JP2020176971A - 蛍光バイオイメージング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織、器官、または生体において蛍光バイオイメージングを行うための新規の方法を提供する。【解決手段】組織、器官、または生体の内部にある蛍光標識剤から発せられる蛍光を蛍光検出器によって検出することを含む蛍光バイオイメージング方法であって、蛍光の検出は、第1の波長領域において行われ、第1の波長領域は、蛍光標識剤の蛍光の強度が、その蛍光標識剤の最大蛍光波長における蛍光強度の1%以上50%以下の範囲内となる蛍光波長領域である、蛍光バイオイメージング方法。【選択図】図4

Description

本開示は、蛍光バイオイメージングに関する。
バイオイメージングは、タンパク質、細胞、組織等を可視化する技術であり、生体内分子・細胞機能の解明や創薬の研究等、生物学、医学の研究領域で幅広く活用されている。 中でも蛍光バイオイメージング法は、現象の動的な観察、多色観察、および高感度観察が可能なイメージング法である。蛍光バイオイメージング法は、標的部位で選択的に結合、濃縮、発現等する蛍光標識剤、あるいは、標的部位で選択的に発光する蛍光標識剤を用い、紫外〜近赤外領域の光を照射した際にその蛍光標識剤が発する蛍光を検出することにより、標的を可視化することができる。近年は、非侵襲的な診断を可能にする医学診断用イメージング法としても注目されている。
一般に生体の組織は、ヘモグロビンおよび水など、光の透過を妨げる物質を多く含むため、組織深部にある標的部位のイメージングはより困難である。しかしながら、生体透過性に優れるため「生体の窓」とも呼ばれる近赤外領域の光(700〜1500nm)を用いた近赤外蛍光イメージングは、その困難を部分的に回避できるため、患者への負担が少ない画像診断や外科手術ナビゲーションツールとして臨床現場への応用が進められている。
蛍光標識剤は、生体分子、細胞、組織等を標識する機能を有する蛍光物質であり、高感度に標識するためには、高い蛍光強度を有する必要がある。蛍光標識剤としては、水溶性の有機分子であるシアニン系色素やキサンテン系色素等が用いられるが、非特許文献1および2に記載されているように、蛍光強度の低さや、耐光性など光安定性の低さが課題であった。近年、近赤外領域におけるバイオイメージング用のシアニン系色素であるインドシアニングリーン等に関してその蛍光強度を改善する手法が開発されているように(特許文献1)、より高い蛍光強度や光安定性を有する蛍光標識剤が求められている。
しかし近赤外領域では、蛍光波長が700〜1500nmと長波長であるため、蛍光色素のHOMO−LUMOギャップも狭くなることから励起状態が熱失活を起こしやすくなり、蛍光効率が低くなり易いことが知られている(生物物理 57(2),081-084(2017))。従って、有機蛍光色素を構造改変して単に長波長化することができたとしても、蛍光強度の向上を伴わせることは非常に困難であった。
国際公開第2016/152954号
会澤英樹、外3名、「診断試薬用シリカナノ粒子の開発」、古河電工時報、古河電気工業株式会社、平成20年3月、第121号、p.17 BIOINDUSTRY 第34巻、第1号、通算394号、2017年1月12日発行 シーエムシー出版、p.29
本開示は、組織、器官、または生体において蛍光バイオイメージングを行うための新規の方法を提供するものである。
本開示は以下の実施形態を含む。
[1]
組織、器官、または生体の内部にある蛍光標識剤から発せられる蛍光を蛍光検出器によって検出することを含む蛍光バイオイメージング方法であって、
前記蛍光の検出は、第1の波長領域において行われ、
前記第1の波長領域は、前記蛍光標識剤の蛍光の強度が、前記蛍光標識剤の最大蛍光波長における蛍光強度の1%以上50%以下の範囲内となる蛍光波長領域である、
蛍光バイオイメージング方法。
[2]
前記第1の波長領域は、前記最大蛍光波長より長波長側にあり、前記第1の波長領域の最短波長と前記最大蛍光波長との差が30nm以上である、[1]に記載の蛍光バイオイメージング方法。
[3]
前記第1の波長領域は、前記最大蛍光波長より長波長側にあり、前記蛍光標識剤の最大蛍光波長が710nm以上である、[1]または[2]に記載の蛍光バイオイメージング方法。
[4]
前記蛍光標識剤がフタロシアニン系化合物の蛍光色素を含む、[1]〜[3]いずれか一項に記載の蛍光バイオイメージング方法。
[5]
前記フタロシアニン系化合物が、フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所に原子数3以上の置換基を有し、かつ、2価〜4価の中心金属を有する、[4]に記載の蛍光バイオイメージング方法。
本開示の実施形態によって、特に近赤外領域において、高い蛍光強度にて蛍光バイオイメージングを行うことが可能となる。また、既存の蛍光標識剤の活用範囲を拡大させること、および蛍光バイオイメージングにおける蛍光標識剤の選択の柔軟性を格段に向上させることができる。
図1は、分散系の蛍光標識剤の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの比較を示す。 図2は、異なる分散剤を用いた分散系の蛍光標識剤の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの比較を示す。 図3は、溶解系の蛍光標識剤の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの比較を示す。 図4は、マウスに蛍光標識剤を皮下注射して行った蛍光バイオイメージングの例を示す。
本実施形態においてバイオイメージングの対象となる組織、器官、または生体は、多細胞生物の組織、器官、または生体である。組織とは、特定の機能または形態を共有する細胞集団であり、器官は組織から構成される。本開示において、蛍光標識剤が組織の内部にあるという場合、その蛍光標識剤が一種類の組織中に埋没されていることもあり得るし、またはその蛍光標識剤が一種類の組織と別の種類の組織との間に挟まれていることもあり得る。組織もしくは器官は、生体内に存在する状態すなわちin vivoの組織もしくは器官、または、生体外に存在する状態すなわちex vivoの組織もしくは器官(例えば生体から摘出された組織もしくは器官)であり得る。多細胞生物には動物、植物、および真菌が含まれるが、動物が特に好ましく、脊椎動物がより好ましく、哺乳類動物がさらに好ましい。ヒトの組織、器官、または生体をバイオイメージングの対象とすることが特に好ましい。
