JP2019154933A - 画像処理装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明によれば、複数の断層画像から生成される疑似血管造影画像と、平面動画像から生成される疑似血管造影画像のそれぞれから、単独画像からは得られない情報を取得する。【解決手段】 本発明は、被検査物に設定される撮影領域の複数の断層画像と平面動画像を取得する取得手段と、前記複数の断層画像から第一のモーションコントラスト画像を生成する第1の生成手段と、前記平面動画像から第二のモーションコントラスト画像を生成する第2の生成手段と、前記第一のモーションコントラスト画像と前記第二のモーションコントラスト画像の差異を解析する解析手段と、前記解析結果を表示手段に表示する制御手段とを有する。【選択図】 図10

Description

本発明は、画像処理装置およびその制御方法に関し、特に、被検眼の画像を処理する画像処理装置およびその制御方法に関する。
近年、眼科用の撮影装置として、眼底に2次元的にレーザ光を照射してその反射光を受光して平面画像を取得するSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査レーザ検眼鏡)や、低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置が開発されている。低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置は、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置あるいは光干渉断層法)と呼ばれ、特に、眼底あるいはその近傍の断層画像を得る目的で用いられている。OCTの種類としては、TD−OCT(Time Domain OCT:タイムドメイン法)や、SD−OCT(Spectral Domain OCT:スペクトラルドメイン法)等を含め、種々のものが開発されてきている。
特に、このような眼科用の撮影装置は、近年において、照射レーザの高NA化等によってさらなる高解像度化が進められている。しかしながら、眼底を撮影する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮影をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差が撮影画像の画質に大きく影響するようになってきた。
そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。例えば、非特許文献1に、AO−OCTが開示されている。これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン波面センサー方式によって眼の波面を測定する。シャックハルトマン波面センサー方式とは、眼に測定光を入射し、その反射光を、マイクロレンズアレイを通してCCDカメラに受光することによって波面を測定するものである。測定した波面を補正するように可変形状ミラーや、空間位相変調器を駆動し、それらを通して眼底の撮影を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは高分解能な撮影が可能となる。
また最近、造影剤を用いずに網膜の血管等の構造を撮影する方法として、OCTを用いた血管造影法(OCT Angiography:OCTA)が利用されている。OCTAでは、OCTにより取得した三次元のモーションコントラストデータを二次元平面に投影することで、血管画像(以下、OCTA画像という。)を生成する。ここで、モーションコントラストデータとは、測定対象の同一撮影位置の断面をOCTで繰り返し撮影し、その撮影間における測定対象の血流などの時間的な変化を検出したデータである。モーションコントラストデータは、例えば、複素OCT信号の位相やベクトル、強度の時間的な変化を差、比率、又は相関等から計算することによって得られる(特許文献1)。
同様に、SLOやAOSLOにおいても、その平面画像のモーションコントラストデータから血管画像(以下SLOA画像、AOSLOA画像)を生成する方法も研究されている。SLOのモーションコントラストデータもOCTAのモーションコントラストデータと同じく、測定対象の同一撮影位置における時間的な変化を検出したデータである。なお、SLO画像は特定平面の連続画像(動画)であるため、OCTAのような特定断層の切り出しや、平面への投影といった処理は必要ない。特にAOSLOでは焦点深度が浅いために、撮影される層範囲は数十μmに限定され、ほぼ網膜の1層のみに相当する範囲が撮影可能である。
特開2015−131107
Y.Zhang et al,Optics Express,Vol.14,No.10,15May2006
OCTAにおいては、その元データとなるOCT画像を撮像したOCTの性能により、描出できる変化が限定される。例えば、一般的なOCTでは20μm程度の水平方向解像度しかないため、その解像度以下の画像上の構造物や変化をとらえることができない。また、OCTAは網膜の3次元データを取得する必要があるため、OCTの撮影速度の性能から同一位置の撮影繰り返し数に実質的な限界があり、一般的には数ミリ〜数十ミリ秒内に3回程度繰り返し撮影する程度となっている。これでは、それほど頻繁に発生しない事象や、非常に低速な事象を捉えることができなかった。
一方で、AOSLOを含むSLOは2次元平面画像の撮影であり、OCTAに比べて非常に高速に平面動画像の撮影が可能なため、数秒の撮影で数百の平面画像が取得可能である。そのため、AOSLOAを生成した場合、発生頻度の少ない事象や低速な事象をも捉えることが可能である。例えば、網膜の血管においては白血球が高頻度で通過するLeukocyte Preferred Pathという血管の存在も知られている。このような血管では相対的に他の血球(赤血球など)の通過が少なく短時間における画像上の変化が少ない。そのため、OCTAでは画像化することが難しかったが、長時間および高速な撮影が可能なAOSLOAでは当該事象を撮影できる確率が高い。
さらに、AOSLOでは横解像度が非常に高く、細胞レベルの非常に微細な変化も捉えることが可能で、血管であれば内部の血球レベルの変化まで捉える事が可能である。しかし、AOSLOは横解像度が高い反面、一般的な眼底撮影装置に対して相対的に撮影画角が狭くなり、全体像を把握することが困難であった。また、AOSLOを含むSLOは平面撮影のため、特定のフォーカス位置のみの平面画像が撮影可能で、フォーカス深度外の情報がなく、上下方向に存在する構造物との関連性を把握しにくかった。
本発明は、上記課題を鑑み、OCTAで撮影可能な網膜上の変化と、SLOA,AOSLOAで撮影可能な変化とを解析し、単独のモーションコントラスト画像では認識できない変化を提示する画像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の画像処理装置は、被検査物に設定される撮影領域の複数の断層画像と平面動画像を取得する取得手段と、前記複数の断層画像から第一のモーションコントラスト画像を生成する第1の生成手段と、前記平面動画像から第二のモーションコントラスト画像を生成する第2の生成手段と、前記第一のモーションコントラスト画像と前記第二のモーションコントラスト画像の差異を解析する解析手段と、前記解析結果を表示手段に表示する制御手段とを有する。
