JP2020171664A - 画像解析方法及び画像解析装置 - Google Patents

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宏治 野里
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Abstract

【課題】 本発明によれば、AO−OCTの様な高解像度な画像に基づき、網膜内層画像から神経節細胞の様な細胞体の解析を実現し、臨床上有用な情報を得ることを目的とする。【解決手段】 測定光が照射された被検眼からの戻り光に基づき生成された前記被検眼の断層画像を解析する画像解析方法であって、前記断層画像から所定の層を抽出する抽出工程と、前記所定の層における血管領域を特定する特定工程と、前記所定の層及び前記特定した血管領域に基づき、神経節細胞を解析する解析工程を有することを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、画像解析方法及び画像解析装置に関し、特に、眼科検査によって撮像される眼底画像を解析する画像解析方法及び画像解析装置に関する。
近年、眼科用の撮像装置として、眼底を2次元的にレーザ光で照射してその反射光を受光して画像化するSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査レーザ検眼鏡)や、低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置が開発されている。低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置は、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置あるいは光干渉断層法)と呼ばれ、特に、眼底あるいはその近傍の断層画像を得る目的で用いられている。OCTの種類としては、TD−OCT(Time Domain OCT:タイムドメイン法)や、SD−OCT(Spectral Domain OCT:スペクトラルドメイン法)等を含め、種々のものが開発されてきている。
特に、このような眼科用の撮像装置は、近年において、照射レーザの高NA化等によってさらなる高解像度化が進められている。しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差が撮像画像の画質に大きく影響するようになってきた。そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。例えば、非特許文献1に、AO−OCTの例が示されている。
これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン波面センサー方式によって眼の波面を測定する。シャックハルトマン波面センサー方式とは、眼に測定光を入射し、その反射光を、マイクロレンズアレイを通してCCDカメラで受光することによって波面を測定するものである。測定した波面を補正するように可変形状ミラーや、空間位相変調器を駆動し、それらを通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは高分解能な撮像が可能となる。
このような高分解能な撮像を可能とする装置を用いて眼底を撮像することにより、今まで生体を対象としては可視化が困難であった眼の細胞体や構造の画像が取得できるようになった。そのため、疾患診断や治療のためにそれらの細胞や構造体の密度や状態を観察する研究が進められている。
また、最近、造影剤を用いずに網膜の血管等の構造を撮像する方法として、OCTを用いた血管造影法(OCT Angiography:OCTA)が利用されている。OCTAでは、OCTにより取得した三次元のモーションコントラストデータを二次元平面に投影することで、血管画像(以下、OCTA画像という。)を生成する。
ここで、モーションコントラストデータとは、測定対象の同一断面をOCTで繰り返し撮像し、その撮像間における測定対象の時間的な変化を検出したデータである。モーションコントラストデータは、例えば、複素OCT信号の位相やベクトル、強度の時間的な変化を差、比率、又は相関等から計算することによって得られる(たとえば特許文献1)。同様に、上述のSLOやAO−SLOにおいても、その平面画像のモーションコントラストデータから血管画像(以下SLOA、AO−SLOA画像)を生成する方法も研究されている。
特開2015−131107
AO−OCTなどによって高解像度な断層画像が得られるようになったが、そのような断層画像は、断層画像内から描出される構造も未知な部分が多いため、その解析、例えば細胞密度を算出するような解析手法が確立しておらず、有用な解析が困難であった。
特にこれまで通常のOCTやSLOでは描出が困難であった網膜内層の神経節細胞などは、臨床上においては状態観察や密度測定が病態把握に重要であるにもかかわらず、観察や測定手法がなく、臨床で活用することが不可能であった。
本発明は、上記課題を鑑み、AO−OCT画像の様な高解像度な画像に基づき、網膜内層画像から神経節細胞の様な細胞体の解析を実現し、臨床上有用な情報を得ることを目的とする。
本発明の画像解析方法は、測定光が照射された被検眼からの戻り光に基づき生成された前記被検眼の断層画像を解析する画像解析方法であって、前記断層画像から所定の層を抽出する抽出工程と、前記所定の層における血管領域を特定する特定工程と、前記所定の層及び前記特定した血管領域に基づき、神経節細胞を解析する解析工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、網膜内層画像から神経節細胞の様な細胞体の解析を行うことができる。
本発明の実施形態1における眼底撮像装置の構成図である。 本発明の実施形態における画像解析ユニットの構成図である。 本発明の実施形態2におけるAO−OCT・SLO装置の構成例の模式図である。 本発明の実施形態におけるOCTA生成の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のスキャンパターン例を示す図である。 本発明の実施形態の画像例を示す図である。 本発明の実施形態の処理を説明するための例示画像である。 本発明の実施形態の細胞解析を説明するための例示画像である。 本発明の実施形態のGUI例を示す図である。 本発明の実施形態のGUI例を示す図である。 本発明の実施形態のGUI例を示す図である。 本発明の実施形態の解析結果の例を示す図である。 本発明の実施形態のGUI例を示す図である。
本発明の一実施形態について図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。以下の説明は本質的に、説明的及び例示的なものにすぎず、いかなる形でも、本開示及びその用途又は使用を限定することを意図していない。実施形態において示されるコンポーネントの相対的構成、並びに、ステップ、数値表現及び数値は、別段の具体的な指示がない限り、本開示の範囲を限定しない。当業者によってよく知られている技法、方法及びデバイスは、以下で論考する実施形態を可能にするために当業者がこれらの詳細を知る必要がないので、詳細に論考されていない場合がある。