本実施形態の蛍光バイオイメージング方法では、蛍光標識剤が、厚さ200μm以上の組織によって蛍光検出器から隔てられていることが好ましい。すなわち、蛍光標識剤と蛍光検出器との間に厚さ200μm以上、より好ましくは500μm以上、さらに好ましくは1mm以上の組織が存在し得る。
蛍光標識剤は、当業者に通常理解されるように、励起エネルギーを吸収して蛍光を発する蛍光物質を含有する物質である。典型的には、励起エネルギーは紫外線〜近赤外線の波長領域内の電磁波(励起光)のかたちで供給され、蛍光標識剤は、励起光とは異なる波長の蛍光を放出する。通常、蛍光の波長は励起光の波長より長い。
本実施形態における蛍光標識剤は、バイオイメージング対象とされる組織または器官に自然の状態では存在しないが、導入されたことによってその組織または器官の内部に存在するようになっている蛍光標識剤である。導入は、例えば経口投与、吸引投与、注射、または外科的移植によって達成され得る。
蛍光標識剤は、例えば、蛍光色素、蛍光タンパク質、またはこれらを含有する蛍光試薬もしくは蛍光細胞などであり得る。蛍光標識剤は、標的とする特定の器官、組織、組織内構造、細胞、細胞内構造、または分子についての特異的結合または特異的濃縮を達成するための標的指向化部分を含み得る。そのような部分は例えば抗体または抗体断片であり得るがこれに限定されず、個々のアプリケーションに応じて当業者によって適宜選択され得る。例えば、標的構造を認識する特異的抗体と蛍光標識剤とが組織、器官、または生体の内部に一緒に導入され、その際に、その特異的抗体に結合する部分を蛍光標識剤に含ませておくというような、間接的標識の態様も企図される。蛍光色素または蛍光タンパク質が標的指向化部分によって直接修飾される必要は必ずしもない。例えば、標的指向化部分を表面に有するリポソームに蛍光色素を封入する態様や、標的指向化部分を発現する細胞に蛍光タンパク質を共発現させる、もしくはその細胞を蛍光色素で標識する態様が企図され得る。
蛍光色素の例としては、シアニン系色素、ローダミン系色素、クマリン系色素、キサンテン系色素、フルオレセイン系色素、ピレン系色素、フタロシアニン系色素、ジケトピロロピロール(DPP)系色素、BODIPY系色素などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの有機蛍光色素は、当業者に通常理解されるように、基本骨格の違いにより分類される。例えばフタロシアニン系色素はフタロシアニンの基本骨格を有するが、フタロシアニン系色素同士の間では置換基の種類が異なり得る。蛍光タンパク質の例としては、赤色蛍光タンパク質(RFP)、青色蛍光タンパク質(CFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、EGFPなどが挙げられるがこれらに限定されない。
蛍光バイオイメージングにおいて蛍光の検出は、当業者に知られているように、蛍光顕微鏡、ならびにCCD(charge-coupled device)、APS(active-pixel sensor)(特にCMOS(complementary metal-oxide-semiconductor))等のイメージセンサおよびそれらを含むカメラなど、蛍光シグナルを可視化および/または画像化することができる蛍光検出器により行われ、組織、器官、もしくは生体における蛍光標識剤の位置決定、および/または蛍光強度の定量化を含み得る。カメラはビデオカメラを含み得る。顕微鏡を経ずにCCDカメラまたはCMOSカメラのような蛍光検出器で組織、器官、または生体からの蛍光を検出する巨視的バイオイメージングの態様が特に好適である。
本実施形態において、蛍光標識剤が発する蛍光の検出は、第1の波長領域において行われる。第1の波長領域とは、その蛍光標識剤の蛍光の強度が、その蛍光標識剤の最大蛍光波長(すなわち、蛍光スペクトラムの最大ピークに対応する波長)における蛍光強度と比べて1%以上50%以下の範囲内となる蛍光波長領域である。すなわち、第1の波長領域内では、蛍光強度が、同一条件下で最大蛍光波長において測定される蛍光強度の50%を上回らず、1%を下回らない。従来の蛍光バイオイメージングでは、蛍光標識剤の最大蛍光波長周辺の波長領域において検出が行われており、本実施形態のように、あえてピーク値の半分以下の蛍光強度となる波長領域で蛍光バイオイメージングを行うという発想は教示されてこなかった。なお本開示において、「第1の」波長領域という用語は、上記特定の条件を満たす波長領域を指すために便宜的に用いられるものであって、例えば本実施形態の方法で「第2の」波長領域における検出が関わることは必ずしも意味しない。
このように特定の波長領域において選択的に蛍光を検出することは、当業者に理解されるように、1つ以上の適切なフィルター(例えばハイパスフィルター、ローパスフィルター、および/またはバンドパスフィルター)を通して検出することによって達成され得る。同様に、当業者は適切な光源とフィルターを選択して特定の波長領域の励起光を使用することができる。
第1の波長領域における蛍光標識剤の蛍光の強度は、最大蛍光波長における蛍光強度と比べて、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。第1の波長領域における蛍光標識剤の蛍光の強度は、最大蛍光波長における蛍光強度と比べて、1%以上であることが好ましく、3%以上であることがより好ましく、5%以上であることが特に好ましい。第1の波長領域内における当該蛍光標識剤の最大蛍光強度が、同溶媒条件下の同モル数のインドシアニングリーンからの蛍光をインドシアニングリーンの最大蛍光波長において同検出器で検出した場合に得ることができる蛍光強度の1.0倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。また、当該蛍光標識剤の最大蛍光波長における蛍光強度が、同溶媒条件下の同モル数のインドシアニングリーンからの蛍光をインドシアニングリーンの最大蛍光波長において同検出器で検出した場合に得ることができる蛍光強度の10倍以上であることが好ましく、20倍以上であることがより好ましい。