また、本発明の画像処理装置の制御方法は、被検査物に設定される撮影領域の複数の断層画像と平面動画像を取得する取得工程と、前記複数の断層画像から第一のモーションコントラスト画像を生成する第1の生成工程と、前記平面動画像から第二のモーションコントラスト画像を生成する第2の生成工程と、前記第一のモーションコントラスト画像と前記第二のモーションコントラスト画像の差異を解析する解析工程と、前記解析結果を表示手段に表示する制御工程とを有する。
本発明によれば、単独のモーションコントラスト画像では認識できない変化を提示することができる。
本発明の実施形態1におけるOCT装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態1におけるAOSLO装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態3におけるAOOCT−SLO装置の構成を示す図である。 実施形態1における標準的な制御ステップを示すフローチャートである。 実施形態1のスキャンパターン例を示す図である。 OCT画像とOCTA画像を示す図である。 AOSLO画像とAOSLOA画像を示す図である。 実施形態1の画像処理ユニットと他の装置との関係を示した構成図である。 実施形態1の画像処理ユニットの制御ステップを示すフローチャートである。 実施形態1の解析結果を表示した表示画面を示す図である。 実施形態2の画像処理ユニットの制御ステップを示すフローチャートである。 実施形態3の画像処理ユニットの制御ステップを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明は本質的に、説明的及び例示的なものにすぎず、いかなる形でも、本開示及びその用途又は使用を限定することを意図していない。実施形態において示されるコンポーネントの相対的構成、並びに、ステップ、数値表現及び数値は、別段の具体的な指示がない限り、本開示の範囲を限定しない。当業者によってよく知られている技法、方法及びデバイスは、以下で論考する実施形態を可能にするために当業者がこれらの詳細を知る必要がないので、詳細に論考されていない場合がある。
[実施形態1]
実施形態1として、本発明を適用した眼底画像を撮影する撮影装置および画像処理ユニットの構成について図1、図2、図8を用いて説明する。
なお、本実施形態においては、測定対象である被検査物を眼とし、OCT装置と眼で発生する収差を補償光学系で補正して眼底を撮影するAOSLOの装置との組み合わせによる一例について説明する。
図1がOCTの構成を示す図であり、図2がAOSLOの構成を示す図であり、図8がこれらの装置で得られたデータを解析する画像処理ユニットと他の構成との関係を示した構成図である。
(OCT)
図1において、110がOCTユニットである。OCTユニット110の主要なユニットとして、光源101、ファイバーカプラー102、参照光学系111、検出光学系112および接眼光学系から構成されている。
101は光源であり、波長840nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。光源101は低干渉性のものであれば良く、波長幅30nm以上のSLDが好適に用いられる。また、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザなどを光源に用いることもできる。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバーを通って、ファイバーカプラー102まで導光される。ファイバーカプラー102によって、測定光経路103と参照光経路113に分岐される。ファイバーカプラーは10:90の分岐比のものを使用し、投入光量の10%が測定光経路103に行くように構成されている。
測定光経路103を通った光は、コリメータ104により、測定光105が平行光線として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー103の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ104から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。また、光路中に測定光の分散特性を調整する光学素子や色収差特性を調整する光学素子を具備する場合もある。
測定光105は反射ミラー106−1〜3や不図示のレンズ等でリレーされ、走査光学系107−1によって、1次元もしくは2次元に走査される。本実施形態では走査光学系107−1に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として二つのガルバノスキャナーを用いている。走査光学系107−1内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといったリレー光学素子を用いる装置構成の場合もある。本実施形態では、走査光学系にさらにトラッキングミラー107−2を持つ。トラッキングミラー107−2は2つのガルバノスキャナーから構成され、眼109の眼底に設定される撮影領域をさらに2方向に移動させることが可能である。別の構成では、走査光学系107−1がトラッキングミラー107−2を兼ねる構成もある。また、107−1と107−2を光学的に共役関係とするために、不図示のリレー光学系が用いられることが多い。
走査光学系107−1および107−2で走査された測定光105は、接眼レンズ108−1および108−2を通して眼109に照射される。眼109に照射された測定光105は、眼109の眼底の網膜で反射もしくは散乱される。接眼レンズ108−1および108−2の位置を調整することによって、眼109の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
眼109の眼底の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、コリメータ104を通して光ファイバー103に入り、ファイバーカプラー102に戻る。
一方、参照光経路113を通った参照光はコリメータ114で出射され、光路長可変部116で反射されて再度ファイバーカプラー102に戻る。
ファイバーカプラー102に到達した反射光と参照光は合波され干渉光となり、光ファイバー117を通して検出光学系112に導光される。検出光学系112に入った干渉光はコリメータ118で出射され、グレーティング119により波長ごとに分光される。分光された干渉光は、レンズ系120を通してラインセンサー121に照射される。ラインセンサー121はCCDセンサーで構成される場合もあるし、CMOSセンサーで構成される場合もある。
検出光学系112によって分光された干渉光をもとに、制御部122によって眼底の断層画像が構成される。制御部122は光路長可変部116を制御し、所望の深さ位置の断層画像を取得できる。また、制御部122は走査部107−1、107−2も同時に制御しており、任意の位置の干渉信号が取得可能である。一般的には、走査部107−1、107−2によって眼底上に設定される撮影領域をラスタースキャンし、その各々の位置での干渉信号が位置情報と同時に記録される。得られた干渉信号から断層画像を作成することにより、3次元ボリュームデータが取得される。
