最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置は、複数の路側器から計測情報を受信可能な受信部と、前記受信部によって受信された前記計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する予測情報生成部と、前記予測情報生成部によって生成された前記予測情報を対象車両へ送信する送信部とを備える。
このような構成により、たとえば複数の路側器から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、対象車両において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(2)好ましくは、前記受信部は、さらに、前記送信部によって送信された前記予測情報の評価結果を前記対象車両から受信し、前記予測情報生成部は、前記受信部によって受信された前記評価結果に基づいて、生成すべき前記予測情報の内容を調整する。
このような構成により、たとえば対象車両による予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置における予測情報の生成に反映し、たとえば予測精度を向上させることができる。
(3)好ましくは、前記受信部は、さらに、前記送信部によって送信された前記予測情報の評価結果を前記対象車両から受信し、前記車両交通管理装置は、さらに、前記受信部によって受信された前記評価結果に基づいて、前記路側器が送信すべき前記計測情報の内容を前記路側器に指示する指定部を備える。
このような構成により、たとえば対象車両による予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を、路側器による計測情報の送信周期など、予測情報の生成に用いられる計測情報の内容に反映することができる。
(4)本開示の実施の形態に係る車載装置は、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置から受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する支援情報生成部と、前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記受信部によって受信された前記予測情報を評価する評価部と、前記評価部による評価結果を前記車両交通管理装置へ送信する送信部とを備える。
このような構成により、車両交通管理装置から受信した予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置へフィードバックし、車両交通管理装置が送信すべき予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(5)本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムは、車両交通管理装置と、車載装置とを備え、前記車両交通管理装置は、1または複数の路側器から受信した計測情報に基づいて、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成し、生成した前記予測情報を前記車載装置へ送信し、前記車載装置は、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成し、前記車載装置は、生成した前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報を評価し、評価結果を前記車両交通管理装置へ送信する。
このような構成により、車両交通管理装置において、たとえば複数の路側器から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、車載装置において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。さらに、車両交通管理装置によって生成された予測情報を用いた対象車両における実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置へフィードバックし、車両交通管理装置によって生成される予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(6)本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車両交通管理装置における車両交通管理方法であって、1または複数の路側器から計測情報を受信するステップと、受信した前記計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成するステップと、生成した前記予測情報を対象車両へ送信するステップとを含む。
このような方法により、たとえば複数の路側器から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、対象車両において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(7)本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車載装置における車両交通管理方法であって、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置から受信するステップと、受信した前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成するステップと、生成した前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、受信した前記予測情報を評価するステップと、評価結果を前記車両交通管理装置へ送信するステップとを含む。
このような方法により、車両交通管理装置から受信した予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置へフィードバックし、車両交通管理装置が送信すべき予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(8)本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車両交通管理装置と、車載装置とを備える車両交通管理システムにおける車両交通管理方法であって、前記車両交通管理装置が、1または複数の路側器から受信した計測情報に基づいて、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成し、生成した前記予測情報を前記車載装置へ送信するステップと、前記車載装置が、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成するステップと、前記車載装置が、生成した前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報を評価し、評価結果を前記車両交通管理装置へ送信するステップとを含む。
このような方法により、車両交通管理装置において、たとえば複数の路側器から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、車載装置において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。さらに、車両交通管理装置によって生成された予測情報を用いた対象車両における実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置へフィードバックし、車両交通管理装置によって生成される予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(9)本開示の実施の形態に係る車両交通管理プログラムは、車両交通管理装置において用いられる車両交通管理プログラムであって、コンピュータを、複数の路側器から計測情報を受信可能な受信部と、前記受信部によって受信された前記計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する予測情報生成部と、前記予測情報生成部によって生成された前記予測情報を対象車両へ送信する送信部、として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、たとえば複数の路側器から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、対象車両において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
