JP2020173013A - ボールチェーンおよび遮蔽装置 - Google Patents

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万人 山岸
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中村  元
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Ryosuke Tanaka
亮輔 田中
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【課題】金属製のボールチェーンにもフェイルセーフ機能を設けることを可能としたボールチェーンを提供する。【解決手段】金属ボール16aを金属リンク軸16bで連結したボールチェーンであって、第1端部17と第2端部18とが連結部21で連結されている。連結部21は、第1嵌合突部28aを備えた第1金属コネクタ22aと、第2嵌合突部28bを備えた第2金属コネクタ22bと、第1金属コネクタ22aと第2金属コネクタ22bとを連結する連結部材23とを備える。連結部材23の樹脂芯材31は、第1嵌合突部28aが嵌合される第1嵌合凹部と、第2嵌合突部28bが嵌合される第2嵌合凹部32bとを備え、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、樹脂芯材31の樹脂の弾性により、少なくとも、嵌合突部28a,28bが嵌合凹部から外れる。【選択図】図3

Description

本発明は、チェーンの第1端部と第2端部とが連結部で連結されたボールチェーンおよび遮蔽装置に関する。
横型ブラインドにおけるスラットやロールスクリーンにおけるスクリーンの昇降装置には、操作コードとしてボールチェーンが用いられている。例えば、特許文献1には、樹脂製の紐に対して樹脂製のボールを等間隔に形成したボールチェーンが記載されている。そして、操作コードは、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したときに切断されるフェイルセーフ機能を備えている。
特許第5613387号公報
ところで、操作コードとして用いられるボールチェーンの中には、樹脂製ではなく金属製のものがある。金属製のボールチェーンは、複数の金属ボールを、金属リンク軸で連結して構成されることが多い。しかし、金属製のボールチェーンは、樹脂製のボールチェーンとは構成が異なり、また、金属の場合、樹脂の場合と異なり、より細かな凹凸形状を成形することも困難である。したがって、特許文献1の樹脂製のボールチェーンのフェイルセーフ機能をそのまま金属製のボールチェーンに適用することは困難である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、金属製のボールチェーンにもフェイルセーフ機能を設けることを可能としたボールチェーンおよび遮蔽装置を提供することにある。
上記課題を解決するためのボールチェーンは、複数の金属ボールを、金属リンク軸で連結したボールチェーンであって、前記ボールチェーンの第1端部と第2端部とが連結部で連結されたボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、少なくとも、前記第1端部が外れる、または、前記第2端部が外れる。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部を構成するとともに、第1嵌合突部を備えた第1金属コネクタと、前記第2端部を構成するとともに、第2嵌合突部を備えた第2金属コネクタと、前記第1金属コネクタと前記第2金属コネクタとを連結する連結部材であって、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備える連結部材とを備え、前記樹脂芯材は、前記第1嵌合突部が嵌合される第1嵌合凹部と、前記第2嵌合突部が嵌合される第2嵌合凹部とを備え、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記樹脂芯材の樹脂の弾性により、少なくとも、前記第1嵌合突部が前記第1嵌合凹部から外れる、または、前記第2嵌合突部が前記第2嵌合凹部から外れるようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記第1嵌合突部は、第1膨径部を備え、前記第2嵌合突部は、第2膨径部を備え、前記第1嵌合凹部は、前記第1膨径部が係止される第1係止部を備え、前記第2嵌合凹部は、前記第2膨径部が係止される第2係止部を備えるようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部を構成するとともに、嵌合突部を備えた金属製の第1コネクタと、前記第2端部を構成するとともに、前記第1コネクタと連結される第2コネクタとを備え、前記第2コネクタは、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備え、前記樹脂芯材は、前記嵌合突部が嵌合される嵌合凹部を備え、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記樹脂芯材の樹脂の弾性により、前記嵌合突部が嵌合凹部から外れるようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部を保持するとともに、第1嵌合突部を備えた第1金属保持体と、前記第2端部を保持するとともに、第2嵌合突部を備えた第2金属保持体と、前記第1金属保持体と前記第2金属保持体とを連結する連結部材とを備え、前記連結部材は、前記第1嵌合突部が嵌合される第1嵌合凹部と、前記第2嵌合突部が嵌合される第2嵌合凹部とを備え、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、少なくとも、前記第1嵌合突部が前記第1嵌合凹部から外れる、または、前記第2嵌合突部が前記第2嵌合凹部から外れるようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部を構成する金属ボールに配置され、かつ、先端部に係合部を備える弾性片を備えるリンク軸部材であって、前記第2端部を構成する金属ボールの貫通孔に挿入されるリンク軸部材を備え、前記リンク軸部材は、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記弾性片の弾性により、前記係合部が貫通孔から外れるようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、さらに前記一対の弾性片が挿通され、自重で位置が変位する変位部材を備え、前記変位部材は、前記係合部に近づく方向に変位したとき、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を小さくし、前記係合部から離れる方向に変位したとき、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を大きくするようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部から延びる第1金属リンク軸と前記第2端部から延びる第2金属リンク軸とが係止される金属リンクボールを備え、前記第1金属リンク軸は、先端部に第1フランジ部を備え、第2金属リンク軸は、先端部に第2フランジ部を備え、前記金属リンクボールは、前記第1フランジ部が係止される第1貫通孔と、前記第2フランジ部が係止される第2貫通孔と、前記金属リンクボールを開く割線と、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間であって前記割線上に位置する第3貫通孔とを備え、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記金属リンクボールは、前記割線から開き、少なくとも、前記第1フランジ部が前記第1貫通孔から外れる、または、前記第2フランジ部が前記第2貫通孔から外れることを許容するようにしてもよい。