次に、図5を用いて本実施形態のスキャンパターンの一例を説明する。図5(a)は任意のスキャンについて、図5(b)は本実施形態で具体的に実行した数値を反映させた図である。OCTAでは血流によるOCT干渉信号の時間変化を計測するため、同じ場所で複数回の計測が必要となる。本実施形態ではOCT装置は同じ場所でのBスキャンをm回繰り返しつつ、n箇所のyポジションに移動するスキャンを行う。具体的なスキャンパターンを図5(a)に示す。眼底平面上でy1〜ynのn箇所のyポジションについて、Bスキャンをm回繰り返す。mが大きいと同じ場所での計測回数が増えるため、血流の検出精度が向上する。その一方でスキャン時間が長くなり、スキャン中の眼の動き(固視微動)によりOCTA画像にモーションアーチファクトが発生する問題と被検者の負担が増える。本実施形態では両者のバランスを考慮してm=4(図5(b))として実施した。なお、OCT装置のAスキャン速度、被検体の眼底表面画像の運動解析に応じて、繰り返し数mを変更してもよい。図5においてpは1つのBスキャンにおけるAスキャンのサンプリング数を示している。すなわち、p×nにより平面画像サイズが決定される。p×nが大きいと、同じ計測ピッチであれば広範囲がスキャンできるが、スキャン時間が長くなり、上述のモーションアーチファクトおよび被検者負担の問題が生じる。本実施形態では両者のバランスを考慮してn=p=300として実施した。なお、上記n,pは適宜自由に変更が可能である。また、図5(a)におけるΔxは隣り合うxポジションの間隔(xピッチ)であり、Δyは隣り合うyポジションの間隔(yピッチ)である。本実施形態ではxピッチ、yピッチは眼底における照射光のビームスポット径の1/2として決定し、本実施形態では、10μm(図5(b))とする。xピッチ、yピッチを眼底上ビームスポット径の1/2とすることで生成する画像を高精細に形成することができる。xピッチ、yピッチを眼底ビームスポット径の1/2より小さくしても生成する画像の精細度をそれ以上高くする効果は小さい。逆にxピッチ、yピッチを眼底ビームスポット径の1/2より大きくすると精細度は悪化するが、小さなデータ容量で広い範囲の画像を取得することができる。臨床上の要求に応じてxピッチ、yピッチを自由に変更してもよい。本実施形態の撮影領域は、x方向がp×Δx=3mm、y方向がn×Δy=3mmである(図5(b)参照)。
図6がOCTA画像の例である。図6の(a)がOCT断層画像であり、OCTA画像構築のために同じ位置の断層画像が複数枚撮影され、それぞれ601〜604となっている。各断層画像601〜604のそれぞれの画像間の差異を計算することにより、モーションコントラスト画像が生成される。それを3次元方向に位置合わせスタックし、任意の層範囲のモーションコントラストデータを抜き出して深さ方向に投影することにより、OCTA画像(b)が生成される。(b)の範囲605を拡大表示したものが(c)である。
次に、図6の(b)の様なOCTA画像を生成する方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。
ステップS101において、画像処理ユニット801(図8参照)はポジションyにおける繰り返しBスキャン干渉信号(m枚分)を抜き出す。ステップS102において、画像処理ユニットはj番目のBスキャン干渉信号を抜き出す。
ステップS103において、画像処理ユニット801は取得したバックグラウンドデータを当該干渉信号から減算する。
ステップS104において、画像処理ユニット801は、バックグラウンドを減算した干渉信号に対して波数関数に変換処理を施し、フーリエ変換を行う。本実施形態では高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を適用する。尚、フーリエ変換前にゼロパディング処理を施し、干渉信号を増長させても良い。ゼロパディング処理を施すことでフーリエ変換後の階調性が増し、後述するステップ109において位置合わせ精度を向上させることが出来る。
ステップS105において、画像処理ユニット801は、ステップS104にて実行したフーリエ変換によって得られる複素信号の絶対値を計算する。この値が当該スキャンの断層画像のIntensityとなる。
ステップS106において、画像処理ユニット801はインデックスjが、所定数(m)に到達したかを判断する。すなわち、ポジションyでの断層画像のIntensity計算がm回繰り返されたかを判断する。所定数に満たない場合はS102に戻り、同一Y位置における断層画像のIntensity計算を繰り返す。所定数に達した場合は、次ステップへ進む。
ステップS107において、画像処理ユニット801はあるyポジションにおけるmフレームの同一撮影位置の断層画像の間で、画像の類似度を計算する。具体的には、画像処理ユニット801はmフレームの断層画像の内、任意の一枚をテンプレートとして選択し、残りのm−1フレームの画像との相関値を算出する。
ステップS108において、画像処理ユニット801はステップS107で算出した相関値の中で、他の画像との相関が一定の閾値以上である相関が最も高い画像を選択する。閾値は任意に設定が可能であり、被検者の瞬きや固視微動によって画像としての相関が低下したフレームを排除することができるように適切に設定する。前述したように、OCTAでは、被検体組織のうち流れのある組織(例えば血液)と流れのない組織の間の対比を、画像間の相関値に基づき区別する技術である。即ち、流れの無い組織は画像間で相関が高いという前提の上で流れのある組織を抽出するため、画像として相関が低い場合、モーションコントラストを計算する際に誤検出となり、あたかも画像全体が流れのある組織であるかのように判定してしまう。このステップではそうした誤検出を回避するために、予め画像として相関の低い断層画像を排除し、相関の高い画像のみを選択する。画像選択の結果、同一ポジションyで取得されたmフレームの画像は適宜取捨選択され、qフレームの画像となる。ここで、qの取りうる値は、1≦q≦mである。
ステップS109において、画像処理ユニット801は、ステップS108にて選択されたqフレームの断層画像の位置合わせを行う。テンプレートとして選択するフレームは、互いに全ての組み合わせで相関を計算し、フレーム別に相関係数の和を求め、その和が最大となるフレームを選択してもよい。次に、テンプレートでフレーム毎に照合し位置ずれ量(δX、δY、δθ)を求める。具体的にはテンプレート画像の位置と角度を変えながら類似度を表す指標であるNormalized Cross−Correlation(NCC)を計算し、この値が最大となるときの画像位置の差を位置ずれ量として求める。
本発明では、類似度を表す指標は、テンプレートとフレーム内の画像の特徴の類似性を表す尺度であれば種々変更が可能である。例えばSum of Absolute Difference(SAD)、Sum of Squared Difference(SSD)、Zero−means Normalized Cross−Correlation(ZNCC)、Phase Only Correlation(POC)、Rotation Invariant Phase Only Correlation(RIPOC)等を用いてもよい。