第1の波長領域は、最大蛍光波長より長波長側にあることが好ましい。第1の波長領域が最大蛍光波長より長波長側にあり、かつ、第1の波長領域の最短波長と最大蛍光波長との差が30nm以上であることが好ましい。換言すると、最大蛍光波長より30nm以上長い波長において検出が行われることが好ましい。第1の波長領域の最短波長と最大蛍光波長との上記差は、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることがさらに好ましい。最大蛍光波長からあえてこれほど遠く離れた波長領域において蛍光バイオイメージングを行うという発想は従来教示されてこなかった。この実施形態により、蛍光標識剤の選択肢が少ないと従来考えられていた波長領域において、より柔軟に蛍光標識剤を選択できるようになる。励起光は通常、最大蛍光波長より短波長であり、比較的強度の高い光であるが、第1の波長領域の最短波長が最大蛍光波長からこれほど遠く離れていると、励起光そのものが検出に漏れ入る問題も確実に回避され得る。
本実施形態において使用される蛍光標識剤は、好ましくは最大蛍光波長が710nm以上であるものであり、より好ましくは最大蛍光波長が720nm以上であるものである。蛍光標識剤の最大蛍光波長は例えば800nm以下、あるいは750nm以下であり得る。本実施形態では、このような波長領域において強い最大蛍光を発する蛍光標識剤を利用することができると共に、最大蛍光波長より長波長側にある第1の波長領域において優れた生体透過性が提供され、検出されるべき蛍光が生体組織により減弱される程度を抑制することができる。また、蛍光標識剤の最大蛍光波長が710nm以上であると、生体組織からの自家蛍光の影響も受けにくくなる。最大蛍光波長はリン酸緩衝液(PBS)中で測定することができる。PBSの組成は以下の通りである:塩化ナトリウム 0.137mol/L、塩化カリウム 0.00268mol/L、リン酸水素二ナトリウム 0.0100mol/L、リン酸二水素カリウム 0.00176mol/L。PBSのpHは7.2であり得る。
本実施形態の蛍光バイオイメージング方法では、蛍光標識剤が、好ましくは最大励起波長±10nm、より好ましくは最大励起波長±5nmの範囲内の波長を有する励起光で励起され得る。最大励起波長は、励起スペクトルの中で最も強い蛍光を放出させることができる波長である。本実施形態における励起波長は、例えば600〜800nmの範囲内、好ましくは650〜780nmの範囲内、より好ましくは700〜770nmの範囲内であり得る。
本実施形態による蛍光バイオイメージング方法においては、イメージング対象となる組織、器官、または生体のうち、上記蛍光標識剤が存在しており蛍光の検出が行われる部分が、別の蛍光標識剤で標識されていないことが好ましい。つまり、イメージング対象となる組織または器官が多重標識(例えば二重標識)されないことが好ましい。ただし多重標識とは、異なる蛍光標識剤の分布が重なるまたは入り混じることを意味し、入り混じらないように互いに離れた部位において複数の蛍光標識剤による標識がなされることは必ずしも排除しない。
本実施形態における蛍光標識剤は、蛍光色素としてフタロシアニン系化合物を含むことが特に好ましい。フタロシアニン系化合物は優れた光安定性を提供することができる。また、フタロシアニン系化合物は、比較的長い最大蛍光波長を有し得、さらに、最大蛍光波長の長波長側の広い波長域に渡って比較的強い蛍光を維持できるため好ましい。
フタロシアニンの構造を下記に示す。
このフタロシアニンが、フタロシアニン系化合物(フタロシアニン系色素)の基本骨格すなわちフタロシアニン基本骨格を構成する。すなわち、フタロシアニン系化合物においては、上記構造式の中央部に様々な中心金属が配置され得る。その場合、上記構造式において2つの水素原子に結合していることが示されている2つの窒素原子が、上記2つの水素原子の代わりに1つの中心金属原子に結合することが当業者に理解される。この中心金属は2価〜4価の金属であることが好ましく、例えばMg、Zn、Al、またはSiであり得る。また、フタロシアニン系化合物は、上記構造式中に示された1〜16の位置のうち1箇所以上に様々な置換基を有し得る。本実施形態のフタロシアニン系化合物は、フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所に原子数3以上の置換基を有することが好ましい。原子数3以上の置換基を持たせることにより、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを長波長側に制御することができ、さらには、優れた分散性または溶解性を付与することができる。
なお、本開示において、「フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所」に置換基を有するということは、上記構造式中に示された1〜16の位置のうち1箇所以上に置換基を有することを意味する。これら置換基同士が互いに連結して、フタロシアニン基本骨格上に追加的な環を形成してもよく、本開示ではそのような追加的な環も置換基の一態様であると解する。つまり、上記構造式中に示された1〜16の位置のいずれか2箇所の置換基同士が互いに連結して追加的な環(原子数3以上からなるもの)を形成することによっても、「フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所に原子数3以上の置換基を有する」という要件が充足され得る。フタロシアニン基本骨格上に追加的な環が形成されたフタロシアニン系化合物の一例は、ナフタロシアニンである。
以下、フタロシアニン系蛍光標識剤を使用する場合についてより詳細に説明する。