[実施形態1]
図面を用いて、本発明を適用した実施形態1としての眼底撮像装置について説明する。
なお、本実施形態においては、測定対象である被検体を眼とし、通常のOCT装置による一例について説明する。図1は眼底撮像装置(OCT装置)の構成を示す図であり、図2が眼底撮像装置の出力データ(画像)から細胞を解析する画像解析ユニットの構成図である。
図1において、110がOCTユニットであり、主要な構成部として、光源101、ファイバーカプラー102、参照光学系111、分光器112および接眼光学系から構成されている。
101は光源であり、波長840nmのSLD光源を用いた。光源101は低干渉性のものであれば良く、波長幅30nm以上のSLDが好適に用いられる。また、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザなどを光源に用いることもできる。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバーを通って、ファイバーカプラー102まで導光される。ファイバーカプラー102によって、測定光経路103と参照光経路113に分岐される。ファイバーカプラーは10:90の分岐比のものを使用し、投入光量の10%が測定光経路103に行くように構成されている。
測定光経路103を通った光は、コリメータ104により、測定光105が平行光線として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー103の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ104から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。また、光路中に測定光の分散特性を調整する光学素子や色収差特性を調整する光学素子を具備する場合もある。
測定光105は反射ミラー106−1〜3や不図示のレンズ等でリレーされ、走査光学系107−1によって、被検眼109上で1次元もしくは2次元に走査される。本実施形態では走査光学系107−1に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として二つのガルバノスキャナーを用いた。走査光学系107−1内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる装置構成の場合もある。
本実施形態では、走査光学系にさらにトラッキングミラー107−2を持つ。トラッキングミラー107−2は2つのガルバノスキャナーから構成され、撮像領域をさらに2方向に移動させることができる。別の構成では、走査光学系107−1がトラッキングミラー107−2を兼ねる構成もある。また、走査光学系107−1と107−2を光学的に共役関係とするために、不図示のリレー光学系が用いられることが多い。
走査光学系107−1および107−2で走査された測定光105は、接眼レンズ108−1および108−2を通して被検眼109に照射される。被検眼109に照射された測定光は眼底で反射もしくは散乱される。接眼レンズ108−1および108−2の位置を調整することによって、被検眼109の視度にあわせて最適なフォーカス調整を行うことが可能となる。本実施形態では、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
被検眼109の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、コリメータ104を通して光ファイバー103に入り、ファイバーカプラー102に戻る。
一方、参照光経路113を通った参照光はコリメータ114で出射され、光路長可変部116で反射して再度ファイバーカプラー102に戻る。
ファイバーカプラー102に到達した戻り光と参照光は合波され干渉光として、光ファイバー117を通して分光器112に導光される。分光器112に入った干渉光はコリメータ118で出射され、グレーティング119により波長ごとに分光される。分光された光はレンズ系120を通してラインセンサー121に照射される。ラインセンサー121はCCDセンサーで構成される場合もあるし、CMOSセンサーで構成される場合もある。
分光器112によって分光された干渉光情報をもとに、制御部122によって眼底の断層画像が構成される。制御部122は光路長可変部116を制御し、所望の深さ位置の画像を取得できる。また、制御部122は走査部107−1、107−2も同時に制御しており、任意の位置の干渉信号が取得可能である。一般的には、走査部107−1、107−2によって眼底上の任意の範囲をラスタースキャンし、その各々の位置での干渉信号が位置と同時に記録される。得られた干渉信号から断層画像を作成することにより、3次元ボリュームデータが取得できる。
本実施形態では、Bスキャンから神経節細胞を解析するので、特定位置の1ラインでの複数の断層画像が得られれば良く、ラスタースキャンして3Dボリュームを取得する必要はない。もちろん、3Dボリュームから神経節細胞を解析することも可能であり、その場合には任意の範囲をラスタースキャンしながら断層画像を取得する。
また、撮像中に撮像位置を一定に保つために、OCT装置とは別途眼底観察装置を具備する構成も可能であり、さらにその眼底画像を利用して撮像後のOCT画像を位置合わせするために使用することも可能である。
次に視神経細胞を解析するためのユニット構成を、図2の(a)を用いて説明する。
201がOCT装置であり、得られた信号は断層画像生成ユニット202において眼底の断層画像が生成される。
本実施形態では、血管情報をOCT断層画像から生成するOCTA(OCT Angiography)データとして取得する例であるため、断層画像生成ユニット202で生成された断層情報は血管位置解析ユニット203で処理される。血管位置解析ユニット203ではまず、断層画像からOCTA処理により血管画像が生成される。
図5を用いてOCTAの原理を説明する。OCTAでは血流によるOCT干渉信号の時間変化を計測するため、同じ場所で複数回の計測が必要となる。一般的なOCTAでは同じ場所でのBスキャンをm回繰り返しつつ、n箇所のyポジションに移動するスキャンを行う。具体的には、図5(a)のように、眼底平面上でy1〜ynのn箇所のyポジションについて、Bスキャンをm回繰り返す。mが大きいと同じ場所での計測回数が増えるため、血流の検出精度が向上する。その一方でスキャン時間が長くなり、スキャン中の眼の動き(固視微動)により画像にモーションアーチファクトが発生する課題と被検者の負担が増える課題が生じる。
本実施形態では両者のバランスを考慮してm=4(図5(b))とした。なお、OCT装置のAスキャン速度、被検体の眼底表面画像の運動解析に応じて、繰り返し数mを設定してもよい。
図5においてpは1つのBスキャンにおけるAスキャンのサンプリング数を示している。すなわち、p×nにより平面画像サイズが決定される。p×nが大きいと、同じ計測ピッチであれば広範囲がスキャンできるが、スキャン時間が長くなり、上述のモーションアーチファクトおよび被検者の負担の課題が生じる。本実施形態では両者のバランスを考慮してn=p=300とした。