上記ボールチェーンにおいて、前記連結部は、前記第1端部から延びる第1金属リンク軸と前記第2端部から延びる第2金属リンク軸とが係止される金属リンクボールを備え、前記金属リンクボールは、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備え、前記樹脂芯材は、前記第1金属リンク軸のフランジ部が圧入可能な挿通孔および前記第2金属リンク軸のフランジ部が圧入可能な挿通孔と連通した空間部を内部に備え、前記金属カバーは、前記挿通孔を外部に臨ませ、前記フランジ部が挿通可能な貫通孔を備え、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記フランジ部が前記空間部から外れるようにしてもよい。
上記課題を解決するための遮蔽装置は、複数の金属ボールを、金属リンク軸で連結したボールチェーンであって、前記ボールチェーンの第1端部と第2端部とが連結部で連結された無端のボールチェーンがプーリに掛装されており、操作されることにより、遮蔽材が開閉される遮蔽装置において、前記ボールチェーンの前記プーリーに対して一方の部分には、前記連結部が位置し、前記ボールチェーンの前記プーリーに対して他方の部分には、さらなる前記連結部が位置し、前記連結部は、前記一方の部分に位置する場合と前記他方の部分に位置する場合とで一方の端部の外れ易さが異なる。
上記遮蔽装置において、前記一方の部分の連結部は、前記遮蔽材を開ける通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れ、前記他方の部分の連結部は、前記遮蔽材を閉じる通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れるようにしてもよい。
上記遮蔽装置において、前記一方の部分は、継続的に操作されたとき、前記遮蔽材が閉じるおよび開くのうちの何れか一方の動作状態となり、一時的に操作されたとき、他方の動作状態となり、前記一方の部分の前記連結部は、前記一方の部分で行われる通常の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れ、前記一方の部分の前記連結部は、前記一方の部分で行われる通常の引張り力より低い引張り力が作用したとき外れるようにしてもよい。
上記遮蔽装置において、前記連結部は、前記第1端部を構成する金属ボールに配置され、かつ、先端部に係合部を備える弾性片を備えるリンク軸部材であって、前記第2端部を構成する金属ボールの貫通孔に挿入されるリンク軸部材と、前記一対の弾性片が挿通され、自重で位置が変位する変位部材とを備え、前記変位部材は、前記一方の部分に前記連結部が位置するとき、前記係合部から離れる方向に変位して、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を大きくし、前記他方の部分に前記連結部が位置するとき、前記係合部に近づく方向に変位して、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を小さくするようにしてもよい。
本発明によれば、金属製のボールチェーンにもフェイルセーフ機能を設けることができる。
第1実施形態における横型ブラインドの正面図。 (a)は、第1実施形態におけるボールチェーンの要部正面図、(b)は、ボールチェーンの要部拡大断面図、(c)は、連結部の要部拡大正面図。 第1実施形態におけるボールチェーンの第1端部と第2端部とを連結する連結部の分解斜視図。 第1実施形態における第1金属コネクタおよび第2金属コネクタを示す図であり、(a)は、正面図、(b)は、側面図、(c)は、平面図。 第1実施形態における連結部材を構成する樹脂芯材を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、底面図、(c)は、(a)のc−c断面図、(d)は、(a)のd−d断面図。 (a)は、第2実施形態におけるボールチェーンの第1端部と第2端部とを連結する連結部の分解斜視図、(b)は、第2端部を反対側か見た斜視図。 第3実施形態におけるボールチェーンの側面図。 第4実施形態におけるボールチェーンの側面図であって、(a)は、リンク軸部材が互いに隣接する金属ボールを連結している状態を示し、(b)は、金属ボールの貫通孔を通過している状態を示し、(c)は、リンク軸部材の係合部が貫通孔から外れた状態を示す。 第5実施形態におけるボールチェーンの側面図であって、(a)は、変位部材が弾性片の基端部側に変位している状態を示し、(b)は、ボール部の貫通孔を通過している状態を示し、(c)は、リンク軸部材の係合部が貫通孔から外れた図、(d)は、変位部材が係合部側に変位した状態を示す。 横型ブラインドの側面図。 第6実施形態における金属リンクボールの斜視図。 第6実施形態における金属リンクボールの側面図であって、(a)は、金属リンクボールに対して2つのリンク軸が連結されている状態を示し、(b)は、一方のリンク軸が引っ張られている状態を示し、(c)は、リンク軸が抜けた状態を示す。 第7実施形態における金属リンクボールの側面図であって、(a)は、金属ボールが連結された状態を示し、(b)は、リンク軸が抜けた状態を示す。
以下、本発明を適用したボールチェーンを操作コードに用いた横型ブラインドについて、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、横型ブラインドは、ボトムレールおよびスラットの昇降装置が配設されるヘッドボックス1から吊下支持されるラダーテープ2に多数段のスラット3が支持され、そのラダーテープ2の下端にボトムレール4が取着されている。
スラット3には前記ラダーテープ2の支持位置近傍で昇降コード5が挿通され、その昇降コード5の下端にボトムレール4が吊下支持されている。昇降コード5の上端はヘッドボックス1内に配設される支持部材6に回転可能に支持された巻取軸7に巻着されている。
ヘッドボックス1の一端には、プーリー8が回転可能に支持され、そのプーリー8に無端状のボールチェーン9が掛装されている。そして、ボールチェーン9を操作してプーリー8を正逆方向に回転させると、ギヤボックス10及び昇降軸12aなどを介して巻取軸7が回転され、昇降コード5が巻取軸7に巻き取られあるいは巻戻されて、スラット3及びボトムレール4が昇降される。