元来非水溶性であるフタロシアニン系色素を水系環境において使用する場合、色素を両親媒性物質と組み合わせて分散させることにより可溶化する方法が知られている。両親媒性物質とは、一つの分子内に親水性基と疎水性基とを有する分子であり、代表的なものとして界面活性剤、水溶性樹脂、リン脂質等がある。両親媒性物質は一種類のみを使用してもよく、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。本実施形態において使用され得る両親媒性物質の種類は、特に限定されず、フタロシアニン系色素を可溶化することができればいかなるものでもよい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等を挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、およびTween(登録商標)80等のポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステル、Cremophor(登録商標)ELおよびCremophor(登録商標)RH60等のポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、Solutol(登録商標)HS15等の12−ヒドロキシステアリン酸−ポリエチレングリコールコポリマー、ならびにTriton(登録商標)X−100およびTriton(登録商標)X−114等のオクチルフェノールエトキシレート等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよび塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩および塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)等のアルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ならびに、ポリエチレングリコール−ポリアルキル、ポリエチレングリコール−ポリ乳酸、ポリエチレングリコール−ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール−ポリグリコール酸、およびポリエチレングリコール−ポリ(ラクチド−グリコリド)等のブロック共重合体等を挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、およびノニルベンゼンスルホネート、ならびにこれらのナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性樹脂としては、カルボン酸等のアニオン性置換基またはアミンもしくはアンモニウム塩等のカチオン性置換基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
リン脂質としては、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、およびジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)等の合成リン脂質、ならびに、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、およびリゾレシチン等の天然リン脂質を挙げることができる。
組織、器官、または生体に導入される際の、フタロシアニン系色素の濃度は、当業者が適宜決定することができる。例えば細胞の機能障害や増殖阻害等の可能性を考慮すると、フタロシアニン系色素の濃度は100μM以下であることが好ましく、10μM以下であることがより好ましい。同様の理由により、組織、器官、または生体に導入される際の両親媒性物質の濃度も低い方が好ましくなり得る。両親媒性物質の量はフタロシアニン系色素1質量部に対して2000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、200質量部以下がさらに好ましく、100質量部以下が特に好ましい。ただし、両親媒性物質の量が少な過ぎるとフタロシアニン系色素の会合や凝集が生じ得る場合には、フタロシアニン系色素1質量部に対して10質量部以上の両親媒性物質がフタロシアニン系色素と組み合わされて組織、器官、または生体に導入されることが好ましい。
組織、器官、または生体への導入のために、フタロシアニン系色素を含む蛍光標識剤を両親媒性物質と組み合わせて調製する方法は、特に限定されないが、例えば、フタロシアニン系色素と両親媒性物質を有機溶媒中に溶解した後、有機溶媒を留去し、水性液に再溶解させる方法、あるいは、フタロシアニン系色素と両親媒性物質を有機溶媒に溶解して得られる溶液に、水性液を注入し、その後有機溶媒を留去する方法等を挙げることができる。水性液は、例えば水、生理食塩水、またはリン酸緩衝生理食塩水であり得る。
前者の方法では、有機溶媒の留去が容易であり、フタロシアニン系色素と両親媒性物質の濃度も比較的容易に見積もることができるという利点がある。有機溶媒の留去には、エバポレーター等による減圧留去が好適に用いられる。溶媒留去の際の温度は、例えば15℃から有機溶媒の沸点温度までの範囲内で適宜設定することができる。水性液に再溶解させるときは、プロペラ撹拌機、タービン撹拌機、ボルテックスミキサー、またはマグネティックスターラーによる撹拌、あるいは超音波照射装置による分散等により溶解を促進させ得る。コロイドミル等を単独でまたは上記手法と組み合わせて使用してもよい。
後者の方法では、ミセル粒子を均一に調製し易いという利点がある。有機溶媒の溶液に水性液を注入するとき、溶液は撹拌あるいは超音波照射した状態とし、水性液を短時間で注入することが好ましい。撹拌は上記と同様の装置で行うことができる。水性液注入の際の温度は、例えば15℃から有機溶媒の沸点より5℃低い温度までの範囲内で適宜設定することができる。有機溶媒の留去については、撹拌あるいは超音波照射した状態で常圧の下に留去する方法、あるいはエバポレーター等により減圧留去する方法が好ましい。溶媒留去の際の温度は、例えば15℃から有機溶媒の沸点温度までの範囲内で適宜設定することができる。
上記の調製方法で使用され得る有機溶媒としては、ヘキサン、シクロへキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、およびトリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼンおよびトルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびN−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類、ならびにピリジン誘導体を挙げることができる。これらの溶媒は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、上記方法にて調製された蛍光標識剤から有機溶媒を完全に除去するために透析を行ってもよい。
