置を進行しているのかを示す情報である。
なお、再生管理情報と、その再生管理情報に含まれる一般シナリオおよび広告シナリオとは、必ずしも同時に送信される必要はなく、例えば、先に再生管理情報だけをシナリオ再生装置80へ送信して取得再生管理情報記憶手段82Dに記憶させておき、シナリオ取得手段81Bが、その再生管理情報を参照し、シナリオの再生を行う前のタイミングで、そのシナリオ(一般シナリオまたは広告シナリオ)を管理サーバ60から取得するようにしてもよい。
図4において、シナリオ配信手段61Aは、シナリオ再生装置80への再生管理情報の送信は行わない。従って、シナリオ配信手段61Aは、再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている再生管理情報を参照し、一般シナリオまたは広告シナリオを、ネットワーク1を介してシナリオ再生装置80へ送信する。このため、再生管理情報が、シナリオ配信手段61Aによるシナリオの配信管理に使用されていることになる。この際、シナリオ配信手段61Aは、再生管理情報は送信しないが、その代わりに、一般シナリオまたは広告シナリオ(次に再生される予定のシナリオ)の送信の際に、そのシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)もユーザIDとともに送信する。
シナリオ再生装置80では、シナリオ取得手段81Bにより、次に再生するシナリオ(一般シナリオまたは広告シナリオ)、並びに、そのシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、ユーザIDとともに取得し、それらを取得シナリオ記憶手段82Bに記憶させる。シナリオ再生手段81Cは、再生中情報記憶手段82Eで再生中のシナリオの進行管理を行うので、前のシナリオの再生が終了したら、取得シナリオ記憶手段82Bから、次に再生するシナリオ(一般シナリオまたは広告シナリオ)、並びに、そのシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、ユーザIDとともに取得し、再生中情報記憶手段82Eに記憶させ、そのシナリオの再生を開始する。それから、シナリオ再生手段81Cによるシナリオの再生終了後(または再生中でもよい)に、シナリオ取得手段81Bは、再生を終了したシナリオ(または再生中のシナリオでもよい)についてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、ユーザIDとともに、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する。
管理サーバ60では、シナリオ配信手段61Aにより、再生を終了したシナリオ(または再生中のシナリオでもよい)の情報を受信すると、再び、再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている再生管理情報を参照し、その次に再生される予定のシナリオ(一般シナリオまたは広告シナリオ)の情報を取得し、その次に再生される予定のシナリオ、並びに、そのシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、ユーザIDとともに、ネットワーク1を介してシナリオ再生装置80へ送信する。以降、このような処理を繰り返す。
また、図2に示す分離型のシナリオ再生装置80A、一体型のシナリオ再生装置80Bのいずれの場合でも、図3の形態(1)、図4の形態(2)のいずれも採用することができる。
分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、複数のユーザがいて複数の入出力端末86で別々のシナリオの再生が同時に行われる。従って、図3の形態(1)では、シナリオ再生装置80Aの本体85に再生管理情報が記憶され、本体85で再生管理情報を参照しながら複数のユーザの再生管理を同時に行うことになる。図4の形態(2)では、管理サーバ60で再生管理情報を参照しながら、本体85から送信されてくる再生を終了したシナリオ(または再生中のシナリオでもよい)の情報を得てシナリオの配信管理を行うので、管理サーバ60は、複数のユーザのための配信管理を同時に行うことになる。つまり、各ユーザが各入出力端末86で再生するシナリオを、ユーザ毎(入出力端末86毎)のタイミングで、管理サーバ60から本体85へ順次送信することになる。
一体型のシナリオ再生装置80Bの場合には、複数のユーザが同時に再生を行うことはないので(但し、同時でなければ、複数のユーザに対応可能)、分離型のシナリオ再生装置80Aの場合よりも単純である。図3の形態(1)では、シナリオ再生装置80Bに再生管理情報を記憶し、その再生管理情報を参照しながらシナリオ再生装置80Bで再生管理を行うので、複数の一体型のシナリオ再生装置80Bがあるときでも、それぞれのシナリオ再生装置80Bでそれぞれに記憶された再生管理情報を参照しながら、それぞれの再生管理を行うことになる。図4の形態(2)では、1台の一体型のシナリオ再生装置80Bに対しては、管理サーバ60が再生管理情報を参照しながら、1人のユーザのための配信管理を行えばよいが、複数台の一体型のシナリオ再生装置80Bがあるときには、複数のユーザが別々のシナリオの再生を同時に行うことになるため、結局、分離型のシナリオ再生装置80Aの場合と同様に、管理サーバ60は、複数のユーザのための配信管理を同時に行うことになる。つまり、各ユーザが各シナリオ再生装置80Bで再生するシナリオを、ユーザ毎(シナリオ再生装置80B毎)のタイミングで、管理サーバ60から各シナリオ再生装置80Bへ順次送信することになる。
<管理サーバ60/処理手段61/エリア管理手段61Jの構成>
エリア管理手段61Jは、図6に示すように、特定区域モードでのシナリオ再生を行う場合に、シナリオ再生装置80からネットワーク1を介して送信されてくる位置情報(図2に示す分散型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86から本体85を経由して若しくは直接に送信されてくる入出力端末86の位置情報、または一体型のシナリオ再生装置80Bの位置情報)を受信し、エリア情報記憶手段62Gに記憶されている特定区域の情報(特定区域モード適用エリアを定めるためのフェンス情報)を用いて、シナリオ再生装置80Aの入出力端末86、またはシナリオ再生装置80Bが特定区域(特定区域モード適用エリア)の内部に入ったか否かを判定し、その判定結果(入ったと判定した場合には、入った特定区域についての特定区域IDを含む)を、ネットワーク1を介してシナリオ再生装置80Aの本体85、またはシナリオ再生装置80Bへ送信する処理を実行するものである。
ここで、位置情報は、例えば、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機によりGPS信号を受信して得られた緯度・経度の情報等である。
なお、図6に示すジオフェンシングサーバ140を設置し、そこで同じ処理を行う場合には、エリア管理手段61Jの設置は省略してもよい。また、図6に示す特定区域(特定区域モード適用エリア)と、特定区域モードでのシナリオ再生区域との区別がない場合、すなわち、複数のシナリオ再生区域の集合が、特定区域モード適用エリアとなる場合にも、エリア管理手段61Jの設置は省略してもよい。特定区域(特定区域モード適用エリア)と、各シナリオ再生区域との関係は、シナリオ再生装置80のエリア判定手段81Hの説明で詳述するので、ここでは詳しい説明を省略する。
<管理サーバ60/記憶手段62/シナリオ記憶手段62Aの構成>
シナリオ記憶手段62Aは、登録されたシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)を、シナリオID、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)、シナリオの生成に使用された少なくとも1つのコンテンツについてのコンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)と関連付けて記憶するものである。また、一般コンテンツ用のシナリオの場合には、類似する広告コンテンツ用のシナリオについてのシナリオIDが記憶され、広告コンテンツ用のシナリオの場合には、類似する一般コンテンツ用のシナリオについてのシナリオIDが記憶される。
<管理サーバ60/記憶手段62/ユーザ情報記憶手段62Bの構成>
ユーザ情報記憶手段62Bは、図13に示すように、ユーザID、性別、年齢、居住地域(主たるシナリオ再生地域)、職業、好きな分野(興味のある分野)について反応解析による自動判定結果を優先するか否かの情報、自己申請による好きな分野(興味のある分野)、自動判定した好きな分野(興味のある分野)、ユーザの属するクラスタについてのクラスタ番号、自動判定した各分野におけるユーザの知識レベル、自動判定したユーザの総合的な知識レベル、自動判定したシステムとユーザとの親密度、自動判定したユーザタイプ、自己申請による好きなワード(興味のあるワード)、広告再生の設定、再生モードの設定、チャンネルの設定、固定するチャンネル(事前に、または起動時若しくはその後に選択したチャンネル)、自動判定したチャンネル自動切替の要否、興味ありと自動判定したシナリオに対応する原情報アクセス用データ等を関連付けて記憶するものである。このユーザ情報記憶手段62Bには、ユーザの自己申請による情報と、反応解析手段61Cによる自動判定結果とが記憶される。
また、ユーザが興味を示したと自動判定したシナリオに対応する原情報アクセス用データは、当該シナリオの再生年月日・時分秒(再生開始時刻および/または再生終了時刻)、シナリオID、原情報識別情報(コンテンツID、ターゲットID)とともに記憶される(図12参照)。再生年月日・時分秒は、ユーザの反応情報に含まれている。そして、この再生年月日・時分秒は、最近再生されたシナリオに対応する原情報の一覧表示を行う場合に利用される。また、最近再生されたというだけではなく、この1時間以内、本日中、昨日中等のように、再生時刻に従って区分けした状態で原情報の一覧表示を行うことが好ましい。
<管理サーバ60/記憶手段62/反応蓄積記憶手段62Cの構成>
反応蓄積記憶手段62Cは、反応収集手段61Bにより各シナリオ再生装置80から収集した各シナリオに対する各ユーザの反応情報(図9参照)を、シナリオID、ユーザID、元のコンテンツIDと関連付けて記憶するものである。
<管理サーバ60/記憶手段62/反応解析結果記憶手段62Dの構成>
反応解析結果記憶手段62Dは、反応解析手段61Cによる反応解析結果のうち、シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)の反応解析結果を、シナリオIDやそれに対応する元のコンテンツIDと関連付けて記憶し、クラスタ単位の反応解析結果(単語の重要度に関する反応解析結果等)は、クラスタ番号と関連付けて記憶し、コンテンツ作成者単位の反応解析結果は、コンテンツ作成者IDと関連付けて記憶するものである。
<管理サーバ60/記憶手段62/シナリオ生成対象記憶手段62Eの構成>
シナリオ生成対象記憶手段62Eは、シナリオ生成対象管理手段61Eにより受信したシナリオ生成対象のコンテンツ(一般コンテンツおよび広告コンテンツ)または同主題コンテンツ群の各コンテンツを、生成されるシナリオについてのシナリオID(生成前の事前付与)、シナリオ生成補助団体ID、シナリオ生成補助者ID、シナリオ生成装置ID(IPアドレスでもよい)、コンテンツID、当該コンテンツの属する分野、分野以外の属性、コンテンツ作成団体ID、コンテンツ作成者ID、コンテンツ作成装置ID(IPアドレスでもよい)、ターゲットID、原情報アクセス用データ(例えばURL等)と関連付けて記憶するものである。
<管理サーバ60/記憶手段62/再生管理情報記憶手段62Fの構成>
再生管理情報記憶手段62Fは、図5に示すような再生管理情報を記憶するものである。各ユーザ向けにカスタマイズされた再生管理情報は、ユーザIDと関連付けられて記憶される。
<管理サーバ60/記憶手段62/エリア情報記憶手段62Gの構成>
エリア情報記憶手段62Gは、図6に示すような特定区域の情報(特定区域モード適用エリアを定めるためのフェンス情報)を、特定区域識別情報(特定区域ID)と関連付けて記憶するものである。本実施形態では、特定区域の情報は、緯度・経度の情報である。また、特定区域識別情報は、例えば、博物館、観光地、遊園地、公園、サファリパーク等を識別する情報である。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/設定手段81Aの構成>
設定手段81Aは、図13に示すユーザ設定画面87でのユーザによる入力設定を受け付け、受け付けたユーザ設定情報を、ユーザIDと関連付けてユーザ設定記憶手段82Aに記憶させる処理を実行するものである。ユーザ設定記憶手段82Aに記憶されたユーザ設定情報は、データ連携により、管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bにも反映される。この設定手段81Aは、入力手段83からの手や足等の操作による入力を受け付ける他、図13のユーザ設定画面87での入力項目に相当する情報を、入力手段83からの音声入力でも受け付ける。
また、図13のユーザ設定画面87での入力項目に相当する情報は、図13と同様なウェブ画面を用いて、任意の端末からネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信し、管理サーバ60のユーザ設定登録手段(不図示)により、ユーザIDと関連付けてユーザ情報記憶手段62Bに記憶させることもできる。ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたユーザ設定情報は、データ連携により、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aにも反映される。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ取得手段81Bの構成>
シナリオ取得手段81Bは、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aに記憶されている再生対象のシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)を、シナリオID等とともに、ネットワーク1を介して取得し、取得したシナリオを、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶させる処理を実行するものである。
