<第1実施形態>
以下、添付図面等を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る生体情報測定システムを、体重および体脂肪等の身体情報(生体情報)の測定が可能な四電極タイプの体組成計に適用した例について説明する。ただし、本発明にかかる生体情報測定システムは、八電極タイプの体組成計、或いは単なる体重計等にも適用することができる。なお、以下に説明する体組成計10は、住宅に載置され、当該住宅に住む住人の日々の健康管理に用いられることを前提とする。
図1は、本実施形態に係る体組成計10の外観を示す図である。図1に示すとおり、体組成計10は、利用者(住人)の生体インピーダンスを測定するための電極部1及び2と、表示部3と、操作部4と、侵入検知部5と、報知部6と、を備える。また、体組成計10は、図1で示す外観には表れていないが、その内部に、利用者の体重を計測するための荷重センサ8と、時刻及び年月日を取得するためのタイマ12と、外部機器と無線通信を行うためのインターフェイスとなる通信部9と、記憶部11とを備える(図2参照)。ただし、各構成が体組成計10の外観に表れているか否かについては上述した態様に限られない。特に、侵入検知部5と報知部6とは、図示するように外観に表れている必要は必ずしもなく、体組成計10の内部に構成されてもよい。
電極部1及び2は、利用者の左右の足にそれぞれ電流を流すための通電電極1a、2aと、両足の電圧を計測するための計測電極1b、2bとから構成される。また、電極部1及び2は、利用者が体組成計10に乗った時に、両足のつま先が通電電極1a、2aに、両足の踵が計測電極1b、2bにそれぞれ接触するように互いに離間して配置される。
表示部3は、利用者に生体情報に関する測定結果等を表示するための表示手段として機能する。表示部3には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の液晶表示パネルが採用される。
操作部4は、利用者の入力操作を受け付ける入力インターフェイスとして機能する。具体的には、操作部4は、複数の操作ボタンから構成されており、身長、性別、及び年齢等の基礎生体情報を入力するための入力ボタン、及び体組成計10の電源をON/OFFするための電源ボタン等を含む。また、操作部4は、体組成計10が備える複数のモードを切り替えるための切り替えボタンとして構成されてもよい。体組成計10が備える複数のモードの詳細については後述する。なお、表示部3に入力インターフェイスとして機能するタッチパネルが採用された場合は、操作部4を省略し、操作部4の機能を表示部3に含ませてもよい。
侵入検知部5は、住宅への人の立ち入りを検知する検知手段として構成される。侵入検知部5は、例えば、以下に例示するような物理現象を検知可能なセンサを含んで構成される。具体的には、侵入検知部5として、例えば、照明の点灯等により生じる光を検出可能な光検出手段として機能する光センサ(受光素子)が用いられる。また、侵入検知部5として、ドアの開閉、鍵の解除、又は人の歩行等により生じる音或いは振動を検出可能な音/振動検出手段として機能する音/振動センサが用いられてもよい。また、侵入検知部5として、人の体温等に起因する温度変化を検出する温度検出手段として機能する温感センサが用いられてもよい。また、侵入検知部5として、人体から放出される熱エネルギー(赤外線)を検出する赤外線検出手段として機能する焦電センサが用いられてもよい。また、侵入検知部5として、出力した赤外線、レーザー又は超音波の反射を検出することによって人の存在を検出する光学式又は超音波式センサが用いられてもよい。
侵入検知部5は、例示したようなこれらのセンサの少なくとも一つを含んで構成される。本実施形態の体組成計10は、侵入検知部5を後述する防犯モードにおいて起動させ、住宅に人が立ち入ることによって生じる物理現象を検出することにより、住宅への人の立ち入りの有無を検知することができる。なお、以下では、住人が立ち入る行為は違法性の無い行為であるが、当該行為も「侵入」と称する場合がある。侵入検知部5が起動する防犯モードの詳細は後述する。
なお、侵入検知部5は、必ずしも体組成計10に設けられる必要はない。侵入検知部5は、体組成計10とは別の装置として、体組成計10と通信可能に別個に構成されてもよい。この場合は、侵入検知部5は、検知した情報を体組成計10に通信部9を介して送信可能に構成される。
報知部6は、後述する報知信号生成部23が生成した報知信号に基づいて、住宅に人が侵入したことを報知する報知(警報)手段として構成される。報知部6は、例えばスピーカーで構成され、住宅に人が侵入したことを、例えば大音量の警報ブザー音を鳴らす等して近隣に報知する。報知信号生成部23については後述する。
なお、報知部6は、必ずしも体組成計10に設けられる必要はない。報知部6は、体組成計10とは別の装置として、体組成計10と通信可能に別個に構成されてもよい。この場合は、報知部6は、体組成計10が生成する後述の報知信号を通信部9を介して受信可能に構成され、当該報知信号に基づいて住宅に人が侵入したことを報知する。
荷重センサ8(図2参照)は、例えばロードセルであり、体組成計10の上面から加わる荷重を計測することにより利用者の体重を測定する。また、利用者の体重を単に計測するだけでなく、利用者が体組成計10に乗った際の荷重の変化を計測することもできる。
タイマ12(図2参照)は、現在の年月日、及び時刻を取得する。また、計時することもできる。
通信部9(図2参照)は、外部機器との無線通信を行うためのインターフェイスである。通信部9の通信形式は、例えば近距離無線通信であり、具体的にはブルートゥース(登録商標)及び無線LANを含む。なお、ここでの外部機器は、例えば、住人が有するスマートフォン等であり、当該スマートフォンに実装されたアプリを操作することにより、後述するモードの切替ができるように構成される。
図2は、本実施形態における体組成計10の主要な機能構成を示すブロック図である。体組成計10の機能構成について、図2を参照してより詳細に説明する。
体組成計10は、上述した表示部3、操作部4、侵入検知部5、報知部6、生体インピーダンス測定部7、及び、通信部9を備える。また、体組成計10は、荷重センサ8、記憶部11、タイマ12、生体インピーダンス算出部21、モード切替部22、及び報知信号生成部23を含む制御部20を主に備える。
生体インピーダンス測定部7は、通電電極1a、2aに接続された電流供給部7xと、計測電極1b、2bに接続された電圧測定部7yとから構成される。そして、電流供給部7xが利用者に通電電極1a、2aを介して交流電流を供給するとともに、電圧測定部7yが計測電極1b、2bを介して利用者の電圧を計測する。
