JP2020174060A - 太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】集電ワイヤー全体がワイヤー保持層に埋没してしまうことによる通電不良を回避しながら、尚且つ、適度にワイヤー保持力を発揮する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」を提供すること【解決手段】基材層61と、ワイヤー保持層63と、を含んでなり、基材層61は、融点200℃以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、ワイヤー保持層63は、密度0.870g/cm3以上0.930g/cm3以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、シラン成分を含有せず、80℃での複素粘度が、9.0E+5Pa・s以上1.0E+7Pa・s以下であり、160℃での複素粘度が、6.0E+3Pa・s以上5.0E+4Pa・s以下である、集電ワイヤー固定フィルム6とする。【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム、及び、それを用いて行う太陽電池モジュールの製造方法に関する。詳しくは、マルチワイヤー方式で太陽電池素子が実装される太陽電池モジュールにおいて用いる集電ワイヤー固定フィルムと、それを用いて構成される太陽電池モジュール、及び、その製造方法に関する。
従来、太陽電池モジュールの層構成は、図1に示す太陽電池モジュール1と同様の層構成が一般的である。即ち、受光面側から、透明前面基板2、受光面側封止材31、複数の太陽電池素子4、非受光面側封止材32、及び、裏面保護シート5が順に積層された構成である。又、複数の太陽電池素子4については、通常、各素子の表面又は裏面に、複数の隣接する太陽電池素子を接続してこれらの各素子において発電した電気を集電するための導線が接続されている。太陽電池素子同士を電気的に接続するために配置されるこのような導線としては、従来、「バスバー」と称される幅2mm〜5mm程度の帯状の導線が用いられることが一般的であった。
複数の太陽電池素子を電気的に接合する導線は、太陽電池モジュールを構成する上で必須の構成要件である。しかしながら、一方で、太陽電池素子の受光面のうち、これらの導線によって被覆されている部分においては、太陽電池素子への太陽光の入光が物理的に遮られてしまう。これによる光利用効率の低下を最小化することが、単位面積当りの発電効率の向上が厳しく要求される太陽電池の開発競争の中で、切実な課題として認識されるようになっていた。
このような問題を解決するために、上述の帯状の導線(バスバー)に代えて、断面が略真円形である直径100μm〜200μm程度の多数の細線からなる集電ワイヤーを、太陽電池素子同士を電気的に接続する導線として用いる「マルチワイヤー接続」と称される太陽電池素子同士の接続構成が採用され始めている。この「マルチワイヤー接続」は、太陽電池モジュールの発電効率向上を可能とする技術として、今後の需要拡大が見込まれている(特許文献1、2参照)。
多数の細線(集電ワイヤー)による「マルチワイヤー接続」によって、太陽電池素子を電気的に接合する場合、各細線(集電ワイヤー)を、ハンダ処理等により太陽電池素子に固定することも可能ではあるが、図2に示すように、多数の集電ワイヤー64を樹脂フィルム(「集電ワイヤー固定フィルム」6A、6B)に埋込み、集電ワイヤー64が埋め込まれたこの樹脂フィルム(「集電ワイヤー固定フィルム」)によって隣接する太陽電池素子4A、4Bを電気的に接続する構造が、より好ましい接続構造として、今後、「マルチワイヤー接続」における主流の接続構造となっていくことが予想されている。
ここで、「集電ワイヤー固定フィルム」を用いて行う「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池素子を搭載した太陽電池モジュールの製造は、図2及び図3に示す通り、集電ワイヤー固定フィルム6A、6Bに仮着状態(図7に示す状態)で、多数の集電ワイヤー64を、太陽電池素子4A、4Bの表面又は裏面に接合することにより行われる。
そして、集電ワイヤー固定フィルムと集電ワイヤーとの仮着状態においては、多数の細線からなる集電ワイヤーが、太陽電池素子への接合前の作業中において同フィルムから落下せずに安定的に保持されるような適度なワイヤー保持力が求められる。しかしながら、この埋まりこみが過剰であると、集電ワイヤーの全体がワイヤー保持層内に埋没してしまい、そうすると、太陽電池素子の電極との間の通電不良が発生するリスクが高まる。
国際公開第2004/021455号 国際公開第2017/076735号
