JP2020173204A - 画像処理システム、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な解析を効率良く行うことを可能とする。【解決手段】画像処理システム1によれば、制御部61は、組織標本50を撮影した組織画像を取得し、取得した組織画像から、再撮影を行うための特定領域の画像を抽出するものであって、制御部61は、組織標本50における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、組織標本50における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、特定領域の画像を抽出する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
近年、病理学等の分野で、バーチャル顕微鏡が先端技術として注目されている。バーチャル顕微鏡とは、光学顕微鏡によって観察される画像をデジタルデータ化し、ディスプレイ上で、実際に光学顕微鏡を用いているかのように組織標本を観察可能なシステムである(例えば、特許文献1参照)。
詳細には、スライドガラス上の組織標本全体を撮影し、得られた画像をデジタルデータ化してデータベースに保存し、パーソナルコンピューター等にインストールされたビューアーソフトを用いて観察を行う。この時、光学顕微鏡を用いた観察と同様に、上下左右の移動や拡大縮小などの操作を行いながら観察することができるのが、バーチャル顕微鏡と呼ばれる所以である。ホールスライドイメージ(whole slide image:WSI)と呼ばれる、組織標本全体のデジタル画像データは、データベースに保存される。保存されたデジタル画像データは、インターネット等によってアクセスすることができるため、例えば遠隔地にいる病理医による迅速な病理診断や、希少な組織標本を誰もが閲覧可能にすることができる。
特開2018−72253号公報
ところで、診断等のための解析を行うには、解析に耐え得る画質が担保されていなければならない。そのため、高精度な解析を行うためには、組織標本を高倍率にて撮影する必要がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたように、病理標本の全体を高倍視野にて撮影すると、取得される画像の容量が膨大になるとともに、当該画像を用いた解析には膨大な時間を要し、解析の効率が低下してしまう。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、高精度な解析を効率良く行うことを可能とする画像処理システム、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の画像処理システムは、
組織標本を撮影した組織画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記組織画像から、前記取得手段にて再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出手段と、
を有し、
前記取得手段は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
前記抽出手段は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とする。
また、本発明の画像処理方法は、
組織標本を撮影した組織画像を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記組織画像から、再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出工程と、
を有し、
前記取得工程は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
前記抽出工程は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、
コンピュータを、
組織標本を撮影した組織画像を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記組織画像から、前記取得手段にて再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記取得手段は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
前記抽出手段は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、高精度な解析を効率良く行うことが可能となり、即ち、解析の高精度化と高効率化とを同時に図ることが可能となる。
本発明に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。 第1画像取得部の概略構成を示す図である。 第2画像取得部の概略構成を示す図である。 画像処理システムの動作の全体の流れを示すフローチャートである。 フォーカシング時の制御を示すフローチャートである。 撮像領域の設定方法を示す図である。 明視野画像における焦点計測位置の設定方法を示す図である。 フォーカスマップの一例を示す図である。 蛍光画像における焦点計測位置の設定方法を示す図である。 蛍光画像取得時の制御を示すフローチャートである。 部分画像取得方法の一例を示す図である。 第1の特定領域の抽出処理の制御を示すフローチャートである。 第1の特定領域の抽出処理を説明するための図である。 抽出された特定領域の一例を示す図である。 第3の特定領域の抽出処理の制御を示すフローチャートである。 第3の特定領域の抽出処理を説明するための図である。 第3の特定領域の抽出処理を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
[画像処理システム]
図1に、本発明における画像処理システム1(WSI作成システム)の概略構成を示す。図1に示すとおり、画像処理システム1は、顕微鏡装置10、制御装置60、表示装置70及びデータベース80を備えている。
顕微鏡装置10は、第1画像取得部20、第2画像取得部30、及びステージ40を備えて構成される。
ステージ40には免疫染色後の組織標本50が設置される。組織標本50は生体サンプルの一例である。
図2に、第1画像取得部20の概略構成を示す。
第1画像取得部20は、組織標本50の明視野画像を取得する。第1画像取得部20は、明視野光源21、第1撮像素子22、導光レンズ23を備えている。
明視野光源21は、組織標本50に対して明視野画像取得用の光像を生成するための光を照射する光源であり、ステージ40の下方から光を照射するように設置されている。明視野光源21によって組織標本50が照射され光像が生成されると、導光レンズ23を介して光像が第1撮像素子22へと導かれ、第1撮像素子22によって組織標本50の明視野画像が撮影される。
なお、第1撮像素子22は、組織標本50の光像による2次元画像が取得可能な2次元CCDセンサーなどの撮像素子である。
図3に、第2画像取得部30の概略構成を示す。
第2画像取得部30は、組織標本50の蛍光画像を取得する。
第2画像取得部30は、透過光源31、励起光源32、第2撮像素子33、対物レンズ34、蛍光キューブ35、結像レンズ36を備える。蛍光キューブ35は、励起フィルター351、ダイクロイックミラー352及び吸収フィルター353を備えている。
透過光源31は、組織標本50の透過観察画像を取得する際に用いられる光源であり、ステージ40の下方から光を照射するように設置されている。
励起光源32は、放電管などの光源によって励起光を出射するランプである。励起フィルター351は励起光だけを透過するフィルターである。ダイクロイックミラー352は所定波長の光を境界として反射または透過するミラーであって、ここでは励起光を反射し蛍光を透過するものである。吸収フィルター353は励起光を遮断し蛍光だけを透過するフィルターである。
第2画像取得部30では、励起光源32が点灯すると、励起光が励起フィルター351を透過しダイクロイックミラー352で反射され、対物レンズ34を通過し組織標本50に照射される。その結果、組織標本50で蛍光が発光され、蛍光は対物レンズ34で集光されダイクロイックミラー352および吸収フィルター353を透過する。その後、蛍光は蛍光像として結像レンズ36を介して第2撮像素子33へと導かれ、第2撮像素子33に撮像される。なお、対物レンズ34として、低倍率の対物レンズ(例えば、20倍)及び高倍率の対物レンズ(例えば、40倍)を有する。
第2撮像素子33は、所定の方向を長手方向とする1次元画像又は2次元画像を取得可能な1次元CCDカメラ等の撮像素子であり、組織標本50の高解像度での蛍光画像を取得することができる。
顕微鏡装置10にはこれらを制御する制御装置60が接続されている。制御装置60は制御部(取得手段、抽出手段、検出手段)61、記憶部62、画像処理部63及び通信部64を備えている。
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部62に記憶されている各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、顕微鏡装置10の動作を統括的に制御する。
制御部61はステージ40と接続され、ステージ40の昇降を制御しステージ40に設置される組織標本50の合焦位置(Z座標)を制御しうる。また、制御部61は第1画像取得部20と接続され、明視野光源21及び第1撮像素子22を制御して明視野画像の撮影を行う。さらに、制御部61第2画像取得部30と接続され、透過光源31、励起光源32、第2撮像素子33を制御して蛍光画像の撮影を行う。