生体インピーダンス算出部21は、生体インピーダンス測定部7により供給された電流及び計測された電圧の各値に基づいて利用者の生体インピーダンスを算出し、算出結果を記憶部11に格納する。なお、生体インピーダンスを算出する方法としては、いわゆるBIA(Bioelectrical impedance analysis;生体電気インピーダンス法)を用いればよく、公知の体組成計と同様で構わない。なお、本実施形態においては両足間の生体インピーダンスを計測可能に構成された体組成計の例を示しているが、必ずしも両足間である必要はなく、両手間の生体インピーダンスを計測可能に構成してもよいし、八電極により両手両足の生体インピーダンスを計測可能に構成してもよい。
記憶部11は、体組成計10の動作を制御する制御プログラムが格納されている。すなわち、記憶部11は、本実施形態の生体情報測定システムの機能を実現するプログラムを格納する記憶媒体として機能する。記憶部11は、不揮発性メモリ(ROM;Read Only Memory)及び揮発性メモリ(RAM;Random Access Memory)等により構成される。
また、記憶部11は、操作部4に入力された基礎生体情報や、生体インピーダンス測定部7からの生体インピーダンス情報、及び荷重センサ8からの体重に関する情報を、タイマ12からの時間情報に関連付けて記憶することができる。
また更に、記憶部11には、制御プログラムの一つとして防犯機能プログラムが格納されている。この防犯機能プログラムによれば、体組成計10は、機能状態として二つのモード「通常モード」、及び、「セキュリティモード」を有するように構成される。
「通常モード」は、通常の体組成計として機能するモードであって、住人の生体情報を測定可能に待機するモードである。通常、体組成計は、住宅に設置され、当該住宅の住人が日々の健康管理の一環として自身の体組成を測定するために用いられる。通常モードは、このような体組成計の一般的な利用目的を満足するために設定されるモードである。換言すれば、通常モードに設定された体組成計10は、利用者の体組成を測定する一般的な体組成計として機能する。
「セキュリティモード」は、住宅用の防犯装置として機能するモードであって、住宅への人の侵入を警戒するとともに、侵入者の存在を検知した場合にはそれを報知するモードである。なお、ここでの侵入者とは、他人の住宅に住人の許可なく立ち入る者であって、いわゆる不法侵入者に該当し得る者である。本実施形態におけるセキュリティモードは、主機能の性質に対応して二つのモード「防犯モード」、及び、「報知モード」に切り分けられる。
「防犯モード」は、住人の所定の操作によって通常モードから移行するモードであって、住人が不在の住宅において、当該住宅への人の侵入の有無を上述の侵入検知部5を用いて検知するモードである。
「報知モード」は、防犯モードにおいて人の侵入が検知された場合に移行するモードであって、当該人が住人か侵入者かを判別し、当該人が侵入者であると判定した場合には、当該侵入者の存在を報知するための報知信号を生成するモードである。体組成計10は、このような防犯制御プログラムを有することにより、通常の体組成計としての機能と、住宅用防犯装置としての機能を兼ね備える。これら各モードの詳細については後述する。
制御部20は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)と、上述したような各機能構成と接続される入出力インターフェイスと、これらを相互に接続するバスと、により構成される。制御部20は、記憶部11に格納されている制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入出力インターフェイスを介して体組成計10の各部を制御する。
より具体的には、制御部20は、表示部3、操作部4、侵入検知部5、報知部6、生体インピーダンス測定部7、荷重センサ8、記憶部11、タイマ12、生体インピーダンス算出部21、後述するモード切替部22、及び、報知信号生成部23の各々を制御する。
ここで、モード切替部22等の詳細を説明する前に、本実施形態の体組成計10が解決する課題について説明する。上述したように、一般的な住宅用防犯装置では、住人と侵入者とを区別するために、帰宅時にドアを開けてから一定時間内に所定の解除操作を行うことで自身が住人であることを証明し、当該防犯装置のセキュリティ機能を解除する必要がある。上述の特許文献1では、この解除操作の負担を軽減するために、複数パターンの簡易な解除操作を備え、住人がその日の解除操作を日毎に設定することができる住宅用防犯装置が提案されている。
しかしながら、この住宅用防犯装置によれば、解除操作の負担がたしかに軽減されてはいるものの、この解除操作を実行する作業は、防犯機能を解除する以外には意味のない作業であり、防犯機能を解除するために日々の生活に付加的に強いられる専用の作業である。本実施形態の体組成計10は、このような事情に鑑みて発明されたものであり、防犯機能を解除する作業負担をより軽減乃至解消することを目的とする。
モード切替部22は、体組成計10が有する複数のモード(通常モード、防犯モード及び報知モードを含むセキュリティモード)を切り替えるモード切替手段として機能する。本実施形態の体組成計10は、電源がONされた際の初期状態として通常モードが設定されている。そして、モード切替部22は、モード切替に関する所定の入力操作に応じて、体組成計10のモードを通常モードからセキュリティモード(防犯モード)に切り替える。
体組成計10のモードを通常モードからセキュリティモードに切り替えるための所定の入力操作とは、操作部4がモード切り替えを指示するインターフェイスとして構成されている場合には、例えば操作部4に割り当てられた切替ボタンを押下する操作である。或いは、体組成計10の動作モードが、住人が所有するスマートフォンに実装された専用のアプリケーション等(以下単にアプリと称する)を操作することにより無線通信を介して切替可能に構成されている場合には、例えば、モード切替を指示する当該アプリの操作である。いずれの場合であっても、本実施形態のモード切替部22は、操作部4又は通信部9を介して検出される住人による所定の入力操作によって、体組成計10のモードを通常モードから防犯モードへ切り換え可能に構成される。
なお、通常モードから防犯モードへの切り替えに係る所定の入力操作は、原則として体組成計10が載置された住宅から最後に外出する住人により実行される。換言すれば、体組成計10を所有する人乃至家族は、外出等により住宅を空ける際には、体組成計10の防犯機能を有効にするために、体組成計10の動作モードを通常モードから防犯モードに切り替えてから外出することが要求される。ただし、体組成計10の動作モードを通常モードから防犯モードに切り替えるタイミングは、厳密に外出時(玄関を出る時)である必要は必ずしもない。アプリ操作等により無線通信を介して切替え可能な場合には、家を出た後に、当該アプリ操作等により任意のタイミングで切り替えてもよい。