本発明は、上記状況に鑑みて開発されたものであり、「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュールにおいて集電ワイヤーを太陽電池素子に固定する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」であって、集電ワイヤー全体がワイヤー保持層に埋没してしまうことによる通電不良を回避しながら、尚且つ、適度にワイヤー保持力を発揮する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」を提供することを課題とする。
本発明者らは、「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」において、集電ワイヤーが埋まりこむワイヤー保持層の複素粘度を、特定範囲に最適化することによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルムであって、基材層と、ワイヤー保持層と、を含んでなり、前記基材層は、融点200℃以上の樹脂をベース樹脂とし、前記ワイヤー保持層は、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、シラン成分を含有せず、80℃での複素粘度が、9.0E+5Pa・s以上1.0E+7Pa・s以下であり、160℃での複素粘度が、6.0E+3Pa・s以上5.0E+4Pa・s以下である、集電ワイヤー固定フィルム。
(2) 前記ワイヤー保持層の融点が105℃以上125℃以下である、(1)に記載の集電ワイヤー固定フィルム。
(3) 前記ワイヤー保持層の厚さが、25μm以上100μm以下である、(1)又は(2)に記載の集電ワイヤー固定フィルム。
(4) 前記基材層の厚さが、10μm以上25μm以下である、(1)から(3)の何れかに記載の集電ワイヤー固定フィルム。
(5) (1)から(4)の何れかに記載の集電ワイヤー固定フィルムを備える、マルチワイヤー接続方式の太陽電池モジュールであって、複数の太陽電池素子と、前記太陽電池素子の表面に接合されている複数の集電ワイヤーと、複数の前記集電ワイヤーを被覆して前記太陽電池素子の表面に積層されている前記集電ワイヤー固定フィルムと、を備える、太陽電池モジュール。
(6) (5)に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、複数の前記集電ワイヤーと前記集電ワイヤー固定フィルムとを150℃を超えて200℃未満の加熱温度で加熱圧着することにより、前記集電ワイヤーを前記ワイヤー保持層に埋め込んで仮着する仮着工程と、前記集電ワイヤーと仮着されている前記集電ワイヤー固定フィルムを、前記太陽電池素子に105℃以上160℃以下の加熱温度で加熱圧着することにより、前記集電ワイヤーを前記太陽電池素子に仮接合する仮接合工程と、前記集電ワイヤー及び集電ワイヤー固定フィルムが仮接合されている太陽電池素子と、その他の構成部材とを、真空熱ラミネート加工により一体化するモジュール一体化工程と、を含み、前記仮着工程を行う前における前記集電ワイヤー固定フィルムの前記ワイヤー保持層の厚さが、前記集電ワイヤーの直径の25%以上50%以下である、太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュールにおいて集電ワイヤーを太陽電池素子に固定する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」であって、集電ワイヤー全体がワイヤー保持層に埋没してしまうことによる通電不良を回避しながら、尚且つ、適度にワイヤー保持力を発揮する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」を提供することができる。
本発明の集電ワイヤー固定フィルムを用いて構成されている太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルムを用いて電気的に接続されている太陽電池素子の「マルチワイヤー接続」による接続構造の説明に供する斜視図である。 図2の「マルチワイヤー接続」の接続構造の側面図である。 図1の太陽電池モジュールにおける集電ワイヤー固定フィルムへの集電ワイヤーの埋まり込みの態様を模式的に示す太陽電池モジュールの部分拡大断面図である。 本発明の集電ワイヤー固定フィルムの層構成を模式的に示す断面図である。 図7と併せて、本発明の集電ワイヤー固定フィルムと集電ワイヤーとの仮圧着の態様の説明に供する図面である。 図6と併せて、本発明の集電ワイヤー固定フィルムと集電ワイヤーとの仮圧着の態様の説明に供する図面である。
以下、本発明の集電ワイヤー固定フィルム、及び、それを用いた太陽電池モジュールについて説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<集電ワイヤー固定フィルム>
本発明の集電ワイヤー固定フィルム6は、図1に示す通り、太陽電池モジュール1において複数の太陽電池素子4同士を「マルチワイヤー接続」により電気的に接続する際に、この接続構造を構成する樹脂フィルムである。