記憶部62は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。記憶部62には明視野画像撮影及び蛍光画像撮影を行うためのプログラムが記憶されている。
画像処理部63は、顕微鏡装置10によって撮影された蛍光画像に画像処理を施し、ホールスライドイメージ(WSI)を作成する。後述するように、制御部61の指示にしたがって、撮影された部分画像を合成して組織標本50の全体画像を作成し、さらに画像データをA/D変換してデジタル画像化し、WSIを作成する。また、作成されたWSIをもとに、目的物質の定量的解析に用いる蛍光輝度マップを作成する。
通信部64は、パーソナルコンピューター等の外部装置との間でデータ送受信を行なうためのインターフェースである。WSIを参照したいユーザーは、通信部64を介してデータベース80に保存されたWSIをパーソナルコンピューター等に読み込み、ディスプレイ上で観察を行うことができる。
制御装置60には表示装置70が接続されている。
表示装置70は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部61から入力される表示信号の指示にしたがって、各種画面を表示する。本実施形態において、表示装置70は、撮影された蛍光画像等を出力するための出力手段として機能する。
制御装置60にはさらに、データベース80が接続されている。データベース80は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等を備え、画像処理部63によって合成されたWSIを保存する。
なお、本実施形態では、上述のようにWSIをデータベース80に保存することとして説明するが、WSIが保存可能であれば、その保存領域はデータベース80に限定されず、データベース80を備えない構成であっても良い。
例えば、WSIを記憶部62に保存しても良いし、図示しない外部サーバーに保存してデータベースを形成するようにしても良い。
[組織標本]
続いて、組織標本50について説明する。
組織標本50は目的物質を含む組織切片であって免疫染色剤で染色され、染色後の組織標本50がステージ40に設置される。
(1)目的物質
目的物質とは、主に病理診断の観点からの検出または定量のために、蛍光標識体を用いた免疫染色の対象とするものをいい、組織切片に存在している物質、特にタンパク質(抗原)である。
典型的な目的物質としては、各種の癌組織の細胞膜で発現しており、例えば、タンパク質、RNAなどのバイオマーカーとして利用することができる生体物質が挙げられる。
また、目的物質としては、例えば薬物など、生体内に体外から導入された物質であっても良い。また、ペプチド等のタンパク質より小さな単位も免疫染色可能である。
(2)免疫染色剤(抗体−蛍光ナノ粒子の結合体)
免疫染色剤としては、蛍光標識の効率を向上させて蛍光の劣化につながる時間経過をなるべく抑えるために、一次抗体および蛍光ナノ粒子が間接的に、つまり抗原抗体反応などを利用した、共有結合以外の結合によって連結される複合体を用いることが好ましい。染色操作を簡便にするため、免疫染色剤として、一次抗体または二次抗体に蛍光ナノ粒子が直結している複合体を用いることもできる。
免疫染色剤の一例として、[目的物質に対する一次抗体]…[一次抗体に対する抗体(二次抗体)]〜[蛍光ナノ粒子]が挙げられる。
“…”は抗原抗体反応により結合していることを表し、“〜”が示す結合の態様としては特に限定されず、たとえば、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、抗原抗体結合、ビオチンアビジン反応、物理吸着、化学吸着などが挙げられ、必要に応じてリンカー分子を介していてもよい。
(3)抗体
一次抗体には、目的物質を抗原として特異的に認識して結合する抗体(IgG)を用いることができる。たとえば、HER2を目的物質とする場合は抗HER2抗体を、HER3を目的物質とする場合は抗HER3抗体を、それぞれ用いることができる。
二次抗体には、一次抗体を抗原として特異的に認識して結合する抗体(IgG)を用いることができる。
一次抗体および二次抗体はいずれも、ポリクローナル抗体であってもよいが、定量の安定性の観点から、モノクローナル抗体が好ましい。抗体を産生する動物(免疫動物)の種類は特に限定されるものではなく、従来と同様、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジなどから選択すればよい。
(4)蛍光ナノ粒子
蛍光ナノ粒子とは、励起光の照射を受けて蛍光発光するナノサイズの粒子であって、目的物質を1分子ずつ輝点として表すのに十分な強度の蛍光を発光しうる粒子である。
蛍光ナノ粒子として、本発明においては、蛍光物質集積ナノ粒子(PID:Phosphor Integated Dot nanoparticles)が使用される。
(4.1)蛍光物質集積ナノ粒子
PIDは、有機物または無機物でできた粒子を母体とし、複数の蛍光物質(たとえば、上記量子ドット、有機蛍光色素など)がその中に内包されている及び/又はその表面に吸着している構造を有する、ナノサイズの粒子である。PIDとしては、量子ドット集積ナノ粒子、蛍光色素集積ナノ粒子などが使用される。
PIDに用いられる蛍光物質としては、200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜900nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましく、母体と蛍光物質とが、互いに反対の電荷を有する置換基または部位を有し、静電的相互作用が働くものであることが好適である。
本発明で用いられるPIDの平均粒径は特に限定されないが、30〜800nm程度のものを用いることができる。平均粒径が30nm未満の場合には、集積粒子に含まれる蛍光物質が少なく、目的物質の定量的評価が困難となり、800nmを超える場合には、病理組織での目的物質との結合が困難となるためである。なお、平均粒径は、40〜500nmの範囲内であることがより好ましい。ここで、平均粒径を40〜500nmとしたのは、40nm未満の場合には、高価な検出系が必要となり、500nmを超える場合には、物理的な大きさから定量範囲が狭まるためである。
なお、粒径のばらつきを示す変動係数(=(標準偏差/平均値)×100%)は特に限定されないが、15%以下のものを用いることが望ましい。粒径のばらつきは小さい程、蛍光輝点の輝度のばらつきが小さく、後述するように蛍光輝度をもとに目的物質の発現量を定量的に評価することができる。平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、各計測値を円の面積としたときの円の直径を粒径として求めることができる。
(4.1.1)母体
母体のうち、有機物としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂など、一般的に熱硬化性樹脂に分類される樹脂;スチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)など、一般的に熱可塑性樹脂に分類される樹脂;ポリ乳酸等のその他の樹脂;多糖を例示することができる。
母体のうち、無機物としては、シリカ、ガラスなどを例示することができる。
(4.1.2)量子ドット集積ナノ粒子
量子ドット集積ナノ粒子とは、上記量子ドットが、上記母体の中に内包されている、および/またはその表面に吸着している構造を有する。
量子ドットが母体に内包されている場合、量子ドットは母体内部に分散されていればよく、母体自体と化学的に結合していてもよいし、していなくてもよい。
量子ドットとしては、II−VI族化合物、III−V族化合物またはIV族元素を含有する半導体ナノ粒子が使用される。たとえば、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geなどが挙げられる。
上記量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを用いることもできる。以下、本明細書中シェルを有する量子ドットの表記法として、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。例えば、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnS等を用いることができるが、これらに限定されない。
量子ドットは必要に応じて、有機ポリマー等により表面処理が施されているものを用いてもよい。例えば、表面カルボキシ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)、表面アミノ基を有するCdSe/ZnS(インビトロジェン社製)等が挙げられる。
量子ドット集積ナノ粒子は、公知の方法により作成することが可能である。例えば、量子ドットを内包したシリカナノ粒子は、ニュー・ジャーナル・オブ・ケミストリー33巻561ページ(2009)に記載されているCdTe内包シリカナノ粒子の合成を参考に合成することができる。
量子ドットを外包したシリカナノ粒子は、ケミカル・コミュニケーション 2670ページ(2009)に記載されているCdSe/ZnSを5−amino−1−pentanolとAPSでキャッピングした粒子を表面に集積したシリカナノ粒子の合成を参考に合成することができる。