また、プーリー8を回転させると、ギヤボックス10、チルトユニット11、チルト軸12bなどを介してチルトドラム13が回動され、ラダーテープ2を介して各スラット3が回動されるようになっている。
次に、ボールチェーン9の具体的構成を説明する。図2(a)に示すように、ボールチェーン9は、横型ブラインドの操作コードであって、金属製のボールチェーンである。ボールチェーン9は、多数の金属ボール16a(以下単に、ボール16aという。)と、互いに隣り合うボール16a同士を連結する金属リンク軸16b(以下単に、リンク軸16bという。)とを備えている。ボール16aは、ステンレスなどの金属板をかしめることにより球体に成形されており、相対する2つの頂部には、凹部同士が突き合わせて構成した貫通孔16dが構成されている。ボール16aのボール径は、例えば数ミリ程度、好ましくは4.5mmである。図2(b)に示すように、リンク軸16bは、直線状部材であって、各端部には、フランジ部16cを備えている。リンク軸16bは、展開状態のボール16aの凹部に係合され、その後かしめられることによって球体形状とされ、さらに、フランジ部16cがボール16aの内側に配置され、リンク軸16bのボール16aに対する抜け止めとなる。互いに隣接するボール16aは、リンク軸16bによって連結され、1本のボールチェーン9となる。図2(c)に示すように、環状になる前の1本のボールチェーン9の両端部、すなわち第1端部17と第2端部18は、連結部21によって連結され、無端チェーンとなる。
図3に示すように、連結部21は、第1端部17を構成する第1金属コネクタ22a(以下単に、第1コネクタ22aともいう。)と、第2端部18を構成する第2金属コネクタ22b(以下単に、第2コネクタ22bともいう。)と、第1コネクタ22aと第2コネクタ22bとを連結する連結部材23とを備えている。なお、第1コネクタ22aと第2コネクタ22bとは同じ構成を有するため、まとめて金属コネクタ22(単に、コネクタ22ともいう。)ともいう。
図4(a)、(b)および(c)に示すように、コネクタ22は、金属成形体であって、球を1つの平面で切り取った球欠形状を有した球欠部26と、球欠部26の頂部より導出されたリンク軸部27と、リンク軸部27とは反対側の底面部に構成された嵌合突部28とを備えている。なお、第1コネクタ22aの嵌合突部を第1嵌合突部28aといい、第2コネクタ22bの嵌合突部を第2嵌合突部28bともいう。
球欠部26は、球体の1/3程度の位置で切り取った形状を有している。リンク軸部27は、基端部が球欠部26の頂部に位置し、その先端部には、抜け止め部27aが設けられている。リンク軸部27は、隣接するボール16aの貫通孔16dに係合される。
嵌合突部28は、球欠部26の平坦な底面部に対して丸軸状に突出形成されている。嵌合突部28の先端部の外周面上には、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部29が形成され、その膨径部29の中間には断面半円状の凹部30がそれぞれ形成されている。なお、第1コネクタ22a側の膨径部29を第1膨径部29aともいい、第2コネクタ22b側の膨径部29を第2膨径部29bともいう。
連結部材23は、全体が平行な2つの平面にはさまれた球台形状を有している。樹脂芯材31と、樹脂芯材31を覆う金属カバー36とを備えている。樹脂芯材31は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの合成樹脂材料による成形体であって、球台形状を有している。樹脂芯材31は、高さ方向に貫通孔を備えており、図5(a)に示すように、貫通孔は、第1コネクタ22a側に臨む第1平面に第1嵌合凹部32aを構成し、図5(b)に示すように、第2コネクタ22b側に臨む第2平面に第2嵌合凹部32bを構成している。なお、第1嵌合凹部32aおよび第2嵌合凹部32bをまとめて嵌合凹部32ともいう。
金属カバー36は、樹脂芯材31の側面である球帯を覆う部材であり、展開された状態で内側に樹脂芯材31を配置し、かしめにより球帯に密着するように閉じられる。したがって、第1嵌合凹部32aおよび第2嵌合凹部32bは、金属カバー36によって覆われず露出する。
第1嵌合凹部32aおよび第2嵌合凹部32bは、嵌合突部28の膨径部29を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。また、第1嵌合凹部32aおよび第2嵌合凹部32bは、その俵形の方向が円筒の中心に対し互いに90度回転した形状となっている。
図5(c)および(d)に示すように、樹脂芯材31の内部において、貫通孔は、嵌合突部28の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔33が構成されている。第1嵌合凹部32aの俵形の短軸方向の開口縁には、第1嵌合突部28aの第1膨径部29aの円形孔33からの抜けを妨げる第1係止部34aがそれぞれ形成され、第2嵌合凹部32bの俵形の短軸方向の開口縁には、第2嵌合突部28bの第2膨径部29bの円形孔33からの抜けを妨げる第2係止部34bがそれぞれ形成されている。以下、第1係止部34aおよび第2係止部34bをまとめて係止部34ともいう。円形孔33の内周面には、凹部30に係合する突起35がそれぞれ形成されている。凹部30および突起35は、位置決め手段として機能する。
第1コネクタ22aの第1嵌合突部28aと樹脂芯材31の第1嵌合凹部32aとを連結するには、第1嵌合突部28aを第1嵌合凹部32aに挿入し、第1嵌合突部28aを樹脂芯材31に対し90度一方向に回動する。すると、第1嵌合凹部32aの凹部30が円形孔33内の突起35に係合して位置決めされる。また、第2コネクタ22bの第2嵌合突部28bと樹脂芯材31の第2嵌合凹部32bとを連結するにも、第2嵌合突部28bを第2嵌合凹部32bに挿入し、第2嵌合突部28bを樹脂芯材31に対し90度一方向に回動する。すると、第2嵌合凹部32bの凹部30が円形孔33内の突起35に係合して位置決めされる。これにより、第1端部17と第2端部18とが連結部21によって連結されることになる。連結部材23に第1コネクタ22aおよび第2コネクタ22bが連結された状態は、他のボール16aとほぼ同じ大きさと形状を備えていることになる。そして、無端状のボールチェーン9が構成される。
次に、以上のように構成された第1実施形態において、ボールチェーン9を備えた横型ブラインドの作用について説明する。
このように構成されたボールチェーン9では、前記ボールチェーン9の連結部21以外におけるボール16a同士の間隔と連結部21(連結部材23に第1コネクタ22aおよび第2コネクタ22bが連結された状態)と隣接するボール16aとの間隔とが同一とされる。したがって、ボールチェーン9はプーリー8に対し制限なく周回可能となる。
また、連結部材23に第1コネクタ22aおよび第2コネクタ22bが連結された状態では、第1嵌合突部28aの膨径部29が第1係止部34aに係止されて、円形孔33内に保持される。また、第2嵌合突部28bの膨径部29が第2係止部34bに係止されて、円形孔33内に保持される。この係止状態は、膨径部29の凹部30に突起35が係合されることで位置決めされる。この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、嵌合突部28が嵌合凹部32から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、樹脂芯材31の係止部34a,34bの合成樹脂の弾性により、膨径部29により嵌合凹部32が押し広げられて、嵌合突部28が嵌合凹部32から外れる。