図3に示す形態(1)の場合には、シナリオ取得手段81Bは、シナリオとともに再生管理情報(図5参照)も取得する。図4に示す形態(2)の場合には、シナリオ取得手段81Bは、管理サーバ60から、次に再生するシナリオを、シナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)、ユーザIDとともに、ネットワーク1を介して取得するとともに、再生を終了したシナリオ(または再生中のシナリオでもよい)についてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、ユーザIDとともに、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する。なお、管理サーバ60のシナリオ配信手段61Aと、シナリオ再生装置80のシナリオ取得手段81Bとの間でのシナリオの配信管理および再生管理については、図2〜図5を用いて管理サーバ60の再生管理手段61Hの説明で、既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成>
シナリオ再生手段81Cは、シナリオ取得手段81Bにより取得されて取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)を、人の知覚で認識可能な知覚情報でユーザに伝達する再生処理を実行するとともに、この再生処理の際に、シナリオを構成する各主計画要素および各副計画要素に対するユーザの反応情報を取得し、取得した反応情報に応じて、再生順序に従った主計画要素の再生から、副計画要素の再生への切替を含む要素間の切替処理を実行するものである。また、シナリオ再生手段81Cは、取得した反応情報(図9参照)を、ユーザIDと関連付けて反応記憶手段82Cに記憶させる反応ログ記録処理を実行する。
ここで、「人の知覚で認識可能な知覚情報」とは、主として音や映像や画面表示した文字による情報であるが、例えば、臭いデータや、静止画像(ここでは、画面表示した文字情報ではなく、写真やイラストや漫画等の静止画像を指す。)等が含まれていてもよい。音の場合は、音声対話(入出力の双方が音声)による情報伝達が好適であるが、システム側が音声出力で、ユーザ側がキー操作入力、タッチ操作入力、マウス操作入力、モーションキャプチャーによるジェスチャー入力(手話による入力を含む)、またはそれらと音声入力との組合せ等であってもよい。また、音の出力の場合は、音声出力に限らず、例えば、ユーザの「第九って、どんな曲?」、「ミンミンゼミって、どんな鳴き声?」等の質問に対するシステム応答として、文字情報またはそれを変換した合成音声の出力に代えて、楽曲データ(音楽)の再生、環境収録音や効果音の出力等を行ってもよい。
また、画面表示した文字情報による情報伝達では、シナリオの主計画要素や副計画要素が、文字情報で用意されている場合に、それを用いて合成音声によるシステム出力を行う代わりに、画面上に文字情報を順番に出力する。従って、音声出力と同じ順番で、各要素を再生することになるので、シナリオの主計画要素や副計画要素を、まとめて(繋げて)文書で画面表示するわけではなく、小出しにして、ユーザの反応情報を取得することになる。
音声対話を行う場合には、シナリオ再生手段81Cは、文字情報を変換して出力用のシステム音声を生成する音声合成器と、ユーザ音声を入力して文字情報に変換する音声認識器と、シナリオに従って、音声合成器へ処理対象の文字情報を渡すとともに、音声認識器からユーザ音声を変換した文字情報を受け取ることにより、対話制御を行う対話制御手段とを備えて構成されている。但し、図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、音声認識器や音声合成器の機能は、本体85側ではなく、入出力端末86側に持たせてもよいので、その場合には、音声認識器や音声合成器は、本体85側の処理手段81のシナリオ再生手段81Cではなく、入出力端末86の入力手段83や出力手段84を構成することになる。
また、本実施形態の情報伝達システム10では、システム発話に対するユーザの反応情報としてユーザ音声が得られるので、音声認識器と、対話制御手段の入力取込機能(音声認識器から得られる文字情報を取り込む機能)とにより、反応取得手段81Dが構成されている。但し、上述したように、図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、音声認識器の機能は、本体85側ではなく、入出力端末86側に持たせてもよいので、その場合には、音声認識器は、本体85側の処理手段81のシナリオ再生手段81Cに含まれる反応取得手段81Dではなく、マイクロフォンとともに入出力端末86の入力手段83を構成することになる。従って、この場合は、反応取得手段81Dは、対話制御手段のうちの入力取込機能(音声認識器から得られる文字情報を取り込む機能)の部分となる。
なお、ユーザ音声入力に加え、または代えて、キー操作入力、タッチ操作入力、マウス操作入力、モーションキャプチャーによるジェスチャー入力(手話による入力を含む)等を受け付ける場合には、それらの入力信号を受け付けて文字情報に変換する認識処理手段と、対話制御手段の入力取込機能(認識処理手段から得られる文字情報を取り込む機能)とにより、反応取得手段81Dが構成される。但し、このケースでも、上述したように、図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、上記の各種の認識処理機能は、本体85側ではなく、入出力端末86側に持たせてもよいので、その場合には、上記の認識処理手段は、本体85側の処理手段81のシナリオ再生手段81Cに含まれる反応取得手段81Dではなく、キーボード、タッチパネル、マウス、カメラ等とともに入出力端末86の入力手段83を構成することになる。従って、この場合は、反応取得手段81Dは、対話制御手段のうちの入力取込機能(認識処理手段から得られる文字情報を取り込む機能)の部分となる。
また、システム音声出力に加え、または代えて、映像や静止画像(写真やイラストや漫画等の静止画像)、あるいは文字情報の再生を行う場合は、画面表示による再生となるので、スピーカに加え、または代えて、ディスプレイ装置が、出力手段84を構成することになる。そして、図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの場合には、音声合成器の機能は、本体85側ではなく、入出力端末86側に持たせてもよいので、その場合には、音声合成器は、本体85側の処理手段81のシナリオ再生手段81Cに含まれるのではなく、スピーカやディスプレイ装置とともに、入出力端末86の出力手段84を構成することになる。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成:次に再生するシナリオの決定>
シナリオ再生手段81Cによるシナリオ再生を開始するためには、先ず、次に再生するシナリオを決めなければならない。次に再生するシナリオは、再生管理情報(図5参照)やユーザ設定(図13参照)に従った再生管理または配信管理で決まるので、以下ではこれを説明する。なお、シナリオの再生管理または配信管理におけるデータの流れについては、図3および図4を用いて管理サーバ60の再生管理手段61Hの説明で既に詳述しているので、ここでは再生管理情報に従ったチャンネル選択を中心とした説明を行う。
図5に示すように、再生管理情報には、複数のチャンネル情報が含まれている。ユーザによるチャンネルの設定(図13参照)に従って、再生するチャンネルが選択される。図3の形態(1)の場合には、シナリオ再生装置80の取得再生管理情報記憶手段82Dに記憶されている再生管理情報を用いて、再生管理を行うので、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aに記憶されているチャンネルの設定(図13参照)に従って、チャンネルを選択する。一方、図4の形態(2)の場合には、管理サーバ60の再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている再生管理情報を用いて、配信管理を行うので、管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶されているチャンネルの設定(図13参照)に従って、チャンネルを選択する。
例えば、図13のチャンネルの設定で、ユーザが「起動時またはその後に選択したチャンネルで固定」を選択している場合には、シナリオ再生装置80の起動時に、または起動後の任意のタイミングで、ユーザが、手や足等または音声による入力操作により、入力手段83から、再生したいチャンネルを入力する。入力されたチャンネルは、ユーザ設定記憶手段82Aの「固定するチャンネル」に記憶され、さらにデータ連携により管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶される。従って、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aまたは管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶された「固定するチャンネル」に従って、チャンネル選択が実行される。
また、図13のチャンネルの設定で、ユーザが「事前に選択したチャンネルで固定」を選択している場合には、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aおよび管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bの「固定するチャンネル」に、既に事前選択されたチャンネルが記憶されているので、それらに従って、チャンネル選択が実行される。
さらに、図13のチャンネルの設定で、ユーザが「ランダムなチャンネルの自動切替」を選択している場合には、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aまたは管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたチャンネル自動切替の要否が「不要」から「必要」となったタイミングで、ユーザの好きな分野に関係なく、ランダムにチャンネルの自動切替が実行される。チャンネルの自動切替が実行されると、チャンネル自動切替の要否は、「必要」から「不要」に更新される。この更新は、図3の形態(1)の場合には、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cが実行し、図4の形態(2)の場合には、管理サーバ60のシナリオ配信手段61Aが実行する。なお、ランダムにチャンネルを切り替える際には、さらにその次の切替で現在のチャンネルに戻ってしまうことを許容してもよく、あるいは、チャンネル切替履歴を保存しておき、切替後の1時間、3時間、6時間等の所定時間、またはその当日については、同じチャンネルに戻らないようにしてもよい。
また、図13のチャンネルの設定で、ユーザが「好きな分野を中心としたチャンネルの自動切替」を選択している場合には、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aまたは管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたチャンネル自動切替の要否が「不要」から「必要」となったタイミングで、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aまたは管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶された好きな分野(興味のある分野)を参照し、チャンネルの自動切替が実行される。参照する好きな分野は、ユーザの自己申請によるものか、または自動判定によるものであり、いずれを優先するかのユーザの選択が記憶されているので、その選択に従う。この場合も、チャンネルの自動切替が実行されると、チャンネル自動切替の要否は、「必要」から「不要」に更新される。
例えば、好きな分野を中心とするので、ユーザの好きな分野が、IT・科学分野であれば、IT・科学分野の複数のチャンネルの中で、チャンネルの自動切替を行い、IT・科学分野の全てのチャンネルを再生してしまった場合には、複数分野が混在する混成チャンネルを再生する。また、ユーザの好きな分野が、2分野以上あれば、それらの分野の全てのチャンネルが当面の切替先となり、それらの分野の全てのチャンネルを再生してしまった場合には、混成チャンネルを再生する。
本実施形態では、図5に示すように、再生管理情報が、時間帯別に作成されているので、図5の例では、9時台のスポーツ・全般(1)のチャンネルのシナリオ(シナリオID=B000000554)を再生しているときに、チャンネル自動切替の要否=「必要」となったら、9時台のスポーツ・全般(2)のチャンネルの先頭のシナリオ(シナリオID=A000004251)に自動切替で遷移するとともに、チャンネル自動切替の要否=「不要」に更新し、その後、10時台になっても、そのチャンネルの再生を続け、シナリオ(シナリオID=A000001084)を再生しているときに、チャンネル自動切替の要否=「必要」となったら、スポーツ・全般という分野のチャンネルは2つしかないので、10時台の混在(1)のチャンネルの先頭のシナリオ(シナリオID=A000000634)に自動切替で遷移するとともに、チャンネル自動切替の要否=「不要」に更新し、その後、チャンネル自動切替の要否=「必要」となるまで、そのチャンネルの再生を続ける。また、本実施形態では、チャンネル自動切替を行うときは、その時間帯の切替先のチャンネルの先頭のシナリオに遷移するが、必ずしも先頭のシナリオに遷移する必要はなく、例えば、再生順序(時間帯別)が同じか、次の番号のシナリオに遷移してもよい。さらに、再生管理情報は、時間帯別に作成されていなくてもよく、その場合でも、切替先のチャンネルの先頭のシナリオに遷移してもよく、あるいは、例えば、再生順序(時間帯別)が同じか、次の番号のシナリオに遷移してもよい。
なお、本実施形態で、図5に示すように、再生管理情報を、時間帯別に作成しているのは、図3の形態(1)において、管理サーバ60からシナリオ再生装置80へ送信するシナリオを、時間帯毎に分けて一括送信できるからである。このことは、管理サーバ60の再生管理手段61Hの説明で既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。従って、例えば、10時台には、シナリオ再生装置80は、10時台に再生される可能性のあるシナリオしか記憶していない場合(9時台以前のシナリオを削除している場合)があるので、切替後のチャネルのシナリオも、10時台のシナリオになるように自動切替が行われる。
