JP2020175579A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うこと。【解決手段】入力された画像データの所定の画素を所定の分割数に分割し階調に応じたデータを生成するPWM変換部701と、所定の画素の主走査方向の位置に応じ所定の画素の理想の分割数を演算するプロファイル演算部707と、プロファイル演算部707により演算された理想の分割数に基づいて分割数を決定する画素サイズ演算部708と、複数の分割数の各々に対応した画像データを駆動部304を駆動させるためのビットパターンに変換する複数の階調特性705と、画素サイズ演算部708により決定された分割数に応じて複数の階調特性705の中から所定の階調特性705を選択するバンク・セレクタ709と、を備え、感光ドラム102は主走査方向に複数の領域に分割され、バンク・セレクタ709は所定の画素が位置する領域に応じて階調特性705を選択する。【選択図】図2
Description
本発明は、ディジタル複写機など画像形成装置に関し、特に、光学系の倍率補正を行う画像形成装置に関する。
ディジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、画像信号に従いレーザを制御して、感光体に静電潜像を形成し、現像、転写、定着の工程を経て画像を形成する。光走査装置は、画像信号に従ってレーザ光を出射し、内部に有する回転多面鏡により出射されたレーザ光を偏向させて、感光体に照射し、感光体の表面に静電潜像を形成する。感光体に照射されたレーザ光は、回転多面鏡の回転により感光体の長手方向(以下、主走査方向という)に偏向走査される。また、感光体の回転により主走査方向と直交する方向(以下、副走査方向という)に走査が行われ、感光体上には2次元の潜像が形成される。また、回転多面鏡の回転による偏向において、fθレンズを介して感光体にレーザ光を照射することで、fθレンズによる光学補正が行われる。すなわち、fθレンズにより主走査方向における走査速度を均一にすることにより、主走査方向の倍率を一定にしている。しかしながら、実際のfθレンズは製造バラツキなどの誤差を有し、fθレンズによる光学補正を行っても残る走査特性の僅かな残差は、画像処理による主走査方向の倍率補正処理によって補正される。例えば、1画素を主走査方向に分割した単位(以下、画素片)で各画素を扱い、各画素の階調をPWM(Pulse Width Modulation)変換する方式がある(例えば、特許文献1参照)。一方、低コストを追及してfθレンズを使わない光学構成として、倍率補正を全て電気的な補正により行う方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような方式では、主走査方向を所定のエリアに分割して、エリア毎の倍率に従い、クロック周波数を変調して倍率補正を行う。
図9(a)に示すfθレンズで光学補正しているシステムでの主走査方向の倍率補正は、数%程度の振れ幅である(図10(a)参照)。一方、図9(b)に示すfθレンズが設けられていない構成のシステムでは、図10(b)の補正倍率特性に示すように、感光ドラムの端部(補正倍率0.77)を基準にすると、感光ドラムの中央(補正倍率1)は+30%という大きな倍率差になっている。更に、この場合、主走査方向のレーザ光量の特性も同様で、感光ドラムの中央と端部では30%程度の差があり、光量補正も必要となる。
fθレンズが設けられていない構成のシステムでは、走査像高に応じてレーザ光の走査速度が異なるため、倍率補正が必要となり、露光面の単位面積当たりのレーザ光量もレーザ光の走査速度に応じて異なるため、レーザ光の光量補正が必要になる。図11(b)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの中央部の1画素あたり32画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。一方、図11(c)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの端部の1画素あたり24画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。図11(b)についても、図11(c)の24画素片の場合のグラフのように、入力階調に対するONパルス幅の特性を図11(c)と同一にすることで、1画素の単位面積当たりの露光時間、すなわちPWM信号のONパルス時間を同一にすることが可能となる。このように、倍率補正により1画素の画素片数が変わった場合でも、倍率に応じて、入力階調に対するレーザを点灯するパルス数の特性を適切に制御すれば、入力階調に対するPWM制御を行いつつ、光量補正も行うことができる。
fθレンズを使用しない光走査装置では、レーザ光が照射される感光体の主走査位置により、レーザ光の走査速度が大きく異なる。(式1)(後述)に基づいて計算した倍率と光量の増減を一定にするために、補正倍率と光量ゲインの特性が決まる。図12(a)は、主走査位置に応じた補正倍率(実線で表示)と光量ゲイン(一点鎖線で表示)を示すグラフである。図12(a)の横軸は主走査方向の画素位置(図中、主走査位置と表示)(約−2480〜+2480画素)を示しており、左の縦軸は補正倍率、右の縦軸は光量ゲインを示している。補正倍率は、主走査位置の中央(主走査位置が画素0)では1倍で、主走査位置が端部に向かう方向に減少し、主走査位置の両端部では、補正倍率は0.77倍となっている。一方、光量ゲインは、主走査位置の両端部では1となり、主走査位置の中央(主走査位置が画素0)では0.77となっている。図12(b)は、図12(a)の特性グラフを、補正倍率を横軸、光量ゲインを縦軸にとったグラフで表したものである。図12(b)に示すように、補正倍率と光量ゲインとは反比例の関係にあり、1対1の対応関係にあることがわかる。
しかしながら、実際の光量分布特性では、光学系の光量が主走査位置の端部で低下する端部落ちなどの現象も生じることがある。図13は、横軸が主走査位置を示し、縦軸が光量特性を示し、光量の端部落ちの特性の一例を示すグラフである。図13では、主走査位置の中央に対して、図中左側の主走査位置が−2480画素〜0画素の光量分布と、図中右側の主走査位置が0画素〜2480画素の光量分布とが、非対称の光量分布となっている。図13に示す特性に基づいて、補正倍率と補正光量の特性をグラフにしたのが、図14(c)である。図14(c)のグラフの見方は、図12(a)と同様であり、ここでの説明は省略する。図14(c)において、実線は補正倍率を示すグラフであり、一点鎖線で示したグラフ(光量ゲイン)が図14の光量の端部落ちした場合の補正光量ゲイン特性を示すグラフである。なお、点線で示すグラフ(光量ゲイン2)は、図12(a)で示した光量の端部落ちのない場合の補正光量ゲイン特性を示すグラフである。
図14(c)では、光量補正はPWM変換で行うため減衰方向の制御となる。そこで、主走査位置が+2480画素の位置の補正光量ゲインを1として正規化すると、補正光量特性は、図14(a)のようになる。図14(a)は、図12(a)と同様に、横軸が主走査位置を示し、左の縦軸が補正倍率、右の縦軸が補正光量を示す。また、点線で示すグラフ(光量ゲイン)は、光量の端部落ちした場合との比較のため、端部落ちのない場合の補正光量特性を示している。図14(a)のグラフは、光量の端部落ちした場合の右端部の補正光量特性が、点線で示す端部落ちのない場合の補正光量特性から乖離していることを示している。一方、図14(b)は、図14(a)の特性グラフを、補正倍率を横軸、光量ゲイン(補正光量)を縦軸にとったグラフで表したものである。図14(b)では、主走査位置の中央で右と左にプロットされたグラフを分けており、実線で表したグラフが主走査位置の中央から左側の主走査位置での特性を示すグラフ(光量ゲイン2(左))である。一方、一点鎖線で表したグラフが、主走査位置の中央から右側の主走査位置での特性を示すグラフ(光量ゲイン2(右))である。図14(b)のグラフでは、端部に対応する補正倍率0.8以下の付近で左右の光量ゲイン特性が乖離しており、図13の光量の端部落ちの特性では、補正倍率と光量ゲインが1対1でなく、1対2の対応関係にあることがわかる。したがって、倍率に対応付けた入力階調とPWMのパルス幅を対応させたグラフを調整する光量補正では、主走査位置の端部の正確な光量補正ができないという課題がある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)第1の方向に回転する感光体と、光ビームを照射する光源と、前記光源を駆動する駆動部と、を有し、前記感光体上の前記第1の方向に略直交する第2の方向に光ビームを走査して静電潜像を形成する露光手段と、を備える画像形成装置であって、入力された画像データの所定の画素を所定の分割数に分割し、前記所定の画素の階調に応じたデータを生成する生成手段と、前記所定の画素の前記第2の方向における位置に応じて、前記所定の画素についての理想の分割数を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記理想の分割数に基づいて前記分割数を決定する決定手段と、複数の分割数の各々に対応した複数の、前記画像データを前記駆動部を駆動させるためのビットパターンに変換するための変換条件に関する情報と、前記決定手段により決定された分割数に応じて前記複数の変換条件の中から所定の変換条件に関する情報を選択する選択手段と、を備え、光ビームで走査される前記感光体は、前記第2の方向に複数の領域に分割され、前記選択手段は、前記所定の画素が位置する前記領域に応じて前記変換条件を選択することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、レーザ光が走査される方向であって感光ドラムの回転軸方向を第2の方向である主走査方向、主走査方向に略直交する方向であって感光ドラムの回転方向を第1の方向である副走査方向とする。