量子ドットを内包したポリマーナノ粒子は、ネイチャー バイオテクノロジー19巻631ページ(2001)に記載されているポリスチレンナノ粒子への量子ドットの含浸法を用いて作製することができる。
(4.1.3)蛍光色素集積ナノ粒子
蛍光色素集積ナノ粒子とは、蛍光色素が、上記母体の中に内包されている、及び/又はその表面に吸着している構造を有する。
蛍光色素としては、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香環系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子などの有機蛍光色素を例示することができる。
具体的には、Alexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子、CF(登録商標、Biotium社製)系色素分子、DY(登録商標、DYOMICS社製)系色素分子、CAL(登録商標、BioSearch Technologies社製)系色素分子などを用いることができる。
なお、蛍光色素が母体に内包されている場合、蛍光色素は母体内部に分散されていればよく、母体自体と化学的に結合していてもよいし、していなくてもよい。
蛍光色素集積ナノ粒子は、公知の方法により作成することが可能である。例えば、蛍光色素を内包したシリカナノ粒子は、ラングミュア8巻2921ページ(1992)に記載されているFITC内包シリカ粒子の合成を参考に合成することができる。FITCの代わりに所望の蛍光色素を用いることで種々の蛍光色素集積ナノ粒子を合成することができる。
蛍光色素を内包したポリスチレンナノ粒子は、米国特許4326008(1982)に記載されている重合性官能基をもつ有機色素を用いた共重合法や、米国特許5326692(1992)に記載されているポリスチレンナノ粒子への蛍光色素の含浸法を用いて作製することができる。
(5)組織切片の染色方法
染色方法の一例について説明する。
この染色方法が適用できる組織切片(単に「切片」ともいい、病理切片などの切片も含まれる。)の作製法は特に限定されず、公知の手順により作製されたものを用いることができる。
(5.1)標本作製工程
(5.1.1)脱パラフィン処理
キシレンを入れた容器に、切片を浸漬させ、パラフィン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いでエタノールを入れた容器に切片を浸漬させ、キシレン除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
水を入れた容器に、切片を浸漬させ、エタノール除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
(5.1.2)賦活化処理
公知の方法に倣い、目的物質の賦活化処理を行う。
賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01Mのクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMのEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mのトリス塩酸緩衝液などを用いることができる。
pH条件は用いる組織切片に応じてpH2.0〜13.0の範囲から、シグナルが出て、組織の荒れがシグナルを評価できる程度となる条件で行う。通常はpH6.0〜8.0で行うが、特殊な組織切片ではたとえばpH3.0でも行う。
加熱機器はオートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバスなどを用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50〜130℃、時間は5〜30分で行うことができる。
次いでPBSを入れた容器に、賦活処理後の切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。また必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
(5.2)免疫染色工程
免疫染色工程では、目的物質を染色するために、目的物質に直接的または間接的に結合しうる部位を有する蛍光ナノ粒子を含む免疫染色剤の溶液を、切片に載せ、目的物質との反応を行う。免疫染色工程に用いる免疫染色剤の溶液については、この工程の前にあらかじめ調製しておけばよい。
なお、複数の目的物質を検出しようとする場合は、目的物質に対応した複数の免疫染色剤によって免疫染色を行う。この場合に用いる複数の免疫染色剤は、PIDを用いた免疫染色剤(PID染色剤)を少なくとも1つ含むものであればよく、抗体及び蛍光物質(蛍光波長)とが互いに異なれば、PID染色剤を複数用いた多重染色や、PID染色剤と有機蛍光物質や量子ドット等の蛍光標識体を用いた免疫染色剤とのを組み合わせた多重染色によって、複数の目的物質を検出することも可能である。この場合は、各免疫染色剤の溶液をそれぞれ調製し、切片に載せ、目的物質との反応を行うが、切片に載せる際にそれぞれの免疫染色剤の溶液を予め混合してもよいし、別々に順次載せてもよい。
複数の免疫染色剤を用いる場合、PIDの励起/発光波長と、他の免疫染色剤の蛍光標識体の励起/発光波長は、クロストークを無視できる程度に離れていることが望ましい。
免疫染色工程を行う上での条件、すなわち免疫染色剤の溶液に組織切片を浸漬する際の温度および浸漬時間は、従来の免疫染色法に準じて、適切なシグナルが得られるよう適宜調整することができる。
温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
上述したような処理を行う前に、BSA含有PBSなど公知のブロッキング剤やTween20などの界面活性剤を滴下することが好ましい。
(5.3)標本後処理工程
免疫染色工程を終えた組織標本は、観察に適したものとなるよう、固定化・脱水、透徹、封入などの処理を行うことが好ましい。
固定化・脱水処理は、組織切片を固定処理液(ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、アセトン、エタノール、メタノールなどの架橋剤)に浸漬すればよい。透徹処理は、固定化・脱水処理を終えた組織切片を透徹液(キシレンなど)に浸漬すればよい。封入処理は、透徹処理を終えた組織切片を封入液に浸漬すればよい。
これらの処理を行う上での条件、たとえば組織切片を所定の処理液に浸漬する際の温度および浸漬時間は、従来の免疫染色法に準じて、適切なシグナルが得られるよう適宜調整することができる。
(5.4)明視野形態観察染色工程
免疫染色工程とは別に、明視野において細胞、組織、臓器などの形態を観察することができるようにするための、形態観察染色を行う。
形態観察染色工程は、常法にしたがって行うことができる。
組織標本50の形態観察に関しては、細胞質・間質・各種線維・赤血球・角化細胞が赤〜濃赤色に染色される、エオジンを用いた染色が標準的に用いられている。細胞核・石灰部・軟骨組織・細菌・粘液が青藍色〜淡青色に染色される、ヘマトキシリンを用いた染色も標準的に用いられている(これら2つの染色を同時に行う方法はヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)として知られている)。
形態観察染色工程を含める場合は、免疫染色工程の後に行うようにしてもよいし、免疫染色工程の前に行うようにしてもよい。
[画像処理システムの動作]
図4に、本発明における画像処理システム1の動作の全体の流れを示す。
図4に示すように、画像処理システム1の動作としては、フォーカシング工程(ステップS101)、低倍率撮影工程(ステップS102)、特定領域抽出工程(ステップS103)、高倍率撮影工程(ステップS104)及び、解析工程(ステップS105)を有する。
以下、各工程について説明する。
[フォーカシング工程]
まず、フォーカシング工程について説明する。
本実施形態においては、第1画像取得部20によって組織標本50の明視野画像を取得し、これに基づいてWSIの作成対象となる撮像領域を設定し、明視野画像を基準にフォーカシングを行う。さらに、第2画像取得部30によって組織標本50に蛍光標識されたPIDに励起光を照射し、検出されたPIDの蛍光輝点を基準にしてさらに厳密なフォーカシングを行う。
具体的な制御について、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部61は第1画像取得部20を制御して、スライドガラス全体のフォーカシング用の明視野画像を取得する(ステップS1)。この明視野画像は、後述する蛍光画像等の高解像度の撮影条件の設定に用いるものであり、低倍率の対物レンズを用いた低倍率画像である。得られた明視野画像に基づいて、制御部61は、図6に示すような組織標本50を含む撮像領域Rを設定する(ステップS2)。
具体的には、制御部61は組織標本50の全体画像を、組織標本50の有無により2値化して、X軸方向、Y軸方向それぞれに組織標本50の存在する領域を検出することで、撮像領域Rを決定する。なお、撮像領域Rは、ユーザーが組織標本50全体の明視野画像を観察しながら表示装置70上で手動にて設定することとしてもよいが、自動設定されることが好ましい。
次に、明視野画像に基づいて、組織標本50のフォーカシングを行う。明視野画像に基づいたフォーカシングは、ユーザーが手動で行うものとしてもよいが、制御部61による制御下で自動的で行うことが好ましい。以下、制御部61による制御下で自動的にフォーカスマップを作成し、フォーカシングを行う方法について説明する。