図2及び図3に示す通り、「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュール1における太陽電池素子4同士の接続は、多数の集電ワイヤー64を、集電ワイヤー固定フィルム6A、6Bに埋め込まれた状態において、太陽電池素子4A、4Bの表面又は裏面に接合することにより行われる。
又、図4に示す通り、集電ワイヤー固定フィルム6を用いた「マルチワイヤー接続」においては、太陽電池素子4Bに接合される集電ワイヤー64は、集電ワイヤー固定フィルム6Bのワイヤー保持層63にその大部分が埋めこまれており、同時に、その一部が、太陽電池素子4Bに導通可能に集電ワイヤー固定フィルム6Bの表面から露出している。そして、個々の集電ワイヤー64と太陽電池素子4Bとの導通は、当該露出部分において確保されている。
そして、図5に示す通り、本発明の集電ワイヤー固定フィルム6は、耐熱性を有し、集電ワイヤーを固定する基板としての機能を発揮する基材層61と、集電ワイヤー64が埋まり込む層であるワイヤー保持層63と、を含んでなる多層フィルムである。基材層61と、ワイヤー保持層63とは、接着剤層62により十分な接着強度で接合されている構成であることが好ましい。
上記層構成からなる集電ワイヤー固定フィルム6の総厚さは、70μm以上100μm以下であることが好ましい。又、基材層61の厚さは、同様に10μm以上25μm以下であることが好ましく、10μm以上15μm以下であることがより好ましい。又、ワイヤー保持層63の厚さは、25μm以上100μm以下であることが好ましく、45μm以上80μm以下であることがより好ましい。
但し、上記の各厚さ範囲は、一般的な「マルチワイヤー接続」構造における集電ワイヤー64の直径が、概ね100μm以上200μm以下程度であることを前提とするものである。よって、集電ワイヤー固定フィルム6の厚さは、必ずしも、上記厚さ範囲内に限定されるものではない。例えば、ワイヤー保持層63の厚さについては、埋め込み対象とする集電ワイヤー64の直径等に応じて、適宜調整することにより、当該集電ワイヤー固定フィルムに好ましいワイヤー保持性能備えさせることができる。
ここで、集電ワイヤー固定フィルム6のワイヤー保持層63は、加熱圧着により、集電ワイヤー64が埋まり込んだ状態においては、図7に示す通り、集電ワイヤー64によって押し出された分の樹脂の体積に応じて、図6の状態と比較して、その厚さが増加する。このことを加味した集電ワイヤー固定フィルム6のワイヤー保持層63の使用前の初期状態におけるワイヤー保持層63の好ましい厚さは、使用対象となる集電ワイヤー64の直径の25%以上50%以下である。
そして、上記層構成からなる集電ワイヤー固定フィルム6は、耐熱性に優れる基材層61に、所定温度における複素粘度を、所定範囲に調整したワイヤー保持層63を積層することにより、優れた耐熱性と集電ワイヤー64の通電不良を回避しながらも仮着状態において安定的にワイヤーを保持することができるワイヤー保持力を有するものとしたことを主たる特徴とする。
[基材層]
集電ワイヤー固定フィルム6の基材層61は、融点200℃以上、好ましくは融点250℃以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とする。そのように耐熱性に優れる熱可塑性樹脂であり、基材層61を形成するベース樹脂として用いることができる樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(融点:255℃)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(融点:232℃)、等を挙げることができる。集電ワイヤー固定フィルム6の基材層61を形成するベース樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂の中でも、特に耐熱性に優れる樹脂でありながら、経済性や製造時の取り扱い性をも良好に保持することができる、ポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましく用いることができる。
[ワイヤー保持層]
集電ワイヤー固定フィルム6のワイヤー保持層63は、柔軟性に優れるポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物により形成されている。
又、集電ワイヤー固定フィルム6においては、ワイヤー保持層63には、様々な樹脂フィルムの金属密着性を向上させるために広く用いられているシラン成分は含有されていない。ベース樹脂とするポリエチレン樹脂の複素粘度を最適化することによって、例えば、相対的に高価なシラン変性樹脂等を用いずに、好ましいワイヤー保持力を発現させるものである。よって、集電ワイヤー固定フィルム6は、この点において経済性にも優れた樹脂フィルム材料である。