[電子写真の原理とレーザ走査]
ディジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、画像信号に従いレーザを制御して、感光体に静電潜像を形成し、現像、転写、定着の工程を経て画像を形成する。光走査装置は、画像信号に従ってレーザ光を出射し、内部に有する回転多面鏡により出射されたレーザ光を偏向させて、感光体に照射し、感光体の表面に静電潜像を形成する。感光体に照射されたレーザ光は、回転多面鏡の回転により感光体の長手方向(以下、主走査方向という)に偏向走査される。また、感光体の回転により主走査方向と直交する方向(以下、副走査方向という)に走査が行われ、感光体上には2次元の潜像が形成される。また、回転多面鏡の回転による偏向において、fθレンズを介して感光体にレーザ光を照射することで、fθレンズによる光学補正が行われる。すなわち、fθレンズにより主走査方向における走査速度を均一にすることにより、主走査方向の倍率を一定にしている。図9(a)は、回転多面鏡に偏向されたレーザ光がfθレンズを介して感光体に照射される様子を示した図である。図9(a)に示すように、レーザ光は、fθレンズを介することにより、感光体の主走査方向(図中、左右方向)の任意の位置で、回転多面鏡の回転角θに対して、感光体上において比例した走査距離Lだけ移動する。このときのレーザ光による走査速度v(s)は、一定である。
ディジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、画像信号に従いレーザを制御して、感光体に静電潜像を形成し、現像、転写、定着の工程を経て画像を形成する。光走査装置は、画像信号に従ってレーザ光を出射し、内部に有する回転多面鏡により出射されたレーザ光を偏向させて、感光体に照射し、感光体の表面に静電潜像を形成する。感光体に照射されたレーザ光は、回転多面鏡の回転により感光体の長手方向(以下、主走査方向という)に偏向走査される。また、感光体の回転により主走査方向と直交する方向(以下、副走査方向という)に走査が行われ、感光体上には2次元の潜像が形成される。また、回転多面鏡の回転による偏向において、fθレンズを介して感光体にレーザ光を照射することで、fθレンズによる光学補正が行われる。すなわち、fθレンズにより主走査方向における走査速度を均一にすることにより、主走査方向の倍率を一定にしている。図9(a)は、回転多面鏡に偏向されたレーザ光がfθレンズを介して感光体に照射される様子を示した図である。図9(a)に示すように、レーザ光は、fθレンズを介することにより、感光体の主走査方向(図中、左右方向)の任意の位置で、回転多面鏡の回転角θに対して、感光体上において比例した走査距離Lだけ移動する。このときのレーザ光による走査速度v(s)は、一定である。
[fθ特性の残差補正]
しかしながら、実際のfθレンズは製造バラツキなどの誤差を有し、fθレンズによる光学補正を行っても残る走査特性の僅かな残差は、画像処理による主走査方向の倍率補正処理によって補正される。例えば、1画素を主走査方向に分割した単位(以下、画素片)で各画素を扱い、各画素の階調をPWM(Pulse Width Modulation)変換する方式がある(例えば、特許文献1参照)。この方式は、PWM変換された画像データを画素片の単位の高い周波数で補間処理して画質劣化を抑える方式である。補間処理により画素片を挿入、抜き出しする箇所(以下、挿抜箇所)は、一定の倍率であれば主走査方向の中で略一定周期で発生する。画素片の挿抜箇所の周期とPWM周期との干渉によるモアレを防止するため、挿抜位置を制御して局所的な濃淡の発生を低減している。
しかしながら、実際のfθレンズは製造バラツキなどの誤差を有し、fθレンズによる光学補正を行っても残る走査特性の僅かな残差は、画像処理による主走査方向の倍率補正処理によって補正される。例えば、1画素を主走査方向に分割した単位(以下、画素片)で各画素を扱い、各画素の階調をPWM(Pulse Width Modulation)変換する方式がある(例えば、特許文献1参照)。この方式は、PWM変換された画像データを画素片の単位の高い周波数で補間処理して画質劣化を抑える方式である。補間処理により画素片を挿入、抜き出しする箇所(以下、挿抜箇所)は、一定の倍率であれば主走査方向の中で略一定周期で発生する。画素片の挿抜箇所の周期とPWM周期との干渉によるモアレを防止するため、挿抜位置を制御して局所的な濃淡の発生を低減している。
[光学系の簡易化]
一方、低コストを追及してfθレンズを使わない光学構成として、倍率補正を全て電気的な補正により行う方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような方式では、主走査方向を所定のエリアに分割して、エリア毎の倍率に従い、クロック周波数を変調して倍率補正を行う。fθレンズを用いない光学構成で、PWM信号を倍率制御する構成により低コストの光学系を実現できる。
一方、低コストを追及してfθレンズを使わない光学構成として、倍率補正を全て電気的な補正により行う方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような方式では、主走査方向を所定のエリアに分割して、エリア毎の倍率に従い、クロック周波数を変調して倍率補正を行う。fθレンズを用いない光学構成で、PWM信号を倍率制御する構成により低コストの光学系を実現できる。
[倍率補正の特性]
fθレンズで光学補正しているシステムでの主走査方向の倍率補正は、数%程度の振れ幅である。図10(a)は、fθレンズを用いた場合の、解像度600dpiでA4サイズの短手方向を走査した場合の倍率補正を示すグラフである。図10(a)において、横軸は主走査方向の画素位置(図中、主走査位置と表示)(約−2480〜+2480画素)を示しており、縦軸は補正倍率を示している。ここでは、横軸は、解像度600dpiの場合の感光ドラムの画素数で示しており、感光ドラムの中央を0画素目として、図中左側の画素を−2480画素〜0画素、図中左側の画素を0画素〜+2480画素としている。図10(a)に示すように、主走査方向の倍率補正は、主走査方向の端部において5%程度である。
fθレンズで光学補正しているシステムでの主走査方向の倍率補正は、数%程度の振れ幅である。図10(a)は、fθレンズを用いた場合の、解像度600dpiでA4サイズの短手方向を走査した場合の倍率補正を示すグラフである。図10(a)において、横軸は主走査方向の画素位置(図中、主走査位置と表示)(約−2480〜+2480画素)を示しており、縦軸は補正倍率を示している。ここでは、横軸は、解像度600dpiの場合の感光ドラムの画素数で示しており、感光ドラムの中央を0画素目として、図中左側の画素を−2480画素〜0画素、図中左側の画素を0画素〜+2480画素としている。図10(a)に示すように、主走査方向の倍率補正は、主走査方向の端部において5%程度である。
一方、図9(b)は、fθレンズが設けられていない構成のシステムである。図9(b)において、回転多面鏡から感光ドラム中央までレーザ光の走査半径をRとすると、感光ドラム中央から角度θだけ離れた位置の回転多面鏡からの走査半径Rsは、次の(式1)により表すことができる。
Rs=R×(1/cosθ)・・・(式1)
Rs=R×(1/cosθ)・・・(式1)
式1より、感光ドラムの端部ほど走査半径Rsが大きくなる。レーザ光を回転多面鏡により偏向走査するシステムにおいて、レーザ光による走査速度v(θ)は、走査半径に比例する。したがって、感光ドラムの中央付近のレーザ光の走査速度v(θ)は遅く、感光ドラムの端部付近ではレーザ光の走査速度v(θ)は速くなる。そのため、レーザ光を出射する光源に入力する画像データを、感光ドラムの端部ほど縮小(又は感光ドラムの中央部ほど拡大)することで、主走査方向に均等な解像度に補正することができる。例えば、解像度600dpiで、A4サイズの短手方向を走査して、感光ドラムの中央を0画素目としたとき、約−2480〜+2480画素の範囲を走査する。このときの回転多面鏡の回転角の振れ幅θを−40°<θ<40°となるシステムにおける主走査方向の倍率補正特性を示したグラフが、図10(b)である。図10(b)において、横軸及び横軸は図10(a)と同様に、それぞれ主走査位置(約−2480〜+2480画素)、補正倍率を示している。図10(b)の倍率補正特性に示すように、感光ドラムの端部(補正倍率0.77)を基準にすると、感光ドラムの中央(補正倍率1)は+30%という大きな倍率差になっている。更に、この場合、レーザ光量の主走査方向の特性も同様で、感光ドラムの中央と端部では30%程度の差があり、光量補正も必要となる。
[光量補正(その1)]