なお、上記n,pは適宜任意に設定が可能である。また、図5(a)におけるΔxは隣り合うxポジションの間隔(xピッチ)であり、Δyは隣り合うyポジションの間隔(yピッチ)である。本実施形態ではxピッチは眼底における照射光のビームスポット径の1/2として決定し、本実施形態では、10μm(図5(b))とする。スキャンラインは1ラインであるので、Y位置はY1の一つだけである。
図6がOCTA画像の例である。図6の(a)がOCT断層画像であり、OCTA画像構築のために同じ位置の断層画像が複数枚撮像され、それぞれ601〜604となっている。各断層画像601〜604のそれぞれの画像間の差分を計算することにより、モーションコントラスト画像が生成される。図6の(b)に示す画像が断層画像であり、その複数の断層画像から得られたモーションコントラスト画像が図6の(c)に示す画像である。本実施形態で必要なのはこのような断層画像におけるモーションコントラスト画像である。本実施形態においては、一般的にはモーションコントラスト画像を3次元方向に位置合わせスタックし、任意の層範囲のモーションコントラストデータを抜き出すことにより、特定の層のOCTA画像(図6の(d))が生成される。
次に、図6の(c)に示す様なOCTA画像を生成する方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
操作者の指示などに基づき、OCTA画像生成処理が開始されると、ステップS101において、断層画像生成ユニット202はポジションykにおける繰り返しBスキャン干渉信号(m枚分)を抜き出す。ステップS102において、断層画像生成ユニット202はj番目の断層データを抜き出す。ステップS103において、断層画像生成ユニット202は取得したバックグラウンドデータを上記干渉信号から減算する。
ステップS104において、断層画像生成ユニット202は、バックグラウンドを減算した干渉信号に対して波数関数に変換処理を施し、フーリエ変換を行う。本実施形態では高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を適用する。尚、フーリエ変換前にゼロパディング処理を施し、干渉信号を増長させても良い。ゼロパディング処理を施すことでフーリエ変換後の階調性が増し、後述するステップS109において位置合わせ精度を向上させることが出来る。
ステップS105において、断層画像生成ユニット202は、ステップS104で実行したフーリエ変換によって得られる複素信号の絶対値を計算する。この値が当該スキャンの断層画像のIntensityとなる。
ステップS106において、断層画像生成ユニット202はインデックスjが、所定数(m)に到達したかを判断する。すなわち、ポジションykでの断層画像のIntensity計算がm回繰り返されたかを判断する。所定数に満たない場合はステップS102に戻り、同一Y位置における断層画像のIntensity計算を繰り返す。所定数に達した場合は、次ステップへ進む。
ステップS107において、断層画像生成ユニット202はあるykポジションにおけるmフレームの同一位置の断層画像の中で、画像の類似度を計算する。具体的には、断層画像生成ユニット202はmフレームの断層画像の内、任意の一枚をテンプレートとして選択し、残りのm−1フレームの画像との相関値を算出する。ステップS108において、断層画像生成ユニット202はステップS107で算出した相関値の中で、一定の閾値以上である相関の高い画像を選択する。閾値は任意に設定が可能であり、被検者の瞬きや固視微動によって画像としての相関が低下したフレームを排除することができるように設定する。
前述したように、OCTAでは、被検体組織のうち流れのある組織(例えば血液)と流れのない組織の間の対比を、画像間の相関値に基づき区別する技術である。即ち、流れの無い組織は画像間で相関が高いという前提の上で流れのある組織を抽出するため、画像として相関が低い場合、モーションコントラストを計算する際に誤検出となり、あたかも画像全体が流れのある組織であるかのように判定してしまう。このステップではそうした誤検出を回避するために、予め画像として相関の低い断層画像を排除し、相関の高い画像のみを選択する。画像選択の結果、同一ポジションykで取得されたmフレームの画像は適宜取捨選択され、qフレームの画像となる。ここで、qの取りうる値は、1≦q≦mである。
ステップS109において、断層画像生成ユニット202は、ステップS108で選択されたqフレームの断層画像の位置合わせを行う。テンプレートとして選択するフレームは、互いに全ての組み合わせで相関を計算し、フレーム別に相関係数の和を求め、その和が最大となるフレームを選択してもよい。次に、テンプレートでフレーム毎に照合し位置ずれ量(δX、δY、δθ)を求める。
具体的にはテンプレート画像の位置と角度を変えながら類似度を表す指標であるNormalized Cross−Correlation(NCC)を計算し、この値が最大となるときの画像位置の差を位置ずれ量として求める。本実施形態では、類似度を表す指標は、テンプレートとフレーム内の画像の特徴の類似性を表す尺度であれば種々変更が可能である。例えばSum of Absolute Difference(SAD)、Sum of Squared Difference(SSD)、Zero−means Normalized Cross−Correlation(ZNCC)、Phase Only Correlation(POC)、Rotation Invariant Phase Only Correlation(RIPOC)等を用いてもよい。
次に、断層画像生成ユニット202は位置ずれ量(δX、δY、δθ)に応じて位置補正をテンプレート以外の(q−1)フレームに適用し、フレームの位置合わせを行う。qが1である場合はこのステップは実行されない。
ステップS110において、断層画像生成ユニット202はモーションコントラストを計算する。本実施形態では、ステップS108で選択し、ステップS109で位置合わせを行ったqフレームのIntensity画像間において、同じ位置のピクセルごとに分散値を計算し、その分散値をモーションコントラストとする。モーションコントラストの求め方は種々あり、本実施形態においてモーションコントラストは同一Y位置での複数の断層画像の各ピクセルのモーションコントラスト値の変化を表す指標であれば適用が可能である。
尚、q=1の時、即ち、瞬きや固視微動の影響のために画像として相関が低く、同一ポジションykの位置においてモーションコントラストの計算が不可能な場合は異なる処理を行う。例えば、特徴量を0としてステップを終了しても良いし、前後yk−1、yk+1の画像におけるモーションコントラストが得られる場合、前後の分散値から値を補間しても良い。この場合、正しく計算できなかった特徴量は補間値であるとして異常を通知しても良い。また、特徴量の計算が出来なかったY位置を記憶しておき、自動で計算できなかったフレーム分の再スキャンを行っても良い。或いは、自動で再スキャンを行うことをせず、再度、mフレーム分の測定を促すメッセージを出しても良い。
ステップS111において、断層画像生成ユニット202はステップS109で位置合わせを行ったIntensity画像を平均化し、Intensity平均化画像を生成する。