そして、モード切替部22は、防犯モードにおいて、侵入検知部5から検知信号が入力された場合には、体組成計10の動作モードを防犯モードから報知モードへ切り換える。
報知モードでは、モード切替部22は、防犯モードにおいて人の侵入が検知された時から所定時間内に体組成が測定されたか否かを判定することにより、侵入した人が住人か侵入者かを判別する。モード切替部22は、人の侵入が検知された時から所定時間内に体組成が測定された場合には、当該人は住人であると判断して、体組成計10のモードを報知モードから通常モードへ切り換える。一方、モード切替部22は、人の侵入が検知された時から所定時間内に体組成が測定されなかった場合には、当該人は侵入者であると判断して、報知モードを維持する。
すなわち、本実施形態の体組成計10におけるセキュリティ機能の解除操作は、住宅への帰宅後に体組成計10を用いて自身の体組成を測定する行為である。自身の体組成を測定する行為は、体組成計10を用いて自身の生体情報を測定することが習慣として生活に組み込まれている人にとっては、日々の生活において通常行われる行為であって、セキュリティ機能の解除操作のための専用の行為ではない。したがって、帰宅してから所定時間内に自身の体組成を測定する行為をセキュリティ機能の解除操作として設定することにより、セキュリティ機能の解除操作にかかる負担を大幅に軽減乃至解消することができる。
また、現時点においては日々の健康管理として自身の体組成を測定することが習慣化されていない場合であっても、体組成計10のセキュリティ機能を住宅に実装することにより、日々の健康管理として自身の体組成を測定することを習慣化することができるので、健康の維持、又は増進に寄与し、日々の生活の質の向上を図ることができる。モード切替部22による通常モード、防犯モード、及び報知モードの切り替えの詳細については図3を参照して後述する。
報知信号生成部23は、報知モードにおいて、住宅への人の侵入を報知するための報知信号を生成する報知信号生成手段として機能する。報知信号生成部23により報知信号が生成されると、制御部20は、生成された報知信号に応じて、住宅への人の侵入を報知部6を介して近隣に報知する。また、それに加えて、或いは代えて、報知信号生成部23により報知信号が生成されると、制御部20は、生成された報知信号に応じて、住宅への人の侵入を通信部9を介して住人に通知してもよい。
なお、体組成計10は不図示のバッテリを有し、当該バッテリを電源として駆動するように構成される。当該バッテリは、一次電池でもよいし、充電可能な二次電池でもよい。また、AC電源を電源としてもよい。また、体組成計10は、冗長電源をさらに有していてもよい。冗長電源を有していることにより、例えば侵入者が侵入の報知をおそれてバッテリを取り外す等してバッテリが消失した場合であっても冗長電源により駆動を継続することができる。
また、特にセキュリティモード(報知モード)中にバッテリが消失、又はAC電源が除去された場合には、バッテリが消失等した原因が侵入者である可能性を考慮して、電源が冗長電源に切り替わったタイミングで侵入者の存在を近隣に報知するために報知部6を介してブザーを鳴らすなどしてもよい。また、冗長電源に切り替わったときに、バッテリが消失した旨をメール等で住人に通知してもよい。なお、通常の使用においてもバッテリが低下し、電源が消失する場合はある。このような場合には、電源が消失しそうであることを住人に通知してもよい。これにより、住人は、住宅のセキュリティ機能が解除される可能性があることをセキュリティ機能が解除される前に知ることができる。
以上が、本実施形態の体組成計10が備える主な機能構成の詳細である。以下では、体組成計10が実行する処理であって、住宅への人の侵入を検知してから報知信号を生成するまでの処理である報知信号生成処理の詳細について図3を参照して説明する。
図3は、第1実施形態の体組成計10が実行する報知信号生成処理の流れを示すフローチャートである。以下に説明する報知信号生成処理は、記憶部11に格納されている制御プラグラムに基づいて実行される。なお、本実施形態の報知信号生成処理は、体組成計10のモードが「セキュリティモード(防犯モード)」に移行するのと同時に開始される。また、前提として、体組成計10は住宅内に設置されているものとする。
ステップS10では、制御部20は、上述の侵入検知部5を用いて住宅への人の侵入の有無を判定する。制御部20は、侵入検知部5が、例えば光センサを含んで構成されている場合には、侵入者が照明を点灯させる等して発生した光を検知した時に、住宅に人が侵入してきたと判定して、続くステップS11の処理を実行する。他の例として、制御部20は、侵入検知部5が例えば振動センサを含んで構成されている場合には、侵入者が住宅内を移動する際の振動を検知した時に、住宅に人が侵入してきたと判定して、続くステップS11の処理を実行する。侵入検知部5が上述したような物理現象を検知せず、住宅への人の侵入がないと判定される場合には、人の侵入が検知されるまでステップS10の処理が繰り返し実行される。
ステップS11では、モード切替部22は、住宅への人の立ち入りを検知したことをトリガとして、体組成計10のモードを防犯モードから報知モードへと切り替える。体組成計10の動作モードが報知モードへ切り換わると、制御部20は、続くステップS12の処理を実行する。
ステップS12では、制御部20は、続くステップS13において体組成計10の動作モードが防犯モードから報知モードへ切り替わってから所定時間経過したか否かを判定するために、計時を開始する。
ステップS13では、制御部20は、体組成計10の動作モードが防犯モードから報知モードへ切り替わってから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過していないと判定されると、体組成計10を用いて体組成が測定されたか否かを判定するためにステップS14の処理が実行される。所定時間が経過したと判定された場合には、報知信号を生成するためにステップS16の処理が実行される。
ステップS14では、制御部20は、ステップS13で規定する所定時間内に体組成計10を用いて体組成が測定されたか否かを判定する。体組成が測定されたと判定されると、測定された体組成を記憶部11に格納するためにステップS15の処理が実行される。体組成が測定されていないと判定された場合は、制御部20は、ステップS13で所定時間経過したと判定されるまで本ステップを繰り返し実行する。