光量補正の従来技術について、図を用いて説明する。図9(c)は、光量補正の仕組みをブロック図で示した図である。図9(c)において、PWM変換部401は、画像信号を入力し、画像信号で表された画像の濃度(濃度値)に基づいて、1画素内のレーザ発光時間の比率(PWM信号のONパルス幅)を制御する(パルス幅制御)。レーザドライバ402は、PWM変換部401から出力されたPWM信号のONパルス幅に応じてレーザ403を駆動して、点灯制御を行う。このとき、光量プロファイル405は、感光ドラムの主走査位置ごとの補正光量ゲインを示す光量プロファイル・データに基づいて、レーザドライバ402の電流を制御することで、光量の振幅制御を行い、光量補正を行う。なお、倍率プロファイル404は、光量プロファイル405の光量プロファイル・データとは独立に用意した、感光ドラムの主走査位置ごとの倍率プロファイル・データの画像の倍率情報に基づいて、1画素の周期を調節して画像の倍率を制御する。なお、この光量補正の方式は、光量プロファイル用のメモリやレーザドライバに振幅制御信号を伝えるためのD/A変換器が必要となるため、コストアップとなる。
光量補正の従来技術について、図を用いて説明する。図9(c)は、光量補正の仕組みをブロック図で示した図である。図9(c)において、PWM変換部401は、画像信号を入力し、画像信号で表された画像の濃度(濃度値)に基づいて、1画素内のレーザ発光時間の比率(PWM信号のONパルス幅)を制御する(パルス幅制御)。レーザドライバ402は、PWM変換部401から出力されたPWM信号のONパルス幅に応じてレーザ403を駆動して、点灯制御を行う。このとき、光量プロファイル405は、感光ドラムの主走査位置ごとの補正光量ゲインを示す光量プロファイル・データに基づいて、レーザドライバ402の電流を制御することで、光量の振幅制御を行い、光量補正を行う。なお、倍率プロファイル404は、光量プロファイル405の光量プロファイル・データとは独立に用意した、感光ドラムの主走査位置ごとの倍率プロファイル・データの画像の倍率情報に基づいて、1画素の周期を調節して画像の倍率を制御する。なお、この光量補正の方式は、光量プロファイル用のメモリやレーザドライバに振幅制御信号を伝えるためのD/A変換器が必要となるため、コストアップとなる。
[倍率補正]
次に、倍率補正の方式について説明する。上述した図9(c)のPWM変換部401では、1画素の周期より高い周波数のクロック信号により、画像信号の1画素を複数の画素片に分割する。そして、画素片ごとにレーザドライバ402にてレーザ403をオン/オフするように、1画素のPWM信号を生成するPWM制御を行う。この画素片について、倍率プロファイル404から感光ドラムの主走査位置ごとの画像の倍率情報に基づいて、1画素あたりの画素片の数を増減して倍率補正する。図11(a)は、感光ドラムの主走査位置における1画素の画素倍率を示した図である。図11(a)において、横軸は感光ドラムの主走査位置を示しており、画素を示す図は、画素の主走査位置と、1画素あたり画素片の数(分割数)を示している。感光ドラムの主走査方向の両側の端部では、1画素あたりの画素片の数は24であるが、中央部では1画素あたりの画素片の数は32であり、中央部の画素片の数を増やし、逆に端部の画素片の数を減らしている。
次に、倍率補正の方式について説明する。上述した図9(c)のPWM変換部401では、1画素の周期より高い周波数のクロック信号により、画像信号の1画素を複数の画素片に分割する。そして、画素片ごとにレーザドライバ402にてレーザ403をオン/オフするように、1画素のPWM信号を生成するPWM制御を行う。この画素片について、倍率プロファイル404から感光ドラムの主走査位置ごとの画像の倍率情報に基づいて、1画素あたりの画素片の数を増減して倍率補正する。図11(a)は、感光ドラムの主走査位置における1画素の画素倍率を示した図である。図11(a)において、横軸は感光ドラムの主走査位置を示しており、画素を示す図は、画素の主走査位置と、1画素あたり画素片の数(分割数)を示している。感光ドラムの主走査方向の両側の端部では、1画素あたりの画素片の数は24であるが、中央部では1画素あたりの画素片の数は32であり、中央部の画素片の数を増やし、逆に端部の画素片の数を減らしている。
[光量補正(その2)]
fθレンズが設けられていない構成のシステムでは、走査像高に応じてレーザ光の走査速度が異なるため、倍率補正が必要となり、露光面の単位面積当たりのレーザ光量もレーザ光の走査速度に応じて異なるため、レーザ光の光量補正が必要になる。図11(b)、(c)は、画像信号の階調と、レーザを点灯する画素片の数の対応関係を示すグラフであり、横軸は入力階調(画像信号の階調)を示し、縦軸はレーザを点灯する画素片の数(パルス幅)を示している。図11(b)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの中央部の1画素あたり32画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。一方、図11(c)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの端部の1画素あたり24画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。図11(c)では、入力階調の最大値15に対して、レーザがオンされる1画素のONパルス幅は24(24画素片)となり、走査時間の100%がONのデューティーのPWM信号で、レーザ403が点灯される制御を示している。また、入力階調0〜14に対しても、それぞれ、レーザ403がオンされる1画素のパルス幅が定義されており、PWM信号による階調制御が行われる。一方、図11(b)についても、図11(c)の24画素片の場合のように、入力階調に対するONパルス幅の特性を図11(c)と同一にすることで、1画素の単位面積当たりの露光時間、すなわちPWM信号のONパルス時間を同一にすることが可能となる。
fθレンズが設けられていない構成のシステムでは、走査像高に応じてレーザ光の走査速度が異なるため、倍率補正が必要となり、露光面の単位面積当たりのレーザ光量もレーザ光の走査速度に応じて異なるため、レーザ光の光量補正が必要になる。図11(b)、(c)は、画像信号の階調と、レーザを点灯する画素片の数の対応関係を示すグラフであり、横軸は入力階調(画像信号の階調)を示し、縦軸はレーザを点灯する画素片の数(パルス幅)を示している。図11(b)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの中央部の1画素あたり32画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。一方、図11(c)のグラフは、図11(a)に示す感光ドラムの端部の1画素あたり24画素片の画素における入力階調とPWM信号のONパルスの数との関係を示している。図11(c)では、入力階調の最大値15に対して、レーザがオンされる1画素のONパルス幅は24(24画素片)となり、走査時間の100%がONのデューティーのPWM信号で、レーザ403が点灯される制御を示している。また、入力階調0〜14に対しても、それぞれ、レーザ403がオンされる1画素のパルス幅が定義されており、PWM信号による階調制御が行われる。一方、図11(b)についても、図11(c)の24画素片の場合のように、入力階調に対するONパルス幅の特性を図11(c)と同一にすることで、1画素の単位面積当たりの露光時間、すなわちPWM信号のONパルス時間を同一にすることが可能となる。
以上、説明したように倍率補正により1画素の画素片数が変わった場合でも、倍率に応じて、入力階調に対するレーザを点灯するパルス数の特性を適切に制御すれば、入力階調に対するPWM制御を行いつつ、光量補正も行うことができる。
[fθレンジを使用しない構成での課題]
fθレンズを使用しない光走査装置では、レーザ光が照射される感光体の主走査位置により、レーザ光の走査速度が大きく異なる。(式1)に基づいて計算した倍率と光量の増減を一定にするために、補正倍率と光量ゲインの特性が決まる。図12(a)は、主走査位置に応じた補正倍率と光量ゲイン(一点鎖線で表示)を示すグラフである。実線で表示した補正倍率は、主走査位置の中央(主走査位置が0)では1倍で、主走査位置が端部に向かう方向に減少し、主走査位置の両端部では、補正倍率は0.77倍となっている。一方、光量ゲインは、主走査位置の両端部では1となり、主走査位置の中央(主走査位置が0)では0.77となっている。図12(b)は、図12(a)の特性グラフを、補正倍率を横軸、光量ゲインを縦軸にとったグラフで表したものであり、補正倍率と光量ゲインが反比例の関係にあり、1対1の対応関係にあることがわかる。
fθレンズを使用しない光走査装置では、レーザ光が照射される感光体の主走査位置により、レーザ光の走査速度が大きく異なる。(式1)に基づいて計算した倍率と光量の増減を一定にするために、補正倍率と光量ゲインの特性が決まる。図12(a)は、主走査位置に応じた補正倍率と光量ゲイン(一点鎖線で表示)を示すグラフである。実線で表示した補正倍率は、主走査位置の中央(主走査位置が0)では1倍で、主走査位置が端部に向かう方向に減少し、主走査位置の両端部では、補正倍率は0.77倍となっている。一方、光量ゲインは、主走査位置の両端部では1となり、主走査位置の中央(主走査位置が0)では0.77となっている。図12(b)は、図12(a)の特性グラフを、補正倍率を横軸、光量ゲインを縦軸にとったグラフで表したものであり、補正倍率と光量ゲインが反比例の関係にあり、1対1の対応関係にあることがわかる。