本実施形態におけるフタロシアニン系色素は、下記一般式(1)に示す構造を有し得る。後述する特定の置換基を有するフタロシアニン系色素は、本実施形態における蛍光標識剤の蛍光色素として特に適した吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルに制御され、高い蛍光強度を提供し得るため、特に好ましい。これらの置換基は、優れた分散性または溶解性にも寄与し得る。
一般式(1)中、
〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、−COOM、−SO、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、または置換基を有してもよいアリールチオ基である。Mは、水素原子、またはアルカリ金属を表す。R〜R16は、隣接する基同士が互いに連結して追加的な環を形成してもよい。追加的な環は4〜7員であることが好ましく、6員環または5員環が特に好ましい。追加的な環の具体例としてはベンゼン環およびイミダゾール環が挙げられるがこれらに限定されない。追加的な環は、RとR、RとR、R10とR11、および/またはR14とR15が互いに連結して形成するものが特に好ましい。追加的な環がさらにR〜R16と同様に定義される置換基を有してもよい。
ただし、一般式(1)中に示されるR〜R16の内の少なくとも一つは、原子数3以上の基である(これは、上述したように、R〜R16の内の2つが連結して原子数3以上の追加的な環を形成している場合を含む)。つまり、本フタロシアニン系色素は、フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所に原子数3以上の置換基を有する。上述したように、原子数3以上の置換基を持たせることにより、優れた分散性または溶解性を付与でき、さらには吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを長波長側に制御することができる。R〜R、R〜R、R〜R12、およびR13〜R16の4組のそれぞれが、対応する同じ位置または異なる位置に、原子数3以上の置換基を1つまたは複数、例えば2つもしくは3つ以上有し得る。これら原子数3以上の複数の置換基は互いに同じ種類であっても異なる種類であってもよい。
Mは、2価〜4価の金属原子を表す。Zは、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、−OP(=O)R1718、−OC(=O)R19、−OS(=O)20、または−OSiR212223を表す。R17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表す。R19は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。R20は、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。R21〜R23は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基を表す。nは0〜2の整数を表し、Mが2価の金属原子である場合は0、Mが3価の金属原子である場合は1、Mが4価の金属原子である場合は2である。
アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。アルキル基の炭素数は1〜30の範囲内であることが好ましく、1〜20の範囲内であることがより好ましい。
上記アルキル基における置換基としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、カルボキシル基等の他、後述するアリール基、シクロアルキル基、および複素環基が挙げられる。これらの置換基は、本開示において、アルキル基以外の基における置換基にもなり得る。また本開示においては、例えばアルキル基の骨格構造の一部がエステル結合(−COO−)やエーテル結合(−O−)で置換されている場合、その置換部分も「置換基」として含めるものとする。
したがって、置換アルキル基としては、上記の置換基で置換されたアルキル基を意味する。アルキル基は1つまたは2つ以上の置換基で置換され得る。例えば、ハロゲン原子で置換されたアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、−(CFCF、トリクロロメチル基、2,2−ジブロモエチル基等を挙げることができる。
エステル結合で置換されたアルキル基の具体例としては、−CH−CH−CH−COO−CH−CH、−CH−CH(−CH)−CH−COO−CH−CH、−CH−CH−CH−OCO−CH−CH、−CH−CH−CH−CH−COO−CH−CH(CH−CH)−CH−CH−CH−CH、−(CH)−COO−(CH11−CH、−CH−CH−CH−CH−(COO−CH−CH)等を挙げることができる。エステル結合で置換されたアルキル基の炭素数は、2〜30の範囲内であることが好ましく、2〜20の範囲内であることがより好ましい。
エーテル結合で置換されたアルキル基の具体例としては、−CH−O−CH、−CH−CH−O−CH−CH、−CH−CH−CH−O−CH−CH、−(CH−CH−O)−CH(ここでnは1から8の整数である)、−(CH−CH−CH−O)−CH(ここでmは1から5の整数である)、−CH−CH(CH)−O−CH−CH−、−CH−CH−(OCH等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。エーテル結合で置換されたアルキル基の炭素数は、2〜30の範囲内であることが好ましく、2〜20の範囲内であることがより好ましい。
エステル結合(−COO−)およびエーテル結合(−O−)で置換されたアルキル基の具体例としては、−CH−CH−COO−CH−CH−O−CH−CH(CH−CH)−CH−CH−CH−CH、−CH−CH−COO−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−CH(CH−CH)−CH−CH−CH−CHを挙げることができる。エステル結合およびエーテル結合で置換されたアルキル基の炭素数は、3〜30の範囲内であることが好ましく、3〜20の範囲内であることがより好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、4−tert−プチルシクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基の炭素数は5〜12の範囲内であることが好ましい。置換シクロアルキル基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。本開示においては複数の二重結合を有するものもアルケニル基に含めるものとする。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基等を挙げることができる。アルケニル基の炭素数は2〜18の範囲内であることが好ましい。置換アルケニル基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。