次に、画像処理ユニット801は位置ずれ量(δX、δY、δθ)に応じて位置補正をテンプレート以外の(q−1)フレームに適用し、フレームの位置合わせを行う。qが1である場合はこのステップは実行されない。
ステップS110において、画像処理ユニット801はモーションコントラストを計算する。本実施形態では、ステップS108で選択し、ステップS109で位置合わせを行ったqフレームのIntensity画像間において、同じ位置のピクセルごとに分散値を計算し、その分散値をモーションコントラストとする。モーションコントラストの求め方は種々あり、本発明においてモーションコントラストは同一Y位置での複数の断層画像の各ピクセルのモーションコントラスト値の変化を表す指標であれば適用が可能である。尚、q=1の時、即ち、瞬きや固視微動の影響のために画像として相関が低く、同一ポジションyの位置においてモーションコントラストの計算が不可能な場合は異なる処理を行う。例えば、特徴量を0としてステップを終了しても良いし、前後y−1、y+1の画像におけるモーションコントラストが得られる場合、前後の分散値から値を補間しても良い。この場合、正しく計算できなかった特徴量は補完値であるとして異常を通知しても良い。また、特徴量の計算が出来なかったY位置を記憶しておき、自動で再スキャンを行っても良い。或いは、自動の再スキャンを行うことをせず、再測定を促す警告を通知しても良い。
ステップS111において、画像処理ユニット801はステップS109にて位置合わせを行ったIntensity画像を平均化し、Intensity平均化画像を生成する。
ステップS112において、画像処理ユニット801は、ステップS110で出力したモーションコントラストの閾値処理をする。閾値の値は画像処理ユニット801がステップS111で出力したIntensity平均化画像から、ノイズフロアでランダムノイズのみが表示されているエリアを抽出し、標準偏差σを計算し、ノイズフロアの平均モーションコントラスト値+2σと設定する。
画像処理ユニット801は、各Intensityが、上記閾値以下の領域に対応したモーションコントラストの値を0に設定する。この閾値処理により、ランダムノイズに由来するモーションコントラストを除去することでノイズを軽減することができる。閾値の値は小さいほどモーションコントラストの検出感度は上がる一方、ノイズ成分も増す。また、大きいほどノイズは減るがMCモーションコントラスト検出の感度は下がる。本実施形態では閾値をノイズフロアの平均モーションコントラスト値+2σとして設定したが、閾値はこれに限るものではない。
ステップS113において、画像処理ユニット801はインデックスkが、所定数(n)に到達したかを判断する。すなわち、n箇所の全てのY位置において、画像相関度計算、画像選択、位置合わせ、Intensity画像平均化計算、モーションコントラストの計算、及び閾値処理を行ったかを判断する。所定数に満たない場合はS101に戻り、所定数に到達した場合は、次のステップS114へ進む。ステップS113を終了した時点で、すべてのY位置での断層画像におけるIntensity平均画像とモーションコントラストの3次元ボリュームデータ(3次元OCTAデータ)が生成されたことになる。
ステップS114では生成された3次元のOCTAデータに対し、深さ方向に積算したモーションコントラスト正面画像を生成する。この時、モーションコントラスト正面画像の生成にあたり、積算する画像深さ範囲は任意に設定して良い。例えば、ステップS111にて生成されたIntensityの平均化画像を元に眼底網膜の層境界を抽出し、所望の層を含むようにモーションコントラスト正面画像を生成する。モーションコントラスト正面画像を生成した後、画像処理ユニット801は信号処理フローを終了する。
以上説明した装置構成、撮影方法、信号処理手順を用いることにより、所望領域においてOCTAの撮影と、OCTA画像生成を行うことが可能となる。本実施形態では、m=4の条件下でOCTA画像を取得している。
図6の(a)のように黄斑部を撮影したOCT断層画像より作成した3次元のOCTAデータに対して、積算する深さ範囲を網膜表層側数層(内境界膜からINL中心部)に限定すると図6(b)の如くの網膜表層(Superficial Capillary)のモーションコントラスト画像が得られ黄斑中心の眼底血管画像が抽出できる。
(AOSLO)
次に図2を用いて、本実施形態のAOSLOの構成を説明する。本実施形態のAOSLOは、照射ビームの焦点位置からの反射光のみを画像化する共焦点撮影機能と、それ以外の多重散乱等による反射光も画像化する暗視野撮影機能の両方を有する構成とした。
図2において、201は光源であり、波長760nmのSLD光源を用いた。光源201の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮影用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、750〜1500nm程度が好適に用いられる。本実施形態においてはSLD光源を用いたが、その他にレーザ等も用いられる。本実施形態では眼底撮影と波面測定のための光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で合波する構成としても良い。
光源201から照射された光は、単一モード光ファイバー202を通って、コリメータ203により、平行光線(測定光205)として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー202の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ203から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。
照射された測定光205はビームスプリッターからなる光分割部204を透過し、補償光学の光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部206、波面センサー215、波面補正デバイス208および、それらに導光するための反射ミラー207−1〜4から構成される。
ここで、反射ミラー207−1〜4は、少なくとも眼211の瞳と波面センサー215、波面補正デバイス208とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部206として、本実施形態ではビームスプリッターを用いた。
光分割部206を透過した測定光205は、反射ミラー207−1と207−2で反射されて波面補正デバイス208に入射する。波面補正デバイス208で反射された測定光205は、さらに反射ミラー207−3と207−4で反射され、走査光学系に導光される。
本実施形態では、波面補正デバイス208として可変形状ミラーを用いた。可変形状ミラーは反射面が複数領域に分割されており、各領域の角度を変えることにより、反射光の波面を変化させることができるミラーである。波面補正デバイスとしては、可変形状ミラーの代わりに液晶素子を用いた空間位相変調器を用いることも可能である。その場合、被検眼からの光の両偏光を補正するために、2つの空間位相変調器を用いる場合もある。