しかしながら、実際の光量分布特性では、光学系の光量が主走査位置の端部で低下する端部落ちなどの現象も生じることがある。図13は、光量の端部落ちの特性の一例を示すグラフである。図13では、主走査位置の中央に対して、図中左側の主走査位置が−2480画素〜0画素の光量分布と、図中右側の主走査位置が0画素〜2480画素の光量分布とが、非対称の光量分布となっている。図13に示す特性に基づいて、補正光量ゲイン特性をグラフにしたのが、図14(c)である。図14(c)では、光量補正はPWM変換で行うため減衰方向の制御となる。そこで、主走査位置が+2480画素の位置の補正光量を1として正規化すると、補正光量特性は、図14(a)のようになる。図14(a)のグラフは、光量の端部落ちした場合の右端部の補正光量が、点線で示す端部落ちのない場合の補正光量特性から乖離していることを示している。図14(b)は、図14(a)の特性グラフを、補正倍率を横軸、補正光量を縦軸にとったグラフで表したものである。図14(b)のグラフでは、端部に対応する補正倍率0.8以下の付近で左右の光量ゲイン(補正光量)が乖離しており、図13の光量の端部落ちの特性では、補正倍率と光量ゲインが1対1でなく、1対2の対応関係にあることがわかる。したがって、倍率に対応付けた入力階調とPWMのパルス幅を対応させたグラフを調整する光量補正では、主走査位置の端部の正確な光量補正ができないという課題がある。
[画像形成装置全体の構成]
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施例1の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
図1(a)は、複数色のトナーを用いて画像形成を行うデジタルフルカラープリンタ(カラー画像形成装置)の概略断面図である。図1(a)を用いて実施例1の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100には色別に画像を形成する4つの画像形成部(画像形成手段)101Y、101M、101C、101Bk(破線部)が備えられている。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像形成を行う。Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表しており、以下、特定の色について説明する場合を除き、添え字Y、M、C、Bkを省略する。
画像形成部101には感光体である感光ドラム102が備えられている。感光ドラム102の周りには、帯電装置103、露光手段である光走査装置104、現像装置105がそれぞれ設けられている。また、感光ドラム102の周りには、クリーニング装置106が配置されている。感光ドラム102の下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と従動ローラ109、110とに張架され、画像形成中は図中の矢印B方向(時計回り方向)に回転する。また、中間転写ベルト107(中間転写体)を介して、感光ドラム102に対向する位置には、一次転写装置111が設けられている。また、本実施例の画像形成装置100は、中間転写ベルト107上のトナー像を記録媒体である用紙Sに転写するための二次転写装置112、用紙S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。
画像形成装置100の帯電工程から現像工程までの画像形成プロセスを説明する。各画像形成部101における画像形成プロセスは同一であるため、画像形成部101Yを例にして画像形成プロセスを説明し、画像形成部101M、101C、101Bkにおける画像形成プロセスについては説明を省略する。画像形成部101Yの帯電装置103Yにより、図中矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される感光ドラム102Yを帯電する。帯電された感光ドラム102Yは、光走査装置104Yから出射される一点鎖線で示すレーザ光によって露光される。これにより、回転する感光ドラム102Y上(感光体上)に静電潜像が形成される。感光ドラム102Y上に形成された静電潜像は、現像装置105Yによってイエローのトナー像として現像される。画像形成部101M、101C、101Bkでも、同様の工程が行われる。
転写工程以降の画像形成プロセスについて説明する。転写電圧が印加された一次転写装置111は、画像形成部101の感光ドラム102上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を、中間転写ベルト107に転写する。これにより、中間転写ベルト107上で各色のトナー像が重ね合わされる。すなわち、中間転写ベルト107に4色のトナー像が転写される(一次転写)。中間転写ベルト107上に転写された4色のトナー像は、二次転写装置112により、手差し給送カセット114又は給紙カセット115から二次転写部に搬送されてきた用紙S上に転写される(二次転写)。そして、用紙S上の未定着のトナー像は定着装置113で加熱定着され、用紙S上にフルカラー画像が得られる。画像が形成された用紙Sは排紙部116に排紙される。
[感光ドラムと光走査装置]
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、偏向手段である回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。なお、本実施例ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単に駆動部)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。本実施例では回転多面鏡204のミラー面は5面であるが、他の面数でもよい。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部(以下、駆動部)305によって駆動される。また、光走査装置104は、種々の情報が格納された記憶手段であるメモリ302を有する。
図1(b)に、感光ドラム102、光走査装置104、及び、光走査装置104の制御部の構成を示す。光走査装置104は、マルチビームレーザ光源(以下、レーザ光源)201と、コリメータレンズ202と、シリンドリカルレンズ203と、偏向手段である回転多面鏡204とを備える。レーザ光源201は、複数の発光素子によりレーザ光(光ビーム)を発生するマルチビームレーザ光源である。コリメータレンズ202は、レーザ光を平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向へ集光する。なお、本実施例ではレーザ光源201は複数のビームを配列したマルチビーム光源を例にして記載するが、単一の光源を用いた場合も同様に動作させるものとする。レーザ光源201は、マルチビームレーザ駆動回路(以下、単に駆動部)304によって駆動される。回転多面鏡204は、回転動作するモータ部とモータ軸に取り付けられた反射ミラーからなる。本実施例では回転多面鏡204のミラー面は5面であるが、他の面数でもよい。以下、回転多面鏡204の反射ミラーの面を、ミラー面という。回転多面鏡204は、回転多面鏡駆動部(以下、駆動部)305によって駆動される。また、光走査装置104は、種々の情報が格納された記憶手段であるメモリ302を有する。
更に、光走査装置104は、回転多面鏡204によって偏向されたレーザ光を検知し、レーザ光を検知したことに応じて水平同期信号(以下、BD信号)を出力する信号生成手段であるBeam Detector207(以下、BD207)を備える。光走査装置104から出射したレーザ光は、感光ドラム102上を走査する。レーザ光が感光ドラム102の回転軸に対して平行に走査されるように、光走査装置104と感光ドラム102の位置決めがなされている。光走査装置104は、回転多面鏡204のミラー面が感光ドラム102上を一回走査する度に、マルチビームレーザの光ビームのスポットを主走査方
向に走査させ、レーザ素子数分の走査ラインを同時に形成する。
向に走査させ、レーザ素子数分の走査ラインを同時に形成する。
次に、光走査装置104の制御部(CPU303)について説明する。CPU303には、画像データを生成する不図示のコントローラから画像データが入力され、BD207、メモリ302、駆動部304、駆動部305が接続されている。
[回転多面鏡の制御]
CPU303は、BD207から出力されるBD信号に基づいて走査ラインの書き出し位置の検知と、BD信号の時間間隔をカウントする。これにより、CPU303は、回転多面鏡204の回転速度を検知し、回転多面鏡204が所定の回転速度となるように駆動部305に加速減速を指示する。駆動部305は、入力された加速減速信号に対応して、回転多面鏡204のモータ部に駆動電流を供給し、モータを駆動する。