また、図13のチャンネルの設定で、ユーザが「チャンネルを使用せずにランダムにシナリオを再生する」を選択している場合には、再生管理情報(図5参照)を使用することなく、図3の形態(1)では、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cが、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオの中から、ランダムにシナリオを抽出して再生する再生管理を行い、図4の形態(2)では、管理サーバ60のシナリオ配信手段61Aが、シナリオ記憶手段62Aに記憶されているシナリオの中から、ランダムにシナリオを抽出して配信する配信管理を行う。なお、ランダムにシナリオを抽出する際には、同じシナリオが何回も再生されてしまうことを許容してもよく、あるいは、シナリオ再生履歴を保存しておき(反応情報のログも、シナリオ再生履歴として機能する。)、再生後の1時間、3時間、6時間等の所定時間、またはその当日については、同じシナリオを再生しないようにしてもよい。また、ランダムにシナリオを抽出する際には、ユーザの好きな分野を考慮しない。本実施形態では、分野毎のチャンネル情報を含む再生管理情報(図5参照)が事前に作成されているので、ユーザの好きな分野を考慮するのであれば、再生管理情報を利用した方が、重複なくシナリオを再生できるからである。但し、事前に作成された再生管理情報(図5参照)がない場合には、ユーザの好きな分野を考慮しつつ、ランダムにシナリオを抽出する処理を行ってもよい。
以上のようにして次に再生するシナリオが決まったら、次のようにしてシナリオ再生開始前の準備を行う。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成:シナリオ再生開始前の準備>
シナリオ再生手段81Cは、シナリオの再生を開始する前に、先ず、取得シナリオ記憶手段82Bから、次に再生するシナリオを取得し、そのシナリオの再生管理を行うために、そのシナリオを再生中情報記憶手段82E(図5の下部を参照)に記憶させる。このように取得シナリオ記憶手段82Bから再生中情報記憶手段82Eへのシナリオのコピーを行うのは、同じシナリオ再生装置80において、同じシナリオを別のユーザが再生することもあるので、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオのデータを、再生の進行管理のために直接に書き換えること(例えば、文の内容を伝達したか否かの情報を更新すること)はできないからである。
図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルには、ユーザIDと関連付けて、再生中のシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)が記憶される。これらを参照することで、再生管理情報のテーブルのどの位置のシナリオを再生しているのかを把握することができ、また、現在のチャンネルで次に再生される予定のシナリオや、チャンネル自動切替における切替先のチャンネルの決定後にその切替先のチャンネルで次に再生される予定のシナリオを把握することができる。
この際、図3に示す形態(1)の場合には、取得再生管理情報記憶手段82Dに記憶されている再生管理情報(図5参照)を用いて、シナリオ再生手段81Cによる再生管理が行われるので、シナリオ再生手段81Cが、再生管理情報から次に再生するシナリオについてのシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を取得し、これらを全体進行管理テーブルに記憶させる。一方、図4に示す形態(2)の場合には、取得再生管理情報記憶手段82Dは使用されず(管理サーバ60からの再生管理情報の取得は行われず)、管理サーバ60の再生管理情報記憶手段62Fに記憶されている再生管理情報(図5参照)を用いて、管理サーバ60のシナリオ配信手段61Aによる配信管理が行われるので、シナリオ再生手段81Cは、管理サーバ60から次に再生するシナリオとともに取得されて取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオID、チャンネル番号、再生順序(時間帯別)を、全体進行管理テーブルに記憶させる。
また、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルには、ローカル反応解析手段81Fによる反応解析結果である多情報提示条件の成否フラグ(所定の直近の期間の反応情報を用いて判定された、ユーザが多情報の提示を必要としているか否かの判定結果)が記憶されている。この多情報提示条件の成否フラグは、条件を満たさなくなった時点で、ローカル反応解析手段81Fにより、成立(=1)から不成立(=0)に書き換えられる。この書き換えは、シナリオ再生中でも行われるので、シナリオ再生手段81Cは、シナリオ再生終了後のみならず、シナリオ再生中も、多情報提示条件の成否フラグの監視を行う。このため、シナリオ再生手段81Cは、シナリオの途中から、若しくは次に再生するシナリオから、多情報提示条件の成否に応じたシナリオ再生を行うことができる。
そして、多情報提示条件の成否フラグの状態は、所定の直近の期間の反応情報を用いた判定結果であり、例えば、その日や、その時点における気分・興味等のように、直近のみのユーザの傾向なので、管理サーバ60ではなく、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより判定している。すなわち、比較的長期間に渡る傾向の分析であれば、同じユーザによる複数のシナリオ再生装置80での反応情報を集約することが好ましいので、管理サーバ60による反応解析処理を行うことになるが、その必要がない比較的短期間の傾向分析を行う。従って、ユーザの属性のような恒常的なものではないので、例えば、シナリオ再生装置80の電源をOFFにしたり、翌日になると、判定結果がクリアされるようにしてもよい。なお、電源をONにしたままでも、あるいは同じ日でも、上述したように、多情報提示条件を満たさなくなれば、多情報提示条件の成否フラグは、ローカル反応解析手段81Fにより、成立(=1)から不成立(=0)に書き換えられるので、標準的な再生に戻る。
さらに、チャンネルの切替の要否は、シナリオの再生終了後に、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aまたは管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶されたチャンネル自動切替の要否を参照して決めればよいが、シナリオの再生終了前に、切替の要否判断を行ってもよく、その場合には、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに、切替予定の次のチャンネル番号が記憶される。NULLは、切替なしである。本実施形態では、切替先のチャンネルの時間帯毎の先頭のシナリオに遷移するので、次のチャンネル番号があれば、次に再生される予定のシナリオが定まる。
また、シナリオ再生手段81Cは、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aに記憶されている(管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bにも記憶されている)親密度やユーザタイプ(図13参照)を取得する。そして、取得した親密度に応じて、隣接する文節を連続再生する際の文節間の時間間隔(いわゆる間(ま))の調整、発話速度の調整、または口調の調整のうちの少なくとも1つの調整(本実施形態では、段階的に用意された調整値の選択)を行い、それらの調整値を、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶させる。また、取得したユーザタイプに応じて、副計画要素を主計画要素とみなすことによる発話情報量の調整、隣接する文節を連続再生する際の文節間の間(ま)の調整、発話速度の調整、またはコンテンツ以外の情報から生成した雑学用の副計画要素を主計画要素とみなすことによるトリビア挿入頻度調整若しくはその他の発話戦略の使用頻度の調整のうちの少なくとも1つの調整(本実施形態では、段階的に用意された調整値の選択)を行い、それらの調整値を、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶させる。なお、図5では、発話情報量の調整値、トリビア挿入頻度の調整値、その他の発話戦略の使用頻度の調整値の記載は省略されている。また、親密度に応じた調整と、ユーザタイプに応じた調整とが、異なる結果になる場合は、いずれを優先するかを決めておけばよい。同様に、前述した多情報提示条件の成否フラグの状態(所定の直近の期間の反応情報を用いて判定された、ユーザが多情報の提示を必要としているか否かの判定結果)と、上記のユーザタイプに基づく発話情報量の調整値とが、異なる場合も、直近の状態を優先するか、常態(平均的な状態)を優先するかの相違であるから、いずれを優先するかを決めておけばよい。
さらに、シナリオ再生手段81Cは、次に再生するシナリオを、図5の再生中情報記憶手段82Eのシナリオ進行管理テーブルにコピーし、そのシナリオを構成する各要素(図7の例では、各文)について、未伝達から伝達済への更新を行いながら、シナリオを再生していく。これにより、シナリオ内のどこを再生しているのかを把握することができ、次に再生する発話節(再生節)を把握することができる。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成:シナリオ再生の進行>
図11には、シナリオ再生とユーザの反応との関係の具体例が示されている。この例は、図7に示すシナリオ(音声で再生されるシナリオ)を、図5の下部に示された再生中情報記憶手段82Eのシナリオ進行管理テーブルに記憶させてシナリオ再生を進行させている例である。
シナリオ再生手段81Cは、先ず、図7および図11に示すように、「α社が3DS向けにSuicaとかと連携するゲームソフトを開発してるらしいよ」という発話節(文章ID=1、段落ID=1、文ID=1における発話節ID=1)の合成音声ファイル(1−1−1−1.wav)を、口語表現のカラムのデータ(図7参照)を用いて自動生成し、再生する。
上記の音声合成処理では、シナリオ再生手段81Cは、図7のシナリオ内に記憶されている文節間の間(ま)を用いて、合成音声ファイルを生成するが、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されている間(ま)の調整値(反応情報を用いた反応解析結果に応じた調整値)に従って、文節間の間(ま)を調整してから合成音声ファイルを生成する。例えば、間(ま)の調整値が「長」になっている場合には、シナリオ内に記憶されている文節間の間(ま)の秒数が大きくなるように調整し、「短」になっている場合には、文節間の間(ま)の秒数が小さくなるように調整し、「標準」になっている場合には、文節間の間(ま)の秒数をそのままとする。
また、シナリオ再生手段81Cは、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されている発話速度の調整値(反応情報を用いた解析結果に応じた調整値)に従って、システム音声出力の発話速度を調整する。例えば、発話速度の調整値が「速い」、「標準」、「遅い」になっている場合には、それらに対応する発話速度で再生する。
さらに、シナリオ再生手段81Cは、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されている口調の調整値(反応情報を用いた反応解析結果に応じた調整値)に従って、シナリオの中に幾つか用意された口語表現を選択し、合成音声ファイルを生成する。例えば、口調の調整値が、伝聞口調・断定口調を使い分ける「標準」、伝聞口調だけの「伝聞」、断定口調だけの「断定」、ですます調だけの「敬体」等になっている場合には、それらに対応する口語表現を選択して合成音声ファイルを生成する。なお、選択される各々の口語表現の中においても、様々な口調が混在した状態になっている。より具体的には、例えば、伝聞口調には、「らしいよ」、「んだって」、「んだってさ」、「そうだよ」、「らしい」、「みたい」等があるので、シナリオ生成の際に、これらの中からランダムに口調を選択し、同じ口調が連続しないように各々の口語表現が生成されている。
また、シナリオ再生手段81Cは、図5での図示は省略されているが、再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されている発話情報量の調整値(反応情報を用いた反応解析結果に応じた調整値)に従って、副計画要素を主計画要素とみなすことによる発話情報量の調整を行ってシナリオ再生を実行する。
さらに、シナリオ再生手段81Cは、図5での図示は省略されているが、再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されているトリビア挿入頻度の調整値や、その他の発話戦略の使用頻度の調整値(反応情報を用いた反応解析結果に応じた調整値)に従って、トリビア挿入等を行いながらシナリオ再生を実行する。
また、シナリオ再生手段81Cは、図5の再生中情報記憶手段82Eの全体進行管理テーブルに記憶されている多情報提示条件の成否フラグを参照し、多情報提示条件が成立している場合には、次の(1)、(2)のうち、いずれかのシナリオ再生処理を実行する。(1)は、再生中のシナリオの途中から、または次に再生するシナリオから、副計画要素の全部または一部を、主計画要素とみなして再生する処理である。(2)は、次に再生するシナリオから、シナリオ生成装置40のシナリオ生成手段41Bにより同一のコンテンツまたは同一の同主題コンテンツ群から生成された主計画要素の数が異なる複数のシナリオのうち、再生中のシナリオよりも主計画要素の数が多いシナリオを選択して再生する処理である。
そして、シナリオ再生手段81Cは、発話節の再生終了直後に、または再生中に、ユーザの反応情報を取得する。発話節の再生終了直後の取得は、ユーザの反応情報を取得するための基準位置での取得であり、発話節の再生中の取得は、割込み反応の取得である。これらの基準位置や割込みについては、図7、図9、図11を用いたコンテンツ評価手段21Fの説明で既に詳述しているので、ここでは詳しい説明を省略する。
再生中の発話節のどの位置で割込み反応があっても、また、発話節の再生終了直後の基準位置で反応があっても、同じ内容の反応であれば、同じ内容のシステム応答となる。例えば、「α社って、どんな会社なの?」というユーザ反応(質問)が、上記のどこで得られても、システムは、「α社は、…」という同じ定義型質問応答(副計画要素の再生)を行う。
割込み反応に対して「α社は、…」という定義型質問応答を行った後に、主計画要素のシステム出力を再開する位置の設定は、任意であり、例えば、図11の点線で示すように、割込み反応があった文節から2つ前の文節に戻って再生してもよく、発話節の最初に戻って再生してもよく、あるいは、図11の実線で示すように、割込み反応があった文節から再生してもよい。副計画要素の発話節の再生中に、割込み反応があり、その割込み反応に対するシステム応答を行った後に、元の副計画要素の再生に戻る場合も同様である。
また、発話節(主計画要素)の再生終了直後の基準位置で反応があり、それに対し、反応内容に応じた副計画要素を探し、探した副計画要素の再生を行った後に、別の主計画要素の再生を行う場合は、次の発話節(主計画要素)が既に再生されていない限り、次の発話節を再生する。なお、音声対話の流れによっては、次の発話節が既に再生されている場合、すなわち主計画要素の再生順序が予定通りになっていない場合もあり、そのような場合を許容するか否かも選択設定することができる。
