JP2020176893A - X線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが均一でない被検査物を検査対象とする場合であっても、異物を精度良く検出することができるX線検出装置を提供する。【解決手段】X線検査装置100は、X線照射部200と、X線検出部300と、被検査物Aの低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200を生成する画像生成部401と、平滑輝度変換テーブルT102を用いることにより、低エネルギー画像P100の各画素の輝度を変換する画像変換部409と、輝度変換後低エネルギー画像P101と高エネルギー画像P200とに基づいて、被検査物Aに含まれている異物Sを検出する検査部411と、を備える。平滑輝度変換テーブルT102は、変換対象となる輝度の範囲のうち範囲R1に対して適用される平滑輝度変換テーブルT102Aと範囲R2に対して適用される平滑輝度変換テーブルT102Bとを有する。【選択図】図11

Description

本開示は、X線検査装置に関する。
被検査物にX線を照射し、被検査物を透過したX線の検出結果(X線透過画像)に基づいて、被検査物に含まれる異物を検出するX線検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置は、被検査物を透過した第1エネルギー帯のX線に基づく第1透過画像と、被検査物を透過した第2エネルギー帯のX線に基づく第2透過画像と、を生成する。そして、上記装置は、第1透過画像の輝度を第2透過画像の輝度と略一致するように変換させるための輝度変換関数(平滑輝度変換関数)を作成する。上記装置は、予め用意された輝度変換関数を用いて第1透過画像の輝度を変換し、輝度変換後の第1透過画像と第2透過画像とを比較することにより、被検査物の消し込みを行い、異物の領域のみを抽出する。
特許第5616182号公報
薄い部分と厚い部分とが混在するような厚みが均一でない被検査物(例えば鶏の胸肉等)が検査対象となる場合、当該被検査物について得られるX線透過画像では、被検査物の薄い部分は明るくなり易く、被検査物の厚い部分は暗くなり易い。すなわち、薄い部分に対応する輝度は最大輝度に近い値となり、厚い部分に対応する輝度は最小輝度に近い値となる。従って、厚みが均一でない被検査物を検査対象とする場合、変換対象となる輝度の範囲が比較的広くなる。本発明者の知見によれば、このような被検査物が検査対象である場合に、変換対象となる輝度の全範囲で共通の関数(例えば、輝度の全範囲を対象として平滑化することで得られた1つの関数)を上述した輝度変換関数として用いてしまうと、最小輝度に近い輝度を有する画素についての変換誤差(すなわち、第1透過画像の変換後の輝度と第2透過画像の輝度との差)が大きくなり易いという問題がある。
従って、厚みが均一でない被検査物の異物検査において、輝度の全範囲で共通の輝度変換関数を用いて被検査物の消し込みを行った場合、被検査物の厚い部分(暗くなり易い部分)が適切に消し込まれないおそれがある。その結果、異物の検出感度が低下したり、異物以外の部分が異物として誤検出されたりするおそれがある。
そこで、本開示は、厚みが均一でない被検査物を検査対象とする場合であっても、異物を精度良く検出することができるX線検出装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るX線検査装置は、被検査物にX線を照射するX線照射部と、被検査物を透過した第1エネルギー帯のX線及び第2エネルギー帯のX線を検出するX線検出部と、X線検出部により検出された第1エネルギー帯のX線に基づいて被検査物の第1X線透過画像を生成すると共に、X線検出部により検出された第2エネルギー帯のX線に基づいて被検査物の第2X線透過画像を生成する画像生成部と、予め用意された輝度変換関数を用いることにより、第1X線透過画像の各画素の輝度を変換する画像変換部と、画像変換部により輝度が変換された後の第1X線透過画像と第2X線透過画像とに基づいて、被検査物に含まれている異物を検出する検査部と、を備え、輝度変換関数は、被検査物についての第1X線透過画像の輝度を第2X線透過画像の輝度と略一致するように変換させる関数であり、輝度変換関数は、変換対象となる輝度の範囲のうち第1範囲に対して適用される第1輝度変換関数と、第1輝度変換関数とは異なる関数であって変換対象となる輝度の範囲のうち第2範囲に対して適用される第2輝度変換関数と、を有する。
上記X線検査装置では、X線透過画像における被検査物の消し込みを行って異物のみを抽出するために、予め用意された輝度変換関数を用いることにより、第1X線透過画像の輝度が第2X線透過画像の輝度と略一致するように変換される。ここで、例えば、厚みが均一でなく、厚い部分(比較的暗く、輝度が第1範囲に含まれる部分)と薄い部分(比較的明るく、輝度が第2範囲に含まれる部分)とが混在する被検査物が検査対象である場合、変換対象となる輝度の範囲が比較的大きくなる。このため、変換対象となる輝度の全範囲で共通の輝度変換関数を用いてしまうと、第1範囲の輝度を有する画素についての変換誤差が大きくなり易く、被検査物の厚い部分が適切に消し込まれないおそれがある。すなわち、被検査物の厚い部分がノイズとして残存したり、異物として誤って抽出されたりする可能性が高くなる。