CPU303は、BD207から出力されるBD信号に基づいて走査ラインの書き出し位置の検知と、BD信号の時間間隔をカウントする。これにより、CPU303は、回転多面鏡204の回転速度を検知し、回転多面鏡204が所定の回転速度となるように駆動部305に加速減速を指示する。駆動部305は、入力された加速減速信号に対応して、回転多面鏡204のモータ部に駆動電流を供給し、モータを駆動する。
[画像データの制御]
また、CPU303は、不図示のコントローラから入力された画像データをPWM信号に変換する。画像データは各画素の濃度を示す多値のビットパターン(例えば、4bit以上の階調データ)である。PWM信号は、この階調データをPWMデータに変換し、変換したPWMデータに基づいて生成される信号である。PWM信号は、階調データを後述する表1に示す変換テーブルなどの階調特性に基づいて得られる複数のビットデータを含むビットパターンである。図2は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明するブロック図である。コントローラから入力された階調データは、生成手段であるPWM変換部701によりPWMデータに変換され、PWMデータはパラレル/シリアル変換部702に出力される。そして、PWMデータはパラレル/シリアル変換部702によりシリアル出力されることによってPWM信号として駆動部304に出力される。
また、CPU303は、不図示のコントローラから入力された画像データをPWM信号に変換する。画像データは各画素の濃度を示す多値のビットパターン(例えば、4bit以上の階調データ)である。PWM信号は、この階調データをPWMデータに変換し、変換したPWMデータに基づいて生成される信号である。PWM信号は、階調データを後述する表1に示す変換テーブルなどの階調特性に基づいて得られる複数のビットデータを含むビットパターンである。図2は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明するブロック図である。コントローラから入力された階調データは、生成手段であるPWM変換部701によりPWMデータに変換され、PWMデータはパラレル/シリアル変換部702に出力される。そして、PWMデータはパラレル/シリアル変換部702によりシリアル出力されることによってPWM信号として駆動部304に出力される。
BD207からBD信号が出力される毎にリセットされる主走査カウンタ703は、画素毎に主走査方向の位置(x)をカウントし、カウント値をプロファイル演算部707に出力する。演算手段であるプロファイル演算部707は、次のような演算を行い、演算した値を画素サイズ演算部708に出力する。すなわち、主走査カウンタ703のカウント値が示す主走査方向の位置(以下、主走査位置という)xに対して、予め設定した関数(例えば2次関数)に従い、理想の分割数である画素サイズの理想値Sr(x)を演算して画素サイズ演算部708に出力する。本実施例では、1画素の分割数が24のときの画素サイズを基準の画素サイズの理想値である1として、画素サイズの理想値Sr(x)を決めている。すなわち、本実施例では、画素サイズの理想値Sr(x)は、1(=24/24)から1.33・・・(=32/24)の間の値となる。Sr(x)は、予め設定した関数(例えば2次関数)で表される。ただし、本実施例において、主走査方向の1ラインには7200画素が含まれており、中央が3600である。
決定手段である画素サイズ演算部708は、次のような演算を行い、演算した値を階調特性セレクタ706に出力する。すなわち、プロファイル演算部707から入力された画素サイズの理想値Sr(x)に応じて、後述するフィードバック制御による演算により求めた画素サイズS(x)を階調特性セレクタ706(706a、706b)に出力する。本実施例では、画素サイズS(x)は24〜32の複数の画素サイズS(x)があり、複数の画素サイズS(x)に対応した複数の階調特性1〜N(N=9)(以下、階調特性グループ705ともいう)を対応付ける。例えば、1画素の分割数である画素サイズS(x)が24である場合は階調特性1、画素サイズS(x)が25である場合は階調特性2、以降、画素サイズS(x)を+1する毎に、階調特性の番号に+1した階調特性を対応付けている。階調特性グループ705については後述する。
なお、本実施例では、図11(a)に示すように、横軸の主走査方向の両側の端部では1画素を24分割、中央は1画素を32分割した画素片で、画素を示している。主走査方向の端部から中央までの間の画素は、光学系の特性に合わせて、1画素あたりの分割数を変化させて設定する。なお、図11(a)では、見やすくするため分割数を簡略化している。
[階調特性]
本実施例の階調特性グループ705とは、1画素の階調データをPWMデータに変換するためのプロファイル・データであって、そのプロファイル・データは、テーブル又は関数等で実現できる。本実施例では、変換条件である階調特性を表1、2に示すビットパターンのテーブルで表現している。表1、2の各表において、最も左側の列(第1列)は、1画素の階調データ(4ビットで表現される)を示し、第1行の31〜0は、PWMデータが設定される32ビット・レジスタのビット配置を示している。表中の1/0は、該当するPWMデータで制御されるレーザ光源201のON/OFFを示す。表1、2に示すPWMデータは、第1行のビット番号の0の列から始まって小さい順にPWM信号に変換される。表1は、1画素の分割数が32の場合のプロファイルを示すテーブルで、(a)、(b)、(c)は、それぞれ入力の階調データが最大の15のとき、PWMデータがON(1)の画素片数が32、24、23の一例を示している。また、表2は、1画素の分割数が24の場合のプロファイルを示すテーブルで、(a)、(b)は、それぞれ入力の階調データが最大の15のとき、PWMデータがON(1)の画素片数が24、23の一例を示している。表2において、グレーアウトしたビット24〜31の列は、分割数が24の場合には、パラレル/シリアル変換部702で、PWM信号に変換されないデータを示している。
本実施例の階調特性グループ705とは、1画素の階調データをPWMデータに変換するためのプロファイル・データであって、そのプロファイル・データは、テーブル又は関数等で実現できる。本実施例では、変換条件である階調特性を表1、2に示すビットパターンのテーブルで表現している。表1、2の各表において、最も左側の列(第1列)は、1画素の階調データ(4ビットで表現される)を示し、第1行の31〜0は、PWMデータが設定される32ビット・レジスタのビット配置を示している。表中の1/0は、該当するPWMデータで制御されるレーザ光源201のON/OFFを示す。表1、2に示すPWMデータは、第1行のビット番号の0の列から始まって小さい順にPWM信号に変換される。表1は、1画素の分割数が32の場合のプロファイルを示すテーブルで、(a)、(b)、(c)は、それぞれ入力の階調データが最大の15のとき、PWMデータがON(1)の画素片数が32、24、23の一例を示している。また、表2は、1画素の分割数が24の場合のプロファイルを示すテーブルで、(a)、(b)は、それぞれ入力の階調データが最大の15のとき、PWMデータがON(1)の画素片数が24、23の一例を示している。表2において、グレーアウトしたビット24〜31の列は、分割数が24の場合には、パラレル/シリアル変換部702で、PWM信号に変換されないデータを示している。
本実施例では、階調特性グループを主走査位置が主走査方向の中央の0画素を境にして、2つのグループに分けている。1つは、図14(a)に示す、第1の領域である0画素よりも主走査位置が主走査方向の左側(主走査方向の上流側)、すなわち−2480画素〜0画素の階調特性に対応する階調特性グループ(L)(以下、階調特性グループ705aという)である。もう1つは、図14(a)に示す、第2の領域である0画素よりも主走査位置が主走査方向の右側(主走査方向の下流側)、すなわち、0画素から2480画素の階調特性に対応する階調特性グループ(R)(以下、階調特性グループ705bという)である。また、階調特性グループ(L)(階調特性グループ705a)に含まれる、画素サイズに応じた階調特性1〜階調特性Nを階調特性1a〜階調特性Naとする。同様に、階調特性グループ(R)(階調特性グループ705b)に含まれる、画素サイズに応じた階調特性1〜階調特性Nを階調特性1b〜階調特性Nbとする。
階調特性グループ705aにおける階調特性9aのテーブルを表1(c)に示す。階調特性9aの画素サイズは32であり、主走査位置は図14(a)の主走査方向の中央の±0の画素0の位置に相当する。図14(a)において、主走査位置が±0における光量ゲイン補正量は71.9%となっている。このため、画素サイズ32の場合には、補正量71.9%となるPWMデータが1(ON)となるONパルス幅は、23画素片(≒32画素片×0.719)となる。すなわち、入力の階調データが最大の15のときには、PWM信号のONパルス幅は23画素片となる。そのため、図11(b)の23で示した特性(菱形でプロットしたグラフ)が入力された階調データに対する特性となる。このときの特性テーブルが表1(c)となる。
階調特性グループ705aにおける階調特性1aのテーブルを表2(b)に示す。階調特性1aの画素サイズは24であり、主走査位置は図14(a)の主走査方向の端部である、−2480画素の位置に相当する。図14(a)において、主走査位置が−2480における光量ゲイン補正量は95%となっている。このため、画素サイズ24の場合には、補正量95%となるPWMデータのONパルス幅は23画素片(≒24画素片×0.95)となる。すなわち、入力の階調データが最大の15のときには、PWM信号のONパルス幅は23画素片となる。そのため、図11(c)の23で示した特性(菱形でプロットしたグラフ)が入力された階調データに対する特性となる。この特性テーブルが表2(b)となる。