また、図11の右側部分に示すように、副計画要素の再生中の割込み反応や、副計画要素の再生終了直後の反応に対するシステム応答として別の副計画要素を再生することがあるので、副計画の再生は階層的になることがあるが、その他に、副計画要素の再生中の割込み反応や、副計画要素の再生終了直後の反応に対し、適切なシステム応答がシナリオ内で見つからない場合には、シナリオ再生手段81Cは、シナリオ内に用意していない計画外の回答データを、ネットワーク1に接続された特定のサイト(シナリオ再生装置80にアクセス先として予め登録されているオンラインサイト)からリアルタイムで取得し、再生することができる。また、主計画要素の再生中の割込み反応や、主計画要素の再生終了直後の反応に対し、適切なシステム応答がシナリオ内で見つからない場合も同様であり、計画外の回答データを特定のサイトからリアルタイムで取得して再生する。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成:特定区域モードでのシナリオ再生>
シナリオ再生手段81Cは、一般モードおよび特定区域モード(図6参照)でのシナリオ再生を実行する。一般モードは、シナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)が、どこにあるときでも適用可能なモードであるのに対し、特定区域モードは、シナリオ再生装置80が、例えば、博物館内、遺跡等の観光地内、遊園地内、公園内、サファリパーク内等の特定区域内(図6参照)にあるときに適用可能なモードである。従って、博物館内を歩行移動するユーザに対し、シナリオ再生で展示物を紹介する場合、観光地や遊園地や公園内を徒歩、自転車、自動車で移動するユーザに対し、シナリオ再生で、お店やアトラクション等を紹介する場合、サファリパーク内を自動車で移動するユーザに対し、シナリオ再生で動物を紹介する場合等に、特定区域モードを適用することができる。
図13に示すように、ユーザは、再生モードの設定を行うことができ、「一般モードのみの再生」を選択した場合は、一般モードのみのシナリオ再生が行われるので、特定区域(特定区域モード適用エリア)内に入った場合でも、特定区域モードのシナリオ再生は行われず、一般モードのシナリオ再生が続行される。「特定区域モードのみの再生」を選択した場合は、一般モードのシナリオ再生は行われないので、シナリオ再生装置80は、博物館内等の特定区域内に入った場合にのみ使用される。「特定区域モードへの自動切替再生」を選択した場合は、シナリオ再生装置80が博物館内等の特定区域内に入ったことを検出したときに(エリア判定手段81Hにより特定区域内に入ったと判定したときに)、一般モードから特定区域モードへの自動切替が行われ、特定区域モードのシナリオが再生される。「一般モード・特定区域モードの手動切替」を選択した場合は、ユーザが自分で特定区域モードへの切替操作(音声操作でもよい)を行わない限り、特定区域内に入っても、一般モードのシナリオ再生が続き、一旦、特定区域モードに切り替えた後に、特定区域外へ出たときは、ユーザが自分で一般モードへの切替操作(音声操作でもよい)を行わない限り、何らのシナリオ再生も行われない状態となる。
シナリオ再生手段81Cは、シナリオ再生装置80が博物館内等の特定区域内に入ったときには、エリア判定手段81Hにより特定区域内に入ったと判定されるので、その判定結果(入った特定区域についての特定区域IDを含む)を受け取り、上記の再生モードの設定(図13参照)を参照し、特定区域モードのシナリオ再生を行う設定になっている場合には、特定区域モードのシナリオを再生する。特定区域モードのシナリオは、図6に示すように、シナリオIDの左から1桁目が「T」になっているシナリオであり、一般モードのシナリオと区別されている。特定区域モードのシナリオは、特定区域内のスポット毎に生成されている。例えば、博物館内の展示物毎に、観光地内や遊園地内等のお店やアトラクション毎に、サファリパーク内の動物毎に生成されている。なお、1つのコンテンツ(例えば博物館内の展示物の説明文書等)から特定区域モードの複数のシナリオが生成される点は、一般モードのシナリオと同様である。
但し、シナリオ再生装置80が博物館内等の特定区域内に入ったときでも、シナリオ再生装置80が、幾つかあるシナリオ再生区域(図6参照)のうちのいずれかの内側に入らない限り、シナリオの再生は行われない。なお、特定区域と各シナリオ再生区域との関係や、それらとシナリオの再生開始や再生終了のタイミングとの関係については、図6を用いて後述するエリア判定手段81Hの説明で詳述するため、ここでは詳しい説明を省略する。
また、シナリオ取得手段81Bによる管理サーバ60からの特定区域モードのシナリオの取得は、エリア判定手段81Hにより特定区域に入ったと判定され、入った特定区域が判った段階で、その特定区域についての特定区域IDを用いて、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aから、当該特定区域に属する全てのシナリオを取得してもよく、エリア判定手段81Hによりシナリオ再生区域のいずれかに入ったと判定され、入ったシナリオ再生区域に対応するシナリオが判った段階で、そのシナリオについてのシナリオIDを用いて、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aから、当該シナリオを取得してもよい。
なお、本実施形態では、図6に示すように、特定区域IDは、「T」が先頭となっている特定区域モードのシナリオの左から6〜7桁目に含まれている。また、特定区域モードのシナリオの左から8〜10桁目は、シナリオで説明される特定区域内のスポット(例えば、博物館内の展示物、観光地内や遊園地内等のお店やアトラクション、サファリパーク内の動物等)に対応する番号となっている。
そして、シナリオ再生手段81Cは、移動速度取得手段81Gにより取得した移動速度に応じて、シナリオ生成装置40のシナリオ生成手段41Bにより同一のコンテンツまたは同一の同主題コンテンツ群から生成された主計画要素の数が異なる特定区域モードの複数のシナリオのうちの1つを選択して再生するか、または、副計画要素の全部または一部を、主計画要素とみなして特定区域モードのシナリオを再生する処理を実行する。
すなわち、シナリオ再生手段81Cは、シナリオ再生装置80の移動速度が速い場合には、主計画要素の数が最も少ない特定区域モードのシナリオを再生する。そして、移動速度が普通の場合、移動速度が遅い場合(ゼロを含む)となるに従って、再生するシナリオの主計画要素の数が多くなっていく。なお、本実施形態では、図6に示すように、移動速度区分は、「速い」、「普通」、「遅い」の3区分であるが、区分の数は、2区分でもよく、4区分以上でもよい。
また、特定区域モードのシナリオ再生では、スポット(展示物、お店等)の周辺に形成されたシナリオ再生区域を通過する時間が問題となる。シナリオ再生区域を通過する時間内に、シナリオの再生を終了させたいからである。従って、時間、すなわち、距離を移動速度で除した値が問題となるので、シナリオ再生区域の大きさ(ユーザが通過する部分の距離)と、移動速度の数値との相対関係が重要であり、移動速度の数値の大小だけに着目しても意味がない。例えば、広大なシナリオ再生区域を自動車で通過する場合と、狭いシナリオ再生区域を徒歩で通過する場合とで、通過時間が同じであれば、再生時間長が略同じになるシナリオ(主計画要素の数が同じシナリオ)を再生すればよく、これらの場合の移動速度区分は、同じにすべきだからである。よって、移動速度の数値の大きい自動車だからといって、移動速度区分=「速い」に該当するわけではなく、移動速度の数値の小さい徒歩だからといって、移動速度区分=「遅い」に該当するわけでもない。
このため、本実施形態では、スポット(展示物、お店等)の周辺に形成されたシナリオ再生区域の大きさ(ユーザが通過する部分の距離)に応じ、シナリオ再生区域毎に(スポット毎に)、移動速度区分=「速い」、「普通」、「遅い」のそれぞれが意味する移動速度の数値の範囲を設定する。ある1つの特定区域内で、各シナリオ再生区域の大きさが略同じになる場合は、移動速度区分=「普通」に対応する移動速度の数値の範囲は、各シナリオ再生区域(各スポット)で同じとなる。一方、特定区域Xのシナリオ再生区域と、特定区域Yのシナリオ再生区域との大きさが全く異なる場合は、移動速度区分=「普通」に対応する移動速度の数値の範囲は、特定区域Xと特定区域Yとで全く異なるものとなる。例えば、広大な敷地の観光地を自動車で走る場合の特定区域Xでは、シナリオ再生区域が大きいので、移動速度区分=「普通」は、例えば30〜60km/h等と設定され、狭い博物館を徒歩で回る場合の特定区域Yでは、シナリオ再生区域が小さいので、移動速度区分=「普通」は、例えば1〜2m/s(3.6〜7.2km/h)等と設定され、同じ「普通」という移動速度区分であっても、移動速度の数値の範囲は、全く異なるものとなる。なお、この本実施形態の設定方法では、自動車、徒歩の別は、考慮しなくてよい。従って、広大な敷地の観光地(特定区域X)を歩いた場合は、30km/h未満なので、移動速度区分=「遅い」と判定され、主計画要素の数が多い特定区域モードのシナリオが再生される。一方、狭い博物館(特定区域Y)内を自動車で走った場合には、2m/s(7.2km/h)以上なので、移動速度区分=「速い」と判定され、主計画要素の数が最も少ない特定区域モードのシナリオが再生される。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/シナリオ再生手段81C、反応取得手段81Dの構成:広告コンテンツ用のシナリオの再生>
シナリオ再生手段81Cは、一般コンテンツ用のシナリオの再生の前後のタイミングで(但し、前後のタイミングの全てではない。)、(1)当該一般コンテンツ用のシナリオを構成する主計画要素若しくは副計画要素と類似する主計画要素若しくは副計画要素を有する広告コンテンツ用のシナリオを再生する類似広告再生処理と、(2)ユーザの好きな分野、性別、年齢、居住地域、職業、若しくはその他のユーザの属性に対応する属性を有する広告コンテンツ用のシナリオを再生する属性合致広告再生処理と、(3)これらの類似広告再生処理および属性合致広告再生処理の双方の再生要件を満たす広告コンテンツ用のシナリオを再生する類似・属性合致広告再生処理とを実行する。
本実施形態では、上記の(1)〜(3)の処理は、管理サーバ60の再生管理手段61Hにより作成された再生管理情報(図5参照)に従うことにより実現される。図3の形態(1)では、この再生管理情報に従って、シナリオ再生装置80側で再生管理が行われ、図4の形態(2)では、この再生管理情報に従って、管理サーバ60側で配信管理が行われるが、いずれの場合も、再生管理情報に従ってシナリオ再生が行われることに変わりはない。また、この再生管理情報の作成では、管理サーバ60の広告解析手段61Gによる解析結果(一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとの関連付けの結果)を用いる。再生管理情報の作成については、図5を用いて再生管理手段61Hの説明で、広告解析については、広告解析手段61Gの説明で、既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。
なお、シナリオ再生手段81Cに、管理サーバ60の再生管理手段61による再生管理情報の作成機能を持たせてもよく、あるいは、それに加えて、管理サーバ60の広告解析手段61Gによる広告解析機能を持たせてもよい。この場合、シナリオ取得手段81Bにより管理サーバ60のシナリオ記憶手段61Aから取得して取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)の範囲内で、シナリオ再生手段81Cが、事前に広告解析を行い、事前に再生管理情報を作成するか、あるいはそれらの処理の一部を、リアルタイムで行うことになる。シナリオ再生装置80側にも、管理サーバ60の再生管理手段61Hや広告解析手段61Gに相当する手段が設けられていると考えてもよい。
また、上記の場合、シナリオ取得手段81Bは、管理サーバ60のシナリオ記憶手段61Aに記憶されたシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)の一部だけを取得してもよく、全部を取得してもよい。一部だけを取得する場合は、例えば、シナリオ再生装置80を使用するユーザの設定に合致するシナリオだけを取得してもよい。
さらに、シナリオ再生手段81Cは、前述した(1)類似広告再生処理、(2)属性合致広告再生処理、(3)類似・属性合致広告再生処理の他に、(4)時刻、シナリオ再生装置80の位置情報、シナリオ再生装置80が移動体である場合(従って、それを操作するユーザが移動する場合)の移動手段の種別(自動車内(自家用車内、タクシー内)、電車内、路線バス内、飛行機内、船内等の別)、またはこれらの組合せに依存する状況依存広告再生処理を実行してもよい。
ここで、時刻は、シナリオ再生を実行する際の現在時刻であり、年月日、時分秒、曜日、休日(土日および祝日、または週末)・平日の別、早朝・午前・午後・昼頃・夕方・夜間等の時間帯、正月・お盆・お彼岸・ゴールデンウィーク・年末・年度末・月末等の時期といった様々な時間要素を含む概念である。シナリオ再生装置80の位置情報は、シナリオ再生を実行する際の現在位置情報であり、シナリオ再生装置80(従って、ユーザ)の現在位置が、対象の広告シナリオを再生する領域(広告シナリオ再生領域)に入っているか否かの判定処理に用いられる。この位置情報は、シナリオ再生装置80に設置されたGPSモジュール等の位置情報取得手段(不図示)により取得される位置情報であるが、位置情報の取得については、後述する移動速度取得手段81Gで言及する位置情報の取得の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明を省略する。移動手段の別は、ユーザの自己設定とするか、またはその際に移動速度や移動地域からの自動判定結果による設定補助を加えるか、あるいはシナリオ再生装置80が最初から保有している情報(例えば、車載機器であれば、工場出荷時や購入時等のように最初から設定されている情報)としてもよい。例えば、昼頃(時刻の情報)に車(移動手段の情報)で移動しているユーザに対し、付近のレストラン(位置情報)の広告シナリオを再生することができる。
時刻、シナリオ再生装置80の位置情報、シナリオ再生装置80を搭載している移動手段の種別、またはこれらの組合せに依存して再生する広告シナリオは、シナリオ再生装置80のシナリオ取得手段81Bにより、時刻の条件利用の有無を示す情報、位置情報、移動手段を、ユーザIDとともに管理サーバ60へ送信し、管理サーバ60のシナリオ配信手段61Aが、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aから、条件に該当する広告シナリオを抽出し、抽出した広告シナリオを、ユーザIDとともにシナリオ再生装置80へ送信することにより、シナリオ再生装置80の取得シナリオ記憶手段82Bに記憶される。時刻については、シナリオ再生装置80のシステム時刻を用いてもよく(この場合には、時刻も管理サーバ60へ送信する。)、管理サーバ60のシステム時刻を用いてもよい。従って、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aには、広告シナリオと関連付けられた状態で、その広告シナリオを再生する時刻の情報、位置情報(広告シナリオ再生領域を定めるフェンス情報、またはその中心位置の情報)、および移動手段の情報が記憶されている。