アリール基としては、単環または縮合多環のアリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、4−メチルビフェニル基、ターフェニル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−tert−ブチル−1−ナフチル基、4−ナフチル−1−ナフチル基、6−フェニル−2−ナフチル基、10−フェニル−9−アントリル基、スピロフルオレニル基、2−ベンゾシクロブテニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は6〜18の範囲内であることが好ましい。置換アリール基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。
アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は1〜10の範囲内であることが好ましく、1〜7の範囲内であることがより好ましい。
置換アルコキシ基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。置換アルコキシ基の具体例としては、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、単環または縮合多環のアリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基等が挙げられる。単環のアリールオキシ基が好ましい。また、炭素数6〜12のアリールオキシ基が好ましい。
置換アリールオキシ基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。置換アリールオキシ基の具体例としては、p−ニトロフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、2,4−ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−メチル−4−クロロフェノキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、上述したアルコキシ基における酸素原子を硫黄原子に置き換えたものが挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は1〜6の範囲内であることが好ましい。
置換アルキルチオ基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。置換アルキルチオ基の具体例としては、上述した置換アルコキシ基における酸素原子を硫黄原子に置き換えたものが挙げられる。
アリールチオ基としては、単環または縮合多環のアリールチオ基が挙げられる。具体例としては、上述したアリールオキシ基における酸素原子を硫黄原子に置き換えたものが挙げられる。単環のアリールチオ基が好ましい。また、炭素数6〜12のアリールチオ基が好ましい。
置換アリールチオ基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。置換アリールチオ基の具体例としては、上述した置換アリールオキシ基における酸素原子を硫黄原子に置き換えたものが挙げられる。
複素環基としては、脂肪族複素環基や芳香族複素環基が挙げられる。具体例としては、ピリジル基、ピラジル基、ピペリジノ基、ピラニル基、モルホリノ基、アクリジニル基等が挙げられる。また、下記構造式で表される基も挙げられる。複素環基の炭素数は、4〜12であることが好ましい。環員数は、5〜13であることが好ましい。
置換複素環基の置換基としては、アルキル基について上述したものと同じ置換基が挙げられる。置換複素環基の具体例としては、3−メチルピリジル基、N−メチルピペリジル基、N−メチルピロリル基等が挙げられる。
のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。
中心金属であるMの例としては、Mg、Zn、Al、およびSiが挙げられる。
特に好ましいフタロシアニン系色素の具体例として下記のフタロシアニン系化合物(本開示おいて、それぞれ化合物PC1〜PC4と呼ぶ)が挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例を示して実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。以下の記載中、「部」は重量部を表す。
[蛍光色素合成例1]
3−ニトロフタロニトリル10部および2,4−ジメチル−3−ペンタノール7.4部をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)70部に溶解し、この溶液に、別途調製したt−ブトキシナトリウム6.1部およびDMF40部を含む溶液を、0℃以下の温度で滴下し、室温(25℃)で2時間反応させた。その後、80%酢酸4.8部および塩酸17.5部を加え、更に、水70部を滴下して生じた結晶を濾別し、得られた結晶を水で洗浄した後に乾燥して、3−(2’,4’−ジメチル−3’−ペントキシ)フタロニトリル11.9部を得た。次に、キノリン68部および無水塩化アルミニウム2.2部の溶液にアンモニアガスを導入し、上記で得られた3−(2’,4’−ジメチル−3’−ペントキシ)フタロニトリル11.9部を加えた。180℃に加熱して2時間反応させた。これを室温(25℃)まで冷却し結晶を析出させた。生じた結晶を濾別し、結晶を47%メタノール水溶液で洗浄した後に乾燥して、アルミニウムフタロシアニン中間体10.3部を得た。このアルミニウムフタロシアン中間体1部を、2−ブタノン10部中で、トリフェニルシラノール0.25部およびトリエチルアミン0.14部と45℃で2時間反応させた。生じた析出物を濾別し、得られた濾液にアセトンを20部加え、さらにイオン交換水15部を滴下することにより、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、66%アセトン水溶液15部で洗浄した後に乾燥して、0.7部のフタロシアニン系化合物PC1を得た。化合物PC1の構造は上記に示した通りである。