ステップS112において断層画像生成ユニット202は、ステップS110で出力したモーションコントラストの閾値処理をする。閾値の値は断層画像生成ユニット202がステップS111で出力したIntensity平均化画像から、ノイズフロアでランダムノイズのみが表示されているエリアを抽出し、標準偏差σを計算し、ノイズフロアの平均モーションコントラスト値+2σと設定する。断層画像生成ユニット202は、各Intensityが、上記閾値以下の領域に対応したモーションコントラストの値を0に設定する。この閾値処理により、ランダムノイズに由来するモーションコントラストを除去することでノイズを軽減することができる。
閾値の値は小さいほどモーションコントラストの検出感度は上がる一方、ノイズ成分も増す。また、大きいほどノイズは減るがMCモーションコントラスト検出の感度は下がる。本実施形態では閾値をノイズフロアの平均モーションコントラスト値+2σとして設定したが、閾値はこれに限るものではない。
ステップS113において、断層画像生成ユニット202はインデックスkが、所定数(n)に到達したかを判断する。すなわち、n箇所の全てのY位置において、画像相関度計算、画像選択、位置合わせ、Intensity画像平均化計算、モーションコントラストの計算、及び閾値処理を行ったかを判断する。所定数に満たない場合はS101に戻り、所定数に到達した場合は、次のステップS114へ進む。なお、繰り返しになるが、本実施形態では断層画像のOCTA画像を生成するため、Yは1つだけで本ステップは完了する。
ステップS113を終了した時点で、すべてのY位置での断層画像におけるIntensity平均画像とモーションコントラストの3次元ボリュームデータ(3次元OCTAデータ)が生成されたことになる。
ステップS114では、生成するのがOCTA断層画像なのかEnface画像なのかを判断する。
OCTA断層画像を生成する場合には、ステップS115に進み、モーションコントラスト断層画像を生成する。
Enface画像を生成する場合には、ステップS116に進み、生成された3次元のOCTAデータに対し、深さ方向に積算したモーションコントラスト正面画像を生成する。この時、モーションコントラスト正面画像の生成にあたり、積算する画像深さ範囲は任意に設定して良い。例えば、ステップS111にて生成されたIntensityの平均化画像を元に眼底網膜の層境界を抽出し、所望の層を含むようにモーションコントラスト正面画像を生成する。モーションコントラスト正面画像を生成した後、断層画像生成ユニット202は信号処理フローを終了する。
次に、図2の各ユニット実行される工程に関して図7に示す画像を用いて説明する。
断層画像生成ユニット202により図7の(a)に示すような断層画像が生成される。眼底は多層構造になっており、脈絡膜701、網膜色素上皮層702、視細胞層703、外境界膜704、外顆粒層705、外網状層706、内顆粒層707、内網状層708、神経節細胞層709、視神経線維層710、硝子体711等から構成されている。特定の層には大小の血管712が存在する。本実施形態では、神経節細胞層709に存在する神経節細胞700の解析について説明する。
断層画像生成ユニット202で生成された断層画像は血管位置解析ユニット203でOCTA処理により血管位置情報が抽出され、図7の(b)のように血管部位712が抽出される。断層画像中で複数の層に血管712が存在し、解析対象の層である神経節細胞層709や視神経線維層710にも存在する。脈絡膜701付近にも血流が存在するので、OCTAで描出される場合が多い。
得られた血管位置情報は、細胞解析領域決定ユニット204に送られる。同様に断層画像も断層画像生成ユニット202から細胞解析領域決定ユニット204に送られる。まず、断層画像(図7の(a))から解析対象である神経節細胞層709の領域を抽出し、解析候補領域(図7の(c)の白い部分)とする。
次に、得られた血管位置情報より、その血管位置712と血管によるアーチファクト領域713が決定され(血管と同じ幅を有し血管よりも深い領域)、解析除外領域(図7の(d)の白い部分)とする。さらに、解析候補領域(図7の(c))と除外領域(図7の(d))より、最終的な解析領域(図7の(e)の白い部分)を決定する。図7の(e)における白い部分715が解析候補領域であり、斜線ハッチング部分714が血管の影響による除外領域(血管領域ともいう)である。
細胞解析領域決定ユニット204では、さらに手動によるマウス、タッチペンなどを用いて解析領域の修正が可能である。すべての症例において、神経節細胞層の検出や血管の検出が成功するとは限らないので、解析領域を手動で修正する機能を有することが有用である。
断層画像(図7の(a))と解析領域(図7の(e))の情報は、細胞解析ユニット205に送られ、図8に示す丸印のように、解析領域に含まれる神経節細胞700の解析を行う。本実施形態においては、神経節細胞は中心付近に低輝度な領域が含まれるため、断層画像中の輝度の谷を検出するような方法で細胞を検出することが有効である。
単純な低輝度部位の検出では偽陽性が多くなる可能性もあるので、周囲を比較的輝度の高い領域に囲まれた低輝度領域に限定するなど、検出精度を向上させることが有効である。
また、自動検出だけではすべての症例に対して対応できない可能性があるので、自動検出後に手動で神経節細胞を付加したり除去したりする機能が有効である。
細胞解析とは、解析対象細胞の、細胞数、密度、最近接距離、配置、サイズ、形状等の解析を含み、解析結果はディスプレー206に表示される。解析結果は数値で表示しても良いし、断層画像や平面画像、3D画像に重畳させて表示しても良い。重畳表示させる場合、視認性を向上させるために、表示色を断層画像等と変えて表示しても良い。単位面積における密度などは、その高低に応じて色分けして表示しても良い。
図9にディスプレーユニット206による表示の例を示す。表示GUI900には、眼底観察像901、全体断層画像902が表示されており、解析対象領域903の断層画像904として表示されている。断層画像904を基にした神経節細胞解析領域905が表示されており、白抜きの丸い点906が神経節細胞解析領域内の個々の神経節細胞の位置を示す点である。さらに抽出した神経節細胞に基づいて求められた数値的な解析結果907が表示される。ボタン908を押すことにより、手動モードに移行し、解析領域や検出した細胞位置を指示すること、検出されていない細胞位置を指示することにより修正することができる。
このように、本実施形態によればこれまでは状態把握が困難であった網膜内層の神経節細胞などの解析が可能となり、断層画像から臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態2]
次に、実施形態2として、本発明を適用した眼底撮像装置の構成について図3を用いて説明する。本実施形態においては、測定対象である被検体を眼とし、同一装置内にAO−SLOとAO−OCTの両機能を有する、補償光学OCT−SLOの一例について説明する。
図3において、318がAO−SLOユニットであり、324がAO−OCTユニットである。