また、シナリオ再生手段81Cは、一般シナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ)内に、広告要素である副計画要素、または、広告要素を一部に含む副計画要素が用意されている場合において、その広告要素が、時刻、シナリオ再生装置80の位置情報、シナリオ再生装置80を搭載している移動手段の種別、またはこれらの組合せに依存する広告要素であるときには、条件を満たすか否かを判定し、満たした場合には、その副計画要素を主計画要素とみなして再生してもよい。従って、この場合には、シナリオ内に、広告要素である副計画要素、または、広告要素を一部に含む副計画要素と関連付けられた状態で、その広告要素を再生する時刻の情報、位置情報(広告シナリオ再生領域を定めるフェンス情報、またはその中心位置の情報)、および移動手段の種別の情報が記憶されている。例えば、昼頃に再生する広告要素である、広告主のレストランの付近に来たら再生する広告要素である、車で移動しているときに再生する広告要素である等の情報が、シナリオ内に記憶されている。なお、これらの情報は、シナリオ内に記憶するのではなく、シナリオと関連付けて記憶する外部データとしてもよい。
さらに、シナリオ再生手段81Cは、一般シナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ)内に、広告要素を含まない副計画要素と、広告要素を一部に含む副計画要素とが対応した状態で配置されている場合において、その広告要素が、時刻、シナリオ再生装置80の位置情報、シナリオ再生装置80を搭載している移動手段の種別、またはこれらの組合せに依存する広告要素であるときには、条件を満たすか否かを判定し、満たした場合には、広告要素を含まない副計画要素に代えて、広告要素を一部に含む副計画要素を再生する差替再生処理を実行してもよい。
そして、シナリオ再生手段81Cは、以上のような広告シナリオや広告要素を再生する場合に限らず、すなわち、シナリオやその構成要素の内容を問わず、再生時における時刻および/またはシナリオ再生装置80の位置情報を用いて、当該時刻および/または当該位置情報が、予め定められた条件を満たすか否かを判定し、その判定結果に従って、シナリオ生成装置40のシナリオ生成手段41Bにより同一のコンテンツまたは同一の同主題コンテンツ群から生成された主計画要素の数が異なる複数の前記シナリオのうちの1つを選択して再生するか、または、副計画要素の全部または一部を、主計画要素とみなしてシナリオを再生する処理を実行してもよい。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/反応送信手段81Eの構成>
反応送信手段81Eは、シナリオ再生手段81Cにより取得されて反応記憶手段82Cに記憶されているユーザの反応情報を、ユーザIDおよびシナリオID等とともに、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する処理を実行するものである。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/ローカル反応解析手段81Fの構成>
ローカル反応解析手段81Fは、反応記憶手段82Cに記憶されているユーザの反応情報を用いて、ユーザ単位の傾向またはその他の情報を分析し、得られた反応解析結果を、ユーザIDと関連付けてユーザ設定記憶手段82A(図13参照)または再生中情報記憶手段82E(図5参照)に記憶させる反応解析処理を実行するものである。
具体的には、ローカル反応解析手段81Fは、反応記憶手段82Cに記憶されているユーザから取得した予め定められた直近の期間の反応情報を用いて、当該ユーザが多くの情報提示を必要としていることを示す多情報提示条件を満たすか否かを判定し、その判定結果を、再生中情報記憶手段82E(図5参照)に記憶させる反応解析処理を実行する。
ここで、「直近の期間」は、例えば、この10分以内(判定時点までの10分以内)、この30分以内、この1時間以内、この3時間以内、この6時間以内、この12時間以内、当日、今週等の予め定められた期間である。ユーザが設定した期間としてもよく、その場合には、ユーザ設定記憶手段82A(図13参照)に、直近の期間を記憶させておけばよい。直近の期間の傾向分析であるため、比較的短い期間を設定することが好ましい。
この多情報提示条件の成否判定は、ユーザが多くの情報提示を必要としているか否かの判定であり、例えば、ユーザが定義型質問等の質問や、計画外の回答データによるシステム応答を要する反応を多発している場合等に、多情報提示条件が成立する。このため、例えば、判定対象のユーザが直近の期間内に再生したシナリオの各主計画要素や各副計画要素に対する反応情報の中に含まれる質問等の合計数や、反応情報の総数に占める質問等の割合が、閾値以上であるか否かを判定する。なお、ユーザの反応発話量の多少は、おしゃべり・無口というユーザタイプの判定に使用される。反応発話量が多くても、多くの情報を欲しているとは限らないからである。
また、ローカル反応解析手段81Fは、反応記憶手段82Cに記憶されているユーザの反応情報を用いて、管理サーバ60の反応解析手段61Cと同様な反応解析処理を実行してもよい。但し、管理サーバ60の反応解析手段61Cとは異なり、判定対象のユーザが、他のシナリオ再生装置80でシナリオ再生を行っていた場合の反応情報は反映されない。
例えば、ローカル反応解析手段81Fは、再生中のチャンネル内の各シナリオに対してユーザが興味を示しているか否かによるチャンネル自動切替の要否判定、ユーザの好きな分野(興味のある分野)の判定、ユーザの知識レベルの判定、システムとユーザとの親密度の判定、ユーザタイプの判定を行い、その判定結果を、ユーザIDと関連付けてユーザ設定記憶手段82A(図13参照)に記憶させる処理を実行してもよい。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/移動速度取得手段81Gの構成>
移動速度取得手段81Gは、特定区域モード(図6参照)でのシナリオ再生を行う場合に、シナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)の移動速度を取得する処理を実行するものである。なお、分離型のシナリオ再生装置80Aの本体85が固定位置にあるか、移動体であるかは、特定区域モードでのシナリオ再生には無関係である。但し、分離型のシナリオ再生装置80Aの本体85と各入出力端末86とが常に近い位置にあり、本体85の位置を各入出力端末86の位置とみなすことができる場合には、本体85の移動速度を、入出力端末86の移動速度として代用することができる。例えば、サファリパーク内をバスで移動し、バスの各乗客(各ユーザ)が各入出力端末86を使用する場合に、バスの大きさが、サファリパーク内に分散配置された各スポット(各動物またはそれらの生息場所や飼育場所)の周囲に形成されたシナリオ再生区域の大きさに比べて小さければ、バスに設置された本体85の移動速度を、各乗客(各ユーザ)の入出力端末86の移動速度として代用することができる。
具体的には、移動速度取得手段81Gは、大別すると2タイプあり、移動体であるシナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)に計測器を設置するタイプと、外部から移動体であるシナリオ再生装置80の移動速度を計測し、その計測結果をシナリオ再生装置80へ伝達するタイプとがあるが、いずれのタイプのどのような計測方式のものでもよい。
前者のタイプの移動速度取得手段81Gには、例えば、移動体であるシナリオ再生装置80が自動車に搭載された車載機器である場合における自動車の速度計、自転車に取り付けた機器である場合における自転車の速度計、歩行者が携行する機器である場合における歩行速度計等があり、さらに、移動体であるシナリオ再生装置80に設置した加速度センサの出力を用いて移動速度を計算する手段、シナリオ再生装置80に設置したGPS受信機で受信したGPS信号により得られる位置情報(位置情報取得手段により取得した位置情報)を用いて移動速度を計算する手段、特定区域(特定区域モード適用エリア)内の各所に設置された発信機器130(図6参照)から受信するビーコン信号等やそれらの信号の強弱により自分の位置を特定し、特定した位置情報を用いて移動速度を計算する手段、ピトー管を用いた対気速度の計測手段等がある。
後者のタイプの移動速度取得手段81Gには、特定区域内の各所に設置されたレーザードップラー速度計により、非接触でシナリオ再生装置80またはそれを使用するユーザの移動速度の計測を行い、その計測結果をシナリオ再生装置80へ無線で伝達する手段、特定区域内の各所に設置されたレーザ式のセンサにより、非接触でシナリオ再生装置80またはそれを使用するユーザの通過を検知し、通過時刻およびセンサ配置間距離を用いて移動速度を計算し、その計算結果をシナリオ再生装置80へ無線で伝達する手段、特定区域内の通路等の歩行場所に敷き詰められた歩行速度測定用マットにより、シナリオ再生装置80を使用するユーザの歩行速度を測定し、その測定結果をシナリオ再生装置80へ無線で伝達する手段、特定区域内の各所に設置されたカメラの映像を解析してシナリオ再生装置80またはそれを使用するユーザの移動速度を計算し、その計算結果をシナリオ再生装置80へ無線で伝達する手段等がある。
<シナリオ再生装置80/処理手段81/エリア判定手段81Hの構成>
エリア判定手段81Hは、シナリオ再生手段81Cにより特定区域モード(図6参照)でのシナリオ再生を行う場合に、シナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)が、特定区域(特定区域モード適用エリア)内に入ったか否かを判定する特定区域イン判定処理、および各シナリオ再生区域のいずれかの内部に入ったか否かを判定するシナリオ再生区域イン判定処理を実行するものである。
ここで、特定区域は、シナリオ再生手段81Cの説明でも述べた通り、例えば、博物館、美術館、観光地、遊園地、公園、動物園、サファリパーク等であり、各シナリオ再生区域は、特定区域内に配置された各スポット(例えば、博物館内や美術館内等の展示物またはその位置、観光地内や遊園地内や公園内等のお店やアトラクション等またはその位置、動物園内の動物またはその位置、サファリパーク内の動物またはその生息場所や飼育場所等)の周囲に形成されてスポットに関する説明や宣伝広告等のためのシナリオを再生する区域である。なお、本願においてスポットというときは、博物館内の展示物やサファリパーク内の動物等の見聞きの対象物を指す場合と、それらの位置を指す場合とがある。
特定区域イン判定処理は、一般モードから特定区域モードへの自動切替のために実行される。エリア判定手段81Hにより、特定区域(特定区域モード適用エリア)から出たか否かを判定する特定区域アウト判定処理を実行してもよい。
シナリオ再生区域イン判定処理は、シナリオの再生開始のタイミングを制御するために実行される。エリア判定手段81Hにより、シナリオ再生装置80がシナリオ再生区域から出たか否かを判定するシナリオ再生区域アウト判定処理を行い、シナリオの再生終了のタイミングを制御してもよい。シナリオ再生区域アウト判定処理を行わない場合には、シナリオの再生終了のタイミング制御は行われないので、仮に、シナリオの再生が終了しないうちに、シナリオ再生区域外に出てしまったときでも、シナリオ再生が続行されることになる。既に見聞きしているスポット(展示物等)の記憶は残っているので、その説明が途中で打ち切られることなく続行されれば、スポットの理解の補助になることがある。但し、その状態で次のシナリオ再生区域に入れば、次のシナリオの再生が開始される。
なお、特定区域と、各シナリオ再生区域とを区別しなくてもよく、この場合は、各シナリオ再生区域の集合が、特定区域(特定区域モード適用エリア)となる。従って、特定区域イン判定処理と、シナリオ再生区域イン判定処理とは、同じ処理となり、2段構えのイン判定処理は行われない。
具体的には、エリア判定手段81Hは、特定区域イン判定処理では、シナリオ再生装置80の位置情報を、ネットワーク1を介して管理サーバ60またはジオフェンシングサーバ140へ繰り返し送信し、管理サーバ60またはジオフェンシングサーバ140からネットワーク1を介して送信されてくる判定結果(特定区域に入ったか否かの判定情報および入ったと判定された特定区域についての特定区域ID)を受信し、特定区域に入った場合には、その情報(入った特定区域についての特定区域IDを含む)を、シナリオ再生手段81Cに渡す処理を実行する。
ここで、シナリオ再生装置80の位置情報は、図2に示す分散型のシナリオ再生装置80Aの場合には、入出力端末86の位置情報(例えば、入出力端末86に設置したGPS受信機で得られた緯度・経度の情報等)であるが、本体85を経由して、または入出力端末86から直接に、管理サーバ60またはジオフェンシングサーバ140へ送信される。入出力端末86からの直接送信とする場合は、エリア判定手段81Hの機能の一部が、入出力端末86側にあることになる。
一方、判定結果を受信する際は、図2に示す分散型のシナリオ再生装置80Aの場合には、最終的に判定結果が本体85(つまり、シナリオ再生手段81Cがある部分)に到達すればよいので、本体85で直接に受信してもよく、入出力端末86を経由させて本体85で受信してもよい。
また、エリア判定手段81Hは、シナリオ再生区域イン判定処理では、各スポットに対応させて設置された各発信機器130(130A,130B,130C,…)からの信号を受信し、受信した信号を用いて、シナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)が、各シナリオ再生区域のいずれかの内部に入ったか否かを判定し、入ったと判定した場合には、その判定結果(入ったシナリオ再生区域に対応するシナリオについてのシナリオIDを含む)を、シナリオ再生手段81Cに渡す処理を実行する。
ここで、発信機器130は、例えば、ビーコン信号(ブルートゥース信号:ブルートゥースは登録商標)を発信するビーコン端末、WiFi信号を発信するアクセスポイント(の構成機器)、近距離用無線ICチップ等である。近距離用無線ICチップとしては、例えば、電源が不要なパッシブ型のRFIDタグ(Radio Frequency Identification)等を採用することができ、RFIDタグの内蔵メモリに記録された情報が、発信機器80から発信される信号となる。従って、シナリオ再生装置80(図2に示す分離型のシナリオ再生装置80Aの入出力端末86、または一体型のシナリオ再生装置80B)は、ビーコン信号等のブルートゥース信号(登録商標)による近距離無線通信を行うためのブルートゥースモジュール(登録商標)や、WiFi信号による無線通信を行うためのWiFiモジュールを備えている。