まず、撮像領域R上に第1の焦点計測位置P1を設定する(ステップS3)。
制御部61は、図7に示すように撮像領域RをX軸方向、Y軸方向それぞれに分割して小領域を設定し、各小領域のXY座標を求める。ここでは、XY座標は各小領域の中心座標とするが、これに限らず、例えば各小領域の左上端の座標をXY座標とすることも可能である。
さらに、図7に示すように、制御部61は各小領域に対してX軸方向、Y軸方向それぞれに1、2、3、・・・といった番号を割り当て、配列番号を設定する。即ち、配列番号は、例えば撮像領域Rの左上端の小領域は、(X軸,Y軸)=(1,1)である。
次に、制御部61は、各小領域に対して第1の焦点計測位置P1を設定する。P1は、本実施形態においては各小領域の中心座標位置とするが、これに限定されず、例えば各小領域の左上端を第1の焦点計測位置P1とすることも可能である。また、例えば図7の配列番号(1,1)の領域のように、中心座標上に組織標本50が存在しない場合がある。この場合は、第1の焦点計測位置P1を組織標本50上の任意の座標へ移動させることが可能である。
続いて、各小領域の第1の焦点計測位置P1に対してフォーカシングを行う(ステップS4)。ここでは、制御部61は、ステージ40をXY方向に移動制御させながら、光軸位置を第1の焦点計測位置P1に合わせ、各第1の焦点計測位置P1に対して実測による明視野合焦位置(Z座標)を求める。
このようにして求められた明視野合焦位置をもとにして、制御部61は、図8に示すようなフォーカスマップを作成する(ステップS5)。フォーカスマップには、各小領域の配列番号と、それに対応するステージ座標が格納される。ステージ座標は、X軸、Y軸については各小領域の中心座標が、Z軸については明視野合焦位置が対応する。
以上で、明視野画像に基づいた組織標本50のフォーカシングが完了する。
ステップS6以降は、明視野画像に基づいて得られたフォーカシング情報を基準に、PID輝点に対してフォーカシングを行う。即ち、上述のようにステップS1〜S3の処理によって、明視野画像を基準とした組織標本50の明視野合焦位置が特定されているが、これを基準にしてさらにPID輝点に対してフォーカシングを行うことで、より厳密に合焦された蛍光画像を得ることができる。
まず、フォーカシング用のPIDの蛍光画像を取得する(ステップS6)。即ち、制御部61は、励起光源32を制御して組織標本50に対してPIDの励起光を照射し、第2撮像素子33によってPIDの蛍光画像を取得する。
次に、得られた蛍光画像上の任意のPIDの蛍光輝点を選出し、第2の焦点計測位置P2を設定する(ステップS7)。ここでは、ユーザーが手動によって第2の焦点計測位置P2を設定するものとし、図9のように、組織標本50上の1つまたは複数の第2の焦点計測位置P2を設定する。なお、第2の焦点計測位置P2を自動設定する構成としてもよい。
次に、設定された第2の焦点計測位置P2に対して、フォーカシングを行う(ステップS8)。具体的には、制御部61はステージ40をXY方向に移動制御させながら、光軸位置を第2の焦点計測位置P2に合わせ、ステップ3で作成されたフォーカスマップの合焦位置を参照しながら、Z座標方向に微調整して第2の焦点計測位置P2に対する蛍光合焦位置(Z座標)を求める。
これをすべての第2の焦点計測位置P2に対して行うと、得られた新たな合焦位置を利用して、制御部61はステップS3で作成されたフォーカスマップを修正する(ステップS9)。
以上により、組織標本50に対するフォーカシングが完了する。
なお、上記したフォーカシング方法はあくまで一例であり、本発明に適用可能な方法はこれに限定されるものではない。
[低倍率撮影工程]
続いて、低倍率撮影によりWSIを作成する低倍率撮影工程について説明する。
上述のようにフォーカシングが完了すると、組織標本50全体の蛍光画像の作成、即ちWSIの作成に移行する。
WSI作成方法について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、組織標本50に標識された蛍光標識体を励起させる(ステップS10)。具体的には、制御部61は励起光源32を制御して、組織標本50に標識されたPIDを励起させる励起光を照射させる。
次に、組織標本50の部分画像を取得する(ステップS11)。
ここでは、ステップS9で完成したフォーカスマップの情報をもとに、制御部61はステージ40を移動制御させて、第2画像取得部30を制御して部分的な蛍光画像を取得する。即ち、光軸位置及び合焦位置を、フォーカスマップに格納されたステージ座標が示すXYZ座標へと移動させ、第2撮像素子33を制御して、小領域ごとの画像を撮像する。ここでは、対物レンズ34として高倍率の対物レンズを用いることで、高解像度の画像を取得することができる。
具体的には、部分画像として図11に示すような帯状のスキャン画像を取得する。まず、組織標本50に対して、左上端から撮像を開始する。制御部61は、励起光を照射させるとともに、第2撮像素子33による撮像位置を組織切片51のY軸の正の方向に移動しながらスキャンさせ、部分画像Aを取得する。続いて、制御部61は第2撮像素子33による撮像位置をX軸の正の方向に移動させて、部分画像Bを取得する。同様に、部分画像C、・・・部分画像Nの順に部分画像を取得すると、撮像が完了する。
次に、制御部61は作成手段としての画像処理部63を制御して、撮像された部分画像を合成して、撮像領域Rの全体の蛍光画像を作成させる(ステップS12)。即ち、部分画像A〜NをX軸方向に並べて貼り合わせることで、組織標本50の全体の高解像度の蛍光画像が得られる。
さらに、画像処理部63は得られた撮像領域Rの全体の蛍光画像をA/D変換して、デジタル画像化する(ステップS13)。以上により、WSIの作成が完了する。
作成されたWSIは、記憶手段としてのデータベース80によって保存される。WSIを参照したいユーザーは、通信部64を介してパーソナルコンピューター等に画像データを読み込み、ディスプレイ上で観察を行うことができる。
なお、ここでは蛍光画像の作成について例示したが、同様にして明視野画像のWSIを作成することもできる。
但し、本発明においては、WSIとして明視野画像か蛍光画像かは特に限定されるものではなく、必要に応じて(1)細胞の形態が可視化されている画像(細胞画像)と、(2)目的物質が可視化されている画像(目的物質画像)と、のうち少なくとも1つがあれば良い。
細胞の形態が可視化されている画像としては、例えば細胞核が可視化されている画像が挙げられる。蛍光画像であっても、例えば細胞核が可視化されていれば、細胞の形態が分かる画像として用いることは可能である。目的物質が可視化されている画像としては、例えば前述したPIDの蛍光輝点を撮影した画像が挙げられる。
[特定領域抽出工程]
続いて、特定領域抽出工程について説明する。
特定領域抽出工程は、作成されたWSI(すなわち、上述した(1)細胞の形態が可視化されている画像と、(2)目的物質が可視化されている画像と、のうち少なくとも1つ)を用いて、注目すべき特定領域を抽出する工程である。
ここで、「特定領域」とは、病理診断に有用な領域であれば限定されることはなく、ガン領域などの病変部とともに正常組織領域をも含み得る。また、薬剤の効果が表れた領域や薬剤が存在する領域も、病理診断に有用と考えられるため特定領域に含まれ得る。
さらに、明視野画像の色彩によって特定される領域や、蛍光画像の濃淡によって特定される領域も有用である場合があり、各領域の大きさは適宜指定することができて、好ましくは約100um平方である。
特に、蛍光輝点の数を指標として領域を特定することが、病理診断に有用なことがあり、数が多い領域、数が中程度の領域、数が少ない領域をそれぞれ特定して抽出することもできる。数が多い領域をホットスポットと、数が少ない領域をコールドスポットと呼んで定義することもある。
また、特定領域の抽出処理は、複数の手法が考えられる。
本実施形態では、第1〜第3の3つの処理を例示して説明するが、これに限られず抽出の目的を達成できる手段を取ることができる。特に、DFT処理(ハイパスフィルター)により周波数スペクトルを生成する、生成したROI情報に対して縮小処理を行う、平均輝度値が、予め設定された第1の閾値以上である領域を抽出する、といったプロセスを目的達成手段として用いて説明しているが、これに限られない。
(第1の特定領域の抽出処理)
第1の特定領域の抽出処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部61は、画像処理ソフトで、データベース80から所定の蛍光画像(WSI)を読み込み(ステップS21)、読み込んだ蛍光画像について、自家蛍光輝度の抑圧処理を実施する(ステップS22)。
具体的には、制御部61は、DFT処理(ハイパスフィルター)により周波数スペクトルを生成し、周波数スペクトルにハイパスフィルター画像を乗算する。次いで、IDFTにより低周波成分抑圧画像を生成する。
なお、蛍光画像のサイズは巨大であるため、DFTによる処理実行時の使用メモリー負荷に応じて、蛍光画像を分割して処理することが好ましい。
すなわち、蛍光画像を分割した画像個別に、上記した処理を実行し、最終的に結合すればよい。
ここで、PIDによる蛍光信号と自家蛍光による蛍光信号は、空間周波数プロファイルが異なる。一般に、自家蛍光は低周波成分を多く含み、PIDの蛍光は急峻なピーク形状をしており低周波成分は自家蛍光と比較すると少ない。例えば、DFTやFFTなどによる周波数スペクトル解析により蛍光画像の周波数情報を得ることで、PIDの持つ輝度信号と自家蛍光による輝度信号を分離し、自家蛍光による輝度成分を選択的に抑圧することができる。