まず、AO−SLOユニット318に関して説明する。図3において、301は光源であり、波長760nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。光源301の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮像用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、750〜1500nm程度が好適に用いられる。本実施形態においてはSLD光源を用いたが、その他にレーザ等も用いられる。本実施形態では眼底撮像と波面測定のための光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で合波する構成としても良い。また、本実施形態ではAO−OCTと一部の光学系を共用するため、AO−OCTとの光路と分岐するために、AO−OCT光源の波長とは異なる波長を選択し、ダイクロイックミラーで光路を分岐する構成としている。
光源301から照射された光は、単一モード光ファイバー302を通って、コリメータ303により、平行光線(測定光305)として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー302の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ303から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。
照射された測定光305はビームスプリッターからなる光分割部304を通過し、さらにOCTとの光分岐用ビームスプリッター319を通過し、補償光学の光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部306、波面センサー314、波面補正デバイス308および、それらに導光するための反射ミラー307−1〜4から構成される。ここで、反射ミラー307−1〜4は、少なくとも被検眼311の瞳と波面センサー314、波面補正デバイス308とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部306として、本実施形態ではビームスプリッターを用いた。
光分割部306を透過した測定光305は、反射ミラー307−1と307−2で反射されて波面補正デバイス308に入射する。波面補正デバイス308で反射された測定光305は、さらに反射ミラー307−3と307−4で反射され、走査光学系309−1に導光される。
本実施形態では、波面補正デバイス308として可変形状ミラーを用いた。可変形状ミラーは反射面が複数領域に分割されており、各領域の角度を変えることにより、反射光の波面を変化させることができるミラーである。波面補正デバイスとしては、可変形状ミラーの代わりに液晶素子を用いた空間位相変調器を用いることも可能である。その場合、被検眼311からの光の両偏光の波面を補正するために、2つの空間位相変調器を用いる場合もある。
反射ミラー307−3、4で反射された光は、走査光学系309−1によって、1次元もしくは2次元に走査される。本実施形態では走査光学系309−1に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として一つの共振スキャナーと一つのガルバノスキャナーを用いた。別の構成では、走査光学系309−1に二つのガルバノスキャナーを用いることもある。走査光学系309−1内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる装置構成の場合もある。
本実施形態では、走査光学系にさらにトラッキングミラー309−2を持つ。トラッキングミラー309−2は2つのガルバノスキャナーから構成され、撮像領域をさらに2方向に移動させることが可能である。別の構成では、走査光学系309−1がトラッキングミラー309−2を兼ねる構成、トラッキングミラー309−2が走査光学系309−1の共振スキャナー方向のみの構成、トラッキングミラー309−2が2次元ミラーである構成もある。また、309−1と309−2を光学的に共役関係とするために、不図示のリレー光学系が用いられることが多い。
走査光学系309−1および309−2で走査された測定光305は、接眼レンズ310−1および310−2を通して被検眼311に照射される。被検眼311に照射された測定光は眼底で反射もしくは散乱される。接眼レンズ310−1および310−2の位置を調整することによって、被検眼311の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
被検眼311の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、光分割部306によって一部は波面センサー314に反射され、光線の波面を測定するために用いられる。光分割部306で波面センサー314に向けて反射された光線は、リレー光学系316−1、316−2を通り、波面センサー314に入射する。リレー光学系316−1と316−2の間にはアパーチャー317が設置されており、レンズ等からの不要な反射散乱光を波面センサー314に入射させないようにする。本実施形態では、波面センサー314としてシャックハルトマンセンサーを用いた。
波面センサー314は補償光学制御部315に接続され、受光した波面を補償光学制御部315に伝える。波面補正デバイス308も補償光学制御部315に接続されており、補償光学制御部315から指示された変調を行う。補償光学制御部315は波面センサー314の測定結果による取得された波面を基に、収差のない波面へと補正するような波面補正デバイスの画素ごとの変調量(補正量)を計算し、波面補正デバイス308にそのように変調するように指令する。波面の測定と波面補正デバイスへの指示は繰り返し処理され、常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。
光分割部306を透過した反射光は光分割部304によって一部が反射され、集光レンズ312によってピンホールを有する光センサー313に集光され、光が電気信号に変換される。光センサー313は制御部334に接続され、制御部334は得られた電気信号と光走査の位置を基に平面画像を構築し、AO−SLO画像としてディスプレー335に表示する。
次にAO−OCTユニット324に関して説明する。
324がAO−OCTユニットであり、主要なユニットとして、光源320、ファイバーカプラー321、参照光学系325、分光器326から構成されている。
320は光源であり、波長840nmのSLD光源を用いた。光源320は低干渉性の光であれば良く、波長幅30nm以上のSLDが好適に用いられる。また、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザなどを光源に用いることもできる。本実施形態では、AO−SLOと一部の光学系を共用するため、AO−SLOの光源と異なる波長とし、ダイクロイックミラー等で分岐する構成が望ましい。
光源320から照射された光は、単一モード光ファイバーを通って、ファイバーカプラー321まで導光される。ファイバーカプラー321によって、測定光経路322と参照光経路に分岐される。ファイバーカプラーは10:90の分岐比のものを使用し、投入光量の10%が測定光経路322に行くように構成した。