また、各発信機器130から受信した信号を用いてシナリオ再生区域内に入ったか否かを判定する処理には、信号の受信の有無により、入ったか否かを判定する処理や、受信した信号の強弱により、入ったか否かを判定する処理が含まれる。従って、図6では、1つのスポットに対し、1つの発信機器130を配置した状態となっているが、1つのスポットについて複数の発信機器130を配置し、複数の発信機器130からの信号の強弱によりシナリオ再生区域内に入ったか否かを判定してもよい。
さらに、各発信機器130から受信する信号(例えば、ビーコン信号、Wi−Fi信号、RFIDタグからの信号等)には、各発信機器130に対応するスポット(例えば、博物館内の展示物や、サファリパーク内の動物等)の説明や宣伝広告等のためのシナリオについてのシナリオIDが含まれる。
また、各発信機器130から受信する信号には、シナリオIDのみならず、シナリオのデータが含まれていてもよく、この場合には、各発信機器130にシナリオが保持される期間の長短により、以下のような第1、第2のケースが考えられる。
第1のケース(各発信機器130にシナリオが比較的長期間保持されるケース)としては、発信機器130であるRFIDタグ等の近距離用無線ICチップの内蔵メモリにシナリオを記憶しておく場合や、アクセスポイントの構成機器にシナリオを記憶しておく場合がある。このケースでは、シナリオ再生装置80は、一般モードのシナリオについては、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aから取得し、特定区域モードのシナリオ(本実施形態では、シナリオIDの先頭が「T」になっているシナリオ)については、管理サーバ60ではなく、各発信機器130から取得する構成であると考えることができる。従って、各発信機器130は、本発明における管理サーバの一部であるか、または各発信機器130の中に、本発明における管理サーバの一部が含まれていると考えることができるので、管理サーバ60と、各発信機器130とで、本発明における管理サーバが構成されていることになる。そして、例えば、発信機器130がRFIDタグ等の近距離用無線ICチップである場合には、その内蔵メモリが、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aに対応し、発信機器130がアクセスポイントの構成機器である場合には、その構成機器のハードディスク等の記憶手段が、管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aに対応するものである。
第1のケースは、各発信機器130にシナリオが比較的長期間保持されるケースであるが、シナリオが更新されないということではない。例えば、展示物についての歴史的な新事実の発見、お店で販売する商品や食品の変更、動物についての子供の誕生や死亡等により、スポットについてのシナリオの内容を更新する必要が生じる場合もある。この際、発信機器130がアクセスポイントの構成機器である場合には、オンライン登録によりシナリオの内容を更新することができる。また、既に述べている通り、管理サーバ60へのシナリオ登録は、必ずしもオンライン登録である必要はなく、例えばDVDやUSBメモリ等の記録媒体で人手を介して管理サーバ60まで搬送(郵送、持参を含む)してもよいのと同様に、発信機器130であるRFIDタグ等の近距離用無線ICチップの内蔵メモリに記憶されたシナリオは、必ずしもオンライン登録されたシナリオである必要はない。
第2のケース(各発信機器130にシナリオが一時的にしか保持されないケース)としては、発信機器130であるアクセスポイントの構成機器が、管理サーバ60とネットワーク1で接続され、管理サーバ60から送信されてくるシナリオを、シナリオ再生装置80へ無線送信する場合がある。この場合、発信機器130であるアクセスポイントの構成機器は、単なる中継用の機器であるから、本発明における管理サーバの一部に該当するものではない。
そして、第1および第2のいずれのケースでも、1つのコンテンツ(例えば、博物館内の展示物の説明文書等)から生成された主計画要素の数が異なる複数のシナリオを用意したり、あるいは副計画要素の全部または一部を主計画要素とみなす処理を行えば、システム再生装置80の移動速度に応じたシナリオ再生を実現することができ、また、分野等の属性やクラスタに対応させて主計画要素の異なる複数のシナリオ(単語の重要度をコントロールして生成した複数のシナリオ)を用意しておけば、ユーザ毎にカスタマイズした状態でのシナリオ再生を実現することができる。
さらに、各発信機器130から受信する信号には、移動速度区分形成用情報を含ませてもよい。この移動速度区分形成用情報は、移動速度区分=「速い」、「普通」、「遅い」に対応する(それらの区分が意味する)移動速度の数値の範囲(例えば、30km/h以上、60km/h未満)である。移動速度区分については、シナリオ再生手段81Cの説明で既に詳述しているため、ここでは詳しい説明を省略する。この移動速度区分形成用情報は、特定区域内で共通でもよく、シナリオ再生区域毎でもよいので、前者のように共通にする場合には、各発信機器130からではなく、管理サーバ60のエリア情報記憶手段62G、またはジオフェンシングサーバ140から移動速度区分形成用情報を取得してもよい。
そして、前述したように、特定区域と、各シナリオ再生区域とを区別せずに、各シナリオ再生区域の集合を、特定区域(特定区域モード適用エリア)とする場合があるが、この場合には、エリア判定手段81Hは、シナリオ再生区域イン判定処理を、各発信機器130から受信した信号を用いるのではなく、管理サーバ60のエリア管理手段61J、またはジオフェンシングサーバ140との通信で実行してもよい。つまり、シナリオ再生区域は、各発信機器130から発信される信号で形成される区域ではなく、緯度・経度によるフェンス情報で定めた区域としてもよい。
<シナリオ再生装置80/記憶手段82/ユーザ設定記憶手段82Aの構成>
ユーザ設定記憶手段82Aは、図13に示すように、ユーザID、性別、年齢、居住地域(主たるシナリオ再生地域)、職業、好きな分野(興味のある分野)について反応解析による自動判定結果を優先するか否かの情報、自己申請による好きな分野(興味のある分野)、自動判定した好きな分野(興味のある分野)、ユーザの属するクラスタについてのクラスタ番号、自動判定した各分野におけるユーザの知識レベル、自動判定したユーザの総合的な知識レベル、自動判定したシステムとユーザとの親密度、自動判定したユーザタイプ、自己申請による好きなワード(興味のあるワード)、広告再生の設定、再生モードの設定、チャンネルの設定、固定するチャンネル(事前に、または起動時若しくはその後に選択したチャンネル)、自動判定したチャンネル自動切替の要否等を関連付けて記憶するものである。このユーザ設定記憶手段82Aには、ユーザの自己申請による情報と、管理サーバ60の反応解析手段61Cによる自動判定結果(データ連携で取得した情報)またはローカル反応解析手段81Fによる自動判定結果とが記憶される。
なお、管理サーバ60の反応解析手段61Cによりユーザが興味を示したと自動判定したシナリオに対応する原情報アクセス用データを、データ連携で取得し、ユーザ設定記憶手段82Aに記憶させてもよい。この場合には、シナリオ再生装置80が、原情報アクセス装置100として機能し得るので、図12の上部に示された原情報アクセス用データの取得形態に、管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bと、シナリオ再生装置80のユーザ設定記憶手段82Aとの間のデータ連携が追加される。これに対し、データ連携ではなく(つまり、ユーザ設定記憶手段82Aに原情報アクセス用データが記憶されていない状態で)、シナリオ再生装置80を構成するコンピュータを、原情報アクセス装置100として使用することもできるが、その場合は、物理的に同じコンピュータを使用するだけであるから、図12の上部に示された各取得形態に該当する。
<シナリオ再生装置80/記憶手段82/取得シナリオ記憶手段82Bの構成>
取得シナリオ記憶手段82Bは、シナリオ取得手段81Bにより管理サーバ60のシナリオ記憶手段62Aから取得したシナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、および広告コンテンツ用のシナリオ)を、シナリオID等と関連付けて記憶するものである。
図4の形態(2)の場合には、取得シナリオ記憶手段82Bは、シナリオおよびそのシナリオIDに関連付けてチャンネル番号、再生順序(時間帯別)も記憶する。
<シナリオ再生装置80/記憶手段82/反応記憶手段82Cの構成>
反応記憶手段82Cは、シナリオ再生手段81Cの反応取得手段81Dにより取得したユーザの反応情報(図9参照)を、ユーザIDと関連付けて記憶するものである。
<シナリオ再生装置80/記憶手段82/取得再生管理情報記憶手段82Dの構成>
取得再生管理情報記憶手段82Dは、シナリオ取得手段81Bにより管理サーバ60の再生管理情報記憶手段62Fから取得した再生管理情報(図5参照)を記憶するものである。
<シナリオ再生装置80/記憶手段82/再生中情報記憶手段82Eの構成>
再生中情報記憶手段82Eは、図5に示すように、再生中のシナリオの進行管理を行うための情報を記憶するものであり、各ユーザが再生管理情報の中のどの位置のシナリオを再生中であるのかを示す全体進行管理テーブルと、再生中のシナリオ内のどの位置を進行しているのかを示すシナリオ進行管理テーブルとを備えている。
<原情報アクセス装置100、原情報提供サーバ110の構成>
ユーザは、シナリオ再生装置80でシナリオを再生した後に、そのシナリオについて興味を持った場合には、そのシナリオの生成対象とされたコンテンツ(原情報)の内容や、そのシナリオの生成対象とされたコンテンツそのものではない関連コンテンツ(本願では、これも原情報として扱い、ターゲットと呼んでいる。)の内容を詳細に知りたいと思う場合、あるいはそれらの原情報を活用したいと思う場合がある。
また、ユーザへのサービス提供者(例えば、ホテルまたはその従業員等)は、ユーザが興味を持ったシナリオに対応する原情報(コンテンツ、ターゲット)を活用して、ユーザへのサービス提供を行いたい場合がある。
なお、シナリオの数と原情報の数との関係は、1つのシナリオが複数のコンテンツ(同主題コンテンツ群)から生成されていれば、1対多となる。また、1つのシナリオは1つのコンテンツ(例えば、映画の解説文書)から生成されているが、ターゲットである関連コンテンツ(例えば、映画そのもの)が存在する場合も、1対多となる。従って、ユーザが興味を持った1つのシナリオに対応する原情報の取得は、対応する複数の原情報の中からの選択的な取得になる場合がある。また、ユーザが興味を持ったシナリオが複数あれば、複数のシナリオに対応する複数の原情報の中からの選択的な取得になる。例えば、この1時間内、この3時間内に、あるいは本日中、昨日中、一昨日中、今週中、今月中に、興味を持ったシナリオに対応する原情報の一覧表示等(再生された時刻(年月日・時分秒)で区分けされていることが好ましい。)が行われ、その中からの選択的な取得になる。但し、対応する複数の原情報の全部または一部をダウンロードし、順番に再生、印刷等を行ってもよい。
具体的には、例えば、コンテンツが文書であり、そのコンテンツや同主題コンテンツ群(テーマが同じコンテンツの集合)により生成されたシナリオが、シナリオ再生装置80においてユーザとの音声対話形式で再生され、または文字情報の画面表示で再生された場合に、ユーザがそのシナリオの各要素(主計画要素や副計画要素)に対して興味を持ったことを示す反応をし、そのときに取得したユーザの反応情報がシナリオ再生装置80の反応記憶手段82Cに記憶され、さらに管理サーバ60により収集されて反応蓄積記憶手段62に記憶され、その反応情報を用いた反応解析手段61Cによる反応解析処理で、ユーザがそのシナリオに興味を持ったと判定されたとする。この場合、興味を持ったと判定されたシナリオの生成に使用されたコンテンツ(原情報)や同主題コンテンツ群の各コンテンツ(原情報)、あるいは関連コンテンツであるターゲット(原情報)への原情報アクセス用データが、ユーザIDと関連付けられてユーザ情報記憶手段62Bに記憶される。
また、コンテンツが映像であり、そのコンテンツにより生成されたシナリオが、シナリオ再生装置80において映像で再生された場合に、ユーザがそのシナリオの各要素(主計画要素や副計画要素)に対して興味を持った反応をしたときも、同様な処理(反応情報を用いた反応解析手段61Cによる反応解析処理を含む)を経て、原情報(コンテンツ、ターゲット)への原情報アクセス用データが、ユーザIDと関連付けられてユーザ情報記憶手段62Bに記憶される。
さらに、上記と同様な処理(反応情報を用いた反応解析手段61Cによる反応解析処理を含む)を経て、原情報(コンテンツ、ターゲット)への原情報アクセス用データが、ユーザIDと関連付けられてユーザ情報記憶手段62Bに記憶される場合には、例えば、シナリオの再生終了後に、または再生途中で、ユーザが、自ら積極的に「あとで詳細な内容を文書で読みたいな。」等の反応をし、その反応情報が反応解析手段61Cによる処理対象とされる場合、シナリオの再生終了後における「あとで詳細な内容を文書で読みたいですか?」というシステム発話に対し、ユーザが「うん。」と反応し、その反応情報が反応解析手段61Cによる処理対象とされる場合等も含まれる。要するに、いずれの場合も、収集した反応情報を用いた反応解析結果の活用が期待されるケースである。なお、シナリオの再生終了後における「あとで詳細な内容を文書で読みたいですか?」というシステム発話に対する反応情報の取得は、シナリオを構成する各要素に対する反応情報の取得ではなく、シナリオ全体に対する反応情報の取得であるといえるが、この場合に、シナリオを構成する各要素に対する反応情報として、例えば「つまらない」や「どうでもいいよ」等のような興味がないことを示す情報が多かったにもかかわらず、最後に「あとで詳細な内容を文書で読みたいですか?」というシステム発話に対し、「うん。」と回答した場合、あるいはその逆の場合は、反応解析結果が相反する場合となる。このような場合は、いずれを優先するかを定めておけばよく、例えば、最後の回答は1度の回答であるから、ユーザが何となく言った、質問内容を勘違いして回答した、解析に誤りがあった等の可能性を考慮するならば、シナリオを構成する各要素に対する反応情報を用いた反応解析結果を優先すればよく、途中で気が変わったかもしれないので、最後の回答を優先すべきであると考えるならば、シナリオ全体に対する反応情報を用いた反応解析結果を優先すればよい。また、どちらかの反応解析結果を優先させる選択処理を行うのではなく、シナリオを構成する各要素に対する反応情報と、シナリオ全体に対する反応情報とを組み合わせて総合的な反応解析結果を得る統合処理を行ってもよく、例えば、各要素に対する反応情報として得られた「興味あり」のスコアを1とし、シナリオ全体に対する反応情報として得られた「興味あり」のスコアを3(1よりも大きな数値)とし、それらを加算した合計スコアと、予め設定した閾値との大小を判定することにより総合的な反応解析結果を得る等のように、重み付けによる統合処理を行ってもよい。