周波数スペクトルはIDFT/IFFTにより空間信号に可逆変換可能で、上記したように自家蛍光による輝度成分を選択的に抑圧した状態の周波数スペクトルをIDFT/IFFTにより空間情報に逆変換する事で、自家蛍光を抑圧した蛍光画像を得る。
次に、制御部61は、解析対象領域設定(非特異蛍光除外)を行う(ステップS23)。
これは、自動染色機の染色ムラにより組織周囲端の蛍光が強くなる事があるため、ラージセクションでは周囲端より1周り小さい領域を解析対象とするための処理である。
詳細には、自動染色機による染色液の流れの不均一性や、組織切片の厚みによる端の優位な色素吸着などの要因により、組織切片は染色濃度ムラが発生した場合、上記の要因によるアーチファクトがある部分は非特異蛍光の発生頻度が高く、蛍光の輝度を平等に解析できないため、解析対象外とする必要がある。
そこで、制御部61は、従来公知の手法にて、組織切片画像の端に探索開始点を指定することで、特定範囲内の画素値変化を許容した輪郭追尾アルゴリズムにより切片の縁どりのROI情報を生成する。従来公知の手法としては、例えば、ImagejのWandTool(National Institutes of Health, MD, USA)を挙げることができる。
次に、制御部61は、生成したROI情報に対して数百ピクセル(顕微鏡視野1視野分程度)の縮小処理を行う(すなわち、内側に指定ピクセル領域を縮める。)
次に、制御部61は、生成したROI情報を、HPF画像に重ね合わせて領域外の蛍光画素値を削除(輝度ゼロ)にすることで、解析対象外領域を除外する。つまり、解析対象領域を絞り込むこととなる。但し、組織周囲の非特異的な染色ムラが発生しないケースでは領域の絞り込みは必須ではない。
なお、解析対象外領域として、赤血球などの核の無い細胞の自家蛍光領域を除外しても良い。
また、解析対象領域を絞り込むには、上記した領域外の蛍光画素値を削除(輝度ゼロ)にする手法以外にも、公知の諸々の手法を適用可能である。
次に、制御部61は、図13(a)に示すように、自家蛍光抑圧画像から解析対象領域(図13(a)における破線で囲まれた領域)を切り抜き、解析対象画像を生成する(ステップS24)。
次に、制御部61は、図13(b)に示すように、解析対象画像上を顕微鏡視野と同等サイズの矩形領域(スポット)200でスキャン処理し、領域毎の平均輝度値を算出する(ステップS25)。
スキャン処理は、予め設定された所定ポイントから開始され、解析対象画像の全体をまんべんなくスキャンするものである。
なお、平均輝度値の算出にあたっては、輝度値が自家蛍光とみなされる閾値以下のピクセルは計算対象外とすることが好ましい。
次に、制御部61は、図14に示すように、平均輝度値が、予め設定された第1の閾値以上である領域をホットスポット(特定領域)300として抽出する(ステップS26)。
なお、平均輝度値の高い上位N個を、ホットスポットとして抽出しても良い。この場合には、互いに重ならないエリアから上位N個のスポットを抽出することが好ましい。
また、閾値以上のスポット抽出と上位N個のスポット抽出においては、前者は閾値を統一する事により検体間で目的物質の発現量やスポットの分布比較が可能である。後者は発現量のオーダーが著しく異なる検体においても検体内での対象スポットの抽出が可能となる。
この後、提示されたホットスポット300に対して、組織画像50の撮影倍率よりも高倍率で拡大した拡大画像が撮影され、病理診断が行われる。
なお、ここでは、平均輝度値が第1の閾値以上であるホットスポットを特定領域として抽出することとしたが、平均輝度値が第1の閾値より小さい第2の閾値未満であるエリアをコールドスポット(特定領域)として抽出することとしても良い。
また、特定領域として、解析対象全体の標準値領域(スタンダードスポット)を抽出することもできる。標準値領域は、例えば、第1の閾値と、第1の閾値より小さい第2の閾値の間の領域として定義できる。
また、第1の閾値及び第2の閾値を使用せず、平均輝度値のヒストグラムから、ホットスポット、コールドスポット、スタンダードスポットを抽出することとしても良い。
また、抽出したスタンダードスポットを基準に第1の閾値及び第2の閾値を適応的に設定しても良い。
(第2の特定領域の抽出)
次に、第2の特定領域の抽出処理について説明する。
上述したように、PIDの蛍光輝点は高輝度であり、また一つひとつを個別に検出可能であるため、目的物質の発現を輝点として検出可能である。
まず、制御部61は、画像処理ソフトで、データベース80から所定の蛍光画像(WSI)を読み込み、蛍光輝度の強弱を色の濃淡などで表すことで蛍光輝度マップとして表示する。具体的には、制御部61は、所定の画素ごと蛍光輝度の平均値を算出し、記憶部62に記憶された蛍光輝度に応じた色の濃度の設定値を読み出し、これに対応付けてWSIに画像処理を施す。なお、画素単位は、ユーザーが任意で指定することができる。
次に、制御部61は、PIDと蛍光色素とによる目的物質の検出感度を輝点数として計測し、1細胞当たりの輝点数を検出する。そして、輝点数が第1の閾値(例えば25個)以上の細胞を抽出し、さらに抽出された細胞のうち、重心が100μm以内に存在する細胞同士を線で結ぶ。
次に、線で結ばれた細胞を一つのクラスタへ帰属させ、細胞数が所定数(例えば20個)以上のクラスタを特定領域(ホットスポット)として抽出する。これにより、図14に示すように、ホットスポット300が抽出されることとなる。なお、一般に、20個〜100個くらいの細胞クラスタが、ホットスポットとなる。
なお、ここでは、輝点数が第1の閾値以上である細胞を抽出し、その抽出した細胞数が所定数以上のクラスタを特定領域(ホットスポット)として抽出することとしたが、輝点数が第1の閾値より小さい第2の閾値未満である細胞を抽出し、その抽出した細胞数が所定数以上のクラスタを特定領域(コールドスポット)として抽出することとしても良い。
また、特定領域として、解析対象全体の標準値領域(スタンダードスポット)を抽出することもできる。標準値領域は、例えば、第1の閾値と、第1の閾値より小さい第2の閾値の間の領域として定義できる。
また、第1の閾値及び第2の閾値を使用せず、輝点数のヒストグラムから、ホットスポット、コールドスポット、スタンダードスポットを抽出することとしても良い。
また、以上のような細胞クラスタの作成の手法は、まず低倍率(低感度)のホールスライドスキャナーで、ある指標に基づいた特定領域の抽出の後に、別の指標に基づいたクラスタの作成として適応することもできる。すなわち、特定の領域の中に存在する別の観点の特定領域の抽出である。
(第3の特定領域の抽出)
次に、第3の特定領域の抽出処理について説明する。
第3の特定領域の抽出処理は、蛍光画像のWSIと、蛍光画像と同様にして作成した明視野画像のWSIと、を用いて特定領域の抽出を行う。
第3の特定領域の抽出処理について、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部61は、画像処理ソフトで、データベース80から所定の明視野画像(WSI)を読み込み(ステップS31:取得工程)、読み込んだ明視野画像に対して核周辺領域の抽出処理を実施する(ステップS32)。
明視野画像は、図16(a)に示すような、HE染色等により細胞核が染色された画像である。この画像に対して、ヘマトキシリン(H)染色の色分解により細胞核領域を抽出し、図16(b)に示すような、核領域マスク画像を生成することができる。
制御部61は、明視野画像から、ヘマトキシリン(H)色素を抽出した画像を生成し、2値化及び領域膨張処理を施して、核領域マスク画像を生成する。そして、核領域マスク画像から核周辺領域を抽出する。
次に、制御部61は、抽出した核周辺領域の細胞密度特徴量の算出処理を実施し、画像を複数の分割した領域ごとの細胞密度特徴量データを算出する(ステップS33)。
具体的に、細胞密度特徴量とは、細胞核の密度に関する特徴量であり、例えば、制御部61は、2値化した核領域マスク画像を密度の高低を色の濃淡などで表した核密度ヒートマップや、核密度ヒストグラム等を作成し、画像の領域ごとの核密度特徴量を算出する。
次に、制御部61は、画像処理ソフトで、データベース80から所定の蛍光画像(WSI)を読み込み(ステップS34:取得工程)、読み込んだ蛍光画像から、上述したステップS21〜ステップS24と同様にして、図16(c)に示すように、解析対象画像を作成する(ステップS35)。
次に、制御部61は、解析対象画像から対象領域の目的物質特徴量(目的物質の発現特徴量)の算出処理を実施し、画像を複数の分割した領域ごとの目的物質特徴量データを算出する(ステップS36)。
具体的には、目的物質特徴量とは、蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量であり、
制御部61は、解析対象画像の蛍光輝点の平均輝度値を色の濃淡などで表した発現量ヒートマップ等を作成し、画像の領域ごとの目的物質特徴量を算出する。
なお、解析対象画像の平均輝度値の代わりに、解析対象画像の蛍光輝点の数を用いて、目的物質特徴量を算出することとしても良い。
次に、制御部61は、核密度特徴量と目的物質特徴量とを用いて演算処理を行い、複合特徴量の算出処理を実施する(ステップS37)。
具体的に、制御部61は、領域ごとの核密度特徴量と目的物質特徴量とを乗算した値を、複合特徴量として算出する。
或いは、制御部61は、領域ごとの目的物質特徴量を核密度特徴量で除算した値を、複合特徴量として算出する。