以上のような第1実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1−1)連結部21において、連結部材23に対してコネクタ22を連結することで、金属製のボールチェーン9のフェイルセーフ機能を実現することができる。
(1−2)コネクタ22は金属製であり、連結部材23も樹脂芯材31を金属カバー36で被覆して金属製の外観を有する。したがって、ボールチェーン9において、連結部21の意匠は、他の部分と同じような意匠とすることができる。
(1−3)嵌合突部28を嵌合凹部32に挿入して90度回動させることにより、膨径部29を係止部34に係止させる構成としたので、嵌合突部28を嵌合凹部32に嵌合するための操作力を軽微としながら、嵌合突部28を連結部材23に保持する保持力を十分に確保することができる。
(1−4)連結部21の嵌合が外れた後は、コネクタ22の嵌合突部28を嵌合凹部32に再度嵌合すれば、無端状のボールチェーン9として容易に再生することができる。
(1−5)嵌合突部28を嵌合凹部32に嵌合するための操作力が軽微であるので、工具を使用することなく、嵌合突部28を嵌合凹部32に再嵌合することができる。したがって、連結部21が外れても、居住者が容易に復帰させることができる。
(1−6)連結部21以外におけるボール16a同士の間隔と、連結部21(連結部材23に第1コネクタ22aおよび第2コネクタ22bが連結された状態)と隣接するボール16aとの間隔とが同一とされる。したがって、ボールチェーン9はプーリー8に対し制限なく周回可能となる。
(1−7)膨径部29の凹部30に突起35が係合される。これにより、嵌合突部28は、係止部34に膨径部29が係止された状態に位置決めされる。すなわち、使用中に誤って、嵌合突部28が回転して嵌合凹部32から外れてしまうことを防止できる。
なお、以上のような第1実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・突起35を膨径部29に設けて、凹部30を円形孔33の内周面に設けるようにしてもよい。
・膨径部29が円形孔33の内周面と摩擦により回転しにくく構成されている場合などは、膨径部29が回転しにくく位置もずれにくいので突起35と凹部30の構成を省略してもよい。
・円形孔33の内周面に設けられた突起35は、相対する位置に1つずつ、合計で2つ設けるようにしてもよい。また、突起35を設ける位置は、上述の例に限定されるものではなく、凹部30が設けられる位置との相対関係で決められる。
・連結部材23は、樹脂芯材31と金属カバー36で構成するのではなく、金属部材1部品で構成して、嵌合凹部32、係止部34、突起35などを成形により設けてもよい。また、連結部材23は、樹脂部材だけで構成してもよい。樹脂部材の場合は、表面が金属光沢を有するように塗装したり、めっき処理を施してもよい。
〔第2実施形態〕
図6(a)および(b)に第2実施形態の連結部41を示す。第2実施形態における連結部41は、第1端部17を構成する第1コネクタ42と、第2端部を構成する第2コネクタ43とを備えている。
第1コネクタ42は、金属成形体であって、球を1つの平面で切りとった球欠形状を有した球欠部46と、球欠部46の頂部より導出されたリンク軸部47と、リンク軸部47とは反対側の底面部に構成された嵌合突部48とを備えている。球欠部46、リンク軸部47、および、嵌合突部48は、球欠部26と同様な構成を有しおり、リンク軸部47は、先端部には、抜け止め部47aが設けられている。リンク軸部47は、隣接するボール16aの貫通孔16dに係合される。
嵌合突部48は、球欠部26の平坦な底面部に対して丸軸状に突出形成されている。嵌合突部48の先端部の外周面上には、丸軸の中心に対し線対称状に膨径部49が形成され、その膨径部49の中間には断面半円状の凹部50がそれぞれ形成されている。
第2コネクタ43は、樹脂芯材51と、樹脂芯材31を覆う金属カバー56とを備えている。樹脂芯材51は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアセタールなどの合成樹脂材料による成形体であって、球台形状を有している。樹脂芯材51は、高さ方向に嵌合凹部52を構成する貫通孔を備えている。嵌合凹部52は、貫通孔において第1平面に臨む部分に構成される。
金属カバー56は、樹脂芯材51の第1面を除き、側面である球帯および樹脂芯材51の第1面とは反対側の第2面側を球面で覆う部材であり、展開された状態で内側に樹脂芯材51が配置され、かしめにより球帯に密着するように閉じられる。そして、第2平面側には、球欠形状を有した球欠空間部45を構成する。したがって、嵌合凹部52のみが金属カバー56によって覆われない。金属カバー56は、球欠空間部45の頂部に、貫通孔56aを構成する。貫通孔56aには、リンク軸16bが挿通され、フランジ部16cがボール16aの内側に配置され、リンク軸16bのボール16aに対する抜け止めとなる。
嵌合凹部52は、嵌合突部48の膨径部49を含む先端部を挿入可能とした俵形に形成されている。樹脂芯材51の内部において、嵌合凹部52の奥には、嵌合突部48の先端部を回動可能とする径を備えた円形孔53が構成されている。嵌合凹部52の俵形の短軸方向の開口縁には、嵌合突部48の膨径部49の円形孔53からの抜けを妨げる係止部54が形成されている。円形孔53の内周面には、凹部50に係合する突起55がそれぞれ形成されている。
第1コネクタ42の嵌合突部48と樹脂芯材51の嵌合凹部52とを連結するには、嵌合突部48を嵌合凹部52に挿入し、嵌合突部48を樹脂芯材51に対し90度時計方向に回動する。すると、嵌合凹部52の凹部50が円形孔53内の突起55に係合して位置決めされる。これにより、第1端部17と第2端部18とが連結部41によって連結されることになる。第1コネクタ42および第2コネクタ43が連結された状態は、他のボール16aとほぼ同じ大きさと形状を備えることになる。そして、無端状のボールチェーン9が構成される。
次に、以上のように構成された第2実施形態において、ボールチェーン9を備えた横型ブラインドの作用について説明する。
このように構成されたボールチェーン9では、ボールチェーン9の連結部41以外におけるボール16aの間隔と、連結部41(第1コネクタ42および第2コネクタ43が連結された状態)と隣接するボール16aとの間隔が同一間隔とされる。したがって、ボールチェーン9はプーリー8に対し制限なく周回可能となる。
また、第1コネクタ42および第2コネクタ43が連結された状態では、嵌合突部48の膨径部49が嵌合凹部52の係止部54に係止されて、円形孔53内に保持される。この係止状態は、膨径部49の凹部30に突起55が係合されることで位置決めされる。この保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、嵌合突部48が嵌合凹部52から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、樹脂芯材51の係止部54の合成樹脂の弾性により、膨径部49により嵌合凹部52が押し広げられて、嵌合突部48が嵌合凹部52から外れる。