このような状況下で、ユーザや、ユーザへのサービス提供者は、原情報アクセス装置100で、ユーザIDを用いて、管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bに記憶されている原情報アクセス用データを取得することができる。この際、サービス提供者(ホテル等)の場合は、ユーザIDを、事前にユーザから取得していることが前提である。但し、個人であるサービス提供者(ホテルの従業員等)がユーザIDを見ることができる状態になっている必要はない。
なお、画面表示を伴うシナリオ再生終了後(例えば、映像によるシナリオ再生終了後や、文字情報の画面表示によるシナリオ再生終了後)に、シナリオ再生装置80の画面上に原情報アクセス用データ(URL等)を表示し、そこをクリックすると、原情報(例えば、映像の全体、文書の全体)を画面表示し、印刷し、またはダウンロードすることができるようにしてもよい。但し、この場合、シナリオ再生装置80は、原情報アクセス装置100として機能しているともいえるが、反応解析手段61Cによる反応情報を用いた処理が行われていないので、本発明における原情報アクセス装置には該当しない。
図12の上部には、原情報アクセス装置100で原情報アクセス用データを取得するまでの流れが示されているが、この流れについては、管理サーバ60の原情報アクセス用データ送信手段61Fの説明で既に詳述しているため、ここでは、図12の下部を用いて、原情報アクセス装置100で原情報アクセス用データを取得した後のユーザやサービス提供者の作業内容(行動)について詳細に説明する。
図12の下部において、原情報アクセス装置100には、管理サーバ60から取得した原情報アクセス用データ(直前に取得した原情報アクセス用データでもよく、例えば30分前や2時間前等のように事前に取得して保存されている原情報アクセス用データでもよい。)が記憶されている状態である。従って、ユーザ若しくはユーザへのサービス提供者が原情報アクセス装置100を操作することにより、または、原情報アクセス装置100の自動処理(例えば、ユーザの帰宅や帰社や到着等の自動検知に伴う自動処理)により、原情報アクセス用データを用いた原情報(コンテンツ、ターゲット)の取得要求を、ネットワーク1を介して原情報提供サーバ110へ送信する。
原情報提供サーバ110では、原情報提供手段111により、原情報アクセス装置100から送信されてくる原情報アクセス用データを用いた原情報(コンテンツ、ターゲット)の取得要求を受信すると、取得要求に係る原情報をコンテンツ記憶手段112またはターゲット記憶手段113から取得し、取得した原情報(コンテンツ、ターゲット)を、ネットワーク1を介して原情報アクセス装置100へ送信する。
そして、原情報アクセス装置100で取得した原情報アクセス用データを用いて所望の原情報(コンテンツ、ターゲット)を取得し、取得した原情報を活用するケースには、様々なケースがある。
先ず、シナリオ再生装置80が自動車に搭載されている場合には、次のようなケースがある。
例えば、ユーザが自動車内でシナリオを再生し、その後、自宅や会社等に戻り、そこに設置されたパーソナル・コンピュータ(PC)である原情報アクセス装置100で、あるいは、移動先のホテル等に設置されたPCである原情報アクセス装置100で、さらには自分の携行所持するスマートフォンやタブレット端末やモバイル型PCのようなモバイル端末である原情報アクセス装置100で、原情報アクセス用データを取得し、その原情報アクセス用データを用いて原情報の取得要求を行い、原情報アクセス装置100で、原情報(文書、映像等)の画面表示、印刷、ダウンロードを行うケースがある。なお、原情報(文書、映像等)は、シナリオ生成に使用されたコンテンツでもよく、それ以外の関連コンテンツであるターゲットでもよい。
上記のケースにおいて、原情報がターゲットである場合としては、例えば、コンテンツが映画の解説文書であり、その解説文書から生成したシナリオを、シナリオ再生装置80において音声(自動車内での音声対話形式)で再生し、その後、ターゲットである映画を、原情報アクセス装置100で再生して観賞する場合等がある。
その他に、原情報がターゲットである場合としては、例えば、コンテンツがレストランの食品やショップの商品等の広告宣伝文書であり、その広告宣伝文書から生成したシナリオを、シナリオ再生装置80において音声(自動車内での音声対話形式)で再生し、その後、原情報アクセス装置100で、ターゲットであるレストランやショップのクーポンや商品割引券等のデータをダウンロードし、画面表示、印刷、保存を行う場合等がある。この場合、例えば、自動車内でシナリオを再生した後に、自宅や会社に戻り、自宅や会社のPCでクーポンや商品割引券等を印刷したり、移動先のホテル等のPCでクーポンや商品割引券等を印刷することができる。また、自動車内でシナリオを再生した後に、レストランやショップに移動し、そこでスマートフォンやタブレット端末やモバイル型PC等のモバイル端末の画面上にクーポンや商品割引券等を表示して店員に見せることができる。あるいは、自動車内でシナリオを再生した後に、レストランやショップに移動しなくても、別の場所や自動車内でモバイル端末にクーポンや商品割引券等のデータをダウンロードして保存しておけば、あとでレストランやショップに行ったときに、そのモバイル端末の画面上にクーポンや商品割引券等を表示して店員に見せることができる。さらに、自動車内でシナリオを再生した後に、帰宅した自宅、帰社した会社、移動先のホテル等に設置された原情報アクセス装置100が、ユーザの帰宅、帰社、到着等を自動検知するとともに、その自動検知前に事前に取得して原情報アクセス装置100に既に記憶されているか、または、自動検知後に取得したクーポンや商品割引券等のデータを用いて、クーポンや商品割引券等の自動印刷を行ってもよい。なお、移動先のホテル等に設置された原情報アクセス装置100による自動印刷は、ホテル等の所有・管理する装置での自動印刷処理ではあるが、ユーザ自身の遠隔コントロールや事前設定により自動印刷を実行するので、次に述べるホテルの従業員等の作業を伴うサービス提供とは区別されるものである。
さらに、ユーザに対してサービスを提供するサービス提供者(例えば、ホテル等の接客を伴うサービス事業者)が原情報アクセス装置100を操作するケースがある。サービス提供者は、原情報アクセス装置100を操作し、原情報アクセス用データを用いて原情報提供サーバ110から原情報(コンテンツ、ターゲット)を取得し、取得した原情報を利用したサービス提供を行う。例えば、サービス提供者(ホテルの従業員等)は、ユーザの到着前に、シナリオ生成に使用されたコンテンツ(原情報)である文書を印刷し、ユーザが到着したときに、手渡しすることができる。また、サービス提供者(ホテルの従業員等)は、ユーザの到着前に、ターゲット(原情報)であるクーポンや商品割引券等を印刷し、ユーザが到着したときに、手渡しすることができる。さらに、サービス提供者(ホテルの従業員等)は、シナリオ生成に使用されたコンテンツが雑誌や書籍等の紹介記事の文書である場合に、ターゲット(原情報)として「雑誌や書籍等の名称、号数、該当頁」等のデータを取得し、そのターゲットに対応する現物(雑誌や書籍等)を入手し、ユーザが到着したときに、手渡しすることができる。
また、シナリオ再生装置80をユーザである歩行者が携行する場合には、次のようなケースがある。
例えば、博物館や美術館、遺跡等の観光地において歩きながら特定区域モードのシナリオを再生した後に、自宅や自動車内に戻り、自宅に設置されたPCや、自宅や自動車内にあるスマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である原情報アクセス装置100で、原情報(シナリオ生成に使用されたコンテンツ)である博物館内や美術館内の展示物等の説明文書を画面表示、印刷、または保存し、あるいは原情報(ターゲット)である映像を再生または保存するケースがある。復習や再観賞等を行うことができる。
また、外出先での歩行中に、あるいは外出先で立ち止まり、または座った状態でシナリオを再生した後に、自宅や会社に戻り、自宅や会社に設置されたPCや、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である原情報アクセス装置100で、原情報(コンテンツ、ターゲット)を画面表示、印刷、または保存するケースがある。外出先と、自宅や会社とでは、視聴環境が異なるので、後で落ち着いて詳細な情報を確認することができる。また、前述した自動車内でレストランやショップ等に関するシナリオ再生を行った場合と同様に、原情報アクセス装置100で、クーポンや商品割引券等のデータの印刷、ダウンロード保存、画面表示を行うことができる。
さらに、シナリオ再生装置80をユーザである歩行者が携行する場合であっても、サービス提供者(例えば、ホテルの従業員等)は、前述した自動車内でユーザがシナリオ再生を行った場合と同様に、到着したユーザに対し、コンテンツやターゲットの印刷および手渡し、現物の入手および手渡しのサービス提供を行うことができる。
また、シナリオ再生装置80が居室等の固定位置にある場合でも、ユーザが場所を移動し、あるいは時間が経過することで、前述した外出先から自宅や会社に戻った場合と同様に視聴環境が変化することがあり、また、気分が変化することもある。従って、原情報アクセス装置100(シナリオ再生装置80と物理的に同じコンピュータでもよい。)で、後で落ち着いて詳細な情報を確認したり、クーポンや商品割引券のデータの印刷、ダウンロード保存等を行うことができる。
<情報伝達システム10によるコンテンツの作成、シナリオの生成、登録、配信、再生、および反応情報の収集、分析、活用という一連の処理についての全体的な流れ>
このような本実施形態においては、以下のようにして情報伝達システム10により、コンテンツの作成、シナリオの生成、登録、配信、再生、および反応情報の収集、分析、活用という一連の処理が実行される。
図14において、コンテンツ作成者は、コンテンツ作成装置20(20A,20B)で一般コンテンツや広告コンテンツ(文書、映像等)を作成する(ステップS1)。この際、作成するコンテンツに、シナリオ生成指示情報を付することもできる。作成中または作成を完了したコンテンツは、作業用コンテンツ記憶手段22に記憶される。
続いて、コンテンツ作成者は、原情報(コンテンツ、ターゲット)の登録を行い、原情報提供サーバ110に原情報を記憶させる(ステップS2)。
それから、コンテンツ作成者は、シナリオ生成依頼を行う(ステップS3)。このシナリオ生成依頼では、シナリオ生成対象のコンテンツまたは同主題コンテンツ群の各コンテンツとともに、原情報アクセス用データも送信する。管理サーバ60を経由させる依頼と、経由させない依頼とがあり、それぞれのコンテンツの送信経路は異なる。
管理サーバ60を経由させる依頼を行う場合には、コンテンツ作成者は、シナリオ生成対象のコンテンツや原情報アクセス用データを、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する。管理サーバ60では、コンテンツ作成装置20(20A,20B)から送信されてきたシナリオ生成対象のコンテンツ等を、シナリオ生成対象記憶手段62Eに保存する(ステップS4)。
その後、管理サーバ60では、シナリオ生成装置40からの取得要求を受け、シナリオ生成対象のコンテンツや原情報アクセス用データを、ネットワーク1を介してシナリオ生成装置40へ送信する(ステップS5)。
また、管理サーバ60を経由させない依頼を行う場合には、コンテンツ作成者は、シナリオ生成対象のコンテンツや原情報アクセス用データを、図14中の一点鎖線に示すように、コンテンツ作成装置20(20A,20B)から直接にネットワーク1を介してシナリオ生成装置40へ送信する。
シナリオ生成装置40では、管理サーバ60またはコンテンツ作成装置20(20A,20B)から送信されてくるシナリオ生成対象のコンテンツや原情報アクセス用データを受信し、シナリオ生成対象記憶手段42に保存する(ステップS6)。
続いて、シナリオ生成装置40で、シナリオ生成対象記憶手段42に記憶されているコンテンツを用いて、シナリオ(一般コンテンツ用のシナリオ、広告コンテンツ用のシナリオ)を自動生成または半自動生成し、登録用シナリオ記憶手段43に保存する(ステップS7)。この際、シナリオ生成補助者が、自動生成されたシナリオを修正、編集してもよい。また、1つのコンテンツから、主計画要素の数の異なる複数のシナリオや、単語の重要度をコントロールして異なる主計画要素を有する複数のシナリオを生成してもよい。
それから、シナリオ生成補助者は、生成したシナリオの登録を行うために、登録用シナリオ記憶手段43に記憶されているシナリオや原情報アクセス用データを、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する(ステップS8)。また、生成したシナリオの登録は、図14中の二点鎖線に示すように、コンテンツ作成装置20(20A,20B)を経由させて行ってもよい。
管理サーバ60では、シナリオ生成装置40またはコンテンツ作成装置20(20A,20B)から送信されてくるシナリオや原情報アクセス用データを受信し、シナリオ記憶手段62Aに保存する(ステップS9)。
また、シナリオ再生を行うユーザは、シナリオ再生装置80で、アプリ提供サーバ120からネットワーク1を介してシナリオ再生用のアプリケーションプログラムおよびシステムデータをダウンロードして取得し、取得したシナリオ再生アプリをシナリオ再生装置80にインストールしておく(ステップS10)。また、ユーザは、事前にユーザ設定を行い、自分の情報をユーザ設定記憶手段82Aに登録しておく。このユーザ設定情報は、データ連携により、管理サーバ60のユーザ情報記憶手段62Bにも反映される。
そして、ユーザは、シナリオ再生装置80でのシナリオ再生を開始するために、ネットワーク1を介してシナリオの取得要求を管理サーバ60へ送信する(ステップS11)。
管理サーバ60では、シナリオ再生装置80からのシナリオの取得要求を受信し(ステップS12)、シナリオ記憶情報62Aに記憶されているシナリオを、ネットワーク1を介してシナリオ再生装置80へ送信する(ステップS13)。この際、併せて再生管理情報(図5参照)を送信してもよい。
シナリオ再生装置80では、管理サーバ60から送信されてくるシナリオを受信し、取得シナリオ記憶手段82Bに保存する(ステップS14)。そして、シナリオ再生装置80で、取得シナリオ記憶手段82Bに記憶されているシナリオを用いて、ユーザ設定記憶手段82Aに記憶されているユーザ設定情報に従ってシナリオ再生を行うとともに、シナリオの各主計画要素や各副計画要素に対するユーザの反応情報を取得し、取得した反応情報を、シナリオ再生の進行管理(主計画要素から副計画要素への切替を含む要素間の切替処理)に使用するとともに、反応記憶手段82Cに保存する(ステップS15)。また、反応記憶手段82Cに記憶されている反応記憶を、ネットワーク1を介して管理サーバ60へ送信する(ステップS16)。