そこで、上記X線検査装置は、変換対象となる輝度の範囲のうち第1範囲については第1輝度変換関数を適用し、変換対象となる輝度の範囲のうち第2範囲については第1輝度変換関数とは異なる第2輝度変換関数を適用する。このように範囲毎に別々に用意された関数を用いて輝度変換を行うことにより、各範囲における変換誤差を低減させることができる。従って、上記X線検査装置によれば、厚みが均一でない被検査物を検査対象とする場合であっても、被検査物の消し込みを精度良く行うことができる。その結果、異物を精度良く検出することができる。
上記X線検査装置は、第1X線透過画像の輝度分布を示す第1ヒストグラムを作成すると共に、第2X線透過画像の輝度分布を示す第2ヒストグラムを作成するヒストグラム作成部と、第1ヒストグラムを積分することにより第1ヒストグラム積算曲線を算出すると共に、第2ヒストグラムを積分することにより第2ヒストグラム積算曲線を算出するヒストグラム積算部と、第1ヒストグラム積算曲線が第2ヒストグラム積算曲線に一致又は近似するように、第1ヒストグラム積算曲線の積算値と第2ヒストグラム積算曲線の積算値とが一致する輝度の変換比を各輝度で求めることにより、輝度と変換比とが関連付けられた輝度変換テーブルを作成する輝度変換テーブル作成部と、輝度変換テーブルのうち第1範囲に対応する部分を平滑化することにより第1輝度変換関数を取得すると共に、輝度変換テーブルのうち第2範囲に対応する部分を平滑化することにより第2輝度変換関数を取得する平滑化部と、を更に備えてもよい。
上記構成によれば、第1X線透過画像及び第2X線透過画像によって得られた輝度変換テーブルを平滑化することによって、同種の被検査物に共通する輝度の特性を示す輝度変換関数を取得することができる。さらに、輝度変換テーブルの各範囲(第1範囲及び第2範囲)に限定した平滑化を行うことにより、各範囲に応じた輝度変換関数(第1輝度変換関数及び第2輝度変換関数)を取得することができる。このような処理によれば、上述のように各範囲における変換誤差を低減させることが可能な輝度変換関数を容易かつ適切に得ることができる。
本開示によれば、厚みが均一でない被検査物を検査対象とする場合であっても、異物を精度良く検出することができるX線検出装置を提供することができる。
一実施形態のX線検査装置の構成図である。 X線検査装置の機能構成を示すブロック図である。 (A)は低エネルギー画像を示す図であり、(B)は高エネルギー画像を示す図である。 拡大された低エネルギー画像を示す図である。 位置合わせされた低エネルギー画像を示す図である。 (A)は位置合わせ前の低エネルギー画像と高エネルギー画像とが重ね合わされた状態を示す図であり、(B)位置合わせ後の低エネルギー画像と高エネルギー画像とが重ね合わされた状態を示す図である。 低エネルギー画像及び高エネルギー画像の輝度ヒストグラムを示す図である。 低エネルギー画像及び高エネルギー画像の輝度ヒストグラム積算曲線を示す図である。 低エネルギー画像及び高エネルギー画像の輝度ヒストグラム積算曲線を示す図である。 輝度変換テーブルを示す図である。 平滑輝度変換テーブルの一例を示す図である。 比較例に係る平滑輝度変換テーブルを示す図である。 (A)は輝度変換前の低エネルギー画像を示す図であり、(B)は輝度変換後の低エネルギー画像を示す図である。 低エネルギー画像、高エネルギー画像、及び輝度変換後低エネルギー画像の輝度ヒストグラムを示す図である。 (A)は輝度変換後低エネルギー画像を示す図であり、(B)は高エネルギー画像を示す図であり、(C)は結果画像を示す図である。 (A)は結果画像を示す図であり、(B)はノイズ除去画像を示す図であり、(C)は2値化画像を示す図であり、(D)は最終画像を示す図である。 X線検査装置による検査方法の一例を示すフローチャートである。 X線検査装置による平滑輝度変換テーブルの取得方法の一例を示すフローチャートである。 変形例における平滑輝度変換テーブルを示す図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、X線検査装置100は、X線照射部200と、X線検出部300と、画像処理部400と、搬送部500と、を備えている。X線検査装置100は、X線の透過性を利用して被検査物Aに含まれる異物を検出する。本実施形態では、厚みが均一でない被検査物Aとして、袋入りの複数のソーセージ等を例示する。すなわち、本実施形態では、複数の物品(ここではソーセージ)同士が互いに重なり合う部分があるために全体として厚みが均一とはなっていない被検査物Aを例示する。なお、厚みが均一でない被検査物Aは、例えば鶏の胸肉のように、単一の物品内において薄い部分と厚い部分とが混在する物品であってもよい。
[搬送部]
搬送部500は、被検査物Aを搬送する。搬送部500には、ベルトコンベア、トップチェーンコンベア、回転テーブル等、様々な搬送機構を適用することが可能である。
[X線照射部]
X線照射部200は、搬送部500によって搬送される被検査物AにX線を照射する。X線照射部200から照射されるX線には、低エネルギー帯(長波長)から高エネルギー(短波長)までの様々なエネルギー帯のX線が含まれている。なお、上述した低エネルギー帯及び高エネルギー帯における「低」及び「高」は、X線照射部200から照射される複数のエネルギー帯の中で相対的に「低い」及び「高い」ことを示すものであり、特定の範囲を示すものではない。
[X線検出部]