(10)本開示の実施の形態に係る車両交通管理プログラムは、車載装置において用いられる車両交通管理プログラムであって、コンピュータを、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置から受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する支援情報生成部と、前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記受信部によって受信された前記予測情報を評価する評価部と、前記評価部による評価結果を前記車両交通管理装置へ送信する送信部、として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、車両交通管理装置から受信した予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置へフィードバックし、車両交通管理装置が送信すべき予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。したがって、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[車両交通管理システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、車両交通管理システム300は、車両交通管理装置100と、車載装置200とを備える。車載装置200は、車両交通管理装置100によるサービスを受ける対象車両40に搭載される。
なお、車両交通管理システム300は、1つの車載装置200を備える構成に限らず、複数の対象車両にそれぞれ搭載される複数の車載装置200を備える構成であってもよい。
車両交通管理装置100は、たとえばサーバである。車両交通管理装置100は、路側に設置された路側器60A,60Bから計測情報を受信可能である。以下、路側器60A,60Bの各々を路側器60とも称する。
路側器60は、たとえばITS(Intelligent Transport System)無線を用いて、無線基地局装置20を介して車両交通管理装置100と通信を行うことが可能である。
路側器60は、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ミリ波レーダ装置、温度センサおよび湿度センサなどのセンサによる計測結果を示すセンサデータを取得する。以下、路側器60がセンサデータを取得可能な上記センサの各々を路側センサとも称する。
路側器60は、取得したセンサデータを含む計測情報を、無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、1または複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて、他の車両41A,41Bおよび歩行者42A,42Bの少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する。そして、車両交通管理装置100は、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。以下、他の車両41A,41Bの各々を他の車両41とも称し、歩行者42A,42Bの各々を歩行者42とも称する。
たとえば、車載装置200は、所定周期で、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)における測位衛星からの電波に基づいて自己の対象車両40の現在位置を取得し、取得した現在位置を示す位置情報を生成する。車載装置200は、生成した位置情報を、無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、車載装置200から受信した位置情報が示す対象車両40の現在位置に応じて、計測情報を送信させるべき1または複数の路側器60を選択する。車両交通管理装置100は、送信すべき計測情報の内容を指定する指定情報を、選択した路側器60へ送信する。
路側器60は、指定情報を受信すると、受信した指定情報に対する応答として、指定情報により指定された内容の計測情報を無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、1または複数の路側器60から計測情報を受信すると、受信した計測情報を用いて、他の車両41および歩行者42の現在位置を示す動的情報を生成する。車両交通管理装置100は、他の車両41および歩行者42の現在位置に基づいて所定時間後の予測位置を算出するための予測モデルを用いて、動的情報から予測情報を生成する。
車両交通管理装置100は、生成した動的情報および予測情報を、無線基地局装置20経由で車載装置200へ送信する。
車載装置200は、車両交通管理装置100から受信した予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。
より詳細には、車載装置200は、車両交通管理装置100から動的情報および予測情報を受信すると、受信した動的情報および予測情報に基づいて、自己の対象車両40における運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。具体的には、車載装置200は、目的地までの走行経路を含むか、または目的地まで自動運転を行うための各種制御内容を含む支援情報を生成する。
車載装置200は、生成した支援情報に基づいて、経路案内または自動運転制御などを行う。
車載装置200は、生成した支援情報に基づいて自己の対象車両40が走行した結果における、他の車両41の実際の位置、歩行者42の実際の位置、および自己の対象車両40の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、車両交通管理装置100から受信した予測情報を評価する。そして、車載装置200は、評価結果を車両交通管理装置100へ送信する。
より詳細には、車載装置200は、生成した支援情報に基づいて対象車両40が走行した走行経路において、対象車両40の周囲における他の車両41および歩行者42を検出する。
たとえば、車載装置200は、対象車両40に搭載されたLiDARおよびカメラなどのセンサによる計測結果を示す計測情報を取得する。車載装置200は、取得した計測情報に基づいて、センサの計測領域における他の車両41および歩行者42の有無、ならびに当該他の車両41および当該歩行者42の位置を示す位置情報を生成する。
車載装置200は、車両交通管理装置100から受信した予測情報が示す他の車両41および歩行者42の予測位置と、生成した位置情報が示す当該他の車両41および当該歩行者42の実際の位置とを比較し、比較結果に基づいて予測情報を評価する。
また、車載装置200は、対象車両40に搭載された、ブレーキセンサ、アクセルセンサ、加速度センサ、ステアリングセンサ、燃費センサ、電費センサ、LiDAR、カメラおよび車内カメラなどの各種センサによる計測結果に基づいて、支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における対象車両40の走行に関する各指標を算出する。