階調特性グループ705bにおける階調特性1bのテーブルを表2(a)に示す。階調特性1bの画素サイズは24であり、主走査位置は図14(a)の主走査方向の端部である、+2480画素の位置に相当する。図14(a)において、主走査位置+2480の光量ゲイン補正量は100%となっている。このため、画素サイズ24の場合には、補正量100%となるPWMデータのONパルス幅は24画素片(=24画素片×1)となる。すなわち、入力の階調データが最大の15のときには、PWM信号のONパルス幅は24画素片となる。そのため、図11(c)の24で示した特性(四角形でプロットしたグラフ)が入力された階調データに対する特性となる。この特性テーブルが表2(a)となる。
領域判定部710は、主走査カウンタ703から入力される画素カウント値に基づいて、次の処理を行う。すなわち、領域判定部710は、主走査方向の中央に対して、左の領域(−2480画素〜0画素が含まれる領域)ならば0、右の領域(0画素〜2480画素が含まれる領域)ならば1を、バンク・セレクタ709に出力する。選択手段であるバンク・セレクタ709は、領域判定部710からの出力が0(左の領域の選択)の場合には、階調特性セレクタ706aから出力される階調特性グループ705aを選択し、PWM変換部701に出力する。一方、バンク・セレクタ709は、領域判定部710からの出力が1(右の領域の選択)の場合には、階調特性セレクタ706bから出力される階調特性グループ705bを選択し、PWM変換部701に出力する。
PWM変換部701は、画素毎の階調に応じてバンク・セレクタ709から画素毎に選択された階調特性グループ705(705a又は705b)(テーブル)に従い、階調に応じたデータ(PWMデータ)をパラレル/シリアル変換部702に出力する。PWMデータは、上述した、0と1とで表されたビットパターンデータである。パラレル/シリアル変換部702は、PWM変換部701から入力されたビットパターンデータに含まれるビットデータをクロック信号に応じて1ビットずつシリアル出力する。これにより、ビットデータをシリアル信号に変換し、当該シリアル信号をPWM信号として駆動部304へ出力する。
なお、本実施例において、プロファイル演算部707のプロファイル・データや、階調特性グループ705a、705bは、不図示のハードディスクに格納されている。CPU303は、起動時にハードディスクから読み出した階調特性グループ705a、705bをメモリ302にコピーして、画像処理時はメモリ302にアクセスして高速処理できるよう制御している。
[画素サイズS(x)の決定処理]
次に、画素サイズ演算部708の動作を、図3を用いて説明する。画素サイズ演算部708は、画素毎に目標となる画素サイズの理想値である(式2)で表されるSr(x)が入力されると、次のように動作する。画素サイズ演算部708は、主走査方向における前の位置の画素から繰り越された、後述する遅延部806からの出力である量子化誤差を、減算器801により理想値Sr(x)から減算した値Sa(x)を量子化部802に出力する。ここで、現在の画素の主走査位置をx、以前の画素(主走査方向における1つ前の画素)の主走査位置をx−1とする。量子化部802は、(式2)の条件を満たすnを求め、求めたnを画素サイズS(x)として出力する。
次に、画素サイズ演算部708の動作を、図3を用いて説明する。画素サイズ演算部708は、画素毎に目標となる画素サイズの理想値である(式2)で表されるSr(x)が入力されると、次のように動作する。画素サイズ演算部708は、主走査方向における前の位置の画素から繰り越された、後述する遅延部806からの出力である量子化誤差を、減算器801により理想値Sr(x)から減算した値Sa(x)を量子化部802に出力する。ここで、現在の画素の主走査位置をx、以前の画素(主走査方向における1つ前の画素)の主走査位置をx−1とする。量子化部802は、(式2)の条件を満たすnを求め、求めたnを画素サイズS(x)として出力する。
閾値テーブル803は、基準となる分割数Dbaseを元に(式2)で用いる閾値を量子化部802と後述する逆量子化部804に出力する。また、逆量子化部804には、量子化部802から画素サイズS(x)も入力されている。例えば、本実施例では、基本となる分割数Dbase=24としている。逆量子化部804は、閾値テーブル803から入力された閾値1/Dbase(=1/24)を、量子化部802から入力された画素サイズS(x)に乗算して逆量子化し(S(x)×1/Dbase)、減算器805に出力する。ここで、画素サイズの理想値Sr(x)は画素サイズS(x)が24のときを1とする値であるのに対して、画素サイズSは1画素の分割数(例えば24)であり、スケールが異なるため、逆量子化部804はスケールをあわせる処理を行っているともいえる。
減算器805は、逆量子化部804から入力された値(S(x)×1/Dbase)から画素サイズの理想値Sr(x)を減じ((S(x)×1/Dbase)−Sr(x))、量子化における誤差の成分(量子化誤差)を遅延部806に出力する。遅延部806は、1画素分だけ遅延して減算器801を介して、次の画素サイズの理想値Sr(x+1)に量子化誤差をフィードバックする。以上のフィードバック処理を繰り返しながら、画素サイズ演算部708は、画素サイズS(x)を画素の分割数に相当する整数として階調特性セレクタ706a、706bに出力する。なお、本実施例では、1ライン中の主走査方向における先頭の画素の量子化による誤差は0である。また、本実施例では、1画素毎に1つ前の画素の量子化誤差をフィードバックしているが、2画素毎、3画素毎等に量子化誤差をフィードバックする構成でもよい。更に、1ラインの中で、ランダムな画素数毎にフィードバックする構成でもよい。
画素サイズ演算部708の主走査方向における全体の出力結果を図4(a)に示す。図4(a)の横軸は主走査位置(x)を示し、縦軸は画素サイズ演算部708が各主走査位置xに対応して出力した画素サイズS(x)を示す。図4(a)では、主走査方向の両端部では24分割、中央部では32分割で、フィードバック制御によりそれぞれ2種類の画素サイズを行き来している様子を示している。すなわち、主走査方向の両端部では、画素サイズS(x)=24と画素サイズS(x)=25のいずれかが選択され、所定の画素の範囲で、画素サイズの平均値が画素サイズの理想値Sr(x)となるように制御されている。
また、主走査方向の0番目の画素から100番目の画素までの先頭側の画素に対応して画素サイズ演算部708から出力された画素サイズS(x)の出力の変化を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、主走査方向の位置0から位置100までの画素については、画素サイズS(x)が24と25を行き来していることがわかる。更に、画素の主走査位置xが大きくなるほど画素サイズS(x)=25が出力される頻度が増えており、言い換えれば画素サイズS(x)=24が出力される頻度が減っており、画素サイズS(x)が24から25へ移行していることもわかる。以上の画素サイズ制御により、減算器805で目標値Sr(x)と量子化したデータを比較して量子化誤差を算出する。そして、減算器801で次の画素の画素サイズS(x)を算出するときに前回までの量子化誤差を組み込むことで、複数の画素で目標の画素サイズに達するように構成している。
(プロファイル演算)
次に、プロファイル演算部707の動作について説明する。図5は、プロファイル演算部の処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は、BD207よりBD信号が出力されると起動され、CPU303により実行される。ステップ(以下、Sという)1401では、CPU303は、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th以上かどうか判断する。CPU303は、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th以上であると判断した場合には、処理をS1402に進め、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th未満の場合には、処理をS1401に戻す。ここで、所定値Thは、主走査位置が−2480画素の位置を指す。S1402では、CPU303は、主走査方向のカウンタを初期化する(x=−2480)。S1403では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウント値に対応する理想プロファイル演算を行う。ここでは、CPU303はメモリ302からロードした図10(b)に示す補正倍率の特性図と、主走査カウンタ703のカウント値とに基づいて、主走査カウンタ703のカウント値に対応する各主走査位置の理想的な倍率補正量である倍率M(x)を取得する。そして、CPU303は、取得した倍率M(x)を前述した画素サイズ演算部708に出力する。S1404では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウンタ値xをインクリメントする(x=x+1)。S1405では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウンタ値xが所定値、すなわち2480に達しているかどうか、すなわち主走査方向の処理が終了したかどうか判断する。CPU303は、主走査方向の処理が終了したと判断した場合にはプロファイル演算の処理を終了し、主走査方向の処理が終了していないと判断した場合には、処理をS1403に戻す。