図2において、反射ミラー207−3、4で反射された光は、走査光学系209−1によって、1次元もしくは2次元に走査される。本実施形態では走査光学系209−1に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として一つの共振スキャナーと一つのガルバノスキャナーを用いた。別の構成では、走査光学系209−1に二つのガルバノスキャナーを用いることもある。走査光学系209−1内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといったリレー光学素子を用いる装置構成の場合もある。
本実施形態では、走査光学系にさらにトラッキングミラー209−2を持つ。トラッキングミラー209−2は2つのガルバノスキャナーから構成され、撮影領域をさらに2方向に移動させることが可能である。別の構成では、走査光学系209−1がトラッキングミラー209−2を兼ねる構成、トラッキングミラー209−2が走査光学系209−1の共振スキャナー方向のみの構成、トラッキングミラー209−2が2次元ミラーである構成もある。また、走査光学系209−1と209−2を光学的に共役関係とするために、不図示のリレー光学系が用いられることが多い。
走査光学系209−1および209−2で走査された測定光205は、接眼レンズ210−1および210−2を通して眼211に照射される。眼211に照射された測定光は眼底で反射もしくは散乱される。接眼レンズ210−1および210−2の位置を調整することによって、眼211の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
眼211の眼底の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、光分割部206によって一部は波面センサー215に反射され、光線の波面を測定するために用いられる。光分割部206で波面センサー215に向けて反射された光線は、リレー光学系219−1、219−2を通り、波面センサー215に入射する。リレー光学系219−1と219−2の間にはアパーチャー220が設置されており、レンズ等からの不要な反射散乱光を波面センサーに入射させないようにする。本実施形態では、波面センサー215としてシャックハルトマンセンサーを用いた。
波面センサー215は補償光学制御部217に接続され、受光した波面を補償光学制御部217に伝える。波面補正デバイス208も補償光学制御部217に接続されており、補償光学制御部217から指示された変調を行う。補償光学制御部217は波面センサー215の測定結果により取得された波面情報を基に、収差のない波面へと補正するような波面補正デバイスの画素ごとの変調量(補正量)を計算し、波面補正デバイス208にそのように変調するように指令する。波面の測定と波面補正デバイスへの指示は繰り返し処理され、常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。
図2において、光分割部206を透過した反射光は光分割部204によって一部が反射され、集光レンズ212によって穴あきミラー213の穴付近に集光させる。穴あきミラー213の穴は、共焦点効果を得るために、測定光205の回折限界付近の径に調整されることが多い。径が大きいと感度は向上するが分解能は低下し、径が小さいと分解能は高いが感度は低下する傾向となる。穴あきミラー213の穴を通過した光は光センサー214−1に入射し、光強度に応じた電気信号に変換される。
光センサー214−1は制御部218に接続され、制御部218は得られた電気信号と光走査の位置を基に平面画像を構築し、共焦点画像としてディスプレー219に表示する。
穴あきミラー213の穴以外のミラー部分で反射された光はリレー光学系215を通して再度ナイフエッジ216のエッジ付近に集光し、ナイフエッジ216によって略半分に分割される。分割された光は光センサー214−2と214−3に入射する。光センサー214−2と214−3では光強度に応じた電気信号に変換され、制御部218に出力されて、暗視野撮影画像として画像化される。ナイフエッジ216は、集光光をどのように分割しても良く、紙面と水平方向や垂直方向の分割方向や、分割する比率に関しても半々ではなく40:60等の非均等分割も可能である。さらに2分割ではなく、より多くの成分に分割させることも可能である。また、このような分割方法を撮影中に動的に変更することも可能である。
トラッキングミラー209−2は不図示のトラッキング制御ユニットによる制御される。トラッキング制御ユニットは、制御部218から撮影部の画像信号を取得し、眼211の眼底に設定される撮影領域の固視微動によるズレ量を計算し、トラッキングミラー209−2を制御することにより、撮影領域を常に所定の位置に保つように制御を行う。
本例のAOSLOで撮影した撮影画像例を図7に示す。
図7のa)が共焦点画像(平面動画像)の例である。血管層にフォーカスしているため、血管内の血球のみ一部高輝度で観察される。b)とc)が暗視野撮影の画像(平面動画像)であり、ナイフエッジの右側と左側で検出した信号を基に生成した画像である。これらの画像は眼底からの反射光を異なる方法で同時に取得しているのであり、厳密に同じ撮影領域由来の信号から構築した画像となる。AOSLOでは、OCTで撮影された撮影領域に含まれる撮影領域の画像を連続で撮影し、それぞれの平面動画像が取得される。
OCTAと同様に、画像処理ユニット801が、AOSLOの連続で撮影された各画像間での輝度変化を解析することにより、モーションコントラスト画像を作成する。共焦点画像a)よりモーションコントラスト画像a‘)、b)からははb’)、c)からはc‘)に示すモーションコントラスト画像が得られる。
(画像処理ユニット)
次に図8を用いて画像処理ユニットに関して説明する。画像処理ユニット801は、上述したOCT装置803とAOSLO装置804と接続され、それぞれのデータを取得する。解析されたデータはディスプレー802に表示される。図8は画像処理ユニット801がOCT装置803やAOSLO装置804と別個に記載されているが、OCT装置内803やAOSLO装置804の一つの機能として実装してもよい。
次に画像処理ユニット801が実行する解析処理を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。本例は、操作者がOCTA画像を選択することにより、合致するAOSLO画像が選択され、それぞれのモーションコントラストの差異を解析し、解析結果を表示するものである。
ステップS201において、操作者により解析する層の選択を受ける。ステップS202において、選択された層に該当するOCTA画像を取得する。このステップでは、すでに生成されているOCTA画像から取得しても良いし、この時点で当該層のOCTデータを用いてOCTA画像を生成しても良い。
次にステップS203において、解析する平面方向の位置を特定する。平面方向の位置は、OCTデータに付随するSLO画像情報を基にしても良いし、OCTのEnface画像を基にし、ある特徴を持つ基準点からの距離として算出しても良い。一般的にOCTよりもAOSLOの画角は小さいので、取得したOCTA画像からさらに平面方向の範囲を限定してOCTA画像を生成する場合が多い。
ステップS204において、解析層の深さ情報から、相当するAOSLO装置におけるフォーカス位置を算出する。得られたフォーカス情報、位置情報を基に、ステップS205で当該AOSLO動画を取得する。取得するAOSLO動画は、共焦点画像でもよいし、暗視野撮影画像、またそれらを演算した画像でもよい。一般的には、暗視野撮影画像の方が血管や血流の描画性能が良いため、血管・血流解析に有用である。