[蛍光色素合成例2]
スルホラン120部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)14部に4−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル)オキシ−1,3−ジイミノイソインドリン10部および四塩化珪素5部を加え、160〜170℃で8時間加熱撹拌後、冷却し、35%塩酸80部と水1500部の混合溶液に注入撹拌し、80℃で2時間加熱撹拌した。その後、析出した沈澱を濾別して、メタノール:水(質量比4:1)混合溶液で洗浄後、乾燥して、粗製シリコンフタロシアニン中間体10部を得た。この粗製シリコンフタロシアニン中間体を濃硫酸250部に溶解した後、氷水2000部に注入し、析出した沈澱を濾別して、水洗後、乾燥して、シリコンフタロシアニン中間体9部を得た。この中間体5部をピリジン100部、トリ−n−ブチルアミン25部に撹拌溶解した後、冷却しながらクロロジフェニルホスフィン10部を加え、110℃で2時間加熱撹拌した後、冷却し、氷水1000部中に注入した。析出した沈澱を濾別し、水洗後、乾燥して、4部のフタロシアニン系化合物PC2を得た。化合物PC2の構造は上記に示した通りである。
[蛍光色素合成例3]
濃硫酸9.2部、25%発煙硫酸5.5部の混合溶液に化合物PC1を1部加え、50℃で2時間加熱撹拌した。反応液を冷却後、80部の氷に反応液を添加し、析出した沈澱を濾別した。さらに、テトラヒドロフラン50部に濾別した固体を懸濁させ、再度沈澱を濾別して、テトラヒドロフラン50部で洗浄後、乾燥して、0.5部の粗製物を得た。粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトニトリル/水=4/1)で精製した。0.4部の化合物PC3を得た。化合物PC3の構造は上記に示した通りである。
[蛍光色素合成例4]
3−ニトロフタロニトリル10部およびペンタエチレングリコールモノメチルエーテル7.4部をテトラヒドロフラン100部に溶解し、この溶液に、別途調製したt−ブトキシナトリウム6.1部およびテトラヒドロフラン40部を含む溶液を、0℃以下の温度で滴下し、25℃で3時間撹拌した。その後、エバポレーターでテトラヒドロフランを留去し、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール)で精製した。3−(2’,5’,8’,11’,14’,17’,20’ヘプタオキサエイコサン)フタロニトリル8.5部を得た。次に、1−ペンタノール16部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)0.8部に3−(2’,5’,8’,11’,14’,17’,20’ヘプタオキサエイコサン)フタロニトリル2.2部および塩化マグネシウム0.12部を加え、120〜130℃で5時間加熱撹拌後、反応液を直接シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル、メタノール)で精製した。0.8部の化合物PC4を得た。化合物PC4の構造は上記に示した通りである。
[インドシアニングリーン]
比較対照として、市販のインドシアニングリーンを使用した。インドシアニングリーン(ICG)の構造を下記に示す。
[蛍光標識剤(1)の調製]
フタロシアニン系化合物PC1を2.5部、両親媒性物質である非イオン性界面活性剤Tween80を5000部、アセトン5000部を混合し、室温(25℃)で1時間撹拌した。その後、エバポレーターでアセトンを留去し、PBSを5000部添加して室温(25℃)で1時間撹拌した。この溶液を0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過し、さらにこの溶液をPBSで10倍に希釈して色素濃度4μM、両親媒性物質濃度が1重量%である、蛍光標識剤(1)を得た。この例における両親媒性物質の重量は蛍光色素の約2000倍である。
[蛍光標識剤(2)の調製]
上記2.5部のフタロシアニン系化合物PC1を、3.5部の化合物PC2に変更した以外は、蛍光標識剤(1)と同様に調製し、蛍光標識剤(2)を得た。
[蛍光標識剤(3)の調製]
上記2.5部のフタロシアニン系化合物PC1を、1.6部のICGに変更した以外は、蛍光標識剤(1)と同様に調製し、蛍光標識剤(3)を得た。
[アクリル樹脂(POLY−1)合成例]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、トリエチレングリコールモノメチルエーテル93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、および重合開始剤V−601(和光純薬製;ジメチル2,2’−アゾビス (2−メチルプロピオネート)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂POLY−1の溶液を得た。POLY−1の重量平均分子量は約16000であった。
さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、PBSを150部添加し、水性化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が50%になるようにPBSを加えた。これより、アクリル樹脂POLY−1の不揮発分50%の水性化溶液を得た。
[蛍光標識剤(4)の調製]
フタロシアニン系化合物PC1を2.5部、アクリル樹脂POLY−1のPBS溶液(不揮発分50%)10000部、メタノール5000部を混合し、室温(25℃)で1時間撹拌した。その後、エバポレーターでメタノールを留去し、全体の重量が10000部になるようにPBSを添加して、室温(25℃)で1時間撹拌した。この溶液を0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過し、さらにこの溶液をPBSで10倍に希釈して、色素濃度が4μMであり両親媒性物質濃度が1重量%である蛍光標識剤(4)を得た。