X線検出部300は、搬送部500によって搬送される被検査物Aに照射されたX線を検出する。X線検出部300は、低エネルギー用センサ310と、高エネルギー用センサ320と、フィルタ350と、を備えている。低エネルギー用センサ310、フィルタ350、及び高エネルギー用センサ320は、X線照射部200に近い方からこの順に配置されている。すなわち、フィルタ350は、低エネルギー用センサ310と高エネルギー用センサ320との間に配置されている。低エネルギー用センサ310は、低エネルギー帯(第1エネルギー帯)のX線(軟X線)を検出する。すなわち、低エネルギー用センサ310は、低エネルギー帯のX線を捕捉するように設計されている。高エネルギー用センサ320は、高エネルギー帯(第2エネルギー帯)のX線(硬X線)を検出する。すなわち、高エネルギー用センサ320は、高エネルギー帯のX線を捕捉するように設計されている。フィルタ350は、軟X線と硬X線との間のエネルギー帯のX線を吸収する。
低エネルギー用センサ310及び高エネルギー用センサ320の各々は、例えば、1次元に配列された複数のX線検出素子を含むラインセンサである。複数のX線検出素子は、搬送部500による被検査物Aの搬送方向D1及びX線照射部200によるX線の照射方向D2(すなわち、X線照射部200とX線検出部300とが互いに対向する方向)の両方向に交差する方向(X線検査装置100では、両方向に直交する方向)に沿って配列されている。
[画像処理部]
図2に示されるように、画像処理部400には、低エネルギー用センサ310から出力された検出信号が入力されると共に、高エネルギー用センサ320から出力された検出信号が入力される。画像処理部400は、これらの検出信号に基づいてX線透過画像を生成し、当該X線透過画像に対して各種の画像処理を実行する。画像処理部400は、例えば、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)等)及びメモリ(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等)等によって構成されている。画像処理部400は、画像生成部401、画像拡縮部402、画像位置合わせ部403、ヒストグラム作成部404、ヒストグラム積算部405、輝度変換テーブル作成部406、データ補完部407、平滑化部408、画像変換部409、仮想データ調整部410、及び検査部411を有している。検査部411は、除算部411a、フィルタ部411b、2値化部411c、及び検出部411dを有している。
[画像生成部]
画像生成部401は、低エネルギー用センサ310から出力された軟X線検出信号に基づいて、被検査物Aの軟X線透過画像である低エネルギー画像P100(第1X線透過画像)を生成する。また、画像生成部401は、高エネルギー用センサ320から出力された硬X線検出信号に基づいて、被検査物Aの硬X線透過画像である高エネルギー画像P200(第2X線透過画像)を生成する。図3の(A)に示されるように、低エネルギー画像P100は、相対的にコントラストが高く、全体的に暗くなっている。また、図3の(B)に示されるように、高エネルギー画像P200は、相対的にコントラストが低く、全体的に明るくなっている。更に、図3の(A)及び(B)に示されるように、低エネルギー画像P100における異物Sと被検査物A(被検査物Aの重なりの無い領域)とのコントラストに比べて、高エネルギー画像P200における異物Sと被検査物A(被検査物Aの重なりの無い領域)とのコントラストが、小さくなっている。これは、異物Sと被検査物Aとの間に、X線吸収率の違いがあることに起因する。
[画像拡縮部]
画像拡縮部402は、低エネルギー画像P100における被検査物Aの大きさと高エネルギー画像P200における被検査物Aの大きさとを合わせる。X線照射部200から照射されるX線は、扇状に放射される。また、X線照射部200から低エネルギー用センサ310までの距離は、X線照射部200から高エネルギー用センサ320までの距離と異なる。このため、低エネルギー画像P100における被検査物Aの大きさと高エネルギー画像P200における被検査物Aの大きさとは一致しない。具体的には、高エネルギー画像P200における被検査物Aは、低エネルギー画像P100における被検査物Aよりも僅かに大きくなる。そこで、図4に示されるように、画像拡縮部402は、低エネルギー画像P100を変換比Rだけラインセンサの配列方向に拡大する。変換比Rは、X線照射部200から低エネルギー用センサ310までの距離をL1、X線照射部200から高エネルギー用センサ320までの距離をL2とすると、R=L2/L1で得られる。ここでは、低エネルギー画像P100を拡大する例について説明したが、当然、高エネルギー画像P200をRの逆数(1/R)の比率で縮小してもよい。
[画像位置合わせ部]
画像位置合わせ部403は、低エネルギー画像P100における被検査物Aの位置と高エネルギー画像P200における被検査物Aの位置とを合わせる。具体的には、図5に示されるように、低エネルギー画像P100を上下左右に移動させて、低エネルギー画像P100と高エネルギー画像P200との差異が最小になるようにしている。本実施形態の画像位置合わせ部403は、両画像を重ね合わせて、各画素において両画像の輝度(輝度値)の差の絶対値の総和を算出し、その総和が最小となるように自動的に位置合わせを行う。図6の(A)に示されるように、画像位置合わせ部403による位置合わせ前では、被検査物Aのエッジ部分E1及び異物Sのエッジ部分E2が現れる。なお、画像上のエッジ部分が、被検査物Aのエッジ部分E1か、異物Sのエッジ部分E2かは、判別不可能である。そして、図6の(B)に示されるように、画像位置合わせ部403による位置合わせ後では、被検査物A及び異物Sの位置ズレが解消されて、ほぼ黒一色の状態の画像となる。