ここで、上述したように、本実施形態における防犯モードの解除操作は「体組成計10を用いて体組成を測定すること」である。すなわち、ステップS13で所定時間経過したと判定されるまで、本ステップの処理が繰り返されることにより、制御部20は、住宅への人の侵入が検知された時から所定時間が経過するまでに解除操作が行われたか否かを判定することができる。
なお、ここでの所定時間は、防犯性能の観点からはなるべく短い時間が好ましいことを前提に、住人が帰宅してから自身の体組成を測定するまでに要する妥当な時間を考慮して適宜設定される。ここでの妥当な時間には、体組成計10の設置場所も考慮されてよい。妥当な時間は、体組成計10を脱衣所に置くか、リビングに置くか等によっても異なるし、住人の帰宅してからの行動パターン(導線パターン)によっても異なる。また、住宅のサイズによっても異なってくる。したがって、所定時間は、住人が任意に設定してもよい。本実施形態において設定される所定時間は、例えば2分である。
ステップS14において、所定時間以内に解除操作が行われたことが確認されると、ステップS15の処理が実行される。ステップS15では、制御部20は、ステップS14で測定された体組成に関するデータを時間情報(例えば、日時)と関連づけて記憶部11に格納する。格納された体組成に関する情報は、住人の日々の健康管理における本日分の測定データとして管理される。ただし、侵入者が、体組成を測定することがセキュリティモードの解除操作であることを知っていた場合には、格納された体組成に関する情報が当該侵入者の体組成に関する情報である場合もある。この場合には、格納された体組成に関する情報を侵入者の特定につながる情報として後日活用することができる。
ステップS16では、ステップS14において所定時間内に解除操作が行われたことが確認されたので、制御部20は、体組成計10のモードをセキュリティモード(報知モード)から通常モードへ切り換えて、報知信号生成処理を終了する。これにより、住人は、日々の健康管理のために行う日常の行為によって、セキュリティモードを解除することができる。すなわち、住人は、体組成計10が備える防犯機能を、防犯機能を解除するための専用の操作を要さずに、日常の行動によって解除することができる。
他方、ステップS17では、解除操作が行われたことを確認できないまま所定時間が経過したので(ステップS13でYES判定)、報知信号生成部23は、住宅に人が侵入したことを報知するための報知信号を生成する。報知信号が生成されると、制御部20は、生成された報知信号に基づいて、住宅に人が侵入したことを報知部6を介して近隣に報知して、報知信号生成処理を終了する。
なお、体組成計10は、生成された報知信号に基づいて報知部6を介して報知するだけでなく、これに加えて、或いは代えて、電話回線又はインターネット回線等を介して警備会社や警察消防等に通報してもよい。また、体組成計10は、生成された報知信号に基づいて、住宅に人が侵入したことを電話回線又はインターネット回線等を介して住人にメール等で通知してもよい。その場合は、図2で示した通信部9は、電話回線又はインターネット回線等に接続可能に構成される。なお、報知信号に基づいて上述のような報知、通知、又は通報等が行われる必要は必ずしもない。生成された報知信号は、例えば人が侵入した事実を証拠として保存することを目的として記憶部11に記憶されるだけであってもよい。
以下、本実施形態における作用効果について説明する。
本実施形態によれば、住宅に載置され、住人の日々の健康管理に用いられる生体情報を測定する生体情報測定部(体組成計10)と、住宅への人の立ち入りを検知する検知部(侵入検知部5)と、侵入検知部5により住宅への人の立ち入りが検知された時から所定時間内に生体情報が測定されなかった場合に、住宅への人の侵入を報知するための報知信号を生成する報知信号生成部23を備える。これにより、日々の健康管理のために通常行われる行為により住宅へ人が侵入したことが報知されることを回避できるので、セキュリティ機能の解除操作にかかる負担を軽減乃至解消することができる。また、人の立ち入りが検知された時から所定時間内に生体情報が測定されなかった場合には、報知信号が生成されるので、体組成計10による防犯機能を確実に発揮することができる。
また、本実施形態によれば、住人の生体情報を測定可能に待機する通常モードと、侵入検知部5を用いて住宅への人の侵入を警戒するセキュリティモードと、を備え、報知信号生成部23は、セキュリティモードにおいて侵入検知部5により住宅への人の立ち入りが検知された時から所定時間内に生体情報が測定されなかった場合に報知信号を生成する。このように、通常モード及びセキュリティモードを備えることによって、例えば、体組成計10の動作がセキュリティモードに設定されている場合に限り、所定時間内に生体情報が測定されなかった場合に報知信号を生成することができる。したがって、住人以外の人の侵入が起こり得ないような通常モードにおいて報知信号が誤って生成されるのを回避することができる。
また、本実施形態によれば、セキュリティモードにおいて住宅への人の立ち入りが検知された時から所定時間内になされた生体情報の測定に応じて、当該セキュリティモードから通常モードに切り替えられる。このような構成により、住人の日々の生活において通常行われる行為により住宅のセキュリティ機能(セキュリティモード)を解除することができる。例えば、セキュリティモードにおいて、所定時間内に生体情報が測定された場合、又は、その測定結果が住人の生体情報に該当すると判定された場合などに、セキュリティ機能を解除することができる。
また、本実施形態によれば、通常モードにおいて住人によりなされた所定の操作(入力操作)に応じて、通常モードからセキュリティモードに切り替える。これにより、住宅に載置され住人の日々の健康管理に用いられる体組成計を、住人の所望のタイミングで住宅用防犯装置として機能させることができる。
また、本実施形態によれば、セキュリティモードにおいて測定された生体情報は、測定された時間と関連付けて記憶される。これにより、例えば、体組成計10にセキュリティ機能が備わることを知っていた侵入者に当該機能を解除され、侵入者に逃げられたとしても、当該生体情報を、侵入者を特定する情報として後日活用することができる。
また、本実施形態によれば、生体情報は、体重及び体組成の少なくともいずれか一方である。これにより、住人の日々の健康管理として、体重及び体組成の少なくともいずれか一方を用いてセキュリティ機能を解除できるとともに、これらの生体情報を測定することをより確実に習慣化することができる。
<第2実施形態>
以下では、本発明に係る生体情報測定システムが適用される第2実施形態の体組成計10について説明する。