そして、集電ワイヤー固定フィルム6においては、ワイヤー保持層63の複素粘度が、80℃と160℃においてそれぞれ最適化されている。ここで、本明細書において、複素粘度(Pa・s)とは、回転型レオメーター(Anton Paar製 MCR301)を用いて、パラレルプレートジオメトリー(直径8mm)、応力0.5N、歪み5%、角速度0.1(1/s)、昇温速度5℃/minの条件において測定した値を、複素粘度としたものである。
ワイヤー保持層63の160℃での複素粘度は、6.0E+3Pa・s以上5.0E+4Pa・s以下であればよく、160℃での複素粘度は8.0E+3Pa・s以上3.0E+4Pa・s以下であることが好ましい。ワイヤー保持層63の160℃での複素粘度を、6.0E+3Pa・s以上とすることにより、集電ワイヤー64の集電ワイヤー固定フィルム6への仮着時において、集電ワイヤー64の全体がワイヤー保持層63に埋没してしまうことによる上述の通電不良を十分に回避することができる。又、一方でワイヤー保持層63の160℃での複素粘度を、5.0E+4Pa・s以下とすることにより、上記仮着時において、ワイヤー保持層63による良好なワイヤー保持力を発現させることができる。
一方、ワイヤー保持層63の80℃での複素粘度は、9.0E+5Pa・s以上1.0E+7Pa・s以下であればよく、同複素粘度は1.0E+6Pa・s以上7.0E+6Pa・s以下であることが好ましい。ワイヤー保持層63の80℃での複素粘度を、9.0E+5Pa・s以上とすることにより、集電ワイヤー64を仮着した状態の集電ワイヤー固定フィルム6を太陽電池素子4に加熱圧着する際の昇温過程でワイヤーが動く、脱離する等の不具合を防ぐことができる。又、一方でワイヤー保持層63の80℃での複素粘度を、1.0E+7Pa・s以下とすることにより、上記昇温過程、及び、冷却過程においての太陽電池発電素子への応力負荷を軽減することができる。
尚、太陽電池モジュール内の温度は、高温環境下での稼働中においては、80℃程度にまで達する場合もあり、上記のようにワイヤー保持層63の80℃での複素粘度を、9.0E+5Pa・s以上としておくことにより、高温環境下での稼働中に、集電ワイヤー64の位置ずれを防止することもできる。
又、ワイヤー保持層63の融点については、105℃以上125℃以下であることが好ましく、105℃以上120℃以下であることが、より好ましい。ワイヤー保持層63の融点を105℃以上とすることにより、集電ワイヤー64の集電ワイヤー固定フィルム6への仮着時において、集電ワイヤー64の全体がワイヤー保持層63に埋没してしまうことによる上述の通電不良を十分に回避することができる。又、一方でワイヤー保持層63の融点を、125℃以下とすることにより、上記仮着時において、ワイヤー保持層63による良好なワイヤー保持力を発現させることができる。
尚、本明細書において、各樹脂層を形成する材料樹脂の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)により測定して得ることができる各樹脂の融点のことを言うが、DSC曲線の谷のピークが複数存在する場合は、そのうちのピーク面積が最も大きいピークが示す融点のことを、当該樹脂の融点と言うものとする。
又、ワイヤー保持層63のビカット軟化点については、75℃以上100℃以下であることが好ましく、75℃以上90℃以下であることが、より好ましい。ワイヤー保持層63のビカット軟化点を75℃以上とすることにより、集電ワイヤー64を仮着した状態の集電ワイヤー固定フィルム6を太陽電池素子4に加熱圧着する際の昇温過程でワイヤーが動く、脱離する等の不具合を防ぐことができる。又、一方でワイヤー保持層63の融点を、125℃以下とすることにより、上記昇温過程、及び、冷却過程においての太陽電池発電素子への応力負荷を軽減することができる。
上記のように、所定温度での複素粘度等が最適化されているワイヤー保持層63を形成するためのベース樹脂とする樹脂材料としては、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下、好ましくは、密度0.880g/cm以上0.920g/cm以下のポリエチレン系樹脂を用いることができる。ここで、ベース樹脂とは、当該樹脂層内の全樹脂成分中において含有量比が最も大きい樹脂のことを言い、樹脂成分中の含有量比が50質量%以上であり、90質量%以上であることが好ましい。尚、集電ワイヤー固定フィルム6の各層に含有される各樹脂の含有量比は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)やIR(赤外分光法)、NMR(核磁気共鳴)で検出されるピーク比等から分析することができる。
又、ワイヤー保持層63を形成するポリエチレン系樹脂は、そのうちの90質量%以上100質量%以下の樹脂が、密度0.870g/cm以上0.910g/cm以下のポリエチレン系α−オレフィン共重合体であることがより好ましい。ワイヤー保持層63を形成する上記密度範囲内のポリエチレン系樹脂のうち、90質量%以上がポリエチレン系α−オレフィン共重合体であることにより、基材層61とワイヤー保持層63との密着性が向上し、これにより、多層構成のフィルムである集電ワイヤー固定フィルム6の耐久性が向上する。