なお、図6の(B)の位置合わせ後の画像に示されるように、単に低エネルギー画像P100の拡大及び位置合わせを実行するだけでは、異物Sの領域についてもほぼ黒一色になり、異物Sの判別が不可能である。そこで、以下で説明するヒストグラム作成部404、ヒストグラム積算部405、輝度変換テーブル作成部406、データ補完部407、平滑化部408、画像変換部409、仮想データ調整部410、及び検査部411により、低エネルギー画像P100の画像処理を施すことによって、異物Sの判別を可能にする。
[ヒストグラム作成部]
ヒストグラム作成部404は、低エネルギー画像P100の輝度分布を示す低エネルギーヒストグラムH100(第1ヒストグラム)を作成すると共に、高エネルギー画像P200の輝度分布を示す高エネルギーヒストグラムH200(第2ヒストグラム)を作成する。上述したように、低エネルギー画像P100は、高エネルギー画像P200に比べて全体的に暗くなっている。このため、図7に示されるように、低エネルギーヒストグラムH100は、高エネルギーヒストグラムH200に比べて、図中の左側(輝度が小さい側(明るい側))に寄っている。
[ヒストグラム積算部]
図8に示されるように、ヒストグラム積算部405は、低エネルギーヒストグラムH100を積分することにより低エネルギーヒストグラム積算曲線C100(第1ヒストグラム積算曲線)を算出すると共に、高エネルギーヒストグラムH200を積分することにより高エネルギーヒストグラム積算曲線C200(第2ヒストグラム積算曲線)を算出する。
[輝度変換テーブル作成部]
輝度変換テーブル作成部406は、低エネルギーヒストグラム積算曲線C100と高エネルギーヒストグラム積算曲線C200とを比較することにより、低エネルギーヒストグラム積算曲線C100を高エネルギーヒストグラム積算曲線C200に一致又は近似させる輝度変換テーブルT100を作成する。具体的には、図9に示されるように、輝度変換テーブル作成部406は、低エネルギーヒストグラム積算曲線C100の積算値I1と、高エネルギーヒストグラム積算曲線C200の積算値I2とが一致する輝度の変換比I=I1/I2を各輝度で求める。これにより、図10に示されるように、輝度変換テーブル作成部406は、輝度と変換比とが関連付けられた輝度変換テーブルT100を得る。
[データ補完部]
低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200に輝度値の低い画素(暗い画素)が無い場合には、当該輝度値の変換比Iを求めることができない。そのため、図10に示されるように、輝度変換テーブル作成部406により作成された輝度変換テーブルT100の輝度値の低い領域Lには、変換データが存在しない。この場合、輝度値の低い画素については、輝度変換を行うことができない。そこで、データ補完部407は、上述した輝度変換テーブルT100に、輝度値の低い領域Lにおいて仮想の変換データDを補完する。以下、仮想の変換データDが補完された輝度変換テーブルを、「補完後輝度変換テーブルT101」という。
[平滑化部]
平滑化部408は、図11に示されるように、補完後輝度変換テーブルT101を平滑化する。以下、この平滑化部408により平滑化された補完後平滑輝度変換テーブルを、「平滑輝度変換テーブルT102」という。画像生成部401により生成された低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200の輝度分布が狭い場合等には、平滑化前の輝度変換テーブルT100が滑らかでない曲線でない場合がある。この場合、上述した低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200とは異なる輝度分布を有する被検査物Aを対象にした場合、妥当な輝度変換が行えない。そのため、平滑化部408は、種々の輝度分布を有する被検査物Aに対応可能な一般化された輝度変換テーブルを取得すべく、補完後輝度変換テーブルT101を平滑化することにより、滑らかな曲線を描く平滑輝度変換テーブルT102(輝度変換関数)を取得する。
本実施形態では、平滑化部408は、補完後輝度変換テーブルT101を、変換対象となる輝度の範囲のうち下限値を含む範囲R1(第1範囲)に対応する部分と、変換対象となる輝度の範囲のうち上限値を含む範囲R2(第2範囲)に対応する部分と、に分割する。本実施形態では、範囲R1の下限値は、データ補完部407により補完された変換データDに対応する輝度値である。
平滑化部408は、補完後輝度変換テーブルT101のうち範囲R1に対応する部分を平滑化することにより、平滑輝度変換テーブルT102A(第1輝度変換関数)を取得する。すなわち、平滑化部408は、範囲R1に含まれるデータ(輝度値と変換比とが互いに関連付けられたデータ)のみを対象として平滑化処理を行う。例えば、平滑化部408は、範囲R1に含まれるデータを2次関数で近似することにより、平滑輝度変換テーブルT102Aを取得する。これにより、範囲R2に含まれるデータ(すなわち、明るい部分に関するデータ)の影響が排除された分だけ範囲R1に対応する部分を精度良く近似した平滑輝度変換テーブルT102Aが得られる。