車載装置200は、上記指標として、たとえば、安心安全に関する指標、燃費または電費に関する指標および乗り心地に関する指標などの複数の指標を算出し、算出した指標に基づいて予測情報を評価する。
そして、車載装置200は、予測情報の評価結果を無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、予測情報についての1または複数の種類の評価結果を車載装置200から受信すると、受信した評価結果に基づいて、生成すべき予測情報の内容を調整する。
たとえば、車両交通管理装置100は、路側器60から送信させるべき計測情報の内容を変更したり、予測モデルを改変したりすることにより、生成すべき予測情報の内容を調整する。
[路側器]
図2は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおける路側器の構成を示す図である。
図2を参照して、路側器60は、指定情報受信部61と、センサ制御部62と、計測情報生成部63と、計測情報送信部64とを備える。
車両交通管理装置100は、たとえば、センサ種別指定、送信周期指定およびデータ量指定などの指定情報を路側器60へ送信する。
路側器60における指定情報受信部61は、車両交通管理装置100から指定情報を受信すると、受信した指定情報をセンサ制御部62および計測情報生成部63へ出力する。
センサ制御部62は、指定情報受信部61から指定情報を受けると、受けた指定情報に基づいて路側センサを制御する。
より詳細には、センサ制御部62は、たとえば指定情報がセンサ種別指定を含む場合、当該センサ種別指定が示す路側センサへ制御信号を送信することにより、当該路側センサに計測を開始させる。また、センサ制御部62は、たとえば指定情報がセンサ指定種別および解像度を含み、かつ、センサ指定種別が示す路側センサがカメラである場合、指定された解像度で計測させるための制御信号を生成してカメラへ送信することにより、指定された解像度での計測をカメラに開始させる。
計測情報生成部63は、定期的または不定期に、路側センサからセンサデータを取得する。計測情報生成部63は、取得したセンサデータと、対応の路側センサの計測領域を示す領域情報と、自己の路側器60のID(Identifier)とを含む計測情報を生成し、生成した計測情報を計測情報送信部64へ出力する。
また、計測情報生成部63は、指定情報受信部61から指定情報を受けると、受けた指定情報に基づいて、生成すべき計測情報の内容および計測情報の生成周期を調整する。
より詳細には、計測情報生成部63は、たとえば指定情報が計測情報の送信周期指定を含む場合、当該送信周期指定が示す周期で計測情報を生成し、生成した計測情報を計測情報送信部64へ出力する。計測情報生成部63は、たとえば指定情報が計測情報のデータ量指定を含む場合、路側センサから取得したセンサデータを必要に応じて加工することにより、当該データ量指定が示すデータ量の計測情報を生成し、生成した計測情報を計測情報送信部64へ出力する。
計測情報送信部64は、計測情報生成部63から計測情報を受けると、受けた計測情報を無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、たとえば、計測情報の送信を停止すべき旨の停止情報を路側器60へ送信する。
路側器60における指定情報受信部61は、車両交通管理装置100から停止情報を受信すると、受信した停止情報をセンサ制御部62および計測情報生成部63へ出力する。
センサ制御部62は、指定情報受信部61から停止情報を受けると、路側センサに計測を停止させる。
計測情報生成部63は、指定情報受信部61から停止情報を受けると、計測情報の生成を停止する。
[車両交通管理装置]
図3は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置の構成を示す図である。
図3を参照して、車両交通管理装置100は、受信部101と、動的情報生成部102と、予測モデル更新部103と、走行指標改善部104と、指定情報生成部105と、記憶部106と、送信部107と、予測情報生成部110とを備える。予測情報生成部110は、演算部111と、予測情報調整部112とを含む。
記憶部106は、たとえば不揮発性メモリである。記憶部106は、たとえば路側器60の設置箇所の情報を含む地図情報を記憶している。
受信部101は、複数の路側器60から計測情報を受信可能である。たとえば、受信部101は、以下のように、対象車両40の現在位置に応じて選択される複数の路側器60から計測情報をそれぞれ受信する。
たとえば、受信部101は、対象車両40の現在位置を示す位置情報を、対象車両40に搭載された車載装置200から受信する。受信部101は、受信した位置情報を指定情報生成部105へ出力する。
指定情報生成部105は、路側器60が送信すべき計測情報の内容を路側器60に指示する指定部の一例である。
より詳細には、指定情報生成部105は、受信部101から位置情報を受けると、記憶部106における地図情報を参照することにより、対象車両40の現在位置および進行方向に基づいて、対象車両40へ送信すべき予測情報の生成に用いられる計測情報を生成し得る複数の路側器60を選択する。そして、指定情報生成部105は、送信すべき計測情報の内容を指定する指定情報を、選択した複数の路側器60へ送信部107経由でそれぞれ送信する。
受信部101は、選択した複数の路側器60から計測情報をそれぞれ受信すると、受信した各計測情報を動的情報生成部102へ出力するとともに、受信した旨を指定情報生成部105へ通知する。
たとえば、指定情報生成部105は、受信部101から通知を受けると、計測情報の送信を停止すべき旨の停止情報を、選択した複数の路側器60へ送信部107経由でそれぞれ送信する。
動的情報生成部102は、受信部101から計測情報を受けると、受けた計測情報に基づいて、対象車両40以外の他の車両41および歩行者42の現在位置を示す動的情報を生成する。
より詳細には、動的情報生成部102は、路側器60により生成された計測情報に含まれる複数のセンサデータをマージする。たとえば、動的情報生成部102は、それぞれ異なる計測領域において複数種類の路側センサによって取得された各センサデータをマージする。そして、動的情報生成部102は、マージしたセンサデータを解析することにより、計測領域における他の車両41および歩行者42の現在位置を検知する。
動的情報生成部102は、検知した他の車両41および歩行者42の現在位置を示す動的情報を生成し、生成した動的情報を、予測情報生成部110へ出力するとともに、送信部107および無線基地局装置20経由で車載装置200へ送信する。
予測情報生成部110は、受信部によって受信された計測情報に基づいて、他の車両41および歩行者42の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する。
たとえば、記憶部106は、動的情報に基づいて所定時間後の他の車両41および歩行者42の予測位置を算出するための予測モデルを記憶している。
予測情報生成部110における演算部111は、動的情報生成部102から動的情報を受けると、記憶部106から予測モデルを取得し、取得した予測モデルおよび受けた動的情報を用いて演算を行なうことにより、路側センサの計測領域に対応する領域である予測領域での所定時間内における他の車両41および歩行者42の予測位置を示す予測情報を生成する。
演算部111は、生成した予測情報を予測情報調整部112へ出力する。
予測情報調整部112は、演算部111から予測情報を受けると、受けた予測情報の内容を必要に応じて調整する。
たとえば、記憶部106は、対象車両40へ送信すべき予測情報に関する各種パラメータを示す送信内容情報を記憶している。記憶部106は、たとえば、対象車両40すなわち車載装置200ごとの、予測領域、予測期間、および予測情報の生成周期を送信内容情報として記憶している。