また、この時核密度特徴量および目的物質特徴量はそのままの値を使用する以外にも一定のオフセット値の加算、正規化あるいはn段階の層別化等別次元への変換等、一定の加工を行った後に複合特徴量算出を行ってもよい。
また、上記の複合特徴量を複数同時に算出の後に、領域毎の複合特徴量同士の四則演算による2次的複合特徴量算出を行っても良い。
次に、制御部61は、算出した複合特徴量に基づいて、図14に示すように、ホットスポット(特定領域)を抽出する(ステップS38:抽出工程)。
例えば、領域ごとの核密度特徴量と目的物質特徴量とを乗算した値を複合特徴量として算出した場合、その値が第1の閾値以上である領域をホットスポット(特定領域)として抽出することができる。この際、第1の閾値以上である領域は、例えば、がん細胞の集団の可能性がある領域と推定することができる。
また、領域ごとの目的物質特徴量を核密度特徴量で除算した値を複合特徴量として算出した場合、その値が第1の閾値以上である領域をホットスポット(特定領域)として抽出することができる。この際、第1の閾値以上である領域は、例えば、目的物質発現量の高いがん細胞の集団の可能性がある領域と推定することができる。
抽出される特定領域としては、上記の例に限られず、例えば、領域ごとの核密度特徴量と目的物質特徴量とを乗算した値を複合特徴量として算出した場合、第1の閾値より小さい第2の閾値未満である領域を、コールドスポット(特定領域)として抽出することとしても良い。この際、第2の閾値未満である領域は、例えば、正常・ノイズ細胞・免疫の領域と推定することができる。
また、領域ごとの目的物質特徴量を核密度特徴量で除算した値を複合特徴量として算出した場合にも、第1の閾値より小さい第2の閾値未満である領域を、コールドスポット(特定領域)として抽出することとしても良い。この際、第2の閾値未満である領域は、目的物質の発現量が相対的に小さくかつ細胞密度が高いため、例えば、正常細胞集団・ノイズ細胞集団・免疫細胞集団の領域と推定することができる。
また、上記の複合特徴量によるスポットを同時に複数決定の後に、異なる複合特徴量によるスポットの重なりを判定し、特定領域として推定することもできる。
また、ステップS36において、蛍光画像(解析対象画像)から目的物質特徴量データを算出する際、図17に示すように、解析対象外である核周辺領域外の蛍光輝度値を無効(0)としても良い。すなわち、例えば、核の無い血球等の自家蛍光領域は、輝度値0とすることとしても良い。
[高倍率撮影工程・解析工程]
高倍率撮影工程は、上記のようにして抽出された特定領域を、組織画像の撮影倍率よりも高倍率で撮影する工程である。具体的には、抽出された特定領域の位置を、第2画像取得部30の高倍率対物レンズで観察し、改めて画像を取得する。なお、第2画像取得部30の高倍率対物レンズの他にも、高倍率顕微鏡、例えば、BX63+DP80(Olympus)等を用いることもできる。
このように、抽出された特定領域の拡大画像を撮影することで、より正確な解析が可能となる。なお、このような実施の態様は、低倍率(低感度)のホールスライドスキャナーの場合に取りうる。なお、特定領域の位置座標を自動的に高倍率顕微鏡へ継承することで、正確な解析を実現できるし、組織検体スライドを自動ステージで駆動することで位置合わせすることもできる。
また、解析工程は、制御部61(検出手段)が、上記のようにして高倍率撮影された画像(再撮影画像)を用いて解析を行う工程である。例えば、後述するPIDに由来する蛍光輝点に関する評価を行う工程や、目的物質の定量的評価を行う工程が挙げられる。PIDに由来する蛍光輝点に関する評価を行う工程としては、蛍光輝点の数を計測する工程や、蛍光輝点の数に対応するPID粒子の数を計測する工程が挙げられる。目的物質の定量的評価を行う工程としては、PIDスコアを算出する工程が挙げられる。
ここで、診断等のための解析を行うには、解析に耐え得る画質が担保されていなければならない。そのため、高精度な解析を行うためには、組織標本を高倍率にて撮影する必要がある。しかしながら、病理標本の全体を高倍視野にて撮影すると、取得される画像の容量が膨大になるとともに、当該画像を用いた解析には膨大な時間を要し、解析の効率が低下してしまう。
特に、蛍光画像を用いた場合は、画質の良い蛍光画像(高精度な解析に耐え得る蛍光画像)をWSIとして取得するのは困難であるため、特に問題が大きい。
このことから、抽出された特定領域のみについて蛍光画像を取得することにより、画質の良い蛍光画像(高精度な解析に耐え得る蛍光画像)を取得するのが比較的容易になるため、蛍光画像を用いた場合においても、画質の良い蛍光画像を効率良く取得することができ、本願発明の効果が特に顕著である。即ち、例えば上記実施形態の各工程を経ることで、高倍率撮影を必要以上に行うことを抑えることができ、高精度かつ高効率な解析が可能となる。
[実施形態の効果]
以上のように、本実施形態の画像処理システム1によれば、制御部61は、組織標本50を撮影した組織画像を取得し、取得した組織画像から、再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する。また、制御部61は、組織標本50における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、組織標本50における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、特定領域の画像を抽出する。
このため、低倍率撮影工程、特定領域抽出工程、高倍率撮影工程により、高倍率撮影を必要以上に行うことを抑えることで、高精度な解析を効率良く行うことが可能となり、即ち、解析の高精度化と高効率化とを同時に図ることが可能となる。
また、細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、特定領域の画像を抽出することで、目的にかなった特定領域の選択が可能となる。
また、本実施形態によれば、組織画像は、組織標本50全体を撮影したホールスライドイメージである。
このため、ホールスライドイメージを用いた病理診断において、高精度な解析を効率良く行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、制御部61は、細胞密度特徴量と目的物質特徴量とを用いて乗算を含む演算を行って、複合特徴量を算出する。
このため、細胞密度特徴量と目的物質特徴量とを用いて乗算を含む演算を行って得た複合特徴量から、特定領域の画像を抽出することができる。
また、本実施形態によれば、制御部61は、細胞密度特徴量と目的物質特徴量とを用いて除算を含む演算を行って、複合特徴量を算出する。
このため、細胞密度特徴量と目的物質特徴量とを用いて除算を含む演算を行って得た複合特徴量から、特定領域の画像を抽出することができる。
また、本実施形態によれば、制御部61は、複合特徴量の値が第1の閾値以上である領域の画像を、特定領域の画像として抽出する。
このため、複合特徴量の値が第1の閾値以上であるホットスポットの画像を抽出することができる。
また、本実施形態によれば、制御部61は、複合特徴量の値が第2の閾値未満である領域の画像を、特定領域の画像として抽出する。
このため、複合特徴量の値が第2の閾値未満であるコールドスポットの画像を抽出することができる。
また、本実施形態によれば、細胞画像は、組織標本50における細胞核が可視化されている画像であり、細胞密度特徴量は、細胞核の密度に関する核密度特徴量である。
このため、細胞密度特徴量として、細胞核の密度に関する核密度特徴量を用いて複合特徴量を算出することができる。
また、本実施形態によれば、目的物質画像は、蛍光標識された目的物質を撮影した蛍光画像であり、目的物質特徴量は、蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量である。また、蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量は、特定領域における蛍光輝点の輝度値、又は特定領域における蛍光輝点の数である。
このため、目的物質特徴量として、蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量(特定領域における蛍光輝点の輝度値、又は特定領域における蛍光輝点の数)を用いて複合特徴量を算出することができる。
また、本実施形態によれば、制御部61は、組織画像から、解析対象外となる領域を除いた画像に対して、特定領域の画像を抽出する。ここで、解析対象外となる領域を除いた画像とは、組織画像において非特異的な染色ムラのある領域を除いた画像(組織標本50の周囲端を除いた画像)、核の無い細胞の自家蛍光領域を除いた画像(赤血球の自家蛍光領域を除いた画像)、又は組織画像において自家蛍光に由来する蛍光信号を除いた画像である。
このため、より正確な解析が可能となる。
また、本実施形態によれば、取得手段は、組織画像を取得するための第1の撮影手段(第1画像取得部20又は第2画像取得部30の低倍率対物レンズ)と、第1の撮影手段よりも撮影倍率が高い第2の撮影手段(第2画像取得部30の高倍率対物レンズ等)とを備え、再撮影は、抽出された特定領域を、第2の撮影手段により行う。
このため、抽出された特定領域の拡大画像を撮影することができ、より正確な解析が可能となる。
なお、低倍率でWSIを取得可能なものであれば、ホールスライドスキャナーの他、低倍率顕微鏡を用いても良い。
また、第1の撮影手段と第2の撮影手段とは、同じ撮影装置内における異なる撮影手段として構成されても良いし、異なる2つの撮影装置として構成されても良い。