以上のような第2実施形態は、第1実施形態の効果に加えて以下のように列挙する効果を得ることができる。
(2−1)連結部41は、第1コネクタ42と第2コネクタ43とを連結するだけでよく、第1実施形態と比べて、連結部材23が不要となる点で部品点数を削減することができる。
なお、以上のような第2実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・突起55を膨径部49に設けて、凹部50を円形孔53の内周面に設けるようにしてもよい。
・膨径部49が円形孔53の内周面と摩擦により回転しにくく構成されている場合などは、膨径部49が回転しにくく位置もずれにくいので突起55と凹部50の構成を省略してもよい。
・円形孔53の内周面に設けられた突起55は、相対する位置に1つずつ、合計で2つ設けるようにしてもよい。また、突起55を設ける位置は、上述の例に限定されるものではなく、凹部50が設けられる位置との相対関係で決められる。
・第2コネクタ43は、樹脂芯材51と金属カバー56で構成するのではなく、金属ボール一部品で構成して、金属ボールに嵌合凹部52、係止部54、突起55、貫通孔56aなどを成形により設けてもよい。また、第2コネクタ43は、樹脂芯材51だけで構成してもよい。樹脂芯材51の場合は、表面が金属光沢を有するように塗装したり、めっき処理を施してもよい。
〔第3実施形態〕
図7に第3実施形態の連結部61を示す。連結部61は、第1端部17を保持する第1金属保持体62aと、第2端部18を保持する第2金属保持体62bと、第1金属保持体62aと第2金属保持体62bとを連結する連結部材63とを備えている。なお、第1金属保持体62aと第2金属保持体62bとは同じ構成を有するため、まとめて金属保持体62(単に、保持体62ともいう。)ともいう。連結部材63は、金属ボール一部品で構成して、嵌合凹部32、係止部34、突起35などを成形により設けている。
保持体62は、金属成形品であって、ボールチェーン9の端部17,18を構成するボール16aおよびボール16aより延出するリンク軸16bを係合保持する保持溝66を備えている。そして、保持体62の連結側の端部は、第1実施形態における嵌合突部28と同じ嵌合突部28を備えている。なお、第1保持体62aの嵌合突部を第1嵌合突部28aといい、第2保持体62bの嵌合突部を第2嵌合突部28bともいう。嵌合突部28は、膨径部29を備え、膨径部29は、凹部30を備えている(図3および図4参照)。
連結部材63は、第1保持体62a側に臨む第1平面に第1嵌合凹部32aを構成し、第2保持体62b側に臨む第2平面に第2嵌合凹部32bを構成している。なお、第1嵌合凹部32aおよび第2嵌合凹部32bをまとめて嵌合凹部32ともいう(図3および図5参照)。嵌合凹部32は、係止部34、突起35などを備えている。
第1保持体62aが連結部材63の第1嵌合凹部32aに嵌合され、第2保持体62bが連結部材63の第2嵌合凹部32bに嵌合される。これにより、第1端部17と第2端部18とが連結部61によって連結される。これにより、無端状のボールチェーン9が構成される。連結部材63の保持力は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、嵌合突部28が嵌合凹部32から外れることがないように設定されている。そして、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、嵌合突部28が嵌合凹部32から外れる。
以上のような第3実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(3−1)連結部材63に対して第1保持体62aおよび第2保持体62bを連結することによって、フェイルセーフ機能を実現することができる。
なお、以上のような第3実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・連結部材63は、樹脂芯材31と、樹脂芯材31を覆う金属カバー36で構成されていてもよい。また、連結部材63は、樹脂成形品であってもよい。樹脂成形品の場合は、表面が金属光沢を有するように塗装したり、めっき処理を施してもよい。
〔第4実施形態〕
図8(a)〜(c)に第4実施形態の連結部71を示す。第4実施形態における連結部71は、第1端部17を構成するボール16aに配置されるリンク軸部材72を備えている。リンク軸部材72は、板バネなどの鋼帯を折曲して構成されており、一対の弾性片73を備えている。各弾性片73は、基端部73aから延びており、弾性片73の先端部に外側に向かって突出する係合部73bを備えている。基端部73aは、ボール16aの貫通孔16dを抜けることのない大きさを備え抜け止め部となっている。一対の弾性片73は、第2端部18のボール16aの貫通孔16dに挿入される。一対の弾性片73は、貫通孔16dに挿入するとき、一時的に互いに近接する方向に撓まされ、係合部73bがボール16a内に進入したとき、弾性復帰する。これにより、係合部73bは、貫通孔16dに係合する。
一対の弾性片73は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、係合部73bが貫通孔16dから外れることはない程度の弾性を有している。そして、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、係合部73bが貫通孔16dから外れる。
以上のような第4実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(4−1)第1端部17と第2端部18は、既存のボール16aを流用し、リンク軸として、リンク軸部材72を用いるだけで、フェイルセーフ機能を実現することができる。
(4−2)リンク軸部材72は、鋼帯を折曲する簡単な構成で実現できる。
なお、以上のような第4実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・弾性片73の本数は、複数本であれば2本に限定されるものではない。
・リンク軸部材72は、樹脂成形部品であってもよい。樹脂成形品の場合は、表面が金属光沢を有するように塗装したり、めっき処理を施してもよい。
〔第5実施形態〕
図9(a)〜(d)に第5実施形態の連結部71を示す。第5実施形態における連結部71は、第4実施形態の連結部71に対して変位部材76を備えている。変位部材76は、各弾性片73が挿通される孔で構成された挿通部76aと、挿通部76aの間に構成される間隙維持部76bとを備えている。間隙維持部76bは、隣接する弾性片73の間隙を維持する。変位部材76は、弾性片73に沿って基端部73aと係合部73bとの間を自重で変位する。変位部材76は、金属部品で構成されていてもよいし、樹脂部品で構成されていてもよい。