予測情報調整部112は、演算部111から予測情報を受けると、記憶部106における送信内容情報に基づいて、演算部111から受けた予測情報から、送信内容情報が示す予測領域および予測期間に対応するデータを抽出する。
予測情報調整部112は、抽出したデータを予測情報として送信部107へ出力する。
送信部107は、動的情報生成部102から受けた動的情報および予測情報生成部110から受けた予測情報を対象車両40へ送信する。
たとえば、受信部101は、送信部107によって対象車両40へ送信された予測情報の評価結果を、当該対象車両40から受信する。
たとえば、対象車両40における車載装置200は、車両交通管理装置100から受信した予測情報に基づいて、上述のような支援情報を生成する。そして、車載装置200は、生成した支援情報に基づく対象車両40の走行経路において、車両交通管理装置100から受信した予測情報が示す他の車両41および歩行者42の予測位置と、他の車両41および歩行者42の実際の位置との差分を算出し、算出した差分を予測位置評価結果として車両交通管理装置100へ送信する。
また、たとえば、対象車両40における車載装置200は、支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における、対象車両40の走行に関する指標を算出し、算出した指標を、KPI(Key Performance Indicator)評価結果として車両交通管理装置100へ送信する。
受信部101は、車載装置200から予測位置評価結果を受信すると、受信した予測位置評価結果を予測モデル更新部103へ出力する。また、受信部101は、車載装置200からKPI評価結果を受信すると、受信したKPI評価結果を走行指標改善部104へ出力する。
たとえば、予測情報生成部110は、受信部101によって受信された評価結果に基づいて、生成すべき予測情報の内容を調整する。
より詳細には、予測モデル更新部103は、受信部101から予測位置評価結果を受けると、受けた予測位置評価結果に基づいて、記憶部106における予測モデルを更新する。
たとえば、予測モデル更新部103は、予測位置評価結果に基づいて、予測モデルにおける計算式の係数を変更する。なお、予測モデル更新部103は、予測位置評価結果を、機械学習機能を有する予測モデルに与えることにより、予測モデルを更新する構成であってもよい。
走行指標改善部104は、受信部101からKPI評価結果を受けると、受けたKPI評価結果に基づいて、記憶部106における車載装置200ごとの送信内容情報を更新する。
たとえば、走行指標改善部104は、KPI評価結果に基づいて、送信内容情報における予測領域および予測期間を変更する。走行指標改善部104は、たとえば安心安全に関する指標が低いことを示すKPI評価結果を受けた場合、送信内容情報における予測期間をより長くする。走行指標改善部104は、たとえば燃費に関する指標が低いことを示すKPI評価結果を受けた場合、送信内容情報における予測領域をより広くする。走行指標改善部104は、たとえば乗り心地に関する指標が低いことを示すKPI評価結果を受けた場合、送信内容情報における生成周期をより短くする。
たとえば、指定情報生成部105は、受信部101によって受信された評価結果に基づいて、路側器60が送信すべき計測情報の内容を路側器60に指示する。
より詳細には、受信部101は、車載装置200から受信した予測位置評価結果およびKPI評価結果を指定情報生成部105へ出力する。
指定情報生成部105は、受信部101から予測位置評価結果およびKPI評価結果を受けると、受けた予測位置評価結果およびKPI評価結果に基づいて、路側器60へ送信すべき指定情報の内容を調整する。
指定情報生成部105は、たとえば、予測情報が示す他の車両41および歩行者42の予測位置と、他の車両41および歩行者42の実際の位置との差分が大きいことを示す予測位置評価結果を受けると、計測情報の送信周期を短くする旨の指定情報を生成する。
また、指定情報生成部105は、たとえば燃費に関する指標が低いことを示すKPI評価結果を受けると、より広い計測領域における計測情報を要求するために、計測情報を送信させるべきより多くの路側器60を選択する。
[車載装置]
図4は、本開示の実施の形態に係る車載装置の構成を示す図である。
図4を参照して、車載装置200は、受信部201と、支援情報生成部202と、車両制御部203と、現在位置取得部204と、記憶部205と、送信部206と、評価部210とを備える。評価部210は、予測位置評価部211と、KPI評価部212とを含む。
記憶部205は、たとえば不揮発性メモリである。記憶部205は、たとえば、対象車両40のユーザたとえば運転手に設定された運転の嗜好に関する設定情報、または走行履歴を記憶している。
車載装置200における上記各ユニットは、たとえば、1または複数のECU(Electronic Control Unit)によって実現される。
たとえば、受信部201および送信部206は、1つのTCU(Telematics Communication Unit)により実現され、LTE(Long Term Evolution)、3Gまたは5Gなどの通信規格に従って無線基地局装置20と電波を用いた無線通信を行うことが可能である。
受信部201は、無線基地局装置20から受信した無線信号に含まれる対象車両40外からの情報を車載装置200における各ユニットへ出力する。また、送信部206は、車載装置200における各ユニットから受けた対象車両40外への情報を含む無線信号を無線基地局装置20へ送信する。
現在位置取得部204は、たとえば所定周期で、測位衛星からの電波に基づいて自己の対象車両40の現在位置を取得し、取得した現在位置を示す位置情報を生成する。現在位置取得部204は、生成した位置情報を、支援情報生成部202へ出力するとともに、送信部206および無線基地局装置20経由で車両交通管理装置100へ送信する。
受信部201は、車両交通管理装置100から予測情報を受信する。たとえば、受信部201は、さらに、車両交通管理装置100から動的情報を受信する。受信部201は、受信した予測情報および動的情報を、支援情報生成部202および予測位置評価部211へ出力する。
支援情報生成部202は、受信部201から受けた予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。
より詳細には、支援情報生成部202は、現在位置取得部204から受けた位置情報、ならびに受信部201から受けた予測情報および動的情報に基づいて、たとえばマップマッチング処理を用いて、目的地までの走行経路、または目的地までの自動運転における速度などの制御内容を含む支援情報を生成する。
支援情報生成部202は、生成した支援情報を車両制御部203へ出力する。
車両制御部203は、支援情報生成部202から受けた支援情報に基づいて、たとえば支援情報が示す走行経路をカーナビゲーションシステムの画面に表示させる制御を行ったり、速度などの制御内容に従った自動運転を行ったりする。
評価部210は、支援情報生成部202によって生成された支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における、他の車両41の実際の位置、歩行者42の実際の位置、および対象車両40の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、受信部201によって受信された予測情報を評価する。
より詳細には、評価部210における予測位置評価部211は、支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における、他の車両41および歩行者42の実際の位置に基づいて、予測情報を評価する。
たとえば、予測位置評価部211は、対象車両40に搭載されたLiDARおよびカメラなどのセンサによる計測結果を示す計測情報を取得する。予測位置評価部211は、取得した計測情報に基づいて、他の車両41および歩行者42の有無、ならびに当該他の車両41および当該歩行者42の位置を示す位置情報を生成する。