得られた動画を基に、ステップS206でモーションコントラストを計算し、AOSLOA画像を生成する。OCTA画像と得られたAOSLOA画像に対して、ステップS207において画像ベースでさらに詳細に位置合わせを行い、ステップS208でディスプレーに表示する。
図10のa)がディスプレー802における表示例である。本例では、同一箇所のAOSLO動画1001、それを基に作成したAOSLOA画像1002、当該位置のOCTA画像1003を同一画面上に並べて表示している。
次にステップS209において、OCTA画像とAOSLOA画像の差異を抽出する。差異抽出の方法としては、画像同士の輝度を演算しても良いし、血管・血流検出の有無を比較するために、各画像を2値化したうえで輝度を演算しても良い。また、各画像から血管位置を位置データとして算出し、算出したそれぞれの血管情報の差異を抽出することも可能である。
ステップS210において差異を表示する方法を選択し、差異表示を行う。ステップS209で抽出した差異情報を、ステップS211によるOCTA画像上への表示、ステップS212によるAOSLOA画像上への表示、ステップS213によるAOSLO動画上への表示することが可能である。またこれらの組み合わせで表示しても良い。
図10のb)に表示例を示す。抽出した差異情報を、AOSLO動画上に矢印1004として表示、AOSLOAから抽出した血管を、色を変えて血管1005として表示、AOSLOAで抽出されるがOCTAでは抽出されない血管を差異血管1006として表示している。本実施形態では、AOSLOAで抽出されるがOCTAでは抽出されない血管のみを表示しているが、AOSLOAでは抽出されず、OCTAで抽出される血管も含めて表示してもよい。この場合には、各差異を色分けで表示するような方法により区別する。
本実施形態では、AOSLOの静止画像やOCT断層画像は表示しなかったが、これらを表示して、その上に差異情報を表示しても良い。また、差異表示を強調するために、当該領域の画像や動画を拡大表示・縮小表示することも可能である。
このように、OCTAとAOSLOAでの抽出血管情報の差異を解析し、解析結果を表示することにより、操作者は各装置間の特性による検出情報の差を容易に把握することが可能で、各血管・血流の特性を判断することができる。
また、AOSLO動画像を表示することにより差異が血管であるか否かを確認することができる。
[実施形態2]
図11のフローチャートを用いて、本発明を適用した実施形態1とは異なる形態の眼底撮影装置の制御方法の例について説明する。
本実施形態において、基本的な装置構成は実施形態1と同様である。また、撮影の基本的なフローも実施形態1と同様であり、画像処理ユニット801の処理のみが異なる。
ステップS301でAOSLO画像を指定する。選択したAOSLO画像に関して、ステップS302でフォーカス位置、ステップS303でXY位置を特定する。
AOSLOの画像データには、その時点でのAO状態が付加情報として保存されており、AO状態から撮影したフォーカス位置が分かるようになっている。一般的にAOは最高輝度層である視細胞層がフォーカス原点となる場合が多いため、そこからのどれくらいの光学パワーを与えたかが分かり、フォーカス移動量が分かる。より厳密には被検者の視度や撮影時の瞳位置等のパラメータを利用することで、厳密な移動量が分かる。しかし、AOSLOは一定の被写界深度を有するため、それほどの厳密性は求められない場合が多い。
ステップS304において、当該フォーカス情報から網膜での層を特定する。ステップS305において、AOSLO動画からAOSLOA画像を作成する。ステップS306において、当該層のOCTA画像を取得する。一般的にOCTA画像はAOSLO画像よりも撮影領域が大きいので、ステップS307においてAOSLO撮影領域に該当する範囲のOCTA画像領域を特定する。
ステップS308においてOCTAとAOSLOAの位置合わせを行い、ステップS309において表示する。表示方法は実施形態1と同じである。
ステップS310において差異解析を行うが、差異解析の手法は実施形態1と同様である。ステップS311において差異を表示する方法を選択し、差異表示を行う。ステップS310で抽出した差異情報をステップS312におけるOCTA画像上への表示、ステップS313におけるAOSLOA画像上への表示、ステップS314におけるAOSLO動画上への表示することが可能である。またこれらの組み合わせで表示しても良い。
本実施形態では、更に、AOSLO画像から解析領域を選択することにより、より詳細な位置指定が可能となり、操作者は各装置間の特性による検出情報の差を容易に詳細に把握することが可能で、各血管・血流の特性を判断することができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3として、本発明を適用した眼底撮影装置の構成について図3を用いて説明する。本実施形態においては、測定対象である被検査物を眼とし、同一装置内にAOSLOとAOOCTの両機能を有する、補償光学OCT−SLOの一例について説明する。
図3において、318がAOSLOユニットであり、324がAOOCTユニットである。
まず、AOSLOユニット318に関して説明する。図3において、301は光源であり、波長760nmのSLD光源を用いた。光源301の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮影用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、750〜1500nm程度が好適に用いられる。本実施形態においてはSLD光源を用いたが、その他にレーザ等も用いられる。本実施形態では眼底撮影と波面測定のための光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で合波する構成としても良い。また、本例ではOCTと一部の光学系を共用するため、OCTとの光路と分岐するために、OCT光源の波長とは異なる波長を選択し、ダイクロイックミラーで光路を分岐する構成としている。
光源301から照射された光は、単一モード光ファイバー302を通って、コリメータ303により、平行光線(測定光305)として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー302の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ303から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。
照射された測定光305はビームスプリッターからなる光分割部304を通過し、さらにOCTとの光分岐用ビームスプリッター319を通過し、補償光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部306、波面センサー314、波面補正デバイス308および、それらに導光するための反射ミラー307−1〜4から構成される。ここで、反射ミラー307−1〜4は、少なくとも眼311の瞳と波面センサー314、波面補正デバイス308とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部306として、本実施形態ではビームスプリッターを用いた。