第2実施形態の体組成計10は、報知信号生成処理で実行される報知信号を生成するか否かの判断において、所定の条件を満たすか否かを判定するステップが追加されている点が第1実施形態と相違する。
より具体的には、第2実施形態の体組成計10は、体組成判定部24をさらに備える点が第1実施形態と相違する。体組成判定部24は、報知信号生成処理中において、報知モードに移行した時から所定時間が経過する前に体組成が測定された場合に、測定された体組成が予め記憶された住人の体組成と一致するか否かを判定する。以下では、本実施形態に特徴的な体組成判定部24を中心に、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図4は、第2実施形態の体組成計10の主要な機能構成を示すブロック図である。第1実施形態と同様の構成は同じ指示番号を付して説明を省略する。図4が示すように、本実施形態の体組成計10は、制御部20の一機能部として体組成判定部24をさらに備える。体組成判定部24の機能の詳細については、図5を参照して説明する。
図5は、第2実施形態の体組成計10が実行する報知信号生成処理の流れを示すフローチャートである。以下に説明する報知信号生成処理は、記憶部11に格納されている制御プログラムに基づいて実行される。なお、第1実施形態と同様のステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。図中のステップS20が、本実施形態に特徴的なステップであって、体組成判定部24により実行される処理である。
ステップS20は、図示する通り、報知モードに移行してから所定時間が経過する前に体組成計10を用いて体組成が測定され(ステップS14)、ステップS15において測定された体組成測定値が記憶部11に格納された後に実行される処理である。
ここで、ステップS20で実行される処理の詳細を説明する前に、本実施形態の報知信号生成処理を実現するにおいて前提となる体組成計10の機能について説明する。本実施形態の体組成計10は、測定された住人の体組成を住人毎に識別可能に記憶する機能を有している。例えば、四人家族であれば、四人それぞれの体型、性別、及び、年齢等の違いに起因して、各人の体組成が相違している場合が多い。本実施形態の体組成計10は、この各人の体組成の相違に基づいて、各人の体組成を識別可能に予め登録しておき、測定された体組成測定値が家族四人のうちの誰の体組成であるかを判別することができる。より具体的には、体組成計10は、体組成が測定された際に、測定された体組成測定値と、事前に測定された各人の体組成とを比較して、測定された体組成が住人の誰の測定値なのかを特定する機能(体組成識別機能)を備えている。
ステップS20では、体組成判定部24は、上述の体組成識別機能を用いて、ステップS15で測定された体組成(体組成測定値)が、登録された住人の体組成のうちの何れか一人の体組成(体組成登録値)と一致しているか否かを判定する。体組成測定値と体組成登録値とが一致していると判定された場合には、報知モードに移行してから所定時間経過前に測定された体組成が住人のものであると判断して、セキュリティモードを解除して通常モードに移行するためにステップS16の処理を実行する。体組成測定値と体組成登録値とが一致しないと判定された場合には、報知モードに移行後に測定された体組成は、住人ではなく侵入者のものであると判断して、報知信号を生成するためにステップS17の処理を実行する。
これにより、本実施形態の体組成計10によれば、例えば侵入者が、体組成計10を用いて体組成を測定することがセキュリティモードの解除操作であることを知っており、所定時間経過前に体組成を測定した場合でも、住人と侵入者とを判別して、適切に防犯機能を発揮することができる。
ただし、体組成測定値と体組成登録値とが一致しているか否かの判定において、一致していると判定する範囲(許容範囲)は適宜調整されてもよい。少なくとも、測定時の服装のバラつきを考慮して、被服等の重量(例えば2kg)に起因する乖離は許容されるように設定するのが好ましい。許容範囲を狭くし過ぎると、通常モード時に測定する際の服装と、帰宅時の服装とが異なること等に起因して、住人の体組成測定値であっても侵入者のものと誤判定してしまう確率が高まるからである。
また、報知モードに移行してから体組成が測定されるまでの時間が長くなるのに応じて、許容範囲がより狭くなるように設定してもよい。住人は、体組成計10で体組成を測定することが解除操作であることを知っており、且つ、体組成計10の設置場所を把握している。よって、住人が帰宅してから体組成を測定するまでの時間は相対的に短いことが想定される。一方、侵入者は、体組成計10を用いて体組成を測定することが解除操作であることを知らないか、仮に知っていたとしても体組成計10の設置場所を把握していないはずである。よって、侵入者が住宅に侵入してから体組成を測定するまでの時間は相対的に長いことが想定される。したがって、体組成が測定されるまでの時間が長くなるほど許容範囲を狭くすることにより、許容範囲を、住人に対しては広く、侵入者に対しては狭く設定することができるので、防犯機能を向上させつつ、住人を侵入者と誤判定する確率を低減することができる。なお、住人が帰宅後に着替える等して帰宅から測定までの時間が長くなり、許容範囲が狭くなったとしても、日常的な服装に着替えた後の測定であれば被服の重量に起因する乖離は小さくなるので、結果として誤判定される可能性を高めることはない。
また、許容範囲は季節や気温によって調整されてもよい。例えば、夏や気温が高い日は服装の重量が相対的に軽くなることが想定されるので許容範囲を狭くし、冬や気温が低い日は服装の重量が相対的に重くなることが想定されるので許容範囲を広くしてもよい。
また、本実施形態の体組成計10は、報知信号を生成するか否かの判断に用いる所定の条件として、測定に係る動作が一致していることを求めてもよい。具体的には、まず、本実施形態の体組成計10は、荷重センサ8の経時的な測定データに基づいて、住人の体組成計10への乗り方に関する動作を乗り方登録値として予め記憶しておく。そして、体組成判定部24は、ステップS14で体組成が測定される際に、荷重センサ8の経時的な測定データに基づいて乗り方に関する動作を測定して、測定した動作を示す乗り方測定値が予め記憶された住人の乗り方登録値と一致するか否かを判定してもよい。
なお、乗り方に関する動作は、荷重センサ8の経時的な測定データに基づいて例えば図6のように表すことができる。図6は、人が体組成計10に乗った時の荷重センサ8の測定データの変化例を示す図である。図6の横軸は時間を示し、縦軸は荷重を示している。また、同図のwは、利用者の体重計測値を示している。