予測位置評価部211は、受信部201から受けた予測情報が示す他の車両41および歩行者42の予測位置と、生成した位置情報が示す当該他の車両41および当該歩行者42の実際の位置との差分を算出する。
予測位置評価部211は、算出した差分を予測位置評価結果として送信部206へ出力する。
評価部210におけるKPI評価部212は、支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における、対象車両40の走行に関する指標であるKPI指標に基づいて、予測情報を評価する。
たとえば、KPI評価部212は、対象車両40に搭載された、ブレーキセンサ、アクセルセンサ、加速度センサ、ステアリングセンサ、燃費センサ、電費センサ、LiDAR、カメラおよび車内カメラなどの各種センサによる計測結果を示す計測情報を取得する。
KPI評価部212は、安心安全に関する指標、燃費または電費に関する指標および乗り心地に関する指標をそれぞれ算出するための各計算式に従い、取得した計測情報を用いて各指標における評価点数を算出する。
ここで、支援情報に基づく対象車両40の走行過程において、たとえば急ブレーキおよび急ハンドルが行われた場合、ブレーキセンサおよびステアリングセンサによって、それぞれ高いブレーキ圧および操舵角の急激な変化を示す計測結果が得られる。このような計測結果を示す計測情報を用いると、安心安全に関する指標において低い評価点数が算出される。
また、支援情報に基づく対象車両40の走行過程において、たとえば他の車両41などの障害物に接近した場合、LiDARまたはカメラによって、障害物との距離が小さかったことを示す計測結果が得られる。このような計測結果を示す計測情報を用いると、安心安全に関する指標において低い評価点数が算出される。
また、支援情報に基づく対象車両40の走行過程において、たとえば急加速が行われた場合、加速度センサによって、大きな加速度変化を示す計測結果が得られる。このような計測結果を示す計測情報を用いると、乗り心地に関する指標において低い評価点数が算出される。
また、支援情報に基づく対象車両40の走行過程において、たとえば運転手がストレスを感じた場合、車内カメラによって得られた運転手の表情を画像解析することにより、運転手がストレスを感じたことを示す計測結果が得られる。このような計測結果を示す計測情報を用いると、乗り心地に関する指標において低い評価点数が算出される。
また、支援情報に基づく対象車両40の走行過程において、たとえば交通渋滞が発生した場合、燃費センサによって、単位燃料量あたりの走行距離が小さかったことを示す計測結果が得られる。このような計測結果を示す計測情報を用いると、燃費に関する指標において低い評価点数が算出される。
KPI評価部212は、各指標における評価点数に基づいてKPI指標を算出する。たとえば、KPI評価部212は、記憶部205における設定情報を参照して、運転手の運転の嗜好に合わせて各指標における評価点数についての基準すなわちしきい値を設定し、各指標における評価点数と、設定したしきい値との差分をKPI指標として算出する。
ここで、安心安全および電費または燃費に関する指標と、乗り心地に関する指標とは、相反する部分があるため、たとえば安心安全、および電費または燃費に関する指標における評価点数が高い場合は、乗り心地に関する指標における評価点数は低くなる傾向がある。
そこで、KPI評価部212は、たとえば、安心安全に関する指標における評価点数についてのしきい値を、運転手に設定された設定情報に関わらず所定値以上に設定し、電費または燃費に関する指標および乗り心地に関する指標についてのしきい値を、運転手に設定された設定情報に従って設定する。
また、たとえば、KPI評価部212は、乗り心地よりも燃費を優先することを示す設定情報が記憶部205に登録されている場合、燃費に関する指標ついてのしきい値を高く設定し、乗り心地に関する指標についてのしきい値を低く設定する。
KPI評価部212は、算出したKPI指標をKPI評価結果として送信部206へ出力する。また、KPI評価部212は、算出したKPI指標を支援情報生成部202へ出力する。
支援情報生成部202は、KPI評価部212からKPI指標を受けると、受けたKPI指標に基づいて、KPI指標を改善するために必要に応じて支援情報たとえば自動運転における制御内容または目的地までの走行経路を変更する。
支援情報生成部202は、KPI評価部212から受けたKPI指標において、安心安全に関する指標における評価点数が対応のしきい値以下である場合、たとえば、自動運転における走行速度を低下させたり、自動運転におけるブレーキのタイミングを早めたり、自動運転における走行車線を他の車両41がより少ない車線に変更したり、支援情報に含まれる走行経路を道幅が広い道路を通る経路に変更したりする。
また、支援情報生成部202は、KPI評価部212から受けたKPI指標において、電費に関する指標における評価点数が対応のしきい値以下である場合、たとえば、速度変化をできるだけ小さくするために、自動運転におけるブレーキ使用量を低下させたり、また、自動運転における走行速度を、電費を抑えるための適切な速度に変更したりする。
また、支援情報生成部202は、KPI評価部212から受けたKPI指標において、乗り心地に関する指標における評価点数が対応のしきい値以下である場合、たとえば、加速度変化をできるだけ小さくするために、自動運転におけるブレーキ圧を小さくする。
また、支援情報生成部202は、たとえば、安心安全に関する指標における評価点数がしきい値以下である場合、安心安全に関する指標の改善を最優先に行い、安心安全に関する指標における評価点数がしきい値より大きい場合、評価点数がしきい値以下である指標のうち、評価点数としきい値との差分が大きい指標の改善を優先的に行う。
図5は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおいて対象車両が走行する走行経路の一例を示す図である。
図5を参照して、たとえば、車両交通管理装置100が、路側器60Aから受信した計測情報に基づく予測情報を生成して対象車両40の車載装置200へ送信し、車載装置200が、受信した予測情報に基づいて、支援情報として目的地D1までの走行経路R1を生成し、走行経路R1に沿って対象車両40が走行する状況を想定する。
車載装置200は、自己の対象車両40が走行経路R1を走行した結果、他の車両41A,41B,41Cが合流することにより交通渋滞が発生したため、燃費に関する指標における評価点数がしきい値以下であるKPI指標を算出し、算出したKPI指標を評価結果として車両交通管理装置100へ送信する。
そして、車両交通管理装置100は、たとえば別の日に対象車両40が目的地D1まで走行する場合において、車載装置200から過去に受信したKPI指標に基づいて、より広い計測領域における計測情報を取得するために、計測情報を送信させるべき路側器60として、路側器60Aに加えて路側器60Bを選択し、指定情報を路側器60A,60Bへそれぞれ送信する。
車両交通管理装置100は、路側器60A,60Bから受信した計測情報に基づいて予測情報を生成し、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。
車載装置200は、路側器60A,60Bから受信した計測情報に基づいて生成された予測情報により、走行経路R1の途中で交通渋滞が発生する可能性があることを検知し、支援情報として走行経路R2を生成する。これにより、対象車両40は、交通渋滞を回避して目的地D1まで走行することができる。
なお、車両交通管理装置100は、対象車両40が目的地D1まで走行する場合に限らず、対象車両40が他の目的地まで走行する場合においても、車載装置200から過去に受信したKPI指標に基づいて、より広い計測領域における計測情報を取得し、取得した計測情報に基づいて生成した予測情報を車載装置200へ送信する構成であってもよい。