光分割部306を透過した測定光305は、反射ミラー307−1と307−2で反射されて波面補正デバイス308に入射する。波面補正デバイス308で反射された測定光305は、さらに反射ミラー307−3と307−4で反射され、走査光学系に導光される。
本実施形態では、波面補正デバイス308として可変形状ミラーを用いた。可変形状ミラーは反射面が複数領域に分割されており、各領域の角度を変えることにより、反射光の波面を変化させることができるミラーである。波面補正デバイスとしては、可変形状ミラーの代わりに液晶素子を用いた空間位相変調器を用いることも可能である。その場合、被検眼からの光の両偏光を補正するために、2つの空間位相変調器を用いる場合もある。
反射ミラー307−3、4で反射された光は、走査光学系309−1によって、1次元もしくは2次元に走査される。本実施形態では走査光学系309−1に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として一つの共振スキャナーと一つのガルバノスキャナーを用いた。別の構成では、走査光学系309−1に二つのガルバノスキャナーを用いることもある。走査光学系309−1内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる装置構成の場合もある。
本例では、走査光学系にさらにトラッキングミラー309−2を持つ。トラッキングミラー309−2は2つのガルバノスキャナーから構成され、撮影領域をさらに2方向に移動させることが可能である。別の構成では、走査光学系309−1がトラッキングミラー309−2を兼ねる構成、トラッキングミラー309−2が走査光学系309−1の共振スキャナー方向のみの構成、トラッキングミラー309−2が2次元ミラーである構成もある。また、309−1と309−2を光学的に共役関係とするために、不図示のリレー光学系が用いられることが多い。
走査光学系309−1および309−2で走査された測定光305は、接眼レンズ310−1および310−2を通して眼311に照射される。眼311に照射された測定光は眼底の網膜で反射もしくは散乱される。接眼レンズ310−1および310−2の位置を調整することによって、眼311の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
眼311の眼底の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、光分割部306によって一部は波面センサー314に反射され、光線の波面を測定するために用いられる。光分割部306で波面センサー314に向けて反射された光線は、リレー光学系316−1、316−2を通り、波面センサー314に入射する。リレー光学系316−1と316−2の間にはアパーチャー317が設置されており、レンズ等からの不要な反射光を波面センサーに入射させないようにする。本実施形態では、波面センサー314としてシャックハルトマンセンサーを用いた。
波面センサー314は補償光学制御部315に接続され、受光した波面を補償光学制御部315に伝える。波面補正デバイス308も補償光学制御部315に接続されており、補償光学制御部315から指示された変調を行う。補償光学制御部315は波面センサー314の測定結果による取得された波面を基に、収差のない波面へと補正するような波面補正デバイスの画素ごとの変調量(補正量)を計算し、波面補正デバイス308にそのように変調するように指令する。波面の測定と波面補正デバイス308への指示は繰り返し処理され、常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。
光分割部306を透過した反射光は光分割部304によって一部が反射され、集光レンズ312によってピンホールを有する光センサー313に集光され、光強度に応じた電気信号に変換される。
光センサー313は制御部334に接続され、制御部334は得られた電気信号と光操作の位置を基に平面画像を構築し、SLO画像としてディスプレー335に表示する。
AOSLO動画からモーションコントラスト画像を生成する方法は実施形態1と同様である。
次にAOOCTユニット324に関して説明する。
324がAOOCTユニットであり、主要なユニットとして、光源320、ファイバーカプラー321、参照光学系325、検出光学系326から構成されている。
320は光源であり、波長840nmのSLD光源を用いた。光源101は低干渉性のものであれば良く、波長幅30nm以上のSLDが好適に用いられる。また、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザなどを光源に用いることもできる。本実施形態では、SLOと一部の光学系を共用するため、SLOの光源と異なる波長とし、ダイクロイックミラー等で分岐する構成が望ましい。
光源320から照射された光は、単一モード光ファイバーを通って、ファイバーカプラー321まで導光される。ファイバーカプラー321によって、測定光経路322と参照光経路に分岐される。ファイバーカプラーは10:90の分岐比のものを使用し、投入光量の10%が測定光経路322に行くように構成した。
測定光経路322を通った光は、コリメータ323により、測定光が平行光線として照射される。照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー322の経路に具備された不図示の偏光調整器により調整される。別の構成としては、コリメータ323から出射された後の光路に偏光を調整する光学部品を配置する構成がある。また、光路中に測定光の分散特性を調整する光学素子や色収差特性を調整する光学素子を具備する場合もある。
測定光は光分岐用ビームスプリッター319でSLO測定光と合波され、測定光305としてSLOと同様の光路をたどり、被検眼311を照射する。被検眼311の眼底から散乱反射された光はSLOと同様に往路と同じ経路を逆向きに進んで光分岐用ビームスプリッター319で反射され、光ファイバー322を通してファイバーカプラー321に戻る。
OCTの光も波面センサー314で波面が測定され、波面補正デバイス308で補正される。波面補正の方法はこのような方式に限定されるわけではなく、OCT光の波面のみを測定する場合や、SLO光の波面のみを測定する場合には、波面センサー314の前に光学フィルターを追加する構成とされる。また、光学フィルターを動的に抜差ししたり、変更したりすることで、測定する光を切り替える制御も可能である。
一方、参照光経路を通った参照光はコリメータ327で出射され、光路長可変部329で反射して再度ファイバーカプラー321に戻る。
ファイバーカプラー321に到達した反射光と参照光は合波され、光ファイバーを通して検出光学系326に導光される。検出光学系326に入った光はコリメータ330で出射され、グレーティング331により波長ごとに分光される。分光された光はレンズ系332を通してラインセンサー333に照射される。ラインセンサー333はCCDセンサーで構成される場合もあるし、CMOSセンサーで構成される場合もある。検出光学系326によって分光された干渉光情報をもとに、制御部334によって眼底の断層画像が構成される。制御部334は光路長可変部329を制御し、所望の深さ位置の画像を取得できる。また、制御部334は走査部309−1、309−2も同時に制御しており、任意の位置の干渉信号が取得可能である。得られた干渉信号から断層画像を作成することにより、3次元ボリュームデータが取得される。