測定光経路322を通った光は、コリメータ323により、測定光が平行光線として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー322の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ323から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。また、光路中に測定光の分散特性を調整する光学素子や色収差特性を調整する光学素子を具備する場合もある。
測定光は光分岐用ビームスプリッター319でAO−SLO測定光と合波され、測定光305としてAO−SLOと同様の光路をたどり、被検眼311を照射する。被検眼311から散乱反射された戻り光はAO−SLOと同様に往路と同じ経路を逆向きに進んで光分岐用ビームスプリッター319で反射され、光ファイバー322を通してファイバーカプラー321に戻る。
AO−OCTの光も波面センサー314で波面が測定され、波面補正デバイス308で補正される。波面補正の方法はこのような方式に限定されるわけではなく、AO−OCT光の波面のみを測定する場合や、AO−SLO光の波面のみを測定する場合には、波面センサー314の前に光学フィルターを追加する構成とされる。また、光学フィルターを動的に抜差ししたり、変更したりすることで、測定する光を切り替える制御も可能である。
一方、参照光経路を通った参照光はコリメータ327で出射され、光路長可変部329で反射して再度ファイバーカプラー321に戻る。
ファイバーカプラー321に到達した戻り光と参照光は合波され干渉光として、光ファイバーを通して分光器326に導光される。分光器326に入った干渉光はコリメータ330で出射され、グレーティング331により波長ごとに分光される。分光された光はレンズ系332を通してラインセンサー333に照射される。ラインセンサー333はCCDセンサーで構成される場合もあるし、CMOSセンサーで構成される場合もある。
分光器326によって分光された干渉光情報をもとに、制御部334によって眼底の断層画像が構成される。制御部334は光路長可変部329を制御し、所望の深さ位置の画像を取得できる。また、制御部334は走査部309−1、309−2も同時に制御しており、任意の位置の干渉信号が取得可能である。得られた干渉信号から断層画像を作成することにより、3次元ボリュームデータが取得される。AO−OCTのスキャンパターン制御や、OCTA画像の構築方法は実施形態1と同様である。
AO−OCTでは、非常に高解像度、高精細な断層画像が得られるので、神経節細胞などの細胞構造が明瞭に描出されるため、細胞レベルの解析に非常に有用である。一方で非常に高解像度なため、同一箇所を連続で撮像した場合に、各フレーム間に構造の微小な位置ずれや輝度変化を含む。そのため、OCTAのようなモーションコントラスト画像を作成するとこの微小な変化がノイズ成分となってしまい、モーションコントラスト画像にノイズが多くなってしまう。本実施形態でのAO−OCTのように血管構造をモーションコントラスト画像で描出する場合、血管構造はそれほど微小な構造ではないため、ある程度解像度を低下させた方が良好なモーションコントラスト画像が得られる。
図2の(b)が本実施形態のユニット構成であり、大部分は実施形態1と同様である。断層画像生成ユニット202で生成された断層画像は、解像度変更ユニット207で解像度を落として血管位置解析ユニット203に送られる。解像度の変更方法としては、ガウスフィルターやメディアンフィルター等一般的なフィルター処理が使用できる。さらに、元の断層画像の解像度が低い場合には、本ユニットにおいて、超解像処理を行うことで解像度を向上させる。
血管解析ユニット203は、解像度変更ユニット207から送られてきた低解像度の断層画像を用いて実施形態1と同様に血管位置を解析し、細胞解析領域決定ユニット204によって解析領域が抽出される。
ここで、細胞解析領域決定ユニット204に送られる断層画像は元の高解像度を保ったものである。断層画像は1フレームでもよいが、複数フレームを加算平均したアベレージング画像でもよい。
解析領域情報と断層画像は最終的に細胞解析ユニット205に送られ、実施形態1と同様に細胞解析が実行される。送られる断層画像は1フレームでもよいが、複数フレームを加算平均したアベレージング画像でもよい。解析された結果は実施形態1と同様にディスプレーに表示され、操作者に提供される。
このように、本実施形態によれば非常に解像度の高い画像から微小な神経節細胞などの解析を行うことで詳細な細胞状態を把握することが可能となり、臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3として、本発明を適用した眼底撮像装置の構成について説明する。本実施形態においては、測定対象である被検査物を眼とし、同一装置内にAO−SLOとAO−OCTの両機能を有する、補償光学OCT−SLOの一例であり、外部から血管情報を得る構成である。
図2の(c)が本実施形態のユニット構成であり、大部分は実施形態1と同様である。
断層画像生成ユニット202で生成された断層画像は、細胞解析領域決定ユニット204に送られる。
一方でOCTA取り込みユニット208は外部からOCTA画像を取り込む。OCTA画像は他のOCT装置で撮像、生成されたものでも良く、OCTAの生成手法に制限はない。取り込むOCTA画像と同時に、位置合わせしやすいように断層画像や平面画像を取り込む構成が望ましい。血管位置解析ユニット203では、取得したOCTA画像と関連する断層画像、平面画像から、今回の撮像位置と同じ領域の血管を検出し、血管位置情報を生成する。得られた血管位置情報は細胞解析領域決定ユニット204に送られる。
解析領域情報と断層画像は最終的に細胞解析ユニット205に送られ、細胞解析が実行される。送られる断層画像は1フレームでもよいが、複数フレームを加算平均したアベレージング画像でもよい。解析された結果は実施形態1と同様にディスプレーに表示され、操作者に提供される。
このように、本実施形態によれば、装置としては備えていない機能を用いて生成されたOCTA画像等の活用も可能となり、解析領域の設定精度が向上し、臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態4]
次に、実施形態4として、実施形態1で説明した構成のOCT装置を用いた別の解析例について説明する。本例においては、神経節細胞の解析を網膜上の位置情報を含めて解析することが特徴である。
本実施形態では、実施形態1と同様の手法により、取得した断層画像を解析し、神経節細胞の解析を行う際に、断層像内を複数の領域に分割し、それぞれの領域における神経節細胞の解析を行う。なお、分割する領域のサイズは同一とするが、領域の数を検者により所定の範囲内(例えば、2〜10)で指定させ、指定された数と断層画像の大きさに応じてサイズを決定するようにしてもよい。また、領域の設定は、自動的に黄斑部を検出して、黄斑部から所定の距離(例えば、解剖学的に神経節細胞が存在する黄斑部からの距離より若干短い距離等)離れた部分に領域1を設定し、順次設定された領域に接するように順次領域を設定するものとする。なお、領域1は検者が設定し、以降自動的に領域を設定してもよい。