図6は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおいて対象車両が走行する走行経路の一例を示す図である。
図6を参照して、たとえば、車両交通管理装置100が、路側器60から受信した計測情報に基づく予測情報を生成して対象車両40の車載装置200へ送信し、車載装置200が、受信した予測情報に基づいて、自動運転における走行速度V1を含む支援情報を生成し、対象車両40が走行速度V1で走行経路R3を走行する状況を想定する。
車両交通管理装置100は、路側器60から受信した計測情報に基づいて、歩行者42のN秒後の予測位置42N1が歩道上であることを示す予測情報を生成し、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。
対象車両40は、受信した予測情報に基づいて走行速度V1のまま交差点を左折したところ、歩行者42のN秒後の実際の位置42N2が、走行経路R3と交差する横断歩道上であり急ブレーキを必要とした。このため、車載装置200は、安心安全に関する指標、燃費に関する指標および乗り心地に関する指標における評価点数がしきい値以下であるKPI指標を算出し、算出したKPI指標をKPI評価結果として車両交通管理装置100へ送信する。
また、車載装置200は、予測情報が示す歩行者42の予測位置42N1と実際の位置42N2との差分を算出し、算出した差分を予測位置評価結果として車両交通管理装置100へ送信する。
車両交通管理装置100は、たとえば別の日に対象車両40が走行経路R3を走行する場合において、車載装置200から過去に受信したKPI指標に基づいて、安心安全に関する指標、燃費に関する指標および乗り心地に関する指標を改善する。すなわち、車両交通管理装置100は、より短い周期で計測情報を取得して予測情報を生成するために、計測情報の送信周期を短くする旨の指定情報を生成し、生成した指定情報を路側器60へ送信する。
車両交通管理装置100は、より短い周期で路側器60から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することにより、歩行者42のより正確な予測位置を示す予測情報を生成し、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。
車載装置200は、歩行者42のN秒後の予測位置が横断歩道上であることを示す予測情報を受信し、受信した予測情報に基づいて、危険回避のために横断歩道の手前で減速するブレーキ制御を含む支援情報を生成することにより、対象車両40を横断歩道の手前で減速させる。
また、車載装置200は、安心安全に関する指標における評価点数がしきい値以下であるKPI指標に基づいて、走行速度V1よりも遅い走行速度V2を含む支援情報を生成することにより、安心安全に関する指標を改善する。
[動作の流れ]
車両交通管理システム300における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図7は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおける車両交通管理装置の動作手順を定めたフローチャートである。
図7を参照して、まず、車両交通管理装置100は、たとえば所定周期で、対象車両40の位置情報を車載装置200から受信する(ステップS102)。
次に、車両交通管理装置100は、受信した位置情報および地図情報に基づいて複数の路側器60を選択し、計測情報を要求するための指定情報を、選択した複数の路側器60へそれぞれ送信する(ステップS104)。
次に、車両交通管理装置100は、選択した複数の路側器60から計測情報をそれぞれ受信する(ステップS106)。
次に、車両交通管理装置100は、受信した計測情報に基づいて、対象車両40以外の他の車両41および歩行者42の現在位置を示す動的情報を生成する(ステップS108)。
次に、車両交通管理装置100は、予測モデルおよび生成した動的情報を用いて演算を行なうことにより、他の車両41および歩行者42の予測位置を示す予測情報を生成する(ステップS110)。
次に、車両交通管理装置100は、記憶部106における送信内容情報に基づいて、生成した予測情報の内容を調整する(ステップS112)。
次に、車両交通管理装置100は、動的情報および予測情報を対象車両40へ送信する(ステップS114)。
図8は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおける車載装置の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、まず、車載装置200は、たとえば所定周期で、対象車両40の位置情報を取得し、取得した位置情報を車両交通管理装置100へ送信する(ステップS202)。
次に、車載装置200は、位置情報などに基づいて生成された動的情報および予測情報を車両交通管理装置100から受信する(ステップS204)。
次に、車載装置200は、車両交通管理装置100から受信した予測情報および動的情報に基づいて、目的地までの走行経路、または目的地までの自動運転における速度などの制御内容を含む支援情報を生成する(ステップS206)。
次に、車載装置200は、支援情報に基づいて対象車両40が走行した結果における、他の車両41の実際の位置、歩行者42の実際の位置、および対象車両40の走行に関する指標に基づいて、車両交通管理装置100から受信した予測情報を評価する(ステップS208)。
次に、車載装置200は、予測位置評価結果およびKPI評価結果を、予測情報の評価結果として車両交通管理装置100へ送信する(ステップS210)。
図9は、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システムにおける交通管理処理のシーケンスの一例を示す図である。
図9を参照して、まず、複数の車載装置200は、対応の対象車両40の位置情報を車両交通管理装置100へ送信する(ステップS302)。
次に、車両交通管理装置100は、受信した各位置情報および地図情報に基づいて複数の路側器60を選択するとともに、各路側器60に送信すべき計測情報の内容を指定するための指定情報を生成する(ステップS304)。
次に、車両交通管理装置100は、生成した指定情報を、選択した複数の路側器60へそれぞれ送信する(ステップS306)。
次に、各路側器60は、車両交通管理装置100から指定情報を受信して、受信した指定情報に基づいて計測情報を生成する(ステップS308)。
次に、各路側器60は、生成した計測情報を車両交通管理装置100へ送信する(ステップS310)。
次に、車両交通管理装置100は、各路側器60から受信した計測情報に基づいて、各車載装置200に送信すべき動的情報および予測情報を車載装置200ごとに生成する(ステップS312)。
次に、車両交通管理装置100は、生成した車載装置200ごとの動的情報および予測情報を、対応の車載装置200へそれぞれ送信する(ステップS314)。
次に、各車載装置200は、受信した動的情報および予測情報に基づいて、目的地までの走行経路、または目的地までの自動運転における速度などの制御内容を含む支援情報を生成する(ステップS316)。
次に、各車載装置200は、支援情報に基づいて対応の対象車両40が走行した結果における、他の車両41の実際の位置、歩行者42の実際の位置、および対象車両40の走行に関する指標に基づいて、車両交通管理装置100から受信した予測情報を評価する(ステップS318)。
次に、各車載装置200は、予測位置評価結果およびKPI評価結果を、予測情報の評価結果として車両交通管理装置100へ送信する(ステップS320)。
次に、車両交通管理装置100は、各車載装置200から受信した予測位置評価結果およびKPI評価結果に基づいて、予測モデルを更新するとともに、記憶部106における車載装置200ごとの送信内容情報を更新する(ステップS322)。