次に、プロファイル演算部707の動作について説明する。図5は、プロファイル演算部の処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は、BD207よりBD信号が出力されると起動され、CPU303により実行される。ステップ(以下、Sという)1401では、CPU303は、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th以上かどうか判断する。CPU303は、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th以上であると判断した場合には、処理をS1402に進め、主走査カウンタ703のカウント値が所定値Th未満の場合には、処理をS1401に戻す。ここで、所定値Thは、主走査位置が−2480画素の位置を指す。S1402では、CPU303は、主走査方向のカウンタを初期化する(x=−2480)。S1403では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウント値に対応する理想プロファイル演算を行う。ここでは、CPU303はメモリ302からロードした図10(b)に示す補正倍率の特性図と、主走査カウンタ703のカウント値とに基づいて、主走査カウンタ703のカウント値に対応する各主走査位置の理想的な倍率補正量である倍率M(x)を取得する。そして、CPU303は、取得した倍率M(x)を前述した画素サイズ演算部708に出力する。S1404では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウンタ値xをインクリメントする(x=x+1)。S1405では、CPU303は、主走査方向のカウンタのカウンタ値xが所定値、すなわち2480に達しているかどうか、すなわち主走査方向の処理が終了したかどうか判断する。CPU303は、主走査方向の処理が終了したと判断した場合にはプロファイル演算の処理を終了し、主走査方向の処理が終了していないと判断した場合には、処理をS1403に戻す。
上述したように、本実施例では、主走査位置の補正倍率に対応付けた階調データとパルス幅との特性を、主走査位置が属する領域も判別してもう一つの異なる特性に切り替えてPWM変換を行う。それにより、光量補正用の階調特性テーブルを保持するためのメモリ量や、レーザドライバの光量制御に光量情報を伝えるためのD/A変換素子などを用いずに光量補正ができ、低コストで光量ムラのない画像形成装置を提供することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことができる。
実施例1では、図14(a)に示す端部の光量落ちの特性に対応するため、階調特性主走査方向の−2480画素〜0画素、0画素〜2480画素に対応する画素サイズに応じた階調特性テーブルを設けた例について説明した。実施例2では、図14(a)に示す端部の光量落ちの特性に対応しつつ、メモリ量を削減する実施例について説明する。
[画像データの制御]
図6は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明する本実施例のブロック図である。実施例1の図2では、階調特性セレクタ706bには、階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜Nbが入力されていた。一方、本実施例の図6では、階調特性セレクタ706bには、階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜Mbと、階調特性グループ705aに属する階調特性(M+1)a〜Naが入力される点が、実施例1とは異なる。なお、MとNの関係は、M<Nであり、本実施例ではM=5、N=9としている。その他の構成については、実施例1の図2と同様であり、ここでの説明は省略する。
図6は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明する本実施例のブロック図である。実施例1の図2では、階調特性セレクタ706bには、階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜Nbが入力されていた。一方、本実施例の図6では、階調特性セレクタ706bには、階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜Mbと、階調特性グループ705aに属する階調特性(M+1)a〜Naが入力される点が、実施例1とは異なる。なお、MとNの関係は、M<Nであり、本実施例ではM=5、N=9としている。その他の構成については、実施例1の図2と同様であり、ここでの説明は省略する。
図6において、バンク・セレクタ709は、画素の主走査位置が−2480〜±0までは、階調特性セレクタ706aから入力される、画素サイズに応じた階調特性グループ705aの階調特性1a〜階調特性Naが順次選択される。次に画素の主走査位置が±0〜+2480では、階調特性セレクタ706bから入力される、画素サイズに応じた階調特性グループ705bの階調特性1b〜階調特性Mbと、階調特性グループ705aの階調特性(M+1)a〜階調特性Naとが順次選択される。すなわち、画素サイズ29(M=5に対応)〜32(N=9に対応)に対しては、階調特性グループ705aに属する、同一の階調特性テーブルが用いられる。一方、画素サイズ24〜28に対しては、画素の主走査位置に対応する階調特性グループ705a、705bに属する階調特性テーブルが用いられる。これは、図14(a)に示す光学系の端部落ちによる光量ムラは、画素サイズ24〜28である端部の画素の主走査位置−2480〜−1180、及び+1180〜+2480の範囲の光量が補正できれば十分であるためである。そして、画素の主走査位置が−1180〜0、及び0〜1180のプロファイル・データが同じ主走査位置の中央部の個別補正は不要であるため、補正を行うための階調特性テーブルを共通にすることができる。これにより、階調特性テーブルのためのレジスタやメモリ量を減らすことができ、ハードウェア規模を小さくでき、低コストの画像形成装置を提供することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことができる。
実施例1、2では、図14(a)に示す端部の光量落ちの特性に対応するための階調特性テーブルの構成について説明した。実施例3では、主走査位置が端部よりは中央部側の階調特性が中央部を挟んで異なる場合の階調特性テーブルの構成例について説明する。
[画像データの制御]
図7は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明する本実施例のブロック図である。本実施例の図7は、実施例1の図2と比べて、オフセットレジスタ712と加算器711が追加されている点が異なる。その他の構成については、実施例1の図2と同様であり、ここでの説明は省略する。
図7は、CPU303が階調データに基づいてPWM信号を生成する際の流れを説明する本実施例のブロック図である。本実施例の図7は、実施例1の図2と比べて、オフセットレジスタ712と加算器711が追加されている点が異なる。その他の構成については、実施例1の図2と同様であり、ここでの説明は省略する。
図7において、階調特性セレクタ706aには、階調特性グループ705aに属する階調特性1a〜Naが入力され、画素サイズ演算部708から出力される画素サイズに応じた階調特性が選択され、バンク・セレクタ709に出力される。一方、階調特性セレクタ706bには、階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜階調特性Mbが入力される。ただし、MとNの関係は、M<Nであり、本実施例ではM=5、N=9としている。加算器711は、画素サイズ演算部708から出力された画素サイズ(24〜32の値)に、オフセットレジスタ712に設定されたオフセット値を加算する。本実施例では、オフセットレジスタ712に設定された値は−4としている。その結果、階調特性セレクタ706bには、画素サイズ演算部708から出力された画素サイズ(24〜32の値)から(−4)加算した画素サイズ(20〜28)が、加算器711から入力される。階調特性グループ705bに属する階調特性1b〜階調特性Mbは、画素サイズが24〜28(=24+5−1)に対応した階調特性である。したがって、階調特性セレクタ706bは、画素サイズ演算部708から出力された画素サイズ28〜32に対して、それぞれ階調特性1b〜5bを選択する。一方、画素サイズ演算部708から出力された画素サイズ24〜27に対しては、階調特性テーブルがない。そのため、階調特性セレクタ706bは階調特性テーブルの選択はせず、バンク・セレクタ709は、階調特性セレクタ706aの階調特性テーブルの選択を行う。