同図から分かるように、人の体重が計測される際は、体組成計10に乗った瞬間から荷重が増加し、多少の増減を繰り返しながら実際の体重wに収束していく。同図に示すような荷重の推移は、体組成計10への乗り降りに関する動作の態様によって変化する。例えば、体組成計10に乗る動作の激しさに応じて、体重wよりも大きな荷重が瞬間的に測定される場合がある。また、図中のt1は体組成計10から片足を降ろし始めるイミングにおける荷重を示しているが、t1移行の荷重の推移は例えば脚を降ろす動作の激しさに応じて変化する。
このように、体組成計10への乗り方及び降り方に関する動作は荷重センサ8を用いて定量的に測定することができる。したがって、体組成計10に乗った際に荷重が体重wに収束するまでの推移、或いは、体組成計10から降りるときに荷重が0に減少するまでの推移を乗り方測定値として取得して、乗り方測定値と予め記憶した乗り方登録値との一致を報知信号の生成可否に関する所定の条件として加えてもよい。これにより、住人と侵入者とをより精度よく判別することができる。なお、このように設定された所定の条件が満たされない場合には、即ステップS17に移行して報知信号を生成しても良いし、上述の体組成測定値と体組成登録値とが一致しているか否かの判定における許容範囲を狭くしてもよい。
なお、乗り方に関する動作としては、図6で示した経時的な荷重の変化だけではなく、左右どちらの足を先に載せたかどうか(効き足)や、測定している間の姿勢(立位姿勢)に関連する重心位置(荷重バランス)や重心動揺等を指標としてもよい。このような指標を取得したい場合は、荷重センサ8を、例えば、矩形の体組成計10の左右に計二つ、或いは、四隅近辺に計四つ配置する等すればよい。このような構成において、荷重センサ8の各々が荷重を計測することにより、人が体組成計10に乗る際の効き足や、重心位置、重心動揺を測定することができる。
また、他の例として、報知信号を生成するか否かの判定に用いる所定の条件として、体組成計10に乗るタイミングを指標としてもよい。乗るタイミングの基準として例えば体組成計10が、省電力待機が可能な手段としていわゆるスリープモードを有している場合には、以下のようなタイミングが考えられる。
ここで、セキュリティモード中は侵入検知手段のみが常時、又は間欠的に起動するスリープモードに移行するように体組成計10を構成することで、セキュリティモード中の消費エネルギーを低減することができる。この場合、住人が帰宅してから体組成を図る際には、当該スリープモードから復帰させる必要がある。したがって、例えば、スリープモードから復帰する前、スリープモードから復帰してから所定時間経過した後、等のタイミングを住人が体組成計10に乗るタイミングとして予め登録しておき、図5に示したステップS14において測定された際の乗るタイミングと登録した住人の乗るタイミングとが一致するか否かを判定してもよい。なお、体組成計10に太陽電池を設け、スリープモードから復帰する際の復帰信号を当該太陽電池から得られる電流を用いて生成することにより、より省電力化を図ることができる。
また、乗るタイミングに係る指標は、スリープモードからの復帰タイミングを基準にするだけでなく、例えば、0点補正(体組成計10に何も乗っていない状態で荷重センサ8の検出値が0になるようにチューニングする補正)が終了するタイミング等を基準にしてもよい。この場合には、例えば0点補正が終わる前に体組成計10に乗ることを住人が乗るタイミングとして登録しておくこともできる。
このように、測定された乗るタイミングと、乗るタイミングに係る登録値との一致を報知信号の生成可否に関する所定の条件として加えることにより、住人と侵入者とをより精度よく判別することができる。なお、このように設定された所定の条件が満たされない場合には、即ステップS17に移行して報知信号を生成してもよいし、上述の体組成測定値と体組成登録値とが一致しているか否かの判定における許容範囲を狭くしてもよい。
以上、本実施形態によれば、セキュリティモードにおいて人の立ち入りが検知された時から所定時間内に生体情報が測定され、且つ、測定された生体情報が所定の条件を満たす場合に、当該セキュリティモードから通常モードに切り替わる。これにより、セキュリティ機能を解除するか否かの判定が、人の立ち入りが検知されてからの所定時間経過したか否かだけでなく、測定された生体情報の内容まで確認した上で行われるので、侵入者による解除がより困難となり、体組成計10の防犯性能をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、セキュリティモードにおいて測定された生体情報と、予め登録された住人の生体情報とが一致しているか否かを判定する生体情報比較部(体組成判定部24)をさらに備え、体組成判定部24による判定結果を用いて、所定の条件を満たすか否かが判断される。例えば、セキュリティモードにおいて測定された生体情報が体組成判定部24により住人の生体情報と一致していると判定された場合に、所定の条件を満たすと判断される。これにより、侵入者による解除がより困難となり、体組成計10の防犯性能をより向上させる具体的な手段を体組成計10に実装することができる。
また、本実施形態によれば、生体情報は、当該生体情報を測定する間における経時的な荷重の変化に関する情報、及び、生体情報を測定する際に身体の一部を接触させるタイミングに関する情報の少なくともいずれか一方をさらに含む。これにより、セキュリティ機能を解除するか否かの判定が、測定された体重、又は体組成だけでなく、当該体重、又は体組成を測定する際の動作まで確認した上で行われるので、侵入者による解除がより困難となり、体組成計10の防犯性能をさらに向上させることができる。
<第3実施形態>
以下では、本発明に係る生体情報測定システムが適用される第3実施形態の体組成計10について説明する。第3実施形態の体組成計10は、生体情報測定システム100の一要素として構成される。以下の説明において、上記実施形態と同様の構成には同じ指示番号を付して、説明は省略する。
図7は、体組成計10を含む生体情報測定システム100のシステム構成を説明する概略構成図である。生体情報測定システム100は、体組成計10と、監視装置30と、サーバ40と、を含んで構成される。本実施形態では、上記実施形態では体組成計10が有していた住宅への人の侵入を検知する機能を監視装置30が備える。また、上記実施形態では体組成計10が有していた住宅に立ち入った人が住人か侵入者かを判別する機能、及び、報知信号を生成する機能をサーバ40が備える。以下、図面等を参照しながら詳細を説明する。
図8は、本実施形態における体組成計10、監視装置30、及びサーバ40の主要な機能構成を示す図である。