上記と同様に、平滑化部408は、補完後輝度変換テーブルT101のうち範囲R2に対応する部分を平滑化することにより、平滑輝度変換テーブルT102B(第2輝度変換関数)を取得する。すなわち、平滑化部408は、範囲R2に含まれるデータ(輝度値と変換比とが互いに関連付けられたデータ)のみを対象として平滑化処理を行う。例えば、平滑化部408は、範囲R2に含まれるデータを2次関数で近似することにより、平滑輝度変換テーブルT102Bを取得する。これにより、範囲R1に含まれるデータ(すなわち、暗い部分に関するデータ)の影響が排除された分だけ範囲R2に対応する部分を精度良く近似した平滑輝度変換テーブルT102Bが得られる。
図12は、比較的に係る平滑輝度変換テーブルT200を示している。平滑輝度変換テーブルT200は、補完後輝度変換テーブルT101を範囲R1に対応する部分と範囲R2に対応する部分とに分割せずに平滑化処理を行うことにより得られた変換テーブルである。上述したように、厚みが均一でなく、厚い部分(比較的暗く、輝度が範囲R1に含まれる部分)と薄い部分(比較的明るく、輝度が範囲R2に含まれる部分)とが混在する被検査物Aが検査対象である場合、変換対象となる輝度の範囲が比較的大きくなる。このため、図12に示されるように、変換対象となる輝度の全範囲で共通の平滑輝度変換テーブルT200では、特に、範囲R1に含まれる輝度において、実際の変換比と平滑輝度変換テーブルT200で近似される変換比との間の近似誤差Eが大きくなり易い。これに対して、図11に示されるように、範囲R1に適用される平滑輝度変換テーブルT102Aと範囲R2に適用される平滑輝度変換テーブルT102Bとを有する平滑輝度変換テーブルT102によれば、範囲R1及び範囲R2の各々について、近似精度を向上させることができ、近似誤差を効果的に低減させることができる。
[画像変換部]
図13の(A)及び(B)に示されるように、画像変換部409は、平滑輝度変換テーブルT102に基づいて、低エネルギー画像P100の各画素の輝度を変換する。これにより、画像変換部409は、輝度変換後低エネルギー画像P101を取得する。
[仮想データ調整部]
図14に示されるように、輝度変換後低エネルギー画像P101の輝度ヒストグラムH101と、高エネルギー画像P200の高エネルギーヒストグラムH200とを比較すると、厳密には一致していない。そこで、仮想データ調整部410は、輝度変換後低エネルギー画像P101の輝度分布の各輝度値と、高エネルギー画像P200の輝度分布の各輝度値と、の差の総和が最小(最小2乗法)になるように、平滑輝度変換テーブルT102を取得するのに用いた仮想の変換データDの値を調整する。これにより、最適化された平滑輝度変換テーブルT102を取得することができる。最適化された平滑輝度変換テーブルT102を用いて取得された輝度変換後低エネルギー画像P101の輝度と、高エネルギー画像P200の輝度とが略一致するので、被検査物Aの消し込みが可能となる。なお、最適化された平滑輝度変換テーブルT102は、画像処理部400の記憶部(図示省略)に格納される。
[検査部]
検査部411は、画像変換部409により輝度が変換された後の低エネルギー画像(すなわち、輝度変換後低エネルギー画像P101)と高エネルギー画像P200とに基づいて、被検査物Aに含まれている異物Sを検出する。本実施形態では一例として、検査部411は、後述する除算部411a、フィルタ部411b、2値化部411c、及び検出部411dにより、異物Sの検出を行う。
[除算部]
図15に示されるように、除算部411aは、輝度変換後低エネルギー画像P101(図15の(A)参照)の輝度値と、高エネルギー画像P200(図15の(B)参照)の輝度値とを各画素で除算することによって、被検査物Aの消し込みを行う。輝度変換後低エネルギー画像P101の各画素の輝度値と高エネルギー画像P200の各画素の輝度値との差を求めることによって、被検査物Aの消し込みを行ってもよいが、実験の結果から、除算する方が被検査物Aの消し込み精度が良いことが分かったので、本実施形態の除算部411aは、除算を行うことにより、被検査物Aの消し込みを行う。ただし、単純に除算すると、画像処理部400が整数しか保持できない構成となっているので、殆どの演算結果が1となってしまう。例えば、その演算結果は、1.01、1.11、1.21等の値となる。そのため、除算部411aは、両画像の輝度値を除算した結果を100倍にすることにより、被検査物Aの消し込みがなされた結果画像P300(図15の(C)参照)を出力する。なお、結果画像P300は、後述するフィルタ部411bによる処理の後に、輝度値を100だけオフセットする処理が行われる。これにより、異物S以外の領域とは異なる輝度値を保持する異物Sが現れた結果画像P300を取得することができる。
[フィルタ部]