[蛍光標識剤(5)の調製]
3.76部のフタロシアニン系化合物PC3を10000部のPBSに溶解させ、さらにこの溶液の一部を100倍希釈し、0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過し、色素濃度4μMである蛍光標識剤(5)を得た。
[蛍光標識剤(6)の調製]
6.86部のフタロシアニン系化合物PC4を10000部のPBSに溶解させ、さらにこの溶液の一部を100倍希釈し、0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過し、色素濃度4μMである蛍光標識剤(6)を得た。
[蛍光標識剤(7)の調製]
3.10部のICGを10000部のPBSに溶解させ、さらにこの溶液の一部を100倍希釈し、0.45μmナイロン製メンブレンフィルターで濾過し、色素濃度4μMである蛍光標識剤(7)を得た。
上述した蛍光標識剤の(1)〜(7)という番号は、下記表1および図4に示す蛍光標識剤の番号に対応する。
[吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルの分析]
分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、U−4100)と蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)を用いて、上記蛍光標識剤の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを取得した(図1)。高い生体透過性が得られる近赤外領域の780〜850nm付近に着目すると、フタロシアニン系化合物の最大蛍光波長から大きく長波長側に離れ、最大蛍光波長における蛍光強度の6パーセント程度になっている波長領域(第1の波長領域)において、ICGの最大蛍光波長における蛍光と同様あるいはそれよりも著しく強い蛍光を検出できていることが、図1の結果に示された。すなわち、これらフタロシアニン系色素のこの波長領域を使用することにより、著しく感度の高い蛍光バイオイメージングを行うことができる。なお、図示されているICGの蛍光スペクトルの左端の肩は、励起光の漏れ込みが検出されたものである。
図1は、蛍光色素PC1を水性液に分散させるための両親媒性物質としてTween80を使用した場合(蛍光標識剤(1)〜(3))の結果を示していたが、図2に示す実験では、両親媒性物質としてアクリル樹脂POLY−1を用いた(蛍光標識剤(4))。両親媒性物質の種類に関わらず本質的に同じ結果が得られることが確認された。
次に、両親媒性物質を用いずに、水溶性フタロシアニン系化合物PC3およびPC4を直接PBSに溶解することによって同様の実験を行った(蛍光標識剤(5)〜(7);いずれも蛍光色素濃度4μM)。その結果を図3に示す。分散系、溶解系に関わらず本質的に同じ結果が得られることが確認された。
[マウス生体における蛍光バイオイメージング]
上記で調製された分散系(両親媒性物質を含む)および溶解系(両親媒性物質を含まない)の蛍光標識剤を、それぞれ50μL、マウスの背中の異なる位置に皮下注射し、株式会社パーキンエルマー社製IVIS Lumina K Series 3を用いて蛍光バイオイメージングを行った。異なる蛍光標識剤の分布が入り混じらないように、注射位置は互いに十分離し、注射から短時間後にイメージングを行った。注射された蛍光標識剤の種類を下記表に要約する。蛍光バイオイメージングの結果を図4に示す。
図4では、皮下注射した位置の周辺を丸で囲み、その横に、注射された蛍光標識剤の番号および検出された蛍光強度(任意単位)を記載している。「PBS」と記載された位置には、蛍光色素を含まないPBS媒体が注射された。図4左側のパネルは、化合物PC1およびPC2に適した励起波長・検出波長(第1の波長領域内)の組合せにおける実験を示し、図4右側のパネルは、インドシアニングリーンに適した励起波長・検出波長(最大蛍光波長付近)の組合せにおける実験を示している。
図4の結果から、フタロシアニン系蛍光色素を含む蛍光標識剤を第1の波長領域において検出する蛍光バイオイメージングを実施すると、インドシアニングリーンを最大蛍光波長付近において検出する場合と少なくとも同等あるいはそれを上回る感度でイメージングを行えることが実証された。なお、図4の左側パネルと右側パネルではカラースケールが異なっていることに留意すべきである。特に、左下パネルにおいて蛍光標識剤6(化合物PC4)は蛍光標識剤2、4より著しく蛍光強度が低く見えているが、実際には右下パネルにおける蛍光標識剤3および蛍光標識剤7(分散系および溶解系のインドシアニングリーン蛍光標識剤)と同等以上の蛍光が検出されている。

Claims (5)

  1. 組織、器官、または生体の内部にある蛍光標識剤から発せられる蛍光を蛍光検出器によって検出することを含む蛍光バイオイメージング方法であって、
    前記蛍光の検出は、第1の波長領域において行われ、
    前記第1の波長領域は、前記蛍光標識剤の蛍光の強度が、前記蛍光標識剤の最大蛍光波長における蛍光強度の1%以上50%以下の範囲内となる蛍光波長領域である、
    蛍光バイオイメージング方法。
  2. 前記第1の波長領域は、前記最大蛍光波長より長波長側にあり、前記第1の波長領域の最短波長と前記最大蛍光波長との差が30nm以上である、請求項1に記載の蛍光バイオイメージング方法。
  3. 前記第1の波長領域は、前記最大蛍光波長より長波長側にあり、前記蛍光標識剤の最大蛍光波長が710nm以上である、請求項1または2に記載の蛍光バイオイメージング方法。
  4. 前記蛍光標識剤がフタロシアニン系化合物の蛍光色素を含む、請求項1〜3いずれか一項に記載の蛍光バイオイメージング方法。
  5. 前記フタロシアニン系化合物が、フタロシアニン基本骨格の6員環上の少なくとも1箇所に原子数3以上の置換基を有し、かつ、2価〜4価の中心金属を有する、請求項4に記載の蛍光バイオイメージング方法。

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