図10にディスプレーユニット206による表示の例を示す。表示GUI1000には、実施形態1と同様に眼底観察像1001、全体断層画像1002が表示されている。ここで、解析領域1003は黄斑中心部からの距離が異なり互いに接する解析領域1〜5の5つの解析領域が設定される。解析領域1〜5いずれかの解析領域に含まれる解析領域が神経節細胞解析領域1005として表示され、白抜きの丸い点が神経節細胞解析領域内の個々の神経節細胞の位置を示す点であることは実施形態1と同様である。
抽出した神経節細胞に基づいて求められた解析領域毎の数値的な解析結果が1007に表示されるが、ここで各解析領域1〜5の結果が並べて表示される。さらに、各解析領域間の傾向の視認性を向上させるために、1008の様なグラフを生成し表示を行っても良い。1008では、各解析領域の神経節細胞の密度(各解析領域の血管領域の広さが異なるため、正規化された密度を用いている)をプロットしたものである。なお、密度以外にも個数(各解析領域の血管領域を除いた領域の広さが異なるため、最も狭い解析領域の広さを基準とした個数を用いている)や平均最近接距離等他の解析結果を表示する構成でもよい。ここで、平均最近接距離とは、解析領域毎に解析された神経節細胞間の最も短い距離を求め、平均したものである。なお、実施形態2、3で説明した構成の装置に適用してもよい。
このように、本実施形態によれば網膜内層の神経節細胞などの解析をさらに詳細に行い、提示する事が可能となり、断層画像から臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態5]
次に、実施形態5として、実施形態1で説明した構成のOCT装置を用いた別の解析例について説明する。本例においては、神経節細胞の時間的な変化を解析することが特徴である。
本実施形態では、実施形態1と同様の手法により、取得した断層画像を解析し、神経節細胞の解析を、任意の期間にわたり同じ被検者の略同位置を撮影した複数の断層画像に対して行う。複数の断層像に対して行う解析においては、解析位置が同じになるように、平面像や断層像の位置合わせを行って各断層像における解析領域を決定する。
図11にディスプレーユニット206による表示の例を示す。表示GUI1100には、撮影日が異なる眼底観察像1101−1〜4、全体断層画像1102−1〜4が表示されている。操作者による視認性向上のため、断層画像と併せて撮影日時等を表示しても良い。
1103が解析領域であるが、同一領域の解析となるように、各断層像1102−1〜4における解析領域はそれぞれの断層像同士の位置合わせが行われたうえで決定される。
各解析領域において抽出した神経節細胞に基づいて求められた数値的な解析結果が1107に表示されるが、ここで各撮影日1〜4の結果が並べて表示される。さらに、各解析領域間の傾向の視認性を向上させるために、1108のようなグラフを生成して表示を行っても良い。グラフ1108では、神経節細胞の密度をプロットしたものであるが、密度以外にも個数や平均最近接距離等他の解析結果をグラフとして表示する構成でもよい。なお、実施形態2、3で説明した構成の装置に適用してもよい。
このように、本実施形態によれば網膜内層の神経節細胞などの時間的な経過を把握することが可能となり、断層画像から臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態6]
次に、実施形態6として、実施形態1で説明した構成のOCT装置を用いた別の解析例について説明する。本例は神経節細胞を被検眼に関する情報も合わせて解析する一例である。実施形態1と同様の手法により、取得した断層画像を解析し、神経節細胞の解析を際に、同一の断層像内を複数の領域に分割し、それぞれの領域における神経節細胞の解析を行うのは実施形態4と同じである。
操作者は撮影時もしくは撮影開始前や終了後などの別のタイミングで撮影眼に関する情報を設定する。撮影眼に関する情報とは、年齢、性別、人種の様な基礎情報や、視力、視度、眼軸長、眼圧等のような眼に関わる情報を設定することが可能である。また、疾患や既往歴(疾患履歴)であっても良い。
実施形態4と同様に黄斑中心部からの距離に応じて1〜5の5つの解析領域が設定されて解析が実行される。
図12にディスプレーユニット206により表示する解析結果の例を示す。1208−1が年齢に関する解析を行った例であり、1208−2が被検者が属する年齢区分の疾患のリスクに関する解析を行う例である。
本装置にはあらかじめ各年齢層における神経節細胞密度の統計データが設定されており、1208−1に解析結果を表示する際に、各年齢層の正常範囲が色分けして表示される。本例においては、1210−1が40歳以下に年齢層における統計正常範囲、1210−2が40−60歳に年齢層における統計正常範囲、1210−3が60−70歳に年齢層における統計正常範囲、1210−4が80歳以上の年齢層における統計正常範囲を示している。このように、被検者の年齢と合わせて表示することにより、被験者の神経節細胞密度が対象年齢において統計上正常範囲内であるかどうかを容易に把握することが可能となる。
また、疾患眼における傾向を予め記憶しておくことにより、被検眼の対象年齢および既往歴等を含めて解析することにより、1208−2のように解析結果が正常範囲なのか、何らかの疾患リスクを有するのかを容易に判別することが可能となる。本例では例えば緑内障のリスクに応じて1211の様な表示を行う。なお、グラフ1208−1と1208−2は、同一画面上に並べて表示しても、件者の指示などにより切り替えて表示するようにしてもよい。なお、実施形態2、3で説明した構成の装置に適用してもよい。
このように、本実施形態によれば網膜内層の神経節細胞などの解析を多様な条件を交えて詳細に行う事が可能となり、断層画像から臨床価値の高い情報を得ることができる。
[実施形態7]
次に、実施形態7として、実施形態1で説明した構成のOCT装置を用いた別の解析例について説明する。本例は、神経節細胞の解析結果を被検眼の他の測定情報も合わせて解析する一例である。実施形態1と同様の手法により、取得した断層画像を解析し、神経節細胞の解析を行う。他の測定情報としては、断層像から解析した網膜全層膜厚や神経線維厚等の膜厚情報、他の測定装置から取得した視野感度情報、自発蛍光強度等が利用可能である。
本実施形態では、断層像の解析領域に関して、取得した別の測定結果の解析領域と合うように領域を分割し、それぞれの領域における神経節細胞の解析を行う。なお、解析対象として本解析ではラジアルスキャンにより取得した3Dデータが解析に適しているが、ボリュームデータを有していれば特にスキャン方法は問わない。
図13にディスプレーユニット206により表示する解析結果の例を示す。表示GUI1300には、眼底観察像1301が表示される。眼底観察像1301には取得した視野感度情報が重畳表示1312され、それに応じた解析領域1〜4が設定される。また、断層像を解析して得られた膜厚マップ1313も表示され、該当する解析領域が合わせて表示される。なお、実施形態2、3で説明した構成の装置に適用してもよい。