変位部材76は、係合部73bが上向きか下向きかによって、自重で弾性片73に沿って、係合部73b側に変位したり、係合部73bとは反対側の基端部73aの側に変位する。そして、変位部材76は、係合部73b側に変位したとき、変位部材76と係合部73bとの間が短くなり、弾性片73が大きく変位しづらい状態となる。また、変位部材76は、基端部73aの側に変位したとき、変位部材76と係合部73bとの間が長くなり、短い場合と比べて弾性片73が大きく変位し易い状態となる。すなわち、リンク軸部材72は、係合部73bが上方を向くか下方を向くかで変位部材76が変位し、貫通孔16dからの外れ易さが変化するように構成されている。
図10に示すように、ボールチェーン9は、プーリー8に掛装されており、操作者から見て手前側に垂下する部分が下方(図中矢印方向)に引っ張られることによって昇降コード5が巻取軸7に巻き取られる。したがって、最下位置のボトムレール4を引き上げるときには、ボールチェーン9には、継続的に、スラット3やボトムレール4を引き上げるための荷重か加わる。一方で、ボトムレール4を下げるときには、ボールチェーン9の操作者から見て奥側の部分を一時的に引っ張ることによって、ロックが解除され、ボトムレール4が自然に降下する。
すなわち、ボールチェーン9の使い方として、操作者から見て手前側は、継続的に下方に引っ張る使い方がされることが多い一方で、操作者から見て奥側は、一時的に下方に引っ張れる使い方が多い。そして、操作者から見て奥側を引っ張る力、すなわちボトムレール4を下げる操作をするときの力は、操作者から見て手前側を引っ張る力、すなわちスラット3やボトムレール4を引き上げる操作をするときよりも小さい。
そこで、環状のボールチェーン9において、連結部71は、180度離れた位置に2つ設けられている。そして、操作者から見て奥側に位置するリンク軸部材72は、係合部73bが上方を向くように取り付けられる(図9(a)および図10参照)。そして、操作者から見て手前側に位置するリンク軸部材72は、係合部73bが下方を向くように取り付けられる(図9(d)および図10参照)。このようにリンク軸部材72が2カ所に取り付けられることで、常に、連結部71は、操作者から見て奥側および手前側に位置する。そして、変位部材76は、自重で下方に位置する基端部73aまたは係合部73b側に変位する。
具体的には、リンク軸部材72が操作者から見て奥側に位置する場合、変位部材76は、弾性片73の基端部73a側に変位し、弾性片73の変位部材76よりも先の部分が長くなり、結果として、変位量も大きくなり、変位し易くなる。これにより、係合部73bが貫通孔16dから外れ易くなる。係合部73bが貫通孔16dから外れ易くなるといっても、係合部73bは、ボトムレール4を下げるため一時的に下方に引っ張る通常の引張り力が作用しても、貫通孔16dから外れることはない保持力を有している。
一方で、リンク軸部材72が操作者から見て手前側に位置する場合、変位部材76は、弾性片73の係合部73b側に変位し、弾性片73の変位部材76よりも先の部分が短くなり、結果として、変位量も小さくなり、変位しにくくなる。これにより、係合部73bが貫通孔16dから外れにくくなる。係合部73bは、スラット3やボトムレール4を引き上げるため継続的に下方に引っ張る通常の引張り力が作用しても、貫通孔16dから外れることはない保持力を有している。
リンク軸部材72は、リンク軸部材72が操作者から見て奥側に位置するときと奥側に位置するときとでは、リンク軸部材72が奥側に位置するときの方が係合部73bが貫通孔16dから外れ易い。ボールチェーン9に対して通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときには、係合部73bが貫通孔16dから外れ易い操作者から見て奥側に位置するリンク軸部材72の係合部73bが貫通孔16dから外れる。
以上のような第5実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(5−1)連結部71を180度離れた位置に2つ設け、リンク軸部材72が操作者から見て手前側に位置するか奥側に位置するかで係合部73bの貫通孔16dからの外れ易さを変えることができる。これにより、スラット3やボトムレール4の昇降操作を可能としながら、フェイルセーフ機能を実現することができる。
なお、以上のような第5実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ボールチェーン9は、上述の例とは逆に、操作者から見て手前側に垂下する部分を一時的に下方(図中矢印方向)に引っ張ることによって、ロックが解除され、ボトムレール4が自然に降下するようにする。そして、操作者から見て奥側の部分を継続的に引っ張りことによって、スラット3やボトムレール4を引き上げるようにしてもよい。この場合、ボールチェーン9において、操作者から見て手前側は、図9(a)の状態となり、奥側は、図9(d)の状態となる。
・操作者から見て手前側に垂下する部分が継続的に下方に引っ張られたとき、スラット3やボトムレール4が引き上げられ、一時的に下方に引っ張られたとき、ロックが解除されて、スラット3やボトムレール4が降下するようにしてもよい。この場合、操作者から見て手前側に垂下する部分の連結部は、係合部73bが下方を向き、係合部73bの方向に変位部材76が変位し、貫通孔16dから外れにくい状態となる。一方で、操作者から見て奥側の部分の連結部は、係合部73bが上方を向き、係合部73bから離れる方向に変位部材76が変位し、貫通孔16dから外れ易い状態となる。例えば、操作者から見て奥側の部分の連結部は、手前側の連結部が外れる引張り力とは異なる引張り力であって、例えばボールチェーン9に物が引っ掛かったときなど引張り力以上の引張り力が作用したときに外れる。
なお、これとは逆に、操作者から見て手前側に垂下する部分が一時的に下方に引っ張られたとき、スラット3やボトムレール4が引き上げられ、継続的に下方に引っ張られたとき、スラット3やボトムレール4が降下するようにしてもよい。また、この変形例では、操作者から見て手前側に垂下する部分でスラット3やボトムレール4の昇降操作が行われるが、これとは逆に、操作者から見て奥側に垂下する部分でスラット3やボトムレール4の昇降操作が行われるようにしてもよい。
・ボールチェーン9を引っ張るときは、直下に引っ張るだけでなく、斜め下方に引っ張る場合も含む。
・ボールチェーン9は、プーリー8を介して前後方向に垂下されているのではなく、ヘッドボックスの正面に取り付けられプーリー8を介して幅方向(左右)に垂下されるように取り付けられていてもよい。このときのプーリー8は、回転軸がヘッドボックスの前後方向となるように設けられている。
〔第6実施形態〕
図11および図12(a)〜(c)に第6実施形態の連結部81を示す。第6実施形態における連結部81は、第1端部17を構成するボール16a(第1金属ボール)から延出するリンク軸16b(第1金属リンク軸)と第2端部18を構成するボール16a(第2金属ボール)から延出するリンク軸16b(第2金属リンク軸)とを連結する金属リンクボール82を備えている。金属リンクボール82は、第1端部17のリンク軸16bの第1フランジ部16cが係止される第1貫通孔82aと、第2端部18のリンク軸16bの第2フランジ部16cが係止される第2貫通孔82bとを備えている。また、第1貫通孔82aと第2貫通孔82bとが対向する位置に設けられており、第1貫通孔82aと第2貫通孔82bとの間は、割線82cで繋がれている。また、第1貫通孔82aと第2貫通孔82bとの中間であって割線82c上には、第3貫通孔82dを備えている。金属リンクボール82は、板バネなどの鋼帯を成形して構成されており、かしめられることによって割線82cの部分で閉じられている。割線82cは、リンク軸16bが貫通孔82a,82b,82dから抜ける程度に開いても閉じた状態に戻るように構成されている。