フィルタ部411bは、結果画像P300に含まれるランダムノイズを除去するために設けられている。通常、X線透過画像には、ランダムノイズが含まれており、被検査物Aの消し込みを行った結果画像P300(図16の(A)参照)にも当該ランダムノイズが含まれている。被検査物Aに異物Sが含まれている場合、X線透過画像の異物Sがある領域は、ノイズより大きな値となっている。そこで、本実施形態のフィルタ部411bは、ガウシアンフィルタを用いて細かいノイズを除去すると共に、上述したように輝度値を100だけオフセットすることによって、異物Sがある領域を抽出する。なお、整数値の桁数を減らすことができるので、簡易な演算処理装置で高速処理することができる。また、フィルタ部411bによってノイズが除去されたノイズ除去画像P301(図16の(B)参照)は、全体が暗く(ほぼ黒一色に)なっているが、実際には、異物Sの領域は、異物S以外の領域(ほぼ黒一色の)とは異なるデータ値を保持している。
[2値化部]
フィルタ部411bによってノイズが除去されたノイズ除去画像P301は、2値化部411cにより、一定の値を閾値として、2値化される。これにより、異物Sのみが抽出された2値化画像P302(図16の(C)参照)を取得することができる。
[検出部]
検出部411dは、2値化画像P302と高エネルギー画像P200とを重ね合わせることにより、被検査物Aに含まれている異物Sを検出(特定)する。本実施形態では、検出部411dは、2値化画像P302と高エネルギー画像P200とを重ね合わせて、最終画像P400(図16の(D)参照)を作成する。これにより、検出部411dは、被検査物Aに異物Sが含まれている場合において、被検査物Aにおける異物Sの位置が映し出された最終画像P400を得ることができる。なお、ここでは、2値化画像P302と高エネルギー画像P200とを重ね合わせたが、当然、2値化画像P302と低エネルギー画像P100とを重ね合わせてもよい。
[X線検査装置による検査方法]
図17のフローチャートを参照して、X線検査装置100による検査方法について説明する。
まず、搬送部500により検査位置に被検査物Aが搬送されると、X線照射部200が被検査物AにX線を照射する。また、低エネルギー用センサ310が被検査物Aを透過した低エネルギー帯のX線を検出し、高エネルギー用センサ320が被検査物Aを透過した高エネルギー帯のX線を検出する。そして、画像生成部401が、低エネルギー用センサ310から出力された軟X線検出信号に基づいて低エネルギー画像P100(図3の(A)参照)を生成すると共に、高エネルギー用センサ320から出力された硬X線検出信号に基づいて被検査物Aの高エネルギー画像P200(図3の(B)参照)を生成する(ステップS1:画像取得)。
続いて、画像拡縮部402が、低エネルギー画像P100における被検査物Aの大きさと高エネルギー画像P200における被検査物Aの大きさとを合わせる(図5参照)。続いて、画像位置合わせ部403が、低エネルギー画像P100における被検査物Aの位置と高エネルギー画像P200における被検査物Aの位置とを合わせる(図6参照)。これらの処理により、低エネルギー画像P100と高エネルギー画像P200との調整が図られる(ステップS2:画像アライメント)。なお、上述した画像拡縮部402及び画像位置合わせ部403の処理は、アフィン変換により実現することができる。
続いて、画像変換部409が、予め用意された平滑輝度変換テーブルT102(本実施形態では、画像処理部400の記憶部(図示省略)に予め記憶された平滑輝度変換テーブルT102)に基づいて、低エネルギー画像P100の輝度変換を行う。これにより、画像変換部409は、輝度変換後低エネルギー画像P101(図13の(B)参照)を取得する(ステップS3:コントラスト整合)。
続いて、検査部411(除算部411a、フィルタ部411b、2値化部411c、及び検出部411d)が、輝度変換後低エネルギー画像P101及び高エネルギー画像P200に基づいて、被検査物Aに含まれている異物Sを検出する。まず、除算部411aが、輝度変換後低エネルギー画像P101の輝度値と高エネルギー画像P200の輝度値とを画素ごとに除算することにより、被検査物Aの消し込みが行われた結果画像P300(図15の(C)参照)を生成する(ステップS4:2画像間演算)。続いて、フィルタ部411bが、結果画像P300に含まれるランダムノイズを除去することにより、ノイズ除去画像P301(図16の(B)参照)を生成する(ステップS5:ノイズ除去)。続いて、2値化部411cが、ノイズ除去画像P301を2値化することにより、2値化画像P302(図16の(C)参照)を生成する(ステップS6:2値化)。続いて、検出部411dが、2値化画像P302と高エネルギー画像P200とを重ね合わせて最終画像P400(図16の(D)参照)を生成することにより、被検査物Aに含まれる異物Sを検出する(ステップS7:異物検出)。すなわち、被検査物Aに異物Sが含まれている場合において、被検査物Aに対する異物Sの位置が特定される。
[X線検査装置による平滑輝度変換テーブルの取得方法]
図18のフローチャートを参照して、X線検査装置100による平滑輝度変換テーブルT102の取得方法について説明する。平滑輝度変換テーブルT102の取得方法は、上述した検査方法よりも前に実施される。また、平滑輝度変換テーブルT102の取得方法は、異物Sが含まれていない被検査物A(予め異物Sが含まれていないことが判明している被検査物A)に対して実施される。
まず、上述した検査方法と同様の手順により、画像生成部401が、低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200を生成し(ステップS11:画像取得)、画像拡縮部402及び画像位置合わせ部403が、画像の拡大及び移動の処理を行う(ステップS12:画像アライメント)。