なお、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100が、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、予測情報生成部110における予測情報調整部112が、対象車両40すなわち車載装置200から受信した評価結果に基づいて、生成すべき予測情報の内容を調整する構成であるとしたが、これに限定するものではない。予測情報生成部110は、予測情報調整部112を含まず、路側器60から受信した計測情報に基づいて生成した予測情報を、送信部107経由で車載装置200へ送信する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、指定情報生成部105は、対象車両40すなわち車載装置200から受信した評価結果に基づいて、路側器60が送信すべき計測情報の内容を指定する指定情報の内容を調整する構成であるとしたが、これに限定するものではない。指定情報生成部105は、上記評価結果に関わらず、地図情報および対象車両40の位置情報に基づいて生成した指定情報を、送信部107経由で路側器60へ送信する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、記憶部106は、車載装置200ごとの送信内容情報を記憶している構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部106は、車両交通管理システム300における複数の車載装置200の一部または全部について共通の送信内容情報を記憶している構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、走行指標改善部104は、受信部101経由で車載装置200から受信したKPI評価結果に基づいて、記憶部106における当該車載装置200に対応する送信内容情報を更新する構成であるとしたが、これに限定するものではない。走行指標改善部104は、受信部101経由で車載装置200から受信したKPI評価結果に基づいて、記憶部106における他の車載装置200に対応する送信内容情報を更新する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載装置200では、支援情報生成部202は、位置情報ならびに予測情報および動的情報に基づいて支援情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。支援情報生成部202は、位置情報および予測情報に基づいて支援情報を生成する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載装置200では、評価部210は、他の車両41および歩行者42の実際の位置に基づいて予測情報を評価する予測位置評価部211と、KPI指標に基づいて予測情報を評価するKPI評価部212とを含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。評価部210は、予測位置評価部211およびKPI評価部212のいずれか一方を含まない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載装置200では、KPI評価部212は、安心安全に関する指標、燃費または電費に関する指標および乗り心地に関する指標の各指標に基づいて、対象車両40の走行に関する指標であるKPI指標を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。KPI評価部212は、上記各指標以外の指標に基づいてKPI指標を算出する構成であってもよい。
ところで、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることが可能な技術が望まれる。
これに対して、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、受信部101は、複数の路側器60から計測情報を受信可能である。予測情報生成部110は、受信部101によって受信された計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する。送信部107は、予測情報生成部110によって生成された予測情報を対象車両40へ送信する。
このような構成により、たとえば複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、対象車両40において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、受信部101は、さらに、送信部107によって送信された予測情報の評価結果を対象車両40から受信する。予測情報生成部110は、受信部101によって受信された評価結果に基づいて、生成すべき予測情報の内容を調整する。
このような構成により、たとえば対象車両40による予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置100における予測情報の生成に反映し、たとえば予測精度を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理装置100では、受信部101は、さらに、送信部107によって送信された予測情報の評価結果を対象車両40から受信する。指定情報生成部105は、受信部101によって受信された評価結果に基づいて、路側器60が送信すべき計測情報の内容を路側器60に指示する。
このような構成により、たとえば対象車両40による予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を、路側器60による計測情報の送信周期など、予測情報の生成に用いられる計測情報の内容に反映することができる。
また、本開示の実施の形態に係る車載装置200では、受信部201は、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置100から受信する。支援情報生成部202は、受信部201によって受信された予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。評価部210は、支援情報生成部202によって生成された支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、他の車両の実際の位置、歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、受信部201によって受信された予測情報を評価する。送信部206は、評価部210による評価結果を車両交通管理装置100へ送信する。
このような構成により、車両交通管理装置100から受信した予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置100へフィードバックし、車両交通管理装置100が送信すべき予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車載装置200では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システム300は、車両交通管理装置100と、車載装置200とを備える。車両交通管理装置100は、1または複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成し、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。車載装置200は、車両交通管理装置100から受信した予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。車載装置200は、生成した支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、他の車両の実際の位置、歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、車両交通管理装置100から受信した予測情報を評価し、評価結果を車両交通管理装置100へ送信する。