ここで、本実施例の補正倍率、補正光量(光量ゲイン)の特性を、図8(a)に示す。図8(a)において、横軸は画素の主走査位置(−2480〜2480)、左の縦軸は補正倍率、右の縦軸は補正光量(光量ゲイン)を示す。また、図中実線で示すグラフは補正倍率を示し、一点差線で示すグラフは本実施例の補正光量(光量ゲイン3)を示している。また、点線で示すグラフは、主走査位置0を中心に左右対称な場合の補正光量(光量ゲイン)を示している。一点鎖線のグラフが示すように、補正光量は、主走査位置0を中心に左右が非対称な特性を示しており、図中、枠線で囲まれた領域Rの部分が補正光量の特性が異なる部分である。また、図8(b)は、図8(a)に示す特性を、補正倍率を横軸、光量ゲイン(補正光量)を縦軸にとったグラフである。図8(b)において、実線で示すグラフは、図8(a)の主走査位置が図中左側の領域(主走査位置が−2480〜0)の光量ゲイン(左)を示している。また、一点鎖線で示すグラフは、図8(a)の主走査位置が図中右側の領域(主走査位置が0〜2480)の光量ゲイン(右)を示している。図8(b)に示すグラフでは、主走査位置の中央で右側の領域、左側の領域に分けてプロットすると、主走査位置の中央付近に対応する補正倍率0.85〜1の付近で、左右の光量特性が乖離していることがわかる。その結果、図8(a)に示す特性グラフでは、補正倍率と光量ゲイン(補正光量)が1対1でなく、1対2の対応関係にあることがわかる。
そこで、本実施例では、図8(a)の点線の範囲、すなわち画素サイズが28〜32の領域Rでは階調特性グループ705bの階調特性テーブルを選択し、領域Rを除くその他の領域については、階調特性グループ705aに属する階調特性テーブルを選択する。これにより、本実施例の領域Rでは、主走査位置の端部に対応する画素サイズが24〜27の範囲が選択されることはなく、階調特性テーブルの数を削減することができる。
以上説明したように、本実施例では、領域毎に全ての画素サイズの階調特性テーブルを備える必要がないので、階調特性テーブルのメモリやレジスタを削減することができ、ハードウェア規模を小さくでき、低コストの画像形成装置を提供することができる。なお、上述した実施例では、fθレンズを使用しない光学構成を有する光走査装置を例に説明したが、例えば精度の低いfθレンズを使用する構成の光走査装置にも適用することは可能である。
以上説明したように、本実施例によれば、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことができる。
[その他の実施例]
上述した実施例では、主走査方向の領域を主走査位置の中央を境に左右2つの領域に分割した例について説明したが、例えば3つ以上の領域に分割して、領域毎に画素サイズに応じた階調特性テーブルを有するようにしてもよい。また、上述した実施例では画素サイズに従って階調特性テーブルを選択した後、主走査位置の領域に応じて階調特性テーブルを選択したが、画素サイズ、主走査位置の領域、階調テーブルへの入力濃度の選択の順序を問うものではなく、同時に選択してもよい。更に、PWMデータによる階調特性を表1、2のような各ビットにおけるON/OFFで表したが、階調特性をパルス幅の長さで表してもよい。
上述した実施例では、主走査方向の領域を主走査位置の中央を境に左右2つの領域に分割した例について説明したが、例えば3つ以上の領域に分割して、領域毎に画素サイズに応じた階調特性テーブルを有するようにしてもよい。また、上述した実施例では画素サイズに従って階調特性テーブルを選択した後、主走査位置の領域に応じて階調特性テーブルを選択したが、画素サイズ、主走査位置の領域、階調テーブルへの入力濃度の選択の順序を問うものではなく、同時に選択してもよい。更に、PWMデータによる階調特性を表1、2のような各ビットにおけるON/OFFで表したが、階調特性をパルス幅の長さで表してもよい。
また、上述した実施例では、1画素あたりのPWMデータは、露光区間をビットデータ列の中央より増していく中央成長型の例で示した。しかし、本発明のPWMの信号波形は中央成長型の波形に限定されるものではない。図8(c)、(d)は、PWMデータを表すPWM信号の波形を示した図で、横軸が時間、縦軸は32画素片に対応するPWM信号の振幅を示している。また、PWM信号の波形に付した数字は、PWM信号のハイ区間、又はロー区間の長さを画素片単位(画素片の数)で示したものである。例えば、表1(b)の階調特性で入力階調が15の場合には、図8(c)の波形になる。これに対して、1画素内の露光区間を分散させたPWM信号の例が図8(d)である。図8(d)では、画素の端に露光区間を分割したPWM信号となっており、これにより露光区間が中央に集中するのを防ぐことができる。また、入力される階調データによって、1画素内の露光区間の集中、分散の度合いを変えてもよい。また、画素サイズの生成にあたって、乱数を利用して、主走査間の同位置の画素サイズが異なるように制御してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、fθレンズを使わない構成において、主走査位置に応じた光量補正を精度よく行うことができる。
102 感光ドラム
304 駆動部
701 PWM変換部
705 階調特性
707 プロファイル演算部
708 画素サイズ演算部
709 バンク・セレクタ
304 駆動部
701 PWM変換部
705 階調特性
707 プロファイル演算部
708 画素サイズ演算部
709 バンク・セレクタ
Claims (7)
- 第1の方向に回転する感光体と、
光ビームを照射する光源と、前記光源を駆動する駆動部と、を有し、前記感光体上の前記第1の方向に略直交する第2の方向に光ビームを走査して静電潜像を形成する露光手段と、
を備える画像形成装置であって、
入力された画像データの所定の画素を所定の分割数に分割し、前記所定の画素の階調に応じたデータを生成する生成手段と、
前記所定の画素の前記第2の方向における位置に応じて、前記所定の画素についての理想の分割数を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記理想の分割数に基づいて前記分割数を決定する決定手段と、
複数の分割数の各々に対応した複数の、前記画像データを前記駆動部を駆動させるためのビットパターンに変換するための変換条件に関する情報と、
前記決定手段により決定された分割数に応じて前記複数の変換条件の中から所定の変換条件に関する情報を選択する選択手段と、
を備え、
光ビームで走査される前記感光体は、前記第2の方向に複数の領域に分割され、
前記選択手段は、前記所定の画素が位置する前記領域に応じて前記変換条件を選択することを特徴とする画像形成装置。 - 前記分割された複数の領域は、前記感光体の中央部よりも前記第2の方向の上流側に位置する第1の領域、及び前記感光体の中央部よりも前記第2の方向の下流側に位置する第2の領域であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記変換条件は、前記第1の領域及び前記第2の領域における複数の分割数の各々に対応して設けられ、
前記選択手段は、前記所定の画素が位置する前記第1の領域又は前記第2の領域と、前記所定の画素の前記分割数と、に基づいて前記変換条件を選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記変換条件は、前記第1の領域については、複数の分割数の各々に対応して設けられ、前記第2の領域については、分割数に対応する変換条件が前記第1の領域の同一の分割数に対応する変換条件とは異なる変換条件のみが設けられ、
前記選択手段は、前記所定の画素が前記第1の領域に位置する場合には、前記決定手段により決定された分割数に基づいて前記第1の領域に対応する前記変換条件を選択し、前記所定の画素が前記第2の領域に位置する場合には、前記決定手段により決定された分割数に基づいて前記第2の領域に対応する前記変換条件を選択し、前記変換条件が前記第2の領域に設けられていない場合には、前記第1の領域の前記分割数に対応する変換条件を選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記変換条件は、前記画像データの濃度値を示す階調データと、所定の濃度の長さを示す前記ビットパターンとを対応付けた情報であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記露光手段は、前記光源から照射された光ビームを偏向する偏向手段を備え、
前記偏向手段から偏向された光ビームはそのまま前記感光体上を走査することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記露光手段は、前記光源から照射された光ビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段から偏向された光ビームの光学補正を行い、光ビームを前記感光体に導くfθレンズと、を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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