続いて、ヒストグラム作成部404が、低エネルギー画像P100の輝度分布を示す低エネルギーヒストグラムH100を作成すると共に、高エネルギー画像P200の輝度分布を示す高エネルギーヒストグラムH200を作成する(図7参照)(ステップS13:ヒストグラム作成)。
続いて、ヒストグラム積算部405が、低エネルギーヒストグラムH100を積分することにより低エネルギーヒストグラム積算曲線C100を算出すると共に、高エネルギーヒストグラムH200を積分することにより高エネルギーヒストグラム積算曲線C200を算出する(図8参照)(ステップS14:ヒストグラム積算)。
続いて、輝度変換テーブル作成部406が、低エネルギーヒストグラム積算曲線C100と高エネルギーヒストグラム積算曲線C200とを比較することにより、輝度変換テーブルT100を作成する(図10参照)(ステップS15:輝度変換テーブル作成)。この際、データ補完部407が、輝度変換テーブルT100に、輝度値が低い領域Lにおける仮想の変換データDを補完する(ステップS16:仮想データ補完)。
続いて、平滑化部408が、補完後輝度変換テーブルT101を平滑化することにより、平滑輝度変換テーブルT102を取得する(ステップS17:平滑化)。本実施形態では、平滑化部408は、補完後輝度変換テーブルT101のうち範囲R1に対応する部分を平滑化することにより、平滑輝度変換テーブルT102Aを取得すると共に、補完後輝度変換テーブルT101のうち範囲R2に対応する部分を平滑化することにより、平滑輝度変換テーブルT102Bを取得する(図11参照)。これにより、各範囲R1,R2において、近似精度の良い(近似誤差が低減された)輝度変換関数(すなわち、平滑輝度変換テーブルT102A及び平滑輝度変換テーブルT102B)が得られる。
続いて、仮想データ調整部410が、輝度変換後低エネルギー画像P101の輝度分布の各輝度値と、高エネルギー画像P200の輝度分布の各輝度値と、の差の総和が最小(最小2乗法)になるように、仮想の変換データDの値を調整する(ステップS18:仮想データ調整)。その結果、最適化された平滑輝度変換テーブルT102が取得され、画像処理部400の図示しない記憶部に格納される。これにより、上述した検査方法を実施する際において、画像変換部409が、予め用意された平滑輝度変換テーブルT102を利用することが可能となる。
[作用及び効果]
X線検査装置100では、X線透過画像における被検査物Aの消し込みを行って異物Sのみを抽出するために、予め用意された平滑輝度変換テーブルT102を用いることにより、低エネルギー画像P100の輝度が高エネルギー画像P200の輝度と略一致するように変換される。ここで、例えば、厚みが均一でなく、厚い部分(比較的暗く、輝度が範囲R1に含まれる部分)と薄い部分(比較的明るく、輝度が範囲R2に含まれる部分)とが混在する被検査物Aが検査対象である場合、変換対象となる輝度の範囲が比較的大きくなる。このため、変換対象となる輝度の全範囲で共通の輝度変換関数(例えば、図12に示される平滑輝度変換テーブルT200)を用いてしまうと、範囲R1の輝度を有する画素についての変換誤差が大きくなり易く、被検査物Aの厚い部分が適切に消し込まれないおそれがある。すなわち、被検査物Aの厚い部分がノイズとして残存したり、異物Sとして誤って抽出されたりする可能性が高くなる。
そこで、X線検査装置100は、変換対象となる輝度の範囲のうち下限値(ここでは、仮想の変換データDに対応する輝度値)を含む範囲R1については平滑輝度変換テーブルT102Aを適用し、変換対象となる輝度の範囲のうち上限値を含む範囲R2については平滑輝度変換テーブルT102Aとは異なる平滑輝度変換テーブルT102Bを適用する。このように範囲毎に別々に用意された関数を用いて輝度変換を行うことにより、各範囲R1,R2における変換誤差を低減させることができる。従って、X線検査装置100によれば、厚みが均一でない被検査物Aを検査対象とする場合であっても、被検査物Aの消し込みを精度良く行うことができる。その結果、異物Sを精度良く検出することができる。
また、X線検査装置100は、上述したヒストグラム作成部404、ヒストグラム積算部405、輝度変換テーブル作成部406、及び平滑化部408を備えている。これによれば、低エネルギー画像P100及び高エネルギー画像P200によって得られた輝度変換テーブル(本実施形態では、補完後輝度変換テーブルT101)を平滑化することによって、同種の被検査物Aに共通する輝度の特性を示す平滑輝度変換テーブルT102を取得することができる。さらに、補完後輝度変換テーブルT101の各範囲(範囲R1及び範囲R2)に限定した平滑化を行うことにより、各範囲R1,R2に応じた輝度変換関数(すなわち、平滑輝度変換テーブルT102A及び平滑輝度変換テーブルT102B)を取得することができる。このような処理によれば、各範囲R1,R2における変換誤差を低減させることが可能な輝度変換関数を容易かつ適切に得ることができる。