このような構成により、車両交通管理装置100において、たとえば複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、車載装置200において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。さらに、車両交通管理装置100によって生成された予測情報を用いた対象車両40における実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置100へフィードバックし、車両交通管理装置100によって生成される予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車両交通管理システム300では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車両交通管理装置100における車両交通管理方法である。この車両交通管理方法では、まず、車両交通管理装置100が、1または複数の路側器60から計測情報を受信する。次に、車両交通管理装置100が、受信した計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する。次に、車両交通管理装置100が、生成した予測情報を対象車両40へ送信する。
このような方法により、たとえば複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、対象車両40において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車載装置200における車両交通管理方法である。この車両交通管理方法では、まず、車載装置200が、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置100から受信する。次に、車載装置200が、受信した予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。次に、車載装置200が、生成した支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、他の車両の実際の位置、歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、受信した予測情報を評価する。次に、車載装置200が、評価結果を前記車両交通管理装置へ送信する。
このような方法により、車両交通管理装置100から受信した予測情報を用いた実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置100へフィードバックし、車両交通管理装置100が送信すべき予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
また、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法は、車両交通管理装置100と、車載装置200とを備える車両交通管理システム300における車両交通管理方法である。この車両交通管理方法では、まず、車両交通管理装置100が、1または複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成し、生成した予測情報を車載装置200へ送信する。次に、車載装置200が、車両交通管理装置100から受信した予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する。次に、車載装置200が、生成した支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、他の車両の実際の位置、歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、車両交通管理装置100から受信した予測情報を評価し、評価結果を車両交通管理装置100へ送信する。
このような方法により、車両交通管理装置100において、たとえば複数の路側器60から受信した計測情報に基づいて予測情報を生成することができるため、車載装置200において、広範囲を対象とする計測情報に基づく予測情報を用いた運転支援または走行支援を行うことができる。さらに、車両交通管理装置100によって生成された予測情報を用いた対象車両40における実際の走行結果の評価内容を車両交通管理装置100へフィードバックし、車両交通管理装置100によって生成される予測情報の内容を改善し、たとえば予測精度を向上させることができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る車両交通管理方法では、車両における運転支援または走行支援の質を向上させることができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
複数の路側器から計測情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された各前記計測情報に基づいて、車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成する予測情報生成部と、
前記予測情報生成部によって生成された前記予測情報を対象車両へ送信する送信部とを備え、
前記受信部は、さらに、前記送信部によって送信された前記予測情報の評価結果を前記対象車両から受信し、
前記予測情報生成部は、前記受信部によって受信された前記評価結果に基づいて、生成すべき前記予測情報の内容を調整し、
さらに、前記受信部によって受信された前記評価結果に基づいて、前記路側器が送信すべき前記計測情報の内容を前記路側器に指示する指定部を備える、車両交通管理装置。
[付記2]
他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を車両交通管理装置から受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成する支援情報生成部と、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置および前記歩行者の実際の位置に基づいて、前記受信部によって受信された前記予測情報を評価する予測位置評価部と、
前記支援情報生成部によって生成された前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、自己の車両の走行に関する指標に基づいて、前記受信部によって受信された前記予測情報を評価するKPI評価部と、
前記予測位置評価部および前記KPI評価部による評価結果を前記車両交通管理装置へ送信する送信部とを備える、車載装置。
[付記3]
車両交通管理装置と、
車載装置とを備え、
前記車両交通管理装置は、複数の路側器から受信した計測情報に基づいて、他の車両および歩行者の少なくともいずれか一方の予測位置を示す予測情報を生成し、生成した前記予測情報を前記車載装置へ送信し、
前記車載装置は、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報に基づいて、運転支援または走行支援のための支援情報を生成し、
前記車載装置は、生成した前記支援情報に基づいて自己の車両が走行した結果における、前記他の車両の実際の位置、前記歩行者の実際の位置、および自己の車両の走行に関する指標のうちの少なくともいずれか1つに基づいて、前記車両交通管理装置から受信した前記予測情報を評価し、評価結果を前記車両交通管理装置へ送信し、
前記車両交通管理装置は、前記車載装置から受信した前記評価結果に基づいて、前記路側器が送信すべき前記計測情報の内容を前記路側器に指示するとともに、生成すべき前記予測情報の内容を調整する、車両交通管理システム。