[接着剤層]
集電ワイヤー固定フィルム6において十分な耐熱性を担保する高融点の樹脂からなる基材層61と、集電ワイヤー64を仮着状態において安定的に保持することができる適度な粘性を有する樹脂からなるワイヤー保持層63とは、接着剤層62を介して十分な強度で接合される構成であることが好ましい。又、接着剤層62には透明性も求められる。そのような接着剤層62を形成するための接着剤としては、アクリル系、ポリカーボネート系、フェノール系等、樹脂フィルム同士のドライラミネーション加工に用いられている公知の各種接着剤を用いることができるが、例えば、基材層61をポリエチレンテレフタレートで形成し、ワイヤー保持層63を低密度ポリエチレンで形成する場合であれば、良好な透明性を保持しつつ、層間の密着強度を特に強固にしやすいポリカーボネート系の接着剤を特に好ましく用いることができる。
[集電ワイヤー固定フィルムの製造方法]
集電ワイヤー固定フィルムの製造方法は、基材層及びワイヤー保持層を形成する樹脂組成物からなる樹脂フィルムを、接着剤で接合するドライラミネーション法によることができる。
尚、集電ワイヤー固定フィルムを製造する際に、ワイヤー保持層63の複素粘度を、上述の各範囲内に最適化するための、具体的手段の一例として、ワイヤー保持層63を形成するためのベース樹脂とするポリエチレン等の分子量に着目して材料樹脂を吟味する手段を挙げることができる。ワイヤー保持層63を形成するためのベース樹脂の分子量を大きくすることにより、ワイヤー保持層63の複素粘度をより大きくすることが可能であり、反対に、同樹脂の分子量を小さくすることにより、ワイヤー保持層63の複素粘度をより小さくすることが可能である。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、図1に示す基本構造を有する「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュール1である。この太陽電池モジュール1は、各太陽電池素子間を複数の集電ワイヤー64で接続する「マルチワイヤー接続」構造を含む太陽電池モジュールである。各太陽電池素子の表面にこれらの複数の集電ワイヤー64を安定的に配置して電気的に接合するために、集電ワイヤー固定フィルム6が用いられる。太陽電池素子4条において集電ワイヤー固定フィルム6によって集電ワイヤー64が被覆されて構成される「マルチワイヤー接続」構造の形成の態様は、上述した通りである。
「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュール1を構成する受光面側封止材31及び非受光面側封止材32は、何れも、主として太陽電池素子4を外部衝撃から保護する機能を発揮する樹脂シートである。又、特に受光面側封止材31は、太陽光線を高い透過率で透過させるために透明なシートであることが求められる。これらの封止材3(31、32)としては、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等各種のオレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材シートを適宜用いることができる。集電ワイヤー固定フィルム6のワイヤー保持層63との密着性を高めるためには、ポリエチレン又はEVAをベース樹脂とする封止材シートを、これらの各層の樹脂組成に応じて適宜選択すればよい。
太陽電池素子4としては、例えば、アモルファスシリコン型、結晶シリコン型等、「マルチワイヤー接続」が適用可能な太陽電池素子であれば、特に限定なく用いることができる。透明前面基板2、裏面保護シート5については、太陽電池モジュール用途の各部材として従来公知の部材を特に制限なく用いることができる。又、本発明の太陽電池モジュールは、上記部材以外の部材を必要に応じて更に含むものであってもよい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
「マルチワイヤー接続」構造を含む太陽電池モジュール1の製造は、複数の集電ワイヤー64と集電ワイヤー固定フィルム6とを加熱圧着して仮着する「仮着工程」と、集電ワイヤー64と仮着されている集電ワイヤー固定フィルム6を、太陽電池素子4に加熱圧着して集電ワイヤー64を太陽電池素子4に仮接合する「仮接合工程」と、集電ワイヤー64及び集電ワイヤー固定フィルム6が仮接合されている太陽電池素子4と、透明前面基板2、受光面側封止材31、太陽電池素子4、非受光面側封止材32、及び裏面保護シート5等の他の構成部材とを、真空熱ラミネート加工により一体化する「モジュール一体化工程」と、を順次行う製造方法によって、製造することが好ましい。
(仮着工程)