管理サーバ60では、シナリオ再生装置80から送信されてくるユーザの反応情報を受信し、反応蓄積記憶手段62Cに保存する(ステップS17)。続いて、管理サーバ60で、反応蓄積記憶手段62Cに記憶されている各シナリオに対する各ユーザの反応情報を用いて、シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)またはユーザ単位、あるいはコンテンツ作成者単位等の反応解析処理を行い、得られた反応解析結果を、反応解析結果記憶手段62Dやユーザ情報記憶手段62Bに保存する(ステップS18)。
その後、管理サーバ60から、反応解析結果記憶手段62Dに記憶されている反応解析結果を、ネットワーク1を介してコンテンツ作成装置20(20A,20B)へ送信する(ステップS19)。
コンテンツ作成装置20では、管理サーバ60から送信されてくる反応解析結果を受信し、取得反応解析結果記憶手段23に保存する(ステップS20)。そして、コンテンツ作成装置20(20A,20B)で、取得反応解析結果記憶手段23に記憶されている反応解析結果を用いて、コンテンツの評価を行う(ステップS21)。このコンテンツの評価には、コンテンツの各構成要素に対する反応、および各構成要素の主計画要素・副計画要素への採否の出力(画面表示、印刷等)と、コンテンツ作成者単位の総合評価の出力(画面表示、印刷等)とが含まれる。
また、管理サーバ60から、ユーザ情報記憶手段62Bに記憶されている原情報アクセス用データ(反応解析処理により、ユーザが興味を示したと判定されたシナリオに対応する原情報アクセス用データ)を、ネットワーク1を介して原情報アクセス装置100へ送信する(ステップS22)。
原情報アクセス装置100では、管理サーバ60から送信されてくる原情報アクセス用データを受信し(ステップS23)、原情報アクセス用データを用いた原情報取得要求を、ネットワーク1を介して原情報提供サーバ110へ送信する(ステップS24)。そして、ユーザ、またはユーザへのサービス提供者(ホテル等)は、原情報アクセス装置100で、原情報提供サーバ110から送信されてくる原情報(コンテンツ、ターゲット)を受信し、再生、印刷、保存等を行う(ステップS25)。
<本実施形態の効果>
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、情報伝達システム10では、シナリオ全体に対する大まかな反応情報ではなく、シナリオ再生過程で取得した細かい反応情報、すなわちシナリオを構成する各要素(主計画要素や副計画要素)に対する反応情報を収集し、分析した反応解析結果を得ることができる。このため、得られた反応解析結果を活用することにより、様々な面で、効率的な情報伝達を実現することできる。
例えば、ある1つのシナリオは、複数のユーザにより再生され、それらの複数のユーザによる細かい反応情報が得られるので、管理サーバ60の反応解析手段61Cによるシナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)での反応解析結果を、当該シナリオの生成に使用された元のコンテンツの作成者にフィードバックすれば、作成したコンテンツの評価(作品評価)、次に作成するコンテンツへの反映、コンテンツ作成者の評価(人事評価)等に役立てることができる。
また、ある1人のユーザは、複数のシナリオを再生し、それらの複数のシナリオに対する細かい反応情報が得られるので、管理サーバ60の反応解析手段61Cによるユーザ単位での反応解析結果を、当該ユーザにフィードバックすれば、ユーザの嗜好に沿ったシナリオ再生や、シナリオ再生により提供された情報のうちユーザが興味のある情報につき、より詳細な情報の取得等を行うことができる。
具体的には、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより、各ユーザが内容に興味を示したシナリオを判定し、原情報アクセス用データ送信手段61Fにより、ユーザが興味を示したと判定したシナリオに対応する原情報を取得するための原情報アクセス用データを、原情報アクセス装置100へ送信することができる。このため、図12に示すように、ユーザは、原情報アクセス装置100で、シナリオ再生時に自分が興味を示したシナリオに対応する原情報(コンテンツ、ターゲット)を取得し、より詳細な情報を得ることができる。また、ユーザへのサービス提供者は、原情報アクセス装置100で、シナリオ再生時にユーザが興味を示したシナリオに対応する原情報を取得し、様々なサービス提供に活用することができる。
また、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより、シナリオ単位(シナリオを構成する要素単位を含む)またはコンテンツ単位(コンテンツを構成する要素単位を含む)、およびコンテンツ作成者単位での反応解析処理を行い、反応解析結果送信手段61Dにより、その反応解析結果をコンテンツ作成装置20へ送信することができる。そして、コンテンツ作成装置20で、受信した反応解析結果を用いて、コンテンツの評価のための出力を行うことができる。従って、図9に示すように、コンテンツ作成者は、自分の作成したコンテンツについて、どの部分が主計画要素として採用され、どの部分が副計画要素として採用され、それらの各要素について、どのようなユーザの反応があったのかを確認することができる。このため、確認で得られた情報や知識を、次のコンテンツ作成に反映することができ、よりユーザに好まれるコンテンツの作成や、より適切なシナリオ生成が行われるコンテンツの作成を行うことができる。また、コンテンツ作成者毎の集計結果も出力されるので、例えば、コンテンツ作成者が所属する会社等の団体において、その集計結果を、各コンテンツ作成者の人事評価等に活用することができる。
さらに、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより、ユーザの反応情報を用いて、シナリオ連続再生時における再生中のチャンネルに対し、ユーザが当該チャンネルのシナリオに興味を示しているか否かを判定することができる。このため、例えば、無反応の状態が継続したり、あるいは、つまらない、面白くない、くだらない、どうでもよい、退屈である旨等を示す反応が多い場合等には、ユーザが当該チャンネルのシナリオに興味を示していないと判定し、チャンネルを自動的に切り替えることができる。
そして、情報伝達システム10は、シナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより、直近の期間のユーザの反応情報を用いて、当該ユーザが多くの情報提示を必要としていることを示す多情報提示条件を満たすか否かを判定することができる。従って、多情報提示条件の成否の判定結果に応じて主計画要素の数を変更してシナリオを再生することができる。このため、ユーザが多くの情報提示を求めている傾向にある際には、ユーザへの情報伝達の量を増やす調整を行うことができ、反応情報を活用し、よりユーザのニーズに沿った情報提示を実現することができる。
また、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61Cにより、ユーザの反応情報を用いて、各ユーザの知識レベルを判定することができる。従って、知識レベルの判定結果に応じてシナリオを再生することができる。すなわち、ユーザの知識レベルの高低に応じ、再生するシナリオの主計画要素の数を変更調整することができる。このため、知識レベルの高いユーザに対しては、細かい説明が不要であるため、主計画要素の数が少ないシナリオを再生し、知識レベルの低いユーザに対しては、主計画要素の数が多いシナリオを再生するという調整を行うことができる。
さらに、情報伝達システム10は、シナリオ再生装置80の移動速度を取得する移動速度取得手段81Gを備えているので、ユーザの移動速度に応じ、主計画要素の数を変更してシナリオを再生することができる。従って、ユーザが速い速度で移動しているときには、シナリオ再生時の主計画要素の数を少なくし、一方、ユーザが遅い速度(ゼロを含む)で移動しているときには、シナリオ再生時の主計画要素の数を多くする調整を行うことができる。このため、例えば、博物館内を歩いて移動するユーザに対する展示物の紹介、観光地内や遊園地内を自動車や自転車で移動するか、または歩いて移動するユーザに対するお店やアトラクション等の紹介、サファリパーク内を自動車で移動するユーザに対する動物の紹介、鉄道の線路内を電車(特急、急行、各駅停車等の別がある。)で移動するユーザに対する駅周辺や沿線の紹介等のように、特定区域内でのシナリオ再生に適した構成を実現することができる。
そして、ユーザは、多くの情報提示を受けたい場合には、ゆっくり歩く、自動車や自転車を徐行して走らせる、あるいは、立ち止まる、停車させる等のように、移動速度を自己調整することもでき、逆に、その場所やそこに存在する物等に対して興味がない場合には、早く立ち去る、素早く通過する等の調整を行うこともできる。
また、情報伝達システム10は、一般コンテンツの場合と同様な処理で、広告コンテンツについてもシナリオを生成することができるので、一般コンテンツ用のシナリオの再生の合間に、広告コンテンツ用のシナリオの再生を行うことができる。また、広告解析手段61Gにより、一般コンテンツ用のシナリオと、広告コンテンツ用のシナリオとの類似度を解析することができる。そして、その解析結果を利用して、シナリオ再生装置80のシナリオ再生手段81Cにより、類似広告再生処理、属性合致広告再生処理、または類似・属性合致広告再生処理を実行することができる。このため、一般コンテンツとの内容の類似性や、ユーザの属性との合致を前提とした広告の再生を実現することができるので、ユーザに対し、有用な広告を提供することができる。
さらに、情報伝達システム10は、シナリオ生成装置40で、コンテンツ作成者により設定されたシナリオ生成指示情報に従ってシナリオ生成を行うことができる。従って、シナリオ生成装置40で、シナリオの自動生成または半自動生成を実行する際に、そのシナリオ生成指示情報が優先され、通常のシナリオ生成アルゴリズムで生成されるシナリオとは異なる状態のシナリオを生成することができる。このため、コンテンツ作成者の意図が反映されたシナリオを生成することがきる。
また、情報伝達システム10は、ユーザの分類(ユーザの属性による分類、またはクラスタリングによる分類)に対応させて用意した単語の重要度を用いてシナリオを生成することができる。従って、同一のコンテンツまたは同一の同主題コンテンツ群の内容を伝達するときであっても、ユーザの特性に応じた状態とされたシナリオの再生により、それらの内容を伝達することできるので、効率的な情報伝達を実現することができる。
そして、シナリオ再生を音声出力で行うと、例えば、自動車の運転、料理、皿洗い、掃除、洗濯等の作業をしながら、あるいは風呂に入りながら、床屋の客になりながら聞くことができる等の様々な効果が得られるが、情報伝達システム10は、以下のような構成を採用することができるので、音声出力による情報伝達の本来的な効果に加え、以下に示す各種の効果を得ることができる。
すなわち、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61C、またはシナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより、ユーザの反応情報を用いて、システムとユーザとの親密度を判定することができる。従って、親密度に応じ、シナリオ再生時の音声出力の調整を行うことができる。具体的には、親密度に応じ、隣接する文節を連続再生する際の文節間の時間間隔(いわゆる間(ま))の調整、発話速度の調整、または口調の調整のうちの少なくとも1つの調整を行ってシナリオを音声出力により再生することができる。このため、音声対話におけるシステムとユーザとの同調の度合いに応じた状態で、従って、ユーザの性格や個性に応じた状態でシナリオを再生することができ、効率的な情報伝達を実現することができる。
また、情報伝達システム10は、管理サーバ60の反応解析手段61C、またはシナリオ再生装置80のローカル反応解析手段81Fにより、ユーザの反応情報を用いて、無口・おしゃべり、理解が早い・遅い、またはその他のユーザタイプを判定することができる。従って、ユーザタイプに応じ、シナリオ再生時の音声出力の調整を行うことができる。具体的には、ユーザタイプに応じ、副計画要素を主計画要素とみなすことによる発話情報量の調整、隣接する文節を連続再生する際の文節間の間(ま)の調整、発話速度の調整、またはコンテンツ以外の情報から生成した雑学用の副計画要素を主計画要素とみなすことによるトリビア挿入頻度調整若しくはその他の発話戦略の使用頻度の調整のうちの少なくとも1つの調整を行ってシナリオを音声出力により再生することができ、効率的な情報伝達を実現することができる。
<変形の形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態の情報伝達システム10は、主計画要素および副計画要素を有するシナリオを生成し、シナリオ再生の際にユーザの反応情報を取得し、その反応情報を用いて主計画要素から副計画要素への切替を含む要素間の切替処理を行う構成とされていたが、主計画要素だけのシナリオ、すなわち、主計画要素から副計画要素への切替を行わないシナリオを生成し、シナリオ再生を行う構成としてもよい。このような構成とした場合でも、各主計画要素に対する反応情報を用いてユーザが興味を示したシナリオを判定する反応解析処理を行えば、原情報アクセス装置100での原情報(コンテンツ、ターゲット)の再生等を行うことができるので、効率的な情報伝達を実現することができる。
また、前記実施形態の情報伝達システム10は、特定区域モードおよび一般モードの双方でシナリオ再生を行うことができる構成とされていたが、いずれか一方のモードのみのシナリオ再生を行う構成としてもよい。
さらに、前記実施形態の情報伝達システム10は、管理サーバ60を備え、管理サーバ60からシナリオ再生装置80へのシナリオ配信が行われる構成とされていたが、管理サーバ60を設置しない構成とすることもできる。このような構成とした場合には、管理サーバ60からのネットワーク1を介したシナリオ配信がなくなり、さらにシナリオ生成装置40やコンテンツ作成装置20からのネットワーク1を介したシナリオの送信も行われない場合には、ネットワーク1を介したシナリオの取得の概念がなくなるので、シナリオ再生装置80の取得シナリオ記憶手段82Bは、「シナリオ記憶手段」に置き換える。従って、シナリオ再生装置80の「シナリオ記憶手段」には、比較的長い期間につき、内容が固定されるシナリオ、すなわち、頻繁な更新を行う必要のないシナリオ(少なくともネットワーク1を介した更新を行う必要のないシナリオ)が記憶されることがある。具体的には、例えば、博物館内の展示物の説明用のシナリオ等である。