図12(a)に示すように、金属リンクボール82は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、リンク軸16bの第1フランジ部16cが第1貫通孔82aから外れたり、第2フランジ部16cが第2貫通孔82bから外れることはない。ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときに限り、割線82cで金属リンクボール82が一時的に開くことになる(図12(b)参照)。これにより、第1フランジ部16cが第1貫通孔82aから外れることになる(図12(c)参照)。場合によっては、第2フランジ部16cが第2貫通孔82bから外れたりすることもある。金属リンクボール82は、フランジ部が外れた後は割線82cが閉じた状態に戻る。
外れたリンク軸16bを再度金属リンクボール82に取り付けるには、外れたリンク軸16bが第3貫通孔82dより一時的に割線82cを開いてフランジ部16cが挿入され、第1貫通孔82aまたは第2貫通孔82bに移動される。
以上のような第6実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(6−1)金属リンクボール82によって、フェイルセーフ機能を実現できる。
(6−2)リンク軸16bは流用し、金属リンクボール82は、第1貫通孔82aおよび第2貫通孔82bと割線82cに加え、第3貫通孔82dを設けることによって構成することができる。
〔第7実施形態〕
図13(a)〜(b)に第7実施形態の連結部91を示す。第7実施形態における連結部91は、リンクボール92を備えている。リンクボール92は、樹脂芯材93と、樹脂芯材93を覆う金属カバー94とを備えている。
樹脂芯材93は、内部に空間部93aを備えている。樹脂芯材93は、空間部93aと外部とを連通する第1挿通孔96aを第1端部17側に備え、第2挿通孔96bを第2端部18側に備えている。以下、第1挿通孔96aと第2挿通孔96bをまとめて挿通孔96ともいう。挿通孔96は、フランジ部16eが圧入可能な直径を有している。リンク軸16bは、端部のフランジ部16eが挿通孔96を通じて空間部93aの内部に圧入される。なお、挿通孔96に圧入されるフランジ部16eは、ボール16aの貫通孔16dに嵌合されるフランジ部16cより小径に形成されている。挿通孔96に嵌合されるフランジ部16eは、挿通孔96に対して圧入される。
金属カバー94は、貫通孔95を備えている。貫通孔95は、フランジ部16eが挿通可能な大きさを有している。金属カバー94は、かしめにより樹脂芯材93に密着するように閉じられる。
リンクボール92は、通常のスラット昇降操作及びスラット角度調節操作時にボールチェーン9に作用する通常の引張り力では、挿通孔96の周囲にフランジ部16cが係止されているので、フランジ部16cが空間部93aから抜けることはない。しかし、ボールチェーン9に通常の引張り力を超える大きな引張り力が作用したときには、樹脂芯材93の弾性により、挿通孔96からフランジ部16eが外れる。
以上のような第7実施形態は、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(7−1)リンクボール92によって、フェイルセーフ機能を実現できる。
(7−2)リンク軸16bは流用し、リンクボール92を樹脂芯材93と金属カバー94とで構成することができる。
なお、以上のような第1実施形態〜第7実施形態は、さらに、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ボールチェーン9を用いる遮蔽装置としては、横型ブラインドだけでなく、ロールスクリーンや縦型ブラインドなどであってもよい。ボールチェーン9は、これらのスラットやスクリーンなどの遮蔽材を開閉する操作コードとして使用される。
1…ヘッドボックス、2…ラダーテープ、3…スラット、4…ボトムレール、5…昇降コード、6…支持部材、7…巻取軸、8…プーリー、9…ボールチェーン、10…ギヤボックス、11…チルトユニット、12a…昇降軸、12b…チルト軸、13…チルトドラム、16a…ボール、16b…リンク軸、16c…フランジ部、16d…貫通孔、16e…フランジ部、17…第1端部、18…第2端部、21…連結部、22…コネクタ、22a…第1金属コネクタ、22b…第2金属コネクタ、23…連結部材、26…球欠部、27…リンク軸部、27a…抜け止め部、28…嵌合突部、28a…第1嵌合突部、28b…第2嵌合突部、29a…第1膨径部、29b…第2膨径部、30…凹部、31…樹脂芯材、32…嵌合凹部、32a…第1嵌合凹部、32b…第2嵌合凹部、33…円形孔、34a…第1係止部、34b…第2係止部、35…突起、36…金属カバー、41…連結部、42…第1コネクタ、43…第2コネクタ、45…球欠空間部、46…球欠部、47…リンク軸部、47a…抜け止め部、48…嵌合突部、49…膨径部、50…凹部、51…樹脂芯材、52…嵌合凹部、53…円形孔、54…係止部、55…突起、56…金属カバー、56a…貫通孔、61…連結部、62…保持体、62a…第1金属保持体、62b…第2金属保持体、63…連結部材、66…保持溝、71…連結部、72…リンク軸部材、73…弾性片、73a…基端部、73b…係合部、76…変位部材、76a…挿通部、76b…間隙維持部、81…連結部、82…金属リンクボール、82a…第1貫通孔、82b…第2貫通孔、82c…割線、82d…第3貫通孔、91…連結部、92…リンクボール、93…樹脂芯材、93a…空間部、94…金属カバー、95…貫通孔、96a…第1挿通孔、96b…第2挿通孔。

Claims (13)

  1. 複数の金属ボールを、金属リンク軸で連結したボールチェーンであって、前記ボールチェーンの第1端部と第2端部とが連結部で連結されたボールチェーンにおいて、
    前記連結部は、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、少なくとも、前記第1端部が外れる、または、前記第2端部が外れる
    ボールチェーン。
  2. 前記連結部は、
    前記第1端部を構成するとともに、第1嵌合突部を備えた第1金属コネクタと、
    前記第2端部を構成するとともに、第2嵌合突部を備えた第2金属コネクタと、
    前記第1金属コネクタと前記第2金属コネクタとを連結する連結部材であって、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備える前記連結部材とを備え、
    前記樹脂芯材は、前記第1嵌合突部が嵌合される第1嵌合凹部と、前記第2嵌合突部が嵌合される第2嵌合凹部とを備え、
    前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記樹脂芯材の樹脂の弾性により、少なくとも、前記第1嵌合突部が前記第1嵌合凹部から外れる、または、前記第2嵌合突部が前記第2嵌合凹部から外れる
    請求項1に記載のボールチェーン。