また、本実施形態によれば、制御部61は、抽出された特定領域について再撮影を行い、再撮影にて取得された再撮影画像における輝点数を計測する。また、制御部61は、再撮影画像における輝点数に基づき目的物質の定量化評価を行う。
このため、輝点数の計測や目的物質の定量化評価をより正確かつ効率的に行うことが可能となる。
[その他]
その他、画像処理システム1を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の主旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、生体サンプルとして組織切片を対象とし、蛍光標識体として蛍光物質集積ナノ粒子を含む免疫染色剤で組織標本50を染色している。生体サンプルの対象は培養細胞であってもよいし、遺伝子(DNA)でもよい。
[実施例]
以下、解析工程の例として、抽出された特定領域の位置を高倍率顕微鏡で撮影した画像について、蛍光輝点に関する評価を行う実施例を示す。
ここでは、蛍光色素集積ナノ粒子として、ストレプトアビジン修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を用いた。その作製方法は以下のとおりである。
また、ここでは、目的物質としてHER2を染色した。
(ストレプトアビジン修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子の作製)
蛍光色素として赤色蛍光色素であるテキサスレッド20.3mgを水22mLに加えて溶解した。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤「エマルゲン」(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王株式会社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料「ニカラックMX−035」(日本カーバイド工業株式会社製)を0.81g加えた。さらに、この溶液に反応開始剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学株式会社製)の10%水溶液を1000μL加え、70℃で50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。
得られたテキサスレッド集積メラミン樹脂粒子の分散液から、余剰の樹脂原料や蛍光色素などの不純物を除くため、純水による洗浄を行った。具体的には、遠心分離機「マイクロ冷却遠心機3740」(久保田商事株式会社製)にて20000Gで15分間、遠心分離し、上澄み除去後、超純水を加えて超音波照射して再分散した。遠心分離、上澄み除去および超純水への再分散による洗浄を5回繰り返した。以上の工程により、テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子(励起波長590nm、発光波長620nm)を作製した。
上記のテキサスレッド集積メラミン樹脂粒子0.1mgをエタノール1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシラン(「LS−3150」、信越化学工業社製)2μLを加え、8時間反応させることにより、樹脂粒子の表面に存在するヒドロキシル基をアミノ基に変換する表面アミノ化処理を行った。
2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有したリン酸緩衝液生理的食塩水(PBS)を用いて、上記テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子の濃度を3nMに調整した。濃度調整したテキサスレッド集積メラミン樹脂粒子の分散液に対して、終濃度10mMとなるように、SM(PEG)12(スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−ドデカエチレングリコール]エステル、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を混合し、20℃で1時間反応させることにより、粒子表面がマレイミド基で修飾されたテキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を含む混合液を得た。
この混合液を10000Gで20分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による上記洗浄を3回行った後、マレイミド基修飾されたテキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を回収した。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)をN−スクシンイミジル−S−アセチルチオ酢酸(SATA)と反応させた後、公知のヒドロキシルアミン処理を行うことでS−アセチル基の脱保護を行うことにより、ストレプトアビジンにチオール基を導入した。その後、ゲル濾過して、蛍光色素集積粒子に結合可能なストレプトアビジンを別途調製した。
上記のマレイミド修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子とチオール基が導入されたストレプトアビジンを、2mMのEDTAを含有したPBS中で混合し、室温で1時間反応させて、両者(マレイミド基とチオール基)を結合させた。その後、10mMメルカプトエタノールを添加して反応を停止させた。得られた溶液をφ=0.65μmの遠心フィルターで濃縮した後、精製用ゲル濾過カラムを用いて未反応のストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジン修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を得た。
(1−1)HER2に対するPID染色およびPIDスコアの取得
(1−1−1)標本前処理工程
上述した乳がん患者の組織由来のホルマリン固定パラフィン包埋組織ブロックをミクロトームにより薄切して標本スライドを作製した。標本スライドは脱パラフィン処理した後、水に置換する洗浄を行った。洗浄した標本スライドを10mMクエン酸緩衝液中(pH6.0)中で121℃、15分間オートクレーブ処理することで、抗原の賦活化処理を行った。賦活化処理後の標本スライドをPBSにより洗浄し、洗浄した標本スライドに対してBSAを1%含有するPBSを用いて1時間ブロッキング処理を行った。
(1−1−2)免疫染色工程
(1−1−2−1)免疫染色の1次反応処理
BSAを1%(w/w)含有するPBSを用いて、抗HER2ウサギモノクローナル抗体「4B5」(ベンタナ社)を0.05nMの濃度で含有する1次反応処理液を調製した。この1次反応処理液に工程(1−1−1)を経た標本スライドを浸漬し、4℃で1晩反応させた。
(1−1−2−2)免疫染色の2次反応処理
作製例1で作製したビオチン修飾抗ウサギIgG抗体の溶液を、さらにBSAを1%(w/w)含有するPBSを用いて6μg/mLに希釈した2次反応処理液を調製した。1次反応処理を終えた標本スライドをPBSで洗浄した後、この2次反応処理液に浸漬し、室温で30分間反応させた。
(1−1−2−3)免疫染色の蛍光標識処理
作製例2で作製したストレプトアビジン修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を、カゼインおよびBSAを含有する蛍光ナノ粒子用希釈液を用いて、0.02nMに希釈した蛍光標識反応処理液を調製した。2次反応処理を終えた標本スライドをこの蛍光標識処理液に浸漬し、中性のpH環境下(pH6.9〜7.4)、室温で3時間反応させた。
(1−1−2−4)形態観察用染色処理
蛍光標識処理を行った標本スライドを、マイヤーヘマトキシリン液で5分間染色してヘマトキシリン染色を行った後、45℃の流水で3分間洗浄した。
(1−1−3)標本後処理工程
免疫染色を終えた標本スライド(染色スライド)に対して、純エタノールに5分間浸漬する操作を4回行う固定化・脱水処理を行った。続いて、キシレンに5分間浸漬する操作を4回行う透徹処理を行った。最後に、染色スライドに封入剤「エンテランニュー」(メルク社)を載せて、カバーガラスを被せる封入処理を行い、観察に用いる染色スライドとした。
この後、フォーカシング工程、低倍率撮影工程、特定領域抽出工程を経て、抽出された特定領域について以下の工程を行った。
(1−1−4)評価工程
(1−1−4−1)観察・撮影工程
この工程における励起光の照射および蛍光の発光の観察には蛍光顕微鏡「BX−53」(オリンパス株式会社製)を用い、免疫染色像(400倍)の撮影には、当該蛍光顕微鏡に取り付けた顕微鏡用デジタルカメラ「DP80」(オリンパス株式会社製)を用いた。
まず、目的タンパク質HER2の蛍光標識に用いたテキサスレッドに対応する励起光を染色スライドに照射して蛍光を発光させ、その状態の免疫染色像を撮影した(本発明の検査支援方法における「蛍光画像取得工程」に対応する)。この際、励起光の波長は、蛍光顕微鏡が備える励起光用光学フィルターを用いて575〜600nmに設定し、観察する蛍光の波長は、蛍光用光学フィルターを用いて612〜692nmに設定した。蛍光顕微鏡による観察および画像撮影時の励起光の強度は、視野中心部付近の照射エネルギーが900W/cm2となるようにした。画像撮影時の露光時間は、画像の輝度が飽和しないような範囲で調節し、例えば4000μ秒に設定した。
次に、蛍光顕微鏡の明視野における観察および画像撮影により、細胞の形態観察用のヘマトキシリン染色による染色像を撮影した。