各解析領域1〜4の結果が1307のように表示される。各解析領域の視野感度1314、膜厚情報1315も1307に表示され、神経節細胞密度等の解析結果と合わせて認識することが可能となる。
このように、本実施形態によれば網膜内層の神経節細胞などの解析を視感度との相関や膜厚との相関を併せて詳細に行う事が可能となり、断層画像から臨床価値の高い情報を得ることができる。
[その他の実施形態]
本実施形態において、解析対象領域を設定する際に、血管に関連する領域である血管領域を除いてから解析対象領域を設定したが、神経節細胞候補として輝度の低い領域を抽出し、その中から血管に関する領域を除く処理を実行してもよい。例えば、抽出した領域が円形であるか否か、すなわち、一方向の長さが他方向の長さに比べて長くないかを判断することにより血管に関する領域を除く処理としてもよい。即ち、抽出した神経節細胞候補が孤立しているか否か判断してもよい。
なお、本発明は、以下のように装置を構成することによっても達成できる。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(又は記憶媒体)をシステム或いは装置に供給することとしてもよい。また、該記録媒体の態様だけでなく、コンピュータの読み取り可能な記録媒体としてもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、該記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、該実施形態は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (22)

  1. 測定光が照射された被検眼からの戻り光に基づき生成された前記被検眼の断層画像を解析する画像解析方法であって、
    前記断層画像から所定の層を抽出する抽出工程と、
    前記所定の層における血管領域を特定する特定工程と、
    前記所定の層及び前記特定した血管領域に基づき、神経節細胞を解析する解析工程を有することを特徴とする画像解析方法。
  2. 前記所定の層から前記神経節細胞を解析する解析候補領域を決定する第1の決定工程と、
    前記特定した血管領域に基づき、前記解析候補領域から解析領域を決定する第2の決定工程とを更に有し、
    前記解析工程は、前記解析領域を解析することにより前記神経節細胞を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像解析方法。
  3. 前記血管領域は、血管により生じる深さ方向のアーチファクト領域を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像解析方法。
  4. 前記特定工程において、前記血管領域を、複数の前記断層画像のモーションコントラスト画像から特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  5. 前記モーションコントラスト画像の解像度を低下させる解像度変更工程を更に有し、
    前記特定工程は、解像度が低下したモーションコントラスト画像から前記血管領域を特定することを特徴とする請求項4に記載の画像解析方法。
  6. 前記特定工程において、前記血管領域を、外部から取得した血管情報に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像解析方法。
  7. 前記解析工程は、前記解析領域の前記神経節細胞の密度を解析することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  8. 前記解析工程は、前記神経節細胞の最近接距離を解析することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  9. 前記神経節細胞、前記血管領域、及び、前記密度又は前記最近接距離を色分けして重畳表示する表示工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  10. 前記解析工程は、前記解析領域の輝度の低い領域を検出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  11. 前記解析工程は、前記解析領域の輝度の低い領域で、かつ、孤立した領域を前記神経節細胞として解析することを特徴とする請求項1に記載の画像解析方法。
  12. 前記解析工程における解析結果を、修正する修正工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像解析方法。
  13. 前記第2の決定工程において決定された解析領域を、修正する修正工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像解析方法。
  14. 前記解析工程において、前記神経節細胞の網膜上での位置の情報を用いて前記抽出した前記神経節細胞を解析することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  15. 前記解析工程において、前記神経節細胞の網膜上での位置の情報を用いて前記神経節細胞の密度を解析することを特徴とする請求項14に記載の画像解析方法。
  16. 前記解析工程において、前記神経節細胞の網膜上での位置の情報を用いて前記神経節細胞の最近接距離を解析することを特徴とする請求項14に記載の画像解析方法。
  17. 前記解析工程において、複数の前記断層画像における前記神経節細胞を解析して得られた複数の前記神経節細胞の結果を比較する比較工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  18. 前記被検眼に関する情報を取得する工程を更に有し、
    前記解析工程において、前記被検眼に関する情報を用いて前記神経節細胞を解析することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像解析方法。
  19. 前記被検眼に関する前記情報が、年齢、性別、視野感度情報、膜厚情報、及び、疾患履歴の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項18に記載の画像解析方法。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の画像解析方法の各工程を、コンピュータに実行させるプログラム。
  21. 請求項20に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
  22. 測定光が照射された被検眼からの戻り光に基づき生成された前記被検眼の断層画像を解析する画像解析装置であって、
    前記断層画像から所定の層を抽出する抽出手段と、
    前記所定の層における血管領域を特定する特定手段と、
    前記所定の層及び前記特定した血管領域に基づき、神経節細胞を解析する解析手段を有することを特徴とする画像解析装置。
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