体組成計10は、住宅に設置され、当該住宅の住人が日々の健康管理の一環として自身の体組成を測定するために用いられる。本実施形態の体組成計10は、いわゆる一般的な通常の体組成計である。ただし、体組成計10は、少なくとも、測定された人の体組成に関する情報を、通信部9を介して後述の監視装置30に送信可能に構成される。
監視装置30は、住宅に設置され、主にセキュリティモード中において住宅への人の侵入を監視するとともに、体組成計10とサーバ40との間で種々の情報を通信(送受信)可能に構成される。なお、セキュリティモード以外のモード(通常モード)中は、セキュリティモードに移行するための住人による所定の操作の入力を待機する。当該通常モード中は、例えば、後述する侵入検知部33を単なる映像記録手段として起動させていてもよい。監視装置30は、制御部31と、通信部32と、侵入検知部33と、報知部34と、記憶部35とを主に含んで構成される。また、制御部31は、モード切替部36を備える。
通信部32は、外部機器との無線通信を行うためのインターフェイスである。通信部32は、少なくとも、体組成計10との間で無線LAN接続、例えばwi-fi接続(登録商標)が可能であるとともに、サーバ40とインターネット回線を介して接続可能に構成される。また、上述の通信部9と同様に、住人が有するスマートフォン等の端末と近距離無線通信を介して接続可能であり、当該スマートフォンに実装されたアプリを操作することにより、監視装置30のモードの切替ができるように構成される。なお、モード切替を直接操作できるような操作部を備えていてもよい。
侵入検知部33は、上述した侵入検知部5と同様に、住宅への人の立ち入りを検知する検知手段として構成される。本実施形態の侵入検知部33は、住宅内(敷地内)を撮像可能な撮像素子(イメージセンサ)を有する撮像手段として構成される。
報知部34は、上述した報知部6と同様に、住宅に人が侵入したことを報知する報知(警報)手段として構成される。
記憶部35は、監視装置30の動作を制御する制御プログラムが格納されている。すなわち、記憶部35は、本実施形態の監視装置30の機能を実現するプログラムを格納する記憶媒体として機能する。また、記憶部35は、制御プログラムの一つとして防犯機能プログラムが格納されている。この防犯機能プログラムによれば、監視装置30は、上述したように、住人による所定の操作(例えばアプリ操作)により一機能状態としてのセキュリティモード(防犯モード)が機能するとともに、後述するサーバ40から報知信号が送信された場合には、当該報知信号に基づいて、報知部34を介して人の侵入を報知するように構成される。
また、記憶部35には、侵入検知部33が撮像した撮像データが記憶される。
なお、制御部31は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)と、上述したような各機能構成と接続される入出力インターフェイスと、これらを相互に接続するバスと、により構成される。制御部31は、記憶部35に格納されている制御プログラムを読み出して中央演算処理装置に実行させることにより、入出力インターフェイスを介して監視装置30の各部を制御する。
サーバ40は、住宅、又はインターネットのクラウド上に設けられる。又は、サーバ40は、警備会社等の外部機関に設置されてもよい。サーバ40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを主に含んで構成される。また、制御部41は、体組成判定部44と、報知信号生成部45とを備える。制御部31は、制御部31と同様のCPU,又はサーバ40に割り当て有られたいわゆる仮想CPUであって、主に、体組成判定部44と、報知信号生成部45とを制御する。また、記憶部42は、記憶部11と同様の記憶媒体、又はサーバ40に割り当てられたメモリ領域であって、サーバ40の動作を制御する制御プログラムが格納されている。また、記憶部42には、制御プログラムの一つとして防犯機能プログラムが格納されている。
この防犯機能プログラムによれば、サーバ40は、主にセキュリティモード中において住宅に人が立ち入ったことを監視装置30からの通信により検知した場合には、当該人が住人か侵入者かを判別するとともに、当該人が侵入者であると判定した場合には、報知信号を生成し、生成した報知信号を監視装置30に送信するとともに、警備会社及び又は住人に侵入者の存在を通知するように構成される。
体組成判定部44は、上述した体組成判定部24と同様の機能を有する。体組成判定部44は、セキュリティモード中に体組成計10で測定された人の体組成に関するデータ(体組成測定値)を監視装置30を介して受信すると、記憶部42に予め記憶された住人の体組成登録値と一致するか否かを確認して、測定者が住人か侵入者かを判定する。当該測定者が住人であると判定すると、制御部41は、セキュリティモードを解除するための信号を監視装置30に通信部43を介して送信する。
一方で、体組成判定部44が上記測定者が侵入者であると判定した場合には、報知信号生成部45は報知信号を生成する。そして、制御部41は、生成された報知信号を監視装置30に通信部43を介して送信するとともに、体組成計10が載置された住宅に侵入者がいることを警備会社に通知することで、当該住宅に警備員等を向かわせることができる。一方で、報知信号を受信した監視装置30は、報知部34を介して近隣に侵入者の存在を報知することができる。なお、第1実施形態で述べたように、報知信号生成部45は、侵入検知部33が人の立ち入りを検知してから所定時間内に体組成計10による体組成測定が行われなかった場合(測定された体組成測定値を受信しなかった場合)に、報知信号を生成し、生成した報知信号を監視装置30に送信してもよい。
以上が本実施形態の体組成計10を含む生体情報測定システム100の機能構成の一例である。ただし、上述した生体情報測定システム100の構成はあくまでも一例であって、上述した構成に限られない。例えば、体組成計10が測定した体組成測定値は、監視装置30を介さずに、サーバ40に直接送信可能に構成してもよい。また、生体情報測定システム100において、報知信号生成部45及び体組成判定部44を監視装置30が備え、サーバ40は省略してもよい。体組成計10を含む生体情報測定システム100の構成は、体組成計10による体組成の測定がセキュリティモードの解除操作として機能する点、住宅に立ち入った人が住人か侵入者かを判別する機能が体組成計10以外の外部装置(監視装置30又はサーバ40)に備わる点、及び、体組成計10が測定した体組成及び侵入検知部33が撮像した撮像データ等の侵入者に関する情報が体組成計10以外の外部装置に備わる記憶手段(記憶部35又は記憶部42)に格納される点を満たす限り、適宜変更されてよい。