この工程では、複数の集電ワイヤー64と集電ワイヤー固定フィルム6とを150℃を超えて200℃未満の加熱温度で加熱圧着することにより、集電ワイヤー64をワイヤー保持層63に埋め込んで仮着し複数の集電ワイヤー64と集電ワイヤー固定フィルム6との仮着体を形成する。
上記の加熱温度を、150℃を超える温度に設定する理由は、高温環境下での使用が想定される太陽電池モジュールの信頼性を高い水準に維持するためである。太陽電池の稼働中においてモジュール内温度は100℃を超える高温に達する場合もある。よって、このような高温環境に対して十分な耐熱性を安全幅をもって確保できる樹脂材料を用いることが必須であり、その結果、加熱加工時の加熱温度も上記温度以上となることが必須となる。一方で、この加熱温度を200℃未満とすることで、加熱時に基材層61が溶融してしまうことを防ぐことができる。
160℃での複素粘度が上述の範囲内に最適化されている集電ワイヤー固定フィルム6は、上記加熱温度(150℃を超えて200℃未満)での加熱圧着時に、ワイヤー保持層63が集電ワイヤー64の周囲に適切に回り込み、集電ワイヤーの全体がワイヤー保持層内に埋没することによる通電不良が発生するリスクを避けながら、適度なワイヤー保持力を発揮することできる。尚、ここで言う加熱温度とは、加熱対象である集電ワイヤー固定フィルム6のワイヤー保持層63の側の表面温度の最高到達温度と同義とする。
尚、仮着工程を行う前における集電ワイヤー固定フィルム6について、そのワイヤー保持層63の厚さを、仮着対象とする集電ワイヤー64の直径の25%以上50%以下としておくことが好ましい。これにより、上記加熱条件の仮着時におけるワイヤー保持層63を、より確実に集電ワイヤー64の周囲へ適切に回り込ませることができる。
(集電ワイヤー接合工程)
この工程では、集電ワイヤー64が仮着されている集電ワイヤー固定フィルム6を、当該フィルムによって当該ワイヤーを被覆しながら、太陽電池素子4に加熱温度105℃以上160℃以下で加熱圧着することにより、集電ワイヤー64を太陽電池素子に仮接合する。
上記の加熱温度を105℃以上の温度とするのは、上記同様、高温環境下での使用が想定される太陽電池モジュールの信頼性を高い水準に維持するためである。一方で、この加熱温度を160℃以下とすることで、加熱時に各層を構成する樹脂の熱劣化による黄変等を防ぐことができる。
(モジュール一体化工程)
この工程では、集電ワイヤー及び集電ワイヤー固定フィルムが仮接合されている太陽電池素子と、その他の構成部材とを、真空熱ラミネート加工により一体化する。
この真空熱ラミネート加工を行う場合、ラミネート温度は、130℃以上170℃以下の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5分以上30分以下の範囲内が好ましく、特に8分以上15分以下の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形する際に、加熱によってワイヤー保持層63を形成する樹脂が、断面が略円形である集電ワイヤー64の周囲に更に完全に隙間なく回り込み、一体化後の太陽電池モジュールにおいて集電ワイヤー固定フィルム6と集電ワイヤー64との間に高い密着性が発現し、集電ワイヤー64は極めて安定的に支持されることとなる。
以下の通り、実施例、比較例の各集電ワイヤー固定フィルムを作成して、本発明の効果を検証した。
<集電ワイヤー固定フィルムの作成>
下記の各樹脂材料を用いて、実施例及び比較例の集電ワイヤー固定フィルムを作製した。
基材層を構成する樹脂フィルムとしては何れの実施例・比較例においても、下記の「ポリエチレンテレフタレートフィルム」を用い、ワイヤー保持層を構成する樹脂フィルムとして、実施例・比較例毎に、それぞれ下記の「ポリエチレンフィルム1〜9」を使い分けた。
「ポリエチレンテレフタレートフィルム」
:融点260℃、厚さ12μm、商品名「ルミラー(登録商標)S10」(東レ株式会社製)
「ポリエチレンフィルム1」
:密度0.919g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点110℃、ビカット軟化点80℃。実施例1に使用。
「ポリエチレンフィルム2」
:密度0.928g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点120℃、ビカット軟化点80℃。実施例2に使用。
「ポリエチレンフィルム3」
:密度0.914g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点107℃、ビカット軟化点75℃。実施例3に使用。
「ポリエチレンフィルム4」
:密度0.910g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点100℃、ビカット軟化点68℃。実施例4に使用。
「ポリエチレンフィルム5」