[変形例]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、補完後輝度変換テーブルT101が2つの範囲R1,R2に二分割され、各範囲に応じた輝度変換関数(平滑輝度変換テーブルT102A及び平滑輝度変換テーブルT102B)が用意されたが、補完後輝度変換テーブルT101は、3つ以上の範囲に分割されてもよい。図19は、補完後輝度変換テーブルT101を3つの範囲R11,R12,R13に三分割した場合の例を示している。範囲R11は、変換対象となる輝度の範囲のうち下限値を含む範囲(第1範囲)である。範囲R13は、変換対象となる輝度の範囲のうち上限値を含む範囲(第2範囲)である。範囲R12は、範囲R11と範囲R13との間の範囲である。この場合、平滑化部408により取得される平滑輝度変換テーブルT103は、範囲R11に対応する平滑輝度変換テーブルT103A(第1輝度変換関数)と、範囲R12に対応する平滑輝度変換テーブルT103Bと、範囲R13に対応する平滑輝度変換テーブルT103C(第2輝度変換関数)と、を含む。平滑輝度変換テーブルT103A,T103B,T103Cは、補完後輝度変換テーブルT101のうち範囲R11,R12,R13に対応する部分を平滑化することにより得られる。
また、上記実施形態では、互いに異なる輝度変換関数が用意される対象となる第1範囲及び第2範囲の例として、下限値を含む範囲R1と上限値を含む範囲R2とを例示したが、第1範囲は必ずしも下限値を含む範囲でなくてもよく、第2範囲は必ずしも上限値を含む範囲でなくてもよい。すなわち、第1範囲は、第2範囲と重複しない範囲であればよく、第1範囲及び第2範囲は、変換対象となる輝度の範囲のうちの任意の範囲を含み得る。
100…X線検査装置、200…X線照射部、300…X線検出部、401…画像生成部、404…ヒストグラム作成部、405…ヒストグラム積算部、406…輝度変換テーブル作成部、409…画像変換部、411…検査部、A…被検査物、C100…低エネルギーヒストグラム積算曲線(第1ヒストグラム積算曲線)、C200…高エネルギーヒストグラム積算曲線(第2ヒストグラム積算曲線)、P100…低エネルギー画像(第1X線透過画像)、H100…低エネルギーヒストグラム(第1ヒストグラム)、H200…高エネルギーヒストグラム(第2ヒストグラム)、P200…高エネルギー画像(第2X線透過画像)、R1,R11…範囲(第1範囲)、R2,R13…範囲(第2範囲)、T100…輝度変換テーブル、T102,T103…平滑輝度変換テーブル(輝度変換関数)、T102A,T103A…平滑輝度変換テーブル(第1輝度変換関数)、T102B,T103C…平滑輝度変換テーブル(第2輝度変換関数)。

Claims (2)

  1. 被検査物にX線を照射するX線照射部と、
    前記被検査物を透過した第1エネルギー帯のX線及び第2エネルギー帯のX線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部により検出された前記第1エネルギー帯のX線に基づいて前記被検査物の第1X線透過画像を生成すると共に、前記X線検出部により検出された前記第2エネルギー帯のX線に基づいて前記被検査物の第2X線透過画像を生成する画像生成部と、
    予め用意された輝度変換関数を用いることにより、前記第1X線透過画像の各画素の輝度を変換する画像変換部と、
    前記画像変換部により輝度が変換された後の前記第1X線透過画像と前記第2X線透過画像とに基づいて、前記被検査物に含まれている異物を検出する検査部と、を備え、
    前記輝度変換関数は、被検査物の前記第1X線透過画像の輝度を前記第2X線透過画像の輝度と略一致するように変換させる関数であり、
    前記輝度変換関数は、変換対象となる輝度の範囲のうち第1範囲に対して適用される第1輝度変換関数と、前記第1輝度変換関数とは異なる関数であって変換対象となる輝度の範囲のうち第2範囲に対して適用される第2輝度変換関数と、を有する、X線検査装置。
  2. 前記第1X線透過画像の輝度分布を示す第1ヒストグラムを作成すると共に、前記第2X線透過画像の輝度分布を示す第2ヒストグラムを作成するヒストグラム作成部と、
    前記第1ヒストグラムを積分することにより第1ヒストグラム積算曲線を算出すると共に、前記第2ヒストグラムを積分することにより第2ヒストグラム積算曲線を算出するヒストグラム積算部と、
    前記第1ヒストグラム積算曲線が前記第2ヒストグラム積算曲線に一致又は近似するように、前記第1ヒストグラム積算曲線の積算値と前記第2ヒストグラム積算曲線の積算値とが一致する輝度の変換比を各輝度で求めることにより、輝度と変換比とが関連付けられた輝度変換テーブルを作成する輝度変換テーブル作成部と、
    前記輝度変換テーブルのうち前記第1範囲に対応する部分を平滑化することにより前記第1輝度変換関数を取得すると共に、前記輝度変換テーブルのうち前記第2範囲に対応する部分を平滑化することにより前記第2輝度変換関数を取得する平滑化部と、を更に備える、請求項1に記載のX線検査装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4191237A1 (en) * 2021-12-02 2023-06-07 ISHIDA CO., Ltd. X-ray inspection apparatus, x-ray inspection system, and x-ray inspection method

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