このような構成により、体組成計10をセキュリティモードの解除操作を行うための装置として独立させることができる。また、体組成計10を含む生体情報測定システム100によれば、例えば侵入者が体組成計10を破壊する等しても、侵入者に関する情報は外部装置(監視装置30およびサーバ40の少なくとも一方)に記憶されているので、侵入者が住宅に侵入した事実(証拠)を確実に記憶することができるとともに、外部電源に送信されたこれらの証拠に基づいて、警備員等を必要に応じて確実に住宅に派遣することができる。なお、このような効果をより確実にするために、監視装置30は、侵入者がすぐに発見できないような場所に設置するのが好ましい。
ここで、上述したように、体組成計10と監視装置30とは、無線LAN、例えばwi-fi接続されている。しかしながら、このwi-fi接続が切断された場合には、監視装置30は、当該切断が侵入者によるものである可能性を考慮して以下のような動作を行うように構成されている。
まず、監視装置30は、セキュリティモード中にwi-fi接続が切断されたときに、切断された時刻を記憶部35に格納するとともに、撮像手段としての侵入検知部33を用いて撮像を開始して、撮像したデータ(映像データ)を記憶部35に格納する。その後、wi-fi接続が復帰した時には、格納した映像データをサーバ40に送信し、サーバ40は受信した映像データを記憶部42に格納する。これにより、wi-fi接続の切断が侵入者に起因するものだった場合には、侵入者が住宅に侵入したことを記憶部42に格納された映像データに基づいて証明することができる。
なお、セキュリティモード中にwi-fi接続が切断された場合において、そのタイミングが報知モードか防犯モードかによって、撮像範囲及び撮像時間を可変にしてもよい。例えば、報知モード中であれば、住宅に人が立ち入っていることが検知された後なので、人が検知される前の防犯モード中に比べて、撮像範囲をより広く、撮像時間をより長く設定してもよい。
また、監視装置30は、セキュリティモード中にwi-fi接続が切断されたときに、体組成計10又は監視装置30の識別番号を、時刻と監視装置30のモード情報(防犯モード又は報知モード)とともにサーバ40に送信してもよい。例えば、監視装置30のモードが報知モードである場合には、侵入者が体組成計10を破壊した可能性がある。したがって、これらの情報を受信したサーバ40は、体組成計10が載置された住宅に侵入者がいることを警備会社に通知することで、当該住宅に警備員等を向かわせてもよい。なお、識別番号は、体組成計10又は監視装置30を所有する利用者を特定する情報として用いられ、例えば利用者の住所等の個人情報と関連付けてサーバ40、或いは警備会社のデータサーバ等に記憶される。
また、体組成計10は、セキュリティモード中にwi-fi接続が切断された場合には、ブルートゥース(登録商標)を用いた接続によりペアリング待機状態に移行してもよい。ペアリング待機状態において、ペアリングが成功しなかった場合にはその旨を時刻とともに記憶しておき、記憶した情報をサーバ40に送信する。又は、ペアリングが成功した場合には、wi-fi接続が切断されてからペアリングが成功するまでに要する時間を、wi-fi接続が復帰した際にサーバ40に送信する。ペアリングは、過去既にペアリングに成功した端末同士であれば二回目以降のペアリングは比較的短時間にスムーズに成功される。したがって、ペアリングが成功しない、又はペアリングが成功するまでにかかった時間が長い場合には、侵入者に起因してwi-fi接続が切断された可能性が高い。したがって、ペアリングが成功しない、又はペアリングが成功するまでに要する時間が長い場合にその情報をサーバ40に記憶しておくことで、wi-fi接続が切断した時刻に侵入者が住宅に存在した可能性を記憶しておくことができる。
また、体組成計10が、第1、第2実施形態で説明したのと同様の構成とした場合には、セキュリティモード中にwi-fi接続が切断された時から、体組成計10単独で当該セキュリティモードを継続させてもよい。
以上、本実施形態によれば、生体情報測定システム100は、住宅に載置され、住人の日々の健康管理に用いられる生体情報を測定する体組成計10と、住宅への人の立ち入りを検知する検知部(侵入検知部33)が備わる監視装置30と、体組成計10が測定した生体情報を取得して、取得した生体情報と、予め登録された住宅の住人の生体情報とを比較する生体情報比較部(体組成判定部44)が備わるサーバ40と、監視装置30とから構成される。このような構成によれば、セキュリティモードと通常モードとの切換を判断するモード切替部が体組成計以外の外部装置(サーバ40)に配置されるので、例えば侵入者が体組成計10を破壊する等しても、セキュリティモードの維持又は切り替えが適切に実行される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述の実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、図3、図5で示すフローチャートは、必ずしも図示するステップを全て備える必要はないし、必ずしも図示する順序で実行される必要はない、また、上述の機能を損なわない限り、図示しない他のステップを含んでいても良い。例えば、測定データを格納するステップS15は省略してもよい。また、例えば、住人が帰宅した場合であっても、ステップS13で所定時間が経過してしまい、ステップS17で報知信号が生成されてしまう場合もあり得る。このような不測の事態を想定して、ステップS17で報知信号が生成された場合に、報知部6を介した報知、或いは、通信部9を介した通知(通報)を止めるためのステップを追加してもよい。このようなステップは、例えば、住人による操作部4を介したパスコードの入力操作等である。
また、上述の体組成計10は、必ずしも住宅に設置される必要はない。例えば、社員の健康管理に関心の高い会社であれば、体組成計10を社屋等に設置することにより、体組成計10によるセキュリティシステムを会社等に実装することもできる。
また、図2、図4及び図8に示した荷重センサ8を除く体組成計10、監視装置30及びサーバ40の各部位については、その機能に応じてCPU又はMPU(Microprocessor)にソフトウェア(プログラム)を実行させることによって実現してもよい。あるいは、各部位は、全部又は一部をASIC(application specific integrated circuit)などの専用のハードウェアにより実現してもよい。このように、体組成計10、監視装置30及びサーバ40の各部位の処理は、ソフトウェア又はハードウェアによって実装可能であり、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実装されてもよい。