  3. 前記第1嵌合突部は、第1膨径部を備え、
    前記第2嵌合突部は、第2膨径部を備え、
    前記第1嵌合凹部は、前記第1膨径部が係止される第1係止部を備え、
    前記第2嵌合凹部は、前記第2膨径部が係止される第2係止部を備える
    請求項2に記載のボールチェーン。
  4. 前記連結部は、
    前記第1端部を構成するとともに、嵌合突部を備えた金属製の第1コネクタと、
    前記第2端部を構成するとともに、前記第1コネクタと連結される第2コネクタとを備え、
    前記第2コネクタは、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備え、
    前記樹脂芯材は、前記嵌合突部が嵌合される嵌合凹部を備え、
    前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記樹脂芯材の樹脂の弾性により、前記嵌合突部が嵌合凹部から外れる
    請求項1に記載のボールチェーン。
  5. 前記連結部は、
    前記第1端部を保持するとともに、第1嵌合突部を備えた第1金属保持体と、
    前記第2端部を保持するとともに、第2嵌合突部を備えた第2金属保持体と、
    前記第1金属保持体と前記第2金属保持体とを連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記第1嵌合突部が嵌合される第1嵌合凹部と、前記第2嵌合突部が嵌合される第2嵌合凹部とを備え、
    前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、少なくとも、前記第1嵌合突部が前記第1嵌合凹部から外れる、または、前記第2嵌合突部が前記第2嵌合凹部から外れる
    請求項1に記載のボールチェーン。
  6. 前記連結部は、
    前記第1端部を構成する金属ボールに配置され、かつ、先端部に係合部を備える弾性片を備えるリンク軸部材であって、前記第2端部を構成する金属ボールの貫通孔に前記係合部が挿入されるリンク軸部材を備え、
    前記リンク軸部材は、前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記弾性片の弾性により、前記係合部が貫通孔から外れる
    請求項1に記載のボールチェーン。
  7. 前記連結部は、
    さらに前記一対の弾性片が挿通され、自重で位置が変位する変位部材を備え、
    前記変位部材は、前記係合部に近づく方向に変位したとき、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を小さくし、前記係合部から離れる方向に変位したとき、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を大きくする
    請求項6に記載のボールチェーン。
  8. 前記連結部は、
    前記第1端部から延びる第1金属リンク軸と前記第2端部から延びる第2金属リンク軸とが係止される金属リンクボールを備え、
    前記第1金属リンク軸は、先端部に第1フランジ部を備え、前記第2金属リンク軸は、先端部に第2フランジ部を備え、
    前記金属リンクボールは、前記第1フランジ部が係止される第1貫通孔と、前記第2フランジ部が係止される第2貫通孔と、前記金属リンクボールを開く割線と、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間であって前記割線上に位置する第3貫通孔とを備え、
    前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記金属リンクボールは、前記割線から一時的に開き、少なくとも、前記第1フランジ部が前記第1貫通孔から外れる、または、前記第2フランジ部が前記第2貫通孔から外れることを許容する
    請求項1に記載のボールチェーン。
  9. 前記連結部は、
    前記第1端部から延びる第1金属リンク軸と前記第2端部から延びる第2金属リンク軸とが係止される金属リンクボールを備え、
    前記金属リンクボールは、樹脂芯材と、前記樹脂芯材を覆う金属カバーとを備え、
    前記樹脂芯材は、前記第1金属リンク軸のフランジ部が圧入可能な挿通孔および前記第2金属リンク軸のフランジ部が圧入可能な挿通孔と連通した空間部を内部に備え、
    前記金属カバーは、前記挿通孔を外部に臨ませ、前記フランジ部が挿通可能な貫通孔を備え、
    前記ボールチェーンに対して、通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき、前記フランジ部が前記空間部から外れる
    請求項1に記載のボールチェーン。
  10. 複数の金属ボールを、金属リンク軸で連結したボールチェーンであって、前記ボールチェーンの第1端部と第2端部とが連結部で連結された無端のボールチェーンがプーリーに掛装されており、操作されることにより、遮蔽材が開閉される遮蔽装置において、
    前記ボールチェーンの前記プーリーに対して一方の部分には、前記連結部が位置し、
    前記ボールチェーンの前記プーリーに対して他方の部分には、さらなる前記連結部が位置し、
    前記連結部は、前記一方の部分に位置する場合と前記他方の部分に位置する場合とで端部との外れ易さが異なる
    遮蔽装置。
  11. 前記一方の部分の連結部は、前記遮蔽材を開ける通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れ、
    前記他方の部分の連結部は、前記遮蔽材を閉じる通常操作時の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れる
    請求項10に記載の遮蔽装置。
  12. 前記一方の部分は、継続的に操作されたとき、前記遮蔽材が閉じるおよび開くのうちの何れか一方の動作状態となり、一時的に操作されたとき、他方の動作状態となり、
    前記一方の部分の前記連結部は、前記一方の部分で行われる通常の引張り力を超える引張り力が作用したとき外れ、
    前記一方の部分の前記連結部は、前記一方の部分で行われる通常の引張り力より低い引張り力が作用したとき外れる
    請求項10に記載の遮蔽装置。
  13. 前記連結部は、
    前記第1端部を構成する金属ボールに配置され、かつ、先端部に係合部を備える弾性片を備えるリンク軸部材であって、前記第2端部を構成する金属ボールの貫通孔に前記係合部が挿入されるリンク軸部材と、
    前記一対の弾性片が挿通され、自重で位置が変位する変位部材とを備え、
    前記変位部材は、前記一方の部分に前記連結部が位置するとき、前記係合部から離れる方向に変位して、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を大きくし、
    前記他方の部分に前記連結部が位置するとき、前記係合部に近づく方向に変位して、前記係合部が前記貫通孔から外れる方向における前記弾性片の変位量を小さくする
    請求項10〜12のうち何れか1項に記載の遮蔽装置。
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