:密度0.932g/cm、の中低圧法中密度ポリエチレン(MDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点132℃、ビカット軟化点85℃。実施例5に使用。
「ポリエチレンフィルム6」
:密度0.918g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点100℃、ビカット軟化点60℃。比較例1に使用。
「ポリエチレンフィルム7」
:密度0.930g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点128℃、ビカット軟化点92℃。比較例2に使用。
「ポリエチレンフィルム8」
:密度0.920g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点105℃、ビカット軟化点65℃。比較例3に使用。
「ポリエチレンフィルム9」
:密度0.922g/cm、のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を厚さ60μmで製膜して得た樹脂フィルム。融点105℃、ビカット軟化点75℃。比較例4に使用。
上記の「ポリエチレンテレフタレートフィルム」と、「ポリエチレンフィルム1〜9」の何れかを、ポリカーボネート系接着剤によるドライラミネート法により接合して得た多層樹脂フィルムを各実施例、比較例の集電ワイヤー固定フィルムとした。
何れの集電ワイヤー固定フィルムについても、全層及び各層の厚さは、基材層の厚さ12μm、ワイヤー保持層の厚さ60μm、に両フィルム間の接着剤層の厚さ4μmを含めた総厚さを76μmとした。
<試験例:複素粘度>
実施例・比較例の各集電ワイヤー固定フィルムのワイヤー保持層を形成するために用いる上記の各ポリエチレンフィルムについて、下記の方法により、80℃、及び160℃の複素粘度を測定し、測定結果を各集電ワイヤー固定フィルムのワイヤー保持層の80℃、及び160℃の複素粘度とし、その結果を表1に示した。
[複素粘度の試験方法]
複素粘度は、回転型レオメーター(Anton Paar製 MCR301)を用いて、パラレルプレートジオメトリー(直径8mm)、応力0.5N、歪み5%、角速度0.1(1/s)、昇温速度5℃/minの条件にて測定した。
<評価例1:ワイヤー保持力>
実施例、比較例の各集電ワイヤー固定フィルムについて、ワイヤー保持力を、以下の試験方法により測定し、下記の評価基準に基づいて評価した。
[ワイヤー保持力評価用サンプルの作成]
温度160℃のホットプレート上で、集電ワイヤー(直径250μmのワイヤーを、15mm間隔で9本配置)上に、集電ワイヤー固定フィルム(各実施例、比較例の集電ワイヤー固定フィルム)載置し100kPaの圧力をかけて仮着することにより「ワイヤー保持力評価用サンプル」を作成した。
[ワイヤー保持力試験]
上記の各ワイヤー保持力評価用サンプルにおいて、先端部分を集電ワイヤー固定フィルムから剥離させた9本の集電ワイヤーの各先端部分を引っ張る形で、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)を用い、「180度剥離試験」を実施した。試験結果について、下記の評価基準により、初期密着性を評価した。評価結果を「初期密着性」として表1に記す。尚、「180度剥離試験」の試験条件は、常温、剥離速度50mm/minとした。
(評価基準)
A:5N/15mm以上
B:2N/15mm以上5N/15mm未満
C:2N/15mm未満
<評価例2:通電安定性>
実施例、比較例の各集電ワイヤー固定フィルムについて、通電安定性を、以下の試験方法により測定し、下記の評価基準に基づいて評価した。
[通電安定性評価用サンプルの作成]
集電ワイヤー固定フィルム(各実施例、比較例の集電ワイヤー固定フィルム)に集電ワイヤー(直径250μmのワイヤーを、15mm間隔で9本配置)が仮着された積層体である実施例比較例の各「ワイヤー保持力評価用サンプル」と下記の材料を用いて、太陽電池素子を実装し、下記のラミネート条件による真空ラミネートによって一体化し、「通電安定性評価用サンプルの作成」を作成した。モジュール層構成は、図1及び図2に示す通りとした。
透明前面基板(青板ガラス、180mm×180mm、厚さ3.2m)
受光面側封止材(密度0.985g/cmの低密度ポリエチレンフィルム、厚さ450μm)
ワイヤー保持力評価用サンプル(各実施例、比較例の「ワイヤー保持力評価用サンプル」)
太陽電池素子(PVG Solutions製太陽電池素子(Earth ON−194))を1枚配置
非受光面側封止材(密度0.985g/cmの低密度ポリエチレンフィルム、厚さ450μm)
裏面保護シート(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、厚さ188μm)
真空ラミネート条件
(a)真空引き:5.0分
(b)加圧(0kPa〜70kPa):1.5分
(c)圧力保持(70kPa):10.0分
(d)温度150℃
[通電安定性試験]