OCTのスキャンパターン制御や、OCTA画像の構築方法は実施形態1と同様である。
次に図12に示すフローチャートを用いて、本実施形態での画像処理ユニットの制御方法を説明する。
本例は、AOOCTとAOSLOが組み合わされた装置であり、両画像が同時に取得される。両画像の撮影領域も、フォーカス位置も同じであり、AOOCT撮影では一般的に注目層にフォーカスを指定するので、フォーカス位置と解析対象である層の位置も該同一となる。故に、AOOCT画像もしくは、AOSLO画像どちらかを指定することで、解析対象となる位置および層が決定し、対象となるAOOCTおよびAOSLOデータが決定される。
ステップS401において操作者により解析するAOOCT画像の選択を受ける。ステップS402において、選択された層に該当するAOSLO動画像を取得する。本ステップでは、同じタイミングで記録されたAOSLO動画像を取得すればよい。
次にステップS403において、モーションコントラストを計算し、AOOCTA画像を作成する。
同様に選択されたAOSLO動画像から、ステップS404においてAOSLOのモーションコントラストを計算し、AOSLOA画像を作成する。
両画像は、ステップS405においてディスプレーに表示する。
次にステップS406において、OCTA画像とAOSLOA画像の差異を抽出する。差異抽出の方法としては、画像同士の輝度を演算しても良いし、血管・血流検出の有無を比較するために、各画像を2値化したうえで輝度を演算しても良い。また、各画像から血管位置を位置データとして算出し、算出したそれぞれの血管情報の差異を抽出することも可能である。
ステップS407において差異を表示する方法を選択し、差異表示を行う。ステップS406で抽出した差異情報をステップS408におけるAOOCTA画像上への表示、ステップS409におけるAOSLOA画像上への表示、ステップS410におけるAOSLO動画像上への表示することができる。またこれらの組み合わせで表示しても良い。
このように、更に、操作者が注目するAOOCTかAOSLO画像を指定するだけで、両画像間の比較が可能となり、各装置間の特性による検出情報の差を容易に詳細に把握することが可能で、各血管・血流の特性を判断することができる。
[その他の実施例]
なお、上述した実施形態では、被検査物が眼の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検査物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科撮影装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科撮影装置に例示される画像処理装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが好ましい。
また、本発明は、以下のように装置を構成することによっても達成できる。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(又は記憶媒体)をシステム或いは装置に供給することとしてもよい。また、該記録媒体の態様だけでなく、コンピュータの読み取り可能な記録媒体としてもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、該記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、該実施形態は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (12)

  1. 被検査物に設定される撮影領域の複数の断層画像と平面動画像を取得する取得手段と、
    前記複数の断層画像から第一のモーションコントラスト画像を生成する第1の生成手段と、
    前記平面動画像から第二のモーションコントラスト画像を生成する第2の生成手段と、
    前記第一のモーションコントラスト画像と前記第二のモーションコントラスト画像の差異を解析する解析手段と、
    前記解析結果を表示手段に表示する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記第一のモーションコントラスト画像と、前記第2のモーションコントラスト画像と、前記平面動画像とを前記表示手段の同一画面に表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記制御手段は、前記第一のモーションコントラスト画像に、前記解析結果に基づき前記差異に関する情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記第二のモーションコントラスト画像に、前記解析結果に基づき前記差異に関する情報を表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記平面動画像に、前記解析結果に基づき前記差異に関する情報を表示する請求項2乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記解析結果に基づき、前記第一のモーションコントラスト画像に前記差異のある領域を拡大表示することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記解析結果に基づき、前記第2のモーションコントラスト画像に前記差異のある領域を拡大表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 前記複数の断層画像から、層を抽出する抽出手段を更に有し、
    前記第一の生成手段は、前記第一のモーションコントラスト画像は、抽出された層に対応して生成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記第一の生成手段は、前記平面動画像のフォーカス位置に基づいて前記第一のモーションコントラスト画像を生成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 被検査物に設定される撮影領域の複数の断層画像と平面動画像を取得する取得工程と、
    前記複数の断層画像から第一のモーションコントラスト画像を生成する第1の生成工程と、
    前記平面動画像から第二のモーションコントラスト画像を生成する第2の生成工程と、
    前記第一のモーションコントラスト画像と前記第二のモーションコントラスト画像の差異を解析する解析工程と、
    前記解析結果を表示手段に表示する制御工程とを有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  11. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置を、コンピュータで実現するためのプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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