このような免疫染色像および形態観察用染色像の撮影は、同一視野において行った後、視野を変えて同じ操作を繰り返し、1枚の染色スライドにつき5視野ずつ行った。
(1−1−4−2)画像処理・計測工程
この工程における画像処理には、画像処理ソフトウェア「ImageJ」(オープンソース)を用いた。
形態観察用染色像を用いた画像処理により、細胞の形状(細胞膜の位置)を特定し、免疫染色像と重ねあわせて、細胞膜上に発現しているHER2タンパク質を標識したストレプトアビジン修飾テキサスレッド集積メラミン樹脂粒子を表す輝点をPID粒子数として抽出して計測した。細胞膜上の輝点のうち輝度が所定の値以上のものは、その輝度を上記テキサスレッド集積粒子(PID)1粒子あたりの輝度で除して粒子数に換算した。なお、間質細胞領域にはHER2は発現しないので、間質細胞内に位置する輝点は非特異的シグナルすなわちノイズとして処理した。そして、1枚の染色スライドあたり5視野においてHER2に由来する輝点の数を計測し、上記のようにして単位面積(100μm2)あたりの蛍光ナノ粒子数に換算し、その平均値を算出して、その標本スライドの「PIDスコア」とした。
表I〜表IIIは、準備したHER2染色スライドに対して、表IVは、準備したHER3染色スライドに対してそれぞれ、抽出された特定領域の解析を、3つの施設で実施した結果である。恣意性を排した本発明では施設間格差が少なくて、良好な結果であった。観察者が注目すべき領域を選択した場合および、特定領域の位置座標を自動的に高倍率顕微鏡へ継承しなかった場合は、輝点数に若干のばらつきが見られ、自動で行うことが好ましい結果であった。施設によって、特定領域の選択に偏りがあること、自動的な継承をしないことで輝点数の多い場合に正確性に欠けることが、考察された。
単位面積(100μm)当たり輝点数
観察対象となる組織標本から注目すべき領域を選択した場合
単単位面積(100μm)当たり輝点数
特定領域の位置座標を自動的に高倍率顕微鏡へ継承しなかった場合
単位面積(100μm)当たり輝点数
以下は、目的物質としてHER3を染色した例である。
単位面積(100μm)当たり輝点数
1 画像処理システム
10 顕微鏡装置
20 第1画像取得部(第1の撮影手段)
21 明視野光源
22 第1撮像素子
30 第2画像取得部(第1の撮影手段、第2の撮影手段)
31 透過光源
32 励起光源
33 第2撮像素子
40 ステージ
50 組織標本
60 制御装置
61 制御部(取得手段、抽出手段、検出手段)
62 記憶部
63 画像処理部
64 通信部
70 表示装置
80 データベース

Claims (18)

  1. 組織標本を撮影した組織画像を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記組織画像から、前記取得手段にて再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出手段と、
    を有し、
    前記取得手段は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
    前記抽出手段は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とする画像処理システム。
  2. 前記組織画像は、前記組織標本全体を撮影したホールスライドイメージであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
  3. 前記抽出手段は、前記細胞密度特徴量と前記目的物質特徴量とを用いて乗算を含む演算を行って、前記複合特徴量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
  4. 前記抽出手段は、前記細胞密度特徴量と前記目的物質特徴量とを用いて除算を含む演算を行って、前記複合特徴量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
  5. 前記抽出手段は、前記複合特徴量の値が第1の閾値以上である領域の画像を、前記特定領域の画像として抽出することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
  6. 前記抽出手段は、前記複合特徴量の値が第2の閾値未満である領域の画像を、前記特定領域の画像として抽出することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
  7. 前記細胞画像は、前記組織標本における細胞核が可視化されている画像であり、
    前記細胞密度特徴量は、前記細胞核の密度に関する核密度特徴量であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
  8. 前記目的物質画像は、蛍光標識された前記目的物質を撮影した蛍光画像であり、
    前記目的物質特徴量は、前記蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
  9. 前記蛍光画像における蛍光輝点に関する特徴量は、前記特定領域における蛍光輝点の輝度値、又は前記特定領域における蛍光輝点の数であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。
  10. 前記抽出手段は、前記組織画像から、解析対象外となる領域を除いた画像に対して、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理システム。
  11. 前記解析対象外となる領域を除いた画像は、前記組織画像において非特異的な染色ムラのある領域を除いた画像、核の無い細胞の自家蛍光領域を除いた画像、又は前記組織画像において自家蛍光に由来する蛍光信号を除いた画像であることを特徴とする請求項10に記載の画像処理システム。
  12. 前記組織画像において非特異的な染色ムラのある領域を除いた画像は、前記組織標本の周囲端を除いた画像であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
  13. 前記核の無い細胞の自家蛍光領域を除いた画像は、赤血球の自家蛍光領域を除いた画像であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
  14. 前記取得手段は、前記組織画像を取得するための第1の撮影手段と、前記第1の撮影手段よりも撮影倍率が高い第2の撮影手段とを備え、
    前記再撮影は、前記抽出手段により抽出された前記特定領域を、前記第2の撮影手段により行うことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の画像処理システム。
  15. 前記取得手段は、前記抽出手段により抽出された前記特定領域について前記再撮影を行い、
    前記蛍光画像における輝点数を計測する検出手段を備え、
    前記検出手段は、前記再撮影にて取得された再撮影画像における輝点数を計測することを特徴とする請求項8に記載の画像処理システム。
  16. 前記検出手段は、前記再撮影画像における輝点数に基づき前記目的物質の定量化評価を行うことを特徴とする請求項15に記載の画像処理システム。
  17. 組織標本を撮影した組織画像を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記組織画像から、再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出工程と、
    を有し、
    前記取得工程は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
    前記抽出工程は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とする画像処理方法。
  18. コンピュータを、
    組織標本を撮影した組織画像を取得する取得手段、
    前記取得手段により取得された前記組織画像から、前記取得手段にて再撮影を行うための特定領域の画像を抽出する抽出手段、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記取得手段は、前記組織標本における細胞の形態が可視化されている細胞画像と、前記組織標本における目的物質が可視化されている目的物質画像とを取得し、
    前記抽出手段は、前記細胞画像に基づく細胞密度特徴量と、前記目的物質画像に基づく目的物質特徴量から算出した複合特徴量に応じて、前記特定領域の画像を抽出することを特徴とするプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102748A1 (ja) * 2020-11-12 2022-05-19 株式会社GramEye 顕微鏡検査支援装置、顕微鏡検査支援方法、自動染色装置、自動染色物質推定システム、プログラム、及び記録媒体
WO2022249598A1 (ja) * 2021-05-27 2022-12-01 ソニーグループ株式会社 情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
WO2024024180A1 (ja) * 2022-07-26 2024-02-01 株式会社Screenホールディングス 解析支援方法、プログラムおよび解析支援装置

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