上記の各通電安定性評価用サンプルについて、EL(エレクトロルミネセンス)検査を行った。尚、EL(エレクトロルミネセンス)検査とは、太陽電池素子に電界を印加することにより、半導体内に入った電子と正孔が再結合して発光したものを撮影して、その画像を分析することにより、セルのクラック(亀裂)や、インターコネクターの断線・接続不良等を確認する試験である。
(評価基準)
A:全面が強く発光し、通電が確認されている状況
B:ワイヤー以外の部分で発光が弱い部分がある
C:一部が発光しておらず通電していない状況
Figure 2020174060
表1の結果から分かる通り、集電ワイヤー固定フィルムのワイヤー保持力は、160℃の複素粘度が特定範囲にあることが重要であるが、比較例4の結果から分かる通り、160℃の複素粘度を最適化して十分なワイヤー保持力を付与したとしても、80℃での複素粘度が過少である場合、上述の通り、昇温過程におけるワイヤーの位置ずれ等が起こりやすく、通電安定性が不十分となる。一方、比較例3の結果からは、80℃での複素粘度が最適化されていたとしても、160℃の複素粘度が過少であると、やはり通電安定性が良好に維持できないことが分かる。
以上の試験及び評価結果から、本発明の集電ワイヤー固定フィルムは、「マルチワイヤー接続」タイプの太陽電池モジュールにおいて集電ワイヤーを太陽電池素子に固定する「太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルム」において、耐熱性に優れるポリエチレンテレフタレート樹脂で耐熱性を構成し、柔軟性を有しモールディング性向上に寄与しうるポリエチレン系樹脂でワイヤー保持層を構成した多層フィルムであり、尚且つ、集電ワイヤー等に対する長期に亘る密着耐久性が十分に向上されたものであることが確認された。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 封止材
31 受光面側封止材
32 非受光面側封止材
4 太陽電池素子
5 裏面保護シート
6 集電ワイヤー固定フィルム
61 基材層
62 接着剤層
63 ワイヤー保持層
64 集電ワイヤー

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュール用の集電ワイヤー固定フィルムであって、
    基材層と、
    ワイヤー保持層と、を含んでなり、
    前記基材層は、融点200℃以上の熱可塑性樹脂をベース樹脂とし、
    前記ワイヤー保持層は、密度0.870g/cm以上0.930g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、シラン成分を含有せず、
    80℃での複素粘度が、9.0E+5Pa・s以上1.0E+7Pa・s以下であり、
    160℃での複素粘度が、6.0E+3Pa・s以上5.0E+4Pa・s以下である、
    集電ワイヤー固定フィルム。
  2. 前記ワイヤー保持層の融点が105℃以上125℃以下である、請求項1に記載の集電ワイヤー固定フィルム。
  3. 前記ワイヤー保持層の厚さが、25μm以上100μm以下である、請求項1又は2に記載の集電ワイヤー固定フィルム。
  4. 前記基材層の厚さが、10μm以上25μm以下である、請求項1から3の何れかに記載の集電ワイヤー固定フィルム。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の集電ワイヤー固定フィルムを備える、マルチワイヤー接続方式の太陽電池モジュールであって、
    複数の太陽電池素子と、
    前記太陽電池素子の表面に接合されている複数の集電ワイヤーと、
    複数の前記集電ワイヤーを被覆して前記太陽電池素子の表面に積層されている前記集電ワイヤー固定フィルムと、を備える、太陽電池モジュール。
  6. 請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    複数の前記集電ワイヤーと前記集電ワイヤー固定フィルムとを150℃を超えて200℃未満の加熱温度で加熱圧着することにより、前記集電ワイヤーを前記ワイヤー保持層に埋め込んで仮着する仮着工程と、
    前記集電ワイヤーと仮着されている前記集電ワイヤー固定フィルムを、前記太陽電池素子に105℃以上160℃以下の加熱温度で加熱圧着することにより、前記集電ワイヤーを前記太陽電池素子に仮接合する仮接合工程と、
    前記集電ワイヤー及び集電ワイヤー固定フィルムが仮接合されている太陽電池素子と、その他の構成部材とを、真空熱ラミネート加工により一体化するモジュール一体化工程と、を含み、
    前記仮着工程を行う前における前記集電ワイヤー固定フィルムの前記ワイヤー保持層の厚さが、前記集電ワイヤーの直径の25%以上50%以下である、太陽電池モジュールの製造方法。
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